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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】抗菌性の無針コネクタ又はカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/16 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
A61M39/16
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021545275
(86)(22)【出願日】2019-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 US2019056128
(87)【国際公開番号】W WO2020081456
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】62/745,918
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メイソン、ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、ジョージ
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-511144(JP,A)
【文献】特表平08-506027(JP,A)
【文献】特表2005-524497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空洞を有するハウジングと、前記内部空洞内に配置された弁とを備え、患者と流体リザーバとの間を結合するように構成された流体移送デバイスと、
前記流体移送デバイスを貫通して延在する流体経路であって前記ハウジングを貫通して延在する流体経路と、
前記流体移送デバイスに結合された少なくとも1つの第1の電極であって、第1の導電性材料を含む、少なくとも1つの第1の電極と、
前記流体移送デバイスに結合され且つ前記少なくとも1つの第1の電極から離間された少なくとも1つの第2の電極であって、前記第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料を含み、且つ、前記少なくとも1つの第1の電極とともに少なくとも1つのガルバニ電池を形成するように構成されている、少なくとも1つの第2の電極とを備え、
前記少なくとも1つの第1の電極及び前記少なくとも1つの第2の電極が、前記流体経路に結合され、
前記少なくとも1つの第1の電極が、前記弁の周りに配置された複数の第1の環状電極を含み、前記少なくとも1つの第2の電極が、前記複数の第1の環状電極間に介在された第2の環状電極を含む、抗菌性の医療用デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1の電極が、前記ハウジングに結合され、前記少なくとも1つの第2の電極が、前記弁に結合される、請求項に記載の医療用デバイス。
【請求項3】
前記ハウジングが、硬質の非導電性材料から作られ、前記第1の導電性材料が、前記硬質の非導電性材料の表面上に配置され、前記弁が、弾性のある非導電性材料から作られ、前記第2の導電性材料が、前記弾性のある非導電性材料の表面上に配置される、請求項に記載の医療用デバイス。
【請求項4】
前記ハウジングが、少なくとも部分的に前記第1の導電性材料から作られ、前記弁が、少なくとも部分的に前記第2の導電性材料から作られる、請求項に記載の医療用デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1の電極及び前記少なくとも1つの第2の電極が、前記弁に結合される、請求項に記載の医療用デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の電極及び前記少なくとも1つの第2の電極が、前記ハウジングに結合される、請求項に記載の医療用デバイス。
【請求項7】
前記流体移送デバイスが、前記流体経路を提供する内腔を備え、前記少なくとも1つの第1の電極及び前記少なくとも1つの第2の電極が、前記流体経路の周りに配置される、請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の電極が、複数の第1の環状電極を含み、前記少なくとも1つの第2の電極が、前記複数の第1の環状電極間に介在された複数の第2の環状電極を含む、請求項に記載の医療用デバイス。
【請求項9】
前記複数の第2の環状電極が、前記複数の第1の環状電極よりも細い、請求項に記載の医療用デバイス。
【請求項10】
前記第1の導電性材料が、銀又は亜鉛のうちの一方を含み、前記第2の導電性材料が、銀又は亜鉛のうちの他方を含む、請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項11】
(i)前記少なくとも1つの第1の電極に接続するように構成された第1の接点と、(ii)前記少なくとも1つの第2の電極に接続するように構成された第2の接点と、(iii)前記流体移送デバイスの外部から目に見え且つ前記第1の接点と前記第2の接点との間に結合されたサーモクロミック材料、熱ルミネセンス材料、又はエレクトロルミネセンス材料のうちの少なくとも1つと、を含む表示器
