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特許7449300ファルネソイドX受容体モジュレータとして有用な置換アミド化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ファルネソイドX受容体モジュレータとして有用な置換アミド化合物
(51)【国際特許分類】
   C07C 233/63 20060101AFI20240306BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240306BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240306BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240306BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240306BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240306BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240306BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/216 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/196 20060101ALI20240306BHJP
   C07D 295/135 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/402 20060101ALI20240306BHJP
   C07D 205/04 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/397 20060101ALI20240306BHJP
   C07D 309/08 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/351 20060101ALI20240306BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/24 20060101ALI20240306BHJP
   C07D 271/06 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20240306BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20240306BHJP
   C07D 277/66 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/428 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/5375 20060101ALI20240306BHJP
   C07D 413/04 20060101ALI20240306BHJP
   C07C 233/54 20060101ALI20240306BHJP
   C07D 209/04 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
C07C233/63 CSP
A61P43/00 105
A61P35/00
A61P29/00
A61P3/00
A61P1/16
A61P13/12
A61P1/18
A61K31/216
A61K31/196
C07D295/135
A61K31/5377
A61K31/402
C07D205/04
A61K31/397
C07D309/08
A61K31/351
C07D405/14
A61K31/416
A61K31/454
A61K31/24
C07D271/06
A61K31/4245
C07D413/12
C07D277/66
A61K31/428
A61K31/5375
C07D413/04
C07C233/54
C07D209/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021547473
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 US2020018217
(87)【国際公開番号】W WO2020168152
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】62/806,047
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【弁理士】
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】ワッカー,ディーン エイ
(72)【発明者】
【氏名】ナラ,スシール ジェタナンド
(72)【発明者】
【氏名】チェルク,スリニバス
(72)【発明者】
【氏名】サルクナム,カンダサミー
(72)【発明者】
【氏名】ジャイプリ,フィロツ アリ
(72)【発明者】
【氏名】タンガベル,スーダマニ
(72)【発明者】
【氏名】ナラヤン,リシケシュ
(72)【発明者】
【氏名】バンドレディ,スッバ レディ
(72)【発明者】
【氏名】ジョギ,スリニバス
(72)【発明者】
【氏名】カティ,パバン カルヤン
【審査官】高森 ひとみ
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/170165(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/170166(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/170182(WO,A1)
【文献】特表2018-536016(JP,A)
【文献】特表2017-511304(JP,A)
【文献】特表2018-536015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
A61P
A61K
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中:
はCHであり;
はCHであり;
はCHであり;
はCHであり;
およびZは、独立して、CHまたはOである;ただし、ZおよびZのうち少なくとも1個はCHであり;
aは1であり;
bは1であり;
dは1であり;
Qは、-CH=CHC(O)OH、-CH=CHC(O)OCH、-C(CH)=CHC(O)OCH、または-CH=CHC(O)N(CHであり;
は、-CH(CH、またはシクロブチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ピペリジニル、およびテトラヒドロピラニルより選択される環状基であって、各環状基がFおよび-CHより独立して選択される0~1個の置換基で置換され;
3aは、水素またはCHであり;
3bは水素であり;
Aは、オキサジアゾリル、フェニル、インダゾリル、またはベンゾチアゾリルであり、各々、0~1個のR4aで置換され;
各R4aは、独立して、-CH、-CH(CH、-C(CH、-CH(CH、-CFCH、-OCH、-N(CH、-N(CHCH、またはシクロプロピル、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、およびモルホリニルより選択される環状基である]
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
がCHであり;ZがCHである、請求項1に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物。
【請求項3】
およびZの一方がCHであり、ZおよびZの他方がOである、請求項1に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物。
【請求項4】
Aが、フェニル、またはオキサジアゾリルであり、ここで該フェニルおよびオキサジアゾリルは、0~1個のR4aで置換される、請求項1に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物。
【請求項5】
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例1);
(E)-3-(3-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリル酸(実施例2);
(E)-メチル 3-(3-(N-((4-(4-モルホリノフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例3);
(E)-メチル 3-(3-(N-((4-(4-(ピロリジン-1-イル)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例4);
(E)-メチル 3-(3-(N-((4-(4-(アゼチジン-1-イル)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例5);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例6);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-フェニルビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例7);
(E)-メチル 3-(3-(N-((1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例8);
(E)-メチル 3-(3-(1-メチル-N-((1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例9);
メチル (E)-3-(3-(N-((1-(4-メトキシフェニル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例10);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-モルホリノフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート(実施例14);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例15);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート(実施例16);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート(実施例19);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例20);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例21);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)イソブチルアミド)フェニル)アクリレート(実施例22);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例23);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘプタンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例24);
メチル (E)-3-(3-(3-フルオロ-N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例25);
メチル (E)-3-(3-(3,3-ジフルオロ-N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例26);
(E)-N-(3-(3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)フェニル)-N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド(実施例27);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例28);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例29);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例33);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例34);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート(実施例36);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート(実施例37);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例38);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例39);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例41);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-モルホリノ-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例42);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例43);
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例44);または
メチル (E)-3-(3-(N-(1-(4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)エチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(実施例46-実施例47)
である、請求項1に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物。
【請求項6】
医薬的に許容される担体、および請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む、医薬組成物。
【請求項7】
病理学的線維症、がん、炎症性障害、代謝性障害、または胆汁鬱滞性障害を治療するのに用いるための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物。
【請求項8】
病理学的線維症を治療するのに用い、病理学的線維症が、肝線維症、腎線維症、胆管線維症、または膵臓線維症である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、慢性腎疾患、糖尿病性腎疾患、原発性硬化性胆管炎(PSC)、または原発性胆汁性肝硬変(PBC)を治療するのに用いるための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物。
【請求項10】
特発性肺線維症(IPF)を治療するのに用いるための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本願は、2019年2月15日付け出願の米国仮特許出願番号62/806,047の利益を主張するものであり、その内容全体を本明細書に組み込むものとする。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般に、ファルネソイドX受容体(FXR)モジュレータとして有用な置換アミド化合物に、かかる化合物を含む医薬組成物に、およびそれらを療法にて、特にFXRモジュレータが示される疾患、障害および症状の治療または予防にて使用することに関する。
【背景技術】
【0003】
FXRまたはNR1H4(核内受容体のサブファミリー1、グループH、メンバー4)は、特定の標的遺伝子の発現を、リガンド依存的方法にて活性化しうる核内受容体である。FXRは、肝臓にて、胃腸管、結腸、卵巣、副腎、腎臓の至る所で、およびヒトの胆嚢および胆道樹において発現される。FXRは、レチノイドX受容体(RXR)とヘテロ二量体を形成し、標的遺伝子の特定の応答因子と結合し、遺伝子転写を調節する(B.M.Formanら、Cell 1995;81:687;W.Seolら、Mol. Endocrinol. 1995;9:72)。FXR/RXRヘテロ二量体は、典型的には、単一ヌクレオチドによって分離されるコンセンサスヘキサヌクレオチド配列(AGGTCA)の逆方向反復配列、すなわち、IR-1配列と結合する。FXRの生理学的に関連するリガンドが、ケノデオキシコール酸およびそのタウリンのコンジュゲートを含む、胆汁酸である(D.J.Parksら、Science 1999;284:1365;M.Makishimaら、Science 1999;284:1362)。FXRの活性化は、胆汁酸の合成、流入、および負のフィードバックループにおける総内因性胆汁酸の正味の減少をもたらす肝臓および腸からの流出に関与する酵素およびトランスポータをコードする複数の遺伝子の発現を調節する。FXRは、サイトカイン線維芽細胞成長因子15(齧歯類)または19(霊長類)の発現をアップレギュレートすることによって、傍分泌および内分泌のシグナル伝達に関与し、そのことは胆汁酸濃度の調節にも寄与し得る(Holtら、Genes Dev. 2003;17:1581;Inagakiら、Cell Metab 2005;2:217)。従って、FXRは胆汁酸ホメオスタシスのマスターレギュレータであると考えられる。
【0004】
FXRアゴニストの1つの用途が、線維症、肝硬変、胆管がん、肝細胞がん、肝不全、および死亡に至り得る、胆汁鬱滞性疾患(例えば、原発性胆汁性肝硬変および原発性硬化性胆管炎)を含む、胆汁酸が制御不全である疾患の治療に用いることである。肝臓で胆汁酸の濃度が高いことは有害な作用があるが、胆汁酸は小腸の微生物叢および一体性にも影響を及ぼす。ヒトまたは齧歯類での胆汁の流れを閉塞することは、腸内細菌の増殖および粘膜損傷を惹起し、それによって細菌が粘膜バリアを横切って転座し、全身感染に至り得る(Berg、Trends Microbiol. 1995;3:149-154)。FXRを欠くマウスは細菌の回腸レベルが上昇し、上皮バリアが損なわれるが、腸内FXRの活性化は細菌の異常増殖を防止し、腸の上皮の一体性を維持するのに重要な役割を果たす(Inagakiら、Proc Natl Acad Sci 2006;103:3920-3925)。時間の経過と共に、FXRヌルマウスは、自発的に、肝細胞がんを発症し、このことはFXRの腸内での選択的再活性化によって無効とされ得る(Degirolamoた、Hepatology 61:161-170)。小型分子のアゴニストを用いるFXRの薬理学的活性化または腸内でのFXRのトランスジェニック発現は、胆汁酸濃度を正常化し、肝胆管での細胞増殖を減少させ、胆汁鬱滞の齧歯類モデルにおける炎症性細胞浸潤、壊死領域および肝線維症を減らすことができる(Liuら、J. Clin. Invest. 2003;112:1678-1687;Modicaら、Gastroenterology. 2012;142:355-365)。胆汁鬱滞の前臨床モデルにて観察されるこれらの有益な効果のいくつかは、ヒト患者にトランスレートされており、FXRアゴニストの、オベチコール酸(OCAまたはOCALIVA(登録商標))が、原発性胆汁性肝硬変の治療用に承認されている(https://www.fda.gov/newsevents/newsroom/pressannouncements/ucm503964.htm)。
【0005】
FXRアゴニストは、胆汁酸ホメオスタシスの制御に加えて、コレステロールと脂質の代謝と輸送、グルコースホメオスタシス、炎症、化学走性およびアポトーシスなどの経路に関与するタンパク質をコードする数百の遺伝子の肝臓での発現を調節する(Zhanら、PLoS One 2014;9:e105930;Ijssennaggerら、J Hepatol 2016;64:1158-1166)。遺伝子発現に対するこれらの広範囲に及ぶ効果と一致して、FXRアゴニストは、線維症、がん、炎症性疾患、および脂質異常症、肥満、2型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)および代謝性症候群を含む、代謝障害の前臨床モデルでも調査された(Crawley、Expert Opin. Ther. Patents 2010;20:1047-1057)。
【0006】
FXRアゴニストは、NAFLD、より進行した形態の脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、および関連する合併症を治療するためのヒト臨床実験でも調査されている。NAFLDは、現在、世界において慢性肝疾患の最も一般的な原因の一つである(Vernonら、Aliment Pharmacol Ther 2011;34:274-285)。NAFLDを発症する危険因子として、肥満、2型真性糖尿病(T2DM)、インスリン耐性、高血圧、および脂質異常症が挙げられる。NAFLDのあるT2DM患者を対象とした6週間の臨床試験では、FXRアゴニストのOCAは、統計的に有意にインスリン感受性を改善し、体重を減らし、これらの危険因子のいくつかに対して有益な効果を示した(Mudaliarら、Gastroenterology 2013;145:574-582)。NASHは、NAFLDの最も重度で、進行した形態であり、脂肪肝、炎症、および細胞周囲線維化の量が変化するバルーニング変性の組織学的知見を包含する(Sanyalら、Hepatology 2015;61:1392-1405)。NASHの患者を対象とした72週間の臨床試験にて、OCAは、肝生検の組織学的分析によって評価されるように、肝脂肪変性、小葉炎症、肝細胞バルーニング、および線維症を統計学的に有意に改善した(Neuschwander-Tetriら、Lancet 2015;385:956-965)。これらのデータはまた、NASHが米国における肝細胞がん(HCC)および肝移植の2番目の主要な原因であることを考えると、FXRアゴニストが臨床結果に利益を示す可能性のあることを示唆する(Wongら、Hepatology 2014;59:2188-2195)。
【0007】
本出願人は、その必要とする患者において、ファルネソイドX受容体(FXR)活性に付随する疾患、障害または症状を治療するのに有用な化合物を見出した。これらの化合物は、その薬物アビリティにとって重要である、所望の安定性、生物学的利用能、治療指数、および毒性値を有する医薬として有用であるものとして提供される。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、式(I)の化合物、ならびにFXRモジュレータとして有用である、その立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、およびそお溶媒和物を含め、その下位群および種を提供する。
本発明はまた、医薬的に許容される担体、および本発明の少なくとも1つの化合物またはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩または溶媒和物を含む、医薬組成物を提供する。
式(I)の化合物、および式(I)の化合物を含む組成物は、単独で、または1または複数のさらなる治療剤と組み合わせるかのいずれかで、療法にて使用され得る。
【0009】
本発明はまた、式(I)の化合物および/またはその塩を製造するための方法および中間体を提供する。
本発明の化合物は、ファルネソイドX受容体(FXR)の活性に付随する疾患、障害または症状の治療を必要とする患者にて、治療的に効果的な量の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を該患者に投与することにより、かかる疾患、障害または症状を治療するのに使用され得る。該疾患、障害または症状は病理学的線維症に関連付けられるかもしれない。本発明の化合物は、単独で、本発明の1または複数の化合物と組み合わせて、あるいは1または複数の、例えば、1ないし2の他の治療剤と組み合わせて使用され得る。
【0010】
本発明の化合物は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、慢性腎疾患、糖尿病性腎疾患、原発性硬化性胆管炎(PSC)、および原発性胆汁性肝硬変(PBC)より選択される疾患、障害または症状の治療にて、単剤として、または他の薬剤と組み合わせるかのいずれかで使用されてもよい。本発明の化合物は、特発性肺線維症(IPF)の治療にて、単剤として、または他の薬剤と組み合わせるかのいずれかで使用されてもよい。
【0011】
本発明の化合物は、疾患、障害または症状の治療を必要とする患者において、そのような治療のための薬剤を製造するのに使用されてもよい。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、式(I)で示される、あらゆる立体異性体、溶媒和物、プロドラッグおよび医薬的に許容される塩および溶媒和物の形態を含む、化合物を提供する。本願はまた、式(I)で示される少なくとも1つの化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を含有し、所望により少なくとも1つのさらなる治療剤を含有してもよい、医薬組成物を提供する。さらには、本願は、例えば、胆汁性線維症、肝線維症、腎線維症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、および膵臓線維症などのFXR調節疾患または障害に罹患している患者を治療するための方法であって、かかる治療を必要とする患者に、治療的に効果的な量の本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与し、所望により少なくとも1つのさらなる治療剤を組み合わせて投与してもよい、方法を提供する。
【0013】
本発明の第1の態様は、式(I):
【化1】
[式中:
はCR5aまたはNであり;
はCR5bまたはNであり;
はCR5cまたはNであって;
はCR5dまたはNである;ただし、X、X、X、およびXのうちの0、1または2個はNであり;
およびZは、独立して、CHまたはOである;ただし、ZおよびZのうち少なくとも1個はCHであり;
aは0または1であり;
bは0、1または2であり;
dは0、1または2である;ただし、a、bおよびdの各々が0である場合、ZおよびZは、各々、CHであり;
Qは、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、その各々は0~2個のRで置換され;
は、各々、独立して、-C(O)OR、-C(O)NR、C1-4ヒドロキシアルキル、または3~8員のカルボシクリル、6~10員のアリール、4~10員ヘテロシクリル、および5~10員のヘテロアリールより選択される環状基であり、ここで該環状基は0~3個のR1aで置換され;
各R1aは、独立して、ハロ、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、-NH、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)、または-NRC(O)(C1-6アルキル)であり、ここで該アルキルおよびアルコキシは、各々、0~6個のR1bで置換され;
各R1bは、独立して、ハロ、ヒドロキシル、-NR、オキソ、シアノ、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、-C(O)OR、-C(O)NR、または-NRC(O)Rであり;
またはXがCR5aである場合、QとR5aとは一緒に結合して-CR1a=CRCHCH-架橋を形成し得;
は:
(i)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、または-NRであり、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアルコキシは、各々、0~6個のR2aで置換され;
(ii)C3-8カルボシクリル、C6-8スピロビシクリル、6~7員のヘテロシクリル、フェニル、または5~6員のヘテロアリールであり、ここで該カルボシクリル、スピロビシクリル、ヘテロシクリル、フェニル、およびヘテロアリールは、各々、0~3個のR2bで置換されるか;または
(iii)-CH(C3-6シクロアルキル)、-CH(4~6員のヘテロシクリル)、-NR(CH0-2(C3-6シクロアルキル)、-NR(CH0-2(C5-8ビシクロアルキル)、-NR(CH0-2(C5-8スピロビシクリル)、-NR(CH0-2(4~6員のヘテロシクリル)、-NR(CH0-2(5~6員のヘテロアリール)、-NR(CH0-2(フェニル)、-O(CH0-2(C3-6シクロアルキル)、-O(CH0-2(C5-8ビシクロアルキル)、-O(CH0-2(C5-8スピロビシクリル)、-O(CH0-2(4~6員のヘテロシクリル)、-O(CH0-2(5~6員のヘテロアリール)、または-O(CH0-2(フェニル)であり、ここで該シクロアルキル、ヘテロシクリル、ビシクロアルキル、スピロビシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、各々、0~3個のR2bで置換され;
各R2aは、独立して、ハロ、アルキル、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、-NR、C1-3ハロアルキル、-C(O)(C1-6アルキル)、-C(O)(C3-6シクロアルキル)、-NRC(O)R、-C(O)(C1-6アルキル)、-C(O)OR、-C(O)NR、-S(O)、-S(O)(C1-3フルオロアルキル)、-NRS(O)(C1-3アルキル)、-NRS(O)(C3-6シクロアルキル)、-S(O)NR、または-P(O)Rであり;
各R2bは、独立して、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、-NR、-NRC(O)O(C1-3アルキル)、-C(O)(C1-3アルキル)、または-S(O)(C1-3アルキル)であり、ここで該アルキルおよびアルコキシは、各々、0~6個のR2aで置換され;
3aおよびR3bは、独立して、水素、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、またはC3-6シクロアルキルであるか、あるいはR3aおよびR3bは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-6シクロアルキルを形成し;
Aは:
(i)シアノであるか;
(ii)フェニル、またはN、OおよびSから独立して選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~10員のヘテロアリールであり、ここで該フェニルおよびヘテロアリールは、各々、0~3個のR4aで置換されるか;あるいは
(iii)
【化2】
であり;
各R4aは、独立して、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、-NH、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、-(CH0-3NH(C1-6アルキル)、-(CH0-2N(C1-6アルキル)、-(CH0-3(C3-6シクロアルキル)、または-(CH0-3(4~6員のヘテロシクリル)であり、ここで該アルキル、アルコキシ、アルケニル、およびアルキニルは、各々、0~6個のR4dで置換され、該シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、各々、0~3個のR4eで置換され;
4bは、C1-6アルキル、-(CH0-3(C3-6シクロアルキル)、または-(CH0-3(4~6員のヘテロシクリル)であり、ここで該アルキルは、各々、0~6個のR4dで置換され、該シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、各々、0~3個のR4eで置換され;
各R4cは、独立して、水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、4~6員のヘテロシクリル、フェニル、または5~6員のヘテロアリールであり;
各R4dは、独立して、ハロ、ヒドロキシル、-NR、オキソ、シアノ、C1-3アルコキシ、またはC1-3ハロアルコキシであり;
各R4eは、独立して、ハロ、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、-NH、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、-NH(C1-6アルキル)、または-N(C1-6アルキル)であり、ここで該アルキルおよびアルコキシは、各々、0~6個のR4dで置換され;
5a、R5b、R5c、およびR5dは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C1-6アルキル(0~6個のR5eで置換される)、C1-6アルコキシ(0~6個のR5eで置換される)、-C(O)OR、-C(O)NR、-S(O)、-S(O)NR、またはフェニル(0~3個のR5fで置換される)であり;
5eは、各々独立して、ハロ、ヒドロキシル、-NR、オキソ、シアノ、C1-3アルコキシ、またはC1-3ハロアルコキシであり;
各R5fは、独立して、ハロ、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、-NR、C1-6アルキル(0~6個のR5eで置換される)、C1-6アルコキシ(0~6個のR5eで置換される)、または(C1-6アルキル)アミノ(0~6個のR5eで置換される)であり;
各Rは、独立して、水素、C1-6アルキルであるか、あるいはまた、2個のRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから独立して選択される0~2個のさらなるヘテロ原子を含有する4~7員の二環式またはスピロ環式環部分を形成し、ここで各環は0~6個のR2aで置換され得;
各Rは、独立して、水素、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであるか;あるいはまた、2個のRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから独立して選択される0~2個のさらなるヘテロ原子を含有する4~7員の環部分を形成し;
各Rは、独立して、水素、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
は、C1-6アルキルまたはC3-6シクロアルキルであり;および
各Rは、独立して、水素、C1-6アルキル、またはC3-6シクロアルキルであるか;あるいはまた、2個のRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから独立して選択される0~2個のさらなるヘテロ原子を含有する4~7員の環部分を形成する]
で示される少なくとも1つの化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0014】
1の実施態様において、XがCR5aであり;XがCR5bであり;XがCR5cであって;XがCR5dである、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様の化合物は、式(Ia):
【化3】
で示される構造を有する。この実施態様には、R5a、R5b、R5c、およびR5dが、各々、水素である、化合物が含まれる。
【0015】
1の実施態様において、XがCR5aまたはNであり;XがCR5bまたはNであり;XがCR5cまたはNであって;XがCR5dまたはNであり;X、X、X、およびXのうちの1つがNである、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様の化合物は、次の構造:式(Ib)の構造、式(Ic)の構造、式(Id)の構造、および式(Ie)の構造:
【化4】
の1つを有する。この実施態様には、R5a、R5b、R5c、およびR5dの各々が水素である、化合物が含まれる。
【0016】
1の実施態様において、XがCR5aまたはNであり;XがCR5bまたはNであり;XがCR5cまたはNであって;XがCR5dまたはNであり;X、X、X、およびXのうちの2つがNである、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様の化合物は、次の構造:式(If)の構造、式(Ig)の構造、式(Ih)の構造、式(Ii)の構造、式(Ij)の構造、および式(Ik)の構造:
【化5】
の1つを有する。この実施態様には、R5a、R5b、R5c、およびR5dが、各々、水素である、化合物が含まれる。
【0017】
1の実施態様において、ZおよびZが、各々、CHである、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様の化合物は、式(Il):
【化6】
で示される構造を有する。この実施態様には、a、bおよびdが1である、化合物が含まれる。この実施態様には、a、bおよびdが、各々、0である、化合物も含まれる。加えて、この実施態様には、a、bおよびdが2である、化合物も含まれる。
【0018】
1の実施態様において、ZおよびZの一方がCHであり、ZおよびZの他方がOである、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様の化合物は、式(Im)または式(In):
【化7】
のいずれかの構造を有する。この実施態様には、a、bおよびdが、各々、1である、化合物が含まれる。この実施態様には、a、bおよびdが、各々、0である、化合物も含まれる。加えて、この実施態様には、a、bおよびdが、各々、2である、化合物も含まれる。
【0019】
1の実施態様において、XがCR5aであり、QおよびR5aが一緒に結合して-CR1a=CRCHCH-を形成する、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様の化合物は、式(II):
【化8】
で示される構造を有する。この実施態様には、ZおよびZが、各々、CHである、化合物が含まれる。この実施態様には、a、bおよびdが、各々、1である、化合物も含まれる。加えて、この実施態様には、Rが-C(O)OR、-C(O)NR、またはC1-4ヒドロキシアルキルであり;各Rが、独立して、水素または-CHである、化合物も含まれる。
【0020】
1の実施態様において、Qが0~2個のRで置換されるC2-6アルケニルである、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様には、Qが-CRc=CRcRであり、各Rcが、独立して、Hまたは-CHである、化合物が含まれる。この実施態様には、Qが、-CH=CHC(O)OH、-CH=CHC(O)OCH、-C(CH)=CHC(O)OCH、-CH=CHC(O)N(CH、または-CH=CH(メチルオキサジアゾリル)である、化合物も含まれる。
【0021】
1の実施態様において、Qが-CRc=CRcRである、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供され、該化合物は式(Ip):
【化9】
で示される構造を有する。この実施態様には、Rが-C(O)OR、-C(O)NR、C1-4ヒドロキシアルキル、または5~6員のヘテロアリールより選択される環状基であって、ここで該環状基が0~3個のR1aで置換される、化合物が含まれる。この実施態様には、各Rが、独立して、H、C1-4アルキル、またはC3-6シクロアルキルである、化合物も含まれる。
【0022】
1の実施態様において、Qが0~2個のRで置換される、C2-6アルキニルである、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様には、Qが-CCRである化合物が含まれる。この実施態様には、Qが-CCC(CHOHである、化合物も含まれる。
1の実施態様において、Aがシアノである、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様には、X、X、X、およびXが、各々、CHである、化合物が含まれる。この実施態様には、ZおよびZは、各々、CHである、化合物も含まれる。
【0023】
1の実施態様において、Aが:(i)フェニル、またはN、OおよびSから独立して選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~10員のヘテロアリールであり、ここで該フェニルおよびヘテロアリールは、各々、0~3個のR4aで置換されるか;または
(ii)
【化10】
である、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様には、Aが:(i)フェニル、またはN、OおよびSから独立して選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリールであり、ここで該フェニルおよびヘテロアリールは、各々、0~3個のR4aで置換されるか;または
(ii)
【化11】
である、化合物が含まれる。この実施態様には、各R4aが、独立して、F、Cl、シアノ、ヒドロキシル、-NH、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、-(CH0-3NH(C1-6アルキル)、-(CH0-3N(C1-6アルキル)、-(CH0-3(C3-6シクロアルキル)、または-(CH0-3(4~6員のヘテロシクリル)であり、ここで該アルキルおよびアルコキシの各々が、0~4個のR4dで置換され;該シクロアルキルおよびヘテロシクリルが、各々、0~3個のR4eで置換され;R4bが、C1-4アルキル、-(CH0-3(C3-6シクロアルキル)、または-(CH0-3(4~6員のヘテロシクリル)であり、ここで該アルキルは、各々、0~4個のR4dで置換され、該シクロアルキルおよびヘテロシクリルが、各々、0~3個のR4eで置換され;各R4cが、独立して、水素、C1-3アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;各R4dが、独立して、F、Cl、ヒドロキシル、-NR、オキソ、シアノ、C1-3アルコキシ、またはC1-3フルオロアルコキシであり;各R4eが、独立して、F、Cl、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、-NH、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、または-NH(C1-6アルキル)、または-N(C1-6アルキル)であり、ここで該アルキルおよびアルコキシが、各々、0~4個のR4dで置換される、化合物が含まれる。
【0024】
1の実施態様において、Aがフェニル、またはN、OおよびSから独立して選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、0~3個のR4aで置換される5~6員のヘテロアリールである、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様には、Aがフェニル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサトリアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、またはピリダジニルであり、各々が0~3個のR4aで置換される、化合物が含まれる。この実施態様には、Aがオキサジアゾリル、オキサゾリル、フェニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、またはチアゾリルであり、各々が0~2個のR4aで置換され;各R4aが、独立して、-CH、-CH(CH、-C(CH、-CH(CH、-CFCH、-OCH、-N(CH、-N(CHCH、またはシクロプロピル、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、およびモルホリニルより選択される環状基である、化合物も含まれる。この実施態様には、Aがオキサジアゾリル、フェニル、インダゾリル、またはベンゾチアゾリルであり、各々が0~1個のR4aで置換され;各R4aが、独立して、-CH、-CH(CH、-C(CH、-CH(CH、-CFCH、-OCH、-N(CH、-N(CHCH、またはシクロプロピル、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、およびモルホリニルより選択される環状基である、化合物も含まれる。
