(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】放射線検出器
(51)【国際特許分類】
G01T 1/20 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
G01T1/20 E
(21)【出願番号】P 2021133082
(22)【出願日】2021-08-18
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】中山 浩平
(72)【発明者】
【氏名】相賀 史彦
(72)【発明者】
【氏名】高須 勲
(72)【発明者】
【氏名】和田 淳
(72)【発明者】
【氏名】野村 裕子
【審査官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/133136(WO,A1)
【文献】特開2014-182000(JP,A)
【文献】特開2004-071638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/167-7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電領域を含む第1導電層と、
第1積層体と、
を備え、
前記第1積層体は、
第1方向において前記第1導電領域から離れた第1電極と、
前記第1導電領域と前記第1電極との間に設けられた第1シンチレータ層と、
前記第1シンチレータ層と前記第1電極との間に設けられた第1中間電極と、
前記第1中間電極と前記第1電極との間に設けられた第1有機半導体層と、
を含
み、
前記第1中間電極は、第1導電膜及び第2導電膜を含み、
前記第1導電膜は、開口部を含み、
前記第2導電膜の少なくとも一部は、前記開口部の中にある、放射線検出器。
【請求項2】
前記第2導電膜の少なくとも一部は、前記第1方向において前記第1導電膜と重なる、請求項
1に記載の放射線検出器。
【請求項3】
前記第1導電膜は、Al、Be、Mg、Zn及びCよりなる群から選択された少なくとも1つを含み、
前記第2導電膜は、第1元素と酸素とを含む化合物を含み、
前記第1元素は、In及びZnよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項
1または
2に記載の放射線検出器。
【請求項4】
前記第1方向と交差する第2方向に沿う前記第1導電層の第1導電層長さは、前記第2方向に沿う前記第1電極の第1電極長さよりも長い、請求項1~
3のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【請求項5】
第2積層体をさらに備え、
前記第1導電層は、第2導電領域をさらに含み、
前記第1導電領域から前記第2導電領域への方向は、前記第1方向と交差し、
前記第2積層体は、
前記第1方向において前記第2導電領域から離れた第2電極と、
前記第2導電領域と前記第2電極との間に設けられた第2シンチレータ層と、
前記第2シンチレータ層と前記第2電極との間に設けられた第2中間電極と、
前記第2中間電極と前記第2電極との間に設けられた第2有機半導体層と、
を含む、請求項1~
3のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【請求項6】
第2導電領域を含む第2導電層と、
第2積層体と、
を備え、
前記第2導電層は、前記第1導電層と電気的に接続され、
前記第1導電領域から前記第2導電領域への方向は、前記第1方向と交差し、
前記第2積層体は、
前記第1方向において前記第2導電領域から離れた第2電極と、
前記第2導電領域と前記第2電極との間に設けられた第2シンチレータ層と、
前記第2シンチレータ層と前記第2電極との間に設けられた第2中間電極と、
前記第2中間電極と前記第2電極との間に設けられた第2有機半導体層と、
を含む、請求項1~
3のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【請求項7】
前記第1中間電極に電気的に接続された第1配線層を含み、
前記第1配線層の少なくとも一部は、らせん構造及びミアンダ構造の少なくともいずれかを有する、請求項1~
6のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【請求項8】
制御部と、
前記第1導電層を前記制御部と電気的に接続する第1配線と、
前記第1中間電極を前記制御部と電気的に接続する第2配線と、
前記第1電極を前記制御部と電気的に接続する第3配線と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記第1導電層を第1電位に設定し、前記第1中間電極を第2電位に設定し、
前記制御部は、前記第1シンチレータ層に入射する放射線に応じて生じる
前記第1電極から得られる信号に応じた信号を出力可能である、請求項1~
7のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線検出器において、安定した検出が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、安定した検出が可能な放射線検出器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、放射線検出器は、第1導電領域を含む第1導電層と、第1積層体と、を含む。前記第1積層体は、第1方向において前記第1導電領域から離れた第1電極と、前記第1導電領域と前記第1電極との間に設けられた第1シンチレータ層と、前記第1シンチレータ層と前記第1電極との間に設けられた第1中間電極と、前記第1中間電極と前記第1電極との間に設けられた第1有機半導体層と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1(a)及び
図1(b)は、第1実施形態に係る放射線検出器を例示する模式的断面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る放射線検出器を例示する模式的断面図である。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は、第1実施形態に係る放射線検出器を例示する模式的断面図である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、第1実施形態に係る放射線検出器を例示する模式図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る放射線検出器の一部を例示する模式的平面図である。
【
図6】
図6(a)~
図6(c)は、第1実施形態に係る放射線検出器の一部を例示する模式図である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、第2実施形態に係る放射線検出器を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)及び
図1(b)は、第1実施形態に係る放射線検出器を例示する模式的断面図である。
図1(a)に示すように、実施形態に係る放射線検出器110は、第1導電層51及び第1積層体11Eを含む。第1導電層51は、第1導電領域51aを含む。
【0009】
第1積層体11Eは、第1電極11、第1シンチレータ層41、第1中間電極21及び第1有機半導体層31を含む。
【0010】
第1電極11は、第1方向において第1導電領域51aから離れる。第1方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。第1導電領域51aから第1電極11への方向が、第1方向(Z軸方向)に対応する。
【0011】
第1シンチレータ層41は、第1導電領域51aと第1電極11との間に設けられる。第1中間電極21は、第1シンチレータ層41と第1電極11との間に設けられる。第1有機半導体層31は、第1中間電極21と第1電極11との間に設けられる。
【0012】
放射線81が、第1導電層51を通過して、第1積層体11Eの第1シンチレータ層41に入射する。第1シンチレータ層41において、入射した放射線81に応じて光が生じる。生じた光が第1有機半導体層31に入射して、移動可能な電荷が生じる。電荷に応じた信号を取り出すことで、入射した放射線81が検出できる。
【0013】
図1(a)に示すように、制御部70が設けられて良い。放射線検出器110は、制御部70を含んでも良い。制御部70は、放射線検出器110とは別に設けられても良い。
【0014】
放射線検出器110は、第1~第3配線71~73を含んでも良い。第1配線71は、第1導電層51を制御部70と電気的に接続する。第2配線72は、第1中間電極21を制御部70と電気的に接続する。第3配線73は、第1電極11を制御部70と電気的に接続する。
【0015】
例えば、制御部70は、第1導電層51を第1電位V1に設定し、第1中間電極21を第2電位V2に設定する。第1電位V1は、例えば固定電位である。第1電位V1は、例えば、接地電位でも良い。第2電位V2は、例えばバイアス電位(バイアス電圧)である。第2電位V2は、例えば-50V以上-5V以下などである。実施形態において、第2電位V2の極性及び絶対値は、種々に変更可能である。
【0016】
このような電位が設定された状態で、第1シンチレータ層41に放射線81が入射する。上記のように、入射する放射線81に応じて、第1電極11から電気信号(信号Vs1)が得られる。制御部70は、この信号Vs1に応じた信号Sig1を出力可能である。制御部70は、電源部及び検出部を含んで良い。電源部は、上記の電位を設定する。検出部は、上記の信号Vs1を増幅可能である。検出部は、増幅器を含んで良い。
【0017】
実施形態においては、第1シンチレータ層41が第1導電層51と第1中間電極21との間に設けられる。第1シンチレータ層41、第1導電層51及び第1中間電極21は、キャパシタとして機能できる。これにより、第1中間電極21の電位は、より安定になる。実施形態によれば、安定した検出が可能な放射線検出器を提供できる。
