(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】乗客コンベアの照明装置および乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
B66B 23/22 20060101AFI20240306BHJP
B66B 31/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B66B23/22 H
B66B31/00 E
(21)【出願番号】P 2022199723
(22)【出願日】2022-12-14
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】林 イクハク
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-285892(JP,A)
【文献】特開昭53-091283(JP,A)
【文献】実開昭54-077392(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00 - 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手摺デッキに沿って延びる乗客コンベアの照明装置であって、
光源ユニットと、
前記光源ユニットを覆う第1カバーと、
前記第1カバーに隣り合う、前記光源ユニットを覆う第2カバーと、
前記手摺デッキに支持されたカバー支えと、
を備え、
前記第1カバーは、第1カバー本体と、前記第1カバー本体から、前記第2カバーと前記光源ユニットとの間の空間に突出する第2カバー側突出部と、を含み、
前記第2カバーは、第2カバー本体と、前記第2カバー本体を前記カバー支えに係合するカバー係合部と、を含み、
前記カバー係合部は、前記第2カバー本体とともに前記手摺デッキに沿って延び、
前記第2カバーは、前記第2カバー本体のうちの前記第1カバー本体の側の端部において前記カバー係合部を切り欠いた切欠部を含む、
乗客コンベアの照明装置。
【請求項2】
前記第2カバー側突出部は、前記第2カバーのうちの前記光源ユニットの側の面に摺動可能に当接している、
請求項
1に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項3】
前記第2カバー側突出部は、前記第1カバー本体とは別部品として形成され、
前記第2カバー側突出部は、前記第1カバー本体に接着された接着領域と、前記第1カバー本体から突出した突出領域と、を含み、
前記突出領域の長さは、前記接着領域の長さよりも長い、
請求項
1に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項4】
前記第1カバーに対して前記第2カバーとは反対側で隣り合う第3カバーであって、前記光源ユニットを覆う第3カバーを更に備え、
前記第1カバーは、前記第1カバー本体から、前記第3カバーと前記光源ユニットとの間の空間に突出する第3カバー側突出部を更に含む、
請求項
1に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項5】
前記第2カバー側突出部および前記第3カバー側突出部は、一部品として連続状に形成されている、
請求項
4に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項6】
前記第1カバーのうちの前記手摺デッキの側の端面と内面との間に、内側面取り部が形成されている、
請求項
4に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項7】
横断面で見たときに、前記第1カバー本体は、円弧状に形成された円弧状内面を含み、
前記第2カバー側突出部は、前記第1カバー本体の円弧状内面に沿って円弧状に形成されている、
請求項
1に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項8】
前記第2カバー側突出部は、前記第1カバー本体よりも硬い材料で形成されている、
請求項
1に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項9】
前記第2カバー側突出部は、前記第1カバー本体よりも高い透明度を有している、
請求項
1に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項10】
請求項
1に記載の乗客コンベアの照明装置
を備えた、乗客コンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施の形態は、乗客コンベアの照明装置および乗客コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
乗客コンベアの手摺ベルトを案内する手摺デッキに、照明装置が設けられている場合がある。照明装置は、欄干の外周縁に沿って延びる手摺デッキに沿って設けられている。欄干は、ガラスなどの透過性を有する材料で形成されている。このため、乗客が照明装置から発せられる光を視認でき、乗客コンベアの意匠性向上を図ることができる。
【0003】
