IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コグニティヴ システムズ コーポレイションの特許一覧

特許7449297動き検出システムにおける静的リーフノードの分類
<>
  • 特許-動き検出システムにおける静的リーフノードの分類 図1
  • 特許-動き検出システムにおける静的リーフノードの分類 図2
  • 特許-動き検出システムにおける静的リーフノードの分類 図3
  • 特許-動き検出システムにおける静的リーフノードの分類 図4
  • 特許-動き検出システムにおける静的リーフノードの分類 図5
  • 特許-動き検出システムにおける静的リーフノードの分類 図6
  • 特許-動き検出システムにおける静的リーフノードの分類 図7
  • 特許-動き検出システムにおける静的リーフノードの分類 図8
  • 特許-動き検出システムにおける静的リーフノードの分類 図9
  • 特許-動き検出システムにおける静的リーフノードの分類 図10
  • 特許-動き検出システムにおける静的リーフノードの分類 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】動き検出システムにおける静的リーフノードの分類
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20240306BHJP
   G01S 11/02 20100101ALI20240306BHJP
   H04W 4/029 20180101ALI20240306BHJP
   H04B 17/27 20150101ALI20240306BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
G01S11/02
H04W4/029
H04B17/27
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021542392
(86)(22)【出願日】2019-08-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 CA2019051142
(87)【国際公開番号】W WO2020150806
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】16/256,377
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】318010214
【氏名又は名称】コグニティヴ システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ラヴキン ミハイル
【審査官】藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/165738(WO,A1)
【文献】米国特許第09378634(US,B1)
【文献】特表2008-526168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - G01S 5/14
G01S 11/00 - G01S 11/16
H04W 4/00 - H04W 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動き検出システム内のノードを管理するための方法であって、
前記動き検出システムのアクセスポイント(AP)によって、1又は2以上の静止リーフノードを、複数の較正期間を含む較正窓内の前記各静止リーフノードの存在アクティビティに基づいて識別するステップと、
AP-リーフノードリンク品質情報に基づいて前記較正窓における各AP-リーフノードリンクに対する健全性スコアを決定するステップと、
前記AP-リーフノードリンクの各々に対する前記健全性スコアに基づいて前記動き検出システム内でのサウンディング用に用いるべき前記静止リーフノードのうちの1又は2以上を選択するステップと、
選択された前記1又は2以上の静止リーフノードを動き検出用に用いるように、前記動き検出システムを更新するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記AP-リーフノードリンク品質情報は、
較正期間中のサウンディング動作の成功率、
較正期間中のサウンディング動作の失敗率、
平均リンク受信信号強度インジケータ(RSSI)、及び、
動き検出失敗率、
のうちの1又は2以上を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記較正窓における各AP-リーフノードリンクに関する健全性スコアを決定するステップは、
前記AP-リーフノードリンクに関する品質情報に基づいて前記各AP-リーフノードリンクに分類を割り当てるステップと、
前記各AP-リーフノードリンクに割り当てられた前記分類に相応する値を前記各AP-リーフノードリンクに割り当てるステップと、
前記較正窓内の前記複数の較正期間の各々において割り当てられた値に基づいて前記各AP-リーフノードリンクに関する前記健全性スコアを導出するステップと、
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記分類は、リンク品質が合格、高ノイズ、又はスリープ中であることを示す請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記AP-リーフノードリンクの前記リンク品質は、前記較正期間中のサウンディング動作の成功率が第1の閾値を上回り、前記較正期間中のサウンディング動作の失敗率が第2の閾値を下回る時に合格であり、
前記AP-リーフノードリンクの前記リンク品質は、前記較正期間中のサウンディング動作の成功率が第3の閾値を下回り、前記較正期間中のサウンディング動作の失敗率が第4の閾値を上回る時に高ノイズである、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記AP-リーフノードリンクの各々に対する前記健全性スコアに基づいて前記動き検出システム内で用いるべき前記静止リーフノードのうちの1又は2以上を選択するステップは、
AP-リーフノードリンク健全性スコアが負である時に、前記AP-リーフノードリンクを無効にするステップと、
AP-リーフノードリンク健全性スコアが正である時に、前記AP-リーフノードリンクを、正の健全性スコアを有する他のAP-リーフノードリンクと併せて優先順位付けするステップと、
最も高いAP-リーフノードリンク健全性スコアを有する前記リーフノードを選択して前記動き検出システムによって用いるステップと、
を含む、
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記1又は2以上の静止リーフノードのうちの少なくとも1つを動き検出用に用いるように前記動き検出システムを更新するステップは、
前記動き検出システムが新しいリーフノードを追加するのを可能にしたことを決定するステップと、
前記選択された静止リーフノードに関するゾーン作成イベントをユーザデバイスに送信するステップと、
前記選択されたリーフノードを一意のローカルゾーンとしてマーキングするステップと、
を含む、
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記APによって、前記複数の較正期間における複数のAP-リーフノードリンクに関する存在情報及びリンク品質情報を取得するステップと、
前記較正窓において較正イベントを開始するステップと、
を含む、
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記APは、前記動き検出システム用のハブとして動作し、前記動き検出システム内の1又は2以上の他のAPから、他のAP-リーフノードリンクの各々に関する存在情報及びリンク品質情報を含むレポートを取得する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
デバイスであって、
1又は2以上のプロセッサと、
前記1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、前記デバイスに、
アクセスポイント(AP)によって、1又は2以上の静止リーフノードを、複数の較正期間を含む較正窓内の各静止リーフノードの存在アクティビティに基づいて識別するステップと、
AP-リーフノードリンク品質情報に基づいて前記較正窓における各AP-リーフノードリンクに対する健全性スコアを決定するステップと、
前記AP-リーフノードリンクの各々に対する前記健全性スコアに基づいて動き検出システム内でのサウンディング用に用いるべき前記静止リーフノードのうちの1又は2以上を選択するステップと、
選択された前記1又は2以上の静止リーフノードを動き検出用に用いるように、前記動き検出システムを更新するステップと、
を含む動作を実行させる命令を含むメモリと、
を備えるデバイス。
【請求項11】
前記AP-リーフノードリンク品質情報は、
較正期間中のサウンディング動作の成功率、
較正期間中のサウンディング動作の失敗率、
平均リンク受信信号強度インジケータ(RSSI)、
動き検出失敗率、
のうちの1又は2以上を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記較正窓における各AP-リーフノードリンクに関する健全性スコアを決定するステップは、
各AP-リーフノードリンクに関する品質情報に基づいて各AP-リーフノードリンクに分類を割り当てるステップと、
各AP-リーフノードリンクに割り当てられた分類に相応する値を各AP-リーフノードリンクに割り当てるステップと、
前記較正窓内の前記複数の較正期間の各々において割り当てられた値に基づいて各AP-リーフノードリンクに関する前記健全性スコアを導出するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記分類は、リンク品質が合格、高ノイズ、又はスリープ中であることを示す、ことを特徴とする請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記AP-リーフノードリンクの前記リンク品質は、前記較正期間中のサウンディング動作の成功率が第1の閾値を上回り、前記較正期間中のサウンディング動作の失敗率が第2の閾値を下回る時に合格であり、
前記AP-リーフノードリンクの前記リンク品質は、前記較正期間中のサウンディング動作の成功率が第3の閾値を下回り、前記較正期間中のサウンディング動作の失敗率が第4の閾値を上回る時に高ノイズである、
ことを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記AP-リーフノードリンクの各々に対する前記健全性スコアに基づいて前記動き検出システム内で用いるべき前記静止リーフノードのうちの1又は2以上を選択するステップは、
AP-リーフノードリンク健全性スコアが負である時に、前記AP-リーフノードリンクを無効にするステップと、
AP-リーフノードリンク健全性スコアが正である時に、前記AP-リーフノードリンクを、正の健全性スコアを有する他のAP-リーフノードリンクと併せて優先順位付けするステップと、
最も高いAP-リーフノードリンク健全性スコアを有するリーフノードを選択して前記動き検出システムによって用いるステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項10から請求項14のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記1又は2以上の静止リーフノードのうちの少なくとも1つを動き検出用に用いるように前記動き検出システムを更新するステップは、
前記動き検出システムが新しいリーフノードを追加するのを可能にしたことを決定するステップと、
選択された前記静止リーフノードに関するゾーン作成イベントをユーザデバイスに送信するステップと、
前記選択されたリーフノードを一意のローカルゾーンとしてマーキングするステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項10から請求項14のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記動作は、
前記APによって、前記複数の較正期間における複数のAP-リーフノードリンクに関する存在情報及びリンク品質情報を取得するステップと、
前記較正窓において較正イベントを開始するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項10から請求項14のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記APは、前記動き検出システム用のハブとして動作するように構成され、更に前記動き検出システム内の1又は2以上の他のAPから、他のAP-リーフノードリンクの各々に関する存在情報及びリンク品質情報を含むレポートを取得するように構成される、ことを特徴とする請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
データ処理装置によって実行された時に、前記データ処理装置に、
アクセスポイント(AP)によって、1又は2以上の静止リーフノードを、複数の較正期間を含む較正窓内の各静止リーフノードの存在アクティビティに基づいて識別するステップと、
AP-リーフノードリンク品質情報に基づいて前記較正窓における各AP-リーフノードリンクに対する健全性スコアを決定するステップと、
前記AP-リーフノードリンクの各々に対する前記健全性スコアに基づいて前記動き検出システム内でのサウンディング用に用いるべき前記静止リーフノードのうちの1又は2以上を選択するステップと、
選択された前記1又は2以上の静止リーフノードを動き検出用に用いるように、記動き検出システムを更新するステップと、
を含む動作を実行させる命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項20】
前記AP-リーフノードリンク品質情報は、
較正期間中のサウンディング動作の成功率、
較正期間中のサウンディング動作の失敗率、
平均リンク受信信号強度インジケータ(RSSI)、
動き検出失敗率、
のうちの1又は2以上を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項21】
前記較正窓における各AP-リーフノードリンクに関する健全性スコアを決定するステップは、
各AP-リーフノードリンクに関するリンク品質情報に基づいて各AP-リーフノードリンクに分類を割り当てるステップと
