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特許7449371事前対応型クライアント関係分析のための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】事前対応型クライアント関係分析のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240306BHJP
【FI】
G06Q10/06
【請求項の数】 44
(21)【出願番号】P 2022516158
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-17
(86)【国際出願番号】 US2020050182
(87)【国際公開番号】W WO2021050716
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】16/570,432
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521214713
【氏名又は名称】リミニ ストリート、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サーニ、プラベーン
(72)【発明者】
【氏名】スレプコ、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】マクケレティ、クレイグ
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-191539(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0018684(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0061344(US,A1)
【文献】特開2012-113542(JP,A)
【文献】特表2016-517550(JP,A)
【文献】特開2017-091439(JP,A)
【文献】国際公開第2016/016973(WO,A1)
【文献】特開2012-008947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントの満足を事前対応として検出するためのコンピューティング・システム実施方法であって、
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して、1つ又は複数のクライアント・サービス・システムから履歴案件ベクトル・データを収集するステップと、
前記履歴案件ベクトル・データを使用して、1つ又は複数の機械学習異常検出モデルを、案件データ内のクライアントの潜在的な不満を示す異常を検出するように訓練するステップと、
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して、サービス・プロバイダの1つ又は複数のクライアントに関連する現在のクライアント案件を表す現在の案件ベクトル・データを取得するステップと、
前記現在の案件ベクトル・データを前記訓練済みの1つ又は複数の機械学習異常検出モデルに提供するステップと、
前記1つ又は複数の機械学習異常検出モデルを使用して、1つ又は複数の特定の現在のクライアント案件の前記現在の案件ベクトル・データ内の1つ又は複数の異常を識別するステップと、
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して、シグナル・レポートを生成するステップであって、前記シグナル・レポートが、1つ又は複数の識別された異常を有する前記1つ又は複数の特定の現在のクライアント案件と、1つ又は複数の識別された異常を有するリスト化されたより具体的な現在のクライアント案件に関連する前記特定の1つ又は複数の異常とのそれぞれのリストを含む、ステップと、
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して、前記サービス・プロバイダのエージェント
に前記シグナル・レポートを提供するステップと
を含み、
前記エージェントが前記特定の1つ又は複数の異常を示したときに、異常を示すフィードバック特徴が生成され、
前記シグナル・レポートに含まれる前記異常を示すフィードバック特徴が1つ又は複数の機械学習異常検出モデルをさらに訓練するための訓練データの生成に使用される、コンピューティング・システム実施方法。
【請求項2】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して前記履歴案件ベクトル・データを収集する前記ステップにおいて、前記ベクトル・データの他のベクトルに関連して前記ベクトル・データの各ベクトルに重みが割り当てられる、請求項1に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項3】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して前記履歴案件ベクトル・データを収集する前記ステップにおいて、前記ベクトル・データの各ベクトルにベクトル・タイプが割り当てられ、ベクトル・タイプが、
異常ベースのガウス・ベクトル・タイプ、
異常ベースのIQRベクトル・タイプ、
平均ベースのベクトル・タイプ、
平均値-中央値ベースのベクトル・タイプ、
標準偏差ベースのベクトル・タイプ、及び
閾値ベースのベクトル・タイプ
からなるベクトル・タイプ群から選択される、請求項1に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項4】
前記閾値ベースのベクトル・データ・タイプが、最大閾値、最小閾値、及び前記最大閾値と前記最小閾値との組合せのうちの1つを割り当てることを含む、請求項3に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項5】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して前記履歴案件ベクトル・データを収集する前記ステップにおいて、前記ベクトル・データの各ベクトルにオブジェクト・タイプが割り当てられ、前記オブジェクト・タイプが、クライアント・オブジェクト・タイプ、相手担当者オブジェクト・タイプ、及び案件オブジェクト・タイプのうちの1つを含む、請求項1に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の機械学習異常検出モデルが、教師あり機械学習異常検出モデルを含む、請求項1に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項7】
前記1つ又は複数の異常が、
点異常タイプ、
文脈的異常タイプ、及び
集合的異常タイプ
からなる異常タイプ群から選択される少なくとも1個の異常タイプを含む、請求項1に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項8】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用してシグナル・レポートを生成するステップが、前記1つ又は複数の異常を有効な異常として検証することを含む、請求項1に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項9】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して前記サービス・プロバイダのエージェントに前記シグナル・レポートを提供するステップが、前記サービス・プロバイダの前記エージェントに前記シグナル・レポートを表示するダッシュボード・ユーザ・インターフェースを提供することを含む、請求項1に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項10】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して前記サービス・プロバイダのエージェントに前記シグナル・レポートを提供するステップが、前記シグナル・レポートの通知をユーザに配信することを含む、請求項1に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項11】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して前記サービス・プロバイダのエージェントに前記シグナル・レポートを提供するステップが、前記シグナル・レポートに基づいて、前記クライアント・サービス・システムによって前記サービス・プロバイダの前記エージェントに提供されるユーザ・インターフェース画面をカスタマイズすることを含む、請求項1に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項12】
クライアントの満足を事前対応として検出するためのコンピューティング・システム実施方法であって、
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して、サービス・プロバイダのクライアントに関連する案件を表す現在の案件データを取得するステップと、
1つ又は複数の機械学習ベースの言語処理モデルに前記現在の案件データを提供するステップと、
前記1つ又は複数の機械学習ベースの言語処理モデルを使用して、1つ又は複数の特定の現在のクライアント案件の前記現在の案件データ内の1つ又は複数のクライアント感情を識別するステップと、
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して、シグナル・レポートを生成するステップであって、前記シグナル・レポートが、1つ又は複数の識別されたクライアント感情を有する前記1つ又は複数の特定の案件と、1つ又は複数の識別された1つ又は複数のクライアント感情を有するリスト化されたより具体的な現在のクライアント案件に関連する前記特定の1つ又は複数のクライアント感情とのそれぞれのリストを含む、ステップと、
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して、前記サービス・プロバイダのエージェントに前記シグナル・レポートを提供するステップと
を含み、
前記エージェントが前記特定の1つ又は複数のクライアント感情のうちの1つ又は複数が誤り感情指定であると示したときに、誤り感情指定フィードバック特徴(false sentiment designation feedback)が生成される、コンピューティング・システム実施方法。
【請求項13】
前記現在の案件データが、クライアント案件会話データ、エージェント案件会話データ、及び案件調査結果コメント・データのうちの1つ又は複数を表すテキスト・データを含む、請求項12に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項14】
前記1つ又は複数の機械学習ベースの言語処理モデルが、複数の感情指標を表すコーパス・データを含む、請求項12に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項15】
前記サービス・プロバイダの前記エージェントに提供される前記シグナル・レポートが、リスト化されたより具体的な現在のクライアント案件に関連する前記特定の1つ又は複数のクライアント感情のそれぞれについての誤り感情指定フィードバック特徴としてのレポートを含、請求項12に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項16】
前記1つ又は複数の機械学習ベースの言語処理モデルの訓練データが、前記エージェントによって生成された誤り感情指定フィードバック特徴から生成される、請求項15に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項17】
前記リスト化されたより具体的な現在のクライアント案件に関連する前記特定の1つ又は複数のクライアント感情がネガティブ感情タイプである、請求項12に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項18】
前記リスト化されたより具体的な現在のクライアント案件に関連する前記特定の1つ又は複数のクライアント感情がポジティブ感情タイプである、請求項12に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項19】
前記リスト化されたより具体的な現在のクライアント案件に関連する前記特定の1つ又は複数のクライアント感情が緊急感情タイプである、請求項12に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項20】
前記サービス・プロバイダのエージェントに前記シグナル・レポートを提供するステップが、前記エージェントに前記シグナル・レポートを表示するダッシュボード・ユーザ・インターフェースを提供することを含む、請求項12に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項21】
前記サービス・プロバイダのエージェントに前記シグナル・レポートを提供するステップが、前記シグナル・レポートの通知を前記エージェントに配信することを含む、請求項12に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項22】
前記サービス・プロバイダのエージェントに前記シグナル・レポートを提供するステップが、前記シグナル・レポートに基づいて、前記クライアント・サービス・システムによって前記エージェントに提供されるユーザ・インターフェース画面をカスタマイズすることを含む、請求項12に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項23】
前記1つ又は複数のクライアント感情が誤り感情指定フィードバックに関連付けられている場合、前記クライアント感情のうちの1つ又は複数が前記シグナル・レポートから削除される、請求項15に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項24】
前記現在の案件のベクトル・データを取得する前記ステップにおいて、前記ベクトル・データの他のベクトルに関連して前記ベクトル・データの各ベクトルに重みが割り当てられる、請求項12に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項25】
クライアントの満足を事前対応として検出するためのコンピューティング・システム実施方法であって、
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して、1つ又は複数のクライアント・サービス・システムから履歴案件ベクトル・データを収集するステップと、
前記履歴案件ベクトル・データを使用して、1つ又は複数の機械学習異常検出モデルを、案件データ内のクライアントの潜在的な不満を示す異常を検出するように訓練するステップと、
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して、サービス・プロバイダの1つ又は複数のクライアントに関連する現在のクライアント案件を表す現在の案件ベクトル・データを取得するステップと、
前記現在の案件ベクトル・データを前記訓練済みの1つ又は複数の機械学習異常検出モデルに提供するステップと、
前記1つ又は複数の機械学習異常検出モデルを使用して、1つ又は複数の特定の現在のクライアント案件の前記現在の案件ベクトル・データ内の1つ又は複数の異常を識別するステップと、
前記現在の案件ベクトル・データを1つ又は複数の機械学習ベースの言語処理モデルに提供するステップと、
前記1つ又は複数の機械学習ベースの言語処理モデルを使用して、1つ又は複数の特定の現在のクライアント案件の前記現在の案件ベクトル・データ内の1つ又は複数のクライアント感情を識別するステップと、
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して、シグナル・レポートを生成するステップであって、前記シグナル・レポートが、
1つ又は複数の識別された異常を有する前記1つ又は複数の特定の現在のクライアント案件と、1つ又は複数の識別された異常を有するリスト化されたより具体的な現在のクライアント案件に関連する前記特定の1つ又は複数の異常とのそれぞれのリスト、及び
1つ又は複数の識別されたクライアント感情を有する前記1つ又は複数の特定の案件と、1つ又は複数の識別された1つ又は複数のクライアント感情を有するリスト化されたより具体的な現在のクライアント案件に関連する前記特定の1つ又は複数のクライアント感情とのそれぞれのリスト
を含む、ステップと、
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して、前記サービス・プロバイダのエージェントに前記シグナル・レポートを提供するステップと
を含み、
前記エージェントが前記特定の1つ又は複数のクライアント感情のうちの1つ又は複数が誤り感情指定であると示したときに、誤り感情指定フィードバック特徴が生成される、コンピューティング・システム実施方法。
【請求項26】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して前記履歴案件ベクトル・データを収集する前記ステップにおいて、前記ベクトル・データの他のベクトルに関連して前記ベクトル・データの各ベクトルに重みが割り当てられる、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項27】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して前記履歴案件ベクトル・データを収集する前記ステップにおいて、前記ベクトル・データの各ベクトルにベクトル・タイプが割り当てられ、ベクトル・タイプが、
異常ベースのガウス・ベクトル・タイプ、
異常ベースのIQRベクトル・タイプ、
平均ベースのベクトル・タイプ、
平均値-中央値ベースのベクトル・タイプ、
標準偏差ベースのベクトル・タイプ、及び
閾値ベースのベクトル・タイプ
からなるベクトル・タイプ群から選択される、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項28】
前記閾値ベースのベクトル・データ・タイプが、最大閾値、最小閾値、及び前記最大閾値と前記最小閾値との組合せのうちの1つを割り当てることを含む、請求項27に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項29】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して前記履歴案件ベクトル・データを収集する前記ステップにおいて、前記ベクトル・データの各ベクトルにオブジェクト・タイプが割り当てられ、前記オブジェクト・タイプが、クライアント・オブジェクト・タイプ、相手担当者オブジェクト・タイプ、及び案件オブジェクト・タイプのうちの1つを含む、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項30】
前記1つ又は複数の機械学習異常検出モデルが、教師あり機械学習異常検出モデルを含む、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項31】
前記1つ又は複数の異常が、
点異常タイプ、
文脈的異常タイプ、及び
集合的異常タイプ
からなる異常タイプ群から選択される少なくとも1個の異常タイプを含む、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項32】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用してシグナル・レポートを生成するステップが、前記1つ又は複数の異常を有効な異常として検証することを含む、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項33】
前記現在の案件ベクトル・データが、クライアント案件会話データ、エージェント案件会話データ、及び案件調査結果コメント・データのうちの1つ又は複数を表すテキスト・データを含む、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項34】
前記1つ又は複数の機械学習ベースの言語処理モデルが、複数の感情指標を表すコーパス・データを含む、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項35】
前記サービス・プロバイダの前記エージェントに提供される前記シグナル・レポートが、リスト化されたより具体的な現在のクライアント案件に関連する前記特定の1つ又は複数のクライアント感情のそれぞれについての誤り感情指定フィードバック特徴としてのレポートを含、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項36】
前記1つ又は複数の機械学習ベースの言語処理モデルの訓練データが、前記エージェントによって生成された誤り感情指定フィードバック特徴から生成される、請求項35に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項37】
前記リスト化されたより具体的な現在のクライアント案件に関連する前記特定の1つ又は複数のクライアント感情がネガティブ感情タイプである、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項38】
前記リスト化されたより具体的な現在のクライアント案件に関連する前記特定の1つ又は複数のクライアント感情がポジティブ感情タイプである、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項39】
前記リスト化されたより具体的な現在のクライアント案件に関連する前記特定の1つ又は複数のクライアント感情が緊急感情タイプである、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項40】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して前記サービス・プロバイダのエージェントに前記シグナル・レポートを提供するステップが、前記サービス・プロバイダの前記エージェントに前記シグナル・レポートを表示するダッシュボード・ユーザ・インターフェースを提供することを含む、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項41】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して前記サービス・プロバイダのエージェントに前記シグナル・レポートを提供するステップが、前記シグナル・レポートの通知をユーザに配信することを含む、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項42】
1つ又は複数のコンピューティング・システムを使用して前記サービス・プロバイダのエージェントに前記シグナル・レポートを提供するステップが、前記シグナル・レポートに基づいて、前記クライアント・サービス・システムによって前記サービス・プロバイダのエージェントに提供されるユーザ・インターフェース画面をカスタマイズすることを含む、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項43】
前記1つ又は複数のクライアント感情が誤り感情指定フィードバックに関連付けられている場合、前記クライアント感情のうちの1つ又は複数が前記シグナル・レポートから削除される、請求項35に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【請求項44】
前記現在の案件のベクトル・データを取得する前記ステップにおいて、前記ベクトル・データの他のベクトルに関連して前記ベクトル・データの各ベクトルに重みが割り当てられる、請求項25に記載のコンピューティング・システム実施方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
非中核業務のサードパーティへのアウトソーシングは、最新のビジネス・モデル及び組織モデルの標準構成要素である。
【背景技術】
【0002】
したがって、多くの組織は、サードパーティのサービス・プロバイダを利用して組織の様々な機能及び業務を実行している。具体的な例証的実例として、多くの組織は、日常業務において複数のソフトウェア・システムに依存している。多くの場合、これらの組織は、単に「エンタープライズ・ソフトウェア」とも呼ばれる1つ又は複数のエンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェア・システム(EAS)を使用する。EASシステムは、組織内の個人ではなく、組織全体又は企業全体のニーズに対応するソフトウェア能力を提供するように設計される。したがって、EASシステムは通常、非常に複雑なシステムである。組織は多くの場合、これらのソフトウェア・システムの複雑さを考慮して、組織によって使用される様々なソフトウェア・システムをサポートするためにソフトウェア・サービス・プロバイダに頼る。通常、ソフトウェア・サービス・プロバイダのこれらの組織又はクライアントは、サポートされているソフトウェアに依存して収益を生み出し、経費を管理する。したがって、ソフトウェア・サービス・プロバイダによって提供されるサービスは、多くの場合、クライアントにとって重要であり、提供される実装、保守、及び問題解決サービスは通常、非常に迅速且つ正確に実行される必要がある。
【0003】
サービス・プロバイダは通常、そのクライアントの信頼を確立及び維持するために、1つ又は複数のクライアント・サービス・システム又はクライアント関係管理システムを利用して、サービス・プロバイダによって実行される様々な仕事に関するデータを追跡及び収集する。クライアント・サービス・システムの具体的な実例の1つは、Salesforce(商標)である。従来のクライアント・サービス・システムによって収集されたデータにより、サービス・プロバイダのエージェント(通常は人間のエージェント)は、仕事の進行状況を追跡することができ、その結果、エージェントはクライアントとの関係を効率的且つ効果的に管理することができる。
【0004】
従来のクライアント・サービス・システムを使用して、クライアントの仕事又は問題に基づいて案件が作成される。案件が解決又は終了するまで、各案件が追跡され、データが収集される。案件が追跡されるとき、通常、案件の存続期間を通じて様々な案件パフォーマンス・データが生成される。次いで、従来のクライアント・サービス・システムを使用して、案件パフォーマンス・データを分析し、様々な方法を使用してクライアントの案件を処理する際のサービス・プロバイダのパフォーマンスを判断することができる。
【0005】
従来のクライアント・サービス・システムは非常に効果的である可能性があり、クライアントの仕事を追跡し、クライアントとの関係を維持するための強力なツールである。しかしながら、従来のクライアント・サービス・システムは主に事後対応型システムであり、問題がすでに発生した後、又は少なくとも重大な若しくは深刻な問題になった後に、その問題をサービス・プロバイダのエージェントに警告するだけである。例えば、従来のクライアント・サービス・システムを使用している場合、クライアントが問題を報告したとき、又はデータ内の大幅な逸脱が問題を示しているときにのみ、エージェントは警告を受ける。他の事例では、従来のクライアント・サービス・システムを使用している場合、管理者は通常、エージェントによって実行されたアクションの履歴分析を監視するときにのみ、担当するエージェントのパフォーマンスに気付き、そのパフォーマンスに対応する。例えば、管理者は、エージェントが問題を解決するのにかかる平均時間を調査し、エージェントの平均解決時間が他のエージェントの平均を超えていることが分かったときに対応する場合がある。この実例では、管理者の対応は、そのようなエージェントに追加の訓練を提供するか、又は案件がタイムリーに解決されない場合は別のエージェントに案件を移管することであり得る。別の実例として、クライアントがサービス又はサービスを実行しているエージェントのレビューを提出したときに、管理者は、不満のあるクライアントに気付く場合がある。
【0006】
従来のクライアント・サービス・システムを使用している場合、通常は、サービス・プロバイダが問題又はクライアントとの関係の低下に気付く前に、問題がすでに発生しているか、又は少なくともクライアントが大きな不満を抱くほどに深刻化しているので、従来のクライアント・サービス・システムのこのタイプの事後対応型の動作は重大な問題である。その結果、問題が解決される前に、クライアントの信用及び信頼を大きく損なう可能性がある。上述したように、多くの場合、この信用及び信頼はクライアント/サービス・プロバイダの関係にとって重要であるため、従来のクライアント・サービス・システムの事後対応的な性質は、関係に害を及ぼすことが多い。さらに、これによりクライアントが別のサービス・プロバイダを選択することにつながるおそれがある。
【0007】
したがって、従来のクライアント管理システムは、サービス・プロバイダによって実行されるクライアント・サポートの履歴上の問題を発見するのに効果的であるが、その問題がクライアントの関係に深刻な害を及ぼした可能性があるため、損害は元に戻せず、問題を是正する時間はない。したがって、これらの場合、失われたクライアントに関する履歴分析は、少なくともそのクライアントに関しては現実的意味を失う。
【0008】
したがって、クライアントの問題を早期に且つその問題が重大な問題になる前に特定又は予測し、これにより、問題がサービス・プロバイダ/クライアントの関係に悪影響を与える前にサービス・プロバイダが問題に事前対応として対処できるようにする能力をクライアント管理システムに提供するという、長年の技術的問題に対する技術的解決策が非常に必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の実施例は、より予測的で事前対応型のクライアント管理システムを提供するという技術的問題に対する技術的解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施例では、本開示の技術的解決策は、1つ又は複数のクライアント・サービス・システムから履歴案件データを収集するステップと、履歴案件データを使用して、1つ又は複数の機械学習異常検出モデルを、案件データ内のクライアントの潜在的な不満を示す異常を検出するように訓練するステップとを含む。1つ又は複数の機械学習異常検出モデルが訓練されると、訓練済みの1つ又は複数の機械学習異常検出モデルに現在の案件データが提供され、現在の案件データ内の異常が識別される。特定の案件の案件データ内で1つ又は複数の異常が検出されると、その案件及び検出された異常は、サービス・プロバイダのエージェント又は管理者に知らされ、その後エージェント又は管理者は、クライアントの不満が高まる前に、異常に対処する又は異常を是正するように事前対応として行動することができる。
【0011】
一実施例では、本開示の技術的解決策は、クライアント・サービス・システムから、クライアントとサービス・プロバイダとの間のコミュニケーションを表す非構造化会話型データを含む案件データを収集するステップを含む。次に、自然言語処理方法などの機械学習方法を使用して、クライアントとサービス・プロバイダとの間のコミュニケーションにおけるクライアント感情を識別する。検出された感情は、案件の処理に対するクライアントの満足若しくは不満、又は案件に介入する必要があることの緊急性を示す可能性がある。特定の案件の案件データ内で1つ又は複数の感情が検出されると、その案件及び検出された感情は、サービス・プロバイダのエージェント又は管理者に知らされ、その後エージェント又は管理者は、クライアントの不満が高まる前に、検出された感情に対処するように事前対応として行動することができる。
【0012】
一実施例では、本開示の技術的解決策は、クライアント・サービス・システムから履歴案件データを収集するステップと、履歴案件データを使用して、1つ又は複数の機械学習異常検出モデルを、案件データ内のクライアントの潜在的な不満を示す異常を検出するように訓練するステップとを含む。1つ又は複数の機械学習異常検出モデルが訓練されると、訓練済みの1つ又は複数の機械学習異常検出モデルに現在の案件データが提供され、現在の案件データ内の異常が識別される。さらに、会話型データ内の任意のクライアント感情を識別するために、クライアントとサービス・プロバイダとの間のコミュニケーションを表す非構造化会話型データを含む現在の案件データも、機械学習言語処理方法を使用して処理される。
【0013】
機械学習異常検出モデル及び機械学習言語処理方法を使用して現在の案件データが処理されると、特定の案件の案件データ内で検出された異常、及び/又は特定の案件の案件データ内で検出された感情は、レポートに収集され、通知、アラート、シグナル、ユーザ・インターフェース表示、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のレポート・フォーマットとして提供される。検出された異常及び感情は、サービス・プロバイダのエージェント又は管理者に知らされ、その後エージェント又は管理者は、クライアントの不満が高まる前に、検出された異常及び/又は感情に対処するように事前対応として行動することができる。レポートに収集された異常及び/又は感情は、用途に応じて一定期間又は他の間隔での集計として特別に収集され得ることを理解されたい。
【0014】
本開示の実施例を使用する場合、機械学習方法を使用して、サービス・プロバイダによって提供されるサポートに対するクライアントの満足度を比較的リアルタイムで監視し、その結果、クライアントの不満度が許容できないレベルに上昇する前に、主要業績評価指標又は他の組織の指標によって定義されるように必要な是正措置を講じることができる。したがって、本開示の実施例は、クライアントの問題が深刻化する前にその問題を識別又は予測することができるクライアント管理システムを提供するという長年の技術的問題に対する技術的解決策に相当する。その結果、サービス・プロバイダは、本開示の実施例を使用して、問題がサービス・プロバイダ/クライアントの関係に悪影響を与える前に、事前対応として問題に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】事前対応型クライアント関係分析システムを実装するためのアプリケーション環境の高レベル・ブロック図である。
図2A】クライアント・サービス・システム及びベクトル収集器モジュールのより詳細なブロック図を含む、事前対応型クライアント関係分析のためのアプリケーション環境のブロック図である。
図2B】事前対応型クライアント関係分析に使用される案件データの例証的で非網羅的なユーザ・インターフェースの実例を示す図である。
図2C】事前対応型クライアント関係分析に使用されるベクトル・データの例証的で非網羅的なリストを示す図である。
図2D】事前対応型クライアント関係分析に使用されるベクトル・データの例証的で非網羅的なリストを示す図である。
図3】シグナル・プロセッサ・モジュールのより詳細なブロック図を含む、事前対応型クライアント関係分析のためのアプリケーション環境のブロック図である。
図4】検証及び統一モジュール(validation and consolidation module)のより詳細なブロック図を含む、事前対応型クライアント関係分析のためのアプリケーション環境のブロック図である。
図5A】ユーザ・インターフェース・モジュールのより詳細なブロック図を含む、事前対応型クライアント関係分析のためのアプリケーション環境のブロック図である。
図5B図5Aのユーザ・インターフェース・モジュールによって生成されたシグナル・レポートの例証的実例を示す図である。
図5C図5Aのユーザ・インターフェース・モジュールによって生成されたシグナル・レポートの例証的実例を示す図である。
図5D】感情シグナルに基づいて識別され、事前対応型クライアント関係分析に使用される感情レポート・データの例証的で非網羅的なユーザ・インターフェースの実例を示す図である。
図6】事前対応型クライアント関係分析に使用されるシグナル・レポート・データの例証的で非網羅的なユーザ・インターフェースの実例を示す図である。
図7】事前対応型クライアント関係分析のためのベクトル制御の例示的な表である。
図8】事前対応型クライアント異常検出のためのプロセスの流れ図である。
図9】事前対応型クライアント感情検出のためのプロセスの流れ図である。
図10】事前対応型クライアント関係分析のためのプロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図及び詳細な説明全体を通して、同様の要素を示すために共通の参照番号が使用されている。当業者には、上記の図が実例であること、及び特許請求の範囲に記載されている本発明の特性及び特徴から逸脱することなく他のアーキテクチャ、動作モード、動作順序、要素、及び機能が提供及び実施され得ることが容易に理解されよう。
【0017】
次に、1つ又は複数の例示的な実施例を示す添付の図を参照して、実施例について説明する。実施例は、多くの異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載の実施例、図に示された実施例、及び/又は以下に記載の実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施例は、特許請求の範囲に記載されている本発明の原理を当業者に伝える完全な開示を可能にするために提供されるものである。
【0018】
以下でより詳細に述べるように、本開示の実施例は、より予測的で事前対応型のクライアント管理システムを提供するという技術的問題に対する技術的解決策に相当する。この目的のために、本開示の実施例は、機械学習モデルを利用して、クライアント・サポート・システム・データから生成されたベクトル・データを分析してクライアントのシグナルを検出することによる、事前対応型クライアント・シグナル検出を含む。一実施例では、ベクトル・データは、ベクトル代数演算の実行対象となり得るデータ・フィールドのリストを表す。ベクトル・データは、案件、案件に関連するクライアント、及びクライアントの相手担当者(contact)代表などの案件に関連するクライアントの相手担当者などであるがこれらに限定されない相互に関連するオブジェクトに関連付けられ得る。ベクトル・データは、本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のオブジェクトにも関連付けられ得ることを理解されたい。
【0019】
以下でより詳細に述べるように、様々な実施例によれば、クライアントのシグナルは、ネガティブなシグナル又はポジティブなシグナルのいずれかであり得る。事前対応型分析を実行する場合、クライアントとの関係に害を及ぼすことを防ぐネガティブなシグナルを事前対応として検出するだけでなく、クライアントとの関係を強化するポジティブなシグナルを事前対応として検出することも有益であることを理解されたい。例えば、検出されたネガティブなシグナルは、エージェント又は管理者のいずれかが注意を払う必要があることを示す可能性がある。検出されたポジティブなシグナルは、他のエージェント及び管理者と共有できるベスト・プラクティスが明らかになったことを示す可能性がある。本開示の実施例によるネガティブなシグナルとポジティブなシグナルとの両方を事前対応として検出することにより、管理者は、組織を戦略的に成長させ続けるために、サービス・プロバイダ組織の全体的な状態を評価できるようになることを理解されたい。
【0020】
以下でより詳細に述べるように、様々な実施例において、シグナルは、構造化データ内の異常から検出され得る。一実施例では、異常は、予想される結果とは異なる発見された結果である。一実施例では、異常は、点異常、傾向異常、或いは本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の異常タイプであり得る。本開示の実施例によれば、傾向異常は、履歴データが時間とともに傾向線に沿って変化していることが発見されたときに、履歴データの分析を通じて発見される。例えば、クライアントが1週間に平均30件の案件を記録し、次に今週にクライアントが300件の案件を記録すると、データの傾向の変化に基づいて傾向異常が検出され得る。本開示の実施例によれば、点異常は、他のデータ点の平均などの統計から逸脱する単一のデータ点を通して発見される。例えば、クライアントは5つの調査スコアのうち2つの調査スコアを提供する可能性があり、これは、5つのうち4つという以前のスコアからの偏差である可能性がある。
【0021】
以下でより詳細に述べるように、本開示の実施例によれば、シグナルは、非構造化データ内の感情から検出され得る。一実施例では、非構造化データは、クライアントとエージェントとの間のコミュニケーションを表す会話データである。例えば、会話データは、クライアントとエージェントとの間で送信されるテキスト・メッセージを表し得る。この実例では、各テキスト・メッセージは、非構造化データを表す文章の段落である場合がある。このような非構造化データは、プラス1からマイナス1の極性スコアに基づいて発見された感情を含む。
【0022】
以下でより詳細に述べるように、ポジティブな極性スコアはポジティブな感情を示す。例えば、ポジティブな感情は、非構造化データ内の「嬉しい(happy)」という単語から発見され得る。ネガティブな極性スコアは、ネガティブな感情を示す。例えば、ネガティブな感情は、非構造化データ内の「非常にいら立っている(very frustrated)」という句から発見され得る。本開示の実施例によれば、非構造化データ内の単語及び句は、コーパスを形成する。一実施例では、コーパスは、当技術分野で知られているように自然言語処理コンテキスト内で分析され得るテキストの集合体である。一実施例では、感情は、緊急の感情である可能性があり、その場合、非構造化データには、「私たちのプロダクション環境にとって重要である」という句など、案件をより経験豊富なエージェントにエスカレーションする必要があるという指示が含まれると判断される。このようなコーパスは、将来的にエスカレーションが必要になることを示す、クライアントについて生じる問題の緊急性に関連している。したがって、定義されたコーパスの緊急性に基づいて案件を分類することができる。
【0023】
以下でより詳細に述べるように、本開示の実施例は、サービス・プロバイダによって現在サービスされている案件に関連する案件データのシグナルを事前対応として検出する。サービス・プロバイダは、問題を解決するために行われた作業を、サービス・プロバイダのクライアント・サービス・システム内の案件データとして記録する。案件データは、サービス・プロバイダの検出管理システムによって受信される。受信された案件データをベクトル・データへと処理するための命令、及びベクトル・データから生成されたシグナル・データを検証するための命令を提供する制御データが生成される。受信された案件データは、機械学習ベースの技法によるベクトル・データの分析を提供する制御データを処理するための命令に基づいて、ベクトル・データへと処理される。
【0024】
以下でより詳細に述べるように、一実施例では、異常シグナル・プロセッサ・モジュールは、ベクトル・データ内の異常データを検出し、感情シグナル・プロセッサ・モジュールは、ベクトル・データ内の感情データを検出する。異常データ及び感情データは、検証規則を含む制御データに基づいて検証される。検証されたシグナル・データは、ユーザ・インターフェースを介してサービス・プロバイダの管理者などのユーザに表示される。
【0025】
説明のために、本明細書では、クライアントが、1つ又は複数のエンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェア(EAS)システムを利用する企業又は組織、すなわちエンタープライズ・ソフトウェア・クライアントであり、サービス・プロバイダが、クライアントのEASシステムを実装及び保守することを任されているソフトウェア・サービス・プロバイダである場合の具体的な実例を提供する。しかしながら、当業者には、本開示の実施例が他のタイプのクライアント/サービス・プロバイダの関係で利用及び使用され得ることが容易に認識されよう。したがって、エンタープライズ・ソフトウェア・クライアント/ソフトウェア・サービス・プロバイダの関係の具体的な例証的実例は、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲に限定されない。
【0026】
一実施例では、サービス・プロバイダのクライアントは、クライアントのビジネスを管理するためにエンタープライズ・ソフトウェアを利用している。一実施例では、クライアントは、クライアントの問題を解決するために、エンタープライズ・ソフトウェアのサポート経験のあるサービス・プロバイダと契約する。クライアントは、正しく機能するエンタープライズ・ソフトウェアに依存しているため、クライアントは、サービス・プロバイダが問題をタイムリーに解決することを強く期待しており、これは多くの場合、エンタープライズ・ソフトウェアの複雑さにより、日単位で測定される。サービス・プロバイダがサービスを提供するクライアントのすべての問題を追跡するのを支援するために、サービス・プロバイダは、典型的には、クライアント・サービス・システムを利用してクライアントのすべての案件を追跡する。典型的なシナリオでは、サービス・プロバイダが仕事を任されたとき、又はクライアントのエンタープライズ・ソフトウェアの問題について警告を受けたとき、案件がクライアント・サービス・システムに記録され、サービス・プロバイダの1人又は複数のエージェント(通常は人間)が解決のために案件に割り当てられる。
【0027】
エージェントが作業して案件を完了したとき、クライアント・サービス・システムの案件データに新しいデータが追加される。案件データは、データ・フィールドに入力するフォーマットで構造化され得る。この構造化データは、非限定的な実例として、リレーショナル・データベースなどのデータベースにおいて整理及び保存できる定義済みの長さ及びフォーマットを有する。このような構造化データは、多くの場合、構造化データの一貫したフォーマットにより、計算分析、具体的には機械学習ベースの異常検出分析の対象となり得る。
【0028】
以下でより詳細に述べるように、所与の案件に関連する構造化データは、様々な案件情報を表すデータを含むことができ、様々な案件情報は、案件に関するクライアントとサービス・プロバイダとの間のコミュニケーションの数、案件の存続期間、案件に関連する応対時間、所与の案件においてクライアントによって作成された文書又は他の要求の数、案件においてクライアントによって要求された更新の数、案件の平均更新時間、所与の案件を処理するサービス・プロバイダのエージェントが変更された回数、案件に関連するクライアントのエスカレーション履歴、すなわち、クライアントについて、不満を理由に案件をどのくらいの頻度でエスカレーションしたか、案件に関連してクライアントによって提出されたレビューの低い範囲及び高い範囲、案件においてクライアントの特定の相手担当者によって提出されたレビューの低い範囲及び高い範囲、案件に関連するサービス・プロバイダ・エージェントのクライアント・レビューの低い範囲及び高い範囲、案件の優先順位、案件に関連するクライアントのサービス契約の更新時期、案件に関連するクライアントのサービスの開始、案件に関連するクライアントを参照するための戦略的価値及び能力、並びに本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる、サービス・プロバイダによって提供されるサービスに対するクライアントの満足を潜在的に示すと見なされる案件に関連する任意の他の構造化データなどであるが、これらに限定されない。
【0029】
以下でより詳細に述べるように、構造化データに加えて、案件に関する情報は、コメント・フィールドに入力するフォーマットで構造化されていない場合がある。非構造化データの実例は、クライアントとサービス・プロバイダのエージェントとの間のテキスト・ベースの会話である。典型的なクライアント・サービス・システムは、テキスト、電子メール、文字起こしされた録音などの形式で、クライアントとエージェントとの間の会話型の対話を可能にする。これらの会話型の対話は、非構造化会話型データを生成する。以下でより詳細に述べるように、本開示の実施例を使用する場合、1つ又は複数のタイプの自然言語処理(NLP)機械学習システムを使用して、この非構造化会話型データを分析して、案件に関連するクライアントの感情及びエスカレーションの緊急性を検出することができる。
【0030】
以下でより詳細に述べるように、本開示の実施例によれば、クライアント・サービス・システムのアクティブな又は現在の案件データは、検出管理システムを使用して分析される。一実施例では、検出管理システムは、クライアントがサービス・プロバイダから適切なサービスを受けているかどうかを判定するための異常検出及び/又はNLPモジュールを含み得る。したがって、クライアント・サービス・システムは、案件データをサービス・プロバイダの検出管理システムに配信する。一実施例では、検出管理システムは、統合及び集約を通じて、案件データを処理し、機械学習モデルによる分析の対象となるベクトル・データへとフォーマットする。
【0031】
以下でより詳細に述べるように、検出管理システムは、異常について構造化データを分析するための異常検出器機械学習モデルと、感情について非構造化データを分析するための感情検出器機械学習モデルとを含み得る。異常は、他の構造化データとの関係で予期しない構造化データに関連している。感情とは、サービス・プロバイダによって提供されているサービスが、一般的に役立つのでポジティブであること、又は一般的に役に立たないためにネガティブであることを示す単語における表現である。
【0032】
本明細書に開示される検出管理システムは、クライアントが嬉しくなっているのか、又は残念に思っている(unhappy)のかを、早い段階で、クライアント/サービス・プロバイダの関係に重大な害が及ぶ前に事前対応として判定する。これにより、管理者又は他のサービス・プロバイダのエージェントは、この判定に基づいて事前対応型アクションを実行することが可能になる。
【0033】
したがって、本明細書に開示される検出管理システムは、クライアントが嬉しくなっているのか、又は残念に思っているのかを、早い段階で、クライアント/サービス・プロバイダの関係に重大な害が及ぶ前に事前対応として判定する。これにより、管理者又は他のサービス・プロバイダのエージェントは、この判定に基づいて事前対応型アクションを実行することが可能になる。
【0034】
図1は、事前対応型クライアント関係分析のためのアプリケーション環境100の高レベル・ブロック図である。図1の図は例示を目的としたものであり、限定するものではないことを理解されたい。図1において、アプリケーション環境100は、検出管理システム111を含むサービス・プロバイダ・コンピューティング環境110を含む。一実施例では、アプリケーション環境100は、プロダクション環境である。他の実施例では、アプリケーション環境100は、開発環境、品質保証環境、前述の環境の組合せ、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる任意の他の環境である。検出管理システム111は、ベクトル収集器モジュール120と、シグナル・プロセッサ・モジュール130と、検証及び統一モジュール140と、ユーザ・インターフェース・モジュール150とを含む。
【0035】
図1において、検出管理システム111は、プロセッサ115と、メモリ116とを含む。メモリ116は、顧客に提供されるサービスに関連するデータを格納する検出管理データベース190を含む。検出管理データベース190は、訓練データ191と、制御データ192と、ベクトル・データ193と、シグナル・データ194とを含む。メモリ116は、その中に記憶された命令を含み、命令は、プロセッサ115によって実行されると、事前対応型クライアント関係分析のためのプロセスを実行する。
【0036】
アプリケーション環境100は、ベクトル収集器モジュール120、シグナル・プロセッサ・モジュール130、検証及び統一モジュール140、及びユーザ・インターフェース・モジュール150のプロセス、並びに他のプロセスを表す命令を含む。前述のように、本発明の特定の実施例を実行するために、プロダクション環境の代わりに、案件オブジェクト、クライアント・オブジェクト、及び相手担当者オブジェクトのシグナルを特定するために使用される感情及び異常の所望の検出に応じて、訓練環境、テスト環境、又は開発環境を利用することができる。
【0037】
一実施例では、訓練データ191は、1つ又は複数のクライアント・サービス・システムからの履歴案件データを含む。一実施例では、履歴案件データを使用して、1つ又は複数の機械学習異常検出モデルを、案件データ内のクライアントの潜在的な不満を示す異常を検出するように訓練する。
【0038】
知られている様々な異常検出モデル、又は任意の他の知られている教師ありモデルのいずれかを、機械学習ベースの異常検出モデルとして利用することができる。具体的な例証的実例として、機械学習ベースの異常検出モデルは、ガウス分布、四分位範囲(IQR:Interquartile Range)、又はサポート・ベクトル・マシン(SVM)機械学習ベースの異常検出モデルのうちの1つ又は複数とすることができる。他の場合には、機械学習ベースの異常検出モデルは、本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に知られるようになる任意の異常検出モデルとすることができる。
【0039】
一実施例では、訓練データ191は、機械学習ベースの自然言語処理モデルを訓練するために利用されるコーパス・データを含む。以下でより詳細に述べるように、このようなコーパス・データは、ポジティブ及びネガティブな感情を検出するために使用されるキーワード、句、又は語幹を表すデータを含む。以下で説明するように、一実施例では、ユーザ・インターフェース・モジュール150は、サービス・プロバイダのエージェント又は管理者が、フィードバックを提供して、フィードバック・ループ内の機械学習モデルを改良及び再訓練し、異常及び/又は感情検出においてより正確な結果を実現することを可能にする。
【0040】
本明細書に述べる機械学習モデルは、教師あり学習方法論(例えば、分類及び/又は回帰)、教師なし学習方法論(例えば、クラスタリング及び/又は関連付け)、半教師あり学習方法論(例えば、教師あり及び教師なし)、並びに他の学習方法論を利用して訓練され得る。
【0041】
図2Aに関して以下でより詳細に述べるように、ベクトル収集器モジュール120は、クライアント・サービス・システム180などの1つ又は複数の案件データ・ソースから案件データを収集する。図1には1つのクライアント・サービス・システム180が示されているが、通信チャネル118などの1つ又は複数の通信チャネルを介して検出管理システム111に結合された任意の数のクライアント・サービス・システム180が存在し得ることを理解されたい。クライアント・サービス・システム180は、クライアントに代わってサービス・プロバイダによって処理されている案件又は仕事に関する案件データ、及びサービス・プロバイダのエージェントが問題を解決するためにクライアントと交わした様々な対話を含む。
【0042】
当技術分野で知られているように、顧客関係管理(CRM:customer relationship management)システムとしても知られるクライアント・サービス・システム180は、典型的には、クラウド・コンピューティング技術を利用してクラウドにおいて提供されるソフトウェア・アズ・ア・サービス(SAAS)である。したがって、案件データは、クライアント・サービス・システム180のすべてのサービス・プロバイダ・ユーザによって利用され得る。したがって、サポート・サービスを提供するエージェントの組織内で、案件の組織的なエスカレーションを提供することができる。さらに、案件データは、要約データなどの処理済みのフォーマット、又は未加工データなどの未処理のフォーマットのいずれかで、検出管理システム111によって利用され得る。
【0043】
図3に関して以下でより詳細に述べるように、シグナル・プロセッサ・モジュール130は、ベクトル収集器モジュール120によって収集されたベクトル・データを処理するために使用される機械学習ベースのモデル又はアルゴリズムを含む。一実施例では、シグナル・プロセッサ・モジュール130のモデル又はアルゴリズムは、現在の案件データにおける異常データなどのシグナル・データを検出するために利用される。一実施例では、案件、相手担当者、又はクライアントなどのオブジェクトについていくつかの異常が検出された場合、シグナル・プロセッサ・モジュール130は、異常をランク付け及び/又は正規化する。
【0044】
図3に関して以下でより詳細に述べるように、一実施例では、シグナル・プロセッサ・モジュール130のモデル又はアルゴリズムは、機械学習ベースの言語/テキスト処理モデル又はアルゴリズムを含む。一実施例では、機械学習ベースの言語/テキスト処理モデル又はアルゴリズムを使用して、クライアントとサービス・プロバイダとの間のコミュニケーションを表す非構造化会話データ内のクライアント感情データなどのシグナル・データを検出する。
【0045】
図3に関して以下でより詳細に述べるように、一実施例では、シグナル・プロセッサ・モジュール130のモデル又はアルゴリズムは、異常シグナル・データとクライアント感情シグナル・データとの両方を検出するために、異常データ機械学習ベースの言語/テキスト処理モデル又はアルゴリズムと、機械学習ベースの言語/テキスト処理モデル又はアルゴリズムとの両方を含み。
【0046】
図4に関して以下でより詳細に述べるように、一実施例では、検証及び統一モジュール140は、検出された異常及び/又はクライアント感情シグナル・データを検証及び統一する。一実施例では、シグナル・プロセッサ・モジュール130によって異常が特定された場合、検証及び統一モジュール140は、検出された異常が真の異常であることを検証する。例えば、案件が24時間ベースで管理されている場合、検証及び統一モジュール140は、案件が24時間体制で処理されているときに案件が様々なエージェントに割り当てられることが適切であること、及び案件があまりにも多くのエージェント間で移管されていないことを検証する。
【0047】
シグナル・データ194は、検証及び統一モジュール140によって処理された後、ユーザ・インターフェース・モジュール150を介してユーザに提示される。
【0048】
図5Aから図5Cに関して以下でより詳細に述べるように、一実施例では、ユーザ・インターフェース・モジュール150は、特定の案件の案件データ内で検出された異常を示すデータ及び/又はレポート、並びに特定の案件の案件データ内で検出された何らかの感情を示すデータ及び/又はレポートを含むがこれらに限定されない様々なデータ及び/又はレポートを、サービス・プロバイダのエージェント及び管理者に提供する。さらに、上記のように、一実施例では、ユーザ・インターフェース・モジュール150は、サービス・プロバイダのエージェント又は管理者がフィードバックを提供して、フィードバック・ループ内の機械学習モデルを改良及び再訓練し、異常及び感情検出においてより正確な結果を実現することを可能にする。
【0049】
図5Aから図5Cに関して以下でより詳細に述べるように、一実施例では、ユーザ・インターフェース・モジュール150は、シグナル情報のダッシュボード・モジュール510と、シグナル情報の通知モジュール520と、シグナル情報のクライアント・サービス・システム180内のインジケータ・モジュール530とを含む。
【0050】
図2Aは、クライアント・サービス・システム180、及び検出管理システム111のベクトル収集器モジュール120のより詳細なブロック図を含む、事前対応型クライアント関係分析のためのアプリケーション環境100を示す。図2Aの図は例示を目的としたものであり、限定するものではないことを理解されたい。図1及び図2Aを合わせて参照すると、アプリケーション環境100は、サービス・プロバイダコンピューティング環境110を含み、サービス・プロバイダコンピューティング環境110は、クライアント・サービス・システム180と、検出管理システム111とを含む。
【0051】
クライアント・サービス・システム180は、案件データ282の作成を提供するクライアント・サービス・モジュール281を含む。案件データ282は、クライアントに関するフィールド・データ、案件に関するフィールド・データ、顧客調査に関するフィールド・データ、顧客調査に関するテキスト・データ、及びクライアントとサービス・プロバイダのエージェントとの間の会話を表す会話データを含む。案件データ282は、構造化データ及び非構造化データを含む。構造化データは、案件に関する特性を分類するために使用されるデータ・フィールドを含む。構造化データは、市場のサービス・プロバイダに対してポジティブな言及を提供したクライアントなどのクライアントに関する特性、国、地域、及びモジュールにわたるクライアントのEASシステム実装の幅、並びに特定のクライアントに関連する契約上の価値を分類するために使用される情報も含む。非構造化データは、テキスト会話などの案件に関連するテキスト・コメント、顧客調査コメント、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のテキスト・コメントを含む。
【0052】
図2Bは、事前対応型クライアント関係分析に使用される案件データ282の例証的で非網羅的なユーザ・インターフェース240の実例を示す。
【0053】
図2Bに見られるように、ユーザ・インターフェース240は、相手担当者情報241と、案件情報242と、会話情報243とを含む案件データ282を描写している。当業者には、図2Bが案件データ282の具体的な例証的実例に過ぎず、そのようなデータの他の多くのタイプ及び構成が発明者によって想定及び企図されていることが容易に理解されよう。結果として、図2Bの案件データ282のタイプ及び構成の具体的な例証的実例は、特許請求の範囲に記載される実施例を限定するものと読まれるべきではない。
【0054】
図2Aを再び参照すると、ベクトル収集器モジュール120によって案件データ282が受信される。一実施例では、クライアント・サービス・システム180は、案件データ282を未加工フォーマットで配信する。別の実施例では、クライアント・サービス・システム180は、案件データ282を統一済みフォーマットで配信する。例えば、統一済みフォーマットの案件データ282は、過去6か月間の平均など、構造化されたフィールドの複数の値の平均であり得る。さらなる実例として、統一済みフォーマットの案件データ282は、案件に関連する文書の数、又は顧客調査スコアの平均であり得る。この実例では、実際の文書は、検出管理システム111によって受信されない。クライアントに関する情報を含む案件データ282は任意のシステムから受信され得ることを理解されたい。
【0055】
ベクトル収集器モジュール120のデータ取得モジュール230は、クライアント・サービス・システム180から案件データ282を取得する。データ取得モジュール230は、案件データ282を所望のフォーマットで受信するための命令を含む制御データ192を使用する。構造化された案件データ282は、残りのデータから離れすぎているデータ点の単一のインスタンスの点異常、典型的には時系列データにおいて文脈的であるデータの文脈的異常、クライアントによって記録された多数の案件などの問題を集合的に実証する集合的異常、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる、モデル化され得る他の異常を含み得る。例えば、案件データ282は、様々な状況において、未加工データとして、分析されたデータとして、計算されたデータとして、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の形式のデータとして受信され得る。受信された案件データ282のフォーマットは、所望のシグナルに基づいて決定され得ることを理解されたい。一実施例では、案件データ282は、クライアント・サービス・システム180から選択されるか又は未加工データとして受信され、履歴案件ベクトル・データ及び現在の案件ベクトル・データとしてそれぞれ利用され得る。
【0056】
ベクトル収集器モジュール120はまた、収集された案件データ282を統合するベクトル・データ統合器モジュール210と、ベクトル・データ193として使用するために統合済みの収集された案件データ282を分析するベクトル・データ集約器モジュール220とを含む。ベクトル収集器モジュール120はまた、以下でさらに説明するように、機械学習モデル訓練のために制御データ192の修正を提供する制御構成モジュール235を含む。制御構成モジュール235は、ベクトル収集器モジュール120内に描写されているが、シグナル・プロセッサ・モジュール130並びに/又は検証及び統一モジュール140にも含まれ得ることを理解されたい。
【0057】
ベクトル・データ統合器モジュール210は、データ取得モジュール230を介して、フォーマットされた案件データ282を受信する。ベクトル・データ統合器モジュール210は、案件データ282を統合済みのフォーマットに統合する。ベクトル・データ統合器モジュール210によってハイパーテキスト・プリプロセッサ(PHP)スクリプトを使用して実行される統合の例は、案件履歴データ統合、案件所有者変更データ統合、案件添付データ統合、案件コメント回数データ統合、案件コメント・データ統合、案件ステータス履歴データ統合、案件の最後の3つの連続した顧客調査レポート・データ、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の統合である。このような統合は、1時間ごと、1日ごと、及び所望の、又は本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の予定された時間に実行され得る。
【0058】
ベクトル・データ集約器モジュール220は、ベクトル・データ統合器モジュール210から、統合済みの案件データ282を受信し、統合済みの案件データ282を集約して、ベクトル・データ193を生成する。非限定的な実例として、ベクトル・データ集約器モジュール220によって実行されるSQLプロシージャ及び他のクエリ言語プロシージャなどのプロシージャを使用して実行される集約の実例は、ベクトル集約プロセス、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の集約である。このような集約は、1時間ごと、1日ごと、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の予定された時間に実行され得る。ベクトル・データ193は、ベクトル・データ統合器モジュール210のみから、ベクトル・データ集約器モジュール220のみから、及びベクトル・データ統合器モジュール210とベクトル・データ集約器モジュール220との両方から生成され得ることを理解されたい。
【0059】
図2C及び図2Dは共に、事前対応型クライアント関係分析に使用されるベクトル・データ193の具体的な例証的で非網羅的なリスト250を示す。
【0060】
図2C及び図2Dに見られるように、ベクトル・データ193のリスト250は、ベクトル名251、データ・タイプ252、異常タイプ253、エスカレーション影響254、及び説明255を含む。
【0061】
ベクトル261は、ベクトル名251「案件感情-一般」、データ・タイプ252「非構造化/NLP」、異常タイプ253「点異常」、エスカレーション影響254「両方」、及び説明255「ネガティブ-ポジティブ感情の測定(NLP)」を有する。
【0062】
ベクトル262は、ベクトル名251「案件感情-緊急/エスカレーション」、データ・タイプ252「非構造化/NLP」、異常タイプ253「点異常」、エスカレーション影響254「両方」、及び説明255「ネガティブ-ポジティブ感情の測定(NLP)」を有する。
【0063】
ベクトル263は、ベクトル名251「案件やり取り、クライアント及びエージェントからの更新の数」、データ・タイプ252「構造化/回数」、異常タイプ253「文脈的異常」、エスカレーション影響254「両方」、及び説明255「案件のエージェントとクライアントとの間のやり取りの回数」を有する。ベクトル263は、クライアントとクライアントの案件に割り当てられたエージェントとの間でやり取りされているコミュニケーションの回数を表す。例えば、企業クライアントの複雑なサポート案件では、通常のやり取りの回数は50になる可能性がある。この実例では、案件やり取りの回数が175回である場合、(以下で説明する)異常シグナル・プロセッサ・モジュールは、事前対応として、異常があると判断することができ、異常はシグナルとして送られ、管理者はそのシグナルに対処することができる。
【0064】
ベクトル264は、ベクトル名251「追跡(繰り返しの更新要求)」、データ・タイプ252「非構造化/NLP」、異常タイプ253「文脈的異常」、エスカレーション影響254「両方」、及び説明255「クライアントが更新を追跡している、又は技術者が更新を追跡している」を有する。
【0065】
ベクトル265は、ベクトル名251「案件期間」、データ・タイプ252「構造化/日数」、異常タイプ253「点異常」、エスカレーション影響254「両方」、及び説明255「案件が未解決である日数」を有する。
【0066】
ベクトル266は、ベクトル名251「案件平均更新時間」、データ・タイプ252「構造化/日数」、異常タイプ253「点異常又は文脈的異常」、エスカレーション影響254「両方」、及び説明255「更新及び応答-意味のある応答の平均時間」を有する。
【0067】
ベクトル267は、ベクトル名251「ロードされた文書の数」、データ・タイプ252「構造化/数」、異常タイプ253「点異常」、エスカレーション影響254「案件」、及び説明255「案件にロードされた文書の総数」を有する。ベクトル267は、案件に対してアップロードされた文書の数を表す。例えば、企業クライアントの典型的な案件は、10個未満の文書のアップロードを含み、50個の文書がアップロードされた場合、(以下で説明する)異常シグナル・プロセッサ・モジュールは、事前対応として、異常があると判断することができ、異常はシグナルとして送られ、管理者はそのシグナルに対処することができる。
【0068】
ベクトル268は、ベクトル名251「所有者の変更の数」、データ・タイプ252「構造化/数」、異常タイプ253「点異常」、エスカレーション影響254「案件」、及び説明255「所有者変更の総数-FTS(Follow The Sun)を有するので適応可能」を有する。ベクトル268は、案件を担当するエージェントの変更があった回数を表す。典型的には、企業の案件では、過去3か月間の案件所有者の変更回数は3回であり、変更回数が10回である場合、(以下で説明する)異常シグナル・プロセッサ・モジュールは、事前対応として、異常があると判断することができ、異常はシグナルとして送られ、管理者はそのシグナルに対処することができる。
【0069】
ベクトル269は、ベクトル名251「クライアントのエスカレーション履歴」、データ・タイプ252「構造化/数」、異常タイプ253「文脈的異常」、エスカレーション影響254「両方」、及び説明255「このクライアントに以前のエスカレーションの履歴があるか」を有する。
【0070】
ベクトル270は、ベクトル名251「クライアントCSR低-高」、データ・タイプ252「構造化/数」、異常タイプ253「点異常」、エスカレーション影響254「クライアント」、及び説明255「ネガティブ及びポジティブ異常検出についての顧客調査結果はどうか」を有する。
【0071】
ベクトル271は、ベクトル名251「クライアントの相手担当者CSR低-高」、データ・タイプ252「構造化/数」、異常タイプ253「点異常」、エスカレーション影響254「クライアント」、及び説明255「ネガティブ及びポジティブ異常検出についての顧客調査結果はどうか」を有する。
【0072】
ベクトル272は、ベクトル名251「案件所有者&主任技術者CSR低-高」、データ・タイプ252「構造化/数」、異常タイプ253「点異常」、エスカレーション影響254「案件」、及び説明255「案件所有者/主任技術者の顧客調査結果は低いか?」を有する。
【0073】
ベクトル273は、ベクトル名251「案件の優先順位」、データ・タイプ252「構造化/数」、異常タイプ253「検討の要因」、エスカレーション影響254「案件」、及び説明255「案件の優先順位は高いか?」を有する。
【0074】
ベクトル274は、ベクトル名251「更新時期間近」、データ・タイプ252「構造化/残り日数」、異常タイプ253「検討の要因」、エスカレーション影響254「両方」、及び説明255「クライアントは更新時期が近づくと案件をエスカレーションする傾向がある」を有する。
【0075】
ベクトル275は、ベクトル名251「案件におけるT&R、FSS TSS利用」、データ・タイプ252「構造化/主任技術者」、異常タイプ253「検討の要因」、エスカレーション影響254「両方」、及び説明255「このような案件では通常、より時間的感度が関係する(例えば、遵守日)」を有する。非限定的な実例として、このような案件は、EASシステムから適切な出力文書を生成できるように、適用される法律又は規制の変更を説明するためのタイムリーなアクションを必要とする、税、法律、及び規制の更新を含み得る。更新は、自治体の売上税率の1年目から2年目又は別の関連期間への変更である税の更新を含み得る。
【0076】
ベクトル276は、ベクトル名251「オンボーディング/新規クライアント」、データ・タイプ252「構造化/サービスの開始」、異常タイプ253「検討の要因」、エスカレーション影響254「両方」、及び説明255「これは新しいクライアントか-オンボーディング・スコアも考慮する」を有する。
【0077】
ベクトル277は、ベクトル名251「クライアントからの案件数の増加」、データ・タイプ252「構造化/数」、異常タイプ253「集合的異常」、エスカレーション影響254「両方」、及び説明255「クライアントは国で稼働し、新しい製品/機能を展開している」を有する。
【0078】
ベクトル278は、ベクトル名251「環境アクセス問題」、データ・タイプ252「構造化/数」、異常タイプ253「検討の要因」、エスカレーション影響254「両方」、及び説明255「技術者はクライアント環境へのログインに問題を有している」を有する。
【0079】
異常シグナル・プロセッサ・モジュールによって利用されるベクトル278の他の実例には、関係の特定の段階でのクライアントに関連する戦略的又は契約上の価値、及びサービス・プロバイダにポジティブな外部参照(external reference)を提供したクライアントの履歴などのクライアント・データを特徴付けるベクトルが含まれる。クライアント関連のベクトルは、データ・タイプ252「構造化/戦略的クライアント」又は「構造化/参照可能なクライアント」を有し得る。クライアント関連のベクトルは、異常タイプ「検討の要因」及びエスカレーション影響「クライアント」を有し得るが、案件関連のベクトル及び相手担当者関連のベクトルも案件に影響を与え得る。
【0080】
当業者には、図2C及び図2Dがベクトル・データ193の具体的な例証的実例に過ぎず、そのようなデータの他の多くのタイプ及び構成が発明者によって想定及び企図されていることが容易に理解されよう。結果として、図2C及び図2Dのベクトル・データ193のタイプ及び構成の具体的な例証的実例は、特許請求の範囲に記載される実施例を限定するものと読まれるべきではない。
【0081】
図3は、シグナル・プロセッサ・モジュール130のより詳細なブロック図を含む、事前対応型クライアント関係分析のためのアプリケーション環境100を示す。図3の図は例示を目的としたものであり、限定するものではないことを理解されたい。図1図2A、及び図3を合わせて参照すると、アプリケーション環境100は、サービス・プロバイダコンピューティング環境110を含み、サービス・プロバイダコンピューティング環境110は、検出管理システム111を含む。検出管理システム111は、ベクトル収集器モジュール120と、シグナル・プロセッサ・モジュール130と、検証及び統一モジュール140とを含む。シグナル・プロセッサ・モジュール130は、ベクトル収集器モジュール120からベクトル・データ193を受信する。様々な実施例では、シグナル・プロセッサ・モジュール130は、異常シグナル・プロセッサ・モジュール310のみを含むことができる。様々な実施例では、シグナル・プロセッサ・モジュール130は、感情シグナル・プロセッサ・モジュール320のみを含むことができる。様々な実施例では、シグナル・プロセッサ・モジュール130は、異常シグナル・プロセッサ・モジュール310と、感情シグナル・プロセッサ・モジュール320との両方を含むことができる。図3に見られるように、シグナル・プロセッサ・モジュール130はまた、正規化モジュール330と、優先順位付けモジュール340とを含む。
【0082】
異常シグナル・プロセッサ・モジュール310は、ベクトル・データ193を処理して、シグナル・データ194の異常データ395を検出する。感情シグナル・プロセッサ・モジュール320は、ベクトル・データ193を処理して、感情データ396を検出する。シグナル・データ194が、異常シグナル・プロセッサ・モジュール310によって検出された異常データ395、及び/又は感情シグナル・プロセッサ・モジュール320によって検出された感情データ396を含むことを理解されたい。
【0083】
異常シグナル・プロセッサ・モジュール310は、機械学習モデルである異常検出器モデル311を用いて、ベクトル・データ193の構造化データ内の異常を検出する。一実施例では、異常検出器モデル311は、TensorFlowプラットフォーム、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の機械学習プラットフォームを利用する。機械学習プラットフォームは、異常検出のための様々な統計方法を提供する。一実施例では、機械学習モデルは、異常検出及び統一プロセスのPythonプログラミング言語スクリプト、並びに本明細書に述べる、他のプログラミング言語で開発される、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のスクリプトの実行により訓練される。
【0084】
一実施例では、異常検出器モデル311は、教師あり学習による訓練データ191を使用して訓練される。前述のように、訓練データ191は、図2C及び図2Dにリスト化されたベクトルのいずれか、又は本明細書に述べる、当技術分野で知られている若しくは知られるようになる、所望の任意のベクトルに関連するデータを含むことができる。図3を再び参照すると、異常検出器モデル311は、傾向の決定に基づいて訓練される機械学習アルゴリズムを利用する。例えば、案件期間のベクトルは、構造化ベクトル・データ193に基づいており、このベクトルは、案件が未解決である日数を表す。この実例では、案件期間が63日を超える場合、それは異常であると判断され、案件期間が半日未満である場合、それも異常であると判断される。この実例では、閾値は、最小閾値及び最大閾値で決定される。この実例では、異常検出器モデル311は、機械学習アルゴリズムをオーバーライドするような閾値に基づいて、データ・サイエンティストによって訓練される。
【0085】
一実施例では、異常シグナル・プロセッサ・モジュール310は、当技術分野で知られているように、IQRを利用して、外れ値である異常を決定する。例えば、IQRでは、外れ値は、データセット内の他の値よりもはるかに小さい又ははるかに大きいデータ値である。一実施例では、異常シグナル・プロセッサ・モジュール310は、当技術分野で知られているように、ガウス分布アルゴリズムを利用する。例えば、ガウス分布アルゴリズムでは、平均ミュー及び分散シグマの2乗で分布されている他のデータ値に対してデータ値をテストすることによって、異常が検出される。K最近傍法(KNN:K-Nearest Neighbor)、K平均法ベースのクラスタリング、サポート・ベクトル・マシン(SVM)、並びに本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる、潜在的な統一のための最もポジティブ及びネガティブな異常及びシグナルを見出すための他の異常検出方法及び機械学習アルゴリズムなど、他の異常検出方法が利用され得ることを理解されたい。
【0086】
感情シグナル・プロセッサ・モジュール320は、機械学習モデルである感情検出器モデル321を用いて、ベクトル・データ193の非構造化データ内の感情を検出する。一実施例では、感情検出器モデル321は、自然言語ツールキット(NLTK:Natural Language Toolkit)プラットフォーム、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の自然言語プラットフォームを利用する。一実施例では、自然言語モジュールは、感情検出及び統一プロセスのpythonスクリプト、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のスクリプトの実行により訓練される。
【0087】
感情検出器モデル321は、教師あり学習による訓練データ191を使用して訓練される。訓練データ191は、管理者から収集された、以前に決定された感情に関する情報から生成される。一実施例では、管理者は、決定された感情を、単語又は句であるコーパスの形式でレビューする。例えば、感情検出器モデル321がネガティブなシグナルであると判断したコーパスは、「残念だ」であり得る。しかしながら、管理者が「残念だ」というコーパスが使用されているコメントをレビューすると、管理者は、「残念だ」という用語が、相手担当者が昼食に食べたものについての不満など、サービス・プロバイダによって提供されるサービス以外のものを対象としていることを認識する。この実例では、管理者は、このコーパスを誤検出(false positive)指摘に関連付ける。ユーザ・インターフェース・モジュール150は、サービス・プロバイダの管理者がこのタイプのフィードバックを提供して、フィードバック・ループ内の機械学習モデルを改良及び再訓練し、異常及び/又は感情検出においてより正確な結果を実現することを可能にする。コーパスが誤検出指摘に関連付けられた後、データ・サイエンティスト又はエージェントは、「残念だ」及び「昼食」というコーパスが一緒に見つかった場合これらはネガティブなシグナルではなく無視されるべきであると訓練データ191に追加する。感情検出器モデル321がこの新しい訓練データ191を用いて訓練された後、感情検出器モデル321は、このような「残念だ」及び「昼食」というコーパスがネガティブなシグナルであるとは判断しない。エージェントが、対象分野の専門家若しくはプログラムされた仕事、又は誤検出に対処し、訓練データ及びその後の異常及び感情シグナル検出の結果を改善し続けるための前述した機械学習モデルであり得ることを理解されたい。
【0088】
ユーザ・インターフェース・モジュール150は、サービス・プロバイダの管理者がこのタイプのフィードバックを提供して、フィードバック・ループ内の機械学習モデルを改良及び再訓練し、異常及び/又は感情検出においてより正確な結果を実現することを可能にする。コーパスが誤検出指摘に関連付けられた後、「残念だ」及び「昼食」というコーパスが一緒に見つかった場合これらはネガティブなシグナルではなく無視されるべきであることを示す誤検出データが生成される。次いで、この誤検出データは、データ・サイエンティスト、プログラマ、ボット、ランタイム及び/若しくはオフライン機械学習訓練モジュール及びシステム、並びに/又は機械学習ベースのシステム及び/若しくはデータベースに更新及び修正を提供できる任意の他のエージェントなどであるがこれらに限定されない、人間の及び/又は人間以外のエージェントによって、訓練データ191に追加される。感情検出器モデル321がこの新しい訓練データ191を用いて訓練された後、感情検出器モデル321はこれ以降、このような「残念だ」及び「昼食」というコーパスがネガティブなシグナルであるとは判断しない。
【0089】
一実施例では、感情シグナル・プロセッサ・モジュール320は、当技術分野で知られているように、マイナス1から正の1までの極性スケールに基づいて感情がネガティブ及びポジティブにランク付けされる感情分析を利用する。例えば、「最悪の事態(disaster)」という単語には-1.0が割り当てられ、「残念だ」という単語には-0.7が割り当てられる。感情シグナル・プロセッサ・モジュール320は、当技術分野で知られているように、文及び単語が語彙分析器でトークン化されるトークン化を利用する。感情シグナル・プロセッサ・モジュール320は、当技術分野で知られているように、場所、人、及び組織などの名前付きのエンティティが名詞として認識されるテキスト分類を利用する。例えば、「joy」という単語は、感情の単語であると同時に、人の名前でもある。感情シグナル・プロセッサ・モジュール320は、当技術分野で知られているように、「いら立っている(frustrated)」及び「いら立たせるような(frustrating)」を「いら立たせる(frustrate)」に統一するなど、異なるバージョンの単語が統一される語幹化及びレンマ化を利用する。感情シグナル・プロセッサ・モジュール320は、当技術分野で知られているように、音声の文脈が特定される音声タグ付けを利用する。感情シグナル・プロセッサ・モジュール320は、当技術分野で知られているように、重要ではない単語が削除されるストップ・ワード削除を利用する。
【0090】
感情は、一般の感情又は摩擦の感情のいずれかとして分類され得る。一般の感情は、クライアントが会話テキスト内でネガティブな感情を表現しているか、又は会話テキスト内でポジティブな感情を表現していることを示すものである。摩擦の感情は、摩擦の感情が案件のエスカレーションが差し迫っていることを示しているという点で、管理者が注意を払うべき案件の解決に関して問題があることを示すものである。
【0091】
正規化モジュール330は、案件、相手担当者、又はクライアントなどのオブジェクトに対して複数の異常が検出された場合に利用される。例えば、5個の異なる異常が検出された場合、正規化モジュール330は、複数の異常に対して正規化計算を実行する。制御データ192は、正規化計算のための命令を提供する正規化規則を含む。例えば、正規化規則は、優先順位付けモジュール340によって決定された重みに基づいて、検出された異常の数を合計することであり得る。さらなる実例として、正規化は、案件を解決するために最小1日及び案件を解決するために最大90日などの最小及び最大の閾値を有する範囲を含む場合があり、正規化アルゴリズムは、最小及び最大スケールに基づいて、正規化された値を決定することができる。このような正規化された値は、ユークリッド距離アルゴリズム、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の正規化アルゴリズムに基づいて決定され得る。
【0092】
優先順位付けモジュール340は、異常であると判断された特定のベクトルの優先順位付けを決定するために利用される。優先順位付けモジュール340は、重み付けを利用して、特定のベクトルの優先順位を決定する。制御データ192は、優先順位付けモジュール340による優先順位付けの重み付けのための命令を提供する重み付け規則を含む。例えば、ベクトルごとに0から1の重みが割り当てられ、0は最小の重みであり、1は最大の重みである。この実例では、重み0.65など、0と1との間にある重みを割り当てることができる。この実例では、8つの異なるベクトルに対して8個の異常が検出され、各ベクトルが重み1を有する場合、8個の異常が検出される。しかしながら、8つのベクトルのうち4つが重み0.75を有し、8つのベクトルのうち他の4つが重み0.25を有する場合、優先順位付けの重み計算に基づいて4個の異常が検出されたと判断される。本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる優先順位付けの他の計算が利用され得ることを理解されたい。
【0093】
図4は、検証及び統一モジュール140のより詳細なブロック図を含む、事前対応型クライアント関係分析のためのアプリケーション環境100を示す。図4の図は例示を目的としたものであり、限定するものではないことを理解されたい。図1図2A図3、及び図4を合わせて参照すると、アプリケーション環境100は、サービス・プロバイダコンピューティング環境110を含み、サービス・プロバイダコンピューティング環境110は検出管理システム111を含む。検出管理システム111は、シグナル・プロセッサ・モジュール130と、検証及び統一モジュール140と、ユーザ・インターフェース・モジュール150とを含む。検証及び統一モジュール140は、シグナル・プロセッサ・モジュール130から、異常データ395及び/又は感情データ396を含むシグナル・データ194を受信する。検証及び統一モジュール140は、シグナル検証器モジュール410と、シグナル統一器モジュール420とを含む。
【0094】
シグナル・データ194は、検出された異常及び/又は検出された感情から生成される。シグナル検証器モジュール410は、制御データ192に基づいて、生成されたシグナルが有効であることを検証する。シグナル検証器モジュール410は、検出されたシグナルが、異常ノイズなどの異常に関係のない要因によって影響を受けているとき、検出されたシグナルがシグナル・データ194に追加されないようにする。例えば、ベクトルが「案件所有者の変更」であり、案件所有者の変更が多すぎるために異常が検出された場合、制御データ192内の規則は、サポートが24時間ベースで提供されているときは、異なるエージェントが案件を所有するように割り当てられるので、案件の所有者が頻繁に変更される場合でもそれは異常ではないと指示し得る。この実例では、案件所有者の変更の数が多い可能性はあるが、シグナル検証器モジュール410は、24時間ベースで作業されている案件については、その変更数は異常ではないと判断する。
【0095】
いくつかの実施例では、シグナル統一器モジュール420は、案件、相手担当者、及びクライアントなどのオブジェクトに関連付けられた複数の検出されたシグナルを統一する。例えば、シグナル・プロセッサ・モジュールが、異常シグナルと感情シグナルとの両方が検出されるように異常シグナル・プロセッサ・モジュール310と感情シグナル・プロセッサ・モジュール320との両方を含む場合、5個の異常及び/又は5個の感情が検出されると、5個の異常及び/又は5個の感情は、シグナル・データ194に追加される前に共に統一される。
【0096】
シグナル・データ194がシグナル検証器モジュール410によって検証され、シグナル・データ194がシグナル統一器モジュール420によって統一された後、検証及び統一モジュール140は、シグナル・レポート・データ494を生成する。シグナル・レポート・データ494が異常レポート・データ495と感情レポート・データ496と含むことを理解されたい。次いで、シグナル・レポート・データ494は、ユーザ・インターフェース・モジュール150に送信される。
【0097】
図5Aは、ユーザ・インターフェース・モジュール150のより詳細なブロック図を含む、事前対応型クライアント関係分析のためのアプリケーション環境100を示す。図5Aの図は例示を目的としたものであり、限定するものではないことを理解されたい。図1図2A図3図4、及び図5Aを合わせて参照すると、アプリケーション環境100は、サービス・プロバイダコンピューティング環境110を含み、サービス・プロバイダコンピューティング環境110は、検出管理システム111を含む。検出管理システム111は、検証及び統一モジュール140と、ユーザ・インターフェース・モジュール150とを含む。ユーザ・インターフェース・モジュール150は、検証及び統一モジュール140からシグナル・レポート・データ494を受信する。ユーザ・インターフェース・モジュール150は、ダッシュボード・モジュール510と、通知モジュール520と、インジケータ・モジュール530とを含む。
【0098】
ダッシュボード・モジュール510は、シグナル・レポート・データ494を表示し、異常のシグナルのリスト、及び感情のシグナルのリストを含む。異常のシグナルのリストは、いくつかの検出された異常を有する案件の数を提供する。感情のシグナルのリストは、いくつかの検出された感情を有する案件の数を提供する。一実施例では、ダッシュボード・モジュール510は、異常のシグナルのリストを、感情のシグナルのリストとは別に表示する。
【0099】
図5Bは、図5Aのユーザ・インターフェース・モジュールによって生成されたシグナル・レポート560の例証的実例を示す。
【0100】
図5Bに見られるように、シグナル・レポート560は、異常情報561と感情情報562とを含むネガティブなシグナルを描写している。異常情報561は、7個の異常を有する案件が1件、6個の異常を有する案件が3件、5個の異常を有する案件が8件、4個の異常を有する案件が10件、3個の異常を有する案件が6件、2個の異常を有する案件が15件、及び1個の異常を有する案件が123件あることを描写している。感情情報562は、2個の一般の感情を有する案件が2件、1個の一般の感情を有する案件が41件、5個以上の緊急の感情を有する案件が108件、及び2個~4個の緊急の感情を有する案件が252件があることを描写している。
【0101】
当業者には、図5Bがシグナル・レポート560の具体的な例証的実例に過ぎず、そのようなレポートの他の多くのタイプ及び構成が発明者によって想定及び企図されていることが容易に理解されよう。例えば、シグナル・レポート560の具体的な例証的実例は、異常情報561と感情情報562との両方を含み、これは、この具体的な例証的実例では、シグナル・プロセッサ・モジュールが異常シグナル・プロセッサ・モジュール310と感情シグナル・プロセッサ・モジュール320との両方を含むことを示している。しかしながら、上記のように、いくつかの実施例は、異常シグナル・プロセッサ・モジュール310又は感情シグナル・プロセッサ・モジュール320のみを含む。したがって、これらの実施例では、シグナル・レポート560内に異常情報561又は感情情報562のみが表示されることになる。結果として、図5Bのシグナル・レポート560のタイプ及び構成の具体的な例証的実例は、特許請求の範囲に記載される実施例を限定するものと読まれるべきではない。
【0102】
図5Cは、図5Aのユーザ・インターフェース・モジュールによって生成されたシグナル・レポート570の例証的実例を示す。
【0103】
図5Cに見られるように、シグナル・レポート570は、異常情報571と感情情報572とを含むポジティブなシグナルを描写している。異常情報571は、3個の異常を有する案件が147件、2個の異常を有する案件が735件、及び1個の異常を有する案件が4722件あることを描写している。感情情報572は、13個の感情を有する案件が1件、12個の感情を有する案件が3件、11個の感情を有する案件が1件あり、以下同様であることを描写している。
【0104】
当業者には、図5Cがシグナル・レポート570の具体的な例証的実例に過ぎず、そのようなレポートの他の多くのタイプ及び構成が発明者によって想定及び企図されていることが容易に理解されよう。例えば、シグナル・レポート560の具体的な例証的実例は、異常情報561と感情情報562との両方を含み、これは、この具体的な例証的実例では、シグナル・プロセッサ・モジュールが異常シグナル・プロセッサ・モジュール310と感情シグナル・プロセッサ・モジュール320との両方を含むことを示している。しかしながら、上記のように、いくつかの実施例は、異常シグナル・プロセッサ・モジュール310又は感情シグナル・プロセッサ・モジュール320のみを含む。したがって、これらの実施例では、シグナル・レポート560内に異常情報561又は感情情報562のみが表示されることになる。結果として、図5Cのシグナル・レポート570のタイプ及び構成の具体的な例証的実例は、特許請求の範囲に記載される実施例を限定するものと読まれるべきではない。
【0105】
図5Aを再び参照すると、ダッシュボード・モジュール510は、案件、相手担当者、及びクライアントのオブジェクトに基づいて案件をフィルタリングすることを提供する。ダッシュボード・モジュール510は、ネガティブなシグナル及びポジティブなシグナルに基づいて案件をフィルタリングすることを提供する。ダッシュボード・モジュール510が、サポートされている製品ライン、サポートされている地理的地域、及び調査することが望まれるベクトルの名前など、他のフィルタリング基準を含み得ることを理解されたい。
【0106】
ダッシュボード・モジュール510は、ユーザが異常及び感情についての詳細を閲覧できるようにする。例えば、案件で7個の異常が検出された場合、ユーザは、その案件を選択して、各異常の名前、及び異常に関する計算値などの異常に関する情報を閲覧することができる。さらなる実例として、案件で5個の感情が検出された場合、ユーザは、その案件を選択して、検出された各コーパスを閲覧することができる。さらに、ダッシュボード・モジュール510は、コーパスが検出されたコメントを表示することができる。例えば、「残念だ」というコーパスが感情として検出される場合がある。その後、ユーザはこのコーパスを含むコメントを閲覧して、コーパスの文脈を閲覧することができる。例えば、コメントは、ネガティブな感情を反映している、「私は、あなたが私に提供しているサポートについて残念に思っている」である場合がある。また、ダッシュボード・モジュール510は、ユーザが、コーパスが感情であると誤って決定されたことを誤検出として判断することを実現することもできる。
【0107】
図5Dは、感情シグナルに基づいて識別され、事前対応型クライアント関係分析に使用される感情レポート・データ496の例証的で非網羅的なユーザ・インターフェース580の実例を示す。図5Dに見られるように、ユーザ・インターフェース580は、第1の感情表示581及び第2の感情表示582を含む、ポジティブな感情レポート・データ496を描写する。第1の感情表示581は、「ありがたい(appreciated)」というポジティブなコーパスを示している。ここで、「ありがたい」という単語は、一般的にポジティブな感情を示すテキストに近い「とてもありがたい」を指す。対照的に、テキストが「あなたはとても遅いので、迅速な返信をもらえるとありがたい(appreciated)」だった場合、ユーザは、そのような感情表示を確認したとき、「ありがたい」という単語がネガティブな感情に関連していると認識する。したがって、この代替の実例では、ユーザは、このように表示された感情を、ポジティブなシグナルの誤検出として指定することになる。別の実例として、第2の感情表示582は、一般にポジティブな感情を示す「素晴らしい(super)」というポジティブなコーパスを示している。ここで、「素晴らしい」という単語は、「原因を見つけてくれて、素晴らしい(super)」を指す。したがって、ユーザはこれを誤検出としては指定しない。
【0108】
例えば、「あなたが私の問題を迅速に解決してくれたので、私がすぐにあなたに連絡できなかったことを残念に思っている」などのコメントがある。この文脈では、「残念だ」というコーパスは、クライアントの相手担当者がエージェントではなく自分自身に対する残念な気持ちを示すので、ネガティブなシグナルの誤検出である。ダッシュボード・モジュール510は、ユーザが、そのコーパスを誤検出としてラベル付けすることを実現する。コーパスがラベル付けされた後、データ・サイエンティストは、誤検出コーパスを調査して、感情検出器モデル321を訓練するために使用できる訓練データ191を作成することができる。
【0109】
シグナルは、問題を示すネガティブなシグナル又は成功を示すポジティブなシグナルであり得ることを理解されたい。例えば、図5Bはネガティブなシグナルを示し、図5Cはポジティブなシグナルを示す。さらに、案件において、上級エージェントにエスカレーションするか、又はシグナルの緊急性を示している相手担当者のサービス・プロバイダの階層における管理側などにさらにエスカレーションする必要性が生じていることを示す摩擦関連のシグナルが存在し得る。摩擦関連のシグナルは、クライアントの相手担当者が、過去に低い顧客調査スコアを提供したなど、以前にネガティブなシグナルに寄与すると決定された案件テキスト又はフィードバックを提供したことを示し得る。この状況の場合、シグナルは、そのクライアントの相手担当者名が付いている特定の案件について、サービス・プロバイダによるエスカレーションの必要があることを示す可能性がある。
【0110】
一実施例では、ダッシュボード・モジュール510は、異常と感情との両方に関連する任意のシグナルを案件に表示する。例えば、同じ案件が、異常シグナル・プロセッサ・モジュール310によって検出された3個の異常と、感情シグナル・プロセッサ・モジュール320によって検出された2個の感情を有する可能性がある。ダッシュボード・モジュール510によって異常と感情との両方を同時に提供することは、クライアントが抱えている、案件に関連する問題の理解を高めることを理解されたい。
【0111】
通知モジュール520は、異常及び感情の通知としてシグナル・レポート・データ494を配信する。通知は、電子メール、テキスト、ダイアログ・ボックス、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の通知配信メカニズムを介してユーザに配信される。ユーザにとって関心のあるシグナルに関する通知をユーザが受信できるように、通知をユーザに合わせてパーソナライズすることができる。例えば、ユーザは、サービス・プロバイダによってサポートされている製品ライン、又はサービス・プロバイダによってサポートされている地理的地域などの一定の基準に基づいて通知を要求することができる。
【0112】
インジケータ・モジュール530は、クライアント・サービス・システム180のクライアント・サービス・モジュール281とインターフェースして、クライアント、相手担当者、及び案件の3つのオブジェクトについてのシグナル・レポート・データ494の指示を提供する。一実施例では、エージェントは、クライアント・サービス・モジュール281内に表示されているシグナルを見るとき、そのシグナル・インジケータを選択し、そのシグナルに関するより多くの情報を表示することができる。
【0113】
図6は、事前対応型クライアント関係分析に使用されるシグナル・レポート・データ494の例証的で非網羅的なユーザ・インターフェース600の実例を示す。図6に見られるように、ユーザ・インターフェース600は、シグナル・レポート・データ494をシグナル・インジケータ601として描写している。シグナル・インジケータ601によって示されている実例では、案件ステータスは緑、クライアント・ステータスは黄色、相手担当者ステータスは赤である。この実例では、相手担当者は、即時の確認を必要としている可能性があるが、クライアントは、即時の確認をそれほど必要としていない可能性があり、案件オブジェクト自体は、即時の確認の必要性を示すシグナル・インジケータ601を示していない。所望の用途に応じて、シグナル・インジケータ601に他の意味を割り当てることができることを理解されたい。
【0114】
当業者には、図6がシグナル・レポート・データ494の具体的な例証的実例に過ぎず、そのようなデータの他の多くのタイプ及び構成が発明者によって想定及び企図されていることが容易に理解されよう。結果として、図6のシグナル・レポート・データ494のタイプ及び構成の具体的な例証的実例は、特許請求の範囲に記載される実施例を限定するものと読まれるべきではない。
【0115】
図7は、事前対応型クライアント関係分析のためのベクトル制御の例示的な表700である。図1図2A図3図4図5A図6、及び図7を合わせて参照すると、表700は、ベクトル制御フィールドを表す列711を含む。
【0116】
列711の行721で、ベクトル制御フィールドは「ベクトル名」である。ここで、ベクトル名は、図6に示す任意のベクトル名、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の任意のベクトル名とすることができる。
【0117】
列711の行722において、ベクトル制御フィールドは「有効化」である。ここで、ベクトル制御フィールドは、ベクトルの分析が有効であるか又は無効であるかを示す。
【0118】
列711の行723において、ベクトル制御フィールドは「オブジェクト-案件に適用可能」である。ここで、ベクトル制御フィールドは、ベクトルが案件オブジェクト・タイプについて分析されることを示す。
【0119】
列711の行724において、ベクトル制御フィールドは、「オブジェクト-相手担当者に適用可能」である。ここで、ベクトル制御フィールドは、ベクトルが相手担当者オブジェクト・タイプについて分析されることを示す。
【0120】
列711の行725において、ベクトル制御フィールドは、「オブジェクト-クライアントに適用可能」である。ここで、ベクトル制御フィールドは、ベクトルがクライアント・オブジェクト・タイプについて分析されることを示す。
【0121】
列711の行726において、ベクトル制御フィールドは「極性に適用可能」である。ここで、ベクトル制御フィールドは、ベクトルが0から1の間の正の値を有するポジティブなシグナルとして分析されるのか、又はマイナス1からマイナス0の間の負の値を有するネガティブなシグナルとして分析されるのか、又はそれぞれマイナス1から正の1の間の値を有するポジティブなシグナルとネガティブなシグナルとの両方として分析されるのかを示す。
【0122】
列711の行727において、ベクトル制御フィールドは「ベクトル・タイプ」である。ここで、ベクトル制御フィールドは、異常ベースのガウス分布、異常ベースのIQR、平均ベース、平均値-中央値ベース、感情ベース、標準偏差ベース、閾値ベースのベクトル・タイプ、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のベクトル・タイプを示す。
【0123】
列711の行728において、ベクトル制御フィールドは「強制低値」である。ここで、ベクトル・タイプが閾値ベースである場合、ベクトル制御フィールドは閾値範囲の最小値を定義する。
【0124】
列711の行729において、ベクトル制御フィールドは「強制高値」である。ここで、ベクトル・タイプが閾値ベースである場合、ベクトル制御フィールドは閾値範囲の最大値を定義する。
【0125】
列711の行730において、ベクトル制御フィールドは「重み」である。ここで、シグナル・プロセッサ・モジュール130の優先順位付けモジュール340によって利用される制御データ192内に、適用可能なベクトルの重みが設定される。
【0126】
図8は、事前対応型クライアント異常検出のためのプロセス800の流れ図である。図1図2A図3図4図5A、及び図8を合わせて参照すると、事前対応型クライアント異常検出のためのプロセス800は、動作810において開始し、プロセス・フローは、動作811に進む。
【0127】
動作811において、クライアント・サービス・システム180から案件データ282が受信される。案件データ282は、クライアント・サービス・システムの案件情報に関連付けられている。案件データ282は、クライアント・サービス・システム180の構造化データと非構造化データとの両方を表す。ベクトル収集器モジュール120のデータ取得モジュール230は、クライアント・サービス・システム180から案件データ282を取得する。
【0128】
動作811において案件データ282が受信されると、プロセス・フローは動作812に進む。
【0129】
動作812において、案件データ282は、ベクトル収集器モジュール120によってベクトル・データ193内に収集される。ベクトル・データ統合器モジュール210は、案件データ282を統合し、ベクトル・データ集約器モジュール220は、案件データ282を集約して、ベクトル・データ193を生成する。ベクトル・データ統合器モジュール210は、制御データ192から統合命令を受信する。ベクトル・データ集約器モジュール220は、制御データ192から集約命令を受信する。
【0130】
制御データ192は、制御構成モジュール235を介してユーザによって修正される。一実施例では、ベクトル・データ193は、ベクトル・データ193の他のベクトルに関連して、ベクトル・データ193の各ベクトルに重みを割り当てることを含む。一実施例では、ベクトル・データ193の各ベクトルは、異常ベースのガウス・ベクトル・タイプ、異常ベースのIQRベクトル・タイプ、平均ベースのベクトル・タイプ、平均値-中央値ベースのベクトル・タイプ、標準偏差ベースのベクトル・タイプ、閾値ベースのベクトル・タイプ、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のベクトル・タイプを含むベクトル・タイプによって定義される。閾値ベースのベクトル・データ・タイプごとに、最大閾値が割り当てられ、最小閾値は、割り当てられて、制御データ192として格納される。一実施例では、ベクトル・データ193の各ベクトルは、クライアント・オブジェクト・タイプ、相手担当者オブジェクト・タイプ、案件オブジェクト・タイプ、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のオブジェクト・タイプのオブジェクト・タイプを含む。ベクトル・データ193は、ベクトル収集器モジュール120によってシグナル・プロセッサ・モジュール130に送信される。
【0131】
動作812において案件データ282がベクトル・データ193内に収集されると、プロセス・フローは動作813に進む。
【0132】
動作813において、異常シグナル・プロセッサ・モジュール310によって、ベクトル・データ193が処理されて、異常データ395を検出する。異常シグナル・プロセッサ・モジュール310は、機械学習ベースの異常検出技法を実行する異常検出器モデル311を含む。異常検出器モデル311は、訓練データ191を用いて訓練される。一実施例では、機械学習ベースの異常検出技法は、教師あり機械学習ベースの異常検出技法である。一実施例では、異常検出器モデル311は、検出管理システム111のユーザによって定義される訓練データ191を使用して、教師ありモデルの下で訓練される。
【0133】
異常シグナル・プロセッサ・モジュール310は、ベクトル・データ193から異常データ395を生成する。一実施例では、異常データ395は、点異常タイプ、文脈的異常タイプ、集合的異常タイプ、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の異常タイプの異常タイプの少なくとも1個の異常を含む。一実施例では、正規化モジュール330は、異常データ395を正規化し、優先順位付けモジュール340は、異常データ395に優先順位を付ける。異常データ395は、シグナル・プロセッサ・モジュール130によって検証及び統一モジュール140に送信される。
【0134】
動作813において、ベクトル・データ193が処理されて、異常データ395を検出すると、プロセス・フローは動作814に進む。
【0135】
動作814において、検証及び統一モジュール140によって、異常データ395が準備されて、異常レポート・データ495が生成される。一実施例では、シグナル検証器モジュール410は、異常データ395を検証する。一実施例では、シグナル統一器モジュール420は、異常データ395を統一する。異常レポート・データ495は、検証及び統一モジュール140によってユーザ・インターフェース・モジュール150に送信される。
【0136】
動作814において、検証及び統一モジュール140によって、異常データ395が準備されて、異常レポート・データ495が生成されると、プロセス・フローは動作815に進む。
【0137】
動作815において、異常レポート・データ495は、ユーザによる分析のためにユーザ・インターフェース・モジュール150に提供される。一実施例では、ダッシュボード・モジュール510は、ユーザに異常レポート・データ495を表示するためのダッシュボード・ユーザ・インターフェースを提供する。一実施例では、通知モジュール520は、異常レポート・データ495の通知のユーザへの配信を提供する。一実施例では、インジケータ・モジュール530は、異常レポート・データ495に基づいてクライアント・サービス・システムによってユーザに提供されるユーザ・インターフェース画面をカスタマイズすることによって、異常レポート・データ495の表示を提供する。
【0138】
動作815において、異常レポート・データ495が、ユーザによる分析のためにユーザ・インターフェース・モジュール150に提供されると、プロセス・フローは動作816に進む。
【0139】
動作816において、プロセス800は終了する。
【0140】
図9は、事前対応型クライアント感情検出のためのプロセス900の流れ図である。図1図2A図3図4図5A、及び図9を合わせて参照すると、事前対応型クライアント感情検出のためのプロセス900は、動作910において開始し、プロセス・フローは、動作911に進む。
【0141】
動作911において、クライアント・サービス・システム180から案件データ282が受信される。案件データ282は、クライアント・サービス・システムの案件情報に関連付けられている。案件データ282は、クライアント・サービス・システム180の構造化データと非構造化データとの両方を表す。一実施例では、案件データ282は、クライアントの案件会話情報、エージェントの案件会話情報、案件調査結果のコメント情報を表すテキスト情報、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のテキスト情報を含む。ベクトル収集器モジュール120のデータ取得モジュール230は、クライアント・サービス・システム180から案件データ282を取得する。
【0142】
動作911において案件データ282が受信されると、プロセス・フローは動作912に進む。
【0143】
動作912において、案件データ282は、ベクトル収集器モジュール120によってベクトル・データ193内に収集される。ベクトル・データ統合器モジュール210は、案件データ282を統合し、ベクトル・データ集約器モジュール220は、案件データ282を集約して、ベクトル・データ193を生成する。ベクトル・データ統合器モジュール210は、制御データ192から統合命令を受信する。ベクトル・データ集約器モジュール220は、制御データ192から集約命令を受信する。
【0144】
制御データ192は、制御構成モジュール235を介してユーザによって修正される。一実施例では、ベクトル・データ193の各ベクトルは、クライアント・オブジェクト・タイプ、相手担当者オブジェクト・タイプ、案件オブジェクト・タイプのオブジェクト・タイプ、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のオブジェクト・タイプを含む。ベクトル・データ193は、ベクトル収集器モジュール120によってシグナル・プロセッサ・モジュール130に送信される。
【0145】
動作912において案件データ282がベクトル・データ193内に収集されると、プロセス・フローは動作913に進む。
【0146】
動作913において、感情シグナル・プロセッサ・モジュール320によって、ベクトル・データ193が処理されて、感情データ396を検出する。感情シグナル・プロセッサ・モジュール320は、機械学習ベースの感情検出技法を実行する感情検出器モデル321を含む。一実施例では、機械学習ベースの感情検出技法は、ベクトル・データ193内の複数の感情指標を表すコーパス・データを含む。感情検出器モデル321は、訓練データ191を用いて訓練される。一実施例では、機械学習ベースの感情検出技法は、教師あり機械学習ベースの感情検出技法である。一実施例では、感情検出器モデル321は、検出管理システム111の技術者によって定義された訓練データ191を使用して、教師ありモデルの下で訓練される。
【0147】
感情シグナル・プロセッサ・モジュール320は、ベクトル・データ193から感情データ396を生成する。一実施例では、正規化モジュール330は、感情データ396を正規化し、優先順位付けモジュール340は、感情データ396に優先順位を付ける。感情データ396は、シグナル・プロセッサ・モジュール130によって検証及び統一モジュール140に送信される。
【0148】
動作913において、ベクトル・データ193が処理されて、感情データ396を検出すると、プロセス・フローは動作914に進む。
【0149】
動作914において、検証及び統一モジュール140によって、感情データ396が準備されて、感情レポート・データ496が生成される。一実施例では、感情データ396の感情タイプは、ネガティブ感情タイプ、ポジティブ感情タイプ、緊急感情タイプ、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他の感情タイプを含む。一実施例では、シグナル検証器モジュール410は、感情データ396を検証する。一実施例では、シグナル統一器モジュール420は、感情データ396を統一する。感情レポート・データ496は、検証及び統一モジュール140によってユーザ・インターフェース・モジュール150に送信される。
【0150】
動作914において、検証及び統一モジュール140によって感情データ396が準備されて、感情レポート・データ496が生成されると、プロセス・フローは動作915に進む。
【0151】
動作915において、感情レポート・データ496は、ユーザによる分析のためにユーザ・インターフェース・モジュール150に提供される。一実施例では、ダッシュボード・モジュール510は、ユーザに感情レポート・データ496を表示するためのダッシュボード・ユーザ・インターフェースを提供する。一実施例では、通知モジュール520は、感情レポート・データ496の通知のユーザへの配信を提供する。
【0152】
一実施例では、インジケータ・モジュール530は、感情レポート・データ496に基づいてクライアント・サービス・システムによってユーザに提供されるユーザ・インターフェース画面をカスタマイズすることによって、感情レポート・データ496の表示を提供する。
【0153】
一実施例では、ユーザ・インターフェース・モジュール150は、ユーザが感情レポート・データ496の感情を誤検出として指定することを可能にすることを含む。一実施例では、感情検出器モデル321の予測性を向上させるために、誤検出指定から訓練データが生成される。一実施例では、誤検出指定に関連する1つ又は複数の感情が、感情レポート・データ496から削除される。
【0154】
動作915において、感情レポート・データ496が、ユーザによる分析のためにユーザ・インターフェース・モジュール150に提供されると、プロセス・フローは動作916に進む。
【0155】
動作916において、プロセス900は終了する。
【0156】
図10は、事前対応型クライアント関係分析のためのプロセス1000の流れ図である。図1図2A図3図4図5A、及び図10を合わせて参照すると、事前対応型クライアント関係分析のためのプロセス1000は、動作1010において開始し、プロセス・フローは、動作1011に進む。
【0157】
動作1011において、クライアント・サービス・システム180から案件データ282が受信される。案件データ282は、クライアント・サービス・システムの案件情報に関連付けられている。案件データ282は、クライアント・サービス・システム180の構造化データと非構造化データとの両方を表す。ベクトル収集器モジュール120のデータ取得モジュール230は、クライアント・サービス・システム180から案件データ282を取得する。
【0158】
動作1011において案件データ282が受信されると、プロセス・フローは動作1012に進む。
【0159】
動作1012において、案件データ282は、ベクトル収集器モジュール120によってベクトル・データ193内に収集される。ベクトル・データ統合器モジュール210は、案件データ282を統合し、ベクトル・データ集約器モジュール220は、案件データ282を集約して、ベクトル・データ193を生成する。ベクトル・データ統合器モジュール210は、制御データ192から統合命令を受信する。ベクトル・データ集約器モジュール220は、制御データ192から集約命令を受信する。制御データ192は、制御構成モジュール235を介してユーザによって修正される。
【0160】
一実施例では、ベクトル・データ193の各ベクトルは、感情ベースのガウス・ベクトル・タイプ、異常ベースのIQRベクトル・タイプ、平均ベースのベクトル・タイプ、平均値-中央値ベースのベクトル・タイプ、標準偏差ベースのベクトル・タイプ、閾値ベースのベクトル・タイプ、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のベクトル・タイプを含むベクトル・タイプによって定義される。一実施例では、ベクトル・データ193の各ベクトルは、クライアント・オブジェクト・タイプ、相手担当者オブジェクト・タイプ、案件オブジェクト・タイプ、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のオブジェクト・タイプのオブジェクト・タイプを含む。ベクトル・データ193は、ベクトル収集器モジュール120によってシグナル・プロセッサ・モジュール130に送信される。
【0161】
動作1012において案件データ282がベクトル・データ193内に収集されると、プロセス・フローは動作1013に進む。
【0162】
動作1013において、シグナル・プロセッサ・モジュール130によって、ベクトル・データ193が処理されて、シグナル・データ194を検出する。シグナル・プロセッサ・モジュール130は、ベクトル・データ193からシグナル・データ194を生成する。シグナル・データ194は、異常データ395、感情データ396、及び本明細書に述べる、又は出願時に当技術分野で知られている、又は出願後に開発される若しくは利用可能になる他のシグナル・データを含む。一実施例では、正規化モジュール330は、シグナル・データ194を正規化し、優先順位付けモジュール340は、シグナル・データ194に優先順位を付ける。シグナル・データ194は、シグナル・プロセッサ・モジュール130によって検証及び統一モジュール140に送信される。
【0163】
動作1013において、ベクトル・データ193が処理されて、シグナル・データ194を検出すると、プロセス・フローは動作1014に進む。
【0164】
動作1014において、検証及び統一モジュール140によって、シグナル・データ194が準備されて、シグナル・レポート・データ494が生成される。一実施例では、シグナル検証器モジュール410は、シグナル・データ194を検証する。一実施例では、シグナル統一器モジュール420は、シグナル・データ194を統一する。シグナル・レポート・データ494は、検証及び統一モジュール140によってユーザ・インターフェース・モジュール150に送信される。
【0165】
動作1014において、検証及び統一モジュール140によって、シグナル・データ194が準備されて、シグナル・レポート・データ494が生成されると、プロセス・フローは動作1015に進む。
【0166】
動作1015において、シグナル・レポート・データ494は、ユーザによる分析のためにユーザ・インターフェース・モジュール150に提供される。一実施例では、ダッシュボード・モジュール510は、ユーザにシグナル・レポート・データ494を表示するためのダッシュボード・ユーザ・インターフェースを提供する。一実施例では、通知モジュール520は、シグナル・レポート・データ494の通知のユーザへの配信を提供する。一実施例では、インジケータ・モジュール530は、シグナル・レポート・データ494に基づいてクライアント・サービス・システムによってユーザに提供されるユーザ・インターフェース画面をカスタマイズすることによって、シグナル・レポート・データ494の表示を提供する。
【0167】
動作1015において、シグナル・レポート・データ494が、ユーザによる分析のためにユーザ・インターフェース・モジュール150に提供されると、プロセス・フローは動作1016に進む。
【0168】
動作1016において、プロセス1000は終了する。
【0169】
本開示の実施例は、事前対応型クライアント関係分析のための非常に効率的で効果的な多用途のシステム及び方法を提供する。しかしながら、本開示の実施例は、異常検出システム及び方法の分野における他の形態の革新を包含も、具現化も、排除もしない。
【0170】
さらに、事前対応型クライアント関係分析のためのシステム及び方法の本開示の実施例は、少なくともいくつかの理由により抽象的なアイデアではない。
【0171】
第1に、本開示の事前対応型クライアント関係分析のためのシステム及び方法は、それ自体が(例えば、精神的に、又はペン及び紙を使用して実行され得る)単なるアイデアではないので、抽象的なアイデアではない。例えば、従来のクライアント・サービス・システムでは、サービス・プロバイダのエージェントとクライアントの相手担当者が定期的にテキスト・メッセージを相互に配信するので、何千もの案件のコメントの非構造化データの量は膨大である。サービス・プロバイダの管理者がすべてのコメントを読んで、調査すべきクライアント感情があることを示す特定の単語を検索することは不可能である。さらなる実例として、従来のクライアント・サービス・システムでは、サービス・プロバイダ・エージェントが各案件の解決に関連する情報を用いてフィールドを更新するので、数千の案件の構造化データの量も同様に膨大になる。サービス・プロバイダの管理者がすべての構造化データを確認し、様々な案件にわたって構造化データを比較することは不可能である。対照的に、本開示の実施例は、機械学習アルゴリズムを利用して、非構造化データ内の感情及び構造化データ内の異常を検出する。このような非構造化データ及び構造化データは大量にあるので、人間の心は、ペン及び紙を使用してもそのような検出を行うことはできない。
【0172】
第2に、本開示の事前対応型クライアント関係分析のためのシステム及び方法は、基本的な経済原則及び慣行(ヘッジ、保険、リスクの軽減を含む)、商業的又は法的な相互作用(契約の形での合意、法的義務、広告、マーケティング又は販売の活動又は行動、ビジネス関係を含む)、及び人々の間の相互作用(社会的活動、教育、及び規則又は指示に従うことを含む)など人間の活動を組織化する方法ではないので、抽象的なアイデアではない。対照的に、本開示の実施例は、機械学習モデル分析を実行して、クライアントとエージェントとの対話のシグナルの検出を提供する。本開示の実施例を使用して、サービス・プロバイダによる使用のためにシグナルの検出を提供することにより、サービス・プロバイダは、クライアントが異なるサービス・プロバイダからのサービスを探す前に問題をトラブルシューティングできるようにすることによって、クライアントにより良いサービスを提供することが可能になる。本開示の実施例は、サービス・プロバイダの管理者に、サービス・プロバイダの管理者には不明瞭な問題を明らかにする能力を向上させるものであり、これは人間の活動を組織化していない。
【0173】
第3に、本開示の事前対応型クライアント関係分析のためのシステム及び方法において数学が使用される場合があるが、開示及び特許請求されるシステム及び方法は、単に数学的な関係/公式ではないので、抽象的なアイデアではない。対照的に、本開示の実施例の利用は、異常又は感情のシグナルを特定するために、機械学習モデルがベクトル・データ上で動作することを可能にするという有形の効果をもたらす。このようなシグナルをサービス・プロバイダのユーザに提供して、サービス・プロバイダのビジネスの実行可能性を向上させる。これは単なる数学的関係/公式ではない。
【0174】
さらに、本開示のシステム及び方法は、クライアントのシグナルを事前対応として検出するという技術的問題に対する技術的解決策を提供することによって、シグナル検出の当技術分野を改善するための実用的な応用について説明している。
【0175】
上記の議論において、いくつかの実施例の特定の態様は、特定の順序及び/又はグループ化における例示のために、本明細書に記載の処理ステップ及び/又は動作及び/又は命令を含む。しかしながら、本明細書に示され、論じられる特定の順序及び/又はグループ化は、例示に過ぎず、限定するものではない。処理ステップ及び/又は動作及び/又は命令の他の順序及び/又はグループ化が可能であり、いくつかの実施例では、上記で論じた処理ステップ及び/又は動作及び/又は命令のうちの1つ又は複数を、結合及び/又は省略できることを当業者は認識するであろう。さらに、処理ステップ及び/又は動作及び/又は命令のうちの1つ又は複数の一部を、本明細書で論じられる処理ステップ及び/又は動作及び/又は命令のうちの1つ又は複数の他の一部として再グループ化することができる。必然的に、本明細書で論じられる処理ステップ及び/又は動作及び/又は命令の特定の順序及び/又はグルーピングは、下記で特許請求されるような本発明の範囲を限定するものではない。したがって、本開示に鑑み、本明細書が明示的に提供するか又は本明細書が暗示するかどうかにかかわらず、非常に多くの変形形態が当業者によって実施され得る。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
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図5A
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図5D
図6
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