をさらに備える、請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項12】
内部空洞を有し、且つ、患者と流体リザーバとの間を結合するように構成されたハウジングと、
前記ハウジングを貫通して延在する流体経路と、
前記内部空洞内に配置され、且つ、前記流体経路を開閉するように構成された弁と、
前記ハウジング、前記弁、又はこれらの組合わせに結合された少なくとも1つの第1の電極であって、第1の導電性材料を含む、少なくとも1つの第1の電極と、
前記ハウジング、前記弁、又はこれらの組合わせに結合された少なくとも1つの第2の電極であって、前記少なくとも1つの第1の電極から離間されており、前記第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料を含み、且つ、前記少なくとも1つの第1の電極とともに少なくとも1つのガルバニ電池を形成するように構成されている、少なくとも1つの第2の電極とを備え、
前記少なくとも1つの第1の電極が、前記弁の周りに配置された複数の第1の環状電極を含み、前記少なくとも1つの第2の電極が、前記複数の第1の環状電極間に介在された第2の環状電極を含む、抗菌性の無針コネクタ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1の電極が、前記ハウジングに結合され、前記少なくとも1つの第2の電極が、前記弁に結合される、請求項12に記載の無針コネクタ。
【請求項14】
患者と流体リザーバとの間を結合するように構成された管状部材と、
前記管状部材を貫通して延在し、且つ、流体を移送するための流体経路を提供する内腔と、
前記流体経路の周りに配置された少なくとも1つの第1の電極であって、第1の導電性材料を含む、少なくとも1つの第1の電極と、
前記流体経路の周りに配置され、且つ、前記少なくとも1つの第1の電極から離間された、少なくとも1つの第2の電極であって、前記第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料を含み、且つ、前記少なくとも1つの第1の電極とともに少なくとも1つのガルバニ電池を形成するように構成されている、少なくとも1つの第2の電極とを備え、
前記少なくとも1つの第1の電極が、複数の第1の環状電極を含み、前記少なくとも1つの第2の電極が、前記複数の第1の環状電極間に介在された複数の第2の環状電極を含む、抗菌性のカテーテル。
【請求項15】
前記複数の第2の環状電極が、前記複数の第1の環状電極よりも細い、請求項14に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年10月15日に出願され、ANTIMICROBIAL NEEDLELESS CONNECTOR OR CATHETERと題された米国仮特許出願第62/745,918号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、一般に、抗菌性の医療用デバイスに関し、特に、ガルバニ電池を含む抗菌性の医療用デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
現代の医療処置は、患者内に流体を導入すること又は患者から流体を引き抜くことを医療専門家に要求することが多い。例えば、尿道から尿を引き抜くこと又は静脈から血液を引き抜くことを医療専門家に要求する治療を、患者が必要とする場合がある。逆に、医療専門家は、薬物又は栄養分を患者の静脈内に(即ち、経静脈的に)導入する必要がある場合がある。患者内へ又は患者からの流体の流れのための経路を作り出すために、幾つかの方法は、カテーテルの使用を伴い、その場合、カテーテルの一方の端部が、患者に挿入される。カテーテルの他方の端部は、IVライン又は他の管類を通じて接続された静脈内(IV)バッグ又は排液バッグなどの流体リザーバに接続する。医療実践者が針の使用を伴わずにデバイス(例えば、IVバッグ)を取り外すこと又はデバイスをカテーテルに追加することを可能にするために、無針アクセス・コネクタが、カテーテルと流体リザーバとの間に結合され得る。しかし、長期の暴露は、患者に移され得る細菌又は他の微生物の成長をもたらすので、流体移送デバイスは、感染症のリスクを患者に与える可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示される主題は、抗菌性の医療用デバイスに関する。幾つかの実施例では、患者と流体リザーバとの間を結合するように構成された流体移送デバイスと、流体移送デバイスを貫通して延在する流体経路と、流体移送デバイスに結合された少なくとも1つの第1の電極であって、第1の導電性材料を含む、少なくとも1つの第1の電極と、流体移送デバイスに結合され、且つ、少なくとも1つの第1の電極から離間された、少なくとも1つの第2の電極であって、第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料を含み、且つ、少なくとも1つの第1の電極とともに少なくとも1つのガルバニ電池を形成するように構成されている、少なくとも1つの第2の電極と、を備える、抗菌性の医療用デバイスが開示される。
【0005】
