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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】掃除機用ヘッドと掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/00 20060101AFI20240306BHJP
   A47L 9/04 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A47L9/00 E
A47L9/04 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022553361
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2020037372
(87)【国際公開番号】W WO2022070369
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-08-21
(73)【特許権者】
【識別番号】508157370
【氏名又は名称】バルミューダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 玄
(72)【発明者】
【氏名】比嘉 一真
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-047394(JP,A)
【文献】特開2011-045694(JP,A)
【文献】特開2016-039858(JP,A)
【文献】特開平05-329071(JP,A)
【文献】特開2005-000308(JP,A)
【文献】特開2007-111158(JP,A)
【文献】特開2000-041913(JP,A)
【文献】特開2004-089736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00 - 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項14】
清掃面に載置される掃除機用ヘッドと、
前記掃除機用ヘッドが吸い取る前記清掃面上の塵埃を集塵する掃除機用本体と、
前記掃除機用ヘッドと前記掃除機用本体とを連結する自在継手部と、
前記掃除機用本体に取り付けられる棒状のハンドルと、
を有してなる掃除機であって、
前記掃除機用ヘッドは、
前記清掃面の前記塵埃を集塵する回転ブラシを収容する、平面視矩形状のヘッド本体と、
前記清掃面に載置された前記ヘッド本体が、前記ヘッド本体の周辺の物体に接触するのを防止する複数の保護部材と、
を備え、
前記ヘッド本体は、
前記自在継手部が取り付けられる取付口、
を備え、
前記取付口は、前記ヘッド本体の平面視中央に配置され、
前記回転ブラシは、
第1方向に回転する第1回転ブラシと、
前記第1方向と逆方向の第2方向に回転する第2回転ブラシと、
を備え、
複数の前記保護部材のそれぞれは、
前記ヘッド本体に配置される回転軸と、
前記回転軸に回転可能に取り付けられる回転体と、
を備え、
前記回転軸は、前記ヘッド本体に収容され、
前記回転体は、前記回転体の一部が前記ヘッド本体から露出した状態で前記ヘッド本体に収容され、
複数の前記保護部材のそれぞれの前記取付口からの距離は、同一であり、
前記掃除機用本体の軸心は、前記自在継手部の軸心と一致し、
前記ハンドルの軸心は、前記自在継手部の軸心と一致する、
ことを特徴とする掃除機。
【請求項22】
前記自在継手部は、前記掃除機用本体が前記掃除機用ヘッドに対して全方位に亘って任意の角度で傾くことを可能にする、
請求項14記載の掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機用ヘッドと掃除機とに関する。
【背景技術】
【0002】
清掃面上の塵埃などのゴミを吸い取る掃除機用ヘッド(ノズルヘッド)が回転ブラシを搭載した掃除機が知られている。掃除機は、ユーザの操作により前後方向に移動するノズルヘッドの回転ブラシの回転により、清掃面上のゴミを掻き取り、掻き取られたゴミを吸い取る。
【0003】
部屋や廊下、テレビボードなどの壁際のゴミを吸い取るとき、ノズルヘッドを構成するヘッド本体の正面部は、壁に接触し得る。ノズルヘッドは、前後方向の移動が許容されているので、壁際のゴミ(壁と清掃面との境界のゴミ)を吸い取る際には、ヘッド本体が何度も壁に接触する動きが繰り返され得る。このとき、ユーザの操作の力具合によっては、ヘッド本体が壁に強く衝突する。
【0004】
ヘッド本体が壁に衝突すると、ヘッド本体は、損傷し得る。
【0005】
このような問題を解決するため、壁際などの掃除をする際に、ヘッド本体が直接壁に当接(衝突)するのを防ぐ掃除機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-39858号公報
【0007】
特許文献1に開示された掃除機のヘッド本体(ノズルヘッド)は、前部および左右側部に、弾性ゴム製のバンパを備える。特許文献1に開示された掃除機により、壁際などが掃除をされる際に、バンパが壁などに接触(衝突)する。つまり、ヘッド本体自体は、壁などに接触(衝突)しない。その結果、ヘッド本体等の損傷は、抑制される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ヘッド本体が周辺の物体と接触するのを防ぐと共に、掃除機の操作性を向上させる掃除機用ヘッドを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る掃除機用ヘッドは、清掃面の塵埃を集塵する回転ブラシを収容するヘッド本体と、清掃面に載置されたヘッド本体が、ヘッド本体の周辺の物体に接触するのを防止する保護部材と、を有してなり、保護部材は、ヘッド本体に配置される回転軸と、回転軸に回転可能に取り付けられる回転体と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、ヘッド本体が周辺の物体と接触するのを防ぐと共に、掃除機の操作性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る掃除機の実施の形態を示す正面斜視図である。
図2図1の掃除機が備える掃除機用ヘッドの正面斜視図である。
図3図2の掃除機用ヘッドの背面斜視図である。
図4図2の掃除機用ヘッドの正面図である。
図5図2の掃除機用ヘッドの背面図である。
図6図2の掃除機用ヘッドの平面図である。
図7図2の掃除機用ヘッドの底面図である。
図8図2の掃除機用ヘッドの右側面図である。
図9図2の掃除機用ヘッドの左側面図である。
