IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中強光電股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許7449069映像ブレンド方法、投影システム及びその処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】映像ブレンド方法、投影システム及びその処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20240306BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240306BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20240306BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240306BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H04N5/74 D
G09G5/00 X
G09G5/00 510B
G09G5/00 510V
G09G5/00 510H
G09G5/10 B
G09G5/00 550H
G03B21/14 E
G03B21/00 D
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019196843
(22)【出願日】2019-10-30
(65)【公開番号】P2020078070
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】201811283707.2
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】錢 俊霖
(72)【発明者】
【氏名】林 奇▲うぇい▼
(72)【発明者】
【氏名】劉 詠喬
(72)【発明者】
【氏名】彭 健鈞
【審査官】佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-081412(JP,A)
【文献】特開2016-116035(JP,A)
【文献】特開2015-169940(JP,A)
【文献】特開2016-042653(JP,A)
【文献】特開2014-220656(JP,A)
【文献】特開2013-254028(JP,A)
【文献】特開2002-268625(JP,A)
【文献】特開2017-211627(JP,A)
【文献】特開2015-103880(JP,A)
【文献】特開2017-175301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/74
H04N 9/31
G03B 21/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の投影機により投影される複数の映像に用いられる映像ブレンド方法であって、
第一投影機、第二投影機及び第三投影機が、それぞれ、第一映像、第二映像及び第三映像を投影表面に投影し、前記投影表面に投影される前記第一映像の第一部分の映像と前記第二映像の第一部分の映像とが前記投影表面上の第一重畳領域において重畳し、前記投影表面に投影される前記第二映像の第二部分の映像と前記第三映像の第一部分の映像とが前記投影表面上の第二重畳領域において重畳し;
処理装置が第一制御パターンをレンダリングし、映像分割器及び前記第一投影機により前記第一制御パターンを前記第一映像に投影し;
前記処理装置が、前記処理装置に与えられる第一入力操作に基づいて、前記第一映像中の前記第一制御パターンを調整することで、前記第一制御パターンの第一制御パターンボーダーが前記第一重畳領域の境界とマッチングするようにさせ、前記第一制御パターンは、多辺形の第一2次元ブロックを含み、前記第一2次元ブロックの形状及び範囲は、調整可能であり、前記第一2次元ブロックは、前記第一重畳領域にドラッグすることができ;
前記処理装置が、マッチング後の前記第一制御パターンボーダーの位置に基づいて、前記第一映像中の第一非重畳領域の位置を認識し;
前記処理装置が第二制御パターンをレンダリングし、前記映像分割器及び前記第二投影機により前記第二制御パターンを前記第二映像に投影し;
前記処理装置が、前記処理装置に与えられる第二入力操作に基づいて、前記第二映像中の前記第二制御パターンを調整することで、前記第二制御パターンの第二制御パターンボーダーが前記第一重畳領域の前記境界とマッチングするようにさせ、前記第二制御パターンは、多辺形の第二2次元ブロックを含み、前記第二2次元ブロックの形状及び範囲は、調整可能であり、前記第二2次元ブロックは、前記第一重畳領域にドラッグすることができ;
前記処理装置が、マッチング後の前記第二制御パターンボーダーの位置に基づいて、前記第二映像中の第二非重畳領域の位置を認識し;
前記処理装置が、第三制御パターンをレンダリングし、前記映像分割器及び前記第三投影機により前記第三制御パターンを前記第三映像に投影し;
前記処理装置が、前記処理装置に与えられる第三入力操作に基づいて、前記第三映像中の前記第三制御パターンを調整することで、前記第三制御パターンの第三制御パターンボーダーが前記第二重畳領域の境界とマッチングするようにさせ;
前記処理装置が、前記処理装置に与えられる第三入力操作に基づいて、前記第三映像中の前記第三制御パターンを調整し;
前記処理装置が、マッチング後の前記第三制御パターンボーダーの位置に基づいて、前記第三映像中の第三非重畳領域の位置を認識し;
前記処理装置が、前記第一非重畳領域の前記位置及び前記第二非重畳領域の前記位置に基づいて、前記第一非重畳領域及び前記第二非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、前記第一映像の前記第一非重畳領域中の第一非重畳映像の黒レベルの輝度及び前記第二映像の前記第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度が前記第一重畳領域中の第一重畳映像の黒レベルの輝度に対応するようにさせ;及び
前記処理装置が、前記第二非重畳領域の前記位置及び前記第三非重畳領域の前記位置に基づいて、前記第二非重畳領域及び前記第三非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、前記第二映像の前記第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度及び前記第三映像の前記第三非重畳領域中の第三非重畳映像の黒レベルの輝度が前記第二重畳領域中の第二重畳映像の黒レベルの輝度に対応するようにさせるステップを含み、
前記第三非重畳映像の黒レベルの輝度は、前記第一非重畳映像及び前記第二非重畳映像の黒レベルの輝度に近づくように調整され、
前記第一映像、前記第二映像及び前記第三映像は、純黒色の画面を含む、映像ブレンド方法。
【請求項2】
請求項1に記載の映像ブレンド方法であって、
前記映像パラメータは、グレースケール値又は光の三原色の値(RGB値)を含む、映像ブレンド方法。
【請求項3】
請求項1に記載の映像ブレンド方法であって、
前記第一映像、前記第二映像及び前記第三映像の境界は、さらに、純色のボーダーを有する、映像ブレンド方法。
【請求項4】
請求項1に記載の映像ブレンド方法であって、
マッチング後の前記第一制御パターンボーダーの前記位置に基づいて、前記第一映像中の前記第一非重畳領域の前記位置を認識するステップは、
前記第一映像中の前記第一制御パターンボーダーの前記位置に基づいて、前記第一映像中の前記第一制御パターンボーダー以外の領域を前記第一非重畳領域として認識することを含み、
マッチング後の前記第二制御パターンボーダーの前記位置に基づいて、前記第二映像中の前記第二非重畳領域の前記位置を認識するステップは、
前記第二映像中の前記第二制御パターンボーダーの前記位置に基づいて、前記第二映像中の前記第二制御パターンボーダー以外の領域を前記第二非重畳領域として認識することを含む、映像ブレンド方法。
【請求項5】
請求項1に記載の映像ブレンド方法であって、
前記処理装置が、さらに、前記第一非重畳領域の前記位置及び前記第二非重畳領域の前記位置に基づいて、前記第一非重畳領域及び前記第二非重畳領域の全ての画素の前記映像パラメータを調整し、及び前記処理装置が、さらに、前記第二非重畳領域の前記位置及び前記第三非重畳領域の前記位置に基づいて、前記第二非重畳領域及び前記第三非重畳領域の全ての画素の前記映像パラメータを調整するステップは、
前記処理装置が、前記処理装置に与えられる第一入力操作に基づいて、第一映像データ中で前記第一非重畳映像中の全ての画素に対応する前記映像パラメータを第一数値から第二数値に調整し、前記第二数値は、前記第一数値よりも大きく、前記第二数値に対応する前記第一非重畳映像の黒レベルの輝度は、前記第一数値に対応する前記第一非重畳映像の黒レベルの輝度よりも大きく;
前記処理装置に与えられる第二入力操作に基づいて、第二映像データ中で前記第二非重畳映像中の全ての画素に対応する前記映像パラメータを前記第一数値から前記第二数値に調整し、前記第二数値は、前記第一数値よりも大きく、前記第二数値に対応する前記第二非重畳映像の黒レベルの輝度は、前記第一数値に対応する前記第二非重畳映像の黒レベルの輝度よりも大きく;及び
前記処理装置に与えられる第三入力操作に基づいて、第三映像データ中で前記第三非重畳映像中の全ての画素に対応する前記映像パラメータを前記第一数値から第三数値に調整し、前記第三数値は、前記第一数値よりも大きく、前記第二数値は、前記第三数値に近似し、前記第三数値に対応する前記第三非重畳映像の黒レベルの輝度は、前記第一数値に対応する前記第三非重畳映像の黒レベルの輝度よりも大きいことを含む、映像ブレンド方法。
【請求項6】
第一投影機、第二投影機、第三投影機、映像分割器及び処理装置を含む投影システムであって、
前記映像分割器は、前記第一投影機、前記第二投影機及び前記第三投影機に接続され、
前記処理装置は、前記映像分割器に接続され、前記映像分割器は、前記処理装置の投影指令に基づいて、前記投影指令に対応する映像データを前記第一投影機、前記第二投影機及び前記第三投影機に伝送し、
前記第一投影機は、第一映像データに基づいて第一映像を投影表面に投影し、前記第二投影機は、第二映像データに基づいて第二映像を前記投影表面に投影し、前記第三投影機は、第三映像データに基づいて第三映像を前記投影表面に投影し、前記投影表面に投影される前記第一映像の第一部分の映像と、前記第二映像の第一部分の映像とが前記投影表面上の第一重畳領域において重畳し、前記投影表面に投影される前記第二映像の第二部分の映像と、前記第三映像の第一部分の映像とが前記投影表面上の第二重畳領域において重畳し、
前記処理装置は、第一制御パターンをレンダリングし、前記映像分割器及び前記第一投影機により、前記第一制御パターンを前記第一映像に投影し、
前記処理装置は、さらに、前記処理装置に与えられる第一入力操作に基づいて、前記第一映像中の前記第一制御パターンを調整することで、前記第一制御パターンの第一制御パターンボーダーが前記第一重畳領域の境界とマッチングするようにさせ、前記第一制御パターンは、多辺形の第一2次元ブロックを含み、前記第一2次元ブロックの形状及び範囲は、調整可能であり、前記第一2次元ブロックは、前記第一重畳領域にドラッグすることができ、
前記処理装置は、さらに、マッチング後の前記第一制御パターンボーダーの位置に基づいて、前記第一映像中の第一非重畳領域の位置を認識し、
前記処理装置は、第二制御パターンをレンダリングし、前記映像分割器及び前記第二投影機により、前記第二制御パターンを前記第二映像に投影し、
前記処理装置は、さらに、前記処理装置に与えられる第二入力操作に基づいて、前記第二映像中の前記第二制御パターンを調整することで、前記第二制御パターンの第二制御パターンボーダーが前記第一重畳領域の前記境界とマッチングするようにさせ、前記第二制御パターンは、多辺形の第二2次元ブロックを含み、前記第二2次元ブロックの形状及び範囲は、調整可能であり、前記第二2次元ブロックは、前記第一重畳領域にドラッグすることができ、