幾つかの実施例では、内部空洞を有し、且つ、患者と流体リザーバとの間を結合するように構成されたハウジングと、ハウジングを貫通して延在する流体経路と、内部空洞内に配置され、且つ、流体経路を開閉するように構成された弁と、ハウジング、弁、又はこれらの組合わせに結合された少なくとも1つの第1の電極であって、第1の導電性材料を含む、少なくとも1つの第1の電極と、ハウジング、弁、又はこれらの組合わせに結合された少なくとも1つの第2の電極であって、少なくとも1つの第1の電極から離間されており、第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料を含み、且つ、少なくとも1つの第1の電極とともに少なくとも1つのガルバニ電池を形成するように構成されている、少なくとも1つの第2の電極と、を備える、抗菌性の無針コネクタが開示される。
【0006】
幾つかの実施例では、患者と流体リザーバとの間を結合するように構成された管状部材と、管状部材を貫通して延在し、且つ、流体を移送するための流体経路を提供する内腔と、流体経路の周りに配置された少なくとも1つの第1の電極であって、第1の導電性材料を含む、少なくとも1つの第1の電極と、流体経路の周りに配置され、且つ、少なくとも1つの第1の電極から離間された、少なくとも1つの第2の電極であって、第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料を含み、且つ、少なくとも1つの第1の電極とともに少なくとも1つのガルバニ電池を形成するように構成されている、少なくとも1つの第2の電極と、を備える、抗菌性のカテーテルが開示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】例示的な無針アクセス・コネクタの図であって、未組立形態における無針アクセス・コネクタの構成要素を示す3次元図である。
図1B】例示的な無針アクセス・コネクタの図であって、閉状態を示す、組み立てられた無針アクセス・コネクタの破断図である。
図1C】例示的な無針アクセス・コネクタの図であって、開状態を示す、組み立てられた無針アクセス・コネクタの別の破断図である。
図2A】閉状態を示す、例示的な無針アクセス・コネクタの破断図である。
図2B】開状態を示す、別の例示的な無針アクセス・コネクタの破断図である。
図3】例示的な電極配置を有する弁の実例の3次元図である。
図4】例示的な電極配置を有する弁の実例の別の3次元図である。
図5】例示的な電極配置を有するカテーテルの実例の3次元図である。
図6】例示的な表示器を有する流体移送デバイスの実例の概略破断図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1つ又は複数の実装形態では、各図に示された構成要素の全てが必要とされ得るわけではなく、また、1つ又は複数の実装形態が、図に示されていない追加的な構成要素を含む場合もある。構成要素の配置及び型の変形は、主題開示の範囲から逸脱することなくなされ得る。追加的な構成要素、異なる構成要素、又はより少数の構成要素が、主題開示の範囲内で利用され得る。
【0009】
以下に記載される詳細な説明は、様々な実装形態に関する説明として意図されており、主題技術が実践され得る実装形態のみを表わすようには意図されていない。当業者であれば理解するであろうように、説明される実装形態は、本開示の範囲から完全に逸脱することなく、様々な異なる方法で修正され得る。したがって、図面及び説明は、事実上説明に役立つものと見なされるべきであって、制限的なものではない。
【0010】
抗菌性の医療用デバイス及び治療方法、より詳細には、エレクトロシューティカル(electroceutical)無針コネクタ、カテーテル、又は他のエレクトロシューティカル流体移送デバイスが、細菌の成長に対抗するために、ガルバニ電池を形成することが可能な電極を用い得る。ガルバニ電池(「ボルタ」電池とも呼ばれる)は、電池内で起こる自発的な還元-酸化反応(「レドックス」とも呼ばれる)から電流を生成することができる、電気化学的電池の一種である。ガルバニ電池は、互いに離間され且つ電解伝導溶液又は電気伝導溶液によって接続されるか又は接続可能である、異なる2つの電極を含む。例えば、ガルバニ電池は、亜鉛(Zn)及び銀(Ag)からそれぞれ作られた相補的な2つの電極を有することができ、それらの電極は、電解液と接触して接続されたときに、レドックス反応を引き起こす。この実例では、Zn電極は、酸化が起こる陽極を提供し、Ag電極は、還元反応が起こる陰極を提供する。他の様々な導電性の材料又は金属が、それらが異なるものであり且つガルバニ電界(galvanic electric field)を形成することができるのであれば、電極に適し得る。これらの電極は、体組織又は流体の存在下でガルバニ電界を作り出すために、ごく接近したドット、帯、又はより大きな領域として流体移送デバイス上に実装され得る。
【0011】
弁を用いる無針アクセス・コネクタとして実装される抗菌性の流体移送デバイスの実例が、図1A図1Cに示されている。図1Aは、未組立形態における無針アクセス・コネクタ100の構成要素を示す3次元図である。図1B及び図1Cは、閉状態及び開状態をそれぞれ示す、組み立てられた無針アクセス・コネクタ100の破断図である。
【0012】
