(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240306BHJP
H04N 25/61 20230101ALI20240306BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H04N25/61
(21)【出願番号】P 2022003048
(22)【出願日】2022-01-12
(62)【分割の表示】P 2017105714の分割
【原出願日】2017-05-29
【審査請求日】2022-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】山本 篤志
【審査官】田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-135741(JP,A)
【文献】特開2008-250285(JP,A)
【文献】特開2009-033132(JP,A)
【文献】特開2005-109092(JP,A)
【文献】特開2004-207461(JP,A)
【文献】特開2004-254259(JP,A)
【文献】特開2012-203083(JP,A)
【文献】特開2016-033632(JP,A)
【文献】特開2017-050371(JP,A)
【文献】国際公開第2006/109638(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0156188(US,A1)
【文献】特開2012-186434(JP,A)
【文献】特開2012-169556(JP,A)
【文献】国際公開第2016/114362(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/129324(WO,A1)
【文献】特開2012-150468(JP,A)
【文献】特開2014-102262(JP,A)
【文献】特開2013-030526(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0064478(KR,A)
【文献】特開2012-216760(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0043687(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0181646(US,A1)
【文献】国際公開第2016/129342(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/061990(WO,A1)
【文献】特開2009-258691(JP,A)
【文献】特開2016-015479(JP,A)
【文献】特開2015-179788(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0063496(US,A1)
【文献】特開2002-343950(JP,A)
【文献】特開2007-158751(JP,A)
【文献】特表2007-528120(JP,A)
【文献】特開2013-161873(JP,A)
【文献】特開2005-332917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子と、
複数のレンズを含み、入射光を、前記チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子の受光面に集光させるレンズ群とを備え、
前記チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子は、
アレイ状に配置された画素単位で光電変換により入射光の光量に応じた画素信号を生成する画素アレイと、
前記画素アレイの受光面に貼り合わされるガラス基板と、
前記画素アレイの有効画素領域より外側である周辺部に形成される遮光膜とを含み、
前記遮光膜は、前記ガラス基板の受光面上に形成され、
前記ガラス基板の受光面上であって、前記ガラス基板上、および前記遮光膜上に、前記入射光のうち、赤外光をカットする赤外光カットフィルタが形成され、
前記赤外光カットフィルタは、前記ガラス基板と前記遮光膜とに接し、
前記赤外光カットフィルタの前段に、受光面側に凸面または凹面を有する単一の光学素子、または、受光面側に凸面または凹面を有する複数の光学素子を組み合わせた光学素子からなる非平坦膜が形成される
撮像装置。
【請求項2】
前記非平坦膜は、前記赤外光カットフィルタ上に形成される
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記遮光膜は、感光性のブラックレジストであり、前記ガラス基板の受光面上にフォトリソグラフィにより形成される
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記遮光膜は、前記赤外光カットフィルタの前段に形成される
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記遮光膜は、前記赤外光カットフィルタ上に形成される
請求項
4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記遮光膜は、感光性のブラックレジストであり、前記赤外光カットフィルタ上にフォトリソグラフィにより形成される
請求項
4に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記遮光膜は、前記非平坦膜上に形成される
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記遮光膜は、非感光性のブラックレジストであり、前記非平坦膜上にインクジェットにより形成される
請求項
7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記ガラス基板は、透明の接着剤により前記画素アレイの受光面に貼り合わされる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子と、
複数のレンズを含み、入射光を、前記チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子の受光面に集光させるレンズ群とを備え、
前記チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子は、
アレイ状に配置された画素単位で光電変換により入射光の光量に応じた画素信号を生成する画素がアレイ状に配置された半導体基板と、
前記半導体基板の受光面に接着剤を介して貼り合わされるガラス基板と、
前記半導体基板の有効画素領域より外側である周辺部に形成される遮光膜とを含み、
前記遮光膜は、前記ガラス基板の受光面上に形成され、
前記接着剤は前記半導体基板と前記ガラス基板とに接し、
