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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240306BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240306BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20240306BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
H05K5/02 A
H05K5/03 A
H05K7/20 F
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020141154
(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公開番号】P2022036782
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡部 信隆
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-056790(JP,A)
【文献】特開平04-212648(JP,A)
【文献】特開2020-127266(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0128303(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0073505(US,A1)
【文献】特開2009-086631(JP,A)
【文献】中国実用新案第203204271(CN,U)
【文献】特開2010-044497(JP,A)
【文献】特開2013-077082(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0208626(US,A1)
【文献】特開2014-003293(JP,A)
【文献】特開2017-146482(JP,A)
【文献】特開2006-264664(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104282730(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R9/00-11/06
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H05K5/00-5/06
7/20
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の後面側に配置され、車体取付部に固定される第1パネルと、
前記表示部の側面を囲む枠部を有する第2パネルと、
前記第2パネルにおける前記枠部の外側に前記第1パネルの側面および前記第2パネルの側面を覆って配置され、前記枠部および前記第1パネルによって挟持される突出部を有する弾性部材と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記弾性部材の前記突出部は、
先端が前記第2パネルにおける前記枠部の内側に配置されるように屈曲した形状であり、
前記第1パネルは、
前記先端よりも内側において前記第2パネルに向かって突出することで前記枠部との間で前記先端を挟持する挟持部を有すること
を特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1パネルは、
前記第2パネルにおける前記枠部に対して嵌合する爪部を有し、
前記弾性部材は、
前記突出部が前記爪部および前記枠部の嵌合部位と、前記第パネルの周端
との間で挟持されること
を特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1パネルは、
前記突出部との当接位置においてリブが設けられること
を特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2パネルの前記枠部は、
切欠部を有し、
前記弾性部材の前記突出部は、
前記切欠部に係合する係合部を有し、
前記係合部は、
前記枠部の内側に屈曲した形状であること
を特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記切欠部は、
所定間隔で複数設けられ、
前記係合部は、
前記所定間隔よりも狭い間隔で複数設けられること
を特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示部および前記第2パネルの前面側に配置され、前記表示部の前面を覆うカバーをさらに備え、
前記弾性部材は、
前記第1パネル側の一端に配置される前記突出部である第1の突出部と、前記第2パネル側の他端に配置される第2の突出部とを有し、
前記第2の突出部は、
前記カバーおよび前記第2パネルによって挟持されること
を特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示部および前記第1パネルの間に設けられ、前記表示部が固定されるホルダと、
弾性を有し、前記ホルダおよび前記第1パネルによって挟持される放熱部材と、をさらに備えること
を特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項9】
表示部と、
前記表示部の後面側に配置され、車体取付部に固定される第1パネルと、
前記表示部の側面を囲む枠部を有する第2パネルと、
前記第2パネルにおける前記枠部の外側に前記第1パネルの側面および前記第2パネルの側面を覆って配置され、前記枠部および前記第1パネルによって挟持される突出部を有する弾性部材と、
を備え、
前記第1パネルは、
前記突出部との当接位置においてリブが設けられること
を特徴とする表示装置。
【請求項10】
表示部と、
前記表示部の後面側に配置され、車体取付部に固定される第1パネルと、
前記表示部の側面を囲む枠部を有する第2パネルと、