無針アクセス・コネクタ100が、ハウジング120を含み、ハウジング120は、その近位端部に(ハウジングの上部123に)雌ルアー・フィッティング101を有し、且つ、その遠位端部に(ハウジングの基部130に)雄ルアー・フィッティング102を有する。雄及び雌のルアー・フィッティングが示されているが、本明細書において説明される原理から逸脱することなく他のタイプの接続インターフェースが用いられ得ることが、理解されるであろう。無針アクセス・コネクタ100はまた、ハウジング120の内側且つ基部130の上に位置する弁103を含む。上部123及び基部130を含むハウジング120は、ポリカーボネート又は別の硬質プラスチックなどの剛性材料で作ることができ、また、弁103は、ハウジング120内で折り畳み可能(collapsible)であるように、液体シリコーンなどの弾性材料で作ることができる。さらに、又はその代わりに、ハウジング120及び/又は弁103は、ガルバニ電界を生成することが可能な電極を形成する導電性材料から作られるか、そのような導電性材料を含むか、又はそのような導電性材料に物理的に結合され得る。
【0013】
使用時には、雄ルアー・フィッティング102は、例えばカテーテルに、又は雌ルアーに接続され、雌ルアー・フィッティング101は、流体リザーバ、例えばIVバッグ、又は雄ルアーに接続される。雌ルアー・フィッティング101は、第2の雄ルアー・フィッティング106を介して流体リザーバに接続され、第2の雄ルアー・フィッティング106は、(図1Cに示されるような)中空部材を有し、且つ、雌ルアー・フィッティング101の頂部を通して挿入される。雄ルアー106を挿入することにより、弁103は内部空洞104内へ潰され、シールを破壊して流体流路109を開く。図1Cは、雌ルアー101内への雄ルアー106の挿入後の、潰された位置における折り畳み可能な弁103を示す。雄ルアー106は、例えばIVバッグから流体を送達し、この流体は、内部空洞104を通って弁要素103の周りを流れ、雄ルアー・フィッティング102内のチャネルに流入して、カテーテル又は雌ルアーに流入する。
【0014】
弁を用いる無針アクセス・コネクタの別の実例が、図2A図2Bに示されている。図2A及び図2Bは、閉状態及び開状態をそれぞれ示す、組み立てられた無針アクセス・コネクタ200の破断図である。
【0015】
無針アクセス・コネクタ200は、鈍端カニューレ206をコネクタの近位端部に刺し通すことにより弁203が開かれる、分割隔壁タイプのコネクタとして実装される。無針アクセス・コネクタ200は、ハウジング220を含み、このハウジング220は、その遠位端部に(ハウジングの基部230に)雄ルアー・フィッティング202を有する。無針アクセス・コネクタ200はまた、ハウジング220の内側且つ基部230の上に位置する弁203を含む。上部223及び基部230を含むハウジング220は、ポリカーボネート又は別の硬質プラスチックなどの剛性材料で作ることができ、また、弁203は、開かれたときにはハウジング220内で分離し、閉じられたときにはその元の位置に戻ってシールを形成することができるように、液体シリコーンなどの弾性材料で作ることができる。さらに、又はその代わりに、ハウジング220及び/又は弁203は、ガルバニ電界を生成することが可能な電極を形成する導電性材料から作られるか、そのような導電性材料を含むか、又はそのような導電性材料に物理的に結合され得る。
【0016】
使用時には、雄ルアー・フィッティング202は、例えばカテーテルに、又は雌ルアーに接続され、近位端部は、流体リザーバ、例えばIVバッグ、又は雄ルアーに接続される。鈍端カニューレ206の挿入により、弁203は、内部空洞204内へと下方へ分離され、シールを破壊して流体流路209を開き、この流体流路209は、近位端部から遠位端部まで、ハウジング220を貫いて実質的に真っ直ぐに延在する。図2Bは、鈍端カニューレ206の挿入後の、分離され且つ開かれた位置における分割隔壁弁203を示す。カニューレ206は、例えばIVバッグから流体を送達し、この流体は、弁203を通ってカテーテル又は雌ルアーに流入する。
【0017】
流体流路109又は流体流路209を通過する流体は、電界を活性化させるために、流体流路に結合される電極とともにガルバニ電池を形成する、生理食塩水などの電解液であってよい。例えば、図1A図1Cを参照すると、異なる導電性材料から作られた異なる電極が、流体流路109との接触を可能にする態様で、弁103に結合(例えば、弁103の外部表面上に配置)されるか、ハウジング120に結合(例えば、ハウジング120の内部表面上に配置)されるか、又は、弁103及びハウジング120の両方に結合され得る。幾つかの実装形態では、ハウジング120は、少なくとも部分的に、第1のタイプ(例えば、Ag)の1つ又は複数の電極から作られるか、そのような電極を含むか、若しくはそのような電極に結合されてよく、また、弁103は、少なくとも部分的に、第2のタイプ(例えば、Zn)の1つ又は複数の電極から作られるか、そのような電極を含むか、若しくはそのような電極に結合されてよい。ハウジング120を通って流れるか又は電極に接触する電解液(例えば、生理食塩水)が、電界を活性化させて、生物膜の蓄積に対抗し得る。別の実例として、図2A図2Bを参照すると、異なる導電性材料から作られた異なる電極が、流体流路209との接触を可能にする態様で、弁203に結合(例えば、分割部分間の表面上に配置)されるか、ハウジング220に結合(例えば、ハウジング220の内部表面上に配置)されるか、又は、弁203及びハウジング220の両方に結合され得る。
【0018】
離間した電極を用いる弁の実例が、図3及び図4に示されている。離間した電極を用いるカテーテルの実例が、図5に示されている。これらの実例は、流体移送デバイスにおけるガルバニ電極のための幾つかの例示的な構造配置を示すが、本明細書において説明される原理から逸脱することなく、無針コネクタ、カテーテル、又は他の流体移送デバイスにおける電極のための様々な他の構造配置が可能であることが、理解されるであろう。