図10図1の掃除機における、平面一部断面図である。
図11図8の掃除機用ヘッドにおける、側面一部断面図である。
図12図1の掃除機が備える掃除機用本体の正面斜視図である。
図13図12の掃除機用本体の背面斜視図である。
図14図12の掃除機用本体の正面図である。
図15図12の掃除機用本体の背面図である。
図16図12の掃除機用本体の平面図である。
図17図12の掃除機用本体の底面図である。
図18図12の掃除機用本体の右側面図である。
図19図12の掃除機用本体の左側面図である。
図20図12の掃除機用本体の透明部分または透光性を有する部分を示す参考背面図である。
図21図1の掃除機が備えるハンドルの全体図である。
図22図1の掃除機が壁際に位置している状態を示す模式図である。
図23図1の掃除機が壁際に位置している状態の別の例を示す模式図である。
図24】本発明に係る掃除機の他の実施の形態を示す側面図である。
図25図24の掃除機が備えるハンドルの全体構成図である。
図26図24の掃除機の一部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る掃除機用ヘッドと掃除機とは、以下の実施の形態と図面とにより説明される。
【0013】
以下の説明において、特に断りがない限り、上下左右の各方向は、正面を基準として定義される。すなわち、正面に対する上は「上方」であり、正面に対する下は「下方」であり、正面に対する右は「右方(右側)」であり、正面に対する左は「左方(左側)」である。
【0014】
●掃除機(1)●
●掃除機(1)の構成
図1は、本発明に係る掃除機の実施の形態(以下「第1実施形態」という。)を示す正面斜視図である。
【0015】
掃除機1は、清掃面上の塵埃などのゴミを吸い取る。掃除機1は、掃除機用ヘッド(電気掃除機用吸い込み口)10と、自在継手部20と、掃除機用本体(電気掃除機用本体)30と、ハンドル40と、を有してなる。
【0016】
図2は、掃除機用ヘッド10の正面斜視図である。
図3は、掃除機用ヘッド10の背面斜視図である。
図4は、掃除機用ヘッド10の正面図である。
図5は、掃除機用ヘッド10の背面図である。
図6は、掃除機用ヘッド10の平面図である。
図7は、掃除機用ヘッド10の底面図である。
図8は、掃除機用ヘッド10の右側面図である。
図9は、掃除機用ヘッド10の左側面図である。
【0017】
掃除機用ヘッド10は、清掃面上の塵埃などのゴミを吸い取る。掃除機用ヘッド10は、使用時(清掃時)に清掃面に対向してゴミを吸い取る構造体である。掃除機用ヘッド10の形状は、平面視で略矩形状である。掃除機用ヘッド10は、自在継手部20を介して、掃除機用本体30に接続される。掃除機用ヘッド10は、ヘッド本体11と、保護部材12と、を備える。
【0018】
ヘッド本体11は、清掃面の塵埃を掻き取る回転ブラシ(第1回転ブラシ114,第2回転ブラシ115)を収容する。ヘッド本体11は、吸引口110と、取付口111と、吸引部112と、カバー体113と、回転ブラシ(第1回転ブラシ114,第2回転ブラシ115)と、第1ホバー用ブラシ116と、第2ホバー用ブラシ117と、キャスター(第1キャスター118a,第2キャスター118b)と、安全キャスター119と、を備える。
【0019】
吸引口110は、第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115とにより掻き取られて吸引部112に集塵されたゴミが通過する通路(流路)である。吸引口110は、ヘッド本体11の略中央で、取付口111と重なる位置に配置される。
【0020】
取付口111は、自在継手部20が取り付けられる孔である。取付口111は、ヘッド本体11の略中央に配置される。取付口111の内部には、同心に吸引口110が配置される。
【0021】
吸引部112は、第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115とにより掻き取られたゴミが集塵される空間である。吸引部112に集塵されたゴミは、後述される吸引モータ(不図示)の吸引力により、吸引口110を介して、掃除機用本体30のダストボックス32(図13参照)に収納される。
【0022】
カバー体113は、内部に第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115とを収容する。カバー体113は、上部カバー113aと、サイドカバー113bと、サイドカバー113cと、を備える。
【0023】
上部カバー113aは、平面視略中央に吸引口110を備える。上部カバー113aは、第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115とを上方から覆う。
【0024】
サイドカバー113bは、上部カバー113aの右側の端部に取り付けられる。サイドカバー113bの下面略中央には、第1キャスター118aが取り付けられる。
【0025】
サイドカバー113cは、上部カバー113aの左側の端部に取り付けられる。サイドカバー113cの下面略中央には、第2キャスター118bが取り付けられる。
【0026】
回転ブラシは、カバー体113に収容される。回転ブラシは、左右方向に延びるブラシである。回転ブラシは、第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115とを備える。第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115のそれぞれは、回転しながら清掃面と部分的に当接(接地・接触)して、清掃面上の塵埃などのゴミや、清掃面が毛足の長いカーペットの表面の場合に毛足の内部に入り込んだ髪の毛や食べ物のカスなどのゴミを掻き出して、吸引部112に集塵する。第1回転ブラシ114の形状と大きさと質量それぞれは、第2回転ブラシ115の形状と大きさと質量それぞれと同じである。また、第1回転ブラシ114の回転方向に対して、第2回転ブラシ115は、逆の方向に回転する。
【0027】
第1回転ブラシ114は、第1回転軸(不図示)に取り付けられて、カバー体113(上部カバー113a)の内部に収容される。第1回転ブラシ114は、駆動モータ(不図示)の回転駆動による第1回転軸の回転に伴い、回転する。第1回転ブラシ114は、ヘッド本体11の正面側に配置される。
【0028】
第2回転ブラシ115は、第2回転軸(不図示)に取り付けられて、カバー体113(上部カバー113a)の内部に収容される。第2回転ブラシ115は、駆動モータ(不図示)の回転駆動による第2回転軸の回転に伴い、回転する。第2回転ブラシ115は、ヘッド本体11の背面側に配置される。
【0029】