前記第2パネルにおける前記枠部の外側に前記第1パネルの側面および前記第2パネルの側面を覆って配置され、前記枠部および前記第1パネルによって挟持される突出部を有する弾性部材と、
を備え、
前記第2パネルの前記枠部は、
切欠部を有し、
前記弾性部材の前記突出部は、
前記切欠部に係合する係合部を有し、
前記係合部は、
前記枠部の内側に屈曲した形状であること
を特徴とする表示装置。
【請求項11】
前記切欠部は、
所定間隔で複数設けられ、
前記係合部は、
前記所定間隔よりも狭い間隔で複数設けられること
を特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、車両の天井部に取り付けられた表示装置では、2つのパネルで液晶パネル等の表示部を挟み込んで収容するとともに、2つのパネルを爪嵌合により固定する技術がある。また、車両振動等によってパネルが振動することで生じる異音の対策として、別途クッション材等を内部に配置して2つのパネルにバイアスをかける技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-164497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、異音対策用のクッション材を別途設ける必要があるため、部品コストが嵩んでしまう。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コストを抑えつつ、異音を低減することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、表示部と、第1パネルと、第2パネルと、弾性部材とを備える。前記第1パネルは、前記表示部の後面側に配置され、車体取付部に固定される。前記第2パネルは、前記表示部の側面を囲む枠部を有する。前記弾性部材は、前記第2パネルにおける前記枠部の外側に配置され、前記枠部および前記第1パネルによって挟持される突出部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コストを抑えつつ、異音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る表示装置の斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る表示装置の正面図である。
図3図3は、実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る本体部の断面図である。
図5図5は、実施形態に係る本体部の断面図である。
図6図6は、前パネルおよび弾性部材の位置関係を示す図である。
図7図7は、前パネルおよび弾性部材の位置関係を示す図である。
図8図8は、後パネルの爪部周辺の拡大図である。
図9図9は、リブと突出部との当接状態を示す断面図である。
図10図10は、本体部の断面図である。
図11図11は、変形例に係る本体部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する表示装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、図1図3を用いて、実施形態に係る表示装置1の構成例について説明する。図1は、実施形態に係る表示装置の斜視図である。図2は、実施形態に係る表示装置の正面図である。図3は、実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。
【0011】
図1に示す表示装置1は、リアシートエンタテイメントシステム(RSE)の一例である後席モニタであり、車両の天井部に吊り下げて固定される。図1に示すように、実施形態に係る表示装置1は、車体取付部2と、本体部3とを備える。車体取付部2は、例えば、車両の天井部に固定される。本体部3は、車体取付部2の車両方向側の一端に固定され、表示機能を有する。また、本体部3は、車両の左右方向を回動軸として回動可能に車体取付部2に固定される。
【0012】
図2および図3に示すように、本体部3は、後パネル31(第1パネルの一例)と、前パネル32(第2パネルの一例)と、表示部33と、ホルダ34と、弾性部材35と、放熱部材36とを備える。
【0013】
図2に示すように、正面(前面)から見た場合、本体部3は、表示部33の外周を前パネル32が覆うとともに、前パネル32のさらに外側には、弾性部材35が設けられている。この弾性部材35は、乗員が本体部3に接触した場合に痛みを和らげる頭部保護用の部材である。また、表示部33の後面側には放熱部材36が設けられるが、かかる点については後述する。
【0014】
つづいて、図2および図3を参照しつつ、本体部3の各部材について説明する。
【0015】
図3に示すように、後パネル31は、表示部33の後面側(表示面の裏面側)に配置され、車体取付部2に固定される。例えば、後パネル31は、硬質の樹脂材料で構成される。
【0016】
前パネル32は、表示部33の前面側(表示面側)に配置され、表示部33の前面のうち、外周部の周端を覆うとともに、表示部33の側面を囲む。具体的には、前パネル32は、表示部33の周端を覆うカバー部321(図4参照)と、表示部33の側面を囲む枠部322(図4参照)とを有する。
【0017】
この前パネル32および上記した後パネル31は、爪嵌合により互いに固定されることで筐体が構成され、かかる筐体内に表示部33、ホルダ34および放熱部材36を収容する。
【0018】
表示部33は、前面を表示面として各種情報を表示する表示パネルである。例えば、表示部33は、LCD(Liquid Crystal Display)である。
【0019】
ホルダ34は、表示部33および後パネル31の間に設けられ、表示部33が固定される板状の金属部材である。ホルダ34は、例えば、板金加工により製造される。
【0020】
弾性部材35は、前パネル32における枠部322の外側に配置され、枠部322および後パネル31によって挟持される。弾性部材35は、エラストマーであり、例えば、ゴム等の軟質な樹脂材料によって構成される。上述したように、弾性部材35は、乗員の頭部等が本体部3に接触した場合に痛みを和らげる頭部保護用の部材である。
