(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】生体情報処理システム、発光装置及び生体情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/08 20060101AFI20240306BHJP
A61M 16/00 20060101ALN20240306BHJP
【FI】
A61B5/08
A61M16/00 390A
A61M16/00 370Z
(21)【出願番号】P 2019187882
(22)【出願日】2019-10-11
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷹取 文彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 正行
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0238722(US,A1)
【文献】特表2018-524064(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0283342(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06-5/22
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気装置が装着された被検者の呼吸状態を検出するように構成された呼吸センサと、
外部に向けて光を出射するように構成された発光装置と、
前記発光装置とは別体で設けられ、前記呼吸センサ及び前記発光装置
と通信可能に接続された生体情報処理装置と、
を備え、
前記生体情報処理装置は、
前記被検者の呼吸に関連するパラメータを取得し、
前記パラメータが閾値範囲内に含まれるかどうかを判定し、
前記パラメータが前記閾値範囲内に含まれるかどうかの判定結果に応じて前記発光装置の視覚的態様を変更する
ための点灯信号を前記発光装置へ送信する、
ように構成され、
前記発光装置は、
前記換気装置または前記呼吸センサの柱状体に着脱可能に取り付けら
れ、前記生体情報処理装置から送信された前記点灯信号に基づく視覚的態様で光を出射する、生体情報処理システム。
【請求項2】
前記発光装置は、
光を出射するように構成された発光素子と、
前記発光素子を収容すると共に、前記発光素子から出射された光の少なくとも一部を透過させるように構成された収容部と、
前記収容部に接続されると共に、前記柱状体に取り付けられる取付部と、
を備える、請求項
1に記載の生体情報処理システム。
【請求項3】
前記取付部と前記収容部は一体的に形成されている、請求項
2に記載の生体情報処理システム。
【請求項4】
前記発光素子は、
赤色光を出射する赤色発光素子と、
緑色光を出射する緑色発光素子と、
青色光を出射する青色発光素子と、
を有する、請求項
2又は
3に記載の生体情報処理システム。
【請求項5】
前記取付部は、第1片と、前記第1片と対向する第2片とを有し、
前記取付部が前記柱状体に取り付けられた状態で、前記柱状体は、前記第1片と前記第2片とによって挟まれ、
前記取付部が前記柱状体に取り付けられるときに、前記第1片と前記第2片の少なくとも一方は弾性変形する、請求項
2から
4のうちいずれか一項に記載の生体情報処理システム。
【請求項6】
前記取付部は、
前記第1片に接続された第1先端部と、
前記第2片に接続されると共に、前記第1先端部に対向する第2先端部と、
をさらに有し、
前記第1先端部と前記第2先端部との間の間隔は、前記収容部から離間するに従って徐々に大きくなる、請求項
5に記載の生体情報処理システム。
【請求項7】
前記収容部は、第1面と、前記発光素子を介して前記第1面と対向する第2面とを有し、
前記発光素子から出射された光は、前記第1面と前記第2面を透過する、
請求項
2から
6のうちいずれか一項に記載の生体情報処理システム。
【請求項8】
前記取付部は、
第1片と、
前記第1片に対向する第2片と、
弾性体と、
を有し、
前記弾性体は、前記第1片と前記第2片が前記柱状体を挟むように前記弾性体の復元力を前記第1片及び前記第2片に付与するように構成されている、
請求項
2に記載の生体情報処理システム。
【請求項9】
前記発光装置は、前記柱状体の軸に対して回転可能となるように前記柱状体に取り付けられる、請求項
1から
8のうちいずれか一項に記載の生体情報処理システム。
【請求項10】
前記被検者の呼吸に関連するパラメータは、
前記被検者の換気量に関連するパラメータと、
前記被検者の気道内圧に関連するパラメータと、
前記被検者の呼吸数に関連するパラメータと、
のうちの少なくとも一つを有する、請求項1から
9のうちいずれか一項に記載の生体情報処理システム。
【請求項11】
前記生体情報処理装置は、
前記パラメータが前記閾値範囲内に含まれない場合に、
前記発光装置が第1の発光色で発光するように前記発光装置を制御し、
前記パラメータが前記閾値範囲内に含まれる場合に、
前記発光装置が前記第1の発光色とは異なる第2の発光色で発光するように前記発光装置を制御する、
