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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】電子機器および制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20240306BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20240306BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20240306BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240306BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240306BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240306BHJP
   H04N 23/65 20230101ALI20240306BHJP
【FI】
H02J7/02 G
G03B17/02
G03B17/56 Z
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H02J7/00 302C
H04N23/65
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020080692
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021175353
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 翔
(72)【発明者】
【氏名】稲井 健人
(72)【発明者】
【氏名】森友 広志
(72)【発明者】
【氏名】林 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】青柳 茂夫
(72)【発明者】
【氏名】公文 さやか
(72)【発明者】
【氏名】出岡 大和
(72)【発明者】
【氏名】松尾 英
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/159113(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0137253(US,A1)
【文献】特開2020-058104(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0106291(US,A1)
【文献】特開2006-129045(JP,A)
【文献】特開2003-344919(JP,A)
【文献】特開2007-165960(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0175731(US,A1)
【文献】特開2008-170884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
G03B 17/02
G03B 17/56
H01M 10/44
H01M 10/48
H02J 7/00
H04N 23/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電池および第2の電池が接続された他の電子機器と接続可能な電子機器であって、
前記他の電子機器と接続するための接続手段と、
前記接続手段により接続されている前記他の電子機器の前記第1の電池および前記第2の電池からの電力の供給と前記第1の電池および前記第2の電池への充電の制御を行う制御手段と
を有し、
前記制御手段は、前記第1の電池前記第2の電池のうちの一方を充電しない場合には、前記第1の電池から前記電子機器に電力を供給する電力供給路を形成するとともに、前記第2の電池から前記他の電子機器の所定の機能部に電力を供給する電力供給路を形成するように制御し、
前記第1の電池前記第2の電池のうちの前記一方を充電する場合には、前記第2の電池から前記所定の機能部への電力供給路を切断し、前記電子機器から前記第1の電池前記第2の電池のうちの前記一方に電力を供給する電力供給路を形成するように制御することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の電池と前記電子機器との間の電力供給路を接続または切断する第1のスイッチと、前記第2の電池と前記所定の機能部と間の電力供給路を接続または切断する第2のスイッチと、前記第2の電池と前記電子機器との間の電力供給路を接続または切断する第3のスイッチと、を制御することが可能であり、
前記第1の電池前記第2の電池のうちの前記一方を充電しない場合には、前記第1のスイッチを制御して前記第1の電池から前記電子機器に電力を供給する電力供給経路を接続し、前記第2のスイッチを制御して前記第2の電池から前記所定の機能部に電力を供給する電力供給経路を接続し、
前記第1の電池前記第2の電池のうちの前記一方を充電する場合には、前記第2のスイッチを制御して前記第2の電池から前記所定の機能部への電力供給経路切断し、前記第1のスイッチと前記第3のスイッチのうちの一方を制御して前記第1の電池前記第2の電池のうちの前記一方前記電子機器から電力を供給する電力供給経路を接続することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、前記電子機器の電源がオンされた状態において、前記所定の機能部を起動する場合には、前記第2の電池から前記所定の機能部への電力供給路を接続するように前記第2のスイッチを制御し、
前記所定の機能部を起動しない場合には、前記第2の電池から前記所定の機能部への電力供給路を切断するように前記第2のスイッチを制御することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記電子機器に接続されている給電機器から供給される電力を用いて前記第1の電池前記第2の電池のうちの前記一方を充電し、
