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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】アスファルトフィニッシャ
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/48 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
E01C19/48 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022503367
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(86)【国際出願番号】 JP2021007514
(87)【国際公開番号】W WO2021172562
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】P 2020033387
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502246528
【氏名又は名称】住友建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 洋平
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-166198(JP,A)
【文献】特開2013-076265(JP,A)
【文献】特開2014-012940(JP,A)
【文献】特開2012-154166(JP,A)
【文献】特開2013-087508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタと、
前記トラクタの前側に設置されたホッパと、
前記ホッパ内の舗装材を前記トラクタの後側へ搬送するコンベアと、
前記コンベアによって搬送されて路面上に撒かれた舗装材を車幅方向に敷き拡げるスクリュと、
前記スクリュによって敷き拡げられた舗装材を前記スクリュの後側で敷き均すスクリードと、
前記トラクタに搭載されるエンジンと、
前記エンジンを覆うエンジンフードと、
前記エンジンの排気ガスを大気中に放出するための出口管と、
前記エンジンが設置されるエンジン室内に取り込まれた外気を前記エンジン室の外に排出するための開口を有する通気カバーと、を備え、
前記出口管の高さは、運転席に着座するオペレータの目の高さより低く、
前記出口管は、前記エンジンフードに形成された開口を通って突出し、且つ、前記通気カバーによって上部が覆われ、且つ、前記出口管からの前記排気ガスの排出方向と前記通気カバーの開口からの前記外気の排出方向とが略平行となるように配置されている
アスファルトフィニッシャ。
【請求項2】
前記出口管は、前記ホッパが位置する側に向かって開口している、
請求項1に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項3】
前記通気カバーは、前記ホッパが位置する側に向かって開口している、
請求項1に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項4】
排気ガス処理装置又は消音装置を備える、
請求項1に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項5】
前記エンジンフードに形成された開口の車幅方向における長さは、前記エンジンフードに取り付けられた通気ルーバの車幅方向における長さ以上である、
請求項1に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項6】
前記通気カバーの車幅方向における長さは、前記エンジンフードに取り付けられた通気ルーバの車幅方向における長さ以上である、
請求項1に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項7】
記エンジン室の上面は、前記エンジンフード及び上面カバーによって覆われており、
前記エンジンフードの上面は、前記上面カバーの上面よりも低くなるように構成されている、
請求項1に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項8】
記エンジン室の上面は、前記エンジンフード及び上面カバーによって覆われており、
前記エンジンフードは、第1上面部と、前記第1上面部から斜め下方に延びる第1傾斜面部とを含み、
前記上面カバーは、第2上面部と、前記第2上面部から斜め下方に延びる第2傾斜面部とを含み、
前記第1傾斜面部は、前記第2傾斜面部よりも低くなるように構成されている、
