(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
G03G21/16 152
G03G21/16 147
(21)【出願番号】P 2020080387
(22)【出願日】2020-04-30
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【氏名又は名称】本田 亜希
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和美
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-317531(JP,A)
【文献】特開平11-242371(JP,A)
【文献】特開2018-031858(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0097159(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
前記像担持体に形成されるパターン画像を検出する光検出装置と、
前記光検出装置を固定する固定部と、
を備え、
前記光検出装置は、
第一の位置決め穴および第二の位置決め穴が設けられた基板と、
前記基板の第一の面に設けられる発光素子およ
び受光素子と、
前記基板の前記第一の面と反対の第二の面に設けられ、前記第一の位置決め穴と前記第二の位置決め穴との間の中心から前記第二の位置決め穴に片寄った位置に配置されたコネクタと、
を備え、
前記固定部は、
第一のネジ穴と、
第二のネジ穴と、
前記第一のネジ穴と前記第二のネジ穴の間
の中心から前記第二のネジ穴に片寄った位置に設けられた貫通穴と、
を備え、
前記第一の位置決め穴が前記第一のネジ穴に整列され、前記第二の位置決め穴が前記第二のネジ穴に整列される第一の向きで前記光検出装置が前記固定部に載置された場合、前記コネクタが前記
固定部に干渉せずに前記貫通穴に挿入されて前記光検出装置が前記固定部にネジによって固定されることができ、
前記第一の位置決め穴が前記第二のネジ穴に整列され、前記第二の位置決め穴が前記第一のネジ穴に整列される第二の向きで前記光検出装置が前記固定部に載置された場合、前記コネクタが前記
固定部に干渉して前記コネクタが前記貫通穴に挿入されないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第一の位置決め穴を通して前記第一のネジ穴に螺合するネジと前記第二の位置決め穴を通して前記第二のネジ穴に螺合するネジとによって、前記光検出装置が前記固定部に固定されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記光検出装置は、前記基板の前記第二の面に設けられた部品を更に備え、
前記固定部は、前記光検出装置が前記第一の向きで前記固定部に載置された場合に前記部品を受け入れる凹部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記光検出装置は、前記基板の前記第二の面に設けられた部品を更に備え、
前記固定部は、前記基板の前記第一の位置決め穴が設けられた部分を支持する支持部と、前記光検出装置が前記第一の向きで前記固定部に載置された場合に前記部品を受け入れる凹部と、を備え、
前記第一の位置決め穴が設けられた前記部分を支持する前記支持部の支持面からの前記凹部の深さは、前記コネクタの高さより小さいことを特徴とする請求項
1又は2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光検出装置を固定する固定部を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タンデム方式を採用した複写機、プリンタ、ファクシミリ等カラー画像形成装置は、色毎の位置ずれ及び濃度ずれを補正する。そのために、各色の画像形成部によって色ずれ検出パターン及び濃度検出パターンを形成し、色ずれ量及び濃度ずれ量を検出し、色ずれ及び濃度ずれを補正する。色ずれ検出パターン及び濃度検出パターンは、中間転写ベルトの近傍に配置された光検出装置(光学センサ)によって検出される。光検出装置は、発光素子及び受光素子を有する。発光素子は、中間転写ベルトと中間転写ベルト上に形成された色ずれ検出パターン及び濃度検出パターンを照明する。受光素子は、中間転写ベルトと色ずれ検出パターン及び濃度検出パターンからの反射光を受光する。中間転写ベルトと色ずれ検出パターンの反射光量の差及び中間転写ベルトと濃度検出パターンの反射光量の差に基づいて、色ずれ量及び濃度ずれ量を検出する。
【0003】
画像形成装置の小型化に伴い、光検出装置の光学部分の小型化が要求されている。特許文献1は、発光素子と受光素子を回路基板上に直接実装し、リードフレームを通し実装される部品(リード部品)を用いる構成に比べて両素子間の距離を短縮することによって小型化した光検出装置を開示している。発光素子と受光素子が直接実装された面と反対の面に、制御回路用部品、外部制御装置と接続するためのコネクタ及びその他の部品を実装することで、回路基板を小型化し、光検出装置を更に小型化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光検出装置は、中間転写ベルトの表面に焦点が合うように、光検出装置の回路基板が2つのネジによって固定部に固定される。回路基板は、長方形であり、回路基板の長手方向の両端部にネジ穴が設けられている。このため、回路基板を固定部に固定するときに、回路基板の向きを間違えて取りつけてしまう誤組みが発生することがある。回路基板の向きを間違えて固定部に固定すると、光検出装置が正しい位置でパターン画像を検出することができず、画像形成装置の誤動作及び誤検出が発生する。