請求項1から
10のうちいずれか一項に記載の生体情報処理システム。
【請求項12】
換気装置が装着された被検者に装着される装置の柱状体に着脱可能に取り付けられる発光装置であって、
光を出射するように構成された発光素子と、
前記発光素子を収容すると共に、前記発光素子から出射された光の少なくとも一部を透過させるように構成された収容部と、
前記収容部に接続されると共に、前記柱状体に取り付けられる取付部と、
を備え、
前記発光装置は、
前記発光装置とは別体で設けられた生体情報処理装置から送信される点灯信号に基づいて、前記被検者の呼吸状態の異常を示す情報又は前記換気装置の操作タイミングをガイドするための操作ガイド情報を外部に向けて提示するように構成されている、発光装置。
【請求項13】
外部に向けて光を出射するように構成された発光装置と、換気装置が装着された被検者の呼吸状態を検出するように構成された呼吸センサと
通信可能に接続され
、前記発光装置とは別体で設けられる生体情報処理装置であって、
前記生体情報処理装置は、
前記被検者の呼吸に関連するパラメータを取得し、
前記パラメータが閾値範囲内に含まれるかどうかを判定し、
前記パラメータが前記閾値範囲内に含まれるかどうかの判定結果に応じて前記発光装置の視覚的態様を変更する、
ように構成され、
前記発光装置は、
前記換気装置または前記呼吸センサの柱状体に着脱可能に取り付けら
れ、前記生体情報処理装置から送信された点灯信号に基づく視覚的態様で光を出射する、生体情報処理装置。
【請求項14】
外部に向けて光を出射するように構成された発光装置と、
前記発光装置とは別体で設けられ、前記発光装置と通信可能に接続された生体情報処理装置と、
を備え、
前記生体情報処理装置は、
被検者の呼吸に関連するパラメータを取得し、
前記パラメータが閾値範囲内に含まれるかどうかを判定し、
前記パラメータが前記閾値範囲内に含まれるかどうかの判定結果に応じて前記発光装置の視覚的態様を変更する
ための点灯信号を前記発光装置へ送信する、
ように構成され、
前記発光装置は、
前記被検者に装着される装置の柱状体に着脱可能に取り付けられる、
生体情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体情報処理システム、発光装置及び生体情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自発的な呼吸がない又は心拍数が低い新生児を蘇生させるために、医療現場では新生児にバッグマスクを用いた非侵襲的な陽圧換気が実施されることがある。例えば、特許文献1では、新生児等の患者の口及び鼻を覆うフェイスマスクと、フェイスマスクに接続される呼吸バッグとから構成される非侵襲的な陽圧換気装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、医師等の医療従事者が患者に対して陽圧換気装置を用いて陽圧換気を実施する場合、適切な陽圧換気が患者に対して実施されているかを直感的に把握することは困難である。特に、心肺停止状態の患者に対して陽圧換気が行われる場合には、医療従事者は焦るあまり、適切な陽圧換気を患者に行うことができない状況が想定される。つまり、医療従事者は、患者の呼吸状態に異常が生じている状況に気付かずに、患者に対して不適切な陽圧換気を続行してしまうといった状況が想定される。このように、医療従事者が換気装置を操作している最中において患者の呼吸状態の異常を直感的に把握できるような医療機器について検討の余地がある。
【0005】
本開示は、医療従事者が換気装置の操作の最中において被検者の呼吸状態の異常を直感的に把握することができる生体情報処理システム及び生体情報処理装置を提供することを目的とする。さらに、本開示は、医療従事者が換気装置の操作の最中において被検者の呼吸状態の異常や換気装置の操作タイミングを直感的に把握することができる発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る生体情報処理システムは、
換気装置が装着された被検者の呼吸状態を検出するように構成された呼吸センサと、
外部に向けて光を出射するように構成された発光装置と、
前記呼吸センサ及び前記発光装置に接続された生体情報処理装置と、
を備える。
前記生体情報処理装置は、
前記被検者の呼吸に関連するパラメータを取得し、
前記パラメータが閾値範囲内に含まれるかどうかを判定し、
前記パラメータが前記閾値範囲内に含まれるかどうかの判定結果に応じて前記発光装置の視覚的態様を変更する、
ように構成される。
前記発光装置は、柱状体に着脱可能に取り付けられる。
【0007】
本開示の一態様に係る発光装置は、柱状体に着脱可能に取り付けられ、
光を出射するように構成された発光素子と、
前記発光素子を収容すると共に、前記発光素子から出射された光の少なくとも一部を透過させるように構成された収容部と、
前記収容部に接続されると共に、前記柱状体に取り付けられる取付部と、
を備える。
前記発光装置は、前記被検者の呼吸状態の異常を示す情報又は前記換気装置の操作タイミングをガイドするための操作ガイド情報を外部に向けて提示するように構成されている。
