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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】果実及び乳清組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 21/12 20160101AFI20240306BHJP
   A23L 19/00 20160101ALI20240306BHJP
   A23L 29/281 20160101ALI20240306BHJP
【FI】
A23L21/12
A23L19/00 Z
A23L29/281
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021555883
(86)(22)【出願日】2019-03-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 IB2019000301
(87)【国際公開番号】W WO2020188310
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】521422710
【氏名又は名称】ソディマ
【氏名又は名称原語表記】SODIMA
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベレット モスニエ,エロディ
【審査官】澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-537969(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0055082(US,A1)
【文献】特開2013-176381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23B,A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3乃至4.5のpH、10℃及び60s-1で測定した場合0.5乃至4Pa・sの動的粘度、及び10℃で測定した場合5cm/分乃至8cm/分の粘稠度を有する果実調製物であり、前記果実調製物は、3質量%乃至10質量%の乳清タンパク質、少なくとも30質量%の果実片を含む果実成分、最大20質量%の水、最大59質量%の糖、及び最大10質量%の添加物からなり、20mM乃至50mMのCa2+濃度を有する、果実調製物。
【請求項2】
前記果実調製物が、5質量%乃至7質量%の量の乳清タンパク質を含む、請求項1に記載の果実調製物。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の果実調製物、及び第2の食用組成物を含む食品製品。
【請求項4】
前記第2の食用組成物が乳製品である、請求項3に記載の食品製品。
【請求項5】
a.6%乃至40%の濃度を有する乳清タンパク質溶液を、果実片を含む果実成分、カルシウム塩と組み合わせて、4質量%乃至10質量%の乳清タンパク質、少なくとも30質量%の果実成分、最大20質量%の水、最大59質量%の糖、及び最大10質量%の添加物からなり、20mM乃至50mMのCa2+濃度を有する混合物を生成すること、
b.前記混合物を92℃乃至100℃の温度で3分間乃至15分間低温殺菌すること、及び
c.前記混合物を40℃以下の温度に冷却して、3乃至4.5のpH、10℃及び60s-1で測定した場合0.5乃至4.0Pa・sの動的粘度、及び10℃で測定した場合5cm/分乃至8cm/分の粘稠度を有する果実調製物を生成すること
を含む、果実調製物を製造する方法。
【請求項6】
a.乳清タンパク質粉末と果汁または果実ピューレとカルシウム塩とを混合して、5質量%乃至7質量%の乳清タンパク質、少なくとも30質量%の果実、最大20質量%の水、最大59質量%の糖、及び最大10質量%の添加物からなり、20mM乃至50mMのC
2+濃度を有する混合物を生成すること、
b.前記混合物を92℃乃至100℃の温度で3分間乃至15分間低温殺菌すること;及び
c.前記混合物を40℃以下の温度に冷却して、3乃至4.5のpH、10℃及び60s-1で測定した場合0.5乃至4.0Pa・sの動的粘度、及び10℃で測定した場合5cm/分乃至8cm/分の粘稠度を有する果実調製物を生成すること
を含む、果実調製物を製造する方法。
【請求項7】
a.6質量%乃至40質量%のタンパク質濃度を有する乳清タンパク質溶液を熱処理して、少なくとも60%の変性を得た乳清ベースを形成すること、
b.前記乳清ベースを92℃乃至100℃の温度で3分間乃至15分間低温殺菌すること;及び