前記処理装置は、さらに、マッチング後の前記第二制御パターンボーダーの位置に基づいて、前記第二映像中の第二非重畳領域の位置を認識し、
前記処理装置は、第三制御パターンをレンダリングし、前記映像分割器及び前記第三投影機により、前記第三制御パターンを前記第三映像に投影し、
前記処理装置は、さらに、前記処理装置に与えられる第三入力操作に基づいて、前記第三映像中の前記第三制御パターンを調整することで、前記第三制御パターンの第三制御パターンボーダーが前記第二重畳領域の前記境界とマッチングするようにさせ、
前記処理装置は、前記処理装置に与えられる第三入力操作に基づいて、前記第三映像中の前記第三制御パターンを調整し、
前記処理装置は、さらに、マッチング後の前記第三制御パターンボーダーの位置に基づいて、前記第三映像中の第三非重畳領域の位置を認識し、
前記処理装置は、さらに、前記第一非重畳領域の前記位置及び前記第二非重畳領域の前記位置に基づいて、前記第一非重畳領域及び前記第二非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、前記第一映像の前記第一非重畳領域中の第一非重畳映像の黒レベルの輝度及び前記第二映像の前記第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度が前記第一重畳領域中の第一重畳映像の黒レベルの輝度に近づくようにさせ、また、前記処理装置は、さらに、前記第二非重畳領域の前記位置及び前記第三非重畳領域の前記位置に基づいて、前記第二非重畳領域及び前記第三非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、前記第二映像の前記第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度及び前記第三映像の前記第三非重畳領域中の第三非重畳映像の黒レベルの輝度が前記第二重畳領域中の第二重畳映像の黒レベルの輝度に近づくようにさせ、前記第三非重畳映像の黒レベルの輝度は、前記第一非重畳映像及び前記第二非重畳映像の黒レベルの輝度に近づくように調整され、
前記第一映像、前記第二映像及び前記第三映像は、純黒色の画面を含む、投影システム。
【請求項7】
請求項6に記載の投影システムであって、
前記映像パラメータは、グレースケール値又は光の三原色光の値(RGB値)を含む、投影システム。
【請求項8】
請求項6に記載の投影システムであって、
前記第三制御パターンは、多辺形の第三2次元ブロックを含み、前記第三2次元ブロックの形状及び範囲は、調整可能であり、前記第三2次元ブロックは、前記第二重畳領域にドラッグすることができる、投影システム。
【請求項9】
請求項6に記載の投影システムであって、
前記第一映像、前記第二映像及び前記第三映像の境界は、さらに、純色のボーダーを有する、投影システム。
【請求項10】
請求項6に記載の投影システムであって、
前記処理装置がさらに、マッチング後の前記第一制御パターンボーダーの前記位置に基づいて、前記第一映像中の前記第一非重畳領域の前記位置を認識する動作では、
前記処理装置が前記第一映像中の前記第一制御パターンボーダーの前記位置に基づいて、前記第一映像中の前記第一制御パターンボーダー以外の領域を前記第一非重畳領域として認識し、
前記処理装置がさらに、マッチング後の前記第二制御パターンボーダーの前記位置に基づいて、前記第二映像中の前記第二非重畳領域の前記位置を認識する動作では、
前記処理装置が前記第二映像中の前記第二制御パターンボーダーの前記位置に基づいて、前記第二映像中の前記第二制御パターンボーダー以外の領域を前記第二非重畳領域として認識し、
前記処理装置がさらに、マッチング後の前記第三制御パターンボーダーの前記位置に基づいて、前記第三映像中の前記第三非重畳領域の前記位置を認識する動作では、
前記処理装置が前記第三映像中の前記第三制御パターンボーダーの前記位置に基づいて、前記第三映像中の前記第三制御パターンボーダー以外の領域を前記第三非重畳領域として認識する、投影システム。
【請求項11】
請求項6に記載の投影システムであって、
前記処理装置がさらに、前記第一非重畳領域の前記位置及び前記第二非重畳領域の前記位置に基づいて、前記第一非重畳領域及び前記第二非重畳領域の全ての画素の前記映像パラメータを調整する動作、及び、前記処理装置がさらに、前記第二非重畳領域の前記位置及び前記第三非重畳領域の前記位置に基づいて、前記第二非重畳領域及び前記第三非重畳領域の全ての画素の前記映像パラメータを調整する動作では、
前記処理装置が前記処理装置に与えられる第一入力操作に基づいて、第一映像データ中で前記第一非重畳映像中の全ての画素に対応する前記映像パラメータを第一数値から第二数値に調整し、前記第二数値は、前記第一数値よりも大きく、前記第二数値に対応する前記第一非重畳映像の黒レベルの輝度は、前記第一数値に対応する前記第一非重畳映像の黒レベルの輝度よりも大きく、
前記処理装置が前記処理装置に与えられる第二入力操作に基づいて、第二映像データ中で前記第二非重畳映像中の全ての画素に対応する前記映像パラメータを前記第一数値から前記第二数値に調整し、前記第二数値は、前記第一数値よりも大きく、前記第二数値に対応する前記第二非重畳映像の黒レベルの輝度は、前記第一数値に対応する前記第二非重畳映像の黒レベルの輝度よりも大きく、
前記処理装置が前記処理装置に与えられる第三入力操作に基づいて、第三映像データ中で前記第三非重畳映像中の全ての画素に対応する前記映像パラメータを前記第一数値から第三数値に調整し、前記第三数値は、前記第一数値よりも大きく、前記第二数値は、前記第三数値に近似し、前記第三数値に対応する前記第三非重畳映像の黒レベルの輝度は、前記第一数値に対応する前記第三非重畳映像の黒レベルの輝度よりも大きい、投影システム。
【請求項12】
複数の投影機により投影される複数の映像及び処理装置に用いられる映像ブレンド方法であって、
前記複数の投影機は、前記処理装置に接続され、
前記映像ブレンド方法は、
第一投影機及び第二投影機がそれぞれ第一映像及び第二映像を投影表面に投影し、前記投影表面に投影される前記第一映像の第一部分の映像と、前記第二映像の第一部分の映像とが前記投影表面上の第一重畳領域において重畳し;
前記処理装置が前記処理装置に与えられる第一入力操作に基づいて、前記第一映像中の第一制御パターンを調整することで、前記第一制御パターンの第一制御パターンボーダーが前記第一重畳領域の境界とマッチングするようにさせ、前記第一制御パターンは、多辺形の第一2次元ブロックを含み、前記第一2次元ブロックの形状及び範囲は、調整可能であり、前記第一2次元ブロックは、前記第一重畳領域にドラッグすることができ;
前記処理装置がマッチング後の前記第一制御パターンボーダーの位置に基づいて、前記第一映像中の第一非重畳領域の位置を認識し;
前記処理装置が前記処理装置に与えられる第二入力操作に基づいて、前記第二映像中の第二制御パターンを調整することで、前記第二制御パターンの第二制御パターンボーダーが前記第一重畳領域の前記境界とマッチングするようにさせ、前記第二制御パターンは、多辺形の第二2次元ブロックを含み、前記第二2次元ブロックの形状及び範囲は、調整可能であり、前記第二2次元ブロックは、前記第一重畳領域にドラッグすることができ;
前記処理装置がマッチング後の前記第二制御パターンボーダーの位置に基づいて、前記第二映像中の第二非重畳領域の位置を認識し;及び
前記処理装置が前記第一非重畳領域の位置及び前記第二非重畳領域の位置に基づいて、前記第一非重畳領域及び前記第二非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、前記第一映像の前記第一非重畳領域中の第一非重畳映像の黒レベルの輝度及び前記第二映像の前記第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度が前記第一重畳領域中の第一重畳映像の黒レベルの輝度に近づくようにさせるステップを含み、
前記第一映像及び前記第二映像は、純黒色の画面を含む、映像ブレンド方法。
【請求項13】
請求項12に記載の映像ブレンド方法であって、さらに、
前記処理装置が前記第一制御パターンをレンダリングし、映像分割器及び前記第一投影機により前記第一制御パターンを前記第一映像に投影し;
前記処理装置が前記第二制御パターンをレンダリングし、前記映像分割器及び前記第二投影機が前記第二制御パターンを前記第二映像に投影するステップを含む、映像ブレンド方法。
【請求項14】
第一投影機、第二投影機、映像分割器及び処理装置を含む投影システムであって、
前記映像分割器は、前記第一投影機及び前記第二投影機に接続され、
前記処理装置は、前記映像分割器に接続され、前記映像分割器は、前記処理装置の投影指令に基づいて、前記投影指令に対応する映像データを前記第一投影機及び前記第二投影機に伝送し、
前記第一投影機は、第一映像データに基づいて第一映像を投影表面に投影し、前記第二投影機は、第二映像データに基づいて第二映像を前記投影表面に投影し、前記投影表面に投影される前記第一映像の第一部分の映像と、前記第二映像の第一部分の映像とが前記投影表面上の第一重畳領域において重畳し、
前記処理装置は、前記処理装置に与えられる第一入力操作に基づいて、前記第一映像中の第一制御パターンを調整することで、前記第一制御パターンの第一制御パターンボーダーが前記第一重畳領域の境界とマッチングするようにさせ、前記第一制御パターンは、多辺形の第一2次元ブロックを含み、前記第一2次元ブロックの形状及び範囲は、調整可能であり、前記第一2次元ブロックは、前記第一重畳領域にドラッグすることができ、
前記処理装置は、マッチング後の前記第一制御パターンボーダーの位置に基づいて、前記第一映像中の第一非重畳領域の位置を認識し、
前記処理装置は、前記処理装置に与えられる第二入力操作に基づいて、前記第二映像中の第二制御パターンを調整することで、前記第二制御パターンの第二制御パターンボーダーが前記第一重畳領域の前記境界とマッチングするようにさせ、前記第二制御パターンは、多辺形の第二2次元ブロックを含み、前記第二2次元ブロックの形状及び範囲は、調整可能であり、前記第二2次元ブロックは、前記第一重畳領域にドラッグすることができ、
前記処理装置は、マッチング後の前記第二制御パターンボーダーの位置に基づいて、前記第二映像中の第二非重畳領域の位置を認識し、
前記処理装置は、前記第一非重畳領域の位置及び前記第二非重畳領域の位置に基づいて、前記第一非重畳領域及び前記第二非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、前記第一映像の前記第一非重畳領域中の第一非重畳映像の黒レベルの輝度及び前記第二映像の前記第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度が前記第一重畳領域中の第一重畳映像の黒レベルの輝度に近づくようにさせ、
前記第一映像及び前記第二映像は、純黒色の画面を含む、投影システム。
【請求項15】
請求項14に記載の投影システムであって、
前記処理装置は、前記第一制御パターンをレンダリングし、前記映像分割器及び前記第一投影機により、前記第一制御パターンを前記第一映像に投影し、
前記処理装置は、前記第二制御パターンをレンダリングし、前記映像分割器及び前記第二投影機により、前記第二制御パターンを前記第二映像に投影する、投影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影方法に関し、特に、映像ブレンド方法、投影システム及びその処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今のところ、投影機がブレンド(blending)アプリケーションを行うときに、複数の投影機が投影する複数の映像をブレンドする場合、重畳(overlap)箇所における映像の黒レベルの輝度は、非重畳箇所における映像の黒レベルの輝度よりも高い。