前記第1の電池前記第2の電池のうちの前記一方を充電する場合には、前記第1の電池と前記第2の電池を充電する順序を判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御手段は、ユーザ操作に応じた設定に基づいて、前記第1の電池と前記第2の電池を充電する順序を判定することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第1の電池の残量と前記第2の電池の残量を比較し、前記残量が少ない方の電池の充電を優先することを特徴とする請求項4または5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第1の電池の残量、前記第2の電池の残量、および、前記第1の電池または前記第2の電池の電力供給先を示す情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記他の電子機器はバッテリグリップであり、
前記電子機器は第3の電池を接続するための電池ホルダを有し、
前記他の電子機器は、前記電池ホルダに前記第3の電池が接続されない場合に前記電池ホルダに接続可能であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記所定の機能部は、外部と無線通信を行う機能を有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記制御手段は、前記第2の電池を充電しない場合には、前記第1の電池と前記電子機器との間の電力供給路を形成するとともに、前記第2の電池と前記所定の機能部との間の電力供給路を形成するように制御し、
前記第2の電池を充電する場合には、前記第2の電池と前記所定の機能部との間の電力供給路を切断し、前記第2の電池と前記電子機器との間の電力供給路を形成するように制御することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
第1の電池および第2の電池が接続された他の電子機器と接続可能な電子機器の制御方法であって
前記電子機器は、
前記他の電子機器と接続するための接続手段と、
前記接続手段により接続されている前記他の電子機器の前記第1の電池および前記第2の電池からの電力の供給と前記第1の電池および前記第2の電池への充電の制御を行う制御手段と
を有し、
前記制御方法は、
前記第1の電池前記第2の電池のうちの一方を充電しない場合には、前記第1の電池から前記電子機器に電力を供給する電力供給路を形成するとともに、前記第2の電池から前記他の電子機器の所定の機能部に電力を供給する電力供給路を形成するように制御し、
前記第1の電池前記第2の電池のうちの前記一方を充電する場合には、前記第2の電池から前記所定の機能部への電力供給路を切断し、前記電子機器から前記第1の電池前記第2の電池のうちの前記一方に電力を供給する電力供給路を形成するように制御するステップを有することを特徴とする電子機器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の電子機器に接続されている複数の電池の充放電を制御する電子機器および制御方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン等の電子機器の電池電源としてリチウムイオン電池等の充電可能な電池が使用されている。これらの電子機器は、電池を接続した状態で商用AC電源または外部機器から供給される電力を用いて電池の充電をすることができる。また、電子機器同士を接続するインターフェース規格の1つであるUSB(Universal Serial Bus)規格では、電力供給を行うことが可能であり、電子機器に接続されている電池を充電することができる。
【0003】
また、USB規格により電池の充電が可能なデジタルカメラ等の電子機器に装着可能なアクセサリ装置がある。アクセサリ装置には、例えば、複数の電池を接続可能であって、撮影時にカメラのグリップとして機能するバッテリグリップ、外部機器と通信する機能を有するWFT(Wireless File Transmitter)等がある。そして、特許文献1には、アクセサリ装置に接続されている複数の電池の充電制御方法として、電池が放電状態か充電状態かに応じて電池への電力供給路を切り替える方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-87953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、アクセサリ装置の複数の電池を、アクセサリ装置が接続されているデジタルカメラ等により充電することは行っていない。また、特許文献1において、アクセサリ装置の複数の電池をデジタルカメラにより充電しようとした場合、電池ごとに電力供給路を設ける必要があり、電池の数だけアクセサリ装置に接続するための接続端子の数あるいは充電制御回路の数が増加してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、回路規模を増大することなく、他の電子機器に接続されている複数の電池の充放電を制御できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子機器は、第1の電池および第2の電池が接続された他の電子機器と接続可能な電子機器であって、前記他の電子機器と接続するための接続手段と、前記接続手段により接続されている前記他の電子機器の前記第1の電池および前記第2の電池からの電力の供給と前記第1の電池および前記第2の電池への充電の制御を行う制御手段とを有し、前記制御手段は、前記第1の電池前記第2の電池のうちの一方を充電しない場合には、前記第1の電池から前記電子機器に電力を供給する電力供給路を形成するとともに、前記第2の電池から前記他の電子機器の所定の機能部に電力を供給する電力供給路を形成するように制御し、前記第1の電池前記第2の電池のうちの前記一方を充電する場合には、前記第2の電池から前記所定の機能部への電力供給路を切断し、前記電子機器から前記第1の電池前記第2の電池のうちの前記一方に電力を供給する電力供給路を形成するように制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、回路規模を増大することなく、他の電子機器に接続されている複数の電池の充放電を制御できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1における電子機器100およびアクセサリ装置200の外観図。