前記半導体基板の端部と、前記ガラス基板の端部とが揃っており、
前記ガラス基板の受光面上であって、前記ガラス基板上、および前記遮光膜上に、前記入射光のうち、赤外光をカットする赤外光カットフィルタが形成され、
前記赤外光カットフィルタは、前記ガラス基板と前記遮光膜とに接し、
前記赤外光カットフィルタの前段に、受光面側に凸面または凹面を有する単一の光学素子、または、受光面側に凸面または凹面を有する複数の光学素子を組み合わせた光学素子からなる非平坦膜が形成される
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関し、特に、フレアやゴーストを低減できるようにした撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CSP(Chip Size Package)構造のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などに代表される固体撮像素子(イメージセンサ)の構成として、撮像面上に透明の接着剤を用いて、ガラス基板を貼り合わせることでCSP構造の固体撮像素子を保護する技術が提案されている(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-207461号公報
【文献】特開2008-270650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1,2に記載の技術においては、光の入射方向に対して、ガラス基板から離間した位置に、IRCF(赤外線カットフィルタ)が設けられている。このIRCFは、外周を取り囲む周辺部に、フレアやゴーストの発生を抑制するための遮光膜が形成されている。
【0005】
しかしながら、IRCFとガラス基板とは離間しているため、IRCFの周辺部に設けられる遮光膜では、フレアやゴーストの対策として十分ではない。
【0006】
また、遮光膜は、IRCFの周辺部に印刷により形成され、遮光膜が形成されたIRCFが、固体撮像素子の前段に配置されるが、遮光膜が印刷される際と、固体撮像素子の前段に配置される際とのいずれにおいても、位置精度が十分ではないため、やはりフレアやゴーストの対策としては十分ではない。
【0007】
さらに、WCSP(Waferlevel Chip Size Package)構造における固体撮像素子におけるガラス基板の端面で反射する迷光によるフレアに対しての対策も十分ではない。
【0008】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、特に、固体撮像素子の撮像面に透明の接着剤により貼り付けられるガラス基板の受光面上の周辺部に遮光膜を形成することで、フレアやゴーストの発生を抑制できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第1の側面の撮像装置は、チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子と、
複数のレンズを含み、入射光を、前記チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子の受光面に集光させるレンズ群とを備え、前記チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子は、アレイ状に配置された画素単位で光電変換により入射光の光量に応じた画素信号を生成する画素アレイと、前記画素アレイの受光面に貼り合わされるガラス基板と、前記画素アレイの有効画素領域より外側である周辺部に形成される遮光膜とを含み、前記遮光膜は、前記ガラス基板の受光面上に形成され、前記ガラス基板の受光面上であって、前記ガラス基板上、および前記遮光膜上に、前記入射光のうち、赤外光をカットする赤外光カットフィルタが形成され、前記赤外光カットフィルタは、前記ガラス基板と前記遮光膜とに接し、前記赤外光カットフィルタの前段に、受光面側に凸面または凹面を有する単一の光学素子、または、受光面側に凸面または凹面を有する複数の光学素子を組み合わせた光学素子からなる非平坦膜が形成される撮像装置である。
【0010】
本開示の第1の側面においては、チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子と、複数のレンズを含み、入射光を、前記チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子の受光面に集光させるレンズ群とが設けられ、前記チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子は、アレイ状に配置された画素単位で光電変換により入射光の光量に応じた画素信号を生成する画素アレイと、前記画素アレイの受光面に貼り合わされるガラス基板と、前記画素アレイの有効画素領域より外側である周辺部に形成される遮光膜とを含み、前記遮光膜は、前記入射光の入射方向に対して、前記ガラス基板の前段に形成され、前記ガラス基板の受光面上であって、前記ガラス基板上、および前記遮光膜上に、前記入射光のうち、赤外光をカットする赤外光カットフィルタが形成され、前記赤外光カットフィルタが、前記ガラス基板と前記遮光膜とに接し、前記赤外光カットフィルタの前段に、、受光面側に凸面または凹面を有する単一の光学素子、または、受光面側に凸面または凹面を有する複数の光学素子の組み合わせた光学素子からなる非平坦膜が形成されている。
【0011】
本開示の第2の側面の撮像装置は、チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子と、
複数のレンズを含み、入射光を、前記チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子の受光面に集光させるレンズ群とを備え、前記チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子は、アレイ状に配置された画素単位で光電変換により入射光の光量に応じた画素信号を生成する画素がアレイ状に配置された半導体基板と、前記半導体基板の受光面に接着剤を介して貼り合わされるガラス基板と、前記半導体基板の有効画素領域より外側である周辺部に形成される遮光膜とを含み、前記遮光膜は、前記ガラス基板の受光面上に形成され、前記接着剤は前記半導体基板と前記ガラス基板とに接し、前記半導体基板の端部と、前記ガラス基板の端部とが揃っており、前記ガラス基板の受光面上であって、前記ガラス基板上、および前記遮光膜上に、前記入射光のうち、赤外光をカットする赤外光カットフィルタが形成され、前記赤外光カットフィルタは、前記ガラス基板と前記遮光膜とに接し、前記赤外光カットフィルタの前段に、受光面側に凸面または凹面を有する単一の光学素子、または、受光面側に凸面または凹面を有する複数の光学素子を組み合わせた光学素子からなる非平坦膜が形成される撮像装置である。
【0012】
