(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】アナログ信号生成装置
(51)【国際特許分類】
H03M 1/66 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
H03M1/66 A
(21)【出願番号】P 2021530796
(86)(22)【出願日】2019-11-18
(86)【国際出願番号】 EP2019081587
(87)【国際公開番号】W WO2020109041
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-12-21
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520341234
【氏名又は名称】テレダイン・イー2ブイ・セミコンダクターズ・ソシエテ・パール・アクシオン・サンプリフィエ
【氏名又は名称原語表記】Teledyne e2v Semiconductors SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100100479
【氏名又は名称】竹内 三喜夫
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・ヴァグネル
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-306722(JP,A)
【文献】特開昭63-224521(JP,A)
【文献】特開2010-028241(JP,A)
【文献】特開平03-013124(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0123103(KR,A)
【文献】米国特許第04092639(US,A)
【文献】特表2018-516518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 1/00-1/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-少なくとも1つのデジタル入力と1つのアナログ出力とを有するデジタル-アナログ変換器と、
-周波数fsの第1のクロック信号を生成する回路と、
-前記デジタル-アナログ変換器から、アナログ出力信号を表すN個のビット(Nは1以上の整数)
を入力で受信して記憶するように構成されたデジタルレジスタであって、前記第1のクロック信号を受信するために、各ビットに対し
て、前記ビットを供給する第1のデジタル出力と、該ビットの補数を供給する第2のデジタル出力とを有するデジタルレジスタと、
を備えるアナログ信号生成装置であって、
周波数m×fs(mは1
よりも大きな整数)の第2のクロック信号を生成する回路と、
前記デジタルレジスタの出力と前記デジタル-アナログ変換器の入力との間に配置されたN個のマルチプレクサ回路であって、制御入力で前記第2のクロック信号を受信するとともに、データ入力で前記デジタルレジスタの同じ入力のビットに対応する前記デジタルレジスタの
前記第1のデジタル出力および前記第2のデジタル出力からの信号を受信し、各マルチプレクサ回路から出力される信号の周波数が2×m×fsとなるように構成されている、N個のマルチプレクサ回路と、
を更に備える、アナログ信号生成装置。
【請求項2】
前記第1のクロック信号を生成する回路と、前記第2のクロック信号を生成する回路とが組み合わされている、請求項1に記載のアナログ信号生成装置。
【請求項3】
前記第1のクロック信号を生成する回路及び前記第2のクロック信号を生成する回路は、周波数m×fsのクロック信号を生成するように構成されたクロックと、ディバイダ回路の出力信号が周波数fsのクロック信号となるように構成されたディバイダ回路と、を備える、請求項2に記載のアナログ信号生成装置。
【請求項4】
前記
デジタル-アナログ変換器は、デジタル-アナログ電流変換器である、請求項1~3のいずれか1つに記載のアナログ信号生成装置。
【請求項5】
前記
デジタル-アナログ変換器は、デジタル-アナログ電圧変換器である、請求項1~3のいずれか1つに記載のアナログ信号生成装置。
【請求項6】
