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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】暗号化式マルチメディア情報管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/08 20060101AFI20240306BHJP
   H04L 9/32 20060101ALI20240306BHJP
   G06F 21/60 20130101ALI20240306BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20240306BHJP
【FI】
H04L9/08 C
H04L9/08 F
H04L9/32 100E
G06F21/60 360
G06F21/60 320
G06F21/44
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022125875
(22)【出願日】2022-08-05
(65)【公開番号】P2023184382
(43)【公開日】2023-12-28
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】111122505
(32)【優先日】2022-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519036455
【氏名又は名称】荘連豪
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】荘連豪
【審査官】田中 啓介
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3239339(JP,U)
【文献】特開2002-149567(JP,A)
【文献】特開2009-170967(JP,A)
【文献】特表2016-517248(JP,A)
【文献】特開平11-143955(JP,A)
【文献】特開2003-208552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F12/14、21/00-21/88
G06Q10/00-99/00
G09C1/00-5/00
H04K1/00-3/00
H04L9/00-9/40
H04L51/00-51/58
H04L67/00-67/75
H04N7/10、7/14-7/173
H04N7/20-7/56
H04N21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第二ユーザーが第一ユーザーのマルチメディア情報を受け取るための暗号化式マルチメディア情報管理方法であって、
第一情報装置が感知装置に向けて識別コード要求を発信し、前記感知装置が識別コードを前記第一情報装置に返送するカード有効化ステップと、
前記第一情報装置が前記第二ユーザーの身元の特徴を利用し、第一キーに基づいて関数により生成された公開鍵を生成し、前記公開鍵により前記マルチメディア情報の第一暗号化を行う第一暗号化ステップと、
前記第一情報装置が第一暗号化が完了した前記マルチメディア情報及び時間条件をサーバーにアップロードし、且つ前記マルチメディア情報及び前記識別コードの関連性を構築するファイル作成ステップと、
前記サーバーが前記識別コード及び前記時間条件により第一暗号化が完了した前記マルチメディア情報に対し第二暗号化を行う第二暗号化ステップと、
第二情報装置が前記感知装置に向けて復号化要求を伝送し、且つ前記識別コードを取得する復号化要求ステップと、
前記第二情報装置が前記識別コード及び前記第二情報装置の秘密鍵を前記サーバーに伝送し、且つ前記サーバーが前記識別コードにより対応する前記マルチメディア情報を選別する認証ステップと、
前記サーバーが現時点及び前記識別コードに基づいて第一復号化を行う第一復号化ステップと、
前記サーバーが前記秘密鍵により第二復号化を行い、且つ復号化完了後に前記マルチメディア情報を前記第二情報装置に伝送する第二復号化ステップと、を含むことを特徴とする暗号化式マルチメディア情報管理方法。
【請求項2】
前記ファイル作成ステップにおいて、スマートコントラクトを前記時間条件とし、且つ前記第二暗号化ステップでは、前記サーバーが先ずコントラクト公開鍵により第二暗号化を行い、前記スマートコントラクトが履行された場合、前記サーバーがコントラクト秘密鍵により先ず前記マルチメディア情報に対し復号化を行い、前記スマートコントラクトが履行された時間に再度第二暗号化を行うことを特徴とする請求項1に記載の暗号化式マルチメディア情報管理方法。
