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特許7449221間接費情報処理装置、間接費情報処理方法、および間接費情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】間接費情報処理装置、間接費情報処理方法、および間接費情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240306BHJP
【FI】
G06Q40/12
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020219444
(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公開番号】P2021152872
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2020053391
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】外山 哲史
(72)【発明者】
【氏名】石井 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-168068(JP,A)
【文献】特開2019-219850(JP,A)
【文献】特開2020-013617(JP,A)
【文献】特開2017-182792(JP,A)
【文献】特開2012-104024(JP,A)
【文献】株式会社オービックビジネスコンサルタント,財務会計システム 勘定奉行i10,2019 Japan IT Week 関西 ,日本,株式会社オービックビジネスコンサルタント,2019年01月23日,5-6頁,15頁
【文献】株式会社オービックビジネスコンサルタント,基幹業務システム 奉行i10シリーズ,Canon IT Solution Forum 2019 ,日本,株式会社オービックビジネスコンサルタント,2019年12月10日,8頁,11-12頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える間接費情報処理装置であって、
実績として計上された間接費の実績金額と第一の区分とを、部門別に含む実績データと、
実績として計上された間接費の配賦の実績金額と第二の区分とを、配賦元部門と配賦先部門の組み合わせ別に含む配賦データと、
予算として計上された間接費の予算金額を部門別に含む予算データと、
第一の区分を第三の区分と紐付け、第二の区分を第四の区分と紐付けて管理する区分紐付マスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
(1)前記区分紐付マスタから、前記実績データに含まれる第一の区分に紐付く第三の区分を取得し、前記実績データを基に、当該取得した第三の区分を含む間接費仕訳データを生成し、当該生成した間接費仕訳データを所定の記憶領域に格納する処理、および、(2)前記区分紐付マスタから、前記配賦データに含まれる第二の区分に紐付く第四の区分を取得し、前記配賦データを基に、当該取得した第四の区分を含む配賦仕訳データを生成し、当該生成した配賦仕訳データを前記所定の記憶領域に格納する処理、を実行する生成手段と、
区分に関する抽出条件を指定させ、前記所定の記憶領域から、当該指定された抽出条件に従って仕訳データを抽出し、当該抽出した仕訳データと前記予算データを基に、部門別の予算と実績の情報を出力する出力制御手段と、
を備えること、
を特徴とする間接費情報処理装置。
【請求項2】
実績として計上された間接費の実績金額と第一の区分とを、部門別に含む実績データと、実績として計上された間接費の配賦の実績金額と第二の区分とを、配賦元部門と配賦先部門の組み合わせ別に含む配賦データと、予算として計上された間接費の予算金額を部門別に含む予算データと、第一の区分を第三の区分と紐付け、第二の区分を第四の区分と紐付けて管理する区分紐付マスタと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置で実行される間接費情報処理方法であって、
前記制御部で実行される、
(1)前記区分紐付マスタから、前記実績データに含まれる第一の区分に紐付く第三の区分を取得し、前記実績データを基に、当該取得した第三の区分を含む間接費仕訳データを生成し、当該生成した間接費仕訳データを所定の記憶領域に格納する処理、および、(2)前記区分紐付マスタから、前記配賦データに含まれる第二の区分に紐付く第四の区分を取得し、前記配賦データを基に、当該取得した第四の区分を含む配賦仕訳データを生成し、当該生成した配賦仕訳データを前記所定の記憶領域に格納する処理、を実行する生成ステップと、
区分に関する抽出条件を指定させ、前記所定の記憶領域から、当該指定された抽出条件に従って仕訳データを抽出し、当該抽出した仕訳データと前記予算データを基に、部門別の予算と実績の情報を出力する出力制御ステップと、
を含むこと、
を特徴とする間接費情報処理方法。
【請求項3】
実績として計上された間接費の実績金額と第一の区分とを、部門別に含む実績データと、実績として計上された間接費の配賦の実績金額と第二の区分とを、配賦元部門と配賦先部門の組み合わせ別に含む配賦データと、予算として計上された間接費の予算金額を部門別に含む予算データと、第一の区分を第三の区分と紐付け、第二の区分を第四の区分と紐付けて管理する区分紐付マスタと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置に実行させるための間接費情報処理プログラムであって、
前記制御部に、