【0019】
図3は、コネクタ・ハウジングの内部空洞内の無針コネクタに含まれ得る弁309の3次元図である。弁309は、弁の外部表面弁に弁を囲んで配置される複数の環状電極335、336を含む。電極は、第1のタイプの導電性材料(例えば、Ag)の複数の電極335と、電極335の間に介在された第2のタイプの材料(例えば、Zn)の電極336とを含む。電極335はまた、電極336よりも細い構造を有して示されている。3つの電極だけが示されているが、より多くの電極が含まれてもよい。例えば、4個、5個、6個、8個、10個、20個、50個、又はより多くの電極が、繰返しのパターン又は交互するパターン(例えば、陰極、陽極、陰極、陽極、など)で構成されてもよい。電極335、336は弁309の表面上に位置決めされて示されているが、例えば、一方又は両方のタイプの環状電極335、336をハウジングの内部表面上に位置決めすることによりそれの電極を弁309の周りに配置することが可能である。各電極は、非導電性表面上に配置され、且つ、非活動状態にあるときの互いのオーミック接触を避けるために、一般に互いに離間され得る。
【0020】
図4は、コネクタ・ハウジングの内部空洞内の無針コネクタに含まれ得る弁409の3次元図である。弁409は、無針コネクタの流体流入端部に相当する弁409の近位先端上に配置された複数の電極アイランド435、436(又は「ドット」)を含む。第1のタイプの導電性材料(例えば、Ag)の複数の電極アイランド435が、第2のタイプの導電性材料(例えば、Zn)の複数の電極アイランド436が介在された2次元マトリクスに配置される。第2のタイプの複数の電極アイランド436はまた、第1のタイプの電極アイランド435よりも全体的に小さいものとしてそれぞれ示されている。図3又は図4に示された実例のように、マトリクス又は繰返しのパターンに一方又は両方のタイプの電極で作られた複数の電極を用いることは、異なる電極の複数のペアリングによる複数のガルバニ電池の作成を可能にする。
【0021】
ガルバニ電極を用いるカテーテルの実例が、図5に示されている。図5は、患者の体腔に挿入され且つ長時間にわたって患者の体内に残されるように設計されたカテーテル500の3次元図である。カテーテル500は、患者と流体リザーバとの間で患者へ又は患者から流体を移送するための流体経路を提供するために、内腔541が貫通して延在している管状部材を含む。カテーテル500は、第1の導電性材料を有する環状電極535と、第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料を有し且つ交互するパターンで第1の電極535間に介在された環状電極536と、をさらに含む。第2のタイプの電極536はまた、第1のタイプの電極535よりも細く且つ小さいものとして示されている。図5に示されたカテーテル500の構成要素は、長期間にわたって患者の体内に留まるように構成されることが可能であり、また、電極535、536は、患者の体液又は組織との接触に応答してガルバニ電界又はガルバニ電流を活性化することができる。
【0022】
幾つかの実施例によれば、ガルバニ電池内に残っている電荷を表示するための機構を提供するために、流体移送デバイス上に表示器が設けられる。これは、例えば、デバイスの抗菌機能のための残りの寿命を表示すること、及び、デバイスを変更又は交換することに対する医療実践者(例えば、看護師又は医師)の決断を伝えることに役立ち得る。
【0023】
無針コネクタに結合された表示器の実例が、図6に示されている。図6は、ハウジング620とハウジング620の内部空洞内に配置された弁603とを含む無針アクセス・コネクタ600の破断図である。無針アクセス・コネクタ600は、例えば、上記の無針アクセス・コネクタのいずれかと同じような特徴を共有する。さらに、又はその代わりに、無針アクセス・コネクタ600は、ハウジング620及び/又は弁603上に配置された電極647に動作可能に結合される表示器652を含み得る。表示器652は、第1のタイプの少なくとも1つの電極に動作可能に結合された第1の接点657と、第2のタイプの少なくとも1つの電極に動作可能に結合された第2の接点659とを含む。サーモクロミック材料(例えば、インク又は染料)が、第1の接点657と第2の接点659との間に結合され、且つ、ハウジング620の外部から目に見える。
【0024】
圧縮性の絶縁材料及び/又は空間が、中立状態又は非圧縮状態にあるときに、第1の接点657を第1の電極から分離し、且つ、第2の接点659を第2の電極から分離し得る。使用者(例えば、医療実践者)が第1の接点657及び第2の接点659を圧迫すると、それにより、第1の接点657及び第2の接点659が第1の電極及び第2の電極にそれぞれ接触して、サーモクロミック材料に電流を流す回路が完成する。サーモクロミック材料は、温度に敏感であり、且つ、その温度との関連で様々な見た目(例えば、変化した色)を提供する。サーモクロミック材料内の又はサーモクロミック材料に結合された抵抗もまた、電流の増加に関連して発熱又は温度の上昇をもたらし得る。結果として、サーモクロミック材料の外観は、サーモクロミック材料を流れる電流量の可視表示を提供し、したがって、ガルバニ電池内に残っている充電量の可視表示を提供する。さらに、又はその代わりに、熱ルミネセンス材料及び/又はエレクトロルミネセンス材料などの、電流、電圧、及び/又は熱の変化に応答して認知可能な視覚変化をもたらす他の構成要素が、表示器回路に使用されてもよい。