c.前記乳清ベースと果実片を含む果実成分とカルシウム塩とを組み合わせて、3質量%乃至10質量%の乳清タンパク質、少なくとも30質量%の果実、最大20質量%の水、最大59質量%の糖、及び最大10質量%の添加物からなり、20mM乃至50mMのCa2+濃度を有し、そして3乃至4.5のpH、10℃及び60s-1で測定した場合0.5乃至4Pa・sの動的粘度、及び10℃で測定した場合5cm/分乃至8cm/分の粘稠度を有する果実調製物を生成すること
を含む、果実調製物を製造する方法。
【請求項8】
前記乳清タンパク質溶液の熱処理が、4.5を超えるpHで、60℃乃至80℃の温度で5分間乃至50分間で行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記乳清タンパク質溶液が6を超えるpHで熱処理される、請求項5又は請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記果実調製物を酸性化するステップをさらに含み、該酸性化するステップが、有機酸または果実または野菜ジュースを添加することによって行われる、請求項5乃至請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ソース、ジャム、マーマレード、及びゼリーのような果実調製物は、ヨーグルト、アイスクリーム、パン、カッテージチーズ、または飲料のような食品に興味及び風味を加える方法である。果実調製物は、果実調製物を生成するように、一般に、果実の全果、果実片、ピューレ、及び/またはジュースを、水及び糖、そして安定剤、着色剤、及び/または香味剤などの他の成分と一緒に調理することによって製造される。
【0002】
消費者は、より少なく、よりシンプルな成分を含有する食品をますます探している。しかし、消費者が期待する食経験の他の態様、例えば食感、風味、及び外見を維持しながら、よりシンプルな食品に対する消費者の要望を満たすことは困難であり得る。さらに、より少ないまたはよりシンプルな成分で製造された食品はまた、ポンプ輸送能力、保管寿命、貯蔵寿命などそれらを製造可能にする属性、及びヨーグルトのような他の成分との適合性を保持しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、乳清タンパク質マトリックスを含む果実調製物に関する。
【0004】
本明細書では、果実調製物が提供される。果実調製物は3乃至4.5のpH、10℃及び60s-1で測定した場合0.5乃至4Pa・sの動的粘度、10℃で測定した場合約5cm/分乃至約8cm/分の粘稠度を有し、ここで、果実調製物は、約3質量%乃至約10質量%の乳清タンパク質、少なくとも30質量%の果実成分、最大20質量%の水、最大59質量%の糖、及び最大10質量%の添加物からなる。
【0005】
いくつかの実施形態において、果実成分は、果実片を含むことができる。
【0006】
いくつかの実施形態において、果実調製物は、最大5質量%の有機酸を含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、果実調製物は、半透明または透明のゲルを形成することができる。
【0008】
いくつかの実施形態において、果実調製物は、約5質量%乃至約7質量%の量の乳清タンパク質を含むことができる。
【0009】
食品製品も提供され、該食品製品は、本明細書に記載の果実調製物、及び第2の食用組成物を含有する。いくつかの実施形態において、第2の食用組成物は、乳製品であり得る。
【0010】
果実調製物を製造する方法もまた提供される。いくつかの実施形態において、果実調製物を製造する方法は、乳清タンパク質溶液を果実成分と組み合わせて、約4質量%乃至約10質量%の乳清タンパク質、少なくとも30質量%の果実成分、最大20質量%の水、最大59質量%の糖、及び最大10質量%の添加物を有する混合物を生成すること、混合物を85℃乃至100℃の温度で2分間乃至15分間低温殺菌すること、及び混合物を40℃以下の温度に冷却して、3乃至4.5のpH、10℃及び60s-1で測定した場合0.5乃至4.0Pa・sの動的粘度、10℃で測定した場合約5cm/分乃至約8cm/分の粘稠度を有する果実調製物を製造すること、を含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、果実調製物を製造する方法は、乳清タンパク質粉末と果汁または果実ピューレとを混合して、約4質量%乃至約10質量%の乳清タンパク質、少なくとも30質量%の果実、最大20質量%の水、最大59質量%の糖、及び最大10質量%の添加物を有する混合物を生成すること、混合物を85℃乃至100℃の温度で2分間乃至15分間低温殺菌すること、及び混合物を40℃以下の温度に冷却して、3乃至4.5のpH、10℃及び60s-1で測定した場合0.5乃至4.0Pa・sの動的粘度、10℃で測定した場合約5cm/分乃至約8cm/分の粘稠度を有する果実調製物を製造すること、を含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、果実調製物を製造する方法は、混合物を酸性化し、またはカルシウムを添加するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、酸性化のステップは、有機酸または果実または野菜ジュースを添加することによって行うことができる。
