IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司の特許一覧

特許7449396電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置
<>
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図1
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図2
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図3
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図4
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図5
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図6
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図7
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図8
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図9
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図10
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図11
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図12
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図13
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図14
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図15
  • 特許-電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/531 20210101AFI20240306BHJP
   H01M 50/148 20210101ALI20240306BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20240306BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20240306BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20240306BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20240306BHJP
   H01M 10/052 20100101ALN20240306BHJP
【FI】
H01M50/531
H01M50/148
H01M50/586
H01M50/593
H01M50/536
H01M10/0587
H01M10/052
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022545922
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 CN2021091365
(87)【国際公開番号】W WO2022226971
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2022-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼文▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼于▲煉▼
【審査官】佐溝 茂良
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109860449(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0099457(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/531
H01M 50/148
H01M 50/586
H01M 50/593
H01M 50/536
H01M 10/0587
H01M 10/052
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するケースと、
前記ケース内に収容され、タブ部を含む電極アセンブリと、
前記開口に被せられて結合され、第1の貫通孔が設けられたエンドカバーと前記エンドカバーに取り付けられた電極端子とを含むエンドカバー組立体と、
前記電極端子と前記タブ部とを電気的に接続する集電部材と、を含み、
前記集電部材は、前記タブ部に接続された第1の接続部を含み、前記エンドカバーの厚さ方向における前記第1の接続部と前記タブ部との接続領域の投影と、前記厚さ方向における前記第1の貫通孔の投影とは、少なくとも一部が重なっており、前記エンドカバー組立体は、前記エンドカバーの前記電極アセンブリに対向する側に設置された第3の絶縁部材を含み、前記第1の接続部は、前記第3の絶縁部材と前記タブ部との間に位置し、
前記第3の絶縁部材は、第2の貫通孔を有し、前記厚さ方向における前記第2の貫通孔の投影は、前記厚さ方向における前記第1の貫通孔の投影内に位置する、電池セル。
【請求項2】
前記第1の接続部は、前記タブ部の前記エンドカバーに対向する側に位置し、前記第1の接続部は、基部と前記基部に接続された凸部とを含み、前記凸部は、前記基部の前記タブ部に対向する表面に対して突出しており、
前記凸部は、前記タブ部に接続され、前記接続領域を形成する、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記基部は、前記タブ部に接触されている、請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記凸部の前記タブ部から離れた側には、凹部を備え、前記凹部は、前記基部の前記電極アセンブリから離れた表面に対して凹んでいる、請求項2又は3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記電池セルは、少なくとも一部が、前記凹部内に収容され、前記接続領域を被覆する第1の絶縁部材を更に含む、請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記電池セルは、前記第1の接続部の前記タブ部から離れた側に設置され、前記接続領域を被覆する第2の絶縁部材を更に含む、請求項1~5の何れか1項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記エンドカバー組立体は、前記第3の絶縁部材に接続された第4の絶縁部材を含み、前記第4の絶縁部材は、前記第3の絶縁部材の前記電極アセンブリから離れた側に設置され、前記第2の貫通孔を被覆する、請求項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記第4の絶縁部材の少なくとも一部は、前記第1の貫通孔内に収容されている、請求項に記載の電池セル。
【請求項9】
前記第3の絶縁部材は、前記第3の絶縁部材の前記エンドカバーに対向する表面に対して凹んでいる第1の凹溝を有し、
前記第2の貫通孔は、前記第1の凹溝の底壁から前記厚さ方向に沿って延在し、
前記第4の絶縁部材の少なくとも一部は、前記第1の凹溝に収容され、前記第1の凹溝の底壁に接続されている、請求項又はに記載の電池セル。
【請求項10】
前記厚さ方向における前記接続領域の投影は、前記厚さ方向における前記第1の貫通孔の投影内に位置する、請求項1~の何れか1項に記載の電池セル。
【請求項11】
前記第1の接続部は、前記タブ部に溶接され、溶接領域を形成し、前記接続領域は前記溶接領域を含む、請求項1~10の何れか1項に記載の電池セル。
【請求項12】
前記電極アセンブリは、本体部を更に含み、前記タブ部は、前記本体部の前記エンドカバーに近接する一端から延在し、
前記本体部は、巻回構造であり、且つ折れ曲げ領域を含み、前記タブ部は、前記折れ曲げ領域から延在する第1の部分を含み、前記第1の部分の少なくとも一部は前記第1の接続部に接続されている、請求項1~11の何れか1項に記載の電池セル。
【請求項13】
前記本体部は、フラット領域を更に含み、前記折れ曲げ領域は、2つであり、且つ前記本体部の両端にそれぞれ接続され、
前記タブ部は、前記フラット領域から延在する第2の部分を更に含み、前記第2の部分の少なくとも一部は前記第1の接続部に接続されている、請求項12に記載の電池セル。
【請求項14】
前記エンドカバーは、前記ケースに接続されたエンドカバー本体と、前記第1の貫通孔を密封する密封プレートとを含む、請求項1~13の何れか1項に記載の電池セル。
【請求項15】
前記エンドカバー本体は、前記エンドカバー本体の前記電極アセンブリから離れた表面に対して凹んでいる第2の凹溝を含み、
前記第1の貫通孔は、前記第2の凹溝の底壁から前記厚さ方向に沿って延在し、
前記密封プレートの少なくとも一部は、前記第2の凹溝内に収容され、前記第2の凹溝の底壁に当接されている、請求項14に記載の電池セル。
【請求項16】
前記エンドカバー本体の前記電極アセンブリから離れた表面は、前記密封プレートの前記電極アセンブリから離れた表面と面一になる、請求項15に記載の電池セル。
【請求項17】
筐体と、前記筐体内に収容された請求項1~16の何れか1項に記載の電池セルと、を含む、電池。
【請求項18】