【0003】
しかし、一般的に知られている暗視野補償(Dark field compensation)方法では、各投影機が1つ又は複数の固定した矩形範囲を出力し、各前記矩形範囲を調整するように制御することで、全ての矩形範囲がその対応する投影機により投影される映像の非重畳箇所をカバーし得るようにさせ、或いは、個別の非重畳領域の黒レベルの輝度の設定プロセスによりブラック化機能を完成することができる。
【0004】
図1は、従来の映像ブレンド操作を示す図である。図1を参照する。例えば、投影機10及び投影機20がそれぞれオールブラック映像である第一映像IMG01及び第二映像IMG02を投影するために用いられるとする。なお、第一映像IMG01と第二映像IMG02との間の重畳箇所における重畳映像OIMGの黒レベルの輝度が比較的高い。従来では、投影機10により、第一映像IMG01に1つ矩形領域RA1を設定して、第一映像IMG01中の映像OIMGの上方の非重畳映像IMG01(1)をカバーし、また、もう1つの矩形領域RA2を設定して、第一映像IMG01中の重畳映像OIMGの左方の非重畳映像IMG01(2)をカバーする。続いて、投影機10は、非重畳領域映像IMG01(1)、IMG01(2)の全ての画素のグレースケール値を高く調整することで、非重畳領域映像IMG01(1)、IMG01(2)の黒レベルの輝度が重畳領域の重畳映像OIMGの黒レベルの輝度に近づき又は等しくなるようにさせることができる。同様に、従来では、さらに、もう1つの投影機20により、第二映像IMG02に1つ矩形領域RA3を設定して、第二映像IMG02中の重畳映像OIMGの下方の非重畳領域の映像IMG02(1)をカバーし、また、もう1つの矩形領域RA4を設定して、第一映像IMG02中の映像OIMGの右方の非重畳領域の映像IMG02(2)をカバーする。続いて、投影機10は、非重畳領域の映像IMG01(1)、IMG01(2)の全ての画素のグレースケール値を高く調整することで、非重畳領域の映像IMG01(1)、IMG01(2)の黒レベルの輝度が重畳領域の重畳映像OIMGの黒レベルの輝度に近づき又は等しくなるようにさせることができる。
【0005】
しかし、このようなブラック化方法では、4つの矩形を用いて全ての非重畳箇所の映像をカバーする必要があり、且つ、投影される非重畳領域の黒レベルの輝度を個別に設定する必要がある。よって、従来では、矩形領域の設定を4回行い、又は、投影機内の黒レベルの輝度の設定を個別に操作することで、4つの矩形を設定し、又は、それぞれ投影機に対して設定を行うため、調整の操作が多すぎて映像ブレンド操作の効率を低下させる恐れがある。従って、如何に、複数の投影機により投影される複数の映像のための映像ブレンド操作の効率を向上させるかが、当業者に注目されている。
【0006】
なお、この「背景技術」の部分は、本発明の内容への理解を助けるためだけのものであるため、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、当業者に知られていない技術を含む可能性がある。よって、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、該内容、又は、本発明の1つ又は複数の実施例が解決しようとする課題が本発明の出願前に既に当業者に周知されていることを意味しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、1つの共通の重畳領域を設定し、複数の制御パターンを制御して複数の投影機により投影される複数の映像中の重畳領域とマッチングするようにさせ、そして、非重畳領域中の映像の映像パラメータを調整することで、簡単な調整方法及び比較的良い映像ブレンド効果を得ることができる映像ブレンド方法、投影システム及びその処理装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示されている技術的特徴からさらに理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例による映像ブレンド方法は、複数の投影機により投影される複数の映像に用いられる。該方法は、次のようなステップを含む。即ち、第一投影機、第二投影機及び第三投影機により、それぞれ、第一映像、第二映像及び第三映像を投影表面に投影し、そのうち、投影表面に投影される第一映像の第一部分の映像が、第二映像の第一部分の映像と投影表面上の第一重畳領域で重畳し、投影表面に投影される第二映像の第二部分の映像が、第三映像の第一部分の映像と投影表面上の第二重畳領域で重畳する。処理装置により、第一制御パターンをレンダリングし、また、映像分割器及び第一投影機により、第一制御パターンを第一映像に投影する。処理装置により、処理装置に与えられる第一入力操作に基づいて、第一映像中の第一制御パターンを調整することで、第一制御パターンの第一制御パターンボーダーが第一重畳領域の境界とマッチングするようにさせる。処理装置により、マッチング後の第一制御パターンボーダーの位置に基づいて、第一映像中の第一非重畳領域の位置を認識する。処理装置により、第二制御パターンをレンダリングし、また、映像分割器及び第二投影機により、第二制御パターンを第二映像に投影する。処理装置により、処理装置に与えられる第二入力操作に基づいて、第二映像中の第二制御パターンを調整することで、第二制御パターンの第二制御パターンボーダーが第一重畳領域の境界とマッチングするようにさせる。処理装置により、マッチング後の第二制御パターンボーダーの位置に基づいて、第二映像中の第二非重畳領域の位置を認識する。処理装置により、第三制御パターンをレンダリングし、また、映像分割器及び第三投影機により、第三制御パターンを第三映像に投影する。処理装置により、処理装置に与えられる第三入力操作に基づいて、第三映像中の第三制御パターンを調整することで、第三制御パターンの第三制御パターンボーダーが第二重畳領域の境界とマッチングするようにさせる。処理装置により、処理装置に与えられる第三入力操作に基づいて、第三映像中の第三制御パターンを調整する。処理装置により、マッチング後の第三制御パターンボーダーの位置に基づいて、第三映像中の第三非重畳領域の位置を認識する。処理装置により、第一非重畳領域の位置及び第二非重畳領域の位置に基づいて、第一非重畳領域及び第二非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、第一映像の第一非重畳領域中の第一非重畳映像の黒レベルの輝度、及び、第二映像の第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度が第一重畳領域中の第一重畳映像の黒レベルの輝度に対応するようにさせ、また、処理装置により、第二非重畳領域の位置及び第三非重畳領域の位置に基づいて、第二非重畳領域及び第三非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、第二映像の第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度、及び、第三映像の第三非重畳領域中の第三非重畳映像の黒レベルの輝度が第二重畳領域中の第二重畳映像の黒レベルの輝度に対応するようにさせ、そのうち、第三非重畳映像の黒レベルの輝度は、第一非重畳映像及び第二非重畳映像の黒レベルの輝度に近づくように調整される。
【0010】
本発明の一実施例による投影システムは、第一投影機、第二投影機、第三投影機、映像分割器及び処理装置を含む。映像分割器は、第一投影機、第二投影機及び第三投影機に接続される。処理装置は、映像分割器に接続される。映像分割器は、処理装置の投影指令に基づいて、投影指令に対応する映像データを第一投影機、第二投影機及び第三投影機に伝送し、そのうち、第一投影機は、第一映像データに基づいて第一映像を投影表面に投影し、第二投影機は、第二映像データに基づいて第二映像を投影表面に投影し、また、第三投影機は、第三映像データに基づいて第三映像を投影表面に投影し、そのうち、投影表面に投影される第一映像の第一部分の映像が、第二映像の第一部分の映像と投影表面上の第一重畳領域で重畳し、投影表面に投影される第二映像の第二部分の映像が、第三映像の第一部分の映像と投影表面上の第二重畳領域で重畳し、そのうち、処理装置は、第一制御パターンをレンダリングし、また、映像分割器及び第一投影機により、第一制御パターンを第一映像に投影し、そのうち、処理装置は、さらに、処理装置に与えられる第一入力操作に基づいて、第一映像中の第一制御パターンを調整することで、第一制御パターンの第一制御パターンボーダーが第一重畳領域の境界とマッチングするようにさせ、そのうち、処理装置は、さらに、マッチング後の第一制御パターンボーダーの位置に基づいて、第一映像中の第一非重畳領域の位置を認識し、そのうち、処理装置は、第二制御パターンをレンダリングし、また、映像分割器及び第二投影機により、第二制御パターンを第二映像に投影し、そのうち、処理装置は、さらに、処理装置に与えられる第二入力操作に基づいて、第二映像中の第二制御パターンを調整することで、第二制御パターンの第二制御パターンボーダーが第一重畳領域の境界とマッチングするようにさせ、そのうち、処理装置は、さらに、マッチング後の第二制御パターンボーダーの位置に基づいて、第二映像中の第二非重畳領域の位置を認識し、そのうち、処理装置は、第三制御パターンをレンダリングし、また、映像分割器及び第三投影機により、第三制御パターンを第三映像に投影し、そのうち、処理装置は、さらに、処理装置に与えられる第三入力操作に基づいて、第三映像中の第三制御パターンを調整することで、第三制御パターンの第三制御パターンボーダーが第二重畳領域の境界とマッチングするようにさせ、そのうち、処理装置は、処理装置に与えられる第三入力操作に基づいて、第三映像中の第三制御パターンを調整し、そのうち、処理装置は、さらに、マッチング後の第三制御パターンボーダーの位置に基づいて、第三映像中の第三非重畳領域の位置を認識し、そのうち、処理装置は、さらに、第一非重畳領域の位置及び第二非重畳領域の位置に基づいて、第一非重畳領域及び第二非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、第一映像の第一非重畳領域中の第一非重畳映像の黒レベルの輝度、及び、第二映像の第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度が第一重畳領域中の第一重畳映像の黒レベルの輝度に近づくようにさせ、また、処理装置は、さらに、第二非重畳領域の位置及び第三非重畳領域の位置に基づいて、第二非重畳領域及び第三非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、第二映像の第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度、及び、第三映像の第三非重畳領域中の第三非重畳映像の黒レベルの輝度が第二重畳領域中の第二重畳映像の黒レベルの輝度に近づくようにさせ、そのうち、第三非重畳映像の黒レベルの輝度は、第一非重畳映像及び第二非重畳映像の黒レベルの輝度に近づくように調整される。
【0011】
本発明の一実施例による映像ブレンド方法は、複数の投影機により投影される複数の映像に用いられる。該方法は、次のようなステップを含む。即ち、第一投影機及び第二投影機により、それぞれ、第一映像及び第二映像を投影表面に投影し、そのうち、投影表面に投影される第一映像の第一部分の映像が、第二映像の第一部分の映像と投影表面上の第一重畳領域で重畳する。処理装置により、第一非重畳領域の位置及び第二非重畳領域の位置に基づいて、第一非重畳領域及び第二非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、第一映像の第一非重畳領域中の第一非重畳映像の黒レベルの輝度、及び、第二映像の第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度が第一重畳領域中の第一重畳映像の黒レベルの輝度に近づくようにさせる。