【0025】
1の実施態様において、Aが
【化12】
である、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様には、R4bが、C1-4アルキル、-(CH0-3(C3-6シクロアルキル)、または-(CH0-3(4~6員のヘテロシクリル)であり、ここで該アルキルが、各々、0~4個のR4dで置換され、該シクロアルキルおよびヘテロシクリルが、各々、0~3個のR4eで置換され;各R4cが、独立して、水素、C1-3アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;各R4dが、独立して、F、Cl、ヒドロキシル、-NR、オキソ、シアノ、C1-3アルコキシ、またはC1-3フルオロアルコキシであって;各R4eが、独立して、F、Cl、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、-NH、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、-NH(C1-6アルキル)、または-N(C1-6アルキル)であり、ここで該アルキルおよびアルコキシは、各々、0~4個のR4dで置換される、化合物が含まれる。
【0026】
1の実施態様において、Rが:(i)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、または-NRであり、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアルコキシが、各々、0~6個のR2aで置換されるか;または(ii)C3-8カルボシクリル、C6-8スピロビシクリル、4~7員のヘテロシクリル、フェニル、または5~6員のヘテロアリールであり、ここで該カルボシクリル、スピロビシクリル、ヘテロシクリル、フェニル、およびヘテロアリールが、各々、0~3個のR2bで置換される、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様には、Rが:(i)C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、または-NRであり、ここで該アルキルおよびアルコキシが、各々、0~4個のR2aで置換されるか;または(ii)C3-8カルボシクリル、C6-8スピロビシクリル、フェニル、または4~7員のヘテロシクリルであって、ここで該カルボシクリル、スピロビシクリル、およびヘテロシクリルが、各々、0~3個のR2bで置換される、化合物が含まれる。この実施態様には、Rがシクロブチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ピペリジニル、およびテトラヒドロピラニルより選択される環状基であって、ここで各環状基が、Fおよび-CHより独立して選択される0~1個の置換基で置換される、化合物も含まれる。
【0027】
1の実施態様において、Rが、-CH(C3-6シクロアルキル)、-CH(4~6員のヘテロシクリル)、-NR(CH0-2(C3-6シクロアルキル)、-NR(CH0-2(C5-8ビシクロアルキル)、-NR(CH0-2(C5-8スピロビシクリル)、-NR(CH0-2(4~6員のヘテロシクリル)、-NR(CH0-2(5~6員のヘテロアリール)、-NR(CH0-2(フェニル)、-O(CH0-2(C3-6シクロアルキル)、-O(CH0-2(C5-8ビシクロアルキル)、-O(CH0-2(C5-8スピロビシクリル)、-O(CH0-2(4~6員のヘテロシクリル)、-O(CH0-2(5~6員のヘテロアリール)、または-O(CH0-2(フェニル)であり、ここで該シクロアルキル、ヘテロシクリル、ビシクロアルキル、スピロビシクリル、アリール、およびヘテロアリールが、各々、0~3個のR2bで置換される、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様には、Rが-CH(C3-5シクロアルキル)、-CH(4~6員のヘテロシクリル)、-NR(CH0-2(C3-5シクロアルキル)、-NR(CH0-2(4~6員のヘテロシクリル)、-NR(CH0-2(フェニル)、-O(フェニル)、または-S(O)(C3-6シクロアルキル)であり、該シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、およびピリジニルが、各々、0~3個のR2bで置換される、化合物が含まれる。この実施態様には、Rが-NR(C3-8シクロアルキル)、-NR(フェニル)、または-S(O)(C3-6シクロアルキル)であり、ここで該フェニルおよびシクロアルキルが、各々独立して、0~3個のR2bで置換される、化合物も含まれる。
【0028】
1の実施態様において、R3aおよびR3bが、独立して、水素、C1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、またはC3-6シクロアルキルであるか;またはR3aおよびR3bは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-6シクロアルキルを形成する、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。この実施態様には、R3aおよびR3bが、独立して、水素、C1-2アルキル、-CHF、-CHF、-CF、またはC3-4シクロアルキルであるか;またはR3aおよびR3bが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-4シクロアルキルを形成する、化合物が含まれる。この実施態様には、R3aおよびR3bが、独立して、水素、-CH、またはシクロプロピルであるか;またはR3aおよびR3bが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピルを形成する、化合物も含まれる。加えて、この実施態様には、R3aおよびR3bの一方が水素または-CHであり、R3aおよびR3bの他方が水素である、化合物も含まれる。
【0029】
1の実施態様において、
Qが、-CRc=CRcRまたは-CCRであり;
が、-C(O)OR、-C(O)NR、C1-4ヒドロキシアルキル、または5~6員のヘテロアリールより選択される環状基であって、ここで該環状基が0~3個のR1aで置換され;
各R1aが、独立して、F、Cl、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、-NH、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、-NH(C1-4アルキル)、-N(C1-4アルキル)、または-NRC(O)(C1-4アルキル)であり、ここで該アルキルおよびアルコキシが、各々、0~4個のR1bで置換され;
各R1bが、独立して、F、Cl、ヒドロキシル、-NR、シアノ、C1-3アルコキシ、またはC1-3フルオロアルコキシであり;
各Rcが、独立して、Hまたは-CHであり;
あるいは、XがCR5aであり、XがCR5bであり、XがCR5cであり、XがCR5dである場合、その場合にはQおよびR5aは一緒に結合して-CR1a=CRCHCH-架橋を形成し得;
が:
(i)C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、または-NRであり、ここで該アルキルおよびアルコキシは、各々、0~4個のR2aで置換されるか;
(ii)C3-8カルボシクリル、C6-8スピロビシクリル、フェニル、または4~7員のヘテロシクリルであり、ここで該カルボシクリル、スピロビシクリル、およびヘテロシクリルは、各々、0~3個のR2bで置換されるか;または
(iii)-CH(C3-5シクロアルキル)、-CH(4~6員のヘテロシクリル)、-NR(CH0-2(C3-5シクロアルキル)、-NR(CH0-2(4~6員のヘテロシクリル)、-NR(CH0-2(フェニル)、-O(フェニル)、または-S(O)(C3-6シクロアルキル)であり、ここで該シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびフェニルは、各々、0~3個のR2bで置換され;
各R2aが、独立して、F、Cl、ヒドロキシル、-NR、オキソ、シアノ、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、または-C(O)OHであり;
各R2bが、独立して、F、Cl、シアノ、ヒドロキシル、C1-4アルキル、C1-3アルコキシ、-NR、-NRC(O)O(C1-3アルキル)、-C(O)(C1-2アルキル)、または-S(O)(C1-2アルキル)であり、ここで該アルキルおよびアルコキシが、各々、0~4個のR2aで置換され;
Aが:
(i)シアノであるか;
(ii)フェニル、またはN、OおよびSから独立して選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリールであり、ここで該フェニルおよびヘテロアリールは、各々、0~3個のR4aで置換されるか;または
(iii)
【化13】
であり;
各R4aが、独立して、F、Cl、シアノ、ヒドロキシル、-NH、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、-(CH0-3NH(C1-6アルキル)、-(CH0-3N(C1-6アルキル)、-(CH0-3(C3-6シクロアルキル)、または-(CH0-3(4~6員のヘテロシクリル)であり、ここで該アルキルおよびアルコキシは、各々、0~4個のR4dで置換され、該シクロアルキルおよびヘテロシクリルが、各々、0~3個のR4eで置換され;
4bが、C1-4アルキル、-(CH0-3(C3-6シクロアルキル)、または-(CH0-3(4~6員のヘテロシクリル)であり、ここで該アルキルは、各々、0~4個のR4dで置換され、該シクロアルキルおよびヘテロシクリルが、各々、0~3個のR4eで置換され;
各R4cが、独立して、水素、C1-3アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
各R4dが、独立して、F、Cl、ヒドロキシル、-NR、オキソ、シアノ、C1-3アルコキシ、またはC1-3フルオロアルコキシであり;
各R4eが、独立して、F、Cl、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、-NH、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、-NH(C1-6アルキル)、または-N(C1-6アルキル)であり、ここで該アルキルおよびアルコキシは、各々、0~4個のR4dで置換され;
5a、R5b、R5c、およびR5dが、各々独立して、水素、F、Cl、ヒドロキシ、シアノ、C1-3アルキル(0~4個のR5eで置換される)、C1-3アルコキシ(0~4個のR5eで置換される)、-C(O)OR、-C(O)NR、-S(O)、-S(O)NR、またはフェニル(0~3個のR5fで置換される)であり;
各Rが、独立して、水素、C1-4アルキル、またはC3-6シクロアルキルであるか;あるいはまた、2個のRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから独立して選択される0~2個のさらなるヘテロ原子を含有する4~7員の環部分を形成し;
各Rが、独立して、H、C1-4アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
が、C1-4アルキルまたはC3-6シクロアルキルであり;および
各Rが、独立して、水素、C1-4アルキル、またはC3-6シクロアルキルであるか;あるいはまた、2個のRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから独立して選択される0~2個のさらなるヘテロ原子を含有する4~7員の環部分を形成する、
式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。
【0030】
1の実施態様において、XがCHであり;XがCHであり;XがCHであり;XがCHであり;aが1であり;bが1であり;dが1であり;Qが、-CH=CHC(O)OH、-CH=CHC(O)OCH、-C(CH)=CHC(O)OCH、-CH=CHC(O)N(CH、-CH=CH(メチルオキサジアゾリル)、または-CCC(CHOHであり;Rが-CH(CHまたはシクロブチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ピペリジニル、およびテトラヒドロピラニルより選択される環状基であって、各環状基がFおよび-CHより独立して選択される0~1個の置換基で置換され;R3aが水素または-CHであり;R3bが水素であり;Aがオキサジアゾリル、フェニル、インダゾリル、またはベンゾチアゾリルであり、その各々が0~1個のR4aで置換され;各R4aが、独立して、-CH、-CH(CH、-C(CH、-CH(CH、-CFCH、-OCH、-N(CH、-N(CHCH、またはシクロプロピル、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、およびモルホリニルより選択される環状基である、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。
【0031】
1の実施態様において、化合物が、メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(1);(E)-3-(3-(N-((4-(4-ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリル酸(2);(E)-メチル 3-(3-(N-((4-(4-モルホリノフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(3);(E)-メチル 3-(3-(N-((4-(4-(ピロリジン-1-イル)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(4);(E)-メチル 3-(3-(N-((4-(4-(アゼチジン-1-イル)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(5);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート(6);メチル (E)-3-(3-(N-((4-フェニルビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(7);(E)-メチル 3-(3-(N-((1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート(8);(E)-メチル 3-(3-(1-メチル-N-((1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート(9);メチル (E)-3-(3-(N-((1-(4-メトキシフェニル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(10);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-モルホリノフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート(14);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(15);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート(16);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート(19);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(20);
【0032】
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(21);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)イソブチルアミド)フェニル)アクリレート(22);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート(23);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘプタンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(24);メチル (E)-3-(3-(3-フルオロ-N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート(25);メチル (E)-3-(3-(3,3-ジフルオロ-N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート(26);(E)-N-(3-(3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)フェニル)-N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド(27);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(28);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(29);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(33);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(34);(E)-N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-N-(3-(2-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビニル)フェニル)シクロヘキサンカルボキシアミド(35);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート(36);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート(37);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(38);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(39);
【0033】
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(41);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-モルホリノ-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(42);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(43);メチル (E)-3-(3-(N-((4-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(44);メチル (E)-3-(3-(N-(1-(4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)エチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(46-47);N-((4-(5-(tert-ブチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-3-フルオロ-N-(3-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)フェニル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミド(48);またはN-((4-(5-(1,1-ジフルオロエチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-3-フルオロ-N-(3-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)フェニル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミド(49)である、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。
【0034】
1の実施態様において、化合物が、メチル 5-(N-((4-(4-モルホリノフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート(11);メチル 5-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート(12);メチル 5-(N-((4-(4-(ジエチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート(13);5-(N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボン酸(17);メチル 5-(N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート(18);メチル 5-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート(30);メチル 5-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート(31);メチル 5-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)イソブチルアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート(32);メチル 5-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート(40);またはメチル 5-(N-((1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート(45)である、式(I)の化合物あるいはその立体異性体、互変異性体または塩もしくは溶媒和物が提供される。
【0035】
本発明は、その精神または本質的属性から逸脱することなく、他の特定の形態にて具現化されてもよい。本発明は、本明細書に記載の発明の態様および/または実施態様のあらゆる組み合わせを包含する。本発明のありとあらゆる実施態様は、他のいずれかの実施態様と併せて、付加的な実施態様を説明すると解釈されてもよいと理解される。実施態様の個々の各要素は、いずれかの実施態様からのありとあらゆる他の要素と組み合わさって、さらなる実施態様を説明するものとする。
【0036】
III. 定義
本発明の特徴および利点は、当業者であれば、以下の詳細な説明を読むにしたがって、より容易に理解し得る。明確にするために、別個の実施態様の文脈の上下に記載されている本発明の特定の特徴もまた、組み合わせて単一の実施態様を形成し得ると理解されるべきである。反対に、簡潔にするために、単一の実施態様の文脈で説明される本発明の様々な特徴もまた、そのサブコンビネーションを形成するように組み合わされてもよい。本明細書にて例示的または好ましいと特定された実施態様は、説明のためのものであり、限定的でないことを意図とする。
【0037】
本明細書にて特記されない限り、単数形で示されるリファレンスは複数形も含み得る。例えば、「a」および「an」は、1、あるいは1または複数をいう場合がある。
本明細書で用いられる場合、「化合物および/またはその塩」なる語は、少なくとも1つの化合物、少なくとも1つの化合物の塩、またはそれらの組み合わせをいう。例えば、式(I)の化合物および/またはその塩には、式(I)の化合物;式(I)の2つの化合物;式(I)の化合物の塩;式(I)の化合物および式(I)の化合物の1または複数の塩;ならびに式(I)の化合物の2またはそれ以上の塩が含まれる。
【0038】
特記されない限り、原子価が満たされていない原子はいずれも、原子価を満たすのに十分な水素原子があるものとみなされる。
本明細書に記載の定義は、参照により本明細書の一部とされる、いずれの特許、特許出願、および/または特許出願刊行物に記載される定義よりも優先される。
本発明を説明するのに使用される種々の用語の定義を以下に列挙する。これらの定義は、個々に、または大きな基の一部としていずれかにて、それらが明細書全体を通して使用される(それらが特定の場合に限定される場合を除く)用語に適用される。
【0039】
明細書全体を通して、基およびその置換基は、安定した部分および化合物を提供するように、当業者によって選択され得る。
当該分野において使用される慣習によれば、
【化14】
は、本明細書の構造式にて使用され、部分または置換基のコアまたは骨格構造との付着点である結合を表す。
【0040】
本明細書にて使用される「ハロ」および「ハロゲン」なる語は、F、Cl、Br、およびIをいう。
「シアノ」なる語は基-CNをいう。
「ヒドロキシ」なる語は基-OHをいう。
「アミノ」なる語は-NH基をいう。
「オキソ」なる語は基=Oをいう。
【0041】
本明細書にて使用される「アルキル」なる語は、例えば、1~12個の炭素原子、1~6個の炭素原子、および1~4個の炭素原子を含有する、分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基をいう。アルキル基の例として、限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピルおよびi-プロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、およびt-ブチル)、およびペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、2-エチルブチル、3-メチルペンチル、および4-メチルペンチルが挙げられる。記号「C」の後の下付き文字に数字が表示される場合、その下付き文字は、特定の基が含有し得る、炭素原子の数をより具体的に定義する。例えば、「C1-4アルキル」は、1~4個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖のアルキル基を意味する。
【0042】
本明細書にて使用される「ハロアルキル」なる語は、1または複数のハロ原子で置換される分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含するものとする。例えば、「C1-4ハロアルキル」は1または複数のハロ原子で置換されるC、C、C、およびCアルキル基を包含するものとする。ハロアルキル基の代表例には、限定されないが、-CF、-CCl、-CHF、および-CFCClが含まれる。
【0043】
本明細書にて使用される「フルオロアルキル」なる語は、1または複数のフッ素原子で置換される分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含するものとする。例えば、「C1-4フルオロアルキル」は1または複数のフッ素原子で置換されるC、C、C、およびCアルキル基を包含するものとする。フルオロアルキル基の代表例には、限定されないが、-CFおよび-CHCFが含まれる。
【0044】
本明細書にて使用される「ヒドロキシアルキル」なる語は、1または複数のヒドロキシル基で置換される分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含するものとする。例えば、「C1-4ヒドロキシアルキル」は1または複数のヒドロキシル基で置換されるC、C、C、およびCアルキル基を包含するものとする。ヒドロキシアルキル基の代表例には、限定されないが、-CHOH、-CHCHOH、および-C(CHOHが含まれる。
【0045】
「アルケニル」なる語は、2ないし12個の炭素原子、および少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素基をいう。例示的なそのような基には、エテニルまたはアリルが含まれる。例えば、「C2-6アルケニル」は、2~6個の炭素原子を有する、直鎖および分岐鎖のアルケニル基を意味する。
「アルキニル」なる語は、2ないし12個の炭素原子、および少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素基をいう。例示的なそのような基には、エチニルが含まれる。例えば、「C2-6アルキニル」は、2~6個の炭素原子を有する、直鎖および分岐鎖のアルキニル基を意味する。
【0046】
本明細書にて使用される「アルコキシ」なる語は、酸素原子を介して親分子の部分に結合したアルキル基、例えば、メトキシ基(-OCH)をいう。例えば、「C1-3アルコキシ」は、1~3個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味する。
「ハロアルコキシ」および「-O(ハロアルキル)」なる語は、酸素結合(-O-)を介して結合した、上記のハロアルキル基を表す。例えば、「C1-4ハロアルコキシ」は、C、C、C、およびCハロアルコキシ基を含むものとする。
【0047】
「フルオロアルコキシ」および「-O(フルオロアルキル)」なる語は、酸素結合(-O-)を介して結合した、上記のフルオロアルキル基を表す。例えば、「C1-4フルオロアルコキシ」はC、C、C、およびCフルオロアルコキシ基を含むものとする。
【0048】
本明細書にて使用される「シクロアルキル」なる語は、飽和環炭素原子から1個の水素原子を除去することにより、非芳香族の単環または多環式炭化水素分子より誘導される基をいう。シクロアルキル基の代表例には、限定されないが、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが含まれる。記号「C」の後の下付き文字に数字が表示される場合、その下付き文字は、特定のシクロアルキル基が含有し得る、炭素原子の数をより具体的に定義する。例えば、「C3-6シクロアルキル」は、3~6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。
【0049】
「カルボシクロ」、「カルボサイクリック」または「カルボシクリル」なる語は、互換的に使用されてもよく、すべての環のあらゆる原子が炭素である、少なくとも1個の飽和または部分的に飽和した非芳香環を有する環状基をいい、1または複数の炭素原子が2個の隣接しない炭素原子を結びつける時に発生する架橋環であって、1または複数のそのような架橋環を有する基を包含する。該用語は、例えば、シクロアルキルおよびシクロアルケニル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、アダマンチル、およびテトラヒドロナフチルなどの非芳香環を包含する。
【0050】
本明細書にて使用される「ビシクロアルキル」なる語は、少なくとも1つの架橋を有するカルボシクリル基をいう。ビシクロアルキル基の代表例には、限定されないが、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、およびアダマンチルが含まれる
本明細書にて使用される「アリール」なる語は、芳香環に結合している1個の水素を除去することにより、芳香環を含有する分子より誘導される一群の原子をいう。アリール基の代表例には、限定されないが、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール環は非置換であってもよく、または原子価が許す限り1または複数の置換基を含有してもよい。
【0051】
「ヘテロ原子」なる語は、酸素(O)、硫黄(S)、および窒素(N)をいう。
「ヘテロシクロ」、「ヘテロサイクリック」、または「ヘテロシクリル」なる語は、互換的に使用されてもよく、少なくとも飽和または部分的に飽和した非芳香環を有する環状基をいい、ここで1または複数の環が少なくとも1個のヘテロ原子(O、SまたはN)を有し、該ヘテロ原子を含有する環は、O、Sおよび/またはNより独立して選択される1ないし3個のヘテロ原子を有することが好ましい。ヘテロ原子を含有するそのような基の環は、1または2個の酸素または硫黄原子、および/または1~4個の窒素原子を含有することができる:ただし、各環でのヘテロ原子の総数は4個以下であり、さらには該環は少なくとも1個の炭素原子を含有することを条件とする。窒素および硫黄原子は所望により酸化されてもよく、窒素原子は所望により四級化されてもよい。ヘテロシクロ基は利用可能ないずれかの窒素または炭素原子で結合し得る。ヘテロシクロ環は非置換であってもよく、または原子価が許す限り1または複数の置換基を含有してもよい。
【0052】
代表的な単環式ヘテロシクリル基には、ピロリジニル、イミダゾリニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロロジニル、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、4-ピペリドニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニル、ジヒドロイソインドリル、およびテトラヒドロキノリニルが含まれる。
【0053】
「スピロビシクリル」および「スピロビシクロ」なる語は、互換的に使用されてもよく、2個の環がその2個の環の各々のメンバーである単一の炭素原子で結合している二環式基をいう。該用語は、2個の環がその2個の環の各々のメンバーである単一の炭素原子で結合しているシクロアルキル環である、スピロビシクロアルキルと、一方の環がヘテロシクリル環であり、他方の環が2個の環の各々のメンバーである単一の炭素原子で結合しているシクロアルキル環であるか、または両方の環が2個の環の各々のメンバーである単一の炭素原子で結合しているヘテロシクリル環である、スピロビシクロヘテロアルキルとの両方を包含する。スピロビシクリル基の例には、スピロ[3.3]ヘプテニル、スピロ[3.4]オクタニル、アザスピロ[3.3]ヘプタニル、オキサアザスピロ[3.3]ヘプタニル、オキサ-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、およびアザスピロ[3.4]オクタニルが含まれる。
【0054】
「ヘテロアリール」なる語は、置換および非置換の芳香族5または6員の単環式基、および少なくとも1個の環にて少なくとも1個のヘテロ原子(O、SまたはN)を含有する9または10員の二環式基をいい、該ヘテロ原子を含有する環は、O、Sおよび/またはNより独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を有することが好ましい。ヘテロ原子を含有するヘテロアリール基の各々の環は、1または2個の酸素または硫黄原子、および/または1~4個の窒素原子を含有することができる:ただし、各環でのヘテロ原子の総数は4個以下であり、各環は少なくとも1個の炭素原子を有することを条件とする。二環式基を完成させる縮合環は芳香族であり、炭素原子だけを含有してもよい。窒素および硫黄原子は、所望により、酸化されてもよく、窒素原子は、所望により、四級化されてもよい。二環式ヘテロアリール基では、含まれるのは芳香族環だけでなければならない。該ヘテロアリール基は任意の環のいずれか利用可能な窒素または炭素原子と結合することができる。該ヘテロアリール環系は非置換であってもよく、あるいは1または複数の置換基を含有してもよい。
【0055】
例示的な単環式ヘテロアリール基には、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チオフェニル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、およびトリアジニルが含まれる。
例示的な二環式ヘテロアリール基には、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、およびピロロピリジルが含まれる。
【0056】
本明細書にて使用される「互変異性体」なる語は、平衡状態で一緒に存在し、分子内の原子または基の移動によって容易に交換される、化合物の2以上の異性体の各々をいう。例えば、当業者であれば、1,2,3-トリアゾールが上記されるように2種の互変異性形態にて存在することを容易に理解するであろう:
【化15】
【0057】
かくして、本開示は、構造式がそのうちの1つだけを描写するものであっても、可能性のあるすべての互変異性体を網羅するものとする。例えば、R5cがヒドロキシであり、R5a、R5b、およびR5dの各々が水素である場合、式(Ia)の化合物は互変異性形態にて存在し得る:
【化16】
【0058】
「医薬的に許容される」なる語は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、あるいは他の問題または合併症もなく、合理的な利益/リスクの割合に見合った、ヒトおよび動物の組織と接触して用いるのに適する、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形をいうのに本明細書にて利用される。
【0059】
式(I)の化合物は本発明の範囲内にもある塩を形成し得る。特記されない限り、本発明の化合物への言及は、1または複数のその塩への言及をも包含すると理解される。「塩」なる語は、無機および/または有機酸および塩基とで形成される酸性および/または塩基性の塩を意味する。加えて、「塩」なる語は、例えば、式(I)の化合物が、アミンまたはピリジンまたはイミダゾール環などの塩基性の部分と、カルボン酸などの酸性の部分との両方を含有する場合、両性イオン(内塩)を包含し得る。例えば、カチオンが塩の毒性または生物活性に有意に寄与しない許容される金属およびアミンなどの医薬的に許容される(すなわち、非毒性で、生理学的に許容される)塩が好ましい。しかしながら、他の塩は、例えば、製造の間に利用され得る単離または精製工程にて、有用である可能性があり、かくして本発明の範囲内にあると考えられる。式(I)の化合物の塩は、例えば、式(I)の化合物を、等量などの一定量の塩基と、塩が沈殿するなどの媒体中、または水性媒体中で反応させ、つづいて凍結乾燥させることで形成され得る。適切な塩の一覧が、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, Mack Publishing Company, Easton, PA(1990)に記載されており、その開示を出典明示により本明細書の一部とする。
【0060】
例示的な酸付加塩には、アセテート(酢酸、またはトリフルオロ酢酸などのトリハロ酢酸で形成される塩など)、アジペート、アルギネート、アスコルベート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビサルフェート、ボレート、ブチレート、シトレート、カンホレート、カンホスルホネート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルサルフェート、エタンスルホネート、フマレート、グルコヘプタノエート、グリセロホスフェート、ヘミサルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、塩酸塩(塩酸で形成)、臭化水素酸塩(臭化水素で形成)、ヨウ化水素酸塩、マレエート(マレイン酸で形成)、2-ヒドロキシエタンスルホネート、ラクテート、メタンスルホネート(メタンスルホン酸で形成)、2-ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ニトレート、オキサレート、ペクチネート、ペルサルフェート、3-フェニルプロピオネート、ホスフェート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、サリチレート、スクシレート、サルフェート(硫酸で形成されるものなど)、スルホネート(本明細書で記載されるものなど)、タートレート、チオシアネート、トシレートなどのトルエンスルホネート、ウンデカノエート等が含まれる。
【0061】
例示的な塩基性塩には、アンモニウム塩、ナトリウム、リチウムおよびカリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウムおよびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;バリウム、亜鉛およびアルミニウム塩;トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N-ベンジル-β-フェネチルアミン、1-エフェナミン、N,N’-ジベンジルエチレン-ジアミン、デヒドロアビエチルアミン、N-エチルピペリジン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、または同様の医薬的に許容されるアミンなどの有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、ならびにアルギニン、リジン等などのアミノ酸との塩が含まれる。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチルクロリド、ブロミドおよびヨーダイド)、ジアルキルサルフェート(例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミルサルフェート)、長鎖ハライド(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルのクロリド、ブロミドおよびヨーダイド)、アラルキルハライド(例えば、ベンジルおよびフェネチルブロミド)等などの剤で四級化され得る。好ましい塩には、一塩酸塩、硫酸水素塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩または硝酸塩が含まれる。
【0062】
式(I)の化合物は非晶質固体または結晶固体として提供され得る。凍結乾燥を利用して式(I)の化合物を固体として提供し得る。
さらには、式(I)の化合物の溶媒和物(例えば、水和物)も本発明の範囲内にあることを理解すべきである。「溶媒和物」なる語は、式(I)の化合物と、有機または無機を問わず、1または複数の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合には水素結合が含まれる。ある場合には、例えば、1または複数の溶媒分子が結晶固体の結晶格子に組み込まれている場合には、溶媒和物は単離能を有するであろう。「溶媒和物」は溶液相と単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物には、水和物、エタノール和物、メタノール和物、イソプロパノール和物、アセトニトリル溶媒和物、および酢酸エチル溶媒和物が含まれる。溶媒和の方法は当該分野にて知られている。
【0063】
様々な形態のプロドラッグが当該分野にて周知であり、以下に記載される:
a)The Practice of Medicinal Chemistry, Camille G. Wermuthら、第31章, (Academic Press, 1996);
b)Design of Prodrugs, H.Bundgaard編, (Elsevier, 1985);
c)A Textbook of Drug Design and Development、P.Krogsgaard-LarsonおよびH.Bundgaard編、第5章、113-191頁(Harwood Academic Publishers, 1991);
d)Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism、Bernard TestaおよびJoachim M.Mayer、(Wiley-VCH, 2003);および
e)Rautio, J.ら、Nature Review Drug Discovery, 17, 559-587, (2018)