【0013】
いくつかの実施形態において、果実調製物を製造する方法は、約6質量%乃至約40質量%のタンパク質濃度を有する乳清タンパク質溶液を熱処理して、少なくとも60%の変性を得て乳清ベースを形成すること、乳清ベースを低温殺菌すること、及び乳清ベースと果実成分とを組み合わせて、約3質量%乃至約10質量%の乳清タンパク質、少なくとも30質量%の果実、最大20質量%の水、最大59質量%の糖、及び最大10質量%の添加剤を有し、そして3乃至4.5のpH、10℃及び60s-1で測定した場合0.5乃至4Pa・sの動的粘度、及び10℃で測定した場合約5cm/分乃至約8cm/分の粘稠度を有する果実調製物を製造すること、を含むことができる。
【0014】
果実調製物を製造する方法のいくつかの実施形態において、乳清タンパク質溶液の熱処理は、4.5を超えるpHで、60℃乃至80℃の温度で5分間乃至50分間であり得る。
【0015】
果実調製物を製造する方法のいくつかの実施形態において、熱処理ステップ及び低温殺菌ステップを実質的に同時に実施することができる。
【0016】
果実調製物を製造する方法のいくつかの実施形態において、乳清ベースは、果実成分と組み合わせた後に低温殺菌されることができる。
【0017】
果実調製物を製造する方法のいくつかの実施形態において、乳清タンパク質溶液が6を超えるpHで熱処理されることができる。
【0018】
果実調製物を製造する方法のいくつかの実施形態において、果実成分は、4未満のpHを有することができる。
【0019】
果実調製物を製造する方法のいくつかの実施形態において、この方法は、果実調製物を酸性化するステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、酸性化のステップは、有機酸または果実または野菜ジュースを添加することによって行われることができる。
【0020】
果実調製物を製造する方法のいくつかの実施形態において、乳清タンパク質溶液は、約6%乃至約40%の乳清タンパク質濃度を有することができる。
【0021】
果実調製物を製造する方法のいくつかの実施形態において、乳清タンパク質溶液は、約12%乃至約30%の乳清タンパク質濃度を有することができる。
【0022】
果実調製物を製造する方法のいくつかの実施形態において、果実調製物は、約5質量%乃至約7質量%の量の乳清を含むことができる。
【0023】
果実調製物を製造する方法のいくつかの実施形態において、乳清タンパク質溶液は、最大50質量%の糖を含有することができる。
【0024】
果実調製物を製造する方法のいくつかの実施形態において、果実調製物は、約20mM乃至約50mMのCa2+濃度を有することができる。
【0025】
果実調製物を製造する方法のいくつかの実施形態において、この方法は、Ca2+濃度が約20mM乃至約50mMである果実調製物を得るためにCa2+を添加するステップをさらに含むことができる。
【0026】
これら及び種々の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明の読むことから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本明細書に記載の果実調製物の一例を示す。果実調製物は、pH3.5の乳清タンパク質溶液を用いて、高温ゲル化法(実施例1を参照)を用いて作製した。果実調製物は、色が赤ピンク色であり、粘稠なマトリックスであり、様々なサイズの果実片が見え、経時的に安定である。
図2図2は、本明細書に記載の果実調製物の一例を示す。果実調製物は、pH6.5の乳清タンパク質溶液を用いて、高温ゲル化法(実施例1を参照)を用いて作製した。果実調製物は、白色の外見を有する色のピンク色であり、粘稠なマトリックスを有し、様々なサイズの果実片が見え、経時的に安定である。
図3図3は、本明細書に記載の果実調製物の一例を示す。果実調製物は、pH3.5の乳清タンパク質溶液を用いて、高温ゲル化法(実施例1を参照)を用いて作製した。果実調製物は、色が赤色であり、滑らかで流体の食感を有し、経時的に底部に沈む保存状態のよい小片を有する。
図4図4は、本明細書に記載の果実調製物の一例を示す。果実調製物を、pH7で変性した乳清タンパク質溶液を用いて、低温ゲル化法(実施例2を参照)を用いて調製した。果実調製物は、色が紫色であり、非常に濃厚な食感を有する。果実調製物はまた、可視タンパク質粒子を有する砂状食感を有する(果実調製物がヨーグルトホワイトマスと混合されたときにはタンパク質粒子は気づかれないが)、許容可能な果実片は、経時的にわずかな離漿を生じやすい。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
