IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 歐姆佳科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許7448988AiPモジュールの測定システム及びその測定方法
<>
  • 特許-AiPモジュールの測定システム及びその測定方法 図1
  • 特許-AiPモジュールの測定システム及びその測定方法 図2
  • 特許-AiPモジュールの測定システム及びその測定方法 図3
  • 特許-AiPモジュールの測定システム及びその測定方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】AiPモジュールの測定システム及びその測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/26 20060101AFI20240306BHJP
   H04B 17/29 20150101ALI20240306BHJP
   H01Q 23/00 20060101ALI20240306BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20240306BHJP
   G01R 35/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G01R29/26 F
H04B17/29 200
H01Q23/00
H01Q21/06
G01R35/00 Z
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022183748
(22)【出願日】2022-11-16
(65)【公開番号】P2023075933
(43)【公開日】2023-05-31
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】63/264,309
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522449514
【氏名又は名称】歐姆佳科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】周 錫▲ぞう▼
(72)【発明者】
【氏名】邱 志偉
(72)【発明者】
【氏名】林 昭和
(72)【発明者】
【氏名】劉 人▲い▼
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-38184(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0212978(US,A1)
【文献】特開2012-251784(JP,A)
【文献】特開2019-180065(JP,A)
【文献】特開2008-211668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 29/10
G01R 29/26
G01R 35/00
H04B 17/00
H01Q 21/00
H01Q 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信アンテナ、モデム、複数の方向性結合器、信号制御回路、出力結合器、及び信号解析器を有し、
前記送信アンテナは、複数のRF信号を生成し、
前記モデムは、複数のAiPモジュールに電気接続され、前記複数のAiPモジュールを制御して前記複数のRF信号を受信し、
前記複数の方向性結合器は、それぞれ前記複数のAiPモジュール及び前記モデムに電気接続され、前記複数のRF信号を受信して前記モデムに送信し、前記複数のAiPモジュールの正常動作を維持し、
前記信号制御回路は、前記複数の方向性結合器に電気接続され、前記複数の方向性結合器を介して前記複数のRF信号を受信し、各前記RF信号の出力及び位相の少なくとも1つを調整して差別化識別タグを生成することで、複数の識別可能なRF増幅信号を生成し、
前記出力結合器は、前記信号制御回路に電気接続され、前記複数のRF増幅信号を受信し、前記複数のRF増幅信号の出力を加算してテスト信号を生成し、
前記信号解析器は、前記出力結合器に電気接続され、前記テスト信号を受信し、各前記RF増幅信号の出力及び位相の少なくとも1つに基づいて対応のRF特性を取得することを特徴とする、
AiPモジュールの測定システム。
【請求項2】
前記信号制御回路は、複数のコントロールIC及び信号コントローラを有し、
前記複数のコントロールICは、それぞれ前記複数の方向性結合器及び前記出力結合器に電気接続され、それぞれ前記複数のRF信号を受信し、
前記信号コントローラは、前記複数のコントロールICに電気接続され、前記複数のコントロールICを介して各前記RF信号の前記出力及び前記位相の少なくとも1つを調整して差別化識別タグを生成することで、前記複数のコントロールICを利用して前記複数のRF増幅信号を生成することを特徴とする、
請求項1に記載のAiPモジュールの測定システム。
【請求項3】
各前記コントロールICは、位相シフター、可変減衰器、及び増幅器を有し、
