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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】逆位ケーブル駆動マスト
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/00 20060101AFI20240306BHJP
   H02G 11/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
E04B9/00 Z
H02G11/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022508744
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 US2020045766
(87)【国際公開番号】W WO2021030348
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】62/885,590
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591144947
【氏名又は名称】ザ ウィルーバート カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE WILL-BURT COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ミラー、ケビン
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102017207246(DE,A1)
【文献】英国特許出願公開第02348272(GB,A)
【文献】特開2001-163588(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02107667(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0110927(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/00
E04H 12/18
H02G 11/00-11/02
B66F 3/10
F16M 11/24-11/26
F21V 21/00-21/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関連する建物の天井構造に取り付け可能なマスト(10,10',110)であって、
ベース(14,14',114)と、
前記ベースによって支持されたベース管(18,18',118)と、
ベース管内の収縮位置と伸長位置との間で軸方向の動きを提供するために支持された少なくとも1つの伸縮管セクション(22,22',122)と、
前記少なくとも1つの伸縮管セクションに動作可能に結合され、前記ベース管内で前記少なくとも1つの伸縮管セクションを伸長および収縮させるように構成されたモーター(M,M',164)と、
前記モーターと前記少なくとも1つの伸縮管セクションの間で伸長する作動ケーブル(30,162)であって、前記モーターの回転方向に応じて前記少なくとも1つの伸縮管セクションを伸長および収縮させるように構成された、作動ケーブル(30,162)と、
前記少なくとも1つの伸縮管セクションで支持され、前記作動ケーブルに結合されたばねアセンブリ(32,140)であって、このばねアセンブリ(32,140)は、前記作動ケーブルに張力がかかっているときに前記作動ケーブルによって圧縮される、ばねアセンブリ(32,140)と、
を有し、
これにより、前記マストによって支持されたペイロード(26)を、前記関連する建物内で複数の高さに配置することができるものである、マスト。
【請求項2】
請求項1に記載のマストにおいて、前記ばねアセンブリ(32,140)は、圧縮ばねを含み、特にコイルばねを含むものである、マスト。
【請求項3】
請求項1または2に記載のマストにおいて、
少なくとも1つの電源または制御ケーブル(CA,200)と、
前記マスト(10,10',110)の外面の周りで前記少なくとも1つの電源または制御ケーブルをガイドするように構成された、少なくとも1つのケーブルガイド(CG)と、
をさらに備えるものである、マスト。
【請求項4】
請求項3に記載のマストにおいて、前記少なくとも1つの管セクション(22,22',122)が伸長位置にある時に、前記少なくとも1つの電源または制御ケーブル(CA,200)は前記マスト(10,10',110)の外面の周りをらせん状に巻くものである、マスト。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載のマストにおいて、前記ベース管(18,18',118)は、1以上の支持ケーブルを接続するように構成されたガイプレート(GP)を含むのである、マスト。
