(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】受注入力業務支援装置、受注入力業務支援方法および受注入力業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240306BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2020094511
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2022-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三谷 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-084299(JP,A)
【文献】特開2015-219781(JP,A)
【文献】特開2002-007907(JP,A)
【文献】特開2004-234113(JP,A)
【文献】特開2002-230122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える受注入力業務支援装置であって、
前記制御部は、
得意先識別データおよび納入先識別データの組合せ
、当該組合せごとに設定された商品識別データであって受注の候補となる商品である受注候補商品についてのものである受注候補商品識別データ
ならびに前記受注候補商品の内容に応じて定義されるパターンを識別するためのパターン識別データを含む候補マスタから、受注入力画面に入力された得意先識別データ
、納入先識別データ
およびパターン識別データと紐付く受注候補商品識別データを取得する候補商品取得手段と、
前記受注入力画面において指定された期間に属する納品日と、前記候補商品取得手段で取得した受注候補商品識別データで特定される受注候補商品と、に基づいて、当該納品日および当該受注候補商品ごとの受注数量を入力可能な受注数量入力領域を前記受注入力画面に表示する入力領域表示手段と、
を備えること、
を特徴とする受注入力業務支援装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記指定された期間に属する納品日と、前記候補商品取得手段で取得した受注候補商品識別データで特定される受注候補商品と、前記受注数量入力領域に入力された受注数量と、に基づいて受注データを生成する受注データ生成手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項
1に記載の受注入力業務支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記候補マスタの内容を設定するための画面であるマスタ設定画面において指定された条件に合致する商品を検索して取得し、当該取得した商品を前記受注候補商品として当該マスタ設定画面に表示する候補商品表示手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1
または2に記載の受注入力業務支援装置。
【請求項4】
制御部を備える情報処理装置で実行される受注入力業務支援方法であって、
前記制御部で実行される、
得意先識別データおよび納入先識別データの組合せ
、当該組合せごとに設定された商品識別データであって受注の候補となる商品である受注候補商品についてのものである受注候補商品識別データ
ならびに前記受注候補商品の内容に応じて定義されるパターンを識別するためのパターン識別データを含む候補マスタから、受注入力画面に入力された得意先識別データ
、納入先識別データ
およびパターン識別データと紐付く受注候補商品識別データを取得する候補商品取得ステップと、
前記受注入力画面において指定された期間に属する納品日と、前記候補商品取得ステップで取得した受注候補商品識別データで特定される受注候補商品と、に基づいて、当該納品日および当該受注候補商品ごとの受注数量を入力可能な受注数量入力領域を前記受注入力画面に表示する入力領域表示ステップと、
を含むこと、
を特徴とする受注入力業務支援方法。
【請求項5】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための受注入力業務支援プログラムであって、
前記制御部
に、
得意先識別データおよび納入先識別データの組合せ
、当該組合せごとに設定された商品識別データであって受注の候補となる商品である受注候補商品についてのものである受注候補商品識別データ
ならびに前記受注候補商品の内容に応じて定義されるパターンを識別するためのパターン識別データを含む候補マスタから、受注入力画面に入力された得意先識別データ
、納入先識別データ
およびパターン識別データと紐付く受注候補商品識別データを取得する候補商品取得ステップと、
前記受注入力画面において指定された期間に属する納品日と、前記候補商品取得ステップで取得した受注候補商品識別データで特定される受注候補商品と、に基づいて、当該納品日および当該受注候補商品ごとの受注数量を入力可能な受注数量入力領域を前記受注入力画面に表示する入力領域表示ステップと、
を
実行させること、