請求項1に記載のアスファルトフィニッシャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンを搭載したアスファルトフィニッシャに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンを搭載したアスファルトフィニッシャが知られている(特許文献1参照。)。このアスファルトフィニッシャには、エンジンの排気ガスを排出するためのパイプが上方に向かって大きく突出した状態で設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-12940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このように上方に向かって大きく突出したパイプは、アスファルトフィニッシャの運転席にいるオペレータの前方視界を妨げてしまうおそれがある。
【0005】
そこで、オペレータの前方視界を妨げることなく排気ガスを排出できるアスファルトフィニッシャの提供が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係るアスファルトフィニッシャは、トラクタと、前記トラクタの前側に設置されたホッパと、前記ホッパ内の舗装材を前記トラクタの後側へ搬送するコンベアと、前記コンベアによって搬送されて路面上に撒かれた舗装材を車幅方向に敷き拡げるスクリュと、前記スクリュによって敷き拡げられた舗装材を前記スクリュの後側で敷き均すスクリードと、前記トラクタに搭載されるエンジンと、前記エンジンを覆うエンジンフードと、前記エンジンの排気ガスを大気中に放出するための出口管と、前記エンジンが設置されるエンジン室内に取り込まれた外気を前記エンジン室の外に排出するための開口を有する通気カバーと、を備え、前記出口管の高さは、運転席に着座するオペレータの目の高さより低く、前記出口管は、前記エンジンフードに形成された開口を通って突出し、且つ、前記通気カバーによって上部が覆われ、且つ、前記出口管からの排気ガスの排出方向と前記通気カバーの開口からの前記外気の排出方向とが略平行となるように配置されている
【発明の効果】
【0007】
上述のアスファルトフィニッシャは、オペレータの前方視界を妨げることなく排気ガスを排出できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明の実施形態に係るアスファルトフィニッシャの左側面図である。
図1B】本発明の実施形態に係るアスファルトフィニッシャの上面図である。
図2】排気ガス処理システムの構成例を示す図である。
図3】エンジン室における排気ガス処理装置の配置例を示す図である。
図4A】エンジンフードの斜視図である。
図4B図4Aにおける領域RG1の拡大図である。
図4C図4Aにおける領域RG1の拡大図である。
図5A】エンジンフードの斜視図である。
図5B】アスファルトフィニッシャの左側面の概略図である。
図6】出口管及び通気カバーの別の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1A及び図1Bは、本発明の実施形態に係る道路機械の一例であるアスファルトフィニッシャ100を示す。具体的には、図1Aはアスファルトフィニッシャ100の左側面図であり、図1Bはアスファルトフィニッシャ100の上面図である。
【0010】
アスファルトフィニッシャ100は、主に、トラクタ1、ホッパ2、及びスクリード3で構成される。
【0011】
トラクタ1はアスファルトフィニッシャ100を走行させるための機構である。本実施形態では、トラクタ1は走行用油圧モータを用いて前輪4及び後輪5を回転させてアスファルトフィニッシャ100を移動させる。走行用油圧モータは、エンジン6によって駆動される油圧ポンプから作動油の供給を受けて回転する。前輪4及び後輪5はクローラで置き換えられてもよい。トラクタ1には、エンジン6、排気ガス処理装置7、燃料タンク8、及び尿素水タンク9等が搭載される。
【0012】
エンジン6及び排気ガス処理装置7はエンジン室に設置される。エンジン室はトラクタ1の+X側(前側)部分に形成されている。本実施形態では、エンジン室において、エンジン6は中央の領域に配置され、排気ガス処理装置7はエンジン6の+Y側(右側)に隣接して配置されている。
【0013】
エンジン室は、エンジンフード1a、左上面カバー1b、及び右上面カバー1cによってその上面が覆われ、左サイドカバー1d及び右サイドカバー1e(図3参照。)によってその側面が覆われている。
【0014】
エンジン6及び排気ガス処理装置7はエンジンフード1a内に配置される。本実施形態では、エンジンフード1aは開閉可能に構成され、左上面カバー1b、右上面カバー1c、左サイドカバー1d、及び右サイドカバー1eは開閉不能に構成されている。但し、左上面カバー1b、右上面カバー1c、左サイドカバー1d、及び右サイドカバー1eの少なくとも1つは、開閉可能に構成されていてもよい。
【0015】
エンジンフード1a、左上面カバー1b、右上面カバー1c、左サイドカバー1d、及び右サイドカバー1eのそれぞれには、通気孔が形成されていてもよい。本実施形態では、エンジンフード1aには通気ルーバVL1が取り付けられ、左サイドカバー1dには通気ルーバVL2が取り付けられ、右サイドカバー1eには通気ルーバVL3が取り付けられている。
【0016】