【0064】
さらに、式(I)の化合物は、その製造の後に、単離および精製されて、式(I)の化合物を99重量%以上の量で含有する(実質的に純粋な)組成物を得ることができ、次にそれを本明細書に記載されるように単離および精製することができる。かかる「実質的に純粋な」式(I)の化合物はまた、本明細書にて本発明の一部を形成すると考えられる。
【0065】
「安定した化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度までの単離、および有効な治療剤への処方に耐えるのに十分に頑強である、化合物を示すことを意味する。本発明は安定した化合物を具現化するものとする。
【0066】
「治療的に効果的な量」は、FXRのアゴニストとして作用するのに効果的な、あるいは病理学的線維症、がん、炎症性障害、代謝性または胆汁鬱滞性障害などの胆汁酸の調節不全に付随する障害を治療または予防するのに効果的な、本発明の化合物の単独での量、または特許請求の範囲に記載の化合物を組み合わせた量、または本発明の化合物を他の活性な成分と組み合わせた量を包含するものとする。
【0067】
本発明の化合物は、本発明の化合物に存在する原子のすべての同位体を包含するものとする。同位体には、原子番号は同じであるが、質量数が異なる、それらの原子が含まれる。一般的な例として、限定されないが、水素の同位体には、重水素(D)および三重水素(T)が含まれる。炭素の同位体には、13Cおよび14Cが含まれる。本発明の同位体標識標識の化合物は、一般に、当業者に知られている従来の技法によって、あるいは他の方法で利用される非標識の試薬の代わりに同位体標識された適切な試薬を用い、本明細書に記載の方法に類似する方法によって製造され得る。そのような化合物は、例えば、標的タンパク質または受容体と結合する可能性のある医薬化合物の能力を測定する際の標体および試薬として、またはインビボまたはインビトロにて生物学的受容体に結合した本発明の化合物を画像化するための様々な潜在的用途がある。
【0068】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、本発明の少なくとも1つの化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む、組成物を提供する。
もう一つ別の実施態様において、本発明は、医薬的に許容される担体、および本発明の少なくとも1つの化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む、医薬組成物を提供する。
【0069】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、医薬的に許容される担体、および治療的に効果的な量の本発明の少なくとも1つの化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む、医薬組成物を提供する。
もう一つ別の実施態様において、本発明は、本発明の化合物の製造方法を提供する。
【0070】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、本発明の化合物を製造するための中間体を提供する。
もう一つ別の実施態様において、本発明は、1または複数のさらなる治療剤をさらに含む、上記される医薬組成物を提供する。
【0071】
有用性
1の実施態様において、本発明は、胆汁酸の調節不全に付随する疾患、障害または症状を治療する必要のある患者での該疾患、障害または症状の治療方法を提供し、該方法は治療的に効果的な量の本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を該患者に投与することを含む。
【0072】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、ファルネソイドX受容体(FXR)の活性に付随する疾患、障害または症状を治療する必要のある患者での該疾患、障害または症状の治療方法であって、治療的に効果的な量の本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を該患者に投与することを含む、方法を提供する。
【0073】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、疾患、障害または症状を治療する方法であって、かかる治療を必要とする患者に、治療的に効果的な量の本発明の少なくとも1つの化合物を、単独で、または所望により、本発明のもう一つ別の化合物および/または少なくとも1つの別の型の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
【0074】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、患者でのファルネソイドX受容体(FXR)アゴナイズ作用を誘発するための方法であって、該患者に治療的に効果的な量の本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施態様において、該疾患、障害または症状は、FXRの機能不全に付随しており、病理学的線維症、がん、炎症性障害、代謝性または胆汁鬱滞性障害を包含する。
いくつかの実施態様において、該疾患、障害または症状は、肝臓、胆管、腎臓、心臓、皮膚、眼、および膵臓の線維症を含む、線維症と関連付けられる。
【0075】
他の実施態様において、該疾患、障害または症状は、がんなどの細胞増殖性障害と関連付けられる。いくつかの実施態様において、がんは充実性腫瘍増殖または新生物を包含する。他の実施態様において、がんは腫瘍転移を包含する。いくつかの実施態様において、がんは、肝臓、胆嚢、小腸、大腸、腎臓、前立腺、膀胱、血液、骨、脳、乳房、中枢神経系、頸部、結腸、子宮内膜、食道、生殖器、泌尿生殖器、頭、咽頭、肺、筋肉組織、首、口腔または鼻粘膜、卵巣、膵臓、皮膚、脾臓、胃、睾丸、または甲状腺のがんである。他の実施態様において、がんは、癌腫、肉腫、リンパ腫、白血病、黒色腫、中皮腫、多発性骨髄腫、またはセミノーマである。
【0076】
本発明に従って予防、調節または治療され得るFXRの活性に付随する疾患、障害または症状の例には、限定されないが、移植片拒絶反応、線維性障害(例えば、肝線維症、腎臓線維症)、炎症性障害(例えば、急性肝炎、慢性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、刺激性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD))、ならびに細胞増殖性障害(例えば、がん、骨髄腫、線維腫、肝細胞がん、結腸直腸がん、前立腺がん、白血病、カポジ肉腫、充実性腫瘍)が含まれる。
【0077】
本発明の化合物によって予防または治療されるのに適する線維性障害、炎症性障害、ならびに細胞増殖性障害には、限定されないが、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、薬物誘発性肝炎、胆汁性肝硬変、門脈圧亢進症、再生不全、肝機能低下、肝血流障害、腎症、刺激性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、異常腎分泌、良性前立腺肥大、神経障害性膀胱疾患、糖尿病性腎症、限局性分節性糸球体硬化症、IgA腎症、薬物または移植によって誘発される腎症、自己免疫性腎症、ループス腎炎、肝線維症、腎線維症、慢性腎疾患(CKD)、糖尿病性腎疾患(DKD)、皮膚線維症、ケロイド、全身性硬化症、強皮症、ウイルス誘発性線維症、特発性肺線維症(IPF)、間質性肺疾患、非特異性間質性肺炎(NSIP)、通常間質性肺炎(UIP)、放射線誘発性線維症、家族性肺線維症、気道線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、脊髄管狭窄症、心不全、心臓線維症、血管線維症、血管周囲線維症、足口疾患、がん、骨髄腫、線維腫、肝細胞がん、結腸直腸がん、前立腺がん、白血病、慢性リンパ球性白血病、カポジ肉腫、充実性腫瘍、脳梗塞、脳出血、神経障害性疼痛、末梢神経障害、加齢性黄斑変性症(AMD)、緑内障、眼線維症、角膜瘢痕、糖尿病性網膜症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、瘢痕性類天疱瘡、緑内障濾過手術後の瘢痕、クローン病または全身性紅斑性ループス;異常な創傷治癒に由来するケロイド形成;臓器移植後に発生する線維症、骨髄線維症、および筋腫が含まれる。1の実施態様において、本発明は、線維性障害、炎症性障害または細胞増殖性障害を治療するための方法であって、かかる治療を必要とする患者に治療的に効果的な量の少なくとも1つの本発明の化合物を、単独で、あるいは本発明のもう一つ別の化合物、および/または少なくとも1つの他の型の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
【0078】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、療法にて用いるための本発明の化合物を提供する。
もう一つ別の実施態様において、本発明は、その線維性障害、炎症性障害または細胞増殖性障害の治療における療法にて使用するための本発明の化合物を提供する。
もう一つ別の実施態様において、本発明はまた、その線維性障害、炎症性障害または細胞増殖性障害を治療するための医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
【0079】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、線維性障害、炎症性障害または細胞増殖性障害の治療方法であって、その必要とする患者に、治療的に効果的な量の第1および第2治療剤を投与することを含み、ここで該第1の治療剤が本発明の化合物である、方法を提供する。
もう一つ別の実施態様において、本発明は、療法において同時に、別々に、または連続的に使用するための、本発明の化合物と、付加的な治療剤とを組み合わせた製剤を提供する。
【0080】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、線維性障害、炎症性障害または細胞増殖性障害の治療において、同時に、別々に、または連続的に使用するための、本発明の化合物と、付加的な治療剤とを組み合わせた製剤を提供する。
本発明の化合物は、抗線維性および/または抗炎症性治療剤などの1または複数のさらなる治療剤と組み合わせて利用されてもよい。
【0081】
1の実施態様において、組み合わせた医薬組成物または組み合わせ方法もしくは組み合わせ使用にて用いられるさらなる治療剤は、以下の治療剤:TGFβ受容体阻害剤(例えば、ガルニセルチブ)、TGFβ合成の阻害剤(例えば、ピルフェニドン)、血管内皮成長因子(VEGF)の阻害剤、血小板由来成長因子(PDGF)および線維芽細胞成長因子(FGF)受容体キナーゼ(例えば、ニンテダニブ)、ヒト化抗-αvβ6インテグリンモノクローナル抗体(例えば、3G9)、ヒト組換えペントラキシン-2、組換えヒト血清アミロイドP、TGFβ-1、-2および-3に拮抗する組換えヒト抗体、エンドセリン受容体アンタゴニスト(例えば、マシテンタン)、インターフェロンガンマ、c-Junアミノ-末端キナーゼ(JNK)阻害剤(例えば、4-[[9-[(3S)-テトラヒドロ-3-フラニル]-8-[(2,4,6-トリフルオロフェニル)アミノ]-9H-プリン-2-イル]アミノ]-トランス-シクロヘキサノール)、3-ペンチルベンゼン酢酸(PBI-4050)、テトラ置換のマンガン(III)含有のポルフィリン誘導体、エオタキシン-2を標的とするモノクローナル抗体、インターロイキン-13(IL-13)抗体(例えば、レブリキズマブ、トラロキヌマブ)、インターロイキン4(IL-4)およびインターロイキン13(IL-13)を標的とする二特異的抗体、NK1タチキニン受容体アゴニスト(例えば、Sar、Met(O11-サブスタンスP)、シントレデキン・ベスドトックス、ヒト組換えDNA誘導の、CC-ケモカインリガンド2に対して選択的である、結合成長因子に対するIgG1カッパモノクローナル抗体、および完全ヒトIgG1カッパ抗体(例えば、カルルマブ、CCX140)、酸化防止剤(例えば、N-アセチルシステイン)、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤(例えば、シルデナフィル)、ムスカリン作動性拮抗剤などの閉塞性気道疾患を治療するための薬剤(例えば、チオトロピウム、臭化イパトロピウム)、アドレナリン作動性β2アゴニスト(例えば、サルブタモール、サルメテロール)、コルチコステロイド(例えば、トリアムシノロン、デキサメタゾン、フルチカソン)、免疫抑制剤(例えば、タクロリムス、ラパマイシン、ピメクロリムス)、ならびに肝臓、胆道、および腎臓線維症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NALFD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、心臓線維症、特発性肺線維症(IPF)、および全身性硬化症などの線維性症状の治療に有用な治療剤のうち、1または複数の、好ましくは1ないし3種治療剤より選択される。かかる線維性症状の治療に有用な治療剤には、限定されないが、FXRアゴニスト(例えば、OCA、GS-9674、およびLJN452)、LOXL2阻害剤(例えば、シムツズマブ)、LPA1アンタゴニスト(例えば、BMS-986020およびSAR100842)、PPARモジュレータ(例えば、エラフィドリノール、ピオグリタゾン、およびサログリタザール、IVA337)、SSAO/VAP-1阻害剤(例えば、PXS-4728AおよびSZE5302)、ASK-1阻害剤(例えば、GS-4997またはセロンセルチブ)、ACC阻害剤(例えば、CP-640186およびNDI-010976またはGS-0976)、FGF21模倣剤(例えば、LY2405319およびBMS-986036)、カスパーゼ阻害剤(例えば、エムリカサン)、NOX4阻害剤(例えば、GKT137831)、MGAT2阻害剤(例えば、BMS-963272)、αVインテグリン阻害剤(例えば、アビツズマブ)および胆汁酸/脂肪酸コンジュゲート(例えば、アラムコール)が含まれる。本発明の種々の実施態様のFXRアゴニストはまた、CCR2/5阻害剤(例えば、セニクリビロック)、ガレクチン-3阻害剤(例えば、TD-139、GR-MD-02)、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト(例えば、チペルカスト、モンテルカスト)、SGLT2阻害剤(例えば、ダパグリフロジン、レモグリフロジン)、GLP-1受容体アゴニスト(例えば、リラグルチドおよびセマグルチド)、FAK阻害剤(例えば、GSK-2256098)、CB1インバースアゴニスト(例えば、JD-5037)、CB2アゴニスト(例えば、APD-371およびJBT-101)、オートタキシン阻害剤(例えば、GLPG1690)、プロリルt-RNAシンテターゼ阻害剤(例えば、ハロフジノン)、FPR2アゴニスト(例えば、ZK-994)、およびTHRアゴニスト(例えば、MGL:3196)が含まれる。もう一つ別の実施態様において、組み合わせた医薬組成物または組み合わせ方法もしくは組み合わせ使用にて用いられるさらなる治療剤は、1または複数の、好ましくは1ないし3種の、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、オファツムマブ、ペムブロリズマブ、およびリツキシマブなどの免疫学の薬剤より選択される。
【0082】
本発明の化合物は、任意の適切な手段により、例えば、錠剤、カプセル(その各々が、徐放性または時間放出性製剤を含む)、ピル、散剤、顆粒、エリキシル、チンキ、懸濁液、シロップおよびエマルジョンなどで経口的に;舌下的に;バッカル的に;皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射、あるいは注入技法(例えば、滅菌の注射可能な水性または非水性溶液または懸濁液など)によるなどで非経口的に;吸入スプレーによるなどで、鼻粘膜への投与を含む、経鼻的に;例えば、クリームまたは軟膏の形態で局所的に;あるいは、例えば、坐剤の形態にて経直腸的に、本明細書に記載のいずれかの使用のために投与され得る。それらは単独で投与され得るが、一般には、選択された投与経路に、および標準的な製薬における慣行に基づいて選択される医薬担体と一緒に投与されるであろう。
【0083】
「医薬組成物」なる語は、本発明の化合物を、少なくとも1つのさらなる医薬的に許容される担体と組み合わせて含む、組成物を意味する。「医薬的に許容される担体」は、投与方法および剤形の特性に応じて、生物学的に活性な剤を動物に、特に哺乳動物に、送達するためにその分野にて一般的に受け入れられる媒体、すなわち、希釈剤、保存剤、充填剤、流動調節剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、沈殿防止剤、甘味剤、矯味矯臭剤、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および分配剤などのアジュバント、賦形剤、またはビヒクルを含む、媒体をいう。医薬的に許容される担体は、当業者の範囲内にある極めて多数の要因に従って処方される。これらは、限定されないが、処方される活性剤の型および特性;薬剤含有の組成物が投与される対象;組成物の意図する投与経路;および標的とされる治療適応症を包含する。医薬的に許容される担体は、水性および非水性の両方の液体媒体、ならびに種々の固体および半固体剤形を包含する。かかる担体は、活性剤に加えて、多くの異なる成分および添加剤を包含することができ、かかる付加的な成分は、様々な理由から、例えば、当業者に周知である、活性剤、結合剤の安定化のために製剤中に含まれる。適切な医薬的に許容される担体の説明、およびその選択に関与する要因は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Edition(1990)などの様々な容易に入手可能な情報源にて記載される。
【0084】
本明細書にて使用される「治療する」または「治療」なる語は、本発明の化合物または組成物を用いることによって、臨床結果を含め、有益なまたは望ましい結果を得るためのアプローチをいう。本発明の目的を達成するため、有益なまたは望ましい臨床結果には、限定されないが、1または複数の次の事項:疾患、障害または症状よりもたらされる1または複数の徴候の重篤度および/または頻度を減らすこと;疾患、障害または症状の程度を減少させるか、またはその退行を生じさせること;疾患、障害または症状を安定させること(例えば、疾患、障害または症状の悪化を防止または遅延させること);疾患、障害または症状の進行を遅延または遅くさせること;疾患、障害または病態を改善すること;疾患、障害または症状を治療するのに必要とされる1または複数の他の薬剤の用量を減らすこと;および/または生活の質を向上させること、が含まれる。
【0085】
医薬的に許容される担体は、当業者の範囲内にある極めて多数の要因に従って、処方される。これらには、限定されないが、処方される活性剤の型および特性;活性剤含有の組成物が投与される対象;組成物の意図される投与経路;および標的とされる治療適応症が含まれる。医薬的に許容される担体には、水性および非水性の両方の液体媒体、ならびに種々の固体および半固体の剤形が含まれる。かかる担体は、活性剤に加えて、多くの異なる成分および添加剤を包含することができ、かかる付加的な成分は、様々な理由から、例えば、当業者に周知である、活性剤、結合剤の安定化のために製剤中に含まれる。適切な医薬的に許容される担体の説明、およびその選択に関与する要因は、例えば、Allen, L. V. Jr.ら、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2 Volumes), 22nd Edition(2012), Pharmaceutical Pressなどの様々な容易に入手可能な情報源にて記載される。
【0086】
本発明の化合物の投与計画は、もちろん、特定の薬剤の薬力学的特性およびその投与方法および経路;受容者の種類、年齢、性別、健康状態、病状、および体重;徴候の特性および程度;同時に治療する種類;治療の頻度;投与経路、患者の腎機能および肝機能、望ましい効果などの既知の要因に応じて変化するであろう。
【0087】
一般的な指針として、示される効果を得るために使用される場合、各活性成分の1日の経口投与量の範囲は約0.01~約5000mg/日、好ましくは約0.01~約1000mg/日、最も好ましくは約0.01~約250mg/日であろう。静脈内投与では、最も好ましい用量は、一定速度の注入の間で約0.01から約10mg/kg/分の範囲であろう。本発明の化合物は1日1回の用量で投与されてもよく、または1日の総容量を1日に2回、3回または4回に分割した用量で投与されてもよい。
【0088】
化合物は、典型的には、意図される投与形態、例えば、経口錠剤、カプセル、エリキシル、およびシロップに関して適切に選択され、従来の製薬慣行と適合する、適切な医薬希釈剤、賦形剤、または担体(本明細書にて集合的に医薬担体と称される)と混合して投与される。
投与に適した剤形(医薬組成物)は、投与単位当たり約1ミリグラム~約2000ミリグラムの活性成分を含有し得る。これらの医薬組成物中に、活性成分は、通常、組成物の総重量に基づいて約0.1-95重量%の量で存在するであろう。
【0089】
経口投与用の典型的なカプセルは、本発明の少なくとも1つの化合物(250mg)、ラクトース(75mg)、およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を含有する。該混合物を60メッシュのシーブに通し、No.1ゼラチンカプセルに詰める。
典型的な注射用製剤は、本発明の少なくとも1つの化合物(250mg)を無菌状態にてバイアルに入れ、無菌状態にて凍結乾燥させ、密封することにより製造される。使用するには、バイアルの中身を2mLの生理食塩水と混合し、注射可能な製剤を製造する。
【0090】
本発明は、その範囲内に、活性成分として、治療的に効果的な量の少なくとも1つの本発明の化合物を、単独で、または医薬担体と組み合わせて含む、医薬組成物を包含する。所望により、本発明の化合物は、単独で、本発明の他の化合物と組み合わせて、あるいは1または複数の、好ましくは1ないし3の他の治療剤、例えば、ASK-1阻害剤、CCR2/5アンタゴニスト、オートタキシン阻害剤、LPA1受容体アンタゴニストまたは他の医薬的に活性な材料と組み合わせて使用され得る。
上記の他の治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて利用される場合、例えば、上記した特許にあるように、あるいは当業者によって決定されるように、Physicians’Desk Referenceにおいて示される量で使用されてもよい。
【0091】
特に単一の投与単位として提供される場合、組み合わされる活性成分がその間で化学的に相互作用する可能性が存在する。このため、本発明の化合物と、第2の治療剤とを単一の投与単位中で組み合わせる場合、その活性成分は単一の投与単位にて組み合わされるが、その活性成分の間の物理的接触が最小限となる(すなわち、減少する)ように、それらは処方される。例えば、1の活性成分が腸溶コーティングされてもよい。活性成分の一方を腸溶コーティングすることにより、組み合わせた活性成分の間の接触を最小限とすることが可能であるだけでなく、これらの成分の一方が胃で放出されず、むしろ腸で放出されるように、これらの成分の1つの胃腸管での放出を調節することも可能である。活性成分の一方はまた、胃腸管を通して徐放性に影響を及ぼし、また組み合わされた活性成分間の物理的接触を最小限にするのに供する材料で被覆されてもよい。さらには、徐放性成分は、この成分の放出が腸だけで起こるように、付加的に腸溶コーティングされ得る。さらにもう一つ別の方法は、活性成分をさらに分離するために、一方の成分を徐放性および/または腸溶性放出ポリマーで被覆し、他方の成分も低密度グレードのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのポリマー、または当該分野にて公知の他の適切な材料で被覆する、組み合わせ製品を処方することと関連付けられる。ポリマーコーティングは他の成分との相互作用に対するさらなるバリアを形成するのに役立つ。
【0092】
単一の剤形で投与されるか、あるいは別々の形態であるが、同じ様式で同時に投与されるかのいずれかで、本発明の組み合わせ製品の成分間の接触を最小限とする、これらの、ならびに他の方法は、一度でも本開示と接触している当業者にとって自明なことであろう。
【0093】
本発明の化合物は、単独で、または1または複数の、好ましくは1ないし3の、さらなる治療剤と組み合わせて投与され得る。「組み合わせて投与される」または「組み合わせ療法」とは、本発明の化合物と、1または複数の、好ましくは1ないし3のさらなる治療剤が、治療される哺乳動物に同時に投与されることを意味する。組み合わせて投与される場合、各成分は、同時に、または時間的に異なる時点でいずれの順序で連続して投与されてもよい。よって、各成分は、別々であってもよいが、所望の治療効果が得られるように時間的に十分に密接して投与されてもよい。
【0094】
組み合わせ療法は、これらの治療剤を連続的に投与すること、すなわち、各治療剤を異なる時間に投与すること、ならびにこれらの治療剤、または少なくとも2つの治療剤を実質的に同時に投与することを包含するものとする。実質的に同時に投与することは、例えば、対象に、各治療剤を固定した割合で有する単一の剤形を、あるいは各治療剤について単一の剤形を複数で、投与することにより達成され得る。各治療剤の連続的または実質的に同時の投与は、限定されないが、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、および粘膜組織を介する直接吸収を含む、適切ないずれかの経路により行われ得る。治療剤は同じ経路または異なる経路で投与され得る。例えば、選択された組み合わせの第1の治療剤は静脈内注射により投与されてもよく、一方でその組み合わせの他の治療剤は経口的に投与されてもよい。あるいはまた、例えば、すべての治療剤が経口的に投与されてもよく、またはすべての治療剤が静脈内注射されてもよい。組み合わせ療法はまた、他の生物学的に活性な成分および非薬物療法(例えば、手術または放射線治療)とさらに組み合わせた、上記の治療剤の投与を包含し得る。組み合わせ療法が非薬物治療をさらに含む場合、該非薬物治療は、治療剤と非薬物治療との組み合わせの共作用からの有益な効果が達成される限り、いずれか適切な時期に実施され得る。例えば、適切な場合には、非薬物治療が、治療剤の投与から一時的に、おそらくは数日または数週間にわたって除外された場合でも、有益な効果はなお達成される。
【0095】
本発明の化合物はまた、FXRアゴニストに関連する試験またはアッセイにおいて、標体または参照の化合物として、例えば、品質の標体または対照として有用である。かかる化合物は、例えば、FXRアゴニスト活性に関連する製薬研究において用いるための市販のキットで提供され得る。例えば、本発明の化合物は、その既知の活性を未知の活性の化合物と比較するためのアッセイにて、参照となる化合物として使用され得る。このことは、特に試験化合物が参照となる化合物の誘導体である場合に、アッセイが適切に行われていることを実験者に保証し、比較のための基準を提供する。新たなアッセイまたはプロトコルを開発する場合に、本発明の化合物を用いてそれら有効性を試験することができる。
【0096】
本発明は製造品も包含する。本明細書にて使用されるように、製造品は、キットおよびパッケージを含むが、これに限定されないものとする。本発明の製造品は(a)第1の容器と、(b)第1の容器に入れられる医薬組成物(ここで、該組成物は本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩の形態を含む第1の治療剤を含む)と、(c)該医薬組成物が脂質異常症およびその後遺症の治療に用いることができる旨を記載した添付文書とを含む。別の実施態様において、該添付文書には、該医薬組成物が線維症およびその後遺症の治療のための第2の治療剤と組み合わせて(上と同義)用いることができる旨が記載される。該製造品はさらに、(d)第2の容器(ここで、構成要素(a)および(b)は第2の容器に入れられ、構成要素(c)は第2の容器内または容器外に置かれる)を含み得る。第1および第2の容器に入れられるとは、各容器が該アイテムをその領域内に保持することを意味する。
【0097】
第1の容器は医薬組成物を保持するのに用いられる容器である。この容器は、製造、貯蔵、運搬、および/または個別/大量販売のためのものである。第1の容器は、ボトル、ジャー、バイアル、フラスコ、シリンジ、チューブ(例えば、クリーム製剤用)、または医薬製剤の製造、保持、貯蔵、または流通に用いられる任意の別の容器を包含するものとする。
【0098】
第2の容器は、第1の容器と、所望により添付文書とを保持するのに用いられるものである。第2の容器の例として、限定されないが、箱(例えば、ダンボールまたはプラスチック)、木箱、紙箱、袋(例えば、紙またはプラスチックの袋)、ポーチ、および布袋が挙げられる。添付文書は、テープ、接着剤、ホッチキス、または他の付着方法により第1の容器の外側に物理的に付着させるか、または、第1の容器と物理的に付着するいずれの手段も用いることなく第2の容器内に入れることもできる。あるいはまた、添付文書は第2の容器の外に置かれる。第2の容器の外に置かれる場合、添付文書はテープ、接着剤、ホッチキス、または他の付着方法により物理的に付着していることが好ましい。あるいはまた、物理的に付着することなく第2の容器の外側に近接または接触した状態とすることもできる。
【0099】
添付文書は、第1の容器に入れられた医薬組成物に関連する情報が記載されたラベル、タグ、マーカーなどである。その記載される情報は、通常、該製造品が販売される地域を管理する規制当局(例えば、アメリカ食品医薬品局)により決定されるであろう。好ましくは、添付文書は該医薬組成物が認可された旨の表示を具体的に記載する。添付文書は、人々がその内にまたはその上に記載された情報を読み取ることができる、いずれの材料で作られていてもよい。好ましくは、添付文書は、それ上に目的の情報が形成される(例えば、印刷または貼り付けられる)印刷可能な材料(例えば、紙、プラスチック、ダンボール、ホイール、紙またはプラスチック製のシール)である。
【0100】
製造方法
本発明の化合物は、有機化学の分野の当業者に利用可能な多くの方法によって合成され得る。本発明の化合物を製造するための一般的な合成スキームは下記のとおりである。これらのスキームは例示的なものであり、当業者が本明細書に開示の化合物を製造するために使用し得る、可能性のある技法を限定するものではない。本発明の化合物を製造するための異なる方法は当業者に明らかであろう。一般的なスキームにて記載の方法によって製造される本発明の化合物の例を、下記の実施例のセクションにて示す。ホモキラルな例の製造は、当業者に公知の方法により実施され得る。例えば、ホモキラル化合物は、キラル相分取性HPLCによってラセミ生成物またはジアステレオマーを分離することにより製造され得る。あるいはまた、実施例の化合物は、エナンチオマーまたはジアステレオマーに富む生成物を得ることが公知の方法によって製造されてもよい。
【0101】
このセクションに記載の反応および技法は、利用される試薬および材料に適し、変換が行われるのに適切である、溶媒中で実施される。また、下記に示される合成方法の記載では、溶媒の選択、反応の雰囲気、反応温度、実験の期間、および後処理の操作を含む、提案されているすべての反応条件は、その条件がその反応に標準的であるように選択されることを理解すべきであり、そのことは当業者であれば容易に認識するはずである。分子の様々な場所に存在する官能性が提案されている試薬および反応と適合する必要のあることは、有機合成の分野の当業者であれば理解する。反応条件と適合し得る置換基に対するそのような制限は、適合できない置換基が存在する場合に、必要とされる代替案と共に、当業者にとって自明であろう。このことは、本発明の化合物を得るために、時に、合成工程の順序を修飾するか、または一の特定のプロセスのスキームを別のスキームとの比較で選択する、判断を要求するであろう。この分野にていずれかの合成経路を設計するのにもう一つ別の主に考慮すべき事は、本発明にて記載の化合物に存在する反応性官能基を保護するのに使用される保護基の賢明な選択であることも理解されよう。当業者に対して多くの代替となる方法を記載する権威のあるアカウントが、WutsおよびGreene、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis, Fourth Edition, Wiley and Sons(2007)である。
【0102】
実施例
以下の実施例は、本発明の特定の好ましい実施態様を説明しており、本発明の範囲を限定するものではない。化学的な略語および記号ならびに科学的な略語および記号は、特記されない限り、その通常の慣習的な意義を有する。本願の実施例および他の箇所で利用されるさらなる略語を以下に定義する。共通の中間体は、一般に、複数の実施例の製造に有用であり、順次識別され(例えば、中間体1、中間体2)、Int.1またはI1、Int.2またはI2と略される。実施例の化合物は、それらが製造される実施例および工程によって(例えば、「1-A」は実施例1、工程Aを意味する)、または化合物が実施例の表記化合物である場合には、実施例だけで(例えば、「1」は実施例1の表記化合物を意味する)識別される。場合によっては、中間体または実施例の代替の製造が記載される。多くの場合、合成の分野における当業者は、反応時間をより短くすること、高価な出発材料の使用を減らすこと、操作または単離を容易にすること、収率を改善すること、触媒作用の影響を受けやすくすること、毒性のある試薬を回避すること、特殊な装置とのアクセス可能性を減らすこと、および直列工程(linear STEPs)の数を減らすこと、などの1または複数の考慮事項に基づいて、望ましい可能性のある代替の製造を発案することができる。代替の製造を説明する意図は、本発明の実施例の製造をさらに可能とすることにある。場合によっては、概説された実施例および特許請求の範囲に記載のいくつかの官能基は、当該分野にて知られている周知の生物学的等価置換、例えば、カルボン酸基とテトラゾールまたはホスフェート部分との置換によって置き換えられてもよい。重水素化ジメチルスルホキシドで集められた1H NMRデータは、データ処理において水分抑制を用いた。報告されたスペクトルでは水分抑制の作用を修正しない。3.35ppmの水分抑制の周波数に隣接するプロトンはシグナル強度の低下を示す。
【0103】
略語
本明細書にて使用される略語は、以下のように:「1x」は1回、「2x」は2回、「3x」は3回、「℃」は摂氏度、「eq」は当量、「g」はグラム、「mg」はミリグラム、「L」はリットル、「mL」はミリリットル、「μL」はマイクロリットル、「N」は規定、「M」はモル、「mmol」はミリモル、「min」は分、「h」は時間、「rt」は室温、「RBF」は丸底フラスコ、「atm」は雰囲気、「psi」は平方インチ当たりのポンド、「conc.」は濃縮、「RCM」は閉環メタセシス、「sat」または「sat’d」は飽和、「SFC」は超臨界流体クロマトグラフィー、「MW」は分子量、「mp」は融点、「ee」はエナンチオマー過剰率、「MS」または「マス・スペック」は質量分析、「ESI」は電子噴霧イオン化質量分析、「HR」は高分解能、「HRMS」は高分解能質量分析、「LCMS」は液体クロマトグラフィー質量分析、「HPLC」は高圧液体クロマトグラフィー、「RP HPLC」は逆相HPLC、「TLC」または「tlc」は薄層クロマトグラフィー、「NMR」は核磁気共鳴分光法、「nOe」は核オーバーハウザー効果分光法、「1H」はプロトン、「δ」はデルタ、「s」は一重項、「d」は二重項、「t」は三重項、「q」は四重項、「m」は多重項、「br」はブロードな、「Hz」はヘルツと定義され、および「α」、「β」、「R」、「S」、「E」、および「Z」は、当業者によく知られている立体化学的呼称である。
【0104】
以下の略語が、本明細書のスキーム、実施例および他の箇所で利用される:
【表1】
【0105】
合成
本発明の化合物は、有機合成の分野の当業者に周知の多くの方法で製造され得る。本発明の化合物は、有機合成の分野にて既知の合成方法、または当業者によって理解されるようなその変法と一緒に、下記の方法を用いて合成され得る。好ましい方法には、限定されないが、下記の方法が含まれる。本明細書にて引用される参考文献はすべて、出典明示により本明細書の一部とする。
【0106】
式Iの新規な化合物は、このセクションに記載の反応および技法を用いて製造され得る。該反応は、利用される試薬および材料に適する溶媒中で行われ、なされる変換に適している。また、下記の合成方法を説明するにおいて、溶媒、反応環境、反応温度、実験の器官および後処理の操作を含む、提案されているすべての反応条件は、その反応について標準的な条件であるように選択され、当業者によって容易に認識されるべきであることを理解されたい。有機合成の分野の当業者は、エディクト分子の様々な部分に存在する官能基が、提案されている試薬および反応と適合可能でなければならないことを理解する。所定のクラスに分類される式Iのすべての化合物が、記載されたいくつかの方法に必要とされるいくつかの反応条件と適合し得るとは限らない。反応条件と適合しうる、置換基に対するかかる制限は、当業者にとって自明であり、別法が使用されなければならないであろう。
【0107】
スキーム1
【化17】
【0108】
スキーム1は式Iの化合物の合成を記載する。中間体3は、当業者によって理解され得る公知の方法である還元アミン化条件下で、中間体1を中間体2とカップリングさせることにより合成され得る。イミン合成は、酢酸などの酸の存在下にて、適切な極性のプロトン性溶媒(例えば、MeOH、EtOH等)中、室温または還流温度で起こり、つづいてイミンを還元剤(例えば、シアノホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム等)で還元させて中間体3を得ることができる。中間体3は、限定されないが、次の方法を含む、当業者によって理解される多くの既知の方法を用いて種々の異なる変形に供され、式Iの変種を得ることができる。
【0109】
アミド:中間体4は、商業的供給源より得ることができるか、または当業者によって容易に理解される既知の方法により合成され得る。中間体4は、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化オキサリル、メチルまたはエチルクロロホルメート等)を、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中、-30℃と0℃の間にある温度で、用いてアシル化するのに活性化され得る。その活性化された酸の中間体を次に中間体3と塩基(例えば、ピリジン、DMAP、2-(ジメチルアミノ)ピリジン、N-メチルモルホリン等、またはこれらの少なくとも2種の組み合わせ)の存在下で反応させ、式Iの化合物を生成することができる。
【0110】
尿素:中間体3は、塩基(例えば、EtN、DIPEA、ピリジン等)の存在下、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、DCE等)中、室温でイソシアネートとの処理に供し、式Iで示される尿素を得ることができる。あるいはまた、該中間体3は、塩基(例えば、EtN、DIPEA等)の存在下、溶媒(例えば、DCM、DCE等)中、0℃ないし室温でトリホスゲンで処理されて活性化され得る。その活性化された中間体3は、次に、塩基(例えば、EtN、DIPEA等)の存在下、溶媒(例えば、DCM、DCE等)中、室温にて置換されたアルキルまたはアリールまたはヘテロアリールアミンで処理され、式Iで示される尿素を得ることができる。
【0111】
カルバメート:中間体3は、塩基(例えば、EtN、DIPEA、ピリジン等)の存在下、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、DCE、THF等)中、0℃ないし室温にてクロロホルメート(またはカルボネートとして活性化されるアルコール)で処理され、式Iで示されるカルバメートを得ることができる。
【0112】
中間体1(a-h)(スキーム1)は、限定されないが、次の方法を含む、当業者によって理解される既知の多数の方法を用い、スキーム2-10に記載されるように種々の方法にてアクセスされ得る。
【0113】
スキーム2
【化18】
【0114】
スキーム2は中間体1aの合成を記載する。中間体5は、商業的供給源より得ることができるか、または当業者によって容易に理解される既知の方法により合成され得る。中間体5は、塩基(例えば、KCO、NaCO等)の存在下、極性のプロトン性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール等)中、アルキル 2-(ジメトキシホスホリル)アセテートとの反応に供せられ、中間体6を得ることができる。中間体6は、限定されないが、塩化スズ(II)などの試薬の存在下、極性のプロトン性溶媒(例えば、水)中で加熱するなどの記載の条件を含む、当業者によって理解される条件を用い、中間体1aに還元され得る。こうして得られる中間体1aは、スキーム1にて記載されるように式Iの化合物に変換され得る。
【0115】
スキーム3
【化19】
【0116】
スキーム3は中間体1bの合成を記載する。スキーム2の記載に従って合成される中間体1aは、メチルエステルのアルカリ水酸化物の塩基での加水分解に供され、中間体7を得ることができる。中間体7は、アミド結合カップリング試薬(例えば、CDI、BOP、EDC等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、THF、1,4-ジオキサン、DMF等)中、室温で用いて、種々のアミドオキシム(ヒドロキシルアミンとの反応によって対応するニトリルより誘導される;Hirawat, S.ら、WO 2006/110483を参照のこと)とカップリングさせることができる。非環状中間体は、その後で高温(60℃ないし100℃)で環化され得る。あるいはまた、系内環化は、中間体7をアミドオキシムと高温(60℃ないし100℃)でカップリングさせることによって達成され、中間体1bを得ることができる。
【0117】
スキーム4
【化20】
【0118】
スキーム4は中間体1cの合成を記載する。中間体8は、商業的供給源より得ることができるか、または当業者によって容易に理解される既知の方法により合成され得る。中間体8は、Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions, Armin de Meijere, Francois Diederich, 2 Volumes, Second, Revised and Enlarged Edition, 2004, ISBN: 3-527-30518-1、Wiley-VCHおよびその中に記載の参考文献に記載される、ヘック反応などの、金属触媒のクロスカップリング反応を用い、オレフィン合成に供せられ得る。中間体8は、ジクロロビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(II)および臭化テトラブチルアンモニウムなどの金属触媒の存在下、塩基(EtN、DIPEA等)の存在下にて溶媒(DMAc、DMF等)中、加熱条件下でオレフィンカップリングパートナーで処理され、中間体1cを得ることができる。
【0119】
スキーム5
【化21】
【0120】
スキーム5は中間体1cを合成する別の方法を記載する。中間体9は、商業的供給源より得ることができるか、または当業者によって容易に理解される既知の方法により合成され得る。中間体9は、Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions, Armin de Meijere, Francois Diederich, 2 Volumes, Second, Revised and Enlarged Edition, 2004, ISBN: 3-527-30518-1、Wiley-VCHおよびその中に記載の参考文献に記載される、ヘック反応などの、金属触媒のクロスカップリング反応を用い、オレフィン合成に供せられ得る。中間体9は、ジクロロビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(II)および臭化テトラブチルアンモニウムなどの金属触媒の存在下、塩基(EtN、DIPEA等)の存在下にて溶媒(DMAc、DMF等)中、加熱条件下でオレフィンカップリングパートナーで処理され、中間体10を得ることができる。中間体10は、限定されないが、塩化スズ(II)などの試薬の存在下、極性のプロトン性溶媒(例えば、水)中で加熱するなどの記載の条件を含む、当業者によって理解される条件を用いて中間体1cに還元され得る。そうして得られた中間体1cは、スキーム1にて記載されるように、式Iの化合物に変換され得る。