【0006】
そこで、本発明は、光検出装置の向きを間違えて固定部に固定することを防止することができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例による画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体に形成されるパターン画像を検出する光検出装置と、
前記光検出装置を固定する固定部と、
を備え、
前記光検出装置は、
第一の位置決め穴および第二の位置決め穴が設けられた基板と、
前記基板の第一の面に設けられる発光素子および受光素子と、
前記基板の前記第一の面と反対の第二の面に設けられ、前記第一の位置決め穴と前記第二の位置決め穴との間の中心から前記第二の位置決め穴に片寄った位置に配置されたコネクタと、
を備え、
前記固定部は、
第一のネジ穴と、
第二のネジ穴と、
前記第一のネジ穴と前記第二のネジ穴の間の中心から前記第二のネジ穴に片寄った位置に設けられた貫通穴と、
を備え、
前記第一の位置決め穴が前記第一のネジ穴に整列され、前記第二の位置決め穴が前記第二のネジ穴に整列される第一の向きで前記光検出装置が前記固定部に載置された場合、前記コネクタが前記固定部に干渉せずに前記貫通穴に挿入されて前記光検出装置が前記固定部にネジによって固定されることができ、
前記第一の位置決め穴が前記第二のネジ穴に整列され、前記第二の位置決め穴が前記第一のネジ穴に整列される第二の向きで前記光検出装置が前記固定部に載置された場合、前記コネクタが前記固定部に干渉して前記コネクタが前記貫通穴に挿入されないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光検出装置の向きを間違えて固定部に固定することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図5】色ずれ検出パターン画像を検出したパターンセンサの出力波形を示す図。
【
図7】第一の濃度検出パターン画像を検出したパターンセンサの出力波形を示す図。
【
図8】第二の濃度検出パターン画像を検出したパターンセンサの出力波形を示す図。
【
図9】パターンセンサに実装されたハウジング及びコネクタの配置を示す図。
【
図10】比較例の固定部へのパターンセンサの取り付けの説明図。
【
図11】実施例1の固定部へのパターンセンサの取り付けの説明図。
【
図12】実施例2のパターンセンサに実装された部品の配置を示す図。
【
図13】実施例2の固定部へのパターンセンサの取り付けの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0011】
(画像形成装置)
図1は、画像形成装置100の断面図である。画像形成装置100は、電子写真方式を用いて複数色のトナーで用紙(シート)などの記録媒体Sにカラー画像を形成するプリンタである。画像形成装置100は、4つの画像形成部101(101Y、101M、101C、101K)を有する。画像形成部101Yは、イエロートナーを用いてイエロー画像を形成する。画像形成部101Mは、マゼンタトナーを用いてマゼンタ画像を形成する。画像形成部101Cは、シアントナーを用いてシアン画像を形成する。画像形成部101Kは、ブラックトナーを用いてブラック画像を形成する。参照符号の添字Y、M、CおよびKは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを示す。以下の説明において、特に必要でない場合、参照符号の添字Y、M、C、Kを省略することが有る。4つの画像形成部101は、現像剤(トナー)の色を除いて同一の構造を有する。
【0012】
画像形成部101は、感光体としての感光ドラム1を有する。感光ドラム1の周りには、帯電器8、光走査装置(レーザ書き込み部)15、現像器16、一次転写ローラ10及びドラムクリーニング装置9が配置されている。感光ドラム1の下方には、無端状の中間転写ベルト(像担持体)5が配置されている。中間転写ベルト5は、回転して移動方向R1に移動する。一次転写ローラ10は、中間転写ベルト5を介して感光ドラム1に対向して配置されている。一次転写ローラ10は、感光ドラム1上のトナー像を中間転写ベルト5へ転写する。二次転写ローラ4は、中間転写ベルト5を介してベルト支持ローラ3に対向して配置されている。二次転写ローラ4は、中間転写ベルト5上のトナー像を記録媒体Sへ転写する。
【0013】
画像形成装置100の下部には、用紙(シート)などの記録媒体Sを収容する給送カセット20が配置されている。記録媒体Sは、給送カセット20からピックアップローラ19によって繰り出され、給送ローラ22、搬送ローラ23及びレジストレーションローラ24によって二次転写ローラ4へ搬送される。記録媒体Sの搬送方向CDにおいて、二次転写ローラ4の下流には、搬送ベルト12及び定着装置13が配置されている。定着装置13は、トナー像を記録媒体Sに定着させる。
【0014】
次に、画像形成装置100の画像形成プロセスを説明する。4つの画像形成部101における画像形成プロセスは同一であるので、イエロートナー像を形成する画像形成部101Yにおける画像形成プロセスを説明する。マゼンタトナー像を形成する画像形成部101M、シアントナー像を形成する画像形成部101C及びブラックトナー像を形成する画像形成部101Kにおける画像形成プロセスの説明は、省略する。
【0015】
感光ドラム1Yは、
