(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】発光素子及びこれを用いた発光表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/19 20230101AFI20240306BHJP
C07D 213/22 20060101ALI20240306BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20240306BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240306BHJP
H10K 50/12 20230101ALI20240306BHJP
H10K 50/125 20230101ALI20240306BHJP
H10K 50/13 20230101ALI20240306BHJP
H10K 50/15 20230101ALI20240306BHJP
H10K 50/16 20230101ALI20240306BHJP
H10K 50/165 20230101ALI20240306BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20240306BHJP
H10K 85/30 20230101ALI20240306BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20240306BHJP
H10K 101/10 20230101ALN20240306BHJP
【FI】
H10K50/19
C07D213/22
C07D401/14
G09F9/30 365
H10K50/12
H10K50/125
H10K50/13
H10K50/15
H10K50/16
H10K50/165
H10K59/12
H10K85/30
H10K85/60
H10K101:10
(21)【出願番号】P 2022203939
(22)【出願日】2022-12-21
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194800
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】宋 旭
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲ミン▼ 亨
(72)【発明者】
【氏名】金 椿 基
(72)【発明者】
【氏名】朴 塞 美
(72)【発明者】
【氏名】趙 明 宣
(72)【発明者】
【氏名】金 重 根
(72)【発明者】
【氏名】金 炳 秀
(72)【発明者】
【氏名】▲ユ▼ 榮 ▲ジュン▼
(72)【発明者】
【氏名】金 相 範
【審査官】横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0001826(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0052234(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0130355(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0348613(US,A1)
【文献】国際公開第2021/034039(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/067593(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/010824(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0273192(US,A1)
【文献】特開2019-161218(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0072414(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/00-102/20
C07D 213/22
C07D 401/14
G09F 9/30
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する陽極及び陰極を含み、
前記陽極と陰極との間に、第1電子阻止層、430nm~480nmの発光ピークを有するボロン系ドーパントを含む第1青色発光層、及び第1電子輸送層を含む第1スタックと、前記第1青色発光層より長波長を発光する少なくとも2個の燐光発光層を含む第2スタックと、前記第1及び第2スタックの間の電荷生成層とを含み、
前記第1電子輸送層は化学式1の第1物質を含み、
前記第1電子阻止層の第2物質はスピロフルオレン(spyrofluorene)を含み、前記スピロフルオレンの少なくとも一側が重水素に置換され、
【化1】
R
1及びR
2は、独立的にシクロアルキル基、アリール基、及びヘテロアリール基の中で選択され、
X
1、X
2、及びX
3は、独立的にNまたはCHであり、
X
4、X
5、及びX6のうちの少なくとも一つはNであり、残りはCHである、
発光素子。
【請求項2】
前記第2物質は化学式2を含み、
【化2】
Lは単一結合であるか、重水素置換または非置換フェニル基及び重水素置換または非置換ナフチル基の中で選択され、
R
3及びR
4はそれぞれ、重水素置換されたフェニル基、重水素置換または非置換ビフェニル基、及び重水素置換または非置換ヘテロアリール基中で選択され、
R
5~R
12はそれぞれ重水素に置換される、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1電子阻止層は前記第1青色発光層の一面に接し、前記第1電子輸送層は前記第1青色発光層の他面に接し、
前記第1青色発光層の一面と他面とは前記第1青色発光層の厚さを挟んで向き合う、請求項2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第2スタックの少なくとも2つの前記燐光発光層は、前記第1スタックに近い赤色発光層と、前記陰極に近い緑色発光層とを含む、請求項1に記載の発光素子。
【請求項5】
前記少なくとも2つの燐光発光層は、前記赤色発光層と前記緑色発光層との間に黄緑色発光層をさらに含む、請求項4に記載の発光素子。
【請求項6】
前記第2スタックと前記陰極との間に一つ以上のスタックをさらに含み、
前記第2スタックと前記陰極との間に含まれた一つ以上のスタックは、前記第2物質を含む第2電子阻止層と、前記第1青色発光層と同じ色を発光する第2青色発光層と、前記第1物質を含む第2電子輸送層とを含む、請求項2に記載の発光素子。
【請求項7】
前記第2電子輸送層と前記陰極との間に電子注入層をさらに含み、
前記第2電子輸送層は第3物質をさらに含む、請求項6に記載の発光素子。
【請求項8】
X
4、X
5およびX
6を含有する2つのフェニル環は、X
1、X
2およびX
3を含有するフェニル環に対して対称であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項9】
R
1及びR
2の少なくとも一方はカルバゾール基であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項10】
カルバゾール基は、置換基としてフェニル基を含むことを特徴とする請求項9に記載の発光素子。
【請求項11】
R
1及びR
2の少なくとも一方は、フェニル基又はビフェニル基であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項12】
R
3及びR
