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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】光コム距離計測用の光コム発生装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 9/02 20220101AFI20240306BHJP
【FI】
G01B9/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021101126
(22)【出願日】2021-06-17
(65)【公開番号】P2023000359
(43)【公開日】2023-01-04
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】503249810
【氏名又は名称】株式会社OptoComb
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】興梠 元伸
(72)【発明者】
【氏名】今井 一宏
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-086137(JP,A)
【文献】特開2006-039426(JP,A)
【文献】特開2006-337832(JP,A)
【文献】特開2013-007591(JP,A)
【文献】国際公開第2014/203654(WO,A1)
【文献】特開2010-014549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準光と測定光の干渉信号と基準光と測定区間を通った測定光の干渉信号の時間差から距離を測定する光コム距離計測用の光コム発生装置であって、
単一周波数成分を含む光源であって、外部から与えられるディザ信号によってレーザー周波数に変調が加えられたレーザー光を出射するレーザー光源と、
上記レーザー光源に与えるディザ信号を出力するとともに、上記ディザ信号に同期した同期信号を出力するディザ信号源と、
上記レーザー光源から出射されたレーザー光が複数に分離されて入射され、互いに変調周期が異なる光コムを出射する複数の光共振器型光コム発生器と、
それぞれ上記ディザ信号源から供給される上記同期信号に同期した復調用信号を生成する複数の同期装置と
を備え、 上記複数の同期装置により生成される各復調用信号を用いて、上記複数の光共振器型光コム発生器から出射する各光コムに含まれるディザ信号による変調成分を復調することにより、上記レーザー光源のレーザー周波数と上記複数の光共振器型光コム発生器の各光共振周波数とのずれに応じた複数の誤差信号を得て、上記複数の光共振器型光コム発生器の各共振器長を制御して、上記複数の光共振器型光コム発生器の各光共振周波数を上記レーザー光源のレーザー周波数に追従させることを特徴とする光コム距離計測用の光コム発生装置。
【請求項2】
上記複数の光コム発生器から透過光又は反射光として取り出される各光コム出力のパワーを検出する複数の光検出器と、
上記複数の光検出器の検出信号が供給され、それぞれ上記同期装置を備える複数の共振器長制御部と
を備え、
上記複数の共振器長制御部は、それぞれ上記同期装置により生成される上記同期信号に同期した復調用信号と上記光検出器による検出信号により、上記複数の光コム発生器から出射される各光コムに含まれるディザ信号による変調成分を復調して、上記レーザー光源から入射されるレーザー光のレーザー周波数と上記光コム発生器の共振周波数のずれに応じた誤差信号を生成し、この誤差信号を用いて、上記光コム発生器の共振周波数を上記レーザー周波数に追従させる共振制御を行うことを特徴とする請求項1に係る光コム距離計測用の光コム発生装置。
【請求項3】
上記複数の光コム発生器から透過光又は反射光として取り出される各光コム出力のキャリア周波数成分を減衰させる複数の光フィルタを備え、
上記複数の光検出器は、それぞれ上記光フィルタによりキャリア周波数成分が減衰された上記光コムの光強度を検出することを特徴とする請求項2に係る光コム距離計測用の光コム発生装置。
【請求項4】
上記複数の共振器長制御部は、それぞれ、上記光検出器により得られる検出信号と上記同期装置により生成される復調用信号を乗算することにより、上記光コム発生器から出射される光コムに含まれるディザ信号による変調成分の復調出力を得る積算器と、この積算器により得られる復調出力に基づいて、上記レーザー光源から入射されるレーザー光のレーザー周波数と上記光コム発生器の共振周波数のずれに応じた誤差信号を得て、上記光コム発生器の共振周波数を上記レーザー周波数に追従させる共振器長制御信号を生成する制御信号発生部とを備えることを特徴とする請求項3に係る光コム距離計測用の光コム発生装置。
【請求項5】
上記複数の共振器長制御部は、それぞれ上記光検出器の検出信号の信号レベルに基づいて、共振モードのピークを判別する信号レベル判定部を備え、それぞれ、上記信号レベル判定部による判定出力に基づいて、上記制御信号発生部により、上記共振モードのピーク位置を基準にした安定点とする帰還制御を行う共振器長制御信号を生成することを特徴とする請求項4に記載の光コム距離計測用の光コム発生装置。
【請求項6】
上記複数の光共振器型光コム発生器は、変調周波数の異なる複数の変調信号が巡回的に切り替えられて供給され、互いに変調周期が異なる光コムを出射することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の光コム距離計測用の光コム発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基準光と測定光の干渉信号と基準光と測定区間を通った測定光の干渉信号の時間差から距離を測定する光コム距離計測用の光コム発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば光周波数を高精度に測定する場合に光コム発生器(Optical Frequency Comb Generator)が使用されている。すなわち、2つのレーザー光をヘテロダイン検波してその差周波数を測定する場合、その帯域は受光素子の帯域で制限され、おおむね数十GHz程度であるので、光コム発生器を用いて広帯域なヘテロダイン検波系を構築するようにしている。光コム発生器は、入射したレーザー光の側波帯を等周波数間隔毎に数百本以上発生させるもので、発生される側波帯の周波数安定度はもとのレーザー光のそれとほぼ同等である。そこで、この側波帯と被測定レーザー光をヘテロダイン検波することにより、数THz以上に亘る広帯域なヘテロダイン検波系を構築することができる。
【0003】
光コムは、例えば、光通信に応用することで、大量のデータを高速伝送することができる。また、光コムを距離計測の分野に応用することで、ミクロン単位からkm単位までの距離計測を高精度に行うことができる。
【0004】
入射光の光変調を行う光変調器を光共振器内に備える光コム発生器は、光共振器の共振器長さに変動が有ると安定した光コム出力を得ることができない。
【0005】
そこで、安定化した光コム出力を得るために、光コム発生器から透過光又は反射光として取り出される光コム出力の強度を検出して、共振器長を帰還制御するようにしている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0006】