図1の矢印R2で示す方向に回転する。帯電器8Yは、感光ドラム1Yの表面を所定の電位に均一に帯電する。光走査装置15Yは、イエローの画像情報に従って変調されたレーザ光(光ビーム)を光源としての半導体レーザ(不図示)から出射して、均一に帯電された感光ドラム1Yの表面上に静電潜像を形成する。現像器16Yは、イエロートナー(現像剤)により静電潜像を現像してイエロートナー像にする。一次転写ローラ10Yは、感光ドラム1Y上のイエロートナー像を中間転写ベルト5上へ転写する。一次転写の後に感光ドラム1Y上に残ったトナーは、ドラムクリーニング装置9Yにより回収される。
【0016】
同様にして、画像形成部101Mにより形成されたマゼンタトナー像は、中間転写ベルト5上のイエロートナー像の上に精度よく重ねて転写される。以下、シアントナー像およびブラックトナー像が、中間転写ベルト5上のマゼンタトナー像の上に順次重ねて転写される。その結果、中間転写ベルト5上に4色のトナー像が順次重ね合わされてカラートナー像6が形成される。
【0017】
給送カセット20から搬送された記録媒体Sは、レジストレーションローラ24によって中間転写ベルト5上のカラートナー像6の先端と記録媒体Sの先端が一致するように二次転写ローラ4へ搬送される。中間転写ベルト5上のカラートナー像6は、二次転写ローラ4によって一括して記録媒体Sへ転写される。二次転写の後に中間転写ベルト5上に残ったトナーは、中間転写ベルトクリーナ14により回収される。トナー像が転写された記録媒体Sは、搬送ベルト12によって定着装置13へ搬送される。定着装置13は、記録媒体Sを加熱および加圧してトナー像を記録媒体Sへ定着させる。画像が形成された記録媒体Sは、定着出口ローラ26及び排出ローラ27によって画像形成装置100の外へ排出される。
【0018】
中間転写ベルト5上に形成されるカラートナー像6は、光走査装置15及び感光ドラム1の製造ばらつき、温度上昇による部品の変形及び中間転写ベルト5の搬送ばらつきによって色ずれが発生することがある。色ずれは、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像の形成位置がずれることによって生じる。色ずれは、中間転写ベルト5上に形成される色ずれ検出パターンをパターンセンサ(光学センサ)7によって検出して得られる検出結果に基づいて補正される。
【0019】
また、画像形成装置100が使用される環境の温湿度条件および各色の使用頻度によって画像濃度が変動する。画像濃度の変動によって、画像濃度が所定の濃度からずれる濃度ずれが生じる。濃度ずれは、中間転写ベルト5上に形成される濃度検出パターンをパターンセンサ7によって検出して得られる検出結果に基づいて、光走査装置15、現像器16及び感光ドラム1を制御することによって補正される。
【0020】
(パターンセンサ)
光検出装置としてのパターンセンサ7は、中間転写ベルト5の近傍に配置されている。パターンセンサ7は、固定部209にネジ208(
図11)によって固定されている。パターンセンサ7は、中間転写ベルト5の表面に焦点が合うようにパターンセンサ7と中間転写ベルト5との間の距離が所定の距離になるように画像形成装置100に固定部209によって固定される。パターンセンサ7は、所定のタイミングで中間転写ベルト5上に形成された各色の濃度検出パターン及び色ずれ検出パターンを検出する。パターンセンサ7の検出結果に基づいて、濃度補正及び色ずれ補正が行われる。
【0021】
図2は、パターンセンサ7の説明図である。パターンセンサ7は、回路基板(以下、基板という)201を有する。基板201の表面(第一の面)201aには、受光素子としての第一のフォトダイオード(以下、第一のPDという)71及び第二のフォトダイオード(以下、第二のPDという)72が設けられている。基板201の表面201aには、更に、発光素子としての第一の発光ダイオード(以下、第一のLEDという)73及び第二の発光ダイオード(以下、第二のLEDという)74が設けられている。第一のPD71、第二のPD72、第一のLED73及び第二のLED74は、表面実装型素子であり、一つの基板201に配置されている。
【0022】
基板201の表面201aには、第一のPD71、第二のPD72、第一のLED73及び第二のLED74を覆うハウジング203が取り付けられている。ハウジング203には、複数のレンズ204a、204b、204c及び204dを含むレンズ群204が設けられている。レンズ204a、204b、204c及び204dは、第一のPD71、第二のPD72、第一のLED73及び第二のLED74の近傍にそれぞれ配置されている。ハウジング203には、レンズ204a、204b、204c及び204dと第一のPD71、第二のPD72、第一のLED73及び第二のLED74の間にそれぞれ導光路が設けられている。
【0023】
正反射光用発光部としての第一のLED73から出射された光は、ハウジング203内の導光路及びレンズ204cを通り光軸(
図2中点線)の方向に進み、中間転写ベルト5上に照射される。中間転写ベルト5によって正反射された正反射光は、レンズ204a及びハウジング203内の導光路を通って正反射光用受光部(正反射色ずれ検出受光部、正反射濃度検出受光部)としての第一のPD71へ入射する。
図2に示すように第一のLED73及び第一のPD71は、中間転写ベルト5に対する第一のLED73からの光の入射角と反射角が等しくなるような位置に配置されている。第一のPD71は、第一のLED73から中間転写ベルト5へ出射されて中間転写ベルト5によって反射された光のうちの正反射光を受光する受光手段として機能する。
【0024】