【0008】
本開示の一態様に係る生体情報処理装置は、外部に向けて光を出射するように構成された発光装置と、換気装置が装着された被検者の呼吸状態を検出するように構成された呼吸センサとに接続される。
前記生体情報処理装置は、
前記被検者の呼吸に関連するパラメータを取得し、
前記パラメータが閾値範囲内に含まれるかどうかを判定し、
前記パラメータが前記閾値範囲内に含まれるかどうかの判定結果に応じて前記発光装置の視覚的態様を変更する、
ように構成される。
前記発光装置は、柱状体に着脱可能に取り付けられる。
【0009】
本開示の一態様に係る生体情報処理システムは、
外部に向けて光を出射するように構成された発光装置と、
前記発光装置に接続された生体情報処理装置と、
を備える。
前記生体情報処理装置は、
被検者の呼吸に関連するパラメータを取得し、
前記パラメータが閾値範囲内に含まれるかどうかを判定し、
前記パラメータが前記閾値範囲内に含まれるかどうかの判定結果に応じて前記発光装置の視覚的態様を変更する、
ように構成される。
前記発光装置は、柱状体に着脱可能に取り付けられる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、医療従事者が換気装置の操作の最中において被検者の呼吸状態の異常を直感的に把握することができる生体情報処理システム及び生体情報処理装置を提供することができる。さらに、本開示によれば、医療従事者が換気装置の操作の最中において被検者の呼吸状態の異常や換気装置の操作タイミングを直感的に把握することができる発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態(以下、単に本実施形態という。)に係る生体情報処理システムを示すブロック図である。
【
図2】換気装置と当該換気装置に取り付けられた呼吸センサとを示す概要図である。
【
図3】発光装置の視覚的態様を変更する処理を説明するためのフローチャートである。
【
図4】発光装置と呼吸センサの測定管とを示す斜視図である。
【
図6】測定管に取り付けられた発光装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。最初に、
図1を参照して本実施形態に係る生体情報処理システム100について以下に説明する。
図1は、本実施形態に係る生体情報処理システム100を示すブロック図である。
図1に示すように、生体情報処理システム100は、生体情報処理装置1(以下、単に処理装置1という。)と、処理装置1に接続された呼吸センサ14と、処理装置1に接続された発光装置20とを有する。
【0013】
処理装置1は、患者の生体情報(例えば、患者の呼吸状態に関する情報)を表示するように構成された生体情報モニタ(ベッドサイドモニタ)であってもよい。また、処理装置1は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スマートフォン、タブレット、医療従事者の身体(例えば、腕や頭部)に装着されたウェアラブルデバイス(例えば、ARグラス等)であってもよい。
【0014】
処理装置1は、制御部2と、記憶装置3と、ネットワークインターフェース4と、表示部5と、入力操作部6とを備える。処理装置1は、呼吸センサインターフェース7と、発光装置駆動回路9と、発光装置インターフェース10とをさらに備える。処理装置1の各構成要素はバス8を介して互いに通信可能に接続されてもよい。
【0015】
制御部2は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、コンピュータ可読命令(プログラム)を記憶するように構成されている。例えば、メモリは、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)及びプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成されてもよい。また、メモリは、フラッシュメモリ等によって構成されてもよい。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)のうちの少なくとも一つを含む。また、プロセッサは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)及び/又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含んでもよい。CPUは、複数のCPUコアによって構成されてもよい。GPUは、複数のGPUコアによって構成されてもよい。プロセッサは、記憶装置3又はROMに組み込まれた各種プログラムから指定された生体情報プログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。
【0016】
記憶装置3は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置(ストレージ)であって、プログラムや各種データを格納するように構成されている。記憶装置3には、生体情報処理プログラムが組み込まれてもよい。
【0017】