を特徴とする受注入力業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受注入力業務支援装置、受注入力業務支援方法および受注入力業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、対象店舗のニーズに合った書籍の注文の支援をすることができる注文支援装置及び注文支援プログラムが開示されている(特許文献1の0007段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような注文や受注を管理する分野においては、例えば、月初にほぼ決まった内容の受注を受ける場合がある。この場合に、従来においては、同じ内容の伝票の受注入力を毎月行っていたが、入力ミスが発生することがあり、また、入力の負担も大きいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、納品日および受注候補商品の組合せを受注入力画面に表示し、当該組合せごとの受注数量をオペレータが入力するのみで受注データを生成できるようにすることで、オペレータが行う受注入力業務を支援することができる受注入力業務支援装置、受注入力業務支援方法および受注入力業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る受注入力業務支援装置は、制御部を備える受注入力業務支援装置であって、前記制御部が、得意先識別データおよび納入先識別データの組合せならびに当該組合せごとに設定された商品識別データであって受注の候補となる商品である受注候補商品についてのものである受注候補商品識別データを含む候補マスタから、受注入力画面に入力された得意先識別データおよび納入先識別データと紐付く受注候補商品識別データを取得する候補商品取得手段と、前記受注入力画面において指定された期間に属する納品日と、前記候補商品取得手段で取得した受注候補商品識別データで特定される受注候補商品と、に基づいて、当該納品日および当該受注候補商品ごとの受注数量を入力可能な受注数量入力領域を前記受注入力画面に表示する入力領域表示手段と、を備えること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る受注入力業務支援装置は、前記候補マスタが、前記得意先識別データと前記納入先識別データと前記受注候補商品識別データの他に、前記受注候補商品の内容に応じて定義されるパターンを識別するためのパターン識別データを更に含み、前記候補商品取得手段が、前記候補マスタから、前記受注入力画面に入力された得意先識別データ、納入先識別データおよびパターン識別データと紐付く受注候補商品識別データを取得すること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る受注入力業務支援装置は、前記制御部が、前記指定された期間に属する納品日と、前記候補商品取得手段で取得した受注候補商品識別データで特定される受注候補商品と、前記受注数量入力領域に入力された受注数量と、に基づいて受注データを生成する受注データ生成手段を更に備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る受注入力業務支援装置は、前記制御部が、前記候補マスタの内容を設定するための画面であるマスタ設定画面において指定された条件に合致する商品を検索して取得し、当該取得した商品を前記受注候補商品として当該マスタ設定画面に表示する候補商品表示手段を更に備えること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る受注入力業務支援方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される受注入力業務支援方法であって、前記制御部で実行される、得意先識別データおよび納入先識別データの組合せならびに当該組合せごとに設定された商品識別データであって受注の候補となる商品である受注候補商品についてのものである受注候補商品識別データを含む候補マスタから、受注入力画面に入力された得意先識別データおよび納入先識別データと紐付く受注候補商品識別データを取得する候補商品取得ステップと、前記受注入力画面において指定された期間に属する納品日と、前記候補商品取得ステップで取得した受注候補商品識別データで特定される受注候補商品と、に基づいて、当該納品日および当該受注候補商品ごとの受注数量を入力可能な受注数量入力領域を前記受注入力画面に表示する入力領域表示ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る受注入力業務支援プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための受注入力業務支援プログラムであって、前記制御部に実行させるための、得意先識別データおよび納入先識別データの組合せならびに当該組合せごとに設定された商品識別データであって受注の候補となる商品である受注候補商品についてのものである受注候補商品識別データを含む候補マスタから、受注入力画面に入力された得意先識別データおよび納入先識別データと紐付く受注候補商品識別データを取得する候補商品取得ステップと、前記受注入力画面において指定された期間に属する納品日と、前記候補商品取得ステップで取得した受注候補商品識別データで特定される受注候補商品と、に基づいて、当該納品日および当該受注候補商品ごとの受注数量を入力可能な受注数量入力領域を前記受注入力画面に表示する入力領域表示ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、納品日および受注候補商品の組合せを受注入力画面に表示し、当該組合せごとの受注数量をオペレータが入力するのみで受注データを生成できるようにすることで、オペレータが行う受注入力業務を支援することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、受注入力業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における処理の流れの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、得意