【0021】
放熱部材36は、弾性を有し、ホルダ34および後パネル31によって挟持される。放熱部材36は、表示部33の駆動によって生じる熱をホルダ34を介して吸収し、外部へ放熱する機能を有する。
【0022】
ここで、後パネルには、車両の走行振動や、本体内部等が車体取付部を介して伝達される場合がある。かかる場合、従来は、互いに硬質な部材である後パネルおよび前パネル同士が共振することで異音が発生するおそれがあった。この対策として、従来は、後パネルに別途クッション材を配置して後パネルの振動を抑制していた。
【0023】
しかしながら、この場合、クッション材を別途設ける必要があるため、部品コストが嵩むおそれがあった。このように、従来は、コストを抑えつつ、異音を低減する点で改善の余地があった。
【0024】
そこで、実施形態に係る表示装置1では、頭部保護用として設けている弾性部材35を異音対策用のクッション材として用いることとした。
【0025】
具体的には、上述したように、表示装置1では、前パネル32および後パネル31によって弾性部材35を挟持する。換言すれば、表示装置1では、弾性部材35の弾性により前パネル32および後パネル31に対して挟持による圧力(バイアス)をかける。
【0026】
これにより、例えば、前パネル32および後パネル31で発生する振動を弾性部材35で吸収することができるため、前パネル32および後パネル31の共振による異音の発生を低減することができる。
【0027】
さらに、頭部保護用として配置している弾性部材35を、上述したクッション材としても機能させることで、異音対策用の専用のクッション材を別途設ける必要が無いため、コストを低減できる。
【0028】
すなわち、実施形態に係る表示装置1によれば、前パネル32および後パネル31によって弾性部材35を挟持することで、コストを抑えつつ、異音を低減することができる。
前パネル32および後パネル31によって弾性部材35を挟持する。
【0029】
さらには、前パネル32および後パネル31によって弾性部材35を挟持して固定することで、弾性部材35を固定するための接着部材が必要無くなるため、コストをさらに低減することができる。
【0030】
次に、図4および図5を用いて、実施形態に係る表示装置1の本体部3の断面について説明する。図4および図5は、実施形態に係る本体部3の断面図である。図4では、図2や後述する図7に示すA-A線で切断した断面を示しており、図5では、図2に示すB-B線で切断した断面を示している。
【0031】
まず、図4を用いて本体部3の断面について説明する。図4に示すように、前パネル32は、表示部33の前面における周端を覆うカバー部321と、表示部33の側面を囲む枠部322とを有する。また、弾性部材35は、後パネル31側の端部において、本体部3の内側に向かって突出した突出部351を有する。
【0032】
突出部351は、枠部322の先端(後パネル31側)と、後パネル31の周端31aによって挟持される。さらに、突出部351の先端351aは、枠部322に配置され、表示部33側に向かって屈曲した形状である。
【0033】
そして、後パネル31は、突出部351の先端351aよりも内側において表示部33側へ向かって突出する挟持部311を有し、かかる挟持部311と枠部322との間で先端351aを挟持する。
【0034】
これにより、弾性部材35を強固に固定できるため、弾性部材35の本体部3からの意図しない離脱を低減できる。さらに、後パネル31の周端31aおよび挟持部311により挟持することで、基端から先端351aまでの突出部351全体を使って後パネル31に対してバイアスをかけることができるため、異音低減の効果をより高めることができる。
【0035】
次に、図5を用いて本体部3の断面について説明する。図5に示すように、後パネル31は、表示部33側へ向かって突出する爪部312を有する。また、前パネル32は、枠部322の先端において、爪部312と嵌合する孔部322aを有する。
【0036】
これにより、後パネル31の爪部312と、前パネル32の枠部322における孔部322aとが爪嵌合することで嵌合部位が形成される。そして、弾性部材35の突出部351は、かかる嵌合部位と、後パネル31の周端31aとの間で挟持される。
【0037】
これにより、後パネル31および前パネル32の振動により嵌合部位において発生する異音を低減することができる。
【0038】
次に、図6および図7を用いて、前パネル32および弾性部材35についてさらに説明する。図6および図7は、前パネル32および弾性部材35の位置関係を示す図である。図6では、前パネル32および弾性部材35の分解斜視図を示し、図7では、前パネル32および弾性部材35が固定された図を示す。
【0039】
図6に示すように、前パネル32の枠部322は、所定間隔で切欠部322b(スリット)を有する。また、弾性部材35の突出部351は、切欠部322bに対応する位置に係合部352を有し、かかる係合部352が切欠部322bに入り込む状態で係合する。
【0040】
具体的には、係合部352は、前パネル32とは反対側の端部に設けられた先端351aの位置から前パネル32に向かって延在する部位である。
【0041】
また、図6および図7に示すように、係合部352は、切欠部322bに挿入される挿入部352aと、枠部322の側方側の端部を覆うカバー部352bとを有する。つまり、係合部352は、挿入部352aおよびカバー部352bにより、枠部322の内側に屈曲した形状となる。
【0042】
換言すれば、前パネル32は、切欠部322bが挿入部352aに係合するとともに、枠部322の側方が挿入部352aおよびカバー部352bにより形成される溝に挿入されて固定される。
【0043】
また、枠部322の先端は、突出部351の先端351aによって形成される溝に挿入されて固定される。これにより、枠部322は、弾性部材35の突出部351によって形成される溝に入り込むことで、側方方向および先端方向への位置ずれを抑制することができる。