本開示の第2の側面においては、チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子と、複数のレンズを含み、入射光を、前記チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子の受光面に集光させるレンズ群とが設けられ、前記チップサイズパッケージ構造の固体撮像素子は、アレイ状に配置された画素単位で光電変換により入射光の光量に応じた画素信号を生成する画素がアレイ状に配置された半導体基板と、前記半導体基板の受光面に接着剤を介して貼り合わされるガラス基板と、前記半導体基板の有効画素領域より外側である周辺部に形成される遮光膜とを含み、前記遮光膜は、前記ガラス基板の受光面上に形成され、前記接着剤は前記半導体基板と前記ガラス基板とに接し、前記半導体基板の端部と、前記ガラス基板の端部とが揃っており、前記ガラス基板の受光面上であって、前記ガラス基板上、および前記遮光膜上に、前記入射光のうち、赤外光をカットする赤外光カットフィルタが形成され、前記赤外光カットフィルタは、前記ガラス基板と前記遮光膜とに接し、前記赤外光カットフィルタの前段に、受光面側に凸面または凹面を有する単一の光学素子、または、受光面側に凸面または凹面を有する複数の光学素子を組み合わせた光学素子からなる非平坦膜が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】フレアやゴーストの発生原理を説明する図である。
【
図2】撮像装置の第1の実施の形態の構成例を説明する図である。
【
図3】撮像装置の第2の実施の形態の構成例を説明する図である。
【
図4】撮像装置の第3の実施の形態の構成例を説明する図である。
【
図5】撮像装置の第4の実施の形態の構成例を説明する図である。
【
図6】撮像装置の第5の実施の形態の構成例を説明する図である。
【
図7】撮像装置の第6の実施の形態の構成例を説明する図である。
【
図8】撮像装置の第7の実施の形態の構成例を説明する図である。
【
図9】撮像装置の第8の実施の形態の構成例を説明する図である。
【
図10】撮像装置の第9の実施の形態の構成例を説明する図である。
【
図11】本開示の固体撮像素子を適用した電子機器としての撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図12】本開示の技術を適用した固体撮像素子の使用例を説明する図である。
【
図13】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図14】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図15】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図16】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
以下、本開示を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.フレアやゴーストの発生原理
2.第1の実施の形態
3.第2の実施の形態
4.第3の実施の形態
5.第4の実施の形態
6.第5の実施の形態
7.第6の実施の形態
8.第7の実施の形態
9.第8の実施の形態
10.第9の実施の形態
11.電子機器への適用
12.固体撮像装置の使用例
13.内視鏡手術システムへの応用例
14.移動体への応用例
【0016】
<1.フレアやゴーストの発生原理>
本開示の撮像装置の構成について説明するにあたって、フレアやゴーストの発生原理について説明する。
【0017】
まず、
図1を参照して、撮像装置の構成例について説明する。尚、
図1の左部は、撮像装置1の側面断面図であり、図中の上から下方向に入射光が入射する。また、
図1の右部は、入射光の光源となる位置から見たIRCF13の上面図である。
【0018】
撮像装置1は、ケース11、レンズ群12、IRCF(赤外光カットフィルタ)13、および固体撮像素子14より構成されている。
【0019】
ケース11は、光軸方向に対して開口部が設けられた略円筒状の構成からなり、複数のレンズから構成されるレンズ群12を内蔵している。
【0020】
レンズ群12は、複数のレンズから構成されており、入射光を集光して、固体撮像素子14の撮像面に集光させる。
【0021】
IRCF13は、ケース11の光の入射方向に対して底部となる位置に設けられており、レンズ群12により固体撮像素子14の撮像面に集光して透過させる光の成分のうち、赤外光成分をカットする。
【0022】
固体撮像素子14は、キャビティレスのCSP(Chip Size Package)構造の撮像素子であり、画素アレイ31の撮像面上に透明の接着剤32によりガラス基板33が貼り付けられた構成とされている。キャビティレスとは、画素アレイ31と、ガラス基板33との間にキャビティ(空洞)がない構造である。画素アレイ31は、アレイ状に配置された画素から構成され、画素単位で、レンズ群12により集光された入射光の光を光電変換することにより、受光した光量に応じた画素信号を発生し、画像信号として図示せぬ後段の装置に出力する。
【0023】
ところで、IRCF13は、
図1の右部で示されるように、周辺部に遮光膜13aが形成されており、迷光の侵入が防止される。尚、IRCF13の中央部(図中の白字の方形範囲)には、遮光膜13aが設けられておらず、レンズ群12により集光された入射光の赤外光をカットして透過させる。
【0024】
しかしながら、IRCF13と固体撮像素子14のガラス基板33とは、離間して設けられているため、レンズ群16を透過する光には、例えば、
図1の矢印で示される光線Lのような迷光となり得る光があり、遮光膜13aにより遮光することができないことがある。
図1の場合、光線Lは、IRCF13の中央部を透過して、固体撮像素子14のガラス基板33の端面で反射して、画素アレイ31の撮像面に入射し、フレアやゴーストを生じさせる。
【0025】
<2.第1の実施の形態>
次に、
図2を参照して、本開示の撮像装置の第1の実施の形態の構成例について説明する。尚、
図2は、上段が撮像装置1の側面断面図であり、下段が遮光部34の入射光の入射方向から見た上面図である。また、
図2の撮像装置1において、
図1の撮像装置1と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
【0026】
すなわち、
図2の撮像装置1において、
図1の撮像装置1と異なる点は、遮光膜13aが形成されていないIRCF13が設けられ、さらに、ガラス基板33の入射光が入射する面(図中の上面)上の周辺部Z2に遮光膜34が形成されている点である。尚、中央部Z1には、遮光膜34が形成されておらず、赤外光がカットされた入射光を透過させる。
【0027】