図2A】実施形態1における電子機器100およびアクセサリ装置200の構成要素の一例を説明するためのブロック図。
図2B】実施形態1における電子機器100およびアクセサリ装置200の構成要素の一例を説明するためのブロック図。
図2C】実施形態1における電子機器100およびアクセサリ装置200の構成要素の一例を説明するためのブロック図。
図2D】実施形態1における電子機器100およびアクセサリ装置200の構成要素の一例を説明するためのブロック図。
図3】実施形態1における電子機器100を経由してアクセサリ装置200に接続されている複数の電池203、204の充放電を制御する処理の一例を説明するためのフローチャート。
図4】実施形態1における複数の電池203、204の充電順序判定処理の一例を説明するためのフローチャート。
図5】実施形態1における複数の電池203、204の充電順序設定例を示す図。
図6】実施形態1における複数の電池203、204の残量表示例を示す図。
図7】実施形態2における電子機器100を経由してアクセサリ装置200に接続されている複数の電池203、204の充放電を制御する処理の一例を説明するためのフローチャート。
図8】実施形態3における電子機器100を経由してアクセサリ装置200に接続されている複数の電池203、204の充放電を制御する処理の一例を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
[実施形態1]まず、図1図6を参照して、実施形態1について説明する。
【0012】
実施形態1では、電子機器100を経由してアクセサリ装置200に接続されている複数の電池203、204の充放電を制御する例について説明する。
【0013】
図1(a)および図1(b)は、実施形態1における電子機器100およびアクセサリ装置200の外観図である。電子機器100は、例えば、画像を撮像するデジタルカメラとして動作する撮像装置である。アクセサリ装置200は、例えば、WFT(Wireless File Transmitter)として動作する他の電子機器である。なお、アクセサリ装置200は、WFT(Wireless File Transmitter)に限らず、バッテリグリップとしての機能を有する機器であってもよい。
【0014】
図1(a)は、電子機器100にアクセサリ装置200を接続していない場合における電子機器100と外部機器300との接続状態の一例を示す図である。
【0015】
電子機器100は、第1の電池ホルダ106に第3の電池107を接続することができる。第3の電池107は、リチウムイオン電池等の充電可能な電池である。
【0016】
電子機器100は、第1のコネクタ101(レセプタクル)を有し、外部機器300を接続することで、電子機器100への給電あるいは給電時の余剰電力を使用して第3の電池107の充電が可能である。
【0017】
外部機器300は、プラグ形状のUSBコネクタである第2のコネクタ302を有し、電子機器100に外部から電力を供給する給電機器である。電源プラグ301は商用AC電源303に接続され、外部機器300でDC電源に変換され、第2のコネクタ302から電力供給される。電子機器100は、外部機器300が供給される電圧および電流を不図示の通信線の電圧レベルやデータ通信により知ることができる。
【0018】
図1(b)は、電子機器100にアクセサリ装置200を接続した場合における電子機器100と外部機器300との接続状態の一例を示す図である。
【0019】
アクセサリ装置200は、第1の電池203、第2の電池204の2つの電池を接続することができ、第1の電池203、第2の電池204はリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。
【0020】
アクセサリ装置200は、接続部208を介して、電子機器100と接続が可能である。第1の電池203の電力は、接続部208を介して、電子機器100に供給される。また、第1の電池203から電子機器100に供給された電力は、接続部208を介して、アクセサリ装置200の一部に再供給される。詳細は図2A図2Dを用いて後述する。第2の電池204の電力は、後述するWFT回路234に供給される。
【0021】
第1の電池ホルダ106には、第3の電池107に代えてアクセサリ装置200を接続することができる。電子機器100は、第1の電池ホルダ106に接続されたアクセサリ装置200の第1の電池203から電力供給を受けることができる。また、後述する第2の電源回路112または電源制御部104から電力供給を受けることができる。詳細は図2Aから図2Dを用いて後述する。電子機器100とアクセサリ装置200を接続した状態で第1の電池203および第2の電池204の充電を行うには、電子機器100にアクセサリ装置200が接続されていない場合と同様に第1のコネクタ101に外部機器300を接続する。第1の発光部206aおよび第2の発光部206bは充電状態を発光により表示するLED(Light Emitting Diode)等の光源である。
【0022】
図2A図2Dは、実施形態1における電子機器100およびアクセサリ装置200の構成要素の一例を説明するためのブロック図である。
【0023】