4の少なくとも1つは、ビフェニル基、ジメチルフルオレン基、カルバゾール基及びジベンゾフラン基の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
【請求項13】
R3及びR4の少なくとも1つは、重水素置換ビフェニル基、重水素置換ジメチルフルオレン基、重水素置換カルバゾール基及び重水素置換ジベンゾフラン基の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
【請求項14】
R
3及びR
4の少なくとも一方は、過重水素化ビフェニル基、過重水素化ジメチルフルオレン基又は過重水素化カルバゾール基を含むことを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
【請求項15】
カルバゾール基は、重水素置換または非置換のフェニル基を置換基として含むことを特徴とする請求項12に記載の発光素子。
【請求項16】
複数のサブ画素を含む基板と、
前記基板上のサブ画素にそれぞれ備えられた薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタと接続される請求項1~7のいずれか一項に記載の発光素子とを含む、発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光素子に関し、より詳しくは青色蛍光スタック及び燐光スタックを含む発光素子において、駆動電圧の増加なしに青色蛍光発光層の効率を向上させることができる発光素子及びこれを用いた発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、本格的な情報化時代に入るに伴い、電気的情報信号を視覚的に表現するディスプレイ(display)分野が急速に発展して来た。これに応じて、薄型化、軽量化、及び低消費電力化に優れた性能を有する多様な表示装置(Display Device)が開発されて既存のブラウン管(Cathode Ray Tube:CRT)を早く代替している。
【0003】
このうち、別途の光源を要求しなく、装置のコンパクト化及び鮮明なカラー表示のために別途の光源を備えなく、発光素子を表示パネル内に有する発光表示装置が競争力あるアプリケーション(application)として考慮されている。
【0004】
一方、近年、発光表示装置に用いられる発光素子は、画質を現すのにより高い効率の要求があるので、複数のスタックを積層する方式が好まれている。ところが、複数のスタックの適用の際、スタックの数が増える度に駆動電圧が上昇し、スタック別に構成する発光色及び発光原理が異なることにより、複数のスタックのみでは効率増加の限界がある。また、効率を高めるために材料を変更するとき、寿命低下が発生する問題もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した問題を解決するために案出されたものであり、内部量子効率が低い蛍光発光層及びその周辺構造を変更して駆動電圧及び寿命を共に良好な水準に向上させることができる発光素子及びこれを用いた発光表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例による発光素子は互いに対向する陽極及び陰極を含み、前記陽極と陰極との間に、第1電子阻止層、430nm~480nm波長の光を発光するボロン系化合物を含む第1青色発光層、及び第1電子輸送層を含む第1スタックと、前記第1青色発光層より長波長を発光する少なくとも2個の燐光発光層を含む第2スタックと、前記第1及び第2スタックの間の電荷生成層とを含む。
【0007】
ここで、前記第1電子輸送層は電子輸送効率の高い第1物質を含むことができる。
【0008】
そして、第1電子阻止層はスピロフルオレンを含む化合物であることができる。
前記電子阻止層は前記青色発光層の一面に接し、前記電子輸送層は前記青色発光層の他面に接し、前記青色発光層の一面と他面は前記青色発光層の厚さを挟んで向き合うことができる。
【0009】
また、本発明の一実施例による発光表示装置は、複数のサブ画素を含む基板と、前記基板上のサブ画素にそれぞれ備えられた薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタと接続される前記発光素子とを含むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の発光素子及びこれを用いた発光表示装置は次のような効果を有する。
【0011】
第一に、燐光発光スタック及び電荷生成層と連結される青色蛍光発光スタックにおいて、内部量子効率が制限的な青色蛍光発光層と接する電子輸送層の材料を変更して電子輸送効率を向上させることにより、青色蛍光発光層の効率を向上させることができる。
【0012】
第二に、速い電子移動特性を有する材料の電子輸送層の適用の際、青色蛍光発光層と反対の面で接する電子阻止層の材料を重水素化して、青色蛍光発光層と電子阻止層との界面で電子や励起子が積もることを防止することができるので、寿命の低下なしに、効率改善、輝度改善、及び量子効率改善の効果を得ることができる。
【0013】
第三に、青色蛍光発光層を備えた青色蛍光スタックにおいて、効率改善によって、白色を実現する発光素子に要求される青色スタックの個数を減らすことができ、同じ白色を実現する際、スタック数を減らすことができ、よって駆動電圧減少及び工程の低減によって収率向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1a】本発明の発光素子の例を概略的に示す断面図である。
【
図1b】本発明の発光素子の例を概略的に示す断面図である。
【
図3】実験例で用いた発光素子を示す断面図である。
【
図4】実験例で用いた発光素子の発光スペクトラム特性を示すグラフである。
【
図5】本発明の一実施例による発光素子の具体的な一例を示す断面図である。
【
図6】本発明の発光素子を適用した発光表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を説明する。明細書全般にわたって同じ参照番号は実質的に同一である構成要素を意味する。以下の説明で、本発明に関連した技術又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、以下の説明で使われる構成要素の名称は容易な明細書作成を考慮して選択されたものであり、実際製品の部品の名称と異なることがある。
【0016】
本発明の多様な実施例を説明するための図面に開示された形状、サイズ、比率、角度、個数などは例示的なものなので、本発明が図面に示す事項に限定されるものではない。本明細書全般にわたって同じ図面符号は同じ構成要素を指称する。また、本発明の説明において、関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本明細書上で言及する「含む」、「有する」、「なる」などを使う場合、「~のみ」を使わない限り、他の部分を付加することができる。構成要素を単数で表現する場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0017】
本発明の多様な実施例に含まれる構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものに解釈する。
【0018】
本発明の多様な実施例を説明するに当たり、位置関係について説明する場合、例えば、「~上に」、「~の上部に」、「~の下部に」、「~のそばに」などによって二つの部分の位置関係を説明する場合、「すぐ」又は「直接」を使わない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0019】