また、本件発明者等は、それぞれ周期的に強度又は位相が変調され、互いに変調周期が異なる干渉性のある基準光と測定光を出射する2つの光コム発生器を備え、基準面に照射される基準光と測定面に照射される測定光との干渉光を基準光検出器により検出するとともに、上記基準面により反射された基準光と上記測定面により反射された測定光との干渉光を測定光検出器により検出して、上記基準光検出器と測定光検出器により得られる2つ干渉信号の時間差から、上記基準面までの距離と上記測定面までの距離の差を求めることにより、高精度で、しかも短時間に行うことの可能な光コム距離計を先に提案している(例えば、特許文献3、4参照。)。
【0007】
すなわち、周波数が異なる2種類の変調信号により駆動される2つの光コム発生器から出射される干渉性のある基準光と測定光を用いることにより、基準光検出器により得られる干渉信号(以下、参照信号と言う。)と、測定光検出器により得られる干渉信号(以下、測定信号と言う。)について周波数解析を行い、光コムの中心周波数から数えたモード番号をNとして、参照信号と測定信号のN次モード同士の位相差を計算して光コム発生器から基準点までの光コム生成、伝送過程の光位相差を相殺した後、周波数軸で次数1あたりの位相差の増分を計算して測定信号パルスと参照信号パルスの位相差を求めることにより、基準点から測定面までの距離を算出することができる。
【0008】
ここで、マイクロ波帯域の変調周波数fm(例えば25GHz)、周波数差Δf(例えば、500kHz)である1対の変調信号により駆動される2つの光コム発生器から出力される基準光と測定光を用いて測定される距離は、基準点から測定面までの全体の距離(絶対距離という)から変調周波数fmの半波長の整数倍の距離を差し引いた剰余の部分である。干渉信号にはΔfの周期性があり、最も近い参照信号と測定信号の位相差が求められる。半波長を超える距離を測定する場合、2πに整数をかけた位相が基準時刻から比較している参照信号までの時間差に相当する位相として内在する。1組の周波数設定ではその整数値を判別することができない。fmをわずかに変えて複数回距離測定を実行することにより、複数の測定条件に合致する値としてその整数が逆算できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第3976756号公報
【文献】特開2006-337832号公報
【文献】特許第5231883号公報
【文献】特開2020-12641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
レーザーの周波数や共振器の共振周波数は温度など外部要因によって常に変化しているため、レーザー周波数と共振周波数の誤差を検出してその誤差がゼロとなるような制御が必要である。
【0011】
光コム発生器では、入力光の周波数を光共振器のいずれかのモードの周波数に一致させて光コムを発生させるので、光コムを効率よく発生させるには、入力光の周波数を光共振器の特定のモードの周波数に一致させるための共振器長の制御が必要である。
【0012】
変調信号の帯域で動作する光検出器やミキサ、位相調整器などの回路を使用して誤差信号を生成して制御することも可能であるが、高周波部品は高価であるほか、マイクロ波は波長が短いため遅延時間が光ファイバの温度特性などで変化する量の補償が位相調整器の調整だけでは対応できないなど実用上の課題もある。
【0013】
また、従来より、光コム発生器から透過光又は反射光として取り出される光コム出力の強度を検出して、共振器長を帰還制御することにより、安定化した光コム出力を得るようにしているが、光コム発生器には光共振器の共振モードが複数あり、次のように光コムを発生しないモード(入力波長成分が大きい)も存在し、この光コムを発生しないモードでは光コム出力を安定化することができないという問題があった。
【0014】
例えば電気光学変調器型の場合では光共振器には偏光の異なる2モードが存在(TE,TMモードなど)する。光コムを発生する偏光モードは(どちらか選択され)FSRが変調周波数の整数分の1に設定され、電気光学定数が大きく光コムの発生効率が大きい。しかしそれ以外の偏光モードはFSRも異なり、電気光学定数も異なるため周波数レンジが大きい光コムにならない。
【0015】
電気光学効果を用いた光コム発生器の場合、主モード以外の偏光モードは等価屈折率が異なるためFSRも異なり、また電気光学定数も小さい。そのため、主要な偏光モード以外のモードはほとんど光コムを発生できず、多少発生できてもキャリア成分が主要になる。主要な偏光モード以外は偏光子などで除去されるが、偏光子の消光比の限界、あるいは組み立て精度によって出力光に混ざり合い共振器長の制御に悪影響をもたらす場合がある。これは主モードでない偏光モードの共振周波数が主モードの共振周波数に対して相対的に制御できないことも影響している。
【0016】
また、横モードがある場合も同様であり、出力光に混ざり合い共振器長の制御に悪影響をもたらす場合がある。これは光コムの発生方法が完全な単一モードでない場合に発生し、電気光学効果以外の光コム発生方法でも避けることができない。
【0017】
ところで、従来の光コム発生器では、光コムを計測に利用する場合に、安定した出力を得るために、光共振器から出射された光の一部を光検出器により検出して、所定の共振長となるように上記光共振器の共振長を帰還制御するようにしていたが、直交モードが混在する偏光成分を透過する光導波路が用いられていたために、直交偏光成分による透過モード波形に変形が生じることがある。しかも、直交偏光成分による透過モード波形に変形が発生する場所(主モードに対する相対位置)は、ばらばらであり極小部が複数になるため、共振長を制御する際の不安定要因になる。
【0018】
すなわち、光導波路に閉じ込めた光を共振させる導波路型光共振器を用いた光コム発生器における光コム発生において、直交する偏光成分は、光コム発生器の共振周波数をレーザー周波数に一致させるための制御を不安定にすることがあり、制御点のずれ、制御の発振等の原因となり、光コムを例えば測定対象までの距離や高さを測定する計測装置に利用する場合に、直交する偏光成分が計測誤差の要因になっていた。
【0019】
また、光コム距離計を絶対距離計として使用する場合には、測定対象物を固定した状態で光コム発生器の変調周波数を切り替えて、干渉信号の位相の変化から半波長の整数倍の距離を算出することにより、半波長の整数倍の距離の曖昧さを解消するようにしているが、切り替えに時間がかかる場合に曖昧さを十分に解消することができ変調周波数の切替えの間に、振動や空気屈折率変動の影響などが入り込むと、変調周波数の切替えによる位相差が測定されているのか、振動や屈折率変動により付加されたのか判別困難である。
【0020】
そのため変調周波数の切換えはできる限り素早く短時間に行われることが重要である。変調周波数の切替えにはマイクロ波スイッチが用いられ、切替の過渡期は、短時間であるが、変調信号が出力されないことが起きる、さらに短時間であっても変調周波数のずれが大きいことが起こる。
【0021】
変調信号が出力されない場合、その瞬間は入力された光が変調されないためコム状の光にならず、入力波長を主成分とする光が出力される。
【0022】