【0018】
例えば、放射線81が入射して第1電極11から信号Vs1が取り出される。この際に、信号Vs1の時間的な変化に応じて、第1中間電極21の電位が影響を受け、変化してしまうことがある。実施形態においては、第1中間電極21の電位の変動が、第1シンチレータ層41、第1導電層51及び第1中間電極21に基づくキャパシタにより、抑制される。
【0019】
例えば、信号Vs1の時間的な変化に応じた第1中間電極21の電位の変動を抑制するために、第1積層体11Eとは別に、キャパシタ素子が設けられる参考例が考えられる。この参考例においては、別のキャパシタ素子が設けられるため、構造が複雑になる。別のキャパシタ素子が放射線81を減衰させ、放射線81の検出特性が低くなる場合がある。
【0020】
実施形態においては、別のキャパシタが不要である。第1シンチレータ層41、第1導電層51及び第1中間電極21において、放射線81の減衰はわずかである。放射線81の検出特性への悪影響が抑制され、安定な検出が可能である。
【0021】
実施形態において、第1電極11及び第1中間電極21の少なくともいずれかは、例えば、Al、Be、Mg、Zn及びCよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。これにより、効率よく放射線81を検出できる。第1導電層51は、例えば、金属を含んで良い。第1導電層51は、例えば、第1電極11と同じ材料を含んで良い。
【0022】
第1中間電極21の少なくとも一部は、第1元素と酸素とを含む化合物を含んで良い。第1元素は、In及びZnよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1中間電極21の少なくとも一部は、例えば、酸化インジウム、または、ITO(Indium Tin Oxide)などを含んで良い。第1シンチレータ層41で発生した光が、効率良く第1有機半導体層31に入射できる。高い感度が得やすい。
【0023】
図1(a)に示すように、放射線検出器110は、基体60sを含んで良い。基体60sは、例えば、樹脂を含む。基体60sは、例えば、樹脂基板、または、樹脂フィルムなどで良い。基体60sは、第1面60fを含む。第1導電層51は、第1面60fと第1積層体11Eとの間にある。例えば、第1導電層51は、第1面60fの上に設けられる。第1導電層51の上に第1積層体11Eが設けられる。
【0024】
図1(b)に示すように、第1方向(Z軸方向)と交差する第2方向に沿う第1導電層51の長さ(幅)を第1導電層長さL51とする。第2方向は、例えば、X軸方向である。第2方向に沿う第1電極11の長さ(幅)を第1電極長さL11とする。第1導電層長さL51は、第1電極長さL11よりも長いことが好ましい。例えば、第1導電層51のサイズ(任意の方向の長さ)は、第1電極11のサイズ(任意の方向の長さ)よりも大きいことが好ましい。これにより、例えば、第1シンチレータ層41、第1導電層51及び第1中間電極21によるキャパシタの電気容量を大きくできる。これにより、第1中間電極21の電位を安定にし易い。
【0025】
図1(b)に示すように、第2方向(X軸方向)に沿う第1中間電極21の長さ(幅)を第1中間電極長さL21とする。第1中間電極長さL21は、第1電極長さL11よりも長いことが好ましい。これにより、例えば、第1シンチレータ層41、第1導電層51及び第1中間電極21によるキャパシタの電気容量を大きくできる。これにより、第1中間電極21の電位を安定にし易い。
【0026】
実施形態において、第1シンチレータ層41の第1方向(Z軸方向)に沿う厚さt41は、例えば、第1有機半導体層31の第1方向に沿う厚さt31の102倍以上104倍以下である。例えば、第1シンチレータ層41、第1導電層51及び第1中間電極21によるキャパシタの電気容量を適切に大きくできる。
【0027】
例えば、厚さt41は、100μm以上5mm以下であることが好ましい。厚さt41が300μm以上の場合、例えば、検出対象の放射線81(例えば、β線またはX線)をより高い精度で検出し易くなる。厚さt41が5mm以下であることで、例えば、検出対象の放射線81の弁別が容易になる。
【0028】
1つの例において、第1導電層51と第1中間電極21との間の静電容量は、第1中間電極21と第1電極11との間の静電容量の1/50倍よりも大きくても良い。第1中間電極21の電位をより安定にし易い。
【0029】
例えば、厚さt31は、0.5μm以上1μm以下であることが好ましい。厚さt31が0.5μm以上であることで、例えば、低いエネルギーの放射線81を検出し易くなる。厚さt31が1μm以下であることで、例えば、連続して入射する複数の放射線81を区別し易くなる。
【0030】