燃料タンク8及び尿素水タンク9はタンク室内に設置される。タンク室はトラクタ1の+X側(前側)部分で且つエンジン室の-Z側(下側)に形成されている。本実施形態では、タンク室において、燃料タンク8及び尿素水タンク9は-Y側(左側)の領域に配置され、尿素水タンク9は燃料タンク8の-X側(後側)に隣接して配置されている。すなわち、尿素水タンク9は上面視で後輪5と燃料タンク8との間に配置されている。
【0017】
ホッパ2は舗装材を受け入れることができるように構成されている。本実施形態では、ホッパ2は、ホッパシリンダ2aによってY軸方向(車幅方向)に開閉できるように構成されている。アスファルトフィニッシャ100は、通常、ホッパ2を全開状態にして舗装材運搬車両としてのダンプトラックの荷台から舗装材を受け入れる。舗装材は、例えば、アスファルト合材である。ホッパ2内に受け入れられた舗装材はコンベア10及びスクリュ11を用いてスクリード3に給送される。
【0018】
具体的には、コンベア10は、ホッパ2内の舗装材をトラクタ1の-X側(後側)へ搬送する。スクリュ11は、コンベア10によって搬送されて路面上に撒かれた舗装材をY軸方向(車幅方向)に敷き拡げる。
【0019】
スクリード3は舗装材を敷き均すための機構である。本実施形態では、スクリード3はトラクタ1によって牽引される浮動スクリードであり、レベリングアーム3aを介してトラクタ1に連結されている。
【0020】
図2は、図1のアスファルトフィニッシャ100に搭載される排気ガス処理システム150の構成例を示す図である。排気ガス処理システム150は、ディーゼルエンジンであるエンジン6から排出される排気ガスを浄化する。
【0021】
排気ガス処理装置7は、エンジン6の排気ガスを段階的に浄化する装置であり、第1処理部7a及び第2処理部7bを含む。第1処理部7aは、例えば、排気ガス中の粒子状物質を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタである。第2処理部7bは、例えば、排気ガス中のNOxを還元除去するNOx選択還元触媒を用いた選択触媒還元装置である。
【0022】
第2処理部7bとしての選択触媒還元装置は、還元剤の供給を受けて排気ガス中のNOxを連続的に還元除去する。本実施形態では取扱いの容易さから還元剤として尿素水(尿素水溶液)が用いられる。
【0023】
なお、排気ガス処理装置7は、必ずしも第1処理部7a及び第2処理部7bの両方を設置する必要はない。第1処理部7a、若しくは、第2処理部7bのいずれか一方のみでもよい。
【0024】
エアフィルタ6aを通じて吸気管6b内に導入された空気は、ターボチャージャ61及びインタークーラ65を通過してエンジン6に供給される。そして、エンジン6からの排気ガスは、ターボチャージャ61を経た後にその下流の排気管6cに至り、排気ガス処理装置7により浄化処理が行われた後で出口管64を経て大気中に排出される。出口管64は、テールパイプとも称される。
【0025】
排気管6cには排気ガス処理装置7の第1処理部7aと第2処理部7bとが接続部63を介して直列に接続されている。接続部63にはNOx選択還元触媒に尿素水を供給するための尿素水噴射装置68が設けられている。尿素水噴射装置68は、尿素水ホース69を介して尿素水タンク9に接続されている。
【0026】
尿素水ホース69の中間にはサプライモジュールSMが設けられている。サプライモジュールSMは、尿素水供給ポンプ70及びフィルタ71を含む。本実施形態では、サプライモジュールSMは、尿素水タンク9と尿素水供給ポンプ70との間にフィルタ71が配置されるように構成されている。
【0027】
尿素水タンク9内に貯留された尿素水は、尿素水供給ポンプ70により尿素水噴射装置68に供給され、尿素水噴射装置68から排気管6cにおける第2処理部7bの上流位置に向けて噴射される。
【0028】
尿素水噴射装置68から噴射された尿素水はNOx選択還元触媒に供給される。供給された尿素水は、NOx選択還元触媒のところで加水分解されてアンモニアを生成する。このアンモニアが排気ガスに含まれるNOxを還元する。このようにして排気ガスの浄化が行われる。
【0029】
第1NOxセンサ72及び第2NOxセンサ73は排気ガス内のNOx濃度を検出するセンサである。本実施形態では、第1NOxセンサ72が尿素水噴射装置68の上流側に配置され、第2NOxセンサ73がNOx選択還元触媒の下流側に配置される。
【0030】
尿素水残量センサ74は尿素水タンク9内の尿素水残量を検出するセンサである。本実施形態では尿素水残量センサ74は尿素水タンク9の上部に配置される。
【0031】
第1NOxセンサ72、第2NOxセンサ73、尿素水残量センサ74、尿素水噴射装置68、及び尿素水供給ポンプ70は、排気ガスコントローラ75に接続されている。排気ガスコントローラ75は、第1NOxセンサ72及び第2NOxセンサ73のそれぞれで検出されるNOx濃度に基づき、尿素水噴射装置68及び尿素水供給ポンプ70を制御して適正量の尿素水が噴射されるようにする。
【0032】
また、排気ガスコントローラ75は、尿素水残量センサ74から出力される尿素水残量に基づいて尿素水タンク9の全容積に対する尿素水残量の割合を算出する。本実施形態では、尿素水タンク9の全容積に対する尿素水残量の割合を尿素水残量比とする。例えば、尿素水残量比50%は、尿素水タンク9の容量の半分の尿素水が尿素水タンク9内に残存していることを表す。
