(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】放射線撮像装置及び放射線撮像システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240306BHJP
G01T 1/17 20060101ALI20240306BHJP
G01T 7/00 20060101ALI20240306BHJP
H04N 5/32 20230101ALI20240306BHJP
【FI】
A61B6/00 520Z
G01T1/17 G
G01T7/00 A
H04N5/32
(21)【出願番号】P 2021069264
(22)【出願日】2021-04-15
【審査請求日】2022-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 亮介
(72)【発明者】
【氏名】八木 朋之
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-089714(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0010353(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
G01T 1/00 - 1/16
1/167- 7/12
H04N 5/30 - 5/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線撮像システム内の他の装置と通信して放射線撮像を行う放射線撮像装置において、
所定の画素を含む複数の画素を備える放射線検出器であって、補正情報を取得するための取得動作と放射線撮像の準備を行うための準備動作と放射線撮像を行うための撮像動作とを含む複数の動作のうちのいずれかの動作を行う放射線検出器と、
放射線撮像に関する第1の通信が発生したことにしたがって第1の取得処理を実行するか否かを判定し、前記第1の取得処理を実行するとの判定にしたがって前記放射線検出器に前記取得動作を実行させて前記第1の取得処理を実行してから前記放射線検出器に前記準備動作を実行させ、前記第1の取得処理を実行しないとの判定にしたがって前記第1の取得処理を実行せずに前記放射線検出器に前記準備動作を実行させる手段と、
放射線撮像に関する第2の通信であって前記第1の通信の後に発生する第2の通信に基づいて前記放射線検出器に前記撮像動作を実行させ、放射線撮像の期間中に第2の取得処理を実行する手段と、
放射線発生装置による放射線の照射を停止させるための第3の通信を実行する手段と、を有し、
前記第1の取得処理は、前記放射線発生装置から放射線が照射されていない状態で前記
所定の画素からの信号を1回以上読み出し、該読み出された信号に基づいて前記補正情報を取得する処理であり、
前記第2の取得処理は、前記放射線発生装置から放射線が照射されている状態において前記
所定の画素からの信号を1回以上読み出し、該読み出された信号に基づいて線量情報を取得する処理であり、
所定の放射線撮像に関する第1の通信の発生にしたがって前記第1の取得処理が実行されて所定の補正情報が取得された場合、前記所定の放射線撮像の期間中に取得される所定の線量情報および前記所定の補正情報
を用いた線量の閾値判定の結果に基づいて、前記所定の放射線撮像における前記第3の通信が実行されることを特徴とする放射線撮像装置。
【請求項2】
前記第1の通信は放射線撮像の撮像情報を受信する通信であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
【請求項3】
前記放射線撮像装置を省電力状態に移行する前に前記第1の取得処理を更に実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線撮像装置。
【請求項4】
前記第1の通信によって撮像情報を受信してから所定の時間が経過するまでに前記撮像情報を使用した放射線撮像が開始されない場合に前記第1の取得処理を実行することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項5】
前記第1の取得処理を実行すると判定するための判定基準は、直近に前記第1の取得処理を実行してからの経過時間に関する基準を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項6】
前記第1の取得処理を実行すると判定するための判定基準は、前記放射線撮像装置の内部温度に関する基準を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項7】
前記第1の取得処理を実行すると判定するための判定基準は、前記所定の画素のオフセット出力に関する基準を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項8】
前記所定の画素は第1の画素であり、前記複数の画素は、放射線画像を構成する画素値を生成するための第2の画素をさらに含み、
前記第2の画素のオフセット出力に基づいて、前記補正情報を推定し、
前記推定された補正情報に基づいて、前記第1の取得処理を実行するかどうかを判定することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項9】
前記第1の取得処理を実行しないと判定した場合に、前記推定された補正情報を前記補正情報として使用することを特徴とする請求項8に記載の放射線撮像装置。
【請求項10】
前記所定の画素は第1の画素であり、前記複数の画素は、前記第1の画素よりも放射線に対する感度が低い第3の画素をさらに含み、
前記補正情報は第1の補正情報であり、
前記第1の取得処理において、前記放射線撮像装置に放射線が照射されていない状態で前記第3の画素から信号を1回以上読み出し、前記第3の画素から読み出された信号に基づく第2の補正情報をさらに決定し、
前記第2の取得処理において、前記放射線撮像装置に放射線が照射中に前記第1の画素及び前記第3の画素から信号を読み出し、前記第1の画素から読み出された信号の値と、前記第3の画素から読み出された信号の値と、前記第1の補正情報と、前記第2の補正情報とを用いて、照射中の放射線の量を決定することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項11】
前記準備動作によって前記複数の画素に蓄積された電荷はリセットされることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項12】
前記所定の放射線撮像に関する第1の通信の発生にしたがって前記第1の取得処理が実行されなかった場合、前記所定の放射線撮像の期間中に取得される前記所定の線量情報および予め記憶された補正情報
を用いた線量の閾値判定の結果に基づいて、前記所定の放射線撮像における前記第3の通信が実行されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項13】
前記予め記憶された補正情報は、以前に実行された前記第1の取得処理で取得された補正情報であることを特徴とする請求項12に記載の放射線撮像装置。
【請求項14】
前記第1の取得処理を実行しない場合は前記第1の取得処理を実行する場合よりも早いタイミングで放射線撮像を開始可能であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか1項に記載の放射線撮像装置と、