第1導電層51の第1方向(Z軸方向)に沿う厚さt51は、例えば、0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。厚さt51が0.1μm以上であることで、例えば、低いエネルギーの放射線81を検出し易くなる。厚さt51が5μm以下であることで、例えば、検出対象の放射線81の弁別が容易になる。
【0031】
第1中間電極21の第1方向(Z軸方向)に沿う厚さt21は、例えば、30nm以上1μm以下であることが好ましい。厚さt21が30nm以上であることで、例えば、低いエネルギーの放射線81の弁別が容易になる。厚さt21が1μm以下であることで、例えば、検出対象の放射線81の弁別が容易になる。
【0032】
第1電極11の第1方向(Z軸方向)に沿う厚さt11は、例えば、0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。厚さt11が0.1μm以上であることで、例えば、低いエネルギーの放射線81を検出し易くなる。厚さt11が5μm以下であることで、例えば、検出対象の放射線81の弁別が容易になる。
【0033】
図2は、第1実施形態に係る放射線検出器を例示する模式的断面図である。
図2に示すように、実施形態に係る放射線検出器111において、第1中間電極21は、第1導電膜21a及び第2導電膜21bを含む。第1導電膜21aは、開口部21oを含む。開口部21oは、例えば、穴または溝である。開口部21oは、例えば、第1導電膜21aが設けられていない部分に対応する。第2導電膜21bの少なくとも一部は、開口部21oの中にある。例えば、第2導電膜21bの少なくとも一部は、第1方向(Z軸方向)において第1導電膜21aと重なる。
【0034】
例えば、第1導電膜21aは、Al、Be、Mg、Zn及びCよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第2導電膜21bは、第1元素と酸素とを含む化合物を含む。第1元素は、In及びZnよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第2導電膜21bは、例えば、酸化インジウム、または、ITOなどを含む。
【0035】
第1シンチレータ層41から出射する光のピーク波長に対する第2導電膜21bの光透過率は、ピーク波長に対する第1導電膜21aの光透過率よりも高い。第2導電膜21bは、例えば、光透過性である。第1導電膜21aの電気抵抗率は、第2導電膜21bの電気抵抗率よりも低い。このような積層構造が適用されることで、高い光透過率と、低い電気抵抗と、が得られる。より高い感度の検出が安定して実施できる。
【0036】
図3(a)及び
図3(b)は、第1実施形態に係る放射線検出器を例示する模式的断面図である。
図3(a)に示すように、実施形態に係る放射線検出器112は、第1導電層51、第1積層体11E及び第2積層体12Eを含む。放射線検出器112におけるこれ以外の構成は、放射線検出器110または放射線検出器111の構成と同様で良い。
【0037】
図3(a)に示すように、第1導電層51は、第2導電領域51bをさらに含む。第1導電領域51aから第2導電領域51bへの方向は、第1方向(Z軸方向)と交差する。第1導電領域51aと第2導電領域51bとの間の境界は、明確でも不明確でも良い。第1導電領域51aは第2導電領域51bと連続する。
【0038】
第2積層体12Eは、第2電極12、第2シンチレータ層42、第2中間電極22、及び、第2有機半導体層32を含む。第2電極12は、第1方向(Z軸方向)において、第2導電領域51bから離れる。第1導電層51のうちで、Z軸方向において第1電極11と重なる領域が、第1導電領域51aに対応する。第1導電層51のうちで、Z軸方向において第2電極12と重なる領域が、第2導電領域51bに対応する。
【0039】
第2シンチレータ層42は、第2導電領域51bと第2電極12との間に設けられる。第2中間電極22は、第2シンチレータ層42と第2電極12との間に設けられる。第2有機半導体層32は、第2中間電極22と第2電極12との間に設けられる。
【0040】
第1積層体11Eは、検出のための1つの要素(例えば画素)として機能する。第2積層体12Eは、検出のための別の1つの要素(例えば画素)として機能する。
【0041】
放射線検出器112において、第1配線71、第2配線72、第3配線73及び第4配線74が設けられて良い。これらの配線は、放射線検出器112に含まれて良い。第1配線71は、第1導電層51を制御部70と電気的に接続する。第2配線72は、第1中間電極21及び第2中間電極22を制御部70と電気的に接続する。この例では、第2配線72は、共通部72x、第1配線層72a及び第2配線層72bを含む。第1配線層72aの一端は、第1中間電極21と電気的に接続される。第1配線層72aの他端は、共通部72xと電気的に接続される。第2配線層72bの一端は、第2中間電極22と電気的に接続される。第2配線層72bの他端は、共通部72xと電気的に接続される。共通部72xは、制御部70と電気的に接続される。