遮光膜34は、感光性のブラックレジストからなり、固体撮像素子14を製造する際の半導体プロセスの中で、ダイシングの前にフォトリソグラフィによりガラス基板33上に形成されることが望ましい。遮光膜34がダイシングの前にガラス基板33上に形成されると、遮光膜34の端部と固体撮像素子14の端部とが同一面となる。
【0028】
このような構成により、
図2の撮像装置1におけるガラス基板33上に設けられた遮光膜34は、
図1における撮像装置1におけるIRCF13上に遮光膜13aが設けられるよりも、画素アレイ31の受光面に対して、より近い位置に形成されるので、
図1で示される光線Lのような迷光の侵入を防止することが可能となる。
【0029】
また、このような構成により、画素アレイ31上に透明の接着剤により貼り合わされたガラス基板33上に遮光膜34を形成することができるので、画素アレイ31上の有効画素領域の境界となる範囲まで、高い位置精度で遮光膜34を形成することができるので、より高精度に迷光の侵入を抑制することが可能となる。
【0030】
結果として、迷光の侵入が防止されることで、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0031】
<3.第2の実施の形態>
以上においては、レンズ群16の直下にIRCF13を設ける例について説明してきたが、IRCFをガラス基板33の受光面側に形成し、IRCFの下部に遮光膜34を設けるようにしてもよい。
【0032】
図3は、IRCF13に対応するIRCF51をガラス基板33および遮光膜34の受光面側に形成するようにした撮像装置1の構成例が示されている。尚、
図3の撮像装置1において、
図2の撮像装置1と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
【0033】
すなわち、
図3の撮像装置1において、
図2の撮像装置1と異なる点は、IRCF51がガラス基板33および遮光膜34の受光面側に形成されている点である。
【0034】
図3の撮像装置1においても、ガラス基板33上に設けられた遮光膜34は、
図1における撮像装置1におけるIRCF13上に遮光膜13aが設けられるよりも、画素アレイ31の受光面に対して、より近い位置に設けられるので、
図1で示される光線Lのような迷光の侵入を防止することが可能となる。
【0035】
また、このような構成においても、画素アレイ31上の有効画素領域の境界となる範囲まで、高い位置精度で遮光膜34を形成することができるので、より高精度に迷光の侵入を抑制することが可能となる。
【0036】
結果として、迷光の侵入が防止されることで、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0037】
<4.第3の実施の形態>
以上においては、遮光膜34が、IRCF51の入射光の受光面側に設けられる例について説明してきたが、さらに、非平坦膜を、IRCF51の上面に形成するようにしてもよい。非平坦膜とは、レンズ等の光学素子、WLL(Wafer Level Lens)、非平坦性が所定値よりも高い有機多層膜などであり、例えば、ガラスレンズ、樹脂レンズ、単層WLL、積層WLL、光学フィルター、IRCF51を保護するための有機多層膜などである。非平坦膜71として、レンズやWLLを用いると、固体撮像素子14が取り付けられるカメラモジュールを低背化することができる。レンズやWLLとしては、受光面側に凸面または凹面を有する単一レンズが設けられてもよいし、これらのレンズを複数組み合わせたレンズが設けられてもよい。
【0038】
図4は、非平坦膜を、IRCF51の上面に形成するようにした撮像装置1の構成例が示されている。尚、
図4の撮像装置1において、
図3の撮像装置1と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
【0039】
すなわち、
図4の撮像装置1において、
図3の撮像装置1と異なる点は、非平坦膜71が、IRCF51の上面に形成されている点である。
【0040】
図4の撮像装置1においても、IRCF51の下部に設けられた遮光膜34は、
図1における撮像装置1におけるIRCF13上に遮光膜13aが設けられるよりも、画素アレイ31の受光面に対して、より近い位置に設けられるので、
図1で示される光線Lのような迷光の侵入を防止することが可能となる。
【0041】
また、このような構成においても、画素アレイ31上の有効画素領域の境界となる範囲まで、高い位置精度で遮光膜34を形成することができるので、より高精度に迷光の侵入を抑制することが可能となる。
【0042】
結果として、迷光の侵入が防止されることで、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0043】
<5.第4の実施の形態>
以上においては、ガラス基板33上に遮光膜34が設けられる例について説明してきたが、ガラス基板33上にIRCF51を設け、遮光膜34は、そのIRCF51の入射光の受光面側に設けられるようにしてもよい。
【0044】
図5は、ガラス基板33上にIRCF51を設け、さらに、遮光膜34が、IRCF51の入射光の受光面側に設けられるようにした撮像装置1の構成例が示されている。尚、
図5の撮像装置1において、
図3の撮像装置1と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
【0045】
すなわち、
図5の撮像装置1において、
図3の撮像装置1と異なる点は、遮光膜34がガラス基板33上ではなく、IRCF51の図中の上面に設けられている点である。
【0046】
図5の撮像装置1においても、IRCF51の上面に設けられた遮光膜34は、
図1における撮像装置1におけるIRCF13上に遮光膜13aが設けられるよりも、画素アレイ31の受光面に対して、より近い位置に設けられるので、
図1で示される光線Lのような迷光の侵入を防止することが可能となる。
【0047】
また、このような構成においても、画素アレイ31上の有効画素領域の境界となる範囲まで、高い位置精度で遮光膜34を形成することができるので、より高精度に迷光の侵入を抑制することが可能となる。
【0048】
結果として、迷光の侵入が防止されることで、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0049】
<6.第5の実施の形態>
以上においては、遮光膜34がIRCF51の入射光の受光面側に設けられる例について説明してきたが、さらに、非平坦膜を、IRCF51の上面に形成するようにしてもよい。
【0050】
図6は、遮光膜34がIRCF51の入射光の受光面側に設けられ、さらに、非平坦膜を、IRCF51の上面に形成するようにした撮像装置1の構成例が示されている。尚、
図6の撮像装置1において、
図5の撮像装置1と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
【0051】
すなわち、
図6の撮像装置1において、