図2Aは、電子機器100にアクセサリ装置200を接続していない場合における電子機器100と外部機器300のブロック図である。
【0024】
第1のコネクタ101は、レセプタクル形状のUSBコネクタである。第1のコネクタ101を介して、電源130、および、信号線131、不図示のGND等が接続される。電源130はVBUSであり、信号線131には、USB通信に必要な信号線が含まれる。電源130は、第4のスイッチ103、電源制御部104を介して、第1の電池ホルダ106に接続された第3の電池107に接続される。図2Aでは、第1のコネクタ101に外部機器300としてACアダプタを接続した場合の例を示しているが、第1のコネクタ101にはモバイルバッテリ、PC、スマートフォン、タブレット等の機器が接続されてもよい。
【0025】
PD通信部102は、不図示のCC1端子とCC2端子を用いた外部機器300の接続検出、外部機器300とのUSB PD(Power Delivery)規格に基づいた通信が可能な通信回路である。
【0026】
第4のスイッチ103は、VBUSの電力供給をON/OFFするためのスイッチ回路であり、過電圧が印可された場合に第4のスイッチ103をOFFにすることで後段の回路に過電圧が印可されないよう制御される。第4のスイッチ103は、PD通信部102で制御される。
【0027】
電源制御部104は、電源130を電子機器100で利用可能な電圧に変換して供給する電圧変換回路である。電源制御部104は、例えば、DC/DCコンバータを備え、第1の電源回路105および第2の電源回路112が必要とする電力を供給可能である。また、電源制御部104は、電力供給に関して外部機器300からの電力と第3の電池107または第1の電池203からの電力の少なくともいずれかから供給するように切り替え可能である。さらに、電源制御部104は、外部機器300から供給される電力を用いて、電池の充電が可能である。電源制御部104は、外部機器300から供給される電力を用いて、電圧および電流を制御することで、第3の電池107、第1の電池203、第2の電池204のいずれか1つの電池に対して急速定電流充電、急速定電圧充電、リニア充電、予備充電等を実現する。
【0028】
第1の電源回路105は、電子機器100のシステム回路(不図示)に電力を供給する回路である。外部機器300から供給される電力を用いて第3の電池107に充電する場合は、外部機器300から電力供給を受けて、第1の電源回路105でシステム回路を動作させつつ、余剰電力で電池に対して充電を行う。なお、第3の電池107、第1の電池203、第2の電池204のいずれか1つの電池に対して充電を行う。
【0029】
第1の電池ホルダ106は、第3の電池107を接続可能に収納するための電池接続部である。第1の電池ホルダ106には、アクセサリ装置200を接続することもでき、アクセサリ装置200に接続した電池から電力供給を受けることができる。また、第2の電源回路112または電源制御部104からの電源をアクセサリ装置200に供給することができる。
【0030】
第1の検出回路108は、第1の電池ホルダ106にアクセサリ装置200が接続されたことを検出する回路である。第1の検出回路108の検出信号は後述する第1の制御部120に出力され、第1の制御部120は第1の電池ホルダ106にアクセサリ装置200が接続されたことを検出することができる。例えば、電子機器100のアクセサリホルダ106に嵌合するアクセサリ装置200側の端子を接地し、電子機器100側は電源にプルアップするか、第1の制御部120で間欠的に電源にプルアップすることで接続を検出することができる。
【0031】
第1のメモリ109は、不揮発性メモリまたは揮発性メモリ等を含み、後述する第1の表示部110の表示データの記憶領域、後述する第1の制御部120の動作用の定数、変数、プログラム等を格納、展開するために使用される。
【0032】
第1の表示部110は、LCD(Liquid Crystal Display)あるいは有機EL(Electro Luminessence)等を備え、電子機器100の内部状態、電池の充電状態、撮影した画像、撮影モード等の表示を行う。表示例については、図6を用いて後述する。
【0033】
第1の操作部111は、撮影指示、メニュー画面表示、撮影モードの変更等のユーザ操作を受け付けるスイッチ、ダイヤル、タッチパネル等を含む。
【0034】
第2の電源回路112は、アクセサリ装置200のシステム回路240に供給する電源を生成するための回路である。
【0035】
第1の制御部120は、電池の充電または放電を制御したり、アクセサリ装置200および外部機器300と通信を行ったりするマイクロコンピュータである。第1の制御部120では、第1のコネクタ101に接続されるPC等の機器との通信を行うことができる。また、第1のコネクタ101に外部機器300が接続されると、第1の制御部120はPD通信部102からの検出信号を受けて、外部機器300が接続されたことを検出する。さらに、第1の制御部120は、接続されたアダプタの種類および電力供給能力を判別し、電源制御部104の制御を行い、第3の電池107、第1の電池203、第2の電池204のいずれか1つの電池を充電する。また、第1の電源回路105、第2の電源回路112の制御も行う。
【0036】
図2Bは、電子機器100にアクセサリ装置200を接続した場合における電子機器100と外部機器300のブロック図である。
【0037】
接続部208は、電子機器100の第1の電池ホルダ106を接続可能なインターフェースコネクタである。実施形態1では、接続部208は、電子機器100の第1の電池ホルダ106と嵌合する形状を有する。接続部208を介して、第1の電池203からの電力供給線、第1の電池203、または、第2の電池204への電力供給線、並びに、通信線、検出信号線、システム回路240へ電力供給線等が配線される。
【0038】