【0042】
第3配線73は、第1電極11を制御部70と電気的に接続する。第4配線74は、第2電極12を制御部70と電気的に接続する。
【0043】
制御部70は、第1導電層51を第1電位V1に設定し、第1中間電極21及び第2中間電極22を第2電位V2に設定する。制御部70は、第1シンチレータ層41に入射する放射線81に応じて生じる第1電極11から得られる信号Vs1に応じた信号Sig1を出力可能である。制御部70は、第2シンチレータ層42に入射する放射線81に応じて生じる第2電極12から得られる信号Vs2に応じた信号Sig1を出力可能である。
【0044】
放射線検出器112においては、第1シンチレータ層41、第1導電層51及び第1中間電極21により、1つのキャパシタ(第1キャパシタ)が形成される。第2シンチレータ層42、第1導電層51及び第2中間電極22により、別のキャパシタ(第2キャパシタ)が形成される。放射線81の入射による信号Vs1に応じた第1中間電極21の電位の変動が、抑制できる。放射線81の入射による信号Vs2に応じた第2中間電極22の電位の変動が、抑制できる。例えばクロストークが抑制できる。安定した検出が可能な放射線検出器が提供できる。
【0045】
図3(b)に示すように、例えば、第1方向(Z軸方向)と交差する第2方向に沿う第1導電層51の第1導電層長さL51は、第2方向(例えばX軸方向)に沿う第1電極11の第1電極長さL11よりも長い。第1導電層長さL51は、第2方向に沿う第2電極12の第2電極長さL12よりも長い。これにより、第1キャパシタ及び第2キャパシタにおいて、大きな電気容量が得やすい。
【0046】
実施形態において、第2方向(例えばX軸方向)に沿う第1中間電極21の第1中間電極長さL21は、第1電極長さL11よりも長い。第2方向に沿う第2中間電極22の第2中間電極長さL22は、第2電極長さL12よりも長い。これにより、第1キャパシタ及び第2キャパシタにおいて、大きな電気容量が得やすい。
【0047】
例えば、第1導電層51と第1中間電極21との間の静電容量は、第1中間電極21と第1電極11との間の静電容量よりも大きい。第1中間電極21の電位をより安定にし易い。例えば、第1導電層51と第2中間電極22との間の静電容量は、第2中間電極22と第2電極12との間の静電容量よりも大きい。第2中間電極22の電位をより安定にし易い。
【0048】
図4(a)及び
図4(b)は、第1実施形態に係る放射線検出器を例示する模式図である。
図4(a)は、
図4(b)のA1-A2線断面図である。
【0049】
図4(b)に示すように、実施形態に係る放射線検出器113は、第1導電層51、第1積層体11E、第2積層体12E、第3積層体13E及び第4積層体14Eを含む。放射線検出器113において、第1導電層51、第1積層体11E及び第2積層体12Eには、放射線検出器112に関して説明した構成が適用可能である。第3積層体13E及び第4積層体14Eには、第1積層体11E及び第2積層体12Eの構成が適用可能である。実施形態において、複数の積層体(検出要素)がX軸方向及びY軸方向において、マトリクス状に並んで良い。
【0050】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、第1中間電極21となる導電部材の一部が、第1配線層72aとなっても良い。第2中間電極22となる導電部材の一部が、第2配線層72bとなっても良い。第1シンチレータ層41の一部が、第1方向と交差する1つの方向(この例ではX軸方向)において、第1中間電極21となる導電部材と、第1導電層51との間にあっても良い。第2シンチレータ層42の一部が、第1方向と交差する1つの方向(この例ではX軸方向)において、第2中間電極22となる導電部材と、第1導電層51との間にあっても良い。
【0051】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、放射線検出器113は、基体60sを含んで良い。基体60sは、樹脂を含み、第1面60fを含む
。第1導電層51は、第1面60fと第1積層体11Eとの間、及び、第1面60fと第2積層体12Eとの間にある。第1配線層72aの少なくとも一部は、第1面60fに設けられて良い。第2配線層72bの少なくとも一部は、第1面60fに設けられて良い。
【0052】
第1配線層72a及び第2配線層72bの少なくともいずれかは、例えば、Al、Be、Mg、Zn及びCよりなる群から選択された少なくとも1つを含んで良い。これにより、これらの配線層が放射線81の検出に与える影響が抑制できる。
【0053】
図5は、第1実施形態に係る放射線検出器の一部を例示する模式的平面図である。
図5は、第1配線層72a(または第2配線層72b)の形状を例示している。
図5に示すように、第1配線層72aは、ミアンダ構造を有する。このような形状により、第1配線層72aはインダクタ成分を有する。例えば、第1中間電極21の電位の変化がより抑制できる。
【0054】
図6(a)~