乗客コンベアの揚程に応じて、照明装置のカバーは複数に分割されており、複数のカバーが、手摺デッキに沿って並んでいる。カバーが樹脂で作製される場合、周囲温度の変化によって伸縮するため、隣り合う2つのカバーの間に、隙間が設けられる場合がある。このことにより、2つのカバーの間の隙間に乗客の指が入り得る。この場合、乗客の指が損傷を受けるという問題が考えられる。あるいは、隙間に入り込んだ指がカバーに引っ掛かり、カバーが脱落するという問題も考えられる。乗客コンベアが屋外に設置される場合には、温度変化によって2つのカバーの間の隙間が大きくなり得て、上述した問題が起こる可能性が高まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2018/220843号
【文献】特開2015-117107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施の形態は、隣り合う2つのカバーの間の隙間による不具合の発生を防止することができる乗客コンベアの照明装置および乗客コンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態による乗客コンベアの照明装置は、手摺デッキに沿って延びる装置である。乗客コンベアの照明装置は、光源ユニットと、光源ユニットを覆う第1カバーと、第1カバーに隣り合う、光源ユニットを覆う第2カバーと、を備えている。第1カバーは、第1カバー本体と、第1カバー本体から、第2カバーと光源ユニットとの間の空間に突出する第2カバー側突出部と、を含んでいる。
【0007】
実施の形態による乗客コンベアは、上述した照明装置を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態による乗客コンベアの全体概略構成を示す図である。
【
図5】
図5は、
図1の照明装置のうち下階側に位置する各カバーを示す分解図である。
【
図6】
図6は、
図1の照明装置のうち上階側に位置する各カバーを示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本実施の形態による乗客コンベアの照明装置および乗客コンベアについて説明する。
【0010】
まず、
図1を参照して、本実施の形態による乗客コンベア1について説明する。ここでは、乗客コンベア1として、エスカレータを例にとって説明するが、本実施の形態による乗客コンベア1は、動く歩道であってもよい。
【0011】
図1に示すように、乗客コンベア1は、複数の図示しない踏段が循環移動することにより、乗客を、下階の乗降口2から上階の乗降口3に、または上階の乗降口3から下階の乗降口2に搬送するように構成されている。
図1に示す乗客コンベア1は、踏段の両側に配置された一対の欄干4と、一対のスカート5と、一対の手摺デッキ6と、一対の手摺ベルト7と、一対の照明装置10と、を備えている。
【0012】
欄干4は、踏段の左右両側に垂直に設けられている。欄干4は、透過性を有する部材で形成されており、例えばガラスで形成されている。欄干4は、下階の乗降口2から上階の乗降口3まで延びている。欄干4は、上部4aと、ニュアル部4bと、を含んでいる。上部4aは、乗降口2から乗降口3まで延びている。ニュアル部4bは、各乗降口2、3に設けられており、円弧状に形成された外周縁を含んでいる。各ニュアル部4bにおいて、手摺ベルト7が移動方向を反転している。
【0013】
スカート5は、対応する欄干4の下部を覆っている。スカート5は、欄干4と同様に下階の乗降口2から上階の乗降口3に向かって延びている。
【0014】
手摺デッキ6は、欄干4の外周縁に沿って延びている。より具体的には、手摺デッキ6は、下階のニュアル部4b、上部4aおよび上階のニュアル部4bに沿って形成されている。手摺デッキ6は、
図2に示すように、欄干4の両側に設けられた、手摺ベルト7とは反対側に突出する2つの凸部6aを含んでいる。
図2においては、凸部6aは下方に突出している。2つの凸部6aの間に、欄干4が挿入されている。手摺デッキ6は、手摺レールと称する場合もある。
【0015】
図1に示すように、手摺デッキ6は、下階側端部6bと、下階側R部6cと、傾斜部6dと、上階側R部6eと、上階側端部6fと、に区分けされる。下階側端部6bは、下階の乗降口2に配置される部分であって、下階側のニュアル部4bに対応する部分である。上階側端部6fは、上階の乗降口3に配置される部分であって、上階側のニュアル部4bに対応する部分である。傾斜部6dは、下階側端部6bと上階側端部6fとの間に配置されており、直線状に傾斜して延びる部分である。下階側R部6cは、下階側端部6bと傾斜部6dとの間に配置される部分であり、円弧状に延びる部分である。上階側R部6eは、上階側端部6fと傾斜部6dとの間に配置される部分であり、円弧状に延びる部分である。
【0016】
図1に示すように、手摺ベルト7は、欄干4の上部4aに設けられた手摺デッキ6に案内されながら循環移動する。手摺ベルト7は、踏段と同期して循環移動する。手摺ベルト7は、下階の乗降口2および上階の乗降口3において移動方向を反転し、循環移動する。
【0017】
次に、本実施の形態による照明装置10について説明する。
【0018】
図1に示すように、照明装置10は、手摺デッキ6に沿って延びている。照明装置10は、手摺デッキ6の下階側端部6bから上階側端部6fまで延びている。