前記マルチプレクサ回路は、少なくとも1つのバイポーラマルチプレクサを備える、請求項1~5のいずれか1つに記載のアナログ信号生成装置。
【請求項7】
a)デジタルレジスタの入力に、アナログ信号を表すN個のビット(Nは1以上の整数)を供給するとともに、当該デジタルレジスタに周波数fsの第1のクロック信号を印加するステップであって、前記デジタルレジスタが、各入力のビットに対し
て、前記ビットを供給する第1のデジタル出力と、該ビットの補数を供給する第2のデジタル出力とを有するステップと、
b)周波数2×m×fs(mは1
よりも大きな整数)の第2のクロック信号をN個のマルチプレクサ回路に印加するともに、前記N個のマルチプレクサ回路の入力に、前記デジタルレジスタの
前記第1のデジタル出力および前記第2のデジタル出力に由来する信号を供給し、マルチプレクサ回路n(nは1からNまでの整数)が、同じ入力のビットnに由来する2つの出力を受信するステップと、
c)前記N個のマルチプレクサ回路からの出力信号を、デジタル-アナログ変換器の入力に供給するステップと、
d)前記デジタル-アナログ変換器の出力で、周波数m×fsを中心としたスペクトル応答を有する電流値又は電圧値に由来する信号を取り出すステップと、
を含む、アナログ信号生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ナイキストゾーンに近い性能を維持し、信号処理チェーンのコンポーネント数を制限しながら、高い出力周波数、特にサンプリング周波数よりも大きいデジタルコードからアナログ信号を生成することに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、実際のデジタル-アナログ変換器は、ステップ出力を有するか、或いは、有限の幅のパルスを供給するものである。変換器のスペクトル応答は、サインカーディナル(sine cardinal)に反映される。従って、変換器の電力応答により、第1及び第2ナイキストゾーン、言い換えれば、0からfs/2の間、及びfs/2からfsの間(fsはデジタル信号のサンプリング周波数)に、広いダイナミックレンジを有する信号を生成することができる。しかしながら、サンプリング周波数fsを超えて信号を合成しようとすると(例えば2fs以上で)、信号が大きく減衰してしまう。
【0003】
この問題を解決するために、変換器の出力に配置された乗算器を使用することが可能である。この乗算器は、周波数fmとの畳み込みにより、生成された信号の周波数を変換する。変換器からのアナログ系は、周波数fmを中心として変換される。これにより、変換器からの信号の周波数が上昇し(fm>fs/2の場合)、第1ナイキストゾーンにおける変換器の周波数と同等のダイナミックレンジが得られる。しかしながら、この解決策では、信号周波数fmを発生させるために、付加的な能動素子、特に高周波源が必要となる。これにより、変換器のノイズ、歪み、消費量が増加する。更に、変換器と乗算器との間に2つの別々のアナログ源を使用することは、再構成性が低いことを意味する。
【0004】
これを避けるために、fm=fsとなるようにfmを選択することができる。これにより、デジタルデータのサンプリングに使用される信号を、変換器の出力で周波数を上げるために使用することができる(US7796971)。従って、変換器の出力のアナログ信号は、常に第1ナイキストゾーンと同等のダイナミックレンジで、サンプリング周波数fsを中心として変換される。しかしながら、信号が変換器のサインカーディナル応答によって激しく減衰し、システムの性能が低下するので、常に2fsより大きい周波数の信号を生成することはできない。更に、この解決策は、現在の変換器にしか適用できない。
【0005】
また、サンプリング周波数fsを高くすることは可能である。これにより、第1及び第2ナイキストゾーンでダイナミックレンジを拡大することができる。しかしながら、高いサンプリング周波数fsを達成するためには、デジタル-アナログ変換器のコアをインターリーブする必要があり、それにより、付加的な寄生信号が発生して性能が低下するので、広いナイキストゾーンと広いダイナミックレンジとを有する変換器を得ることは困難である。
【0006】