前記放射線撮像装置からの信号を処理する信号処理部とを備えることを特徴とする放射線撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線撮像装置及び放射線撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動露出制御(Automatic Exposure Control:AEC)機能を有する放射線撮像装置が知られている。このような放射線撮像装置は、照射中の放射線量を測定し、その結果に応じて放射線の照射を終了させることができる。放射線撮像装置は、例えば、放射線検出用に設定された画素のみを放射線照射中に高速に動作させることによって放射線量を監視する。また、放射線撮像装置は、放射線の照射開始の要求を受信するまで、各画素に蓄積したダーク電荷をリセットするために、各画素を順々に動作させるリセット動作を行う。特許文献1には、放射線の照射開始の要求を受信する前に放射線検出用の画素に照射された放射線量を取得し、この放射線量に基づいて、AECに使用される補正値を決定する放射線撮像装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の放射線撮像装置は、AECの精度を向上するために、放射線が照射される直前に補正値を決定する。しかし、補正値を決定する動作を実行中は放射線の照射を受けられないため、撮影が開始可能になるタイミングに影響を与えてしまう。本発明の一部の側面は、照射中の放射線量の監視に使用される補正値の決定動作が撮影のタイミングへ与える影響を低減するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に鑑みて、放射線撮像システム内の他の装置と通信して放射線撮像を行う放射線撮像装置において、所定の画素を含む複数の画素を備える放射線検出器であって、補正情報を取得するための取得動作と放射線撮像の準備を行うための準備動作と放射線撮像を行うための撮像動作とを含む複数の動作のうちのいずれかの動作を行う放射線検出器と、放射線撮像に関する第1の通信が発生したことにしたがって第1の取得処理を実行するか否かを判定し、前記第1の取得処理を実行するとの判定にしたがって前記放射線検出器に前記取得動作を実行させて前記第1の取得処理を実行してから前記放射線検出器に前記準備動作を実行させ、前記第1の取得処理を実行しないとの判定にしたがって前記第1の取得処理を実行せずに前記放射線検出器に前記準備動作を実行させる手段と、放射線撮像に関する第2の通信であって前記第1の通信の後に発生する第2の通信に基づいて前記放射線検出器に前記撮像動作を実行させ、放射線撮像の期間中に第2の取得処理を実行する手段と、放射線発生装置による放射線の照射を停止させるための第3の通信を実行する手段と、を有し、前記第1の取得処理は、前記放射線発生装置から放射線が照射されていない状態で前記所定の画素からの信号を1回以上読み出し、該読み出された信号に基づいて前記補正情報を取得する処理であり、前記第2の取得処理は、前記放射線発生装置から放射線が照射されている状態において前記所定の画素からの信号を1回以上読み出し、該読み出された信号に基づいて線量情報を取得する処理であり、所定の放射線撮像に関する第1の通信の発生にしたがって前記第1の取得処理が実行されて所定の補正情報が取得された場合、前記所定の放射線撮像の期間中に取得される所定の線量情報および前記所定の補正情報を用いた線量の閾値判定の結果に基づいて、前記所定の放射線撮像における前記第3の通信が実行されることを特徴とする放射線撮像装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
上記手段により、照射中の放射線量の監視に使用される補正値の決定動作が撮影のタイミングへ与える影響を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態の放射線撮像装置の構成を示す図。
【
図5】放射線撮像装置を含む放射線撮像システムの構成例を示す図。
【
図6】第1実施形態の放射線撮像装置の動作を示すフロー図。
【
図7】第1実施形態の放射線撮像装置の動作を示すタイミング図。
【
図8】第1実施形態の放射線撮像装置の動作を示すタイミング図。
【
図9】第1実施形態の補正値決定動作のタイミングを説明する図。
【
図10】第2実施形態の放射線撮像装置の動作を示すフロー図。
【
図11】第3実施形態の放射線撮像装置の動作を示すタイミング図。
【
図12】第6実施形態の放射線撮像装置の動作を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について以下に説明する。様々な実施形態を通じて同様の要素には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、各実施形態は適宜変更、組み合わせが可能である。
【0009】
図1は、本発明の第1実施形態に係る放射線撮像装置100の構成例を示す。放射線撮像装置100は、複数の行及び複数の列を構成するように撮像領域IRに配列された複数の画素と、複数の駆動線110と、複数の信号線120とを有する。複数の駆動線110は、画素の複数の行に対応して配置されており、各駆動線110が何れか1つの画素行に対応する。複数の信号線120は、画素の複数の列に対応して配置されており、各信号線120が何れか1つの画素列に対応する。
【0010】
複数の画素は、放射線画像を取得するために用いられる複数の撮像画素101と、放射線の照射量をモニターするために用いられる1つ以上の検出画素104と、放射線の照射量を補正するために用いられる1つ以上の補正画素107とを含む。放射線に対する補正画素107の感度は、放射線に対する検出画素104の感度よりも低い。
【0011】
撮像画素101は、放射線を電気信号に変換する変換素子102と、対応する信号線120と変換素子102とを互いに接続するスイッチ素子103とを含む。検出画素104は、放射線を電気信号に変換する変換素子105と、対応する信号線120と変換素子105とを互いに接続するスイッチ素子106とを含む。検出画素104は、複数の撮像画素101によって構成される行及び列に含まれるように配置される。補正画素107は、放射線を電気信号に変換する変換素子108と、信号線120と変換素子108とを互いに接続するスイッチ素子109とを含む。補正画素107は、複数の撮像画素101によって構成される行及び列に含まれるように配置される。
図1及び後続の図面では、変換素子102、変換素子105及び変換素子108に対して相異なるハッチングを付すことによって撮像画素101、検出画素104及び補正画素107を区別する。
【0012】
変換素子102、変換素子105及び変換素子108は、放射線を光に変換するシンチレータ及び光を電気信号に変換する光電変換素子とによって構成されてもよい。シンチレータは、一般的に、撮像領域IRを覆うようにシート状に形成され、複数の画素によって共有される。これに代えて、変換素子102、変換素子105及び変換素子108は、放射線を直接に電気信号に変換する変換素子で構成されてもよい。
【0013】
スイッチ素子103、スイッチ素子106及びスイッチ素子109は、例えば、非晶質シリコンまたは多結晶シリコンなどの半導体で活性領域が構成された薄膜トランジスタ(TFT)を含んでもよい。
【0014】
変換素子102の第1電極は、スイッチ素子103の第1主電極に接続され、変換素子102の第2電極は、バイアス線130に接続される。1つのバイアス線130は、列方向に延びていて、列方向に配列された複数の変換素子102の第2電極に共通に接続される。バイアス線130は、電源回路140からバイアス電圧Vsを受ける。1つの列に含まれる1つ以上の撮像画素101のスイッチ素子103の第2主電極は、1つの信号線120に接続される。1つの行に含まれる1つ以上の撮像画素101のスイッチ素子103の制御電極は、1つの駆動線110に接続される。