【請求項3】
前記サーバーはタイムベースワンタイムパスワードアルゴリズムに基づいて前記時間条件に対し暗号化を行うことを特徴とする請求項1に記載の暗号化式マルチメディア情報管理方法。
【請求項4】
前記ファイル作成ステップにおいて、前記第一情報装置が閲覧回数制限を前記サーバーに伝送し、前記第二復号化ステップでは、前記サーバーが前記マルチメディア情報を前記第二情報装置に伝送する回数が前記閲覧回数制限に達すると、前記サーバーが前記マルチメディア情報を削除するか、前記マルチメディア情報の復号化要求を拒絶することを特徴とする請求項1に記載の暗号化式マルチメディア情報管理方法。
【請求項5】
前記カード有効化ステップまたは前記復号化要求ステップにおいて、前記感知装置が前記識別コードの要求成功を受信した場合、前記感知装置が色を変化させるか発光態様を呈することを特徴とする請求項1に記載の暗号化式マルチメディア情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の時間帯に開示する暗号化式マルチメディア情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴って、マルチメディア情報を使用してメッセージを伝送する方式が従来の文字に頼ったメッセージ伝送方式に取って代わるようになっている。例えば、誕生日のビデオを撮影する等の形式でお祝いをする、マルチメディア情報メディアに遺言を録音する等がある。従来の特許文献では、例えば、下記特許文献1の「サービスプラットフォーム、クラウドデータベース、インタラクティブデータベースを含む」という記載がある。前記サービスプラットフォームはユーザーがログインするために提供され、前記クラウドデータベースには契約者が署名した生前契約、前記ユーザーが自分でアップロードしたオリジナルの映像データ、前記サービスプラットフォームが前記オリジナルの映像データに対しデータ処理を行った符号化映像データ、及び前記符号化映像データに対し映像のポストプロダクションを行った仮想現実の映像データが保存されている。また、下記特許文献2の「犠牲画像管理システムとその方法」という記載がある。また、下記特許文献3の「情報記憶装置」という記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】台湾特許出願公開第201933149号明細書
【文献】台湾特許出願公開第200943089号明細書
【文献】中国特許出願公開第113034328号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の技術では、上述の使用状況は全て当事者が特定の時間や状況においてしか録画した内容を対象者に見せることができず、どのようにして対象者が特定の時間条件下でマルチメディア情報の内容を取得して読み取れるようにするかが、現在大きな難題となっている。また、遺言や機密等の権益及びプライバシーに関わるマルチメディア情報の内容を、特に現在情報セキュリティの穴を防ぐのが難しい状況において、マルチメディア情報の内容が外部に漏洩するのを如何に防止するかが重要な課題となっている。このため、マルチメディア情報の内容を特定の時間帯にのみ開示し、且つ良好な暗号化保護を備えるようにすることが、解決が待たれる問題であった。
【0005】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0006】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、暗号化式マルチメディア情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の暗号化式マルチメディア情報管理方法は、感知装置と、第一情報装置と、第二情報装置と、サーバーとを含んで構成される。第一ユーザーが録画を完了したマルチメディア情報を、特定の時点で第二ユーザーが受信して鑑賞するようにする。マルチメディア情報は文字、数字、音声、映像、ビデオストリーミング等のデータを含む。第一ユーザーは、先ず第一情報装置により感知装置をスキャンして感知装置の識別コードを取得する。次いで、第一ユーザーが、第一情報装置により時間条件(即ち、第二ユーザーが鑑賞する特定の時点)及び第二ユーザーの身元の特徴を設定し、第一情報装置が、身元の特徴を利用して公開鍵を生成すると共にマルチメディア情報に対し第一暗号化を行い、これが完了した後に識別コード、時間条件、及び第一暗号化が完了したマルチメディア情報をサーバーにアップロードする。