前記位相シフターは、前記信号コントローラ及び前記方向性結合器に電気接続され、前記RF信号を受信し、
前記信号コントローラは、前記位相シフターを介して前記RF信号の位相を調整し、
前記可変減衰器は、前記信号コントローラ及び前記位相シフターに電気接続され、前記位相シフターから前記RF信号を受信し、
前記信号コントローラは、前記可変減衰器を介して前記RF信号の出力比率を調整し、
前記増幅器は、前記可変減衰器及び前記出力結合器に電気接続され、前記可変減衰器から前記RF信号を受信し、前記RF信号の出力を増幅して好ましいSN比を有する前記RF増幅信号を生成することを特徴とする、
請求項2に記載のAiPモジュールの測定システム。
【請求項4】
制御ホストをさらに有し、
前記制御ホストは、前記モデム、前記信号コントローラ、及び前記信号解析器に電気接続され、前記モデム、前記信号コントローラ、及び前記信号解析器の動作を制御することを特徴とする、
請求項2に記載のAiPモジュールの測定システム。
【請求項5】
テストベースをさらに有し、
前記テストベースは、前記複数のAiPモジュールにそれぞれ電気接続される複数のRFソケット(socket)を有し、
前記複数の方向性結合器、前記信号制御回路、及び前記出力結合器は、前記テストベースに設けられ、且つ前記テストベースに電気接続されることを特徴とする、
請求項1に記載のAiPモジュールの測定システム。
【請求項6】
前記信号解析器は、ベクトル送受信機、ネットワーク分析器、又はベクトルスペクトル分析器であることを特徴とする、
請求項1に記載のAiPモジュールの測定システム。
【請求項7】
送信アンテナ、信号コントローラ、複数のコントロールIC、出力結合器、及び信号解析器を有し、
前記送信アンテナは、複数のRF信号を生成し、
前記信号コントローラは、複数のAiPモジュールに電気接続され、前記複数のAiPモジュールを制御して前記複数のRF信号を受信し、
前記複数のコントロールICは、それぞれ前記AiPモジュールに統合され、前記複数のAiPモジュール及び前記信号コントローラに電気接続され、前記複数のRF信号を受信し、
前記信号コントローラは、各前記コントロールICを介して対応の前記RF信号の出力及び位相の少なくとも1つを調整して差別化識別タグを生成することで、識別タグを有するRF増幅信号を生成し、
前記出力結合器は、各前記コントロールICに電気接続され、各前記コントロールICから前記RF増幅信号を受信し、前記複数のRF増幅信号の出力を加算してテスト信号を生成し、
前記信号解析器は、前記出力結合器に電気接続され、前記テスト信号を受信し、各前記RF増幅信号の出力及び位相の少なくとも1つに基づいた識別タグに基づいて対応のRF特性を取得することを特徴とする、
AiPモジュールの測定システム。
【請求項8】
各前記コントロールICは、位相シフター、可変減衰器、及び増幅器を有し、
前記位相シフターは、前記信号コントローラに電気接続され、前記RF信号を受信し、
前記信号コントローラは、前記位相シフターを介して前記RF信号の位相を調整し、
前記可変減衰器は、前記信号コントローラ及び前記位相シフターに電気接続され、前記位相シフターから前記RF信号を受信し、
前記信号コントローラは、前記可変減衰器を介して前記RF信号の出力を調整し、
前記増幅器は、前記可変減衰器及び前記出力結合器に電気接続され、前記可変減衰器から前記RF信号を受信し、前記RF信号の出力を増幅して前記RF増幅信号を生成することを特徴とする、
請求項7に記載のAiPモジュールの測定システム。
【請求項9】
制御ホストをさらに有し、
前記制御ホストは、前記信号コントローラ及び前記信号解析器に電気接続され、前記信号コントローラ及び前記信号解析器の動作を制御することを特徴とする、
請求項7に記載のAiPモジュールの測定システム。
【請求項10】
テストベースをさらに有し、
前記テストベースは、前記複数のAiPモジュールにそれぞれ電気接続される複数のRFソケット(socket)を有し、
前記出力結合器は、前記テストベースに設けられ、且つ前記テストベースに電気接続されることを特徴とする、
請求項7に記載のAiPモジュールの測定システム。
【請求項11】
前記信号解析器は、ベクトル送受信機、ネットワーク分析器、又はベクトルスペクトル分析器であることを特徴とする、
請求項7に記載のAiPモジュールの測定システム。
【請求項12】
複数のAiPモジュールを制御して複数のRF信号を受信する工程と、
各前記RF信号の出力及び位相の少なくとも1つを調整して差別化識別タグを生成することで、複数の識別可能なRF増幅信号を生成する工程と、
前記複数のRF増幅信号の出力を加算してテスト信号を生成する工程と、
前記テスト信号を受信し、各前記RF増幅信号の出力及び位相の少なくとも1つに基づいた識別タグに基づいて対応のRF特性を取得する工程と、
を有することを特徴とする、
AiPモジュールの測定方法。
【請求項13】
各前記RF信号の前記出力及び前記位相の少なくとも1つを調整する工程において、各前記RF信号の前記位相を調整してから、各前記RF信号の前記出力を調整することを特徴とする、
請求項12に記載のAiPモジュールの測定方法。
【請求項14】