【0025】
条項としての主題技術の例示
本開示の態様の様々な実例が、便宜のために番号付けされた条項(1、2、3、等)として説明される。これらは、実例として挙げられるものであり、主題技術を限定するものではない。図及び参照番号の識別は、単に実例としてまた例示することが目的で以下に提供されており、条項は、それらの識別によって限定されるものではない。
【0026】
条項1.患者と流体リザーバとの間を結合するように構成された流体移送デバイスと、流体移送デバイスを貫通して延在する流体経路と、流体移送デバイスに結合された少なくとも1つの第1の電極であって、第1の導電性材料を含む、少なくとも1つの第1の電極と、流体移送デバイスに結合され、且つ、少なくとも1つの第1の電極から離間された、少なくとも1つの第2の電極であって、第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料を含み、且つ、少なくとも1つの第1の電極とともに少なくとも1つのガルバニ電池を形成するように構成されている、少なくとも1つの第2の電極と、を備える、抗菌性の医療用デバイス。
【0027】
条項2.流体移送デバイスが、内部空洞を有するハウジングと、内部空洞内に配置された弁をと備え、流体経路が、ハウジングを貫通して延在し、少なくとも1つの第1の電極及び少なくとも1つの第2の電極が、流体経路に結合される、条項1に記載の医療用デバイス。
【0028】
条項3.少なくとも1つの第1の電極が、ハウジングに結合され、少なくとも1つの第2の電極が、弁に結合される、条項2に記載の医療用デバイス。
【0029】
条項4.ハウジングが、硬質の非導電性材料から作られ、第1の導電性材料が、硬質の非導電性材料の表面上に配置され、弁が、弾性のある非導電性材料から作られ、第2の導電性材料が、弾性のある非導電性材料の表面上に配置される、条項3に記載の医療用デバイス。
【0030】
条項5.ハウジングが、少なくとも部分的に第1の導電性材料から作られ、弁が、少なくとも部分的に第2の導電性材料から作られる、条項3に記載の医療用デバイス。
【0031】
条項6.少なくとも1つの第1の電極及び少なくとも1つの第2の電極が、弁に結合される、条項2に記載の医療用デバイス。
【0032】
条項7.少なくとも1つの第1の電極及び少なくとも1つの第2の電極が、ハウジングに結合される、条項2に記載の医療用デバイス。
【0033】
条項8.少なくとも1つの第1の電極が、弁の周りに配置された複数の第1の環状電極を含み、少なくとも1つの第2の電極が、複数の第1の環状電極間に介在された第2の環状電極を含む、条項2に記載の医療用デバイス。
【0034】
条項9.少なくとも1つの第1の電極が、弁上に配置された複数の第1の電極アイランドを含み、少なくとも1つの第2の電極が、弁上に配置され且つ複数の第1の電極アイランド間に介在された複数の第2の電極アイランドを含む、条項2に記載の医療用デバイス。
【0035】
条項10.複数の第1の電極アイランド及び複数の第2の電極アイランドが、弁の近位先端上に配置され、近位先端が、弁の流体流入端部に相当する、条項9に記載の医療用デバイス。
【0036】
条項11.流体移送デバイスが、流体経路を提供する内腔を備え、少なくとも1つの第1の電極及び少なくとも1つの第2の電極が、流体経路の周りに配置される、条項1から10までのいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【0037】
条項12.少なくとも1つの第1の電極が、複数の第1の環状電極を含み、少なくとも1つの第2の電極が、複数の第1の環状電極間に介在された複数の第2の環状電極を含む、条項11に記載の医療用デバイス。
【0038】
条項13.複数の第2の環状電極が、複数の第1の環状電極よりも細い、条項12に記載の医療用デバイス。
【0039】
条項14.第1の導電性材料が、銀又は亜鉛のうちの一方を含み、第2の導電性材料が、銀又は亜鉛のうちの他方を含む、条項1から13までのいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【0040】
条項15.(i)少なくとも1つの第1の電極に接続するように構成された第1の接点と、(ii)少なくとも1つの第2の電極に接続するように構成された第2の接点と、(iii)流体移送デバイスの外部から目に見え且つ第1の接点と第2の接点との間に結合されたサーモクロミック材料、熱ルミネセンス材料、又はエレクトロルミネセンス材料のうちの少なくとも1つと、を含む表示器をさらに備える、条項1から14までのいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【0041】
条項16.内部空洞を有し且つ患者と流体リザーバとの間を結合するように構成されたハウジングと、ハウジングを貫通して延在する流体経路と、内部空洞内に配置され且つ流体経路を開閉するように構成された弁と、ハウジング、弁、又はこれらの組合わせに結合された少なくとも1つの第1の電極であって、第1の導電性材料を含む、少なくとも1つの第1の電極と、ハウジング、弁、又はこれらの組合わせに結合された少なくとも1つの第2の電極であって、少なくとも1つの第1の電極から離間されており、第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料を含み、且つ、少なくとも1つの第1の電極とともに少なくとも1つのガルバニ電池を形成するように構成されている、少なくとも1つの第2の電極と、を備える、抗菌性の無針コネクタ。