【0015】
検出画素104及び補正画素107も撮像画素101と同様の画素構成を有しており、対応する駆動線110及び対応する信号線120に接続される。検出画素104と補正画素107とは、信号線120に排他的に接続されている。すなわち、検出画素104が接続されている信号線120に補正画素107は接続されていない。また、補正画素107が接続されている信号線120に検出画素104は接続されていない。撮像画素101は、検出画素104又は補正画素107と同じ信号線120に接続されてもよい。
【0016】
駆動回路150は、制御部180からの制御信号に従って、複数の駆動線110を通じて、駆動対象の画素に対して駆動信号を供給するように構成される。本実施形態では、駆動信号は、駆動対象の画素に含まれるスイッチ素子をオンにするための信号である。各画素のスイッチ素子は、ハイレベルの信号でオンとなり、ローレベルの信号でオフとなる。そのため、このハイレベルの信号を駆動信号と呼ぶ。画素に駆動信号が供給されることによって、この画素の変換素子に蓄積された信号が読出し回路160によって読み出し可能な状態となる。駆動線110が検出画素104及び補正画素107の少なくとも一方に接続されている場合に、その駆動線110を検出駆動線111と呼ぶ。
【0017】
読出し回路160は、複数の信号線120を通じて、複数の画素から信号を読み出すように構成される。読出し回路160は、複数の増幅部161と、マルチプレクサ162と、アナログデジタル変換器(以下、AD変換器)163とを含む。複数の信号線120のそれぞれは、読出し回路160の複数の増幅部161のうち対応する増幅部161に接続される。1つの信号線120は、1つの増幅部161に対応する。マルチプレクサ162は、複数の増幅部161を所定の順番で選択し、選択した増幅部161からの信号をAD変換器163に供給する。AD変換器163は、供給された信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0018】
撮像画素101から読み出された信号は、信号処理部170に供給され、信号処理部170によって演算、記憶などの処理がなされる。具体的に、信号処理部170は演算部171及び記憶部172を含んでおり、演算部171が撮像画素101から読み出された信号に基づいて放射線画像を生成し、制御部180へ供給する。検出画素104及び補正画素107から読み出された信号は、信号処理部170に供給され、その演算部171によって演算、記憶などの処理がなされる。具体的に、信号処理部170は、検出画素104及び補正画素107から読み出された信号に基づいて、放射線撮像装置100に対する放射線の照射を示す情報を出力する。例えば、信号処理部170は、放射線撮像装置100に対する放射線の照射を検出したり、放射線の照射量及び/または積算照射量を決定したりする。
【0019】
制御部180は、信号処理部170からの情報に基づいて、駆動回路150及び読出し回路160を制御する。制御部180は、信号処理部170からの情報に基づいて、例えば、露出(撮像画素101による照射された放射線に対応する電荷の蓄積)の開始及び終了を制御する。
【0020】
放射線の照射量を決定するために、制御部180は、駆動回路150を制御することによって、検出駆動線111のみを走査し、検出画素104及び補正画素107からの信号だけを読み出し可能な状態にする。次に、制御部180は、読出し回路160を制御することによって、検出画素104及び補正画素107に対応する列の信号を読み出し、放射線の照射量を示す情報として出力する。そのような動作により、放射線撮像装置100は、検出画素104における照射情報を放射線照射中に得ることができる。
【0021】
図2は、増幅部161の詳細な回路構成例を示す。増幅部161は、差動増幅回路AMP及びサンプルホールド回路SHを含む。差動増幅回路AMPは、信号線120に現れた信号を増幅して出力する。制御部180は、差動増幅回路AMPのスイッチ素子に制御信号φRを供給することによって、信号線120の電位をリセットできる。差動増幅回路AMPからの出力は、サンプルホールド回路SHによって保持可能である。制御部180は、サンプルホールド回路SHのスイッチ素子に制御信号φSHを供給することによって、サンプルホールド回路SHに信号を保持させる。サンプルホールド回路SHに保持された信号は、マルチプレクサ162によって読み出される。
【0022】
図3及び
図4を参照して、放射線撮像装置100の画素の構造例について説明する。
図3は、放射線撮像装置100における撮像画素101、検出画素104及び補正画素107の構成を示す平面図である。平面図は、放射線撮像装置100の撮像領域IRに平行な面への正投影と等価である。ハッチングで示すように、補正画素107の変換素子108の上に金属層が配置されており、この金属層によって変換素子108が遮光されている。
【0023】
図4(a)は、
図3のA-A’線に沿った撮像画素101の断面図である。検出画素104の断面図は撮像画素101の断面図と同様である。ガラス基板等の絶縁性の支持基板400の上にスイッチ素子103が配置されている。スイッチ素子103は、TFT(薄膜トランジスタ)であってもよい。スイッチ素子103の上に、層間絶縁層401が配置されている。層間絶縁層401の上に変換素子102が配置されている。この変換素子102は、光を電気信号に変換可能な光電変換素子である。変換素子102は、例えば電極402、PINフォトダイオード403、電極404で構成される。変換素子102は、PIN型のフォトダイオードであるかわりに、MIS型のセンサによって構成されてもよい。
【0024】
変換素子102の上に、保護膜405、層間絶縁層406、バイアス線130、保護膜407が順に配置されている。保護膜407の上に、不図示の平坦化膜及びシンチレータが配置されている。電極404は、コンタクトホールを介してバイアス線130に接続されている。電極404の材料として、光透過性を有するITOが用いられ、不図示のシンチレータで放射線から変換された光を透過可能である。
【0025】
図4(b)は、
図3のB-B’線に沿った補正画素107の断面図である。補正画素107は、変換素子108が遮光部材408によって覆われている点で撮像画素101及び検出画素104とは異なり、他の点は同じであってもよい。遮光部材408は、例えばバイアス線130と同層の金属層によって形成される。補正画素107の変換素子108は遮光部材408によって覆われているので、放射線に対する補正画素107の感度は、撮像画素101及び検出画素104の感度と比べて著しく低い。補正画素107の変換素子108に蓄積される電荷は放射線に起因しないということもできる。
【0026】
図5は、放射線撮像装置100を含む放射線撮像システム500の構成例を示す。放射線撮像システム500は、放射線撮像装置100と、放射線源501と、放射線源インターフェース502と、通信インターフェース503と、コントローラ504とを備える。
【0027】
コントローラ504に、線量、照射上限時間(ms)、管電流(mA)、管電圧(kV)、放射線をモニターすべき領域である関心領域(ROI)などが入力される。放射線源501に付属された曝射スイッチが操作されると、コントローラ504は、放射線撮像装置100に開始要求信号を送信する。開始要求信号は、放射線の照射開始を要求する信号である。放射線撮像装置100は、開始要求信号を受信したことに応じて、放射線の照射を受け入れる準備を開始する。放射線撮像装置100は、準備が整ったら、通信インターフェース503を介して放射線源インターフェース502に開始可能信号を送信する。開始可能信号は、放射線の照射開始が可能であることを通知する信号である。放射線源インターフェース502は、開始可能信号を受信したことに応じて、放射線源501に放射線の照射を開始させる。