各前記RF信号の出力及び位相を調整することで、各RF経路の直交と独立の変調信号又は数学的基底関数を生成し、
相互依存性の変調信号又は数学的信号基底関数は、独立変調信号のN個のランクを有し、
前記直交/独立の変調信号、N個のランクを有する相互依存性の信号又は前記数学的信号基底関数を利用し、結合信号の合計を内積演算によって各RF経路に関連する個別信号に分離し、前記複数のAiPモジュールの特性を測定することを特徴とする、
請求項12に記載のAiPモジュールの測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF(radio frequency)特性の測定方法、特にAiP(Antenna in Package)モジュールの測定システム及びその測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信技術の発展及び用途の多様化につれてアクティブアンテナアレイがよく利用されている。その簡単な方法としては、アンテナ及びアクティブRF装置を単一の統合チップパッケージに統合されるアンテナモジュール(AiP、Antenna in Package)が挙げられる。開発段階又は生産ラインでの性能を確保するために、AiPを測定し、AiPとしての特性、及びその電子及び放射線の特性を取得する必要がある。AiPの開発及び生産ラインにおいて、パッケージテストベース(SKT)を利用してAiPの導電率パラメータを測定する必要がある。前記測定において、前記AiPを前記パッケージテストベースに設けて、プローブをAiPの入力出力リード線及び制御リード線に直接接触させることで、AiPに電気接続する。その後、テスト信号を送信、測定することで、前記AiPの導電率を測定する。
【0003】
図1は、従来のAiP測定システムの模式図である。図1を参照しながら説明する。AiP測定システムは、テストベース10、ベクトル信号発生器11、送信アンテナ12、RF切替器14、コントローラ16、マイクロコントローラーユニット(MCU)18、及びベクトルスペクトル分析器20を有する。ベクトル信号発生器11は、送信アンテナ12を駆動してRF信号Rを発する。テストベース10に複数のAiP22が設けられる。RF切替器14は、異なる経路におけるAiP22を順に切り替えて測定する。テストベース10は、AiP22の入力出力ポートに電気接続されるリード線を有し、AiP22の動作を制御する。AiP22は、RF信号Rを受信する。RF信号Rが順にRF切替器14を経てベクトルスペクトル分析器20で受信され、RF信号RのRF特性を分析する。RF切替器14は、経路をAiP22に切り替える。各AiPの測定が終了するまで前記切り替え及び測定を繰り返す。1つ目のAiP22を測定する場合、RF切替器14は、経路を1つ目のAiP22に関連する経路に切り替え、他の経路を切断する。その同時にRF信号Rをベクトルスペクトル分析器20に送信し、測定の結果を分析する。1つ目のAiP22の測定が終了した後、RF切替器14によって経路を2つ目のAiP22に関連する経路に切り替えて、2つ目のAiP22を測定する。図1の構成の製作コストが低いが、測定時間が非常に長く、切替器の不確実性も測定エラーの原因となる。例えば、図1において、各AiP22の測定時間が6秒である場合、全ての測定時間は、合計で24秒である。
【0004】
上記を鑑みて、本発明は、従来の問題点を解決するためにAiPモジュールの測定システム及びその測定方法を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明のAiPモジュールの測定システム及びその測定方法は、測定時間を短縮し、測定の精度を向上できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの実施例において、アクティブRFAiPモジュールの測定システムは、送信アンテナ、モデム、複数の方向性結合器、信号制御回路、出力結合器、及び信号解析器を有する。本発明において、AiPモジュールの受信モードを利用してAiPモジュールの測定を説明する。信号の流れを変更することで、本発明の基本的な性質に影響を与えずに送信モードの測定を行うことができる。OTA(Over The Air)アンテナ測量システムの送信アンテナからテストRF信号を発する。AiPモジュールの特徴としては、AiPモジュールで受信されたテストRF信号を分析し、信号源発生器システムの送信アンテナで生成した元の信号と比較する。モデムは、複数のAiPモジュールに電気接続され、各AiPモジュールを制御して複数のテストRF信号を受信する。各方向性結合器は、それぞれ各AiPモジュール及びモデムに電気接続され、各テストRF信号を受信してモデムに送信し、各AiPモジュールの正常動作を維持する。信号制御回路は、各方向性結合器に電気接続され、各方向性結合器を介して各テストRF信号を受信し、各テストRF信号の出力及び位相の少なくとも1つを調整して差別化識別タグを生成することで、複数の識別可能な変調RF増幅信号を生成する。前記識別タグは、各AiPモジュールのRF経路に関連する。前記識別タグを利用すると、各AiPモジュールのRF特性を識別し、信号処理アルゴリズムによって復調、分離させる。また、AiPモジュール及び測定システムを通った後、受信されたテスト信号を処理する。出力結合器は、信号制御回路に電気接続され、各変調RF増幅信号を受信し、各変調RF増幅信号の出力を加算して純混合テスト信号を生成する。信号解析器は、出力結合器に電気接続され、純混合テスト信号を受信し、各変調RF増幅信号の出力及び位相の少なくとも1つに基づいて対応のRF特性を取得する。純混合テスト信号は、識別タグに基づいて信号処理アルゴリズムによって復調させる。