ネットワークインターフェース4は、処理装置1を通信ネットワークに接続するように構成されている。具体的には、ネットワークインターフェース4は、通信ネットワーク(例えば、LAN、WAN又はインターネット)を介して外部サーバと通信するための各種有線接続端子を含んでもよい。また、ネットワークインターフェース4は、アクセスポイント(例えば、無線LANルータや無線基地局)と無線通信するためのRF回路等の通信処理回路及び送受信アンテナ等を含んでもよい。アクセスポイントと処理装置1との間の無線通信規格は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、LPWA又は第5世代移動通信システム(5G)である。
【0018】
表示部5は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置であってもよい。また、表示部5は、操作者の頭に装着される透過型又は非透過型のヘッドマウントディスプレイやARディスプレイ等の表示装置であってもよい。さらに、表示部5は、画像をスクリーン上に投影するプロジェクター装置であってもよい。また、処理装置1は、表示部5を備えていなくてもよい。この場合、処理装置1が画像データを外部表示装置に無線又は有線で送信した後に、当該外部表示装置は、処理装置1から送信された画像データを表示してもよい。
【0019】
入力操作部6は、処理装置1を操作する医療従事者の入力操作を受付けると共に、当該入力操作に応じた指示信号を生成するように構成されている。入力操作部6は、例えば、表示部5上に重ねて配置されたタッチパネル、マウス、キーボード、及び/又は処理装置1の筐体に配置された物理的な操作ボタン等である。入力操作部6によって生成された指示信号がバス8を介して制御部2に送信された後、制御部2は、指示信号に応じて所定の動作を実行する。
【0020】
呼吸センサインターフェース7は、呼吸センサ14と処理装置1とを接続するためのインターフェースである。呼吸センサインターフェース7は、呼吸センサ14のコネクタに物理的に接続されていてもよい。また、呼吸センサインターフェース7は、増幅器及びA/D変換器を含むアナログ処理回路と、CPU等のプロセッサ及びROM等のメモリを含むデジタル処理回路とを有してもよい。呼吸センサインターフェース7は、呼吸センサ14によって取得された患者の呼吸状態を示す出力結果に基づいて、呼吸データ(デジタルデータ)を生成するように構成されている。呼吸データは、気道内圧の時間変化を示す気道内圧データと、換気量の時間変化を示す換気量データを含んでもよい。また呼吸データは、呼気ガス濃度データ等であっても良い。呼吸センサ14の詳細については後述する。
【0021】
発光装置駆動回路9は、発光装置20の駆動を制御するための駆動回路として構成されている。発光装置駆動回路9は、制御部2から送信された制御信号に応じて、発光装置20に供給される点灯信号を生成した上で、当該生成された点灯信号を発光装置インターフェース10を介して発光装置20に送信するように構成されている。発光装置駆動回路9によって供給される点灯信号は、例えば、パルス幅変調(PWM)信号である。
【0022】
発光装置20は、外部に向けて光を出射するように構成されており、発光素子33を有する。発光素子33は、赤色光を出射する赤色発光素子33a(例えば、赤色LED)と、緑色光を出射する緑色発光素子33b(例えば、緑色LED)と、青色光を出射する青色発光素子33c(例えば、青色LED)とを有する。
【0023】
例えば、発光装置20が白色光を出射する場合を想定する。この場合、発光装置駆動回路9は、発光装置20に設けられた赤色発光素子33a(例えば、赤色LED)と、緑色発光素子33b(例えば、緑色LED)と、青色発光素子33c(例えば、青色LED)のそれぞれに点灯信号を送信する。このように、発光装置20が赤色光と緑色光と青色光のそれぞれを出射するため、発光装置20から白色光が外部に向けて出射される。
【0024】
発光装置インターフェース10は、発光装置20と処理装置1とを接続するためのインターフェースである。発光装置インターフェース10は、発光装置20に取り付けられた電気ケーブルのコネクタに物理的に接続されてもよい。
【0025】
次に、
図2を参照して換気装置30と呼吸センサ14の構造の一例について以下に説明する。
図2は、換気装置30と換気装置30に取り付けられた呼吸センサ14とを示す概要図である。
図2に示すように、換気装置30は、フェイスマスク31と、空気ダクト35と、呼吸バッグ36とを有する。換気装置30は、自発的な呼吸がない又は心拍数が低い新生児等の患者に対して非侵襲的に陽圧換気を行うための換気用医療機器である。医療従事者(ユーザ)は、換気装置30を使用することで手動又は自動(半自動)で患者に対して陽圧換気を行うことができる。
【0026】
フェイスマスク31は、患者(例えば、新生児)の口及び鼻を覆うように構成されている。空気ダクト35は、呼吸バッグ36から供給された空気を通過させるように構成されている。空気ダクト35には、逆気流弁や細菌フィルタが設けられてもよい。呼吸バッグ36は、空気ダクト35に連通しており、医療従事者の操作に応じて空気を患者に供給するように構成されている。この点において、医療従事者が呼吸バッグ36を手で押すことで、空気ダクト35、測定管140、フェイスマスク31を介して空気が患者に供給される。