【0042】
条項17.少なくとも1つの第1の電極が、ハウジングに結合され、少なくとも1つの第2の電極が、弁に結合される、条項16に記載の無針コネクタ。
【0043】
条項18.ハウジングが、硬質の非導電性材料から作られ、第1の導電性材料が、硬質の非導電性材料の表面上に配置され、弁が、弾性のある非導電性材料から作られ、第2の導電性材料が、弾性のある非導電性材料の表面上に配置される、条項17に記載の無針コネクタ。
【0044】
条項19.ハウジングが、少なくとも部分的に第1の導電性材料から作られ、弁が、少なくとも部分的に第2の導電性材料から作られる、条項17に記載の無針コネクタ。
【0045】
条項20.少なくとも1つの第1の電極及び少なくとも1つの第2の電極が、弁に結合される、条項16から19までのいずれか一項に記載の無針コネクタ。
【0046】
条項21.少なくとも1つの第1の電極及び少なくとも1つの第2の電極が、ハウジングに結合される、条項16から20までのいずれか一項に記載の無針コネクタ。
【0047】
条項22.少なくとも1つの第1の電極が、弁の周りに配置された複数の第1の環状電極を含み、少なくとも1つの第2の電極が、複数の第1の環状電極間に介在された第2の環状電極を含む、条項16から21までのいずれか一項に記載の無針コネクタ。
【0048】
条項23.少なくとも1つの第1の電極が、弁上に配置された複数の第1の電極アイランドを含み、少なくとも1つの第2の電極が、弁上に配置され且つ複数の第1の電極アイランド間に介在された複数の第2の電極アイランドを含む、条項16から22までのいずれか一項に記載の無針コネクタ。
【0049】
条項24.複数の第1の電極アイランド及び複数の第2の電極アイランドが、弁の近位先端上に配置され、近位先端が、弁の流体流入端部に相当する、条項23に記載の無針コネクタ。
【0050】
条項25.第1の導電性材料が、銀又は亜鉛のうちの一方を含み、第2の導電性材料が、銀又は亜鉛のうちの他方を含む、条項16から24までの一項に記載の無針コネクタ。
【0051】
条項26.患者と流体リザーバとの間を結合するように構成された管状部材と、管状部材を貫通して延在し、且つ、流体を移送するための流体経路を提供する内腔と、流体経路の周りに配置された少なくとも1つの第1の電極であって、第1の導電性材料を含む、少なくとも1つの第1の電極と、流体経路の周りに配置され、且つ、少なくとも1つの第1の電極から離間された、少なくとも1つの第2の電極であって、第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料を含み、且つ、少なくとも1つの第1の電極とともに少なくとも1つのガルバニ電池を形成するように構成されている、少なくとも1つの第2の電極と、を備える、抗菌性のカテーテル。
【0052】
条項27.少なくとも1つの第1の電極が、複数の第1の環状電極を含み、少なくとも1つの第2の電極が、複数の第1の環状電極間に介在された複数の第2の環状電極を含む、条項26に記載のカテーテル。
【0053】
条項28.複数の第2の環状電極が、複数の第1の環状電極よりも細い、条項27に記載のカテーテル。
【0054】
条項29.第1の導電性材料が、銀又は亜鉛のうちの一方を含み、第2の導電性材料が、銀又は亜鉛のうちの他方を含む、条項26から28までのいずれか一項に記載のカテーテル。
【0055】
条項30.条項1から15までのいずれか一項に記載の流体移送デバイス。
【0056】
条項31.条項1から15までのいずれか一項に記載の無針アクセス・コネクタ。
【0057】
条項32.条項1から15までのいずれか一項に記載のカテーテル。
【0058】
単数形での要素への言及は、そうであることが明確に述べられていない限り、唯一を意味するようには意図されておらず、むしろ、1つ又は複数を意味するように意図されている。例えば、「ある(a)」モジュールは、1つ又は複数のモジュールを意味し得る。「a」、「an」、「the」、又は「前記(said)」に続く要素は、さらなる制約なしには、追加的な同じ要素の存在を除外するものではない。
【0059】
表題及び副題は、たとえあるとしても、便宜のためにのみ使用されるものであり、本発明を限定するものではない。例示的な(exemplary)という単語は、実例又は例証として機能することを意味するために使用される。含む(include)、有する(have)、等の用語が使用される範囲において、そのような用語は、備える(comprise)という用語が請求項において用いられたときに移行語として解釈されるのに類似した態様で、包括的であることが意図されている。第1の(first)、第2の(second)、等の関係語は、そのような主体又は動作間に実際のそのような関係性又は序列を必ずしも必要とすることなく又は意味することなく、1つの主体又は動作を別のものと区別するために使用され得る。
【0060】