図2に示すように、照明装置10は、欄干4の外側に配置されている。より具体的には、欄干4に対して外側に位置する手摺デッキ6の凸部6aに、照明装置10が取り付けられている。
【0019】
ここで、本実施の形態による照明装置10は、分割された複数のカバー20A~20Iを備えており、複数のカバー20A~20Iが手摺デッキ6に沿って並んでいる。隣り合う2つのカバー20A~20Iの間には隙間が形成されている。より具体的には、照明装置10は、下階側端部カバー20Aと、下階側R部カバー20Bと、下階側調整用カバー20Cと、下階側傾斜カバー20Dと、中間カバー20Eと、上階側傾斜カバー20Fと、上階側調整用カバー20Gと、上階側R部カバー20Hと、上階側端部カバー20Iと、を備えている。各カバー20A~20Iの詳細は、後述する。以下では、各カバー20A~20Iに共通する構成については、符号20を付して説明する。
【0020】
図2に示すように、照明装置10は、光源ユニット11と、カバー支え12と、カバー20と、を備えている。
【0021】
光源ユニット11は、後述するカバー支え12とカバー20との間の内部空間で連続して延びている。光源ユニット11は、各カバー20に覆われている。光源ユニット11は、後述するカバー支え12に貼り付けられていてもよい。光源ユニット11は、乗降口2、3の一方から他方まで連続して延びていてもよいが、乗客コンベア1の揚程に応じて、照明装置10は複数の光源ユニット11を含んでいてもよい。
【0022】
光源ユニット11は、テープ式LEDで構成されていてもよい。テープ式LEDは、テープ状の基材に所定の間隔で並んだ複数のLED光源(図示せず)を含んでいる。テープ式LEDは、弾力性を有する材料で形成されていてもよく、例えば、樹脂材料で形成されていてもよい。光源ユニット11の構成は、カバー支え12とカバー20との間の内部空間で連続して延びていれば任意である。光源ユニット11は、LED光源37以外の光源で構成されていてもよい。
【0023】
カバー支え12は、手摺デッキ6の凸部6aに固定されて支持されている。カバー支え12は、ナット13によって手摺デッキ6に固定されていてもよい。ナット13はポップナットであってもよい。カバー支え12を固定する手段は、ナット13に限られることはない。カバー支え12の横断面は、下方に向かって開口するようにコの字状(角張ったU字状)に形成されている。カバー支え12は、光源ユニット11から手摺デッキ6に向かう光を遮る遮光性を有している。カバー支え12は、上述した手摺デッキ6と同様に分割されていてもよい。
【0024】
カバー20は、カバー支え12に支持されている。カバー20は、カバー支え12に対して手摺デッキ6とは反対側に配置されている。
図2においては、カバー20は、カバー支え12の下方に配置されている。カバー20の横断面は、上方に向かって開口するようにU字状(湾曲したU字状)に形成されている。
【0025】
図2および
図3に示すように、カバー20は、カバー本体21と、一対のカバー係合部22と、突出部23と、を含んでいてもよい。カバー本体21は、光源ユニット11を覆っており、主として、光源ユニット11からの光を透過させる部分である。カバー本体21は、手摺デッキ6に沿う方向に延びている。
図4に示すように、横断面で見たときに、カバー本体21は、円弧状に形成された円弧状内面21aと、円弧状内面21aに同心状に形成された円弧状外面21bと、を含んでいる。手摺デッキ6に沿う方向におけるカバー本体21の両端面と円弧状外面21bとの間に外側面取り部24が形成されていてもよい。外側面取り部24は、円弧状外面21bに沿って円弧状に形成されている。外側面取り部24が形成されることによって、隣り合う2つのカバー20の間に位置ずれが生じた場合であっても、段差を目立ちにくくすることができる。なお、
図7および
図8においては、図面を明瞭にするために、外側面取り部24は省略している。
【0026】
各カバー係合部22は、カバー本体21の対応する上端部に設けられており、カバー本体21をカバー支え12の対応する支え係合部14に係合している。各支え係合部14は、カバー支え12の対応する下端部に設けられている。カバー係合部22は、カバー本体21とともに手摺デッキ6に沿う方向に延びている。支え係合部14も、手摺デッキ6に沿う方向に延びている。
【0027】
より具体的には、
図4に示すように、支え係合部14は、爪14aと溝14bとを含んでおり、爪14aは、溝14bの下方に配置されている。爪14aはカバー支え12の内側に向かって突出しており、カバー支え12の内側面に形成されている。カバー係合部22は、爪22aと溝22bとを含んでおり、爪22aは、溝22bの上方に配置されている。爪22aは、カバー20の外側に向かって突出しており、カバー20の外側面に形成されている。支え係合部14の爪14aは、カバー係合部22の溝22bに挿入されて係合し、カバー係合部22の爪22aは、支え係合部14の溝14bに挿入されて係合している。これにより、カバー20がカバー支え12に取り付けられている。
【0028】