第1ホバー用ブラシ116は、第1回転ブラシ114の左右両端に配置されて、第1回転ブラシ114と共に回転する。第1ホバー用ブラシ116は、第1回転ブラシ114と清掃面との間の摩擦力を低減する。
【0030】
第2ホバー用ブラシ117は、第2回転ブラシ115の左右両端に配置されて、第2回転ブラシ115と共に回転する。第2ホバー用ブラシ117は、第2回転ブラシ115と清掃面との間の摩擦力を低減する。
【0031】
第1キャスター118aは、ヘッド本体11に取り付けられて、ヘッド本体11の進行方向に沿って、回転する。第1キャスター118aは、清掃面上を全方位に亘って回転自在である。第1キャスター118aは、サイドカバー113bの下部に配置される。第1キャスター118aは、例えば、車輪式のキャスターである。第1キャスター118aは、第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115との中間位置に配置される。すなわち、第1キャスター118aは、第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115それぞれと等距離の位置に配置される。
【0032】
第2キャスター118bは、ヘッド本体11に取り付けられて、ヘッド本体11の進行方向に沿って、回転する。第2キャスター118bは、清掃面上を全方位に亘って回転自在である。第2キャスター118bは、サイドカバー113cの下部に配置される。第2キャスター118bは、例えば、車輪式のキャスターである。第2キャスター118bは、第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115との中間位置に配置される。すなわち、第2キャスター118bは、第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115それぞれと等距離の位置に配置される。
【0033】
第1キャスター118aの形状と大きさと質量それぞれは、第2キャスター118bの形状と大きさと質量それぞれと同じである。第1キャスター118aと第2キャスター118bとを結ぶ線(仮想線)の方向は、第1回転ブラシ114の延在方向と、第2回転ブラシ115の延在方向と平行である。
【0034】
安全キャスター119は、ヘッド本体11の下部に取り付けられる。安全キャスター119は、上下方向に進退可能である。安全キャスター119は、車輪式のキャスターで、正面-背面方向に回転可能である。
【0035】
安全キャスター119は、掃除機用ヘッド10が清掃面に載置された状態(以下「載置状態」という。)のとき、上方に後退(退避)する。駆動モータ(不図示)は、載置状態のとき通電された状態(以下「通電状態」という。)になる。通電状態の駆動モータは、第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115とを駆動する。駆動された第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115とは、回転する。
【0036】
一方、安全キャスター119は、掃除機用ヘッド10が清掃面から離間している状態(以下「離間状態」という。)のとき、下方に前進(進行)する。駆動モータは、離間状態のとき通電状態が解除された状態(非通電状態)になる。非通電状態の駆動モータは、第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115とを駆動しない。駆動されない第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115とは、回転しない。つまり、通電状態において駆動されて回転していた第1回転ブラシ114の回転と、第2回転ブラシ115の回転とは、非通電状態で止まる。
【0037】
ここで、図4に示されるように、掃除機用ヘッド10の正面視において表されるヘッド本体11の部分は、本発明における第1面部SF1の例である。すなわち、第1面部SF1は、上部カバー113aの一部と、サイドカバー113bの一部と、サイドカバー113cの一部と、で構成される。
【0038】
図5に示されるように、掃除機用ヘッド10の背面視において表されるヘッド本体11の部分は、本発明における第2面部SF2の例である。すなわち、第2面部SF2は、上部カバー113aの一部と、サイドカバー113bの一部と、サイドカバー113cの一部と、で構成される。第2面部SF2は、第1面部SF1に対向して配置される。
【0039】
図8に示されるように、掃除機用ヘッド10の右側面視において表されるヘッド本体11の部分は、本発明における第3面部SF3の例である。すなわち、第3面部SF3は、サイドカバー113bの一部で構成される。第3面部SF3は、第1面部SF1と第2面部SF2それぞれに連設して配置される。
【0040】
図9に示されるように、掃除機用ヘッド10の左側面視において表されるヘッド本体11の部分は、本発明における第4面部SF4の例である。すなわち、第4面部SF4は、サイドカバー113cの一部で構成される。第4面部SF4は、第3面部SF3に対向すると共に、第1面部SF1と第2面部SF2それぞれに連設して配置される。
【0041】
保護部材12は、清掃面に載置された掃除機用ヘッド10が、掃除機用ヘッド10の周辺の物体に接触するのを防止する。掃除機用ヘッド10は、複数の保護部材12を備える。すなわち、例えば、保護部材12は、第1保護部材12aと、第2保護部材12bと、第3保護部材12cと、第4保護部材12dと、を含む。第1保護部材12aの形状と大きさと質量それぞれは、第2保護部材12bの形状と大きさと質量それぞれと、第3保護部材12cの形状と大きさと質量それぞれと、第4保護部材12dの形状と大きさと質量それぞれと、同じである。
【0042】
「周辺の物体」は、掃除機用ヘッド10の保護部材12と接触する物体である。周辺の物体は、例えば、掃除機1で掃除される部屋または廊下等の壁や、これら部屋等に設置されているテレビボードその他の家具などである。周辺の物体は、隣接する2つの保護部材12が同時に接触する程度の大きさの物体である。
【0043】
以下の説明において、第1保護部材12aと第2保護部材12bと第3保護部材12cと第4保護部材12dそれぞれを区別して説明する必要がないとき、それぞれを「保護部材12」と総称する。
【0044】
図10は、掃除機1における、平面一部断面図である。
図11は、掃除機用ヘッド10における、側面一部断面図である。
以下の説明は、図2-9も合わせて参照される。
【0045】