【0033】
排気ガスコントローラ75は通信手段を介してエンジン制御モジュール60に接続されている。エンジン制御モジュール60はエンジン6を制御する装置である。エンジン制御モジュール60は通信手段を介してメインコントローラ76に接続され、メインコントローラ76は通信手段を介してモニタ77(表示装置)に接続されている。モニタ77は警告及び運転状態等を表示可能である。
【0034】
エンジン制御モジュール60、排気ガスコントローラ75、及びメインコントローラ76はそれぞれ、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、及び補助記憶装置等を含む演算装置である。メインコントローラ76は、排気ガスコントローラ75が有している排気ガス処理システム150に関する各種情報を利用可能である。
【0035】
排気ガス処理システム150は、尿素水タンク9及び尿素水ホース69に熱を供給する熱供給機構を有する。熱供給機構は、例えば、寒冷地での尿素水の凍結を防止し、或いは、凍結した尿素水を溶解するための機構である。本実施形態では、熱供給機構は、冷却水ホース80を通過するエンジン冷却水を利用する。
【0036】
具体的には、エンジン6を冷却した直後のエンジン冷却水は、比較的高い温度を維持しながら、冷却水ホース80の第1部分81を通って第2部分82に至る。第2部分82は尿素水タンク9の外面に接する冷却水ホース80の一部である。尿素水より高温のエンジン冷却水は第2部分82を流れるときに尿素水タンク9及びその内部にある尿素水に熱を供給する。
【0037】
その後、エンジン冷却水は第3部分83及びサプライモジュールSMに至る。第3部分83は尿素水ホース69に密着する冷却水ホース80の一部である。尿素水より高温のエンジン冷却水は尿素水ホース69に沿う冷却水ホース80の第3部分83を流れるときに尿素水ホース69及びその内部にある尿素水に熱を供給する。また、尿素水より高温のエンジン冷却水は、サプライモジュールSM内に形成された流路を流れるときにサプライモジュールSM並びにその内部にある尿素水に熱を供給する。
【0038】
その後、第2部分82及び第3部分83での熱の供給を終えて比較的低い温度となったエンジン冷却水は冷却水ホース80の第4部分84を通って熱交換機ユニット13に至る。第4部分84は第3部分83と熱交換機ユニット13との間に配索される冷却水ホース80の一部であり、尿素水ホース69には密着していない。
【0039】
第5部分85は、尿素水噴射装置68を冷却するために用いられる冷却水ホース80の一部である。高温状態の尿素水噴射装置68よりも低温のエンジン冷却水は第5部分85を流れるときに高温状態の尿素水噴射装置68から熱を奪い尿素水噴射装置68を冷却してその過熱を防止する。その後、熱の供給を受けて比較的高い温度となった(尿素水より高温の)エンジン冷却水は、尿素水ホース69に沿う第6部分86(第5部分85の一部)を流れるときに尿素水ホース69及びその内部にある尿素水に熱を供給する。尿素水噴射装置68が低温状態にある場合には、低温状態の尿素水噴射装置68よりも高温のエンジン冷却水は第5部分85を流れるときに尿素水噴射装置68及びその内部にある尿素水に熱を供給する。その後、第6部分86での熱の供給を終えて比較的低い温度となったエンジン冷却水は、第3部分83を流れてきたエンジン冷却水と合流した後で第4部分84を通って熱交換機ユニット13に至る。
【0040】
このようにして、熱供給機構は、エンジン冷却水を利用して尿素水タンク9、尿素水ホース69、サプライモジュールSM、及び尿素水噴射装置68に熱を供給し、それらの内部にある尿素水の凍結を防止し、或いは、凍結した尿素水を溶解する。
【0041】
次に図3を参照し、エンジン室内における排気ガス処理装置7の配置について説明する。図3は、エンジン室内における排気ガス処理装置7の配置例を示す図であり、図1A及び図1Bのそれぞれにおける一点鎖線L1で表される仮想断面を-X側(後側)から見た図に相当する。エンジン室には、エンジン6、排気ガス処理装置7、冷却ファン12、及び熱交換機ユニット13等が配置されている。破線で囲まれた領域は、後輪走行用ポンプ、コンベア・スクリュ用ポンプ、チャージポンプ等が配置されるポンプ室PRを示す。ポンプ室PRは、隔壁によってエンジン室から隔離されていてもよい。
【0042】
エンジン6は、フレーム31に配置されたエンジン取付け座31aの上部に、エンジンマウント31bを介して支持されている。エンジンマウント31bは防振マウントであり、エンジン6で発生する振動がフレーム31に伝達されるのを防止している。
【0043】
フレーム31は、アスファルトフィニッシャ100の骨格を構成する部材である。本実施形態では、フレーム31は、ホッパ2、スクリード3、コンベア10、及びスクリュ11等を支持する。
【0044】
エンジン6の-Y側には、冷却ファン12が配置されている。また、冷却ファン12の-Y側には熱交換機ユニット13が配置されている。
【0045】