各AP-リーフノードリンクに割り当てられた分類に相応する値を各AP-リーフノードリンクに割り当てるステップと
前記較正窓内の前記複数の較正期間の各々において割り当てられた値に基づいて各AP-リーフノードリンクに関する前記健全性スコアを導出するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項22】
前記分類は、リンク品質が合格、高ノイズ、又はスリープ中であることを示す、ことを特徴とする請求項21に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項23】
前記AP-リーフノードリンクの前記リンク品質は、前記較正期間中のサウンディング動作の成功率が第1の閾値を上回り、前記較正期間中のサウンディング動作の失敗率が第2の閾値を下回る時に合格であり、
前記AP-リーフノードリンクの前記リンク品質は、前記較正期間中のサウンディング動作の成功率が第3の閾値を下回り、前記較正期間中のサウンディング動作の失敗率が第4の閾値を上回る時に高ノイズである、
ことを特徴とする請求項22に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項24】
前記AP-リーフノードリンクの各々に対する前記健全性スコアに基づいて前記動き検出システム内で用いるべき前記静止リーフノードのうちの1又は2以上を選択するステップは、
AP-リーフノードリンク健全性スコアが負である時に、前記AP-リーフノードリンクを無効にするステップと、
AP-リーフノードリンク健全性スコアが正である時に、前記AP-リーフノードリンクを、正の健全性スコアを有する他のAP-リーフノードリンクと併せて優先順位付けするステップと、
最も高いAP-リーフノードリンク健全性スコアを有するリーフノードを選択して前記動き検出システムによって用いるステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項19から請求項23のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項25】
前記1又は2以上の静止リーフノードのうちの少なくとも1つを動き検出用に用いるように前記動き検出システムを更新するステップは、
前記動き検出システムが新しいリーフノードを追加するのを可能にしたことを決定するステップと、
選択された前記静止リーフノードに関するゾーン作成イベントをユーザデバイスに送信するステップと、
前記選択されたリーフノードを一意のローカルゾーンとしてマーキングするステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項19から請求項23のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項26】
前記動作は、
前記複数の較正期間における複数のAP-リーフノードリンクに関する存在情報及びリンク品質情報を取得するステップと、
前記較正窓において較正イベントを開始するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項19から請求項23のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項27】
前記APは、前記動き検出システム用のハブとして動作し、前記動き検出システム内の1又は2以上の他のAPから、他のAP-リーフノードリンクの各々に関する存在情報及びリンク品質情報を含むレポートを取得する、ことを特徴とする請求項26に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年1月24日に出願された米国特許出願第16/256,377号に対して優先権を主張し、この文献は引用によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
以下に続く説明は、無線信号に基づいて空間内で物体の動きを検出することに関する。
【背景技術】
【0003】
動き検出システムは、室内又は屋外の区域内で例えば物体の移動を検出するために用いられてきた。幾つかの例示的動き検出システムでは、赤外線センサ又は光学センサを用いてセンサの視野内にある物体の移動が検出される。動き検出システムは、セキュリティシステム、自動制御システム、及びその他の種類のシステムにおいて用いられてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願第16/256,377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
概要として、動き検出システムは、デバイス同士の間で空間を通し、通信チャネルを介して送信される無線信号の変化に基づいて空間内における動きを検出するように構成することができる。幾つかの事例では、動き検出システム内の動き検出デバイスが、動き検出システムの一部であってもなくてもよい1又は2以上の他のデバイス、例えばリーフノードと無線信号を介して通信し、後に動き感知を実施するために用いることができるチャネル情報を取得することができる。幾つかの場合には、動き感知アプリケーション内で用いられることになるチャネル情報をどの利用可能デバイスから収集するかを動き検出システムが選ぶことを有益とすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の複数の態様が、ある特定の技術的な利点及び改善をもたらすことができる。幾つかの場合には、どのデバイスからチャネル情報を取得するかを制御することによって、動き感知アプリケーション内で用いられることになるデータの品質が改善され、従って動き感知結果が改善される。本開示の複数の態様によると、幾つかの場合には、ある特定の選択デバイスからチャネル情報を収集することによって、動きの正確で有用な評価を可能にして空間のステータスをより正確に決定するように、動き検出システム、例えば監視警報システムの動作を、それに対する他の技術的改善に加えて更に改善することができる。幾つかの事例では、動き検出システムは、無線通信デバイス及びネットワークの既存の特徴を用いてどのデバイスを選択すべきかを決定する。
【0007】
本明細書で説明するものの幾つかの態様では、動き検出システムは、チャネル情報を収集するためにどのリーフノードデバイスが用いられることになるかを選択することができる。幾つかの事例では、動き検出システムは、固定された又は静的なリーフノードのみを選択する。幾つかの場合には、他の固定リーフノードデバイスと比較したリンク品質に基づいて固定リーフノードデバイスを選択することができる。他の態様では、固定リーフノードデバイスは、較正窓の最中に識別及び/又は選択される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的無線通信システムを示す図である。
図2】動き検出システムの例示的アーキテクチャを示す図である。
図3】AP-リーフノードリンクの分類の例を示す図である。
図4】較正窓にわたってリンクを評価する例を示す図である。
図5】AP-リーフノードリンクを分類する例示的プロセスを示すフロー線図である。
図6】動き検出システム内でリーフノードを更新するための閉ループ制御フローの例を示すブロック図である。
図7】リーフノード切断イベントに対する例示的プロセスを示すブロック図である。
図8】リーフノード接続イベントに対する例示的プロセスを示すブロック図である。
図9】静止リーフノードを識別するための例示的プロセスを示すブロック図である。
図10】静止リーフノードのリンク品質を分類するための例示的プロセスを示すブロック図である。
図11】例示的無線通信デバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、例示的無線通信システム100を例示している。例示的無線通信システム100は、第1の無線通信デバイス102Aと第2の無線通信デバイス102Bと第3の無線通信デバイス102Cとを含む。例示的無線通信システム100は、更なる無線通信デバイス102及び/又はその他の構成要素(例えば、1又は2以上のネットワークサーバ、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ケーブル、又は他の通信リンク等)を含むことができる。
【0010】
例示的無線通信デバイス102A、102B、102Cは、無線ネットワーク内で、例えば無線ネットワーク規格又は別の種類の無線通信プロトコルに従って動作することができる。例えば、無線ネットワークは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、又は別の種類の無線ネットワークとして動作するように構成することができる。WLANの例は、IEEEによって開発された802.11規格系列(例えばWi-Fiネットワーク)及びその他のもののうちの1又は2以上に従って動作するように構成される。PANの例は、短距離通信規格(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、ZigBee)、ミリメートル波通信、及びその他のものに従って動作するネットワークを含む。
【0011】
幾つかの実装では、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、例えばセルラーネットワーク内でセルラーネットワーク規格に従って通信するように構成することができる。セルラーネットワークの例は、モバイル通信に向けた世界システム(GSM)及びGMS進化型高速データレート(EDGE)又はEGPRS等の2G規格、符号分割多重アクセス(CDMA)、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)、ユニバーサルモバイル遠距離通信システム(UMTS)、及び時分割同期符号分割多重アクセス(TD-SCDMA)等の3G規格、長期的進化(LTE)及び高度LTE(LTE-A)等の4G規格、5G規格、及びその他のものに従って構成されたネットワークを含む。図1に示している例では、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、標準の無線ネットワーク構成要素とすることができる、又はそれを含むことができる。例えば、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、市販で入手可能なWi-Fiデバイスとすることができる。
【0012】
幾つかの場合には、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、Wi-Fiアクセスポイント(AP)又は別の種類の無線アクセスポイント(AP)とすることができる。無線通信デバイス102A、102B、102Cは、無線通信デバイス上に命令(例えばソフトウェア又はファームウェア)として埋め込まれた本明細書で説明する1又は2以上の動作を実施するように構成することができる。幾つかの場合には、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、無線メッシュネットワークのノードとすることができる。無線メッシュネットワークは、例えば、中央アクセスポイント、基地局、又はネットワークコントローラを用いずにポイントツーポイント方式で直接通信するノード(例えば無線通信デバイス102)を有する分散無線ネットワークを意味するものとすることができる。無線メッシュネットワークは、メッシュクライアント、メッシュルータ、又はメッシュゲートウェイを含むことができる。メッシュネットワークは、市販で入手可能なメッシュネットワークシステム(例えばGOOGLE Wi-Fi)に基づくことができる。幾つかの事例では、無線メッシュネットワークは、IEEE802.11s規格に基づく。幾つかの事例では、無線メッシュネットワークは、Wi-Fiアドホック又は別の標準化技術に基づく。幾つかの場合には、別の種類の規格又は従来のWi-Fiトランシーバデバイスを無線通信デバイス102が用いることができる。無線通信デバイス102A、102B、102Cは、Wi-Fiプロトコル以外の標準又は非標準のどちらかの無線通信に向けた様々な種類の無線プロトコルを用いて動き検出を実施することができる。
【0013】
図1に示している例では、無線通信デバイス、例えば、102A、102Bは、通信チャネルを介して無線信号を送信する(例えば、無線ネットワーク規格、動き検出プロトコル、存在検出プロトコル、或いはその他の標準又は非標準のプロトコルに従って)。例えば、無線通信デバイスは、空間を探査して物体の動き又は存在を検出するための動き探査信号を送信に向けて生成することができる。幾つかの実装では、動き探査信号は、チャネルサウンディング(例えば、IEEE802.11ac-2013規格によるビーム形成に向けたチャネルサウンディング)において用いられる標準のパイロット信号を含む標準の信号伝達フレーム又は通信フレームを含むことができる。幾つかの場合には、動き探査信号は、ネットワーク内の全てのデバイスに既知の基準信号を含む。幾つかの実装では、無線通信デバイスのうちの1又は2以上が、空間を通して送信される動き探査信号に基づいて受信する信号である動き検出信号を処理することができる。例えば、動き検出信号を解析して、空間内における物体の動き、空間内における動きの欠如、或いは空間内における物体の存在又は不在を、通信チャネル内で検出される変化(又はその欠如)に基づいて検出することができる。
【0014】
動き探査信号を送信する無線通信デバイス、例えば、102A、102Bは、ソースデバイスとして動作することができる。幾つかの場合には、無線通信デバイス102A、102Bは、無線動き探査信号(例えば上記で説明した)を同報通信することができる。他の場合には、無線通信デバイス102A、102Bは、他の無線通信デバイス102C及びその他のデバイス(例えば、ユーザ機材、クライアントデバイス、サーバ等)宛の無線信号を送ることができる。無線通信デバイス102C並びにその他のデバイス(図示していない)は、無線通信デバイス102A、102Bによって送信された無線信号を受信することができる。幾つかの場合には、無線通信デバイス102A、102Bによって送信される無線信号は、例えば、無線通信規格に従って、又は別途定期的に繰り返される。
【0015】