カバー本体21およびカバー係合部22は、弾力性を有する材料で形成されていてもよく、例えば、樹脂材料で形成されていてもよい。例えば、カバー本体21およびカバー係合部22は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で形成されていてもよい。ポリテトラフルオロエチレンは、樹脂材料の中でも温度変化に対して比較的伸び縮みし難い材料であるため、カバー本体21およびカバー係合部22の材料に好適である。カバー本体21およびカバー係合部22は、一部品として連続状に形成されていてもよい。カバー本体21およびカバー係合部22は、光源ユニット11からの光を透過する透過性を有している。
【0029】
図3に示すように、突出部23は、手摺デッキ6に沿う方向でカバー本体21から突出している。突出部23は、カバー本体21とは別部品として形成されていてもよい。この場合、突出部23は、カバー本体21に接着された接着領域23aとカバー本体21から突出した突出領域23bと、を含んでいてもよい。手摺デッキ6に沿う方向において、突出領域23bの長さは、接着領域23aの長さよりも長くてもよい。
【0030】
図3および
図4に示すように、突出部23は、カバー本体21の上述した円弧状内面21aに沿って円弧状に形成されている。このことにより、突出部23とカバー本体21の円弧状外面21bとの段差を小さくすることができる。突出部23は、隣り合う他のカバー20のカバー本体21の円弧状内面21aに当接していてもよい。
【0031】
突出部23は、カバー本体21よりも硬い材料で形成されていてもよい。この場合、突出部23を、隣のカバー20と光源ユニット11との間の内部空間にスムーズに挿入することができる。突出部23は、カバー本体21よりも高い透明度を有していてもよい。この場合、突出部23とカバー本体21との重なり部(上述した接着領域23a)において、光源ユニット11からの光の強度が低下することを抑制できる。突出部23は、乳白色で半透明な材料で形成されていてもよく、透明な材料であってもよい。例えば、突出部23は、ポリカーボネートで形成されていてもよい。
【0032】
本実施の形態による照明装置10には、上述した突出部23を含むカバー20と、突出部23を含まないカバー20と、が含まれている。
図5および
図6に示すように、より具体的には、下階側調整用カバー20Cと上階側調整用カバー20Gには、突出部23は含まれていない。中間カバー20Eには、2つの突出部23が含まれている。下階側端部カバー20Aと、下階側R部カバー20Bと、下階側傾斜カバー20Dと、上階側傾斜カバー20Fと、上階側R部カバー20Hと、上階側端部カバー20Iには、1つの突出部23が含まれている。各カバー20A~20Iは、上述したカバー本体21とカバー係合部22とを含んでいる。以下、各カバー20A~20Iの詳細について説明する。
【0033】
図5に示すように、下階側端部カバー20Aは、手摺デッキ6の下階側端部6bに配置されており、下階の乗降口2に配置されている。下階側端部カバー20Aは、ニュアル部4bの外周縁形状に沿うように円弧状に形成された部分を含んでいる。
【0034】
下階側端部カバー20Aは、上述した1つの突出部23を含んでいる。この突出部23は、下階側端部カバー20Aのカバー本体21から上階側に向かって突出しており、後述する下階側R部カバー20Bのカバー本体21と光源ユニット11との間の内部空間に突出している。このことにより、下階側端部カバー20Aと下階側R部カバー20Bとの間の隙間に、乗客の指などが挿入されることを防止することができる。下階側端部カバー20Aと下階側R部カバー20Bとの間の隙間を、カバー20の熱伸縮の吸収のために大きく形成している場合には、指などの挿入を効果的に防止することができる。下階側端部カバー20Aの突出部23は、下階側R部カバー20Bのカバー本体21の円弧状内面21aに摺動可能に当接していてもよい。
【0035】
下階側R部カバー20Bは、下階側端部カバー20Aよりも上階側に配置されており、下階側端部カバー20Aに隣り合っている。下階側R部カバー20Bは、手摺デッキ6の下階側R部6cに沿うように円弧状に形成された部分を含んでいる。
【0036】
下階側R部カバー20Bは、上述した1つの突出部23を含んでいる。この突出部23は、下階側R部カバー20Bのカバー本体21から上階側に向かって突出しており、後述する下階側調整用カバー20Cのカバー本体21と光源ユニット11との間の内部空間に突出している。このことにより、下階側R部カバー20Bと下階側調整用カバー20Cとの間の隙間に乗客の指などが挿入されることを防止することができる。下階側R部カバー20Bの突出部23は、下階側調整用カバー20Cのカバー本体21の円弧状内面21aに摺動可能に当接していてもよい。
【0037】
下階側調整用カバー20Cは、下階側R部カバー20Bよりも上階側に配置されており、下階側R部カバー20Bに隣り合っている。下階側調整用カバー20Cは、下階側傾斜カバー20Dに対して中間カバー20Eとは反対側で隣り合っている。下階側調整用カバー20Cは、手摺デッキ6の傾斜部6dに配置されており、傾斜部6dに沿うように直線状に形成されている。
【0038】
下階側調整用カバー20Cは、上述した突出部23を含んでいない。下階側調整用カバー20Cと光源ユニット11との間の内部空間には、下階側R部カバー20Bの突出部23が挿入されているとともに、後述する下階側傾斜カバー20Dの突出部23が挿入されている。