【0028】
放射線撮像装置100は、照射された放射線の線量の積算値の閾値に到達したら、通信インターフェース503を介して放射線源インターフェース502に終了要求信号を送信する。終了要求信号は、放射線の照射終了を要求する信号である。放射線源インターフェース502は、終了要求信号を受信したことに応じて、放射線源501に放射線の照射を終了させる。線量の閾値は、線量の入力値、放射線照射強度、各ユニット間の通信ディレイ、処理ディレイ等に基づいて、制御部180によって決定される。放射線の照射時間が、入力された照射上限時間に達した場合に、放射線源501は、終了要求信号を受信していなくても、放射線の照射を停止する。
【0029】
放射線の照射停止後、放射線撮像装置100は、撮像画素101のみが接続された駆動線110(検出駆動線111以外の駆動線110)を順次走査し、各撮像画素101の画像信号を読出し回路160により読み出すことによって、放射線画像を取得する。検出画素104に蓄積された電荷は放射線の照射中に読み出されており、補正画素107は遮光されているため、これらの画素からの信号は放射線画像の形成に使用できない。そこで、放射線撮像装置100の信号処理部170は、検出画素104及び補正画素107の周囲の撮像画素101の画素値を用いて補間処理を行うことによって、これらの画素の位置における画素値を補間する。
【0030】
図6を参照して、放射線撮像装置100の動作例について説明する。この動作は、制御部180によって実行される。制御部180は、マイクロプロセッサのような汎用処理回路で構成されてもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のような専用処理回路で構成されてもよい。制御部180が汎用処理回路で構成される場合に、制御部180はメモリをさらに含んでもよく、
図6の処理は、メモリに格納されたプログラムを汎用処理回路が実行することによって行われてもよい。
図6の動作は、放射線撮像装置100の電源がオフの状態で開始される。
【0031】
S601で、制御部180は、放射線撮像装置100の電源がオンになったことに応じて、放射線撮像装置100を省電力状態で起動する。省電力状態において、制御部180は、通信インターフェース503を介して、他の装置、例えば放射線源501やコントローラ504と通信可能になる。省電力状態において、制御部180以外の構成要素、例えば駆動回路150、撮像領域IR内の各画素、読み出し回路160及び信号処理部170に動作電力が供給されなくてもよい。
【0032】
S602で、制御部180は、外部装置から撮影情報を受信したかどうかを判定する。撮影情報は、例えばコントローラ504から放射線撮像装置100へ送信される。撮影情報は、撮影に関する情報、例えば放射線撮像装置100のゲイン設定などを含んでもよい。撮影情報を受信した場合(S602で「YES」)に処理はS603に遷移し、それ以外の場合(S602で「NO」)に処理はS602を繰り返す。このように、撮影情報が受信されるまで、放射線撮像装置100は、省電力状態に維持される。
【0033】
S603で、制御部180は、複数の画素のリセット動作を開始する。リセット動作とは、各画素の変換素子に蓄積した電荷を除去する動作のことであり、具体的には駆動線110に駆動信号を供給することによって各画素のスイッチ素子を導通状態にすることである。したがって、制御部180は、リセット動作を行うために、省電力状態から抜ける。リセット動作は、後続の別の動作が開始されるまで、各画素行について繰り返し行われる。
【0034】
S604で、制御部180は、AECを実行するために検出画素104から読み出された信号を補正するために使用される補正値を決定する動作(以下、補正値決定動作と呼ぶ)を実行するかどうかを判定する。補正値決定動作を実行すると判定された場合(S604で「YES」)に処理はS605に遷移し、制御部180は、リセット動作を終了し、補正値決定動作を実行する。補正値決定動作の具体的な方法については後述する。補正値決定動作の終了後、S606で、制御部180は、通信インターフェース503を介してコントローラ504に撮影開始可能であることを通知する。補正値決定動作の終了後、制御部180は、リセット動作を再開してもよい。補正値決定動作は、放射線撮像装置100に放射線が照射されていない状態で実行される。
【0035】
S604で補正値決定動作を実行しないと判定された場合(S604で「NO」)に処理はS606に遷移し、制御部180は、補正値決定動作を実行せずに、通信インターフェース503を介してコントローラ504に撮影開始可能であることを通知する。この場合に、制御部180は、撮影領域IRが安定するまでリセット動作を繰り返してからこの通知を行ってもよい。
【0036】
S604において補正値決定動作を実行すると判定するための判定基準について説明する。判定基準は、補正値に影響を与えるパラメータに関する基準を含んでもよい。例えば、判定基準は、直近に補正値決定動作を実行してからの経過時間に関する基準を含んでもよい。例えば、判定基準は、直近に補正値決定動作を実行してからの所定の時間(例えば、3日間)が経過したことを含んでもよい。これにかえて又はこれに加えて、判定基準は、放射線撮像装置100の内部温度に関する基準を含んでもよい。例えば、判定基準は、過去に(例えば、直近に)補正値決定動作を実行した際の放射線撮像装置100の内部温度に対して、S604の実行時点の内部温度が所定の範囲外(例えば、2%以上離れている)であることを含んでもよい。
【0037】
判定基準は、検出画素104及び補正画素107のオフセット出力に関する基準を含んでもよい。例えば、判定基準は、過去に(例えば、直近に)補正値決定動作を実行した際のこれらの画素のオフセット出力に対して、S604の実行時点の当該オフセット出力が所定の範囲外(例えば、2%以上離れている)であることを含んでもよい。制御部180は、検出画素104及び補正画素107のオフセット出力を、検出画素104及び補正画素107から読み出された信号に基づいて直接的に決定してもよい。これにかえて、制御部180は、検出画素104及び補正画素107のオフセット出力を、当該オフセット出力に相関を有する出力に基づいて類推することによって間接的に決定してもよい。上記の判定基準は、製造時に決定され、記憶部172に格納されてもよい。さらに、放射線撮像装置100のユーザが判定基準を更新又は生成可能であってもよい。
【0038】
S607で、制御部180は、開始要求信号を受信したかどうかを判定する。開始要求信号は、例えばコントローラ504から送信される。開始要求信号を受信した場合(S607で「YES」)に処理はS608に遷移し、それ以外の場合(S607で「NO」)に処理はS607を繰り返す。開始要求信号が受信されるまで、制御部180は、リセット動作を継続する。
【0039】
S608で、制御部180は、S602で受信した撮影情報を使用して撮影動作を行う。撮影動作中に、放射線撮像装置100に放射線が照射される。制御部180は、放射線撮像装置100に放射線が照射中に検出画素104及び補正画素107から信号を読み出し、この信号の値と、補正値とを用いて、照射中の放射線の量を決定する動作(以下、線量決定動作と呼ぶ)を実行する。S604で補正値決定動作を実行すると判定された場合に、制御部180は、線量決定動作において、S605で決定した補正値を使用する。S604で補正値決定動作を実行しないと判定された場合に、制御部180は、線量決定動作において、以前に実行した補正値決定動作によって決定され、記憶部172に格納された補正値を使用してもよい。これにかえて、制御部180は、線量決定動作において、事前に(例えば製造時に)記憶部172に格納された補正値を使用してもよい。