一方、乱反射光用発光部としての第二のLED74から出射された光は、ハウジング203内の導光路及びレンズ204dを通り光軸(
図2中実線)の方向に進み、中間転写ベルト5上に照射される。中間転写ベルト5によって乱反射された乱反射光は、レンズ204b及びハウジング203内の導光路を通って乱反射光用受光部(乱反射濃度検知受光部)としての第二のPD72へ入射する。
図2に示すように第二のLED74及び第二のPD72は、中間転写ベルト5に対する第二のLED74からの光の入射角と乱反射光の反射角が等しくならないような位置に配置されている。第二のPD72は、第二のLED74から中間転写ベルト5へ出射されて中間転写ベルト5によって反射された光のうちの乱反射光を受光する受光手段として機能する。
【0025】
基板201の表面201aとは反対の裏面(第二の面)201bには、コネクタ205、制御集積回路(以下、制御ICという)207及びその他の実装部品206が設けられている。制御IC207は、集積回路であるコアチップが基板201にチップオンボード工法によってワイヤーボンディングで接続されている。コアチップ及びワイヤーボンディングを保護するために、制御IC207には封止樹脂が塗布されている。制御IC207は、光学素子である第一のPD71、第二のPD72、第一のLED73及び第二のLED74の動作を制御する。
【0026】
パターンセンサ7のコネクタ205は、ケーブル300のコネクタ301に接続される。パターンセンサ7は、コネクタ205に接続されたケーブル300を介して画像形成装置100の全体を制御するCPU109(
図3)と電気的に接続される。制御IC207は、CPU109と通信し、第一のLED73及び第二のLED74の発光光量を制御する。その他の実装部品206は、例えば、制御IC207へ供給される電源を安定させるためのコンデンサを含む。基板201は、パターンセンサ7を画像形成装置100に設けられる固定部209に固定するネジ208(
図11)を通す開口である第一の位置決め穴202a及び第二の位置決め穴202bが設けられている。
【0027】
(画像形成装置の電気的構成)
図3は、画像形成装置100の電気的構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、制御手段としてのCPU109、ROM111及び画像形成制御部120を有する。ケーブル300は、パターンセンサ7とCPU109を電気的に接続する。ケーブル300は、信号線を含む。CPU109は、制御IC207へ第一の発光信号L1及び第二の発光信号L2を出力することによってパターンセンサ7の第一のLED73及び第二のLED74の点灯を制御する。パターンセンサ7は、中間転写ベルト5又は中間転写ベルト5上に形成されたトナーパターンからの反射光を受光する第一のPD71及び第二のPD72の受光量をそれぞれ電圧へ変換して第一の検出信号P1及び第二の検出信号P2として出力する。第一の検出信号P1及び第二の検出信号P2は、CPU109に内蔵されたアナログデジタル変換器(以下、A/Dコンバータという)110によってアナログ信号からデジタル信号へ変換されてCPU109内に入力される。
【0028】
画像形成制御部120は、光走査装置制御部112、現像器制御部113、感光ドラム制御部114及び中間転写ベルト制御部115を有する。光走査装置制御部112は、光走査装置15を制御する。現像器制御部113は、現像器16を制御する。感光ドラム制御部114は、感光ドラム1を制御する。中間転写ベルト制御部115は、中間転写ベルト5を制御する。CPU109は、光走査装置制御部112、現像器制御部113、感光ドラム制御部114、中間転写ベルト制御部115及びROM111に電気的に接続されている。
【0029】
CPU109は、各種命令に従って画像形成装置100の全体を制御する。CPU109は、ROM111に保存されたプログラムに従って画像形成動作を実行する。CPU109は、画像形成制御部120によって、光走査装置15、現像器16、感光ドラム1及び中間転写ベルト5を制御し、トナー像を中間転写ベルト5上に形成する。また、CPU109は、ROM111に保存されたトナー濃度検出用画像データに従って、中間転写ベルト5上にトナー濃度検出用トナーパターン(以下、濃度検出パターン画像という)を形成する。また、CPU109は、ROM111に保存された色ずれ検出用画像データに従って、中間転写ベルト5上に色ずれ検出用トナーパターン(以下、色ずれ検出パターン画像という)を形成する。
【0030】
色ずれ量を検出するとき、CPU109は、パターンセンサ7の第一のLED73を点灯する。第一のLED73は、中間転写ベルト5及び中間転写ベルト5上に形成された色ずれ検出パターン画像を照明する。第一のPD71は、中間転写ベルト5及び中間転写ベルト5上に形成された色ずれ検出パターン画像からの反射光を受光し、第一の検出信号P1をA/Dコンバータ110へ出力する。A/Dコンバータ110は、第一の検出信号P1をアナログ信号からデジタル信号(デジタル値)へ変換する。CPU109は、第一の検出信号P1のデジタル信号から色ずれ量を検出する。CPU109は、色ずれ量(検出結果)に基づいて、色ずれ量の補正量を算出する。CPU109は、算出された補正量に基づいて、色ずれ量を補正する。
【0031】