【0121】
スキーム6
【化22】
【0122】
スキーム6は中間体1dの合成を記載する。中間体6はスキーム2に記載されるように合成され得る。中間体6は、メチルエステルのアルカリ水酸化物の塩基での加水分解に供され、中間体11を得ることができる。中間体11は、アシル化のために、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化オキサリル、メチルまたはアルキルクロロホルメート等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中にて-30℃と0℃との間にある温度で用いて活性化され得る。その活性化された酸の中間体を、次に中間体12と、塩基(例えば、ピリジン、DMAP、2-(ジメチルアミノ)ピリジン、N-メチルモルホリン等、またはこれらの少なくとも2種の組み合わせ)の存在下で反応させ、中間体13を生成し得る。中間体12は、商業的供給源より得ることができるか、または当業者によって容易に理解される既知の方法により合成され得る。中間体13は、限定されないが、塩化スズ(II)などの試薬の存在下、極性のプロトン性溶媒(例えば、水)中で加熱するなどの記載の条件を含む、当業者によって理解される条件を用いて中間体1dに還元され得る。そうして得られた中間体1dは、スキーム1にて記載されるように、式Iの化合物に変換され得る。
【0123】
スキーム7
【化23】
【0124】
スキーム7は中間体1eの合成を記載する。中間体10はスキーム5に記載されるように合成され得る。中間体10は、メチルエステルのアルカリ水酸化物の塩基での加水分解に供され、中間体14を得ることができる。中間体14は、アシル化のために、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化オキサリル、メチルまたはアルキルクロロホルメート等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中にて-30℃と0℃との間にある温度で用いて活性化され得る。その活性化された酸の中間体を、次に中間体12と、塩基(例えば、ピリジン、DMAP、2-(ジメチルアミノ)ピリジン、N-メチルモルホリン等、またはこれらの少なくとも2種の組み合わせ)の存在下で反応させ、中間体15を生成し得る。中間体12は、商業的供給源より得ることができるか、または当業者によって容易に理解される既知の方法により合成され得る。中間体15は、限定されないが、塩化スズ(II)などの試薬の存在下、極性のプロトン性溶媒(例えば、水)中で加熱するなどの記載の条件を含む、当業者によって理解される条件を用いて中間体1eに還元され得る。そうして得られた中間体1eは、スキーム1にて記載されるように、式Iの化合物に変換され得る。
【0125】
スキーム8
【化24】
【0126】
スキーム8は中間体1fの合成を記載する。中間体9は、商業的供給源より得ることができるか、または当業者によって容易に理解される既知の方法により合成され得る。中間体9は、限定されないが、Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions, Armin de Meijere, Francois Diederich, 2 Volumes, Second, Revised and Enlarged Edition, 2004, ISBN: 3-527-30518-1、Wiley-VCHおよびその中に記載の参考文献に記載される、反応を含め、当業者によって理解される多くの既知の方法を用いて金属触媒の薗頭カップリング反応に供せられ得る。中間体9は、DMFなどの極性の非プロトン性溶媒中、EtNなどの塩基、およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドおよびヨウ化銅(I)などの金属触媒の存在下にある加熱条件下にて、適切なアルキンカップリングパートナーとの反応に供され、中間体16を得ることができる。中間体16は、限定されないが、鉄の存在下、酢酸および塩化アンモニウムと一緒に極性のプロトン性溶媒(例えば、水およびイソプロピルアルコール)中にて加熱するなどの記載の条件を含む、当業者によって理解される条件を用いて中間体1f
に還元され得る。そうして得られた中間体1fは、スキーム1にて記載されるように、式Iの化合物に変換され得る。
【0127】
スキーム9
【化25】
【0128】
スキーム9は中間体1gの合成を記載する。中間体17は、商業的供給源より得ることができるか、または当業者によって容易に理解される既知の方法により合成され得る。中間体17は、臭素の存在下、加熱条件下にてAlClとの処理に供され、対応するブロモ置換の中間体18を得ることができる。ブロモ中間体18は、NaHなどの塩基および炭酸ジメチルの、乾燥トルエン中での存在下、加熱条件下にてアシル化に供され、中間体19を得ることができる。中間体19は、還元剤(例えば、NaBH、DIBAL-H等)により極性のプロトン性溶媒(例えば、MeOH、EtOH等)中で還元に供され、sec-アルコール20を得、それを加熱条件下にてp-TSAで処理して脱離反応に供し、中間体21を得ることができる。中間体21は、Pd(dba)などの金属触媒および適切なリガンド(限定されないが、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテンなどのリガンドを含む)の存在下、カップリングパートナーであるtert-ブチル カルバメートと、塩基としてのCsCOと一緒にバックワルドカップリングに供され、Boc保護のアニリン中間体22を得ることができる。中間体22は、溶媒(例えば、DCM、THF等)中、酸(例えば、TFA、HCl/ジオキサン等)で脱保護に付され、中間体1gを得ることができる。
【0129】
スキーム10
【化26】
【0130】
スキーム10は中間体1hの合成を記載する。中間体21はスキーム9にて記載されるように合成され得る。中間体21は、メチルエステルのアルカリ水酸化物の塩基での加水分解に供され、中間体23を得ることができる。中間体23は、アシル化のために、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化オキサリル、メチルまたはアルキルクロロホルメート等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中にて-30℃と0℃との間にある温度で用いて活性化され得る。その活性化された酸の中間体を、次に中間体12と、塩基(例えば、ピリジン、DMAP、2-(ジメチルアミノ)ピリジン、N-メチルモルホリン等、またはこれらの少なくとも2種の組み合わせ)の存在下で反応させ、中間体24を生成し得る。中間体12は、商業的供給源より得ることができるか、または当業者によって容易に理解される既知の方法により合成され得る。中間体24は、連続的なアミノ化および脱保護工程を介してスキーム9にて記載される条件を用いて中間体1hに変換され得る。そうして得られた中間体1hは、スキーム1にて記載されるように、式Iの化合物に変換され得る。
【0131】
中間体2(スキーム1)は、限定されないが、次の方法を含む、当業者によって理解される多くの既知の方法を用いて、スキーム11にて記載されるように種々の方法にてアクセスされ得る。
【0132】
スキーム11
【化27】
【0133】
スキーム11は中間体2の合成を記載する。商業的に入手可能な4-(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸25はヘテロ環式環合成に供せられ、中間体26の化合物を得ることができる。
【0134】
ヘテロ環形成(A):化合物25のカルボン酸部分は、限定されないが、次の方法を含む、当業者によって理解される多くの既知の方法を用いて、種々のヘテロ環(A)に変換され得る:
【0135】
A=1,2,4-オキサジアゾール:中間体25は、アミド結合カップリング試薬(例えば、CDI、BOP、EDC等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、THF、1,4-ジオキサン、DMF等)中、室温で用いて、種々のアミドオキシム(ヒドロキシルアミンとの反応によって対応するニトリルより誘導される;Hirawat, S.ら、WO 2006/110483を参照のこと)とカップリングさせることができる。その非環状中間体は、その後で、高温(60℃ないし100℃)にて環化され得る。あるいはまた、系内環化が、酸25とアミドオキシムとのカップリングを高温(60℃ないし100℃)で行うことにより達成され得る。
【0136】
A=1,2,5-オキサジアゾール:中間体25は、Brostrom, J.ら、J. Med. Chem. 2012, 55, 1817-1830およびその中に記載の参考文献にて記載されるように、1,2,5-オキサジアゾールに変換され得る。
A=1,3,4-オキサジアゾール、またはA=1,3,4-チアジアゾール:中間体25は、アミド結合カップリング試薬(例えば、CDI、BOP、EDC等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、THF、1,4-ジオキサン、DMF、MeCN等)中で用い、酢酸ヒドラジド(WO 2014/071247、Bradner, J.E.ら)とカップリングさせることができる。その非環状のヒドラジド中間体は、次に、4-トルエンスルホン酸(Stabile, P.ら、Tetrahedron Lett. 2010, 51, 4801-4805)またはローソン試薬(Kitamura, S.ら、PCT国際出願2008011130(2008))を用いて、各々、1,3,4-オキサジアゾールまたは1,3,4-チアジアゾールのいずれかに環化され得る。
【0137】
A=3-置換の5-アルキル-1-メチル-1H-ピラゾール:メチルケトンは中間体25の塩基および酸クロリドで処理され、ジケトンを得ることができ、それをエタノールなどの極性のプロトン性溶媒中にて還流温度で反応させてエステル26(Aはアルキル置換または非置換のピラゾールである)を得た。(Cadilla, R.ら、WO 03/074495 A1に記載されるとおりである)
A=イソキサゾール:上記される中間体25から製造されるジケトンは、塩酸ヒドロキシルアミンと、エタノールなどの極性のプロトン性溶媒中、還流温度で反応させてエステル26(Aはアルキル置換のイソキサゾールである)を得た(Cadilla, R.ら、WO 03/074495 A1に記載されるとおりである)。
【0138】
A=5-(3-アルキル-1-メチル-1H-ピラゾール):上記される中間体25から製造されるジケトンは、アルキルヒドラジンと、エタノールなどの極性のプロトン性溶媒中、還流温度で反応させてエステル26(Aはアルキル置換のピラゾールである)を得た。
A=置換ヘテロアリール:中間体25は、硝酸銀および過硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウムの溶媒としてDCM(または炭素中心基を生成するのに使用され得るいずれか他の条件)および水の混合液中での存在下、外界温度で、置換ヘテロアリール化合物(ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、キノリン、ピラゾール等)とのミニッシ反応に供され、エステル26を得ることができる(Ling-Bo, Quら、Org. Biomol. Chem., 2015, 13, 2750-2755およびReview:Duncton, M.A. J. Med. Chem. Commun., 2011, 2, 1135-1161およびその中に記載の参考文献にて記載されるとおりである)。
【0139】
A=2-ベンゾチアゾール:
方法A:中間体25は、アミド結合カップリング試薬(例えば、BOP、T3P、EDC等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCE、THF等)中で用い、置換2-アミノベンゼンチオール(一般に、Chedekel, M.R.ら、Synth. Commun. 1980, 10, 167-173を参照のこと;種々の2-アミノベンゼンチオールの合成)とカップリングさせることができる。そのカップリング反応は、高温(60℃~80℃)で行うことができ、それによって環状2-ベンゾチアゾールの系内での形成が達成される。
方法B:あるいはまた、中間体25は、アミド結合カップリング試薬(例えば、T3P、BOP等)を用いて、あるいはアシル化するためにいずれか多数の試薬(例えば、塩化オキサリル、POCl等)を用いて中間体25を活性化することにより、置換2-クロロアニリン(商業的に入手可能)とカップリングさせることができる。得られたカルボキシアミドは、ローソン試薬を用いて高温(120℃)で処理され、それによって2-ベンゾチアゾールとする系内環化が達成される。
【0140】
A=2-ベンズオキサゾール:中間体25は、アミド結合カップリング試薬(例えば、BOP、EDC等)を、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMF、THF等)中で用い、置換2-アミノフェノール(商業的に入手可能)とカップリングさせることができる。環化は、トシル酸の存在下にある還流トルエン中で達成され得る。
A=2-ベンズイミダゾール:中間体25は、アミド結合カップリング試薬(例えば、TBTU、T3P、PyBOP等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMF、NMP等)中で用い、エチル 3,4-ジアミノベンゾエートとカップリングさせることができ、ついで酸性条件(AcOHニート)下の高温(115℃)で2-ベンズイミダゾールに環化される。
A=2-キナゾリン:中間体25は、アミド結合カップリング試薬(例えば、HBTU、EDC、PyBOP等)を、極性の非プロトン性溶媒(例えば、MeCN、THF等)中で用い、4-アミノ-3-(アミノメチル)ベンゾエート・二塩酸塩(Pascal, R.ら、Eur. J. Org. Chem. 2000, 22, 3755-3761)とカップリングさせることができる。環化は、酸性条件(AcOHニート)下の高温(115℃)で達成され得る。得られたジヒドロキナゾリン中間体は、DDQなどの酸化剤を用いて2-キナゾリンに酸化され得る。
【0141】
A=1-トリアゾール:中間体25は、(Shioiri, T.ら、J. Am. Chem. Soc. 1972, 94, 6203-6205に記載されるように)クルチウス転位を介して対応するアミンに変換され得る。そのアミンは、(Boren, B.C.ら、J. Am. Chem. Soc., 2008, 130, 8923-8930に記載されるように)p-トルエンスルホニルアジドなどの試薬で処理されることで対応するアジドに変換され、それを適切なアルキンと反応させてトリアゾールを得ることができる。
A=置換1,2,4-トリアゾール:中間体25は、Charette, A.B.ら、Org. Lett., 2015, 17, 1184-1187に記載されるように、対応するヒドラジドに変換され、無水トリフルオロメタンスルホン酸および2-フルオロピリジンの存在下、加熱条件下にて置換カルボキシアミドとの反応に供され得る。
【0142】
「A」は、置換ならびに非置換のオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、イソキサゾール、トリアゾール、ピラゾールなどの他のヘテロ環であり得、参考文献:Wlochal, J.ら、Org. Lett. 2014, 16,4094-4097、およびその中に記載の参考文献に記載されるように合成され得る。あるいはまた、中間体25の酸官能基は、スキーム2~9に記載の方法を用い、その中に記載の参考文献に従って、ヘテロ環に変換され得る。
【0143】
中間体26は、塩素化またはエーテル性溶媒(例えば、DCM、エーテル、1,4-ジオキサン、THF等)中、還元剤(例えば、LAH、DIBAL-H、NaBH等)による還元に供され、中間体27を得ることができる。中間体27は、酸化条件(例えば、デス-マーチン・ペルヨージナン、スワーン酸化条件、PDC等)を用いて当業者によって理解される方法により酸化され、中間体2を得ることができる。
【0144】
スキーム12
【化28】
【0145】
スキーム12は、工程の順序を修飾した式Iの化合物を合成する別法を記載する。商業的に入手可能な4-(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸25は、水素化物をベースとする還元剤(例えば、LAH、DIBAL-H、NaBH等)の存在下にて還元に供され、中間体28を得ることができる。中間体28は、酸化条件(例えば、デス-マーチン・ペルヨージナン、スワーン酸化条件、PDC、PCC等)を用いて当業者によって理解される方法により中間体29に酸化され得る。中間体1および中間体29は、酢酸などの酸の存在下、適切な極性のプロトン性溶媒(例えば、MeOH、EtOH等)中、室温または還流温度で反応され、つづいて還元剤(例えば、シアノホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム等)で還元し、中間体30を得ることができる。中間体4は、アシル化を行うために、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化オキサリル、メチルまたはエチルクロロホルメート等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中、-30℃と還流温度との間にある温度で活性化され得る。その活性化された酸中間体は、塩基の存在下で中間体30と反応し、対応するアミドを生成する。その後でメチルエステルをアルカリ水酸化物の塩基で加水分解に付し、中間体31を得ることができる。中間体31は、限定されないが、スキーム11に記載の方法を含む、当業者によって理解される既知の方法を用いて、種々のヘテロ環(A)に変換され、式Iの化合物を得ることができる。
【0146】
あるいはまた、中間体29および中間体8は、当業者によって理解され得る既知の多くの方法を用いて還元アミノ化に供することができる。酢酸などの酸の適切な極性のプロトン性溶媒(例えば、MeOH、EtOH等)中での存在下、室温または還流温度でイミン合成に付し、つづいてイミンを還元剤(例えば、シアノホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム等)で還元して中間体30aを得た。中間体4は、アシル化のために、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化オキサリル、メチルまたはエチルクロロホルメート等)を、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中、-30℃と還流温度との間にある温度で用いて活性化され得る。その活性化された酸中間体を、塩基の存在下で中間体30aと反応させ、対応するアミドを生成することができる。その後でメチルエステルをアルカリ水酸化物の塩基で加水分解に付し、中間体31aを得ることができる。中間体31aは、限定されないが、スキーム11に記載の方法を含む、当業者によって理解される既知の方法を用いて、種々のヘテロ環(A)に変換され、中間体31bを得ることができる。中間体31bは、限定されないが、Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions, Armin de Meijere, Francois Diederich, 2 Volumes, Second, Revised and Enlarged Edition, 2004, ISBN: 3-527-30518-1、Wiley-VCHおよびその中に記載の参考文献に記載される方法を含む、当業者によって理解される多くの既知の方法を用いて金属触媒のクロスカップリング反応に供され得る。中間体31bは金属触媒の薗頭カップリングに供され得る。これらのカップリング反応は、金属触媒のPd(PPhClおよびCuIの存在下、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、DMFなどの極性の非プロトン性溶媒中、90℃で実施され得る。中間体31bのカップリング反応は置換アルキンなどの種々の適切なカップリングパートナーとで実施され、式Iで示される化合物を得ることができる。中間体31bは金属触媒のヘックカップリングに供され得る。これらのカップリング反応は、ジクロロビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(II)および臭化テトラブチルアンモニウムなどの金属触媒の存在下、塩基(EtN、DIPEA等)の存在下で、溶媒(DMAc、DMF等)中、加熱条件下にて実施され得る。中間体31bのカップリング反応は置換アルケン、アルケニルハライドまたはトリフレートなどの種々の適切なカップリングパートナーとで実施され、式Iで示される化合物を得ることができる。中間体31bは、Pd(dppf)Clなどのパラジウム触媒、および酢酸カリウムなどの塩基の存在下にて、溶媒(例えば、ジオキサン、DMSO等)中、還流温度でビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン等を用いてオルガノボロン試薬に変換され得、それを、鈴木カップリングにて、アルケン、アルケニルハライドまたはトリフレート等などの適切なカップリングパートナーとカップリングさせ、式Iで示される化合物を得ることができる。あるいはまた、中間体31bは、パラジウム触媒の存在下、溶媒(例えば、トルエン、THF等)中、還流温度でヘキサメチルジスズを用いてオルガノスズ試薬に変換され、それはスチルカップリングにてアルケニルハライドまたはトリフレートなどの適切なカップリングパートナーとのカップリングに供され(Sherer, B.ら、PCT国際出願 2016/039734、2016)、式Iで示される化合物を得ることができる。
【0147】
スキーム13
【化29】
【0148】
スキーム13は、工程の順序を修飾した式Iの化合物を合成する別法を記載する。
中間体30(スキーム12に記載)は、メチルエステルをアルカリ水酸化物の塩基で加水分解に供され、中間体32を得ることができる。中間体32は、限定されないが、スキーム11に記載の方法を含む、当業者によって理解される既知の多くの方法を用いて、種々のヘテロ環(A)に変換され、式33の化合物を得ることができる。中間体4は、アシル化のために、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化オキサリル、メチルまたはエチルクロロホルメート等)を、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCMまたはTHF)中、-30℃~還流温度の間にある温度で活性化され得る。その活性化された酸の中間体を塩基の存在下で中間体33と反応させて式Iの化合物を生成することができる。
【0149】
あるいはまた、中間体30a(スキーム12にて記載される)は、メチルエステルをアルカリ水酸化物の塩基で加水分解に供され、中間体32aを得ることができる。中間体32aは、限定されないが、スキーム11に記載の方法を含む、当業者によって理解される既知の多くの方法を用いて、種々のヘテロ環(A)に変換され、式33aの化合物を得ることができる。中間体4は、アシル化のために、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化オキサリル、メチルまたはエチルクロロホルメート等)を、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中、-30℃~還流温度の間にある温度で活性化され得る。その活性化された酸の中間体を塩基の存在下で中間体33aと反応させて中間体33bを生成することができる。中間体33bは、限定されないが、Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions, Armin de Meijere, Francois Diederich, 2 Volumes, Second, Revised and Enlarged Edition, 2004, ISBN: 3-527-30518-1、Wiley-VCHおよびその中に記載の参考文献に記載される方法を含む、当業者によって理解される多くの既知の方法を用いて金属触媒のクロスカップリング反応に供され得る。中間体33bのカップリング反応は、置換アルキンなどの種々の適切なカップリングパートナーを用いて実施され、式Iで示される化合物を得ることができる。中間体33bは金属触媒のヘックカップリングに供され得る。これらのカップリング反応は、ジクロロビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(II)および臭化テトラブチルアンモニウムなどの金属触媒の存在下、塩基(EtN、DIPEA等)の存在下で、溶媒(DMAc、DMF等)中、加熱条件下にて実施され得る。中間体33bのカップリング反応は置換アルケン、アルケニルハライドまたはトリフレートなどの種々の適切なカップリングパートナーとで実施され、式Iで示される化合物を得ることができる。中間体33bは、Pd(dppf)Clなどのパラジウム触媒、および酢酸カリウムなどの塩基の存在下にて、溶媒(例えば、ジオキサン、DMSO等)中、還流温度でビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン等を用いてオルガノボロン試薬に変換され得、それを、鈴木カップリングにて、アルケン、アルケニルハライドまたはトリフレート等などの適切なカップリングパートナーとカップリングさせ、式Iで示される化合物を得ることができる。あるいはまた、中間体33bは、パラジウム触媒の存在下、溶媒(例えば、トルエン、THF等)中、還流温度でヘキサメチルジスズを用いてオルガノスズ試薬に変換され、それはスチルカップリングにてアルケニルハライドまたはトリフレートなどの適切なカップリングパートナーとのカップリングに供され(Sherer, B.ら、PCT国際出願 2016/039734、2016)、式Iで示される化合物を得ることができる。
【0150】
スキーム14
【化30】
【0151】
スキーム14は、Aが3-(5-置換の1,2,4-オキサジアゾリル)環である、中間体40の合成を記載する。商業的に入手可能な4-(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸25は、DCM、DMF等などの溶媒ならびにEtN、DIPEA等などの有機塩基の存在下、外界温度にて塩化アンモニウムの存在下にてBOP、HATU等などの活性化剤を用いて処理することによりアミド合成に供せられ、中間体34を得ることができる。中間体34は、ピリジン中にて0℃で無水トリフルオロ酢酸で処理することにより、またはPOClおよびイミダゾールなどの塩基で処理することにより、中間体35に変換され得る。中間体36は、中間体35をヒドロキシルアミンと反応させることにより合成され得る;Hirawat, S.ら、WO 2006/110483を参照のこと。多様に置換された中間体37は、アミド結合カップリング試薬(例えば、CDI、BOP、EDC等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、THF、1,4-ジオキサン、DMF等)中にて室温で用いて、中間体36とカップリングされ得る。非環状中間体は、その後で、高温(60℃ないし100℃)で環化に供され得る。あるいはまた、系内環化は、酸37の、アミドオキシム36の高温(60℃ないし100℃)でのカップリングを行うことにより達成され、式38の中間体を得ることができる。中間体38の還元は、水素化物をベースとする還元剤(例えば、LAH、DIBAL-H、NaBH等)の、DCM、エーテル、1,4-ジオキサン、THF等などの塩素化またはエーテル性溶媒中での存在下で達成され、中間体39を得ることができる。中間体39は、酸化条件(例えば、デス-マーチン・ペルヨージナン、スワーン酸化条件、PDC、PCC等)を用いて当業者によって理解される方法により、中間体40に酸化され得る。中間体40は、スキーム1にて記載される工程によって、式Iの化合物に変換され得る。
【0152】
スキーム15
【化31】
【0153】
スキーム15は式I(a-d)の化合物の合成を記載する。式31で示される中間体(スキーム12に記載の合成)は、エステル化に供され得る。中間体31は、アシル化のために、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化オキサリル、メチルまたはエチルクロロホルメート等)を、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中、-30℃と還流温度との間にある温度で用いて活性化され得る。その活性化された酸の中間体は、塩基の存在下にてアルコールと反応し、式Iaの化合物を生成することができる。中間体31は、酸を、塩基(例えば、EtN、DIPEA等)の存在下にある溶媒(例えば、DCM、DMF等)中にて外界温度で、または塩化アンモニウムまたは置換アミン(例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール等)の存在下にて加熱条件で、活性化剤(例えば、BOP、CDI、HATU等)を用いて活性化することによりアミド合成に供せられ、式Ibのアミドを得ることができる。中間体31は、塩基(例えば、EtN、DIPEA等)および塩化アンモニウムの外界温度での存在下、活性化剤(例えば、BOP、CDI、HATU等)の溶媒(例えば、DCM、DMF等)中での処理により一次アミド合成に供せられ得る。そうして得られた一次アミドは、i)0℃のピリジン中にて無水トリフルオロ酢酸、またはii)POClおよびイミダゾール、で処理され、式Icのニトリルを得ることができる。中間体31は、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化オキサリル、メチルまたはエチルクロロホルメート等)を、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCMまたはTHF)中にて、-30℃と還流温度との間にある温度で用いて活性化され得る。その活性化された酸の中間体は、塩基(例えば、ピリジン、DMAP、2-(ジメチルアミノ)ピリジン、N-メチルモルホリン等)の極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中での存在下、0℃と90℃との間にある温度で、スルホンアミドと反応させ、式Idのスルホンアミドを生成し得る。
【0154】
スキーム16
【化32】
【0155】
スキーム16は中間体2aの合成を記載する。中間体52は、Singh, S.B.ら(ACS Med. Chem. Lett. 2014, 5, 609-614)によって記載される方法に従って、合成され得る。中間体53は、エーテル性溶媒(例えば、THF、1,4-ジオキサン等)中、-78℃と0℃の間で変化する温度でn-BuLiで脱保護され、ついで中間体52と反応させて中間体54を得ることができる。中間体54は、アルカリ水酸化物の塩基の存在下にて高温(70℃)で環化され、中間体55を形成し得る。チオアセタールの脱保護は、任意の多数の試薬(例えば、NCS、Hg(ClO、DDQ等)を用いて達成され、アルデヒドを提供し、それは酸化剤(NaClO、PCC、PDC、KMnO等)を用いることで酸に酸化され、ついでその後にヨードメタンとの反応でエステル化され、中間体56を提供し得る。該中間体56はアルカリ水酸化物の塩基でその後に加水分解に付され、中間体57を提供し得る。中間体57は、限定されないが、スキーム11に記載の方法を含む、当業者によって理解される既知の方法を用いて種々のヘテロ環(A)に変換され、中間体58の化合物を得ることができる。中間体58は、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMF、NMP等)中にて高温(120℃)で酢酸塩(例えば、CsOAc、KOAc等)で処理され、対応するアセテートを提供することができ、それをその後で酸性条件(HCl)下の加水分解に付し、中間体59を得た。中間体59は、酸化条件(例えば、デス-マーチン・ペルヨージナン、スワーン酸化条件、PDC、PCC等)を用いて当業者によって理解される方法によって酸化され、式2aの化合物を得ることができる。中間体2aはスキーム1に記載の工程を用いることで式Iの化合物に変換され得る。
【0156】
スキーム17
【化33】
【0157】
スキーム17は中間体2bを合成する別の方法を記載する。中間体52は、Singh, S. B.ら(ACS Med. Chem. Lett. 2014, 5, 609-614)に記載の方法に従って合成され得る。ハロゲン化されたヘテロ環60(商業的に入手可能であるか、または当業者に既知の方法により得られる)は、エーテル性溶媒(例えば、THF、1,4-ジオキサン等)中、-78℃と0℃の間で変化する温度で、(n-BuLi、s-BuLi、MeLi等)などの塩基で処理され、ついでケトン52と反応させて中間体61を得ることができる。中間体61は、アルカリ水酸化物の塩基の存在下にて高温(70℃)で環化され、中間体62を得ることができる。中間体62は、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMF、NMP等)中にて高温(120℃)で酢酸塩(例えば、CsOAc、KOAc等)で処理され、対応するアセテートを提供することができ、それをその後で酸性条件(HCl)下の加水分解に付し、中間体63を得た。中間体63は、酸化条件(例えば、デス-マーチン・ペルヨージナン、スワーン酸化条件、PDC、PCC等)を用いて当業者によって理解される方法によって酸化され、中間体式2bを得ることができる。中間体2bはスキーム1に記載の工程を用いることで式Iの化合物に変換され得る。
【0158】
スキーム18A
【化34】
【0159】
スキーム18Aは式Iの化合物を合成する別の方法を記載する。中間体57(スキーム16にて記載されるように合成される)は、水素化物をベースとする還元剤(例えば、LAH、DIBAL-H、NaBH等)の存在下にて還元に供され、中間体64を得ることができる。中間体64は、酸化条件(例えば、デス-マーチン・ペルヨージナン、スワーン酸化条件、PDC、PCC等)を用いて当業者によって理解される方法によりアルデヒド65に酸化され得る。中間体1および中間体65は、酢酸などの酸の存在下、適切な極性のプロトン性溶媒(例えば、MeOH、EtOH等)中、室温または還流温度で、当業者によって理解され得る既知の多数の方法を用いて還元アミノ化に供され、つづいてイミンを還元剤(例えば、シアノホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム等)で還元し、中間体66を得ることができる。中間体66は、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMF、NMP等)中、高温(120℃)で酢酸塩(例えば、CsOAc、KOAc等)で処理され、対応するアセテートを得、それをその後で酸性条件(HCl)下にて加水分解に付し、中間体67を得ることができる。中間体67は、酸化剤(NaClO、PCC、PDC、KMnO等)を用いて酸に酸化され、つづいて限定されないが、スキーム11に記載の方法を含む、当業者によって理解される既知の方法を用いて、様々なヘテロ環(A)の合成に供され、中間体68を得ることができる。中間体4は、アシル化のために、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化オキサリル、メチルまたはエチルクロロホルメート等)を用いて、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中、-30℃と還流温度との間にある温度で活性化され得る。活性化された酸の中間体は、塩基の存在下で、中間体68と反応して式Iの化合物を生成し得る。
【0160】
スキーム18B
【化35】
【0161】
スキーム18Bは式Iの化合物を合成する別の方法を記載する。中間体86および中間体65(スキーム18Aに記載される)は、酢酸などの酸の存在下、適切な極性のプロトン性溶媒(例えば、MeOH、EtOH等)中、室温または還流温度で、当業者によって理解され得る既知の多数の方法を用いて還元アミノ化に供され、つづいてイミンを還元剤(例えば、シアノホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム等)で還元し、中間体66aを得ることができる。中間体66aは、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMF、NMP等)中、高温(120℃)で酢酸塩(例えば、CsOAc、KOAc等)で処理され、対応するアセテートを得、それをその後で酸性条件(HCl)下にて加水分解に付し、中間体67aを得ることができる。中間体67aは、酸化剤(NaClO、PCCまたはPDC、KMnO等)を用いることで酸に酸化され、つづいて限定されないが、スキーム11に記載の方法を含む、当業者によって理解される既知の方法を用いて、様々なヘテロ環(A)の合成に供され、中間体68aを得ることができる。中間体68aは、スキーム13に記載の工程に従うことによって、連続的なアミド合成およびカップリングを介して式Iの化合物に変換され得る。
【0162】
スキーム19
【化36】
【0163】
スキーム19は式Iの化合物を合成する別の方法を記載する。中間体2は、エーテル性溶媒(EtO、THF等など)中、-78℃と0℃との間で変化する温度でオルガノマグネシウム試薬との処理に供され、中間体70を得ることができる。中間体70は、デス-マーチン・ペルヨージナン、PDCまたはPCC等などの酸化剤を用いる、酸化条件下にて当業者によって理解される方法により中間体71に酸化され得る。中間体71および中間体1は、(MeOH、EtOH等などの)極性のプロトン性溶媒中にあって、外界温度で、トリエチルシランおよび塩化インジウムで処理して式72の中間体を得ることができる。中間体4は、アシル化のために、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化オキサリル、メチルまたはエチルクロロホルメート等)を用いて、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中、-30℃と還流温度との間にある温度で活性化され得る。活性化された酸の中間体は、塩基の存在下で、中間体72と反応して式Iの化合物を生成し得る。
【0164】
スキーム20
【化37】
【0165】
スキーム20は式I(e-g)の化合物(ここで、「A」はアミド、スルホンアミド、尿素またはカルバメートである)の合成を記載する。中間体25は、(Shioiri, T.ら、J. Am. Chem. Soc. 1972, 94, 6203-6205に記載されるように)クルチウス転位を介して対応する中間体73に変換され得る。中間体73は、水素化物をベースとする還元剤(例えば、LAH、DIBAL-H、NaBH等)の存在下にて還元に供され、中間体74を得ることができる。中間体74は、酸化条件(例えば、デス-マーチン・ペルヨージナン、スワーン酸化条件、PDC、PCC等)を用いて当業者によって理解される方法によりアルデヒド75に酸化され得る。中間体1および中間体75は、酢酸などの酸の存在下、適切な極性のプロトン性溶媒(例えば、MeOH、EtOH等)中、室温または還流温度で、当業者によって理解され得る多数の既知の方法を用い、還元アミノ化に供され、つづいてイミンを還元剤(例えば、シアノホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム等)で還元し、中間体76を得ることができる。中間体4は、アシル化を行うために、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化オキサリル、メチルまたはエチルクロロホルメート等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中、-30℃と還流温度との間にある温度で活性化され得る。その活性化された酸中間体は、塩基の存在下で中間体76と反応し、対応するアミドを生成することができる。アミド中間体は、室温でトリフルオロ酢酸を用い、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中にてBoc-脱保護に供され、中間体77を得ることができる。中間体77は、限定されないが、次の方法を含む、当業者によって理解される多くの既知の方法を用いて種々の異なる変形に供され、式Iの変種を得ることができる。
【0166】
アミド:中間体77は、活性化された酸の中間体と、塩基(例えば、ピリジン、DMAP、2-(ジメチルアミノ)ピリジン、N-メチルモルホリン等)の存在下、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中で反応し、式Ieのアミドを生成し得る。
スルホンアミド:中間体77は、塩基(例えば、ピリジン、DMAP、2-(ジメチルアミノ)ピリジン、N-メチルモルホリン等)の存在下、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中、0℃と90℃との間にある温度で塩化スルホニルで処理され、式Ifのスルホンアミドを生成し得る。
【0167】
尿素:中間体77は、塩基(例えば、EtN、DIPEA、ピリジン等)の存在下、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、DCE等)中、室温でイソシアネートでの処理に供され、式Igで示される尿素を得ることができる。あるいはまた、中間体77は、塩基(例えば、EtN、DIPEA等)の存在下、溶媒(例えば、DCM、DCE等)中、0℃ないし室温でトリホスゲンを用いて処理することにより活性化され得る。その活性化された中間体3は、次に、塩基(例えば、EtN、DIPEA等)の存在下、溶媒(例えば、DCM、DCE等)中、室温にて置換アルキルまたはアリールまたはヘテロアリールアミンで処理され、式Igで示される尿素を得ることができる。
【0168】
カルバメート:中間体77は、塩基(例えば、EtN、DIPEA、ピリジン、t-BuOK等)の存在下、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、DCE、THF等)中、0℃ないし室温でクロロホルメート(またはカルボネートとして活性化されたアルコール)で処理され、式Ihで示されるカルバメートを得ることができる。
【0169】
スキーム21
【化38】
【0170】
スキーム21は中間体82(ここで、Aは3-(5-置換の1,2,4-オキサジアゾリル)環である)の合成を記載する。中間体30a(スキーム12の記載とおりに合成される)は、アルカリ水酸化物の塩基で加水分解され、中間体78を得ることができる。中間体78は、酸を、塩基(例えば、EtN、DIPEA等)の存在する極性の非プロトン性溶媒(DCM、DMF等)中、外界温度で、塩化アンモニウムの存在下にて活性化剤(BOP、CDI、HATU等)で活性化することにより第1アミド合成に供され、中間体79を得ることができる。中間体79は、限定されないが、試薬(POCl、SOCl、TFAA等)および塩基(イミダゾール、EtN、DIPEA等)を用いる処理を含む、当業者に理解される様々な方法を用いて、中間体80に変換され得る。中間体81は、中間体80をヒドロキシルアミンと反応させることにより合成され得る;Hirawat, S.ら、WO 2006/110483を参照のこと。中間体37は、商業的供給源より得ることができるか、または当業者によって容易に理解される既知の方法により合成され得る。中間体37は、アミド結合カップリング試薬(例えば、CDI、BOP、EDC等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、THF、1,4-ジオキサン、DMF等)中にて室温で用いて、中間体81とカップリングさせることができる。非環状中間体は、その後で、高温(60℃~100℃)で環化され得る。あるいはまた、系内環化が、中間体37と中間体81とを高温(60℃~100℃)でカップリングさせることにより達成され、オキサジアゾール82を得ることができる。中間体82は、スキーム13に記載されるように、連続的なアミド合成およびカップリングを介して式Iの化合物に変換され得る。