【0040】
S609で、制御部180は、次の撮影情報を受信しているかどうかを判定する。撮影情報を受信している場合(S609で「YES」)に処理はS604に遷移し、制御部180は、補正値決定動作を実行するかどうかを再び判定する。それ以外の場合(S609で「NO」)に処理はS610に遷移する。S610で、制御部180は、放射線撮像装置100を、制御部180のみが起動した省電力状態に移行する。
【0041】
S605で補正値決定動作を実行すると、この動作が終了するまで、制御部180は、撮影開始可能にならない。そのため、放射線撮像装置100が起動した後撮影開始可能になるまで(すなわち、最初に線量決定動作を実行可能になるまで)時間がかかってしまう。上述の方法では、S604で補正値決定動作を実行するかどうかを判定することによって、必要な場合にのみ補正値決定動作を実行できる。それによって、AECの精度への影響を軽減しつつ、撮影開始可能になるまでの時間を短縮できる。
【0042】
図6の動作例では、制御部180は、S603でリセット動作を開始した後に、S604で補正値決定動作を実行するかどうかの判定を行った。これにかえて、制御部180は、S602の撮影情報の受信の判定と、S603のリセット動作の開始との間に、補正値決定動作を実行するかどうかの判定を行ってもよい。
【0043】
図6の動作例では、制御部180は、撮影の種類によらず、S604で補正値決定動作を実行するかどうかの判定を行った。これにかえて、制御部180は、AECを行う撮影の場合にのみ、S604で補正値決定動作を実行するかどうかの判定を行ってもよい。制御部180は、AECを行わない撮影の場合に、S604で判定を行うことなく、補正値決定動作を行わなくてもよい。これによって、AECを行わない撮影の場合に、撮影開始可能になるまでの時間を短縮できる。
【0044】
図7を参照して、
図6のS604で補正値決定動作を実行すると判定された場合の放射線撮像装置100の動作例について説明する。
図7において、「放射線」は、放射線撮像装置100に放射線が照射されているか否かを示す。ローの場合に放射線が照射されておらず、ハイの場合に放射線が照射されている。「Vg1」~「Vgn」は、駆動回路150から複数の駆動線110に供給される駆動信号を示す。「Vgk」はk行目(k=1,...,駆動線の合計本数)の駆動線110に対応する。上述のように、複数の駆動線110の一部は、検出駆動線111とも呼ばれる。j番目の検出駆動線111を「Vdj」(j=1,...,検出駆動線の合計本数)と表す。φSHは、増幅部161のサンプルホールド回路SHに供給される制御信号のレベルを示す。φRは、増幅部161の差動増幅回路AMPに供給される制御信号のレベルを示す。「検出画素信号」は、検出画素104から読み出された信号の値を示す。「補正画素信号」は、補正画素107から読み出された信号の値を示す。「積算照射量」は、放射線撮像装置100に照射された放射線の積算値を示す。この積算値の決定方法については後述する。
【0045】
時刻t0(
図6のS603に対応)で、制御部180は、複数の画素のリセット動作を開始する。制御部180は、駆動回路150を制御することによって、1行目の駆動線110に接続された各画素をリセットする。続いて、制御部180は、2行目の駆動線110に接続された各画素をリセットする。制御部180は、この動作を最後の行の駆動線110まで繰り返す。リセット動作を繰り返している間に、制御部180は、補正値決定動作を実行すると判定する。
【0046】
時刻t1(
図6のS605に対応)において、制御部180は、検出画素104及び補正画素107から信号を1回以上読み出す読出し動作を行い、補正値を決定する。読出し動作は、検出駆動線111に対して実行され、それ以外の駆動線110に対しては実行されない。具体的に、駆動回路150は、複数の駆動線110のうち検出画素104及び補正画素107の少なくとも一方に接続された駆動線110(すなわち検出駆動線111)に駆動信号を供給する。しかし、駆動回路150は、複数の駆動線110のうち検出画素104及び補正画素107の何れにも接続されていない駆動線110に駆動信号を供給しない。また、駆動回路150は、複数の駆動線110のうち検出画素104及び補正画素107の少なくとも一方に接続された駆動線110に同時に駆動信号を供給する。それによって、同じ信号線120に接続されている複数の画素からの信号が合わさって読出し回路160に読み出される。検出画素104と補正画素107とは排他的に信号線120に接続されているので、読出し回路160は、感度の異なる画素の信号を分離して読み出せる。
【0047】
1回の読出し動作において、制御部180は、1つ以上の検出駆動線111に一時的に駆動信号を供給する。その後、制御部180は、制御信号φSHを一時的にハイレベルにすることによって、信号線120を通じて画素から読出し回路160に読み出された信号をサンプルホールド回路SHに保持する。その後、制御部180は、制御信号φRを一時的にハイレベルにすることによって、読出し回路160(具体的にはその増幅部161の差動増幅回路AMP)をリセットする。撮像領域IR内に関心領域が設定されている場合に、この関心領域に含まれない検出画素104から信号を読み出さなくてもよい。
【0048】
制御部180は、補正値を決定するために、読出し動作を1回以上の所定の回数行う。信号処理部170は、所定の回数の読出し動作によって検出画素104から読み出された信号に基づく補正値Odと、この所定の回数の読出し動作によって補正画素107から読み出された信号に基づく補正値Ocとを決定する。補正値Odの決定について詳細に説明する。所定の回数が1回であれば、検出画素104から読み出される信号は1つであるので、信号処理部170はその信号の値を補正値Odとする。所定の回数が複数回の場合に、信号処理部170は、読み出された複数個の信号の平均値を補正値Odとする。平均値に代えて他の統計値が用いられてもよい。補正画素107から読み出された信号に基づいて、補正値Ocも同様に決定される。信号処理部170は、このようにして決定した補正値Od、Ocを記憶部172に格納し、後続の処理に使用可能にする。
【0049】
補正値を決定すると、制御部180は、時刻t2(
図6のS606に対応)で、コントローラ504に撮影開始可能であることを通知する。制御部180は、撮影開始可能であることを通知した後に、上述のリセット動作を繰り返し実行する。
【0050】
このように、放射線照射の開始要求信号を受信する前に補正値Od、Ocを決定することによって、この決定動作が放射線の曝射ディレイに影響を与えないようにできる。そのため、補正値Od、Ocを決定するための読出し動作の回数を増やすことができる(例えば、数千回行う)。複数回の読出し動作で得られた値を平均化することによって、補正値Od、Ocのノイズ影響を小さくし、補正精度を向上できる。
【0051】
時刻t3(
図6のS607のYESに対応)で、制御部180は、コントローラ504から開始要求信号を受信する。開始要求信号の受信に応じて、制御部180は、最後の行までリセット動作を行い、リセット動作を終了する。制御部180は、最後の行までリセット動作を行う前にリセット動作を終了し、次の処理に移行してもよい。例えば、制御部180は、k行目の駆動線110のリセット動作中に開始要求信号の受信した場合に、k+1行目以降の駆動線110のリセット動作を行わずに次の処理に移行してもよい。この場合に、放射線画像を取得するための駆動の調整や放射線画像に対する画像処理を行うことによって、放射線画像に発生しうる段差を軽減してもよい。