第2の検出回路209は、接続部208に電子機器100が接続されたことを検出するための回路である。第2の検出回路209の検出信号は後述する第2の制御部220に出力され、第2の制御部220は電子機器100が接続されたことを検出することができる。例えば、アクセサリ装置200の接続部208に嵌合する電子機器100側の第1の電池ホルダ106の端子を接地し、アクセサリ装置200側は電源にプルアップするか、第2の制御部220で間欠的に電源にプルアップすることで接続を検出することができる。
【0039】
第2のメモリ205は、第1のメモリ109と同様に、不揮発性メモリまたは揮発性メモリ等を含み、後述する第2の制御部220の動作用の定数、変数、プログラム等を格納、展開するために使用する。
【0040】
第2の表示部206は、第1の表示部110と同様に、アクセサリ装置200の内部状態、電池の充電状態等の表示を行う、第1の発光部206a、第2の発光部206bを有する。第1の発光部206aは、第1の電池203が充電中に点灯、充電完了で消灯、充電エラーで点滅するLED等の光源である。第2の発光部206bは、第2の電池204が充電中に点灯、充電完了で消灯、充電エラーで点滅するLED等の光源である。
【0041】
第2の操作部207は、第1の操作部111と同様に、撮影指示、メニュー画面表示、撮影モード変更等のユーザ操作を受け付けるスイッチ、ダイヤル等を備える。
【0042】
第2の制御部220は、各種スイッチ、充電表示、WFTを制御したり、電子機器100と通信を行ったりするマイクロコンピュータである。第2の制御部220では、第1の制御部120との通信を行うことができる。第2の制御部220は、第1の制御部120からの指示に基づき、第2の表示部206、第1のスイッチ231、第2のスイッチ232、第3のスイッチ233、WFT回路234を制御する。第2の表示部206の制御については、前述した通りである。第1のスイッチ231、第2のスイッチ232および第3のスイッチ233の制御については、図3を用いて後述する。第1の操作部111によりユーザがWFTを使用するように設定した場合、第1の制御部120からの指示に基づいて、第2の制御部220はWFT回路234を起動する。第1の操作部111によりユーザがWFTを使用しない設定にした場合、第1の制御部120からの指示に基づいて、第2の制御部220はWFT回路234を停止する。
【0043】
第2の電池ホルダ201は、第1の電池203を接続可能に収納する電池収納部である。第2の電池ホルダ201に第1の電池203を接続することにより、後述する第1のスイッチ231を介して電子機器100に電力を供給することができる。
【0044】
第3の電池ホルダ202は、第2の電池204を接続可能に収納する電池収納部である。第3の電池ホルダ202に第2の電池204を接続することにより、後述する第2のスイッチ232を介してWFT回路234に電力を供給することができる。
【0045】
第1のスイッチ231は、第1の電池203と電子機器100の間の電力供給経路を形成(接続または切断)するスイッチ回路である。第1のスイッチ231は、第1の電池203から電子機器100への電力供給または電子機器100から第1の電池203への電力供給(充電)を開始する場合にはオンされ、停止する場合にはオフされる。
【0046】
第2のスイッチ232は、第2の電池204とWFT回路234の間の電力供給経路を形成(接続または切断)するスイッチ回路である。第2のスイッチ232は、第2の電池204からWFT回路234への電力供給を開始する場合にはオンされ、停止する場合にはオフされる。
【0047】
第3のスイッチ233は、第2の電池204と電子機器100の間の電力供給経路を形成(接続または切断)するスイッチ回路である。第3のスイッチ233は、第2の電池204から電子機器100への電力供給または電子機器100から第2の電池204への電力供給(充電)を開始する場合にはオンされ、停止する場合にはオフされる。
【0048】
WFT(Wireless File Transmitter)回路234は、例えば、無線LAN等の無線通信規格に基づいて外部と通信を行い、高速でデータ転送を行う機能部である。
【0049】
電力供給路235は、第1の電池203から電子機器100に対して電力を供給する、または、外部機器300から供給された電力を電子機器100からアクセサリ装置200の第1の電池203または第2の電池204に供給する共通の電力供給路である。
【0050】
システム回路240は、アクセサリ装置200のWFT回路234および第2の電源回路112を除く、アクセサリ装置200の機能を実現する。システム回路240は、第2のメモリ205、第2の表示部206、第2の操作部207、第2の検出回路209、第2の制御部220、第1のスイッチ231、第2のスイッチ232、および第3のスイッチ233を備える。
【0051】
図2Cおよび図2Dは、図2Aおよび図2Bに対して第2の電源回路112の配置を変更した構成の一例を説明するためのブロック図である。
【0052】
第2の電源回路112は電子機器100にあってもよいし、アクセサリ装置200にあってもよい。
【0053】
以下、図3図6を参照して、電子機器100にアクセサリ装置200が接続されている状態において、電子機器100を経由してアクセサリ装置200に接続されている複数の電池203、204の充放電を制御する処理について説明する。
【0054】
図3は、実施形態1における電子機器100を経由してアクセサリ装置200に接続されている複数の電池203、204の充放電を制御する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0055】
図3の処理は、電子機器100の第1の制御部120が第1のメモリ109に格納されたプログラムを実行し、アクセサリ装置200の第2の制御部220が第2のメモリ205に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、第2の制御部220は、第1の制御部120からの指示に基づいて処理を行う。
【0056】