先納入先マスタ、商品マスタおよび商品候補パターンマスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、受注入力画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、生成される受注データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、マスタ設定画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、受注入力画面におけるヘッダ項目の説明の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、受注入力画面における明細項目の説明の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る受注入力業務支援装置、受注入力業務支援方法および受注入力業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0015】
[1.構成]
本実施形態に係る受注入力業務支援装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、受注入力業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
受注入力業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、受注入力業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0017】
受注入力業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。受注入力業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0018】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、受注入力業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、受注入力業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0019】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0020】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0021】
記憶部106は、例えば、得意先納入先マスタ106aと、商品マスタ106bと、単価マスタ106cと、候補マスタとしての商品候補パターンマスタ106dと、受注データ106eと、を備えている。
【0022】
得意先納入先マスタ106aは、
図3に示すように、例えば、得意先を識別するための得意先識別データ(得意先コードおよび得意先名)と、商品の納入先を識別するための納入先識別データ(納入先コードおよび納入先名)と、等を含む。
【0023】
商品マスタ106bは、
図3に示すように、例えば、前記商品を識別するための商品識別データ(商品コードおよび商品名)等を含む。
【0024】
単価マスタ106cは、図示しないが、例えば、前記商品識別データ(商品コードおよび商品名)と、前記商品の単価と、等を含む。
【0025】
商品候補パターンマスタ106dは、本発明の特徴であり、得意先かつ納入先別に一括入力する候補の商品を設定および管理するマスタである。当該商品としては、定期的に(年単位、月単位および日単位等)繰返し受注を受けるものを想定しており、例えば、日配品や、食品提供業者が受注する食品等である。商品候補パターンマスタ106dは、
図3に示すように、例えば、前記得意先識別データ(得意先コード)と、前記納入先識別データ(納入先コード)と、前記得意先識別データおよび前記納入先識別データの組合せごとに設定された前記商品識別データであって受注の候補となる前記商品である受注候補商品についてのものである受注候補商品識別データ(商品コード1~10)と、前記受注候補商品の内容に応じて定義されるパターンを識別するためのパターン識別データ(パターンコード)と、等を含む。
【0026】
具体的に、
図3に示す商品候補パターンマスタ106dの例では、得意先コード「T001」の得意先および納入先コード「N001」の納入先の組合せに対しては、前記受注候補商品として、商品コード「SH001、SH002、SH003」の3つの商品が設定されている。そして、商品コード「SH001、SH002、SH003」の3つの商品の組合せを、パターンコード「1」により定義している。
【0027】
商品候補パターンマスタ106dにおいて指定できる前記受注候補商品の数は、特に制限されないが、例えば、1つのパターンコードにつき最大10個までとすることができる。これにより、例えば、パターンコード「1」に対しては、売れ筋ベスト1~10の商品10個を設定し、パターンコード「2」に対しては、売れ筋ベスト11~20の商品10個を設定し、パターンコード「3」に対しては、季節物の売れ筋の商品10個を設定し、パターンコード「4」に対しては、特定品種の売れ筋の商品10個を設定するという運用を行うことが可能である。
【0028】
受注データ106eは、
図4に示す受注入力画面からの一括入力により生成される受注情報についてのデータである。受注データ106eは、
図5に示すように、例えば、受注番号と、行番号と、前記商品識別データ(商品コードおよび商品名)と、納品日と、受注数量と、単価と、金額と、前記得意先識別データ(得意先コードおよび得意先名)と、前記納入先識別データ(納入先コードおよび納入先名)と、等を含む。