トナー濃度を検出するとき、CPU109は、パターンセンサ7の第一のLED73及び第二のLED74を点灯する。第一のLED73及び第二のLED74は、中間転写ベルト5及び中間転写ベルト5上に形成された濃度検出パターン画像を照明する。第一のPD71及び第二のPD72は、中間転写ベルト5及び中間転写ベルト5上に形成された濃度検出パターン画像からの反射光を受光し、第一の検出信号P1及び第二の検出信号P2をA/Dコンバータ110へ出力する。A/Dコンバータ110は、第一の検出信号P1及び第二の検出信号P2をアナログ信号からデジタル信号(デジタル値)へ変換する。CPU109は、第一の検出信号P1及び第二の検出信号P2のデジタル信号からトナー濃度のレベルを検出する。CPU109は、トナー濃度のレベル(検出結果)に基づいて、トナー濃度の補正量を算出する。CPU109は、算出された補正量に基づいて、トナー濃度を補正する。
【0032】
(色ずれ検出パターン画像)
次に、CPU109が色ずれ量検出を実行する際に中間転写ベルト5上に形成する色ずれ検出パターン画像を説明する。
図4は、色ずれ検出パターン画像401を示す図である。
図4は、色ずれ検出パターン画像401を示す図である。色ずれ検出パターン画像401は、二組のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナーパターンを含む。一組のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナーパターンは、中間転写ベルト5の移動方向R1に対いて45°傾いている。別の一組のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナーパターンは、中間転写ベルト5の移動方向R1に対いて-45°傾いている。
【0033】
図5は、色ずれ検出パターン画像401を検出したパターンセンサ7の出力波形を示す図である。中間転写ベルト5の下地部が見えている非パターン部NPは、中間転写ベルト5の表面の反射率が高いので、正反射光を受光する第一のPD71から出力される第一の検出信号P1の読み取りレベルが高い。一方、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のパターン画像が形成されたパターン形成領域は、トナーによって反射率が低くなるので、正反射光を受光する第一のPD71から出力される第一の検出信号P1の読み取りレベルが低い。よって、
図5に示すように、閾値信号を用いてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナーパターンの位置を検出することによって色ずれ量を検出することができる。CPU109は、検出された色ずれ量に基づいて、光走査装置制御部112によって光走査装置15の書き込みタイミングを制御することによって色ずれを補正する。
【0034】
次に、CPU109が濃度検出を実行する際に中間転写ベルト5上に形成する濃度検出パターン画像を説明する。
図6は、濃度検出パターン画像を示す図である。
図6(a)は、トナー濃度検出のために中間転写ベルト5上に形成される第一の濃度検出パターン画像601を示す図である。第一の濃度検出パターン画像601は、第一のLED73から出射された光の正反射光を第一のPD71が受光するために用いられる。第一の濃度検出パターン画像601は、ブラック(K)トナーによって形成され、ブラック(K)トナー濃度検出を実行する際に用いられる。ブラック(K)は、光を吸収する性質があり、乱反射光では検出できないため正反射光を受光する第一のPD71の検出結果を用いてトナー濃度検出を行う。
【0035】
図6(a)に示す第一の濃度検出パターン画像601は、高濃度から順に70%、50%、30%及び10%の4つの階調パターンで形成されている。CPU109は、中間転写ベルト5上に形成された第一の濃度検出パターン画像601をパターンセンサ7によって読み取り、第一のPD71から第一の検出信号P1を得る。CPU109は、第一の検出信号P1をA/Dコンバータ110によってデジタル信号へ変換し、デジタル信号の値と実際に出力すべき画像濃度階調特性との差を演算し、演算結果に基づいて画像形成制御部120を制御することによって濃度補正を行う。
【0036】
図7は、第一の濃度検出パターン画像601を検出したパターンセンサ7の出力波形を示す図である。高濃度である70%部では、第一のLED73からの光がブラック(K)トナーによって光が吸収され、また、ブラック(K)トナーのトナー載り量が多いので中間転写ベルト5からの正反射光も減る。したがって、高濃度である70%部の読み取りレベルは、低い。一方、低濃度である10%部では、ブラック(K)トナーによる光吸収量が70%部の光吸収量より低く、また、ブラック(K)トナーのトナー載り量が少ないので中間転写ベルト5からの正反射光が増える。したがって、低濃度である10%部の読み取りレベルは、高い。非パターン部NPでは、第一の濃度検出パターン画像601が形成されておらず中間転写ベルト5からの正反射光が多いので、読み取りレベルが高い。
【0037】
図6(b)は、トナー濃度検出のために中間転写ベルト5上に形成される第二の濃度検出パターン画像602を示す図である。第二の濃度検出パターン画像602は、第二のLED74から出射された光の乱反射光を第二のPD72によって受光するために、用いられる。第二の濃度検出パターン画像602は、イエロー(Y)トナー、マゼンタ(M)トナー及びシアン(C)トナーによって形成され、イエロー(Y)トナー濃度検出、マゼンタ(M)トナー濃度検出及びシアン(C)トナー濃度検出を実行する際に用いられる。
図6(b)は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)のうちの一色分のトナーによって形成された第二の濃度検出パターン画像602を示す。イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)は、中間転写ベルト5よりも乱反射率が高いので、乱反射光を受光する第二のPD72の検出結果を用いてトナー濃度検出を行う。