【0044】
また、係合部352の挿入部352aは、切欠部322bにおいて、枠部322の側方方向に対してバイアスがかかる形状であることが好ましい。具体的には、前パネル32および弾性部材35が取り外された状態で、挿入部352aの幅D352aは、切欠部322bの幅D322bよりも僅かに広いことが好ましい。
【0045】
さらに、前パネル32および弾性部材35が取り外された状態で、弾性部材35の端部(前パネル32と反対側の端部)における突出部351の幅351は、枠部322の幅D322よりも僅かに狭いことが好ましい。
【0046】
なお、幅D351は、言い換えれば、枠部322を挟んで隣り合う係合部352の間隔である。また、幅D322は、言い換えれば、隣り合う切欠部322bの間隔である。すなわち、切欠部322bは、所定間隔D322で複数設けられ、係合部352は、所定間隔D322よりも狭い間隔D351で複数設けられる。
【0047】
これにより、前パネル32および弾性部材35が固定され場合に、挿入部352aから枠部322に対してバイアスをかけることができるため、前パネル32および弾性部材35が意図せずに離脱することを低減できる。
【0048】
次に、図8および図9を用いて、後パネル31の爪部321周辺の構造について説明する。図8は、後パネル31の爪部321周辺の拡大図である。図9は、リブ313と突出部351との当接状態を示す断面図である。
【0049】
図8および図9に示すように、後パネル31は、爪部312に近接した位置において、突出部351に向かって突出したリブ313を有する。後パネル31は、リブ313を介して突出部351に当接、すなわち、突出部351を挟持する。
【0050】
つまり、リブ313は、突出部351との当接位置に設けられる。換言すれば、前パネル32から突出部351に圧力(バイアス)は、リブ313に集約される。
【0051】
これにより、弾性部材35の突出部351を後パネル31および前パネル32で挟み込んで組み立てる場合に、リブ313を突出部351に当接させてバイアスをかけることで、組立時に必要な荷重を小さくできる。この結果、組立時の荷重によって後パネル31が曲るといった破損を低減することができる。
【0052】
次に、図10を用いて、放熱部材36の機能に説明する。図10は、本体部3の断面図である。図10では、図2に示すC-C線で切断した断面を示している。
【0053】
図10に示すように、放熱部材36は、ホルダ34および後パネル31に挟持されて固定される。これにより、放熱部材36は、表示部33で発生した熱をホルダ34を介して吸収し、吸収した熱を後パネル31を介して外部へ放出(放熱)することができる。
【0054】
また、放熱部材36は、弾性を有しているため、ホルダ34および後パネル31に挟持されることで、後パネル31に対してバイアスをかけることができる。これにより、車体取付部2を介して後パネル31に伝わる振動を放熱部材36で吸収できるため、後パネル31の振動により発生する異音を低減することができる。
【0055】
上述してきたように、実施形態に係る表示装置1は、表示部33と、後パネル31(第1パネル)と、前パネル32(第2パネル)と、弾性部材35とを備える。後パネル31は、表示部33の後面側に配置され、車体取付部2に固定される。前パネル32は、表示部33の側面を囲む枠部322を有する。弾性部材35は、前パネル32における枠部322の外側に配置され、枠部322および後パネル31によって挟持される突出部351を有する。これにより、後パネル31や前パネル32でコストを抑えつつ、異音を低減することができる。
【0056】
なお、表示装置1の本体部3は、表示部33の前面側に透明のカバーが設けられてもよく、かかる場合には、カバーと前パネル32とで弾性部材35をさらに挟持することができる。かかる点について、図11を用いて説明する。
【0057】
図11は、変形例に係る本体部3の断面図である。図11では、図2に示すB-B線の位置で切断した断面の変形例を示す。
【0058】
図11に示すように、変形例に係る本体部3は、表示部33の前面全体を覆うカバー37をさらに備える。また、変形例に係る前パネル32は、上述した実施形態に係る前パネル32と比較して、カバー部321を備えていない点で異なる。つまり、変形例に係る前パネル32は、枠部322のみを有する。
【0059】
カバー37は、表示部33および前パネル32の前面側に配置され、表示部33の前面を覆う透明部材、すなわち、オーバレイガラスである。このカバー37により、表示部33の前面(表示面)を保護することができる。
【0060】
さらに、変形例に係る弾性部材35は、後パネル31の一端に配置される突出部351(第1の突出部の一例)に加え、前パネル32側の他端に配置される突出部353(第2の突出部の一例)をさらに有する。
【0061】
図11に示すように、第2の突出部353は、カバー37および前パネル32によって挟持される。具体的には、第2の突出部353は、先端が前パネル32の枠部322における前面側に形成された凹部322cに挿入された状態で、カバー37の周端37aと、枠部322とによって挟持される。
【0062】
これにより、弾性部材35は、第1の突出部351が後パネル31および枠部322によって挟持され、第2の突出部353がカバー37および枠部322によって挟持されるため、弾性部材35をより強固に固定することができる。従って、変形例に係る本体部3によれば、弾性部材35の意図しない離脱を低減する効果をさらに向上させることができる。
【0063】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 表示装置
2 車体取付部
3 本体部
31 後パネル
32 前パネル
33 表示部
34 ホルダ
35 弾性部材
36 放熱部材
37 カバー
311 挟持部
312 爪部
313 リブ
321、352b カバー部
322 枠部
322a 孔部
322b 切欠部
351、353 突出部
352 係合部
352a 挿入部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11