【0027】
次に、呼吸センサ14について説明を行う。呼吸センサ14は、換気装置30が装着された患者(被検者)の呼吸状態を検出するように構成されている。特に、呼吸センサ14は、患者の気道内圧及び換気量を検出するように構成されている。
【0028】
呼吸センサ14は、例えば、フローセンサであってもよい。呼吸センサ14の構成の一例として、呼吸センサ14は、フェイスマスク31と空気ダクト35に接続される測定管140(柱状体の一例)と、吸気側エアチューブ141と、呼気側エアチューブ142と、吸気側エアチューブ141及び呼気側エアチューブ142と測定管140とを接続する接続部145とを有する。
【0029】
測定管140は、円柱状の管として構成されており、空気ダクト35及びフェイスマスク31とに連通する。測定管140の内部には、吸気側(呼吸バッグ36側)のフロー又は呼気側(フェイスマスク31側)のフローに応じて動くバリアブルオリフィスが設けられてもよい。
【0030】
吸気側エアチューブ141は、測定管140の吸気側の空気のフロー及び圧力を伝達するように構成されている。呼気側エアチューブ142は、測定管140の呼気側の空気のフロー及び圧力を伝達するように構成されている。また、呼吸センサ14又は呼吸センサインターフェース7のいずれか一方に差圧センサが設けられている。差圧センサは、吸気側の空気の圧力と呼気側の空気の圧力との間の差圧を検出するように構成されている。
【0031】
呼吸センサインターフェース7のアナログ処理回路は、差圧センサにより取得された吸気側の空気の圧力と呼気側の空気の圧力との間の差圧を示す差圧データをデジタルデータに変換してもよい。その後、呼吸センサインターフェース7のデジタル処理回路は、差圧データ(デジタルデータ)に基づいて、呼吸データ(気道内圧データと換気量データ)を取得してもよい。
【0032】
また、
図2に示すように、本実施形態では、発光装置20が柱状体として形成された測定管140に着脱可能に取り付けられる。発光装置20の具体的な構造については後述する。
【0033】
次に、
図3を参照して発光装置20の視覚的態様を変更する処理について以下に説明する。
図3は、発光装置20の視覚的態様を変更する処理を説明するためのフローチャートである。
図3に示すように、ステップS1において、処理装置1の制御部2(
図2参照)は、呼吸センサ14及び呼吸センサインターフェース7から換気装置30を装着した患者の呼吸データ(例えば、気道内圧データと換気量データ)を取得する。ここで、呼吸データはAD変換後のデジタルデータである。
【0034】
次に、ステップS2において、制御部2は、取得した呼吸データから患者の呼吸に関連する複数の呼吸パラメータを取得する。この点において、制御部2は、呼吸パラメータとして、患者の換気量に関するパラメータと、患者の気道内圧に関連するパラメータと、患者の呼吸数に関連するパラメータを取得する。
【0035】
(患者の換気量に関連するパラメータ)
制御部2は、呼吸データの一例である換気量データに基づいて、患者の換気量に関連するパラメータを取得する。特に、制御部2は、換気装置30から患者に送られる吸気の1回換気量(VTi)および患者から換気装置30に戻ってくる呼気の1回換気量(VTe)を取得する。さらに、制御部2は、VTiとVTeに基づいて、フェイスマスク31から漏れ出た空気の割合を示すリーク率(%)を演算する。ここで、リーク率は、(VTi-VTe)/VTi×100%により演算される。
【0036】
(患者の気道内圧に関連するパラメータ)
また、制御部2は、呼吸データの一例である気道内圧データに基づいて、患者の気道内圧に関連するパラメータを特定する。特に、制御部2は、呼吸周期の中で最も高い気道内圧である最大吸気圧(PIP:Peak Inspiratory Pressure)および呼気終末陽圧(PEEP:Positive End-Expiratory Pressure)を特定する。
【0037】
(患者の呼吸数に関連するパラメータ)
また、制御部2は、気道内圧データに基づいて、患者の呼吸数に関連するパラメータを特定する。即ち、制御部2は、患者の呼吸数(RR:Respiration Rate)を特定する。
【0038】
次に、ステップS3において、制御部2は、各呼吸パラメータが閾値範囲内に含まれるかどうかを判定する。この点において、制御部2は、患者の換気量に関連するパラメータ(例えば、VTeやリーク率)が閾値範囲内に含まれるかどうかを判定する。例えば、VTeの閾値範囲が0mL以上20mL以下に設定されている場合において、制御部2は、取得されたVTeが0mL以上20mL以下の閾値範囲内に含まれるかどうかを判定する。
【0039】