また、切り替えの瞬間に過渡的な周波数が所望の変調周波数から大きくずれている場合も、光コム発生器の光共振器や電極の構成は特定の変調周波数に対して変調の効率が高くなるように設計されていることに起因して、ずれた周波数に対しては変調効率が低く、結果として入力波長を主成分とする光が出力される。
【0023】
変調されたサイドバンド(入力波長以外の光コム)のパワーと比較して、無変調やごく弱い変調状態の出力波長パワーは高いため、短時間の現象であっても共振器制御の安定性を阻害するなど、共振器制御への悪影響は大きい。
【0024】
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の実情に鑑み、基準光と測定光の干渉信号と基準光と測定区間を通った測定光の干渉信号の時間差から距離を測定する光コム距離計測用の光コム発生装置において、温度など外部要因によって変化するレーザーの周波数と共振器の共振周波数の誤差がゼロとなるように、外部環境の変動による共振器制御への悪影響を受けにくく、しかも、安価で簡単な構成で共振制御を行うことができるようにすることにある。
【0025】
さらに、本発明の他の目的は、光コム発生器としての安定化、光コムを含む計測装置の精度向上、誤差の低減などを図ることができるようにすることにある。
【0026】
本発明の他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明では、基準光と測定光の干渉信号と基準光と測定区間を通った測定光の干渉信号の時間差から距離を測定する光コム距離計測用の光コム発生装置において、1台の単一周波数発振のレーザー光源から外部変調によって複数の光コム発生器により光コムを発生するに当たり、レーザー光源に低い周波数で小さな振幅の周波数変調を加え、その変調成分を各光コム発生器の各光コムから検出して、各々の共振周波数がレーザー周波数の中心値に一致するように共振器長制御を行う。
【0028】
すなわち、本発明は、基準光と測定光の干渉信号と基準光と測定区間を通った測定光の干渉信号の時間差から距離を測定する光コム距離計測用の光コム発生装置であって、単一周波数成分を含む光源であって、外部から与えられるディザ信号によってレーザー周波数に変調が加えられたレーザー光を出射するレーザー光源と、上記レーザー光源に与えるディザ信号を出力するとともに、上記ディザ信号に同期した同期信号を出力するディザ信号源と、上記レーザー光源から出射されたレーザー光が複数に分離されて入射され、互いに変調周期が異なる光コムを出射する複数の光共振器型光コム発生器と、それぞれ上記ディザ信号源から供給される上記同期信号に同期した復調用信号を生成する生成する複数の同期装置とを備え、上記複数の同期装置により生成される各復調用信号を用いて、上記複数の光共振器型光コム発生器から出射する各光コムに含まれるディザ信号による変調成分を復調することにより、上記レーザー光源のレーザー周波数と上記複数の光共振器型光コム発生器の各光共振周波数とのずれに応じた複数の誤差信号を得て、上記複数の光共振器型光コム発生器の各共振器長を制御して、上記複数の光共振器型光コム発生器の各光共振周波数を上記レーザー光源のレーザー周波数に追従させる制御を行うことを特徴とする。
【0029】
本発明に係る光コム距離計測用の光コム発生装置は、上記複数の光コム発生器から透過光又は反射光として取り出される各光コム出力のパワーを検出する複数の光検出器と、上記複数の光検出器の検出信号が供給され、それぞれ上記同期装置を備える複数の共振器長制御部とを備え、上記複数の共振器長制御部は、それぞれ上記同期装置により生成される上記同期信号に同期した復調用信号と上記光検出器による検出信号により、上記複数の光コム発生器から出射される各光コムに含まれるディザ信号による変調成分を復調して、上記レーザー光源から入射されるレーザー光のレーザー周波数と上記光コム発生器の共振周波数のずれに応じた誤差信号を生成し、この誤差信号を用いて、上記光コム発生器の共振周波数を上記レーザー周波数に追従させる共振制御を行うものとすることができる。
【0030】
また、本発明に係る光コム距離計測用の光コム発生装置は、上記複数の光コム発生器から透過光又は反射光として取り出される各光コム出力のキャリア周波数成分を減衰させる複数の光フィルタを備え、上記複数の光検出器は、それぞれ上記光フィルタによりキャリア周波数成分が減衰された上記光コムの光強度を検出するものとすることができる。
【0031】
また、本発明に係る光コム距離計測用の光コム発生装置において、上記複数の共振器長制御部は、それぞれ、上記光検出器により得られる検出信号と上記同期装置により生成される復調用信号を乗算することにより、上記光コム発生器から出射される光コムに含まれるディザ信号による変調成分の復調出力を得る積算器と、この積算器により得られる復調出力に基づいて、上記レーザー光源から入射されるレーザー光のレーザー周波数と上記光コム発生器の共振周波数のずれに応じた誤差信号を得て、上記光コム発生器の共振周波数を上記レーザー周波数に追従させる共振器長制御信号を生成する制御信号発生部とを備えるものとすることができる。
【0032】
また、本発明に係る光コム距離計測用の光コム発生装置において、上記複数の共振器長制御部は、それぞれ上記光検出器の検出信号の信号レベルに基づいて、共振モードのピークを判別する信号レベル判定部を備え、それぞれ、上記信号レベル判定部による判定出力に基づいて、上記制御信号発生部により、上記共振モードのピーク位置を基準にした安定点とする帰還制御を行う共振器長制御信号を生成するものとすることができる。
【0033】
また、本発明に係る光コム距離計測用の光コム発生装置において、上記複数の光共振器型光コム発生器は、変調周波数の異なる複数の変調信号が巡回的に切り替えられて供給され、互いに変調周期が異なる光コムを出射するものとすることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明では、レーザー光源にディザ信号により低い周波数で小さな振幅の周波数変調を加え、その変調成分を各光コム発生器が検出して各々の共振周波数がレーザー周波数の中心値に一致するように共振制御を行うので、高速光検出器、高周波ミキサなどの高価な部品を必要としない安価で簡単な構成で、しかも、マイクロ波回路の位相調整が不要で外部環境の変動による共振器制御への悪影響を受けにくく、安定した共振制御を行うことができる。
【0035】
したがって、光コム発生器としての安定化、光コムを含む計測装置の精度向上、誤差の低減などを図ることが可能な光コム距離計測用の光コム発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明を適用した光コム距離計測装置の構成を示すブロック図である。
図2】ディザ信号源がレーザー光源の駆動部に機能として一体となっている光コム発生装置の構成を示すブロック図である。
図3】レーザー光源を設ける位置を変えた各光コム発生装置の構成例を示すブロック図であり、(A)は第1の光コム発生器の駆動部に一体となったディザ信号源を備える光コム発生装置、(B)は第2の光コム発生器の駆動部に一体となったディザ信号源を備える光コム発生装置の構成を示している。
図4】3つ以上の光コム発生器を備える光コム発生装置の構成を示すブロック図である。
図5】本発明に係る光コム発生装置における光コム発生器の共振器長制御部の構成例を示すブロック図である。