第1保護部材12aは、第2保護部材12bと協働して第1面部SF1が周辺の物体に接触するのを防止すると共に、第3保護部材12cと協働して第3面部SF3が周辺の物体に接触するのを防止する。第1保護部材12aは、回転軸12a1と回転体12a2とを備える。第1保護部材12aは、隣接する第1面部SF1と第3面部SF3との境界に配置される。
【0046】
回転軸12a1は、回転体12a2が回転する軸である。回転軸12a1は、サイドカバー113bに配置(収容)される。換言すれば、回転軸12a1は、ヘッド本体11に配置(収容)される。回転軸12a1の軸方向は、載置状態のとき、清掃面に垂直な方向である。すなわち、例えば、回転軸12a1は、載置状態のとき、鉛直方向に延びる軸である。
【0047】
回転体12a2は、回転軸12a1を中心に回転する。回転体12a2は、円柱状である。回転体12a2は、回転軸12a1が挿通される挿通孔を備える。回転体12a2は、回転軸12a1の周囲に回転可能に取り付けられる。回転体12a2は、一部を露出させた状態でサイドカバー113bに配置(収容)される。換言すれば、回転軸12a1は、一部を露出させた状態でヘッド本体11に配置(収容)される。回転体12a2は、例えば、エラストマー等の弾性のある素材である。回転体12a2は、周辺の物体に接触した際にクッションとしての役目も果たす。
【0048】
第2保護部材12bは、第1保護部材12aと協働して第1面部SF1が周辺の物体に接触するのを防止すると共に、第4保護部材12dと協働して第4面部SF4が周辺の物体に接触するのを防止する。第2保護部材12bは、回転軸12b1と回転体12b2とを備える。第2保護部材12bは、隣接する第1面部SF1と第4面部SF4との境界に配置される。
【0049】
回転軸12b1は、回転体12b2が回転する軸である。回転軸12b1は、サイドカバー113cに配置(収容)される。換言すれば、回転軸12b1は、ヘッド本体11に配置(収容)される。回転軸12b1の軸方向は、載置状態のとき、清掃面に垂直な方向である。すなわち、例えば、回転軸12b1は、載置状態のとき、鉛直方向に延びる軸である。
【0050】
回転体12b2は、回転軸12b1を中心に回転する。回転体12b2は、円柱状である。回転体12b2は、回転軸12b1が挿通される挿通孔を備える。回転体12b2は、回転軸12b1の周囲に回転可能に取り付けられる。回転体12b2は、一部を露出させた状態でサイドカバー113cに配置(収容)される。換言すれば、回転軸12b1は、一部を露出させた状態でヘッド本体11に配置(収容)される。回転体12b2は、例えば、エラストマー等の弾性のある素材である。回転体12b2は、周辺の物体に接触した際にクッションとしての役目も果たす。
【0051】
第3保護部材12cは、第4保護部材12dと協働して第2面部SF2が周辺の物体に接触するのを防止すると共に、第1保護部材12aと協働して第3面部SF3が周辺の物体に接触するのを防止する。第3保護部材12cは、回転軸12c1と回転体12c2とを備える。第3保護部材12cは、隣接する第2面部SF2と第3面部SF3との境界に配置される。
【0052】
回転軸12c1は、回転体12c2が回転する軸である。回転軸12c1は、サイドカバー113bに配置(収容)される。換言すれば、回転軸12c1は、ヘッド本体11に配置(収容)される。回転軸12c1の軸方向は、載置状態のとき、清掃面に垂直な方向である。すなわち、例えば、回転軸12c1は、載置状態のとき、鉛直方向に延びる軸である。
【0053】
回転体12c2は、回転軸12c1を中心に回転する。回転体12c2は、円柱状である。回転体12c2は、回転軸12c1が挿通される挿通孔を備える。回転体12c2は、回転軸12c1の周囲に回転可能に取り付けられる。回転体12c2は、一部を露出させた状態でサイドカバー113bに配置(収容)される。換言すれば、回転軸12c1は、一部を露出させた状態でヘッド本体11に配置(収容)される。回転体12c2は、例えば、エラストマー等の弾性のある素材である。回転体12c2は、周辺の物体に接触した際にクッションとしての役目も果たす。
【0054】
第4保護部材12dは、第3保護部材12cと協働して第2面部SF2が周辺の物体に接触するのを防止すると共に、第2保護部材12bと協働して第4面部SF4が周辺の物体に接触するのを防止する。第4保護部材12dは、回転軸12d1と回転体12d2とを備える。第4保護部材12dは、隣接する第2面部SF2と第4面部SF4との境界に配置される。
【0055】
回転軸12d1は、回転体12d2が回転する軸である。回転軸12d1は、サイドカバー113cに配置(収容)される。換言すれば、回転軸12d1は、ヘッド本体11に配置(収容)される。回転軸12d1の軸方向は、載置状態のとき、清掃面に垂直な方向である。すなわち、例えば、回転軸12d1は、載置状態のとき、鉛直方向に延びる軸である。
【0056】
回転体12d2は、回転軸12d1を中心に回転する。回転体12d2は、円柱状である。回転体12d2は、回転軸12d1が挿通される挿通孔を備える。回転体12d2は、回転軸12d1の周囲に回転可能に取り付けられる。回転体12d2は、一部を露出させた状態でサイドカバー113cに配置(収容)される。換言すれば、回転軸12d1は、一部を露出させた状態でヘッド本体11に配置(収容)される。回転体12d2は、例えば、エラストマー等の弾性のある素材である。回転体12d2は、周辺の物体に接触した際にクッションとしての役目も果たす。
【0057】
このように、第1保護部材12aの構成は、第2保護部材12bの構成と、第3保護部材12cの構成と、第4保護部材12dの構成と、共通する。また、回転軸12a1の軸方向は、回転軸12b1の軸方向と回転軸12c1の軸方向と回転軸12d1の軸方向それぞれと平行である。換言すれば、保護部材12a-12dごとの回転軸(回転軸12a1,12b1,12c1,12d1)の軸方向は、互いに平行である。さらに、各保護部材12a-12dのそれぞれは、連設する(隣接する)面部(SF1-SF4のいずれか2つ)の境界部分に配置される。すなわち、各保護部材12a-12dは、ヘッド本体11の四隅に配置される。さらにまた、ヘッド本体11に配置される各保護部材12a-12dのそれぞれの高さ位置は、同一である。すなわち、例えば、ヘッド本体11(掃除機用ヘッド10)が平坦な清掃面(直線状の清掃面)に載置されたとき、各保護部材12a-12dのそれぞれの清掃面からの高さ位置(清掃面からの距離)は、同一である。
【0058】
図1に戻る。
自在継手部20は、掃除機用ヘッド10と掃除機用本体30とを連結する。自在継手部20は、掃除機用ヘッド10に対して掃除機用本体30が全方位に亘って任意の角度で自由に傾くことを可能にする。
【0059】
