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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】米飯成形計量分割機
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20240306BHJP
【FI】
A23L7/10 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021104483
(22)【出願日】2021-06-23
(65)【公開番号】P2023003356
(43)【公開日】2023-01-11
【審査請求日】2023-09-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2021年6月1日~4日、愛知スカイエキスポで開催されたFOOMA JAPAN 2021にて米飯整形計量分割機を展示し、公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236746
【氏名又は名称】不二精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】青木 太志
【審査官】関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-149980(JP,A)
【文献】特開2017-216923(JP,A)
【文献】特開2004-290178(JP,A)
【文献】特開昭58-220661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/10
日経テレコン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
米飯ホッパ出口の下方に左右傾斜した左右テーパーガイド板を配設し、
左右テーパーガイド板のそれぞれの下端縁に米飯成形に対応して傾動自在に制御する左右ガイド体を連設し、
左右ガイド体の更に下方に成形機構部を配設し、
成形機構部は成形輪郭部を規制して形成する無端ベルトと、
無端ベルトの外周側面に当接して無端ベルトに形成される内方空間で米飯の成形を行うためのベルトガイド棒とより構成したことを特徴とする米飯計量成形分割機。
【請求項2】
成形機構部の下方には成形米飯を一定の厚みに横断するためのカッター機構を配設したことを特徴とする請求項1に記載の米飯計量成形分割機。
【請求項3】
カッター機構の下方には一定の厚みに横断形成した成形米飯の重量を計測するロードセル機構を配設したことを特徴とする請求項2に記載の米飯計量成形分割機。
【請求項4】
ロードセル機構の下方には成形米飯を受取り搬送する前後進退自在のコンベアを配設し、該コンベアの後退作動にともないその前方受け部との間に生じる落下間隙部よりコンベア上に残溜した成形米飯を下方に落すように構成すると共に、その上方に下方落下米飯の不足分を補填する不足米飯補填機構部を配設したことを特徴とする請求項3に記載の米飯計量成形分割機。
【請求項5】
カッター機構の下方には一定の厚みに横断形成した成形米飯の重量を計測して搬送するロードセル機構と、ロードセル機構の方には成形米飯を受取り搬送する前後進退自在のコンベアを配設し、該コンベアの後退作動にともないその前方受け部との間に生じる落下間隙部よりコンベア上に残溜した成形米飯を下方に落すように構成すると共に、その上方に下方落下米飯の不足分を補填する不足米飯補填機構部を配設したことを特徴とする請求項2に記載の米飯計量成形分割機。
【請求項6】
前記カッター機構は、
近接離反自在に対向配置した回動自在のシャッタ支持棒と、
シャッタ支持棒に基端部を連結して対向するシャッタ支持棒に直交する方向に延設したシャッタ棒と、で構成したことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の米飯計量成形分割機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁当容器に投入される米飯を自由な形状に成形しつつ所定の重量に分割する米飯成形計量分割機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホッパに投入された米飯を所定の形態に成形した上で所定の重量値に分割する米飯処理装置が知られている。
【0003】
この米飯処理装置は、ホッパに投入された米飯を所定形状の計量桝に投入することで所望の形態に変態し、その後、変態した米飯を所定の重量となるように分割することで投入される弁当容器の形態に合致するように成形していた。
この米飯処理装置により成形分割された成形米飯は、米飯処理装置の下方に位置する計量装置によって計量されたのち、所定重量に満たない場合は、米飯補填機構で不足分を補填した後、所定の場所まで搬送されて弁当容器に投入されていた。
【0004】
一方、成形米飯が投入される弁当容器は、販売される商品に応じて種々の形態がある。そのため、弁当容器に投入される米飯の形態は、弁当容器の形態に応じて種々の形態が考えられる。
【0005】
したがって、弁当容器に投入される米飯は、弁当容器の形態に適合した専用の米飯処理装置で成形される、または、未成形の米飯を弁当容器に投入した後、作業者が容器の形態に沿うように米飯の形態を整えて弁当容器に合致する形態に成形していた。
【0006】
弁当容器の形態に応じて米飯を機械的に変形させるためには、米飯処理装置の計量桝の形態を弁当容器の形態に合致させる必要がある。従って、従来、米飯処理装置の計量桝は、弁当容器の形態に合わせた専用品であり、米飯が投入される弁当容器を変更する度に米飯成形用の計量桝を取り替える必要があった。
【0007】
かかる問題を解消するために計量桝を交換することなく米飯を任意の形状に変態できる米飯成形装置が開示されている(特許文献1)。
【0008】
特許文献1には、対向配置した略板状の一対の規制パネルを前後方向に複数並設し、対向配置した規制パネルの対向面を近接離反移動自在に構成することで、当該複数の規制パネルで形成された規制孔に上方から米飯を落下挿通させることで米飯を所定の形状に成形できる米飯成形装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2019-149980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の米飯成形装置は、落下する米飯の成形形態を細かく制御するために複数の規制パネルを使用しており、米飯を所望の形態に成形できるものの複数の規制パネルを別々に制御する必要があり規制パネルの制御が煩雑であった。
また、特許文献1に記載の米飯成形装置は、規制パネルを複数使用するため、米飯の成形が終了した装置をメンテナンスする際、規制パネルを全て取り外す必要があり、また、メンテナンス終了後には、取り外した規制パネルを全て取り付ける必要があった。このようにメンテナンスの都度米飯成形装置から規制パネルを脱着することは、作業者の負担となっていた。
また、特許文献1に記載の米飯成形装置は、対向配置した一対の規制パネルを対向方向と直交する前後方向に複数並設し、各規制パネルを近接離反作動することにより規制パネルの対向面で規制孔を形成し、当該規制孔を米飯の成形部としている。そのため、成形する米飯の形態によっては、規制パネルの対向面だけでなく規制パネルの側面も規制孔の一部となる場合がある。
この場合、米飯の成形時に規制パネルの側面に米飯が接触することとなる。米飯が接触した側面は、粘性を帯びる、または、米飯が接着して規制パネルの側面に残留する虞がある。
この状態で成形する米飯の形態を切り替えようとすると、規制パネルの側面に付着した粘性物の影響により規制パネルの近接離反作動に支障を来す虞、または、規制パネルの側面に米飯が付着した状態で規制パネルを近接離反作動した際に側面に付着した米飯が隣接する規制パネルの間に進入して規制パネル間に空間が生起され、規制孔を所望の形態に変態できなくなる虞があった。
【0011】
本発明は、かかる問題を解消するために考えられた発明であり、米飯を所望の形態に容易かつ確実に成形でき、さらに、メンテナンス性も向上した米飯成形計量分割機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様は、米飯ホッパ出口の下方に左右傾斜した左右テーパーガイド板を配設し、左右テーパーガイド板のそれぞれの下端縁に米飯成形に対応して傾動自在に制御する左右ガイド体を連設し、左右ガイド体の更に下方に成形機構部を配設し、成形機構部は成形輪郭部を規制して形成する無端ベルトと、無端ベルトの外周側面に当接して無端ベルトに形成される内方空間で米飯の成形を行うためのベルトガイド棒とより構成した米飯成形計量分割機である。
【0013】
本発明の第2の態様は、成形機構部の下方には成形米飯を一定の厚みに横断するためのカッター機構を配設した米飯成形計量分割機である。
【0014】
本発明の第3の態様は、カッター機構の下方には一定の厚みに横断形成した成形米飯の重量を計測するロードセル機構を配設した米飯成形計量分割機である。
【0015】
本発明の第4の態様は、ロードセル機構の下方には成形米飯を受取り搬送する前後進退自在のコンベアを配設し、該コンベアの後退作動にともないその前方受け部との間に生じる落下間隙部よりコンベア上に残溜した成形米飯を下方に落すように構成すると共に、その上方に下方落下米飯の不足分を補填する不足米飯補填機構部を配設した米飯成形計量分割機である。
【0016】
本発明の第5の態様は、カッター機構の下方には一定の厚みに横断形成した成形米飯の重量を計測して搬送するロードセル機構と、ロードセル機構の方には成形米飯を受取り搬送する前後進退自在のコンベアを配設し、該コンベアの後退作動にともないその前方受け部との間に生じる落下間隙部よりコンベア上に残溜した成形米飯を下方に落すように構成すると共に、その上方に下方落下米飯の不足分を補填する不足米飯補填機構部を配設した米飯成形計量分割機である。
【0017】