【0171】
スキーム22
【化39】
【0172】
スキーム22は式Iの化合物(ここで「A」はフェニルである)の合成を記載する。商業的に入手可能な4-(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸25は、溶媒としてのジブロモメタン中、酸化水銀の存在下、加熱条件下にて臭素を用いる臭素化に供され、中間体90を得ることができる(Owenら、PCT国際出願 2014113485、2014に記載されるとおりである)。中間体90は、Piyasenaら、PCT国際出願 2015005901、2015に記載される条件下でベンゼン中、AlClの存在下にて中間体91に変換され得る。中間体91は、CHCl中、室温でのトリフルオロ酢酸銀および臭素の存在下にて臭素化に供され、中間体92を得ることができる(Piyasenaら、PCT国際出願 2015005901、2015に記載されるとおりである)。中間体92は、水素化物をベースとする還元剤(例えば、LAH、DIBAL-H、NaBH等)の存在下での還元に供され、中間体93を得ることができる。中間体93は、酸化条件(例えば、デス-マーチン・ペルヨージナン、スワーン酸化条件、PDC、PCC等)を用いて当業者によって理解される方法によりアルデヒド94に酸化され得る。中間体1および中間体94は、酢酸などの酸の存在下、適切な極性のプロトン性溶媒(例えば、MeOH、EtOH等)中、室温または還流温度で、当業者によって理解され得る多数の既知の方法を用い、還元アミノ化に供され、つづいてイミンを還元剤(例えば、シアノホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム等)で還元し、中間体95を得ることができる。中間体4は、アシル化を行うために、当業者によって理解され得る多数のいずれかの試薬(例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化オキサリル、メチルまたはエチルクロロホルメート等)を極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中、-30℃と還流温度との間にある温度で活性化され得る。その活性化された酸の中間体は、塩基の存在下で中間体95と反応し、中間体96を生成することができる。中間体96は、必要に応じて、金属触媒(例えば、CuBr、Pd(OAc)、Pd(dba)、Pd(PPh、Pd(PPhCl、Pd(dppf)Cl等)および適切なリガンド(限定されないが、トリシクロヘキシルホスフィン、dppf等などのリガンドを含む)の存在下にて、種々の金属触媒反応(限定されないが、ウルマン、鈴木、バックワルド、スチルカップリング等などの反応を含む)に供され得る。中間体96のウルマンおよびバックワルドカップリング反応は、アルキルまたはアリールまたはヘテロアリールアミン、チオール、およびアルコール等などの種々のカップリングパートナーとで実施され得る。中間体96の鈴木、スチルカップリング反応は、アルケニル、アリール、またはヘテロアリールボロン酸、ボロン酸エステル、オルガノスズ試薬等などの種々のカップリングパートナーとで実施され得る。該カップリング反応は、必要に応じて、塩基(限定されないが、NaCO、KCO、NaHCO、KPO、NaOtBu等を含む)および溶媒(例えば、ジオキサン、THF、DME、トルエン、メタノール、DMF、水等、あるいはこれらの溶媒の2または3種の混合液)の存在下、加熱条件下にて実施され、中間体1の化合物を得ることができる。
【0173】
スキーム23
【化40】
【0174】
スキーム23は中間体99の合成を記載する。商業的に入手可能な4-(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸25は、スキーム2に記載されるように、臭素化に、つづいて適宜置換されたアレンの存在下にてフリーデル-クラフトアリール化反応に供せられ、中間体97を得ることができる。あるいはまた、中間体97は、脱カルボキシル的な根岸または鈴木型クロスカップリング反応を介して合成され得る。中間体25は、N-ヒドロキシフタルイミドエステルまたはN-ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル等として、レドックス活性なエステルとして活性化され、Torriyama, F.ら、J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 11132-11135およびその中で引用される参考文献に記載されるように、金属触媒(例えば、Fe(acac)、FeCl、NiClグリム等)の存在下、オルガノ亜鉛またはオルガノボロン酸と、あるいは様々に置換されたアリールのグリニャール試薬で処理され、中間体97を得ることができる。中間体97は、水素化物をベースとする還元剤(例えば、LAH、DIBAL-H、NaBH等)の存在下で還元に供され、中間体98を得ることができる。中間体98は、酸化条件(例えば、デス-マーチン・ペルヨージナン、スワーン酸化条件、PDCまたはPCC等)を用いて当業者によって理解される方法によりアルデヒド99に酸化され得る。中間体99は、スキーム1に記載の工程を用いることにより、式Iの化合物(ここで、「A」はフェニルである)に変換され得る。
【0175】
スキーム24
【化41】
【0176】
スキーム24は式Iの化合物(ここで、「A」はアミド、スルホンアミド、尿素またはカルバメートである)を合成する別の方法を記載する。中間体67(スキーム18Aにて記載されるように合成される)は酸化剤(NaClO、PCCまたはPDC、KMnO等)を用いることで酸化され、中間体100を得ることができる。中間体100は、(Shioiri, T.ら、J. Am. Chem. Soc. 1972, 94, 6203-6205に記載されるように)クルチウス転位を介して中間体101に変換され得る。中間体101は、スキーム20に記載されるように、連続的なアミド合成およびboc-脱保護に供され、アミンの中間体102を得ることができる。中間体102は、限定されないが、スキーム20に記載の方法を含め、当業者によって理解される多くの既知の方法を用い、種々の異なる変形に供され、式Iの変種(ここで、「A」はアミド、スルホンアミド、尿素またはカルバメートである)を得ることができる。
【0177】
スキーム25
【化42】
【0178】
スキーム25は、式I(i、j、k、m)の化合物(ここで、「A」は、アミド、スルホンアミド、尿素またはカルバメートである)の合成を記載する。中間体67a(スキーム18Bにて記載されるように合成される)は、酸化剤(NaClO、PCCまたはPDC、KMnO等)の使用によって酸化され、中間体100aを得ることができる。中間体100aは、(Shioiri, T.ら、J. Am. Chem. Soc. 1972, 94, 6203-6205に記載されるように)クルチウス転位を介して中間体101aに変換され得る。中間体101aはスキーム20に記載されるように、連続的なアミド合成およびboc-脱保護に供され、アミン中間体102aを得ることができる。
【0179】
中間体102aは、限定されないが、以下の方法を含め、当業者に理解される多数の既知の方法を用いて様々な異なる変形に供され、式Iの変種を得ることができる:
【0180】
アミド:中間体102aは、活性化された酸の中間体と、塩基(例えば、ピリジン、DMAP、2-(ジメチルアミノ)ピリジン、N-メチルモルホリン等)の存在下、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中で反応し、中間体103を生成し得る。
【0181】
スルホンアミド:中間体102aは、塩基(例えば、ピリジン、DMAP、2-(ジメチルアミノ)ピリジン、N-メチルモルホリン等)の存在下、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、THF等)中、0℃と90℃との間にある温度で塩化スルホニルで処理され、中間体104を生成し得る。
【0182】
尿素:中間体102aは、塩基(例えば、EtN、DIPEA、ピリジン等)の存在下、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、DCE等)中、室温でイソシアネートでの処理に供され、中間体105を得ることができる。あるいはまた、中間体102aは、塩基(例えば、EtN、DIPEA等)の存在下、溶媒(例えば、DCM、DCE等)中、0℃ないし室温でトリホスゲンを用いて処理することにより活性化され得る。その活性化された中間体102aは、次に、塩基(例えば、EtN、DIPEA等)の存在下、溶媒(例えば、DCM、DCE等)中、室温にて置換アルキルまたはアリールまたはヘテロアリールアミンで処理され、中間体105を得ることができる。
【0183】
カルバメート:中間体102aは、塩基(例えば、EtN、DIPEA、ピリジン、t-BuOK等)の存在下、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DCM、DCE、THF等)中、0℃ないし室温でクロロホルメート(またはカルボネートとして活性化されたアルコール)で処理され、中間体106を得ることができる。
【0184】
中間体103-106は、限定されないが、Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions, Armin de Meijere, Francois Diederich, 2 Volumes, Second, Revised and Enlarged Edition, 2004, ISBN: 3-527-30518-1、Wiley-VCHおよびその中に記載の参考文献に記載される方法を含む、当業者によって理解される多くの既知の方法を用いて金属触媒のクロスカップリング反応に供され得る。中間体103-106は金属触媒の薗頭カップリングに供され得る。これらのカップリング反応は、Pd(PPhClおよびCuIの存在下、トリエチルアミンなどの塩基の存在下にてDMFなどの極性の非プロトン性溶媒中、90℃で実施され得る。中間体103-106のカップリング反応は、置換アルキンなどの種々の適切なカップリングパートナーを用いて実施され、式I(i、j、k、m)で示される化合物を得ることができる。中間体103-106は金属触媒のヘックカップリングに供され得る。これらのカップリング反応は、ジクロロビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(II)および臭化テトラブチルアンモニウムなどの金属触媒の存在下、塩基(EtN、DIPEA等)の存在下で、溶媒(DMAc、DMF等)中、加熱条件下にて実施され得る。中間体103-106のカップリング反応は置換アルケン、アルケニルハライドまたはトリフレートなどの種々の適切なカップリングパートナーとで実施され、式I(i、j、k、m)で示される化合物を得ることができる。中間体103-106は、Pd(dppf)Clなどのパラジウム触媒、および酢酸カリウムなどの塩基の存在下にて、溶媒(例えば、ジオキサン、DMSO等)中、還流温度でビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン等を用いてオルガノボロン試薬に変換され得、それを、鈴木カップリングにて、アルケン、アルケニルハライドまたはトリフレート等などの適切なカップリングパートナーとカップリングさせ、式Iで示される化合物を得ることができる。あるいはまた、中間体103-106は、パラジウム触媒の存在下、溶媒(例えば、トルエン、THF等)中、還流温度でヘキサメチルジスズを用いてオルガノスズ試薬に変換され、それはスチルカップリングにてアルケニルハライドまたはトリフレートなどの適切なカップリングパートナーとのカップリングに供され(Sherer, B.ら、PCT国際出願 2016/039734、2016)、式I(i、j、k、m)で示される化合物を得ることができる。
【0185】
一般的注記事項:「Q」および「A」なる基のインストールを含む反応式の工程は、必要ならば、スキームにおいて互換的に実施され得る。オキサジアゾールの位置異性体は、スキーム11および14に記載の反応式を用い、オキサビシクロ環系に結合させることによって生成され得る。
【0186】
実施例1および2
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート(1)および
(E)-3-(3-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリル酸(2)
【化43】
【0187】
工程A. 中間体1A. メチル 4-ブロモビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化44】
4-(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸(商業的に入手可能)(1g、4.71ミリモル)のCHBr(10mL)中撹拌溶液に、酸化水銀(1.73g、8.01ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を80℃で加熱した。臭素(0.36mL、7.07ミリモル)を該反応混合物に同じ温度で滴下して加え、撹拌を3時間続けた。反応混合物を室温に冷却し、セライトを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、表記化合物(1g、4.05ミリモル、収率86%)を得た。この化合物を次の工程にそのまま適用した。H NMR(300MHz、DMSO-d) δ 3.56(s,3H)、2.25-2.15(m,6H)、1.94-1.85(m,6H)
【0188】
工程B. 中間体1B. メチル 4-フェニルビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化45】
ベンゼン(12mL、142ミリモル)を-10℃に冷却し、塩化アルミニウム(2.70g、20.23ミリモル)を窒素雰囲気下にて添加した。該溶液をその同じ温度で5分間撹拌した。ベンゼン(12mL)中溶液としての中間体1A(1g、4.05ミリモル)を、該反応混合物に-10℃で添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、12時間撹拌した。反応混合物を砕氷中に注ぎ、水(50mL)で希釈した。有機層を分離し、水(2x10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して表記化合物(0.82g、2.10ミリモル、収率52%)を得た。この化合物をそのまま次の工程に適用した。H NMR(300MHz、クロロホルム-d) δ 7.34-7.30(m,4H)、7.21(dt,J=5.8、2.6Hz,1H)、3.73(s,3H)、1.99-1.84(m,12H);MS(ESI) 445(M+H)
【0189】
工程C. 中間体1C. メチル 4-(4-ブロモフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化46】
中間体1B(0.8g、3.27ミリモル)およびトリフルオロ酢酸銀(0.86g、3.93ミリモル)の撹拌した溶液を室温の窒素雰囲気下で5分間撹拌した。Br(0.17mL、3.27ミリモル)のCHCl(40mL)中溶液を該反応混合物にて添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をセライトを通して濾過した。その濾液を減圧下で蒸発させ、該残渣をn-ヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.74g、1.580ミリモル、収率48%)を得た。MS(ESI) 323(M+H);H NMR(300MHz、クロロホルム-d) δ 7.43(d,J=8.7Hz,2H)、7.20(d,J=8.7Hz,2H)、3.69(s,3H)、1.99-1.78(m,12H)
【0190】
工程D. 中間体1D. (4-(4-ブロモフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メタノールの製造
【化47】
中間体1C(0.65g、2.011ミリモル)のDCM(5mL)中の撹拌した溶液を-78℃に冷却した。DIBAL-H(4.0mL、4.02ミリモル)を該反応混合物に添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、2時間撹拌した。反応混合物を砕氷中に注ぎ、水(10mL)で希釈した。水層を酢酸エチル(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~40%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.59g、1.999ミリモル、収率99%)を得た。H NMR(300MHz、DMSO-d) δ 7.44(d,J=8.7Hz,2H)、7.28(d,J=8.7Hz,2H)、4.35(t,J=5.3Hz,1H)、3.08(d,J=5.3Hz,2H)、1.78-1.66(m,6H)、1.51-1.39(m,6H)
【0191】
工程E. 中間体1E. 4-(4-ブロモフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化48】
塩化オキサリル(0.12mL、1.219ミリモル)の無水DCM(3mL)中撹拌溶液に、DMSO(0.21mL、3.05ミリモル)の無水DCM(2.5mL)中溶液を-78℃で窒素雰囲気下にて滴下して加えた。反応混合物を15分間撹拌した。中間体1D(0.3g、1.016ミリモル)のDCM(5ml)中溶液を該反応混合物に10分間にわたって加えた。反応混合物を-78℃で3時間撹拌した。EtN(0.85mL、6.10ミリモル)を該反応物に添加し、撹拌を-78℃でさらに5分間続けた。反応混合物を0℃までの加温に供し、1時間撹拌した。反応混合物を砕氷中に注ぎ、冷水(20mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をDCM(2x30mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して表記化合物(220mg、0.750ミリモル、収率74%)を得た。H NMR(300MHz、クロロホルム-d) δ 9.53(s,1H)、7.44(d,J=8.7Hz,2H)、7.20(d,J=8.7Hz,2H)、1.95-1.73(m,12H)
【0192】
工程F. 中間体1F. メチル (E)-3-(3-ニトロフェニル)アクリレートの製造
【化49】
メチル 2-(ジメトキシホスホリル)アセテート(商業的に入手可能)(1.29mL、7.94ミリモル)の水(6mL)中撹拌溶液に、KCO(1.82g、13.23ミリモル)を、つづいて3-ニトロベンズアルデヒド(商業的に入手可能)(1g、6.62ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(2x25mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して表記化合物(1g、4.83ミリモル、収率73%)を得た。H NMR(300MHz、DMSO-d) δ 8.56(t,J=1.7Hz,1H)、8.27-8.18(m,2H)、7.81(d,J=16.2Hz,1H)、7.71(t,J=8.1Hz,1H)、6.87(d,J=16.2Hz,1H)、3.75(s,3H)
【0193】
工程G. 中間体1G. メチル (E)-3-(3-アミノフェニル)アクリレートの製造
【化50】
中間体1F(1.300g、6.27ミリモル)の水(15mL)中撹拌溶液に、塩化スズ(II)二水和物(8.50g、37.6ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を80℃で3時間加熱した。反応混合物を室温までの加温に供した。反応物の容量を減圧下で半分にまで減らし、残りの溶液を砕氷中に注いだ。水溶液をNaCO飽和水溶液を用いて中和(pH約7)させ、酢酸エチル(2x30mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して表記化合物(1g、3.84ミリモル、収率61%)を明黄色の固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.49(d,J=15.6Hz,1H)、7.12-7.01(m,1H)、6.87-6.77(m,2H)、6.67-6.59(m,1H)、6.41(d,J=16.1Hz,1H)、5.18(s,2H)、3.71(s,3H);MS(ESI) 178(M+H)
【0194】
工程H. 中間体1H. メチル (E)-3-(3-(((4-(4-ブロモフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化51】
中間体1E(150mg、0.512ミリモル)の無水MeOH(3mL)中撹拌溶液に、中間体1G(100mg、0.563ミリモル)を、つづいて酢酸(0.015mL、0.256ミリモル)およびモレキュラーシーブ4 Å(15mg)を室温で添加した。反応混合物を60℃で一夜加熱した。反応混合物を0℃に冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(96mg、1.535ミリモル)を添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を水で希釈し、EtOAc(2x50mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~50%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(100mg、0.178ミリモル、収率35%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.53(d,J=16.1Hz,1H)、7.46(d,J=8.00Hz,2H)、7.30(d,J=8.00Hz,2H)、7.09(t,J=7.8Hz,1H)、6.89(s,1H)、6.85-6.79(m,1H)、6.72(d,J=8.3Hz,1H)、6.50(d,J=15.9Hz,1H)、5.60-5.54(m,1H)、3.72(s,3H)、3.18(d,J=5.4Hz,2H)、1.80-1.72(m,6H)、1.63-1.53(m,6H);MS(ESI) 455(M+H)
【0195】
工程I. 中間体1I. メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-ブロモフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
【化52】
中間体1H(100mg、0.220ミリモル)の無水DCM(2mL)中撹拌溶液に、EtN(0.123mL、0.880ミリモル)を、つづいてシクロヘキサンカルボニルクロリド(商業的に入手可能)(0.06mL、0.440ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、DCM(2x50mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(12g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~30%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(120mg、0.172ミリモル、収率78%)を得た。MS(ESI) 564(M+H)
【0196】
工程J. 実施例1および実施例2. メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート&(E)-3-(3-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリル酸の製造
中間体1I(100mg、0.177ミリモル)のトルエン(5mL)中撹拌溶液に、ジメチルアミン(0.094mL、1.771ミリモル)、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(7.52mg、0.018ミリモル)およびナトリウムtert-ブトキシド(51mg、0.531ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を脱気処理に付し、アルゴンで埋め戻した。Pd(dba)(8mg、8.86マイクロモル)を該反応物に添加し、バイアルを密封した(圧力放出バイアル)。反応混合物を80℃で12時間加熱した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(2x50mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料を次の条件:(カラム:ウォーターズ・エックスブリッジC18、19x150mm、5μm粒子;移動相A:10mM酢酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:20分間にわたって40-80%Bとし、ついで100%Bで5分間保持する;流速:15mL/分)を用いて分取性HPLCを介して精製した。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心型蒸発を介して乾燥させ、表記化合物(実施例1)(9mg、0.016ミリモル、収率9%)を、H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.79(s,1H)、7.75-7.66(m,2H)、7.53-7.37(m,2H)、7.10-7.00(m,J=8.8Hz,2H)、6.76(d,J=16.1Hz,1H)、6.65-6.58(m,J=8.8Hz,2H)、3.74(s,3H)、3.58(br.s.,2H)、2.81(s,6H)、1.66-1.53(m,12H)、1.42-1.28(m,8H)、0.86(d,J=6.1Hz,3H);FXR EC50(nM)78;MS(ESI) 529(M+H)で得;実施例2(2.7mg、4.98マイクロモル、収率3%)を、H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 12.44(bs,1H)、7.74(s,1H)、7.68-7.62(m,2H)、7.60(s,1H)、7.47(t,J=7.8Hz,1H)、7.40(d,J=7.8Hz,1H)、7.06(d,J=9.0Hz,2H)、6.61(d,J=9.0Hz,2H)、3.58(br.s.,2H)、2.81(s,6H)、2.20(br.s.,1H)、1.65-1.54(m,8H)、1.49(d,J=12.2Hz,2H)、1.41-1.33(m,7H)、1.32(br.s.,1H)、1.24(s,1H)、1.08(d,J=7.1Hz,1H)、0.94-0.79(m,2H);FXR EC50(nM)1517、MS(ESI) 515(M+H)で得た。
【0197】
以下の化合物は、必要に応じて、中間体1Iおよび対応するアミンを代わりに用いることにより実施例1の合成について記載される方法に従って製造された。
【表2】
【表3】
【0198】
実施例6
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化53】
【0199】
工程A. 中間体6A. メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-ブロモフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
【化54】
テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸(商業的に入手可能)(100mg、0.768ミリモル)のDCM(5mL)中撹拌溶液に、塩化オキサリル(0.13mL、1.537ミリモル)を、つづいてDMF(触媒量)を0℃で添加した。反応混合物をその同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を室温までの加温に供し、減圧下で濃縮して対応する酸クロリドを得た。中間体1H(120mg、0.264ミリモル)のDCM(20mL)中撹拌溶液に、TEA(0.64mL、4.61ミリモル)を加え、5分間撹拌した。製造した酸クロリドを反応混合物に添加し、一夜撹拌した。反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、水(2x20mL)、ブライン溶液(2x10mL)で洗浄し、減圧下で濃縮させた。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~45%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、真空下で濃縮して乾燥させ、表記化合物(50mg、0.077ミリモル、収率10%)を得た。MS(ESI) 568(M+H)
【0200】
工程B. 中間体6B. (E)-3-(3-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリル酸の製造
【化55】
中間体6A(35mg、0.062ミリモル)のトルエン(2mL)中撹拌溶液に、ジメチルアミン(0.927mL、0.927ミリモル)、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(2.62mg、6.18マイクロモル)およびナトリウムtert-ブトキシド(17.81mg、0.185ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を脱気処理に付し、アルゴンで埋め戻した。Pd(dba)(2.8mg、3.09マイクロモル)を該反応物に添加し、該バイアルを密封した(圧力放出バイアル)。反応混合物を80℃で4時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。該残渣を水で希釈し、酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して表記化合物(30mg、0.058ミリモル、収率94%)を得た。MS(ESI) 517(M+H)
【0201】
工程C. 実施例6. メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
中間体6B(35mg、0.068ミリモル)のDCM(5mL)中撹拌溶液に、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(0.17mL、0.339ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、12時間撹拌した。反応物を酢酸(0.5mL)でクエンチさせ、反応混合物を減圧下で濃縮した。該粗材料を次の条件:(カラム:イナートジル(Inertsil)ODS、19x250mm、5μm粒子;移動相A:10mM酢酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:24分間にわたって50-100%Bとし、次に0%Bで0分間保持する;流速:17mL/分)を用いる分取性LC/MSを介して精製した。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心型蒸発を介して乾燥させ、表記化合物(1.1mg、1.886マイクロモル、収率3%)をガム状の液体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.82(s,1H)、7.74-7.63(m,2H)、7.55-7.44(m,2H)、7.20(br.s.,2H)、7.06(d,J=8.6Hz,2H)、6.77(d,J=15.9Hz,1H)、6.61(d,J=8.8Hz,2H)、3.74(s,6H)、3.64-3.54(m,3H)、3.07-2.91(m,2H)、2.89-2.76(m,7H)、1.60(d,J=8.8Hz,9H)、1.50-1.31(m,9H)、1.23(s,2H)、1.13(t,J=7.5Hz,2H);FXR EC50(nM)=212;MS(ESI) 531(M+H)
【0202】
実施例7
メチル (E)-3-(3-(N-((4-フェニルビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化56】
【0203】
工程A. 中間体7A. (4-フェニルビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メタノールの製造
【化57】
表記化合物は、必要に応じて、中間体1Bを代わりに用いることにより中間体1Dの合成について記載される方法に従って、オフホワイトの固体として製造された(0.2g、0.925ミリモル、収率64%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.39-7.21(m,4H)、7.20-7.10(m,1H)、4.36(t,J=5.5Hz,1H)、3.09(d,J=5.6Hz,2H)、1.83-1.66(m,6H)、1.52-1.38(m,6H)
【0204】
工程B. 中間体7B. 4-フェニルビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化58】
中間体7A(0.1g、0.462ミリモル)のDCM(5mL)中溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(0.196g、0.462ミリモル)を窒素雰囲気下に0℃で添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、30分間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、10%NaHCO水溶液、ブライン溶液(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して表記化合物(0.1g、0.397ミリモル、収率86%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 9.48(s,1H)、7.36-7.25(m,4H)、7.19-7.13(m,1H)、1.85-1.78(m,6H)、1.73-1.66(m,6H)
【0205】
工程C. 中間体7C. メチル (E)-3-(3-(((4-フェニルビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化59】
表記化合物は、必要に応じて、中間体1Gおよび中間体7Bを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、淡黄色の固体として製造された(0.05g、0.126ミリモル、収率34%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.53(d,J=16.1Hz,1H)、7.37-7.23(m,4H)、7.19-7.05(m,2H)、6.89(s,1H)、6.81(d,J=7.6Hz,1H)、6.73(dd,J=7.9、1.6Hz,1H)、6.51(d,J=15.9Hz,1H)、5.58(t,J=5.9Hz,1H)、3.72(s,3H)、2.87(d,J=5.9Hz,2H)、1.85-1.71(m,6H)、1.65-1.52(m,6H);MS(ESI) 376(M+H)
【0206】
工程C. 実施例7. メチル (E)-3-(3-(N-((4-フェニルビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体7Cおよび対応する酸クロリドを代わりに用いることにより中間体1Iの合成について記載される方法に従って製造された(9mg、0.018ミリモル、収率27%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.80(s,1H)、7.75-7.63(m,2H)、7.53-7.38(m,2H)、7.32-7.18(m,4H)、7.16-7.06(m,1H)、6.76(d,J=16.1Hz,1H)、3.74(s,3H)、3.59(br.s.,2H)、2.20(br.s.,1H)、1.73-1.54(m,10H)、1.48(br.s.,1H)、1.44-1.28(m,8H)、1.09(d,J=13.2Hz,1H)、0.88(br.s.,2H);FXR EC50(nM)395;MS(ESI) 486(M+H)
【0207】
実施例8
(E)-メチル 3-(3-(N-((1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化60】
【0208】
工程A. 中間体8A1&8A2. (5-ブロモ-1-メチル-1H-インダゾール&5-ブロモ-2-メチル-2H-インダゾールの製造
【化61】
5-ブロモ-1H-インダゾール(商業的に入手可能)(2g、10.15ミリモル)のDMSO(20mL)中撹拌溶液に、ヨウ化メチル(0.82mL、13.20ミリモル)を、つづいて炭酸カリウム(7.0g、50.8ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一夜撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(3x20)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~40%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、中間体8A1(1.2g、5.40ミリモル、収率53%)を白色の固体として、中間体8A2(0.6g、2.70ミリモル、収率27%)をオフホワイトの固体として得た。必要とされる化合物をNOE実験で確認した。MS(ESI) 213(M+H)
【0209】
工程B. 中間体8B. 5-ヨード-1-メチル-1H-インダゾールの製造
【化62】
中間体8A1(1g、4.74ミリモル)の1,4-ジオキサン(5mL)中溶液に、ヨウ化ナトリウム(1.42g、9.48ミリモル)、ヨウ化銅(I)(0.05g、0.237ミリモル)および(1r,2r)-n,n’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(0.07g、0.474ミリモル)をアルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物を110℃で一夜加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(30mL)で希釈し、DCM(3x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~30%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、真空下で濃縮して乾燥させ、表記化合物(1g、3.60ミリモル、収率76%)をオフホワイトの結晶固体として得た。MS(ESI) 259(M+H)
【0210】
工程C. 中間体8C. (4-ヒドロキシ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)シクロヘキサン-1,1-ジイル)ビス(メチレン)ビス(4-メチルベンゼンスルホネート)の製造
【化63】
中間体8B(0.3g、1.163ミリモル)のテトラヒドロフラン(5mL)中の撹拌した溶液を-78℃に冷却した。n-BuLi(0.93mL、2.325ミリモル)/ヘキサンを反応混合物に滴下して加えた。該反応混合物を-78℃で1時間撹拌した。(4-オキソシクロヘキサン-1,1-ジイル)ビス(メチレン)ビス(4-メチルベンゼンスルホネート)(ACS Med. Chem. Lett., 5 (5), 609-614; 2014を参照のこと)(0.70g、1.511ミリモル)の2mLの乾燥THF中溶液を該反応物に添加した。反応混合物を室温までの加温に供した。該反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチさせた。反応混合物をEtOAc(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~100%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.25g、0.397ミリモル、収率34%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI) 599(M+H)
【0211】
工程D. 中間体8D. (1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル 4-メチルベンゼンスルホネートの製造
【化64】
中間体8C(0.25g、0.418ミリモル)の無水1,2-ジメトキシエタン(10mL)中撹拌溶液に、水素化ナトリウム(0.050g、1.253ミリモル)を0℃の窒素雰囲気下にて添加した。反応混合物をその同じ温度で30分間撹拌し、ついで還流温度で12時間加熱した。反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチさせた。反応混合物をEtOAc(2x10mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~50%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.18g、0.401ミリモル、収率96%)を白色の固体として得た。MS(ESI) 427(M+H)
【0212】
工程E. 中間体8E. (1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル アセテートの製造
【化65】
中間体8D(2.5g、5.86ミリモル)の圧力管中のDMF(30mL)中溶液に、酢酸ナトリウム(2.88g、35.2ミリモル)を加えた。反応混合物を120℃で一夜加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(50mL)で希釈した。該水溶液をEtOAc(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。 該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~50%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、真空下で濃縮して乾燥させ、表記化合物(0.6g、1.813ミリモル、収率31%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI) 315(M+H)
【0213】
工程F. 中間体8F. (1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メタノールの製造
【化66】
中間体8E(0.6g、1.909ミリモル)のメタノール(10mL)中撹拌溶液に、炭酸カリウム(1.32g、9.54ミリモル)の水(15mL)中溶液を0℃で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、該残渣を水(15mL)で希釈した。該水溶液をEtOAc(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.45g、1.570ミリモル、収率82%)を白色の固体として得た。MS(ESI) 273(M+H)
【0214】
工程G. 中間体8G. 1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-カルボアルデヒドの製造
【化67】
中間体8F(0.4g、1.469ミリモル)のジクロロメタン(2mL)中撹拌溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(0.748g、1.762ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、水(10mL)、炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~30%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、真空下で濃縮して乾燥させ、表記化合物(0.4g、1.406ミリモル、収率96%)を半固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 9.53(s,1H)、7.98(s,1H)、7.87(d,J=7.5Hz,1H)、7.74-7.71(m,1H)、7.57-7.53(m,1H)、4.03(s,2H)、4.01(s,3H)、2.23-2.12(m,2H)、2.01-1.85(m,6H)