この際、マルチメディア情報は識別コードに対応し、且つ識別コード及び時間条件を利用してキーを生成し、マルチメディア情報に対し第二暗号化を行う。第二ユーザーがマルチメディア情報を見たい場合、第二情報装置により感知装置をスキャンして識別コードを取得し、且つ第二情報装置により身元の特徴を入力して公開鍵に対応する秘密鍵を生成し、第二情報装置が秘密鍵、識別コード、及び現時点をサーバーにアップロードすると、サーバーが先ず識別コードにより対応するマルチメディア情報を検索し、現時点及び識別コードによりキーを生成して第一復号化を行う。復号化が成功するとマルチメディア情報が正確な時点で開示を要求されていることが確認され、第一復号化完了後にサーバーが秘密鍵の第二復号化を行う。復号化が成功することは正確な第二ユーザー情報であることを意味し、受信者が情報を盗もうとしている者でないことが確定する。これにより、マルチメディア情報を特定の時点で指定されたユーザーが開示する効果を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムを示す構成図である。
図2】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(1)である。
図3】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(2)である。
図4】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(1)である。
図5】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(2)である。
図6】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(3)である。
図7】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(4)である。
図8】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(5)である。
図9】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(6)である。
図10】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(7)である。
図11】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(8)である。
図12】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(9)である。
図13】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(10)である。
図14】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(11)である。
図15】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(12)である。
図16】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(13)である。
図17】本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システムの実装方法を示すフローチャート(14)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0011】
図1は本発明の一実施例に係る暗号化マルチメディア情報管理システム1を示す構成図であり、感知装置11、第一情報装置12、サーバー13、及び第二情報装置14を含んで構成される。以下、それぞれについて説明する。
【0012】
<感知装置11>
感知装置11は無線通信素子111を備えている。無線通信素子111は、例えば、NFCやRFIDの感知コイル等でもよく、無線通信素子111には感知装置11の識別コードが保存され、感知されて読み取られると、例えば、復号化要求を受信すると、識別コードを復号化要求を発信した装置に伝送する。また、感知装置11は色変換素子112を有し、色変換素子112は発光素子でもよく、具体的には発光ダイオード光源、エレクトロクロミック材料、電子インク等の材料である。色変換素子112は無線通信素子111が読み取られ、感知された際に色を変化させるか発光態様を呈する。例えば、無線通信素子111が読み取られると、色変換素子112が演色や変色の発光をし、或いは異なるパターン等を呈する。好ましくは、感知装置11がカード態様に構成され、且つ色変換素子112は透明発光ダイオードであり、カード周縁に構成されている。