本発明の第6の態様は、カッター機構は、近接離反自在に対向配置した回動自在のシャッタ支持棒と、シャッタ支持棒に基端部を連結して対向するシャッタ支持棒に直交する方向に延設したシャッタ棒と、により構成した米飯計量成形分割機である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1の態様によれば、米飯ホッパ出口の下方に左右傾斜した左右テーパーガイド板を配設し、左右テーパーガイド板のそれぞれの下端縁に米飯成形に対応して傾動自在に制御する左右ガイド体を連設し、左右ガイド体の更に下方に成形機構部を配設し、成形機構部は成形輪郭部を規制して形成する無端ベルトと、無端ベルトの外周側面に当接して無端ベルトに形成される内方空間で米飯の成形を行うためのベルトガイド棒とより構成したため、米飯ホッパに投入された米飯は、米飯ホッパから左右テーパーガイド板に接触することで減速して落下することとなり、落下時に受ける衝撃を緩和することができ、成形機構部に投入された米飯が変形や圧潰する虞を解消できる。また、成形輪郭部を構成する無端ベルトの上端部の移動に追従して米飯の投入位置を調整できるため、成形輪郭部の内部に米飯を確実に供給できる。
また、ベルトガイド棒に無端ベルトを巻装することにより、ベルトガイド棒を移動させるだけで無端ベルトの形態を容易に変態できる。また、米飯を成形するための米飯成形輪郭部を1枚の無端ベルトで形成するため、メンテナンスする際には、無端ベルトを清掃するだけで済み、メンテナンス性を向上できる。
【0019】
本発明の第2の態様によれば、成形機構部の下方には成形米飯を一定の厚みに横断するためのカッター機構を配設したため、カッター機構を移動させるだけで米飯を所定の厚みに横断できるため、単純な構成で米飯を所望の厚みに分割できる。
【0020】
本発明の第3の態様によれば、カッター機構の下方には一定の厚みに横断形成した成形米飯の重量を計測するロードセル機構を配設したため、当該ロードセル機構に成形米飯を載置するだけで成形米飯の重量を容易に計量できるとともに、所定重量から乖離した不足重量を算出できる。
【0021】
本発明の第4の態様によれば、ロードセル機構の下方には成形米飯を受取り搬送する前後進退自在のコンベアを配設し、該コンベアの後退動作にともないその前方受け部との間に生起される落下間隙部よりコンベア上に残溜した成形米飯を下方に落下させるように構成するとともに、コンベアの上方に下方に落下した成形米飯の不足分を補填する不足米飯補填機構部を配設したため、成形米飯の形態を変更することなく所望の重量値に調整できる。
【0022】
本発明の第5の態様によれば、カッター機構の下方には一定の厚みに横断形成した成形米飯の重量を計測して搬送するロードセル機構と、ロードセル機構の方には成形米飯を受取り搬送する前後進退自在のコンベアを配設し、該コンベアの後退作動にともないその前方受け部との間に生じる落下間隙部よりコンベア上に残溜した成形米飯を下方に落すように構成すると共に、その上方に下方落下米飯の不足分を補填する不足米飯補填機構部を配設したため、成形米飯の計量時に成形米飯の形態が崩れる虞を可及的に低減できる。また、ロードセル機構で成形米飯の計量と搬送ができるため、米飯計量成形分割機をコンパクトに形成できる。
【0023】
本発明の第6の態様によれば、前記カッター機構は、近接離反自在に対向配置した回動自在のシャッタ支持棒と、シャッタ支持棒に基端部を連結して対向するシャッタ支持棒に直交する方向に延設したシャッタ棒と、で構成したことにより、対向したシャッタ支持棒を近接して切断形成された成形米飯をシャッタ支持棒を回動することで所定のタイミングで成形米飯を下方に押出すことができ、成形米飯の落下速度および落下タイミングを任意に調整することができる。また、シャッタ支持棒を回動自在に構成したことでシャッタ支持棒に連結したシャッタ棒の回動動作によりシャッタ棒が振り下ろされてシャッタ棒の下面に米粒が接着残溜する虞を可及的に低減して成形米飯が所定重量未満に形成される虞を可及的に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る米飯計量整形分割機の全体像を模式的に示す正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る米飯計量整形分割機の全体像を模式的に示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る米飯投入部の構成を示す模式図であり、(a)は正面図であり、(b)は斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る米飯投入部の動作を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る成形機構部を示す斜視図であり、(a)は無端ベルトを装着した状態を示す図であり、(b)は無端ベルトを取り外した状態を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る支持体の構成を示す正面側の斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る支持体の構成を示す背面側の斜視図である。
図8】本発明の実施形態に係るベルト懸架ポール支持体およびベルト張設ポール支持体の構成を示す正面側斜視図であり、(a)はベルト懸架ポール支持体の構成が分かる図であり、(b)は無端ベルトをベルト懸架ポール支持体に巻き付けた状態を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係るベルト懸架ポール支持体およびベルト張設ポール支持体を示す斜視図であり、(a)はベルト懸架ポール支持体を示す図であり、(b)はベルト張設ポール支持体を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る成形機構部の構成を模式的に示す平面図である。
図11】本発明の実施形態に係る成形機構部の動作を模式的に示す平面図であり、(a)は台形状に変形した状態を示す図であり、(b)は略六角形状に変形した状態を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係る計量分割部の構成を模式的に示す斜視図である。
図13】本発明の実施形態に係る計量分割部の構成を模式的に示す分解斜視図である。
図14】本発明の実施形態に係る計量分割部の動作を示す斜視図である。
図15】本発明の実施形態に係る計量分割部による成形米飯の分割手順を示す模式正面図であり、(a)は成形米飯を支持シャッタで支持した状態を示す図であり、(b)は成形米飯を棒シャッタで分割する状態を示す図であり、(c)は分割後の成形米飯を計量部に落下させる状態を示す図である。
図16】本発明の実施形態に係る計量分割部による成形米飯の分割手順を示す模式正面図であり、(a)は棒シャッタの回転動作により成形米飯を計量部に押出した状態を示す図であり、(b)は分割した成形米飯を計量部で支持した状態を示す図であり、(c)は計量後の成形米飯を補填搬送部に落下投入した状態を示す図である。
図17】本発明の実施形態に係る補填搬送部の構成および動作を示す模式正面図であり、(a)は補填搬送部に成形米飯を落下投入した状態を示す図であり、(b)はシャトルコンベアの先端部まで成形米飯を搬送した状態を示す図である。
図18】本発明の実施形態に係る補填搬送部の構成および動作を示す模式正面図であり、(a)は補填コンベアに成形米飯を落下投入する過程の途中を示す図であり、(b)は補填コンベアに成形米飯を落下投入した状態を示す図である。
図19】本発明の第2の実施例に係る計量分割部および補填搬送部の構成および動作を示す模式的な正面図である。
図20】本発明の第2の実施例に係る計量分割部および補填搬送部の構成および動作を示す模式的な図あり、(a)はシャトルコンベアの先端部まで成形米飯を搬送した状態を示す図であり、(b)はシャトルコンベアを伸張した状態を示す図である。
図21】本発明の第2の実施例に係る計量分割部および補填搬送部の構成および動作を示す模式的な図あり、(a)は補填搬送部に成形米飯を落下投入した状態を示す図であり、(b)はシャトルコンベアの先端部まで成形米飯を搬送した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の要旨は、米飯ホッパ出口の下方に左右傾斜した左右テーパーガイド板を配設し、左右テーパーガイド板のそれぞれの下端縁に米飯成形に対応して傾動自在に制御する左右ガイド体を連設し、左右ガイド体の更に下方に成形機構部を配設し、成形機構部は成形輪郭部を規制して形成する無端ベルトと、無端ベルトの外周側面に当接して無端ベルトに形成される内方空間で米飯の成形を行うためのベルトガイド棒とより構成し、成形機構部の下方には成形米飯を一定の厚みに横断するためのカッター機構を配設し、更に、カッター機構の下方には一定の厚みに横断形成した成形米飯の重量を計測するロードセル機構を配設し、ロードセル機構の下方には成形米飯を受取り搬送する前後進退自在のコンベアを配設し、該コンベアの後退作動にともないその前方受け部との間に生じる落下間隙部よりコンベア上に残溜した成形米飯を下方に落すように構成すると共に、その上方に下方落下米飯の不足分を補填する不足米飯補填機構部を配設し、さらには、カッター機構を近接離反自在に対向配置した回動自在のシャッタ支持棒と、シャッタ支持棒に基端部を連結して対向するシャッタ支持棒に直交する方向に延設したシャッタ棒と、で構成したことを特徴とする米飯計量成形分割機を提供することを要旨としている。
【0026】
この発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る米飯計量成形分割機であり、図2は米飯計量成形分割機を示す斜視図であり、図3および図4は、米飯投入部の状態を示す図であり、図5図12は、成形機構部の構成を示す斜視図であり、図13および図14は、計量分割部の動作を示す図であり、図15および図16は、計量分割部による成形米飯の分割過程を示す模式正面図であり、図17および図18は、補填搬送部の構成および動作を示す模式正面図である。
【0027】
本発明の米飯成形計量分割機Mは、図1に示すように、米飯Rを解しながら所定の箇所に落下投入する米飯投入部1と、米飯投入部1で解した米飯を所定の形状に成形する成形機構部2と、所定形状に成形した米飯を所定の厚みに分割するための計量分割部3と、計量分割部3で所定の厚みに成形した成形米飯MRの不足計量分を補填するための補填搬送部4と、を備えている。