【0039】
図7に示すように、下階側調整用カバー20Cは、下階側調整用カバー20Cのカバー本体21のうちの少なくとも一方の端部において、カバー係合部22を切り欠いた切欠部25を含んでいてもよい。本実施の形態においては、カバー本体21の両端部に切欠部25が形成されている。言い換えると、カバー係合部22は、カバー本体21の一方の端部まで延びていないとともに、カバー本体21の他方の端部まで延びていない。切欠部25は、後述するように、下階側R部カバー20Bの突出部23および下階側傾斜カバー20Dの突出部23を挿入可能な長さを有していてもよい。より具体的には、切欠部25の長さは、突出部23の突出領域23bの長さと等しい、または突出領域23bの長さよりも長くてもよい。
【0040】
図5に示すように、下階側傾斜カバー20Dは、下階側調整用カバー20Cよりも上階側に配置されており、下階側調整用カバー20Cに隣り合っている。下階側傾斜カバー20Dは、後述する中間カバー20Eに対して上階側傾斜カバー20Fとは反対側で隣り合っている。下階側傾斜カバー20Dは、手摺デッキ6の傾斜部6dに配置されており、傾斜部6dに沿うように直線状に形成されている。
【0041】
下階側傾斜カバー20Dは、上述した1つの突出部23を含んでいる。この突出部23は、下階側傾斜カバー20Dのカバー本体21から下階側に向かって突出しており、下階側調整用カバー20Cのカバー本体21と光源ユニット11との間の内部空間に突出している。このことにより、下階側調整用カバー20Cと下階側傾斜カバー20Dとの間の隙間に、乗客の指などが挿入されることを防止することができる。下階側傾斜カバー20Dの突出部23は、下階側調整用カバー20Cのカバー本体21の円弧状内面21aに摺動可能に当接していてもよい。
【0042】
中間カバー20Eは、下階側傾斜カバー20Dよりも上階側に配置されており、下階側傾斜カバー20Dに隣り合っている。中間カバー20Eは、手摺デッキ6の傾斜部6dに配置されており、傾斜部6dに沿うように直線状に形成されている。中間カバー20Eは、乗客コンベア1の揚程の中間位置に配置されていてもよい。
【0043】
図5および
図8に示すように、中間カバー20Eは、上述した2つの突出部23を含んでいる。
【0044】
中間カバー20Eの下階側の突出部23は、中間カバー20Eのカバー本体21から下階側に向かって突出しており、下階側傾斜カバー20Dのカバー本体21と光源ユニット11との間の内部空間に突出している。このことにより、下階側傾斜カバー20Dと中間カバー20Eとの間の隙間に、乗客の指などが挿入されることを防止することができる。中間カバー20Eの下階側の突出部23は、下階側傾斜カバー20Dのカバー本体21の円弧状内面21aに摺動可能に当接していてもよい。
【0045】
中間カバー20Eの上階側の突出部23は、中間カバー20Eのカバー本体21から上階側に向かって突出しており、後述する上階側傾斜カバー20Fのカバー本体21と光源ユニット11との間の内部空間に突出している。このことにより、上階側傾斜カバー20Fと中間カバー20Eとの間の隙間に、乗客の指などが挿入されることを防止することができる。中間カバー20Eの上階側の突出部23は、上階側傾斜カバー20Fのカバー本体21の円弧状内面21aに摺動可能に当接していてもよい。
【0046】
図8に示すように、中間カバー20Eの2つの突出部23は、別々の部品として形成されていてもよい。この場合、各突出部23は、上述した接着領域23aよりも長い突出領域23bを含む。しかしながら、2つの突出部23は、一部品として形成されていてもよい。より具体的には、2つの突出部23は、下階側傾斜カバー20Dの側の端部から、上階側傾斜カバー20Fの側の端部まで、一部品として連続状に形成されていてもよい。この場合、部品点数を低減することができるとともに、接着領域を増大させることができる。
【0047】
図9に示すように、中間カバー20Eのうちの手摺デッキ6の側の端面26と、中間カバー20Eの係合部内面27との間に、内側面取り部28が形成されていてもよい。より具体的には、カバー係合部22は、カバー支え12の内側面よりも内側に突出している。この突出した部分に内側面取り部28が形成されている。内側面取り部28は、中間カバー20Eの各カバー係合部22のカバー支え12の側の端部に形成されている。
【0048】
手摺デッキ6に沿う方向において、中間カバー20Eの長さは、他のカバー20の長さよりも短くてもよい。このことにより、中間カバー20Eとカバー支え12との間の内部空間に光源ユニット11を通しやすくすることができる。後述するように、中間カバー20Eは、光源ユニット11よりも前にカバー支え12に取り付けられる場合があるため、中間カバー20Eが短いことは効果的である。
【0049】
図6に示すように、上階側傾斜カバー20Fは、中間カバー20Eの上階側に配置されており、中間カバー20Eに隣り合っている。上階側傾斜カバー20Fは、手摺デッキ6の傾斜部6dに配置されており、傾斜部6dに沿うように直線状に形成されている。
【0050】