【請求項6】
請求項5に記載のマストにおいて、前記ガイプレート(GP)は、前記ベース管の前記ベース(14,14',114)への接続とは反対側の端で前記ベース管(18,18',118)に支持されるものである、マスト。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つに記載のマストにおいて、前記モーター(M,164)は、前記ベース(14,14',114)内で支持されるものである、マスト。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1つに記載のマストにおいて、前記マストは、前記ベース(14,14',114)の外側で支持されるものである、マスト。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1つに記載のマストにおいて、
前記作動ケーブル(30,162)の張力のレベルに応じて前記モーター(M,M',164)の動作を制限するように構成されたケーブル張力制御システム(180)と、
をさらに有するものである、マスト。
【請求項10】
請求項9に記載のマストにおいて、
前記ケーブル張力制御システム(180)は、前記ベース(14,14',114)に対して往復運動を提供するように支持されたケーブルキャリッジ(182)と、過張力状態を感知するように構成された第1のセンサーとを含み、前記作動ケーブル(30,162)は、前記作動ケーブルの張力が上限閾値張力レベルを超えると前記ケーブルキャリッジを第1の方向に動かすように構成され、前記ケーブルキャリッジは前記第1のセンサーをトリガーして前記モーターの動作を制限するものである、マスト。
【請求項11】
請求項10に記載のマストにおいて、
張力不足状態を感知するように構成された第2のセンサーと、
前記ケーブルキャリッジ(182)を前記第1の方向とは反対の第2の方向にバイアスするように構成されたバイアス要素を含み、前記バイアス要素は、前記ケーブル(30,162)の張力が下限閾値張力レベルを下回ると前記ケーブルキャリッジを第2の方向に移動させるように構成され、前記ケーブルキャリッジは前記第2センサーをトリガーして前記モーターの動作を制限するものである、マスト。
【請求項12】
請求項11に記載のマストにおいて、前記第1及び第2のセンサーは、リミットスイッチ(194;196)を含むものである、マスト。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載のマストにおいて、
前記少なくとも1つの伸縮管セクション(22,22',122)は、ベース管(18,18',118)内の収縮位置と伸長位置との間で軸方向の動きを提供するように支持された複数の伸縮管セクション(22a-c,22a'-c',122a-d)であり、
前記モーター(M,M',164)は、前記作動ケーブル(30,162)によって前記複数の伸縮管セクションの最も内側の管セクション(22c,22c',122d)に動作可能に結合され、このモーターの回転方向に応じて前記ベース管内の前記複数の伸縮管セクションを伸長および収縮するように構成され、
前記ばねアセンブ(32,140)は、前記最も内側の管セクションに支持され、
前記少なくとも1つの電源または制御ケーブル(CA,200)及び前記少なくとも1つのケーブルガイド(CG)は、前記マストの外面の周りに前記少なくとも1つの電源または制御ケーブルをガイドするように構成された前記複数の伸縮管セクションのそれぞれに関連し、前記ケーブルガイド(CG)は、前記複数の伸縮管セクションが伸長位置にある時に、前記少なくとも1つの電源または制御ケーブルが前記マストの外面の周りにらせん状になるように半径方向にオフセットする、マスト。
【請求項14】
請求項2~13のいずれか1つに記載のマストにおいて、さらに第1及び第2のばね支持体(38,42)を有し、各ばね支持体は、前記圧縮ばね(40)の中央開口口を通じて反対方法に延長するものである、マスト。
【請求項15】