図6】光共振器型光コム発生器に入射するレーザー光のレーザー周波数を掃引して光コム出力の光周波数に変化を与えて光検出器により得られる検出信号の波形を示す図であり、(A)は無変調時を示し、(B)は変調時を示している。
図7】レーザー周波数に対して光共振器型光コム発生器の共振周波数にずれがある場合と無い場合に光検出器により得られる検出信号を、変調時の共振器透過モード波形の下に凸になった部分を模した二次関数の波形にて示す図である。
図8】ディザ波形と透過信号波形の関係を示す波形図であり、(A)はoffset=+2、(B)はoffset=0、(C)はoffset=-2の状態である。
図9】ディザ波形と透過信号波形の積を示す波形図であり、(A)はoffset=+2、(B)はoffset=0、(C)はoffset=-2の状態である。
図10】本発明に係る光コム発生装置における光コム発生器の共振器長制御部の他の構成例を示すブロック図である。
図11】本発明に係る光コム発生装置における光コム発生器の共振器長制御部の他の構成例を示すブロック図である。
図12】本発明に係る光コム発生装置における光コム発生器の共振器長制御部の他の構成例を示すブロック図である。
図13】本発明に係る光コム発生装置における光コム発生器の共振器長制御部の他の構成例を示すブロック図である。
図14】本発明に係る光コム発生装置における光コム発生器の共振器長制御部の他の構成例を示すブロック図である。
図15】本発明に係る光コム発生装置における光コム発生器の共振器長制御部の他の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、共通の構成要素については、共通の指示符号を図中に付して説明する。また、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0038】
本発明は、例えば図1に示すような構成の光コム距離計測装置100に適用される。
【0039】
この光コム距離計測装置100は、互いに変調周期が異なる干渉性のある基準光S1と測定光S2を出射する光コム発生装置10と、この光コム発生装置10から出射される基準光S1と測定光S2を用いて測定対象物30までの距離を測定する干渉計測定部20を備える。
【0040】
光コム発生装置10は、レーザー光を出射するレーザー光源11と、上記レーザー光源11から出射されたレーザー光が分配器12を介して入射される2つ光共振器型光コム発生器13A、13Bと、上記レーザー光源11に与えるディザ信号を出力するとともに、上記ディザ信号に同期した同期信号を出力するディザ信号源14と、上記同期信号が供給される2つ同期装置15A、15Bを備える。
【0041】
この光コム発生装置10において、上記レーザー光源11は、単一周波数成分を含む光源であって、上記ディザ信号源14により与えられるディザ信号によってレーザー周波数に変調が加えられたレーザー光を出射する。
【0042】
上記光共振器型光コム発生器13A、13Bには、上記レーザー光源11から出射されたレーザー光、すなわち、ディザ信号によってレーザー周波数に変調が加えられたレーザー光が上記分配器12を介して入射される。
【0043】
上記光共振器型光コム発生器13A、13Bは、上記ディザ信号によってレーザー周波数に変調が加えられたレーザー光を光共振器中の電気光学変調器によって連鎖的に側帯波を発生させることにより得られる互いに変調周期が異なる光コムを出射する。
【0044】
そして、上記2つの同期装置15A、15Bは、それぞれ上記ディザ信号源14から供給される上記同期信号に同期した復調用信号を生成して上記光共振器型光コム発生器13A、13Bに供給する。
【0045】
上記光共振器型光コム発生器13A、13Bでは、上記ディザ信号を用いて、各光共振周波数を上記レーザー光源11のレーザー周波数に追従させる共振器長制御が行われる。
【0046】
すなわち、上記光共振器型光コム発生器13A、13Bは、それぞれ上記同期信号に同期した各復調用信号を用いて、出射された各光コムに含まれるディザ信号による変調成分を復調して、上記レーザー光源11のレーザー周波数と各光共振周波数とのずれに応じた各誤差信号を得ることにより、各共振器長が制御される。
【0047】
この光コム発生装置10では、上記レーザー光源11から出射されるレーザー光のレーザー周波数をディザ信号により変調して、そのレーザー光を入力とする2つの光共振器型光コム発生器13A、13Bの共振器制御を行うことにより、上記2つの光共振器型光コム発生器13A、13Bの各光共振周波数を上記レーザー光源11のレーザー周波数に追従させて、上記2つの光共振器型光コム発生器A、13Bから、中心周波数と周波数間隔の異なる二つの光コムをそれぞれ周期的に強度又は位相が変調され、互いに変調周期が異なる干渉性のある基準光S1と測定光S2として出射する。
【0048】
この光コム距離計測装置100における光コム発生装置10では、上記レーザー光源11から出射されるレーザー光のレーザー周波数をディザ信号により変調して、そのレーザー光を入力とする2つの光共振器型光コム発生器13A、13Bの共振器制御を行うことにより、上記2つの光共振器型光コム発生器13A、13Bの各光共振周波数を上記レーザー光源11のレーザー周波数に追従させることができ、高速光検出器、高周波ミキサなどの高価な部品を必要としない安価で簡単な構成で、しかも、マイクロ波回路の位相調整が不要で外部環境の変動による共振器制御への悪影響を受けにくく、安定した共振制御を行うことができる
【0049】
干渉計測定部20は、上記レーザー光源11から入射される上記分配器12を介して基準光S1と測定光S2を用いて測定対象物30までの距離を測定するもので、上記基準光S1と上記測定光S2との干渉光S3を検出する基準光検出器24と、上記基準光S1を基準面25に照射して、該基準面25により反射された基準光S1’と上記測定光S2を測定対象物30に照射して、該測定対象物30により反射された測定光S2’との干渉光S4を検出する測定光検出器26と、上記基準光検出器24により上記干渉光S3を検出して得られる干渉信号と上記測定光検出器26により上記干渉光S4を検出して得られる干渉信号が供給される信号処理部27を備える。
【0050】
ここでは、上記光コム発生装置10から出射された基準光S1と測定光S2は、互いに偏光面が直交しているものとし、基準光S1が半透鏡からなる光混合素子22Aに入射されるとともに測定光S2が全反射鏡21を介して上記光混合素子22Aに入射され、上記光混合素子22Aにより混合され、その混合光が光分離素子22Bにより反射されて偏光子23Aを介して上記基準光検出器24に入射されるとともに、上記光分離素子22Bを通過した混合光が偏光ビームスプリッタ22Cにより偏光に応じて基準光S1と測定光S2に分離されて、上記基準光S1が基準面25に入射され、また、上記測定光S2が測定対象物30に入射されるようになっている。
【0051】
なお、ここでは、上記光コム発生装置10から出射された基準光S1と測定光S2は、互いに偏光面が直交したものとしたが、上記光混合素子22Aとして偏光ビームスプリッタを用いて、基準光S1と測定光S2の互いに偏光面が直交する成分を混合するようにしてもよい。
【0052】
さらに、上記基準面25により反射された基準光S1’と、上記測定対象物30により反射された測定光S2’は、上記偏光ビームスプリッタ22Cにより混合され、その混合光が上記光分離素子22Bにより反射されて偏光子23Bを介して上記測定光検出器26に入射されるようになっている。