自在継手部20の一端(下端)は、取付口111に取り付けられる。すなわち、自在継手部20は、掃除機用ヘッド10の上部略中央に取り付けられる。自在継手部20の一端は、吸引口110と平面視で重なる位置に配置される。吸引口110の軸心(軸線)は、自在継手部20の軸心と一致する。
【0060】
自在継手部20の他端(上端)は、掃除機用本体30の下端に取り付けられる。自在継手部20の軸心は、掃除機用本体30の軸心と一致する。すなわち、自在継手部20の軸心は、掃除機用本体30の軸心上に位置する。これにより、掃除機用本体30は、吸引口110の軸心(軸線)上に位置すると共に、掃除機用ヘッド10に対して全方位に亘って任意の角度で自由に傾く。
【0061】
自在継手部20は、例えば、蛇腹状のホースなどの可撓性部材(不図示)を内部に収容する。可撓性部材は、吸引口110と、掃除機用本体30の下端と、に接続される。可撓性部材は、吸引口110を通過したゴミが掃除機用本体30に向けて通過する通路(流路)を構成する。
【0062】
自在継手部20の他端と、可撓性部材とは、掃除機用本体30の下端に着脱自在である。
【0063】
図12は、掃除機用本体30の正面斜視図である。
図13は、掃除機用本体30の背面斜視図である。
図14は、掃除機用本体30の正面図である。
図15は、掃除機用本体30の背面図である。
図16は、掃除機用本体30の平面図である。
図17は、掃除機用本体30の底面図である。
図18は、掃除機用本体30の右側面図である。
図19は、掃除機用本体30の左側面図である。
図20は、掃除機用本体30の透明部分または透光性を有する部分を示す参考図である。
【0064】
掃除機用本体30は、後述される吸引モータ(不図示)やバッテリ(不図示)などを内部に収容する。掃除機用本体30には、ハンドル40(図1参照)が着脱可能である。掃除機用本体30の一端(下端)は、自在継手部20(図1参照)に接続される。掃除機用本体30の他端(上端)は、ハンドル40に接続される。掃除機用本体30は、略筒状である。掃除機用本体30は、本体部31と、ダストボックス32と、ハンドル着脱部33と、係合部34と、ハンドル取外部35と、排気口36と、吸引モータ(不図示)と、バッテリ(不図示)と、を備える。
【0065】
本体部31は、ダストボックス32と吸引モータとバッテリとを収容する。本体部31の一端(下端)は、自在継手部20(図1参照)に接続される。本体部31にダストボックス32が収容されたとき、本体部31とダストボックス32とで構成される形状は、略円筒状である。
【0066】
ダストボックス32は、第1回転ブラシ114と第2回転ブラシ115とにより掻き取られて、吸引モータにより吸引されて、吸引口110を通過した、清掃面上のゴミが集塵されるボックスである。ダストボックス32は、本体部31に着脱可能に取り付けられる(収容される)。ダストボックス32を構成する複数の部材のうち一部の部材は、例えば、透明または半透明のプラスチックで構成される(図20参照)。ダストボックス32が本体部31に収容されているとき、ダストボックス32を構成する部材の一部は、本体部31の外部に露出する。すなわち、ダストボックス32の一部は、本体部31の外部から視認可能である。つまり、ダストボックス32の内部に集塵されたゴミは、掃除機用本体30の外部から視認可能である。ダストボックス32の内部に集塵されたゴミは、ユーザによりダストボックス32の外部に捨てられる。このとき、先ず、ユーザは、ダストボックス32を本体部31から取り外す。次いで、ユーザは、ダストボックス32の一部の部材を、ゴミを収容する部材から取り外す。次いで、ユーザは、ゴミを収容する部材を傾けるなどして、同部材の開口からゴミを排出する。
【0067】
「ユーザ」は、掃除機1の使用者(操作者)である。
【0068】
ハンドル着脱部33は、ハンドル40を着脱可能に取り付ける(装着する)。ハンドル着脱部33は、本体部31の他端(上端)に配置される。ハンドル着脱部33は、挿入口331を備える。挿入口331は、ハンドル40の挿入部412(図21参照)が挿入される開口である。
【0069】
係合部34は、ハンドル40のうち、後述される第2ハンドル42(図25参照)のガイド部4221(図25参照)と係合する。係合部34は、本体部31の外周面上に配置される。係合部34は、本体部31の外周面において、ダストボックス32の本体部31から露出する部分と、本体部31の軸方向(上下方向)に並んで配置される。
【0070】
ハンドル取外部35は、ユーザがハンドル着脱部33に装着されたハンドル40を取り外すときに使用される。ハンドル取外部35は、例えば、押圧式のボタンである。ハンドル取外部35は、例えば、ハンドル着脱部33に取り付けられる。ハンドル着脱部33にハンドル40が装着された状態で、ユーザがハンドル取外部35を押圧しながらハンドル40を掃除機用本体30から離反する方向に引っ張ることにより、ハンドル40は、ハンドル着脱部33(掃除機用本体30)から取り外される。
【0071】
排気口36は、吸引モータにより吸引されて、ダストボックス32を通過した空気を本体部31の外部に排出する。排気口36は、本体部31の外周に配置された複数の開口であり、本体部31の内部の空気を外部に排出する。
【0072】
吸引モータは、駆動により、空気を吸引する。吸引モータは、本体部31に収容される。
【0073】
バッテリは、駆動モータと吸引モータとを駆動させる動力源である。バッテリは、本体部31に収容される(取り付けられる)。
【0074】
図21は、ハンドル40の全体図である。
以下の説明は、図1も合わせて参照される。
【0075】
ハンドル40は、使用時にユーザに把持される。すなわち、ユーザは、ハンドル40を把持して掃除機1を操作する。ハンドル40は、ハンドル着脱部33に着脱自在に取り付けられる(装着される)。
【0076】
ここで、第1実施形態におけるハンドル40は、棒状の第1ハンドル41である。第1ハンドル41は、使用時にユーザに把持される。すなわち、ユーザは、第1ハンドル41を把持して掃除機1を操作する。第1ハンドル41は、例えば、円筒状である。第1ハンドル41は、ハンドル着脱部33(掃除機用本体30)に取り付けられている(装着されている)とき、ハンドル着脱部33(掃除機用本体30)から上方に延在する。ハンドル着脱部33に取り付けられた状態における第1ハンドル41の軸心(軸線)は、自在継手部20の軸心と一致する。第1ハンドル41は、把持部411と、挿入部412と、操作部413と、を備える。
【0077】
把持部411は、ユーザに把持される。把持部411は、挿入部412と操作部413との間の部分である。
【0078】