果実調製物は、安定剤(例えば、ペクチン、アルギン酸塩、カラギーナン、デンプン、キサンタンガム、グアーガムなど)、香味剤、及び着色剤のような一般的に使用される成分が、期待される摂食経験及び製造性属性に寄与することができるので、単純化することが困難である。果実片を懸濁状態に維持するには粘度が十分でなければならないので、果実片を調製物中に含めることはさらに困難である。
【0029】
所望の食感、風味、及び外見を有する果実片を含む果実調製物が、果実成分及び乳清タンパク質を含むいくつかのシンプルな成分で製造できることが発見され、本明細書に開示される。本明細書で提供される果実調製物は、果実片を含み、従来の果実調製物と同様の動的粘度及び粘稠度を有する。
【0030】
果実調製物は、約0.85乃至約4Pa・s(例えば、約1乃至約3Pa・s、または
約1.2乃至約2.5Pa・s)の動的粘度を有する。動的粘度は、本明細書で提供されるように、レオリックス(Rheolix(商標))レオメーター(ビオネックテクノロジーインク(VIONEC Technologies Inc.)テルボンヌ、ケベック州、カナダ)を用いて、10℃及び60s-1で測定される。
【0031】
本明細書で提供される果実調製物は、約4cm/分-約8cm/分(例えば、約6-約7cm/分)の粘稠度を有する。粘稠度は、本明細書で提供されるように、ボストウィックコンシストメーター(Bostwick consistometer)(本明細書では「ボストウィックセンコ(Bostwick Cenco)」とも呼ばれる;CSC Scientific社、フェアファックス、バージニア州、米国)を用いて10℃で測定される。
【0032】
本明細書で提供される果実調製物は、果実成分を果実調製物の少なくとも30質量%の量(例えば、約50質量%乃至約75質量%、約55質量%乃至約70質量%、または約60質量%乃至約70質量%)で含む。本明細書中で使用されるように、果実成分は、例えば、果実片、果汁、及び/または果実ピューレ等の果実または野菜に由来する食用成分である。いくつかの実施形態では、果実ジュースまたは果実ピューレは、国連食糧農業機関のフルーツジュース及びネクターに関するコーデックス一般規格(コーデックス規格247-2005(Codex Standard 247-2005))にしたがって定義することができる。果実成分は、例えばベリー(例えば、イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、バナナ、トマト、ペッパーなど)、核果(例えば、チェリー、アプリコット、プラム、桃など)、ナッツ (例えば、ココナッツ、アーモンド、カシューナッツなど)、マメ科(例えば、落花生、大豆、エンドウ豆など)、野菜(例えば、ニンジン、ルバーブ、ホウレンソウなど)、またはそれらの組み合わせなど、あらゆる食用の果実や野菜に由来することが可能である。果実成分は市販されているか、または任意の適切な方法を用いて食用果実または野菜から製造することができる。本明細書で提供される果実成分は、新鮮または凍結していてもよく、あるいは、例えば、調理または加圧二酸化炭素保存を用いて保存することができる(例えば、WO2018/005081を参照)。
【0033】
本明細書で提供される果実調製物中の果実成分の少なくとも一部は、果実片を含む。果実片は、果実調製物の少なくとも15質量%(例えば、約30質量%乃至約75質量%、約55質量%乃至約70質量%、または約60質量%乃至約70質量%)の量で果実調製物に含まれ得る。いくつかの実施形態では、果実片は、少なくとも1つの寸法において少なくとも5mm(例えば、5mm乃至1.5cm)であり得る。
【0034】
本明細書で提供される果実調製物は、果実調製物の約1.5質量%乃至約16質量%(例えば、約3質量%乃至約10質量%、約4質量%乃至約8質量%、約4質量%乃至約6質量%、または約5質量%)の量の乳清タンパク質を含む。
【0035】
乳清タンパク質は、乳清タンパク質粉末、または乳清タンパク質溶液(すなわち、水性溶媒中に分散または溶解された乳清タンパク質粉末)として本明細書で提供される果実調製物に添加することができる。乳清タンパク質粉末は、乳清タンパク質濃縮物(すなわち、70質量%から90質量%未満の乳清タンパク質)または乳清タンパク質単離物(すなわち、90質量%以上の乳清タンパク質)であってもよい。乳清タンパク質は、乳から供給される乳清、または副産物として(例えば、チーズまたはヨーグルト製造から)を含み、任意の適切な供給源から得るものであり得る。
【0036】
本明細書で提供される果実調製物での使用に適した乳清タンパク質溶液は、約15質量%乃至約40質量%(例えば、約25質量%乃至約35質量%、または約30質量%)の乳清タンパク質を含むことができる。いくつかの実施形態では、乳清タンパク質溶液はまた、本明細書で提供される果実調製物に含まれる糖及び/または酸味料の全部または一部
を含むこともできる。
【0037】