【0053】
そして、上記基準光検出器24は、上記偏光子23Aを介して入射される上記基準光S1と測定光S2との混合光を受光することより、上記光コム発生装置10から出射された基準光S1と測定光S2の干渉光S3を検出することにより干渉信号(参照信号)を得るようになっている。
【0054】
また、上記測定光検出器26は、上記偏光子23Bを介して入射される上記基準光S1’と上記測定光S2’の混合光を受光することにより、上記基準面4により反射された基準光S1’と上記測定対象物30により反射された測定光S2’すなわち測定光路を通過した測定光S2の干渉光S4を検出することにより干渉信号(測定信号)を得るようになっている。
【0055】
この光コム距離計測装置100は、図1中に太線で示す上記光混合素子22Aから偏光ビームスプリッタ22Cまでの光路では、基準光S1と測定光S2が干渉しないように偏光を直交させてあり、上記偏光ビームスプリッタ22Cにより上記基準光S1と測定光S2を偏光に応じて分離して上記基準面25と上記測定対象物30に入射させる。そして、上記基準面25と上記測定対象物30で反射された上記基準光S1’と測定光S2’を上記偏光ビームスプリッタ22Cにより混合し、その混合光を上記光分離素子22Bにより反射して上記測定光検出器26に入射させ、上記基準面25により反射された基準光S1’と上記測定対象物30により反射された測定光S2’の干渉光S4を上記測定光検出器26により検出する。
【0056】
ここで、上記光混合素子22Aから偏光ビームスプリッタ22Cまでの光路中に設けられた光分離素子22Bを介して基準光検出器24に導かれる混合光に含まれる基準光S1と測定光S2は偏光が直交しているため、そのまま上記基準検出器24に入射しても干渉信号(参照信号)が得られないので、偏光子23Aを挿入し、上記基準光S1と測定光S2の偏光に対して斜めになるように上記偏光子23Aの向きを調整しておくことにより、上記偏光子23Aの透過成分として上記基準光S1と測定光S2の成分が混合された干渉光S3が基準検出器24に入射されるようにして、上記基準検出器24により干渉信号(参照信号)を得るようにしている。同様に、上記光分離素子22Bを介して測定光検出器26に導かれる混合光に含まれる基準光S1’と測定光S2’は偏光が直交しているため、そのまま上記測定検出器26に入射しても干渉信号(測定信号)が得られないので、偏光子23Bを挿入し、上記基準光S1’と測定光S2’の偏光に対して斜めになるように上記偏光子23Bの向きを調整しておくことにより、上記偏光子23Bの透過成分として上記基準光S1’と測定光S2’の成分が混合された干渉光S4が測定光検出器26に入射されるようにして、上記測定検出器26により干渉信号(測定信号)を得るようにしている。なお、偏光子に替えて半波長板と偏光ビームスプリッタを用いてもよく、例えば、偏光ビームスプリッタの透過光による干渉信号と反射光による干渉信号が符号反転の関係にあることを利用する差動検出器を採用することもできる。
【0057】
上記基準光検出器24によって得られる干渉信号(参照信号)は、キャリア周波数が上記光コム発生装置10から出射された基準光S1と測定光S2のキャリア光周波数の差であり、上記基準光S1と測定光S2の光パルス繰り返し周波数の差の周波数で同じ干渉波形が繰り返される。
【0058】
この光コム距離計測装置100において、上記基準光検出器24の役割は、遅延時間計測の基準を生成することである。上記光コム発生装置10から出射された基準光S1と測定光S2は、繰り返し周波数が等しくないので、光源が動作を開始した時にタイミングがずれていても、少しずつタイミングがずれていき、必ずどこかで基準光S1の光パルスと測定光S2の光パルスが重なる瞬間が現れる。また、その重なる瞬間は基準光S1と測定光S2の繰り返し周波数の差の繰り返し周波数で周期的に現れる。この光パルスと光パルスが重なる瞬間が、遅延時間計測の基準となる。
【0059】
また、測定光検出器26によって得られる干渉信号(測定信号)は、上記基準光検出器24によって得られる干渉信号(参照信号)と同じくキャリア周波数が基準光S1’と測定光S2’のキャリア光周波数の差であり、上記基準光S1と測定光S2の光パルス繰り返し周波数の差と同じ繰り返し周波数を持つ。しかし、上記測定光検出器26に入力される光パルスは、基準面25までの距離L1と測定対象物30までの距離L2の距離差の絶対値(L2-L1)の分だけ、光パルスのタイミングが遅れるため、光パルスと光パルスの重なる瞬間が上記基準光検出器24によって得られる干渉信号(参照信号)と比較して遅れる。この遅れ時間が上記距離差の絶対値(L2-L1)の2倍の距離を光パルスが伝搬することによる遅延時間であり、真空中の光速Cをかけて屈折率ngで割ることにより距離が得られる。
【0060】
すなわち、この光コム距離計測装置100では、上記信号処理部27により、上記基準光検出器24により干渉光S3を検出した干渉信号(参照信号)と上記測定光検出器26により干渉光S4を検出した干渉信号(測定信号)の時間差から、光速Cと測定波長における屈折率ngから上記基準面25までの距離L1と上記測定対象物30までの距離L2の差を求めることにより、高精度で、しかも短時間に距離計測を行うことができる。
【0061】
この光コム距離計測装置100における光コム発生装置10では、上述の如く上記レーザー光源11から出射されるレーザー光のレーザー周波数をディザ信号により変調して、そのレーザー光を入力とする2つの光共振器型光コム発生器13A、13Bから出射された各光コムに含まれるディザ信号による変調成分を各同期装置15A、15Bにより生成される復調用信号を用いて復調して、上記レーザー光源11のレーザー周波数と各光共振周波数とのずれに応じた各誤差信号を得ることができ、得られた各誤差信号を用いて上記2つの光共振器型光コム発生器13A、13Bの共振器制御を行うことにより、上記2つの光共振器型光コム発生器13A、13Bの各光共振周波数を上記レーザー光源11のレーザー周波数に追従させることができ、高速光検出器、高周波ミキサなどの高価な部品を必要としない安価で簡単な構成で、しかも、マイクロ波回路の位相調整が不要で外部環境の変動に影響されにくく、安定した共振制御を行うことができる。
【0062】
ここで、上記光コム発生装置10におけるディザ信号源14は、ディザ信号源は独立した筐体となっているが、図2に示す光コム発生装置10Aのように、レーザー光源11の駆動部に機能として一体となっていても良く、また、図3の(A)、(B)に示す光コム発生装置10B、10Cのように、ディザ信号源11はコム発生器側の駆動部に一体となった物でも良い。その場合、ディザ信号源11を内蔵する光コム発生器はレーザー光源11に向けてディザ信号を出力するとともに自らと他の光コム発生器に向けて同期信号を出力する。
【0063】
図2図3の(A)、(B)は、レーザー光源11を設ける位置を変えた各光コム発生装置10A、10B、10C、の構成例を示すブロック図であり、図2はディザ信号源14Aがレーザー光源11の駆動部に機能として一体となっている光コム発生装置10A、図3の(A)は第1の光コム発生器15Aの駆動部に一体となったディザ信号源14Bを備える光コム発生装置10B、図3の(B)は第2の光コム発生器15Bの駆動部に一体となったディザ信号源14Cを備える光コム発生装置10Cの構成を示している。