【0038】
図6(b)に示す第二の濃度検出パターン画像602は、高濃度から順に70%、50%、30%及び10%の4つの階調パターンで形成されている。CPU109は、中間転写ベルト5上に形成された第二の濃度検出パターン画像602をパターンセンサ7によって読み取り、第二のPD72から第二の検出信号P2を得る。CPU109は、第二の検出信号P2をA/Dコンバータ110によってデジタル信号へ変換し、デジタル信号の値と実際に出力すべき画像濃度階調特性との差を演算し、演算結果に基づいて画像形成制御部120を制御することによって濃度補正を行う。
【0039】
図8は、第二の濃度検出パターン画像602を検出したパターンセンサ7の出力波形を示す図である。第二の濃度検出パターン画像602がイエロー(Y)トナーで形成されている場合を説明する。高濃度である70%部では、第二のLED74からの光がイエロー(Y)トナーによって反射され、また、イエロー(Y)トナーのトナー載り量が多いのでイエロー(Y)トナーからの乱反射光も増える。したがって、高濃度である70%部の読み取りレベルは、高い。一方、低濃度である10%部では、イエロー(Y)トナーによる反射が70%部の反射率より低いので、乱反射光が減る。したがって、低濃度である10%部の読み取りレベルは、低い。非パターン部NPでは、第二の濃度検出パターン画像602が形成されておらず中間転写ベルト5からの乱反射光が少ないので、読み取りレベルが低い。マゼンタ(M)トナー及びシアン(C)トナーの濃度検出も、イエロー(Y)トナーのトナー濃度検出と同様に実行される。
【0040】
(パターンセンサに実装されている部品の配置)
次に、
図9を用いて、パターンセンサ7に実装されている部品の配置を説明する。
図9は、パターンセンサ7に実装されたハウジング203及びコネクタ205の配置を示す図である。
図9(a)は、パターンセンサ7の基板201の表面201aを示す図である。基板201の表面201aには、ハウジング203が配置されている。
図9(b)は、基板201の裏面201bを示す図である。基板201の裏面201bには、コネクタ205が配置されている。
図9(c)は、パターンセンサ7の側面を示す図である。
【0041】
基板201には、基板201の長手方向LDの両端部に第一の位置決め穴202aと第二の位置決め穴202bがそれぞれ設けられている。第一の位置決め穴202aと第二の位置決め穴202bは、それぞれ基板201の長手方向LDの中心211から距離Lに位置する。すなわち、中心211は、基板201の長手方向LDにおいて、第一の位置決め穴202aと第二の位置決め穴202bとの間の中心である。基板201の表面201aには、ハウジング203が配置されている。基板201の裏面201bには、コネクタ205が配置されている。コネクタ205は、基板201の長手方向LDの中心211に対して非対称位置に配置されている。本実施例においては、コネクタ205は、中心211から第二の位置決め穴202bに片寄った位置に配置されている。
【0042】
(比較例の固定部)
パターンセンサ7は、固定部209(
図1)を介して画像形成装置100に固定される。実施例1の固定部209(
図1)を説明する前に、
図10を用いて、比較例の固定部1209を説明する。
図10は、比較例の固定部1209へのパターンセンサ7の取り付けの説明図である。パターンセンサ7は、基板201の両面に部品が実装されているので、パターンセンサ7を固定部1209に固定するために、固定部1209には開口部1210が設けられている。
【0043】
図10(a)は、パターンセンサ7が正しい向きで取り付けられた固定部1209の断面図である。
図10(b)は、
図10(a)の矢印XBで示す方向に見た固定部1209を示す図である。コネクタ205は、開口部1210に挿入され、基板201の中心211に対して右側に片寄って配置されている。基板201の第一の位置決め穴202a及び第二の位置決め穴202bは、固定部1209の第一のネジ穴1209a及び第二のネジ穴1209bにそれぞれ整列され、パターンセンサ7は、ネジ208によって固定部1209に固定される。
【0044】
図10(c)は、パターンセンサ7が逆の向きで取り付けられた固定部1209の断面図である。
図10(d)は、
図10(c)の矢印XDで示す方向に見た固定部1209を示す図である。コネクタ205は、開口部1210に挿入され、基板201の中心211に対して片寄っている。基板201の第一の位置決め穴202a及び第二の位置決め穴202bは、固定部1209の第二のネジ穴1209b及び第一のネジ穴1209aにそれぞれ整列され、パターンセンサ7は、ネジ208によって固定部1209に固定される。このように、基板201は、比較例の固定部1209に誤った向きでも固定されてしまう。
【0045】
図10に示した比較例の固定部1209は、基板201の第一の位置決め穴202a及び第二の位置決め穴202bを支える部分以外の部分を貫通する比較的大きな開口部1210が設けられている。
図10に示すように、基板201の中心211を対称に基板201の長手方向LDの左右どちらの向きでもパターンセンサ7を固定部1209に取り付けることができる。したがって、パターンセンサ7の向きを間違えて固定部1209に固定することが可能となってしまう。パターンセンサ7の向きを間違えて固定部1209に固定した場合、検査工程でパターンセンサ7に電気的な接続をして第一のLED73又は第二のLED74を発光させて検査するまで間違って組付けたことに気づくことができない。そのため、組み立て工程及び検査工程での戻り作業が発生し、組み立ての生産性が低下するという課題がある。