【0028】
[米飯投入部]
米飯投入部1は、炊飯した米飯Rが互いに接着せずパラパラ状の独立した粒となるように解しながら成形機構部2に米飯Rを搬送するための米飯Rの解し部である。
米飯投入部1は、図2および図3(a)に示すように、炊飯した米飯Rを収納するための米飯ホッパ10と、米飯ホッパ10下部の前端部に設けた米飯ホッパ出口11と、米飯ホッパ出口11に傾斜状態で配設した左右テーパーガイド板12と、左右テーパーガイド板12のそれぞれの下端縁に配設して米飯成形に対応して傾動自在に制御する左右ガイド体13と、で構成している。
【0029】
米飯ホッパ10は、図2および図3(a)に示すように、投入された米飯Rを解しつつ、後述の成形機構部2の上方まで搬送する平面視略方形状で上部開放した容器であり、底部の前端部に米飯Rが通過可能な米飯ホッパ出口11を有している。米飯ホッパ10は、底面に配設した米飯Rの送りコンベア10cと、送りコンベア10cの前端部に横軸架した繰り出しローラ10dと、繰り出しローラ10dの前方側の斜め上方に横軸架した解しローラ10eと、を有している。
【0030】
米飯ホッパ10に投入された米飯Rは、送りコンベア10cによって米飯ホッパ出口11の近傍まで搬送され、その後繰り出しローラ10dおよび解しローラ10eとの間隙を通過することにより各飯粒が互いに接着せずパラパラ状の独立した粒となるように解され、その後、米飯ホッパ出口11より左右のテーパーガイド板12a、12bに落下供給される。
なお、これら送りコンベア10cと繰り出しローラ10d、および解しローラ10eは、米飯成形計量分割機M全体の動作を制御する図示しない制御部に電気的に接続されており、送りコンベア10c上面に米飯Rが載置されることにより、送りコンベア10cの駆動と連動して各ローラが駆動するように構成している。
【0031】
左右のテーパーガイド板12a、12bは、繰り出しローラ10dおよび解しローラ10eで解した米飯Rを所定の場所まで誘導するとともに、米飯Rが成形機構部2に落下投入される際の衝撃を緩和するためのガイド機構である。
【0032】
左右のテーパーガイド板12a、12bは、米飯ホッパ10の左右側壁10a、10bに米飯ホッパ出口11の開口形状が漸次狭くなるよう傾斜状に連設している。すなわち、左右のテーパーガイド板12a、12bは、傾斜状に配設することで米飯Rが平面視略中央部に集まるように設けている。また、左右のテーパーガイド板12a、12bのうち、一方のテーパーガイド板12aは、テーパーガイド板12aの下端部近傍に設けた回転軸12cに軸支しており、上端部を左右方向の中央側に略90度回動できるように構成している。
これにより、テーパーガイド板12aは、成形機構部2に投入される予定の米飯Rの一部を後述の補填搬送部4に受け渡すことができる。この補填搬送部4に受け渡された米飯Rは、所定形態に成形された成形米飯MRが所定の重量に満たない場合に不足した量の米飯を補填するための補填米飯FRとして利用される。このように構成した左右のテーパーガイド板12a、12bの下部には、左右のガイド体13を連設している。
【0033】
左右のガイド体13は、成形機構部2を構成する成形輪郭部20に米飯投入部1で解した米飯Rを確実に投入するためのガイド機構である。
左右のガイド体13は、略同一形状のガイド体を前後に並設しており左右合わせて4つのガイド体13a、13a、13b、13bで構成している。
【0034】
各ガイド体13a、13a、13b、13bは、米飯成形計量分割機Mの後壁面M1から前方に突出した回転軸に軸支されている。回転軸は、図3(b)に示すように、断面形状をドーナツ形状とした中空円柱体14aと、中空円柱体14aの中空部に挿通した中実円柱体14bと、で構成している。
【0035】
中空円柱体14aは、後側に位置するガイド体13bを回動させるための回転機構であり、中実円柱体14bは、前側に位置するガイド体13aを回動させるための回転機構である。中空円柱体14a及び中実円柱体14bは、後端部をそれぞれ異なる駆動用モータの回転軸に連結しており、互いに独立して回動制御できるように構成している。このように構成することで、各ガイド体13a、13a、13b、13bは、それぞれ個別に回動制御できる。
【0036】
また、ガイド体13a、13bの回転軸は、上述のテーパーガイド板12aの回転軸12cと同様に米飯ホッパ出口11の略中央部側に90°回転できるように構成している。
【0037】
ガイド体13a、13bは、左右のテーパーガイド板12a、12bの傾斜面を転がりながら落ちる米飯Rを成形機構部2に誘導するためのガイド部13cと、ガイド部13cの前後いずれかの端部に連設した薄板状で円弧状の接触摺動部13dと、を有している。
【0038】
ガイド部13cは、図3(b)に示すように、先端部に向かうに連れて漸次厚みが薄くなるピンボールで使用されるフリッパーに類似した形態とする米飯Rの落下方向をガイドする傾斜ガイド部である。米飯Rは、ガイド部13cの傾斜ガイド面13c1上を回転しながら落下する。
ガイド部13cの上端部近傍には、前後に貫通した支持孔13eを穿設している。ガイド体13a、13a、13b、13bは、支持孔13eに中空円柱体14aと中実円柱体14bをそれぞれ挿通することにより各円柱体に軸支されている。
【0039】
また、ガイド体13a、13a、13b、13bは、前後いずれかの端部に接触摺動部13dを連設している。
接触摺動部13dは、正面視略扇状であって、並設した他のガイド体と接する側に連設している。例えば、本実施形態において、ガイド体13aは、後端部に接触摺動部13dを連設し、ガイド体13bは前端部に接触摺動部13dを連設している。
【0040】
このように接触摺動部13dを前後のガイド体13a、13bの接触部分に設けることで、前後ガイド体13a、13bを別々の角度に回動したとしても、前後ガイド体13a、13bの間に隙間が形成されることがない。例えば、図4に示すように、前ガイド体13aを後ガイド体13bよりも米飯ホッパ出口11の中央側に回転させた場合、各ガイド体13a、13bの傾斜ガイド面13c1、13c1にズレが生じ、前ガイド体13aの接触摺動部13dの後側面が露出することとなる。仮に、前ガイド体13aが接触摺動部13dを備えていない場合、前後ガイド体13a、13bを異なる角度に固定した際に前後ガイド体13a、13bの間に隙間を生じ、当該隙間から米飯Rが落下する虞がある。したがって、各ガイド体13a、13bは接触摺動部13dを備えることで、前後のガイド体13a、13bの固定角度を違えた場合でも接触摺動部13dが米飯Rの落下防止用の壁面として機能し、テーパーガイド板12a、12bから落下供給された米飯Rが前後ガイド体13a、13bの間に生起された隙間から落下することなく確実に成形機構部2に米飯Rを供給できる。
【0041】
また、前後ガイド体13a、13bは、各接触摺動部13d、13dが接触しながら回動するため、前ガイド体13aの後端部の上下いずれかの端部と後ガイド体13bの前端部の上下いずれかの端部が接触して回転できなくなる虞を解消している。
【0042】
すなわち、前後ガイド体13a、13bは、各接触摺動部13d、13dが接触しながら回動することでガイド体13a、13bを確実に回動できるようにするとともに、前後ガイド体13a、13bの間から米飯Rが落下する虞を解消し、成形機構部2に確実に米飯Rを投入できる。
【0043】
また、左右のガイド体13a、13a、13b、13bの下端部には、図3および図4に示すように、ダレ13f、13f、13f、13fを枢設している。
ダレ13fは、薄い板体であり、長手方向の一端部をガイド体13a、13bに枢設し、他端部を後述する成形機構部2の無端ベルト21で囲われた米飯Rの成形空間に位置している。そのため、ダレ13fは、ガイド体13a、13bと無端ベルト21の成形輪郭部20との間の隙間を塞ぎ、米飯Rを無端ベルト21に確実に投入できるようにするためのガイドとして機能する。
これにより、無端ベルト21をどのような形態に変態したとしても、ガイド体13a、13bの傾斜ガイド面13c1を転動する米飯Rを無端ベルト21の内部に確実に落下投入できる。
【0044】
このように構成したガイド体13a、13bの下方には成形機構部2を配設しており、米飯投入部1で互いに接着せずパラパラ状の独立した粒状態とした米飯Rが成形機構部2に投入される。
【0045】
また、米飯ホッパ出口11下方の略中央、すなわち、左右のテーパーガイド板12a、12bの略中央部には、センサカメラ15を設置している。
センサカメラ15は、光学式のレーザーセンサであり、成形機構部2に堆積した米飯Rの高さ、すなわち、センサカメラ15と成形機構部2に堆積した米飯Rの上端部の距離を計測している。センサカメラ15は、閾値を任意の値に設定することができる。本実施形態におけるセンサカメラ15の閾値は、後述する無端ベルト21の上端部に設定している。つまり、センサカメラ15は、米飯Rが無端ベルト21の上端部を超過した時点で計量分割部3を駆動し、堆積した米飯Rの計量分割動作を開始するように設定している。
【0046】
このようにセンサカメラ15は、堆積した米飯Rの最下部に位置する米飯Rが上部に堆積した米飯Rによって圧潰する虞を可及的に低減し、弁当容器に投入される成形米飯MRがふっくらした状態を維持できるように米飯Rにかかる圧力を制御している。また、センサカメラ15は、成形機構部2内に常に一定量以上の米飯Rが堆積されるため、成形米飯MRが所定の厚みよりも薄く形成される虞を解消して確実に所定の厚みに分割成形できる。
【0047】
[成形機構部]
成形機構部2は、米飯投入部1で互いに接着せずパラパラ状の独立した粒の状態とした米飯Rを所定の形状に成形するための米飯Rの成形部である。
成形機構部2は、成形輪郭部20を形成する無端ベルト21と、無端ベルト21の外周側面および内周側面に当接したベルトガイド棒22と、ベルトガイド棒22を前後左右に移動自在とするための駆動機構23と、で構成している。
【0048】
成形輪郭部20は、図5(a)、(b)に示すように、平面視略方形状の四隅に設けたベルトガイド棒支持体24と、前後のベルトガイド棒支持体24の間に設けたベルト懸架ポール支持体25と、ベルト懸架ポール支持体25の左右側方に設けたベルト張設ポール支持体26と、各ベルトガイド棒支持体24とベルト懸架ポール支持体25およびベルト張設ポール支持体26に立設した各ベルトガイド棒22およびベルト張設棒26cにそれぞれ巻装した無端ベルト21と、を有している。