【0012】
本発明の一実施例による他の投影システムは、第一投影機、第二投影機、映像分割器及び処理装置を含む。映像分割器は、第一投影機及び第二投影機に接続される。処理装置は、映像分割器に接続される。映像分割器は、処理装置の投影指令に基づいて、投影指令に対応する映像データを第一投影機及び第二投影機に伝送し、そのうち、第一投影機は、第一映像データに基づいて第一映像を投影表面に投影し、第二投影機は、第二映像データに基づいて第二映像を投影表面に投影し、そのうち、投影表面に投影される第一映像の第一部分の映像が、第二映像の第一部分の映像と投影表面上の第一重畳領域で重畳し、そのうち処理装置により、第一非重畳領域の位置及び第二非重畳領域の位置に基づいて、第一非重畳領域及び第二非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、第一映像の第一非重畳領域中の第一非重畳映像の黒レベルの輝度、及び、第二映像の第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度が第一重畳領域中の第一重畳映像の黒レベルの輝度に近づくようにさせる。
【0013】
上述により、本発明の実施例による映像ブレンド方法、投影システム及びその処理装置は、複数の制御パターンを投影し、処理装置により複数の制御パターンを調整して、複数の投影機により投影される複数の映像の間の重畳領域とマッチングするようにさせ、そして、これに基づいて、前記複数の映像中の複数の非重畳領域を認識し、前記複数の非重畳領域中の映像の映像パラメータを調整することで、全ての投射される前記複数の映像の黒レベルの輝度が一致し又は近づくようにさせることができる。このようにして、映像ブレンド操作におけるブラック化プロセスの複数のステップを簡略化することができるだけでなく、不規則な形状の非重畳領域を効率よく識別し、複数の投影映像のための映像ブレンド操作にかかる時間を短縮することで、投影システム全体のワーキング効率を向上させることもできる。
【0014】
本発明の上述の特徴及び利点をより明らかにするために、以下、実施例を挙げて、添付した図面を参照することにより、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来の映像ブレンド操作を示す図である。
図2A】本発明の一実施例における投影システムを示す図である。
図2B】本発明の一実施例における投影機のブロック図である。
図2C】本発明の一実施例における映像分割器のブロック図である。
図3】本発明の一実施例における処理装置のブロック図である。
図4A】本発明の一実施例における第一投影機が実行する映像ブレンド操作を示す図である。
図4B】本発明の一実施例における第一投影機が実行する映像ブレンド操作を示す図である。
図5A】本発明の一実施例における第二投影機が実行する映像ブレンド操作を示す図である。
図5B】本発明の一実施例における第二投影機が実行する映像ブレンド操作を示す図である。
図5C】本発明の一実施例における第二投影機が実行する映像ブレンド操作を示す図である。
図6A】本発明の一実施例における第三投影機が実行する映像ブレンド操作を示す図である。
図6B】本発明の一実施例における第三投影機が実行する映像ブレンド操作を示す図である。
図7】本発明の一実施例における投影システムが完成させる映像ブレンド操作を示す図である。
図8】本発明の一実施例における映像ブレンド方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の上述及び他の技術的内容、特徴、機能及び効果は、添付した図面に基づく以下のような好ましい実施例における詳細な説明により明確になる。なお、以下の実施例に言及されている方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前、後などは、添付した図面の方向に過ぎない。よって、使用されている方向の用語は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0017】
図2Aは、本発明の一実施例における投影システムを示す図である。図2Aに示すように、投影システム1は、複数の投影機を含み、本実施例中の投影システム1は、3つの投影機(例えば、投影機10、投影機20及び投影機30)、映像分割器40及び処理装置50を含む。ユーザは、処理装置50の入力装置(例えば、キーボード501及びマウス502)により入力操作を実行することで、処理装置50が映像ブレンド操作(又は、ブラック化操作という)を行うようにトリガーすることができる。
【0018】
映像分割器(Image cropping device)40は、処理装置50に接続され、映像分割器40は、処理装置50により提供される投影指令及び映像データ(投影しようとする映像のデータ)を受信し、また、映像分割器40は、処理装置50により提供される投影指令に基づいて、それぞれ、投影指令に対応する映像データを第一投影機10、第二投影機20及第三投影機30に伝送するために用いられる。投影指令は、1つ又は複数の映像分割指令を含む。処理装置50は、投影指令を映像分割器40に伝送することができ、映像分割器40は、投影指令中の複数の映像分割指令により、複数のサブ映像に対応する複数のサブ映像データとしての映像データの複数の部分を取得することができ、また、映像分割器40は、複数のサブ映像データを複数の投影機にそれぞれ伝送し、投影して貰うことができ、そのうち、各投影機は、受信したサブ映像データに基づいて、対応するサブ映像を投影することができる(例えば、第一投影機10は、第一映像IMG01を投影し、第二投影機20は、第二映像IMG02を投影し、第三投影機30は、第三映像IMG03を投影する)。なお、複数のサブ映像のうち、対応する、隣接する2つの投影機により投射される2つのサブ映像は、一部が同じである映像/画面を有し、又は、全てが同じである映像/画面を有しても良い。
【0019】
投影機20、30のハードウェアが投影機10と同じであっても良いので、以下、図2Bに基づいて投影機10のハードウェアのみを説明する。
【0020】
図2Bは、本発明の一実施例における投影機のブロック図である。図2A及び2Bに示すように、投影機10(第一投影機ともいう)は、処理器100(第一処理器ともいう)、投影モジュール110(第一投影モジュールともいう)、電源管理回路ユニット120(第一電源管理回路ユニットともいう)、記憶装置130(第一記憶装置ともいう)、表示器140(第一表示器ともいう)、入力インターフェース150(第一入力インターフェースともいう)及び接続インターフェース160(第一接続インターフェースともいう)を含む。処理器100は、投影モジュール110、電源管理回路ユニット120、記憶装置130、表示器140、入力インターフェース150、及び接続インターフェース160に接続される。
【0021】
もう1つの実施例では、投影機10は、さらに、処理器100に接続される通信回路ユニット170(第一通信回路ユニットともいう)を含み、通信回路ユニット170は、有線又は無線方式で他の投影機又はインターネットに接続されることで、データ又は指令を取得するために用いられる。
【0022】
本実施例では、処理器100は、演算能力を有するハードウェアであり、又は、実行プログラムを含み、投影機10の全体の動作を管理する。本実施例では、処理器100は、例えば、1つのコア又は複数のコアの中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、プログラム化可能なマイクロプロセッサ(Micro-processor)、デジタル信号処理器(Digital Signal Processor、DSP)、プログラム可能な制御器、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits、ASIC)、プログラム可能な論理装置(Programmable Logic Device、PLD)、又は他の類似した装置であっても良い。
【0023】
投影モジュール110は、処理器100からの映像データを受信し、例えば、外部のデータ端(例えば、処理装置50)により提供される第一映像データは、投影機10の処理器100に送信され、又は、第一映像データは、記憶装置130に記憶され、そして、投影モジュール110に送信される。また、処理器100により提供される制御パターンの映像データについて、この制御パターンの映像データは、記憶装置130又は外部のデータ端からのものであっても良く、また、映像データに基づいて映像光束を投射することで、投影平面(例えば、スクリーン又は壁)に投影される、映像データに対応する第一映像を形成することができる。投影モジュール110は、光源モジュール及び光学エンジンを含む。光学エンジンは、ライトバルブ及び投影レンズを含む。光源モジュールは、照明光束を提供するために用いられる。ライトバルブは、例えば、反射型又は透過型空間光変調器であり、反射型空間光変調器を例とすると、例えば、デジタルマイクロミラーデバイス(digital micro-mirror device、DMD)、反射型LCOS(Liquid Crystal on Silicon)などであり、透過型空間光変調器は、例えば、透過液晶パネル(Transparent Liquid Crystal Panel)である。また、制御信号を入力する方式が異なることにより、空間光変調器は、例えば、OASLM(Optically addressed spatial light modulator)又はEASLM(Electrically addressed spatial light modulator)であるが、本発明は、ライトバルブの形態及び種類について限定しない。
【0024】
また、ライトバルブは、照明光束の伝播路径に配置され、照明光束を映像光束に変換するために用いられる。投影レンズは、映像光束の伝播路径に配置され、映像光束を投影モジュール110から射出するために用いられる。
【0025】
電源管理回路ユニット120は、投影機10の電力を管理するために用いられ、電源管理回路ユニット120は、さらに、外部の電源(例えば、商用電源、又は、他の形式の外部電源)から電力を受けるために用いられる。電源管理回路ユニット120には、さらに、独立した内部電源、例えば、電池が含まれても良い。
【0026】
記憶装置130は、処理器100の指示によってデータを一時保存するために用いられ、データは、投影機10を管理するためのデータ、外部の処理装置50から伝送されるデータ、又は他の類型のデータを含んでも良いが、本発明は、これに限られない。上述のデータは、例えば、投影機の各素子の制御パラメータを含み、又は、映像信号などである。また、記憶装置130は、さらに、処理器100の指示により、長時間記憶する必要のあるデータ、例えば、映像ブレンドに対応する関連情報又は記録データ、投影機10を管理するファームウェア又はソフトウェアを記憶しても良い。なお、記憶装置130は、任意の形式の不揮発性メモリ又は揮発性メモリであっても良い。例を挙げて言うと、記憶装置130は、例えば、RAM(random access memory)、ROM(read-only memory、ROM)、フラッシュメモリ(flash memory)又は類似した素子、或いは、これらの素子の組み合わせであっても良い。
【0027】
表示器140は、投影機の、操作機能に対応する映像又はテキスト内容を表示するために用いられる。例えば、表示器140は、液晶表示器(Liquid Crystal Display、LCD)、発光ダイオード(Light-Emitting Diode;LED)表示器、又は、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display、FED)であっても良い。表示器140は、投影機10の外殻に設置される。