上階側傾斜カバー20Fは、上述した1つの突出部23を含んでいる。この突出部23は、上階側傾斜カバー20Fのカバー本体21から上階側に向かって突出しており、後述する上階側調整用カバー20Gのカバー本体21と光源ユニット11との間の内部空間に突出している。このことにより、上階側傾斜カバー20Fと上階側調整用カバー20Gとの間の隙間に、乗客の指などが挿入されることを防止することができる。上階側傾斜カバー20Fの突出部23は、上階側調整用カバー20Gのカバー本体21の円弧状内面21aに摺動可能に当接していてもよい。
【0051】
上階側調整用カバー20Gは、上階側傾斜カバー20Fの上階側に配置されており、上階側傾斜カバー20Fに隣り合っている。上階側調整用カバー20Gは、上階側傾斜カバー20Fに対して中間カバー20Eとは反対側で隣り合っている。上階側調整用カバー20Gは、手摺デッキ6の傾斜部6dに配置されており、傾斜部6dに沿うように直線状に形成されている。
【0052】
上階側調整用カバー20Gは、上述した突出部23を含んでいない。上階側調整用カバー20Gと光源ユニット11との間の内部空間には、上階側傾斜カバー20Fの突出部23が挿入されているとともに、上階側R部カバー20Hの突出部23が挿入されている。
【0053】
図7に示すように、上階側調整用カバー20Gは、上階側調整用カバー20Gのカバー本体21のうちの少なくとも一方の端部において、カバー係合部22を切り欠いた切欠部25を含んでいてもよい。本実施の形態においては、カバー本体21の両端部において切欠部25が形成されている。言い換えると、カバー係合部22は、カバー本体21の一方の端部まで延びていないとともに、カバー本体21の他方の端部まで延びていない。切欠部25は、後述するように、上階側傾斜カバー20Fの突出部23および上階側R部カバー20Hの突出部23を挿入可能な長さを有していてもよい。より具体的には、切欠部25の長さは、突出部23の突出領域23bの長さと等しい、または突出領域23bの長さよりも長くてもよい。
【0054】
図6に示すように、上階側R部カバー20Hは、上階側調整用カバー20Gの上階側に配置されており、上階側調整用カバー20Gに隣り合っている。上階側R部カバー20Hは、手摺デッキ6の上階側R部6eに沿うように円弧状に形成された部分を含んでいる。
【0055】
上階側R部カバー20Hは、上述した1つの突出部23を含んでいる。この突出部23は、上階側R部カバー20Hのカバー本体21から下階側に向かって突出しており、上階側調整用カバー20Gのカバー本体21と光源ユニット11との間の内部空間に突出している。このことにより、上階側調整用カバー20Gと上階側R部カバー20Hとの間の隙間に乗客の指などが挿入されることを防止することができる。上階側R部カバー20Hの突出部23は、上階側調整用カバー20Gのカバー本体21の円弧状内面21aに摺動可能に当接していてもよい。
【0056】
上階側端部カバー20Iは、上階側R部カバー20Hの上階側に配置されている。上階側端部カバー20Iは、手摺デッキ6の上階側端部6fに配置されており、上階の乗降口3に配置されている。上階側端部カバー20Iは、ニュアル部4bの外周縁形状に沿うように、円弧状に形成されている部分を含んでいる。
【0057】
上階側端部カバー20Iは、上述した1つの突出部23を含んでいる。この突出部23は、上階側端部カバー20Iのカバー本体21から下階側に向かって突出しており、上階側R部カバー20Hのカバー本体21と光源ユニット11との間の内部空間に突出している。このことにより、上階側R部カバー20Hと上階側端部カバー20Iとの間の隙間に、乗客の指などが挿入されることを防止することができる。上階側R部カバー20Hと上階側端部カバー20Iとの間の隙間を、カバー20の熱伸縮の吸収のために大きく形成している場合に、指などの挿入を効果的に防止することができる。上階側端部カバー20Iの突出部23は、上階側R部カバー20Hのカバー本体21の円弧状内面21aに摺動可能に当接していてもよい。
【0058】
上述した中間カバー20Eは、第1カバーの一例とも言える。この場合、中間カバー20Eのカバー本体21が第1カバー本体の一例となる。下階側傾斜カバー20Dおよび上階側傾斜カバー20Fは、第2カバーまたは第3カバーの一例とも言える。この場合、下階側傾斜カバー20Dのカバー本体21および上階側傾斜カバー20Fのカバー本体21が第2カバー本体の一例となる。中間カバー20Eの突出部23は、第2カバー側突出部および第3カバー側突出部の一例とも言える。しかしながら、突出部23を含む第1カバーと第2カバーとの組み合わせは、中間カバー20Eと下階側傾斜カバー20Dまたは上階側傾斜カバー20Fとの組み合わせに限られることはなく、任意の組み合わせに適用できる。
【0059】
次に、本実施の形態による照明装置10の取付方法について説明する。
【0060】
まず、手摺デッキ6に、照明装置10の各カバー支え12が取り付けられる。
【0061】
続いて、中間カバー20Eが対応するカバー支え12に取り付けられる。この際、中間カバー20Eのカバー係合部22が、カバー本体21の弾力性を利用して、カバー支え12の対応する支え係合部14に係合される。中間カバー20Eは、手摺デッキ6の沿う方向において所望の位置に位置決めされる。一方の突出部23が中間カバー20Eのカバー本体21から下階側に突出し、他方の突出部23が中間カバー20Eのカバー本体21から上階側に突出する。乗客コンベア1の建物への据付時には、中間カバー20Eは、工場内で予め、手摺デッキ6に固定されたカバー支え12に接着されていてもよい。