幾つかの例では、センサデバイスとして動作する無線通信デバイス102Cが、無線通信デバイス102A、102Bから受信した無線信号を、空間内でこれらの無線信号がアクセスした物体の動きを検出するように処理する。幾つかの例では、別のデバイス又はコンピューティングシステムが、無線通信デバイス102A、102Bから無線通信デバイス102Cが受信した無線信号を、空間内でこれらの無線信号がアクセスした物体の動きを検出するように処理する。幾つかの場合には、無線通信デバイス102C(或いは別のシステム又はデバイス)は、動きの欠如が検出された時に空間内における物体の存在又は不在を検出するように無線信号を処理する。幾つかの事例では、無線通信デバイス102C(或いは別のシステム又はデバイス)は、下記で図3図8のうちのいずれかに関して説明する1又は2以上の動作、或いは図9図10に関して説明する例示的プロセス、又は固定リーフノードを識別して選択し、選択した固定リーフノードを動き検出用に用いるように動き検出システムを更新するための別の種類のプロセスにおける1又は2以上の動作を実施することができる。ある例では、無線通信デバイス102C、例えばAPは、無線信号、例えばサウンディング信号を送信し、無線通信デバイス102A、102B、例えばリーフノードは、これらの無線信号を受信して処理し、無線通信デバイス102Cにチャネル応答情報を返す。
【0016】
動き検出用に用いられる無線信号は、例えば、ビーコン信号(例えば、Bluetoothビーコン、Wi-Fiビーコン、その他の無線ビーコン信号)、パイロット信号(例えば、IEEE802.11ac-2013規格によるビーム形成アプリケーション等においてチャネルサウンディング用に用いられるパイロット信号)、或いは無線ネットワーク規格に従って他の目的で生成される別の標準信号、又は動き検出若しくはその他の目的で生成される非標準信号(例えば、ランダム信号、基準信号等)を含むことができる。幾つかの場合には、動き検出用に用いられる無線信号は、ネットワーク内の全てのデバイスにとって既知である。
【0017】
幾つかの例では、無線信号は、移動物体と相互作用する前又は後に物体(例えば壁)を貫通して伝播することができ、それによって移動物体と送信ハードウェア又は受信ハードウェアとの間に目視視線がない場合に移動物体の移動を検出することを可能にすることができる。それとは逆に、無線信号は、動きの欠如が検出された時に空間内における物体の不在を示すことができる。例えば、受信した無線信号に基づいて、無線通信デバイス102Cは、動きデータ、存在データ、又はこれらの両方を生成することができる。幾つかの事例では、無線通信デバイス102Cは、室内、屋内、屋外の区域等の空間の中における移動を監視するための制御センターを含むことができる。
【0018】
幾つかの実装では、無線通信デバイス102A、102Bは、無線ネットワークトラフィック信号とは別個の無線通信チャネル(例えば周波数チャネル又は符号化チャネル)上で動き探査信号(例えば上記で説明した)を送信するように構成することができる。例えば、動き探査信号のペイロードに印加される変調或いはペイロード内のデータの種類又はデータ構造を無線通信デバイス102Cが把握することができ、この把握によって、無線通信デバイス102Cが動き検出及び存在検出に向けて実施する処理の量を低減することができる。このヘッダーは、例えば、通信システム100内で別のデバイスが動きを検出したか否かの指標、変調方式の指標、信号を送信しているデバイスの識別情報等のような追加情報を含むことができる。
【0019】
幾つかの事例では、無線通信デバイス102の各々において受信される無線信号を解析してネットワーク内にある様々な通信リンク(例えば、ネットワーク内でそれぞれの対をなす通信デバイス同士の間の)に関するチャネル情報を決定することができる。チャネル情報は、空間を通過する無線信号に伝達関数を適用する物理媒体を表すことができる。幾つかの事例では、チャネル情報は、チャネル応答情報を含む。チャネル応答情報は、通信リンクの既知のチャネル特性を意味するものとすることができ、無線信号が送信器から受信器へとどのように伝播するのかを記述し、送信器と受信器との間の空間の中における、例えば散乱と減弱と電力減衰との複合作用を表すことができる。特に、リンクは、受信(Rx)/送信(Tx)アンテナ対に相応することができる。Rx/Txアンテナの様々な構成に対応することができる。例えば、3本のRxアンテナ/3本のTxアンテナ(例えば3×3)構成では、合計で9つのチャネル応答を観測することができ、3×2構成では6つのチャネル応答を観測することができ、2×2構成では4つのチャネル応答を観測することができ、2×1構成では2つのチャネル応答を観測することができる。幾つかの事例では、4×4又は8×8構成を可能とし、従ってそれぞれ16個又は24個のチャネル応答を与えることができる。
【0020】
幾つかの事例では、チャネル情報は、ビーム形成状態情報を含む。ビーム形成(又は空間フィルタ処理)は、マルチアンテナ(多入力多出力(MIMO))無線システムにおいて用いられる指向性の信号送信又は信号受信に向けた信号処理技法を意味するものとすることができる。ビーム形成は、特定の角度にある信号が強め合う干渉を受け、それに対して他の信号が弱め合う干渉を受けるようにアンテナアレイ内の要素同士を組み合わせることによって果たすことができる。ビーム形成は、空間選択性を得るために送信側と受信側との両方で用いることができる。幾つかの場合(例えばIEEE802.11ac規格)には、送信器によってビーム形成ステアリング行列が用いられる。ビーム形成ステアリング行列は、送信に向けて空間経路を選択するためにアンテナアレイがその個々のアンテナ要素の各々をどのように用いるべきかの数学的記述を含むことができる。本明細書ではある特定の態様をチャネル応答情報又はビーム形成状態情報に関して説明するが、説明する複数の態様において他の種類のチャネル情報を用いることもできる。
【0021】
図1に示している例では、無線通信システム100を、それぞれの無線通信デバイス102の各々の間の無線通信リンクを有する無線メッシュネットワークとして例示している。図示している例では、無線通信デバイス102Cと無線通信デバイス102Aとの間の無線通信リンクを、第1の動き検出域110Aを探査するために用いることができ、無線通信デバイス102Cと無線通信デバイス102Bとの間の無線通信リンクを、第2の動き検出域110Bを探査するために用いることができ、無線通信デバイス102Aと無線通信デバイス102Bとの間の無線通信リンクを、第3の動き検出域110Cを探査するために用いることができる。幾つかの事例では、各無線通信デバイス102は、動き検出域110内で無線通信デバイス102同士の間のリンク上で送信される無線信号に基づく受信信号を処理することによって当該デバイスによってアクセスされる動き検出域110の各々内における動きを検出するように構成することができる。例えば、図1に示している物体106が第1の動き検出域110Aと第3の動き検出域110Cとの間で移動すると、無線通信デバイス102は、それぞれの動き検出域110を通して送信された無線信号に基づいて受信した信号に基づいて動きを検出することができる。例えば、無線通信デバイス102Aは、第1の動き検出域110A内と第3の動き検出域110C内との両方における人の動きを検出することができ、無線通信デバイス102Bは、第2の動き検出域110B内と第3の動き検出域110C内との両方における人106の動きを検出することができ、無線通信デバイス102Cは、第1の動き検出域110A内と第2の動き検出域110B内との両方における人106の動きを検出することができる。
【0022】
幾つかの事例では、動き検出域110は、例えば、無線電磁信号が中を通って伝播することができる、例えば、空気、固体材料、液体、又は別の媒体を含むことができる。図1に示している例では、第1の動き検出域110Aは、第1の無線通信デバイス102Aと第3の無線通信デバイス102Cとの間の無線通信チャネルを設け、第2の動き検出域110Bは、第2の無線通信デバイス102Bと第3の無線通信デバイス102Cとの間の無線通信チャネルを設け、第3の動き検出域110Cは、第1の無線通信デバイス102Aと第2の無線通信デバイス102Bとの間の無線通信チャネルを設ける。動作の幾つかの態様では、無線通信チャネル(ネットワークトラフィックに向けた無線通信チャネルとは別個の又はそれと共有の)上で送信される無線信号を用いて移動が検出される。物体は、いずれかの種類の静止物体又は移動可能物体とすることができ、生物又は無生物とすることができる。例えば、物体は、人間(例えば図1に描示しているように)、動物、無機物体、又は別のデバイス、装置、若しくは組立体、空間の境界の全て又は一部を定義する物体(例えば、壁、ドア、窓等)、或いは別の種類の物体とすることができる。幾つかの実装では、無線通信デバイスからの動き情報が、物体の動きが検出されない時に物体の存在又は不在を決定するための更なる解析をトリガーすることができる。
【0023】
幾つかの実装では、無線通信システム100は、動き検出システムとすることができる、又はそれを含むことができる。動き検出システムは、無線通信デバイス102A、102B、102C及び場合によってはその他の構成要素のうちの1又は2以上を含むことができる。動き検出システム内の1又は2以上の無線通信デバイス102A、102B、102Cを、動き検出に向けて構成することができる。動き検出システムは、信号を記憶するデータベースを含むことができる。記憶される信号は、各受信信号に関するそれぞれの測定値又はメトリック(例えば、チャネル応答情報、ビーム形成状態情報、又はその他のチャネル情報)を含むことができ、チャネル状態、例えば、動き、動きの欠如等に関連付けることができる。幾つかの事例では、監視システムの無線通信デバイス102のうちの1つが、受信信号及び動きを検出するための他の情報を処理するための中央ハブ又はサーバとして動作することができる。無線通信デバイス102又は監視システムの他の同様の無線通信デバイスが、これらの無線通信デバイス102又は監視システムの他の同様の無線通信デバイスと通信する固定又は静止のリーフノードを識別することができる。幾つかの実装では、無線通信デバイス102或いは動き検出システムの他のデバイス又はコンピューティングシステムが、これらの無線通信デバイス102又はその他の同様の無線通信デバイス102と通信する固定又は静止のリーフノードを分類し、順位付けすることができる。監視システム内で固定リーフノードを識別するため、及び/又はサウンディングに向けて固定リーフノードを分類して選択するためのプロセスに関連するデータの記憶は、動き検出システム内でAPデバイス(例えばゲートウェイデバイス)として構成された無線通信デバイス102上、別の種類のコンピューティングデバイス上で実施することができる、或いは幾つかの場合にはクラウド内で実施することができる。
【0024】
図2は、例示的動き検出システム200の例示的アーキテクチャを示す図を示している。幾つかの場合には、動き検出システム200内にあるデバイスは、IEEE802.11無線通信規格或いは別の種類の標準又は非標準のプロトコルの1又は2以上の態様に従って通信を行う。図2に示している例では、動き検出システム200は、無線アクセスポイント(AP)202(例えば無線通信デバイス102)、AP202と通信することができる1又は2以上のリーフデバイス204を含み、幾つかの事例では更なるAP又はリーフデバイス、或いはサーバ等の他の種類のデバイスを含む。幾つかの事例では、動き検出システムは、無線メッシュプロトコルに従って通信を行う複数のAP202(例えば図1で説明した無線通信デバイス102)を含み、図2に示しているように、AP202の各々に1又は2以上のリーフノード204が接続される。
【0025】
幾つかの事例では、動き検出システム200内におけるデバイス対デバイスの各無線接続は、動き測定値を取得する取得源である動きリンク250を構成することができる。本明細書では、AP202とリーフノード204との間の動きリンクをAP-リーフノードリンクと呼ぶ。リーフノード204は、動き検出システム200内でAP202によるサウンディング用に用いられるWi-Fiデバイスとすることができる。幾つかの事例では、リーフノード204は、専有の動き検出ソフトウェア又は動き検出ハードウェアを用いるように構成されず、通常は特定の無線規格に従って動作する。例えば、リーフノード204は、その動作規格の下での通常動作の一部としてAP202からのサウンディング要求を処理する(例えば、リーフノード204は、スマート電話、スマートサーモスタット、ラップトップコンピュータ、タブレットデバイス、セットトップボックス、又はストリーミングデバイス等として動作する)ことができる。幾つかの場合には、AP202及びリーフノード204は、標準(例えばIEEE802.11)プロトコルに準拠し、従って動き検出システム200のリーフノードとしての役割を果たす上で動き検出専用のハードウェア又はソフトウェアを必要としない。一般的に、動き検出システム200は、動き検出に向けてチャネル情報(例えば、チャネル応答情報、ビーム形成状態情報等)を取得するために図2に記載のリーフノード204のうちのいずれかをサウンディング応答ノードとして用いることができる。幾つかの場合には、AP202によるサウンディング用に用いられるリーフノード204がある特定の特性を有すること、例えば、これらのリーフノード204が長時間にわたって静止状態にあり、定常的な電源、例えばプラグ接続されたスマート電話を有することが好ましい。
【0026】
一例では、動き検出システム200は、例えば、ビーム形成情報を生成して1つの無線デバイスから別の無線デバイスに送信するためのビーム形成プロトコルを実装する。例えば、無線通信デバイス202は、上記で説明したビーム形成プロトコルを実装することができる。幾つかの事例では、AP202は、ビーム形成行列(例えばステアリング行列又はフィードバック行列)を解析することに基づいて物体230の動きを検出することができる。幾つかの例では、サウンディング及び/又はビーム形成は、動きリンク、例えばAP202とリーフデバイス204Aとの間の動きリンク250A上で実施され、動きリンクに関連するビーム形成行列(例えばステアリング行列又はフィードバック行列)の変化を観測することによってAP202において動きが検出される。リーフデバイス204との各接続に関するそれぞれのビーム形成行列の変化に基づいて、動きの場所をAP202が特定することもできる。メッシュ構成(例えば、図2には示していない複数のAP202が相互接続された動き検出システム202)では、サウンディング及びビーム形成は、複数のAP202とそのそれぞれのリーフデバイス204との間で実施され、AP202の各々において動き情報が決定される。続いて動き情報をハブデバイス(例えばAP202のうちの1つ)又はサーバ等の別のデバイスに送り、動き情報を解析して空間内で動きが発生したか否かの総合的な決定を行うこと、検出された動きの場所を検出すること、又はこれらの両方を行うことができる。
【0027】