図6(c)は、第1実施形態に係る放射線検出器の一部を例示する模式図である。
図6(b)は、
図6(a)のB1-B2線断面図である。
図6(c)は、
図6(a)のC1-C2線断面図である。これらの図は、第1配線層72a(または第2配線層72b)の形状を例示している。
【0055】
図6(a)に示すように、第1配線層72aは、らせん構造を有する。
図6(b)及び
図6(c)に示すように、第1配線層72aは、例えば、複数の第1配線膜75、複数の第2配線膜76、複数の接続部材77及び絶縁部材78を含む。複数の第1配線膜75の1つの一端が、複数の接続部材77の1つにより、複数の第2配線膜76の1つと電気的に接続される。複数の第1配線膜75の別の1つの一端が、複数の接続部材77の別の1つにより、複数の第2配線膜76の1つと電気的に接続される。
【0056】
複数の第2配線膜76の1つの一端が、複数の接続部材77の1つにより、複数の第1配線膜75の1つと電気的に接続される。複数の第2配線膜76の別の1つの一端が、複数の接続部材77の別の1つにより、複数の第1配線膜75の1つと電気的に接続される。
【0057】
複数の第1配線膜75と、複数の第2配線膜76と、の間に、絶縁部材78が設けられる。このような構成により、らせん構造を有する第1配線層72aが得られる。このような形状により、第1配線層72aはインダクタ成分を有する。例えば、第1中間電極21の電位の変化がより抑制できる。
【0058】
このように、実施形態において、第1配線層72aの少なくとも一部は、らせん構造及びミアンダ構造の少なくともいずれかを有して良い。
【0059】
(第2実施形態)
図7(a)及び
図7(b)は、第2実施形態に係る放射線検出器を例示する模式的断面図である。
図7(a)に示すように、実施形態に係る放射線検出器114は、第1導電層51、第2導電層52、第1積層体11E及び第2積層体12Eを含む。第1導電層51は、第1導電領域51aを含む。第2導電層52は、第2導電領域51bを含む。第2導電層52は、第1導電層51と電気的に接続される。第1導電領域51aから第2導電領域51bへの方向は、第1方向(Z軸方向)と交差する。
【0060】
第1積層体11Eは、第1方向(Z軸方向)において第1導電領域51aから離れる。第1シンチレータ層41は、第1導電領域51aと第1電極11との間に設けられる。第1中間電極21は、第1シンチレータ層41と第1電極11との間に設けられる。第1有機半導体層31は、第1中間電極21と第1電極11との間に設けられる。
【0061】
第2積層体12Eは、第1方向(Z軸方向)において第2導電領域51bから離れる。第2シンチレータ層42は、第2導電領域51bと第2電極12との間に設けられる。第2中間電極22は、第2シンチレータ層42と第2電極12との間に設けられる。第2有機半導体層32は、第2中間電極22と第2電極12との間に設けられる。
【0062】
放射線検出器114においても、第1シンチレータ層41、第1導電層51及び第1中間電極21により、1つのキャパシタ(第1キャパシタ)が形成される。第2シンチレータ層42、第2導電層52及び第2中間電極22により、別のキャパシタ(第2キャパシタ)が形成される。放射線81の入射による信号Vs1に応じた第1中間電極21の電位の変動が、抑制できる。放射線81の入射による信号Vs2に応じた第2中間電極22の電位の変動が、抑制できる。例えばクロストークが抑制できる。安定した検出が可能な放射線検出器が提供できる。
【0063】
図7(b)に示すように、第1方向(Z軸方向)と交差する第2方向に沿う第
2導電層52の第2導電層長さL52は、第2方向に沿う第2電極12の第2電極長さL12よりも長いことが好ましい。第2方向に沿う第2中間電極22の第2中間電極長さL22は、第2電極長さL12よりも長いことが好ましい。大きい電気容量の第2キャパシタが
得易い。
【0064】
実施形態において、第1有機半導体層31は、例えば、p形領域及びn形領域を含む。p形領域は、例えば、ポリチオフェン及びポリチオフェンの誘導体の少なくともいずれかを含む。n形領域は、例えば、フラーレン誘導体を含む。1つの例において、第1有機半導体層31は、例えば、Poly(3-hexylthiophene)と、[6,6]-phenyl C61 butyric acid methyl esterと、を含む。例えば、第2有機半導体層32は、第1有機半導体層31と同様の材料を含む。
【0065】
第1シンチレータ層41は、例えば、PVT(Polyvinyl toluene)、PVK(Polyvinylcarbazole)、及び、PMMA(Polymethyl methacrylate)よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。例えば、第2シンチレータ層42は、第1シンチレータ層41と同様の材料を含む。
【0066】