更に別の可能性として、変換器からのアナログ出力信号に複数のリターン・トゥ・ゼロ(Return-to-Zero)を実行する方法がある(US8659458)。N回(Nは整数)のリターン・トゥ・ゼロを実行する場合、信号は低減衰でN×fsを中心として生成される。このため、周波数fsで量子化クロックに設定された高速クロック信号を使用する必要があり、Nの増加に伴ってますます短くなるリターン・トゥ・ゼロを課すことになる。これは、現在の変換器にのみ適用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、先行技術の前述の欠点及び制限を克服することにある。より具体的には、その目的は、デジタル-アナログ変換器の出力の電力及び変換器の入力におけるデジタルビットレートを最適化することができるアナログ信号を生成するための装置を提案することにある。
【0008】
本発明の対象は、少なくとも1つのデジタル入力と1つのデジタル出力とを有するデジタル-アナログ変換器と、周波数fsの第1のクロック信号を生成する回路と、前記デジタル-アナログ変換器から、アナログ出力信号を表すN個のビット(Nは1以上の整数)を前記入力で受信して記憶するように構成されたデジタルレジスタであって、前記第1のクロック信号を受信するために、各ビットに対して2つの相補的なデジタル出力を有するデジタルレジスタと、を備えるアナログ信号生成装置であって、周波数m×fs(mは1以上の整数)の第2のクロック信号を生成する回路と、前記デジタルレジスタの出力と前記デジタル-アナログ変換器の入力との間に配置されたN個のマルチプレクサ回路であって、制御入力で前記第2のクロック信号を受信するとともに、データ入力で前記デジタルレジスタの同じ入力のビットに対応する前記デジタルレジスタの2つのデジタル出力からの信号を受信し、各マルチプレクサ回路から出力される信号の周波数が2×m×fsとなるように構成されている、N個のマルチプレクサ回路と、を更に備える、アナログ信号生成装置である。
【0009】
本発明の特定の実施形態によれば、
-前記第1のクロック信号を生成するための回路と前記第2のクロック信号を生成するための回路とが組み合わされ、
-前記第1のクロック信号を生成する回路及び前記第2のクロック信号を生成する回路は、周波数m×fsのクロック信号を生成するように構成されたクロックと、ディバイダ回路の出力信号が周波数fsのクロック信号となるように構成されたディバイダ回路と、を備え、
-前記変換器は、デジタル-アナログ電流変換器、又は、デジタル-アナログ電圧変換器であり、
-前記マルチプレクサ回路は、少なくとも1つのバイポーラマルチプレクサを備える。
【0010】
本発明の別の対象は、
a)デジタルレジスタの入力に、アナログ信号を表すN個のビット(Nは1以上の整数)を供給するとともに、当該デジタルレジスタに周波数fsの第1のクロック信号を印加するステップであって、前記デジタルレジスタが、各入力のビットに対して2つの相補的なデジタル出力を有するステップと、
b)周波数2×m×fs(mは1以上の整数)の第2のクロック信号をN個のマルチプレクサ回路に印加するともに、前記N個のマルチプレクサ回路の入力に、前記デジタルレジスタの2つの相補的なデジタル出力に由来する信号を供給し、マルチプレクサ回路n(nは1からNまでの整数)が、同じ入力のビットnに由来する2つの出力を受信するステップと、
c)前記N個のマルチプレクサ回路からの出力信号を、デジタル-アナログ変換器の入力に供給するステップと、
d)前記デジタル-アナログ変換器の出力で、周波数m×fsを中心としたスペクトル応答を有する電流値又は電圧値に由来する信号を取り出すステップと、
を含む、アナログ信号生成方法である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の他の特徴、詳細、及び利点は、それぞれ例示及び代表として提供されている添付の図を参照して与えられた説明を読むことで明らかになるだろう。
【
図1】本発明の第1実施形態に係る装置を示す図である。
【
図2】本発明の第2実施形態に係る装置を示す図である。
【
図3】本発明の第3実施形態に係る装置を示す図である。
【