乳清タンパク質溶液は、任意の適切な方法及び装置を用いて製造することができる。例えば、乳清タンパク質溶液は、乳清タンパク質粉末と、水と、必要に応じて糖及び/または酸味料とをミキサー中で混合させることによって製造することができる。適切な混合装置及び方法は、乳清が溶液を形成するために十分に分散され、湿潤され、水和されることを確実にすべきである。乳清タンパク質の水和時間は温度と相関しているので、より短い混合時間をより高い温度で使用することができる。さらに、水道水に存在する塩またはミネラルは、蒸留水を使用する場合と比較して乳清タンパク質溶解度を増加させることができる。より高い温度(例えば、40℃乃至60℃)を使用し、及び/または水道水を使用することも、乳清タンパク質の溶解性の再現性を改善することができる。例えば、乳清タンパク質溶液は、乳清タンパク質粉末を、約40℃から60℃未満(例えば、約50℃)まで加熱された水に組み合わせて、所望のタンパク質濃度を得、次いで高剪断下で分散させ(例えば、シルバーソンラボラトリーミキサー(Silverson laboratory mixer)(シルバーソンマシーンズ社、マサチューセッツ州、米国)で5000rpmで10分間)乳清タンパク質を分散させ、湿潤させることによって作製することができる。次いで、乳清タンパク質をさらに水和させ、低剪断(例えば、30分間低速攪拌)で溶解させることができる。必要に応じて、糖及び/またはpH調整成分(例えば、酸味料)を、乳清タンパク質を添加する前に水に溶解させることができ、例えば、シルバーソンラボラトリーミキサー中で3000rpmで2分間混合することによって溶解させることができる。
【0038】
望ましくない乳清タンパク質機能性及び乳清タンパク質の等電点付近の低い溶解度(約pH5.2)に起因して、好ましくは、溶液は乳清タンパク質の等電点より上または下のいずれかのpHに維持される。すなわち、乳清タンパク質溶液を、pH5未満(例えば、3乃至4.5)または5.5を越えたpH(例えば、6乃至8)で作製することが好ましい。乳清タンパク質は、pH4以下よりもpH5.5以上でわずかに優れた溶解度を有することが観察された。しかし、pHが4以下では、ゲルはより透明で、黄色がかった、強く、脆く、弾性があり、離液が少ないかまたは全くない。対照的に、pHが6以上では、ゲルは白色であり、より不透明で、強く、脆いが、より離液が多い。いくつかの実施形態では、乳清タンパク質溶液は、本明細書で提供される果実調製物において使用する前に、冷蔵温度(例えば、約4℃)で貯蔵することができる。
【0039】
乳清タンパク質溶液中、または果実成分と組み合わせた乳清タンパク質は、熱処理される。両方の場合において、熱処理は、溶液中の乳清タンパク質の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、または少なくとも80%)の変性を得るのに十分であり、乳清ベースを形成する。本明細書で使用されるように、乳清タンパク質の変性は、ブラッドフォード分光分析によって測定される。乳清タンパク質が乳清タンパク質溶液中で熱処理される場合、熱処理は、溶液を低温殺菌するのに十分であり得る。乳清ベースは、低温殺菌された果実成分と組み合わせて、果実調製物を製造することができる。
【0040】
乳清タンパク質が果実成分と組み合わせて熱処理される場合、熱処理は、組み合わせを低温殺菌するのに十分であり得る。例えば、乳清タンパク質と果実成分との組み合わせを、約85℃乃至約100℃の温度で2分間乃至15分間熱処理することができる。
【0041】
本明細書で提供される果実調製物中の乳清タンパク質は、少なくとも95%(例えば、少なくとも98%、または少なくとも99%)の溶解度指数パーセント(I)を有することができる。溶解度指数を計算するために、乳清タンパク質粉末を40℃から60℃未満(例えば、約50℃)の温度で水と組み合わせて、シルバーソンラボラトリーミキサーを用いて5000rpmで10分間混合して乳清タンパク質を分散させ、湿潤させること
により、乳清タンパク質溶液が調製される。次いで、混合物を、さらに熱を加えることなく30分間磁気攪拌機を用いて低剪断で混合し、乳清タンパク質を水和させて溶解させ、乳清タンパク質溶液を製造する。50mlの溶液を最初に約174gの遠心力 (例えば、ローターf-34-6-38をもつエッペンドルフ遠心分離器5810Rで約1200乃至1300rpm)で、50mlのファルコン(Falcon)(登録商標)チューブ(コーニングライフサイエンス、コーニング、ニューヨーク州、米国)中で5分間遠心分離する。最初の遠心分離に続いて、底部の任意の沈殿物からファルコン(登録商標)チューブ上の(5ml)のマークの上の液体を除去する。沈殿物は、ファルコンチューブ内の50mlの容量までに新鮮な量の蒸留水と組み合わされ、第2の溶液が形成されるまで分散される。第2の溶液を約174gの遠心力で5分間遠心分離する。第2の遠心分離からの沈殿物の体積を測定する。乳清タンパク質の不溶性指数(I)は、2回目の遠心分離からの沈殿物の体積(ミリリットル)である。本明細書中で使用されるように、乳清タンパク質のIは、乳清タンパク質溶液の不溶性指数(I)から次の式を使用して計算される:
=100-(2×I)。
【0042】
本明細書で提供される果実調製物は、任意に、果実調製物の約59質量%まで(例えば、約10質量%乃至約20質量%、約12質量%乃至約18質量%、または約15質量%)の量の糖を含むことができる。本明細書で提供される果実調製物での使用に適した糖としては、スクロース、フルクトース、蜂蜜、グルコースシロップ、メープルシロップなど、及びそれらの組み合わせが含まれる。本明細書で使用される場合、用語“糖”とは、カロリー甘味料を意味する。しかし、果実調製物の甘味を改変するために、糖に加え又は糖の代わりに、ノンカロリー甘味料を使用することもできる。いくつかの実施形態では、糖は、乳清タンパク質ゲルのゲル硬度を高めることができる。理論に束縛されることなく、糖はゲルを形成するために使用される乳清タンパク質溶液にバルキング(bulking)効果を有することができると考えられる。
【0043】
本明細書で提供される果実調製物は、任意に、果実調製物の最大68質量%(例えば、約5質量%乃至約50質量%、または約10質量%乃至約30質量%、または約20質量%まで)の量の添加水を含有することができる。いくつかの実施形態では、水は乳清タンパク質溶液の一部として含まれ得る。果実調製物に含まれる水の量は、果実調製物に含まれる他の成分に基づいて適切に調節することができる。例えば、使用される果実成分が果汁である場合、果汁は比較的高い水分含有量を有するので、果実調製物中に追加の水はほとんどまたは全く含まれない可能性がある。本明細書で提供される果実調製物に含まれる水の量は、含まれる果実成分の水分含有量を含まないことが理解されたい。
【0044】
いくつかの実施形態において、果実調製物は、10質量%まで(例えば、8質量%まで、または5質量%まで)の添加剤を含むことができる。本明細書で提供される果実調製物に使用するのに適した添加剤には、pH調整剤(例えばベーキングソーダなどのようなpHを上昇させる組成物;及びカルシウム塩、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などの有機酸、レモンジュースやオレンジジュースなどの果物や野菜のジュースなど、pHを低下させる組成物)が含まれる、香味剤(例えば、果汁、香味抽出物、精油など)、着色剤(例えば、二酸化チタン、植物ジュースまたは抽出物など)、塩(例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩など)、繊維(例えば、オート繊維、リンゴ繊維、イヌリンなど)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸)、防腐剤(例えば、ソルビン酸)、及び安定化剤(例えば、デンプン、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガムなど) が含まれる。
【0045】
本明細書で提供される果実調製物は、約3乃至約4.5(例えば、約3.5乃至約4.2)のpHを有する。いくつかの実施形態において、果実調製物のpHは、例えばカルシ
ウム塩、有機酸(例えば、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、またはクエン酸)、果実または野菜ジュース(例えば、レモンジュース、ライムジュース、またはオレンジジュース)のような酸味料またはベーキングソーダのようなpHを増加させる組成物を、果実調製物または果実調製物を製造するために使用されるいずれかの成分に添加することによって調節することができる。
【0046】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される果実調製物は、約20mMから約50mM(例えば、約25mMから約40mM)のCa2+濃度を有することができる。Ca2+は、果実調製物の粘度及び/または粘稠度に寄与することができる。いくつかの実施形態において、Ca2+の含有は、特に、pHが5より大きい場合、本明細書で提供される果実調製物のゲル化の時間及び/または温度を減少させることができる。いくつかの実施形態において、Ca2+の含有は、本明細書で提供される果実調製物中のゲルの強度及び/または脆性を増加させることができる。いくつかの実施形態において、果実調製物中のCa2+濃度は、果実調製物または果実調製物を製造するために使用される任意の成分にCa2+を添加することによって、調節することができる。例えば、果実調製物を製造するために使用される果実成分または乳清タンパク質溶液にカルシウム塩を添加することができる。いくつかの実施形態において、Ca2+はカルシウム塩として添加するのではなく、水源から果実調製物に添加することができる。