本発明の多様な実施例を説明するに当たり、時間関係について説明する場合、例えば、「~の後に」、「~に引き続き」、「~の次に」、」~の前に」などで時間的先後関係を説明する場合、「すぐ」又は「直接」を使わない限り、連続的ではない場合も含むことができる。
【0020】
本発明の多様な実施例を説明するに当たり、「第1~」、「第2~」などを多様な構成要素を敍述するために使うことができるが、このような用語は互いに同一乃至類似の構成要素を区別するために使うだけである。よって、本明細書で、「第1~」で修飾する構成要素は別途の言及がない限り、本発明の技術的思想内で「第2~」で修飾する構成要素と同一であることができる。
【0021】
本発明の多様な実施例のそれぞれの特徴が部分的に又は全体的に互いに結合又は組合せ可能であり、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、多様な実施例が互いに対して独立的に実施されることもでき、連関関係で一緒に実施されることもできる。
【0022】
本明細書で、「ドーピングされた」とは、ある層の大部分の重量比を占める物質に、大部分の重量比を占める物質とは異なる物性(互いに異なる物性とは、例えばN型とP型、有機物質と無機物質)を有する物質が添加され得る。特性の違いとは別に、材料とドーパント物質は、ドープされた層の量に関しても異なり得る。たとえば、層の重量の大部分を占める物質は、主要成分であるホスト物質である一方、ドーパント物質はマイナー成分である場合があり得る。ホスト物質は、ドープ層の重量の大部分を占め得る。ドーパント物質は、ドープ層の重量のホスト物質の合計の重量に基づき、重量比30%未満で添加され得る。「ドーピングされた」層とは、ある層のホスト物質とドーパント物質とを重量比を考慮して分別することができる層を意味し得る。例えば、層の全体を構成する物質が全部有機物質であり、その層を構成する物質のうち少なくとも1種がN型であり、他の少なくとも1種がP型である場合、N型の物質の重量比が30wt%未満であるかまたはP型の物質の重量比が30wt%未満である場合、「ドーピングされた」層に含まれると解される。
【0023】
そして、「非ドーピングされた」とは、「ドーピングされた」に相当する場合以外のすべての場合を意味する。例えば、ある層が単一物質から構成されるか、互いに性質が同一乃至類似の物質が混合されて構成される場合、その層は「非ドーピングされた」層に含まれる。例えば、ある層を構成する物質のうち少なくとも1種がP型であり、その層を構成する物質の全部がN型ではなければ、その層は「非ドーピングされた」層に含まれる。例えば、ある層を構成する物質のうち少なくとも1種が有機物質であり、その層を構成する物質全部が無機物質ではなければ、その層は「非ドーピングされた」層に含まれると解される。
【0024】
別段の定義がない限り、ここで使用される技術用語および科学用語を含むすべての用語は、この発明概念が属する技術分野の通常の技術者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連する技術の文脈においてその意味と一致する意味を持つものとして解釈されるべきであり、ここで明示的にそのように定義されていない限り、理想化された、または過度に形式的な意味で解釈されることはないと理解されるであろう。
【0025】
以下、本開示の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。各図面の要素に参照番号を追加する場合、他の図面には同じ要素が図示されているが、同様の参照番号は同様の要素を指すことがある。また、説明の便宜上、添付図面に各要素を図示した縮尺と実際の縮尺が異なる場合がある。したがって、図示される要素は、図面に図示される特定のスケールに限定されない。
【0026】
以下、図面を参照して本発明の発光素子及びこれを含む発光表示装置について説明する。
【0027】
図1a及び
図1bは本発明の発光素子の例を概略的に示す断面図であり、
図2は
図1a及び
図1bの第1青色スタックを示す図である。
【0028】
図1a及び
図1bのように、本発明の発光素子は互いに対向する陽極110及び陰極200を含み、前記陽極110と陰極200との間に、第1青色発光層BEML1を含む第1スタックS1と、前記第1青色発光層BEML1より長い波長を発光する少なくとも2個の燐光発光層REML、GEMLを含む第2スタックS2と、前記第1及び第2スタックS1、S2の間に備えられる第1電荷生成層CGL1とを含む。
【0029】
図1aは本発明の発光素子の一実施例によって2スタックを備えた構成を示し、
図1bは他の実施例によって3スタック以上(
図1bの実施例においてnは3以上の自然数)を備えた例を示している。
図1bの実施例に示されている発光素子の実施例は、燐光発光層を含む第1スタックS1と第2スタックS2に加えて、青色光を発する第2青色発光層BEML2を含むスタックをさらに含む。
【0030】
図1aには発光素子を示し、第1スタックS1の第1青色発光層BEML1と陽極110との間には正孔の輸送及び注入に係わる第1共通層CML1が備えられ、第1青色発光層BEML1と第1電荷生成層CGL1との間には電子輸送に係わる第2共通層CML2が備えられる。同様に、第2スタックS2の赤色発光層REMLと第1電荷生成層CGL1との間には正孔輸送に係わる第3共通層CML3が備えられ、緑色発光層GEMLと陰極200との間には電子輸送に係わる第4共通層CML4が備えられる。
【0031】
具体的には、
図2のように、青色を発光する第1スタックS1は、陽極110上に、正孔注入層121、第1正孔輸送層122、第1電子阻止層123、第1青色発光層124、及び第1電子輸送層125を含む。
【0032】
ここで、正孔注入層121は陽極110から正孔が注入される前に最初に構成された層であり、正孔注入層121は正孔が電極成分から有機物内に注入されるときにエネルギーバリアを低める機能を果たすことができる。アリール基またはアリレン基を含む正孔輸送材料にp型ドーパントを含むことができ、p型ドーパントは、HATCNのように、HOMO準位が非常に低い有機物であるか、あるいはMgF2のように、金属及びフッ素の化合物の無機化合物であることができる。
【0033】
第1正孔輸送層122は、正孔注入層を通して注入された正孔が第1青色発光層124に伝達されるようにするために、正孔輸送性に優れた有機物から選択されることができる。第1正孔輸送層122は、第1青色発光層124に正孔を閉じ込めることができる。第1正孔輸送層122は、正孔輸送の機能のために、単一の有機物からなることもでき、複数の有機物の混合物からなることができる。
【0034】
第1青色発光層124は、第1ホストと、430nm~480nmの発光ピークを有するボロン系ドーパントとを含むことができる。第1ホストはボロン系ドーパントにエネルギーが容易に転移することができ、ボロン系ドーパントで円滑に励起させることができる物質であり得、電子輸送可能な物質から選択することができ、例えば、アントラセンをコアとする有機物であることができる。
【0035】
そして、第1電子輸送層125は、第1正孔輸送層122が第1青色発光層124に正孔が制限されるようにすることに対応して、電子が第1青色発光層124に制限されるように、次の化学式1のように、電子輸送の効率が高い材料から少なくとも一つを選択することができる。
【0036】
【0037】
ここで、R1及びR2は、独立的にシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、及びカルバゾール基の中で選択される。ヘテロアリール基は、非置換またはアリール置換カルバゾール基を含むことができる。X1、X2、及びX3は、独立的にNまたはCHである。X4、X5、及びX6のうちの一つは少なくともNであり、残りはCHである。X4、X5、及びX6を含む2つのフェニル環はX1、X2、及びX3を含むフェニル環に対して対照であり得る。