挿入部412は、ハンドル着脱部33の挿入口331(図12参照)に挿入される。挿入部412は、第1ハンドル41の一端側(下端側)に配置される。挿入部412が挿入口331に挿入されることで、第1ハンドル41は、ハンドル着脱部33(掃除機用本体30)に取り付けられる(装着される)。
【0079】
操作部413は、掃除機1の電源のオンとオフとを切り換える。すなわち、操作部413は、吸引モータの動作を制御する。操作部413は、例えば、押圧式の操作ボタンである。操作部413は、第1ハンドル41の他端側(上端側)に配置される。操作部413は、掃除を開始するとき(一時的に中断していた掃除を再開するとき)と、掃除を終了するとき(一時的に掃除を中断するとき)とに、ユーザにより操作される。
【0080】
ユーザは、ハンドル着脱部33に第1ハンドル41が装着された状態で、ハンドル取外部35(図13参照)を押圧しながら第1ハンドル41を掃除機用本体30から離反する方向に引っ張ることにより、第1ハンドル41を、ハンドル着脱部33(掃除機用本体30)から取り外すことができる。
【0081】
●保護部材の動作
図22は、掃除機1が壁際に位置している状態を示す模式図である。
同図は、掃除機用ヘッド10の正面側が、周辺の物体に接触している状態を示す。
【0082】
掃除機用ヘッド10の正面側が、周辺の物体、例えば、正面の壁(以下「正面壁」という。)FWに接触しているとき、保護部材12(第1保護部材12aの回転体12a2(図10参照)と第2保護部材12bの回転体12b2(図10参照))が正面壁FWに接触する。すなわち、掃除機用ヘッド10の正面側が、正面壁FWに接触しているとき、ヘッド本体11(第1面部SF1)は、正面壁FWに接触しない。つまり、掃除機用ヘッド10の正面側が、正面壁FWに接触しているとき、正面壁FWとヘッド本体11(第1面部SF1)との間には、隙間が形成される。換言すれば、第1保護部材12aと第2保護部材12bとは、第1面部SF1が正面壁FWに接触するのを防止する。
【0083】
このように、掃除機用ヘッド10の正面側が、正面壁FWに接触しているとき、第1保護部材12aの回転体12a2と、第2保護部材12bの回転体12b2と、が正面壁FWに接触する。また、前述のとおり、回転体12a2の形状は、回転体12b2の形状と同じである。さらに、回転体12a2の回転軸12a1の軸方向は、回転体12b2の回転軸12b1の軸方向と平行である。そのため、掃除機用ヘッド10がユーザにより左右方向に動かされるとき、各回転体12a2,12b2が正面壁FWに接触した状態で回転する。その結果、掃除機用ヘッド10の左右方向の移動は、スムーズになる。
【0084】
なお、図示は省略されるが、掃除機用ヘッド10の背面側が、周辺の物体、例えば、背面の壁(以下「背面壁」という。)に接触しているときも同様である。すなわち、例えば、掃除機用ヘッド10の背面側が、背面壁に接触しているとき、保護部材12(第3保護部材12cの回転体12c2と第4保護部材12dの回転体12d2)が背面壁に接触する。すなわち、掃除機用ヘッド10の背面側が、背面壁に接触しているとき、ヘッド本体11(第2面部SF2)は、背面壁に接触しない。つまり、掃除機用ヘッド10の背面側が、背面壁に接触しているとき、背面壁とヘッド本体11(第2面部SF2)との間には、隙間が形成される。換言すれば、第3保護部材12cと第4保護部材12dとは、第2面部SF2が背面壁に接触するのを防止する。
【0085】
このように、掃除機用ヘッド10の背面側が、背面壁に接触しているとき、第3保護部材12cの回転体12c2と、第4保護部材12dの回転体12d2と、が背面壁に接触する。また、前述のとおり、回転体12c2の形状は、回転体12d2の形状と同じである。さらに、回転体12c2の回転軸12c1の軸方向は、回転体12d2の回転軸12d1の回転軸の軸方向と平行である。そのため、掃除機用ヘッド10がユーザにより左右方向に動かされるとき、各回転体12c2,12d2が背面壁に接触した状態で回転する。その結果、掃除機用ヘッド10の左右方向の移動は、スムーズになる。
【0086】
図23は、掃除機1が壁際に位置している状態の別の例を示す模式図である。
同図は、掃除機用ヘッド10の右側面側が、周辺の物体に接触している状態を示す。
【0087】
掃除機用ヘッド10の右側面側が、周辺の物体、例えば、側面壁(以下「側面壁」という。)SWに接触しているとき、保護部材12(第1保護部材12aの回転体12a2(図10参照)と第3保護部材12cの回転体12c2(図10参照))が側面壁SWに接触する。すなわち、掃除機用ヘッド10の右側面側が、側面壁SWに接触しているとき、ヘッド本体11(第3面部SF3)は、側面壁SWに接触しない。つまり、掃除機用ヘッド10の右側面側が、側面壁SWに接触しているとき、側面壁SWとヘッド本体11(第3面部SF3)との間には、隙間が形成される。換言すれば、第1保護部材12aと第3保護部材12cとは、第3面部SF3が側面壁SWに接触するのを防止する。
【0088】
このように、掃除機用ヘッド10の右側面側が、側面壁SWに接触しているとき、第1保護部材12aの回転体12a2と、第3保護部材12cの回転体12c2と、が側面壁SWに接触する。また、前述のとおり、回転体12a2の形状は、回転体12c2の形状と同じである。さらに、回転体12a2の回転軸12a1の軸方向は、回転体12c2の回転軸12c1の軸方向と平行である。そのため、掃除機用ヘッド10がユーザにより正面-背面方向に動かされるとき、各回転体12a2,12c2が側面壁SWに接触した状態で回転する。その結果、掃除機用ヘッド10の正面-背面方向の移動は、スムーズになる。
【0089】
なお、図示は省略されるが、掃除機用ヘッド10の左側面側が、周辺の物体、例えば、側面壁SWに接触しているときも同様である。すなわち、例えば、掃除機用ヘッド10の左側面側が、側面壁SWに接触しているとき、保護部材12(第2保護部材12bの回転体12b2と第4保護部材12dの回転体12d2)が側面壁SWに接触する。すなわち、掃除機用ヘッド10の左側面側が、側面壁SWに接触しているとき、ヘッド本体11(第4面部SF4)は、側面壁SWに接触しない。つまり、掃除機用ヘッド10の左側面側が、側面壁SWに接触しているとき、側面壁SWとヘッド本体11(第4面部SF4)との間には、隙間が形成される。換言すれば、第2保護部材12bと第4保護部材12dとは、第4面部SF4が側面壁SWに接触するのを防止する。
【0090】
このように、掃除機用ヘッド10の左側面側が、側面壁SWに接触しているとき、第2保護部材12bの回転体12b2と、第4保護部材12dの回転体12d2と、が側面壁SWに接触する。また、前述のとおり、回転体12b2の形状は、回転体12d2の形状と同じである。さらに、回転体12b2の回転軸の軸方向は、回転体12d2の回転軸の軸方向と平行である。そのため、掃除機用ヘッド10がユーザにより正面-背面方向に動かされるとき、各回転体12b2,12d2が側面壁SWに接触した状態で回転する。その結果、掃除機用ヘッド10の正面-背面方向の移動は、スムーズになる。