【0049】
ベルトガイド棒支持体24は、略平板状の下面体241と側面体242、および上面体243の端部を連結して略コ字形状に形成している。
下面体241は、3つの支持孔を平面視略V字形状となるように穿設している。上面体243は、下面体241の各支持孔の対向位置に固定孔を穿設している。
このようなベルトガイド棒支持体24の各支持孔及び各固定孔にはベルトガイド棒22、22、22の端部を挿通固定している。
【0050】
ベルトガイド棒22は、図6および図7に示すように、中実で円柱状のガイド筒部221と、ガイド筒部221の上下端部からそれぞれ延設した軸部222、222とで構成している。
ベルトガイド棒22は、下側に延設した軸部222を下面体241のいずれかの支持孔に挿通し、下側の軸部222が挿通した支持孔に対向する固定孔に上側に延設した軸部222を挿通している。これにより、ベルトガイド棒22は、ベルトガイド棒支持体24に略鉛直状態で固定できる。
また、ベルトガイド棒支持体24は、側面体242の上下略中央部の背面側に駆動機構23を連結している。
【0051】
駆動機構23は、図6および図7に示すように、左右移動機構231と前後移動機構232とを有する。
左右移動機構231は、駆動モータ233と、駆動モータ233の回転軸に連結した駆動側傘歯車234aと、駆動側傘歯車234aに噛合した従動側傘歯車234bと、従動側傘歯車234bに連結した動力伝達軸235と、動力伝達軸235の回転動力によって左右移動自在とする移動箱体236と、移動箱体236に挿通した摺動ガイド237と、移動箱体236の側面から側面体242側に突設した支持ロッド238と、を有している。
【0052】
駆動モータ233で生起された回転動力は、駆動モータ233の回転軸に連結した駆動側傘歯車234aから従動側傘歯車234bを介して動力伝達軸235を回動させる。
動力伝達軸235は、移動箱体236と螺合しており、動力伝達軸235を回動させることにより移動箱体236が動力伝達軸235の軸方向に対して前後移動自在としている。
【0053】
このように構成した移動箱体236は、上下方向略中央に前後に併設したガイド孔を穿設している。このガイド孔には、摺動ガイド237を挿通している。摺動ガイド237は、駆動機構23を支持する支持枠体230の左右端部に垂設した板体間に架設されている。
これにより移動箱体236は、動力伝達軸235および摺動ガイド237、237によって水平状態を維持しながら摺動ガイド237、237に沿って左右方向に進退動作できる。
【0054】
また、移動箱体236の下端部には、ベルトガイド棒支持体24に向けて支持ロッド238を延設している。支持ロッド238は、基端部を移動箱体236に連結し、先端部を側面体242の背面に連結している。
【0055】
このように左右移動機構231を構成することでベルトガイド棒支持体24は、成形機構部2の左右側方に配置した駆動機構23によって水平状態を維持しつつ左右方向への移動を自在としている。
【0056】
また、支持枠体230の上部には、前後移動機構232を配設している。前後移動機構232は、支持枠体230を前後方向に移動自在とするものであり、その構成については左右移動機構231と略同一であり、移動方向が異なるだけのため詳細の説明は省略する。
【0057】
このように左右移動機構231および前後移動機構232を構成しており、左右移動機構231の支持ロッド238に連結されたベルトガイド棒支持体24は、前後左右への移動を自在としている。なお、成形機構部2の平面視略方形状の四隅に配設した各ベルトガイド棒支持体24、24、24、24および駆動機構23、23、23、23は全て同一の構成のため、他のベルトガイド棒支持体24および駆動機構23について説明を省略する。
【0058】
また、前後に配設したベルトガイド棒支持体24、24の前後方向略中央部には、ベルト懸架ポール支持体25を配設している。
【0059】
ベルト懸架ポール支持体25は、図8及び図9(b)に示すように、略板状の下面体251と側面体252および上面体253を連結して略コ字形状に形成している。
下面体251および上面体253の先端部側中央には、それぞれ支持孔25aおよび固定孔25bを穿設している。支持孔25aおよび固定孔25bは、上下に対向配置されている。
【0060】
下面体251および上面体253の支持孔25aと固定孔25bには、クリップベアリングを介してベルト懸架ポール回転板25c、25cが両孔25a、25bを結んだ直線を回転軸として水平回動自在に取り付けられている。
【0061】
上下に配設したベルト懸架ポール回転板25c、25cは、前後を長手方向とする長楕円形状に形成した板体であり、前後端部に固定用のネジ穴を穿設している。
ベルト懸架ポール回転板25c、25cのネジ穴には、固定用のネジやボルトを介してベルト懸架ポール255、255を略鉛直状態に立設固定している。
【0062】
このように構成したベルト懸架ポール支持体25、25は、側面体252下端部の背面側に駆動機構23を連結している。
【0063】
駆動機構23は、ベルト懸架ポール支持体25を水平状態に保持しながら左右に進退動作自在とする機構である。
駆動機構23は、図8および図9に示すように、ベルト懸架ポール支持体25を支持する支持ブラケット250と、支持ブラケット250に連結した左右移動機構254とを有する。
【0064】
左右移動機構254は、前述の左右移動機構231と略同一に構成されており、ベルト懸架ポール支持体25を水平移動させることが可能なアクチュエータである。
これによりベルト懸架ポール支持体25は、側面体252に連結した支持ブラケット250を介して左右移動機構254により、水平状態を維持しながら進退動作できる。
【0065】
ベルト懸架ポール支持体25の左右側方には、ベルト張設ポール支持体26を配設している。
ベルト張設ポール支持体26は、ベルトガイド棒支持体24およびベルト懸架ポール支持体25によって所定の成形形態に変態した無端ベルト21を緊張状態とするための無端ベルト21の緊張部材である。
【0066】
ベルト張設ポール支持体26は、下面体261、側面体262、および上面体263の端部を連結して正面視略コ字形状に形成している。下面体261および上面体263の先端部には、対向位置に支持孔をそれぞれ穿設している。
この支持孔には、ベルトガイド棒22と略同一形状に形成したベルト張設棒26cの端部をそれぞれ挿通固定している。これにより、ベルト張設棒26cは、下面体261および上面体263によって略鉛直状態に支持固定されている。
【0067】
また、ベルト張設ポール支持体26は、図8および図9(a)に示すように、支持杆264を介してエア駆動部265に連結している。
エア駆動部265は、左右に延在したガイド杆266と、ガイド杆266の下部に並行に配設したガイドロッド267と、ガイドロッド267の軸方向に移動自在とするエアシリンダ268とを有する。
【0068】
ガイド杆266は、平面視略方形状の板体であり、前後端部に連結したブラケットで駆動機構23の図示しない枠体に連結支持されている。
ガイド杆266の一端部には、エアシリンダ268を駆動するためのエア吸入部269を配設しており、エア吸入部269への空気の供給量に応じてエアシリンダ268は移動自在としている。エアシリンダ268は、挿通したガイドロッド267に沿って左右に移動できる。
【0069】
また、エアシリンダ268の下部には、支持杆264を連結している。支持杆264は、前述の通り一端部をエアシリンダ268の下端面に連結しており、他端部をベルト張設ポール支持体26の側面体262の背面側下端部に連結している。
これによりベルト張設ポール支持体26は、エアシリンダ268の動作に連動して左右方向に移動できる。すなわち、ベルト張設ポール支持体26は、下面体261および上面体263によりベルト張設棒26cを略鉛直状態に保ちつつ、エアシリンダ268によって左右方向に水平状態を維持しつつ移動することができる。
【0070】
また、ベルト張設ポール支持体26は、図9(b)に示すように、側面体262の前側上端部に摺動ガイド270を連結している。
摺動ガイド270は、ベルト懸架ポール支持体25を支持する連結支持部271に摺動自在に係合している。
これにより、ベルト張設ポール支持体26は、ベルト懸架ポール支持体25の動きに連動して前後左右に移動自在としている。すなわち、ベルト張設ポール支持体26は、無端ベルト21を変態させる際、ベルト懸架ポール支持体25と一定の位置関係を維持しながらベルト懸架ポール支持体25の動きに連動して左右に移動し、無端ベルト21を所定の形態に変態した後には、無端ベルト21の撓みを解消すべくベルト張設ポール支持体26を単独で左右に移動できる構成としている。
【0071】
また、ベルト懸架ポール255は、無端ベルト21を張設した際、右側後方に位置するベルトガイド棒22と、ベルト懸架ポール支持体25の後側に位置するベルト懸架ポール255とベルト張設棒26cとで形成される角度αと、右側前方に位置するベルトガイド棒22と前側に位置するベルト懸架ポール255とベルト張設棒26cとで形成される角度βと、の関係により前後のベルト懸架ポール255、255を変態している。なお、左側に位置するベルト懸架ポール255は、右側のベルト懸架ポール255の構成を左右反転した構成であるため、その説明を省略する。
【0072】
例えば、図11(a)に示すように、角度βが角度αよりも大きく形成された場合、後側のベルト懸架ポール255にかかる無端ベルト21による右方向への押圧力が前側のベルト懸架ポール255にかかる無端ベルト21による右方向への押圧力よりも大きくなり、後側のベルト懸架ポール255が前側のベルト懸架ポール255よりも右側に引張られた位置で停止する。
【0073】
また、図11(b)に示すように、角度βと角度αが同一の角度である場合、前後の各ベルト懸架ポール255、255にかかる無端ベルト21による右方向への押圧力が略同一となり、前後の各ベルト懸架ポール255は前後一直線上に並ぶ。
【0074】
このようにベルト懸架ポール255は、支持孔25aおよび固定孔25bを結ぶ直線を回転軸として水平回転可能に構成しており、角度αと角度βとの関係において形成される角度が小さいベルト懸架ポール255側がベルト張設ポール支持体26側に変位する。