図2に示している例示的動き検出システム200の幾つかの実装では、AP202と通信するリーフノード204の個数は未知である又は経時変化する。幾つかの事例では、AP202と通信するリーフノード204の個数は、移動リーフノード204がAP202との通信の内及び/又は外に移動する時に変化する。例えば、モバイルデバイス、例えばリーフノード204Bを携帯するユーザが空間内に進入する可能性があり、モバイルデバイスは、動き感知活動を実施しているAP202と通信し始める可能性がある。しかしながら、一般的にメッシュ構成では、リーフノードは、メッシュAPのうちのいずれかを選ぶことができ、それに加えてこれらのAPの間で何時でも自由に切り替えを行うことでいずれか特定のAP202と通信するリーフノードの個数に影響を与える。モバイルデバイスがAP202と通信している間に、AP202は、モバイルデバイスから情報を収集すること、及び/又はモバイルデバイスとのサウンディングを実施することができる。その後、ユーザは、モバイルデバイスと一緒に空間を離れる可能性があり、モバイルデバイスは、AP202の範囲外に移動するが、後にAP202の範囲内に再度入る。幾つかの状況では、このモバイルデバイスからAP202が集めたデータが、動きについての決定を行うために用いるのには十分に安定していない可能性がある。
【0028】
幾つかの場合には、動き検出システム内でリーフノードを用いることによって、システムの性能が影響を受ける可能性がある。例えば、チャネル情報を収集するためにデバイス同士の間の動きリンク、例えば、AP202とリーフノード204との間の動きリンク250上でサウンディングを実施するのに必要なリソースが限られている可能性がある。幾つかの事例では、動き検出システム内でサウンディング用に用いられる有効AP-リーフノードリンクの個数と共に線形に中央処理ユニット(CPU)及びメモリの使用量が増加する。幾つかの場合には、動き検出システムは、静止しているリーフノード(固定の場所を有する)及び移動しているリーフノード(可変の場所を有する)と通信状態にあることが可能であるが、固定リーフノードを移動リーフノードから区別することができない。幾つかの事例では、リーフノードの場所が、動き検出システムの性能に影響を与える可能性がある。幾つかの場合には、動き検出システムは、幾つかのリーフノードがサウンディングプロセスの最中にチャネル情報を収集するのには微弱にしかサウンディング応答せず、その結果、不良チャネル情報が動き検出システムに供給されることを観測する。幾つかの事例では、微弱サウンディング応答リーフノードから受信される不良チャネル情報は、全体システムの低質化を引き起こす可能性がある。幾つかの事例では、微弱サウンディング応答リーフノードは、それが固定リーフノードではなくて移動リーフノードであることに起因する可能性がある。他の事例では、動き検出システムが、例えば、システムをリブートした後等のシステム初期化時に多数のリーフノードが全て一斉に又は短い時間間隔中に出現する状況に圧倒される可能性がある。幾つかの場合には、例えば、ユーザが通知を受けてリーフノードがシステムに追加されたことを確認するように求められる時に、ユーザがシステムからの複数の通知で圧倒される可能性もある。
【0029】
本明細書で説明するように、上記の問題のうちの1又は2以上に対処し、動き検出システムの動作を改善するために、AP-リーフノードリンクに関する閉ループ連続リンク健全性測定・分類システムを実現する。幾つかの事例では、このシステムは、動き検出システム内のAP-APメッシュリンク又はその他の種類の動きリンクに適用することができる。
【0030】
図3は、AP-リーフノードリンクの分類の例を示す図である。ある実装では、例示的リンク分類300が、動き検出システム(例えば動き検出システム200)内の各AP-リーフノードリンクを固定又は静止のリーフノード或いは移動リーフノードとして分類する。幾つかの事例では、リーフノード(例えば図2に記載のリーフノード204)が、動き検出システムの1又は2以上のAP202に様々な時点で通信可能に結合される。幾つかの事例では、動き検出システムは、所定の時間間隔、例えば、1分おき、2分又は3分おき、1時間おき等に各AP202からネットワークステータスレポート310を定期的に受信する。ネットワークステータスレポートを受信するための時間間隔は調節可能とすることができる。複数のAP202を備えるシステムでは、AP202のうちの1つが、その他のAP1210の各々からネットワークステータスレポート310を収集するためのハブとしての役割を果たすことができる。幾つかの事例では、動き検出システムは、1つのAP202しか有さないことができ、その場合には他のAPからネットワークステータスレポート310を受信する必要はなくなる。動き検出システム内の各APに関するネットワークステータスレポート310は、所定の時間間隔中の各有効AP-リーフノードリンクに関する統計を含む。
【0031】
ある実装では、有効AP-リーフノードリンクは、AP及びリーフノードに対する基本無線インターフェースのマシンアドレス、例えば媒体アクセス制御(MAC)アドレスに基づいて識別される。ネットワークステータスレポート310は、各AP-リーフノードリンクに関して供給される。幾つかの事例では、リーフノードが所定の時間間隔中にAPと無線通信した場合に、この時間間隔中にAP-リーフノードリンクが有効であると決定される。例えば、サウンディング中にAPからのビーコン信号又はその他の信号にリーフノードが応答した場合に、APは、この時間間隔の間のネットワークステータスレポート310内でこのリーフノードを有効とマーキングすることになる。幾つかの事例では、複数の時間間隔からのステータスレポート310が集計されて、較正期間にわたる各AP-リーフノードリンクに関する統計が導出される。幾つかの実装では、各有効AP-リーフノードリンクに関して、ステータスレポート内の様々なメトリックが、較正期間、例えば1時間にわたって追跡及び/又は計算される。図3に示している例示的分類300では、1時間の較正期間にわたって60個のネットワークステータスレポートで受信された統計が集計される。図3に示しているように、メトリックは、存在情報メトリック325と、サウンディング成功メトリック326と、サウンディング失敗メトリック327と、平均受信信号強度インジケータ(RSSI)メトリック328と、動き検出失敗率メトリック329とを含む。幾つかの実装では、リンクを分類する上で他のメトリックを用いることができる。幾つかの事例では、存在情報メトリック325が、特定のAP-リーフノードリンクが有効であった較正期間の間のステータスレポート310の個数を示す。例として、ステータスレポート310が1分おきに報告された1時間の較正期間の間に、存在情報メトリック325は、ゼロから60まで(0~60)の範囲にわたる整数値を有することができる。幾つかの実装では、各AP-リーフノードリンクに関して、平均成功チャネル周波数応答(CFR)サウンディング率(0~100%の範囲)を示すサウンディング成功メトリック326が計算され、平均失敗CFRサウンディング率(0~100%の範囲)を示すサウンディング失敗メトリック327が計算される。これらの統計は、サウンディング要求を送ることによってリーフノードをサウンディングするAPの試み及びリーフノードが応答した(例えば成功)又は応答しなかった(例えば不成功)のどちらかであるかに関連する。幾つかの場合には、AP-リーフノードリンクを分類する上で、平均RSSIメトリック328及び動き検出失敗率329を計算して用いることができる。幾つかの事例では、各較正期間の間の較正結果が計算され(例えば図5で説明したように又は別途)、この較正結果に基づいて各有効AP-リーフノードリンクが分類される330。例えば、有効AP-リーフノードリンクは、下記で説明する合格、高ノイズ、又はスリープ中として分類することができる。
【0032】
本明細書で説明する例では、AP-リーフノードリンクを、AP番号とリーフ番号との対によって表す。図3及び図4で説明する例では、動き検出システムは、AP0、AP1、及びAP2という3つのAPと、較正イベント中にこれらのAPのうちの1又は2以上と通信するリーフ0及びリーフ1という2つのリーフノードとを含む。従って、各APは、最大で2つのリンク、例えばAP0-リーフ0及びAP0-リーフ1を報告する。その一方で、リーフノードは、APのうちの1つ、2つ、又は3つ全てに関連付けることができ、従って3つのリンク、例えば、AP0-リーフ0、AP1-リーフ0、及びAP2-リーフ0に関連付けることができる。実際のAP-リーフノードリンク対は、上記で説明したMACアドレスによって識別されることから、この場合のAP及びリーフノードの番号の使用は、単に例示目的のものである。
【0033】
幾つかの実装では、存在情報メトリック325を用いて第1の有効リーフノードが固定(例えば静止)又は移動のものであると決定される。幾つかの例示的システムにおける実験中に、リーフノードが1つのAPから及び別のAPへとジャンプするか否かを監視する方式が、リーフノードが固定又は移動のどちらのものであるかを必ずしも示すとは限らないことが確認され、固定リーフが様々な不明確な理由からジャンプすることが観測された。更に、幾つかの状況では、リーフノードの受信信号強度インジケータ(RSSI)測定値の観測だけで、リーフノードが固定又は移動のどちらのものであったかの確実な指標を必ずしも与えるとは言えない。
【0034】
図4は、較正窓410にわたってリンクを評価する例を示す図である。較正窓410は、複数の較正期間420を含む。この例では、表480の各行は、特定のAP-リーフノードリンク430に関して較正窓410内の各較正期間420の間の較正結果470(例えば、図5で説明したように又は別途取得された)を例示している。図4に示している例では、較正窓410の最中のAP-リーフノードリンクのアクティビティを、当該AP-リーフノードリンクに対する各それぞれの行内に強調表示較正期間420又は灰色表示較正期間420のどちらかによって表している。特に、いずれかの較正窓410内の灰色表示較正期間420(例えばデータなし470a)は、存在情報メトリック325に基づいて、当該較正期間420内に特定のAP-リーフノードリンク430が有効(又は十分に有効)として検出されなかったことを示し、それに対して他の強調表示較正期間420(例えば、PASS(合格)470b、NOISY(高ノイズ)470c、及びSLEEP(スリープ)470d)は、存在情報メトリック325に基づいて、当該較正期間420内で特定のAP-リーフノードリンク430が有効(又は十分に有効)として検出されたことを示している。有効AP-リーフノードリンクに対する付帯的な適性評価(例えば、PASS(合格)470b、NOISY(高ノイズ)470c、及びSLEEP(スリープ)470dであるが、図5で説明するように他の適性評価570も利用可能である)の割り当てについては図5で解説する。例えば、図5に記載の判定520において説明するように、較正期間420の最中にAP-リーフノードリンクに関する存在情報メトリック325がある閾値を超えた(例えば存在メトリック325≧PRES_THRES(0.9))時に、当該リーフノードは存在又は有効とマーキングされる。この例では、存在情報メトリック325は、0から60までの値であり、従って90%の閾値に基づくと、較正期間420の間に54又はそれよりも高い値の存在情報メトリック325を有するAP-リーフノードリンク430が有効(又は十分に有効)であると決定されることになり、それに対して較正期間420の間にこの値が54よりも小さい場合には、AP-リーフノードリンクは有効(又は十分に有効)ではないと決定されることになる。閾値は調節可能とすることができ、従って幾つかの事例では、較正窓410の間のより小さい又はより大きい時間パーセンテージに関してリーフノードが存在する/有効であると決定することができる。この例では、各較正期間420は1時間であり、較正窓410は5時間である、すなわち、各AP-リーフノードリンク430に関して吟味すべき5つの較正レポート420が存在する。ある実装では、各AP-リーフノードリンク430に、較正窓410の間のポイント数450が割り当てられる。幾つかの事例では、これらのポイントは、AP-リーフノードリンク430の存在アクティビティが各較正期間420内の存在閾値を超えたか否かに基づいて割り当てられる。図示している例では、較正窓410内の各強調表示較正期間420の間のポイントを加算することによって各AP-リーフノードリンク430に対する合計ポイント450が導出される。
【0035】
この例では、較正窓410の各較正期間420内でAP-リーフノードリンク430にポイント450が割り当てられる。この例では、較正期間420中にAP-リーフノードリンク430が「無効」であると決定された(例えば図4では「無効」リンクは強調表示されず、灰色である)場合に、AP-リーフノードリンク430に0ポイントが割り当てられる、又は較正期間420中にAP-リーフノードリンク430が「有効」であると決定された(例えば図4では「有効」リンクは強調表示されている)場合に1ポイントが割り当てられるが、他の実装では、存在アクティビティ又はその欠如を表す上で0又は1以外の値を割り当てることができる。先に言及したように、AP-リーフノードリンクの存在アクティビティは、下記で図5において説明する判定ボックス520において決定することができる。
【0036】
表480内でポイント450を計算するステップに戻ると、強調表示1時間較正期間420の各々の間に(例えば、リンクに関する統計が取得可能な直近の較正期間、0h、1h、2h、及び3hの間に)AP0-リーフ0に1ポイントが割り当てられ、非強調表示1時間較正期間(例えば、リンクに関するデータが取得可能ではない較正期間4h)に関して0ポイントが割り当てられ、合計で4ポイントが表480内に示されている。幾つかの事例では、AP-リーフノードリンク430は、あらゆる較正期間の間にいかなる取得可能データも有さない可能性があり、例えば、AP0-リーフ1では、データは取得可能ではなく、表480内では0ポイントの合計ポイント450が割り当てられている。幾つかの場合には、較正窓410の間にAP-リーフノードリンク430に割り当てられる総割り当てポイント450が、AP-リーフノードリンクの存在アクティビティレベルの指標を与え、幾つかの事例では、更に当該リーフノードが固定リーフノード又は移動リーフノードのどちらであるかの指標を与えることができる。しかしながら、少なくとも幾つかの状況では、リーフノードが固定又は移動のどちらのものであるかを確信的に決定するのには、ポイントだけでは十分ではない可能性がある。
【0037】