【0047】
適切なカルシウム源には、クエン酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、ラクトグルコン酸カルシウム、及び乳カルシウムが含まれるが、これらに限定されない。塩化カルシウムは、水に溶けやすく、そして強力なゲルを促進する能力を有する。リン酸カルシウムまたはクエン酸カルシウムは、離液の少ないかまったくない滑らかなゲルの利点を提供することができるが、水への溶解度は低くなる。乳カルシウムは、特に溶けやすいという利点を有するが、低pHで結晶化する可能性が高く、離液しやすい傾向がある。乳酸カルシウム及びラクトグルコン酸塩はまた、良好な溶解性を有するが、乳清タンパク質の沈殿を引き起こす可能性が高い。カルシウム源は、それがより可溶性であるpH≦4.5の場合と比較して、pH≧6でより影響を与えることができる。従って、より低いpHでは、機能に有意な差異がなく、より広い種類のカルシウムを使用することができる。
【0048】
本明細書で提供される果実調製物は、典型的な果実調製物を使用することができる任意の組成物または製品に使用することができる。例えば、本明細書で提供される果実調製物は、乳製品(例えば、ヨーグルト、チーズ、またはアイスクリーム)のような第2の食用組成物と組み合わせることができる。いくつかの実施形態において、果実調製物は、ブレンドされたヨーグルト製品のような第2の可食性組成物とブレンドされ得る。いくつかの実施形態において、果実調製物は、例えば、底部の果実、側面の果実、または上部のヨーグルト製品の果実のような第2の食用組成物とは区別することができる。
【実施例
【0049】
実施例1 熱ゲル化乳清タンパク質(本明細書では“熱ゲル化”とも呼ばれる)を有する果実調製物
【0050】
サンプルを表1に示すように製造した。簡単に言えば、成分を組み合わせ、次いで表1に示す時間及び温度で熱処理した。乳清タンパク質濃縮物粉末(80%タンパク質)を水と組み合わせることによって、16質量%乃至33質量%濃度の乳清タンパク質溶液を製造し、クエン酸を用いてpHを最終的に4.5未満に調整した。2つの異なる乳清タンパク源を試験した。サンプル(0)、1から8、11は、1個の乳清タンパク質源を含み、一方、サンプル9から10は異なる乳清タンパク質源を含んでいた。果実片、スクロース、添加水、及びカルシウム(カルシウム塩として添加した)を混合し、完全に混合し、4
0℃まで加熱した。次に、この混合物に乳清タンパク質溶液を加え、次いで表1に示すように熱処理して果実調製物を製造した。得られた果実調製物は、65質量%の果実片及び15質量%のスクロース、そして表1に示すように他の成分を含有した。加熱処理後、果実調製物を20℃に冷却し、4℃で保存するために容器に詰めた。対照の果実調製物は、同じ成分及びプロセスを使用して製造されたが、乳清タンパク質を含まず、そして比較のために使用された。
【0051】

【表1】
【0052】
動的粘度を上記の表1の各サンプルについて測定し、表2の各サンプルについて示した。表2には、各試料単独、またはヨーグルトホワイトマスにおける粘度、口当たり、及び風味についての観察も記載されている。
【0053】

【表2】
【0054】
果実調製物の粘度は、0日目と比較して、製造後2日目ですべてのサンプルで増加した。サンプル(8)は、製造後2日目に1.41Pa・sの粘度を有し、乳清タンパク質1.6%から4%を有するサンプルの中で最高粘度を有していた。後の実験(サンプル9から11)は、5.4%以上の乳清タンパク質含量(実験でテストしたより高い乳清タンパク質含量は示されていない)が、第1の実験でテストした4%乳清タンパク質の最大量を超える粘度を増加させる可能性があることを示した。果実調製物中のより高い全乳清タンパク質濃度は、92℃で3分間の低温殺菌を伴う果実調製物のより高い動的粘度と相関した。
【0055】
92℃で3分間の果実調製物の低温殺菌はまた、85℃で8分間低温殺菌された果実調製物よりも粘度が増加した。乳清タンパク質溶液のゲル化が92℃で開始し、92℃で低温殺菌し続け、そして冷却中に完了したことが観察された。理論に縛られることなく、乳清タンパク質のゲル化はタンパク質変性に関連している可能性があると考えられる。乳清タンパク質の変性は、通常、温度が92℃に達したときに約60%であるが、92℃での低温殺菌中に5分後には約70%に、通常は15分後に80%以上に変性が増加する。
【0056】
カルシウムが所望の結果を得るために添加される必要はないが、果実調製物の粘度の増加に寄与することができることに留意されたい。理論に束縛されることなく、いくつかの成分、例えば、水、乳清タンパク質源、または果実中のカルシウムが乳清タンパク質のゲル化に寄与する可能性があると考えられる。しかしながら、場合によっては、カルシウムを添加して、20mM乃至50mMのカルシウム濃度を得て、ゲル化をさらに改善することができる。
【0057】