【0007】
本発明の1つの実施例において、信号制御回路は、複数のコントロールIC(integrated circuit)及び信号コントローラを有する。各コントロールICは、それぞれ各方向性結合器及び出力結合器に電気接続され、各変調RF信号を生成する。信号コントローラは、各コントロールICに電気接続され、各コントロールICを介して各RF信号の出力及び位相の少なくとも1つを調整して差別化識別タグを生成することで、各コントロールICを利用して識別タグを有する各変調RF増幅信号を生成する。前記識別タグは、各AiPモジュールのRF経路に関連する。前記識別タグを利用して各AiPモジュールのRF特性を識別し、信号処理アルゴリズムによって復調、分離させる。
【0008】
本発明の1つの実施例において、各コントロールICは、位相シフター、可変減衰器、及び増幅器を有し、変調信号を生成する。位相シフターは、信号コントローラ及び方向性結合器に電気接続され、RF信号を受信し、出力端から変調RF信号を生成する。信号コントローラは、位相シフターを介して変調RF信号の位相を調整する。特定の変更プログラムによって連続的に変化させる位相は、RF信号に識別タグを付ける効果を有する。可変減衰器は、信号コントローラ及び位相シフターに電気接続され、位相シフターからRF信号を受信し、異なるRF経路の間の変調RF信号の出力比率を調整する。信号コントローラは、可変減衰器を介してAiPモジュールに接続される異なるRF経路におけるRF信号の出力比率を調整する。増幅器は、可変減衰器及び出力結合器に電気接続され、可変減衰器からRF信号を受信し、RF信号の出力を増幅して変調RF増幅信号を生成する。可変減衰器及び増幅器を組み合わせることで、変調RF信号の出力比率及び強度を制御し、高精度に測定できる十分な信号強度及びSN比を確保できる。
【0009】
本発明の1つの実施例において、AiPモジュールの測定システムは、制御ホストをさらに有する。制御ホストは、モデム、信号コントローラ、及び信号解析器に電気接続され、モデム、信号コントローラ、及び信号解析器の動作を制御する。
【0010】
本発明の1つの実施例において、AiPモジュールの測定システムは、テストベースをさらに有する。テストベースは、各AiPモジュールに電気接続される複数のRFソケット(socket)を有する。各方向性結合器、信号制御回路、及び出力結合器は、テストベースに設けられ、且つテストベースに電気接続される。
【0011】
本発明の1つの実施例において、信号解析器は、ベクトル送受信機、ネットワーク分析器、又はベクトルスペクトル分析器である。
【0012】
本発明の1つの実施例において、AiPモジュールの測定システムは、送信アンテナ、信号コントローラ、複数のコントロールIC、出力結合器、及び信号解析器を有する。送信アンテナは、複数のRF信号を生成する。信号コントローラは、複数のAiPモジュールに電気接続され、各AiPモジュールを制御して複数のRF信号を制御する。各コントロールICは、それぞれ各AiPモジュールに統合され、各AiPモジュール及び信号コントローラに電気接続され、各RF信号を受信する。信号コントローラは、各コントロールICを介して対応のRF信号の出力及び位相の少なくとも1つを調整して差別化識別タグを生成することで、識別タグを有する変調RF増幅信号を生成する。前記識別タグは、各AiPモジュールのRF経路に関連する。前記識別タグを利用すると、各AiPモジュールのRF特性を識別し、信号処理アルゴリズムによって復調、分離させる。出力結合器は、各コントロールICに電気接続され、各コントロールICからRF増幅信号を受信し、各RF増幅信号の出力を加算して純混合テスト信号を生成する。信号解析器は、出力結合器に電気接続され、純混合テスト信号を受信し、各RF増幅信号の出力及び位相の少なくとも1つに基づいた識別タグに基づいて対応のRF特性を取得する。純混合テスト信号は、識別タグに基づいて信号処理アルゴリズムによって復調させる。前記識別タグを利用すると、各AiPモジュールのRF特性を識別し、信号処理アルゴリズムによって復調、分離させる。
【0013】
本発明の1つの実施例において、各コントロールICは、位相シフター、可変減衰器、及び増幅器を有する。位相シフターは、信号コントローラ及び方向性結合器に電気接続され、RF信号を受信し、位相差のある変調RF信号を生成する。信号コントローラは、位相シフターを介してRF信号の位相を調整する。可変減衰器は、信号コントローラ及び位相シフターに電気接続され、位相シフターからRF信号を受信し、異なる出力比率を有する変調RF信号を生成する。信号コントローラは、可変減衰器を介してRF信号の出力を調整する。増幅器は、可変減衰器及び出力結合器に電気接続され、可変減衰器からRF信号を受信し、RF信号の出力を増幅して異なる出力比率を有する変調RF増幅信号を生成する。可変減衰器及び増幅器を組み合わせることで、変調RF信号の振幅を制御し、高精度に測定できる十分な信号強度及びSN比を確保できる。