ステップS301では、第1の制御部120は、電子機器100にアクセサリ装置200が接続されているか否かを判定する。第1の制御部120は、アクセサリ装置200が接続されていると判定した場合は処理をステップS302に進め、接続していないと判定されるまでステップS301の処理を繰り返す。
【0057】
ステップS302では、第1の制御部120は、電子機器100の電源がオンであるか否かを判定する。第1の制御部120は、電子機器100の電源がオンであると判定した場合は処理をステップS303に進め、電源がオフであると判定した場合は処理をステップS307に進める。
【0058】
ステップS303では、第1の制御部120は、第1の電池203および第2の電池204の電池残量を第1の表示部110に表示し、処理をステップS304に進める。第1の制御部120は不図示の通信線を用いた通信により第2の制御部220から第1の電池203と第2の電池204の電池残量を取得し、取得した電池残量を第1の表示部110に表示する。詳細は図6を用いて後述する。
【0059】
ステップS304では、第1の制御部120は、第1の操作部111によりユーザがアクセサリ装置200のWFT回路234を使用する設定であるか否かを判定する。第1の制御部120は、アクセサリ装置200のWFT回路234を使用する設定であると判定した場合は処理をステップS305に進め、使用しないと判定した場合は処理をステップS306に進める。
【0060】
ステップS305では、第2の制御部220は、第1の制御部120の指示に基づき、第1のスイッチ231をオンし、第2のスイッチ232をオンし、第3のスイッチ233をオフして、処理を終了する。
【0061】
ステップS306では、第2の制御部220は、第1の制御部120の指示に基づき、第1のスイッチ231をオンし、第2のスイッチ232をオフし、第3のスイッチ233をオフして、処理を終了する。
【0062】
ステップS307では、第1の制御部120は、外部機器300が接続されているか否かを判定する。第1の制御部120は、外部機器300が接続されていると判定した場合は処理をステップS308に進め、接続されていないと判定した場合は処理をステップS302に戻る。
【0063】
ステップS308では、第1の制御部120は、外部機器300から供給可能な電力量に基づいて、第1の電池203と第2の電池204の充電順序を判定して、処理をステップS309に進める。充電順序の判定方法は図4および図5を用いて後述する。
【0064】
ステップS309では、第1の制御部120は、第1の電池203が充電優先か否かを判定する。第1の制御部120は、第1の電池203が充電優先であると判定した場合は処理をステップS310に進め、第1の電池203が充電優先でないと判定した場合は処理をステップS315に進める。
【0065】
ステップS310では、第2の制御部220は、第1の制御部120の指示に基づき、第1のスイッチ231をオンし、第2のスイッチ232をオフし、第3のスイッチ233をオフして、処理をステップS311に進める。
【0066】
ステップS311では、第2の制御部220は、第1の制御部120の指示に基づき、第1の電池203の充電を開始して、処理をステップS312に進める。
【0067】
ステップS312では、第1の制御部120は、第1の電池203の充電が完了したか否かを判定する。第1の制御部120は、第1の電池203の充電が完了していると判定した場合は処理をステップS313に進め、第1の電池203の充電が完了するまでステップ312の処理を繰り返す。
【0068】
ステップS313では、第1の制御部120は、第1の電池203の充電を終了して、処理をステップS314に進める。
【0069】
ステップS314では、第1の制御部120は、第2の電池204の充電が完了しているか否かを判定する。第1の制御部120は、第2の電池204の充電が完了していると判定した場合は処理を終了し、第2の電池204の充電が完了していないと判定した場合は処理をステップ315に進める。
【0070】
ステップS315では、第2の制御部220は、第1の制御部120の指示に基づき、第1のスイッチ231をオフし、第2のスイッチ232をオフし、第3のスイッチ233をオンして、処理をステップS316に進める。
【0071】
ステップS316では、第1の制御部120は、第2の電池204の充電を開始して、処理をステップS317に進める。
【0072】
ステップS317では、第1の制御部120は、第2の電池204の充電が完了したか否かを判定する。第2の制御部120は、第2の電池204の充電が完了していると判定した場合は処理をステップS318に進め、第2の電池204の充電が完了するまでステップ317の処理を繰り返す。
【0073】
ステップS318では、第1の制御部120は、第2の電池204の充電を終了して、処理をステップS319に進める。
【0074】
ステップS319では、第1の制御部120は、第1の電池203の充電が完了しているか否かを判定する。第1の制御部120は、第1の電池203の充電が完了していると判定した場合は処理を終了し、第1の電池203の充電が完了していないと判定した場合は処理をステップ310に進める。
【0075】
図4は、図3のステップS308における充電順序判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。以下では、第1の電池203を電子機器100への電力供給用の電池とし、第2の電池204をアクセサリ装置200への電力供給用の電池として説明する。
【0076】
ステップS401では、第1の制御部120は、ユーザ操作により電池の充電順序が「電子機器用電池優先」に設定されているか否かを判定する。第1の制御部120は、「電子機器用電池優先」に設定されていると判定した場合は処理をステップS402に進め、「電子機器用電池優先」に設定されていないと判定した場合は処理をステップS403に進める。
【0077】
ステップS402では、第1の制御部120は、電池の充電順序を電子機器用の第1の電池203優先に設定して処理を終了する。