【0052】
時刻t4で、制御部180は、撮影動作を開始する。具体的に、制御部180は、放射線撮像装置100に照射中の放射線の量を決定するための決定動作と、撮像画素101に電荷を蓄積する蓄積動作とを開始する。決定動作において、制御部180は、検出画素104及び補正画素107から信号を読み出す読出し動作を繰り返し実行する。撮影動作における読出し動作は、補正値決定動作における読出し動作と同様であってもよいため、重複する説明を省略する。信号処理部170は、読出し動作ごとに放射線の照射量DOSEを測定し、その積算値が閾値を超えたか否かを判定する。制御部180は、時刻t5で、放射線源インターフェース502へ開始可能信号を送信する。時刻t6から放射線の照射が開始される。
【0053】
照射量DOSEの決定方法について以下に説明する。直近の読出し動作によって検出画素104から読み出された信号の値をSdと表す。直近の読出し動作によって補正画素107から読み出された信号の値をScと表す。信号処理部170は、Sd、Sc、Od及びOcを以下の式(1)に適用することによって、DOSEを算出する。
【0054】
DOSE=(Sd-Od)-(Sc-Oc) …式(1)
この式では、開始可能信号を送信した後に補正画素107から読み出された信号の値Scと、開始可能信号を送信する前に補正画素107から読み出された信号に基づいて決定された補正値Ocとの差分に基づいてDOSEが決定される。
【0055】
また、信号処理部170は、式(1)に代えて、Sd、Sc、Od及びOcを以下の式(2)に適用することによって、DOSEを算出してもよい。
【0056】
DOSE=Sd-Od×Sc/Oc …式(2)
この式では、開始可能信号を送信した後に補正画素107から読み出された信号の値Scと、開始可能信号を送信する前に補正画素107から読み出された信号に基づいて決定された補正値Ocとの比率に基づいてDOSEが決定される。
【0057】
本実施形態では、補正画素107から読み出された信号の値(Sc及びOc)を用いて照射量DOSEを決定する。補正画素107は放射線に対する感度が非常に低いため、放射線の照射開始後に補正画素107から読み出された信号の値Scは、検出画素104から読み出された信号の値Sdのオフセット成分を表すとみなせる。さらに、本実施形態では、放射線の照射開始前に検出画素104及び補正画素107から読み出された信号に基づく補正値Od及びOcを用いて照射量DOSEを決定している。それによって、各画素の固有の特性違い(検出回路のチャネルの差異、各画素寄生抵抗、寄生容量の差異など)を補正できる。
【0058】
制御部180は、時刻t7で積算照射量が閾値に到達したら、放射線源インターフェース502に終了要求信号を送信する。これに代えて、制御部180は、積算照射量が閾値に到達する時刻を推定し、この推定時間に終了要求信号を送信してもよい。時刻t8で、放射線源インターフェース502は、終了要求信号の受信に応じて、放射線源501に放射線の照射を終了させる。
【0059】
図8を参照して、
図6のS604で補正値決定動作を実行しないと判定された場合の放射線撮像装置100の動作例について説明する。時刻t0(
図6のS603に対応)で、制御部180は、複数の画素のリセット動作を開始する。リセット動作を繰り返している間に、制御部180は、補正値決定動作を実行しないと判定する。そこで、制御部180は、コントローラ504に撮影開始可能であることを通知する。時刻t3以降の動作は
図7の動作例と同様である。照射量DOSEの決定は、以前に決定され記憶部172に格納されている補正値Oc及びOdを用いて行われる。
【0060】
制御部180は、複数のタイミングで取得した補正値Od、Ocを記憶しておき、温度などの環境の情報や、取得してからの経過時間の情報に基づいて、補正に使用する補正値Od、Ocを選択してもよい。例えば、制御部180は、放射線撮像装置100の温度をモニターし、放射線検出時と近い温度環境で取得した補正値Od、Ocを使用してもよい。これによって、温度により変化するオフセット成分の影響を抑制できる。または、制御部180は、近い温度環境で取得した複数の補正値Od、Ocの平均値を使用することによって、さらに補正精度を向上させてもよい。また、例えば、制御部180は、補正値Od、Ocの決定から放射線検出時までの時間を記録し、決定から長い時間が経過していない補正値Od、Ocを使用することによって、時間的に変化するオフセット成分の影響を抑制できる。また、制御部180は、長い時間が経過していない複数の補正値Od、Ocの平均値を使用することによって、補正精度を向上できる。
【0061】
補正値Od、Ocを決定するための読出し動作は、一度に数千回行う代わりに、
図9に示すように複数に分割されてもよい。制御部180は、時刻t0でリセット動作を実行した後、時刻t1で読出し動作を例えば数百回実行することによって、補正値Od、Ocを決定する。その後、制御部180は、時刻t2でリセット動作を再び実行した後、時刻t3で読出し動作を例えば数百回実行することによって、補正値Od、Ocを決定する。以下、同様に、リセット動作と補正値決定動作とが繰り返される。制御部180は、このように決定された複数の補正値Od、Ocを平均化することによって、補正に使用される補正値Od、Ocを決定する。以上のように補正値Od、Ocの決定動作を複数回に分割することによって、時刻t1の時点で1組の補正値Od、Ocを決定できるとともに、決定ごとに補正値Od、Ocの精度を向上できる。
【0062】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る放射線撮像装置について説明する。第2実施形態の放射線撮像装置のハードウェア構成は第1実施形態と同様であってもよい。そのため、第2実施形態の放射線撮像装置も放射線撮像装置100と表す。第2実施形態は、放射線撮像装置100の動作が第1実施形態とは異なる。他の点は第1実施形態と同様であってもよいので、重複する説明を省略する。以下では、第1実施形態との相違点について説明するが、第2実施形態又は第3実施形態に対して同じ変更がなされてもよい。
【0063】
図10を参照して、放射線撮像装置100の動作例について説明する。この動作は、
図6の動作と同様にして、制御部180によって実行される。S601~S610は
図6の動作と同様であってもよいため、重複する説明を省略する。
【0064】
S607で、制御部180が開始要求信号を受信していないと判定した場合(S607で「NO」)に、処理はS1001に遷移する。S1001で、制御部180は、S602で撮影情報を受信してから所定の時間(例えば、5分間)経過したかどうかを判定する。所定の時間が経過した場合(S1001で「YES」)に処理はS1002に遷移し、それ以外の場合(S1101で「NO」)に処理はS607に遷移する。
【0065】
S1002で、制御部180は、S605と同様にして、補正値決定動作を実行する。その後、制御部180は、S610で省電力状態に移行した後、S602に戻り、新たに撮影情報を受信するまで待機する。省電力状態に移行したため、リセット動作は終了する。このように、撮影情報を受信してから所定の時間経過しても撮影が開始されない場合に、しばらく撮影が行われないことが予想される。そのため、この時点で、放射線撮像装置100を省電力状態に移行する前に補正値決定動作を実行することによって、撮影への影響が少ないタイミングで補正値決定動作を実行できる。また、その後のS604において補正値決定動作を実行すると判定される頻度を抑制できる。
【0066】