【0014】
本発明の1つの実施例において、AiPモジュールの測定システムは、制御ホストをさらに有する。制御ホストは、信号コントローラ及び信号解析器に電気接続され、信号コントローラ及び信号解析器の動作を制御する。
【0015】
本発明の1つの実施例において、AiPモジュールの測定システムは、テストベースをさらに有する。テストベースは、各AiPモジュールに電気接続される複数のRFソケット(socket)を有する。出力結合器は、テストベースに設けられ、且つテストベースに電気接続される。
【0016】
本発明の1つの実施例において、信号解析器は、ベクトル送受信機、ネットワーク分析器、又はベクトルスペクトル分析器である。本発明のAiP測定方法は、複数のAiPを制御して送信アンテナから複数のRF信号を受信する工程と、各RF信号の出力及び位相の少なくとも1つを調整して差別化識別タグを生成することで、複数の識別可能な変調RF増幅信号を生成する工程(そのうち、各RF経路の特徴は、各AiPモジュールに関連する)と、各変調RF増幅信号の出力を加算して純混合テスト信号を生成する工程と、純混合テスト信号を受信し、信号処理アルゴリズムを利用して各アンテナ信号の出力及び位相の少なくとも1つに基づいた識別タグに基づいて対応のRF特性を取得する工程と、を有する。
【0017】
本発明の1つの実施例において、各RF信号の出力及び位相の少なくとも1つを調整する工程において、各RF信号の位相を調整してから各RF信号の出力を調整することで、変調RF増幅信号及び対応の識別タグを生成する。
【発明の効果】
【0018】
本発明のAiPモジュールの測定システム及びその測定方法は、コントロールICを利用してRF信号の位相又は出力を調整し、差別化識別タグを生成する。前記識別タグは、各AiPモジュールのRF経路に関連する。前記識別タグを利用して各AiPモジュールのRF特性を識別し、信号処理アルゴリズムによって復調、分離させる。変調RF増幅信号の位相又は出力に基づいた識別タグに基づいて各RF増幅信号を取得して測定対象を判断する。そのため、測定時間を短縮できる。以下、実施例及び図面を開示しながら本発明の特徴及び効果を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来のAiPモジュールの測定システムの模式図である。
図2】本発明の実施例1のAiPモジュールの測定システムの模式図である。
図3】本発明の実施例のコントロールICの模式図である。
図4】本発明の実施例2のAiPモジュールの測定システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を開示しながら本発明の実施例を説明する。図面及び明細書において、同じ符号は同じ又は類似な部材を示す。図面において、簡単化又は表示の便宜上で、その形状及び厚さを拡大して表示する場合もある。留意すべきことは、図面に開示されていない又は明細書に記載されていない素子は、当業者が自明であるものである。当業者は、本発明の内容に基づいて様々な変更、改良を行うことができる。
1つの素子が「・・・上にある」と記述されている場合、一般的には当該素子が直接その他の素子上にあることを指し、その他素子が両者の中間に存在するという場合もある。それに反し、1つの素子が「直接」別の素子にあるという記述の場合、その他素子は両者の中間に存在することはできない。本文で用いられる「及び/又は」は列挙された関連項目中の1つ又は複数のいかなる組み合わせも含む。
本明細書において、「1つの実施例」又は「実施例」等の文言は、少なくとも1つの実施例に関する特定な素子、構造又は特徴を示す。そのため、本明細書に記載の「1つの実施例」又は「実施例」の文言は、同じ実施例に対することとは限らない。なお、複数の実施例に記載の特定な部材、構造、及び特徴を適切に組み合わせることができる。
下記内容があくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示される。明細書及び請求項において、「1つ」及び「前記」は、特に限定しない限り、「1つ又は少なくとも1つ」の素子又は成分を示す。また、単数形の冠詞は、前後の文章から明らかに複数形であると分からない限り、複数の素子又は成分の意味も含む。なお、「中に」は、特に限定しない限り、「中に」及び「上に」の意味も含む。明細書及び請求項に記載の用語は、特に限定しない限り、当業者が理解する意味と同じ意味を有する。また、一部の特定の用語は、後述で明確に定義して説明する。明細書に記載の用語は、あくまで例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。なお、本発明は、下記各実施例に限定されない。