ある態様、その態様、別の態様、幾つかの態様、1つ又は複数の態様、ある実装形態、その実装形態、別の実装形態、幾つかの実装形態、1つ又は複数の実装形態、ある実施例、その実施例、別の実施例、幾つかの実施例、1つ又は複数の実施例、ある構成、その構成、別の構成、幾つかの構成、1つ又は複数の構成、主題技術、本開示(the disclosure)、本開示(the present disclosure)、それの他の変形、等のような語句は、便宜のためのものであり、そのような語句に関する開示が主題技術に必須であること、又はそのような開示が主題技術のあらゆる構成に適用されることを意味するものではない。そのような語句に関する開示は、あらゆる構成に適用されるか、又は、1つ若しくは複数の構成に適用され得る。そのような語句に関する開示は、1つ又は複数の実例を提供し得る。ある態様又は幾つかの態様などの語句が、1つ又は複数の態様を意味する場合があり、その逆の場合もあり、また、このことは、上記の他の語句にも同様に当てはまる。
【0061】
物品のうちのいずれかを分離するための用語「及び」若しくは「又は」を伴って一連の物品に先行する「のうちの少なくとも1つ」という語句は、リストの各部材ではなく、リストを全体として修正する。「のうちの少なくとも1つ」という語句は、少なくとも1つの物品の選択を必要とするのではなく、むしろ、この語句は、物品のうちの任意のもののうちの少なくとも1つ、及び/又は物品の任意の組合わせのうちの少なくとも1つ、及び/又は物品のそれぞれのうちの少なくとも1つを含むという意図を可能にする。実例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、又は「A、B、若しくはCのうちの少なくとも1つ」という語句のそれぞれは、Aのみ、Bのみ、又はCのみ;A、B、及びCの任意の組合わせ;並びに/又はA、B、及びCのそれぞれのうちの少なくとも1つを意味する。
【0062】
開示されるステップ、動作、又は処理の具体的な順序又は階層は、例示的な手法の例であることが、理解される。特に明記のない限り、ステップ、動作、又は処理の具体的な順序又は階層は、異なる順序で行われ得ることが、理解される。ステップ、動作、又は処理のうちの幾つかは、同時に行われ得る。添付の方法クレームは、たとえあるとしても、種々のステップ、動作、又は処理の要素を見本の順序で提示するものであり、提示された具体的な順序又は階層に限定されるものではない。それらは、連続的に、直線的に、並行に、又は異なる順序で行われ得る。
【0063】
頂部、底部、前方、後方、側面、水平な、垂直な、等の用語は、通常の重力基準系(gravitational frame of reference)に言及するよりも、むしろ任意の基準系に言及するものである。したがって、そのような用語は、重力基準系における上方へ、下方へ、対角線的に、又は水平に、に及び得る。
【0064】
本開示は、本明細書において説明される様々な態様を当業者が実践することを可能にするために提供された。場合により、良く知られた構造及び構成要素は、主題技術の概念を曖昧にすることを避けるために、ブロック図の形態で示されている。本開示は、主題技術の様々な実例を提供し、主題技術は、これらの実例に限定されない。これらの態様に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかになるであろうし、本明細書において説明される原理は、他の態様にも適用され得る。
【0065】
当業者に知られているか又は後で知られるようになる、本開示を通して説明された様々な態様の要素に対する構成上及び機能上のあらゆる均等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、また、特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。さらに、本明細書において開示されるものは、そのような開示が特許請求の範囲に明記されているか否かに関わらず、大衆に捧げられることを意図したものではない。いかなるクレーム要素も、その要素が「~のための手段」という語句を使用して明記されていない限り、又は、方法の場合ではその要素が「~のためのステップ」という語句を使用して記載されていない限り、米国特許法第112条(f)又は第112条第6項の規定の下で解釈されるべきではない。
【0066】
発明の名称、背景技術、図面の簡単な説明、要約、及び図面は、本明細書において本開示に組み込まれ、且つ、制限的な記述としてではなく、本開示の説明に役立つ実例として提供される。それは、特許請求の範囲の範囲又は意味を限定するためにそれらが使用されないという理解の下で提出される。さらに、発明を実施するための形態において、記述は、説明に役立つ実例を提供すること、及び、様々な特徴は、本開示を合理化する目的のために様々な実装形態においてグループ化されることが分かる。本開示の方法は、特許請求の範囲に記載の主題が各請求項に明記されるよりも多くの特徴を必要とするという意図の反映であると解釈されるべきではない。むしろ、特許請求の範囲が反映するように、発明の主題は、開示された単一の構成又は動作の全ての特徴を含むものではない。特許請求の範囲は、本明細書において発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、別々に特許請求される主題として独立する。
【0067】
特許請求の範囲は、本明細書において説明された態様に限定されるように意図されておらず、特許請求の範囲の言語に整合した全ての範囲と一致するべきものであり、また、あらゆる法的均等物を包含するものである。それでもなお、いずれの請求項も、適用される特許法の要件を満たすことができない主題を含むようには意図されておらず、そのように解釈されるべきでもない。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6