【0215】
工程H. 中間体8H. (E)-メチル 3-(3-(((1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化68】
表記化合物は、必要に応じて、中間体8Gおよび中間体1Gを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、黒色の固体として製造された(0.035g、0.077ミリモル、収率42%)。MS(ESI) 432(M+H)
【0216】
工程I. 実施例8.(E)-メチル 3-(3-(N-((1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体8Hおよび対応する酸を代わりに用いることにより中間体6Aの合成について記載される方法に従って製造された(4.5mg、7.78マイクロモル、収率10%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.94(s,1H)、7.87(s,1H)、7.69(s,1H)、7.73(s,1H)、7.64(s,1H)、7.56-7.43(m,3H)、7.39(dd,J=8.9、1.6Hz,1H)、6.78(d,J=15.9Hz,1H)、3.99(s,3H)、3.80-3.71(m,6H)、3.66(d,J=15.9Hz,3H)、2.99(t,J=11.5Hz,2H)、2.08-1.96(m,2H)、1.81(d,J=5.1Hz,2H)、1.69-1.53(m,5H)、1.47(d,J=11.5Hz,4H).FXR EC50(nM)1595.92;MS(ESI) 544(M+H)
実施例9
(E)-メチル 3-(3-(1-メチル-N-((1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化69】
表記化合物は、必要に応じて、中間体8Hおよび対応する酸を代わりに用いることにより中間体6Aの合成について記載される方法に従って製造された(1.5mg、2.64マイクロモル、収率6%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 8.05-7.92(m,2H)、7.69(s,1H)、7.73(s,1H)、7.65(s,1H)、7.50(d,J=7.8Hz,3H)、7.44-7.33(m,1H)、6.79(d,J=16.1Hz,1H)、3.99(s,3H)、3.74(s,3H)、3.71-3.55(m,4H)、2.65(br.s.,1H)、2.12(br.s.,1H)、2.02(s,5H)、1.87-1.73(m,2H)、1.68-1.50(m,9H)、1.50-1.38(m,2H);FXR EC50(nM)4718;MS(ESI) 557(M+H)
【0217】
実施例10
メチル (E)-3-(3-(N-((1-(4-メトキシフェニル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化70】
【0218】
工程A. 中間体10A. (4-ヒドロキシ-4-(4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1,1-ジイル)ビス(メチレン)ビス(4-メチルベンゼンスルホネート)の製造
【化71】
(4-オキソシクロヘキサン-1,1-ジイル)ビス(メチレン)ビス(4-メチルベンゼンスルホネート)(0.5g、1.072ミリモル)のTHF(15mL)中撹拌溶液に、臭化(4-メトキシフェニル)マグネシウム(商業的に入手可能)(3.21mL、3.21ミリモル)を-78℃で添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、2時間撹拌した。反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチさせた。反応混合物をEtOAc(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~100%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.6g、0.992ミリモル、収率93%)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 7.81-7.71(m,4H)、7.37(d,J=8.5Hz,4H)、7.27-7.24(m,2H)、6.90-6.83(m,2H)、4.00(s,1H)、3.84-3.77(m,5H)、2.49-2.44(m,6H)、1.70-1.60(m,5H)、1.58-1.48(m,2H)、1.30-1.27(m,1H)
【0219】
工程B. 中間体10B. (1-(4-メトキシフェニル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル 4-メチルベンゼンスルホネートの製造
【化72】
表記化合物は、必要に応じて、中間体10Aを代わりに用いることにより中間体8Dの合成について記載される方法に従って、白色の固体として製造された(0.4g、0.944ミリモル、収率90%)。MS(ESI) 403(M+H)
【0220】
工程C. 中間体10C. (1-(4-メトキシフェニル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル アセテートの製造
【化73】
表記化合物は、必要に応じて、中間体10Bを代わりに用いることにより中間体8Eの合成について記載される方法に従って、オフホワイトの固体として製造された(0.3g、0.982ミリモル、収率99%)。MS(ESI) 291(M+H)
【0221】
工程D. 中間体10D. (1-(4-メトキシフェニル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メタノールの製造
【化74】
表記化合物は、必要に応じて、中間体10Cを代わりに用いることにより中間体8Fの合成について記載される方法に従って、オフホワイトの固体として製造された(0.25g、0.906ミリモル、収率88%)。MS(ESI) 249(M+H)
【0222】
工程E. 中間体10E. 1-(4-メトキシフェニル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-カルボアルデヒドの製造
【化75】
表記化合物は、必要に応じて、中間体10Dを代わりに用いることにより中間体8Gの合成について記載される方法に従って、オフホワイトの固体として製造された(0.1g、0.386ミリモル、収率96%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 9.51(s,1H)、7.32-7.25(m,2H)、6.89-6.81(m,2H)、3.98(s,2H)、3.73(s,3H)、2.14-2.00(m,2H)、1.93-1.83(m,6H)
【0223】
工程F. 中間体10F. (E)-メチル 3-(3-(((1-(4-メトキシフェニル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化76】
表記化合物は、必要に応じて、中間体10Eおよび中間体1Gを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、黒色の固体として製造された(0.25g、0.386ミリモル、収率96%)。MS(ESI) 408(M+H)
【0224】
工程G. 実施例10.メチル (E)-3-(3-(N-((1-(4-メトキシフェニル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体10Fを代わりに用いることにより中間体1Iの合成について記載される方法に従って製造された(13mg、0.025ミリモル、収率41%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.83(s,1H)、7.76-7.64(m,2H)、7.55-7.39(m,2H)、7.22(d,J=8.8Hz,2H)、6.87-6.72(m,2H)、3.74(s,3H)、3.70(s,3H)、3.62(d,J=10.5Hz,4H)、2.19(br.s.,1H)、1.98-1.87(m,2H)、1.75(br.s.,2H)、1.58(br.s.,7H)、1.49(br.s.,3H)、1.33(d,J=13.9Hz,2H)、1.07(s,1H)、0.88(br.s.,2H);FXR EC50(nM)318.73;MS(ESI) 518(M+H)
【0225】
実施例11
メチル 5-(N-((4-(4-モルホリノフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート
【化77】
【0226】
工程A. 中間体11A. 5-ブロモ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンの製造
【化78】
3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(商業的に入手可能)(8.5g、58.1ミリモル)を、窒素雰囲気下の0℃で2口の250mLのフラスコ中の塩化アルミニウム(19.38g、145ミリモル)に添加した。反応混合物を90℃で45分間加熱した。臭素(3.6ml、69.8ミリモル)をその同じ温度で該反応混合物に滴下して加え、1時間撹拌した。反応混合物を砕氷中に注ぎ、NaHCO水溶液を用いて中和させた。該水溶液をEtOAc(2x100mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して乾燥させ、表記化合物の3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(8.5g、58.1ミリモル)を得、有機層を合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し表記化合物(5.2g、15.48ミリモル、収率27%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.89(ddd,J=9.2、7.7、1.3Hz,2H)、7.31(t,J=7.8Hz,1H)、2.95(t,J=6.0Hz,2H)、2.67-2.57(m,2H)、2.13-2.03(m,2H);MS(ESI) 225/227(M+H)
【0227】
工程B. 中間体11B. メチル 5-ブロモ-1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
【化79】
NaH(0.88g、22.21ミリモル)およびジメチル カルボネート(4.53mL、53.3ミリモル)の乾燥トルエン(20mL)中撹拌溶液に、中間体11A(2g、8.89ミリモル)のトルエン(20mL)中溶液を60℃で添加した。反応混合物をその同じ温度で16時間撹拌した。反応混合物を砕氷中に注ぎ、EtOAc(3x30mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(2.4g、7.63ミリモル、収率86%)を得た。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 8.06-8.00(m,1H)、7.81-7.75(m,1H)、7.57(dd,J=8.0、1.0Hz,1H)、3.78(s,3H)、3.62(dd,J=10.3、4.8Hz,1H)、2.59(t,J=8.00Hz,2H)、2.94(t,J=8.00Hz,2H);MS(ESI) 283/285(M+H)
【0228】
工程C. 中間体11C. メチル 5-ブロモ-1-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
【化80】
中間体11B(2.4g、8.48ミリモル)のMeOH(20mL)中撹拌溶液に、NaBH4(0.45g、11.87ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、該残渣を砕氷中に注いだ。該水溶液をEtOAc(2x150mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(1.7g、5.60ミリモル、収率66%)を得た。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 7.55-7.48(m,1H)、7.39(d,J=7.5Hz,1H)、7.17-7.06(m,1H)、5.06-4.97(m,1H)、3.78(s,3H)、3.13(d,J=5.0Hz,1H)、3.01-2.94(m,1H)、2.79(dt,J=11.5、3.3Hz,1H)、2.73-2.62(m,1H)、2.36-2.21(m,1H)、2.17(ddd,J=6.8、3.3、1.0Hz,1H);MS(ESI) 304(M+ NH3)
【0229】
工程D. 中間体11D. メチル 5-ブロモ-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
【化81】
中間体11C(1.7g、5.96ミリモル)のトルエン(20mL)中撹拌溶液に、p-トルエンスルホン酸・一水和物(0.057g、0.298ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を110℃で3時間加熱した。反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、水(2x50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~30%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(900mg、3.37ミリモル、収率56%)を得た。H NMR(300MHz、クロロホルム-d) δ 7.55-7.43(m,2H)、7.20-7.04(m,2H)、3.85(s,3H)、3.09-2.95(m,2H)、2.72-2.61(m,2H);MS(ESI) 284(M+H)NH3アダクツ
【0230】
工程E. 中間体11E. メチル 5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
【化82】
中間体11D(0.7g、2.62ミリモル)のトルエン中溶液に、tert-ブチル カルバメート(0.338g、2.88ミリモル)、炭酸セシウム(2.56g、7.86ミリモル)および4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(0.152g、0.262ミリモル)を添加した。反応混合物を脱気処理に付し、アルゴンで埋め戻した。Pd(dba)(0.120g、0.131ミリモル)を反応生成物に加え、該バイアルを密封した(圧力放出バイアル)。反応混合物を100℃で一夜撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(2x30mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~20%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.42g、1.315ミリモル、収率50%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI) 304(M+H)
【0231】
工程F. 中間体11F. メチル 5-アミノ-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
【化83】
中間体11E(0.42g、1.385ミリモル)のジクロロメタン(10mL)中溶液に、TFA(0.53mL、6.92ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物をDCM(10mL)で希釈し、10%NaHCO水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~40%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.28g、1.309ミリモル、収率95%)を油状物として得た。MS(ESI) 204(M+H)
【0232】
工程G. 中間体11G. メチル 5-(((4-(4-ブロモフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
【化84】
表記化合物は、必要に応じて、中間体11Fおよび中間体1Eを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、オフホワイトの固体として製造された(0.21g、0.415ミリモル、収率61%)。MS(ESI) 482(M+H)
【0233】
工程H. 中間体11H. メチル 5-(N-((4-(4-ブロモフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
【化85】
表記化合物は、必要に応じて、中間体11Gおよび対応する酸クロリドを代わりに用いることにより中間体1Iの合成について記載される方法に従って、オフホワイトの固体として製造された(0.18g、0.274ミリモル、収率63%)。MS(ESI) 590(M+H)
【0234】
工程I. 実施例11.メチル 5-(N-((4-(4-モルホリノフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
中間体11H(0.02g、0.034ミリモル)のトルエン(1mL)およびTHF(0.2mL)中撹拌溶液に、炭酸セシウム(0.03g、0.102ミリモル)、モルホリン(5.9mg、0.068ミリモル)および2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(2.88mg、6.77マイクロモル)を室温で添加した。反応混合物を脱気処理に付し、アルゴンで埋め戻した。Pd(dba)(3.1mg、3.39マイクロモル)を該反応物に添加し、該バイアルを密封した(圧力放出バイアル)。反応混合物を90℃で5時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮した。該粗材料は、次の条件:(カラム:ウォーターズ・エックスブリッジC18、19x150mm、5μm粒子;移動相A:10mM酢酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:20分間にわたって15-55%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:15mL/分)を用いる分取性LC/MSを介して精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心型蒸発を介して乾燥させ、表記化合物(5.4mg、8.60マイクロモル、収率25%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.59(s,1H)、7.44-7.40(m,2H)、7.36-7.32(m,1H)、7.12(d,J=8.80Hz,2H)、6.82(d,J=8.80Hz,2H)、3.81(d,J=4.80Hz,1H)、3.75(s,3H)、3.72-3.69(m,4H)、3.03-2.97(m,5H)、2.74-2.70(m,1H)、2.55-2.50(m,2H)、2.43-2.40(m,1H)、1.97(s,1H)、1.67-1.60(m,9H)、1.49-1.47(m,3H)、1.41-1.38(m,4H)、1.28-1.19(m,3H)、1.06-1.05(m,1H)、0.92-0.81(m,2H);FXR EC50(nM)2738;MS(ESI) 597(M+H)
【0235】
以下の化合物は、必要に応じて、中間体11Hおよび対応するアミンを代わりに用いることにより実施例11(工程I)の合成のために記載された方法に従って製造された。
【表4】
【表5】
【0236】
実施例14
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-モルホリノフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート
【化86】
【0237】
工程A. 中間体14A. メチル (E)-3-(3-アミノフェニル)ブタ-2-エノエートの製造
【化87】
3-ブロモアニリン(商業的に入手可能)(1g、5.81ミリモル)のDMF(10mL)中撹拌溶液に、(E)-メチル ブタ-2-エノエート(商業的に入手可能)(1.74g、17.44ミリモル)、臭化テトラブチルアンモニウム(0.37g、1.163ミリモル)およびTEA(2.431mL、17.44ミリモル)を圧力放出バイアルにおいて添加した。反応混合物を脱気処理に付し、アルゴンで埋め戻した。ジクロロビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(II)(0.457g、0.581ミリモル)を該反応物に添加し、該バイアルを密封した。反応混合物を110℃で12時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(30mL)で希釈し、EtOAc(2x30mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~50%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、真空下で濃縮して乾燥させ、表記化合物(0.7g、3.48ミリモル、収率60%)を淡黄色の油として得た。MS(ESI) 192(M+H)
【0238】
工程B. 中間体14B. メチル (E)-3-(3-(((4-(4-ブロモフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)ブタ-2-エノエートの製造
【化88】
表記化合物は、必要に応じて、中間体14Aおよび中間体1Eを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、オフホワイトの固体として製造された(0.06g、0.125ミリモル、収率22%)。MS(ESI) 468(M+H)
【0239】
工程C. 中間体14C. メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-ブロモフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエートの製造
【化89】
表記化合物は、必要に応じて、中間体14Bを代わりに用いることにより中間体1Iの合成について記載される方法に従って、オフホワイトの固体として製造された(0.045g、0.070ミリモル、収率54%)。MS(ESI) 578(M+H)
【0240】
工程D. 実施例14.メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-モルホリノフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体14Cおよびモルホリンを代わりに用いることにより中間体11の合成について記載される方法に従って製造された(12mg、0.020ミリモル、収率47%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.61-7.50(m,2H)、7.48(t,J=7.6Hz,1H)、7.41(d,J=7.6Hz,1H)、7.18(d,J=8.8Hz,2H)、6.90(d,J=8.8Hz,2H)、6.23(s,1H)、3.74-3.67(m,7H)、3.59(br.s.,2H)、3.07-2.98(m,4H)、2.19(br.s.,1H)、1.70-1.55(m,10H)、1.50(d,J=10.3Hz,1H)、1.43-1.27(m,8H)、1.16-0.97(m,1H)、0.87(d,J=13.7Hz,2H)、(メチル 3プロトンが溶媒のピークの下に隠された);FXR EC50(nM)1153:MS(ESI) 585(M+H)
【0241】
実施例15
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化90】
【0242】
工程A. 中間体15A. (4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メタノールの製造
【化91】
中間体1D(0.15g、0.508ミリモル)のメタノール(1mL)およびDMF(2mL)中撹拌溶液に、ナトリウムメトキシド(0.08g、1.524ミリモル)のメタノール中溶液を室温の窒素雰囲気下にて添加した。反応混合物を110℃で1時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、臭化銅(I)(0.073g、0.508ミリモル)を添加した。得られた反応混合物を110℃で16時間加熱した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(3x25mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(12g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~30%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.1g、0.325ミリモル、収率64%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.35-7.25(m,2H)、7.25-7.21(m,1H)、6.86-6.79(m,1H)、4.36(q,J=5.4Hz,1H)、3.71(s,3H)、3.08(dd,J=5.3、4.3Hz,2H)、1.80-1.65(m,6H)、1.50-1.39(m,6H)
【0243】
工程B. 中間体15 B. 4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化92】
表記化合物は、必要に応じて、中間体15Aを代わりに用いることにより中間体8Gの合成について記載される方法に従って製造された(0.09g、0.295ミリモル、収率86%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 9.48(s,1H)、7.23(d,J=9.0Hz,2H)、6.84(d,J=9.0Hz,2H)、3.72(s,3H)、1.80-1.70(m,12H)
【0244】
工程C. 中間体15C. メチル (E)-3-(3-(((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化93】
表記化合物は、必要に応じて、中間体15Bおよび中間体1Gを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、淡黄色の固体として製造された(0.03g、0.078ミリモル、収率30%)。MS(ESI) 406(M+H)
【0245】
工程D. 実施例15.メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体15Cを代わりに用いることにより中間体1Iの合成について記載される方法に従って製造された(25mg、0.048ミリモル、収率55%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.79(s,1H)、7.75-7.60(m,2H)、7.48(t,J=7.7Hz,1H)、7.42(d,J=8.1Hz,1H)、7.21-7.08(m,2H)、6.86-6.65(m,3H)、3.74(s,3H)、3.71-3.66(m,3H)、3.59(br.s.,2H)、2.20(br.s.,1H)、1.73-1.53(m,10H)、1.48(br.s.,1H)、1.43-1.26(m,8H)、1.08(d,J=12.2Hz,1H)、0.88(br.s.,2H);FXR EC50(nM)243;MS(ESI) 516(M+H)
【0246】
実施例16
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート
【化94】
【0247】
工程A. 中間体16A. メチル (E)-3-(3-(((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)ブタ-2-エノエートの製造
【化95】
表記化合物は、必要に応じて、中間体14Aおよび中間体15Bを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って製造された(0.016g、0.036ミリモル、収率36%)。MS(ESI) 420(M+H)
【0248】
工程B. 実施例16.メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体16Aを代わりに用いることにより中間体1Iの合成について記載される方法に従って製造された(2.8mg、5.23マイクロモル、収率15%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.62-7.51(m,2H)、7.48(t,J=7.6Hz,1H)、7.45-7.37(m,1H)、7.23(d,J=8.8Hz,2H)、6.87(d,J=8.8Hz,2H)、6.23(s,1H)、3.69(s,6H),3.59(br.s.,2H)、2.53(s,3H)、2.17-2.15(m,1H)、1.69-1.55(m,10H)、1.52(br.s.,1H)、1.44-1.26(m,8H)、1.09(d,J=11.0Hz,1H)、0.87(d,J=13.7Hz,2H);FXR EC50(nM)575.63 MS(ESI) 530(M+H)
【0249】
実施例17
5-(N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボン酸
【化96】
中間体11H(15mg、0.025ミリモル)のトルエン(0.5mL)中撹拌溶液に、メタノール(8.14mg、0.254ミリモル)、炭酸セシウム(24mg、0.076ミリモル)および2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(2.1mg、5.08マイクロモル)を室温で添加した。反応混合物を脱気処理に付し、アルゴンで埋め戻した。Pd(dba)(2.32mg、2.54マイクロモル)を該反応混合物に添加し、バイアルを密封した(圧力放出バイアル)。反応混合物を75℃で6時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。該粗材料を次の条件:(カラム:ウォーターズ・エックスブリッジC18、19x150mm、5μm粒子;移動相A:10mM酢酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:20分間にわたって20-80%Bとし、ついで80%Bで10分間保持した;流速:15mL/分)を用いる分取性LC/MSを介して精製した。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心型蒸発を介して乾燥させ、表記化合物(3mg、収率9%)を得た。FXR EC50(nM)2243:MS(ESI) 528(M+H);H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.47(s,1H)、7.42-7.28(m,3H)、7.21-7.16(m,2H)、6.83-6.78(m,2H)、4.32(brd,J=4.0Hz,1H)、3.87-3.74(m,2H)、3.69(s,3H)、3.00(d,J=13.6Hz,1H)、2.76-2.68(m,1H)、2.46-2.33(m,1H)、2.04(s,1H)、1.74-1.54(m,9H)、1.49(brd,J=5.5Hz,4H)、1.39(brd,J=14.1Hz,5H)、1.29(brs,2H)、0.86(brd,J=7.5Hz,2H)
【0250】
実施例18
メチル 5-(N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート
【化97】
中間体11H(18mg、0.030ミリモル)のトルエン(0.5mL)中撹拌溶液に、メタノール(0.02mL、0.494ミリモル)、炭酸セシウム(19mg、0.061ミリモル)および2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(2.5mg、6.10マイクロモル)を室温で添加した。反応混合物を脱気処理に付し、アルゴンで埋め戻した。Pd(dba)(2.79mg、3.05マイクロモル)を該反応混合物に添加し、バイアルを密封した(圧力放出バイアル)。反応混合物を75℃で3時間加熱した。反応混合物を冷却し、該粗材料を次の条件:(カラム:ウォーターズ・エックスブリッジC18、19x150mm、5μm粒子;移動相A:10mM酢酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:20分間にわたって25-80%Bとし、ついで80%Bで10分間保持する;流速:15mL/分)を用いて分取性LC/MSを介して精製した。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心型蒸発を介して乾燥させ、表記化合物(4mg、収率9%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.59(s,1H)、7.32-7.44(m,3H)、7.17(d,J=8.40Hz,2H)、6.80(d,J=8.80Hz,2H)、3.80-3.84(m,1H)、3.75(s,3H)、3.70(s,3H)、3.17(d,J=5.20Hz,1H)、3.00(d,J=13.20Hz,1H)、2.71-2.75(m,1H)、1.98-1.99(m,1H)、1.64-1.67(m,9H)、1.28-1.56(m,12H)、1.05-1.09(m,1H)、0.85-0.91(m,2H);FXR EC50(nM)1805:MS(ESI) 542(M+H)
【0251】
実施例19
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート
【化98】
【0252】
工程A. 中間体19A. メチル 4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化99】
4-(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸(2g、9.42ミリモル)のDMF(20mL)中撹拌溶液に、(E)-N’-ヒドロキシアセトイミダミド(商業的に入手可能)(1.39g、18.85ミリモル)、BOP(4.17g、9.42ミリモル)およびTEA(3.94mL、28.3ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、110℃で一夜加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAc(2x30mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~40%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.6g、2.277ミリモル、収率24%)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 3.60(s,3H)、2.29(s,3H)、1.95-1.86(m,6H)、1.86-1.78(m,6H)
【0253】
工程B. 中間体19B. メチル 4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化100】
中間体19A(0.6g、2.397ミリモル)のテトラヒドロフラン(20mL)中撹拌溶液に、DIBAL-H(6mL、5.99ミリモル)を-78℃の窒素雰囲気下にて添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、1時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、該反応物を1.5N HCl水溶液でクエンチさせた。反応混合物をEtOAc(2x25mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~30%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.58g、2.348ミリモル、収率98%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 4.41(br.s.,1H)、3.08(s,2H)、2.29(s,3H)、1.90-1.80(m,6H)、1.50-1.40(m,6H)
【0254】
工程C. 中間体19C. 4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化101】
中間体19B(0.58g、2.61ミリモル)のジクロロメタン(10mL)中撹拌溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(2.21g、5.22ミリモル)を0℃の窒素雰囲気下にて添加した。反応混合物をその同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を室温までの加温に供し、DCM(20mL)で希釈し、セライトを通して濾過した。その濾液を10%炭酸水素ナトリウム水溶液(2x20mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~30%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.46g、1.98ミリモル、収率76%)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 9.46(s,1H)、2.30(s,H)、1.96-1.84(m,6H)、1.73-1.66(m,6H)
【0255】
工程D. 中間体19D. 4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化102】
表記化合物は、必要に応じて、中間体14Aおよび中間体19Cを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、淡黄色の固体として製造された(50mg、0.101ミリモル、収率44%)。MS(ESI) 396(M+H)
【0256】
工程F. 実施例19. メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエートの製造
中間体19D(50mg、0.126ミリモル)のジクロロメタン(2mL)中撹拌溶液に、TEA(0.053mL、0.379ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を0℃に冷却した。シクロヘキサンカルボニルクロリド(18mg、0.126ミリモル)を該反応混合物に添加し、その同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を室温までの加温に供し、減圧下で濃縮した。該粗材料を次の条件(カラム:ウォーターズ・エックスブリッジC18、19x150mm、5μm粒子;移動相A:10mM酢酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:25分間にわたって10-45%Bとし、ついで100%Bで5分間保持する;流速:15mL/分)を用いて分取性HPLCを介して精製した。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心型蒸発を介して乾燥させ、表記化合物(42mg、0.080ミリモル、収率63%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.58(s,1H)、7.56-7.51(m,1H)、7.51-7.31(m,2H)、6.24(s,1H)、3.69(s,3H)、3.60(br.s.,2H)、2.53(s,4H)、2.27(s,3H)、2.18(br.s.,1H)、1.87-1.70(m,6H)、1.60(d,J=11.0Hz,4H)、1.50(d,J=13.7Hz,1H)、1.44-1.26(m,7H)、1.16-1.01(m,1H)、0.87(d,J=10.8Hz,2H);FXR EC50(nM)551;MS(ESI) 506(M+H)
【0257】
実施例20
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化103】
【0258】
工程A. 中間体20A. メチル (E)-3-(3-(((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化104】
表記化合物は、必要に応じて、中間体1Gおよび中間体19Cを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、淡黄色の固体として製造された(0.18g、0.236ミリモル、収率26%)。MS(ESI) 382(M+H)
【0259】
工程B. 実施例20.メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体20Aおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って、白色の固体として製造された(6mg、0.012ミリモル、収率22%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.80(s,1H)、7.75-7.63(m,2H)、7.54-7.37(m,2H)、6.76(d,J=16.1Hz,1H)、3.74(s,3H)、3.65-3.53(m,2H)、2.26(s,3H)、2.18(br.s.,1H)、1.83-1.72(m,6H)、1.59(d,J=11.0Hz,4H)、1.47(br.s.,1H)、1.44-1.35(m,6H)、1.35-1.21(m,2H)、1.08(d,J=12.7Hz,1H)、0.87(br.s.,2H);FXR EC50(nM)56;MS(ESI) 492(M+H)
【0260】
以下の化合物は、必要に応じて、中間体20Aおよび対応する酸クロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された。
【表6】
【表7】
【0261】
実施例23
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化105】
中間体20A(0.02g、0.052ミリモル)のジクロロメタン(1mL)中撹拌溶液に、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸(6.8mg、0.052ミリモル)を、つづいてピリジン(0.013mL、0.157ミリモル)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、POCl(9.77μL、0.105ミリモル)を添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、1時間撹拌した。反応物を水(5mL)でクエンチさせた。反応混合物をDCM(2x5mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料を次の条件:(カラム:ウォーターズ・エックスブリッジC18、19x150mm、5μm粒子;移動相A:10mM酢酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:25分間にわたって15-52%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:15mL/分)を用いる分取性LC/MSを介して精製した。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心型蒸発を介して乾燥させ、表記化合物(8.8mg、0.017ミリモル、収率33%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.83(s,1H)、7.77-7.63(m,2H)、7.55-7.41(m,2H)、6.77(d,J=16.4Hz,1H)、3.74(s,5H)、3.66-3.55(m,2H)、2.98(t,J=11.5Hz,2H)、2.27(s,3H)、1.85-1.73(m,7H)、1.65-1.52(m,2H)、1.50-1.31(m,8H);FXR EC50(nM)920;MS(ESI) 494(M+H)