冷却ファン12はエンジン6により回転駆動される。冷却ファン12が回転駆動されることにより、左サイドカバー1dに設けられた通気ルーバVL2から外気がエンジン室内に取り込まれ、冷却風Wが生成される。熱交換機ユニット13は、冷却ファン12によって生成される冷却風Wを利用して熱交換処理(冷却処理)を行う。熱交換機ユニット13はエンジン室内の冷却風Wの流れ方向に関し冷却ファン12の上流側に配置されている。
【0046】
熱交換機ユニット13は、ラジエータ、燃料クーラ、オイルクーラ、及びインタークーラ65等の複数の熱交換機を一体的に含む。
【0047】
ラジエータはエンジン6内を流れる冷却水を冷却する。燃料クーラは燃料タンク8に戻る余剰燃料を冷却する。オイルクーラは油圧シリンダ等の油圧機器を循環する作動油を冷却する。インタークーラ65はエンジン6に供給される圧縮空気を冷却する。これらの熱交換機のそれぞれにおける冷却水及び作動油等の各種冷媒は冷却風Wにより冷却される。
【0048】
エンジン6の+Y側には油圧ポンプ14が取付けられている。油圧ポンプ14は油圧シリンダ等の油圧機器に作動油を供給するように構成されている。本実施形態では、油圧ポンプ14はエンジン6により駆動される。
【0049】
エンジン6から排出された排気ガスは排気ガス処理装置7により浄化される。エンジン6から排出される排気ガス中にはNOx等の物質が含まれる。これらの物質を除去するためにエンジン6には排気ガス処理装置7が接続管としての排気管6cを介して接続されている。
【0050】
排気ガス処理装置7は、上述のように、第1処理部7aと第2処理部7bとを含む。第1処理部7aと第2処理部7bとは接続部63により連結されている。第2処理部7bを通過した排気ガスは出口管64を介して大気中に放出される。
【0051】
本実施形態では、第1処理部7a及び第2処理部7bは何れもY軸方向に延びる円筒形状を有する。そして、第1処理部7aの+Z方向(上方)に第2処理部7bが配置される上下二段構造を有する。但し、第2処理部7bは、第1処理部7aの-Z方向(下方)に配置されてもよく、第1処理部7aの+X方向(前方)に配置されてもよく、第1処理部7aの-X方向(後方)に配置されてもよく、第1処理部7aの+Y方向(右方)に配置されてもよく、第1処理部7aの-Y方向(左方)に配置されてもよい。また、第1処理部7a及び第2処理部7bは何れもX軸方向に延びる円筒形状を有していてもよく、Z軸方向に延びる円筒形状を有していてもよい。
【0052】
ディーゼルパティキュレートフィルタの上流側には、前段酸化触媒が備えられていてもよい。選択触媒還元装置の下流側には、後段酸化触媒が備えられていてもよい。ディーゼルパティキュレートフィルタは、触媒煤煙フィルタ等の酸化触媒担持型フィルタであってもよい。また、選択触媒還元装置の下流側には、消音装置が備えられていてもよい。
【0053】
排気ガス処理装置7は、油圧ポンプ14より高い位置でエンジン6から離れて配置されるように支持フレーム体36によって支持される。支持フレーム体36は、アスファルトフィニッシャ100の骨格を構成する部材であり、フレーム31に固定されている。この構成により、排気ガス処理装置7の重量がエンジン6にかかることはなく、エンジン6と排気ガス処理装置7との間にブラケットが設置されることもない。そのため、エンジン6のボディに大きな負担がかかることもない。
【0054】
フレーム31における熱交換機ユニット13の取り付け位置には固定台38が形成されている。固定台38はフレーム31から突出するように形成されている。熱交換機ユニット13は固定台38上に固定される。
【0055】
次に、図4A図4Cを参照し、出口管64を通じて大気中に排出される排気ガスの流れについて説明する。図4A図4Cは、エンジンフード1aの斜視図である。具体的には、図4Aは、アスファルトフィニッシャ100を右斜め前方から見たときのアスファルトフィニッシャ100の斜視図である。図4Bは、図4Aにおける領域RG1の拡大図である。図4Cは、図4Aにおける領域RG1の拡大図であり、通気カバーVCが取り外されたときのエンジンフード1aの状態を示す。
【0056】
エンジンフード1aは、エンジン室の上面を覆うように取り付けられる。本実施形態では、エンジンフード1aは、トラクタ1の中央前部に取り付けられている。具体的には、エンジンフード1aは、左上面カバー1bと右上面カバー1cとの間に取り付けられている。
【0057】
より具体的には、エンジンフード1aは、上面部TP、前面部FP、及び傾斜面部SPを含む。同様に、左上面カバー1bは、上面部TPL、前面部FPL、及び傾斜面部SPLを含み、右上面カバー1cは、上面部TPR、前面部FPR、及び傾斜面部SPRを含む。
【0058】
上面部TPは、XY平面(例えば水平面)に平行に延びるように構成されている。上面部TPの高さは、左上面カバー1b及び右上面カバー1cのそれぞれの上面よりも低くなるように構成されている。同様に、傾斜面部SPの高さは、左上面カバー1bの傾斜面部SPLよりも低くなるように、且つ、右上面カバー1cの傾斜面部SPRよりも低くなるように構成されている。
【0059】
前面部FPは、YZ平面(例えば鉛直面)に平行に延びるように構成されている。前面部FPの上端の高さは、上面部TPよりも低い。
【0060】