【0046】
(実施例1の固定部)
比較例の固定部1209の課題を解決するために、実施例1の固定部209は、以下の構成を有する。
図11は、実施例1の固定部209へのパターンセンサ7の取り付けの説明図である。
図11(a)は、パターンセンサ7が正しい向きで取り付けられた固定部209の断面図である。
図11(b)は、
図11(a)の矢印XIBで示す方向に見た固定部209を示す図である。パターンセンサ7を固定部209に固定するために、固定部209には開口部(貫通穴)210が設けられている。なお、
図9、
図10及び
図11において、パターンセンサ7の制御IC207及びその他の実装部品206は図示が省略されているが、制御IC207及びその他の実装部品206は、コネクタ205と同様に開口部210に挿入される位置に配置されている。
【0047】
固定部209は、基板201の第一の位置決め穴202aが設けられた端部(部分)を支持する支持部209eから基板201の中心211へ向かってコネクタ205と干渉しない位置まで延在している延長部209cが設けられている。延長部209cは、固定部209と一体に形成されている。しかし、延長部209cは、固定部209と別体に形成されていてもよい。延長部209cの部材は、支持部209eの部材と異なっていてもよい。また、第一の位置決め穴202aが固定部209の第一のネジ穴209aに整列され、第二の位置決め穴202bが固定部209の第二のネジ穴209bに整列される第一の向きでパターンセンサ7が固定部209に載置される。パターンセンサ7が第一の向きで固定部209に載置される場合、コネクタ205が延長部209cに干渉されずに開口部210に挿入され、基板201の中心211に対して右側に片寄って配置されている。ネジ208が第一の位置決め穴202aを通して第一のネジ穴209aに螺合され、ネジ208が第二の位置決め穴202bを通して第二のネジ穴209bに螺合されて、パターンセンサ7は、固定部209に固定される。なお、固定部209は、樹脂材料でも板金などの金属材料でつくられていてもよい。
【0048】
図11(c)は、パターンセンサ7が反対の向きで取り付けられようとしている固定部209の断面図である。
図11(d)は、
図11(c)の矢印XIDで示す方向に見た固定部209を示す図である。第一の位置決め穴202aが固定部209の第二のネジ穴209bに整列され、第二の位置決め穴202bが固定部209の第一のネジ穴209aに整列される第二の向きでパターンセンサ7が固定部209に載置される。パターンセンサ7が誤った向きで固定部209に取り付けられようとすると、コネクタ205は、開口部210の縁部の一部を形成する延長部209cに物理的に干渉する。これは、開口部210及びコネクタ205が基板201の長手方向LDにおける中心211に対してそれぞれ非対称に配置されているからである。パターンセンサ7が第二の向きで固定部209に載置される場合、コネクタ205が延長部209cに干渉されて開口部210に挿入されることができない。基板201の第一の位置決め穴202a及び第二の位置決め穴202bを固定部209の第二のネジ穴209b及び第一のネジ穴209aにそれぞれ整列してネジ208で固定しようとしても、コネクタ205が延長部209cに干渉するので固定できない。これによって、作業者は、固定部209に対するパターンセンサ7の向きが誤っていることに気づくことができる。
【0049】
実施例1によれば、パターンセンサ7の向きを間違えて固定部209に固定することを防止できる。実施例1によれば、パターンセンサ7の向きが間違っているために正しい検出ができずに画像形成装置100の誤動作及び誤検出が発生することを回避することができる。よって、パターンセンサ7の固定部209への誤組みによるやり直し作業の発生による無駄時間を防止し、生産性を向上することができる。
【実施例2】
【0050】
以下、実施例2を説明する。実施例2において、実施例1と同様の構造には同様の参照符号を付して説明を省略する。実施例2の画像形成装置100及び画像形成装置100の電気的構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。実施例2のパターンセンサ17は、実施例1のパターンセンサ7と部品の機能は同様であるが、配置が異なる。また、実施例2の固定部219は、実施例1の固定部209と異なる。以下、異なる点を主に説明する。
【0051】
(パターンセンサに実装されている部品の配置)
次に、
図12を用いて、パターンセンサ17に実装されている部品の配置を説明する。
図12は、実施例2のパターンセンサ17に実装された部品の配置を示す図である。
図12(a)は、パターンセンサ17の基板201の表面201aを示す図である。
図12(b)は、基板201の裏面201bを示す図である。
図12(c)は、パターンセンサ17の側面を示す図である。
【0052】
基板201には、基板201の長手方向LDの両端部に第一の位置決め穴202aと第二の位置決め穴202bがそれぞれ設けられている。第一の位置決め穴202aと第二の位置決め穴202bは、それぞれ基板201の長手方向LDの中心211から距離Lに位置する。すなわち、中心211は、基板201の長手方向LDにおいて、第一の位置決め穴202aと第二の位置決め穴202bとの間の中心である。基板201の表面201aには、ハウジング203が配置されている。基板201の裏面201bには、コネクタ205、制御IC207及びその他の実装部品206が配置されている。コネクタ205は、基板201の長手方向LDの中心211に対して非対称位置に配置されている。本実施例においては、コネクタ205は、中心211から第二の位置決め穴202bに片寄った位置に配置されている。