(1)前記区分紐付マスタから、前記実績データに含まれる第一の区分に紐付く第三の区分を取得し、前記実績データを基に、当該取得した第三の区分を含む間接費仕訳データを生成し、当該生成した間接費仕訳データを所定の記憶領域に格納する処理、および、(2)前記区分紐付マスタから、前記配賦データに含まれる第二の区分に紐付く第四の区分を取得し、前記配賦データを基に、当該取得した第四の区分を含む配賦仕訳データを生成し、当該生成した配賦仕訳データを前記所定の記憶領域に格納する処理、を実行する生成ステップと、
区分に関する抽出条件を指定させ、前記所定の記憶領域から、当該指定された抽出条件に従って仕訳データを抽出し、当該抽出した仕訳データと前記予算データを基に、部門別の予算と実績の情報を出力する出力制御ステップと、
実行させること、
を特徴とする間接費情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間接費情報処理装置、間接費情報処理方法、および間接費情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に財務会計システム上で科目別・部門別に予算を立てて、予算と実績の比較(予実管理)を行う。建設工事業では個別案件毎の収支管理を行うため、共通部門に発生した間接費の配賦仕訳が発生する。
【0003】
特許文献1には、業務の都合に合わせて収入および支出を管理する管理表における項目の構成を自由に変更するための機能を持つ収支管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-104024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、発生科目で配賦仕訳を作成する場合、実績が発生した共通部門から案件が紐づく実働部門へ振替られてしまうため、各部門の発生金額を捉えることが困難であった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、部門別の発生実績で予実管理を正しく行うことを容易に実現できる間接費情報処理装置、間接費情報処理方法、および間接費情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る間接費情報処理装置は、制御部を備える間接費情報処理装置であって、実績として計上された間接費の実績金額と第一の区分とを、部門別に含む実績データと、実績として計上された間接費の配賦の実績金額と第二の区分とを、配賦元部門と配賦先部門の組み合わせ別に含む配賦データと、予算として計上された間接費の予算金額を部門別に含む予算データと、第一の区分を第三の区分と紐付け、第二の区分を第四の区分と紐付けて管理する区分紐付マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部は、(1)前記区分紐付マスタから、前記実績データに含まれる第一の区分に紐付く第三の区分を取得し、前記実績データを基に、当該取得した第三の区分を含む間接費仕訳データを生成し、当該生成した間接費仕訳データを所定の記憶領域に格納する処理、および、(2)前記区分紐付マスタから、前記配賦データに含まれる第二の区分に紐付く第四の区分を取得し、前記配賦データを基に、当該取得した第四の区分を含む配賦仕訳データを生成し、当該生成した配賦仕訳データを前記所定の記憶領域に格納する処理、を実行する生成手段と、区分に関する抽出条件を指定させ、前記所定の記憶領域から、当該指定された抽出条件に従って仕訳データを抽出し、当該抽出した仕訳データと前記予算データを基に、部門別の予算と実績の情報を出力する出力制御手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る間接費情報処理方法は、実績として計上された間接費の実績金額と第一の区分とを、部門別に含む実績データと、実績として計上された間接費の配賦の実績金額と第二の区分とを、配賦元部門と配賦先部門の組み合わせ別に含む配賦データと、予算として計上された間接費の予算金額を部門別に含む予算データと、第一の区分を第三の区分と紐付け、第二の区分を第四の区分と紐付けて管理する区分紐付マスタと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置で実行される間接費情報処理方法であって、前記制御部で実行される、(1)前記区分紐付マスタから、前記実績データに含まれる第一の区分に紐付く第三の区分を取得し、前記実績データを基に、当該取得した第三の区分を含む間接費仕訳データを生成し、当該生成した間接費仕訳データを所定の記憶領域に格納する処理、および、(2)前記区分紐付マスタから、前記配賦データに含まれる第二の区分に紐付く第四の区分を取得し、前記配賦データを基に、当該取得した第四の区分を含む配賦仕訳データを生成し、当該生成した配賦仕訳データを前記所定の記憶領域に格納する処理、を実行する生成ステップと、区分に関する抽出条件を指定させ、前記所定の記憶領域から、当該指定された抽出条件に従って仕訳データを抽出し、当該抽出した仕訳データと前記予算データを基に、部門別の予算と実績の情報を出力する出力制御ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る間接費情報処理プログラムは、実績として計上された間接費の実績金額と第一の区分とを、部門別に含む実績データと、実績として計上された間接費の配賦の実績金額と第二の区分とを、配賦元部門と配賦先部門の組み合わせ別に含む配賦データと、予算として計上された間接費の予算金額を部門別に含む予算データと、第一の区分を第三の区分と紐付け、第二の区分を第四の区分と紐付けて管理する区分紐付マスタと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置に実行させるための間接費情報処理プログラムであって、前記制御部に実行させるための、(1)前記区分紐付マスタから、前記実績データに含まれる第一の区分に紐付く第三の区分を取得し、前記実績データを基に、当該取得した第三の区分を含む間接費仕訳データを生成し、当該生成した間接費仕訳データを所定の記憶領域に格納する処理、および、(2)前記区分紐付マスタから、前記配賦データに含まれる第二の区分に紐付く第四の区分を取得し、前記配賦データを基に、当該取得した第四の区分を含む配賦仕訳データを生成し、当該生成した配賦仕訳データを前記所定の記憶領域に格納する処理、を実行する生成ステップと、区分に関する抽出条件を指定させ、前記所定の記憶領域から、当該指定された抽出条件に従って仕訳データを抽出し、当該抽出した仕訳データと前記予算データを基に、部門別の予算と実績の情報を出力する出力制御ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、部門別の発生実績で予実管理を正しく行うことを容易に実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、従来のデータ管理および予実比較を説明するための図である。
図2図2は、間接費情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、経費計上データ106a、月末配賦データ106b、区分紐付けマスタ106c、および仕訳データ106dの一例ならびに仕訳データ生成処理の一例を示す図である。
図4図4は、部門別予実比較表画面MA,MBの一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態の実装例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る間接費情報処理装置、間接費情報処理方法、および間接費情報処理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[1.概要]
ここでは、本実施形態の概要について、図1等を参照して説明する。図1は、従来のデータ管理および予実比較を説明するための図である。
【0014】
一般的に、財務会計システム(アプリケーションソフトウェア)上で科目別・部門別に予算を立てて、予算と実績の比較(予実管理)を行う。ここで、例えば建設工事業では個別に案件毎の収支管理を行う為、共通部門に発生した間接費の配賦仕訳が発生する(図1に例示されている月末配賦の仕訳を参照)。
【0015】
しかし、発生科目で配賦仕訳を作成する場合、実績が発生した共通部門から、案件が紐付く実働部門へ配賦金額が振り替えられてしまう為、各部門の発生金額を捉えることができなかった(図1に例示されている予実比較表における実績(配賦)の列を参照)。そのため、従来は、予実管理を行う為に、発生科目とは別の、配賦仕訳の振替科目(配賦用科目)を用意するなど、煩雑な対応が必要であった。
【0016】
そこで、本実施形態では、発生元データの種類(データ区分)に応じて、連携仕訳に仕訳の「伝票区分」を自動セットすることで、財務会計システム(アプリケーションソフトウェア)側にて「伝票区分」で発生金額のみの抽出を可能とした。具体的には、本実施形態では、1)販売管理システム(アプリケーションソフトウェア)のデータ区分毎に、財務会計システムへの連携仕訳の伝票区分を管理するマスタ(本発明の区分紐付マスタに相当)を作成し(図3参照)、2)仕訳連携データ作成処理(本発明の生成手段で実行される処理に相当)で、当該マスタに従って自動的に伝票区分がセットされた連携仕訳を作成し(図3,5参照)、3)財務会計システム(アプリケーションソフトウェア)側にて、帳票出力時に出力対象の伝票区分の指定を可能にした(本発明の出力制御手段で実行される処理に相当、図4,5参照)。これにより、部門別の発生実績で予実管理を正しく行うことを容易に実現できるようになった。配賦を伴う科目別予実管理の簡易化を行うことができるようになった。配賦処理前の発生部門費の予実管理が容易となった。
【0017】
[2.構成・処理]
ここでは、本実施形態に係る間接費情報処理装置100の構成および間接費情報処理装置100で実行される処理の一例について、図2等を参照して説明する。図2は、間接費情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
間接費情報処理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、間接費情報処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0019】
間接費情報処理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。間接費情報処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、間接費情報処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、間接費情報処理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0021】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0022】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0023】
記憶部106には、例えば、経費計上データ106a(本発明の実績データに相当、図3,5参照)、月末配賦データ106b(本発明の配賦データに相当、図3,5参照)、区分紐付マスタ106c(本発明の区分紐付マスタに相当、図3参照)、仕訳データ106d(図3,5参照)、および予算として計上された間接費の予算金額を部門別に含む経費予算データ106e(本発明の予算データに相当、図5参照)などが格納される。