【0038】
本発明の発光素子において、第1電子輸送層125を成す化学式1の第1物質は構造の外郭にある窒素(N)が2つの対照のベンゼン環の構造的結合を結合したままで強い電子供与体の性質によって第1青色発光層124に電子を高効率で伝達することができる。そして、第1電子輸送層125を成す化学式1の第1の物質の例として、以下で提示するETM-01~ETM-60の少なくも1つを挙げることができる。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
そして、化学式1の代表物質としてETM-01は次の製法で収得した。
(1)第1化合物合成:
【化32】
6.0g及び49.5mmolの4-アセチルピリジン(4-acetylpyridine)を準備し、9.0g及び48.6mmolの4-ブロモベンズアルデヒド(4-bromobenzaldehyde)を準備し、200mlの2%NaOH水溶液とともにフラスコに入れ、常温で10時間撹拌し、反応溶液の色相変化を確認する。その後、6.0g及び49.5mmolの4-アセチルピリジン(4-acetylpyridine)を追加し、NaOH濃度を20%になるようにした後、80℃で8時間撹拌する。撹拌した物質を精製せずに水分を除去した後、エタノール(ethanol)500mL内に酢酸アンモニウム(ammonium acetate)を36.0g超過で含む溶液に入れ、還流条件で5時間撹拌する。そして、反応結果物のエタノールで再結晶して第1化合物11g(60%)を得た。
【0070】
【0071】
8.1g(48.75mmol)のカルバゾール、6.0g及び19.5mmolの1-トリメチルシリル-3,5-ジブロモベンゼン(1-trimethylsilyl-3,5-dibromobenzene)を準備し、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(tris(dibenzylideneacetone)dipalladium)(0)(Pd2(dba)3)(0.89g、1.0mmol)、トリ-テルト-ブチルホスフィンテトラフルオロボレート(tri-tert-butylphosphinetetrafluoroborate)(0.59g、2.0mmol)、NaOtBu(4.7g、48.8mmol)を乾燥トルエン(dry toluene)(200mL)に入れ、90℃で10時間撹拌した。反応完了の後、残余NaOtBuをフィルタリングした後、酢酸エチルで製造物を抽出した。MgSO4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィー(Hexane:EA=20:1)で精製して第2化合物6.1g(65%)を得た。
【0072】
【0073】
第2化合物(4.0g、8.3mmol)をCCl4(70mL)に溶かした後、一塩化ヨード溶液(iodine monochloride solution)(塩化メチレン内の1.0M、8.3mL、8.3mmol)を0℃で液滴式で注入し、1時間撹拌する。その後、チオ硫酸ナトリウム(sodium thiosulfate)(Na2S2O3)5wt%水溶液に反応溶液を注ぎ、透明になるまで強く撹拌する。酢酸エチレンで抽出し、MsSO4で水分を除去した後、カラムクロマトグラフィー(Hexane:EA=20:1)で精製して第3化合物(3.6g、80%)を得た。
【0074】
【0075】
第3化合物(3g、5.6mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2,-ジオキサボロラン)(4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-octamethyl-2,2’-bi(1,3,2,-dioxaborolane))(2.1g、8.4mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)[1,1’-Bis(diphenylphosphino)ferrocene]dichloropalladium(II)(Pd(dppf)Cl2)(0.21g、0.28mmol)、酢酸カリウム(Potassium acetate)(KOAc)(1.65g、16.8mmol)を入れ、窒素ブローイング(blowing)で不活性雰囲気を造成した後、1,4-ジオキサン(1,4-dioxane)(30mL)を追加し、130℃で12時間撹拌した。反応が終決した後、酢酸エチルで抽出した後、MgSO4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィー(Hexane:EA=7:1(v/v))で精製して第4化合物(2.3g、75%)を得た。
【0076】
【0077】
第1化合物(1.8g、4.6mmol)、第4化合物(2.3g、4.3mmol)、酢酸パラジウム(II)(Palladium(II) acetate(Pd(Oac)2))(0.048g、0.2mmol)、トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)(PPh3)(0.28g、1.0mmol)、炭酸カリウム(potassium carbonate)(K2CO3)(3.0g、21.5mmol)を丸底フラスコ(round bottom flask)に充填し、不活性雰囲気を造成した後、ガスの除去されたTHF/H2O(35mL/5mL)を入れ、70℃で10時間撹拌した。反応が終決した後、ジクロロメタン(dichloromethane)で抽出した後、MgSO4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィー(Hexane:EA=7:1(v/v))で精製してETM-01(2.6g、85%イールド)を得た。
【0078】
前記合成法は化学式1の代表物質ETM-01に対するものであり、物質ETM-02~ETM-60は初期(1)の第1化合物合成の際、窒素含入前駆体の窒素原子置換基の数を異にするか、(2)の第2化合物合成の際、カルバゾール合成の数、またはフェニル基合成などを異にして収得することができる。例えば、ETM-21の場合、(2)の第2化合物合成ではカルバゾールの代わりにブロモベンゼンを使用した。
【0079】
本発明実施例の発光素子は、また第1電子輸送層125の材料変更によって電子の速い輸送性によって電子が第1電子輸送層125から第1青色発光層124に早く移されて第1青色発光層124と第1電子阻止層123との界面で積もることを防止するために、第1電子阻止層123は重水素からなり、または含み得る。
【0080】
第1電子阻止層123はスピロフルオレンを含む第2材料で形成してもよい。第1電子阻止層123は下記の化学式2の材料からなり、または含み得る。化学式2の材料は、互いに対向するスピロフルオレン(spyrofluorene)が結合され、一側のスピロフルオレンの末端基(水素原子)が重水素(D)に置換される。
【0081】
第1電子阻止層123で、前記第2物質は重水素が有する安定性によって第1電子阻止層123と第1青色発光層124との界面に積もった電子を反発させ、第1青色発光層124から発せられた光の強度が増大する。積もった電子によって第1電子阻止層123の寿命が低下することを防止または低減することができる。
【0082】
【0083】