【0053】
制御IC207及びその他の実装部品206は、コネクタ205が配置されている裏面201bと同一面に実装されている。
図12に示すパターンセンサ17では、中心211に対して制御IC207がコネクタ205と反対側(
図12(b)の左側)に配置されている。実施例2のパターンセンサ17を実施例1の
図11に示す固定部209に組み込もうとすると、制御IC207が延長部209cと干渉して制御IC207が破損するおそれがある。なお、その他の実装部品206が中心211に対してコネクタ205と反対側(
図12(b)の左側)に配置されている場合も、同様に、その他の実装部品206が延長部209cと干渉してその他の実装部品206が破損するおそれがある。そこで、実施例2では、実施例1の固定部209の延長部209cを制御IC207又はその他の実装部品206と干渉しない高さに下げ、且つ、下げる量は、コネクタ205の高さ以下とする。
【0054】
(実施例2の固定部)
図13は、実施例2の固定部219へのパターンセンサ17の取り付けの説明図である。
図13(a)は、パターンセンサ17が正しい向きで取り付けられた固定部219の断面図である。
図13(b)は、
図13(a)の矢印XIIIBで示す方向に見た固定部219を示す図である。パターンセンサ17を固定部219に固定するために、固定部219には開口部(貫通穴)210が設けられている。
【0055】
固定部219は、基板201の第一の位置決め穴202aが設けられた端部を支持する支持部219eから基板201の中心211へ向かってコネクタ205と干渉しない位置まで延在する延長部219cが設けられている。延長部219cは、固定部219と一体に形成されている。しかし、延長部219cは、固定部219と別体に形成されていてもよい。延長部219cの部材は、支持部219eと別部材で形成されていてもよい。延長部219cには、基板201に設けられた制御IC207が延長部219cと干渉しないように、制御IC207を受け入れる凹部219dが設けられている。凹部219dの深さh(支持部219eの支持面からの下がり量)は、コネクタ205の高さHより小さい(h<H)。コネクタ205は、開口部210に挿入され、基板201の中心211に対して右側に片寄って配置されている。制御IC207は、凹部219dに受け入れられ、基板201の中心211に対して左側に片寄って配置されている。基板201の第一の位置決め穴202a及び第二の位置決め穴202bは、固定部219の第一のネジ穴219a及び第二のネジ穴219bにそれぞれ整列され、パターンセンサ7は、ネジ208によって固定部219に固定される。なお、固定部219は、樹脂材料でも板金などの金属材料でつくられていてもよい。
【0056】
図13(c)は、パターンセンサ17が逆の向きで取り付けられようとしている固定部219の断面図である。
図13(d)は、
図13(c)の矢印XIIIDで示す方向に見た固定部219を示す図である。パターンセンサ17が誤った向きで固定部219に取り付けられようとすると、コネクタ205は、延長部219cに形成された凹部219dに物理的に干渉する。これは、開口部210及びコネクタ205が基板201の長手方向LDにおける中心211に対してそれぞれ非対称に配置されており、且つ、凹部219dの深さhがコネクタ205の高さHより小さいからである。基板201の第一の位置決め穴202a及び第二の位置決め穴202bを固定部219の第二のネジ穴219b及び第一のネジ穴219aにそれぞれ整列してネジ208で固定しようとしても、コネクタ205が凹部219dに干渉するので固定できない。これによって、作業者は、固定部219に対するパターンセンサ17の向きが誤っていることに気づくことができる。
【0057】
実施例2によれば、パターンセンサ17の向きを間違えて固定部219に固定することを防止できる。実施例2によれば、パターンセンサ17の向きが間違っているために正しい検出ができずに画像形成装置100の誤動作及び誤検出が発生することを回避することができる。よって、パターンセンサ17の固定部219への誤組みによるやり直し作業の発生による無駄時間を防止し、生産性を向上することができる。
【0058】
実施例1及び実施例2において、パターンセンサ7及び17は、中間転写ベルト5の近傍に配置され、中間転写ベルト5上に形成されたパターン画像を検出する。しかし、パターンセンサ(光学センサ)7及び17は、感光ドラム(像担持体)1の近傍に配置され、感光ドラム1上に形成されたパターン画像を検出してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1・・・感光ドラム
5・・・中間転写ベルト
7、17・・・パターンセンサ
71・・・第一のPD
72・・・第二のPD
73・・・第一のLED
74・・・第二のLED
100・・・画像形成装置
201・・・基板
201a・・・第一の面
201b・・・第二の面
202a・・・第一の位置決め穴
202b・・・第二の位置決め穴
205・・・コネクタ
208・・・ネジ
209、219・・・固定部
209a、219a・・・第一のネジ穴
209b、219b・・・第二のネジ穴
209c、219c・・・延長部
209e、219e・・・支持部
210・・・開口部
211・・・中心