図4】本発明に係るアナログ信号生成方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の第1実施形態に係るアナログ信号生成装置を示している。本装置は、入力INで変換すべきデジタルデータを受信するデジタルレジスタREGを備えている。このデジタルデータは、例えば、B1,B2,B3の3つのビットで構成される2進ワードである。レジスタREGは、各ビットに対して2つの相補的な出力を有し、第1の出力は前記ビットを供給し、第2の出力はその補数を供給する。
図1に示す実施形態において、3つのビット(B1,B2,B3)のための3つの入力と、6つの出力(B1,
,B2,
,B3,
)のみが表されているが、より一般的には、レジスタは、入力でN個のビット(Nは1以上の整数)を受信することができ、N個の入力と2N個の出力とを有することになる。
【0013】
クロック信号を生成するための第1の回路C1は、周波数fsのクロック信号Clk1をレジスタREGに送信し、前記ビット及びその補数(B1,
,B2,
,B3,
が周波数fsでレジスタREGから出るようにする。
【0014】
クロック信号Clk2を生成するための第2の回路C2が存在する。これは、周波数m×fs(mは1以上の整数)のクロック信号Clk2をマルチプレクサ回路M1,M2,M3の制御入力に送信するものである。マルチプレクサ回路M1,M2,M3は、レジスタREGの出力に配置されている。各マルチプレクサ回路(M1,M2,M3)は、前記入力において、レジスタREGから2つの出力信号、より具体的には、ビットとその補数とを受信する。2つの出力信号は、レジスタREGの同じ入力のビットに対応する。従って、マルチプレクサ回路M1は(B1,
)を受信し、回路M2は(B2,
)を受信し,回路B3は(B3,
)を受信する。各マルチプレクサ回路は、周波数m×fsの第2クロック信号Clk2により、クロック信号Clk2の立ち上がり又は立ち下がりに応じて、ビットB1,B2,B3又はその補数
,
,
を出力する。これにより、マルチプレクサ回路(M1,M2,M3)の出力では、周波数2×m×fsのビット又はその補数を得ることが可能となる。
【0015】
マルチプレクサ回路(M1,M2,M3)の出力は、3つのデジタル入力IN_DACと1つのデジタル出力OUTとで構成されるデジタル-アナログ変換器DACに送信される。図では、レジスタREGの入力に3つのビットbit1,bit2,bit3があるため、3つの入力IN_DACのみが表されているが、より一般的には、レジスタREGの入力にあるビットの数だけ入力があることになる。
【0016】
前記ビットは、変換器DACでアナログデータに変換され、変換器の出力OUTで得られるアナログ信号のスペクトル応答は、最大幅fs/2の周波数m×fsを中心としたものとなる。これにより、高速なクロック信号を用いても、十分なレベルの電力を高周波数(m×fs)で保持することができる。
【0017】
図2は、本発明の第2実施形態に係るアナログ信号生成装置を示している。本実施形態では、
図1の場合と同様に、デジタルレジスタREGの入力INには、3つのビットbit1、bit2、bit3しか表されていないが、レジスタREGの入力には、N個のビット(Nは1以上の整数)あってもよい。第1実施形態とは異なり、2つのクロック信号を生成するための回路が組み合わされている。周波数m×fs(mは1以上の整数)でクロック信号Clkを生成するための回路Cのみが存在する。クロック信号Clkは、そのままマルチプレクサ回路M1,M2,M3に送信され、マルチプレクサ回路M1,M2,M3の出力では、
図1と同様に、周波数2×m×fsのビットとその補数とを得ることが可能となっている。しかしながら、レジスタREGに送信される前に、クロック信号Clkは、まず、クロック信号の周波数をmで分割するディバイダ回路Dを通過し、それによって、レジスタの入力に周波数fsのクロック信号Clk1が存在するようになる。
【0018】
図3は、本発明の第3実施形態を表すものである。本発明に係る例示的な装置及びデジタル-アナログ変換器の構造を説明する。レジスタREGは、入力において、2つのビットbit1,bit2を受信する。これらのビットは、(B1,
,(B2,
)として、クロック信号Clk1の周波数fsでレジスタから出現する。次いで(B1,
及び(B2,