すなわち、R5~R12はそれぞれ重水素である。ここで、Lは単一結合であるか、重水素置換または非置換のフェニル基及び重水素置換または非置換のナフチル基の中で選択される。R3及びR4は重水素置換されたフェニル基、重水素置換または非置換のビフェニル基、重水素置換または非置換のジメチルフルオレン基、重水素置換または非置換のヘテロアリール基、重水素置換または非置換のカルバゾール基、重水素置換または非置換のジベンゾフラン基、及び重水素置換または非置換のジベンゾチオフェン基の中で選択される。
【0084】
前記化学式2の電子阻止層を成す合成物の例としては、下記のようにEBM-09~EBM-24を挙げることができる。
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
ここで、電子を第1青色発光層に制限することに係わる層である第1電子阻止層123、第1青色発光層124、及び第1電子輸送層125は電子輸送及び阻止ユニットETBUと言う。
【0094】
第1スタックS1は、次のスタックとの間に、それぞれ陰極200及び陽極110から遠い第1スタックS1及び第2スタックS2に電子及び正孔を供給するための第1電荷生成層CGL1を含むことができる。第1電荷生成層CGL1は、電子を生成して第1スタックS1の第1電子輸送層125に供給するn型電荷生成層と、正孔を生成して第2スタックS2の正孔輸送層に供給するp型電荷生成層とを含むことができる。
【0095】
図1aの実施例のように、発光素子を2スタック構造にする場合、視野角特性を考慮して、陽極110に近い第1スタックS1は蛍光発光特性の第1青色発光層124を含ませて青色蛍光スタックから構成し、その次に備えられた第2スタックS2は少なくとも赤色燐光発光層及び緑色燐光発光層を含む燐光発光層を構成する燐光発光スタックから構成する。
【0096】
第2スタックS2に用いられる燐光発光層は、例えば赤色発光層または緑色発光層からなり、これらの長波長燐光材料は寿命及び効率の両者が共に改善された材料が知られている。
【0097】
理論的には、燐光発光層は100%の内部量子効率を有するが、蛍光発光層は25%水準の内部量子効率を有する。よって、第2スタックS2を燐光スタックとして含む理由は、蛍光発光スタックは用いられる内部量子効率が25%の低効率の内部量子効率を有するから、駆動電圧の増加の原因になるスタックの数を最小限に減らして白色を表現するためである。仮に、すべての発光スタックを蛍光発光スタックにする場合、決まったスタック数によっては効率が非常に低い。
【0098】
本実施例の発光素子は、第1スタックS1で、電子輸送及び阻止ユニットETBUの第1電子輸送層125の材料を異にして第1青色発光層(EML1)124での青色蛍光発光効率を高めたものである。この場合、第1青色発光層124内で発光層の効率が改善される場合、効率を改善する主要メカニズムであるTTA(triplet-triplet annihilation)寄与度が大きく上昇する。第1電子阻止層123の材料は重水素に置換され得、ボロン系ドーパントの励起に用いられない三重項励起子(triplet)または電子が第1青色発光層124内で他の発光材料の作用を阻害するか第1電子阻止層123の界面側に移動して寿命が縮まる現象を防止する。
【0099】
すなわち、本実施例の発光素子は青色発光スタックにおいて青色の効率と寿命とのトレードオフ関係を改善したものであり、電子輸送層は電子輸送能力が大きく改善された材料を含み、TTAによって主に劣化が起こる電子阻止層は重水素化して効率を改善するとともに、寿命が低下する現象を防止または低減する青色蛍光材料を含み、優れた寿命を維持する。
【0100】
本実施例の
図1bのように、第2スタックS2の他に青色を発光するスタックをさらに備える場合、追加的な青色発光スタックBSを含み得る。電子輸送及び素子ユニットは上述した電子を青色発光層に制限するのに係わる層として、化学式2の第2物質からなる第2電子阻止層と、430nm~480nmの発光ピークを有するボロン系ドーパントを含む青色発光層BEML2と、前記化学式1の第1物質からなる第2電子輸送層とを含む電子輸送及び阻止ユニットETBUをさらに含むことができる。
【0101】
本発明の実施例の発光素子は、陽極110及び陰極200のうちの少なくとも一つを透明金属または反射透過型金属から構成して、内部スタックOSから出る第1スタックS1の青色光と第2スタックS2の燐光発光層から出る長波長光とを組み合わせて白色光を出射し、蛍光発光層から放出される長波長の光は青色光と結合し得る。
【0102】
本発明の実施例の発光素子において、青色発光スタックに青色蛍光発光層を用いる理由は、寿命において燐光材料に比べて安全性を有するからである。
【0103】
例えば燐光スタックに隣接する第2スタックと蛍光スタックの第1スタックの電荷生成層とが同等または類似の水準で正孔と電子をそれぞれの第2スタックと第1スタックに供給するとき、第1青色発光層の青色発光効率を高めることで、燐光スタックの第2スタックの燐光発光効率と同一または類似の水準にし、スタックの数を減らすことができる。すなわち、本発明の発光素子は、化学式2の化合物を含む第2物質の第1電子阻止層123は前記第1青色発光層124の一面に接するようにし、前記第1電子輸送層125は前記第1青色発光層124の他面に接するようにすることで、第1電子輸送層125の第1材料が有する速い電子伝達力により、かつ第1電子阻止層123が重水素によって第1青色発光層124に電子及び励起子を制限することにより、寿命低下なしに、駆動電圧の改善、及び効率及び輝度の向上が可能である。また、これにより、青色蛍光スタックと例えば燐光発光スタックの効率を類似の水準にすることにより、本発明の実施例の発光素子は、
図1aのように、2スタック構造のみでも白色を実現することができる。この場合、スタックの数を減らして同じ白色を表現するのに駆動電圧を減らすことができる。
【0104】
もちろん、本発明の実施例の発光素子は、所要色温度が高くて高効率の青色効率が要求される場合、
図1bの例のように、青色発光スタックS
nをさらに含むこともできる。よって、本発明の実施例の発光素子は、2個以上の蛍光青色スタックと、蛍光青色スタックとは異なる波長の光を発光する燐光スタックとを含むことができる。
【0105】
いくつかの実施例において、青色発光スタックの効率が充分に改善され、
図1aのように、白色発光素子において青色発光スタックは1個のみでも青色の表現が可能であろう。すなわち、白色発光素子において青色発光スタックと燐光発光スタックをそれぞれ1個ずつ備えても効率が改善されることができる。この場合、スタックを減らすことによって駆動電圧低下の効果を有することができる。
【0106】
以下、実験では、青色を発光する青色発光素子において、電子阻止層及び電子輸送層の成分による効率及び寿命の変化を調べる。実験例では、単一の青色蛍光スタックを陽極と陰極との間に備えたものを例とした。
【0107】
一方、重水素を置換しないスピロフルオレンを含む下記の電子阻止物質としてEBM-01~EBM-08を挙げることができ、以下の第1実験例群(Ex1-1~Ex1-72)では電子阻止層を重水素に置換しなかったスピロフルオレンを用いて実験する。
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
図3のように、第1実験例群(Ex1-1~Ex1-72)で用いた発光素子は、ITOからなる陽極10上に次の構成を含む。
【0114】
すなわち、陽極10上に化学式3のDNTPDとMgF2を1:1で混合し、7.5nmの厚さに蒸着して正孔注入層11を形成する。
【0115】
【0116】
次いで、前記正孔注入層11上に、α-NPDを80nmの厚さに蒸着して正孔輸送層12を形成する。
【0117】
次いで、前記正孔輸送層12上に、第1実験例群(Ex1-1~Ex1-72)で重水素を置換しない物質としてEBM-01~EBM-08の材料のうちのいずれか一つで電子阻止層13を20nmの厚さに形成する。
【0118】