【0029】
制御部102は、受注入力業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0030】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)得意先識別データおよび納入先識別データの組合せならびに当該組合せごとに設定された商品識別データであって受注の候補となる商品である受注候補商品についてのものである受注候補商品識別データを含む候補マスタから、受注入力画面に入力された得意先識別データおよび納入先識別データと紐付く受注候補商品識別データを取得する候補商品取得手段としての候補商品取得部102aと、(2)前記受注入力画面において指定された期間に属する納品日と、前記候補商品取得手段で取得した受注候補商品識別データで特定される受注候補商品と、に基づいて、当該納品日および当該受注候補商品ごとの受注数量を入力可能な受注数量入力領域を前記受注入力画面に表示する入力領域表示手段としての入力領域表示部102bと、(3)前記指定された期間に属する納品日と、前記候補商品取得手段で取得した受注候補商品識別データで特定される受注候補商品と、前記受注数量入力領域に入力された受注数量と、に基づいて受注データを生成する受注データ生成手段としての受注データ生成部102cと、(4)前記候補マスタの内容を設定するための画面であるマスタ設定画面において指定された条件に合致する商品を検索して取得し、当該取得した商品を前記受注候補商品として当該マスタ設定画面に表示する候補商品表示手段としての候補商品表示部102dと、を備えている。
【0031】
候補商品取得部102aは、前記得意先識別データと前記納入先識別データと前記受注候補商品識別データとを含む商品候補パターンマスタ106dから、前記受注入力画面(
図4参照)に入力された得意先識別データおよび納入先識別データと紐付く受注候補商品識別データを取得する。
【0032】
前記受注入力画面(
図4参照)に前記パターン識別データが入力(手動入力および自動入力のどちらでもよい)される場合には、候補商品取得部102aは、前記得意先識別データと前記納入先識別データと前記受注候補商品識別データと前記パターン識別データとを含む商品候補パターンマスタ106dから、前記受注入力画面(
図4参照)に入力された得意先識別データ、納入先識別データおよびパターン識別データと紐付く受注候補商品識別データを取得してもよい。
【0033】
入力領域表示部102bは、前記受注入力画面(
図4参照)において指定された期間に属する納品日と、候補商品取得部102aで取得した受注候補商品識別データで特定される受注候補商品と、に基づいて、当該納品日および当該受注候補商品ごとの受注数量を入力可能な受注数量入力領域(
図4のMA2参照)を前記受注入力画面(
図4参照)に表示する。
【0034】
受注データ生成部102cは、前記指定された期間に属する納品日と、候補商品取得部102aで取得した受注候補商品識別データで特定される受注候補商品と、前記受注数量入力領域に入力された受注数量と、に基づいて、受注データ106eを生成する。
【0035】
候補商品表示部102dは、商品候補パターンマスタ106dの内容を設定するための画面であるマスタ設定画面(
図6参照)おいて指定された条件に合致する商品を検索して取得し、当該取得した商品を前記受注候補商品として当該マスタ設定画面(
図6参照)に表示する。
【0036】
[2.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を説明する。まず、受注一括入力について説明し、次に、受注データ106eの生成について説明し、最後に、商品候補パターンマスタ106dの設定について説明する。
【0037】
[2-1.受注一括入力]
本項目では、受注一括入力について、
図3および
図4を用いて詳細に説明する。処理の概要としては、
図2の処理のフロー上の「受注一括入力」において、受注入力画面上で指定された得意先、納入先およびパターンコードより、候補商品が呼出され、オペレータは、当該呼出された候補商品について必要数を入力する。以下、具体的な処理を説明する。
【0038】
まず、
図4の受注入力画面にMA1で示すヘッダ部分に、オペレータによって、事業所コード「S100」、得意先コード「T100」、担当者コード「User1」、納入先コード「N001」、および納品日の期間「2020/3/1~2020/3/31」が入力される。パターンコード「1」は、次段落で説明する方法により、初期表示される。
【0039】
商品候補パターンマスタ106dを参照して、入力された得意先コードおよび納入先コードに合致するパターンコードが1つのみであれば、当該合致するパターンコードが
図4の受注入力画面に初期表示される(本例では、合致するパターンコードが「1」のみであるため、「1」が初期表示される)。これに対して、商品候補パターンマスタ106dを参照して、入力された得意先コードおよび納入先コードに合致するパターンコードが複数あれば、パターンコードは
図4の受注入力画面に初期表示されず、空白となるため、オペレータがパターンコードを指定する必要がある。
【0040】
このように、
図4の受注入力画面における入力が完了すると、以下のようにして、候補商品取得部102aによる候補商品の取得および入力領域表示部102bによる入力領域の表示が実行される。
【0041】
すなわち、候補商品取得部102aは、
図3の商品候補パターンマスタ106dから、前記入力された得意先コード「T100」および納入先コード「N001」ならびに前記初期表示されたパターンコード「1」と紐付く情報として、商品コード「SH001(フリルレタスに対応)」、「SH002(プリーツレタスに対応)」および「SH003(ロメインレタスに対応)」を取得する。