【0091】
同様に、例えば、部屋の隅に掃除機用ヘッド10が載置されて、掃除機用ヘッド10の正面側と右側面側とが、正面壁FWと側面壁SWとに接触しているとき、第1保護部材12aの回転体12a2と、第2保護部材12bの回転体12b2とは、正面壁FWに接触すると共に、第1保護部材12aの回転体12a2と、第3保護部材12cの回転体12c2とは、側面壁SWに接触する。すなわち、第1保護部材12aの回転体12a2は、正面壁FWと側面壁SWとに接触する。このとき、第1保護部材12aと第2保護部材12bとは、第1面部SF1が正面壁FWに接触するのを防止し、第1保護部材12aと第3保護部材12cとは、第3面部SF3が側面壁SWに接触するのを防止する。
【0092】
なお、説明は省略されるが、掃除機用ヘッド10の正面側と左側面側とが正面壁と側面壁とに接触しているとき、掃除機用ヘッド10の背面側と右側面側とが背面壁と側面壁とに接触しているとき、掃除機用ヘッド10の背面側と左側面側とが背面壁と側面壁とに接触しているとき、も同様である。
【0093】
●まとめ(1)
以上説明した実施の形態によれば、掃除機用ヘッド10は、保護部材12を有してなる。清掃時に掃除機用ヘッド10が壁などの周辺の物体(例えば、正面壁FWや側面壁SW)に接近して、保護部材12が周辺の物体に接触したとしても、ヘッド本体11は、周辺の物体に接触しない。その結果、ヘッド本体11は、損傷しない。また、保護部材12自体がクッションの役割を果たすため、周辺の物体への損傷は、軽減される。
【0094】
また、以上説明した実施の形態によれば、保護部材12は、略矩形状のヘッド本体11の各隅に配置される。そのため、清掃時に掃除機用ヘッド10が壁などの周辺の物体に接近して、隣接する2つの保護部材12が周辺の物体に接触したとしても、ヘッド本体11は、周辺の物体に接触しない。その結果、ヘッド本体11は、損傷しない。さらに、保護部材12は、略矩形状のヘッド本体11の四隅に配置されている。そのため、部屋の角などの2面の壁が存在する場所において、掃除機用ヘッド10が2面の壁に接近して、保護部材12が2面の壁の一方または双方に接触したとしても、ヘッド本体11は、2面の壁のいずれにも接触しない。その結果、ヘッド本体11は、損傷しない。
【0095】
さらに、以上説明した実施の形態によれば、保護部材12は、回転軸12a1-12d1と、各回転軸12a1-12d1に回転可能に取り付けられる回転体12a2-12d2と、を備える。そのため、例えば、掃除機用ヘッド10の正面側が、正面壁FW(周辺の物体)に接触しているとき、第1保護部材12aの回転体12a2と、第2保護部材12bの回転体12b2と、が正面壁FWに接触する。この状態で掃除機用ヘッド10がユーザにより左右方向に動かされるとき、各回転体12a2,12b2が正面壁FWに接触した状態で回転するので、掃除機用ヘッド10の左右方向の移動は、スムーズになる。その結果、掃除機1の操作性は、向上する。
【0096】
なお、保護部材の配置される場所は、ヘッド本体の四隅に限定されない。すなわち、例えば、保護部材は、第1面部-第4面部の各面部に2個以上配置されてもよい。また、ヘッド本体の四隅に加えて、第1面部-第4面部の各面部に1個以上配置されてもよい。すなわち、保護部材の数は、「4」に限定されない。
【0097】
また、ヘッド本体の形状は、略矩形状に限定されない。
【0098】
●掃除機(2)●
次に、本発明に係る掃除機の別の実施の形態(以下「第2実施形態」という。)について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施の形態における掃除機100は、ハンドルの構成が第1実施形態と異なる。
【0099】
●掃除機(2)の構成
【0100】
図24は、第2実施形態の掃除機100の側面図である。
同図は、第1実施形態の掃除機1のハンドル40(第1ハンドル41)に代えて、第1ハンドル41とは異なるハンドル40(第2ハンドル42)が掃除機用本体30に装着されていることを示す。また、同図は、第2ハンドル42が用いられる場合の一例として、掃除機用ヘッド10に代えて、掃除機用本体30の他端に隙間ノズル50が取り付けられている場合の例を示す。
【0101】
掃除機100は、掃除機用本体30と、第2ハンドル42(ハンドル40)と、隙間ノズル50と、を有してなる。第2実施形態における掃除機用本体30の構成は、第1実施形態における掃除機用本体30の構成と同様である。そのため、第2実施形態における掃除機用本体30の具体的な説明は、省略される。
【0102】
図25は、第2ハンドル42の全体構成図である。
第2ハンドル42の機能は、第1ハンドル41(ハンドル40)の機能と同一である。すなわち、第2ハンドル42は、使用時にユーザに把持される。つまり、ユーザは、第2ハンドル42を把持して掃除機100を操作する。第2ハンドル42は、ハンドル着脱部33(図26参照)に着脱自在に取り付けられる(装着される)。一方、第2ハンドル42の形状は、第1ハンドル41の形状とは異なる。すなわち、第2ハンドル42は、把持体421と、ガイド体422と、挿入部423と、連結体424と、操作部425(図26参照)と、を備える。第2ハンドル42は、第1ハンドル41よりも小さい。第2ハンドル42は、掃除機100がいわゆるハンディタイプとして利用される場合のハンドルである。
【0103】
把持体421は、清掃時(使用時)にユーザに把持される。把持体421は、ガイド体422と連結体424との間に配置される。把持体421は、連結体424の一端側に配置される。
【0104】
ガイド体422は、掃除機用本体30に取り付けられて固定される。ガイド体422は、把持体421の一端側(下端側)(図25における紙面下側)に連接される(配置される)。ガイド体422は、ガイド部4221を備える。
【0105】
ガイド部4221は、係合部34(図26参照)にガイドされながら、係合部34と係合する。ガイド部4221が係合部34に係合されることで、掃除機用本体30に対する第2ハンドル42の位置や向きは、確定する。
【0106】
挿入部423は、ハンドル着脱部33の挿入口331(図12参照)に挿入される。挿入部423は、連結体424の他端側に配置される。挿入部423が挿入口331に挿入されることで、第2ハンドル42は、ハンドル着脱部33(掃除機用本体30)に取り付けられる(装着される)。第2ハンドル42の挿入部423の形状は、第1ハンドル41の挿入部412の形状と同じである。そのため、ハンドル着脱部33の挿入口331には、第1ハンドル41の挿入部412、または、第2ハンドル42の挿入部423が挿入可能である。