図5の撮像装置1と異なる点は、非平坦膜71が、IRCF51の上面に形成されている点である。
【0052】
図6の撮像装置1においても、IRCF51の上面に設けられた遮光膜34は、
図1における撮像装置1におけるIRCF13上に遮光膜13aが設けられるよりも、画素アレイ31の受光面に対して、より近い位置に設けられるので、
図1で示される光線Lのような迷光の侵入を防止することが可能となる。
【0053】
また、このような構成においても、画素アレイ31上の有効画素領域の境界となる範囲まで、高い位置精度で遮光膜34を形成することができるので、より高精度に迷光の侵入を抑制することが可能となる。
【0054】
結果として、迷光の侵入が防止されることで、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0055】
<7.第6の実施の形態>
以上においては、遮光膜34がガラス基板33、またはIRCF34の入射光の受光面側に設けられ、さらに、非平坦膜71が、IRCF51の上面に形成される例について説明してきたが、遮光膜が、非平坦膜71の表面形状に合わせて、非平坦膜71の図中の上面に形成されるようにしてもよい。
【0056】
図7は、IRCF51が、ガラス基板33上に設けられ、さらにIRCF51上に非平坦膜71が設けられ、そして、遮光膜が、非平坦膜71およびIRCF51の上面の周辺部に形成されるようにした撮像装置1の構成例が示されている。尚、
図7の撮像装置1において、
図6の撮像装置1と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
【0057】
すなわち、
図7の撮像装置1において、
図6の撮像装置1と異なる点は、非平坦膜71の図中の上面であって、周辺部に遮光膜34’が形成されている点である。
【0058】
ここで、遮光部34’は、非平坦膜71の図中の上面の表面形状に合わせて形成される。このとき、遮光部34’は、例えば、非感光性の黒色材であり、例えば、インクジェットにより形成されることが望ましい。遮光膜34’がダイシングの前にガラス基板33上に形成されると、遮光膜34の端部と固体撮像素子14の端部とが同一面となる。
【0059】
図7の撮像装置1においても、非平坦膜71の上面に設けられた遮光膜34’は、
図1における撮像装置1におけるIRCF13上に遮光膜13aが設けられるよりも、画素アレイ31の受光面に対して、より近い位置に設けられるので、
図1で示される光線Lのような迷光の侵入を防止することが可能となる。
【0060】
また、このような構成においても、画素アレイ31上の有効画素領域の境界となる範囲まで、高い位置精度で遮光膜34を形成することができるので、より高精度に迷光の侵入を抑制することが可能となる。
【0061】
結果として、迷光の侵入が防止されることで、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0062】
<8.第7の実施の形態>
以上においては、固体撮像素子14が、キャビティレスのCSP構造の撮像素子である例について説明してきたが、キャビティを備えたCSP構造の撮像素子であってもよい。
【0063】
図8は、固体撮像素子14が、キャビティを備えたCSP(Chip Size Package)構造である場合の撮像装置1の構成例が示されている。尚、
図8の撮像装置1において、
図2の撮像装置1と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
【0064】
すなわち、
図8の撮像装置1においては、
図2の撮像装置1におけるキャビティレスのCSP構造の固体撮像素子14に代えて、キャビティを備えたCSP(Chip Size Package)構造の固体撮像素子14が設けられ、さらに、ガラス基板33および遮光膜34上に非平坦膜71が形成された構成とされている。
【0065】
より詳細には、ガラス基板33と画素アレイ31との周辺部が接着剤32により接着され、画素アレイ31の有効画素領域において、画素アレイ31とガラス基板33との間にキャビティ(空洞)81が形成されている。
【0066】
このような構成により、
図8の撮像装置1におけるガラス基板33上に設けられた遮光膜34は、
図1における撮像装置1におけるIRCF13上に遮光膜13aが設けられるよりも、画素アレイ31の受光面に対して、より近い位置に形成されるので、
図1で示される光線Lのような迷光の侵入を防止することが可能となる。
【0067】
また、このような構成により、画素アレイ31上に透明の接着剤32により貼り合わされたガラス基板33上に遮光膜34を形成することができるので、画素アレイ31上の有効画素領域の境界となる範囲まで、高い位置精度で遮光膜34を形成することができるので、より高精度に迷光の侵入を抑制することが可能となる。
【0068】
結果として、迷光の侵入が防止されることで、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0069】
<9.第8の実施の形態>
以上においては、固体撮像素子14が、キャビティを備えたCSP構造であり、ガラス基板33上の周辺部に遮光膜34が設けられ、さらに、ガラス基板33および遮光膜34上に非平坦膜71が形成される例について説明してきたが、遮光膜34に代えて、
図7を参照して説明した遮光膜34’を用いた構成とするようにしてもよい。
【0070】
図9は、固体撮像素子14が、キャビティを備えたCSP(Chip Size Package)構造であり、また、ガラス基板33上に非平坦膜71が形成されて、さらに、非平坦膜71上に遮光膜34’が形成された撮像装置1の構成例が示されている。
【0071】
尚、
図9の撮像装置1において、
図8の撮像装置1と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
【0072】
すなわち、
図9の撮像装置1においては、
図8の撮像装置1における遮光膜34が削除され、さらに、非平坦膜71上に遮光膜34’が形成された構成とされている。
【0073】
図9の撮像装置1においても、非平坦膜71の上面に設けられた遮光膜34’は、
図1における撮像装置1におけるIRCF13上に遮光膜13aが設けられるよりも、画素アレイ31の受光面に対して、より近い位置に設けられるので、
図1で示される光線Lのような迷光の侵入を防止することが可能となる。
【0074】
また、このような構成においても、画素アレイ31上の有効画素領域の境界となる範囲まで、高い位置精度で遮光膜34を形成することができるので、より高精度に迷光の侵入を抑制することが可能となる。
【0075】
結果として、迷光の侵入が防止されることで、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0076】
<10.第9の実施の形態>