【0042】
続いて、入力領域表示部102bは、
図4の受注入力画面に、前記入力された期間「2020/3/1~2020/3/31」に属する納品日を縦軸とし、候補商品取得部102aで取得した商品コードで特定される商品「フリルレタス」、「プリーツレタス」および「ロメインレタス」を横軸とする表形式の受注数量入力領域MA2を表示する。
【0043】
そして、オペレータが受注数量入力領域MA2に受注の必要数量の入力さえ行えば、以下の[2-2]で説明するように、受注データ106eの生成を行うことができる。
【0044】
[2-2.受注データ106eの生成]
本項目では、受注データ106eの生成について、
図4および
図5を用いて詳細に説明する。オペレータが、
図4の受注入力画面のMA2に示す内容で、受注の必要数量の入力を行った上で、当該画面下部の「F10:登録」を押下すると、受注データ生成部102cは、以下のようにして、受注データ106eを生成する。
【0045】
すなわち、例えば、
図4の受注入力画面のMA2において、納品日「2020/3/1」およびプリーツレタスの組合せで特定されるマス目には、受注数量として「5」が入力されている。この場合、受注データ生成部102cは、納品日「2020/3/1」、商品名「プリーツレタス」および受注数量「5」を含む受注明細として、
図5に(1)で示す受注明細データを生成する。なお、受注明細データには、単価マスタ106cを参照することで金額も自動セットされる。単価マスタ106cに設定されているプリーツレタスについての単価が270円であるとすると、金額としては、受注数量5×単価270円=1,350円が自動セットされる。
【0046】
同様に、受注データ生成部102cは、
図4の受注入力画面のMA2において受注数量として「1」以上の数値が入力されると、
図5に(2)~(9)で示す受注明細データを生成するが、生成の仕方は前段落と同様であるため、詳細な説明は割愛する。
【0047】
以上のようにして、受注データ生成部102cが、
図5に(1)~(9)で示す受注明細データを生成することにより、
図5の受注データ106eが完成する。
【0048】
[2-3.商品候補パターンマスタ106dの設定]
以上、[2-1]および[2-2]で説明した処理により、受注データ106eを生成することができたが、候補商品取得部102aが受注候補商品を取得する際の参照先となる商品候補パターンマスタ106dの内容は、オペレータが手動により設定してもよいが、以下で説明するように、候補商品表示部102dが行う表示を利用して設定してもよい。
【0049】
商品候補パターンマスタ106dの内容を設定するための画面である設定画面を、
図6に示す。
図6にMB1で示す箇所に条件が指定されると、候補商品表示部102dは、受注データ106e等を参照して、当該指定された条件に合致する商品を検索して取得し、当該取得した商品を受注候補商品として、
図6にMB2で示す箇所に表示する。
【0050】
例えば、
図6のMB1に示す内容で条件が指定された上で「売れ筋候補呼出」が押下されると、候補商品表示部102dは、範囲指定された期間内の得意先かつ納入先別の売れ筋(受注回数が多い順)の商品を集計し、上位10個の商品を、
図6のMB2に示す箇所の商品コード1~10にセットして表示する。当該表示された商品コード1~10は、セット後に修正可能である。
図6の例では、商品コード4~10は不要であったため、空白に修正されている。
【0051】
なお、パターンコードは任意に指定できるため、運用ルールで決めてよく、例えば、「1=売れ筋ベスト10」、「2=売れ筋11~20」、「3=季節物(夏野菜売れ筋等)」および「4=特定品種売れ筋」という様に指定することができる。また、
図6のMB1に示す箇所においては、季節物で絞り込みしたい場合には、対象期間として夏季期間を指定すればよく、また、品種分類で絞り込みしたい場合には、品種分類として野菜等を指定すればよい。
【0052】
[3.留意点等]
[3-1.留意点]
本実施形態における処理に関しては、以下の留意点(1)~(8)が存在する。
(1)本発明は、日々繰返し注文を受ける場合や月初に決まった内容での注文を受ける場合等、一括登録を行う場合に使用可能である。言い換えると、本発明は、個別に登録する受注入力の処理軽減を目的とした登録処理である。
(2)本発明は、新規登録機能のため、削除および修正については、受注入力にて行うことができる。
(3)Enterキーの入力によって、セットされたり、初期表示されるなどの動きがおこるため、Tabキーを使用すれば、制御されない。
(4)一覧表示された明細行の行追加および行削除は不可とする。
(5)入力した得意先コードと一致する「得意先納入先マスタ」が未設定の場合、納入先コード/倉庫コード/配送業者コードには空白をセットする。この場合には、各項目のカーソルストップ後に、Enterキーにより、各項目の検索画面が起動する(※納入先検索画面/倉庫検索画面/配送業者検索画面は、パッケージ標準検索画面が起動する)。
(6)F10:登録により、受注情報の追加データの更新が行われる。
(7)納品日別の行単位に1伝票として更新する。数量入力された品番が明細行として登録される(数量欄が0もしくは、空白については、対象外とする)。
(8)登録後、画面クリアされ、得意先コードにカーソルが飛ぶ。
【0053】
[3-2.画面項目一覧]
図4の受注入力画面においてMA1で示すヘッダ項目についての詳細を、
図7に示す。また、
図4の受注入力画面においてMA2で示す明細項目についての詳細を、
図8に示す。なお、
図7および
図8において、「種別」の欄および「型」の欄における用語の意味は、以下のとおりである。
(種別について)
・入力:入力項目