【0107】
連結体424は、把持体421と挿入部423とを連結する。連結体424は、把持体421の他端側(上端側)(図25における紙面上側)に連接される(配置される)。
【0108】
操作部425は、掃除機1の電源のオンとオフとを切り換える。すなわち、操作部425は、吸引モータ(不図示)の動作を制御する。操作部425は、例えば、押圧式の操作ボタンである。操作部425は、ガイド体422に配置される。操作部425は、掃除を開始するとき(一時的に中断していた掃除を再開するとき)と、掃除を終了するとき(一時的に掃除を中断するとき)とに、ユーザにより操作される。
【0109】
ユーザは、ハンドル着脱部33に第2ハンドル42が装着された状態で、ハンドル取外部35(例えば、図15参照)を押圧しながら第2ハンドル42を掃除機用本体30から離反する方向に引っ張ることにより、第2ハンドル42を、ハンドル着脱部33(掃除機用本体30)から取り外すことができる。
【0110】
第2ハンドル42がハンドル着脱部33(掃除機用本体30)から取り外されると、ユーザは、第1ハンドル41をハンドル着脱部33(掃除機用本体30)に装着できる。すなわち、ハンドル着脱部33には、第1ハンドル41と第2ハンドル42とのいずれか一方のみが選択的に装着される。換言すれば、掃除機用本体30は、第1ハンドル41と第2ハンドル42とにより共用される。
【0111】
図26は、掃除機100の一部分解斜視図である。
同図は、掃除機用本体30から第2ハンドル42が取り外されている状態を示す。同図は、説明の便宜上、隙間ノズル50の図示を省略している。
【0112】
第2ハンドル42を掃除機用本体30に取り付ける(装着する)とき、ユーザは、挿入部423を挿入口331(ハンドル着脱部33)に挿入する。このとき、挿入部423は、ガイド部4221の一部が係合部34にガイドされながら係合して、挿入部423が挿入口331に完全に挿入されたとき、ガイド部4221の全体は、係合部34と係合する。ガイド部4221が係合部34と係合することにより、掃除機100の強度は、係合部34を備えない場合(片持ちの場合)に比較して、高くなる。
【0113】
隙間ノズル50(図24参照)は、清掃面のうち、テレビボードの裏などのヘッド本体11(例えば、図1参照)の侵入が困難な箇所や、ソファの上などの清掃を行うときに用いられる。すなわち、例えば、隙間ノズル50は、掃除機用本体30に着脱自在のいわゆるアタッチメントツールである。隙間ノズル50は、掃除機用本体30の下端に取り付けられる。
【0114】
隙間ノズル50を使用するとき、ユーザは、掃除機用本体30から、第1実施形態における自在継手部20と掃除機用ヘッド10とを取り外す。隙間ノズル50は、自在継手部20に代えて、掃除機用本体30に取り付けられる(装着される)。
【0115】
ただし、掃除機用本体30に第2ハンドル42が装着されているときに、掃除機用本体30に隙間ノズル50を装着するか、自在継手部20と掃除機用ヘッド10とを装着するかは、ユーザの任意である。
【0116】
●まとめ(2)
以上説明した実施の形態によれば、本発明に係る掃除機の掃除機用本体30は、異なる形状の第1ハンドル41と第2ハンドル42とのうち、いずれか一方のみが選択的に装着可能なハンドル着脱部33を有してなる。すなわち、複数のハンドル40に対して、ハンドル着脱部33の数は、1つである。すなわち、異なるハンドル40に対して、ハンドル着脱部33は、共通である。そのため、掃除機用本体30は、異なるハンドル40ごとに、ハンドル着脱部33を備える必要がない。また、本発明に係る掃除機は、ハンディタイプのハンドル(第2ハンドル)が常設されない構造である。そのため、ハンディタイプのハンドルが常設されている場合に比較して、ハンディタイプのハンドルが周辺の物体に接触して掃除の邪魔になるようなことは発生しない。その結果、本発明に係る掃除機は、第1ハンドル41が使用される場合と、第2ハンドル42が使用される場合とで、それぞれの使用形態に応じて最適化を図ることができる。
【0117】
また、以上説明した実施の形態によれば、掃除機用本体30は、係合部34を有してなる。そのため、第2ハンドル42を掃除機用本体30に装着するとき、係合部34は、第2ハンドル42のガイド部4221にガイドされながらガイド体422と係合する。掃除機100の強度は、係合部34を備えない場合(片持ちの場合)に比較して適切な強度を確保できる。
【0118】
なお、ハンドルは、第1ハンドルと第2ハンドルとに限定されない。すなわち、例えば、掃除機用本体30は、その他のハンドルを着脱可能でもよい。つまり、掃除機用本体30に着脱可能なハンドルの数は、「2」に限定されず、「3」以上でもよい。
【0119】
また、第2ハンドルの形状・構成は、第2実施形態に示した形状・構成に限定されない。すなわち、例えば、第2ハンドルは、第1ハンドルと異なる形状・構成であれば、他の形状・構成でもよい。
【0120】
さらにまた、掃除機用本体に第2ハンドルが装着されている場合であっても、隙間ノズルに代えて、第1実施形態で示した自在継手部と掃除機用本体とを掃除機用本体に装着して使用してもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 掃除機
10 掃除機用ヘッド
11 ヘッド本体
110 吸引口
111 取付口
112 吸引部
113 カバー体
113a 上部カバー
113b サイドカバー
113c サイドカバー
114 第1回転ブラシ
115 第2回転ブラシ
116 第1ホバー用ブラシ
117 第2ホバー用ブラシ
118a 第1キャスター
118b 第2キャスター
119 安全キャスター
12 保護部材
12a 第1保護部材
12a1 回転軸
12a2 回転体
12b 第2保護部材
12b1 回転軸
12b2 回転体
12c 第3保護部材
12c1 回転軸
12c2 回転体
12d 第4保護部材
12d1 回転軸
12d2 回転体
20 自在継手部
30 掃除機用本体
31 本体部
32 ダストボックス
33 ハンドル着脱部
331 挿入口
34 係合部
35 ハンドル取外部
40 ハンドル
41 第1ハンドル
411 把持部
412 挿入部
413 操作部
42 第2ハンドル
421 把持体
422 ガイド体
4221 ガイド部
423 挿入部
424 連結体
425 操作部
50 隙間ノズル
SF1 第1面部
SF2 第2面部
SF3 第3面部
SF4 第4面部
FW 正面壁
SW サイド壁
図1
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