【0013】
<第一情報装置12>
第一情報装置12は携帯電話、タブレットPC、パソコン等の装置のうちの1種類であり、好ましくは、第一情報装置12は携帯型モバイル装置であり、アプリと併せて後続の技術的特徴を実行する。第一情報装置12は第一通信ユニット121及び第一プロセッサ122を備えている。第一通信ユニット121は感知装置11及びサーバー13に情報が接続され、且つ感知装置11の識別コードを取得する。また、第一プロセッサ122は第二ユーザーの身元の特徴により第一キーに基づいて関数により生成された公開鍵を生成し、公開鍵を利用してマルチメディア情報の第一暗号化を行う。第一キーを生成する関数は、例えば、RSA、ElGamal、Rabin、DSA、ECDSA等を応用した暗号化アルゴリズムであり、且つ第一暗号化が完了したマルチメディア情報及び識別コードの関連性を構築し、第一通信ユニット121によりマルチメディア情報及び時間条件をサーバー13にアップロードする。好ましくは、第一通信ユニット121には閲覧回数制限を設定し、共にサーバー13にアップロードする。
【0014】
<サーバー13>
サーバー13は処理ユニット131及びメモリユニット132を有している。処理ユニット131が第一情報装置12及び第二情報装置14にそれぞれ情報が接続されると、メモリユニット132が受信したマルチメディア情報、識別コード、秘密鍵等の情報を保存する。処理ユニット131は識別コード及び時間条件を入力データとし、第二キーに基づいて関数により生成された対称暗号化されたキーを生成する。第二キーが生成する関数はタイムベースワンタイムパスワードでもよく、キーを利用して第一暗号化が完了したマルチメディア情報に対し第二暗号化を行い、且つ処理ユニット131が識別コードを利用して対応するマルチメディア情報を選別する。復号化が必要な場合、処理ユニット131は現時点及び識別コードにより、第二キーに基づいて関数により生成されたキーを生成し、第一復号化を行う。また、第一復号化が完了した後、第二情報装置14が伝送した秘密鍵により第二復号化を更に行い、且つ復号化が完了した後にマルチメディア情報を第二情報装置14に伝送する。好ましくは、サーバー13は前述の閲覧回数制限に基づいてマルチメディア情報を削除するか、復号化要求を拒絶する。処理ユニット131はCentral Processing Unit、Graphics Processing Unit、Micro Processing Unit、或いはMicro Control Unit等のうちの1種類またはそれらの組み合わせでもよく、メモリユニット132はSolid State Disk またはSolid State Drive、Hard Disk Drive(HDD)、Static Random Access Memory、Random Access Memory、Cloud Drive等のうちの1種類またはそれらの組み合わせでもよいが、但しこれらに限られない。
【0015】
<第二情報装置14>
第二情報装置14は携帯電話、タブレットPC、パソコン等の装置のうちの1種類であり、好ましくは、第二情報装置14は携帯型モバイル装置であり、アプリと併せて後続の技術的特徴を実行する。第二情報装置14は第二通信ユニット141及び第二プロセッサ142を備え、第二通信ユニット141は感知装置11及びサーバー13に情報が接続され、且つ感知装置11の識別コードを取得する。第二プロセッサ142は身元の特徴により、第一キーに基づいて関数により生成された前述の公開鍵に対応する秘密鍵を生成し、且つ第二通信ユニット141により識別コード及び秘密鍵をサーバー13に伝送する。
【0016】
本発明の暗号化マルチメディア情報管理方法は大きく2つの部分に分けられる(図2図3参照)。1つはマルチメディア情報Mに対し暗号化を行うステップであり、もう1つはマルチメディア情報Mに対し復号化を行うステップである。以下に説明する。
【0017】
<カード有効化ステップS1>
第一情報装置12が感知装置11に向けて識別コード要求を発信し、感知装置11が受信した後に識別コードIを第一情報装置12に返送する。第一通信ユニット121により無線通信素子111に対しNFCまたはRFID等の技術に基づいてデータを伝送する。図4に示す如く、第一ユーザーが第一情報装置12を利用してカード態様の感知装置11に対しその識別コードIをキャプチャする。好ましくは、感知装置11が識別コードIの要求成功を受信した場合、感知装置11が色を変化させるか発光態様を呈する。
【0018】
<第一暗号化ステップS2>
