(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】車両用前方構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/08 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B62D25/08 E
(21)【出願番号】P 2020097612
(22)【出願日】2020-06-04
【審査請求日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】10-2019-0144603
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭丞ミン
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭64-022684(JP,U)
【文献】実開昭64-021073(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントサイドメンバー及びフェンダエプロンアッパーメンバーの間に配置されているサスペンションハウジングと、
車両の長手方向に沿って延長され、前記サスペンションハウジングに結合されている第1補強メンバーと、
前記第1補強メンバーに付着され、前記フェンダエプロンアッパーメンバー及び前記フロントサイドメンバーを連結する第1連結部と、を含
み、
前記第1補強メンバーの中間から前記フロントサイドメンバーに向かって延長されている第2連結部を含み、
前記第2連結部の上端が第1補強メンバーに連結され、前記第2連結部の下端が前記フロントサイドメンバーに結合され、
前記サスペンションハウジングに結合されるサポートブラケットをさらに含み、前記第2連結部は、前記サポートブラケットの長手方向に沿って整列されることを特徴とする車両用前方構造。
【請求項2】
前記第1補強メンバーは、前記サスペンションハウジングに向かって開放されているキャビティと、前記第1補強メンバーの上側縁部に沿って延長されている上側フランジと、前記第1補強メンバーの下側縁部に沿って延長されている下側フランジとを含んでなり、
前記上側フランジ及び下側フランジが前記サスペンションハウジングに結合されることによって前記キャビティは密閉されることを特徴とする請求項1に記載の車両用前方構造。
【請求項3】
前記第1連結部は、前記第1補強メンバーの前方端から前記フェンダエプロンアッパーメンバー及び前記フロントサイドメンバーに向かって延長されることを特徴とする請求項1に記載の車両用前方構造。
【請求項4】
前記第1連結部の上端が前記フェンダエプロンアッパーメンバーに結合され、前記第1連結部の下端が前記フロントサイドメンバーに結合されることを特徴とする請求項3に記載の車両用前方構造。
【請求項5】
前記第1連結部の軸線は、前記第1補強メンバーの軸線に対して直交することを特徴とする請求項1に記載の車両用前方構造。
【請求項6】
前記第2連結部の上端が前記サポートブラケットの下端に結合され、前記第2連結部の下端が前記フロントサイドメンバーに結合されることを特徴とする
請求項1に記載の車両用前方構造。
【請求項7】
前記サスペンションハウジングの後方に配置されているダッシュパネルと、
前記サスペンションハウジング及び前記ダッシュパネルの間に介在されている第2補強メンバーと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用前方構造。
【請求項8】
前記第2補強メンバーは、前記第1補強メンバーの後方端に連結され、前記第2補強メンバーは、前記フェンダエプロンアッパーメンバー及び前記ダッシュパネルの間に介在されることを特徴とする
請求項7に記載の車両用前方構造。
【請求項9】
前記第2補強メンバーの上端は、前記フェンダエプロンアッパーメンバーに結合されることを特徴とする
請求項7に記載の車両用前方構造。
【請求項10】
前記フロントサイドメンバーの後方端に連結されているエクステンションをさらに含み、
前記第2補強メンバーの下端は前記エクステンションに結合されることを特徴とする
請求項7に記載の車両用前方構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用前方構造に関し、より詳しくは、衝突荷重を均一に分配することによって衝突安全性を改善することができる車両用前方構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両前方構造は、車両の幅方向に沿って離隔された一対のフロントサイドメンバーを含み、フェンダエプロン(fender apron)、ショックアブソーバーの上端が取り付けられるサスペンションハウジングなどがフロントサイドメンバーに連結される。一対のフロントサイドメンバーは車両の長手方向に沿って延長され、一対のフロントサイドメンバーは、正面衝突が発生するとき、その衝突荷重に直接的に影響を受ける構成である。電気自動車は、フロアの下に高電圧バッテリーが搭載され、その定速距離を200マイルまで延ばすためにバッテリーの容量を増大する必要がある。バッテリーの容量増大により、バッテリーの体積が既存に比べておおよそ1.5倍以上に増加するので、衝突性能及び車体の剛性などを確保するための構造的改善が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、前記の点を考慮してなされたもので、衝突荷重を均一に分配することによって衝突安全性を改善することができる車両用前方構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による車両用前方構造は、フロントサイドメンバー及びフェンダエプロンアッパーメンバーの間に配置されているサスペンションハウジングと、車両の長手方向に沿って延長され、前記サスペンションハウジングに結合されている第1補強メンバーと、前記第1補強メンバーに付着され、前記フェンダエプロンアッパーメンバー及び前記フロントサイドメンバーを連結する第1連結部と、を含むことを特徴とする。
【0005】
前記第1補強メンバーは、前記サスペンションハウジングに向かって開放されているキャビティと、前記第1補強メンバーの上側縁部に沿って延長されている上側フランジと、前記第1補強メンバーの下側縁部に沿って延長されている下側フランジとを含んでなり、前記上側フランジ及び下側フランジが前記サスペンションハウジングに結合されることによって前記キャビティは密閉されることを特徴とする。
【0006】
前記第1連結部は、前記第1補強メンバーの前方端から前記フェンダエプロンアッパーメンバー及び前記フロントサイドメンバーに向かって延長されることを特徴とする。
【0007】
前記第1連結部の上端が前記フェンダエプロンアッパーメンバーに結合され、前記第1連結部の下端が前記フロントサイドメンバーに結合されることを特徴とする。
【0008】
前記第1連結部の軸線は、前記第1補強メンバーの軸線に対して直交することを特徴とする。
【0009】
前記第1補強メンバーの中間から前記フロントサイドメンバーに向かって延長されている第2連結部を含むことを特徴とする。
【0010】
前記第2連結部の上端が第1補強メンバーに連結され、前記第2連結部の下端が前記フロントサイドメンバーに結合されることを特徴とする。
【0011】
前記サスペンションハウジングに結合されるサポートブラケットをさらに含み、前記第2連結部は、前記サポートブラケットの長手方向に沿って整列されることを特徴とする。
【0012】
前記第2連結部の上端が前記サポートブラケットの下端に結合され、前記第2連結部の下端が前記フロントサイドメンバーに結合されることを特徴とする。
【0013】
前記サスペンションハウジングの後方に配置されているダッシュパネルと、前記サスペンションハウジング及び前記ダッシュパネルの間に介在されている第2補強メンバーとをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
前記第2補強メンバーは、前記第1補強メンバーの後方端に連結され、前記第2補強メンバーは、前記フェンダエプロンアッパーメンバー及び前記ダッシュパネルの間に介在されることを特徴とする。
【0015】
前記第2補強メンバーの上端は、前記フェンダエプロンアッパーメンバーに結合されることを特徴とする。
【0016】
前記フロントサイドメンバーの後方端に連結されているエクステンションをさらに含み、前記第2補強メンバーの下端は前記エクステンションに結合されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1補強メンバーがサスペンションハウジングに結合されることによってサスペンションハウジングの剛性を補強することができ、衝突荷重に対する抵抗性を高めることができる。また、第1補強メンバーが車両の長手方向に沿って延長されることによって車体の捩り剛性を強化することができる。本発明によれば、第1補強メンバーがフェンダエプロンアッパーメンバー及びフロントサイドメンバーの間で車両の長手方向に沿って延長されることによって複数のロードパスを具現することができ、これを通じて衝突荷重を均一に分配することができる。本発明によれば、第2補強メンバーが複数のロードパスを通じて伝えられた荷重に抵抗することができ、そのため、ダッシュパネルの変形が最少化できるので、乗客室がより安定的に保護される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両用前方構造を示す斜視図である。