S609で、制御部180が撮影情報を受信していないと判定した場合(S609で「NO」)に、処理はS1002に遷移する。この場合も、制御部180は、放射線撮像装置100を省電力状態に移行する前に補正値決定動作を実行する。上記と同様に、この時点で補正値決定動作を実行することによって、次回の撮影への影響が少ないタイミングで補正値決定動作を実行できる。また、S604補正値決定動作を実行すると判定される頻度を抑制できる。
【0067】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る放射線撮像装置について説明する。第3実施形態の放射線撮像装置のハードウェア構成は第1実施形態と同様であってもよい。そのため、第3実施形態の放射線撮像装置も放射線撮像装置100と表す。第3実施形態は、放射線撮像装置100の動作が第1実施形態とは異なる。他の点は第1実施形態と同様であってもよいので、重複する説明を省略する。以下では、第1実施形態との相違点について説明するが、第2実施形態に対して同じ変更がなされてもよい。
【0068】
図11を参照して、
図6のS604で補正値決定動作を実行すると判定された場合の放射線撮像装置100の動作例について説明する。
図11は、t0~t1でリセット動作を実行中に、制御部180が、撮像画素101のリセットだけでなく、撮像画素101から信号(オフセット出力)を読み出す点で
図6とは異なる。
図11の説明において、その他の点は
図6と同様であってもよい。撮像画素101、検出画素104及び補正画素107は同一の構造を有するため、撮像画素101の読み出し動作のオフセット出力と、線量決定動作中の検出画素104及び補正画素107のオフセット出力とは、高い相関を有する。そこで、本実施形態では、制御部180は、撮像画素101の読み出し動作のオフセット出力を使用して、補正値決定動作を実行するかどうかを判定する。
【0069】
図11に示すように、制御部180は、リセット動作の反復の一部の期間(例えば、t0~t1)において、撮像画素101のオフセット出力を取得する。制御部180は、S603における判定において、撮像画素101のオフセット出力に基づいて補正値Od及びOcを推定し、この推定された補正値に基づいて、補正値決定動作を実行するかどうかを判定する。例えば、撮像画素101のオフセット出力と、検出画素104及び補正画素107のオフセット出力との相関関係が記憶部172に格納されていてもよい。制御部180は、この相関関係と、撮像画素101のオフセット出力とに基づいて検出画素104及び補正画素107のオフセット出力を推定し、この推定値を補正値Od及びOcとしてもよい。
【0070】
制御部180は、この相関関係を、放射線撮像装置100の出荷時や設置時に取得して記憶してもよいし、補正値決定動作の実行時に検出画素104及び補正画素107のオフセット出力を取得する度に更新してもよい。このように更新することで、経年や駆動履歴により画素のオフセット出力が変化した場合でも、精度よく補正値を類推して判定を行うことができる。
【0071】
判定基準は、過去に(例えば、直近に)補正値決定動作を実行することによって決定された補正値に対して、推定された補正値が所定の範囲外(例えば、2%以上離れている)であることを含んでもよい。過去に決定された補正値に対して、推定された補正値が所定の範囲外にある場合に、この推定された補正値の精度が低いと考えられるため、制御部180は、新たに補正値決定動作を実行してもよい。過去に決定された補正値に対して、推定された補正値が所定の範囲内にある場合に、制御部180は、新たに補正値決定動作を実行せずに、この推定された補正値を使用して、S608において線量決定動作を実行してもよい。
【0072】
<第4実施形態>
第4実施形態に係る放射線撮像装置について説明する。第4実施形態の放射線撮像装置のハードウェア構成は第1実施形態と同様であってもよい。そのため、第4実施形態の放射線撮像装置も放射線撮像装置100と表す。第4実施形態は、放射線撮像装置100の動作が第1実施形態とは異なる。他の点は第1実施形態と同様であってもよいので、重複する説明を省略する。以下では、第1実施形態との相違点について説明するが、第2実施形態又は第3実施形態に対して同じ変更がなされてもよい。
【0073】
制御部180は、
図7の時刻t1でリセット動作が終了すると、検出画素104及び補正画素107に駆動信号を供給せずに、制御信号φSHを一時的にハイレベルにすることによって、信号線120の電位に基づく信号をサンプルホールド回路SHに保持する。その後、制御部180は、制御信号φRを一時的にハイレベルにすることによって、読出し回路160をリセットする。この動作を取得動作と呼ぶ。
【0074】
その後、制御部180は、検出画素104及び補正画素107に一時的に駆動信号を供給し、続いて制御信号φSHを一時的にハイレベルにすることによって、信号線120から読み出された信号をサンプルホールド回路SHに保持する。その後、制御部180は、制御信号φRを一時的にハイレベルにすることによって、読出し回路160をリセットする。この動作を読出し動作と呼ぶ。この読出し動作は、第1実施形態の読出し動作と同様である。制御部180は、取得動作及び読出し動作を交互に繰り返し実行する。
【0075】
制御部180は、リセット動作の終了後に、取得動作及び読出し動作を1回以上の所定の回数行う。信号処理部170は、取得動作によって検出画素104が接続された信号線120について取得された信号に基づく補正値Od1と、取得動作によって補正画素107が接続された信号線120について取得された信号に基づく補正値Oc1とを決定する。さらに、信号処理部170は、所定の回数の読出し動作によって検出画素104から読み出された信号に基づく補正値Od2と、この所定の回数の読出し動作によって補正画素107から読み出された信号に基づく補正値Oc2とを決定する。補正値Od1及びOc1は、上述の補正値Od及びOcと同様に決定できる。また、補正値Od2及びOc2は、上述の補正値Od及びOcと同様の値である。
【0076】
制御部180は、時刻t4で、上述の取得動作及び読出し動作を繰り返し実行する。信号処理部170は、読出し動作ごとに放射線の照射量DOSEを測定し、その積算値が閾値を超えたか否かを判定する。
【0077】
照射量DOSEの決定方法について以下に説明する。直近の取得動作によって検出画素104が接続された信号線120について取得された信号の値をSd1と表す。直近の取得動作によって補正画素107が接続された信号線120について取得された信号の値をSc1と表す。直近の読出し動作によって検出画素104から読み出された信号の値をSd2と表す。直近の読出し動作によって補正画素107から読み出された信号の値をSc2と表す。Sd2及びSc2は、上述のSd及びScと同様の値である。信号処理部170は、Sd1、Sc1、Od1、Oc1、Sd2、Sc2、Od2及びOc2を以下の式(3)に適用することによって、DOSEを算出する。
【0078】
DOSE={(Sd2-Od2)-(Sd1-Od1)}-{(Sc2-Oc2)-(Sc1-Oc1)} …式(3)
この式では、開始可能信号を送信した後に補正画素107から読み出された信号の値Sc1と、開始可能信号を送信する前に補正画素107から読み出された信号に基づいて決定された補正値Oc1との差分に基づいてDOSEが決定される。
【0079】
また、信号処理部170は、式(3)に代えて、Sd1、Sc1、Od1、Oc1、Sd2、Sc2、Od2及びOc2を以下の式(4)に適用することによって、DOSEを算出してもよい。
【0080】
DOSE=(Sd2-Sd1)-(Od2-Od1)×(Sc2-Sc1)/(Oc2-Oc1) …式(4)