また、「(電気)接続」は、直接及び間接的な(電気)接続手段を示す。例えば、第1装置が第2装置に接続されるとは、前記第1装置が直接に前記第2装置に接続されること、又は他の装置又は他の接続手段を介して間接的に前記第2装置に接続されることを表する。また、電気信号は、その伝送過程において減衰又は他の変化が生じる場合があるが、特に限定しない限り、伝送元又は提供元での信号及び受信側での信号が同じ信号と見なされるべきである。例えば、電気信号Sが電子回路の端子Aから電子回路の端子Bに伝送される時に、トランジスタスイッチのソースとドレイン電極、及び/又は寄生容量を通ることで電圧降下を生じる。しかしながら、意図的に伝送時に生じた減衰又は他の変化を使用して特定の技術的な効果を達成する場合以外、電子回路の端子Aでの電気信号S及び端子Bでの電気信号Sは、同じ信号と見なされるべきである。
本明細書で使用する「含む、備える」、「有する」、「含有する」などの用語は、オープンエンド形式であり、つまり、挙げられたものに限定されないことを意図している。また、本発明のいずれの実施形態或いは特許請求の範囲は、本発明が開示した目的、長所或いは特徴の全てを達成する必要はない。また、要約と発明の名称は、特許文献を検索するのに用いられるものであり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0021】
本発明のAiPモジュールの測定システム及びその測定方法は、コントロールICを利用して受信したRF信号の位相又は出力を調整し、差別化識別タグを生成する。前記識別タグは、各AiPモジュールのRF経路に関連する。変調RF増幅信号の位相又は出力を識別タグとして利用して測定対象を判断する。そのため、測定時間を短縮できる。
【0022】
図2は、本発明の実施例1のAiPモジュールの測定システムの模式図である。図3は、本発明の実施例のコントロールICの模式図である。図2及び図3を参照しながら説明する。以下、AiPモジュールの測定システム30の実施例1を説明する。AiPモジュールの測定システム30は、モデム301、複数の方向性結合器302、信号制御回路303、出力結合器304、信号解析器305、ベクトル信号発生器G、及び送信アンテナATを有する。信号解析器305は、ベクトル送受信機、ネットワーク分析器、又はベクトルスペクトル分析器が挙げられる。AiP群及び信号解析器305を統合してもよい。モデム301は、複数のAiPモジュール40に電気接続される。各方向性結合器302は、それぞれ各AiPモジュール40及びモデム301に電気接続される。信号制御回路303は、各方向性結合器302に電気接続される。出力結合器304は、信号制御回路303に電気接続される。信号解析器305は、出力結合器304に電気接続される。ベクトル信号発生器Gは、送信アンテナATに電気接続される。上記要素は、互いに通信システム中の信号の受送信を行う。以下、信号を受信する場合を例として説明する。信号を送信する場合、受信の場合と同じであるが、信号の伝送方向が逆になる。
【0023】
以下、AiPモジュールの測定方法を説明する。まず、ベクトル信号発生器Gは、送信アンテナATを駆動してテストRF信号Rを生成する。モデム301は、各AiPモジュール40を制御して複数のテストRF信号Rを受信する。各方向性結合器302は、各RF信号Rを受信してモデム301に送信し、各AiPモジュール40の正常動作を維持する。信号制御回路303は、各方向性結合器302を介して各RF信号Rを受信し、各RF信号Rの出力及び位相の少なくとも1つを調整して差別化識別タグを生成することで、複数の識別可能な変調RF増幅信号Aを生成する。出力結合器304は、各変調RF増幅信号Aを受信し、各RF増幅信号Aの出力を加算して純混合テスト信号Tを生成する。信号解析器305は、純混合テスト信号Tを受信し、各RF増幅信号Aの出力及び位相の少なくとも1つに基づいた差別化識別タグに基づいて対応のRF特性を取得する。純混合テスト信号Tは、識別タグに基づいて信号処理アルゴリズムによって復調させる。識別タグとする各変調RF増幅信号Aの出力及び位相は、対応のAiPモジュール40の識別特徴である。信号解析器305は、各AiPモジュール40を同時に測定し、変調RF増幅信号Aの位相又は出力に基づいた識別タグに基づいて測定対象を判断する。そのため、測定時間を短縮できる。AiPモジュール40の数が4つである場合、測定時間は8秒である。
【0024】
信号制御回路303は、複数のコントロールIC3030及び信号コントローラ3031を有する。各コントロールIC3030は、それぞれ各方向性結合器302及び出力結合器304に電気接続される。信号コントローラ3031は、各コントロールIC3030に電気接続される。各コントロールIC3030は、それぞれ各RF信号Rを受信する。信号コントローラは、各コントロールIC3030を介して各RF信号Rの出力及び位相の少なくとも1つを調整して差別化識別タグを生成することで、識別タグを有する各変調RF増幅信号Aを生成する。
【0025】