また、制御部2は、患者の気道内圧に関連するパラメータ(例えば、PIP及びPEEP)が閾値範囲内に含まれるかどうかを判定する。例えば、PIPの閾値範囲が8mmHg以上40mmHg以下に設定されている場合において、制御部2は、取得されたPIPが8mmHg以上40mmHg以下の閾値範囲内に含まれるかどうかを判定する。さらに、PEEPの閾値範囲が0mmHg以上25mmHg以下に設定されている場合において、制御部2は、取得されたPEEPが0mmHg以上25mmHg以下の閾値範囲内に含まれるかどうかを判定する。
【0040】
さらに、制御部2は、患者の呼吸数に関連するパラメータ(RR)が閾値範囲内に含まれているかどうかを判定する。例えば、RRの閾値範囲が40回/min以上60回/min以下に設定されている場合において、制御部2は、特定されたRRが40回/min以上60回/min以下の閾値範囲内に含まれているかどうかを判定する。
【0041】
制御部2は、各呼吸パラメータ(換気量に関連するパラメータ、気道内圧に関連するパラメータ、呼吸数に関連するパラメータの各々)が閾値範囲内に含まれると判定した場合に(ステップS3でYES)、ステップS4の処理を実行する。一方、制御部2は、複数の呼吸パラメータのうち少なくとも一つが閾値範囲内に含まれないと判定した場合に(ステップS3でNO)、ステップS5の処理を実行する。
【0042】
尚、ステップS3の判定処理では、制御部2は、複数の呼吸パラメータのうちの少なくとも一つが閾値範囲内に含まれているかどうかを判定してもよい。例えば、ステップS3の判定処理において、制御部2は、呼吸数RRが閾値範囲内に含まれているかどうかのみを判定してもよい。この場合、呼吸数RRが閾値範囲内に含まれる場合に、ステップS4の処理が実行される。一方、呼吸数RRが閾値範囲内に含まれない場合に、ステップS5の処理が実行される。また、上記した各呼吸パラメータの閾値範囲は単なる一例である。また、各呼吸パラメータの閾値範囲は患者の属性(性別や年齢等)や健康状態に従って適宜変更されてもよい。
【0043】
次に、ステップS3の判定結果がYESである場合に、制御部2は、発光装置20が白色発光するように発光装置20を制御する(ステップS4)。具体的には、制御部2は、赤色発光素子33a、緑色発光素子33b及び青色発光素子33cのそれぞれを点灯させるための制御信号を発光装置駆動回路9に送信する。次に、発光装置駆動回路9は、制御部2から送信された制御信号に基づいて、赤色発光素子33a、緑色発光素子33b及び青色発光素子33cのそれぞれに点灯信号(PWM信号)を送信する。このように、発光装置20は、赤色光と緑色光と青色光との合成光である白色光を外部に向けて出射する。
【0044】
一方、ステップS3の判定結果がNOである場合に、制御部2は、発光装置20が黄色発光するように発光装置20を制御する(ステップS5)。具体的には、制御部2は、赤色発光素子33a及び緑色発光素子33bを点灯させるための制御信号を発光装置駆動回路9に送信する。次に、発光装置駆動回路9は、制御部2から送信された制御信号に基づいて、赤色発光素子33a及び緑色発光素子33bのそれぞれに点灯信号を送信する。このように、発光装置20は、赤色光と緑色光との合成光である黄色光を外部に向けて出射する。このように、ステップS1からS5の処理が繰り返し実行される。
【0045】
本実施形態によれば、患者の各呼吸パラメータが閾値範囲内に含まれるかどうかの判定結果に応じて発光装置20の視覚的態様が変更される。さらに、発光装置20が呼吸センサ14の測定管140に着脱可能に取り付けられる。このため、発光部(インジケータ)を有さない換気装置や呼吸センサが使用される場合であっても、医療従事者は、測定管140に着脱可能に取り付けられた発光装置20の視覚的態様を視認することで、換気装置30の操作の最中において患者の呼吸状態の異常を直感的に把握することができる。
【0046】
具体的には、医療従事者は、処理装置1の表示部5に表示された生体情報を確認せずとも、発光装置20から出射された白色光を視認することで、換気装置30の操作の最中において患者の呼吸状態が正常であることを直感的に把握することができる。一方で、医療従事者は、表示部5に表示された生体情報を確認せずとも、発光装置20から出射された黄色光を視認することで、換気装置30の操作の最中において患者の呼吸状態が異常であることを直感的に把握することができる。このように、発光装置20は、患者の呼吸状態が異常であるか正常であるかを示す情報を医療従事者に向けて視覚的に提示することができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、発光装置20の発光素子33が赤色光、緑色光及び青色光(即ち、光の三原色であるRGBの光)を出射可能であるため、発光装置20は様々な色の光を外部に向けて出射することができる。
【0048】
尚、本実施形態の説明では、発光装置20は、ステップS3の判定結果(即ち、患者の呼吸状態)に応じて、異なる色の光を発光するように構成されているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、ステップS3の判定結果に応じて、発光装置20は点消灯してもよい。具体的には、ステップS3の判定結果がYESである場合に、制御部2は、発光装置20を消灯させてもよい。一方、ステップS3の判定結果がNOである場合に、制御部2は、発光装置20を点灯させてもよい。