幾つかの実装では、AP-リーフノードリンク430に対する合計ポイント450は存在アクティビティの指標であるが、各較正期間420内のデータが収集された時、従ってリンク430が最後に有効であった時を示さない。例えば、較正イベントは、1日に1度又は24時間おきに開始することができる、すなわち、AP-リーフノードリンクに関して、「0h」が直近のネットワークステータスレポートであり、「23h」が最も古いネットワークステータスレポートである、較正窓に対して選ぶべき24個の1時間ネットワークステータスレポート310が可能性として存在する。図4に記載の例では、較正窓は5時間であり、従って各AP-リーフノードリンクに対して5つの較正期間に関するネットワークステータスレポート310が選択されることになる。ネットワークステータスレポート310内でデータが取得可能な直近の較正期間420は、各AP-リーフノードリンクに関する第1のレポートであり、更に、5時間較正窓410に対するデータセットを完成するために直前の4つの較正期間が用いられることになる。例えば、AP0-リーフ0、AP1-リーフ0、及びAP2-リーフ0のリンク対430は、最新の較正期間、例えば「0h」内で最後に有効であり、AP1-リーフ1は、6番目に古い較正期間「5h」内で最後に有効であった。AP2-リーフ1 430は、16番目及び17番目に新しい較正期間「15h」及び「16h」内で最後に有効であったが、3つの更に古い較正期間の間にはデータが取得可能ではなく、従って例示目的で、これらの期間430を更に古い較正期間「17h」で表し、灰色表示している。
【0038】
幾つかの事例では、AP-リーフノードリンク430に対する最新の存在情報メトリック325が古い場合には、リンク430に関する存在アクティビティ情報も最新ではなく、それによってリーフノードが固定又は移動のどちらのものであるかを決定する時にこの情報の妥当性が低下する。幾つかの場合には、存在アクティビティデータの古さの指標として範囲値460が用いられる。例えば、AP0-リーフ0に関して図4に表している存在アクティビティデータは、直近4時間(例えば、0h、1h、2h、及び3h)にわたって収集したものである。その一方で、AP1-リーフ1に関する最新の存在アクティビティは、6~10時間前(例えば、5h、6h、7h、8h、及び9h)に収集したものであり、このことは、直近の0~5時間の間にデータが取得可能ではなかったことを示している。AP2-リーフ1に関するデータは、更に以前(例えば15h及び16h)に収集したものであり、このことは、直近の0~14時間にわたってデータが取得可能ではなかったことを示している。
【0039】
ある実装では、AP-リーフノードリンクに対する範囲460は、較正窓410内で用いるためのデータが取得可能な最も古い較正期間420の最新の較正期間と相対的な古さによって決定される。例えば、表480を参照すると、最新の較正期間は「0h」であり、従ってAP0-リーフ0に対する範囲は0h~3h又は4であり、AP1-リーフ1に対する範囲は0h~9h又は10であり、AP2-リーフ1に対する範囲は0h~16h又は17である。各AP-リーフノードリンクに対する範囲460を表480に例示している。この場合、範囲460の情報を存在アクティビティポイント450と共に用いて、リンクを固定又は移動のものとして識別することができる。
【0040】
次の較正期間に向けて結果及び統計を受け入れるために較正窓がシフトする事例では、AP-リーフノードリンクに関する追加のアクティビティレポートがなければ、AP-リーフノードリンクに対するスコア440及びポイント450は変化しないことになる。再度AP2-リーフ1を参照すると、0hから14hまでの後続の時間の間にスコア440及びポイント450は変化しないことになる。しかしながら、範囲460は、このAP-リーフノードリンク上でアクティビティがない各後続の較正期間に1だけ増加することになる。この場合範囲460の値の増加は、このAP-リーフノードリンクの履歴データの妥当性を低下させるが、その一方でこのリーフノードが移動又は静止のどちらのものであるかに関する更なる状況をもたらす。
【0041】
ある実装では、リーフノードの全てのリンクに関して存在アクティビティポイント数450が範囲460に等しい場合に、リーフノードは静止リーフノードであると決定される。表480に示している例では、AP0-リーフ0、AP1-リーフ0、及びAP2-リーフ0のリンク対の各々は、その範囲460に等しいポイント450を有する。この事例では、リーフ0のリンクのポイント450の全てがこのリンクの範囲460に等しいことから、リーフ0を静止リーフノードとして識別することができる。幾つかの事例では、リーフノードは、全ての利用可能なAPとのリンクを確定するわけではない可能性がある(例えば、AP0-リーフ1に関するデータは取得可能ではない)。この状況では、リーフノードに関して静止又は移動の決定を行う上で、取得可能なデータを有するリンクのみが用いられることになり、データを有さない(例えば範囲460が0に等しい)リンクは無視されることになる。幾つかの場合には、リーフノードが静止リーフノードであることを決定する上で他の(更なる又は異なる)基準を用いることができる。
【0042】
ある実装では、リーフノード、例えばリーフ0が静止リーフノードであると決定された時に、動き検出システムは、このノードをサウンディング応答ノードとして追加する。しかしながら、リーフノードが移動ノードであると決定された時には、動き検出システムは、このリーフノードをサウンディング応答ノードとして削除する(追加しない)。例えば、AP0は、サウンディングを実施し、結果として得られるデータを動き検出用に用いるのにリーフ0を選択することができ、リーフ1は、表480に示している例示的データに基づいて移動のものと見え、従ってAP0は、動き検出に向けてリーフ1を用いないと決定することができる。
【0043】
幾つかの実装では、動き検出システムは、表480に示している各リンクに対するスコア440(本明細書では「健全性スコア」とも呼ぶ)を決定することによって各AP-リーフノードリンクの品質を分類する。例えば、各AP-リーフノードリンクには、各較正期間420の間の各ネットワークステータスレポート310内のリンク品質データに基づく値を割り当てることができる。図4に示している例では、各AP-リーフノードリンクに対するスコア440は、AP-リーフノードリンクに対する較正窓410の全体にわたって各較正期間420に対するリンク品質値を加算することによって積算される。幾つかの事例では、リンク品質値は、図5で説明するように割り当てられる。図4に記載の例では、リンクの品質は、スコアが高い時に高い。しかしながら、他の実装では、リンク品質を表すのに他の値を割り当てることができ、スコアは、異なる方式で計算することができ、例えば、低いスコアが高い品質を表すことができる。図4では、AP-リーフノードリンクは、その品質スコア440に従って順位付けされる。幾つかの事例では、静止のものとして識別されたリーフノードのスコア440のみが解析される。例えば、リーフ0は静止リーフノードとして識別されており、AP0-リーフ0リンク対は最高スコアを有し、このリンクがAP1-リーフ0及びAP2-リーフ0に優る最良の品質を有することを示している。幾つかの場合には、AP0は、リーフノードリーフ0をサウンディング応答ノードとして加算することになり、又はリーフ0は既にサウンディング応答ノードであり、AP0は、それをサウンディング応答ノードとして保つことになる。この例では、リーフ1は、静止ノードとして識別されており、従ってそのスコアは考慮されない。
【0044】
図5は、AP-リーフノードリンクを分類する例示的プロセス500を示すフロー線図である。幾つかの実装では、分類プロセス500は、例えば、図3で説明したように統計を集計する時に、各較正期間420内で各AP-リーフノードリンクに関して実施される。この例では、較正結果560の幾つかの可能なカテゴリ(例えば、NOT_SOUNDED(サウンディング未実行)、NOT_PRESENT(不在)、SLEEPING(スリープ中)、PASS(合格)、NOISY(高ノイズ)、故障中、データなし)があるが、幾つかの事例ではリーフノードを分類するためにより多い又はより少ないカテゴリを用いることができる。各較正結果560は、リーフノードがサウンディング優先順位の観点からどの程度望ましいかに基づく重み数を伴う。重み数は、較正窓にわたって足し合わせられてスコア(例えば、図4に記載の表480内に示しているスコア440)が導出される。幾つかの事例では、負のスコアは、当該リーフノードをサウンディングするのが望ましくないことを示し、それに対して正のスコアは、当該リーフノードをサウンディングするのが動き検出システムの性能に有効に寄与すると考えられることを示す。幾つかの場合には、リーフノードは、スコアの大きさに基づく優先順位で、例えば最高から最低へと順位付けされる。
【0045】
例示的プロセス500では、各較正期間420の間に各AP-リーフノードリンクに関して集計された統計を用いて当該リンクに対するスコアが決定される。510において、特定の回(例えば較正期間)に省略された、例えばサウンディングに向けてAPによって選択されなかったリーフノードが、NOT_SOUNDED(サウンディング未実行)560aと分類され、それに基準値570a(例えば+0.25ポイント)が割り当てられる。デバイスがAPによってサウンディング済みであった場合には、520においてこのデバイスが較正期間420中に十分に存在したか(例えば十分な通信を行ったか)否かが決定される。ある実装では、AP-リーフノードリンクの存在が存在閾値を超えたか否かを、例えば図3に記載の存在情報メトリック325を用いて決定することができる。この例では、存在閾値PRES_THRESは、リンク430が較正期間420のうちの少なくとも90%にわたって有効でなければならないことを示す0.9に設定される。幾つかの事例では、リーフノードの存在は、動き検出システムが当該較正期間の間の当該リンクを適正に解析するのに十分な情報を有するか否かを示し、存在閾値によって表される。この例では、520において、当該較正期間の間に存在閾値を満たさないデバイスの存在は、NOT_PRESENT(不在)560bとして分類され、それに、AP-リーフノードリンクが当該較正期間420中に完全には存在しなかったことを示す値570b(例えば0ポイント)が割り当てられる。
【0046】
リーフノードが存在閾値を満たしている又は超えた時には、530においてデバイスがスリープ中であるか否かが決定される。ある実装では、図3で説明したサウンディング成功メトリック326(図5に「prate」として表している)とサウンディング失敗メトリック327(図5に「frate」として表している)とが足し合わせられ、その結果が、スリープ閾値SLEEP_THRESに対して評価される。結果がスリープ閾値よりも低かった場合には、デバイスはスリープ状態にあると決定される。この例では、スリープ閾値SLEEP_THRESは0.95に設定されるが、その他の値を用いることができる。当該較正期間の間に結果がスリープ閾値よりも低かった時には、リーフノードはSLEEPING(スリープ中)560cとして分類され、それに、較正期間420中にAP-リーフノードリンクがスリープ中であったことを示す値570c(例えば-1ポイント)が割り当てられる。
【0047】
リーフノードがスリープ閾値を満たしている又は超えた、例えばスリープ中ではない時には、540において、較正窓中にデバイスがサウンディング応答を首尾良く実施したか否かが決定される。ある実装では、サウンディング成功メトリック326(例えばprate)が、合格閾値GOOD_THRESに対して評価される。「prate」が合格閾値よりも高かった場合には、デバイスは、較正期間中に首尾良くサウンディング応答していると決定される。この例では、合格閾値GOOD_THRESは0.85に設定される。当該較正期間の間に「prate」が合格閾値よりも高かった時には、リーフノードは、PASS(合格)560dとして分類され、それに、当該較正期間420中に当該AP-リーフノードリンクが首尾良くサウンディング応答したことを示す値570d(例えば+1ポイント)が割り当てられる。
【0048】
リーフノードが合格閾値を満たしていない時には、550において較正期間420中にデバイスが首尾良くサウンディング応答を実施したが、干渉及び/又はノイズを伴っていたか否かが決定される。ある実装では、サウンディング成功メトリック326(「prate」)が、較正期間中にサウンディングが成功したことの下側合格閾値OK_THRESに対して評価される。「prate」が下側合格閾値OK_THRESよりも高かった場合には、デバイスが較正期間中に首尾良くサウンディング応答していると決定される。この例では、合格閾値OK_THRESは、GOOD_THRESよりも低い品質である0.75に設定される。「prate」が当該較正期間の間に下側合格閾値よりも高かった時には、リーフノードはNOISY(高ノイズ)560eと分類され、それに、当該較正期間中に当該AP-リーフノードリンクが首尾良くサウンディング応答したが高ノイズであったことを示す値570e(例えば+.5ポイント)が割り当てられる。
【0049】
リーフノードが下側合格閾値OK_THRESを満たしていない時には、550において、デバイスが正しくサウンディング応答していないと決定される。例えば、「prate」が当該較正期間の間に下側合格閾値よりも低かった時には、当該リーフノードは故障中560fとして分類され、それに、当該較正期間中に当該AP-リーフノードリンクが故障していることを示す値570f(例えば-1ポイント)が割り当てられる。較正期間内にリーフノードに関して取得可能な履歴データがない場合には、当該AP-リーフノードリンクは、データなし560gとして分類され、それにデフォルト値570g(例えば+.25)が割り当てられる。
【0050】
幾つかの実装では、例示的プロセス500を実施した後に、較正窓410の各較正期間420内の各AP-リーフノードリンクが、リンクの品質に関して分類され、スコアが割り当てられることになる。幾つかの場合には、各較正期間420の間にリンクに割り当てられたポイントは、較正窓410の全体にわたって足し合わせられ、スコア、例えば図4に記載の表480内のスコア440が導出される。幾つかの事例では、固定リーフノードのスコアを用いて、そのAP-リーフノードリンクの各々を順位付けし、どのリンクが動き検出システムに最良品質のサウンディング応答データを与えることになるかを優先順位付けすることができる。
【0051】