【0064】
なお、光コム発生装置10A、10B、10Cにおいて、図1に示した光コム距離計測装置100における光コム発生装置10と同一の構成要素には、図中に同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0065】
また、上記光コム距離計測装置100における光コム発生装置10では、レーザー光源11から出射されるレーザー光のレーザー周波数をディザ信号により変調して、そのレーザー光を入力とする2つの光共振器型光コム発生器13A、13Bの共振器制御を各同期装置15A、15Bにより行うことにより、上記2つの光共振器型光コム発生器13A、13Bの各光共振周波数を上記レーザー光源11のレーザー周波数に追従させるようにしたが、本発明は、2つの光共振器型光コム発生器13A、13Bの共振器制御を行う場合に限定されることなく、例えば図4に示す光コム発生装置110のように、レーザー光源11から出射されるレーザー光のレーザー周波数をディザ信号により変調して、そのレーザー光が分配器12を介して入射される3つ以上の光共振器型光コム発生器13A、13B、13C、・・・、13Nの共振器制御を各同期装置15A、15B、15C・・・、15Nにより生成される各復調用信号を用いて復調して、上記レーザー光源11のレーザー周波数と各光共振周波数とのずれに応じた各誤差信号を得て、得られた各誤差信号を用いて行うことにより、上記3つ以上の光共振器型光コム発生器13A、13B、13C、・・・、13Nの各光共振周波数を上記レーザー光源11のレーザー周波数に追従させるようにすることもできる。
【0066】
ここで、同期装置15A、15B、15C・・・、15Nは、入力された同期信号に基づいて誤差信号計算用に周波数と位相が変調信号とほぼ一致した復調用信号を生成するもので、同期信号として供給される波形が変調信号そのものやその波形を矩形にした波形であればそれを所望の振幅に増幅または減衰させた波形の復調用信号を生成しても良い。
【0067】
上記同期装置15A、15B、15C・・・、15Nは、例えば、図5に示す同期装置150のように、光共振器型光コム発生器13から透過光として分配器16を介して取り出される光コム出力のパワーを検出する光検出器17による検出信号が入力される共振器長制御部180に備えられるものとすることができる。
【0068】
この共振器長制御部180は、上記光検出器17による検出信号が入力される積算器181及び信号レベル判定部182と、上記積算器181及び信号レベル判定部182に接続された制御信号生成部183と、上記積算器181に接続された同期装置150を備える。
【0069】
この共振器長制御部180において、同期装置150は、例えば、可変利得増幅器からなり、入力された同期信号に基づいて誤差信号計算用に周波数と位相が変調信号とほぼ一致した復調用信号を生成して積算器181に供給する。
【0070】
上記積算器181は、上記光検出器17による検出信号と上記復調用信号を積算することにより誤差信号を生成して制御信号生成部183に供給する。
【0071】
また、信号レベル判定部182は、上記光検出器17により得られた検出信号の値から共振モードの存在を判別する機能を有する。共振モード付近での上記光検出器17による検出信号の値はある程度の幅を持って既知である
【0072】
すなわち、光共振器型光コム発生器13に入射するレーザー光のレーザー周波数を掃引して光コム出力の光周波数に変化を与えて光検出器17により得られる検出信号は、無変調時には図6の(A)のように光共振器型光コム発生器13のFSR(Free Spectral Range)に相当する間隔を2つのピークが現れるのに対し、変調時には図6の(B)に示すようになり、信号レベル判定部182では、無変調時における透過モードのピーク位置をロック点として含む信号レベル判定許容範囲内に上記光検出器17により得られた検出信号が有るか否を判別することにより、上記光検出器17により得られた検出信号の値から共振モードの存在を判別することができる。
【0073】
なお、上記光コム出力の光周波数の変化は、光共振器型光コム発生器13に入射するレーザー光のレーザー周波数を固定して、光共振器型光コム発生器13の共振器長を掃引して共振周波数を変化させても、略近い変化を与えることができる。
【0074】
制御信号生成部183は、上記積算器181により得られる誤差信号にフィルタ処理や利得調整や加減算を実施することにより共振器長制御信号を生成して光共振器型光コム発生器13に供給する。
【0075】
上記制御信号生成部183は、信号レベル判定部182による判定結果に基づいて、検出信号やその規格化した信号の値が決められた範囲にある場合のみ制御を実行することによって誤った共振器長に制御されることを防ぐことができ、検出信号または規格化されて検出信号の値が決められた範囲にある場合に限り、誤差信号の値と共振器長変化に対する変化の傾きの符号を利用して制御を行う。その条件以外では共振器長の掃引動作を行う。この動作により共振モードのみ選択して制御することができる。
【0076】
光共振器型光コム発生器13の共振器長は、電気光学結晶に加えるDCバイアスや共振器を構成する鏡に取り付けられた電歪素子などによって変えることができ、上記制御信号生成部183により生成される共振器長制御信号によって制御される。
【0077】
ここで、ディザ信号を用いた共振器長の制御について、図7乃至図9を参照して説明する。
【0078】
上記光検出器17により得られる検出信号は、図7に示すように、変調時の共振器透過モード波形の下に凸になった部分を模した二次関数の波形にて示すことができる。図7において、横軸はディザ信号の振幅で規格化した値の規格化周波数で表している。縦軸は光検出器17で検出された透過光の信号波形を想定しているが、単純におよそ規格化周波数の二乗となる関数の形を仮定している。縦軸は電圧や電流値、AD変換後のコードなどに適宜置き換えて考えるものとする。また、規格化周波数ゼロの周波数がレーザー周波数であると仮定する。
【0079】
共振器の共振周波数がレーザー周波数に一致している場合は、図7中に実線にて示すoffset=0の波形となる。レーザー周波数に対して共振周波数にずれがある場合、offset=+1やoffset=-1のような波形となる。ここでoffsetは規格化周波数オフセットであり、FM変調しているディザ変調の振幅を1とした場合の周波数で表示している。オフセット値の符号の定義はどちらを基準にするかで異なる。図7では共振周波数に対してレーザー周波数が高周波側にある場合を正としている。オフセットがある場合、レーザー周波数を中心とした共振透過モードの波形が非対象となる
【0080】
図8はディザ波形と透過信号波形の関係を示す波形図であり、図9はディザ波形と透過信号波形の積を示す波形図であり、各図において、(A)はoffset=+2、(B)はoffset=0、(C)はoffset=-2の状態である。
【0081】
ディザ波形と透過信号波形の積は、ディザ信号の1周期分平均すると、offset=+2すなわち共振器長誤差=+2では図9の(A)に示すように平均値が正、また、offset=-2すなわち共振器長誤差=-2では図9の(C)に示すように平均値が負になるが、offset=0すなわち共振器長誤差=0では図9の(B)に示すように平均値がゼロになる。
【0082】