【0049】
さらに、ステップS3の判定結果に応じて、発光装置20の点滅速度が変化してもよい。具体的には、ステップS3の判定結果がYESである場合に、制御部2は、第1レートで発光装置20を点滅させてもよい。一方、ステップS3の判定結果がNOである場合に、制御部2は、第1レートとは異なる第2レートで発光装置20を点滅させてもよい。
【0050】
さらに、
図2に示すように、本実施形態では、発光装置20は、柱状体として構成された測定管140に着脱可能に取り付けられているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。発光装置20は、柱状体として構成された換気装置30の一部(例えば、空気ダクト35)に着脱可能に取り付けられてもよい。また、発光装置20は、柱状体として構成されたケーブルやベッドのアームに着脱可能に取り付けられてもよい。
【0051】
(発光装置20の具体的な構造)
次に、
図4から
図6を参照して本実施形態に係る発光装置20の具体的な構造について以下に説明する。
図4は、発光装置20と呼吸センサ14の測定管140を示す斜視図である。
図5は、発光装置20と測定管140とを示す上面図である。
図6は、測定管140に取り付けられた発光装置20を示す斜視図である。
【0052】
図4に示すように、発光装置20は、発光素子33と、支持基板32と、収容部21と、取付部22とを備える。呼吸センサ14は、測定管140と、接続部145と、キャップ143と、吸気側エアチューブ及び呼気側エアチューブ(図示せず)とを有する。
【0053】
発光素子33は、赤色発光素子33aと、緑色発光素子33bと、青色発光素子33cとを有する。発光素子33は、発光装置20に接続された電気ケーブル(図示せず)を介して処理装置1に電気的に接続されている。支持基板32は、発光素子33を搭載するように構成されている。収容部21は、発光素子33及び支持基板32を収容すると共に、発光素子33から出射された光の少なくとも一部を透過させるように構成されている。
【0054】
収容部21は、上面25(第1面の一例)と、Z軸方向において発光素子33を介して上面25と対向する下面26(第2面の一例)と、上面25と下面26との間に位置する側面27とを有する。収容部21は、例えば、透明な樹脂により形成されている。収容部21の上面25及び下面26にはシボ加工が施されている。このように、上面25及び下面26は、発光素子33から出射された光を透過させると共に、散乱させることができる。
【0055】
また、上面25には医療従事者の手指の形状に沿って窪んだ窪み部28が形成されている。また、発光素子33が搭載された支持基板32の表面が上面25及び下面26に対して略垂直となるように、支持基板32及び発光素子33が収容部21内に配置されている。これにより、発光素子33から出射された光が上面25及び下面26を透過するため、発光装置20を上下反転させた状態で発光装置20が測定管140に取り付けられていても医療従事者は発光装置20の発光を十分に視認することが可能となる。
【0056】
取付部22は、収容部21に接続されると共に、測定管140の小径部140aに取り付けられるように構成されている。取付部22は、収容部21と同一の樹脂により形成されてもよい。特に、取付部22と収容部21は、樹脂成形により一体的に形成されてもよい。
【0057】
取付部22と収容部21が一体的に形成される場合、発光装置20を洗浄する際に取付部22と収容部21とを分解する必要がない。このように、発光装置20のメンテナンス性が向上すると共に、発光装置20の製造コストを下げることが可能となる。
【0058】
図5を参照して取付部22の構成について詳しく説明する。
図5に示すように、取付部22は、第1弾性片221(第1片の一例)と、第1弾性片221に接続された第1先端部223と、Y軸方向において第1弾性片221と空隙を介して対向する第2弾性片222(第2片の一例)と、第2弾性片222に接続された第2先端部224とを有する。
【0059】
取付部22が測定管140の小径部140aに取り付けられた状態で、小径部140aは、第1弾性片221と第2弾性片222とによって挟まれる。特に、取付部22が小径部140aに取り付けられるときに、第1弾性片221と第2弾性片222の両方が弾性変形することで、小径部140aが第1弾性片221と第2弾性片222とによって挟まれる。このように、第1弾性片221と第2弾性片222の弾性変形により発光装置20を測定管140に着脱可能に取り付けることができる。尚、本実施形態では、第1弾性片221と第2弾性片222の両方が弾性変形するが、第1弾性片221と第2弾性片222のうちいずれか一方のみが弾性変形してもよい。
【0060】
Y軸方向における第1弾性片221と第2弾性片222との間の距離d1は、小径部140aの外径よりも僅かに小さくてもよい。また、Y軸方向における第1先端部223と第2先端部224との間の間隔d2は、収容部21から離間するに従って徐々に大きくなる。換言すれば、間隔d2は、+X方向に向かって徐々に大きくなる。このように、医療従事者は、発光装置20を測定管140にスムーズに取り付けることが可能となる。