これにより、ベルト懸架ポール支持体25部分において無端ベルト21は、前後ベルトガイド棒支持体24、24を結んだ直線が斜辺となった場合にも段差を形成することなくガイド棒支持体24、24を直線状に結ぶことができる。
【0075】
このように四隅に配設したベルトガイド棒支持体24、24、24、24と、前後ベルトガイド棒支持体24、24の略中央部に配設したベルト懸架ポール支持体25と、ベルト懸架ポール支持体25の左右側方に設けたベルト張設ポール支持体26と、の各支持体にベルトガイド棒22、ベルト懸架ポール255、およびベルト張設棒26cをそれぞれ立設し、各棒およびポールの外周面に無端ベルト21を懸架することで、成形輪郭部20に投入された米飯Rを成形できる。
【0076】
無端ベルト21は、米飯Rを所定形状に成形するための成形シートである。無端ベルト21は、一定の弾性力を有する可撓性の素材で構成している。無端ベルト21の内周面21aは、エンボス加工のように細かい凹凸形状を表面に有する。無端ベルト21は、前後ベルトガイド棒支持体24、24に立設したベルトガイド棒22、ベルト懸架ポール支持体25に立設したベルト懸架ポール255、ベルト張設ポール支持体26に立設したベルト張設棒26c、に巻装することにより無端ベルト21を所望の形態に変態できる。すなわち、米飯Rは、無端ベルト21の内側面に沿って成形される。
【0077】
なお、本実施形態における変形前の無端ベルト21は、図10に示すように、平面視略方形状の四隅に配設したベルトガイド棒支持体24、24、24、24に立設した各ベルトガイド棒22に巻装し、さらに、ベルト懸架ポール支持体25、ベルト張設ポール支持体26に立設したベルトガイド棒22およびベルト張設棒26cに巻装し、ベルト張設棒26cを無端ベルト21の成形部から離反する方向にそれぞれ移動させることにより、無端ベルト21を緊張状態に形成できる。
【0078】
このように成形機構部2は構成されており、無端ベルト21を巻装したベルトガイド棒22およびベルト張設棒26cを各ベルトガイド棒支持体24、24、24、24とベルト懸架ポール支持体25、およびベルト張設ポール支持体26で移動させることにより、無端ベルト21の形態を自由に変態し、米飯Rを投入する弁当容器の形態に合わせて変態できる。
【0079】
例えば、図11(a)に示すように、前側に位置する左右のベルトガイド棒支持体24、24を近接するように移動し、前後のベルトガイド棒支持体24、24を結ぶ直線位置にベルト懸架ポール支持体25を移動させることにより無端ベルト21は、平面視略台形形状となる。この際、上下のベルト懸架ポール回転板25c、25cは、無端ベルト21の左右辺21b、21cがなす角度と略平行となるように回動する。このベルト懸架ポール回転板25cが回動することにより、無端ベルト21の左右辺を直線上に形成できる。
【0080】
また、無端ベルト21は、左右のベルト懸架ポール支持体25、25を移動せずに前側の左右のベルトガイド棒支持体24、24および後側の左右のベルトガイド棒支持体24、24を左右のベルト懸架ポール支持体25、25間の距離よりも近接することで、図11(b)に示すように、平面視略六角形状に変態できる。この際、ベルト懸架ポール回転板25cは、前後直線状態に維持されており、これにより、略六角形状を形成できる。
【0081】
このように、成形機構部2は、ベルト懸架ポール支持体25のベルト懸架ポール回転板25cを支持孔25aと固定孔25bを繋いだ直線を軸として水平方向に回転自在としたことにより、変態できる形態に幅を持たせることができる。
このように成形機構部2で成形された米飯Rは、計量分割部3に落下投入される。
【0082】
[計量分割部]
計量分割部3は、図12に示すように、成形機構部2で成形した米飯Rを所定の厚みに分割する米飯Rの分割部である。
【0083】
計量分割部3は、米飯Rを所定の厚みに切断するカッター機構30と、カッター機構30で切断された成形米飯MRの重量を計測するための計量部40と、を有している。
【0084】
カッター機構30は、成形輪郭部20の下方に位置する棒シャッタ300と、棒シャッタ300の下方に位置する支持シャッタ350と、で構成している。
【0085】
棒シャッタ300は、図12および図13に示すように、前後のガイド枠体310、311と、前後のガイド枠体310、311に架設した左右のシャッタ支持棒320、321と、左右のシャッタ支持棒320、321から支持棒を対向する方向にそれぞれ延設した複数のシャッタ棒330、330、、、とを有している。
【0086】
前後ガイド枠体310、311は、図12および図13に示すように、断面略方形状で左右に延在した角柱である。前後ガイド枠体310、311は、前面から後面にかけて貫通した長楕円形状の摺動ガイド部310a、311aをそれぞれ有している。前後の摺動ガイド部310a、311aは、前ガイド枠体310に穿設した前摺動ガイド部310aよりも後ガイド枠体311に穿設した後摺動ガイド部311aの開口高さが低くなるように形成している。
【0087】
シャッタ支持棒320、321は、駆動用のモータ340、340の回転軸に連結した略円柱状の回転伝達棒320a、321aと、回転伝達棒320a、321aの前端側に連結した略角柱状のシャッタ棒支持部320b、321bとで構成している。
【0088】
回転伝達棒320a、321aは、図13に示すように、一端部を駆動用のモータ340、340にそれぞれ連結している。モータ340、340は、それぞれ図示しないエアシリンダに連結しており、各モータが独立して水平状態を維持しながら左右方向に移動できるように構成している。
これにより、回転伝達棒320a、321aは、水平状態を維持しながら左右方向への移動を自在としており、また、モータ340、340の回転動作により回転伝達棒320a、321aの軸心を中心として回転自在に構成している。
なお、本実施形態において、回転伝達棒320aは、時計回りに略5°回転できるように構成しており、また、回転伝達棒321aは、反時計回りに略5°回転できるように構成している。この回転伝達棒320a、321aの回転動作は、後述のシャッタ棒330で成形米飯MRを切断した際にシャッタ棒330の下面側に付着した米飯を下方に落下させるとともに、所定のタイミングおよび所定の箇所に成形米飯MRを落下させることができる。上述の説明において、回転伝達棒320a、321aの回転角度を略5°としているが、シャッタ棒330の下面に付着した米飯の振るい落とし動作、および、所定の箇所に成形米飯MRを落下させることができれば回転角度については5°に限定されるものではない。
【0089】
回転伝達棒320a、321aは、中空の円柱体で後ガイド枠体311の後摺動ガイド部311aの開口高さと略同一の径に構成し、前端部を左右の後ガイド部311a、311aにそれぞれ挿通している。このように構成した回転伝達棒320a、321aの前端部には、シャッタ棒支持部320b、321bを連結している。
【0090】
シャッタ棒支持部320b、321bは、断面略方形状で前後方向に伸延した角柱部材であり、下面に左右方向に略方形状に切欠したシャッタ棒支持部320d、321dを有する。また、シャッタ棒支持部320b、321bは、前端部に略円柱状の支持体320c、321cを突設している。
【0091】
シャッタ棒支持部320b、321bは、支持体320c、321cを前ガイド枠体310の前摺動ガイド部310aに挿通し、シャッタ棒支持部320b、321bの基端部を回転伝達棒320a、321aに連結し、前後のガイド枠体310、311の摺動ガイド部310a、311aの間に架設している。
【0092】
このように構成されたシャッタ支持棒320、321は、前後ガイド枠体310、311の摺動ガイド部310a、311aに回転伝達棒320a、321aと支持体320c、321cをそれぞれ挿通することにより、摺動ガイド部310a、311aに沿って水平状態を維持しながら左右方向に摺動自在に支持されている。
【0093】
また、シャッタ支持棒320、321は、後ガイド枠体311に挿通する回転伝達棒320a、321aを前ガイド枠体310に挿通する支持体320c、321cよりも大径としている。これにより、シャッタ支持棒320、321は、支持体320c、321cと摺動ガイド部310a、311aに生起される摺動抵抗を小さくすることでシャッタ支持棒320、321の左右摺動による摩擦抵抗によりシャッタ支持棒320、321が破損および変形する虞を低減している。すなわち、支持体320c、321cの径を回転伝達棒320a、321aの径よりも小さく形成することにより、支持体320c、321cと摺動ガイド部310aとの接地面積を回転伝達棒320a、321aと摺動ガイド部311aの接地面積よりも小さくしてシャッタ支持棒320、321の先端側にかかる摺動抵抗を後端側よりも低減している。
この構成により、棒シャッタ300は、米飯Rの成形分割動作を連続して行ったとしてもシャッタ支持棒320、321の先端側にかかる負荷が小さく、各シャッタ支持棒が損傷または変形する虞を可及的に低減できる。
【0094】
また、シャッタ支持棒320、321のシャッタ棒支持部320d、320d、、、およびシャッタ棒支持部321d、321d、、、には、シャッタ棒330の基端部を連結している(図14参照)。
シャッタ棒330は、図13に示すように、中実で略円柱状に形成した支持部331と、支持部331の基端から延設した下側に凸形状で略半円状の係合部332と、支持部331の先端から延設した略円錐形状の切断部333と、を有する。
【0095】
係合部332は、支持部331の基端に連結した半円柱体であり、上部を平坦とする平坦面332aを有する。平坦面332aは、シャッタ支持棒320、321のシャッタ棒支持部320b、321bの上面に接触して図示しないボルトやビスなどで固定している。
【0096】
このような構成により、シャッタ棒330は、係合部332の平坦面332aがシャッタ棒支持部320b、321b上面の平坦面に係止され、シャッタ棒支持部320b、321bに水平状態を維持しながら取り付けられる。また、支持部331の係合部332側の端面がシャッタ支持棒320、321の側壁に接触することにより、シャッタ棒330は、シャッタ支持棒320,321への取付位置の調整を容易にできる。すなわち、シャッタ棒330をシャッタ棒支持部320d、321dに取りつける際には、まず、平坦面332aをシャッタ棒支持部320d、321dの平坦面に接触させ、その後、支持部331の端面がシャッタ棒支持部320b、321bの側壁に接触させることで位置が決定できる。