【0024】
なお、本実施形態では、経費計上データ106a、月末配賦データ106b、および区分紐付マスタ106cが、販売管理システム(アプリケーションソフトウェア)の管理下にある記憶領域に記憶され、仕訳データ106dおよび経費予算データ106eが、財務会計システム(アプリケーションソフトウェア)の管理下にある記憶領域に記憶されている例を示しているが(図5参照)、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0025】
図2に戻り、制御部102は、間接費情報処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0026】
制御部102は、機能概念的に、生成部102aおよび出力制御部102bなどを備える。
【0027】
生成部102aは、区分紐付マスタ106cから、経費計上データ106aに含まれるデータ区分「70:経費計上」(本発明の「第一の区分」に相当)に紐付く伝票区分「12:発生仕訳」(本発明の「第三の区分」に相当)を取得し、経費計上データ106aを基に、当該取得した伝票区分「12:発生仕訳」を含む間接費仕訳データを生成し、当該生成した間接費仕訳データを仕訳データ106d(本発明の「所定の記憶領域」に相当)に格納する処理を実行する(図3,5参照)。
【0028】
生成部102aは、区分紐付マスタ106cから、月末配賦データ106bに含まれるデータ区分「5244:配賦」(本発明の「第二の区分」に相当)に紐付く伝票区分「20:配賦仕訳」(本発明の「第四の区分」に相当)を取得し、月末配賦データ106bを基に、当該取得した伝票区分「20:配賦仕訳」を含む配賦仕訳データを生成し、当該生成した配賦仕訳データを仕訳データ106dに格納する処理を実行する(図3,5参照)。
【0029】
出力制御部102bは、伝票区分に関する抽出条件をオペレータに画面等を介して指定させ、仕訳データ106dから、当該指定された抽出条件に従って仕訳データを抽出し、当該抽出した仕訳データと経費予算データ106eを基に、部門別の予算と実績の情報(例えば図4に示す画面MAや画面MBなど)を出力装置114に出力する。特に、「10:財務仕訳」と「12:発生仕訳」の伝票区分のみに絞って仕訳データを抽出することにより図4の画面MBを出力することができるので、配賦仕訳が含まれていない、部門別の発生実績で予実管理を正しく行うことができる。なお、伝票区分「10:財務仕訳」は、財務会計システム(アプリケーションソフトウェア)にて直接発生した仕訳データにセットされるものである(図3参照)。
【0030】
なお、本実施形態では、生成部102aが、販売管理システム(アプリケーションソフトウェア)の機能として実装され、出力制御部102bが、財務会計システム(アプリケーションソフトウェア)の機能として実装されている例を示しているが(図5参照)、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0031】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0032】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0033】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0034】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0035】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0036】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0037】
また、間接費情報処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0038】
例えば、間接費情報処理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて間接費情報処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0039】
また、このコンピュータプログラムは、間接費情報処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0040】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0041】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0042】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0043】
また、間接費情報処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、間接費情報処理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0044】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、特に、ITメディア業界、建設業界等の案件型ビジネスの業種などにおいて有用である。
【符号の説明】
【0046】
100 間接費情報処理装置
102 制御部
102a 生成部
102b 出力制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 経費計上データ
106b 月末配賦データ
106c 区分紐付マスタ
106d 仕訳データ
106e 経費予算データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5