【0078】
ステップS403では、第1の制御部120は、ユーザ操作により電池の充電順序が「アクセサリ用電池優先」に設定されているか否かを判定する。第1の制御部120は、「アクセサリ用電池優先」に設定されていると判定した場合は処理をステップS404に進め、「アクセサリ用電池優先」に設定されていないと判定した場合は処理をステップS405に進める。
【0079】
ステップS404では、第1の制御部120は、電池の充電順序をアクセサリ用の第2の電池204優先に設定して処理を終了する。
【0080】
ステップS405では、第1の制御部120は、ユーザ操作により電池の充電順序が「残量の少ない方優先」に設定されていると判定し、処理をステップS406に進める。
【0081】
ステップS406では、第1の制御部120は、電子機器用の第1の電池203の残量がアクセサリ用の第2の電池204の残量より少ないか否かを判定する。第1の制御部120は、電子機器用の第1の電池203の残量がアクセサリ用の第2の電池204の残量より少ないと判定した場合は処理をステップS402に進める。また、第1の制御部120は、電子機器用の第1の電池203の残量がアクセサリ用の第2の電池204の残量より少なくないと判定した場合は処理をステップS404に進める。
【0082】
図5は、実施形態1における電池の充電順序設定画面の一例を示す図である。
【0083】
第1の表示画面500は第1の表示部110に表示される電池の充電順序設定用のメニュー画面である。第1の選択項目501は「電子機器用電池優先」に設定するための選択項目であり、電子機器用の電池の充電を優先した設定である。第2の選択項目502は「アクセサリ用電池優先」に設定するための選択項目であり、アクセサリ用の電池の充電を優先した設定である。第3の選択項目503は「残量の少ない方優先」に設定するための選択項目であり、電子機器用の電池の残量とアクセサリ用の電池の残量を比較し、少ない方の電池の充電を優先した設定である。
【0084】
図5(a)、図5(b)および図5(c)は、第1の表示画面500における第1の選択項目501、第2の選択項目502および第3の選択項目503の設定状態を示す表示例である。図5(a)は「電子機器用電池優先」に設定された状態を示す表示例である。図5(b)は「アクセサリ用電池優先」に設定された状態を示す表示例である。図5(c)は「残量の少ない方優先」に設定された状態を示す表示例である。
【0085】
図6は、実施形態1における電池残量の表示例を示す図である。
【0086】
第2の表示画面600は、電子機器100が撮影モード時に第1の表示部110に表示されるライブビュー画面である。第2の表示画面600には、被写体と、シャッター速度、絞り等の電子機器100の様々な設定値が表示される。第1のアイコン601は電子機器用電池の残量表示である。第2のアイコン602はアクセサリ用電池の残量表示である。情報603は第2のアイコン602の一部であり、例えば、アクセサリ用電池の電力供給先を示すマークである。
【0087】
実施形態1によれば、電子機器100の電源制御部104に対する、アクセサリ装置200の複数の電池203、204の充放電を共通の電力供給路235を介して行えるようになる。よって、電子機器100とアクセサリ装置200の間で電力供給を行うための回路規模を増大することなく、アクセサリ装置200の複数の電池203、204の充放電を制御できるようになる。また、ユーザ操作により複数の電池203、204の充電順序を設定することができ、所望の電池を優先した充電を行うことができる。
【0088】
[実施形態2]次に、図7を参照して、実施形態2について説明する。
【0089】
実施形態2では、電子機器100を経由してアクセサリ装置200に接続されている複数の電池203、204の充放電を段階的に制御する例について説明する。
【0090】
図7は、実施形態2における電子機器100を経由してアクセサリ装置200に接続されている複数の電池203、204の充放電を制御する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0091】
図7の処理は、電子機器100の第1の制御部120が第1のメモリ109に格納されたプログラムを実行し、アクセサリ装置200の第2の制御部220が第2のメモリ205に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、第2の制御部220は、第1の制御部120からの指示に基づいて処理を行う。
【0092】
なお、図7のフローチャートにおいて、図3のフローチャートと同一のステップについては同一のステップ番号を付して示し、重複する説明は省略する。
【0093】
また、実施形態2の電子機器100およびアクセサリ装置200の構成は、実施形態1で説明した図1および図2A図2Dの構成と同様である。
【0094】
ステップS701では、第1の制御部120は、第1の電池203の残量が所定値50%より多いか否かを判定する。第1の制御部120は、第1の電池203の残量が所定値50%より多いと判定した場合は処理をステップS702に進め、第1の電池203の残量が所定値50%以下であると判定した場合はステップS702の処理を繰り返す。
【0095】
ステップS702では、第1の制御部120は、第2の電池204の残量が所定値50%より多いか否かを判定する。第1の制御部120は、第2の電池204の残量が50%より多いと判定した場合は処理をステップS703に進め、第2の電池204の残量が所定値50%以下であると判定した場合は処理をステップS704に進める。
【0096】
ステップS703では、第1の制御部120は、第1の電池203の充電を継続して、処理をステップS312に進める。
【0097】
ステップS704では、第1の制御部120は、第1の電池203の充電を停止して、処理をステップS315に進める。
【0098】