【0097】
また、切断部333は、先端にかけて先細り形状とした略円錐台状の部材であり、先端部を半球状としている。
【0098】
シャッタ棒330は、上述した構成により、シャッタ棒支持部320d、321dの上面と平坦面332aの接触、および、シャッタ棒支持部320b、321bの側壁と支持部331の端面との接触により水平状態を維持するようにシャッタ支持棒320、321に支持されるとともに、シャッタ棒支持部320b、321bの前後側壁と係合部332の平坦面332aの前後端部を接触させることで前後方向への揺動を規制している。
また、支持部331における係合部332側の側面がシャッタ棒支持部320d、321dの前後側壁に接触することでシャッタ棒330の左右方向への移動を規制している。
【0099】
これにより、シャッタ棒330は、シャッタ支持棒320、321を摺動ガイド部310a、311aに沿って水平状態を維持しながら左右に移動させることで対向配置した左右のシャッタ棒330、330によって形成される開口部335を閉塞したり開放したりできる。
【0100】
また、シャッタ棒330は、前後方向に一定間隔離間して複数併設している。すなわち、シャッタ棒330は、隣接するシャッタ棒330との間に収納空間334を有する。このようにシャッタ棒330を構成することで、左右のシャッタ棒330を閉塞した際、シャッタ棒330aが収納空間334bに侵入し、また、シャッタ棒330bが収納空間334aに侵入し、左右互いのシャッタ棒330a、330bが干渉することなく左右に移動できる。
【0101】
また、切断部333の先端部を半球体状としたことにより、左右のシャッタ棒330a、330bで開口部335を閉塞した際に分割される米飯Rに潰れや切断面が生起される虞を可及的に低減して米飯塊を所定の厚みに分割できる。
【0102】
このように構成した棒シャッタ300の下方には、支持シャッタ350を配設している。
支持シャッタ350は、図12および図13に示すように、シャッタ支持部351と、シャッタ支持部351の前後に配設したガイドブロック352、353と、ガイドブロック352、353に係合固定したシャッタ規制部354と、シャッタ支持部351とガイドブロック352、353とシャッタ規制部354とに囲まれた左右のシャッタ356、356と、で構成している。
【0103】
シャッタ支持部351は、平面視略方形状で中央に平面視略方形状の支持開口部351aを穿設している。シャッタ支持部351の前後端部には、ガイドブロック352、353を載置固定している。
【0104】
ガイドブロック352、353は、断面略方形状で左右方向に延在したブロック体であり、左右端部近傍に係合凹部354a、354bを有する。係合凹部354a、354bには、シャッタ規制部354、354を係止している。また、ガイドブロック352、353は、ガイドブロック352、353の左右端部に上面から下面にかけて貫通した固定孔を穿設しており、当該固定孔にビスやボルトを挿通することでシャッタ支持部351に固定している。
【0105】
シャッタ規制部354は、平面視略方形状で前後端部に係合凹部354a、354bを延設している。係合凹部354a、354bは、上面から下面にかけて貫通した孔を穿設している。シャッタ規制部354は、当該孔に図示しないビスやボルトを挿通してガイドブロック352、352に固定している。
【0106】
これにより、支持シャッタ350は、シャッタ支持部351、ガイドブロック352、353、シャッタ規制部354とで閉塞形成したシャッタ開口部355を有する。
シャッタ開口部355には、左右のシャッタ356、356が進退自在に配設されている。
【0107】
左右のシャッタ356、356は、図13に示すように、平面視略方形状の板体であり、上面に凹部356aを有する。
凹部356aは、断面略円弧状で左右方向に延在しており、シャッタ356、356の前後方向に一定間隔離間した状態で複数穿設している。
これにより、左右のシャッタ356、356は、上面に載置された米飯Rとの接触面積を減少してシャッタ356、356の進退動作時において上面に米飯Rが残留する虞を低減している。
また、シャッタ356、356の進退方向における後端部には、前面から後面にかけて断面略方形状の固定孔356bを穿設しており、当該固定孔356bに連結杆357を挿通している。
【0108】
連結杆357の基端部は、図13に示すように、左右水平移動自在としたエアシリンダ358に連結している。
これにより、左右のシャッタ356、356は、エアシリンダ358による連結杆357と、左右のシャッタ356、356を支持するシャッタ支持部351によって水平状態を維持しながら近接離反動作ができる。
【0109】
このように構成したカッター機構30は、左右のシャッタ356、356を近接することで支持開口部351aを閉塞して成形機構部2で成形した米飯塊を支持できる。さらに、カッター機構30は、開口部335を閉塞するように左右のシャッタ棒330、330を近接することで米飯塊を所定の厚みに分割できる。
【0110】
また、前ガイド枠体310の左右方向略中央部には、固定ブロック体312を前方向に突設している。固定ブロック体312は、上面の左右両端部近傍に固定孔312a、312bを上面から下面にかけて貫通形成している。
また、シャッタ支持部351の前端部には、前述の固定孔312a、312bに対向する位置に連結棒359、359を立設している。
連結棒359、359は、固定ブロック体312の固定孔312a、312bに挿通しており、連結棒359、359の長さを変更することで棒シャッタ300と支持シャッタ350との間隔を調整できる。すなわち、連結棒359の長さに応じて、成形米飯MRの厚みが調整できる。
【0111】
計量部40は、成形輪郭部20およびカッター機構30で所定の形状に成形した成形米飯MRの重量を計測するための部分である。
計量部40は、荷重を電気信号に変換するロードセル機構400を有する。
ロードセル機構400は、平面視略方形状の計量シャッタ410と、計量シャッタ410を保持するためのガイド枠体415と、ガイド枠体415の左右端部に位置する支持棒417、417とを有する。
【0112】
計量シャッタ410は、左右に移動自在に構成した板体であり、上面に凹部411を有し、下面に断面略T字形状の計量用凹部412を有している。
【0113】
凹部411は、断面略円弧状で左右方向に延在している。凹部411は、計量シャッタ410の前後方向に一定の間隔離間した状態で複数穿設している。これにより、計量シャッタ410は、上面に載置された米飯Rとの接触面積を減少して計量シャッタ410の動作時において上面に米飯Rが残留する虞を可及的に低減している。
【0114】
計量用凹部412は、計量シャッタ410の後面から前面に向けて穿設しており、計量シャッタ410の前後方向における略4分の3まで穿設している。このように構成した計量用凹部412には、支持杆413を挿通している。
支持杆413は、基端部にロードセル414を連結している。これにより計量シャッタ410は、上面に載置された成形米飯MRの重量を支持杆413を介してロードセル414に伝達して計量できる。
また、計量シャッタ410の前端部は、ガイド枠体415に遊嵌支持されている。
【0115】
ガイド枠体415は、平面視略方形状で中央に方形状の計量開口部415aを有する。
ガイド枠体415は、左右端部側面に前面から後面にかけて穿設した支持孔415b、415cと、前面下部の裏面側に左右両端部に亘って設けたシャッタガイド416を有している。
支持孔415b、415cには、それぞれ支持棒417、417を挿通しており、ガイド枠体415の水平状態を維持している。また、シャッタガイド416には、前述の通り計量シャッタ410の前端部を左右摺動自在に遊嵌している。
【0116】
このように計量部40を構成することにより、成形輪郭部20およびカッター機構30で所定の形態に成形された成形米飯MRの重量を正確に計測できるとともに、ガイド枠体415のシャッタガイド416に沿って計量シャッタ410を左右いずれかに移動して計量開口部415aを開放し、当該計量開口部415aから成形米飯MRを落下させて補填搬送部4に受け渡すことができる。
【0117】
図15および図16を用いて、成形機構部2で成形された成形米飯MRを所定の厚みに分割する手順について説明する。
【0118】
図15(a)に示すように、成形機構部2に投入された米飯Rは、所定形態の成形米飯MRに変態するとともに、棒シャッタ300の左右のシャッタ棒330a、330bを開放し、支持シャッタ350の左右のシャッタ356、356を閉塞することでシャッタ356、356に堆積される。
【0119】
次に、シャッタ356、356に堆積した成形米飯MRは、図15(b)に示すように、棒シャッタ300の左右のシャッタ棒330a、330bを接近して開口部335を閉塞することで成形米飯MRを所定の厚みに切断する。この際、支持シャッタ350は、シャッタ棒330a、330bが開口部335を完全に閉塞する前、すなわち、切断部333、333の先端が重複する直前で開放動作を開始する。これにより、シャッタ棒330a、330bとシャッタ356、356との間で成形米飯MRが上下から押圧されて圧潰する虞を可及的に低減できる。
【0120】
次に、図15(c)に示すように、シャッタ棒330a、330bで所定の厚みに切断された成形米飯MRは、シャッタ棒330a、330bで開口部335を閉塞した状態で、シャッタ356、356を開放して支持開口部351aから成形米飯MRを落下させる。
【0121】
次に、図16(a)に示すように、左右いずれかのシャッタ棒330a、330bを回動して所定の厚みに成形した成形米飯MRを上部から下方に向けて押出すことで計量シャッタ410に落下させる。この際、左右いずれかのシャッタ棒330a、330bを回動させることで、米飯Rがシャッタ棒330a、330bに残溜する虞を低減させると共に、成形米飯MRが落下するタイミングおよび落下方向を調整できる。