傾斜面部SPは、上面部TPの前端(+X側端)と前面部FPの上端(+Z側端)とを接続するように斜めに延びるように構成されている。そして、傾斜面部SPには、通気ルーバVL1が取り付けられている。具体的には、通気ルーバVL1は、左通気ルーバVL1L及び右通気ルーバVL1Rを含む。本実施形態では、左通気ルーバVL1Lは、傾斜面部SPから取り外し可能となるように構成されている。
【0061】
上面部TPには、図4Cに示すように、開口APが形成されている。そして、開口APは、図4Bに示すように、通気カバーVCによって上面が覆われるように形成されている。
【0062】
通気カバーVCは、雨水等が開口APを通ってエンジン室内に侵入するのを防止できるように構成されている。そして、通気カバーVCは、エンジン室内に取り込まれた外気をエンジン室の外に排出できるようにホッパ2が位置する側に向かって開口している。すなわち、通気カバーVCは、前側(+X側)に向かって開口している。なお、外気は、エンジン室内に設置された冷却ファン12により、左サイドカバー1dに取り付けられた通気ルーバVL2を通じてエンジン室内に取り込まれる。
【0063】
通気カバーVCの開口BPの向きは、アスファルトフィニッシャ100の運転席DSに着座するオペレータが受ける騒音の大きさに影響を与える。本実施形態では、通気カバーVCは、前側(+X側)に向かって開口しているため、他の側に向かって開口している場合に比べ、通気カバーVCの後側(-X側)にいるオペレータが受ける騒音の大きさを低減できる。なお、騒音は、例えば、出口管64から排出される排気ガスによる排気音、エンジン6の作動音、及び冷却ファン12の作動音等である。
【0064】
出口管64は、図4Cに示すように、開口APを通って上面部TPの外側(+Z側)に突出するように配置されている。また、出口管64は、図4Bに示すように、通気カバーVCによって上面が覆われるように配置されている。
【0065】
すなわち、開口APは、出口管64の直径よりも大きい幅を有するように形成されている。本実施形態では、開口APは、出口管64の直径よりも顕著に大きい幅を有するように形成されている。そして、出口管64は、開口APの左端寄りに位置するように構成されている。
【0066】
出口管64は、排気ガスをエンジン室の外に排出できるようにホッパ2が位置する側に向かって開口している。すなわち、出口管64は、前側(+X側)に向かって開口している。
【0067】
上述の構成により、エンジン室内に取り込まれた外気の大部分は、エンジン6等を冷却した後で、図4B及び図4Cのそれぞれにおける矢印AR1で示すように、傾斜面部SPに取り付けられた通気ルーバVL1を通じてエンジン室の外に排出される。
【0068】
具体的には、左通気ルーバVL1Lは、複数の羽板を有し、隣接する二つの羽板の間には羽板間開口が形成されている。右通気ルーバVL1Rについても同様である。そして、エンジン室内に取り込まれた外気の大部分は、エンジン6等を冷却した後で、複数の羽板間開口を通じてエンジン室の外に排出される。
【0069】
通気カバーVCの車幅方向における長さ(幅W1、図4B参照。)及び開口APの車幅方向における長さ(幅W2、図4C参照。)は、通気ルーバVL1の車幅方向における長さ(幅)と略同一又は幅W3より大きくなるように構成されている。すなわち、通気カバーVCの幅W1及び開口APの幅W2は、通気ルーバVL1の羽板間開口の幅W3以上となるように構成されている。また、開口APの進行方向(X軸方向)における長さLT(図4C参照。)は、出口管64の直径より大きくなるように構成されている。この構成により、高温となったエンジン室内の空気は、エンジン室の外に迅速に排出される。
【0070】
また、エンジン室内に取り込まれた外気の一部は、排気ガス処理装置7等を冷却した後で、図4B及び図4Cのそれぞれにおける破線矢印AR2で示すように、開口AP、及び、通気カバーVCの開口BPを通じてエンジン室の外に排出される。
【0071】
また、出口管64を通じて排出される排気ガスは、図4B及び図4Cのそれぞれにおける矢印AR3で示すように、通気カバーVCの開口BPを通じてエンジン室の外に排出される。
【0072】
本実施形態では、出口管64は、通気カバーVCの開口BPを通じてエンジン室の外に排出される排気ガスの排出方向(矢印AR3の方向)が、通気カバーVCの開口を通じてエンジン室の外に排出される外気の排出方向(破線矢印AR2の方向)とほぼ同じになるように配置されている。すなわち、出口管64は、排気ガスの排出方向(矢印AR3の方向)と外気の排出方向(破線矢印AR2の方向)とが略平行となるように配置されている。エンジン室から吹き出される外気の流れに乗って排気ガスができるだけ遠くに達するようにするためである。また、アスファルトフィニッシャ100の運転席DSに着座するオペレータのところに排気ガスが直接達してしまうことがないよう、排気ガスをできるだけ拡散させるためである。但し、出口管64は、排気ガスの排出方向(矢印AR3の方向)と外気の排出方向(破線矢印AR2の方向)との間に所定の角度が形成されるように配置されてもよい。排気ガスと外気とが適度に混ざりながら遠くに達するようにするためである。
【0073】