次いで、前記電子阻止層13上に、化学式4のMADNと化学式5のDABNA-1のボロン系ドーパントを3wt%でドーピングして、30nmの厚さに形成された青色発光層14を形成する。青色発光層14では、MADNの全重量に対して3wt%のホウ素ベースのドーパントがドーピングされた。
【0119】
【0120】
【0121】
次いで、上述した式1の電子輸送物質のうち、ETM-08、ETM-12、ETM-14、ETM-19、ETM-22、ETM-31、ETM-32、ETM-45及びETM-54のうちのいずれか1種の材料で15nmの厚さの電子輸送層15を形成する。
【0122】
次いで、電子輸送層15上に化学式6のBphenに2wt%でLiがドーピングされた電子注入層またはn型電荷生成層16を形成する。
【0123】
【0124】
次いで、前記電子注入層またはn型電荷生成層16上にAl成分の陰極20を形成する。
【0125】
表1-1に示された第1実験例群(Ex1-1~Ex1-9)は、それぞれ電子阻止層13の物質をEBM-01にし、電子輸送層15の物質をETM-08、ETM-12、ETM-14、ETM-19、ETM-22、ETM-31、ETM-32、ETM-45及びETM-54に変更し、それぞれ電流密度10mA/cm2での駆動電圧、輝度、外部量子効率を評価し、加速条件での寿命を調べるために、高電流密度55mA/cm2で寿命を比較評価した。表1-1の実験例のうち外部量子効率(EQE)及び寿命指数が第1実験例群の5番目実験例(Ex1-5)で最も高くてその寿命値を100%とし、残りの実験例の寿命はこれと比較して評価した。
【0126】
【0127】
表1-2に示された第1実験例群(Ex1-10~Ex1-18)は、それぞれ電子阻止層13の物質をEBM-02にし、電子輸送層15の物質をETM-08、ETM-12、ETM-14、ETM-19、ETM-22、ETM-31、ETM-32、ETM-45及びETM-54に変更し、それぞれ電流密度10mA/cm2での駆動電圧、輝度、外部量子効率を評価し、加速条件での寿命を調べるために、高電流密度55mA/cm2で寿命を比較評価した。
【0128】
【0129】
表1-3に示された第1実験例群(Ex1-19~Ex1-27)は、それぞれ電子阻止層13の物質をEBM-03にし、電子輸送層15の物質をETM-08、ETM-12、ETM-14、ETM-19、ETM-22、ETM-31、ETM-32、ETM-45及びETM-54に変更し、それぞれ電流密度10mA/cm2での駆動電圧、輝度、外部量子効率を評価し、加速条件での寿命を調べるために、高電流密度55mA/cm2で寿命を比較評価した。
【0130】
【0131】
表1-4に示された第1実験例群(Ex1-28~Ex1-36)は、それぞれ電子阻止層13の物質をEBM-04にし、電子輸送層15の物質をETM-08、ETM-12、ETM-14、ETM-19、ETM-22、ETM-31、ETM-32、ETM-45及びETM-54に変更し、それぞれ電流密度10mA/cm2での駆動電圧、輝度、外部量子効率を評価し、加速条件での寿命を調べるために、高電流密度55mA/cm2で寿命を比較評価した。
【0132】
【0133】
表1-5に示された第1実験例群(Ex1-37~Ex1-45)は、それぞれ電子阻止層13の物質をEBM-05にし、電子輸送層15の物質をETM-08、ETM-12、ETM-14、ETM-19、ETM-22、ETM-31、ETM-32、ETM-45及びETM-54に変更し、それぞれ電流密度10mA/cm2での駆動電圧、輝度、外部量子効率を評価し、加速条件での寿命を調べるために、高電流密度55mA/cm2で寿命を比較評価した。
【0134】
【0135】
表1-6に示された第1実験例群(Ex1-46~Ex1-54)は、それぞれ電子阻止層13の物質をEBM-06にし、電子輸送層15の物質をETM-08、ETM-12、ETM-14、ETM-19、ETM-22、ETM-31、ETM-32、ETM-45及びETM-54に変更し、それぞれ電流密度10mA/cm2での駆動電圧、輝度、外部量子効率を評価し、加速条件での寿命を調べるために、高電流密度55mA/cm2で寿命を比較評価した。
【0136】
【0137】
表1-7に示された第1実験例群(Ex1-55~Ex1-63)は、それぞれ電子阻止層13の物質をEBM-07にし、電子輸送層15の物質をETM-08、ETM-12、ETM-14、ETM-19、ETM-22、ETM-31、ETM-32、ETM-45及びETM-54に変更し、それぞれ電流密度10mA/cm2での駆動電圧、輝度、外部量子効率を評価し、加速条件での寿命を調べるために、高電流密度55mA/cm2で寿命を比較評価した。
【0138】
【0139】
表1-8に示された第1実験例群(Ex1-64~Ex1-72)は、それぞれ電子阻止層13の物質をEBM-08にし、電子輸送層15の物質をETM-08、ETM-12、ETM-14、ETM-19、ETM-22、ETM-31、ETM-32、ETM-45及びETM-54に変更し、それぞれ電流密度10mA/cm2での駆動電圧、輝度、外部量子効率を評価し、加速条件での寿命を調べるために、高電流密度55mA/cm2で寿命を比較評価した。
【0140】
【0141】
上述した第1実験例群(Ex1-1~Ex1-72)は、それぞれ電流密度10mA/cm2での駆動電圧は3.60V~3.79Vであり、輝度は4.9Cd/A~5.7Cd/Aであり、外部量子効率は7.8%~9.0%であることが分かる。
【0142】
比較例は、
図3の構造を同一に適用し、電子阻止層13の物質として以下の化学式7のTAPCを用い、電子輸送層15の物質をベンズイミダゾール基の一種である化学式8の材料を用いた。
【0143】
【0144】
【0145】
このような比較例では、同じ電流密度10mA/cm2での駆動電圧は3.95Vであり、輝度は3.9Cd/Aであり、外部量子効率は3.9%であると評価された。
【0146】
比較例と比較して、第1実験例群(Ex1-1~Ex1-72)が、駆動電圧の低下、輝度の上昇効果とともに、外部量子効率が2倍以上改善されることが分かる。これは電子輸送層の材料変更による改善であり得る。
【0147】
以下では、電子阻止層の重水素置換程度による効果を第2実験例群及び第3実験例群によって調べる。
【0148】
第2実験例群(Ex2-1~Ex2-32)では、実施例の
図3の構造を同様に適用するが、電子阻止層13の物質としてEBM-09~EBM-16の材料のそれぞれに対して、電子輸送層15の物質はETM-08、ETM-19、ETM-31及びETM-45に変更し、それぞれ電流密度10mA/cm
2での駆動電圧、輝度、外部量子効率を評価し、加速条件での寿命を調べるために、高電流密度55mA/cm
2で寿命を比較評価した。
【0149】
【0150】
第2実験例群(Ex2-1~Ex2-32)は、スピロ系を重水素に置換させた電子阻止物質(EBM-09~EBM-16)を適用した。この場合、第1実験例群(Ex1-1~Ex1-72)に比べて、第2実験例群(Ex2-1~Ex2-32)で、電子輸送物質は同一である。第2実験例群(Ex2-1~Ex2-32)と第1実験例群(Ex1-1~Ex1-72)を比較すると、第2実験例群(Ex2-1~Ex2-32)は、効率変化は小さいが、寿命が約10%水準に改善され得る。
【0151】
第3実験例群(Ex3-1~Ex3-32)では、実施例の
図3の構造を同様に適用するが、電子阻止層13の物質としてEBM-17~EBM-27の材料それぞれに対して、電子輸送層15の物質はETM-08、ETM-19、ETM-31及びETM-45に変更し、それぞれ電流密度10mA/cm
2での駆動電圧、輝度、外部量子効率を評価し、加速条件での寿命を調べるために、高電流密度55mA/cm
2で寿命を比較評価した。