この式では、開始可能信号を送信した後に補正画素107から読み出された信号の値Sc1と、開始可能信号を送信する前に補正画素107から読み出された信号に基づいて決定された補正値Oc1との比率に基づいてDOSEが決定される。その他の動作は第1実施形態と同様であってもよいので、重複する説明を省略する。
【0081】
以下に本実施形態による効果について説明する。1つ信号線120と、それに接続された画素に含まれる変換素子の電極との間に、寄生容量が形成される。この寄生容量によって信号線120と変換素子の電極とが容量結合し、クロストークが発生しうる。そのため、ある行の画素の変換素子から信号線120を介して信号が読み出されている間に、他の行の画素の変換素子の電極の電位が光電変換によって変化すると、クロストークによって信号線120の電位が変化しうる。この変化は、放射線の照射量の決定において精度を悪化させる要因となりうる。
【0082】
上述の取得動作において、スイッチ素子を導通させない状態で信号線120の電位に基づく信号を取得するので、クロストークのみの信号を抽出できる。上述の読出し動作において、スイッチ素子を導通させた後に信号を読み出すため、クロストークに加えて変換素子に溜まった信号の合算の信号を読み出すことができる。信号線120の電位をリセットしてからサンプリングまでの時間が、取得動作と読出し動作で同じであれば、クロストークの量は概略同じとなるため、それらの差分をとることで、クロストークを補正できる。さらに、上記の式(3)及び(4)によってオフセット成分が補正できるのは第1実施形態と同様である。
【0083】
<第5実施形態>
第5実施形態に係る放射線撮像装置について説明する。第5実施形態の放射線撮像装置のハードウェア構成は第1実施形態と同様であってもよい。そのため、第5実施形態の放射線撮像装置も放射線撮像装置100と表す。第5実施形態は、放射線撮像装置100の動作が第1実施形態とは異なる。他の点は第1実施形態と同様であってもよいので、重複する説明を省略する。以下では、第1実施形態との相違点について説明するが、第2実施形態又は第3実施形態に対して同じ変更がなされてもよい。
【0084】
制御部180は、読出し動作において、検出駆動線111を介して、検出画素104及び補正画素107に駆動信号を供給した状態を維持する。したがって、検出画素104及び補正画素107のスイッチ素子はオンの状態を維持する。制御部180は、この状態を維持したままで、上述の照射中の放射線量の決定を行う。具体的に、制御部180は、制御信号φSHを一時的にハイレベルにすることによって、信号線120を通じて画素から読出し回路160に読み出された信号をサンプルホールド回路SHに保持する。その後、制御部180は、制御信号φRを一時的にハイレベルにすることによって、読出し回路160(具体的にはその増幅部161の差動増幅回路AMP)をリセットする。その他の動作は第1実施形態と同様であってもよいので、重複する説明を省略する。
【0085】
上述の実施形態では、照射量DOSEが、Sd、Sc、Od及びOcを用いて決定された。これに代えて、照射量DOSEは、Sc及びOcを用いず、Sd及びOdを用いて決定されてもよい。この場合に、補正値決定動作及び線量決定動作において、補正画素107から信号が読み出されなくてもよい。また、放射線撮像装置100において、補正画素107が省略されてもよい。
【0086】
<第6実施形態>
第6実施形態に係る放射線撮像装置について説明する。第6実施形態の放射線撮像装置のハードウェア構成は第1実施形態及び第2実施形態と同様であってもよい。そのため、第6実施形態の放射線撮像装置も放射線撮像装置100と表す。第6実施形態は、放射線撮像装置100の動作が第1実施形態及び第2実施形態とは異なる。他の点は第1実施形態及び第2実施形態と同様であってもよいので、重複する説明を省略する。以下では、第2実施形態との相違点について説明する。
【0087】
図12を参照して、放射線撮像装置100の動作例について説明する。この動作は、
図10の動作と同様にして、制御部180によって実行される。S601~S610、S1001は
図10の動作と同様であってもよいため、重複する説明を省略する。
【0088】
S607で開始要求信号の受信を待機していて、S1001で所定の時間が経過していない場合(S1001で「NO」)に、処理はS1201に遷移する。S1201では補正値決定動作を実行するか判定し、実行すると判断した場合(S1201で「YES」)、処理はS1202に遷移して補正値決定動作を実行する。その後、処理はS607に遷移する。補正値決定動作を実行しないと判断した場合(S1201で「NO」)、処理はS1202に遷移せずにS607に遷移する。このように開始要求信号受信の待機中に補正値を取得することで、開始要求信号受信の待機中にオフセット出力が変動した場合でも、精度よく補正を行うことができる。
【0089】
また、S609で撮影情報を受信した場合(S609で「YES」)に、S605での補正値決定動作を行わずにS606に遷移して撮影可能な状態に移行することができる。
【0090】
なお、S607での開始要求信号の受信の待機中は撮影可能な状態であるため、S1202での補正値決定動作中に開始要求信号を受信した場合、S1202での補正値決定動作を停止し、S608での撮影動作に移行することも可能である。また、S1202での補正値決定動作は、例えば
図9のように分割して行ってもよい。分割することで、短時間で補正値を決定して精度を向上させながら、開始要求信号を受信した場合に速やかにS608での撮影動作に移行できる。S1202での補正値決定動作の判定基準は、S604での判定よりも基準を厳しくしてもよい。S1202での補正値決定動作の頻度を上げることで、S610の省電力状態に移行した後、S602で撮影情報を受信した場合に、S605での補正値決定動作の頻度を抑制できる。それにより、S602で撮影情報を受信してからS606で撮影可能な状態に移行するまでの時間を抑制することができる。
【0091】
<その他の実施形態>
以下、
図12を参照しながら放射線撮像装置100を放射線検知システムに応用した例を説明する。放射線源であるX線チューブ6050で発生したX線6060は、患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、前述の放射線撮像装置100に代表される放射線撮像装置6040に入射する。この入射したX線には被験者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応してシンチレータは発光し、これを光電変換素子で光電変換して、電気的情報を得る。この情報はデジタルに変換され信号処理部となるイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室の表示部となるディスプレイ6080で観察できる。
【0092】
また、この情報は電話回線6090等の伝送処理部により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなど表示部となるディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の記録部に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。また記録部となるフィルムプロセッサ6100により記録媒体となるフィルム6110に記録することもできる。
【符号の説明】
【0093】
100 放射線撮像措置、101 撮像画素、104 検出画素、107補正画素、110 駆動線、111 検出駆動線、120 信号線、150 駆動回路、160 読出し回路、170 信号処理部、180 制御部