各コントロールIC3030は、位相シフター3030A、可変減衰器3030B、及び増幅器3030Cを有する。位相シフター3030Aは、信号コントローラ3031及び方向性結合器302に電気接続される。可変減衰器3030Bは、信号コントローラ3031及び位相シフター3030Aに電気接続される。増幅器3030Cは、可変減衰器3030B及び出力結合器304に電気接続される。位相シフター3030A、可変減衰器3030B、及び増幅器3030Cの位置は、必要に応じて変更できる。位相シフター3030Aは、RF信号Rを受信する。信号コントローラ3031は、位相シフター3030Aを介してRF信号Rの位相を調整する。可変減衰器3030Bは、位相シフター3030AからRF信号Rを受信する。信号コントローラ3031は、可変減衰器3030Bを介してRF信号Rの出力を調整する。増幅器3030Cは、可変減衰器3030BからRF信号Rを受信し、RF信号Rの出力を増幅してRF増幅信号Aを生成する。可変減衰器3030B及び増幅器3030Cを組み合わせることで、変調RF信号の振幅を制御し、高精度に測定できる十分な信号強度及びSN比を確保できる。
【0026】
本発明の1つの実施例において、AiPモジュールの測定システム30は、制御ホスト306をさらに有する。制御ホスト306は、モデム301、信号コントローラ3031、及び信号解析器305に電気接続され、モデム301、信号コントローラ3031、及び信号解析器305の動作を制御し、各RF信号Rの出力及び位相を取得して信号解析器305に送信する。信号解析器305は、識別タグを利用し、対応の各AiPモジュール40の識別タグを有する各変調RF増幅信号Aを識別する。また、AiPモジュールの測定システム30は、テストベース307をさらに有する。テストベース307は、各AiPモジュール40に電気接続される複数のRFソケット(socket)を有する。各方向性結合器302、信号制御回路303、及び出力結合器304は、テストベース307に設けられ、且つテストベース307に電気接続される。
【0027】
図4は、本発明の実施例2のAiPモジュールの測定システムの模式図である。図3及び図4を参照しながら説明する。以下、AiPモジュールの測定システム30の実施例2を説明する。AiPモジュールの測定システム30は、信号コントローラ3031、複数のコントロールIC3030、出力結合器304、信号解析器305、ベクトル信号発生器G、及び送信アンテナATを有する。コントロールIC3030をAiPモジュールに内蔵してアクティブAiPモジュール(例えば、RF送受信器)を形成してもよい。AiPモジュールの測定システム30は、複数のRF信号Rを発するための1組のAiPモジュールを有してもよい。AiPモジュール及び信号解析器305を統合してもよい。信号コントローラ3031は、複数のAiPモジュール40に電気接続される。各コントロールIC3030は、それぞれ各AiPモジュール40に統合され、各AiPモジュール40及び信号コントローラ3031に電気接続される。出力結合器304は、各コントロールIC3030に電気接続される。信号解析器305は、出力結合器304に電気接続される。信号解析器305は、ベクトル送受信機、ネットワーク分析器、又はベクトルスペクトル分析器が挙げられる。ベクトル信号発生器Gは、送信アンテナATに電気接続される。上記要素は、互いに通信システム中の信号の受送信を行う。以下、信号を受信する場合を例として説明する。信号を送信する場合、受信の場合と同じであるが、信号の伝送方向が逆になる。
【0028】
以下、AiPモジュールの測定方法を説明する。まず、ベクトル信号発生器Gは、送信アンテナATを駆動してテストRF信号Rを生成する。信号コントローラ3031は、各AiPモジュール40を制御して送信アンテナATから発する複数のテストRF信号Rを受信する。コントロールIC3030は、AiPモジュール40のアンテナを介して各RF信号Rを受信する。信号コントローラ3031は、各コントロールIC3030を介して対応のRF信号Rの出力及び位相の少なくとも1つを調整して差別化識別タグを生成することで、識別タグを有する変調RF増幅信号Aを生成する。出力結合器304は、各コントロールIC3030から変調RF増幅信号Aを受信し、各識別タグを有する変調RF増幅信号Aの出力を加算してテスト信号Tを生成する。信号解析器305は、テスト信号Tを受信し、各RF増幅信号Aの出力及び位相の少なくとも1つに基づいた識別タグに基づいて対応のRF特性を取得する。テスト信号Tは、識別タグに基づいて信号処理アルゴリズムによって復調させる。各変調RF増幅信号Aの出力及び位相は、対応のAiPモジュール40の識別特徴である。信号解析器305は、各AiPモジュール40を同時に測定し、変調RF増幅信号Aの位相又は出力に基づいたタグに基づいて測定対象を判断する。そのため、測定時間を短縮できる。AiPモジュール40の数が4つである場合、測定時間は8秒である。
【0029】
実施例2のコントロールIC3030の内部回路及びその動作は、実施例1のコントロールIC3030と同じであるため、説明を省略する。
【0030】
本発明の1つの実施例において、AiPモジュールの測定システム30は、制御ホスト306をさらに有する。制御ホスト306は、信号コントローラ3031及び信号解析器305に電気接続され、信号コントローラ3031及び信号解析器305の動作を制御し、各RF信号Rの出力及び位相を取得して信号解析器305に送信する。信号解析器305は、対応の各AiPモジュール40の各変調RF増幅信号Aを識別する。また、AiPモジュールの測定システム30は、テストベース307をさらに有する。テストベース307は、各AiPモジュール40に電気接続される複数のRFソケット(socket)を有する。出力結合器304は、テストベース307に設けられ、且つテストベース307に電気接続される。