次に、図5A及び図5Bを参照し、出口管64及び通気カバーVCの配置例について説明する。具体的には、図5Aは、エンジンフード1aを左斜め前方から見たときのエンジンフード1aの斜視図である。図5Bは、アスファルトフィニッシャ100の左側面の概略図である。図5Bは、明瞭化のため、ホッパ2、左上面カバー1b、左サイドカバー1d、通気カバーVC、及び運転席DS以外の部材の図示を省略している。
【0074】
通気カバーVCの前縁VCEは、図5Aに示すように、出口管64の前縁64Eよりも前方(+X方向)に突出するように構成されている。すなわち、出口管64は、前縁64Eが、上面視において、通気カバーVCの前縁VCEよりも後側(-X側)に位置するように構成されている。この構成により、通気カバーVCは、雨水等が出口管64内に直接侵入するのを防止できる。
【0075】
また、通気カバーVCは、その上面の高さがアスファルトフィニッシャ100の運転席DSに着座するオペレータOPの目の高さより低くなるように構成されている。本実施形態では、通気カバーVCの高さH1は、図5Bに示すように、運転席DSに着座するオペレータOPの目の高さH2より低く、運転席DSの背もたれの高さH3よりも低く、且つ、運転席DSの肘掛けの高さH4よりも低くなるように構成されている。すなわち、出口管64は、その上端の高さが、運転席DSに着座するオペレータOPの目の高さH2より低く、運転席DSの背もたれの高さH3よりも低く、且つ、運転席DSの肘掛けの高さH4よりも低くなるように配置されている。なお、各高さは、地面に対する高さである。
【0076】
この構成により、出口管64は、従来のような上方に向かって大きく突出した出口管に比べ、オペレータOPの前方視界を遮ることがないため、オペレータOPの前方視界性を高めることができる。
【0077】
また、通気カバーVCは、その前縁VCEが、図5Aに示すように、傾斜面部SPの表面を含む仮想平面IPよりも後側(-X側)に位置し、破線で表される仮想平面IPを横切って前側(+X側)に突出しないように構成されている。
【0078】
傾斜面部SPは、運転席DSに着座するオペレータOPがホッパ2の内部を覗き込んだときにエンジンフード1aの死角になってしまう範囲をできるだけ小さくするために設けられている。仮に傾斜面部SPが設けられておらず、エンジンフード1aが図5Aの一点鎖線で示すような形状を有していた場合、エンジンフード1aの死角になってしまうホッパ2内の範囲は、傾斜面部SPが設けられている場合に比べ、顕著に大きくなってしまうためである。
【0079】
このような傾斜面部SPが設けられている場合において、通気カバーVCの前縁VCEが仮想平面IPを横切って前側に突出していると、傾斜面部SPによる、死角範囲を小さくする効果が損なわれてしまう。
【0080】
そのため、本実施形態では、通気カバーVCは、前縁VCEが、仮想平面IPを横切って前側(+X側)に突出しないように構成されている。
【0081】
この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、運転席DSに着座するオペレータのところに排気ガスが直接達してしまうのを防止し、且つ、出口管64によってオペレータOPの前方視界が遮られてしまうのを防止できる。
【0082】
また、アスファルトフィニッシャ100は、エンジン室から吹き出す空気の流れに乗せて排気ガスを遠くまで移動させることによって、運転席DSに着座するオペレータのところに排気ガスが直接達してしまうのを防止できる。なお、エンジン室から吹き出す空気は、エンジン6等を冷却するために冷却ファン12によってエンジン室内に取り込まれた外気である。
【0083】
また、上述の例では、出口管64及び通気カバーVCは何れも前側(+X側)に向かって開口しているが、右斜め前側、左斜め前側、右側、又は左側に向かって開口するように構成されていてもよい。また、出口管64及び通気カバーVCは、上面部TPの表面に平行な方向に向かって開口しているが、斜め下方に向かって開口していてもよく、斜め上方に向かって開口していてもよい。
【0084】
次に、図6を参照し、出口管64及び通気カバーVCの別の配置例について説明する。図6は、エンジンフード1aを左斜め前方から見たときのエンジンフード1aの斜視図であり、図5Aに対応している。
【0085】
図6に示す例では、出口管64は、傾斜面部SPに取り付けられた左通気ルーバVL1Lの上部に形成された開口APを通って傾斜面部SPの外側に突出するように配置されている。また、出口管64は、傾斜面部SPに取り付けられた通気カバーVCによって上部が覆われるように配置されている。
【0086】
通気カバーVCは、エンジン室内に取り込まれた外気をエンジン室の外に排出できるようにホッパ2が位置する側に向かって開口している。すなわち、通気カバーVCは、前側(+X側)に向かって開口している。出口管64も、同様に、前側(+X側)に向かって開口している。
【0087】
図6に示す例では、エンジンフード1aの上面部TPには、出口管64を通すための開口が形成されておらず、その開口を覆うための通気カバーも取り付けられていない。
【0088】