基体60sは、例えば、樹脂を含む。樹脂は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)、PEN(polyethylene naphthalate)、Polyimide、及び、PC(polycarbonate)よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0067】
実施形態において、放射線81は、ベータ線、ガンマ線、中性子線及びX線の少なくともいずれかで良い。
【0068】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んで良い。
(構成1)
第1導電領域を含む第1導電層と、
第1積層体と、
を備え、
前記第1積層体は、
第1方向において前記第1導電領域から離れた第1電極と、
前記第1導電領域と前記第1電極との間に設けられた第1シンチレータ層と、
前記第1シンチレータ層と前記第1電極との間に設けられた第1中間電極と、
前記第1中間電極と前記第1電極との間に設けられた第1有機半導体層と、
を含む、放射線検出器。
【0069】
(構成2)
前記第1中間電極は、第1導電膜及び第2導電膜を含み、
前記第1導電膜は、開口部を含み、
前記第2導電膜の少なくとも一部は、前記開口部の中にある、構成1に記載の放射線検出器。
【0070】
(構成3)
前記第2導電膜の少なくとも一部は、前記第1方向において前記第1導電膜と重なる、構成2に記載の放射線検出器。
【0071】
(構成4)
前記第1導電膜は、Al、Be、Mg、Zn及びCよりなる群から選択された少なくとも1つを含み、
前記第2導電膜は、第1元素と酸素とを含む化合物を含み、
前記第1元素は、In及びZnよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成2または3に記載の放射線検出器。
【0072】
(構成5)
前記第1シンチレータ層から出射する光のピーク波長に対する前記第2導電膜の光透過率は、前記ピーク波長に対する前記第1導電膜の光透過率よりも高い、構成2~4のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【0073】
(構成6)
前記第1方向と交差する第2方向に沿う前記第1導電層の第1導電層長さは、前記第2方向に沿う前記第1電極の第1電極長さよりも長い、構成1~5のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【0074】
(構成7)
前記第2方向に沿う前記第1中間電極の第1中間電極長さは、前記第1電極長さよりも長い、構成6に記載の放射線検出器。
【0075】
(構成8)
第2積層体をさらに備え、
前記第1導電層は、第2導電領域をさらに含み、
前記第1導電領域から前記第2導電領域への方向は、前記第1方向と交差し、
前記第2積層体は、
前記第1方向において前記第2導電領域から離れた第2電極と、
前記第2導電領域と前記第2電極との間に設けられた第2シンチレータ層と、
前記第2シンチレータ層と前記第2電極との間に設けられた第2中間電極と、
前記第2中間電極と前記第2電極との間に設けられた第2有機半導体層と、
を含む、構成1~5のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【0076】
(構成9)
第2導電領域を含む第2導電層と、
第2積層体と、
を備え、
前記第2導電層は、前記第1導電層と電気的に接続され、
前記第1導電領域から前記第2導電領域への方向は、前記第1方向と交差し、
前記第2積層体は、
前記第1方向において前記第2導電領域から離れた第2電極と、
前記第2導電領域と前記第2電極との間に設けられた第2シンチレータ層と、
前記第2シンチレータ層と前記第2電極との間に設けられた第2中間電極と、
前記第2中間電極と前記第2電極との間に設けられた第2有機半導体層と、
を含む、構成1~5のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【0077】
(構成10)
前記第1方向と交差する第2方向に沿う前記第1導電層の第1導電層長さは、前記第2方向に沿う前記第1電極の第1電極長さよりも長く、
前記第1導電層長さは、前記第2方向に沿う前記第2電極の第2電極長さよりも長い、構成7または8に記載の放射線検出器。
【0078】
(構成11)
前記第2方向に沿う前記第1中間電極の第1中間電極長さは、前記第1電極長さよりも長く、
前記第2方向に沿う前記第2中間電極の第2中間電極長さは、前記第2電極長さよりも長い、構成10に記載の放射線検出器。
【0079】
(構成12)
前記第1導電層と前記第1中間電極との間の静電容量は、前記第1中間電極と前記第1電極との間の静電容量の1/50倍よりも大きい、構成1~11のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【0080】
(構成13)