【0028】
入力インターフェース150は、ユーザが入力インターフェースに与える入力操作を受信し、対応する制御信号を生成するために用いられる。処理器100は、入力信号に基づいて、対応する機能又は操作を実行することができる。入力インターフェース150は、投影機10の外殻に設置される、異なる機能に対応する複数の押しボタン(押しキー)、スイッチ、又は回転ボタンを含んでも良い。入力インターフェース150は、さらに、他の外部入力装置(例えば、キーボード、マウスなど)に接続されても良い。もう1つの実施例では、入力インターフェース150は、さらに、赤外線受信器を有し、リモコン180からの赤外線(リモート入力操作ともいう)を受信し、対応する制御信号を生成して処理器100に提供することで、対応する機能を実行することができる。なお、本発明は、以下の実施例に記載される複数の入力操作の具体的な態様に限られない。複数の入力操作は、押しボタンを押すこと、タッチスクリーンを用いること、マウスをクリックすること、キーボードを使用することなどの方式又はその組み合わせで実現することができる。
【0029】
一実施例では、表示器140は、入力インターフェース150と一緒に、例えば、抵抗式(resistive)、容量式(capacitive)、光学式(optical)などのタッチパネルにより構成されるタッチスクリーンとして統合されることで、表示及びタッチ入力機能を同時に提供することもできる。
【0030】
図2A及び図2Bをともに参照する。接続インターフェース160は、データ端(処理装置50)に接続されることで、データ端から映像データを受信するために用いられる。データ端は、例えば、映像データを出力し得る任意の電子装置であり、処理装置50は、例えば、コンピュータ、ノートコンピュータ、サーバやホストに接続される外部記憶装置、スマートフォン、タブレットコンピュータなどであっても良い。接続インターフェース160は、複数の入力インターフェースを含む回路インターフェースであっても良い。入力インターフェースは、例えば、VGA(Video Graphics Array)規格、DVI(Digital Visual Interface)規格、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)規格、又は他の適切な規格(例えば、DisplayPort規格、3G-SDI、HDBaseT)に準拠する入力インターフェースである。しかし、本発明は、これに限られない。例えば、もう1つの実施例では、接続インターフェース160は、さらに、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)規格と交換性があるものを含んでも良い。しかし、理解すべきは、本発明は、これに限られず、接続インターフェース160は、さらに、PATA(Parallel Advanced Technology Attachment)インターフェース規格、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394インターフェース規格、PCI Express(Peripheral Component Interconnect Express)インターフェース規格、USB(Universal Serial Bus)インターフェース規格、UHS-I(Ultra High Speed-I)インターフェース規格、UHS-II(Ultra High Speed-II)インターフェース規格、SD(Secure Digital)インターフェース規格、MS(Memory Stick)インターフェース規格、MMC(Multi Media Card)インターフェース規格、CF(Compact Flash)インターフェース規格、IDE(Integrated Device Electronics)インターフェース規格、又は他の適切な規格のインターフェース回路ユニットに準拠するものであっても良い。投影機10は、インターフェース160により、映像分割器40と接続することができる。
【0031】
通信回路ユニット170は、無線通信モジュール(図示せず)を有しても良く、WiFi(Wireless Fidelity)システム及びブルートゥース(登録商標)(bluetooth)通信技術のうちの1つ又はその組み合わせをサポートすることができるが、これに限定されない。また、通信回路ユニット170は、さらに、NIC(network interface card)を含んでも良く、それは、ネットワーク回線によりネットワークに接続され得る。言い換えると、通信回路ユニット170は、無線又は有線方式でLAN又はインターネットに接続されることで、データ又は指令を取得することができる。投影機10は、通信回路ユニット170により、映像分割器40と接続され得る。
【0032】
なお、上述の投影機10の各部品の機能の説明は、例示に過ぎず、本発明を限定するためのものでない。上述のように、投影機20、30のハードウェア構造は、投影機10と同じであり、例えば、投影機20(第二投影機ともいう)は、第二処理器、第二投影モジュール、第二電源管理回路ユニット、第二記憶装置、第二表示器、第二入力インターフェース及び第二接続インターフェースを含み、投影機30(第三投影機ともいう)は、第三処理器、第三投影モジュール、第三電源管理回路ユニット、第三記憶装置、第三表示器、第三入力インターフェース及び第三接続インターフェースを含む。また、もう1つの実施例では、投影機20、30は、さらに、それぞれ、第二処理器及び第三処理器に接続される第二通信回路ユニット及び第三通信回路ユニットを含む。なお、上述の第二投影機20及び第三投影機30のハードウェアの細部の説明について、ここでは、割愛する。
【0033】
本実施例では、図2Aに示すように、映像分割器40は、例えば、映像データを入力して、投影指令によって映像を分割可能な装置である。映像分割器40は、例えば、ビデオカード又はオプトマ(Optoma)のGB-200映像ブレンド器であっても良いが、本発明は、このような装置に限定されない。また、映像分割器40は、さらに、映像ブレンドの映像処理操作を実行するために用いられる。
【0034】
図2Cは、本発明の一実施例における映像分割処理装置のブロック図である。図2Cに示すように、映像分割器40は、電源管理ユニット400、接続インターフェース410、映像分割処理器420、映像分割管理モジュール430、第一出力インターフェース440、第二出力インターフェース450、第三出力インターフェース460、第四出力インターフェース470、接続インターフェース480及び記憶装置480を含む。映像分割処理器420は、接続インターフェース410、電源管理ユニット400、映像分割管理モジュール430、第一出力インターフェース440、第二出力インターフェース450、第三出力インターフェース460、第四出力インターフェース470及び記憶装置480に接続される。
【0035】
映像分割処理器420は、映像処理能力を有するハードウェアであり、処理装置50により入力される映像データを処理(process)するために用いられる。本実施例では、映像分割処理器420は、1つのコア又は複数のコアの中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、画像処理ユニット(Graphic Processing Unit、GPU)、プログラム化可能なマイクロプロセッサ(Micro-processor)、デジタル信号処理器(Digital Signal Processor、DSP)、プログラム可能な制御器、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits、ASIC)、プログラム可能な論理装置(Programmable Logic Device、PLD)、又は他の類似した装置であっても良い。また、映像分割管理モジュール430は、制御パターンの分割設定を行い、それ相応の操作(例えば、映像分割操作など)を実行することで、本発明の実施例による映像ブレンド方法(又は、ブラック化方法)を実現することができる。
【0036】
接続インターフェース410は、処理装置50に接続され、接続インターフェース410は、処理装置50から伝送される映像データ及び投影指令を受信する。接続インターフェース410は、入力インターフェースの回路インターフェースである。入力インターフェースは、例えば、VGA(Video Graphics Array)規格、DVI(Digital Visual Interface)規格、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)規格、又は他の適切な規格(例えば、DisplayPort規格、3G-SDI、HDBaseT)に準拠する入力インターフェースである。第一出力インターフェース440、第二出力インターフェース450、第三出力インターフェース460、第四出力インターフェース470は、例えば、複数の出力インターフェースの回路インターフェースである。出力インターフェースは、例えば、VGA(Video Graphics Array)規格、DVI(Digital Visual Interface)規格、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)規格、又は他の適切な規格(例えば、DisplayPort規格、3G-SDI、HDBaseT)に準拠する出力インターフェースである。なお、本発明では、上述の入力又は出力のインターフェース規格について限定しない。また、記憶装置480は、例えば、RAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、フレッシュメモリ(flash memory)又は類似した素子、或いは、これらの素子の組み合わせであっても良い。
【0037】
本実施例では、処理装置50は、例えば、映像データを出力し得る任意の電子装置(データ端ともいう)、例えば、コンピュータ、ノートコンピュータ、サーバやホストに接続される外部記憶装置、スマートフォン、タブレットコンピュータなどであっても良い。また、処理装置50は、さらに、映像ブレンド操作及び映像ブレンド方法(又は、ブラック化方法)を実行するために用いられる。なお、いわゆるブラック化とは、ブレンドされる映像画面が黒画面として現れるときに、ユーザの視覚上でブレンドされる映像画面のグレースケール値がほぼ一致するように見えるようにさせることである。
【0038】
図3は、本発明の一実施例における処理装置のブロック図である。図3に示すように、処理装置50は、メイン処理器500、メイン記憶器510、電源管理回路ユニット520、記憶装置530、表示器540、入力インターフェース550、接続インターフェース560、及び通信回路ユニット570を含む。メイン処理器500は、メイン記憶器510、電源管理回路ユニット520、記憶装置530、表示器540、入力インターフェース550、接続インターフェース560及び通信回路ユニット570に接続される。
【0039】
電源管理回路ユニット520、表示器540、入力インターフェース550、接続インターフェース560及び通信回路ユニット570の機能は、上述の電源管理回路ユニット120、表示器140、入力インターフェース150、接続インターフェース160及び通信回路ユニット170と同様であるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0040】
記憶装置130は、長時間記憶する必要のあるデータ、例えば、映像ブレンドに対応する関連情報又は記録データ、複数の映像データ、投影機10を管理するファームウェア又はソフトウェアを記憶するために用いられる。なお、記憶装置130は、任意の形式の不揮発性メモリ(例えば、ハードディスク又は固体ハードディスク)であっても良い。本実施例では、記憶装置530は、さらに、複数のプログラムコード/アプリケーションプログラムを記憶するために用いられ、また、メイン処理器500は、プログラムコード/アプリケーションプログラムを読み取って各種の操作を行うことができる。複数のプログラムコードは、映像ブレンド管理モジュール531(映像ブレンドアプリケーションプログラムともいう)を含む。映像ブレンド管理モジュール531は、映像分割管理モジュール5311、制御パターン設定モジュール5312、及びブラック化管理モジュール5313を含む。