以上においては、画素アレイ31とガラス基板33との外周部が接着剤32により接着されることで、有効画素領域における画素アレイ31とガラス基板33との間にキャビティ81を備えた固体撮像素子14を用いた撮像装置1の例について説明してきた。
【0077】
しかしながら、画素アレイ31とガラス基板33との外周部にスペーサを設けるようにして、画素アレイ31とガラス基板33との有効画素領域においてキャビティ81が形成されるようにしてもよい。
【0078】
図10は、画素アレイ31とガラス基板33との外周部にスペーサ91を設けるようにして、画素アレイ31とガラス基板33との有効画素領域におけるキャビティ81が形成された撮像装置1の構成例が示されている。
【0079】
尚、
図10の撮像装置1において、
図4の撮像装置1と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
【0080】
また、
図10の撮像装置1においては、下部に遮光膜34が設けられたIRCF51をガラス基板33の受光面側に形成するようにし、さらに、上面に遮光膜34’が設けられた非平坦膜71を、IRCF51の上面に形成している。
【0081】
すなわち、
図10の撮像装置1においては、遮光膜34と遮光膜34’とがそれぞれ設けられている。
【0082】
図10の撮像装置1においても、非平坦膜71の上面に設けられた遮光膜34’、および、IRCF51の下部に設けられた遮光膜34は、いずれも
図1における撮像装置1におけるIRCF13上に遮光膜13aが設けられるよりも、画素アレイ31の受光面に対して、より近い位置に設けられるので、
図1で示される光線Lのような迷光の侵入を防止することが可能となる。
【0083】
また、このような構成においても、画素アレイ31上の有効画素領域の境界となる範囲まで、高い位置精度で遮光膜34を形成することができるので、より高精度に迷光の侵入を抑制することが可能となる。
【0084】
結果として、迷光の侵入が防止されることで、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0085】
尚、固体撮像素子14は、
図2乃至
図7を参照して説明した第1の実施の形態乃至第6の実施の形態の撮像装置1で示されるように、キャビティレスの構成であってもよい。さらに、固体撮像素子14は、
図8乃至
図10を参照して説明した第7の実施の形態乃至第9の実施の形態の撮像装置1で示されるように、キャビティを備えた構成であってもよい。
【0086】
また、キャビティを備えた固体撮像素子14の構成においては、
図10を参照して説明した第9の実施の形態の撮像装置1で示されるように、スペーサ91を備えた構成であってもよいし、
図8,
図9を参照して説明した第7の実施の形態、および第8の実施の形態の撮像装置1のようにスペーサ91を備えていない構成であってもよい。
【0087】
また、IRCFは、
図2,
図8,
図9を参照して説明した第1の実施の形態、第7の実施の形態、第8の実施の形態の撮像装置1で示されるように、レンズ群12を内蔵したケース11側の底部にIRCF13として設けられる構成でもよい。さらに、IRCFは、
図3乃至
図7、および
図10を参照して説明した第2の実施の形態乃至第6の実施の形態、および第9の実施の形態の撮像装置1で示されるように、ガラス基板33上にIRCF51として設けられる構成でもよい。
【0088】
また、遮光膜は、
図2乃至
図4,
図8,
図10を参照して説明した第1の実施の形態乃至第3の実施の形態、第7の実施の形態、および第9の実施の形態の撮像装置1で示されるように、ガラス基板33上に遮光膜34として形成される(IRCF51の下部に設けられる)構成でもよい。さらに、遮光膜は、
図5,
図6を参照して説明した第4の実施の形態、および第5の実施の形態の撮像装置1で示されるように、IRCF51上に遮光膜34として形成される構成でもよい。また、遮光膜は、
図7,
図9,
図10を参照して説明した第6の実施の形態、第8の実施の形態および第9の実施の形態の撮像装置1で示されるように、非平坦膜71上に遮光膜34’として形成される構成でもよい。さらに、遮光膜は、
図10を参照して説明した第9の実施の形態の撮像装置1で示されるように、遮光膜34,34’の両方を備える構成であっても良い。
【0089】
また、撮像素子31におけるキャビティ81の有無、スペーサ91の有無、ケース11の底部に設けられたIRCF13であるか、または、ガラス基板33上に設けられたIRCF51であるか、遮光膜34として、ガラス基板33上に形成されるか、若しくは、IRCF51上に形成されるか、または、遮光膜34’として非平坦膜71上に形成されるかについては、いずれも適用することが可能であると共に、その組み合わせは自由にすることができる。
【0090】
以上の如く、本開示の撮像装置1によれば、ガラス基板33よりも入射光の光源側である、ガラス基板33より前段において遮光膜34が形成されることにより、迷光の侵入を防止することができ、結果として、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。ここで、遮光膜34は、ガラス基板33に近い方が、より高精度にフレアやゴーストの発生を抑制することができる。
【0091】
<11.電子機器への適用例>
上述した
図2乃至
図10の撮像装置1は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置、撮像機能を備えた携帯電話機、または、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
【0092】
図11は、本技術を適用した電子機器としての撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0093】
図11に示される撮像装置201は、光学系202、シャッタ装置203、固体撮像素子204、駆動回路205、信号処理回路206、モニタ207、およびメモリ208を備えて構成され、静止画像および動画像を撮像可能である。
【0094】
光学系202は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの光(入射光)を固体撮像素子204に導き、固体撮像素子204の受光面に結像させる。
【0095】
シャッタ装置203は、光学系202および固体撮像素子204の間に配置され、駆動回路205の制御に従って、固体撮像素子204への光照射期間および遮光期間を制御する。
【0096】
固体撮像素子204は、上述した固体撮像素子を含むパッケージにより構成される。固体撮像素子204は、光学系202およびシャッタ装置203を介して受光面に結像される光に応じて、一定期間、信号電荷を蓄積する。固体撮像素子204に蓄積された信号電荷は、駆動回路205から供給される駆動信号(タイミング信号)に従って転送される。
【0097】
駆動回路205は、固体撮像素子204の転送動作、および、シャッタ装置203のシャッタ動作を制御する駆動信号を出力して、固体撮像素子204およびシャッタ装置203を駆動する。