図6は、動き検出システム内でリーフノードを更新するための閉ループ制御フロー600の例を示すブロック図である。幾つかの実装では、例示的制御フロー600は、動き検出システムによって実施される。幾つかの場合には、例示的制御フロー600は、動き検出システム内の唯一のAPによって、動き検出システム内の複数のAPのうちの1つによって、又は動き検出システム内の指定APによって報告されたデータを用いる別個のサーバによって実施することができる。幾つかの事例では、プロセス600は、各APに対して実施され、各APは、動き検出用に用いるべきリーフノードを選択する。この例示的プロセス600では、1分おきにネットワークステータスが報告され、較正期間は1時間おきである(例えば図3で説明したように)。他の較正期間及びネットワーク報告間隔を用いることができる。
【0052】
610において、動き検出システムは、各APに関するネットワークステータスを取得する監視器ステータスに入るのを待つ。615において、較正期間が次の較正期間、例えば次の時間であるかどうかをチェックすることによって較正期間が完了したかどうかが決定される。1時間が経過し、較正期間420が完了すると、620において、各AP-リーフノードリンクに関する統計を集計する較正イベントが実行される(例えば図3及び図4で説明したように)。625において、各AP-リーフノードリンクが、履歴窓に基づいてスコア付けされる。この例では、履歴窓は、直近の72回の較正期間の間の各AP-リーフノードリンクに関するデータ及びスコアを含む。
【0053】
630において、サウンディングに向けて固定リーフノードが選択される。例えば、動き検出システムは、最新の較正イベントに関して識別された固定リーフノードからAP毎にサウンディングすべき最大個数(例えばMAX_LEAFS_PER_AP=2と表される)のリーフノードを選択する。幾つかの実装では、リーフノードは、図4で説明した各リーフノードに対するスコア440に基づいて選択される。幾つかの事例では、スコア440との組み合わせでリーフノードの場所が用いられる。例えば、静止リーフノードがサウンディングに適することが最低スコアを獲得することによって証明されると、場合によってこの静止リーフノードは、それ自体のローカライザの結果の場所になることができ、例えば、検出された動きの場所を固定リーフノードの場所として特定することができる。幾つかの事例では、この選択肢は、ユーザのデバイスのユーザインターフェースにイベントを送ることによって、例えば、ユーザのスマート電話上の動き検出アプリケーションによって与えることができる。ユーザが、ユーザインターフェースを介して静止リーフの場所を提供すると、サウンディングに向けての静止リーフノードの選択を、リーフノードの場所の一意性に基づいて偏らせることができる。ある例では、一意の場所が単一のリーフを有し、その品質が「ok」と考えられる場合には、当該リーフノードをサウンディングする方が、単一のゾーン内にある2つの「良好な」リーフをサウンディングするよりも良好な動き結果を有することになる。
【0054】
各APに対して最大個数のリーフノードが選択された後に、635においてリーフノード候補のうちの少なくとも1つが、最低リンク品質スコア(例えばSCORE_THRES)を超えるリンク品質を有する新しく識別された静止リーフノードであるか否かが決定される。各AP-リーフノードリンクに対するスコアの例を、図4で説明した(例えば表480内のスコア440)。幾つかの事例では、いかなるリーフノードも品質スコア基準を満たさず、この場合、660において、アキュムレータがリセットされ(例えば、図4に記載のスコア440、ポイント450、及び範囲460)、665において、存在、サウンディング成功率(「prate」)及びサウンディング失敗率(「frate」)、並びに追跡中のいずれか他のリンク統計、例えば平均RSSI及び動き検出失敗率等の、完了したばかりの較正期間の間の総統計が、全てのAP-リーフノードリンクに関して更新される。アキュムレータが更新された後に、610において、システムは、次のステータスレポートを受信するのを待つ。
【0055】
幾つかの実装では、最低品質スコアを超える新しい静止リーフノードが識別された時に、640において、広域静止リーフクールダウンプロセスが有効であるかどうかが決定される。例えば、動き検出システムは、新しいリーフノードを動き検出システムに追加することができない時に時間(すなわちクールダウン期間)を指定することができる。幾つかの事例では、静止リーフクールダウン期間が、システムに安定性を与え、新しく選択された静止リーフノードの繰り返しの出入りを防ぐために実装することができる。ある例では、クールダウン期間は24時間とすることができる。クールダウン期間が有効である事例では、プロセスは660に進み、そこでアキュムレータがリセットされ、665において較正期間の間の統計が更新され、システムは、610において次のステータスレポートを受信するのを待つ。
【0056】
クールダウン期間が有効ではない事例では、新しい固定リーフノードを動き検出システムに追加することができる。この場合、645において、新しく識別及び選択された静止リーフノードを報告するというイベントが生成される。例えば、動き検出システムは、新しい静止リーフノードを報告するために、このリーフノード及びそのサウンディング応答データを特定の動きゾーンに関連付ける「ZoneCreatedEvent」を生成することができる。上記で説明したように、新しいゾーンを作成する機会が、ユーザインターフェースを介してユーザに提供される。幾つかの事例では、650において、新しい静止リーフノードは、例えば、ユーザがユーザインターフェースを介して新しいゾーンを示すか否かに依存して潜在的な一意のローカライザゾーンとしてマーキングされる。
【0057】
新しいリーフノードがサウンディングに向けて選択された後に、655においてクールダウンタイマが開始される、又はまだ実行中である場合にはリセットされる。この例では、クールダウンタイマMIN_LEAF_INTERVALは24時間に設定され、それによってこの時間中には新しく識別された固定リーフノードを追加することができない。続いてプロセスは660に進み、そこでアキュムレータがリセットされ、665において較正期間の間の統計が更新され、システムは、610において次のステータスレポートを受信するのを待つ。615において較正期間が完了しない(例えば、1時間のネットワークステータスレポートが受信されなかった)場合には、665において最新の較正期間に関する統計が更新され、システムは、610において次のステータスレポートを受信するのを待つ。
【0058】
図7は、固定リーフノード切断イベントに対する例示的プロセスを示すブロック図である。例えば、動き検出システム内でAPによるサウンディング用に用いられる固定リーフノードは、APとの接続性を失う可能性があり、例えば、デバイスがネットワークから切断され、電力が失われ、デバイスが区域の外に移動され、更に同様のことが行われる。この例示的プロセス700は、710において、固定リーフノードがもはやAPと通信していないことを示すリンク切断イベントをAPが受信した時に実施される。幾つかの実装では、720において、システムは、APが、正の品質スコア(例えば図4に記載のスコア440)を有する少なくとも1つの他の固定リーフノードを有するか否かを決定する。有する場合には、730において、APは、取得可能な最上位スコアの固定リーフノード候補を即座にサウンディングし始めるように指示される。その他の場合には、740において、APは、この時点で固定リーフノードを置き換えるためのいかなるアクションも取らない。
【0059】
図8は、リーフノード接続イベントに対する例示的プロセスを示すブロック図である。幾つかの実装では、このプロセス800は、810において、AP-リーフノードリンクが確立されたことを示すリンク接続イベントをAPが受信した時に実施される。APは、いずれかの時点において接続イベントを検出する可能性がある。幾つかの実装では、820において、直近の24時間以内にこの新しいリンクに関連付けられた以前の履歴データ、例えば存在情報メトリック325及び品質統計326~329をAPが有するか否かが決定される。AP-リーフノードリンクに関する履歴データが取得可能でない場合には、850において、較正窓にわたる過去の履歴が、デフォルト値に設定され、例えばNO_DATAに初期化される。このデフォルト設定の例を図4にある特定の較正期間420内のある特定のAP-リーフノードリンク430に関して灰色のボックスで示しており、例えば、AP0-リーフ1は以前の履歴データを有さず、従って、較正窓内の各較正期間は、「データなし」にデフォルト設定される。860において、当該リーフノードがサウンディングに用いられることになるか否かについての判定が、次の較正期間まで延期される(例えば図6で説明したように)。それとは反対に、AP-リーフノードリンクに関する履歴が取得可能である場合には、830において、AP-リーフノードリンクが正の品質スコア(例えば図4に記載のスコア440)を有し、APが、現在その最大個数よりも少ない(例えばMAX_LEAFS_PER_AP<2)リーフノードをサウンディングしている場合に、840において、APは、リーフノードを即座にサウンディングし始める。その他の、APが既に最大個数のリーフノードをサウンディングしている事例では、860において、当該リーフノードがサウンディング用に用いられることになるか否かについての判定が、次の較正期間まで延期される(例えば図7で説明したように)。
【0060】
図9は、静止リーフノードを識別するための例示的プロセス900を示すブロック図である。幾つかの場合には、図9に示している動作のうちの1又は2以上が、複数の動作、サブプロセス、又はその他の種類のルーチンを含むプロセスとして実装される。幾つかの場合には、動作を、組み合わせる、別の順序で実施する、並列に実施する、反復する又は別途繰り返す、或いは別の方式で実施することができる。
【0061】
910において、複数のAP-リーフノードリンクの複数の較正期間に関して存在情報が取得される。図3図4で説明したように、較正期間内の存在情報は、AP-リーフノードリンクが有効である時の較正期間中の回数を指す。
【0062】
ある実装では、リーフノードを、1又は2以上のAPへのリンクに関連付けることができる。幾つかの事例では、図3で説明した存在情報325等の存在情報は、動き検出システム内で較正期間(例えば1時間又はその他の時間間隔)中にAP-リーフノードリンクが有効である回数を示すデータを表す又は含む。幾つかの場合には、APは、動き検出システム用のハブであり、APは、動き検出システム内の1又は2以上の他のAP(例えば図2で説明したAPノード1210)から、他のAP-リーフノードリンクの各々に関する存在情報を含むレポート(例えば図3で説明したネットワークレポート)を取得する。
【0063】
920において、各AP-リーフノードリンクに関して、そのそれぞれの存在情報に基づいて存在アクティビティが決定される。幾つかの事例では、較正期間中にAP-リーフノードリンクに関する存在情報、例えば存在情報325が較正期間に対する存在閾値を超えた時に、AP-リーフノードリンクは存在する又は有効であると決定される。例えば、AP-リーフノードリンクが較正期間内の時間のある特定のパーセンテージの間に有効である(例えば、図5に記載の判定ボックス520内で存在情報≧PRES_THRES(例えば9.0))時に、AP-リーフノードリンクは、この較正期間の間に存在する又は有効であると見なすのに十分な存在アクティビティを有すると決定される(例えば、図4に示しているように、較正期間420の間に存在する又は有効であると決定されたAP-リーフノードリンク430を強調表示で示している)。
【0064】
930において、較正窓内の複数のAP-リーフノードリンクの存在アクティビティに基づいて静止リーフノードが識別される。ある実装では、AP-リーフノードリンクは、それが較正期間の範囲(例えば、図4に例示しているAP0-リーフ0、AP1-リーフ0、及びAP2-リーフ0に関する範囲460)に等しい複数の較正期間の間に存在する時に静止していると決定される。例えば、AP-リーフノードリンクの存在アクティビティは、図4で説明したように、較正窓にわたる各AP-リーフノードリンクに対するポイント450を計算することによって決定される。
【0065】
940において、動き検出システムは、識別された静止リーフノードのうちの少なくとも1つを、動き検出に向けてサウンディング応答ノードとして用いるように更新される。続いて動き検出システムは、サウンディング応答ノードへ又はこれらのノードから通信される信号を用いて、動き検出用に用いられるチャネル情報(例えば、チャネル応答情報、ビーム形成状態情報等)を取得することができる。
【0066】
ある実装では、識別された静止リーフノードのうちの1つが、動き検出システムにサウンディング応答ノードとして追加するために選択され、選択された静止リーフノードに関して、ゾーン作成イベントがユーザに送信される。幾つかの場合には、選択された静止リーフノードに関連付けられた一意のローカルゾーンがマーキングされる。幾つかの場合には、静止リーフノードは、較正窓における各静止AP-リーフノードリンクに対するリンク品質スコアを導出する(例えば、図5において各較正期間に対するスコアを割り当て、図4に記載の表内の較正窓の間に足し合わせる)ことによって選択される。幾つかの事例では、静止AP-リーフノードリンクは、それらのそれぞれのリンク品質スコアに従って優先順位付けされ、最高リンク品質スコアを有する静止AP-リーフノードリンク(例えば図4に記載のAP0-リーフ0)を有する静止リーフノードが選択される。幾つかの実装では、識別された静止リーフノードのリンク品質スコアと場所とに基づいて、次の時間間隔の間にサウンディングするための最大個数のリーフノードがAP毎に選択される。幾つかの事例では、動き検出システムに向けて識別された静止リーフノードのうちの少なくとも1つをサウンディング応答ノードとして用いるように動き検出システムを更新した後に静止リーフノードタイマが開始される(図6で説明した広域静止リーフクールダウン)。
【0067】
図10は、静止リーフノードのリンク品質を分類するための例示的プロセス1000を示すブロック図である。幾つかの場合には、図9に示している動作のうちの1又は2以上が、複数の動作、サブプロセス、又はその他の種類のルーチンを含むプロセスとして実装される。幾つかの場合には、動作を、組み合わせる、別の順序で実施する、並列に実施する、反復する又は別途繰り返す、或いは別の方式で実施することができる。
【0068】
1010において、較正窓内の各リーフノードの存在アクティビティに基づいて静止リーフノードが識別される。幾つかの事例では、静止リーフノードは、図3図4で説明したように、且つ/又は図9で説明したプロセスを用いて識別することができる。
【0069】