【0031】
以下、信号解析器305がどのように変調識別タグに基づいて測定対象を判断することを説明する。送信アンテナが発するテスト信号をI(t)とする。そのうち、tは、時間である。前記信号は、群内の各AiPモジュールで受信される。nは、N個のAiPモジュール及びRF経路の数を示す。AiPモジュールによって送信アンテナから受信した純RF信号、即ち、
【数1】
(t)は、n個目のコントロールICで生成した信号を示し、変調RF信号の識別タグとする。R(t)は、n個目のAiPモジュールで生成した信号を示す。
(t)=S(t)R(t)
n個目のAiPモジュール及びコントロールICを統合したn本目のRF経路の信号特性を示す。コントロールICで変調した識別タグがないと仮定すると、S(t)=1であり、又は伝送線のみで信号変化を生成する。AiPモジュール及びICを統合した場合、各経路の信号変化は、
(t)Q(t)
出力結合器で結合し、信号解析器で測定した純混合RF信号は、Vtot(t)で示す。そのうち、tは、時間である。前記信号は、群内のAiPモジュールで受信される。前記構成において、受信した信号の合計は、下式(1)で示す。
【0032】
【数2】
【0033】
式(1)に示すように、送信アンテナが発する放射線の電磁界(EM)が自然分布して各RF経路におけるAiPモジュールに照射する。一方、AiPモジュールの送信モードにおいて、電磁波が自由空間で自然に結合し、アンテナで受信される。AiPモジュールの受信モードにおいて、電磁波がAiPモジュールで受信される。AiPモジュールの識別にはI(t)Q(t)の情報が必要であり、I(t)が不明であるため、特にQ(t)が必要となる。
(t)が制御可能な識別タグの関数と仮定すると、各AiPモジュールの信号に差が出るため、I(t)R(t)を求める。そのため、式(1)から下式(2)を得る。
【数3】
【0034】
式(2)において、N個の不明の関数(AiPモジュールのN個のRF経路におけるN個の信号の特徴)があるため、N個を解くにはN個の差別化S(t)信号が必要である。よって、S(t)の生成及びハードウェアでS(t)を実現する技術に着目する。
【0035】
(1)式(2)において、S(t)=δ(t-t)と仮定する。δ()は、パルス関数を示す。tは、n個目の時点を示す。
【0036】
【数4】
【0037】
図3に示すように、AiPモジュール又は他の要素の切り替え、又はAiPモジュールの送受信モジュールのスイッチを利用することで、式(3)を実現できる。そのため、n本目の経路の識別タグのコードは、00...1000...等である。
【0038】
(2)
【数5】
と仮定すると、I(t)を式(2)のS(t)に代入することで式(4)を得る。
【0039】
【数6】
【0040】
式(4)によって一定の位相変化を生じることで、離散フーリエ変更(DFT)の関係を取得する。すると、
【0041】
(3)S(t)が直交信号を生成すると仮定すると、式(5)に示すように、数学関数のベクトル内積で解くことができる。
【0042】
[I(t)R(t)](S(t), S(t))=(Vtot(t), S(t))(5)
【0043】
(4)S(t)の信号が直交信号ではないと仮定すると、式(5)によって1組の線形方程式を生成し、前記線形方程式を解くことで[I(t)R(t)]を求める。
【0044】
(5)AiPモジュール内部のRF装置がアクセスできると仮定すると、
(t)=1
(t)=R'n(t)S'n(t)
S'n(t)は、AiPモジュールにおける制御可能なICの応答を示す。R'n(t)は、AiPモジュールにおける制御可能な装置の応答を示す。
【0045】
上記実施例によれば、AiPモジュールの測定システム及びその測定方法は、コントロールICを利用してRF信号の位相又は出力を調整して差別化識別タグ関数を生成し、RF増幅信号の位相又は出力に基づいた識別タグ関数に基づいて測定対象を判断する。そのため、測定時間を短縮できる。
【0046】
上記内容は、あくまで本発明の実施例に過ぎない。本発明は、それらに限定されない。本発明の請求の範囲に記載の形状、構造、特徴及び精神に基づいてなされた変更及び改良は、いずれも本発明に含む。
【符号の説明】
【0047】
10 テストベース
11 ベクトル信号発生器
12 送信アンテナ
14 RF切替器
16 コントローラ
18 マイクロコントローラーユニット
20 ベクトルスペクトル分析器
22 AiP
30 AiPモジュールの測定システム
301 モデム
302 方向性結合器
303 信号制御回路
3030 コントロールIC
3030A 位相シフター
3030B 可変減衰器
3030C 増幅器
3031 信号コントローラ
304 出力結合器
305 信号解析器
306 制御ホスト
307 テストベース
40 AiPモジュール
G ベクトル信号発生器
AT 送信アンテナ
R RF信号
A RF増幅信号
T テスト信号
図1
図2
図3
図4