【0122】
次に、図16(b)に示すように、成形米飯MRは、計量開口部415aを閉塞するように計量シャッタ410を位置することで所定の厚みに分割された成形米飯MRを支持することができる。この際、成形米飯MRは、計量シャッタ410に連結したロードセル414(図13参照)によって計量される。
【0123】
次に、図16(c)に示すように、計量後の成形米飯MRは、計量開口部415aが開口されるように計量シャッタ410を水平移動することで補填搬送部4のベルトコンベアに落下載置される。
【0124】
[補填搬送部]
補填搬送部4は、成形米飯MRを所定の重量値となるように不足分の米飯Rを補填しつつ所定の箇所に搬送する部分である。
補填搬送部4は、図17に示すように、ロードセル機構400の下方に位置するシャトルコンベア60と、シャトルコンベア60の進行方向端部の前下方に位置する不足米飯補填機構70とを有する。
【0125】
シャトルコンベア60は、図17(a)、(b)および図18(a)、(b)に示すように、進行方向に対して後部側に位置する固定部61と、固定部61の前端部に連結した進行方向に対して進退自在に構成したシャトル部62とを有する。
【0126】
固定部61は、左右に対向配置した平板状の枠体610、610と、枠体610、610の後部に軸支した駆動ローラ611と、駆動ローラ611の前側の斜め下方に位置し左右枠体610、610に軸支したガイドローラ612とを有する。
【0127】
駆動ローラ611は、図示しないモータと連結している。駆動ローラ611とモータとは、プーリおよびベルトを介して連結しており、プーリの径を可変とすることにより駆動ローラ611の回転速度を任意に調整できるように構成している。
【0128】
ガイドローラ612は、駆動ローラ611の前側の斜め下方に位置しており、シャトル部62の進退動作に応じて弛緩状態と緊張状態が交互に変化するコンベアベルト613の張力変化を駆動ローラ611に直接伝達しないようにするための部分である。すなわち、ガイドローラ612は、駆動ローラ611との距離を一定とすることにより、駆動ローラ611とコンベアベルト613を常に接触した状態とすることができる。
【0129】
このように構成された固定部61の前端部には、シャトル部62を連結している。
シャトル部62は、左右に対向配置した進退自在で平板状のシャトル部枠体614、614と、シャトル部枠体614、614の前端部に軸支した従動ローラ615と、シャトル部枠体614、614の後端部の下部に軸支した従動補助ローラ616と、従動補助ローラ616の前方斜め下方に位置する緊張ローラ617aと、を有する。
【0130】
シャトル部枠体614は、前後を長手方向とする略方形状で平板状の枠体本体614aと、枠体本体614aの後端部に垂設したローラ支持部614bとを有する側面視略L字状の部材であり、左右に対向配置されている。
【0131】
枠体本体614aは、前端部に従動ローラ615を軸支している。枠体本体614aは、図示しない駆動機構に連結しており、当該駆動機構により水平状態を維持しながら進退動作を可能としている。
【0132】
また、枠体本体614aの後端部に連結したローラ支持部614bは、先端部を下端で上方に折り返した略J字状に形成した部材であり、J字状の凹部に従動補助ローラ616を軸支している。
【0133】
従動ローラ615および従動補助ローラ616は、枠体本体614aおよび枠体本体614aに連結したローラ支持部614bにそれぞれ軸支されているため、枠体本体614aが進退動作したとしても各ローラの位置関係が変化することがない。
また、従動ローラ615に対して従動補助ローラ616が後下方に位置するため、コンベアベルト613は、従動ローラ615から従動補助ローラ616に向かうに連れて緩やかに後下方に傾斜する形態で各ローラに巻装される。
【0134】
これによりコンベアベルト613の上面(表面)は、従動ローラ615と従動補助ローラ616との間で上下方向に引張り合い、枠体本体614aの上面、すなわち、成形米飯MRが接触搬送する面を撓ませることなく成形米飯MRを搬送できる。
【0135】
また、従動補助ローラ616の前方下方には、コンベアベルト613の緊張部617を配設している。緊張部617は、図17に示すように、コンベアベルト613を巻装した緊張ローラ617aと、緊張ローラ617aを軸支した支持ブラケット617bと、支持ブラケット617bを前方に付勢する弾性体617cを有する。
【0136】
緊張ローラ617aは、従動補助ローラ616の前方下方に位置している。コンベアベルト613は、従動補助ローラ616から緊張ローラ617aに向かうに連れて緩やかに下方に傾斜する形態で各ローラに巻装されている。
【0137】
また、緊張ローラ617aを軸支する支持ブラケット617bは、後方から前方に向けて弾性体617cで付勢されている。
緊張ローラ617aは、上述の構成により、コンベアベルト613を下方に引張りつつ弾性体617cの付勢力にて前方向に付勢されることでコンベアベルト613を前方向に引張り緊張状態としている。
これにより、コンベアベルト613は、シャトル部62の進退動作によって緩む虞を可及的に低減している。
【0138】
シャトルコンベア60の前方には、計測した重量値からの差分を補填するための不足米飯補填機構70と、不足米飯補填機構70の下方に始端部を位置する補填コンベア71とを有する。
【0139】
不足米飯補填機構70は、米飯投入部1で解された米飯Rを中間コンベアMCを介して投入部IMまで搬送し、ロードセル機構50で計測した成形米飯MRが所定重量値に満たない場合に、所望重量値から乖離した不足分の米飯Rを補填コンベア71の始端部に投入する米飯Rの補填機構である。
不足米飯補填機構70の投入部IMの下方には、前方受け部72を配設している。
【0140】
前方受け部72は、シャトルコンベア60のシャトル部62を前進した状態から後退させる際、コンベアベルト613の上面に載置された成形米飯MRが前方に飛び出すことを規制するための規制部材である。
すなわち、前方受け部72は、コンベアベルト613の搬送動作によってコンベアベルト613の前端部から成形米飯MRが飛び出すことを規制して、前方受け部72とコンベアベルト613の間に形成される落下間隙部73より成形米飯MRを補填コンベア71の始端部に確実に落下させることができる。
【0141】
補填コンベア71は、始端部側に配設した駆動ローラ710と終端部側に配設した従動ローラ711とを有しており、各ローラにコンベアベルト712を巻装している。
従動ローラ711は、駆動ローラ710よりも上方に位置している。そのため、各ローラに巻装したコンベアベルト712は、搬送始端部から搬送終端部にかけて緩やかに上昇する傾斜状に構成される。
【0142】
このような構成により、シャトルコンベア60から落下間隙部73を通過して補填コンベア71の始端部に落下した成形米飯MRが落下した衝撃で成形形態が崩れる虞を可及的に低減している。
【0143】
この理由について、補填コンベア71が下方傾斜であった場合を例にして説明する。
成形米飯MRは、シャトルコンベア60の後退動作時において、成形米飯MRの前端部を最初に落下させる。そのため、落下する成形米飯MRは、下方傾斜の姿勢にてシャトルコンベア60から補填コンベア71に落下することとなる。
ここで、補填コンベア71上面には、既に不足した米飯Rを補填するための補填米飯FRが載置されており、成形米飯MRは、上方から補填米飯FRの上部に落下することとなる。
補填コンベア71が下方傾斜であると、コンベアベルト712の傾斜面に対して成形米飯MRの下面が平行状態を維持しつつ落下する。
そのため、コンベアベルト613から落下した成形米飯MRは、補填米飯FRに最初に接触することとなり、当該接触面には、成形米飯MRの全重量によるせん断応力が生起されることとなる。
したがって、補填コンベア71を進行方向に対して下方傾斜状態とすると、成形米飯MRが落下時に補填米飯FRによって損傷する虞がある。
【0144】
これに対して、補填コンベア71を上方傾斜状態とすると、コンベアベルト613から落下した成形米飯MRは、成形米飯MRの前端部が補填コンベア71の上面に最初に接触する。その後、成形米飯MRは、補填米飯FRと接触し、最後に成形米飯MRの後端部が補填コンベア71に接触する。このように、補填コンベア71を進行方向に対して上方傾斜状に形成すると、落下時に成形米飯MRに係る衝撃が成形米飯MRの前端部と中途部と後端部とに分散されるため、成形米飯MRが落下時に損傷する虞を可及的に低減できる。
【0145】
このように構成された補填搬送部4にて成形米飯MRが不足分の米飯Rを補填して所定の場所に搬送される順序について図17および図18を用いて説明する。
【0146】
図17(a)に示すように、ロードセル機構50で計量された成形米飯MRは、シャトルコンベア60の固定部61側のコンベアベルト613上面にロードセル機構50から落下投入される。この成形米飯MRは、駆動ローラ611を駆動させることにより固定部61側に載置された状態からシャトル部62側まで搬送される。この際、補填コンベア71の前端部には、搬送される成形米飯MRの不足分の米飯Rが投入部IMから補填米飯FRとして投入されている。
【0147】
シャトル部62側に搬送された成形米飯MRは、図17(b)に示すように、シャトル部枠体614、614を前方に移動させることにより、補填コンベア71の前端部の上方まで搬送される。
【0148】
補填コンベア71の前端部上方に位置する成形米飯MRは、図18(a)に示すように、シャトル部62のシャトル部枠体614、614を後退動作させることにより成形米飯MRを補填コンベア71の前端部、すなわち、補填米飯FRに覆いかぶさるように落下する。この際、シャトルコンベア60は、固定部61の駆動ローラ611を回転動作させながらシャトル部62のシャトル部枠体614、614を後退動作させるため、成形米飯MRは、コンベアベルト613による進行動作と、シャトル部枠体614、614の後退動作が打ち消し合い、進退移動することなく垂直に落下する。
【0149】
落下間隙部73を通過して補填コンベア71の前端部に落下供給された成形米飯MRは、不足分の米飯Rを補填米飯FRで補填して、所定の形態・所定の重量とする。
その後、補填コンベア71の駆動ローラ710を回転動作させることにより、成形米飯MRは、図示しない投入容器の所定位置まで搬送され投入される。