【0041】
メイン処理器500は、演算能力を有するハードウェアであり、処理装置50の全体の動作を管理する。本実施例では、メイン処理器500、例えば、1つのコア又は複数のコアの中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、画像処理ユニット(Graphic Processing Unit、GPU)、プログラム化可能なマイクロプロセッサ(Micro-processor)、デジタル信号処理器(Digital Signal Processor、DSP)、プログラム可能な制御器、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits、ASIC)、プログラム可能な論理装置(Programmable Logic Device、PLD)、又は他の類似した装置であっても良い。メイン処理器500は、映像ブレンド管理モジュール531、映像分割管理モジュール5311、制御パターン設定モジュール5312及びブラック化管理モジュール5313を読み取って実行することで、それ相応の操作(例えば、映像分割管理操作、映像ブレンド操作、ブラック化プロセスなど)を行い、これにより、本発明の実施例による映像ブレンド方法(又は、ブラック化方法)を実現することができる。映像分割管理モジュール5311は、映像分割器40に伝送される映像データを管理し、制御パターン設定モジュール5312は、制御パターンを選択される投影機に設定及びレンダリング(Render)し、また、重畳領域及び非重畳領域を認識し、ブラック化管理モジュール5313は、選択される投影機に伝送される映像データの映像パラメータを調整するために用いられる。
【0042】
メイン記憶器510は、メイン処理器500の指示により、データ又は各種の制御処理装置50の指令を一時保存する。データは、処理装置50を管理するためのデータ、及び、映像分割器40に伝送される映像データ又は投影指令を含むが、本発明は、これに限定されない。なお、メイン処理器500は、記憶装置530から映像ブレンド管理モジュール531をメイン記憶器510にロードすることで、メイン記憶器510により、映像ブレンド管理モジュール531を実行することができる。
【0043】
なお、入力インターフェース550は、キーボード501及びマウス502に接続されることで、ユーザがキーボード501及びマウス502により入力操作を行うようにさせ、これにより、メイン処理器500は、入力操作(例えば、入力操作に対応する入力信号を受信すること)に基づいてそれ相応の指令を下し、又は、それ相応のプログラムコードを実行することができる。また、処理装置50がタブレットPC又はスマートフォンなどのような電子装置である場合、表示器540はさ、入力インターフェース550とともにタッチスクリーンとして統合されても良く、処理装置50がノートパソコンである場合、入力インターフェース550は、キーボード及びタッチパネルを有しても良い。
【0044】
なお、一実施例では、映像分割器40は、処理装置50と統合されても良い。例えば、処理装置50は、ディスプレーカードを有しても良く、それは、映像分割器40及びグラフィックスプロセッシングユニット(Graphics processing unit、GPU)を含む。グラフィックスプロセッシングユニットは、ディスプレーコア、ビジュアルプロセッサ、ディスプレーチップ又はグラフィックスチップとも称され、パソコン、ワークステーション、ゲームプレーヤー、及び幾つかの電子装置(例えば、タブレットPC、スマートフォンなど)上で画像の形成や計算を行うマイクロプロセッサである。ディスプレーカードは、接続インターフェース560によりメイン処理器500に接続することができる。
【0045】
以下、複数の図をもとに、本発明による映像ブレンド方法及びこの方法を用いる投影システム1及び処理装置50(及び、映像ブレンド管理モジュール531の機能)を詳細に説明する。
【0046】
図2Aを参照する。例えば、投影システム1が第一投影機10、第二投影機20及び第三投影機30を含み、第一投影機10、第二投影機20及び第三投影機30がともに映像分割器40に接続され、映像分割器40が処理装置50に接続され、また、ユーザが映像ブレンド操作(又は、ブラック化プロセス)を行いたいとする。
【0047】
映像ブレンド操作(又は、ブラック化プロセス)をトリガーする入力操作(例えば、ユーザがマウス503を用いて、映像ブレンド操作の実行の開始を表すボタンをクリックすること)に応じて、処理装置50のメイン処理器500は、この入力操作による信号に基づいて、映像ブレンド操作を(映像ブレンド管理モジュール531を実行することにより)実行することができる。
【0048】
続いて、メイン処理器500は、(例えば、映像分割管理モジュール5311を実行することにより)第一投影指令、第二投影指令及び第三投影指令を映像分割器40に伝送し、そのうち、映像分割器は、第一投影指令に基づいて第一映像データを第一投影機10に伝送し、第二投影指令に基づいて第二映像データを第二投影機20に伝送し、また、第三投影指令に基づいて第三映像データを第三投影機30に伝送し、そのうち、第一投影機10は、第一映像データに基づいて第一映像IMG01を投影表面SC1に投影し、第二投影機20は、第二映像データに基づいて第二映像IMG02を投影表面SC1に投影し、また、第三投影機30は、第三映像データに基づいて第三映像IMG03を投影表面SC1に投影する。本実施例では、第一映像IMG01、第二映像IMG02及び第三映像IMG03は、各自独立したメイン映像であり、また、メイン映像は、ブラック化プロセスのための所定の映像である。より詳しく言えば、第一映像データは、第一映像が純黒色の映像(純黒色のフルスクリーン画面や黒画面)であることを表し、第二映像データは、第二映像が純黒色の映像であることを表し、第三映像データは、第三映像が純黒色の映像(純黒色のフルスクリーン画面)であることを表す。なお、本発明は、メイン映像の類型について限定しない。例えば、一実施例では、メイン映像(即ち、第一映像、第二映像及び第三映像)は、他の色の画面(例えば、純灰色の画面、三原色のうちの1つの原色を表示する画面)であっても良い。また、例えば、もう1つの実施例では、メイン映像(即ち、第一映像、第二映像及び第三映像)の境界は、さらに、純色のボーダー、例えば、白色のボーダー(ボーダーの色は、ボーダー内の映像の色とは異なる)を有することで、ユーザが投射される複数の映像の境界及び重畳領域をはっきりに識別し得るようにさせても良い。
【0049】
投影表面SC1に投影される第一映像IMG01の第一部分の映像が、第二映像IMG02の第一部分の映像と、投影表面SC1上の重畳領域(図2Aに示すような第一映像と第二映像との境目にある浅色領域)における重畳映像OIMG1において重畳し、また、重畳領域における重畳映像OIMG1の黒レベルの輝度が、他の部分の第一映像IMG01及び第二映像IMG02よりも高い。また、投影表面SC1に投影される第三映像IMG03の第一部分の映像が、第二映像IMG02の第二部分の映像と、投影表面SC1上の重畳領域(図2Aに示すような第三映像と第二映像との境目にある浅色領域)における重畳映像OIMG2において重畳し、また、重畳領域における重畳映像OIMG2の黒レベルの輝度が、他の部分の第三映像及び第二映像よりも高い。なお、投影平面SC1は、任意の形式の平坦な表面(例えば、布スクリーン、壁面)であっても良く、そのうち、好ましくは、特製の白色投影スクリーンである。
【0050】
第一映像IMG01、第二映像IMG02及び第三映像IMG03が全て投影平面SC1に投影された後、ユーザは、先に第一投影機10(例えば、図4A、4Bに示すように)、第二投影機20(例えば、図5A、5B、5Cに示すように)、又は第三投影機30(例えば、図6A、6Bに示すように)を選択して制御パターンの設定操作及び対応する映像ブレンド操作(又は、ブラック化プロセス)を実行することができる。
【0051】
説明の便宜のため、ユーザが先に第一投影機10を選択して制御パターンの設定操作を行うとする。
【0052】
図4A及び図4Bは、本発明の一実施例における第一投影機が実行する映像ブレンド操作を示す図である。図4Aに示すように、制御パターンの設定の実行を表す入力操作を受信すること(例えば、前記入力操作の入力信号を受信し、それは、制御パターンの設定の実行の開始を指示するためのものである)に応じて、メイン処理器500は、第一制御パターンPA01をレンダリング(Render)し(例えば、制御パターン設定モジュール5312により)、また、映像分割器40により、第一投影機が第一制御パターンPA01を第一映像IMG01に投影するようにさせる。本実施例では、第一制御パターンPA01は、例えば、輪郭が多辺形である第一2次元ブロック(例えば、図5Aに示す矩形ブロックであり、それは、4つの調整可能な第一境界PL01(1)~PL01(4)を有する)であり、そのうち、第一2次元ブロックの形状及び範囲は、調整可能であり、また、第一2次元ブロックは、ドラッグすることができる。具体的に言えば、本実施例では、ユーザが制御パターンによりカバーされる領域をはっきり識別するために、制御パターンは、予め、透明領域又は純色のカラーブロックと設定されても良い。境界PL01(1)~PL01(4)(即ち、第一制御パターンの全ての境界)は、第一制御パターンボーダーPF01を形成することができる。なお、いわゆるレンダリング(Render)とは、プログラムにより制御パターンの映像を形成して元の映像に重畳(オーバーラップ)し得るプロセスである。そのうち、第一制御パターンPA01は、例えば、制御パターン設定モジュール5312に格納される。
【0053】
第一制御パターンPA01を第一映像IMG01にレンダリングした後に、メイン処理器500は、ユーザが行う第一入力操作(例えば、マウス/キーボードなどの入力装置を制御することで実行する入力操作)に基づいて、第一映像IMG01中の第一制御パターンPA01の位置、形状、大小(サイズ)を調整する(制御パターン設定モジュール5312を実行することにより)。例えば、ユーザは、入力インターフェース550に接続される入力装置(例えば、マウス)により、第一制御パターンPA01に対しての調整を行っても良い。例えば、ユーザは、マウスのカーソルで第一制御パターンPA01の中央部分(非境界の部分)をクリックして、第一制御パターンPA01を第一映像IMG01中の任意の位置にドラッグすることができ、ユーザは、カーソルを用いて、それぞれ、4つの調整可能な第一境界PL01(1)~PL01(4)上で、選択される境界を外へ延伸する/内へ収縮することで、第一制御パターンの形状の変更することができ、ユーザは、任意の境界のスロープ(slope)を制御することができ(例えば、選択される境界を回転する)、ユーザは、第一制御パターンの各頂点(各境界の間の交差点)の位置を調整することができ、ユーザは、1つの頂点を1つの境界に増設することで、この第一境界を2つの第一境界に分割することで、この第一制御パターンの形状を変えることができる(例えば、四辺形から五辺形に変更する)。なお、これらは、「第一制御パターンの調整」の一部の実施方式のみであり、本発明を限定するものでない。第一制御パターンは、さらに、他の種類の入力操作により、形状、大小及び位置を変更することもできる。
【0054】