ステップS705では、第1の制御部120は、第2の電池204の残量が所定値50%より多いか否かを判定する。第1の制御部120は、第2の電池204の残量が所定値50%より多いと判定した場合は処理をステップS706に進め、第2の電池204の残量が所定値50%以下であると判定した場合はステップS705の処理を繰り返す。
【0099】
ステップS706では、第1の制御部120は、第1の電池203の残量が所定値50%より多いか否かを判定する。第1の制御部120は、第1の電池203の残量が所定値50%より多いと判定した場合は処理をステップS707に進め、第1の電池203の残量が所定値50%以下と判定した場合は処理をステップS708に進める。
【0100】
ステップS707では、第1の制御部120は、第2の電池204の充電を継続して、処理をステップS317に進める。
【0101】
ステップS708では、第1の制御部120は、第2の電池204の充電を停止して、処理をステップS310に進める。
【0102】
実施形態2によれば、実施形態1の効果に加えて、外部から供給される電力がアクセサリ装置200の電池203、204を満充電にするのに十分ではない場合であっても、電池203、204を短時間で使用可能なレベルまで充電することで利便性が向上する。
【0103】
[実施形態3]次に、図8を参照して、実施形態3について説明する。
【0104】
実施形態3では、電子機器100に電力を供給する外部機器300の電池残量に基づいて、電子機器100を経由してアクセサリ装置200に接続されている複数の電池203、204の充放電を制御する例を説明する。
【0105】
図8は、実施形態3における電子機器100を経由してアクセサリ装置200に接続されている複数の電池203、204の充放電を制御する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0106】
図8の処理は、電子機器100の第1の制御部120が第1のメモリ109に格納されたプログラムを実行し、アクセサリ装置200の第2の制御部220が第2のメモリ205に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、第2の制御部220は、第1の制御部120からの指示に基づいて処理を行う。
【0107】
なお、図8のフローチャートにおいて、図3および図7のフローチャートと同一のステップについては同一のステップ番号で付して重複する説明を省略する。
【0108】
ステップS801では、第1の制御部120は、電子機器100に接続されている外部機器300がモバイルバッテリ(電源ソースが有限の機器)であり、かつ残量が所定値50%より少ないか否かを判定する。第1の制御部120は、外部機器300がモバイルバッテリであり、かつ残量が所定値50%より少ないと判定した場合は処理をステップS701に進める。また、第1の制御部120は、外部機器300がモバイルバッテリではない、または残量が所定値50%より多いと判定した場合は処理をステップS312に進める。
【0109】
ステップS802では、第1の制御部120は、外部機器300がモバイルバッテリ(電源ソースが有限の機器)であり、かつ残量が所定値50%より少ないか否かを判定する。第1の制御部120は、外部機器300がモバイルバッテリであり、かつ残量が所定値50%より少ないと判定した場合は処理をステップS704に進める。また、第1の制御部120は、外部機器300がモバイルバッテリでない、または残量が所定値50%より多いと判定した場合は処理をステップS317に進める。
【0110】
実施形態3によれば、実施形態1の効果に加えて、電子機器100に接続されている外部機器300であるモバイルバッテリの残量に基づいて、アクセサリ装置200の複数の電池203、204の充電を効率よく行うことができる。
【0111】
なお、上述した実施形態1~3においては、第2の電池204の充電を行う場合は、第2のスイッチ232をオフして第2の電池204からWFT回路234への電力供給を停止しているが、第2の電池204の充電は行わず、第1の電池203の充電を行う場合には第2のスイッチ232をオンして第2の電池204からWFT回路234へ電力供給を行うように制御してもよい。
【0112】
さらに、本実施形態は、他の電子機器の電池の充放電を制御する機能を有する電子機器であれば、あらゆるものに適用可能である。上述した各実施形態では、接続部208で電力供給線、通信線および検出信号線を介した電力、データ、信号の授受を行う例を説明したが、接続部208は1つでもよいし、複数あってもよい。また、電子機器100とアクセサリ装置200の接続を検出するための第1の検出回路108および第2の検出回路209はいずれか一方のみであってもよい。第1の発光部206aおよび第2の発光部206bの充電状態の表示は上述した実施形態以外の表示形態であってもよい。また、第1の表示画面500において、電池の充電順序に関して3つの選択項目を例示したが、これら以外の選択項目があってもよい。例えば、「カメラ用電池優先(段階充電)」という実施形態2の制御を行う選択項目を設けてもよい。また、電池の充電順序に関する選択項目の数は図5の例よりも少なくてもよい。例えば、「電子機器用電池優先」、「アクセサリ用電池優先」の2つだけでもよい。また、図7ではモバイルバッテリの残量の閾値を50%としたが、これ以外の値でもよく、複数の閾値を設けてもよい。
【0113】
[他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0114】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0115】
100…電子機器、104…電源制御部、120…第1の制御部、200…アクセサリ装置、203…第1の電池、204…第2の電池、220…第2の制御部、231、232、233…スイッチ、234…WFT回路、235…電力供給路、300…外部機器
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8