1020では、各較正窓における各静止リーフノードの各AP-リーフノードリンクに関して、AP-リーフノードリンク品質情報に基づいて健全性スコアが決定される。AP-リーフノードリンク品質情報は、図3図5で説明した、較正期間中のサウンディング動作の成功率と、較正期間中のサウンディング動作の失敗率とを含むことができる。幾つかの事例では、AP-リーフノードリンク品質情報は、平均リンク受信信号強度インジケータ(RSSI)と動き検出失敗率とを含むことができる。幾つかの実装では、健全性スコアを決定するステップは、複数の較正期間の各々において各AP-リーフノードリンクのリンク品質情報に基づいて各AP-リーフノードリンクに分類を割り当てる段階を含むことができる。幾つかの場合には、分類は、リンク品質が合格、高ノイズ、又はスリープ中であることを示す。各AP-リーフノードリンクに、その分類に相応する値を割り当てることができ、較正窓内の複数の較正期間の各々において割り当てられた値に基づいて各AP-リーフノードリンクに関する健全性スコアが導出される(例えば図4図5で説明したように)。ある例では、APリンクの健全性は、較正期間中のサウンディング動作の成功率が第1の閾値を上回り、較正期間中のサウンディング動作の失敗率が第2の閾値を下回る時に合格である。別の例では、APリンクの健全性は、較正期間中のサウンディング動作の成功率が第3の閾値を下回り、較正期間中のサウンディング動作の失敗率が第4の閾値を上回る時に高ノイズである。
【0070】
1030において、各AP-リーフノードリンクの健全性スコアに基づいて、動き検出システム内で用いるべき1又は2以上の静止リーフノードが選択される。幾つかの場合には、静止リーフノードの選択中に、負の健全性スコアを有するAP-リーフノードリンクが無効にされ、従って考慮されない。幾つかの場合には、正の健全性スコアを有するAP-リーフノードリンクが、正の健全性スコアを有する他のAP-リーフノードリンクと併せて優先順位付けされる。幾つかの実装では、最も高いAP-リーフノードリンク健全性スコアを有する静止リーフノードが、動き検出システムによるサウンディング用に用いるべく選択される。
【0071】
1040では、選択された1又は2以上の静止リーフノードを動き検出用に用いるように動き検出システムが更新される。幾つかの事例では、動き検出システムは、それが新しいリーフノードを当該回に追加するのを可能にしたことを決定することによって更新される。続いて、選択された固定リーフノードに関するゾーン作成イベントがユーザに(例えばユーザデバイスに)送信される。幾つかの実装では、選択されたリーフノードは、一意のローカルゾーンとしてマーキングされる。幾つかの実装では、APは、複数の較正期間における複数のAP-リーフノードリンクに関する存在情報及びリンク品質情報を取得し、較正窓に対する較正イベントを開始する。幾つかの場合には、APは、動き検出システムに対するハブであり、APは、動き検出システム内の1又は2以上の他のAPから、他のAP-リーフノードリンクの各々に関する存在情報及びリンク品質情報を含むレポートを取得する。
【0072】
図11は、例示的無線通信デバイス1100を示すブロック図である。図11に示しているように、例示的無線通信デバイス1100は、インターフェース1130と、プロセッサ1110と、メモリ1120と、電源ユニット1140とを含む。例えば、図1に例示している無線通信システム1100内の無線通信デバイス102A、102B、102Cのうちのいずれもが、同じ、更なる、又は異なる構成要素を含むことができ、これらの構成要素は、図1に示しているように又は別の方式で動作するように構成することができる。幾つかの事例では、例示的無線通信デバイスは、複数のAPを備えるメッシュネットワーク内のアクセスポート(AP)又はハブとして構成することができる。幾つかの実装では、無線通信デバイスのインターフェース1130、プロセッサ1110、メモリ1120、及び電源ユニット1140は、共通ハウジング又はその他の組立体内にまとめて収容される。幾つかの実装では、無線通信デバイスの構成要素のうちの1又は2以上を、別個に、例えば別個のハウジング又はその他の組立体内に収容することができる。
【0073】
例示的インターフェース1130は、無線信号を通信(受信、送信、又はこれらの両方)することができる。例えば、インターフェース1130は、無線通信規格(例えばWi-Fi又はBluetooth)に従ってフォーマットされた無線周波数(RF)信号を通信するように構成することができる。幾つかの場合には、例示的インターフェース1130は、モデムとして実装することができる。幾つかの実装では、例示的インターフェース1130は、無線サブシステムとベースバンドサブシステムとを含む。幾つかの場合には、無線サブシステムとベースバンドサブシステムとは、共通のチップ又はチップセット上に実装することができる、或いはカード又は別の種類の組み立てデバイス内に実装することができる。ベースバンドサブシステムは、例えば、リード、ピン、ワイヤ、又はその他の種類の接続部によって無線サブシステムに結合することができる。
【0074】
幾つかの場合には、インターフェース1130内の無線サブシステムは、1又は2以上のアンテナと無線周波数回路とを含むことができる。無線周波数回路は、例えば、アナログ信号をフィルタ処理、増幅、又は別途調整する回路、ベースバンド信号をRF信号にアップコンバートする回路、RF信号をベースバンド信号にダウンコンバートする回路等を含むことができる。かかる回路は、例えば、フィルタ、増幅器、混合器、ローカル発振器等を含むことができる。無線サブシステムは、無線周波数無線信号を無線通信チャネル上で通信するように構成することができる。例として、無線サブシステムは、無線チップと、RFフロントエンドと、1又は2以上のアンテナとを含むことができる。無線サブシステムは、更なる又は異なる構成要素を含むことができる。幾つかの実装では、無線サブシステムは、従来モデム、例えば、Wi-Fiモデム、ピコ基地局モデム等からの無線電子機器(例えば、RFフロントエンド、無線チップ、又はアナログ構成要素)とする、又はこれらを含むことができる。幾つかの実装では、アンテナは、複数のアンテナを含む。
【0075】
幾つかの場合には、インターフェース1130内のベースバンドサブシステムは、例えば、デジタルベースバンドデータを処理するように構成されたデジタル電子機器を含むことができる。例として、ベースバンドサブシステムは、ベースバンドチップを含むことができる。ベースバンドサブシステムは、更なる又は異なる構成要素を含むことができる。幾つかの場合には、ベースバンドサブシステムは、デジタル信号プロセッサ(DSP)デバイス又は別の種類のプロセッサデバイスを含むことができる。幾つかの場合には、ベースバンドシステムは、無線サブシステムを動作させるため、無線サブシステムを通して無線ネットワークトラフィックを通信するため、無線サブシステムを通して受信した動き検出信号に基づいて動きを検出するため、又はその他の種類のプロセスを実施するためのデジタル処理ロジックを含む。例えば、ベースバンドサブシステムは、信号を符号化してそれを送信に向けて無線サブシステムに送達するように、又は無線サブシステムからの信号内に符号化されたデータを識別して解析する(例えば、信号を無線通信規格に従って復号すること、信号を動き検出プロセスに従って処理すること、又はその他の方式によって)ように構成された1又は2以上のチップ、チップセット、又はその他の種類のデバイスを含むことができる。
【0076】
幾つかの場合には、例示的インターフェース1130は、無線ネットワークトラフィック(例えば、図3で説明したネットワークレポートを含むデータパケット)及びその他の種類の信号(例えばサウンディング信号等の動き探査信号)を通信することができる。幾つかの事例では、インターフェース1130は、例えば、空間を探査して動き又は動きの欠如を検出するために送信に向けて動き探査信号を生成する。幾つかの実装では、動き探査信号は、チャネルサウンディング(例えば、IEEE802.11ac-2013規格によるビーム形成に向けたチャネルサウンディング)において用いられる標準パイロット信号を含む標準の信号伝達フレーム又は通信フレームを含む。幾つかの場合には、動き探査信号は、ネットワーク内の全てのデバイスに既知の基準信号を含む。幾つかの事例では、ベースバンドサブシステムは、例えば、リーフノードからの接続イベント及び切断イベントを検出し、存在アクティビティを検出し、空間内における物体の動きを検出するように受信信号を処理することができる。例えば、インターフェース1130は、空間内における動きの結果としてのチャネルの変化を検出するために標準の信号伝達プロトコル(例えば、ステアリング行列又はその他の生成行列等に基づくIEEE802.11ac-2013規格によるビーム形成に向けたチャネルサウンディング)の態様を解析することができる。
【0077】
例示的プロセッサ1110は、例えば、データ入力に基づいて出力データを生成するための命令を実行することができる。命令は、メモリ1120、例えばデータベース1140内に記憶されたコード、スクリプト、モジュール、又はその他の種類のデータを含むことができる。追加的又は代替的に、命令は、事前プログラミングされた又は再プログラミング可能な論理回路、論理ゲート、或いはその他の種類のハードウェア又はファームウェアの構成要素又はモジュールとして符号化することができる。プロセッサ1110は、汎用マイクロプロセッサ、専用コプロセッサ、又はその他の種類のデータ処理装置とする、又はこれらを含むことができる。幾つかの場合には、プロセッサ1110は、無線通信デバイス1100の高レベル動作を実施する。例えば、プロセッサ1110は、メモリ1120内に記憶されたソフトウェア、スクリプト、プログラム、モジュール、関数、実行可能ファイル、又はその他の命令を実行又は解釈するように構成することができる。幾つかの実装では、プロセッサ1110は、インターフェース630内に含まれる。
【0078】
例示的メモリ1120は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体、例えば、揮発性メモリデバイス、不揮発性メモリデバイス、又はこれらの両方を含むことができる。メモリ1120は、1又は2以上の読み取り専用メモリデバイス、ランダムアクセスメモリデバイス、バッファメモリデバイス、或いはこれら及びその他の種類のメモリデバイスの組み合わせを含むことができる。幾つかの事例では、メモリの1又は2以上の構成要素を、無線通信デバイス1100の別の構成要素と統合する又は別途関連付けることができる。メモリ1120は、プロセッサ610によって実行可能な命令を記憶することができる。例えば、命令は、例示的無線通信デバイス1100(例えばAP)が、複数の較正期間における複数のAP-リーフノードリンクに関する存在情報を取得するための命令を含むことができる。命令は、実行された時に、デバイスに各較正期間内の各AP-リーフノードリンクに関する存在アクティビティを、そのそれぞれの存在情報に基づいて決定させること、及び複数の較正期間を含む較正窓内の複数のAP-リーフノードリンクに関する存在アクティビティに基づいて静止リーフノードを識別させることができる。命令は、例えば、図3図5で説明した動作のうちの1又は2以上によって或いは図9で説明した例示的プロセス900において識別された静止リーフノードのうちの少なくとも1つをサウンディング応答ノードとして動き検出用に用いるように動き検出システムを更に更新することができる。別の例では、命令は、例示的無線通信デバイス1100(例えばAP)が、複数の較正期間を含む較正窓内の各リーフノードの存在アクティビティに基づいて1又は2以上の静止リーフノードを識別するための命令を含むことができる。更に命令は、デバイスにAP-リーフノードリンク品質情報に基づいて各較正窓における各静止リーフノードの各AP-リーフノードリンクに関する健全性スコアを決定させ、静止リーフノードのうちで動き検出システム内でのサウンディング用に用いるべき1又は2以上を、AP-リーフノードリンクの各々に対する健全性スコアに基づいて選択させることができる。更に命令は、動き検出に向けて選択された1又は2以上の静止リーフノードを用いるように、例えば、図3図5で説明した動作のうちの1又は2以上によって、或いは図10で説明した例示的プロセス1000において動き検出システムをデバイスに更新させることができる。幾つかの事例では、メモリ1120は、例えば、静止リーフノードを識別するためのもの1122、静止リーフノードを選択するためのもの1124、及び/又は動き検出システム内の新しいリーフノードを更新するためのもの1126である、上記で説明した命令を含む1又は2以上の命令セット又はモジュールを含むことができる。
【0079】
例示的電源ユニット1140は、無線通信デバイス1100の他の構成要素に電力を供給する。例えば、他の構成要素は、電源ユニット1140によって電圧バス又はその他の接続部を通して供給される電力に基づいて動作することができる。幾つかの実装では、電源ユニット1140は、バッテリー又はバッテリーシステム、例えば再充電可能バッテリーを含む。幾つかの実装では、電源ユニット1140は、外部電力信号(外部電源からの)を受信してそれを無線通信デバイス1100の構成要素に合うように調整された内部電力信号に変換するアダプタ(例えばACアダプタ)を含む。電源ユニット1140は、他の構成要素を含む又は別の方式で動作することができる。
【0080】
本明細書で説明する主題及び動作のうちの幾つかは、本明細書で開示する構造及びその構造的均等物を含むデジタル電子回路、或いはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェア、或いはこれらのうちの1又は2以上の組み合わせの中に実装することができる。本明細書で説明する主題のうちの幾つかは、データ処理装置による実行に向けて又はこの装置の動作を制御するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された1又は2以上のコンピュータプログラム、すなわちコンピュータプログラム命令の1又は2以上のモジュールとして実装することができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能記憶デバイス、コンピュータ読み取り可能記憶基板、ランダムアクセス又はシリアルアクセスのメモリアレイ又はメモリデバイス、或いはこれらのうちの1又は2以上の組み合わせとすることができる、又はこれらの中に含めることができる。更に、コンピュータ記憶媒体は伝播信号ではないが、人為的に生成された伝播信号内に符号化されたコンピュータプログラム命令の発信元又は送信先とすることができる。コンピュータ記憶媒体は、1又は2以上の別個の物理的な構成要素又は媒体(例えば、複数のCD、ディスク、又はその他の記憶デバイス)とする又はその中に含めることもできる。