【
図3】
図2に対する変形実施例を示す断面図である。
【
図4】本発明の車両用前方構造の左側を下から眺めた斜視図である。
【
図5】本発明の車両用前方構造の左側を上から眺めた平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図によって詳しく説明する。各図の構成要素に参照符号は、同一の構成要素に対しては同一の符号を有する。第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものである。
【0020】
図1に示す通り、本発明の実施形態に係る車両用前方構造10は、フロントサイドメンバー11及びフェンダエプロンアッパーメンバー12の間に配置されているサスペンションハウジング13と、サスペンションハウジング13に結合されている第1補強メンバー21とを含むことができる。各フロントサイドメンバー11は車両の長手方向に沿って延長されてよく、一対のフロントサイドメンバー11が車両の幅方向に沿って互いに離隔されてよい。各フェンダエプロンアッパーメンバー12は車両の長手方向に沿って延長されてよく、各フェンダエプロンアッパーメンバー12は車両の前方に向かって曲がっていてよい。一対のフェンダエプロンアッパーメンバー12は、車両の幅方向に沿って互いに離隔されてよい。一対のフェンダエプロンアッパーメンバー12は、一対のフロントサイドメンバー11より車両の外側に向かって位置してよい。各フェンダエプロンアッパーメンバー12の前方端は、該当するフロントサイドメンバー11の前方端に連結されてよい。
【0021】
図1に示す通り、各フェンダエプロンアッパーメンバー12は第1ロードパス(L1)を限定することができ、各フロントサイドメンバー11は第2ロードパス(L2)を限定することができる。一対のフロントサイドメンバー11及び一対のフェンダエプロンアッパーメンバー12は、車両のフロントコンパートメント(front compartment)の左右両側を限定するようになっていてよい。フロントコンパートメントは、内燃機関、電気モーターなどのような原動機(prime mover)、熱交換機などを収容するようになっていてよい。
【0022】
図4及び
図5に示す通り、ダッシュパネル19が一対のフェンダエプロンアッパーメンバー12の後方側に配置されてよく、ダッシュパネル19はフロントコンパートメント及び乗客室を区切ることができる。
図4及び
図5に示す通り、エクステンション(extension)14が各フロントサイドメンバー11の後方端に連結されてよく、エクステンション14は、溶接などによってダッシュパネル19の下部に付着されてよい。一例によれば、エクステンション14及びフロントサイドメンバー11は個別的な部品に製造され、エクステンション14がフロントサイドメンバー11の後方端に締め具、溶接などによって結合されてよい。他の例によれば、エクステンション14はフロントサイドメンバー11に一体に連結されてよく、よって、エクステンション14及びフロントサイドメンバー11は単一体(unitary one-piece structure)を形成することができる。
【0023】
エクステンション14は、各フロントサイドメンバー11の後方端からフロントピラー18及びサイドシル(図示省略)に向かって延長されてよい。特に、エクステンション14は、各フロントサイドメンバー11の後方端からフロントピラー18に向かって曲がっていてよい。
【0024】
図6に示す通り、エクステンション14は、サイドアウターメンバー15及びサイドローワーメンバー16を含んでよく、サイドアウターメンバー15は、車両の上部を向く上部壁15a、及び車両の外部空間を向く室外側壁15bを有してよく、サイドローワーメンバー16は、車両の下部を向く下部壁16a、及び車両の内部空間を向く室内側壁16bを有してよい。サイドアウターメンバー15は、室外側壁15bの下端から垂直下向きに延長された第1フランジ15cを有してよく、サイドローワーメンバー16は、下部壁16aから垂直下向きに延長された第2フランジ16cを有してよい。サイドアウターメンバー15の第1フランジ15c及びサイドローワーメンバー16の第2フランジ16cが締め具、溶接などによって結合されてよい。
【0025】