【0150】
以上、説明してきたように、本発明によれば、米飯Rを米飯投入部1から成形機構部2と計量分割部3を経て補填搬送部4まで搬送することにより米飯Rを所望の形態に容易かつ確実に成形できる効果がある。
【0151】
特に、成形機構部2のベルトガイド棒22に無端ベルト21を巻装し、ベルトガイド棒22を移動させるだけで米飯を容易に成形できる効果があるとともに、米飯Rの成形後は無端ベルト21を洗浄するだけで済み、メンテナンス性を向上できる効果がある。
【0152】
また、カッター機構30の下方には一定の厚みに横断形成した成形米飯MRの重量を計測するロードセル機構400を配設し、ロードセル機構400の下方には成形米飯MRを受取り搬送する搬送方向に進退自在のコンベアを配設し、該コンベアの後退動作にともないその前方受け部72との間に生じる落下間隙部73よりコンベア上に残溜した成形米飯MRを下方に落すように構成すると共に、その上方に下方落下米飯の不足分を補填する不足米飯補填機構部を配設したことにより、成形米飯の重量を容易に調整して成形米飯を自動で所望の形態、厚み、重量に成形できる効果がある。
【0153】
≪第2の実施例≫
本発明の第2の実施例は、図19に示すように、第1の実施例における計量部40のロードセル機構400による成形米飯MRの計量をコンベアベルト613にて実施しようとするものである。
すなわち、本発明の第2の実施例は、成形米飯MRを所定の箇所まで搬送する搬送コンベアにて計量を実施できるように構成するものである。これにより、第2の実施例における米飯の自由な形状形成装置は、第1実施例と比較して装置全体をよりコンパクトに構成できるとともに、成形後の成形米飯MRに接触する工程が減るため、成形米飯MRが変態しにくい構成を実現している。
その他の部分については、第1の実施例と同一の構成であるため、その説明を省略する。
【0154】
第2の実施例における計量分割部3は、図19に示すように、米飯Rを所定の厚みに切断するカッター機構30と、カッター機構30で切断された成形米飯MRの重量を計測するための計量部40´と、を有している。なお、カッター機構30は、第1の実施例と同一の構成であるため、その説明を省略する。
【0155】
計量部40´は、カッター機構30で所定形状に成形され落下する成形米飯MRを受け止め計量すると共に所定方向に搬送するための成形米飯MRの計量搬送部であり、ロードセル機構としての計量コンベア420を有している。
【0156】
計量コンベア420は、図19に示すように、略逆三角形状の各頂点に回転自在のローラを配設している。計量コンベア420は、最下段に配設した駆動ローラ421と、成形米飯MRの進行方向に対して最後部に配設した従動ローラ422と、成形米飯MRの進行方向に対して最前部に配設したテンションローラ423と、を有している。
【0157】
各ローラには、無端状のコンベアベルト424を巻装している。テンションローラ423には、前方への付勢力が生起されている。これにより、テンションローラ423に巻装したコンベアベルト424にたわみが生じないように構成している。
【0158】
計量コンベア420の背面側には、計量用のロードセルを配設している。ロードセルは、計量コンベア420の枠体425と連結している。これにより、成形米飯MRの重量分だけ枠体425が沈降し、沈降した分の圧力がロードセルに伝達されて、重量を計測できるように構成している。
【0159】
また、計量コンベア420の前方には、シャトルコンベア60´を配設している。
シャトルコンベア60´は、第1の実施形態に記載のシャトルコンベア60のシャトル部62のみで構成しており、その動作も同一であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0160】
このように構成された計量分割部3および補填搬送部4にて成形米飯MRが不足分の米飯Rを補填して所定の場所に搬送される順序について図19から図21を用いて説明する。
【0161】
図19に示すように、計量分割部3のカッター機構30で所定の形態に変態した成形米飯MRは、カッター機構30の下方に位置する計量コンベア420に落下する。
【0162】
計量コンベア420に落下した成形米飯MRは、一定時間静止してロードセルにて計量後、駆動ローラ421を駆動してコンベアベルト424を回転し、シャトルコンベア60´の基部に落下供給される。この際、成形米飯MRの計量情報は、不足米飯補填機構70に伝達され、成形米飯MRが所定の重量に満たない場合、成形米飯MRの不足分の米飯Rが投入部IMから補填米飯FRとして補填コンベア71の基端部に投入される。
【0163】
シャトルコンベア60´に供給された成形米飯MRは、図20(a)および図20(b)に示すように、駆動ローラ611を駆動してシャトルコンベア60´の先端部に向けて移動しつつ、シャトル部62を前方に移動させることにより、補填コンベア71の基端部の上方まで搬送される。
【0164】
補填コンベア71の基端部上方に位置する成形米飯MRは、図21(a)に示すように、シャトル部62のシャトル部枠体614、614を後退動作させることにより成形米飯MRを補填コンベア71の前端部、すなわち、補填米飯FRに覆いかぶさるように落下させる。この際、シャトルコンベア60は、固定部61の駆動ローラ611を回転動作させながらシャトル部62のシャトル部枠体614、614を後退動作させるため、成形米飯MRは、コンベアベルト613による進行動作と、シャトル部枠体614、614の後退動作が打ち消し合い、進退移動することなく垂直に落下する。
【0165】
落下間隙部73を通過して補填コンベア71の前端部に落下供給された成形米飯MRは、不足分の米飯Rを補填米飯FRで補填して、所定の形態・所定の重量となる。
その後、補填コンベア71の駆動ローラ710を回転動作させることにより、成形米飯MRは、図示しない投入容器の所定位置まで搬送され弁当容器などに投入される。
【0166】
以上、説明してきたように、本発明の第2の実施例によれば、カッター機構30の下方には一定の厚みに横断形成した成形米飯MRの重量の計測および所定箇所まで搬送する計量部40´を配設して成形米飯MRの計量および搬送を1つの機構で実施できるようにしたことにより、米飯計量成形分割機をコンパクトな形態としつつ、成形後の成形米飯MRが第1の実施例に記載の計量シャッタ410の開閉動作時に型崩れする虞を排除して成形不良が生起される虞を可及的に低減できる効果がある。
【0167】
本発明の一実施の形態を説明したが、上述した説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0168】
M 米飯計量成形分割機
R 米飯
MR 成形米飯
α、β 角度
1 米飯投入部
10 米飯ホッパ
10a、10b 側壁
10c 送りコンベア
10d 繰り出しローラ
10e 解しローラ
11 米飯ホッパ出口
12、12a、12b テーパーガイド板
12c 回転軸
13 ガイド体
13a、13b ガイド体
13c ガイド部
13c1 傾斜ガイド面
13d 接触摺動部
13e 支持孔
14a 中空円柱体
14b 中実円柱体
15 センサカメラ
2 成形機構部
20 成形輪郭部
21 無端ベルト
21a 内周面
21b、21c 左右辺
22 ベルトガイド棒
221 ガイド筒部
222 軸部
23 駆動機構
230 支持枠体
231 左右移動機構
232 前後移動機構
233 駆動モータ
234a 駆動側傘歯車
234b 従動側傘歯車
235 動力伝達軸
236 移動箱体
237 摺動ガイド
238 支持ロッド
24 支持体
241 下面体
242 側面体
243 上面体
25 ベルト懸架ポール支持体
25a、25b 支持孔
25c ベルト懸架ポール回転板
250 支持ブラケット
251 下面体
252 側面体
253 上面体
254 左右移動機構
255 ベルト懸架ポール
26 テンション棒支持体
26c テンション棒
261 下面体
262 側面体
263 上面体
264 支持杆
265 エア駆動部
266 ガイド冠
267 ガイドロッド
268 エアシリンダ
269 エア吸入部
270 摺動ガイド
271 連結支持部
3 計量分割部
30 カッター機構
300 棒シャッタ
310、311 ガイド枠体
310a、311a 摺動ガイド部
312 固定ブロック体
312a、312b 固定孔
320、321 シャッタ支持棒
320a、321a 回転伝達棒
320b、321b シャッタ棒支持部
320c、321c 支持体
320d、321d シャッタ棒支持部
330、330a、330b シャッタ棒
331 支持部
332 係合部
333 切断部
334、334a、334b 収納空間
335 開口部
340 モータ
350 支持シャッタ
351 シャッタ支持部
351a 支持開口部
352、353 ガイドブロック
354 シャッタ規制部
355 シャッタ開口部
356 シャッタ
357 連結杆
358 エアシリンダ
359 連結棒
4 補填搬送部
40、40´ 計量部
400 ロードセル機構
410 計量シャッタ
411 凹部
412 計量用凹部
413 支持杆
414 ロードセル
415 ガイド枠体
416 シャッタガイド
417 支持棒
420 軽量コンベア
421 駆動ローラ
422 受動ローラ
423 テンションローラ
424 コンベアベルト
425 枠体
60、60´ シャトルコンベア
61 固定部
610 枠体
611 駆動ローラ
612 ガイドローラ
613 コンベアベルト
614 シャトル部枠体
615 従動ローラ
616 従動補助ローラ
617 緊張部
617a 緊張ローラ
617b 支持ブラケット
617c 弾性体
62 シャトル部
70 不足米飯補填機構
71 補填コンベア
710 駆動ローラ
711 従動ローラ
712 コンベアベルト
72 前方受け部
73 落下間隙部
FR 補填米飯
IM 投入部
M 米飯成形計量分割機
M1 後壁面
MC 中間コンベア
MR 成形米飯
R 米飯
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
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図18
図19
図20
図21