【0152】
【0153】
第3実験例群(Ex3-1~Ex3-32)は、第3の実験例群(Ex3-1~Ex3-32)では、スピロを重水素で置換したのと同様に、スピロも重水素で置換した。この場合、第1実験例群(Ex1-1~Ex1-72)に比べて、第3実験例群(Ex3-1~Ex3-32)は、電子輸送物質は同一であるが、電子阻止層の材料の重水消化置換状態が異なる。第3の実験例群(Ex3-1~Ex3-32)と第1の実験例群(Ex1-1~Ex1-72)を比較すると、第3の実験例群(Ex3-1~Ex3-32)では効率変化は小さいが、寿命が約20%以上改善された点を確認することができる。
【0154】
すなわち、第2及び第3実験例群(Ex2-1~Ex2-32、Ex3-1~Ex3-32)の実験は、優れたまたは高い効率を有する電子輸送物質を電子輸送層にしたとき、電子阻止層の材料を重水素に置換することにより寿命特性を維持または改善することを確認することができる。
【0155】
図4は、実験例で使用した発光素子の発光スペクトルを示すグラフである。第1実験例群(Ex1-1~Ex1-72)、第2実験例群(Ex2-1~Ex2-32)、及び第3実験例群(Ex3-1~Ex-3-32)はいずれもボロン系ドーパントを用いて実験したものであり、いずれも
図4のように、およそ450nm~455nmの発光ピークを有し、青色波長範囲で発光することを示す。
【0156】
上述した実験では、ボロン系ドーパントとして化学式5の材料を用いたが、本発明の発光素子で適用する青色蛍光発光層のさらに他のボロン系ドーパントとして、化学式9~16のいずれかの材料を代替して適用することも可能である。式9~16の材料のいずれかによれば、発光ピーク430nm~480nmの青色発光が可能である。
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
以下では、本発明の発光素子の具体的な例及びこれを適用した発光表示装置について説明する。
【0166】
図5は本発明の一実施例による発光素子の具体的な一例を示す断面図である。
【0167】
図5のように、本発明の一実施例による発光素子は、陽極110と陰極200との間に3個のスタックS1、S2、S3を有する例を示す。ここで、第1~第3スタックS1、S2、S3は第1及び第2電荷生成層150、170によって分けられる。第1スタックS1は、陽極110と第1電荷生成層150との間に、正孔注入層121、第1正孔輸送層122、化学式2の第2物質を含む第1電子阻止層123、ボロン系蛍光ドーパントを含む第1青色発光層124、及び化学式1の第1物質の第1電子輸送層125が順に積層される。
【0168】
第2スタックS2は第1及び第2電荷生成層150、170の間に備えられ、第2スタックS2は順に積層されて構成された赤色発光層132、黄緑色発光層133、及び緑色発光層134を含む燐光発光層PEMLと、前記赤色発光層132の下側の第2正孔輸送層131と、前記緑色発光層134の上側の第2電子輸送層135とを含む。
【0169】
第3スタックS3は第2電荷生成層170と陰極200との間に備えられ、第3スタックS3は第3正孔輸送層141、第2電子阻止層142、第2青色発光層143、及び第3電子輸送層144が順に積層されることができる。
【0170】
そして、第3電子輸送層144上に陰極200が形成されることができる。実施例において、第3電子輸送層144と陰極200との間には電子注入層がさらに形成されることもできる。
【0171】
前記スタックの間の第1及び第2電荷生成層150、170のそれぞれは、電子の生成及び隣接したスタックへの電子の伝達を担当するn型電荷生成層151、171と、正孔の生成及び隣接したスタックへの正孔の伝達を担当するp型電荷生成層153、173とを含む。場合によって、第1及び第2電荷生成層150、170は一つ以上のホストにn型ドーパント及びp型ドーパントを一緒にドーピングして単一層に形成することもできる。
【0172】
上述したように、第1スタックS1の第1電子阻止層123、第1青色発光層124、及び第1電子輸送層125は
図2の例で説明した電子輸送阻止ユニットとして機能し、その物質の変更によって青色効率が向上し、第1電子阻止層123と第1青色発光層124との界面で励起子及び電子の滞積を防止して寿命低下を低減または防止することに効果的であることができる。同様に、第3スタックS3の第2電子阻止層142、第2青色発光層143、及び第3電子輸送層144は
図2で説明した電子輸送阻止ユニットとして機能し、その物質の変更によって青色効率が向上し、第2電子阻止層142と第2青色発光層143との界面で励起子及び電子の滞積を防止して寿命低下を低減または防止するのに効果的であることができる。
【0173】
さらに、陰極200に近い側に電子注入層を含むとき、電子の注入効率を高めるために金属をドーピングすることができる。このような金属ドーピングによる第3電子輸送層144での拡散及び性質変更を防止するために、化学式8のようなベンズイミダゾールを上述した化学式1の第1物質と混合して第3電子輸送層144を形成することもできる。
【0174】
図6は本実施例の発光素子を適用した発光表示装置を示す断面図である。
【0175】
一方、上述した発光素子は複数のサブ画素に共通して適用して出射側の電極側に白色光を出射することができる。
【0176】
図6のように、本実施例の表示装置は、複数のサブ画素R_SP、G_SP、B_SP、W_SPを有する基板100と、前記基板100に共通して備えられる発光素子OLEDと、前記サブ画素のそれぞれに備えられ、発光素子OLEDの前記陽極110と接続された薄膜トランジスタTFTと、前記サブ画素のうちの少なくとも一つの前記陽極110の下側に備えられたカラーフィルター層109R、109G、109Bとを含むことができる。
【0177】
図示の例は白色サブ画素W_SPを含む例を説明するが、これに限定されず、白色サブ画素W_SPを省略し、赤色、緑色及び青色サブ画素R_SP、G_SP、B_SPのみを備えた構造も可能であろう。場合によって、赤色、緑色及び青色サブ画素の代わりに、組み合わせて白色を表現することができるシアン(cyan)サブ画素、マゼンタ(magenta)サブ画素及びイエロー(yellow)サブ画素の組合せも可能である。
【0178】
前記薄膜トランジスタTFTは、一例として、ゲート電極102と、半導体層104と、前記半導体層104の両側と接続されたソース電極106a及びドレイン電極106bとを含む。そして、前記半導体層104のチャネルが位置する部位の上部には、ソース/ドレイン電極106a、106bと前記半導体層104との直接的な接続を防止するために、チャネル保護層105をさらに備えることができる。
【0179】
前記ゲート電極102と半導体層104との間にはゲート絶縁膜103が備えられる。
【0180】
前記半導体層104は、例えば、酸化物半導体、非晶質シリコン及び多結晶シリコンのうちのいずれか1種または2種以上の組合せからなることもできる。例えば、前記半導体層104が酸化物半導体の場合、薄膜トランジスタの形成に必要な加熱温度を低めることができ、基板100の使用に自由度が高いので、フレキシブル表示装置への適用が有利であろう。
【0181】
また、前記薄膜トランジスタTFTのドレイン電極106bは、陽極110と、第1及び第2保護膜107、108内に備えられたコンタクトホールCTを介した領域で接続されることができる。
【0182】
前記第1保護膜107は前記薄膜トランジスタTFTを一次的に保護するために備えられ、それぞれのサブ画素の上部にカラーフィルター109R、109G、109Bが備えられることができる。
【0183】