第一情報装置12は第二ユーザーの身元の特徴Fにより公開鍵K_Lを生成する。身元の特徴Fは指紋、電話番号、個人データに関する身分証番号、誕生日、特殊な記念日等のデータ、或いは自分で設定したパスワードでもよい。図5に示す如く、第一情報装置12は第二ユーザーの身分証番号の偶数の位を利用し、第一キーにより関数により生成された非対称暗号化された公開鍵K_Lを生成し、図6に示す如く、公開鍵K_Lを利用してマルチメディア情報Mに対し第一暗号化を行う。
【0019】
<ファイル作成ステップS3>
第一情報装置12は第一暗号化ステップS3が完了したマルチメディア情報M、識別コードI及び時間条件T1をサーバー13にアップロードし、且つマルチメディア情報M及び識別コードIの関連性を構築する。図7に示す如く、第一ユーザーが第一情報装置12により時間条件T1を設定し、図8に示す如く、第一情報装置12が時間条件T1、第一暗号化されたマルチメディア情報M、及び識別コードIをサーバー13にアップロードする。好ましくは、第一情報装置12は閲覧回数制限をサーバー13に更に伝送する。
【0020】
<第二暗号化ステップS4>
図9に示す如く、サーバー13は識別コードI及び時間条件T1を入力データとし、第二キーに基づいて関数により生成された対称暗号化されたキーK_Eを生成する。図10に示す如く、サーバー13はキーK_Eを利用して第一暗号化が完了したマルチメディア情報Mに対し第二暗号化を行う。
【0021】
以上は第一ユーザーが第一情報装置12を利用し、先ず第二ユーザーに伝送するマルチメディア情報Mに対し暗号化を行うステップであり、第二ユーザーが感知装置11を取得し、且つ復号化及びこのマルチメディア情報Mを受信して復号化を行う場合、続けて以下のステップを実行し、図3に戻ってこれを参照する。
【0022】
<復号化要求ステップS5>
図11に示す如く、第二情報装置14は感知装置11に向けて識別コード要求を発信し、感知装置11が受信した後に識別コードIを第二情報装置14に返送する。好ましくは、感知装置11が識別コードIの要求成功を受信した場合、感知装置11が色を変化させるか発光態様を呈する。
【0023】
<認証ステップS6>
第二情報装置14は第二ユーザーの身元の特徴Fを入力データとし、第一キーに基づいて関数により生成された公開鍵K_Lに対応する秘密鍵K_Uを生成する。第二情報装置14は秘密鍵K_Uをサーバー13に伝送し、サーバー13は識別コードIにより対応するマルチメディア情報Mを選別する。図12に示す如く、第二情報装置14を使用して第二ユーザーを身元の特徴Fとする身分証番号を入力し、前述の公開鍵K_Lに対応する秘密鍵K_Uを生成し、且つ図13に示す如く、現時点T2、識別コードI、及び秘密鍵K_Uをサーバー13に伝送する。
【0024】
<第一復号化ステップS7>
サーバー13は識別コードI及び現時点T2を入力データとし、第二キーに基づいて関数により生成されたキーK_Eを生成し、キーK_Eを利用して第一復号化を行う(図14乃至図15参照)。
【0025】
<第二復号化ステップS8>
サーバー13は秘密鍵K_Uによりマルチメディア情報Mに対し第二復号化を行い、且つ復号化完了後にマルチメディア情報Mを第二情報装置14に伝送する。サーバー13がマルチメディア情報Mを第二情報装置14に伝送する回数が閲覧回数制限に達した場合、サーバー13は前記マルチメディア情報Mを削除するかマルチメディア情報Mの復号化要求を拒絶する(図16参照)。
【0026】
以下、第一状況を示し、誕生日のお祝いを例とする。ユーザーAがユーザーBに対し誕生日のお祝いビデオを発信する場合、ユーザーAは先ず第一情報装置12により誕生日のお祝いビデオを録画し、更に感知装置11の識別コードIをキャプチャする。ユーザーAはユーザーBの氏名を身元の特徴Fとして公開鍵K_Lを生成し、誕生日のお祝いビデオに対し第一暗号化を行い、且つ第一暗号化が完了した誕生日のお祝いビデオ、識別コードI、及びユーザーAがユーザーBの誕生日当日を時間条件T1として設定した時間条件T1等を一緒にサーバー13に伝送する。サーバー13は識別コードI及びユーザーBの誕生日を入力データとしてキーK_Eを生成し、且つ第二暗号化を実行する。上述のように誕生日のお祝いビデオに対する設定を完了する。誕生日当日に、ユーザーBはユーザーAが送った感知装置11を取り出し、ユーザーBの第二情報装置14により感知装置11に対し復号化要求を発信すると共に識別コードIをキャプチャする。続いて、ユーザーBは第二情報装置14により身元の特徴Fを入力し、ユーザーBの氏名を入力データとして公開鍵K_Lに対応する秘密鍵K_Uを生成し、第二情報装置14により識別コードI、秘密鍵K_U、及び現時点T2をサーバー13に伝送する。サーバー13は識別コードIを利用してこれに対応する誕生日のお祝いビデオを選別し、受信した時点T2及び識別コードIによりキーK_Eを生成し、これにより第一復号化を行う。復号化が成功した後に受信した秘密鍵K_Uにより第二復号化を行い、第二復号化が成功した後、サーバー13が誕生日のお祝いビデオをユーザーBの第二情報装置14に伝送し、第二情報装置14により誕生日のお祝いビデオを再生する。