【0062】
続いて、光源ユニット11がカバー支え12に貼り付けられる。この際、光源ユニット11は、中間カバー20Eとカバー支え12との間の内部空間を通して手摺デッキ6に沿うように配置される。中間カバー20Eのうちの手摺デッキ6の側の端面26と係合部内面27との間には、上述した内側面取り部28が形成されているため、光源ユニット11をスムーズに内部空間に通すことができる。
【0063】
続いて、下階側傾斜カバー20Dが、対応するカバー支え12に取り付けられる。この際、下階側傾斜カバー20Dの内部に、中間カバー20Eの下階側の突出部23が挿入されるように、下階側傾斜カバー20Dが、手摺デッキ6に沿う方向において所望の位置に位置付けられる。そして、下階側傾斜カバー20Dのカバー係合部22が、カバー本体21の弾力性を利用して、カバー支え12の対応する支え係合部14に係合される。下階側傾斜カバー20Dの突出部23は、下階側傾斜カバー20Dのカバー本体21から下階側に突出する。
【0064】
一方、下階側端部カバー20Aが、対応するカバー支え12に取り付けられる。この際、下階側端部カバー20Aは、手摺デッキ6に沿う方向において所望の位置に位置決めされる。そして、下階側端部カバー20Aのカバー係合部22が、カバー本体21の弾力性を利用して、カバー支え12の対応する支え係合部14に係合される。下階側端部カバー20Aの突出部23は、下階側端部カバー20Aのカバー本体21から上階側に突出する。
【0065】
続いて、下階側R部カバー20Bが、対応するカバー支え12に取り付けられる。この際、下階側R部カバー20Bの内部に、下階側端部カバー20Aの突出部23が挿入されるように、下階側R部カバー20Bが、手摺デッキ6に沿う方向において所望の位置に位置付けられる。そして、下階側R部カバー20Bのカバー係合部22が、カバー本体21の弾力性を利用して、カバー支え12の対応する支え係合部14に係合される。下階側R部カバー20Bの突出部23は、下階側R部カバー20Bのカバー本体21から上階側に突出する。
【0066】
下階側端部カバー20Aおよび下階側R部カバー20Bの取り付けは、下階側傾斜カバー20Dの取り付けの後に行ってもよく、下階側傾斜カバー20Dの取り付けの前に行ってもよい。
【0067】
続いて、下階側調整用カバー20Cが、下階側R部カバー20Bと下階側傾斜カバー20Dとの間に挿入されて、対応するカバー支え12に取り付けられる。この際、下階側調整用カバー20Cのカバー本体21の弾力性を利用して、下階側調整用カバー20Cの内部に、下階側R部カバー20Bの突出部23が挿入されるとともに、下階側傾斜カバー20Dの突出部23が挿入される。下階側調整用カバー20Cが、手摺デッキ6に沿う方向において所望の位置に位置付けられる。そして、下階側調整用カバー20Cのカバー係合部22が、カバー本体21の弾力性を利用して、カバー支え12の対応する支え係合部14に係合される。
【0068】
下階側調整用カバー20Cは、下階側調整用カバー20Cのカバー本体21の両端部においてカバー係合部22を切り欠かいた切欠部25を含んでいる。このため、下階側R部カバー20Bと下階側傾斜カバー20Dとの間に下階側調整用カバー20Cを挿入しやすくなっている。より具体的には、下階側調整用カバー20Cの取付時、下階側R部カバー20Bの突出部23と下階側傾斜カバー20Dの突出部23が、下階側調整用カバー20Cの挿入スペースにすでに存在している。切欠部25が形成されていない場合、これら2つの突出部23は、カバー本体21よりも内側に突出するカバー係合部22に干渉し、カバー本体21の内側への挿入が困難になり得る。しかしながら、本実施の形態による下階側調整用カバー20Cは、上述した切欠部25を含んでいるため、下階側R部カバー20Bの突出部23と下階側傾斜カバー20Dの突出部23を、カバー本体21の内側に容易に挿入できる。
【0069】
下階側調整用カバー20Cは、下階側調整用カバー20Cのカバー本体21の両端部においてカバー係合部22を切り欠かいた切欠部25を含んでいるため、カバー本体21の両端部は、カバー支え12の支え係合部14に係合していない。下階側調整用カバー20Cに対して下階側R部カバー20Bが手摺デッキ6から離れる方向(
図2の下方)に位置ずれしている場合には、下階側調整用カバー20Cのカバー本体21の端部が、下階側R部カバー20Bの突出部23によって変形し得る。しかしながら、本実施の形態においては、下階側調整用カバー20Cのカバー係合部22が、カバー本体21の両端部で切り欠かれているため、位置ずれに追従することができる。このため、上述したような下階側調整用カバー20Cのカバー本体21の変形を抑制することができる。
【0070】
同様に、下階側調整用カバー20Cに対して下階側傾斜カバー20Dが手摺デッキ6から離れる方向(
図2の下方)に位置ずれしている場合には、下階側調整用カバー20Cのカバー本体21の端部が、下階側傾斜カバー20Dの突出部23によって変形し得る。しかしながら、本実施の形態においては、下階側調整用カバー20Cのカバー係合部22が、カバー本体21の両端部で切り欠かれているため、上述したような下階側調整用カバー20Cのカバー本体21の変形を抑制することができる。