この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、図5A及び図5Bに示された構成による効果と同様の効果を実現できる。
【0089】
図6に示す例では、出口管64及び通気カバーVCは何れも、左通気ルーバVL1Lの上部に配置されているが、左通気ルーバVL1Lの下部に配置されていてもよく、右通気ルーバVL1Rの上部又は下部に配置されていてもよい。
【0090】
或いは、出口管64及び通気カバーVCは、通気ルーバと共に、エンジンフード1aの前面部FPに配置されていてもよい。
【0091】
上述のように、本発明の実施形態に係るアスファルトフィニッシャ100は、トラクタ1と、トラクタ1の前側に設置されたホッパ2と、ホッパ2内の舗装材をトラクタ1の後側へ搬送するコンベア10と、コンベア10によって搬送されて路面上に撒かれた舗装材を車幅方向に敷き拡げるスクリュ11と、スクリュ11によって敷き拡げられた舗装材をスクリュ11の後側で敷き均すスクリード3と、トラクタ1に搭載されるエンジン6と、エンジン6を覆うエンジンフード1aと、エンジン6の排気ガスを大気中に放出するための出口管64とを備えている。そして、出口管64の高さは、運転席DSに着座するオペレータOPの目の高さより低く、出口管64は、エンジンフード1aに形成された開口APを通って突出し、且つ、通気カバーVCによって上部が覆われている。この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、作業者の前方視界を妨げることなく排気ガスを排出できる。
【0092】
出口管64は、望ましくは、ホッパ2が位置する側に向かって開口しており、通気カバーVCは、望ましくは、ホッパ2が位置する側に向かって開口している。例えば、図5A及び図5Bに示すように、出口管64及び通気カバーVCは、前側(+X側)に向かって開口している。このように、出口管64及び通気カバーVCは、運転席DSに着座するオペレータOPから離れる方向に開口しているため、オペレータOPのところに排気ガスが直接達してしまうのを防止できる。また、出口管64及び通気カバーVCは、オペレータOPが受ける騒音の大きさを低減できる。
【0093】
また、出口管64及び通気カバーVCが何れも前側(+X側)に向かって開口しているため、アスファルトフィニッシャ100は、アスファルトフィニッシャ100の左側又は右側で作業している作業者に排気ガスが直接吹きつけられてしまうのを防止できる。
【0094】
アスファルトフィニッシャ100の最大走行速度は、ブルドーザ及びロードローダ等の他の道路機械の最大走行速度に比べて小さい。特に、施工中のアスファルトフィニッシャ100の走行速度は、施工中のブルドーザ及びロードローダ等の他の道路機械の走行速度に比べて顕著に小さい。そのため、アスファルトフィニッシャ100は、出口管64及び通気カバーVCが何れも進行方向に向かって開口する構成であっても、排気ガスを適切に排出することができる。
【0095】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0096】
本願は、2020年2月28日に出願した日本国特許出願2020-033387号に基づく優先権を主張するものであり、この日本国特許出願の全内容を本願に参照により援用する。
【符号の説明】
【0097】
1・・・トラクタ 1a・・・エンジンフード 1b・・・左上面カバー 1c・・・右上面カバー 1d・・・左サイドカバー 1e・・・右サイドカバー 2・・・ホッパ 2a・・・ホッパシリンダ 3・・・スクリード 3a・・・レベリングアーム 4・・・前輪 5・・・後輪 6・・・エンジン 6a・・・エアフィルタ 6b・・・吸気管 6c・・・排気管 7・・・排気ガス処理装置 7a・・・第1処理部 7b・・・第2処理部 8・・・燃料タンク 9・・・尿素水タンク 10・・・コンベア 11・・・スクリュ 12・・・冷却ファン 13・・・熱交換機ユニット 14・・・油圧ポンプ 31・・・フレーム 31a・・・エンジン取付け座 31b・・・エンジンマウント 36・・・支持フレーム体 38・・・固定台 60・・・エンジン制御モジュール 61・・・ターボチャージャ 63・・・接続部 64・・・出口管 64E・・・前縁 65・・・インタークーラ 68・・・尿素水噴射装置 69・・・尿素水ホース 70・・・尿素水供給ポンプ 71・・・フィルタ 72・・・第1NOxセンサ 73・・・第2NOxセンサ 74・・・尿素水残量センサ 75・・・排気ガスコントローラ 76・・・メインコントローラ 77・・・モニタ 80・・・冷却水ホース 81・・・第1部分 82・・・第2部分 83・・・第3部分 84・・・第4部分 85・・・第5部分 86・・・第6部分 100・・・アスファルトフィニッシャ 150・・・排気ガス処理システム AP、BP・・・開口 DS・・・運転席 FP・・・前面部 OP・・・オペレータ SM・・・サプライモジュール SP・・・傾斜面部 TP・・・上面部 VC・・・通気カバー VCE・・・前縁 VL1~VL3・・・通気ルーバ VL1L・・・左通気ルーバ VL1R・・・右通気ルーバ
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6