請求項14記載のマストにおいて、各ばね支持体(38,42)の第1の端部は、前記圧縮ばね(40)の各端部とループ(L)が係合するための一対のフック(H)を含み、前記第1のばね支持体の前記ループは、前記作動ケーブル(30,162)に接続し、前記第2のばね支持体の前記ループは、前記ペイロード(26)に接続し、これにより、前記ペイロード(26)によって前記作動ケーブルに張力が加えられると、前記圧縮ばねが圧縮されるものである、マスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年8月12日に出願された米国仮出願第62/885,590号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本実施形態は、伸縮マストに関するものである。それは、カメラなどの機器を支持するための伸縮マストと組み合わせて特定の用途を有し、これについて特に参照して説明する。しかしながら、本実施形態は、他の同様の用途にも順応可能であることを理解されたい。
【0003】
伸縮式マストは、屋外施設、車両上などでカメラ、ライト、センサーなどの機器を支持するためにしばしば使用される。伸縮式マストにより、オペレーターは、第1の高さから第2の高さまで、必要に応じてペイロードを上下させることができる。伸縮マストは、マストに取り付けられたカメラおよび/または他のセンサーのより高い視点、および/またはマストに取り付けられたアンテナと受信機の間の信号伝送のための空所サイトラインを得るために利用される。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 独国特許出願公開第102017207246号明細書
(特許文献2) 英国特許出願公開第2348272号明細書
(特許文献3) 特開2001-163588号公報
(特許文献4) 英国特許出願公開第2107667号明細書
(特許文献5) 米国特許出願公開第2012/110927号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、建物内のある範囲の高さでペイロードを支持するために、建物内の天井または他の構造物に取り付けられるように構成された逆位伸縮マストを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本例示的な実施形態の一態様によれば、関連する建物の天井構造に取り付け可能なマストは、ベースと、前記ベースによって支持されたベース管と、ベース管内の収縮位置と伸長位置との間で軸方向の動きを提供するために支持された少なくとも1つの伸縮管セクションと、前記少なくとも1つの伸縮管セクションに動作可能に結合され、前記ベース管内で前記少なくとも1つの伸縮管セクションを伸長および収縮させるように構成されたモーターと、を有する。前記マストによって支持されたペイロードは、前記関連する建物内で複数の高さに配置することができる。
【0006】
前記マストは、さらに、前記モーターと前記少なくとも1つの伸縮管セクションの間で伸長する作動ケーブルであって、前記モーターの回転方向に応じて前記少なくとも1つの伸縮管セクションを伸長および収縮させるように構成された、作動ケーブルと、前記少なくとも1つの伸縮管セクションで支持さればねアセンブリを有する。このばねアセンブリは、前記作動ケーブルに張力がかかっているときに作動ケーブルによって張力をかけることができる。通常の操作では、ばねアセンブリは通常、ペイロードの重量によってのみ負荷がかかる。マストは、オーバートラベルを防ぐために収縮している間、約1インチほど短く停止するように構成されている。ただし、過張力リミットスイッチが移動を停止すると、ばねアセンブリは伸ばされる。このように、ばねアセンブリは、収縮中の突然の停止を防止または低減するように構成されているマストは、少なくとも1つの電源または制御ケーブルと、前記マストの外面の周りで前記少なくとも1つの電源または制御ケーブルをガイドするように構成された、少なくとも1つのケーブルガイドと、をさらに備えることが可能である。少なくとも1つの管セクションが伸長位置にあるとき、少なくとも1つの電源ケーブルまたは制御ケーブルは、マストの外面の周りをらせん状に巻くことができる。ベース管には、1つ以上の支持ケーブルを接続するように構成されたガイプレートを含めることができる。ガイプレートは、ベース管のベースへの接続とは反対側の端でベース管で支持される。モーターは、ベース内またはベースの外部でサポート可能である。
【0007】
マストは、前記モーターと前記少なくとも1つの伸縮管セクションとの間に延びる作動ケーブルであって、前記モーターの回転方向に応じて前記少なくとも1つの伸縮管セクションを伸長または収縮するように構成された、作動ケーブルと、前記作動ケーブルの張力のレベルに応じて前記モーターの動作を制限するように構成されたケーブル張力制御システムと、をさらに有する。
【0008】
本実施形態の別の態様によれば、ケーブル張力制御システムは、ベースに対して往復運動を提供するように支持されたケーブルキャリッジと、過張力状態を感知するように構成された第1のセンサとを含むことができる。作動ケーブルは、作動ケーブルの張力が上限閾値張力レベルを超えたことに応答してケーブルキャリッジを第1の方向に動かすように構成することができ、ケーブルキャリッジは第1のセンサーをトリガーしてモーターの動作を制限する。第2のセンサは、張力不足状態を感知するように構成され、ケーブルキャリッジを第1の方向とは反対の第2の方向にバイアスするように構成されたバイアス要素とともに提供可能である。バイアス要素は、ケーブルの張力がより低い閾値張力レベルを下回ったことに応答してケーブルキャリッジを第2の方向に動かすように構成することができ、ケーブルキャリッジは第2のセンサーをトリガーしてモーターの動作を制限する。第1及び第2のセンサーはリミットスイッチを含む。
【0009】
本実施形態の別の態様によれば、関連する建物の天井構造に取り付け可能なマストが提供される。マストは、
ベースと、
前記ベースによって支持されたベース管と、
ベース管内の収縮位置と伸長位置との間で軸方向の動きを提供するように支持された複数の伸縮管セクションと、
作動ケーブルによって前記複数の伸縮管セクションの最も内側の管セクションに動作可能に結合されたモーターであって、このモーターの回転方向に応じて前記ベース管内の前記複数の伸縮管セクションを伸長および収縮するように構成されたモーターと、
前記最も内側の管セクションに支持されたばねであって、前記作動ケーブルに張力がかかっているときに前記作動ケーブルによって負荷がかけられる、ばねと、
少なくとも1つの電源または制御ケーブル、及び前記複数の伸縮管セクションのそれぞれに関連する少なくとも1つのケーブルガイドであって、この少なくとも1つのケーブルガイドは、前記マストの外面の周りに前記少なくとも1つの電源または制御ケーブルをガイドするように構成され、前記ケーブルガイドは、前記複数の伸縮管セクションが伸長位置にある時に、前記少なくとも1つの電源または制御ケーブルが前記マストの外面の周りにらせん状になるように半径方向にオフセットする、少なくとも1つの電源または制御ケーブル、及び少なくとも1つのケーブルガイドと、
ケーブル張力制御システムを有する。
【0010】
ケーブル張力制御システムは、前記ベースに対して往復運動を提供するように支持されたケーブルキャリッジ及び、前記作動ケーブルの過張力状態を感知するように構成された第1のセンサーであって、前記作動ケーブルは、前記作動ケーブルの張力が上限閾値張力レベルを超えると前記ケーブルキャリッジを第1の方向に動かすように構成され、前記ケーブルキャリッジは前記第1のセンサーをトリガーして、前記関連する伸縮マストのモーターの動作を制限する、ケーブルキャリッジ及び第1のセンサーと、
前記作動ケーブルの張力不足状態を感知するように構成された第2のセンサー、及び前記ケーブルキャリッジを前記第1の方向と反対の第2の方向にバイアスするように構成されたバイアス要素であって、前記バイアス要素は、前記作動ケーブルの張力が下限閾値張力レベルを下回ると前記ケーブルキャリッジを第2の方向に動かすように構成され、前記作動ケーブルの張力が下限閾値張力レベルを下回ると、前記ケーブルキャリッジは前記第2のセンサーをトリガーして前記伸縮マストのモーターの動作を制限する、第2のセンサー及びバイアス要素と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示による収縮位置にある例示的なマストの斜視図である。
図2図2は、伸長された位置にある図1のマストの側面図である。
図3図1の線3-3に沿ってマストの長手方向軸を通って取られたマストの下部の断面図である。
図4】本開示による収縮位置にある別の例示的なマストの側面図である。
図5図5は、図4のマストの正面図である。
図6図6は、伸長された位置にある図4および5のマストの正面図である。
図7図7は、図4のマストの上面図である。
図8図8は、本開示による別の例示的なマストの第1の斜視図である。
図9図9は、図8のマストの第2の斜視図である。
図10図10は、図8のマストの側面図である。
図11図10の線A-Aに沿って取られた断面図である。
図12図12は、図8のマストのベースの拡大図である。
図13図13は、図8のマストの収縮状態および伸長状態における横並びに比較した立面図である。
図14図14は、図8の線14~14に沿ってマストの長手方向軸を通って取られたマストの下部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図を参照すると、まず図1および図2において、本開示による例示的な逆位ケーブル駆動マストが、一般に参照番号10によって示され、識別される。図1では、マスト10は収縮状態で示され、図2では、マスト10は伸長状態で示されている。マスト10は、天井野縁または他の建築構造物などの表面に取り付け可能なベース14を含む。ベース14は、ベース管18および複数の伸縮管セクション22a~22cを支持する。伸縮管セクションは、図1に示される収縮位置と図2に示される伸長位置との間で、互いにおよび/またはベース管18内で軸方向の動きをスライドさせるように構成される。
【0013】
図3をさらに参照すると、ベース管は、半径方向外向きに延びるカラー24と、マスト10(図示の実施形態ではカメラ26である)によって支持されるペイロードにケーブルCaを配線するためのケーブルガイドCGとを含むことが理解される。ケーブルCaは、ペイロード(カメラ26など)への電力および/またはデータ接続を提供可能である。伸縮管セクション22a~22cのそれぞれはまた、カラー26a~26cおよびケーブルガイドCGを含む。図2に最もよく見られるように、ケーブルCaは、マストが伸長位置にあるときにケーブルCaがベース管18および伸縮管セクション22a~22cの周りをらせん状に巻くように半径方向にオフセットされたケーブルガイドCGを通って配線される。図1にある収縮位置では、ケーブルCaは、マスト10が格納されたときにケーブルをきちんと収納するために複数のループLを形成するように構成される。
伸縮管セクション22a~22cは、モーターMと最も内側の伸縮管セクション22cに固定されたばねアセンブリ32との間に接続された作動ケーブル30を介して伸長および収縮される。モーターMは、マスト10の伸長および収縮を制御するためにコントローラーCに結合されることが理解されよう。この点に関して、コントローラーCは、マスト10を作動させるための1つまたは複数のマイクロプロセッサーおよび/またはユーザーインターフェースを含むことができる。実施形態では、コントローラCは、マスト10を伸長または収縮させるために、必要に応じてモータMを順方向または逆方向に操作するための単純なスイッチの形をとることができる。伸縮管セクション22a~22cがそれらの完全に伸ばされた位置および/または完全に引っ込められた位置に達した時に、モーターMを非アクティブ化するために、適切なリミットスイッチまたは他のセンサーを使用できる。
【0014】
ばねアセンブリ32は、伸縮管22cとほぼ同軸の関係で伸縮管セクション22c内に支持されている。ばねアセンブリ32は、圧縮ばねと、第1および第2のばね支持体38および42とを含む。各ばね支持体38および42は、圧縮ばね40の中央開口部を通って反対方向に延びる。各ばね支持体の第1の端部は、一対のフックHを含み、圧縮ばね40のそれぞれの端部と、ペイロードまたは作動ケーブルのいずれかに接続するためのループLまたはU字形の端部とを係合させる。このように、ループLを引っ張ることによってばねアセンブリ32に張力が加えられると、圧縮ばねが圧縮される。図3の特定の断面図では、ばね支持体42のフックHおよびループLのみが見えることが理解されよう。ばねアセンブリ32は、一般に、入れ子になった伸縮管セクション22a~22cをしっかりと一緒に保持するように動作し、マスト10のスムーズな動作を保証し、収縮機構のオーバートラベルから保護する。
【0015】
ここで、マスト10は、ベース14を介して内部構造または天井(または他の天井構造など)などの天井支持面に取り付けるのに適していることを理解されたい。マスト10の作業端では、任意の適切なペイロードをサポート可能である。ペイロード装置を使用する場合、マスト10は、図1および2に示す収縮位置と完全に伸長された位置の間の任意の位置に伸ばすことができる。ペイロード装置が使用されなくなった場合、マスト10は収納できる。
【0016】
図4~7は、本開示による別の例示的な逆位ケーブル駆動マスト10'を示している。マスト10'は、図1~3に関連して示され説明されたマスト10'と多くの点で類似しており、マスト10に類似しているマスト10'の構成要素は、同様の「基本」参照番号で示されていることが理解されよう。
【0017】
マスト10'は収縮状態で示され、図4および5では、マスト10'は収縮状態で示されている。マスト10'には、天井野縁やその他の建築構造物などの表面に取り付け可能なベース14'が含まれている。この実施形態では、ベース14'は、建物の天井構造のそれぞれのIビームIBに次に取り付けられる一対の支持支柱SSに取り付けられる。
【0018】
ベース14'は、ベース管18'および複数の伸縮管セクション22a'~22c'を支持する。伸縮管セクション22a'~22b'は、図4および5に示される収縮位置と図6に示される伸長位置との間で、互いにおよび/またはベース管18'内で軸方向の動きでスライドさせるように構成される。
【0019】
ベース管18'は、マスト10'に横方向の支持を提供するために、支持ケーブル(図示せず)を他の天井/屋根構造(例えば、屋根トラスのIビームIB)に取り付けるためのガイプレートGPを含むことが理解されよう。この実施形態では、電源および/またはデータ通信用のケーブルは、マスト10'の内部内で支持されている。マスト10と同様に、マスト10'はカメラ26'がサポートされた状態で示されている。
【0020】
伸縮管セクション22a'~22c'は、モーターM'と最も内側の伸縮管セクション22c'との間に接続された作動ケーブル(この実施形態では見えない)を介して伸長および収縮される。モーターM'および作動ケーブルは、モーターM'がベース14'の外部に配置されていることを除いて、図1~3の実施形態のモーターMおよび作動ケーブル30と同様に機能することが理解されよう。モーターM'は、マスト10の伸長および収縮を制御するためのコントローラに結合されている。この点に関して、コントローラは、マスト10'を作動させるための1つまたは複数のマイクロプロセッサおよび/またはユーザインターフェースを含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、マスト10'を伸長または収縮させるために、必要に応じてモーターM'を順方向または逆方向に操作するための単純なスイッチの形をとることができる。伸縮管セクション22a'~22c'が完全に伸長した位置および/または完全に収縮した位置に達したときにモーターMを非アクティブ化するために、適切なリミットスイッチまたは他のセンサーを使用することができる。
【0021】
一例の実施形態では、本開示によるマストは、約14フィートの収縮長さおよび約42フィートの伸長長さを有することができる。このような構成では、マストの作動距離は約28フィートになる。空所高さが40フィートの建物の屋根トラスに設置すると、マストは、建物の床から約39フィートから約10フィートの任意の高さでペイロードをサポートする。
【0022】
図8~14に示されるように、本発明による逆位伸縮マストの別の例示的な実施形態は、一般に参照番号110によって示され、識別される。図8~11では、マスト110は収縮状態で示され、図13では、マスト110は、マストの移動を示すために、収縮状態と伸長状態の両方で示されている。マスト110は、天井野縁または他の建築構造物などの表面に取り付け可能なベース114を含む。ベース114は、ベース管118および複数の伸縮管セクション122a~122dを支持する。伸縮管セクションは、図8に示される収縮位置と図13の右側に示される伸長位置との間で、互いにおよび/またはベース管118内で軸方向の動きでスライドされるように構成される。
【0023】
図11および12を参照すると、ベース114はまた、伸縮管セクション122a~122dの伸長/収縮をもたらすためにケーブル162を伸長および収縮させるためのホイスト160を収容する。一実施形態では、ホイスト160は、ケーブル162を巻き取りおよび巻き戻しするためにスプール166に動作可能に結合されたDCモータ164を含む。ケーブル162は、伸縮管セクション122dに取り付けられ、したがって、ホイスト160によるケーブル162の展開はマスト110を伸長し、ケーブル162の収縮はマスト110を収縮させる。
【0024】
このように、伸縮管セクション122a~122dは、ホイスト160の動作によってケーブル162を介して伸長および収縮される。前の実施形態のマスト10に関連して説明されるように、ホイスト160は、マスト110の伸長および収縮を制御するためのコントローラ(この実施形態には示されていない)に結合されることが理解される。この点に関して、コントローラは、マスト110を作動させるための1つまたは複数のマイクロプロセッサおよび/またはユーザインターフェースを含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、マスト110を伸長または収縮させるために、必要に応じてホイスト160を順方向または逆方向に操作するための単純なスイッチの形態をとることができる。伸縮管セクション122a~122dは、それらの完全に伸ばされた位置および/または完全に収縮された位置に達した時にホイスト160を非アクティブ化するために適切なリミットスイッチまたは他のセンサーが使用可能である。
【0025】
マスト10と同様に、そして図14に最もよく示されるように、ばねアセンブリ140は、伸縮管セクション122dで支持され、ケーブル162に動作可能に結合される。ばねアセンブリ140は、伸縮管122dとほぼ同軸の関係で伸縮管セクション122d内に支持されている。ばねアセンブリ140は、ばねアセンブリ32と同一であり、圧縮ばね40と、第1および第2のばね支持体38および42とを含む。各ばね支持体38および42は、圧縮ばね40の中央開口部を通って反対方向に延びる。各ばね支持体は、圧縮ばね40のそれぞれの端部と、ペイロードまたは作動ケーブルのいずれかに接続するためのループLまたはU字形の端部とを係合するための一対のフックHと含む。このように、ループLを引っ張ることによってばねアセンブリ32に張力が加えられると、圧縮ばねが圧縮される。図14の特定の断面図では、ばね支持体42のフックHおよびループLのみが見えることが理解されよう。ばねアセンブリ32は、一般に、マスト110のスムーズな動作を保証し、収縮機構のオーバートラベルから保護しながら、入れ子になった伸縮管セクション122a~122dをしっかりと一緒に保持するように動作する。
【0026】
マスト110はまた、ケーブル162に不十分なおよび/または過剰なケーブル張力が存在する場合にケーブル162の収縮または伸長を制限するように構成された、一般に参照番号180によって識別されるケーブル張力制御システムを含む。ホイスト160がケーブル162を展開するために作動されている間に、例えば伸縮管セクション122a~122dの1つまたは複数が伸長しなかった場合、不十分なケーブル張力が発生する可能性がある。これは、例えば、物体が管セクション122a-122dの1つまたは複数の伸長をブロックする場合に起こり得る。過度のケーブル張力は、例えば、ホイスト160がケーブル162を収縮するために作動されたが、管セクション122a~122dの1つまたは複数の収縮がブロックされた場合に発生し得る。
図12を参照すると、ケーブル張力制御システム180は、ハウジングのスロット184内で往復運動のスライドをさせるために支持されたケーブルキャリッジ182を含む。ケーブルキャリッジ182は、ケーブルガイド188aおよび188bを含み、それらの間にケーブル162が配線される。張力ばね190は、ケーブルキャリッジ182を図12の左方向にバイアスする。低張力リミットスイッチ194および高張力リミットスイッチ196は、以下に説明するように、それぞれの低張力または高張力条件が満たされたときに作動するように構成される。データおよび/または電源ケーブル200は、ペイロードに電力および/またはデータ接続を供給するために格納式リール202上で支持されている。リール202は、マスト110が伸長および収縮されるときにデータ/電源ケーブル200を自動的に手繰り出すかまたは収縮させるようにばね式および構成することができる。
【0027】
通常の動作条件下では、ケーブル162は、リミットスイッチ194または196のどちらも作動されない、張力ばね190のバイアスに対してケーブルキャリッジ182を中立位置に維持するベースレベルの張力下にある。この基本レベルの張力は、作動ケーブルが通常、伸長および収縮サイクル中に動作する張力の動作範囲を定義する。ケーブル162の張力が増加すると、ケーブルはケーブルガイド188bに作用し始め、図12においてケーブルキャリッジ182を右方向にシフトさせる。ケーブル162が十分な張力(例えば、上限張力閾値)下にあると、ケーブル162および/または、高張力リミットスイッチ196が作動し、それにより、ケーブルの張力が減少する時までホイスト160を遮断する。同様に、ケーブル張力が十分な量(例えば、より低い張力閾値を下回る)減少した場合、張力ばね190は、図12の左のケーブルキャリッジ182を促し、低張力リミットスイッチ194が作動され、それによって、低張力状態が解消されるまでホイスト160を遮断する。張力ばね190は、リミットスイッチをトリガーするための高/低張力レベル閾値を調整するように調整することができる。
【0028】
ロードセルなどの他の張力制御システムを使用することができ、および/または、例えば、ホイストモーターの電流引き込みを監視することができることを理解されたい。
【0029】
ここで、マスト110は、ベース114を介して、内部構造または天井(または他の天井構造など)などの天井支持面に取り付けるのに適していることを理解されたい。マスト110の作業端で、任意の適切なペイロードを支持することができる。ペイロード装置の利用時において、マスト110は、図13に示す収縮位置と完全に伸ばされた位置との間の任意の所望の位置に伸ばすことができる。ペイロード装置が使用されない間は、マスト110は収納される。
【0030】
例示的な実施形態は、好ましい実施形態を参照して説明されてきた。前述の詳細な説明を読んで理解すると、変更や変更が発生する場合があることは明らかである。例示的な実施形態は、添付の特許請求の範囲またはその同等物の範囲内にある限り、そのようなすべての修正および変更を含むと解釈されることが意図されている。
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