【0262】
以下の化合物は、必要に応じて、中間体20Aおよび対応する酸を代わりに用いることにより実施例23の合成について記載される方法に従って製造された。
【表8】
【表9】
【0263】
実施例27
(E)-N-(3-(3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)フェニル)-N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド
【化106】
【0264】
工程A. 中間体27A. (E)-3-(3-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリル酸の製造
【化107】
実施例24(0.06g、0.122ミリモル)のメタノール(2mL)中撹拌溶液に、LiOH(0.015g、0.610ミリモル)の水(1mL)中溶液を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。該残渣を1.5N HCl水溶液を用いてpHを約2の酸性にした。沈殿した固体を濾過し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.06g、0.119ミリモル、収率98%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI) 478(M+H)
【0265】
工程B. 実施例27.(E)-N-(3-(3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)フェニル)-N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミドの製造
中間体27A(15mg、0.031ミリモル)のジクロロメタン(2mL)中撹拌溶液に、DIPEA(0.016mL、0.094ミリモル)を、つづいてクロロギ酸イソブチル(8.25μl、0.063ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、30分間撹拌した。ジメチルアミン(7.08mg、0.157ミリモル)を該反応混合物に加え、5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。該粗材料を次の条件:(カラム:ウォーターズ・エックスブリッジC18、19x150mm、5μm粒子;移動相A:10mM酢酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:20分間にわたって15-55%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分)を用いて分取性LC/MSを介して精製した。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心型蒸発を介して乾燥させ、表記化合物(5.5mg、10.68マイクロモル、収率34%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.76(s,1H)、7.67(d,J=6.6Hz,1H)、7.52-7.42(m,2H)、7.41-7.35(m,1H)、7.33-7.22(m,1H)、3.60(br.s.,2H)、3.17(s,3H)、2.93(s,3H)、2.27(s,3H)、2.21(br.s.,1H)、1.83-1.74(m,6H)、1.59(br.s.,4H)、1.48(br.s.,1H)、1.44-1.26(m,8H)、1.06(s,1H)、0.86(br.s.,2H);FXR EC50(nM)4462;MS(ESI) 505(M+H)
【0266】
実施例28
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化108】
【0267】
工程A. 中間体28A. メチル 4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化109】
中間体1C(500mg、1.547ミリモル)の1,4-ジオキサン(10mL)中撹拌溶液に、シクロプロピルボロン酸(200mg、2.320ミリモル)、三塩基性リン酸カリウム(985mg、4.64ミリモル)、酢酸パラジウム(II)(34.7mg、0.155ミリモル)およびトリシクロヘキシルホスフィン(87mg、0.309ミリモル)を添加した。反応混合物を脱気処理に付し、アルゴンで埋め戻した。反応混合物を100℃で12時間加熱した。該反応混合物を室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~30%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(330mg、0.580ミリモル、収率37%)を得た。MS(ESI) 285(M+H)
【0268】
工程B. 中間体28B. (4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メタノールの製造
【化110】
表記化合物は、必要に応じて、中間体28Aを代わりに用いることにより中間体19Bの合成について記載される方法に従って製造された(250mg、0.975ミリモル、収率84%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.17(d,J=8.3Hz,2H)、6.96(d,J=8.3Hz,2H)、4.34(d,J=5.5Hz,1H)、3.07(d,J=5.4Hz,2H)、1.91-1.79(m,1H)、1.78-1.64(m,6H)、1.49-1.36(m,6H)、0.89(dd,J=2.2、8.4Hz,2H)、0.65-0.51(m,2H)
【0269】
工程C. 中間体28C. 4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化111】
表記化合物は、必要に応じて、中間体28Bを代わりに用いることにより中間体8Gの合成について記載される方法に従って製造された(200mg、0.786ミリモル、収率78%)。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 9.61-9.42(m,1H)、7.20(d,J=8.3Hz,2H)、7.02(d,J=8.3Hz,2H)、1.91-1.83(m,7H)、1.81-1.73(m,6H)、0.95-0.91(m,2H)、0.67(dd,J=1.6、5.0Hz,2H)
【0270】
工程D. 中間体28D. メチル (E)-3-(3-(((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化112】
表記化合物は、必要に応じて、中間体1Gおよび中間体28Cを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って製造された(40mg、0.044ミリモル、収率22%)。MS(ESI) 416(M+H)
【0271】
工程E. 実施例28.メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体28Dおよびシクロプロパンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(4.6mg、9.42マイクロモル、収率19%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.84(s,1H)、7.68(s,1H)、7.72(s,1H)、7.48(br.s.,2H)、7.11(d,J=8.1Hz,2H)、6.93(d,J=8.3Hz,2H)、6.75(d,J=16.1Hz,1H)、3.74(s,3H)、3.66(s,2H)、1.86-1.76(m,1H)、1.70-1.52(m,6H)、1.48-1.30(m,7H)、0.93-0.83(m,2H)、0.78(d,J=3.9Hz,2H)、0.69-0.51(m,4H);FXR EC50(nM)947;MS(ESI) 484(M+H)
【0272】
実施例29
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化113】
表記化合物は、必要に応じて、中間体28Dおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(3.0mg、5.68マイクロモル、収率11%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.79(s,1H)、7.74-7.60(m,2H)、7.54-7.31(m,2H)、7.17-7.06(m,J=8.3Hz,2H)、7.01-6.88(m,J=8.3Hz,2H)、6.76(d,J=16.1Hz,1H)、3.74(s,3H)、3.58(br.s.,2H)、2.19(br.s.,1H)、1.87-1.77(m,1H)、1.69-1.54(m,11H)、1.48(br.s.,1H)、1.42-1.28(m,8H)、1.24(s,1H)、1.07(br.s.,1H)、0.97-0.75(m,4H)、0.62-0.54(m,2H);FXR EC50(nM)161;MS(ESI) 526(M+H)
【0273】
実施例30
メチル 5-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート
【化114】
【0274】
工程A. 中間体30A. メチル 5-(((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
【化115】
表記化合物は、必要に応じて、中間体11Fおよび中間体28Cを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って製造された(45mg、0.043ミリモル、収率22%)。MS(ESI) 442(M+H)
【0275】
工程B. 実施例30. メチル 5-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体30Aおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(7.0mg、0.013ミリモル、収率28%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.59(s,1H)、7.49-7.38(m,2H)、7.37-7.29(m,1H)、7.21-7.06(m,J=8.1Hz,2H)、7.02-6.84(m,J=8.3Hz,2H)、3.83(d,J=13.9Hz,1H)、3.75(s,3H)、2.99(d,J=13.7Hz,1H)、2.79-2.71(m,1H)、2.62-2.54(m,2H)、2.45-2.37(m,1H)、2.00(br.s.,1H)、1.89-1.78(m,1H)、1.71-1.55(m,9H)、1.49(d,J=5.9Hz,4H)、1.41(br.s.,5H)、1.26(d,J=18.3Hz,2H)、1.07(d,J=13.7Hz,1H)、0.94-0.76(m,4H)、0.63-0.53(m,2H);FXR EC50(nM)195; MS(ESI) 552(M+H)
【0276】
以下の化合物は、必要に応じて、中間体30Aおよび対応する酸クロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された。
【表10】
【表11】
【0277】
実施例33
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化116】
【0278】
工程A. 中間体33A. メチル 4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化117】
4-(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸(0.25g、1.178ミリモル)のジクロロメタン(10mL)および水(10mL)中溶液に、ベンゾ[d]チアゾール(商業的に入手可能)(0.16g、1.178ミリモル)、硝酸銀(0.040g、0.236ミリモル)および過硫酸カリウム(1.27g、4.71ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物をDCM(10mL)で希釈し、水(10mL)、ブライン溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(12g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~30%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.07g、0.232ミリモル、収率20%)を淡黄色の固体として得た。MS(ESI) 302(M+H)
【0279】
工程B. 中間体33B. (4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メタノールの製造
【化118】
表記化合物は、必要に応じて、中間体33Aを代わりに用いることにより中間体19Bの合成について記載される方法に従って、オフホワイトの固体として製造された(0.06g、0.208ミリモル、収率90%)。MS(ESI) 274(M+H)
【0280】
工程C. 中間体33C. 4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化119】
表記化合物は、必要に応じて、中間体33Bを代わりに用いることにより中間体19Cの合成について記載される方法に従って製造された(0.07g、0.155ミリモル、収率85%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 9.50(s,1H)、7.65-7.73(m,2H)、7.45-7.49(m,2H)、1.95-2.12(m,6H)、1.82-1.85(m,3H)、1.79-1.81(m,3H)
【0281】
工程D. 中間体33D. メチル (E)-3-(3-(((4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化120】
表記化合物は、必要に応じて、中間体1Gおよび中間体33Cを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、淡黄色の固体として製造された(30mg、0.069ミリモル、収率47%)。MS(ESI) 433(M+H)
【0282】
工程E. 実施例33.メチル (E)-3-(3-(N-((4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
表記化合物は、中間体33Dおよびシクロプロパンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(2.8mg、5.59マイクロモル、収率20%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 8.02(d,J=7.8Hz,1H)、7.94-7.81(m,2H)、7.77-7.61(m,2H)、7.50(d,J=4.6Hz,2H)、7.45(t,J=7.7Hz,1H)、7.40-7.32(m,1H)、6.77(d,J=16.1Hz,1H)、3.74(s,3H)、3.69(br.s.,2H)、1.96-1.79(m,6H)、1.52-1.40(m,6H)、1.37(br.s.,1H)、0.80(br.s.,2H)、0.62(br.s.,2H);FXR EC50(nM)414;MS(ESI) 501(M+H)
【0283】
実施例34
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化121】
表記化合物は、中間体33Dおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(3.3mg、6.08マイクロモル、収率22%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 8.02(d,J=7.8Hz,1H)、7.90(d,J=8.1Hz,1H)、7.82(s,1H)、7.76-7.60(m,2H)、7.55-7.42(m,3H)、7.37(t,J=7.8Hz,1H)、6.77(d,J=16.1Hz,1H)、3.74(s,3H)、3.62(br.s.,2H)、2.19(br.s.,1H)、1.92-1.87(d,J=8.6Hz,6H)、1.59(br.s.,4H)、1.53-1.40(m,7H)、1.39-1.27(m,2H)、1.07(br.s.,1H)、0.88(br.s.,2H);FXR EC50(nM)222;MS(ESI) 543(M+H)
【0284】
実施例35
(E)-N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-N-(3-(2-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビニル)フェニル)シクロヘキサンカルボキシアミド
【化122】
【0285】
工程A. 中間体35A. (E)-3-(3-アミノ フェニル)アクリル酸の製造
【化123】
中間体1G(0.1g、0.564ミリモル)のメタノール(1mL)、テトラヒドロフラン(1mL)および水(1mL)中撹拌溶液に、LiOH(0.041g、1.693ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。該残渣を水で希釈し、クエン酸飽和水溶液を用いて酸性にした。該水溶液をEtOAc(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して表記化合物(0.08g、0.466ミリモル、収率83%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 12.32(s,1H)、7.41(d,J=16.00Hz,1H)、7.06(t,J=8.00Hz,1H)、6.79(d,J=6.00Hz,2H)、6.61(d,J=7.60Hz,1H)、6.30(d,J=15.60Hz,1H)、5.20(br.s.,2H);MS(ESI) 164(M+H)
【0286】
工程B. 中間体35B. (E)-3-(2-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビニル)アニリンの製造
【化124】
中間体35A(0.08g、0.490ミリモル)のDMF(2mL)中撹拌溶液に、(E)-N’-ヒドロキシアセトイミダミド(0.073g、0.981ミリモル)、BOP(0.217g、0.490ミリモル)を、つづいてTEA(0.205mL、1.471ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で1時間、そして100℃で1時間撹拌した。該反応混合物を室温に冷却し、水(10mL)で希釈し、EtOAc(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(12g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~50%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.055g、0.260ミリモル、収率53%)を黄色の固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.65(d,J=16.1Hz,1H)、7.13-7.06(m,2H)、6.97-6.86(m,2H)、6.68-6.63(m,1H)、5.21(s,2H)、2.35(s,3H);MS(ESI) 164(M+H)
【0287】
工程C. 中間体35C. (E)-N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-3-(2-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビニル)アニリンの製造
【化125】
表記化合物は、必要に応じて、中間体35Bおよび中間体15Bを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、淡黄色の固体として製造された(0.03g、0.035ミリモル、収率28%)。MS(ESI) 430(M+H)
【0288】
工程D. 実施例35.(E)-N-((4-(4-メトキシフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-N-(3-(2-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビニル)フェニル)シクロヘキサンカルボキシアミドの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体35Cおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(2.8mg、5.19マイクロモル、収率18%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.96-7.83(m,2H)、7.77(d,J=7.1Hz,1H)、7.57-7.35(m,3H)、7.24(d,J=8.8Hz,2H)、6.89(d,J=8.8Hz,2H)、3.69(s,3H)、3.60(br.s.,2H)、2.37(s,3H)、2.22(br.s.,1H)、1.72-1.53(m,12H)、1.48(br.s.,1H)、1.40(d,J=8.1Hz,6H)、1.09(d,J=12.5Hz,1H)、0.87(d,J=13.2Hz,2H);FXR EC50(nM)446;MS(ESI) 540(M+H)
【0289】
実施例36
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート
【化126】
【0290】
工程A. 中間体36A. メチル (E)-3-(3-(((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)ブタ-2-エノエートの製造
【化127】
表記化合物は、必要に応じて、中間体14Aおよび中間体28Cを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って製造された(30mg、0.024ミリモル、収率12%)。MS(ESI) 430(M+H)
【0291】
工程B. 実施例36.メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体36Aおよびシクロプロパンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(6.6mg、0.013ミリモル、収率37%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.63(s,1H)、7.57-7.40(m,3H)、7.11(d,J=8.3Hz,2H)、6.93(d,J=8.3Hz,2H)、6.24(s,1H)、3.78-3.57(m,5H)、2.53(s,3H)、1.90-1.75(m,1H)、1.71-1.53(m,6H)、1.45-1.28(m,7H)、1.24(s,1H)、0.93-0.83(m,2H)、0.80(d,J=2.9Hz,2H)、0.69-0.52(m,4H);FXR EC50(nM)1785; MS(ESI) 498(M+H)
【0292】
実施例37
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-シクロプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)ブタ-2-エノエート
【化128】
表記化合物は、必要に応じて、中間体36Aおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(7.4mg、0.014ミリモル、収率39%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.60-7.40(m,4H)、7.12(d,J=8.3Hz,2H)、6.94(d,J=8.6Hz,2H)、6.23(s,1H)、3.69(s,3H)、3.59(br.s.,2H)、2.53(s,3H)、2.19(br.s.,1H)、1.89-1.75(m,1H)、1.71-1.53(m,10H)、1.48(br.s.,1H)、1.44-1.28(m,8H)、1.09(d,J=13.9Hz,1H)、0.95-0.74(m,4H)、0.64-0.49(m,2H);FXR EC50(nM)498;MS(ESI) 540(M+H)
【0293】
実施例38
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化129】
【0294】
工程A. 中間体38A. メチル 4-(4-(プロパ-1-エン-2-イル)フェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化130】
中間体1C(0.35g、1.083ミリモル)の1,4-ジオキサン(6mL)および水(1.5mL)中撹拌溶液に、4,4,5,5-テトラメチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(0.72g、4.33ミリモル)、炭酸ナトリウム(0.34g、3.25ミリモル)を添加した。反応混合物を脱気処理に付し、アルゴンで埋め戻した。PdCl(dppf)-CHClアダクツ(0.088g、0.108ミリモル)を該反応物に添加し、バイアルを密封した(圧力放出バイアル)。反応混合物を90℃で12時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(12g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~30%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.25g、0.791ミリモル、収率73%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.39-7.47(m,2H)、7.27-7.30(m,2H)、5.37(d,J=0.40Hz,1H)、5.04(d,J=1.60Hz,1H)、3.60(s,3H)、2.04(s,3H)、1.72-1.83(m,12H)
【0295】
工程B. 中間体38B. メチル 4-(4-イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化131】
中間体38A(0.2g、0.703ミリモル)のメタノール(3mL)中撹拌溶液に、を脱気処理に付し、窒素で埋め戻した。パラジウム/炭素(0.075g、0.070ミリモル)を該反応混合物に添加し、水素雰囲気下(バルーン圧)にて室温で12時間水素添加した。反応混合物をセライトを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、表記化合物(0.18g、0.534ミリモル、収率76%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI) 287(M+H)
【0296】
工程C. 中間体38C. (4-(4-イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メタノールの製造
【化132】
表記化合物は、必要に応じて、中間体38Bを代わりに用いることにより中間体19Bの合成について記載される方法に従って、白色の固体として製造された(0.13g、0.478ミリモル、収率95%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.21-7.24(m,2H)、7.11-7.15(m,2H)、4.30-4.34(m,1H)、3.08(d,J=5.20Hz,2H)、2.80-2.84(m,1H)、1.70-1.74(m,6H)、1.43-1.46(m,6H)、1.18(d,J=17.60Hz,6H)
【0297】
工程D. 中間体38D. 4-(4-イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化133】
表記化合物は、必要に応じて、中間体38Cを代わりに用いることにより中間体19Cの合成について記載される方法に従って、油状物として製造された(0.1g、0.390ミリモル、収率78%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 9.48(s,1H)、7.21-7.29(m,2H)、7.14-7.16(m,2H)、2.80-2.84(m,1H)、1.66-1.91(m,12H)、1.17(d,J=7.20Hz,6H)
【0298】
工程E. 中間体38E. メチル (E)-3-(3-(((4-(4-イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化134】
表記化合物は、必要に応じて、中間体1Gおよび中間体38Dを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、淡黄色の固体として製造された(0.07g、0.134ミリモル、収率43%)。MS(ESI) 418(M+H)
【0299】
工程E. 実施例38. メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
表記化合物は、中間体38Eおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(6.8mg、0.012ミリモル、収率23%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.79(s,1H)、7.76-7.64(m,2H)、7.54-7.39(m,2H)、7.16(d,J=8.4Hz,2H)、7.10(d,J=8.4Hz,2H)、6.76(d,J=16Hz,1H)、3.74(s,3H)、3.59(br.s.,2H)、2.80(dt,J=13.7、6.8Hz,1H)、2.20(br.s.,1H)、1.76-1.75(m,1H)、1.69-1.54(m,9H)、1.43-1.34(m,7H)、1.32(br.s.,2H)、1.19(d,J=8.4Hz,6H)、1.09(d,J=9.8Hz,1H)、0.85(br.s.,2H);FXR EC50(nM)196;MS(ESI) 528(M+H)
【0300】
実施例39
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(4-イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロプロパンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化135】
表記化合物は、中間体38Eおよびシクロプロパンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(2.3mg、4.64マイクロモル、収率9%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.84(s,1H)、7.76-7.58(m,2H)、7.48(d,J=5.4Hz,2H)、7.16(d,J=8.4Hz,2H)、7.09(d,J=8.4Hz,2H)、6.75(d,J=16Hz,1H)、3.74(s,3H)、3.66(br.s.,2H)、2.80(dt,J=13.9、6.9Hz,1H)、1.73-1.58(m,6H)、1.48-1.27(m,7H)、1.15(d,J=6.8Hz,6H)、0.84-0.74(m,2H)、0.62(br.s.,2H);FXR EC50(nM)1427;MS(ESI) 486(M+H)
実施例40
メチル 5-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート
【化136】
【0301】
工程A. 中間体40A. メチル 5-(((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
【化137】
表記化合物は、必要に応じて、中間体11Fおよび中間体19Cを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、淡黄色の固体として製造された(50mg、0.086ミリモル、収率38%)。MS(ESI) 408(M+H)
【0302】
工程B. 実施例40. メチル 5-(N-((4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
表記化合物は、中間体40Aおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(27mg、0.051ミリモル、収率69%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.58(s,1H)、7.51-7.38(m,2H)、7.37-7.29(m,1H)、3.84(d,J=13.7Hz,1H)、3.75(s,3H)、3.17(d,J=5.4Hz,1H)、2.99(d,J=13.9Hz,1H)、2.78-2.68(m,1H)、2.61-2.53(m,2H)、2.43-2.33(m,1H)、2.27(s,3H)、1.99(br.s.,1H)、1.81(t,J=7.9Hz,6H)、1.71-1.53(m,4H)、1.53-1.44(m,3H)、1.40(br.s.,3H)、1.36-1.17(m,2H)、1.07(d,J=12.2Hz,1H)、0.93-0.74(m,2H);FXR EC50(nM)1069;MS(ESI) 518(M+H)
【0303】
実施例41
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化138】
【0304】
工程A. 中間体41A. メチル 4-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化139】
表記化合物は、4-(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸および(Z)-N’-ヒドロキシシクロプロパンカルボキシイミダミドを代わりに用いることにより中間体19Aの合成について記載される方法に従って製造された(490mg、1.667ミリモル、収率71%)。MS(ESI) 277(M+H)
【0305】
工程B. 中間体41B. (4-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メタノールの製造
【化140】
表記化合物は、必要に応じて、中間体41Aを代わりに用いることにより中間体19Bの合成について記載される方法に従って製造された(500mg、1.087ミリモル、収率61%)。MS(ESI) 249(M+H)
【0306】
工程C. 中間体41C. 4-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化141】
表記化合物は、必要に応じて、中間体41Bを代わりに用いることにより中間体8Gの合成について記載される方法に従って製造された(350mg、1.421ミリモル、収率71%)。MS(ESI) 247(M+H)
【0307】
工程D. 中間体41D. メチル (E)-3-(3-(((4-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化142】
表記化合物は、必要に応じて、中間体1Gおよび中間体41Cを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、黄色のガム状の液体として製造された(130mg、0.319ミリモル、収率79%)。MS(ESI) 408(M+H)
【0308】
工程E. 実施例41. メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサン カルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体41Dおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(22mg、0.042ミリモル、収率58%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.79(s,1H)、7.74-7.59(m,2H)、7.54-7.33(m,2H)、6.76(d,J=16.1Hz,1H)、3.74(s,3H)、3.58(s,2H)、2.17(br.s.,1H)、2.08-1.98(m,1H)、1.84-1.68(m,6H)、1.59(d,J=9.0Hz,4H)、1.47(br.s.,1H)、1.42-1.23(m,8H)、1.15-0.97(m,3H)、0.93-0.75(m,4H);FXR EC50(nM)=47;MS(ESI) 518(M+H)
【0309】
実施例42
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-モルホリノ-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化143】
【0310】
工程A. 中間体42A. (Z)-N’-ヒドロキシモルホリン-4-カルボキシイミダミドの製造
【化144】
モルホリン-4-カルボニトリル(商業的に入手可能)(0.902mL、8.92ミリモル)のエタノール(12mL)中撹拌溶液に、ヒドロキシルアミン(2.73mL、44.6ミリモル)を加えた。反応混合物を還流温度で1.5時間撹拌した。該反応混合物を室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3x20ml)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して表記化合物(500mg、3.41ミリモル、収率38%)をガム状の液体として得た。MS(ESI) 146(M+H)
【0311】
工程B. 中間体42B. メチル 4-(3-モルホリノ-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化145】
表記化合物は、必要に応じて、中間体42Aを代わりに用いることにより中間体19Aの合成について記載される方法に従って、少量の不純物と共に製造された(450mg、1.400ミリモル、収率93%)。MS(ESI) 322(M+H)
【0312】
工程C. 中間体42C. 4-(3-モルホリノ-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メタノールの製造
【化146】
表記化合物は、必要に応じて、中間体42Bを代わりに用いることにより中間体19Bの合成について記載される方法に従って、黄色の固体として製造された(200mg、0.443ミリモル、収率57%)。MS(ESI) 294(M+H)
【0313】
工程D. 中間体42D. 4-(3-モルホリノ-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化147】
中間体42C(170mg、0.579ミリモル)のDCM(3mL)中撹拌溶液に、DMP(295mg、0.695ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温までの加温に供し、DCM(10ml)で希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(12g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~30%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(90mg、0.238ミリモル、収率41%)をガム状の液体として得た。MS(ESI) 292(M+H)
【0314】
工程E. 中間体42E. メチル (E)-3-(3-(((4-(3-モルホリノ-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化148】
表記化合物は、必要に応じて、中間体1Gおよび中間体42Dを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って製造された(100mg、0.208ミリモル、収率67%);MS(ESI) 453(M+H)
【0315】
工程F. 実施例42.メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-モルホリノ-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体42Eおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(11.56mg、0.021ミリモル、収率31%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.80(s,1H)、7.74-7.62(m,2H)、7.54-7.37(m,2H)、6.76(d,J=16.1Hz,1H)、3.74(s,3H)、3.68-3.61(m,4H)、3.58(s,2H)、3.28-3.20(m,4H)、2.17(br.s.,1H)、1.82-1.70(m,6H)、1.59(d,J=11.0Hz,4H)、1.42-1.18(m,9H)、1.08(d,J=12.0Hz,1H)、0.85(d,J=11.5Hz,2H)FXR EC50(nM)=118:MS(ESI) 563(M+H)
【0316】
実施例43
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化149】
【0317】
工程A. 中間体43A. N’-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシイミダミドの製造
【化150】
テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボニトリル(商業的に入手可能)(0.988mL、9.00ミリモル)のエタノール(12mL)中撹拌溶液に、ヒドロキシルアミン(2.7mL、45.0ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を還流温度で2時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、残渣を水(20mL)で希釈し、5分間撹拌した。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させ、表記化合物(1280mg、6.21ミリモル、収率69%)を白色の固体として得た。MS(ESI) 145(M+H)
【0318】
工程B. 中間体43B. メチル 4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化151】
表記化合物は、必要に応じて、中間体43Aを代わりに用いることにより中間体19Aの合成について記載される方法に従って製造された(350mg、0.983ミリモル、収率42%)。MS(ESI) 320(M+H)
【0319】
工程C. 中間体43C. (4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メタノールの製造
【化152】