電気エネルギーを供給する請求項17に記載の電池を含む、電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池技術分野に関し、より具体的には、電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池セルと呼ばれる再充電可能な電池セルとは、電池セルが放電した後に充電することで活物質を活性化して使用し続けることができる電池セルを指す。再充電可能な電池セルは、例えば、携帯電話、ノートパソコン、電動スクーター、電気自動車、電動飛行機、電動船舶、電動自動車玩具、電動船舶玩具、電動飛行機玩具及び電動ツールなどの電子デバイスに広く使用されている。
【0003】
電池技術の発展において、電池セルの性能を向上させる以外に、安全性の問題も無視できないものである。電池セルの安全性の問題が保証できない場合は、この電池セルを使用することができない。従って、電池セルの安全性をどのように高めるかは、電池技術において解決すべき技術問題となる。
【発明の概要】
【0004】
本願は、電池セルの安全性を向上させることができる電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電力消費装置を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、本願の実施例は、以下を含む電池セルを提供する。
【0006】
ケースは開口を有する。
【0007】
電極アセンブリはケース内に収容され、タブ部を含む。
【0008】
エンドカバー組立体は、開口に被せられて結合され、第1の貫通孔が設けられたエンドカバーと、エンドカバーに取り付けられた電極端子とを含む。
【0009】
集電部材は、電極端子とタブ部とを電気的に接続し、集電部材は、タブ部に接続された第1の接続部を含み、エンドカバーの厚さ方向における第1の接続部とタブ部との接続領域の投影と、厚さ方向における第1の貫通孔の投影とは、少なくとも一部が重なっている。
【0010】
上記形態において、本願の実施例は、エンドカバーに第1の貫通孔を開設することにより、エンドカバーがケースに接続された後に集電部材とタブ部との接続を実現することができる。集電部材と電極端子とを接続する時、電極アセンブリが集電部材に接続されていないため、集電部材と電極端子とを接続する過程中に生成された不純物は電極アセンブリにスパッタリングすることができない。集電部材の第1の接続部とタブ部とを接続する時、電極アセンブリはケースとエンドカバーとにより形成された収容室内に収容されるため、ケースとエンドカバーはバリアとして機能し、環境中の不純物が電極アセンブリに付着されたリスクを低減させ、電池セルの安全性能を向上させることができる。
【0011】
いくつかの実施例において、第1の接続部は、タブ部のエンドカバーに対向する側に位置し、第1の接続部は、基部と基部に接続された凸部とを含み、凸部は、基部のタブ部に対向する表面に対して突出している。凸部は、タブ部に接続され、接続領域を形成する。凸部はタブ部に押圧されることで、凸部とタブ部とを緊密に接触させ、外部デバイスが凸部とタブ部とを接続することに有利である。
【0012】
いくつかの実施例において、基部はタブ部に接触されることで、集電部材とタブ部との間の過電流面積を増加させ、過電流能力を向上させることができる。
【0013】
いくつかの実施例において、凸部のタブ部から離れた側には、凹部を備え、凹部は、基部の電極アセンブリから離れた表面に対して凹んでいる。凸部はプレス工程により形成れ、集電部材のプレスされた位置に凹部が形成される。
【0014】
いくつかの実施例において、電池セルは、第1の絶縁部材を更に含み、第1の絶縁部材の少なくとも一部は凹部内に収容され、接続領域を被覆する。第1の絶縁部材は、第1の接続部とタブ部とを接続する過程中に生成された金属粒子を固定し、金属粒子が電極アセンブリに落ち込むリスクを低減することができる。凹部は、第1の絶縁部材を位置決めすることができ、第1の絶縁部材の組立に有利である。また、凹部は更に、第1の絶縁部材に対し空間を提供することで、集電部材と第1の絶縁部材との厚さ方向における占有空間を減少することができる。
【0015】
いくつかの実施例において、電池セルは、第1の接続部のタブ部から離れた側に設置され、接続領域を被覆する第2の絶縁部材を更に含む。
【0016】
いくつかの実施例において、エンドカバー組立体は、エンドカバーの電極アセンブリに対向する側に設置された第3の絶縁部材を含み、第1の接続部は、第3の絶縁部材とタブ部との間に位置している。第3の絶縁部材は、第2の貫通孔を有し、厚さ方向における接続領域の投影と、厚さ方向における第2の貫通孔の投影とは、少なくとも一部が重なっている。短絡のリスクを低減するために、第3の絶縁部材は、電極アセンブリとエンドカバーとを隔離する。第2の貫通孔は、第1の接続部を露出させ、外部デバイスでは第1の貫通孔と第2の貫通孔とを介して第1の接続部とタブ部とを接続する。