【0098】
信号処理回路206は、固体撮像素子204から出力された信号電荷に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路206が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ207に供給されて表示されたり、メモリ208に供給されて記憶(記録)されたりする。
【0099】
このように構成されている撮像装置201においても、上述した光学系202、および固体撮像素子204に代えて、レンズ群12および固体撮像素子14を適用することにより、迷光に起因するフレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
<12.固体撮像装置の使用例>
【0100】
【0101】
上述した撮像装置1は、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。
【0102】
・ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する装置
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、TVや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置
【0103】
<13.内視鏡手術システムへの応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
【0104】
図13は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0105】
図13では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0106】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0107】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0108】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0109】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0110】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0111】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0112】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0113】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0114】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。
また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0115】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0116】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0117】
図14は、
図13に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0118】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0119】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。
鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0120】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。
撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0121】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0122】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0123】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0124】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0125】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0126】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0127】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0128】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0129】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0130】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0131】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0132】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0133】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0134】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。
本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、内視鏡11100や、カメラヘッド11102(の撮像部11402)、CCU11201(の画像処理部11412)等に適用され得る。具体的には、例えば、
図2乃至
図10の撮像装置1は、レンズユニット11401および撮像部10402に適用することができる。レンズユニット11401および撮像部10402に本開示に係る技術を適用することにより、フレアやゴーストの発生を抑制させることが可能となる。
【0135】
なお、ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
【0136】
<11.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0137】