表記化合物は、必要に応じて、中間体43Bを代わりに用いることにより中間体19Bの合成について記載される方法に従って、白色の固体として製造された(160mg、0.465ミリモル、収率43%)。MS(ESI) 293(M+H)
【0320】
工程D. 中間体43D. 4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化153】
表記化合物は、必要に応じて、中間体43Cを代わりに用いることにより中間体28Cの合成について記載される方法に従って製造された(230mg、0.776ミリモル、収率76%)。MS(ESI) 291(M+H)
【0321】
工程E. 中間体43E. メチル (E)-3-(3-(((4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化154】
表記化合物は、必要に応じて、中間体1Gおよび中間体43Dを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、淡黄色の固体として製造された(220mg、0.487ミリモル、収率61%)。MS(ESI) 453(M+H)
【0322】
工程C. 実施例43.メチル (E)-3-(3-(N-((4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体43Eおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(26mg、0.046ミリモル、収率69%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.80(s,1H)、7.76-7.62(m,2H)、7.55-7.32(m,2H)、6.76(d,J=15.9Hz,1H)、3.91-3.79(m,2H)、3.74(s,3H)、3.59(s,2H)、3.49-3.38(m,2H)、3.00(tt,J=11.5、3.8Hz,1H)、2.18(br.s.,1H)、1.88-1.72(m,8H)、1.71-1.53(m,6H)、1.49(d,J=11.5Hz,1H)、1.44-1.24(m,8H)、1.08(d,J=13.0Hz,1H)、0.86(d,J=11.7Hz,2H);FXR EC50(nM)=107:MS(ESI) 562(M+H)
【0323】
実施例44
メチル (E)-3-(3-(N-((4-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化155】
【0324】
工程A. 中間体44A. メチル 4-カルバモイルビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化156】
4-(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸(0.5g、2.356ミリモル)のDMF(10mL)中撹拌溶液に、塩化アンモニウム(1.26g、23.56ミリモル)、TEA(1.3mL、9.42ミリモル)およびBOP(1.04g、2.356ミリモル)を窒素雰囲気下の室温で添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(2x30mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~100%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.4g、1.89ミリモル、収率80%)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 6.95(br.s.,1H)、6.74(br.s.,1H)、3.57(s,3H)、1.74-1.61(m,12H);MS(ESI) 212(M+H)
【0325】
工程B. 中間体44B. メチル 4-シアノビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化157】
中間体44A(0.35g、1.657ミリモル)のピリジン(7mL)中撹拌溶液に、無水トリフルオロ酢酸(1.74g、8.28ミリモル)を0℃で滴下して加えた。反応混合物をその同じ温度で30分間撹拌した。反応物を10%NaHCO水溶液でクエンチさせた。反応混合物をEtOAc(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~30%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.25g、1.23ミリモル、収率74%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 3.58(s,3H)、1.93-1.83(m,6H)、1.78-1.68(m,6H)
【0326】
工程C. 中間体44C. メチル 4-シアノビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化158】
中間体44B(0.25g、1.294ミリモル)のエタノール(5mL)中撹拌溶液に、ヒドロキシルアミン/水(0.319mL、5.17ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を還流温度で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。該残渣を水(5mL)で希釈し、5分間撹拌した。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.28g、1.17ミリモル、収率91%)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 8.88(s,1H)、5.15(s,2H)、3.57(s,3H)、1.73-1.62(m,12H);MS(ESI) 227(M+H)
【0327】
工程D. 中間体44D. メチル 4-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化159】
中間体44C(0.23g、1.016ミリモル)の無水酢酸(1.91ml、20.33ミリモル)中の撹拌した溶液を120℃で30分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣に添加されるように、該残渣を水(5mL)で希釈し、5分間撹拌した。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.21g、0.79ミリモル、収率78%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 3.59(s,3H)、2.53(s,3H)、1.87-1.77(m,12H);MS(ESI) 251(M+H)
【0328】
工程E. 中間体44E. (4-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メタノールの製造
【化160】
表記化合物は、必要に応じて、中間体44Dを代わりに用いることにより中間体19Bの合成について記載される方法に従って、白色の固体として製造された(0.155g、0.66ミリモル、収率79%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 4.37(t,J=5.5Hz,1H)、3.07(d,J=5.5Hz,2H)、2.52(s,3H)、1.82-1.73(m,6H)、1.48-1.38(m,6H)
【0329】
工程F. 中間体44F. 4-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化161】
表記化合物は、必要に応じて、中間体44Eを代わりに用いることにより中間体19Cの合成について記載される方法に従って、オフホワイトの固体として製造された(0.12g、0.218ミリモル、収率44%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 9.45(s,1H)、2.54(s,3H)、1.79-1.87(m,6H)、1.66-1.70(m,6H)
【0330】
工程G. 中間体44G. メチル (E)-3-(3-(((4-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化162】
表記化合物は、必要に応じて、中間体1Gおよび中間体44Fを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、オフホワイトの固体として製造された(20mg、0.050ミリモル、収率23%)。MS(ESI) 382(M+H)
【0331】
工程H. 実施例44. メチル (E)-3-(3-(N-((4-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
表記化合物は、中間体44Gおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って製造された(9.3mg、0.019ミリモル、収率36%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.80(s,1H)、7.75-7.60(m,2H)、7.54-7.37(m,2H)、6.76(d,J=16.1Hz,1H)、3.74(s,3H)、3.58(br.s.,2H)、2.18(br.s.,1H)、1.78-1.66(m,6H)、1.59(d,J=9.8Hz,4H)、1.48(br.s.,1H)、1.42-1.25(m,8H)、1.08(d,J=14.4Hz,1H)、0.87(br.s.,2H);(メチルの3プロトンが溶媒のピークの下に隠された);FXR EC50(nM)87;MS(ESI) 492(M+H)
【0332】
実施例45
メチル 5-(N-((1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレート
【化163】
【0333】
工程A. 中間体45A. メチル 5-(((1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)アミノ)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
【化164】
表記化合物は、必要に応じて、中間体11Fおよび中間体8Gを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、黒色の固体として製造された(0.12g、0.249ミリモル、収率33%)。MS(ESI) 458(M+H)
【0334】
工程B. 実施例45.メチル 5-(N-((1-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)-3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルボキシレートの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体45Aおよびシクロヘキサンカルボニルクロリドを代わりに用いることにより実施例19(工程F)の合成について記載される方法に従って、オフホワイトの固体として製造された(0.06g、0.100ミリモル、収率92%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.95(s,1H)、7.66(s,1H)、7.60(s,1H)、7. 52-7. 48(m,2H)、7.40-7.34(m,3H)、3.99(s,3H)、3.95-3.90(m,1H)、3.84-3.81(m,1H)、3.76(s,3H)、3.69-3.67(m,1H)、2.97-2.93(m,1H)、2.67-2.68(m,1H)、2.56-2.55(m,2H)、2.45-2.36(m,2H)、2.05-2.02(m,4H)、1.83-1.25(m,10H)、1.12-1.05(m,1H)、0.89-0.83(m,3H);FXR EC50(nM)1150;MS(ESI) 568.3(M+H)
【0335】
実施例46および47
メチル (E)-3-(3-(N-(1-(4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)エチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレート
【化165】
【0336】
工程A. 中間体46A. 1-(4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)エタン-1-オールの製造
【化166】
中間体19C(0.5g、2.270ミリモル)の乾燥テトラヒドロフラン(15mL)中の撹拌した溶液を-78℃に冷却した。臭化メチルマグネシウム/ジエチルエーテル(1.135mL、3.40ミリモル)を該反応物に窒素下で添加した。反応混合物をその同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を0℃までの加温に供した。反応物をNH4Cl飽和水溶液でクエンチさせた。反応混合物をEtOAc(2x10mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~50%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.51g、2.050ミリモル、収率90%)を油状物として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 4.28(d,J=5.20Hz,1H)、3.24-3.26(m,1H)、2.29(s,3H)、1.83-1.87(m,6H)、1.40-1.55(m,6H)、0.96(d,J=6.40Hz,3H)
【0337】
工程B. 中間体46B. 1-(4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)エタン-1-オンの製造
【化167】
中間体46A(0.4g、1.693ミリモル)のジクロロメタン(5mL)中撹拌溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(1.79g、4.23ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、1時間撹拌した。反応混合物をDCM(10mL)で希釈し、10%NaHCO水溶液(10mL)、ブライン溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~40%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(0.3g、1.216ミリモル、収率72%)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 2.31(s,3H)、2.00(s,3H)、1.89-1.93(m,6H)、1.74-1.78(m,6H)
【0338】
工程C. 中間体46C. メチル (E)-3-(3-((1-(4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリレートの製造
【化168】
表記化合物は、必要に応じて、中間体1Gおよび中間体46Bを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って、淡黄色の油として製造された(100mg、0.152ミリモル、収率47%)。MS(ESI) 396(M+H)
【0339】
工程D. 実施例46および47. メチル (E)-3-(3-(N-(1-(4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)エチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)フェニル)アクリレートの製造
中間体46A(70mg、0.177ミリモル)のピリジン(2mL)中撹拌溶液に、DMAP(23mg、0.177ミリモル)を、つづいてシクロヘキサンカルボニルクロリド(130mg、0.885ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を90℃で3日間加熱した。反応混合物をDCM(10mL)で希釈し、10%NaHCO水溶液(10mL)、ブライン溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料を逆相HPLCに、つづいてキラルHPLCに、次の条件:(カラム:DAD-1 セルロース-2(250x4.6)5.0μm;アイソクラチック・モード(Isocratic Mode)、移動相:MeOH、カラム温度:30℃;トータル流速:2mL/分)を用いて精製した。エナンチオマー1(RT=7.97分)実施例-46(7.5mg、0.015ミリモル、収率8%);H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.83-7.27(m,5H)、6.76(dd,J=16.3、7.2Hz,1H)、4.80(br.s.,1H)、3.75(d,J=2.7Hz,3H)、2.29(s,3H)、1.83(br.s.,7H)、1.61(br.s.,3H)、1.53(br.s.,6H)、1.45(br.s.,2H)、1.41-1.28(m,2H)、1.07(d,J=12.2Hz,2H)、0.97(br.s.,2H)、0.78(br.s.,2H);FXR EC50(nM)302;MS(ESI) 506(M+H);およびエナンチオマー2(RT=9.7分)実施例-47(9.1mg、0.018ミリモル、収率10%);H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.83-7.27(m,5H)、6.76(dd,J=16.3、7.2Hz,1H)、4.80(br.s.,1H)、3.75(d,J=2.7Hz,3H)、2.29(s,3H)、1.83(br.s.,7H)、1.61(br.s.,3H)、1.53(br.s.,6H)、1.45(br.s.,2H)、1.41-1.28(m,2H)、1.07(d,J=12.2Hz,2H)、0.97(br.s.,2H)、0.78(br.s.,2H);FXR EC50(nM)152:MS(ESI) 506(M+H)
【0340】
実施例48
N-((4-(5-(tert-ブチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-3-フルオロ-N-(3-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)フェニル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミド
【化169】
【0341】
工程A. 中間体48A. メチル 4-(2-ピバロイルヒドラジン-1-カルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化170】
4-(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸(1g、4.71ミリモル)およびピバロヒドラジド(商業的に入手可能)(0.602g、5.18ミリモル)のDMF(10mL)中撹拌溶液に、HATU(2.329g、6.12ミリモル)およびDIPEA(2.469mL、14.13ミリモル)を0℃で添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。該反応混合物を氷水上に注ぎ、酢酸エチル(2x150mL)で抽出した。有機層を合わせ、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液としてヘキサン中30%EtOAc、40gカラム)に付して精製し、表記化合物(900mg、2.90ミリモル、収率62%)を得た。H NMR(300MHz、DMSO-d) δ 9.21(d,J=0.90Hz,1H)、9.15(s,1H)、3.57(s,3H)、1.85-1.60(m,12H)、1.12(s,9H);MS(ESI) 311(M+H)
【0342】
工程B. 中間体48B. メチル 4-(5-(tert-ブチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化171】
中間体48A(700mg、2.255ミリモル)のMeCN(1mL)中撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(1242mg、4.74ミリモル)およびCCl4(0.239mL、2.481ミリモル)を室温で添加し、反応混合物を90℃で12時間撹拌した。該反応混合物を減圧下で濃縮し、該残渣をEtOAc(50mL)で希釈し、水(30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(24g シリカゲルカラム、EtOAc/PE、0-60%EA、勾配溶出)に付して精製し、表記化合物(650mg、2.223ミリモル、収率99%)を得た。H NMR(300MHz、DMSO-d) δ 3.60(s,3H)、1.89-1.80(m,12H)、1.32(s,9H);MS(ESI) 293(M+H)
【0343】
工程C. 中間体48C. (4-(5-(tert-ブチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メタノールの製造
【化172】
表記化合物は、必要に応じて、中間体48Bを代わりに用いることにより中間体19Bの合成について記載される方法に従って製造された(720mg、2.72ミリモル、収率100%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 4.40(t,J=5.5Hz,1H)、3.08(d,J=5.5Hz,2H)、1.89-1.75(m,6H)、1.51-1.37(m,6H)、1.38(s,9H)
【0344】
工程D. 中間体48D. 4-(5-(tert-ブチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボアルデヒドの製造
【化173】
表記化合物は、必要に応じて、中間体48Cを代わりに用いることにより中間体19Cの合成について記載される方法に従って製造された(600mg、2.287ミリモル、収率86%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 9.46(s,1H)、1.96-1.83(m,6H)、1.75-1.63(m,6H)、1.33(s,9H);MS(ESI) 263(M+H)
【0345】
工程E. 中間体48E. 3-ブロモ-N-((4-(5-(tert-ブチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)アニリンの製造
【化174】
表記化合物は、必要に応じて、中間体48Dを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って製造された(200mg、0.478ミリモル、収率33%)。H NMR(300MHz、DMSO-d)δ 7.00-6.93(m,1H)、6.76(d,J=2.3Hz,1H)、6.60(dd,J=8.1、2.1Hz,2H)、5.76(d,J=2.6Hz,1H)、2.80(d,J=5.9Hz,2H)、1.90-1.80(m,6H)、1.60-1.50(m,6H)、1.32(s,9H);MS(ESI) 418(M+H)
【0346】
工程F. 中間体48F. N-(3-ブロモフェニル)-N-((4-(5-(tert-ブチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-3-フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミドの製造
【化175】
中間体48E(300mg、0.717ミリモル)および3-フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸(112mg、0.860ミリモル)のDCM(5mL)中撹拌溶液に、ピリジン(0.290mL、3.59ミリモル)およびPOCl(0.134mL、1.434ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、氷水に注いだ。水層をEtOAc(2x150mL)で抽出し、有機層を合わせ、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。該残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーを介して、溶出液としてヘキサン中50%EtOAc(24gカラム)を用いて精製し、表記化合物(250mg、0.471ミリモル、収率66%)を得た。H NMR(300MHz、DMSO-d)δ 7.71(s,1H)、7.61(d,J=7.6Hz,1H)、7.42(d,J=8.9Hz,2H)、1.87(br.s.,6H)、1.80-1.72(m,6H)、1.45-1.36(m,6H)、1.30(s,9H);MS(ESI) 530(M+H)
【0347】
工程G. 実施例48. N-((4-(5-(tert-ブチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-3-フルオロ-N-(3-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)フェニル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミドの製造
中間体48F(20mg、0.038ミリモル)のDMF(1mL)中撹拌溶液に、2-メチルブタ-3-イン-2-オール(3.81mg、0.045ミリモル)およびEtN(0.016mL、0.113ミリモル)を室温で添加した。反応混合物をアルゴンで5分間にわたって脱気処理に付し、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(2.65mg、3.77マイクロモル)を添加し、つづいてヨウ化銅(I)(0.359mg、1.885マイクロモル)を加えた。反応混合物を90℃で12時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗製残渣を、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジC18、150mmx19mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:10%Bで0分間保持し、25分間にわたって10-40%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:15mL/分;カラム温度:25℃を用いて、分取性LC/MSを介して精製した。フラクションの収集はシグナルによってトリガーに付された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心型蒸発を介して乾燥させ、表記化合物(3.7mg、収率18%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.56-7.27(m,4H)、5.51(s,1H)、3.72-3.55(m,1H)、3.50-3.39(m,1H)、1.97-1.63(m,12H)、1.54-1.34(m,12H)、1.30(s,9H);FXR EC50(nM)=30:MS(ESI) 534(M+H)
実施例49
N-((4-(5-(1,1-ジフルオロエチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-3-フルオロ-N-(3-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)フェニル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミド
【化176】
【0348】
工程A. 中間体49A. メチル 4-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化177】
4-(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸(1.5g、7.1ミリモル)のTHF(17mL)中撹拌溶液に、ボラン・ジメチルスルフィド複合体(2.0mL、21ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を室温まで加温させ、撹拌した。4時間後、該反応物をMeOHでクエンチさせた(冷却しながら15分間にわたって滴下して加えた)。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、粗生成物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(80g シリカゲルカートリッジ;A=PE、B=EtOAc;25分間の勾配;0%~50%B;流速=60mL/分;TLCをKMnOで可視化した)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、真空下で濃縮して乾燥させ、表記化合物(1.3g、6.6ミリモル、収率93%)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 3.56(s,3H)、3.36(s,2H)、3.05(s,1H)、1.78-1.64(m,6H)、1.37-1.27(m,6H)
【0349】
工程B. 中間体49B. メチル 4-ホルミルビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化178】
表記化合物は、必要に応じて、中間体49Aを代わりに用いることにより中間体19Cの合成について記載される方法に従って、無色の油として製造された(0.070g、0.34ミリモル、収率67%)。H NMR(400MHz、CHCl-d) δ 9.4(s,1H)、3.66(s,3H)、1.86-1.82(m,7H)、1.69-1.66(m,5H)
【0350】
工程C. 中間体49C. メチル 4-(((3-ブロモフェニル)アミノ)メチル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化179】
表記化合物は、必要に応じて、中間体中間体49Bおよび3-ブロモアニリンを代わりに用いることにより中間体1Hの合成について記載される方法に従って製造された(900mg、2.55ミリモル、収率44%)。MS(ESI) 353(M+H)
【0351】
工程D. 中間体49D. メチル 4-((N-(3-ブロモフェニル)-3-フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミド)メチル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシレートの製造
【化180】
表記化合物は、必要に応じて、中間体49Cを代わりに用いることにより実施例23の合成について記載される方法に従って製造された(850mg、1.830ミリモル、収率71.6%)。MS(ESI) 464(M+H)
【0352】
工程E. 中間体49E. 4-((N-(3-ブロモフェニル)-3-フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミド)メチル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸の製造
【化181】
中間体49D(850mg、1.830ミリモル)のTHF(5mL)、MeOH(5mL)およびH2O(5mL)中撹拌溶液に、LiOH(263mg、10.98ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。氷水をこの混合物に添加し、水層を水性HClを用いて溶液のpHが約2となるまで酸性にした。生成物をEtOAc(2x50mL)で抽出し、有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し表記化合物(750mg、1.649ミリモル、収率90%)を得た。MS(ESI) 450(M+H)
【0353】
工程F. 中間体49F. 4-((N-(3-ブロモフェニル)-3-フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミド)メチル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボキシアミドの製造
【化182】
中間体49E(1.65g、3.66ミリモル)のDMF(15mL)中撹拌溶液に、塩化アンモニウム(235mg、4.40ミリモル)、TEA(1.5mL、10.99ミリモル)およびBOP(1.78g、4.03ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。該反応混合物を減圧下で濃縮し、該残渣を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ、表記化合物(1.6g、3.56ミリモル、収率97%)を得た。MS(ESI) 449(M+H)
【0354】
工程G. 中間体49G. N-(3-ブロモフェニル)-N-((4-シアノビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-3-フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミドの製造
【化183】
中間体49F(1.6g、3.56ミリモル)のピリジン(15mL)中の撹拌した溶液を0℃に冷却した。TFAA(2.51mL、17.80ミリモル)を該反応混合物に滴下して加えた。反応混合物を室温までの加温に供し、30分間撹拌した。反応混合物を氷冷水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲルカートリッジ;A=Hex、B=EtOAc;30分間の勾配;0%B~40%B;流速=30mL/分)に付して精製した。純粋なフラクションを合わせ、真空下で濃縮して乾燥させ、表記化合物(850mg、1.97ミリモル、収率55%)を淡褐色のガム状の油として得た。MS(ESI) 431(M+H)
【0355】
工程H. 中間体49H. (E)-N-(3-ブロモフェニル)-3-フルオロ-N-((4-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミドの製造
【化184】
中間体49G(0.47g、1.090ミリモル)のエタノール(10mL)中撹拌溶液に、ヒドロキシルアミン(0.336mL、5.45ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を90℃に3時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。氷水をこの残渣に加え、水層をEtOAc(2x50mL)で抽出し、有機層を合わせ、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、表記化合物(400mg、0.844ミリモル、収率77%)を得た。MS(ESI) 464(M+H)
【0356】
工程I. 中間体49I. N-(3-ブロモフェニル)-N-((4-(5-(1,1-ジフルオロエチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-3-フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミドの製造
【化185】
中間体49H(300mg、0.646ミリモル)の室温でのDMF(10mL)中撹拌溶液に、2,2-ジフルオロプロパン酸(71.1mg、0.646ミリモル)、TEA(0.360mL、2.58ミリモル)を、つづいてBOP(314mg、0.711ミリモル)を加えた。室温で3時間撹拌した後、反応混合物を110℃で一夜加熱した。該反応混合物を減圧下で濃縮し、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(4gシリカカートリッジ、0-40%EtOAc/石油エーテル)に付して精製し、表記化合物(250mg、0.464ミリモル、収率72%)を褐色の固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.74-7.68(m,1H)、7.61(dt,J=7.3、1.7Hz,1H)、7.49-7.36(m,2H)、3.58(br.s.,1H)、3.51(br.s.,1H)、2.23-2.05(m,3H)、1.88(br.s.,6H)、1.82-1.69(m,6H)、1.53-1.33(m,6H);MS(ESI) 538(M+H)
【0357】
工程J. 実施例49. N-((4-(5-(1,1-ジフルオロエチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)メチル)-3-フルオロ-N-(3-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)フェニル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシアミドの製造
表記化合物は、必要に応じて、中間体49Iを代わりに用いることにより実施例48の合成について記載される方法に従って製造された(13mg、0.024ミリモル、収率51.2%)。H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.50-7.35(m,4H)、5.52(s,1H)、3.70-3.61(m,1H)、3.46(brs,1H)、2.14(t,J=19.7Hz,3H)、1.97-1.67(m,12H)、1.45-1.33(m,6H);FXR EC50(nM)=39:MS(ESI) 452(M+H)
【0358】
生物学的評価
本発明の例示された化合物を、一過性ヒトFXR/Gal4-ルシフェラーゼレポーターアッセイにて試験し、アッセイ結果を他の分析データと一緒に表1および実施例1ないし3にて報告した。
Gal4-hFXR融合構築レポーターシステムを、一次アッセイとして用い、化合物の活性を特徴付けた。ホタルルシフェラーゼレポーターcDNAの上流に5コピーのGal4プロモーター応答因子を含む構築物が、HEK293細胞にて安定して発現された。このレポーター細胞株は、1%ペニシリン-ストレプトマイシン(P/S)溶液、500μg/mlゼオシンおよび10%チャコール/デキストラン処理のウシ胎児血清(cs-FBS)を補足したダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM;Gibco)中、加湿5%CO雰囲気下にて37℃で維持された。もう一つ別のプラスミドであって、その中でpcDNA3.1ベクターのヒトサイトメガロウイルスプロモータが、ヒトFXRからのリガンド結合ドメインに融合したGal4転写因子から由来のDNA結合ドメインからなる融合タンパク質をコードする、cDNAの発現を指示する、プラスミドが構築された。
【0359】
トランスフェクションの前日に、培養中のレポーター細胞をトリプシンでプレートから剥がし、翌朝には約90%のコンフルエンスを達成するのに十分な密度でT75フラスコ中にてプレート培養に付した。トランスフェクション試薬は、25μgのpcDNA3.1-Gal4-FXRプラスミドを1.87mLのOpti-MEM(Thermo-Fisher)に入れ、40μLのリポフェクトアミン2000(Thermo-Fisher)を1.87mLのOpti-MEMに入れて別々に希釈し、次にその希釈したDNA溶液を希釈したリポフェクトアミン2000溶液に添加し、室温で15-20分間インキュベートすることにより製造される。その混合物を、細胞に移す直前に、DMEM、10%cs-FBSおよび1%P/Sからなる10mlの溶液でさらに希釈する。維持培地を細胞から吸引し、最終的なトランスフェクション混合物を添加して、その後で該細胞を加湿5%CO雰囲気下にて37℃で一夜インキュベートする。このプロトコルをスケールアップし、その一時的にトランスフェクトされた細胞はアッセイ対応フォーマットにて凍結保存され得る。
【0360】
化合物の試験には、100nLの化合物(DMSOで連続希釈)を、エコー(Echo)音響ディスペンサー(Labcyte)を用いて、Corning/Costarの透明底の384ウェル白色プレートに分注する。トランスフェクトされた細胞を収穫し、計数し、25μL中に10-25,000細胞が384ウェル化合物アッセイプレートの各ウェルにプレーティングされるように希釈する。化合物で処理した細胞を加湿5%CO雰囲気下にて37℃で一夜インキュベートする。翌朝、25μLのSteady-Glo(Promega)をプレートの各ウェルに添加し、その混合物を振盪しながら15分間インキュベートさせ、Envision(Perkin Elmer)プレートリーダーで発光を測定する。DMSO単独で処理された細胞からのバックグラウンドカウントを全ての処理前(raw)のカウントから差し引き、その修正された値を8μM GW-4064で達成された対照応答のパーセンテージに変換する。これらのデータを4係数ロジスティックのアゴニスト応答方程式に適合させ、EC50値を計算する。
【0361】
インビボでの試験例:急性マウスPK/PD
体重が25-28gの雄のC57BL6/NTacマウスをTaconic Labs(ハドソン、NY)より購入し、Teklad Global 18% Protein Rodent Diet(Harlan Laboratories)で飼育する。1週間順応させた後、マウスを体重に基づいてグループに分類する。マウスには、単回経口用量のビヒクルまたは実験化合物が投与される。化合物の全身暴露は、投与の1時間後に、および研究終了時(6時間後)に顎下静脈から採取した血液に由来する血漿を用いて評価される。研究の終了の際に、動物を殺し、速やかに解剖する。肝臓の内葉を、半分が均質化されて化合物の暴露について分析され、別の半分がRNAlater(Thermo-Fisher Scientific)に保存されるように分割する。回腸も解剖され、RNAlaterに保存される。RNAlaterにある組織サンプルをMP Biomedicalsのビーズを用いて均質化する。RNAは、MagMax-96Total RNA Isolationキット(Thermo-Fisher Scientific)を用い、製造元のプロトコルに従って抽出される。RNA濃度をNano-Drop8000Spectrophotometer(Thermo Fisher)を用いて測定する。逆転写は、InvitrogenのSuperScript(登録商標)VILO cDNA Synthesis Kitを用い、製造元のプロトコルに従ってなされる。リアルタイムPCRは、Applied BiosystemsのTaqman PCRマスターミクスチャーを用い、製造元のプロトコルに従ってなされる。すべてのプライマーはThermo-Fisher Scientificから購入される。分析されるマウス遺伝子には、Nr0b2(小型ヘテロ二量体パートナー、SHPをコードする)、Abcb11(胆汁酸塩排出ポンプ、BSEPをコードする)、肝臓にあるCyp7a1&Cyp8b1、およびFgf15、Fabp6(回腸胆汁酸結合タンパク質、I-BABPをコードする)、Slc51a(有機溶質トランスポータアルファサブユニット、OSTAをコードする)、およびSlc51b(有機溶質トランスポータベータサブユニット、OSTBをコードする)(回腸にある)が含まれる。FGF15遺伝子発現での統計的に有意な変化は、ビヒクル対照と比べて、倍増で表され、CYP7A1発現ではパーセント減少で表される。
【0362】
本発明の他の特徴は、本発明を説明するのに付与され、発明を限定することを意図しない例示的な実施態様の上記の説明の過程で明らかになるはずである。本発明は、その精神または本質的属性から逸脱することなく、他の特定の形態にて具現化されてもよい。本発明は、本明細書に記載の発明の好ましい態様のあらゆる組み合わせを包含する。本発明のありとあらゆる実施態様は、他のいずれかの実施態様と併せて、付加的な実施態様を説明すると解釈されてもよいと理解される。実施態様の個々の各要素はそれ自体が独立した実施態様であるとも理解される。さらには、実施態様のいずれの要素も、いずれかの実施態様からのありとあらゆる要素と組み合わさって、さらなる実施態様を説明するものとする。