この実験の結果は、果実成分(少なくとも30質量%)と乳清タンパク質(少なくとも4質量%)とを組み合わせることにより、混合物を85乃至92℃の温度で3乃至8分間、好ましくは92℃で3分間熱処理することにより、低温殺菌された果実調製物を、伝統的な果実調製物の代替に適した粘度及び粘稠度で製造することができることを示している。
【0058】
実施例2 変性乳清タンパク質を有する果実調製物(本明細書では“低温ゲル化”とも呼ばれる)。
【0059】
乳清タンパク質濃縮粉末(80%タンパク質)を水と組み合わせることにより、乳清タンパク質濃度が8質量%乃至15質量%である乳清タンパク質溶液を作製し、次いで、表
3に示すように、スクロース及びカルシウム(カルシウム塩として)と組み合わせさせた。次いで表3に示すように熱処理してゲル化を誘発させた。表3には、ゲルを果実に添加して果実調製物を作製する前のゲルの段階(例えば、液体またはゲル化)を説明している。
【0060】
各サンプル果実調製物は65質量%の果実、合計で15%のスクロースを含んでいた(場合によってはスクロースの一部が変性の前に乳清タンパク質溶液に添加し、そうでなければスクロースが果実調製物に添加された)。乳清タンパク質溶液のpHは、変性前にクエン酸を用いて、最終的に4.5未満に調整された(サンプル9を除く)。乳清タンパク質濃度は、溶液中での自発的なゲル化を防止するために15%以下であることが好ましい。カルシウム塩は、機能化の前に乳清タンパク質溶液に添加されるか、最終的な果実調製物に添加されるか、またはカルシウム塩の一部が両方のステップで添加された。乳清タンパク質溶液は、加熱処理後(ゲル化が生じていなくても表3では「ゲル」と呼ばれる)、92℃で3分間低温殺菌する直前に92℃の温度にある果実片に添加された。果実調製物中の全乳清タンパク質濃度は、0.8質量%乃至2.7質量%の範囲であった。対照の果実調製物は、同じ成分及びプロセスを使用して製造されたが、乳清タンパク質を含まず、そして比較のために使用された。
【0061】

【表3】
【0062】
上記のように、表3の各サンプルについて動的粘度を測定し、表4に示す。果実を添加する前のゲルサンプルの観察結果は、表4に記載されている。各果実調製物のみ、またはヨーグルトホワイトマスでの粘度、口当たり、及び風味に関する観察結果も表4に記載されています。
【0063】

【表4】
【0064】
実施例1と同様に、果実調製物の粘度は、製造後2日目で、0日目と比較してすべてのサンプルで増加した。サンプル8は、製造後2日目に粘度1.07Pa・sで乳清タンパク質0.8%乃至2.7%を有する果実調製物の中で最高の粘度を有していた。後の実験(サンプル9)は、5.4%以上の乳清タンパク質含量(示されていない実験でテストしたより高い乳清タンパク質含量)が先の実験の2.7%の乳清タンパク質を有するサンプルよりも粘度を増加させる可能性があることを示した。果実調製物中のより高い全乳清タンパク質濃度は、果実調製物のより高い動的粘度と相関していた。
【0065】
所望の結果を得るためにカルシウムを添加する必要はないことが観察された。しかしながら、果実に直接添加されるカルシウムは、完成品の食感(果実調製物とヨーグルトホワイトマス)をわずかに改善することができる。理論に縛られることなく、果実にカルシウム添加すると、その変性後にカルシウムと乳清タンパク質との相互作用をもたらし、反発力の減少または中和によるゲル化する(カルシウム誘導の低温ゲル化)と考えられる。これらのゲルは通常、酸誘導の低温ゲル化を強化することによりカルシウムを添加しないゲルよりも強く、より脆い。乳清タンパク質溶液中に含まれるカルシウムは、果実調製物の粘度または完成品の食感にほとんどまたは全く影響を与えない。
【0066】
ゲル化の前に乳清タンパク質溶液に添加された糖は、ゲル化の後に糖が調製物に加えられた(例えば、果実と共に添加された)場合と比較して、果実調製物の粘度に最も正の影響を与えたことも観察された。
【0067】
果実に添加されたときのゲルの段階は、果実調製物の粘度または完成品の食感にほとんどまたは全く影響を与えない。
【0068】
熱処理は、果実調製物の粘度及び完成品の食感に影響を及ぼし得、より高い温度(例えば、92℃)がより効果的である。
【0069】
この実験の結果は、乳清タンパク質ゲルを果実成分(少なくとも30質量%)と組み合わせることにより、少なくとも3%の乳清タンパク質を有する混合物を得ることにより、次いで混合物を低温殺菌(好ましくは92℃)することによって、低温殺菌された果実調製物を、従来の果実調製物の代替に適した粘度及び粘稠度で製造することができることを示している。
【0070】
上記及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。当業者であれば、本開示は、開示された以外の実施形態で実施することができることを理解するであろう。開示された実施形態は、例示の目的のために提示され、限定するものではない。
図1
図2
図3
図4