【0061】
また、
図6に示すように、発光装置20が測定管140に着脱可能に取り付けられた状態では、発光装置20は、測定管140の軸Axに対して回転可能となるように測定管140に取り付けられる。このように、医療従事者は、発光装置20を測定管140から取り外すことなく、軸Axを中心に発光装置20を回転させることで、発光装置20の収容部21の位置を動かすことができる。
【0062】
次に、
図7を参照することで本実施形態の変形例に係る発光装置50について以下に説明する。
図7は、変形例に係る発光装置50を示す概要図である。
図7に示すように、発光装置50は、洗濯挟みに相当する構成を有しており、収容部51と、取付部54とを備える。収容部51は、第1収容部51aと、第2収容部51bとを有する。第1収容部51aと第2収容部51bの各々は、光を出射するように構成された発光素子(図示せず)を収容すると共に、当該発光素子から出射された光の少なくとも一部を透過させるように構成されている。このように、患者の呼吸状態に応じて第1収容部51aと第2収容部51bの視覚的態様が変化する。
【0063】
取付部54は、第1収容部51a及び第2収容部51bに接続されると共に、測定管140等の柱状体に取り付けられるように構成されている。取付部54は、第1片52aと、Y軸方向において第1片52aに対向する第2片52bと、第1片52aと第2片52bとの間に配置されたバネ53(弾性体の一例)とを有する。
【0064】
第1片52aは、第1収容部51aに接続されており、図示しない柱状体に取り付けられるクランプ部153aと、医療従事者の手指からの外力が加えられる操作部154aとを有する。同様に、第2片52bは、第2収容部51bに接続されており、柱状体に取り付けられるクランプ部153bと、医療従事者の手指からの外力が加えられる操作部154bとを有する。第1片52aは、支点55を介して第2片52bに接続されている。
【0065】
バネ53は、第1片52aと第2片52bが柱状体を挟むようにバネ53の復元力を第1片52a及び第2片52bに付与するように構成されている。具体的には、医療従事者の手指からの外力によってY軸方向における操作部154aと操作部154bとの間の間隔が短くなると、バネ53がY軸方向に変形する。このように、バネ53の弾性変形によりバネ53の弾性復元力が第1片52a及び第2片52bのうちの少なくとも一方に付与される。この結果、発光装置50は、バネ53の弾性復元力によって柱状体を挟むことができると共に、柱状体に対して着脱可能に取り付けられる。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではない。本実施形態は一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0067】
本実施形態の説明では、
図3に示すステップS3の判定結果(患者の呼吸状態)に応じて発光装置20の視覚的態様が変更されているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。この点において、発光装置20は、患者の呼吸状態の異常を示す情報及び/又は換気装置30の操作タイミングをガイドするための操作ガイド情報を外部に向けて提示するように構成されてもよい。
【0068】
操作ガイド情報の一例として、発光装置20は、換気装置30の呼吸バッグ36の操作タイミングをガイドする操作ガイド情報を提示してもよい。この場合、医療従事者は、操作ガイド情報を視認することで換気装置30の操作タイミングを直感的に把握することができる。例えば、発光装置20が1分間に50回点滅する場合、医療従事者は、発光装置20が点灯するタイミングに合わせて呼吸バッグ36を押すことで患者に対して適切な陽圧換気を実施することができる。
【0069】
また、患者の呼吸状態が正常である場合に、発光装置20は、所定の点滅レート(例えば、50回/分)で白色光を点滅してもよい。一方、患者の呼吸状態が異常である場合に、発光装置20は、所定の点滅レートで黄色光を点滅してもよい。また、発光装置20は、操作ガイド情報のみを外部に向けて提示する場合には、処理装置1に電気的に接続されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1:生体情報処理装置(処理装置)
2:制御部
3:記憶装置
4:ネットワークインターフェース
5:表示部
6:入力操作部
7:呼吸センサインターフェース
9:発光装置駆動回路
10:発光装置インターフェース
14:呼吸センサ
20:発光装置
21:収容部
22:取付部
30:換気装置
31:フェイスマスク
32:支持基板
33:発光素子
33a:赤色発光素子
33b:緑色発光素子
33c:青色発光素子
35:空気ダクト
36:呼吸バッグ
50:発光装置
51:収容部
51a:第1収容部
51b:第2収容部
52a:第1片
52b:第2片
53:バネ
54:取付部
100:生体情報処理システム
140:測定管
140a:小径部
221:第1弾性片
222:第2弾性片
223:第1先端部
224:第2先端部