【0081】
本明細書で説明する動作のうちの幾つかは、1又は2以上のコンピュータ読み取り可能記憶デバイス上に記憶された又は他の発信元から受信したデータに対してデータ処理装置が実施する動作として実装することができる。
【0082】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても公知の)は、コンパイル実行言語又はインタープリタ実行言語、宣言型言語又は手続き型言語を含むプログラミング言語のいずれかの形態で記述することができ、スタンドアローンプログラム或いはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、又はコンピューティング環境における使用に適する他のユニットを含むいずれかの形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに相応するものとすることができるが、そうである必要はない。プログラムは、それ専用の単一のファイル内又は複数の連動ファイル(例えば、1又は2以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部分を記憶するファイル)内に他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語ドキュメント内に記憶された1又は2以上のスクリプト)を保持するファイルの一部分内に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上、或いは1つの場所に場所決めされた、又は複数の場所にわたって分散されて通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0083】
本明細書で説明するプロセス及び論理フローのうちの幾つかは、1又は2以上のコンピュータプログラムを実行して入力データに対して動作し、出力を生成することによってアクションを実施する1又は2以上のプログラミング可能プロセッサが実施することができる。プロセス及び論理フローは、専用論理回路、例えばFPGA(現場プログラミング可能ゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)が実施する、又は装置をこれらとして実装することができる。
【0084】
コンピュータプログラムの実行に適するプロセッサは、例として、汎用と専用との両方のマイクロプロセッサ及びいずれかの種類のデジタルコンピュータのプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、読み取り専用メモリ又はランダムアクセスメモリ或いはこれらの両方から命令及びデータを受け取ることになる。コンピュータの要素は、命令に従ってアクションを実施するプロセッサと、命令及びデータを記憶する1又は2以上のメモリデバイスとを含むことができる。コンピュータは、データを記憶するための1又は2以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクを含む、或いはこれらからデータを受け取る、これらにデータを転送する、又はこれらの両方を行うために動作可能に結合することもできる。しかしながら、コンピュータはかかるデバイスを有する必要はない。更に、コンピュータは、別のデバイス、例えば、電話、電子機器、オーディオ又はビデオのモバイルプレーヤ、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信器、又は携帯可能記憶デバイス(例えばユニバーサルシリアルバス(USB)、フラッシュドライブ)内に埋め込むことができる。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに適するデバイスは、例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリデバイス、及びその他)、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスク、取り外し可能ディスク、及びその他)、光磁気ディスク、並びにCD ROMディスク及びDVD-ROMディスクを含む不揮発性メモリ、媒体、及びメモリデバイスの全ての形態を含む。幾つかの場合には、プロセッサ及びメモリは、専用論理回路が補助する又はその中に組み込むことができる。
【0085】
ユーザとの対話を可能にするために、動作は、ユーザに対して情報を表示するための表示デバイス(例えばモニタ又は別の種類の表示デバイス)と、ユーザがコンピュータに入力を与えることを可能にするキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス、トラックボール、タブレット、タッチ感知画面、又は別の種類のポインティングデバイス)とを有するコンピュータ上に実装することができる。ユーザとの対話を可能にする上で他の種類のデバイスを用いることもでき、例えば、ユーザに与えられるフィードバックは、感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックのいずれかの形態とすることができ、ユーザからの入力は、音響入力、発話入力、又は触覚入力を含むいずれかの形態で受け取ることができる。それに加えて、コンピュータは、ユーザによって用いられるデバイスにドキュメントを送り、このデバイスからドキュメントを受け取ることによって、例えば、ユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザにこのウェブブラウザから受け取る要求に応じてウェブページを送ることによってユーザと対話することができる。
【0086】
コンピュータシステムは、単一のコンピューティングデバイス、或いは互いの近くで又は一般的に遠くで動作し、一般的に通信ネットワークを通じてやり取りを行う複数のコンピュータを含むことができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)及びワイドエリアネットワーク(「WAN」)、相互ネットワーク(例えばインターネット)、衛星リンクを含むネットワーク、ピア・ツー・ピアネットワーク(例えばアドホックピア・ツー・ピアネットワーク)を含む。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で稼働し、互いとのクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じることができる。
【0087】
本明細書で説明する例の一般的な態様では、動き検出システムは、動き検出に向けて静止リーフノードを識別する。
【0088】
第1の例では、アクセスポイント(AP)が、複数の較正期間における複数のAP-リーフノードリンクに関する存在情報を取得する。各AP-リーフノードリンクのそれぞれの存在情報に基づいて、各較正期間内の各AP-リーフノードリンクに関する存在アクティビティが決定される。複数の較正期間を含む較正窓内の複数のAP-リーフノードリンクに関する存在アクティビティに基づいて、静止リーフノードが識別される。動き検出システムは、識別された静止リーフノードのうちの少なくとも1つを動き検出に向けたサウンディング応答ノードとして用いるように更新される。
【0089】
第1の例の実装は、以下に続く特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。静止リーフノードを識別するステップは、固定の場所を有するリーフノードを識別するステップを含む。リーフノードは、1又は2以上のAP-リーフノードリンクに関連付けられる。存在情報は、動き検出システム内で較正期間中にAP-リーフノードリンクが有効である回数を含む。静止リーフノードを識別するステップは、較正期間中にAP-リーフノードリンクに関する存在アクティビティが存在閾値を超えた時にAP-リーフノードリンクが較正期間中に存在すると決定するステップと、AP-リーフノードリンクが較正期間の範囲に等しい較正期間回数にわたって存在する時にAP-リーフノードリンクが静止していると決定するステップとを含む。動き検出システムを更新するステップは、動き検出システムにサウンディング応答ノードとして追加すべき識別された静止リーフノードのうちの1つを選択するステップと、選択された静止リーフノードに関連付けられた一意のローカルゾーンをマーキングするステップとを含む。幾つかの事例では、静止ノードを選択するステップは、較正窓における各静止AP-リーフノードリンクに関するリンク品質スコアを導出するステップと、静止AP-リーフノードリンクをそのそれぞれのリンク品質スコアに従って優先順位付けするステップと、最高リンク品質スコアを有する静止AP-リーフノードリンクを有する静止リーフノードを選択するステップとを含む。識別された静止リーフノードのうちの少なくとも1つを動き検出システムに向けてサウンディング応答ノードとして用いるように動き検出システムを更新した後に静止リーフノードタイマを開始する。APは、動き検出システム用のハブであり、動き検出システム内の1又は2以上の他のAPから他のAP-リーフノードリンクの各々に関する存在情報を含むレポートを取得する。
【0090】
第2の例では、動き検出システムのアクセスポイント(AP)が、複数の較正期間を含む較正窓内の各リーフノードの存在アクティビティに基づいて1又は2以上の静止リーフノードを識別する。各較正窓における各静止リーフノードの各AP-リーフノードリンクに関する健全性スコアが、AP-リーフノードリンク品質情報に基づいて決定される。AP-リーフノードリンクの各々に対する健全性スコアに基づいて、動き検出システム内でのサウンディング用に用いるべき静止リーフノードのうちの1又は2以上が選択される。動き検出システムは、選択された1又は2以上の静止リーフノードを動き検出用に用いるように更新される。
【0091】
第2の例の実装は、以下に続く特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。静止リーフノードを識別するステップは、固定の場所を有するリーフノードを識別するステップを含む。AP-リーフノードリンク品質情報は、較正期間中のサウンディング動作の成功率、較正期間中のサウンディング動作の失敗率、平均リンク受信信号強度インジケータ(RSSI)、及び動き検出失敗率のうちの1又は2以上を含む。健全性スコアを決定するステップは、複数の較正期間の各々において各AP-リーフノードリンクの品質情報に基づいて各AP-リーフノードリンクに分類を割り当てるステップと各AP-リーフノードリンクの分類に相応する値を各AP-リーフノードリンクに割り当てるステップと割り当てられた値に基づいて各AP-リーフノードリンクに関する健全性スコアを導出するステップとを含む。分類は、較正窓内の複数の較正期間の各々内でリンク品質が合格、高ノイズ、又はスリープ中であることを示す。APリンクの健全性は、較正期間中のサウンディング動作の成功率が第1の閾値を上回り、較正期間中のサウンディング動作の失敗率が第2の閾値を下回る時に合格であり、較正期間中のサウンディング動作の成功率が第3の閾値を下回り、較正期間中のサウンディング動作の失敗率が第4の閾値を上回る時に高ノイズである。静止リーフノードを選択するステップは、AP-リーフノードリンク健全性スコアが負である時にAP-リーフノードリンクを無効にし、AP-リーフノードリンク健全性スコアが正である時に、このAP-リーフノードリンクを、正の健全性スコアを有する他のAP-リーフノードリンクと併せて優先順位付けするステップと、その後、最も高いAP-リーフノードリンク健全性スコアを有する静止リーフノードを動き検出システムによるサウンディング用に用いるべく選択するステップとを含む。動き検出システムを更新するステップは、動き検出システムが新しいリーフノードを追加するのを可能にしたことを決定するステップと、選択された静止リーフノードに関するゾーン作成イベントをユーザに送信するステップと、選択されたリーフノードを一意のローカルゾーンとしてマーキングするステップとを含む。複数の較正期間における複数のAP-リーフノードリンクに関する存在情報及びリンク品質情報を取得し、較正窓において較正イベントを開始する。APは、動き検出システム用のハブであり、動き検出システム内の1又は2以上の他のAPから他のAP-リーフノードリンクの各々に関する存在情報を含むレポートを取得する。
【0092】
第3の例では、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体が、1又は2以上のプロセッサによって実行された時にデバイスに第1の例及び/又は第2の例の1又は2以上の動作を実行させる命令を記憶する。
【0093】
第4の例では、動き検出システム内のノードを管理するためのデバイスが、1又は2以上のプロセッサと、1又は2以上のプロセッサによって実行された時にデバイスに第1の例及び/又は第2の例の1又は2以上の動作を実行させる命令を記憶するメモリとを含む。
【0094】
本明細書は多くの詳細内容を含むが、これらは、特許請求することができる内容の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、むしろ、特定の実施例に固有の特徴の説明として理解すべきである。別々の実装の状況で本明細書にて説明され又は図面に示された特定の特徴を組み合わせることもできる。逆に、単一の実装の状況において説明され又は図示される様々な特徴を複数の実施形態において別個に又はいずれかの適切な部分的組み合わせで実施することもできる。
【0095】
同様に、図面において、動作を特定の順序で示しているが、このことは、望ましい結果を達成するためには、このような動作を図示の特定の順序又は順番で実施すること、又は例示の全ての動作を実施する必要があるものと理解すべきではない。ある特定の状況では、マルチタスク及び並列処理が有利な場合がある。更に、上記で説明した実装における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実装においてかかる分離が必要であると理解すべきではなく、説明したプログラム構成要素及びシステムが一般的に単一の製品に組み込まれ、又は複数の製品の中にパッケージ化できると理解すべきである。
【0096】
幾つかの実施形態を説明した。それにも関わらず、様々な改変を加えることができることを理解されよう。従って、他の実施形態も添付の特許請求の範囲内にある。
【符号の説明】
【0097】
500 AP-リーフノードリンクを分類する例示的プロセス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11