フェンダエプロンアッパーメンバー12の後方端及びエクステンション14の後方端がフロントピラー18に結合されてよい。サスペンションハウジング13は、各フロントサイドメンバー11及びそれに対応するフェンダエプロンアッパーメンバー12の間に配置されてよい。一対のサスペンションハウジング13は、車両の幅方向に沿って互いに離隔されてよい。ショックアブソーバーの上端がサスペンションハウジング13に取り付けられてよい。サスペンションハウジング13は、サスペンションハウジング13の上側縁部に沿って延長された上側フランジ13a、及びサスペンションハウジング13の下側縁部に沿って延長された下側フランジ13bを有してよい。上側フランジ13aは、締め具、溶接などによってフェンダエプロンアッパーメンバー12に結合されてよく、下側フランジ13bは、締め具、溶接などによってフロントサイドメンバー11に結合されてよい。
【0026】
図2及び
図3に示す通り、サスペンションハウジング13は、車両の内部空間を向く室内側面13c、及び車両の室外空間を向く室外側面13dを有してよい。具体的に、室内側面13cは、車両のフロントコンパートメントを向いてよく、室外側面13dは、車両のホイールハウスを向いてよい。
【0027】
図1に示す通り、第1補強メンバー21は車両の長手方向に沿って延長されてよく、第1補強メンバー21は、車両の前方を向く前方端31及び車両の後方を向く後方端32を有してよい。第1補強メンバー21は、フェンダエプロンアッパーメンバー12及びフロントサイドメンバー11の間に位置することにより、第1補強メンバー21はフェンダエプロンアッパーメンバー12及びフロントサイドメンバー11の間で第3ロードパス(L3)を限定することができる。
【0028】
これにより車両用前方構造10は複数のロードパス(L1、L2、L3)を有することができるので、衝突荷重を均一に分配することができる。
図2及び
図3に示す通り、第1補強メンバー21は、サスペンションハウジング13に締め具、溶接などによって結合されてよい。第1補強メンバー21は、『C』字形の断面を有してよい。第1補強メンバー21は、サスペンションハウジング13に向かって開放されたキャビティ21aと、第1補強メンバー21の上側縁部に沿って延長された上側フランジ21bと、第1補強メンバー21の下側縁部に沿って延長された下側フランジ21cとを有してよい。第1補強メンバー21の上側フランジ21b及び下側フランジ21cがサスペンションハウジング13に締め具、溶接などによって結合されることにより、キャビティ21aは密閉され得る。すなわち、第1補強メンバー21及びサスペンションハウジング13は、閉鎖型の断面を形成することができる。
【0029】
このように、サスペンションハウジング13に結合された第1補強メンバー21が閉鎖型の断面を形成することによってサスペンションハウジング13の剛性を補強することができ、衝突荷重に対する抵抗性を高めることができる。また、車両の長手方向に沿って延長された第1補強メンバー21がサスペンションハウジング13に結合されることにより、車体の捩り剛性を強化することができる。
【0030】
一実施形態によれば、第1補強メンバー21は、
図2に示す通り、サスペンションハウジング13の室内側面13cに結合されてよい。他の実施形態によれば、第1補強メンバー21は、
図3に示す通り、サスペンションハウジング13の室外側面13dに結合されてよい。
【0031】
図1に示す通り、本発明の実施形態に係る車両用前方構造10は、第1補強メンバー21に付着された第1連結部41を含むことができる。第1連結部41は、第1補強メンバー21の前方端31からフロントサイドメンバー11及びフェンダエプロンアッパーメンバー12に向かって延長されてよい。特に、第1連結部41の軸線は、第1補強メンバー21の軸線に対して直交する。第1連結部41の上端が締め具、溶接などによってフェンダエプロンアッパーメンバー12に結合され、第1連結部41の下端が締め具、溶接などによってフロントサイドメンバー11に結合されることにより、第1連結部41は、フロントサイドメンバー11及びそれに対応するフェンダエプロンアッパーメンバー12を連結することができる。
【0032】
図1に示す通り、本発明の実施形態に係る車両用前方構造10は、第1補強メンバー21の中間に付着された第2連結部42を含むことができる。第2連結部42は、第1補強メンバー21の中間からフロントサイドメンバー11に向かって延長されてよい。特に、第2連結部42の軸線は、第1補強メンバー21の軸線に対して直交する。第2連結部42の上端が第1補強メンバー21の中間に一体に連結されてよく、第2連結部42の下端がフロントサイドメンバー11に結合されることにより、第2連結部42は、第1補強メンバー21及びフロントサイドメンバー11を連結することができる。
【0033】
図1に示す通り、サスペンションハウジング13の剛性を補強するためのサポートブラケット43が、締め具、溶接などによってサスペンションハウジング13の室内側面13cに結合されてよい。第2連結部42は、サポートブラケット43の長手方向に沿って一列に配置されてよい。すなわち、第2連結部42の軸線は、サポートブラケット43の軸線に一列に整列されてよい。第2連結部42の上端が締め具、溶接などによってサポートブラケット43の下端に結合されてよく、第2連結部42の下端が締め具、溶接などによってフロントサイドメンバー11に結合されてよい。