また、本発明の制御パターンは、ブロックに限られない。例えば、もう1つの実施例では、第一制御パターンは、複数の第一丸ドット、及び、複数の第一丸ドットを接続する複数の第一直線PL01(1)~PL01(4)を含む。そのうち、複数の第一直線は、第一多辺形を形成し、複数の第一丸ドットは、第一多辺形の複数の頂点である。なお、この実施例では、第一制御パターンの各要素(即ち、複数の第一丸ドット、及び、複数の第一直線)は各自、選択され、移動操作を行うことができる。また、メイン処理器500は、全ての第一丸ドットを1回選択し、又は、全ての第一直線を1回選択することで、移動を行っても良い。
【0055】
本実施例では、メイン処理器500は、(制御パターン設定モジュール5312を実行することにより)第一制御パターンPA01に対応する全ての画素の第一映像中の位置(座標)を持続的に認識及び記録することができる。また、第一制御パターンPA01は、予め、第一映像IMG01中の第一初期位置にレンダリングされると設定される。第一初期位置は、予め、第一映像IMG01の任意の位置(例えば、第一映像IMG01の中央)と設定されても良い。ユーザは、入力操作により、毎回の映像ブレンド操作のための第一制御パターンPA01の第一初期位置を設定することができる。例えば、ユーザは、マウスのカーソルの位置を直接利用して、第一制御パターンPA01が一回目に第一映像IMG01にレンダリングされるときに重畳領域OA1の第一映像IMG01の中央又は右の半分に現れるように設定することができる。
【0056】
図4Bを参照する。ユーザは、第一制御パターンPA01を調整することで、調整後の第一制御パターンPA01’の第一制御パターンボーダーPF01が重畳領域OA1の境界OAF1とマッチングするようにさせることができる。即ち、メイン処理器500は、一連の第一入力操作に基づいて、第一制御パターンPA01を、調整後の第一制御パターンPA01’になるように調整することができる(例えば、矢印A41に示すように)。
【0057】
続いて、第一制御パターンPA01の調整が完成した後に(ユーザは、さらに、特定の入力操作を用いて、メイン処理器500に、第一制御パターンのマッチングが完成しており、また、第一映像IMG01の非重畳領域を認識し始めることを指示し得る)、メイン処理器500は、(制御パターン設定モジュール5312を実行することで)調整後の第一制御パターンPA01’(又は、第一制御パターンボーダーPF01)の全ての画素の第一映像IMG01中の複数の座標に基づいて、第一制御パターンPA01’によりカバーされる領域、即ち、第一映像IMG01が他の映像と重畳する領域(即ち、重畳領域OA1)を判定することができ、また、メイン処理器500は、(制御パターン設定モジュール5312を実行することで)第一映像IMG01中の調整後の第一制御パターンPA01’(又は、第一制御パターンボーダーPF01)以外の他の領域を非重畳領域NA01(第一非重畳領域ともいう)として認識することができる(例えば、矢印A42に示すように)。また、第一非重畳領域NA01中の一部の第一映像IMG01は、第一非重畳映像NIMG01として認識される。
【0058】
なお、第一映像IMG01が1つのみの重畳領域を有するので、ユーザは、1つのみの第一制御パターンを設定して1つの重畳領域とマッチングするようにさせる。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、複数の重畳領域を有する映像について、複数の重畳領域の総数に基づいて同じ数量の制御パターンを設定することで、各制御パターンが各自で1つの重畳領域とマッチングするようにさせることができる。このようにして、メイン処理器500は、映像中の全ての重畳領域の範囲及び位置を完全に認識することができ、これにより、映像の非重畳領域の位置及び範囲を認識することができる。
【0059】
例えば、ユーザは、第二投影機20に投影される第二映像IMG02を選択してブラック化プロセスを行うとする。なお、第二映像IMG02は、それぞれ、第一映像IMG01及び第三映像IMG03と重畳する領域OA1(第一重畳領域)及びOA2(第二重畳領域)を有する。
【0060】
図5A図5B及び図5Cは、本発明の一実施例における第二投影機が実行する映像ブレンド操作を示す図である。図5Aに示すように、同様に、第二映像IMG02に対しての制御パターンの設定の実行を表す入力操作を受信することに応じて、メイン処理器500は、先ず、1つの第二制御パターンPA02_1を第二映像IMG02にレンダリングし、そして、映像分割器40により、第一投影機が第二制御パターンPA02_1を第二映像IMG02に投影するようにさせる。第二制御パターンPA02_1は、例えば、複数の第二境界PL02_1(1)~(4)を有する2次元ブロックである。
【0061】
図5Bを参照する。第二制御パターンPA02_1を第二映像IMG02にレンダリングした後に、メイン処理器500は、ユーザが行う第二入力操作に基づいて、第二映像IMG02中の第二制御パターンPA02_1の位置、形状、大小を調整することで、調整後の第二制御パターンPA02_1’の第二制御パターンボーダーPF02_1が重畳領域OA1の境界とマッチングするようにさせる。即ち、メイン処理器500は、一連の第二入力操作に基づいて、第二制御パターンPA02_1を、調整後の第二制御パターンPA02_1’になるように調整することができる(例えば、矢印A51に示すように)。
【0062】
続いて、第二制御パターンPA02_1の調整が完成した後に、マッチングが行われないもう1つの重畳領域OA2がまだあるので、ユーザは、継続してもう1つの第二制御パターンPA02_2設定して第二映像IMG02とマッチングするようにさせることができる。即ち、メイン処理器500は、全ての制御パターンの設定の完成に対応する入力操作を受信する前に、メイン処理器500は、再び受信した第二入力操作に基づいて、もう1つの第二制御パターンPA02_2を第二映像IMG02にレンダリングすることができる(例えば、矢印A52に示すように)。第二制御パターンPA02_2は、例えば、複数の第二境界PL02_2(1)~(4)を有する2次元ブロックである。
【0063】
続いて、図5Cに示すように、第二制御パターンPA02_2を第二映像IMG02にレンダリングした後に、メイン処理器500は、ユーザが行う第二入力操作に基づいて、第二映像IMG02中の第二制御パターンPA02_2の位置、形状、大小を調整することで、調整後の第二制御パターンPA02_2’の第二制御パターンボーダーPF02_2が重畳領域OA2の境界とマッチングするようにさせることができる。即ち、メイン処理器500は、一連の第二入力操作に基づいて第二制御パターンPA02_2を、調整後の第二制御パターンPA02_2’になるように調整することができる(例えば、矢印A53に示すように)。
【0064】
続いて、第二制御パターンPA02_2の調整が完成した後に(ユーザは、さらに、特定の入力操作を用いて、メイン処理器500に、全ての第二制御パターンのマッチングが完成しており、また、第二映像IMG02の非重畳領域を認識し始めることを指示し得る)、メイン処理器500は、(制御パターン設定モジュール5312を実行することで)調整後の第二制御パターンPA02_1’(又は、第二制御パターンボーダーPF02_1)及び調整後の第二制御パターンPA02_2’(又は、第二制御パターンボーダーPF02_2)の全ての画素の第二映像IMG02中の複数の座標に基づいて、第二制御パターンPA02_1’、PA02_2’によりカバーされる領域、即ち、第二映像IMG02が他の映像と重畳する領域(即ち、重畳領域OA1、OA2)を判定することができ、また、メイン処理器500は、(制御パターン設定モジュール5312を実行することで)第二映像IMG02中の調整後の第二制御パターンPA02_1’(又は、第二制御パターンボーダーPF02_1)及び調整後の第二制御パターンPA02_2’(又は、第二制御パターンボーダーPF02_2)以外の他の領域を非重畳領域NA02(第二非重畳領域ともいう)として認識することができる(例えば、矢印A54に示すように)。また、第二非重畳領域NA02中の一部の第二映像IMG02は、第二非重畳映像NIMG02と認識される。
【0065】
続いて、ユーザは、第三投影機30に投影される第三映像IMG03を選択してブラック化プロセスを行う。
【0066】
図6A及び図6Bは、本発明の一実施例における第三投影機が実行する映像ブレンド操作を示す図である。図6Aに示すように、制御パターンの設定の実行を表す入力操作の受信に応じて、メイン処理器500は、第三制御パターンPA03をレンダリング(Render)し(例えば、制御パターン設定モジュール5312により)、また、映像分割器40により、第三投影機30が前記第三制御パターンPA03を第三映像IMG03に投影するようにさせることができる。
【0067】
図6Bを参照する。第三制御パターンPA03を第三映像IMG03にレンダリングした後に、メイン処理器500は、ユーザが行う第三入力操作(例えば、マウス/キーボードなどの入力装置を制御することで実行する入力操作)に基づいて、第三制御パターンPA03を調整することで、調整後の第三制御パターンPA03’の第三制御パターンボーダーPF03が重畳領域OA2の境界OAF2とマッチングするようにさせることができる。即ち、メイン処理器500は、一連の第三入力操作に基づいて、第三制御パターンPA03を、調整後の第一制御パターンPA03’になるように調整することができる(例えば、矢印A61に示すように)。
【0068】
続いて、第三制御パターンPA03の調整が完成した後に(ユーザは、さらに、特定の入力操作を用いて、メイン処理器500に、第三制御パターンのマッチングが完成しており、また、第三映像IMG03の非重畳領域を認識し始めることを指示し得る)、メイン処理器500は、(制御パターン設定モジュール5312を実行することで)調整後の第三制御パターンPA03’(又は、第三制御パターンボーダーPF03)の全ての画素の第三映像IMG02中の複数の座標に基づいて、第三制御パターンPA03’によりカバーされる領域、即ち、第三映像が他の映像と重畳する領域(即ち、重畳領域OA2)を判定することができ、また、メイン処理器500は、(制御パターン設定モジュール5312を実行することで)第三映像IMG03中の調整後の第三制御パターンPA03’(又は、第三制御パターンボーダーPF03)以外の他の領域を非重畳領域NA03(第三非重畳領域ともいう)として認識することができる(例えば、矢印A62に示すように)。また、第三非重畳領域NA03中の一部の第三映像IMG03は、第三非重畳映像NIMG03と認識される。
【0069】
このとき、全ての映像の非重畳領域の認識が完成しており、ユーザは、さらに、もう1つの入力操作を行うことで、メイン処理器500に、全ての非重畳領域の画素の映像パラメータを調整することを指示しても良い。
【0070】
図7は、本発明の一実施例における投影システムが完成させる映像ブレンド操作を示す図である。映像パラメータは、グレースケール値又は光の三原色(RGB)の値を含む。もう1つの実施例では、映像パラメータは、さらに、輝度値又はグレースケール値などを含んでも良い。
【0071】
図7を参照する。メイン処理器500は、第一非重畳領域NA01、第二非重畳領域NA02及び第三非重畳領域NA03の位置(座標)に基づいて、第一非重畳領域NA01、第二非重畳領域NA02及び第三非重畳領域NA03の全ての画素の映像パラメータを調整することで、第一映像IMG01の第一非重畳領域NA01中の第一非重畳映像NIMG01の黒レベルの輝度、第二映像IMG02の第二非重畳領域NA02中の第二非重畳映像NIMG02の黒レベルの輝度、及び第三映像IMG03の第三非重畳領域NA03中の第三非重畳映像NIMG03の黒レベルの輝度が重畳領域OA1、OA2中の重畳映像OIMG1、OIMG2の黒レベルの輝度に対応(近似)するようにさせることができる。なお、いわゆる黒レベルの輝度とは、黒画面を投射するときにユーザに見られ得るブレンド映像画面の輝度を指す。即ち、第一非重畳映像NIMG01、第二非重畳映像NIMG02、第三非重畳映像NIMG03、及び重畳映像OIMG1、OIMG2の輝度は、ユーザの視覚上でほぼ同じ輝度値(グレースケール値)が現れるようになる。また、上述の第一制御パターン及び第二制御パターンは、より多くの丸ドット、及び、これらの丸ドットを接続する複数の直線を有しても良い。処理装置50により、制御パターンが幾つかの丸ドットを有するかのオプションを選択することができ、例えば、2x2、3x3又は9x9個の丸ドットを制御パターンとして選択しても良いが、投射される制御パターンは、ボーダー上の丸ドットのみが現れ、内部の丸ドットが現れる必要がない。複数の丸ドットを使用する場合、より正確な重畳領域OAの位置(座標)を取得することができる。