)は、マルチプレクサ回路M1,M2に入り、2つのマルチプレクサ回路に送信される周波数m×fsのクロック信号Clk2によって、周波数2×m×fsで出現する。変換器の入力では、レジスタREG_DACが、例えばクロック信号を生成するための第2の回路C2から、或いはクロック信号を生成するための他の回路から来る周波数m×fsのクロック信号Clk2を受信する。レジスタREG_DACは、各入力のビット(B1,
,B2,
)に対して、そのビット又はその補数を出力に供給する。レジスタREG_DACは、1つの入力に対して、ビットの補数を供給する偶数出力(PAIR1,PAIR2)と、ビットを供給する奇数出力(IMP1,IMP2)との2つの出力を有する。同一の入力のビットに対する2つの偶数出力及び奇数出力の集合は、差動ブランチと呼ばれる。本実施形態では、2つの差動ブランチBD1,BD2が表されている。2つの電流源S1,S2は、2つの差動ブランチBD1,BD2に供給される。2つの差動ブランチBD1,BD2に存在するトランジスタ(T1,T2,T3,T4)は、レジスタREG_DACのビットの値(0又は1)に応じて導体となる。例えば、奇数ブランチIMP1にビット1が出現している場合、トランジスタT1は導体となり、奇数ブランチIMP1にビット0が出現している場合,トランジスタT2は遮断されることになる。その逆がブランチPAIR1に適用され、出力ビットは0である必要があるので、トランジスタT2は導体となる。或いは、出力ビットは1である必要があるので、トランジスタT2は遮断されることになる。同じ原理が、第2差動ブランチBD2の偶数出力及び奇数出力にも当てはまる。
【0019】
本実施形態において、奇数ブランチの出力電流は、抵抗器R1である加算回路で加算される。本実施形態において、偶数ブランチの出力電流も同様に、抵抗器R2である加算回路で加算される。抵抗端子R1,R2の電圧の差は、本装置の入力INにビットbit1,bit2で供給される変換対象の2進ワードのデジタル値を表している。この電圧差は、変換器DACの出力OUTに供給される。変換器のタイプに応じて、言い換えれば電流変換器又は電圧変換器に応じて、出力OUTは、電流値又は電圧値となる。
【0020】
本発明の別の実施形態によれば、マルチプレクサ回路(M1、M2、M3)は、少なくとも1つのバイポーラマルチプレクサを備えている。
【0021】
別の実施形態によれば、DAC変換器は、バイポーラトランジスタを備えている。別の実施形態によれば、DAC変換器は、MOSFETトランジスタ、言い換えれば、絶縁ゲート電界効果トランジスタを備えている。
【0022】
別の実施形態によれば、DAC変換器は、電圧変換器である。複数の実施形態によれば、DAC変換器は、より詳細には、
-スイッチ容量を有するデジタル-アナログ変換器であって、スイッチが変換器の入力におけるビットの値に応じて制御されるデジタル-アナログ変換器、
-抵抗ネットワークR/2Rを有するデジタル-アナログ変換器、又は、
-重み付けされた抵抗器を有するデジタル-アナログ変換器、
である。
【0023】
これら3つの変換器は、一般的に、デジタル-アナログ電流変換器よりも低い周波数で動作する。
【0024】
図4は、本発明に係るアナログ信号生成方法を示している。第1のステップ(ステップa)は、デジタルレジスタの入力に、アナログ信号を表すN個のビット(Nは1以上の整数)を供給するとともに、当該デジタルレジスタに周波数fsの第1のクロック信号を印加することを含み、当該デジタルレジスタは、各入力のビットに対して2つの相補的なデジタル出力を含む。続くステップbは、周波数2×m×fs(mは1以上の整数)の第2のクロック信号をN個のマルチプレクサ回路に印加し、デジタルレジスタの2つの相補的なデジタル出力に由来する信号をN個のマルチプレクサ回路の入力に供給し、マルチプレクサ回路n(nは1からNまでの整数)が、同一の入力のビットnに由来する2つの出力を受信することを含む。次いで、ステップcでは、N個のマルチプレクサ回路の出力信号がデジタル-アナログ変換器の入力に供給される。最後のステップ(ステップd)では、周波数m×fsを中心としたスペクトル応答を有する電圧値又は電流値に対応する変換器からの出力信号が取り出される。
【0025】
このアナログ信号生成方法は、前述したような、本発明に係る装置で実施することができる。