したがって、共振器長制御部180では、ディザ波形と透過信号波形の積を計算することによって規格化周波数がゼロの周波数を挟んで符号が正負反転する共振器長制御信号(周波数弁別信号/誤差信号)が得られ、誤差信号がゼロとなるように共振器長の制御を行うことができる。
【0083】
また、上記同期装置15A、15B、15C・・・、15Nは、図10のブロック図に示す共振器長制御部180Aに備えられた同期装置151のように、正弦波や矩形波、同期パルスなどからなる同期信号で同期された内部発振器で復調用信号と生成するものとすることができる。
【0084】
この共振器長制御部180Aは、上記共振器長制御部180と同様に、光検出器17による検出信号が入力される積算器181及び信号レベル判定部182と、上記積算器181及び信号レベル判定部182に接続された制御信号生成部183と、上記積算器181に接続された同期装置151を備える。
【0085】
この共振器長制御部180Aに備えられた同期装置151は、ディザ信号源14から供給される正弦波や矩形波、同期パルスなどからなる同期信号で同期された復調用信号を生成する内部発振器からなる。内部発振器の周波数は外部のディザ信号源14とほぼ同一であり、この同期装置151は、同期信号によって位相がディザ信号源14と同一になるよう制御されている。
【0086】
上記同期装置151により生成される上記復調用信号と光検出器17により得られる検出信号とを積算することにより誤差信号を生成して制御信号生成部183に供給する。
【0087】
また、信号レベル判定部182は、上記光検出器17により得られた検出信号の値から共振モードの存在を判別する機能を有する。
【0088】
制御信号生成部183は、上記積算器181により得られる誤差信号にフィルタ処理や利得調整や加減算を実施することにより共振器長制御信号を生成して光共振器型光コム発生器13に供給する。
【0089】
上記制御信号生成部183は、信号レベル判定部182による判定結果に基づいて、検出信号やその規格化した信号の値が決められた範囲にある場合のみ制御を実行することによって誤った共振器長に制御されることを防ぐことができ、検出信号または規格化されて検出信号の値が決められた範囲にある場合に限り、誤差信号の値と共振器長変化に対する変化の傾きの符号を利用して制御を行う。その条件以外では共振器長の掃引動作を行う。この動作により共振モードのみ選択して制御することができる。
【0090】
ここで、上記同期装置151は、内部発振器が位相同期発振器で構成されていれば同期信号に周波数と位相が同期した復調用信号を制御信号生成部に供給することができる。また、上記同期装置151は、ディザ信号源14とほぼ周波数の近い非同期発振器から構成される場合には同期信号の周期に一致して非同期発振器の位相をリセットする装置であっても復調用信号とすることができる。
【0091】
また、上記同期装置15A、15B、15C・・・、15Nは、図11のブロック図に示す同期装置15のように、ディザ信号源14Bとともに共振器長制御部180Bに内蔵されていてもよい。
【0092】
ディザ信号源14Bは、外部のレーザー光源11に向けてディザ変調信号を出力するとともに他の光コム発生器に向けて同期信号を出力する。なお、他の光コム発生器に向けて出力される同期信号は、ディザ信号源14Bからの直接出力だけに限定されるものではなく、同期装置152で波形整形してから出力することもできる。
【0093】
同期装置15は、ディザ信号源14Bから供給される同期信号に基づいて周波数と位相がディザ変調信号とほぼ一致した復調用信号を生成するもので、内部発振器あるいは利得可変増幅器から構成されている。
【0094】
この共振器長制御部180Bは、上記共振器長制御部180と同様に、光検出器17による検出信号が入力される積算器181及び信号レベル判定部182と、上記積算器181及び信号レベル判定部182に接続された制御信号生成部183と、上記積算器181に接続された同期装置15を備え、上記積算器181により上記光検出器17による検出信号と上記復調用信号を積算することにより誤差信号を生成し、制御信号生成部183において、上記誤差信号にフィルタ処理や利得調整や加減算を実施することにより共振器長制御信号を生成して光共振器型光コム発生器13に供給する。
【0095】
制御信号生成部183は、上記積算器181により得られる誤差信号にフィルタ処理や利得調整や加減算を実施することにより共振器長制御信号を生成して光共振器型光コム発生器13に供給する。
【0096】
上記制御信号生成部183は、信号レベル判定部182による判定結果に基づいて、検出信号やその規格化した信号の値が決められた範囲にある場合のみ制御を実行することによって誤った共振器長に制御されることを防ぐことができ、検出信号または規格化されて検出信号の値が決められた範囲にある場合に限り、誤差信号の値と共振器長変化に対する変化の傾きの符号を利用して制御を行う。その条件以外では共振器長の掃引動作を行う。この動作により共振モードのみ選択して制御することができる。
【0097】
この共振器長制御部180Bにおいても、上記制御信号生成部183は、信号レベル判定部182による判定結果に基づいて、検出信号やその規格化した信号の値が決められた範囲にある場合のみ制御を実行することによって誤った共振器長に制御されることを防ぐことができ、検出信号または規格化されて検出信号の値が決められた範囲にある場合に限り、誤差信号の値と共振器長変化に対する変化の傾きの符号を利用して制御を行う。その条件以外では共振器長の掃引動作を行う。この動作により共振モードのみ選択して制御することができる。
【0098】
なお、積算器181は、波形の掛け算を行うミキサと低域通過フィルタも組み合わせ、ロックイン検出装置、アナログ回路はデジタル信号処理装置で構成された積和演算装置などからなる。低域通過フィルタなどの要素は制御信号生成部183にあっても良い。
【0099】
ここで、共振器長制御部180、180A、180Bでは、図12のブロック図に示すように、共振器長制御部18のように、上記光共振器型光コム発生器13から透過光として光コム出力を取り出す分配器16とその光コム出力のパワーを検出する光検出器17との間に光フィルタ191を挿入して、上記光コム出力に含まれる光入力のキャリア波長成分が減衰された検出信号を上記光検出器17から入力されるようにすることにより、直交偏波モードや無変調モードなど安定な制御に悪影響を与える光を取り除くことができる。
【0100】
すなわち、上記光コム発生装置10、10A、10B、10C、110は、上記各光コム発生器13A、13B、13C・・・、13Nから透過光として取り出される各光コム出力のキャリア周波数成分を減衰させる複数の光フィルタを備えることにより、直交偏波モードや無変調モードなど安定な制御に悪影響を与える光を取り除いて、安定した共振器長制御を行うことができる。
【0101】
また、上記共振器長制御部180、180A、180Bでは、光共振器型光コム発生器13から透過光として光コム出力を分配器16を介して取り出して、その光コム出力のパワーを光検出器17により検出することにより得られる検出信号に基づいて、制御信号生成部183により生成される共振器長制御信号を用いて光共振器型光コム発生器13の共振器長を制御するようにしているが、光共振器型光コム発生器13の共振器長は、例えば、図13のブロック図に示す共振器長制御部180Cのように、光共振器型光コム発生器13から反射として取り出される光コム出力のパワーを検出することにより得られる検出信号に基づいて制御することもできる。