【0072】
より詳しく言えば、上述のステップは、さらに、共同調整方法として実施することができる。一実施例では、共同調整方法では、メイン処理器500は、ユーザが行う入力操作(例えば、映像パラメータの増加/減少のボタンをクリックすること)に基づいて、同時に複数の映像の非重畳領域の映像パラメータを調整することができる。例えば、メイン処理器500は、次のようなステップを行い、即ち、メイン処理器500は、処理装置50に与えられる第一入力操作(映像パラメータの増加のボタンをクリックすること)に基づいて、同時に、第一映像データ中で第一非重畳映像NIMG01、第二非重畳映像NIMG02及び第三非重畳映像NIMG03中の全ての画素に対応する映像パラメータを第一数値から第二数値に調整し、そのうち、第二数値は、第一数値よりも大きく、また、第二数値に対応する非重畳映像NIMG01~NIMG03の黒レベルの輝度は、第一数値に対応する非重畳映像NIMG01~NIMG03の黒レベルの輝度よりも大きい。例を挙げて言うと、第一数値及び第二数値が、例えば、グレースケール値であり、画素のグレースケール値が0~255である場合、ユーザが調整を行おうとするときに、処理装置50のブラック化管理モジュール5313により、毎回1つの値を調整することができる。
【0073】
矢印A71に示すように、非重畳映像NIMG01~NIMG03の全ての画素の映像パラメータの調整が完成した後に、非重畳映像NIMG01~NIMG03の黒レベルの輝度は、重畳映像OIMG1、OIMG2に等しくなる(比較的暗い領域を認識することができない)。このようにして、映像ブレンド操作中のブラック化プロセスも完成している。
【0074】
もう1つの実施例では、本発明は、もう1つの調整方法を有し、メイン処理器500は、ユーザが行う入力操作(例えば、映像パラメータの増加/減少のボタンをクリックすること)に基づいて、複数の映像の非重畳領域の映像パラメータを調整することができる。例えば、メイン処理器500は、次のようなステップを行い、即ち、メイン処理器500は、処理装置50に与えられる第一入力操作(映像パラメータの増加のボタンをクリックすること)に基づいて、第一映像データ中で第一非重畳映像NIMG01及び第二非重畳映像NIMG02中の全ての画素に対応する映像パラメータを第一数値から第二数値に調整し、第一映像データ中で第三非重畳映像NIMG03中の全ての画素に対応する映像パラメータを第一数値から第三数値に調整し、そのうち、第二数値は、第一数値よりも大きく、第三数値は、第一数値よりも大きい。一実施例では、第二数値は、第三数値に近似する。第二数値に対応する非重畳映像NIMG01~NIMG02の黒レベルの輝度は、第一数値に対応する非重畳映像NIMG01~NIMG02の黒レベルの輝度よりも大きい。第三数値に対応する非重畳映像NIMG03の黒レベルの輝度は、第三数値に対応する非重畳映像NIMG03の黒レベルの輝度よりも大きい。そのうち、第一非重畳映像NIMG01、第二非重畳影NIMG02及び第三非重畳映像NIMG03は、それぞれ、異なる第一数値又は同じ第一数値を有しても良い。なお、第二数値及び第三数値は、ともに、第一数値よりも大きい。例を挙げて言えば、第一数値、第二数値及び第三数値が、例えば、グレースケール値であり、画素のグレースケール値が0~255であるときに、ユーザが調整しようとするときに、処理装置50のブラック化管理モジュール5313により、毎回1つの値を調整することができる。矢印A71に示すように、非重畳映像NIMG01~NIMG03の全ての画素の映像パラメータの調整が完成した後に、非重畳映像NIMG01~NIMG03の黒レベルの輝度は、重畳映像OIMG1、OIMG2に等しくなる(比較的暗い領域を認識することができない)。このようにして、映像ブレンド操作中のブラック化プロセスも完成している。
【0075】
図8は、本発明の一実施例における映像ブレンド方法のフローチャートである。図8に示すように、ステップS301では、第一投影機及び第二投影機により、それぞれ、第一映像及び第二映像を投影表面に投影し、そのうち、投影表面に投影される第一映像の第一部分の映像及び第二映像の第二部分の映像は、投影表面上の重畳領域で重畳する。ステップS302では、処理装置により、第一制御パターンをレンダリングし、また、映像分割器及び第一投影機により、第一制御パターンを第一映像に投影する。ステップS303では、処理装置により、処理装置に与えられる第一入力操作に基づいて、第一映像中の第一制御パターンを調整することで、第一制御パターンの第一制御パターンボーダーが重畳領域の境界とマッチングするようにさせる。ステップS304では、処理装置により、マッチング後の第一制御パターンボーダーの位置に基づいて、第一映像中の第一非重畳領域の位置を認識し、そのうち、第一映像の第一非重畳領域は、第二映像と重畳しない。ステップS305では、処理装置により、第二制御パターンをレンダリング(Render)し、また、映像分割器及び第二投影機により、第二制御パターンを第二映像に投影する。ステップS306では、処理装置により、処理装置に与えられる第二入力操作に基づいて、第二映像中の第二制御パターンを調整することで、第二制御パターンの第二制御パターンボーダーが重畳領域の境界とマッチングするようにさせる。ステップS307では、処理装置により、マッチング後の第二制御パターンボーダーの位置に基づいて、第二映像中の第二非重畳領域の位置を認識し、そのうち、第二映像の第二非重畳領域は、第一映像と重畳しない。ステップS308では、処理装置により、第一非重畳領域の位置及び第二非重畳領域の位置に基づいて、第一非重畳領域及び第二非重畳領域の全ての画素の映像パラメータを調整することで、第一映像の第一非重畳領域中の第一非重畳映像の黒レベルの輝度及び第二映像の第二非重畳領域中の第二非重畳映像の黒レベルの輝度が重畳領域中の重畳映像の黒レベルの輝度に対応するようにさせる。
【0076】
なお、本発明の実施例による映像ブレンド方法は、図1図8に基づく実施例についての記載から十分な教示、アドバイス及び実施説明を得ることができるので、その詳しい説明が省略される。また、上述のステップは、2以上の投影機の投影システムに対してのものであるが、本発明は、投影システム中の投影機の個数について限定せず、本発明による映像ブレンド方法を用いる投影システムは、2以上の投影機を有しても良い(例えば、図2に示す投影システム)。
【0077】
また、一実施例では、メイン処理器500は、各映像間の重畳領域の範囲及び位置を認識した後に、メイン処理器500は、さらに、(例えば、映像分割管理モジュール5311により)全ての映像のブレンド(重畳)関係を記録し、例えば、より大きい座標系で全ての非重畳領域及び重畳領域の位置を1回記録し、これにより、その後の映像分割操作又は映像ブレンド操作は、この映像重畳関係に基づいて行うことができる。
【0078】
なお、上述の実施例では、映像分割管理モジュール5311、制御パターン設定モジュール5312、及びブラック化管理モジュール5313を含む映像ブレンド管理モジュール531は、ソフトウェアの形式で実施されているが、本発明は、これに限定されない。例えば、もう1つの実施例では、映像ブレンド管理モジュール531は、ハードウェアの方式で実施されることで、メイン処理器500に接続される、映像ブレンド管理モジュール531機能を有する映像ブレンド管理回路ユニットになっても良く、そのうち、映像分割管理モジュール5311は、映像分割管理モジュール5311の機能を有する映像分割管理回路ユニットとされて良く、制御パターン設定モジュール5312は、制御パターン設定モジュール5312の機能を有する制御パターン設定回路ユニットとされても良く、ブラック化管理モジュール5313は、ブラック化管理モジュール5313の機能を有するブラック化管理回路ユニットとされても良い。
【0079】
以上のことから、本発明の実施例による映像ブレンド方法、投影システム及びその処理装置は、複数の制御パターンを投影し、処理装置により複数の制御パターンを調整して、複数の投影機により投影される複数の映像の間の重畳領域とマッチングするようにさせ、そして、これに基づいて、複数の映像中の複数の非重畳領域を認識し、複数の非重畳領域中の映像の映像パラメータを調整することで、全ての投射される複数の映像の黒レベルの輝度が一致するようにさせることができる。このようにして、映像ブレンド操作におけるブラック化プロセスの複数のステップを簡略化することができるだけでなく、不規則な形状の非重畳領域を効率よく認識し、複数の投影映像のための映像ブレンド操作にかかる時間を短縮することで、投影システム全体のワーキング効率を大幅に向上させることができる。
【0080】
本発明は、前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の技術的思想と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うことができるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示されたすべての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の一部と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の技術的範囲を限定するものでない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言及されている「第一」、「第二」などの用語は、要素(element)に名前を付け、又は、他の実施例又は範囲を区別するためのものみであり、要素の数量上での上限又は下限を限定するためのものでない。
【符号の説明】
【0081】
1:投影システム
10、20、30:投影機
40:映像分割器
50:処理装置
501:キーボード
502:マウス
RA1~RA4:矩形領域
NA01、NA02、NA03:非重畳領域
OA1、OA2:重畳領域
IMG01、IMG01(1)~IMG01(2)、IMG02(1)~IMG02(2)、IMG02、OIMG1、OIMG2、NIMG01、NIMG02、NIMG03、IMG03:映像
100:処理器
110:投影モジュール
120、510:電源管理回路ユニット
130、530:記憶装置
140、540:表示器
150、550:入力インターフェース
160、560:接続インターフェース
170、570:通信回路ユニット
180:リモコン
500:メイン処理器
510:メイン記憶器
531:映像ブレンド管理モジュール
5311:映像分割管理モジュール
5312:制御パターン設定モジュール
5313:ブラック化管理モジュール
S301、S302、S303、S304、S305、S306、S307、S308:映像ブレンド方法のステップ
SC1:投影平面
PL01(1)~PL01(4)、PL02_1(1)~PL02_1(4)、PL02_2(1)~PL02_2(4)、PL03(1)~PL03(4):直線/境界
PA01、PA01’、PA02_1、PA02_1’、PA02_2、PA02_2’、PA03、PA03’:制御パターン
A51、A52、A61、A62、A63、A64、A71、A72、A81:矢印
PF01、PF02_1、PF02_2、PF03、OAF1、OAF2:ボーダー/境界
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8