図15は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0138】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図15に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0139】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0140】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0141】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0142】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0143】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0144】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0145】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0146】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0147】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図15の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0148】
図16は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0149】
図16では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0150】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0151】
なお、
図16には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0152】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0153】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0154】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0155】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。
マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0156】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031に適用され得る。具体的には、例えば、
図2乃至
図10の撮像装置1は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、フレアやゴーストの発生を抑制させることが可能となる。
【0157】
尚、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
<1> チップサイズパッケージと、
複数のレンズを含み、入射光を、チップサイズパッケージの受光面に集光させるレンズ群とを備え、
前記チップサイズパッケージは、
アレイ状に配置された画素単位で光電変換により入射光の光量に応じた画素信号を生成する画素アレイと、
前記画素アレイの受光面に貼り合わされるガラス基板と、
前記画素アレイの有効画素領域より外側である周辺部に形成される遮光膜とを含み、
前記遮光膜は、前記ガラス基板の受光面上に形成され、
前記ガラス基板の受光面上であって、前記ガラス基板上、および前記遮光膜上に、前記入射光のうち、赤外光をカットする赤外光カットフィルタが形成され、
前記赤外光カットフィルタは、前記ガラス基板と前記遮光膜とに接し、
前記赤外光カットフィルタの前段に、非平坦性が所定値よりも高い有機多層膜からなる非平坦膜が形成される
撮像装置。
<2> 前記非平坦膜は、前記赤外光カットフィルタ上に形成される
<1>に記載の撮像装置。
<3> 前記遮光膜は、感光性のブラックレジストであり、前記ガラス基板の受光面上にフォトリソグラフィにより形成される
<1>に記載の撮像装置。
<4> 前記遮光膜は、前記赤外光カットフィルタの前段に形成される
<1>に記載の撮像装置。
<5> 前記遮光膜は、前記赤外光カットフィルタ上に形成される
<4>に記載の撮像装置。
<6> 前記遮光膜は、感光性のブラックレジストであり、前記赤外光カットフィルタ上にフォトリソグラフィにより形成される
<4>に記載の撮像装置。
<7> 前記遮光膜は、前記非平坦膜上に形成される
<1>に記載の撮像装置。
<8> 前記遮光膜は、非感光性のブラックレジストであり、前記非平坦膜上にインクジェットにより形成される
<7>に記載の撮像装置。
<9> 前記ガラス基板は、透明の接着剤により前記画素アレイの受光面に貼り合わされる
<1>に記載の撮像装置。
<10> 前記画素アレイと前記ガラス基板とは、キャビティのある状態で貼り合わされている
<9>に記載の撮像装置。
<11> 前記キャビティはスペーサにより形成される
<10>に記載の撮像装置。
<12> チップサイズパッケージと、
複数のレンズを含み、入射光を、チップサイズパッケージの受光面に集光させるレンズ群とを備え、
前記チップサイズパッケージは、
アレイ状に配置された画素単位で光電変換により入射光の光量に応じた画素信号を生成する画素がアレイ状に配置された半導体基板と、
前記半導体基板の受光面に接着剤を介して貼り合わされるガラス基板と、
前記半導体基板の有効画素領域より外側である周辺部に形成される遮光膜とを含み、
前記遮光膜は、前記ガラス基板の受光面上に形成され、
前記接着剤は前記半導体基板と前記ガラス基板とに接し、
前記半導体基板の端部と、前記ガラス基板の端部とが揃っており、
前記ガラス基板の受光面上であって、前記ガラス基板上、および前記遮光膜上に、前記入射光のうち、赤外光をカットする赤外光カットフィルタが形成され、
前記赤外光カットフィルタは、前記ガラス基板と前記遮光膜とに接し、
前記赤外光カットフィルタの前段に、非平坦性が所定値よりも高い有機多層膜からなる非平坦膜が形成される
撮像装置。
【符号の説明】
【0158】
1 撮像装置, 11 ケース, 12 レンズ群, 13 IRCF, 13a 遮光膜, 14 固体撮像素子, 31 画素アレイ, 32 接着剤, 33 ガラス基板, 34 遮光膜, 51 IRCF, 71 非平坦膜, 81 キャビティ, 91 スペーサ