【0102】
すなわち、図13のブロック図に示す共振器長制御部180Cは、上記共振器長制御部180と同様に、光検出器17による検出信号が入力される積算器181及び信号レベル判定部182と、上記積算器181及び信号レベル判定部182に接続された制御信号生成部183と、上記積算器181に接続された同期装置15を備えるものであるが、光共振器型光コム発生器13から反射として光コム出力をサーキュレータ/分配器161を介して取り出して、その光コム出力のパワーを光検出器17により検出することにより得られる検出信号が積算器181と信号レベル判定部182に入力されるようになっている。
【0103】
サーキュレータ/分配器161は、レーザー光源11からの入力レーザー光を光共振器型光コム発生器13側に透過する一方で該光共振器型光コム発生器13からの反射光を光検出器17側に出力する。
【0104】
共振器長制御部180Cには同期装置15が含まれており、正弦波や矩形波からなる同期信号を適切な振幅に増幅または減衰させた復調用信号を生成する。
【0105】
なお、透過モードと反射モードで波形の凹凸が異なるので制御の方向を決める加減算の符号を反転する必要がある。
【0106】
上記光検出器17による検出信号と上記復調用信号を上記積算器181で積算することにより誤差信号を生成し、制御信号生成部183において、上記誤差信号にフィルタ処理や利得調整や加減算を実施することにより共振器長制御信号を生成して光共振器型光コム発生器13に供給する。
【0107】
上記制御信号生成部183は、信号レベル判定部182による判定結果に基づいて、検出信号やその規格化した信号の値が決められた範囲にある場合のみ制御を実行することによって誤った共振器長に制御されることを防ぐことができ、検出信号または規格化されて検出信号の値が決められた範囲にある場合に限り、誤差信号の値と共振器長変化に対する変化の傾きの符号を利用して制御を行う。その条件以外では共振器長の掃引動作を行う。この動作により共振モードのみ選択して制御することができる。
【0108】
この共振器長制御部180Cにおいても、上記制御信号生成部183は、信号レベル判定部182による判定結果に基づいて、検出信号やその規格化した信号の値が決められた範囲にある場合のみ制御を実行することによって誤った共振器長に制御されることを防ぐことができ、検出信号または規格化されて検出信号の値が決められた範囲にある場合に限り、誤差信号の値と共振器長変化に対する変化の傾きの符号を利用して制御を行う。その条件以外では共振器長の掃引動作を行う。この動作により共振モードのみ選択して制御することができる。
【0109】
また、上記反射モードで光共振器型光コム発生器13の共振器長制御を行う場合でも、図14のブロック図に示す共振器長制御部180Dのように、上記共振器長制御部180Bと同様に、ディザ信号源14Bとともに同期装置15を内蔵したものとすることができる。
【0110】
すなわち、図14のブロック図に示す共振器長制御部180Dは、上記共振器長制御部180Bと同様に、光検出器17による検出信号が入力される積算器181及び信号レベル判定部182と、上記積算器181及び信号レベル判定部182に接続された制御信号生成部183と、上記積算器181に接続された同期装置15と、ディザ信号源14Bを備えるものであるが、光共振器型光コム発生器13から反射として光コム出力をサーキュレータ/分配器161を介して取り出して、その光コム出力のパワーを光検出器17により検出することにより得られる検出信号が積算器181と信号レベル判定部182に入力されるようになっている。
【0111】
ディザ信号源14Bは、外部のレーザー光源11に向けてディザ変調信号を出力するとともに他の光コム発生器に向けて同期信号を出力する。なお、他の光コム発生器に向けて出力される同期信号は、ディザ信号源14Bからの直接出力だけに限定されるものではなく、同期装置152で波形整形してから出力することもできる。
【0112】
同期装置15は、ディザ信号源14Bから供給される同期信号に基づいて周波数と位相がディザ変調信号とほぼ一致した復調用信号を生成するもので、内部発振器あるいは利得可変増幅器から構成されている。
【0113】
この共振器長制御部180Dは、上記積算器181により上記光検出器17による検出信号と上記復調用信号を積算することにより誤差信号を生成し、制御信号生成部183において、上記誤差信号にフィルタ処理や利得調整や加減算を実施することにより共振器長制御信号を生成して光共振器型光コム発生器13に供給する。
【0114】
上記制御信号生成部180Dは、信号レベル判定部182による判定結果に基づいて、検出信号やその規格化した信号の値が決められた範囲にある場合のみ制御を実行することによって誤った共振器長に制御されることを防ぐことができ、検出信号または規格化されて検出信号の値が決められた範囲にある場合に限り、誤差信号の値と共振器長変化に対する変化の傾きの符号を利用して制御を行う。その条件以外では共振器長の掃引動作を行う。この動作により共振モードのみ選択して制御することができる。
【0115】
この共振器長制御部180Dにおいても、上記制御信号生成部183は、信号レベル判定部182による判定結果に基づいて、検出信号やその規格化した信号の値が決められた範囲にある場合のみ制御を実行することによって誤った共振器長に制御されることを防ぐことができ、検出信号または規格化されて検出信号の値が決められた範囲にある場合に限り、誤差信号の値と共振器長変化に対する変化の傾きの符号を利用して制御を行う。その条件以外では共振器長の掃引動作を行う。この動作により共振モードのみ選択して制御することができる。
【0116】
ここで、反射モードで光共振器型光コム発生器13の共振器長制御を行う共振器長制御部180C、180Dであっても、図15のブロック図に示すように、共振器長制御部180Eのように、上記光共振器型光コム発生器13から反射光として光コム出力を取り出すサーキュレータ/分配器161とその光コム出力のパワーを検出する光検出器17との間に光フィルタ192を挿入して、上記光コム出力に含まれる光入力のキャリア波長成分が減衰された検出信号を上記光検出器17から入力されるようにすることにより、直交偏波モードや無変調モードなど安定な制御に悪影響を与える光を取り除くことができる。
【符号の説明】
【0117】
10、10A、10B、10C、・・・、10N、110 光コム発生装置、11 レーザー光源、12、16 分配器、13、13A、13B 光コム発生器、14、14A、14B、14C ディザ信号源、15、15A、15B、、15C、・・・、15N、150、151 同期装置、17 光検出器、18、180、180A、180B、180C、180D、180E 共振器長制御部、20 干渉計測定部、21 全反射鏡、22A 光混合素子、22B 光分離素子、22C 偏光ビームスプリッタ、23A、23B 偏光子、24 基準光検出器、25 基準面、26 測定光検出器、27 信号処理装置、30 測定対象物、161 サーキュレータ/分配器、181 積算器、182 信号レベル判定部、183 制御信号生成部、191、192 光フィルタ
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