【0027】
図17に示す如く、本発明は第一情報装置12中にスマートコントラクトユニット123を更に有し、スマートコントラクトユニット123はコントラクト秘密鍵を記録したスマートコントラクトを時間条件とし、コントラクト秘密鍵に対応するコントラクト公開鍵を更に有している。スマートコントラクトの履行前にサーバー13がコントラクト公開鍵により第二暗号化を行うため、コントラクトの履行前にマルチメディア情報Mに対し第一復号化を行うことはできない。スマートコントラクトが履行された場合、サーバー13はコントラクト秘密鍵により先ずマルチメディア情報Mに対し復号化を行い、スマートコントラクトが履行された時間に再度第二暗号化を行い、スマートコントラクトの履行が完了してからマルチメディア情報Mに対する第二復号化を行って完全に復号化し、マルチメディア情報Mの内容を取得する。
【0028】
以下、第二状況を示し、遺言を例とする。ユーザーCが遺言を書き、生前契約を利用して死後事務処理計画を策定し、生前契約及び本発明の暗号化式マルチメディア情報管理方法を利用する。先ず公開遺言を作成し、各受益者に対するマルチメディア情報を構成し、公開遺言には各受益者のマルチメディア情報を復号化する各身元の特徴を記載する。例えば、各受益者とユーザーCとの特定の思い出、秘密、約束等を記載すると共にこれにより公開鍵を生成して各マルチメディア情報に対し第一暗号化を行い、且つスマートコントラクトには公開遺言、即時とする時間条件、及びコントラクト秘密鍵を記録し、ユーザーCの往時にスマートコントラクトが履行されるように設定し、且つスマートコントラクト公開鍵によりマルチメディア情報に対し第二暗号化を行う。ユーザーCの往時にスマートコントラクトが履行されると、サーバーがコントラクト秘密鍵を取得し、マルチメディア情報に対し復号化を行った後、スマートコントラクトに記録された時間条件が「即時」であるため、再度第二暗号化を行う。ユーザーCは遺言が事前に公開されたり、誰かが故意に遺失する等して遺言が外部に漏れる心配をする必要がない。
【0029】
本発明はお祝いマルチメディア情報、メッセージを残す、情報の伝達等に応用され、ユーザーの身元の特徴の非対称暗号化公開鍵及び秘密鍵を利用し、物理的感知装置及び時間条件の対称暗号化キーを更に利用し、伝達するマルチメディア情報に対し先ず公開鍵により第一暗号化を行い、キーにより第二暗号化を実行し、サーバー側が識別コード及び時間条件により復号化を行えないようにすることを含む。また、暗号化が完了したマルチメディア情報が盗まれた場合であっても、時間条件及び身元の特徴により復号化を行うことはできず、第二ユーザーは不正確な時点にマルチメディア情報を開示することはできない。これにより、感知装置を有している第二ユーザーのみが指定時間後にマルチメディア情報を開示可能になる。また、本発明はスマートコントラクトを更に備え、指定された状況でトリガーされ、再度マルチメディア情報の復号化作業を行い、応用範囲を大きく広げている。これにより、本発明を実施した後、マルチメディア情報の内容が特定の時間帯にのみ開示され、且つ良好な暗号化により保護する目的を確実に達成する。
【0030】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0031】
1 暗号化マルチメディア情報管理システム
11 感知装置
111 無線通信素子
112 色変換素子
12 第一情報装置
121 第一通信ユニット
122 第一プロセッサ
123 スマートコントラクトユニット
13 サーバー
131 処理ユニット
132 メモリユニット
14 第二情報装置
141 第二通信ユニット
142 第二プロセッサ
S1 カード有効化ステップ
S2 ファイル作成ステップ
S3 第一暗号化ステップ
S4 第二暗号化ステップ
S5 復号化要求ステップ
S6 認証ステップ
S7 第一復号化ステップ
S8 第二復号化ステップ
I 識別コード
F 身元の特徴
T1 時間条件
T2 時点
K_L 公開鍵
K_U 秘密鍵
K_E キー
M マルチメディア情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17