【0071】
このようにして、下階側調整用カバー20Cを、下階側R部カバー20Bと下階側傾斜カバー20Dとの間に挿入して、対応するカバー支え12に取り付けることができる。この結果、下階側端部カバー20Aから中間カバー20Eまで取り付けが完了する。中間カバー20Eから上階側端部カバー20Iまでの取り付けについては、下階側のカバー20と同様に行うことができるため、ここでは詳細な説明は省略する。下階側端部カバー20Aから中間カバー20Eまでの取り付けは、下階側調整用カバー20Cを最後に取り付ければ任意であり、中間カバー20Eから上階側端部カバー20Iまでの取り付けの順序は、上階側調整用カバー20Gを最後に取り付ければ任意である。
【0072】
このように本実施の形態によれば、隣り合う2つのカバー20のうちの一方のカバー20が、カバー本体21と、カバー本体21から、他のカバー20と光源ユニット11との間の空間に突出する突出部23を含んでいる。このことにより突出部23が、隣り合う2つのカバー20の間の隙間を覆うことができ、この隙間に、乗客の指などが挿入されることを防止することができる。このため、乗客の指が損傷を受けることを防止することができるとともに、カバーの脱落を防止することができる。この結果、隣り合う2つのカバー20の間の隙間による不具合の発生を防止することができる。
【0073】
また、本実施の形態によれば、カバー20が、他のカバー20と光源ユニット11との間の空間に突出する突出部23を含んでいる。このことにより、突出部23が他のカバー20に係止され、カバー20が脱落することを防止することができる。
【0074】
また、本実施の形態によれば、カバー20の突出部23が、隣り合う他のカバー20のうちの光源ユニット11の側の円弧状内面21aに摺動可能に当接している。このことにより、突出部23とカバー20の円弧状外面21bとの段差を小さくすることができる。このため、2つのカバー20の間の隙間に、乗客の指などが挿入されることをより一層防止することができる。
【0075】
また、本実施の形態によれば、手摺デッキ6に沿う方向において、突出部23がカバー本体21から突出した突出領域23bの長さが、突出部23がカバー本体21に接着された接着領域23aの長さよりも長い。このことにより、隣り合う2つのカバー20の間の隙間が熱伸縮によって増大した場合であっても、突出部23の突出領域23bによって、この隙間を覆うことができる。このため、隣り合う2つのカバー20の間の隙間による不具合の発生をより一層防止することができる。
【0076】
また、本実施の形態によれば、中間カバー20Eが2つの突出部23を含んでいる。下階側の突出部23が、中間カバー20Eのカバー本体21から下階側傾斜カバー20Dと光源ユニット11との間の内部空間に突出し、上階側の突出部23が、中間カバー20Eのカバー本体21から上階側傾斜カバー20Fと光源ユニット11との間の内部空間に突出している。このことにより、各カバー20の製造誤差を、中間カバー20Eを境にして下階側と上階側で分散させることができる。このため、製造誤差が集中することを防止でき、照明装置10の取付作業性を向上させることができる。
【0077】
なお、上述した本実施の形態においては、中間カバー20Eは、乗客コンベア1の揚程の中間位置に配置されている例について説明した。しかしながら、本実施の形態は、このことに限られることはない。例えば、中間カバー20Eは、中間位置以外の位置に配置されていてもよい。また、中間カバー20Eは、手摺デッキ6に複数設けられていてもよい。
【0078】
また、上述した本実施の形態においては、照明装置10が、複数のカバー20A~20Iを備えている例について説明した。しかしながら、本実施の形態は、このことに限られることはない。照明装置10が備えるカバー20の個数および構成は、任意である。
【0079】
以上述べた実施の形態によれば、隣り合う2つのカバー20の間の隙間による不具合の発生を防止することができる。
【0080】
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1:乗客コンベア、6:手摺デッキ、10:照明装置、11:光源ユニット、12:カバー支え、20:カバー、20A:下階側端部カバー、20B:下階側R部カバー、20C:下階側調整用カバー、20D:下階側傾斜カバー、20E:中間カバー、20F:上階側傾斜カバー、20G:上階側調整用カバー、20H:上階側R部カバー、20I:上階側端部カバー、21:カバー本体、21a:円弧状内面、21b:円弧状外面、22:カバー係合部、23:突出部、23a:接着領域、23b:突出領域、24:外側面取り部、25:切欠部、26:端面、27:係合部内面、28:内側面取り部
【要約】
【課題】隣り合う2つのカバーの間の隙間による不具合の発生を防止することができる乗客コンベアの照明装置を提供する。
【解決手段】実施の形態による乗客コンベアの照明装置は、光源ユニットと、光源ユニットを覆う第1カバーと、第1カバーに隣り合う、光源ユニットを覆う第2カバーと、を備えている。第1カバーは、第1カバー本体と、第1カバー本体から、第2カバーと光源ユニットとの間の空間に突出する第2カバー側突出部と、を含んでいる。
【選択図】
図3