・表示:表示項目
・ボタン:ボタン
(型について)
・X:半角文字
・K:全角文字
・N:半角・全角文字
・日:日付
・9:数値
【0054】
[3-3.エラー内容]
エラー内容(特記事項)は、以下の(1)~(3)のとおりである。
(1)納入先コードを入力した時点(納入先コードの箇所でEnterを押した時点)で商品候補パターンの登録が未登録の場合には、エラーメッセージとして、「商品候補パターンマスタ未登録のため、表示できません。」が表示され、納入先コードでカーソルストップする。この場合には、商品候補パターンの登録を行う。
(2)納品日(終了)を入力した時点(Enterを押した時点)で得意先納入先マスタが未登録の場合には、警告メッセージ「得意先納入先のリードタイムが未登録。処理を続行しますか。”はい”or”いいえ”」のメッセージを表示する(”いいえ”をデフォルトとする)。
(3)納品日(開始)と(終了)を入力した時点で入力可能日付範囲外であれば、エラーメッセージ「入力可能日付の範囲外です。」(共通エラーメッセージ)を表示する。
【0055】
[4.本実施形態のまとめ]
このように、本実施形態に係る受注入力業務支援装置によれば、主に[2-1]および[2-2]で説明したように、納品日および受注候補商品の組合せを受注入力画面に表示し(
図4の受注数量入力領域MA2参照)、当該組合せごとの受注数量をオペレータが入力するのみで受注データを生成できるようにすることで、オペレータが行う受注入力業務を支援することができる。このため、例えば、受注情報の登録における入力ミスや作業負荷を軽減することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る受注入力業務支援装置によれば、主に[2-3]で説明したように、例えば、商品候補パターンマスタ106dに登録する候補となる商品を、マスタ設定画面(
図6参照)に表示することができる。このため、例えば、
図4の受注数量入力領域MA2を表示するための前準備として必要となる商品候補パターンマスタ106dの設定における入力ミスや作業負荷をも軽減することができる。
【0057】
ここで、従来においては、繰返し同じ注文を受ける場合(例えば、日々繰返し注文を受ける場合や月初に決まった内容での注文を受ける場合)、伝票複写機能等を使って同じ内容の伝票の入力を繰返し行っていたが、効率が悪く、また、納品日および数量等の入力間違いが発生するという問題があった。そこで、本実施形態においては、例えば、納品日を縦軸とし、候補商品を横軸とした表の形式で表示し、オペレータが当該表に必要数量の登録を行えるようにすることで、個別に登録する受注入力の処理軽減を実現し、併せて、入力の正確性も上げることに成功した。
【0058】
より具体的には、本実施形態においては、例えば、以下の(1)~(2)を実現した。
(1)月初にほぼ決まった内容で注文を受ける場合や、売れ筋の商品の注文を日々繰返し受ける場合等に、効率よく簡易的に受注登録を行えるようにするために、商品候補パターンマスタ106dを設定し、一括入力の対象とする商品候補を呼出し、数量を入力することで受注データを生成できるようにした。
(2)得意先別納入先別に売れ筋の(受注回数の多い)商品を含む商品候補パターンマスタ106dをバッチ処理で生成できるようにした。当該生成した商品候補パターンマスタ106dの内容は、マスタメンテにより変更することが可能である。
【0059】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0060】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0061】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0062】
また、受注入力業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0063】
例えば、受注入力業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて受注入力業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0064】
また、このコンピュータプログラムは、受注入力業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0066】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0067】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0068】
また、受注入力業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、受注入力業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0069】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、例えば、リピート品(食品等)の受注が多い業界において有用である。
【符号の説明】
【0071】
100 受注入力業務支援装置
102 制御部
102a 候補商品取得部
102b 入力領域表示部
102c 受注データ生成部
102d 候補商品表示部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 得意先納入先マスタ
106b 商品マスタ
106c 単価マスタ
106d 商品候補パターンマスタ
106e 受注データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク