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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】タブレットプレス機械
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/08 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B30B11/08 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022541993
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 IB2021050088
(87)【国際公開番号】W WO2021140455
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】102020000000112
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512031301
【氏名又は名称】アイエムエー、インドゥストリア、マッキーネ、アウトマティケ、ソチエタ、ペル、アチオニ
【氏名又は名称原語表記】I.M.A. INDUSTRIA MACCHINE AUTOMATICHE S.P.A
【住所又は居所原語表記】VIA EMILIA 428-442, 40064 OZZANO DELL’EMILIA (BO), ITALY
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】コンソリ,サルヴァトーレ・ファブリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】コロナ,マルコ
【審査官】石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】特表平10-503713(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0257411(US,A1)
【文献】特開2004-290984(JP,A)
【文献】実開平07-021293(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/08
A61J 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(X)周りに回転方向(R)で回転し、および複数のダイ(4)とともに該圧縮タレットの周囲部分に沿って設けられたダイテーブル(3)と、それぞれのダイ(4)とペアで連動する複数の下方パンチ(5)および対応する複数の上方パンチ(6)とを含む圧縮タレット(2)と、
前記下方パンチ(5)によって底部が閉じられた前記ダイ(4)によって形成されているドージングキャビティ(40)に生成物(50)を充填し、および一定の充填深さ(L1,L2,L3,L4)を有する充填手段(8)を備えているドージングステーション(7)と、
それぞれのダイ(4)の内部で前記下方パンチを動かして、前記一定の充填深さ(L1,L2,L3,L4)を得るために前記下方パンチ(5)と協働するカム手段(10)であって、前記カム手段(10)が、第一のチャネル(25)が設けられた第一の充填カム(21)と、第二のチャネル(26)が設けられた第二の充填カム(22)とを備え、前記第一のチャネル(25)および前記第二のチャネル(26)は、前記下方パンチ(5)の従動端部(15)を充填経路(27)に沿って案内するように構成され、および相互に配置されている、該カム手段と、を備える回転式タブレットプレス機械(1)であって、それが、
前記第一の充填カム(21)を支持する第一の調節要素(11)および、前記回転軸(X)周りに円弧に沿って摺動自在に第二の調節要素(12)上に取付けられている前記第二の充填カム(22)を支持する第二の調節要素(12)であって、前記第二の調節要素(12)は、前記回転軸(X)に平行に第一の方向(T)に沿って前記第一の調節要素(11)に対して動かされるように構成されている、該第一の調節要素および該第二の調節要素と、
前記第一の充填カム(21)を支持する前記第一の調節要素(11)と、前記第二の充填カム(22)を摺動自在に支持する前記第二の調節要素(12)を同時に前記圧縮タレット(2)に対しておよび前記第一の方向(T)に沿って動かすように構成された第一の駆動手段(13)と、を備えることを特徴とする、回転式タブレットプレス機械。
【請求項2】
前記第二の充填カム(22)は、少なくとも、前記第一のチャネル(25)が前記第二のチャネル(26)に対向している状態で前記第一の充填カム(21)の実質的に反対側にある閉位置(B)と、前記第二の充填カム(22)が、前記第一の充填カム(21)から角度的に離間して位置している開位置(A)と、の間で移動可能である、請求項1に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項3】
前記第一のチャネル(25)は、前記下方パンチ(5)の侵入のために、その端部に、該下方パンチ(5)の前記従動端部(15)の作動高さ(h)よりも大きいインレット高さ(d1)を有する、請求項1または2に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項4】
前記第一のチャネル(25)は、第一の上方トラック(25a)および第一の下方トラック(25b)を備え、前記第二のチャネル(26)は、第二の上方トラック(26a)および第二の下方トラック(26b)を備え、前記第一の上方トラック(25a)、前記第一の下方トラック(25b)、前記第二の上方トラック(26a)および前記第二の下方トラック(26b)は、前記下方パンチ(5)の前記従動端部(15)に当接するように構成されている、請求項1~3の何れか一項に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項5】
前記第一のチャネル(25)は、第一の区間(31)および第二の区間(32)を備え、前記第一の区間(31)内の前記第一のチャネル(25)は先細りであり、前記回転方向(R)に減少していく前記第一の上方および下方トラック(25a,25b)間のある距離と、前記従動端部(15)が前記第一の上方トラック(25a)または前記第一の下方トラック(25b)に当接することを可能にするような前記第一のチャネル(25)のインレット高さ(d1)と、前記従動端部(15)を該第一の上方および下方トラック(25a,25b)のほぼ両方に当接するように維持するような前記第一のチャネル(25)のアウトレット高さ(d2)と、を有し、前記回転方向(R)に対して前記第一の区間(31)の下流に配設されている前記第二の区間(32)内の前記第一のチャネル(25)は、実質的に一定でありおよび前記アウトレット高さ(d2)と等しい、前記第一の上方および下方トラック(25a,25b)間のある距離を有する、請求項4に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項6】
前記第一の上方トラック(25a)は、実質的に直線であり、および前記回転方向(R)に従って、前記第一の下方トラック(25b)に向かって傾斜し、および前記第一の下方トラック(25b)は、前記第一の区間(31)内で前記回転軸(X)に対して実質的に直角であり、同時にそれは、該回転軸(X)に対して傾斜し、および前記第二の区間(32)内の前記第一の上方トラック(25)に平行である、請求項5に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項7】
前記第二のチャネル(26)は、さらなる第一の区間(33)およびさらなる第二の区間(34)を備え、前記さらなる第一の区間(33)内の前記第二のチャネル(26)は先細りであり、前記回転方向(R)に減少していく前記第二の上方および下方トラック(26a,26b)間のある距離と、前記従動端部(15)が前記第二の上方トラック(26a)または前記第二の下方トラック(26b)に当接することを可能にするような前記第二のチャネル(26)のさらなるインレット高さ(d1’)と、前記従動端部(15)を該第二の上方および下方トラック(26a,26b)のほぼ両方に当接するように維持するような前記第二のチャネル(26)のさらなるアウトレット高さ(d2’)と、を有し、前記回転方向(R)に対して前記さらなる第一の区間(33)の下流に配設されている前記さらなる第二の区間(34)内の前記第二のチャネル(26)は、実質的に一定でありおよび前記さらなるアウトレット高さ(d2’)と等しい、前記第二のトラック(26a,26b)間のある距離を有する、請求項4~6の何れか一項に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項8】
前記第二の上方トラック(26a)は、実質的に直線であり、および前記回転方向(R)に従って、前記第二の下方トラック(26b)に向かって傾斜し、また、該第二の下方トラック(26b)は、前記さらなる第一の区間(33)において前記回転軸(X)に対して実質的に直角であり、同時にそれは、前記さらなる第二の区間(34)において、該回転軸(X)に対して傾斜し、および前記第二の上方トラック(26b)に平行である、請求項7に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項9】
前記第一の上方トラック(25a)と前記第二の上方トラック(26a)は、同じ傾斜角度(α)の前記第二の調節要素(12)の支持面(12a)に対して傾斜している、請求項4~8の何れか一項に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項10】
第二の伝達手段(48)によって前記第二の調節要素(12)を、前記第一の方向(T)に沿って前記第一の調節要素(11)に対して動かすように構成された第二の駆動手段(14)を備える、請求項1~9の何れか一項に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項11】
前記第二の駆動手段(14)はさらに、第三の伝達手段(51)により、前記第一の充填カム(21)に対して協調的に、前記第二の充填カム(22)を前記第二の調節要素(12)の上で摺動自在に動かすように構成される、請求項10に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項12】
前記第三の伝達手段(51)は、互いに係合している、前記第二の充填カム(22)上に形成された歯付き区域およびピニオン(52)を備え、前記ピニオン(52)は、前記第二の駆動手段(14)によって回転される、請求項11に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項13】
前記第一の充填カム(21)は、前記第一の調節要素(11)上に固定取付けされる、請求項1~12の何れか一項に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項14】
前記第二の調節要素(12)は、前記下方パンチ(5)の前記従動端部(15)を支持し、および摺動自在に案内して前記第二の充填カム(22)から出るように適合され、おおび実質的に直線状で水平なプロファイルを有するアウトレットトラック(29)を備え、前記第一の充填カム(21)の上流に配設されているインレットトラック(28)および前記アウトレットトラック(29)の上方摺動面間の充填距離(F)は、一定の充填深さ(L1,L2,L3,L4)を有する、前記ダイ(4)内のドージングチャンバ(40)を形成するように、前記第一の方向(T)に沿って前記下方パンチ(5)の動程と一致する、請求項1~13の何れか一項に記載のタブレットプレス機械(1)。
【請求項15】
各下方パンチ(5)の前記従動端部(15)は、前記チャネル(25,26)に摺動自在に当接するように構成された、対向する環状当接面(15a,15b)が設けられた、成形された環状突出部を備える、請求項1~14の何れか一項に記載のタブレットプレス機械(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末状または粒状の生成物を圧縮することにより、例えば、製剤、化粧品、食品、化学的用途のタブレット、トローチ、ピルを製造するためのタブレットプレス機械に関する。具体的には、該本発明は、回転式タブレットプレス機械に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の回転式タブレットプレス機械は、垂直軸周りに回転し、およびダイテーブルの周囲部分に沿って、互いに等距離に角度的に配置されおよび適切なドージングステーション内に送出された粉末状または粒状の生成物を受取るように構成されたキャビティを介した複数のダイを備えた該ダイテーブルまたはプレートによって形成された圧縮タレットを備えている。該タレットは、該それぞれのダイとペアで連動し、および該タレットの回転中に、カムおよび圧縮ローラによって、該ダイに対して同軸に、直線状にかつ垂直方向に動く複数の上方パンチおよび下方パンチをさらに備えている。該カムおよび圧縮ローラは、実際には、該タレットを回転可能に支持する、該タブレットプレス機械の固定支持構造に接続されている。
【0003】
該下方パンチは、該ダイとともに、該ドージングステーション内の該生成物を受け入れるように適合されたシート部またはドージングチャンバを構成し、そこで、該生成物は、該下方パンチによって底部が閉じられている該ダイ内に挿入される。充填後、該ダイテーブルの上面と接触しているスクレーパーが、余分に投与された生成物を該ダイから取り除く。
【0004】
連続する圧縮ステーションにおいて、該上方パンチおよび下方パンチは、該ダイに挿入された該生成物を圧縮して該タブレットを作り出すために、圧縮ローラによって移動され、その後、該タブレットは、適切に上昇させられた該下方パンチによって、該テーブルの該ダイから取出され、その後、出口シュート内に搬送される。
【0005】
さまざまなタブレット製造工程が、連続動作で回転する該圧縮タレットの一回転中に実行される。
【0006】
該ドージングステーションにおいて、該下方パンチは、該それぞれのダイ内において、該圧縮後に、決まった寸法および重量を有するタブレットを得ることを可能にする所定の容積を有するドージングチャンバを構成するように、充填またはローディングカムによって移動される。該充填カムは、他の充填カムに取付けられ、および該ダイ内での該下方パンチの位置ひいては該ドージングチャンバの該容積を変えるために、該他の充填カムと互換性がある。
【0007】
該互換性のある充填カムは、不連続的方法で、すなわち、一定のおよび別個の数に従って、該下方パンチの該位置ひいては該ドージングチャンバの該容積を一定の範囲内で変化させることを可能にしている。そのため、該互換性のある充填カムは、このような範囲内での該容積のほぼ連続的な調節を可能にしていない。
【0008】
実際には、経済的理由および実用的理由のため、タブレットプレス機械の製造会社は、一般に、標準的な装置として、ほとんど共通の容積の該ドージングチャンバ、すなわち、サイズおよび重量の該タブレットを得るために、異なるサイズから成る、限定された数の互換性のある充填カムを提供している。
【0009】
量の不連続的変化は、一つの値と次の値との間に、設定された間隔があることを意味し、一方、量の連続的変化は、一つの値と該次との間に、間隔がないか、または実際には、非常に小さい間隔があることを意味する。
【0010】
いくつかのタブレットプレス機械における該ドージングチャンバの該容積の中間的なおよび/またはより正確な調節を得るために、適切な調節カムが、該タレットの回転方向に関連して、該充填カムの下流に設けられ、このことは、該ドージングステップの終了時に、余分な生成物を除去するように、該下方パンチを適切に上昇させることにより、該ドージングチャンバの該容積を変更すること、具体的には低減することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した公知のタブレットプレス機械の欠点は、該ドージングチャンバの該容積調節作業は、該充填カムの交換、および場合により、該調節カムの交換を必要とするため、非常に複雑で困難であり、その結果、該タブレットプレス機械ひいては製造の長い停止時間を生じるということにある。
【0012】
さらに、互換性のある充填カムおよび調節カムは、常に所望の用量を保証するわけではなく、このことは、高価なカスタムカムの構造を要する。
【0013】
そして、該調節カムを用いた該正確な調節は、該ダイからの該過剰な生成物の除去を伴うため、場合により、(供給システム内での密度変動による起こり得る混合問題というリスクのために)新たなタブレットを製造するために、該除去した生成物を再利用することができず、それを廃棄しなければならないため製造コストの増加を招く、該タブレットプレス機械のユーザには受け入れられない。
【0014】
該本発明の目的は、該公知のタブレットプレス機械、具体的には、ダイと、上方パンチおよび下方パンチとを備える圧縮タレットを有する該回転式タブレットプレス機械を改良することである。
【0015】
別の目的は、圧縮すべき生成物のドージングステーション内でダイおよび下方パンチによって形成されるドージングチャンバの容積を、オペレータによる人手の介在を要することなく、シンプルで速くて正確な方法で調節できるようになっているタブレットプレス機械を提供することである。
【0016】
さらなる目的は、該ドージングチャンバの該容積の実質的に連続的な調節または変化を可能にするタブレットプレス機械を製造することである。
【0017】
また別の目的は、該ドージングステップの終了時に、過剰な生成物を該ダイから除去する必要性のない、圧縮すべき生成物を該ダイの内部に正確で精密な方法で投与することを可能にするタブレットプレス機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、該本発明の例示的で非限定的な実施形態を例示する添付図面を参照して、より良く理解しおよび実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】特に生成物のドージングステーションを示す、本発明による回転式タブレットプレス機械の一平面の概略部分図である。
図2】該生成物の最大充填の構成における該ドージングステーションの下方パンチおよびカム手段を示す図1の拡大および部分図である。
図3図2の面III-IIIに係る断面である。
図3A図3の拡大詳細図である。
図4】該ドージングステーションの該カム手段および関連する駆動手段の斜視図である。
図5図4の該カム手段および駆動手段の正面図である。
図6図4の該カム手段および駆動手段の平面図である。
図7】中間充填の第一の構成における該下方パンチおよび該カム手段を示す図2と同様の図である。
図8図7の該面VIII-VIIIに係る断面である。
図9】中間充填の第二の構成における該下方パンチおよび該カム手段を示す図2と同様の図である。
図10図9の該面X-Xに係る断面である。
図11】中間充填の該第二の構成における該カム手段の拡大および破断斜視図である。
図12図11の該カム手段の平面図である。
図13】最小充填の構成における該下方パンチおよび該カム手段を示す図2と同様の図である。
図14図13の該面XIV-XIVに係る断面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1から図6を参照すると、製剤、化粧品、食品または化学的用途のために生成物50を粉末状または粒状に圧縮することにより、タブレット、トローチ、ピルを製造するように配置されている、該本発明による回転式タブレットプレス機械1が図示されている。
【0021】
該タブレットプレス機械1は、回転方向Rに従って、具体的には垂直方向の回転軸X周りに回転可能であり、および複数のダイ4とともに圧縮タレットの周囲部分または縁部に沿って設けられたダイテーブル3と、タブレット、トローチまたはピルを得るように、該ダイ4に挿入された該生成物50を圧縮するために、それぞれのダイ4とペアで連動し、および第一の方向Tに沿って移動可能な複数の下方パンチ5および対応する複数の上方パンチ6とを含む圧縮タレット2を備えている。
【0022】
該ダイ4は、該生成物50が中に投与され、その後、タブレット100を形成するように圧縮される座部またはハウジングを、該パンチ5,6と協働して構成する、該ダイテーブル3内に形成された貫通キャビティである。
【0023】
該タブレットプレス機械1は、該ダイ4の内部で圧縮される一定量の生成物50を供給するように配置されたドージングステーション7と、該図面には図示されていない公知のタイプの少なくとも一つの圧縮ステーションとを備え、この場合、該下方パンチ5および該上方パンチ6は、該タブレットを得るために該ダイ4に送出された該生成物50を圧縮するように、該それぞれのダイ4の内部で直線状に動かされる。
【0024】
該ドージングステーション7は、該下方パンチ5によって底部が閉じられた該ダイ4によって形成され、および一定の充填深さL1を有するドージングキャビティ40に該生成物50を充填するように配置された充填手段8と、該それぞれのダイ4の内部で該下方パンチを動かすように、および一定の充填深さL1を得るように、該下方パンチ5と協働するカム手段10とを備えている。カム手段10は、該圧縮タレット2に対して固定され、および該タブレットプレス機械1の固定支持構造30に接続されている。
【0025】
図示されている実施形態において、該充填手段8は、該生成物50を収容し、および該生成物50がそれぞれのダイ4内の該ドージングキャビティ40に入り込むことを可能にするように該ダイテーブル3に対して開口しているコンテナ38を備えている。
【0026】
該ドージングキャビティ40の該深さまたは高さは、該回転方向Rへの該圧縮タレット2の回転中に、該下方パンチ5の各上端16が該ダイの中に挿入された状態で、該ダイ4が該コンテナ38内に入っているときの実質的にゼロ値から、該コンテナ38から出るときの、該一定の充填深さL1に等しい値まで漸増的に増加する。該圧縮タレット2の該回転方向Rに関して該コンテナの下流には、該ダイ4内に投与された起こり得る過剰な生成物50を取り除くために、該ダイテーブル3の上面に摺接する、該図面には図示されていない公知のタイプのスクレーパー要素が設けられている。
【0027】
該カム手段10は、第一のチャネル25が設けられた第一の充填カム21と、第二のチャネル26が設けられた第二の充填カム22とを備え、前記第一のチャネル25と前記第二のチャネル26は、前記第一および第二のチャネル25,26によって画定された充填経路またはチャネル27に沿って、該下方パンチ5の従動端部15を案内するように構成され、および相互に配置されている。該第二のチャネル26は、該下方パンチ5に関して該第一のチャネル25の反対側にある。
【0028】
該タブレットプレス機械1は、該第一の充填カム21を支持する第一の調節要素11と、該第二の充填カム22を支持する第二の調節要素12とをさらに備え、該第二の充填カムは、該圧縮タレット2の該回転軸X周りの周囲の円弧に沿って摺動自在に前記第二の調節要素12の上に取付けられている。該第一の充填カム21は、該第一の調節要素11の上に固定して取付けられている。
【0029】
該第一の調節要素11は、該タブレットプレス機械1の該固定支持構造30の支持要素35に摺動自在に取付けられている。
【0030】
該第二の調節要素12は、該第一の調節要素11に対して、該圧縮タレット2の該回転軸Xに平行な第一の方向Tに沿って動くように構成されている。具体的には、該第二の調節要素12は、該第一の方向Tに沿って、該第一の調節要素11と連動し、および該第一の調節要素に対して移動可能に取付けられている。
【0031】
該タブレットプレス機械1は、該第一の充填カム21を支持する該第一の調節要素11と、該第二の充填カム22を摺動自在に支持する該第二の調節要素12を同時に、該圧縮タレット2に対しておよび該第一の方向Tに沿って動かすように構成された第一の駆動手段13をさらに備えている。
【0032】
該第一の充填カム21は内側カム、すなわち、該回転軸Xに最も近いカムであり、従って、該第一のチャネル25は、該第一の充填カムの外側壁21aに形成され、および該タブレットプレス機械1の外側に向かって開口している。該第二の充填カム22は外側カム、すなわち、該回転軸Xから最も遠いカムであり、従って、該第二のチャネル26は、該第二の充填カムの内側壁22aに形成され、および該タブレットプレス機械1の内側に向かって開口している。
【0033】
該第二の充填カム22はさらに、該第二の調節要素12上でおよび該第二の調節要素に沿って動くことができ、少なくとも、該第二の充填カムが、該第一のチャネル25が該第二のチャネル26に対向している状態で該第一の充填カム21の実質的に反対側にある閉位置Bと、前記第二の充填カム22が、該回転方向Rに関して、前記第一の充填カム21から角度的に離間して、具体的には、該第一の充填カムに隣接しておよび該第一の充填カムのすぐ下流に位置している開位置Aとの間で該回転軸X周りに回転する。該第二の充填カム22は、該第二の調節要素12の支持面12aによって摺動自在に支持されている。
【0034】
以下の記載でより良く説明されているように、該第一の調節要素11と、該第二の調節要素12と、該第二の充填カム22とを、複数の異なる充填構成において互いに適切に動かすことにより、必要に応じて、該充填経路27のプロファイルおよび長さを変えることが可能である。そのため、該圧縮タレット2の該回転中に、該ダイ4内での下方パンチ5の位置を変えること、および所要の仕様に従って、該各ダイ4内の該ドージングチャンバ40の該充填深さを変えること、具体的には、ほぼ連続的な方法で、最大値L1と最小値L4との間で、すなわち、一つの値と次の値との間で非常に小さな間隔で、例えば、約0.01mmに等しい間隔で、該充填深さの値を変えることが可能である。
【0035】
該第一の充填カム21の該第一のチャネル25は、第一の上方トラック25aおよび第一の下方トラック25bを備え、また、該第二の充填カム22の該第二のチャネル26は、第二の上方トラック26aおよび第二の下方トラック26bを備え、前記第一のトラック25a,25bおよび第二のトラック26a,26bは、該下方パンチ5の該従動端部15に当接して案内するように構成されている。
【0036】
該第一のチャネル25は、第一の区間31および第二の区間32をさらに備えている。
【0037】
該第一の区間31において、該第一のチャネル25は、該回転方向Rに減少していく、幅または高さで、すなわち、該第一の上方トラック25aと該第一の下方トラック25bとの間の距離で先細りになっている。より正確には、該第一の区間31内の該第一のチャネル25は、該従動端部15が、該第一の充填カム21の位置、すなわち、該第一の方向Tに沿った該第一の調節要素11の位置に従って、該第一の上方トラック25aまたは該第一の下方トラック25bに選択的に当接することを可能にするような第一のインレット高さd1(すなわち、該第一の上方トラック25aと該第二の下方トラック25bとの間のインレット距離)と、該従動端部15が実質的に第一のトラック25a,25bの両方に当接するのを維持するような第一のアウトレット高さd2と、を有している。
【0038】
該第一のチャネル25の該インレット高さd1は、前記従動端部15が、該第一の上方トラック25aまたは該第一の下方トラック25bに選択的に当接することを可能にするように、該下方パンチ5の該従動端部15の作動高さhよりも大きくなっている。
【0039】
該回転方向Rに関して該第一の区間31の下流に位置する該第二の区間32においては、該第一のチャネル25は、ある幅または高さ、すなわち、実質的に一定で、該第一の区間31内の該第一のアウトレット高さd2に等しい、該第二の上方トラック26aと該第二の下方トラック26bとの間の距離を有している。
【0040】
両区間31,32における該第一の上方トラック25aは、実質的に直線であり、および特に該第一の区間31において、所定の角度の該回転方向Rに従って、該第一の下方トラック25bに向かって傾斜し、すなわち該第一の下方トラックに近付いている。該第一の下方トラック25bは、該回転軸Xに対して実質的に直角であり、具体的には、該第一の区間31においては直線でありかつ水平であり、一方、該第一の下方トラックは、該第二の区間32において、該回転軸Xに対して傾斜し、および該第一の上方トラック25aに平行である。
【0041】
該図面(図2)に図示されている実施形態において、該第一の上方トラック25aは、該第二の調節要素12の該支持面12aに対して、例えば、約5°(度)に等しい傾斜角度αを構成している。
【0042】
同様に、該第二のチャネル26は、さらなる第一の区間33と、さらなる第二の区間34とを備えている。該さらなる第一の区間33において、該第二のチャネル26は、該回転方向Rに減少しているある幅または高さを、すなわち、該第二の上方トラック26aと該第二の下方トラック26bとの間の距離を有しているため先細りになっている。より正確には、該さらなる第一の区間33においては、該第二のチャネル26は、該従動端部15が、該第二の調節要素12上の該第二の充填カム22の角度位置と、該第一の方向Tに沿った後者の該位置とに従って、該第二の上方トラック26aまたは該第二の下方トラック26bに選択的に当接することを可能にするような第二のインレット高さまたは距離d1’と、該従動端部15が、第二のトラック26a,26bの両方に実質的に当接するのを維持するような第二のアウトレット高さまたは距離d2’とを有している。該回転方向Rに対して該さらなる第一の区間33の下流に位置する該さらなる第二の区間34においては、該第二のチャネル26は、該第二の上方トラック26aと該第二の下方トラック26bとの間に実質的に一定で該第二のアウトレット高さd2’に等しい距離を有している。
【0043】
さらなる両区間33,34における該第二の上方トラック26aは、実質的に直線であり、および特に該さらなる第一の区間33において、該回転方向Rに従って、該第二の下方トラック26bに向かって傾斜し、すなわち該第二の下方トラックに近付いており、また、該第二の下方トラック26bは、該回転軸Xに対して実質的に直角であり、具体的には、該さらなる第一の区間33においては直線でありかつ水平であり、一方、該第二の下方トラックは、該さらなる第二の区間34において、該回転軸Xに対して傾斜し、および該第二の上方トラック26aに平行である。
【0044】
該図示されている実施形態において、該第一の上方トラック25aと該第二の上方トラック26aは、同じ傾斜角度αの該調節要素12の該支持面12aに対して傾斜している。
【0045】
該図示されている実施形態において、該第一のチャネル25の該第一のトラック25a,25b間の、および該第二のチャネル26の該第二のトラック26a,26b間の該インレット高さまたは距離d1,d1’および該アウトレット高さまたは距離d2,d2’は、それぞれ同じであり、また、該第一のチャネル25と該第二のチャネル26は、実質的に同じであり、および該下方パンチに関して、具体的には、該下方パンチ5の長手方向軸Yを通る円筒形の幾何学的面Mに対して鏡面反射的である。
【0046】
該第一の駆動手段13は、該圧縮タレット2に対して、および該第一の方向Tに沿って、(該第一の充填カム21と、該第二の充填カム22を摺動自在に支持する該第二の調節要素12とを支持する)該第一の調節要素11を、上昇した位置Cと下降した位置Dとの間の複数の位置に動かすように構成されている。
【0047】
該図示されている実施例において、該上昇した位置Cでは、該第一の充填カム21の該第一のチャネル25の該第一の下方トラック25bは、該下方パンチ5の該従動端部15に当接して該従動端部を摺動自在に案内するように配置され、また、該下降した位置Dにおいては、該第一の充填カム21の該第一のチャネル25の該第一の上方トラック25aは、該従動端部15に当接して該従動端部を摺動自在に案内するように配置されている。その結果、該第一の駆動手段13は、複数の異なる作用位置(図3A)において、長さSの動程に沿って該第一の充填カム21を動かすことが可能である。
【0048】
第一の駆動手段13は、第一の回転電動モータ45と、該第一の方向Tに沿って、該第一の調節要素11を直線状に動かすように前記第一の電動モータ45によって作動される、例えば、ナットねじタイプの第一の伝達手段41とを備えている。該第一の伝達手段41は、該第一の調節要素11に取付けられ、および該第一の回転電動モータ45によって回転されるねじと結合されて直線状に動かされるナットねじを備えている。
【0049】
また、該第一の調節要素11は、一組のロッド44により、該固定支持構造30の該支持要素35に摺動自在に結合されている。
【0050】
また、該タブレットプレス機械1は、第二の伝達手段48によって該第二の調節要素12を、該第一の方向Tに沿って前記第一の調節要素11に対して、および前記第一の調節要素11に対して独立して動かすように構成された第二の駆動手段14も備えている。
【0051】
好ましくは、該第二の駆動手段14はさらに、第三の伝達手段51を介して、該第一の充填カム21に対して協調的に、該第二の充填カム22を該第二の調節要素12の上で摺動自在におよび該第二の調節要素に沿って動かすように、および該前記開位置Aと前記閉位置Bとの間の回転軸周りに回転させて動かすように構成されている。
【0052】
このようにして、該第二のチャネル26の該第二の上方トラック26aは、該第一のチャネル25の該第一の上方トラック25aと平行に、および該第一の上方トラックと同一平面上に保持される。同一平面上にあるとは、該上方トラック25a,26aが、連続しており、かつ隣接しており、ならびに該上方トラック25,26と同じ傾斜角度αの該第二の調節要素12の該支持面12aに対して傾斜していることを意味する。
【0053】
該第二の駆動手段14は、例えば、第二の回転電動モータ47と、それぞれ、該第二の調節要素12を該第一の方向Tに沿って直線状に動かすように、および該第二の充填カム22を該第一の調節要素12上で、その中心が該回転軸X上にある円弧に沿って動かすように、該第二の電動モータ47によって作動される該第二の伝達手段48および該第三の伝達手段51とを備えている。
【0054】
該第二の伝達手段48は、例えば、該ナットねじタイプから成り、およびそれぞれ、該第二の調節要素12に取付けられ、および伸縮可能なカルダンジョイント49を介して該第二の回転電動モータ47によって回転されるそれぞれのねじと結合され、および該ねじによって直線状に動かされるナットねじを備えている。
【0055】
該第三の伝達手段51は、例えば、該第二の充填カム22上に形成されている、具体的には、内側壁22aに対向している、該第三の伝達手段の外側壁に形成され、および該第二の駆動手段14の該第二の回転電動モータ47によって回転されるピニオン52と係合し、すなわち噛合っている歯付き区域を備えている。歯付き区域とピニオン52の歯車比と、該第二の伝達手段48のナットねじの伝達比は、常に該第二の上方トラック26aを該第一の充填カム21の該第一の上方トラック25aと平行にかつ該第一の上方トラックと同一平面上に維持しながら、該第二の充填カム22を該開位置Aと該閉位置Bとの間で動かせるようになっている。
【0056】
特に図3Aを参照すると、各下方パンチ5の該従動端部15は、該第一および第二のチャネル25,26の該上方トラック25a,26aおよび/または該下方トラック25b,26bに摺動自在に当接するように構成された、対向する環状当接面15a,15bが設けられた、特に前記作動高さhを有する成形された環状突出部を備えている。該環状面は、該上方トラック25a,26aおよび下方トラック25b,26bの該摺動面と同じ傾斜角度の該下方パンチ5の長手方向軸Yに対して傾斜している。該作動高さhは、該環状当接面15a,15bの該上方縁部と下方縁部との間の該長手方向軸Yに沿った距離である。
【0057】
図示されていない該本発明の該タブレットプレス機械1の変形例においては、各下方パンチ5の該従動端部15は、該長手方向軸Yに対する、および該第一および第二のチャネル25,26の該上方トラック25a,26aおよび/または該下方トラック25b,26bに当接するように構成された、一組の対向する回転ローラを備えている。
【0058】
該タブレットプレス機械1は、該回転方向Rに対して該第一の充填カム21の上流に配置され、および該下方パンチ5の該従動端部15を該ドージングステーション7の該インレットにおいて支持し、および該従動端部を該第一の充填カム21の該第一のチャネル25に向かって摺動自在に案内するように適合されたインレットトラック28が設けられた固定インレットカム9をさらに備えている。該インレット経路28は、実質的に直線状で水平方向のプロファイルを有している。
【0059】
該第二の調節要素12は、該下方パンチ5の該従動端部15を支持し、および摺動自在に案内して該第二の充填カム22から出るように適合されたアウトレットトラック29を備えている。この目的のために、該下方パンチ5の該従動端部15は、該インレットトラック28およびアウトレットトラック29に当接するように構成された、それぞれのベース面15cを備えている。
【0060】
該インレットトラック28および該アウトレットトラック29の該上面間の充填距離Fはそれぞれ、所望の充填深さを有する、該ダイ4内のドージングチャンバ40を形成するための該下方パンチ5の充填動程であることに留意すべきである。
【0061】
該本発明の該タブレットプレス機械1の初期調節工程における図2から図14を参照すると、該充填距離F、すなわち、一定の所望の充填深さを有する、該ダイ4内のドージングチャンバ40を得るための、該下方パンチ5の該動程を設定するためのカム手段10の調節が記載されている。
【0062】
より正確には、該第一の充填カム21および該第二の充填カムは、該第一のチャネル25と該第二のチャネル26が、該下方パンチ5の所要の移動を実行して、所要の充填深さを得るような長さおよびプロファイルを有する充填プロファイルまたはチャネル27を構成するように、互いに対して配置されている。
【0063】
この目的のために、充填カム21,22の両方を支持する該第一の調節要素11は、該第一の駆動手段13により該第一の方向Tに沿って該圧縮タレット2に対して移動され、および上昇位置Cと下降位置Dとの間に構成された可能性のある位置間の固定位置に配置されている。同時に、該第二の調節要素12および第二の充填カム22は、該第二の充填カム22を、該開位置Aと該閉位置Bとの間に構成される該可能性のある位置の中のそれぞれ一定の位置に配置するために、それぞれ協調的に該第一の方向Tに沿っておよび該第二の調節要素12に沿って、および該圧縮タレット2の該回転軸X周りに、該第二の駆動手段14によって該第一の充填カム21に対して移動される。該充填カム21,22間の相対位置と、該圧縮タレット2に対する充填カム、すなわち、該第一の調節要素11の該位置とのいくつかの組合せは、同じ充填距離Fまたは充填深さを実現するのに用いることができる。
【0064】
図2から図14は、それぞれの端部位置に、すなわち、該第一の充填カム21の場合の該上昇位置Cおよび下降位置Dに、および該第二の充填カム22の場合の該開位置Aおよび該閉位置Bに配置された該充填カム21,22の該相対位置を組合せることによって得られた該カム手段10のいくつかの充填構成を示す。
【0065】
図1から図6は、該ドージングチャンバ40の最大充填深さL1を得ることを可能にするカム手段10の最大充填C1の構成を示す。このような最大充填C1の構成において、該第一の調節要素11によって固定されおよび動かされる該第一の充填カム21は該下降位置Dに配置され、および該第二の調節要素12によって摺動自在に支持された該第二の充填カム22は該開位置Aに配置されて、最大長さを有する充填プロファイル27を形成している。
【0066】
最大充填C1の該構成において、該圧縮タレット2の該回転中の該下方パンチ5の該従動端部15は、特に該充填カム21,22の該チャネル25,26の該それぞれの第一の区間31,33において、該上方トラック25a,26aに当接し、および該上方トラックによって摺動自在に案内される。該インレットトラック28および該アウトレットトラック29の該摺動面間の該充填距離Fは、該最大充填深さL1に等しい。
【0067】
図7および図8は、該ドージングチャンバ40の第一の中間充填深さL2を得ることを可能にする、カム手段10の中間充填C2の第一の構成を示す。このような中間充填C2の第一の構成において、該第一の充填カム21は該上昇位置Cに配置され、また、第二の充填カム22は該開位置Aに保持されて、最大長さを有する充填チャネル27を形成している。
【0068】
該中間充填C2の第一の構成において、該第一の充填カム21の該第一のチャネル25の該第一の区間31における該圧縮タレット2の該回転中の該下方パンチ5の該従動端部15は、該第一の下方トラック25bに当接して、該第一の下方トラックによって摺動自在に案内され、一方、該第二の充填カム22の該第二のチャネル26のさらなる第一の区間33においては、それらは該第二の上方トラック26aに当接して、該第二の上方トラックによって案内される。
【0069】
該インレットトラック28および該アウトレットトラック29の該摺動面間の該充填距離Fは、該第一の中間充填深さL2に等しい。
【0070】
図9から図12は、該第一の中間充填深さL2よりも小さい、該ドージングチャンバ40の第二の中間充填深さL3を得ることを可能にする、カム手段10の中間充填C3の第二の構成を示す。このような中間充填C3の第二の構成において、該第一の充填カム21は該下降位置Dに配置され、および該第二の充填カム22は該閉位置Bに配置されて、最小長さを有する充填チャネル27を形成している。
【0071】
この中間充填C3の第二の構成において、該第二の充填カム22の該第二のチャネル26は、実質的に鏡面反射的に該第一の充填カム21の該第一のチャネル25に対向し、および該充填カム21,22の該チャネル25,26の該第一の区間31,33における該圧縮タレット2の該回転中の該下方パンチ5の該従動端部15は、両上方トラック25a,26aに当接して、該両上方トラックによって摺動自在に案内される。
【0072】
該インレットトラック28および該アウトレットトラック29の該上方摺動面間の該充填距離Fは、該第二の中間充填深さL3に等しい。
【0073】
図13および図14は、該ドージングチャンバ40の該最小充填深さL4を得ることを可能にする、カム手段10の最小充填C4の構成を示す。このような最小充填C4の構成において、該第一の充填カム21は該上昇位置Cに配置され、および該第二の充填カム22は該閉位置Bに配置されて、最小長さを有する充填チャネル27を形成している。
【0074】
最小充填C4の該構成において、該第二の充填カム22の該第二のチャネル26は、実質的に鏡面反射的に該第一の充填カム21の該第一のチャネル25に対向し、および該それぞれの充填カム21,22の該チャネル25,26の該第一の区間31,33における該圧縮タレット2の該回転中の該下方パンチ5の該従動端部15は、該下方トラック25b,26bに当接して、該下方トラックによって摺動自在に案内される。
【0075】
該インレットトラック28および該アウトレットトラック29の該摺動面間の該充填距離Fは、該最小充填深さL4に等しい。
【0076】
既に上記で強調したように、該第一の調節要素11、すなわち、該第一の充填カム21を該調節方向Tに沿って該圧縮タレット2に対して適切に動かすことにより、および該第二の充填カム22を該第一の充填カム21に対して平行におよび該回転軸X周りに適切に動かすことにより、最大充填C1の該構成と、最小充填C4の該構成との間に構成される充填の複数の異なる構成を迅速に、簡単にかつ正確に得ることが可能であり、すなわち、該充填深さを、例えば、一つの値と次の値の間が約0.01mmに等しい最小間隔で、該最大値L1から該最小値L2までほぼ連続的に変化させおよび調節することが可能である。このような調節は、回転および速度を正確に制御可能な二つの回転電動モータ45,47を備えている該駆動手段13,14によって、精密かつ迅速に実行することができる。
【0077】
該最大値L1と該最小値L2との間の値の範囲は、例えば、20mmの最大充填深さ値L1および6mmの最小充填深さ値の場合を考えると、例えば、約14mmとすることができる。この14mmという範囲は、該ドージングチャンバ40の容積の中間的調節および/またはより正確な調節を得るために、該充填カムを取り替えて、および必然的に、該充填カムの下流に配置される適切な調節カムを用いることにより、従来の回転式充填機械で得ることができる。該調節カムは、ドージングチャンバ40の該容積を変更すること、具体的には、該余分な生成物の除去を可能にするために、該下方パンチ5を適切に上昇させることにより、該容積を所望の値にするように該ドージングチャンバ40の該容積を低減することを可能にする。
【0078】
該下方パンチ5によって該ダイ4内で得られるドージングチャンバ40の該容積の正確で精密な調節を可能にする、該本発明の該タブレットプレス機械1のカム手段10のおかげで、ドージングチャンバ40の該容積を低減するための後の下流の調節カムを含むことは必ずしも必要ではなく、このことは、該タブレットプレス機械1の構造を単純化することを可能にする。
【0079】
さらに、値L1からL4の該一定の範囲内で該充填深さを変えるために該充填カム21,22を取り替えることは必ずしも必要ではないため、該本発明の該充填機械1の停止回数は、該駆動手段13,14による充填カム21,22の該位置の容易で速い調節にも起因して最小限になる。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14