前記第1シンチレータ層の前記第1方向に沿う厚さは、前記第1有機半導体層の前記第1方向に沿う厚さの102倍以上104倍以下である、構成1~12のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【0081】
(構成14)
樹脂を含み第1面を含む基体をさらに備え、
前記第1導電層は、前記第1面と前記第1積層体との間にある、構成1~13のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【0082】
(構成15)
前記第1中間電極に電気的に接続された第1配線層を含み、
前記第1配線層の少なくとも一部は、らせん構造及びミアンダ構造の少なくともいずれかを有する、構成1~13のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【0083】
(構成16)
樹脂を含み第1面を含む基体をさらに備え、
前記第1導電層は、前記第1面と前記第1積層体との間にあり、
前記第1配線層の少なくとも一部は、前記第1面に設けられた、構成15に記載の放射線検出器。
【0084】
(構成17)
前記第1配線層は、Al、Be、Mg、Zn及びCよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成15または16に記載の放射線検出器。
【0085】
(構成18)
前記第1中間電極を制御部と電気的に接続する配線をさらに備え、
前記配線は、前記第1配線層を含む、構成15~17のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【0086】
(構成19)
制御部と、
前記第1導電層を前記制御部と電気的に接続する第1配線と、
前記第1中間電極を前記制御部と電気的に接続する第2配線と、
前記第1電極を前記制御部と電気的に接続する第3配線と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記第1導電層を第1電位に設定し、前記第1中間電極を第2電位に設定し、
前記制御部は、前記第1シンチレータ層に入射する放射線に応じて生じる第1電極から得られる信号に応じた信号を出力可能である、構成1~17のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【0087】
(構成20)
前記第1電極及び前記第1中間電極の少なくともいずれかは、Al、Be、Mg、Zn及びCよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成1~19のいずれか1つに記載の放射線検出器。
【0088】
実施形態によれば、感度の向上が可能な放射線検出器が提供できる。
【0089】
本願明細書において、「電気的に接続される状態」は、複数の導電体が物理的に接してこれら複数の導電体の間に電流が流れる状態を含む。「電気的に接続される状態」は、複数の導電体の間に、別の導電体が挿入されて、これらの複数の導電体の間に電流が流れる状態を含む。
【0090】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0091】
以上、例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの例に限定されるものではない。例えば、放射線検出器に含まれる導電層、電極、有機半導体層、シンチレータ層及び基体などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0092】
各例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0093】
本発明の実施の形態として上述した放射線検出器を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての放射線検出器も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0094】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
11、12…第1、第2電極、 11E~14E…第1~第4積層体、 21、22…第1、第2中間電極、 21a、21b…第1、第2導電膜、 21o…開口部、 21x…供給部、 31、32…第1、第2有機半導体層、 41、42…第1、第2シンチレータ層、 51、52…第1、第2導電層、 51a、51b…第1、第2導電領域、 60f…第1面、 60s…基体、 70…制御部、 71~74…第1~第4配線、 72a、72b…第1、第2配線層、 72x…共通部、 75、76…第1、第2配線膜、 77…接続部材、 78…絶縁部材、 81…放射線、 110~114…放射線検出器、 L11、L12…第1、第2電極長さ、 L21、L22…第1、第2中間電極長さ、 L51、L52…第1、第2導電層長さ、 Sig1…信号、 V1、V2…第1、第2電位、 Vs1、Vs2…信号、 t11、t21、t31、t41、t51…厚さ