【0034】
これにより、サスペンションハウジング13に印加される荷重が第2連結部42及びサポートブラケット43を通じて分配され得る。このように、サポートブラケット43の下端が第2連結部42の上端に結合されることにより、サポートブラケット43に作用する荷重が第2連結部42及び第1補強メンバー21を通じて分配でき、サポートブラケット43に作用するモーメントが減少するので、耐久性及び剛性などが増大できる。
【0035】
一実施形態によれば、第1連結部41は、第1補強メンバー21の前方端31に一体に連結されてよく、第2連結部42は、第1補強メンバー21の中間部に一体に連結されてよい。よって、第1補強メンバー21、第1連結部41、及び第2連結部42は、単一体(unitary one-piece structure)を形成することができる。
【0036】
図1に示す通り、本発明の実施形態に係る車両用前方構造10は、第1補強メンバー21の後方端に連結された第2補強メンバー22をさらに含むことができる。第2補強メンバー22は、サスペンションハウジング13の後方に配置されてよい。
図4及び
図5に示す通り、第2補強メンバー22は、サスペンションハウジング13及びダッシュパネル19の間に介在されてよい。第2補強メンバー22の前方面がサスペンションハウジング13の後方縁部に溶接などによって結合されてよく、第2補強メンバー22の後方面がダッシュパネル19の前面に溶接などによって結合されてよい。
【0037】
図4に示す通り、第2補強メンバー22の上端22aは、フロントピラー18の上端に隣接してよい。
図6に示す通り、第2補強メンバー22の上端22aは、溶接などによってフェンダエプロンアッパーメンバー12に結合されてよい。
【0038】
図6に示す通り、第2補強メンバー22の下端22bは溶接などによってエクステンション14に結合されてよく、第2補強メンバー22の下端22bは、エクステンション14のサイドアウターメンバー15の上部壁15aの開口15dを通じてエクステンション14の内部に挿入されてよい。第2補強メンバー22の下端22bは、サイドアウターメンバー15の室外側壁15b、並びにサイドローワーメンバー16の室内側壁16b及び下部壁16aに溶接などによって結合されてよい。
【0039】
図1に示す通り、本発明の実施形態に係る車両用前方構造10は、複数のロードパス(L1、L2、L3)を有することができる。複数のロードパス(L1、L2、L3)は、フェンダエプロンアッパーメンバー12によって限定された第1ロードパス(L1)と、フロントサイドメンバー11によって限定された第2ロードパス(L2)と、第1補強メンバー21によって限定された第3ロードパス(L3)からなり得る。車両の衝突時に発生した衝突荷重が、第1ロードパス(L1)、第2ロードパス(L2)、第3ロードパス(L3)を通じて伝えられてよい。
【0040】
第1ロードパス(L1)及び第2ロードパス(L2)を通じて伝えられる荷重が第1連結部41を通じて第3ロードパス(L3)に伝えられることにより衝突荷重が分配でき、特に第1連結部41がフェンダエプロンアッパーメンバー12及びフロントサイドメンバー11を連結することにより、フェンダエプロンアッパーメンバー12及びフロントサイドメンバー11は荷重によって隔てられることが防止できる。また、第2補強メンバー22が第1ロードパス(L1)、第2ロードパス(L2)、及び第3ロードパス(L3)に伝えられた荷重に抵抗することができ、よって、ダッシュパネル19の変形が最少化できるので、乗客室がより安定的に保護される。
【0041】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に示したもので、この実施形態によって限定されるものではない。
【符号の説明】
【0042】
11 フロントサイドメンバー
12 フェンダエプロンアッパーメンバー
13 サスペンションハウジング
13a 上側フランジ
13b 下側フランジ
13c 室内側面
13d 室外側面
14 エクステンション
15 サイドアウターメンバー
15a 上部壁
15b 室外側壁
15c 第1フランジ
15d 開口
16 サイドローワーメンバー
16a 下部壁
16b 室内側壁
16c 第2フランジ
18 フロントピラー
19 ダッシュパネル
21 第1補強メンバー
21a キャビティ
21b 上側フランジ
21c 下側フランジ
22 第2補強メンバー
22a 上端
22b 下端
31 前方端
32 後方端
41 第1連結部
42 第2連結部
L1 第1ロードパス
L2 第2ロードパス