前記複数のサブ画素が赤色サブ画素、緑色サブ画素、青色サブ画素、及び白色サブ画素を含む場合、前記カラーフィルターは、白色サブ画素W_SPを除いた残りのサブ画素に第1~第3カラーフィルター109R、109G、109Bに分けられて備えられ、前記陽極110を通過して出射する白色光を各波長別に通過させる。そして、前記第1~第3カラーフィルター109R、109G、109Bを覆うように、前記陽極110の下側に第2保護膜108が形成される。陽極110は、コンタクトホールCTを除き、第2保護膜108の表面に形成される。
【0184】
ここで、前記基板100から薄膜トランジスタTFT、カラーフィルター109R、109G、109B、及び第1及び第2保護膜107、108まで含めて薄膜トランジスタアレイ基板1000という。
【0185】
発光素子OLEDは、発光部BHに隣接するバンク119を含む薄膜トランジスタアレイ基板100上に形成される。発光素子OLEDは、一例として、透明な陽極110と、これと対向する反射性電極の陰極200とを含み、前記陽極110と前記陰極200との間に、
図1a~
図2及び
図5で説明したように、第1及び第2電荷生成層CGL1、CGL2に区分されるスタックのうち青色発光スタックS1、S3に、化学式2の電子阻止物質からなる電子阻止層123、ボロン系青色ドーパントを有する青色発光層124、及び化学式1の電子輸送物質を含む電子輸送層125からなる電子輸送及び阻止ユニットETBUを含むことに特徴がある。
【0186】
前記陽極110はサブ画素別に区分され、白色発光素子OLEDの残りの層はサブ画素別の区分なしに表示領域全体に一体型に備えられる。
【0187】
上述した電子輸送及び阻止ユニットETBUを有する青色発光スタックを備える場合、内部量子効率の制限的な青色蛍光発光層と接する電子輸送層の材料は、式1の第1材料を含み得る。電子輸送効率を向上させることにより、青色蛍光発光層の効率を向上させることができる。
【0188】
また、速い電子移動特性を有する材料の電子輸送層を適用するとき、青色蛍光発光層と反対の面で接する電子阻止層の材料を重水素化することで、青色蛍光発光層と電子阻止層との界面で電子や励起子が積もることを防止することができるので、寿命の低下なしに、効率改善、輝度改善、及び量子効率の改善効果を得ることができる。
【0189】
そして、青色蛍光発光層を備えた青色蛍光スタックの効率改善により、白色を実現する発光素子に要求される青色スタックの個数を減らすことができるので、同じ白色を実現する際にスタック数を節減することができ、これにより駆動電圧の低下及び工程の低減によって収率を向上することができる。
【0190】
このための本実施例による発光素子は互いに対向する陽極及び陰極を含み、前記陽極と陰極との間に、第1電子阻止層、430nm~480nmの発光ピークを有するボロン系ドーパントを含む第1青色発光層、及び第1電子輸送層を含む第1スタックと、前記第1青色発光層より長波長を発光する少なくとも2個の燐光発光層を含む第2スタックと、前記第1及び第2スタックの間の電荷生成層とを含むことができる。
【0191】
式1において、X4、X5およびX6を含む2つのフェニル環は、X1、X2およびX3を含むフェニル環に対して対称である。
【0192】
また、前記第1電子輸送層は化学式1の第1物質を含み、前記第1電子阻止層の第2物質はスピロフルオレン(spyrofluorene)を含み、前記スピロフルオレンの少なくとも一側が重水素に置換されることができる。
【0193】
【0194】
ここで、R1及びR2は、独立的にシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、及びカルバゾール基の中で選択される。X1、X2、及びX3は、独立的にNまたはCHである。X4、X5、及びX6のうちの一つは必ずNであり、残りはCHである。
そして、前記第2物質は化学式2を含むことができる。
【0195】
【0196】
Lは単一結合であるか、重水素置換または非置換のフェニレン基、および重水素置換または非置換のナフチレン基、R3およびR4はそれぞれ重水素置換フェニル基、重水素置換または非置換のビフェニル基、および重水素置換または非置換のヘテロアリール基、R5からR12はそれぞれ重水素の中で選択される。
【0197】
いくつかの実施例では、第1の電子遮断層は第1の青色発光層の一方の表面と接触していてもよく、第1の電子輸送層は第1の青色発光層の他方の表面と接触していてもよく、第1の青色発光層の一方の表面と他方の表面は、第1の青色発光層の厚さに対応する隙間をもって互いに対向してもよい。
いくつかの実施例では、少なくとも2つのリン光発光層は、最初のスタックに隣接する赤色発光層とカソードに隣接する緑色発光層を含み得る。
いくつかの実施例では、黄色がかった緑色の発光層を、赤色発光層と緑色発光層の間にさらに含み得る。
【0198】
いくつかの実施例では、発光デバイスは、さらに、第2のスタックとカソードの間に少なくとも1つのスタックを含み、第2のスタックとカソードの間の少なくとも1つのスタックは、第2の材料を含む第2の電子遮断層、第1の青色発光層と同じ色を発する第2の青色発光層、および第1の材料を含む第2の電子輸送層を含む。
【0199】
いくつかの実施例では、発光デバイスは、第2の電子輸送層とカソードの間に電子注入層をさらに含み、第2の電子輸送層は第3の材料をさらに含むことができる。
【0200】
いくつかの実施例では、R1およびR2の少なくとも1つはカルバゾール基であってもよい。
【0201】
いくつかの実施例では、カルバゾール基は置換基としてフェニル基を含むことができる。
【0202】
いくつかの実施例では、R1およびR2の少なくとも1つはフェニル基であってもよい。
【0203】
いくつかの実施例では、R1およびR2の少なくとも1つはビフェニル基であってもよい。
【0204】
いくつかの実施例では、R3およびR4の少なくとも1つは重水素置換または非置換ビフェニル基であってもよい。
【0205】
いくつかの実施例では、R3およびR4の少なくとも1つは過重水素化ビフェニル基であってもよい。
【0206】
いくつかの実施例では、R3およびR4の少なくとも1つは重水素置換または非置換ジメチルフルオレン基であってもよい。
【0207】
いくつかの実施例では、R3およびR4の少なくとも1つは過重水素化ジメチルフルオレン基であってもよい。
【0208】
いくつかの実施例において、R3およびR4の少なくとも1つは重水素置換または非置換カルバゾール基であってもよい。
【0209】
いくつかの実施例では、R3およびR4の少なくとも1つは過重水素化カルバゾール基であってもよい。
【0210】
いくつかの実施例では、カルバゾール基は置換基として重水素置換または非置換フェニル基を含むことができる。
【0211】
いくつかの実施例では、R3およびR4の少なくとも1つは重水素置換または非置換のジベンゾフラン基であってもよい。
【0212】
本発明の一実施例による発光表示装置は、複数のサブ画素を含む基板と、前記基板上のサブ画素にそれぞれ備えられた薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタと接続される上述した発光素子とを含むことができる。
【0213】
一方、以上で説明した本発明は上述した実施例及び添付図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範疇内でさまざまな置換、変形及び変更が可能であるというのは本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0214】
100 基板
110 陽極
121 正孔注入層
122 正孔輸送層
123 第1青色発光層
124 第1青色発光層
125 第1電子輸送層
200 陰極
S1 第1スタック(青色蛍光スタック)
S2 第2スタック(燐光スタック)
S3 第3スタック