【0017】
いくつかの実施例において、エンドカバー組立体は、第3の絶縁部材に接続された第4の絶縁部材を含み、第4の絶縁部材は第3の絶縁部材の電極アセンブリから離れた側に設置され、第2の貫通孔を被覆する。第4の絶縁部材は、エンドカバーと第1の接続部とを絶縁的に隔離することで、第1の接続部とエンドカバーとが第2の貫通孔を介して導通することを回避することができる。
【0018】
いくつかの実施例において、第4の絶縁部材の少なくとも一部は第1の貫通孔内に収容されている。第1の貫通孔は、第4の絶縁部材を収容するための空間を確保することができ、このようにして、第4の絶縁部材は十分な厚さを有することができ、第4の絶縁部材が不純物により突き刺されるリスクを低減することができる。
【0019】
いくつかの実施例において、第3の絶縁部材は、第3の絶縁部材のエンドカバーに対向する表面に対して凹んでいる第1の凹溝を有する。第2の貫通孔は、第1の凹溝の底壁から厚さ方向に沿って延在する。第4の絶縁部材の少なくとも一部は、第1の凹溝に収容され、第1の凹溝の底壁に接続されている。第1の凹溝は位置決めの作用を果たすことができ、第4の絶縁部材の組立に有利である。
【0020】
いくつかの実施例において、厚さ方向における接続領域の投影は、厚さ方向における第1の貫通孔の投影内に位置する。本実施例は、第1の接続部の厚さ方向において第1の貫通孔と重なっていない部分をタブ部に接続する必要とせず、このようにしてタブ部と第1の接続部との接続プロセスを簡素化することができる。
【0021】
いくつかの実施例において、第1の接続部はタブ部に溶接され、溶接領域を形成し、接続領域は溶接領域を含む。溶接領域において、第1の接続部とタブ部との間の抵抗が小さいため、第1の接続部とタブ部との間の電流の伝送に有利である。
【0022】
いくつかの実施例において、電極アセンブリは、本体部を更に含み、タブ部は、本体部のエンドカバーに近接する一端から延在している。本体部は、巻回構造であり、且つ折れ曲げ領域を含む。タブ部は、折れ曲げ領域から延在する第1の部分を含み、第1の部分の少なくとも一部は第1の接続部に接続されている。
【0023】
いくつかの実施例において、本体部は、フラット領域を更に含み、折れ曲げ領域は、2つであり、且つ本体部の両端にそれぞれ接続されている。タブ部は、フラット領域から延在する第2の部分を更に含み、第2の部分の少なくとも一部は第1の接続部に接続されている。
【0024】
いくつかの実施例において、エンドカバーは、ケースに接続されたエンドカバー本体と、第1の貫通孔を密封する密封プレートとを含むため、電池セルのシール性を保証することができる。
【0025】
いくつかの実施例において、エンドカバー本体は、エンドカバー本体の電極アセンブリから離れた表面に対して凹んでいる第2の凹溝を含む。第1の貫通孔は、第2の凹溝の底壁から厚さ方向に沿って延在している。密封プレートの少なくとも一部は、第2の凹溝内に収容され、第2の凹溝の底壁に当接されている。第2の凹溝は、位置決めの作用を果たすことができ、密封プレートとエンドカバー本体との組立に有利である。第2の凹溝は更に密封プレートを収容するための空間を提供するので、厚さ方向におけるエンドカバー全体のサイズを減少することができる。
【0026】
いくつかの実施例において、エンドカバー本体の電極アセンブリから離れた表面は、密封プレートの電極アセンブリから離れた表面と面一になり、このようにして密封プレートに厚さ方向において空間を余分に占有させず、電池セルのエネルギー密度を向上させることができる。
【0027】
第2の態様によれば、本願の実施例は、筐体と筐体内に収容された第1の態様の任意の実施例に係る電池セルとを含む電池を提供する。
【0028】
第3の態様によれば、本願の実施例は、電気エネルギーを供給する第2の態様の電池を含む電力消費装置を提供する。
【0029】
第4の態様によれば、本願の実施例は、以下を含む電池セルの製造方法を提供する。
【0030】
開口を有するケースを供給する。
【0031】
タブ部を含む電極アセンブリを供給し、電極アセンブリをケース内に入れる。
【0032】
第1の貫通孔が設けられたエンドカバーと、エンドカバーに取り付けられた電極端子とを含むエンドカバー組立体を供給する。
【0033】
集電部材を供給し、集電部材を電極端子に接続する。
【0034】
エンドカバーを、開口に被せて結合する。
【0035】
集電部材は、電極端子とタブ部とを電気的に接続し、集電部材はタブ部に接続された第1の接続部を含み、エンドカバーの厚さ方向における第1の接続部とタブ部との接続領域の投影と、厚さ方向における第1の貫通孔の投影とは、少なくとも一部が重なっている。
【0036】
第5の態様によれば、本願の実施例は、以下を含む電池セルの製造システムを提供する。
【0037】
第1の供給装置は、開口を有するケースを供給する。
【0038】
第2の供給装置は、タブ部を含む電極アセンブリを供給し、ケース内に入れる。
【0039】
第3の供給装置は、第1の貫通孔が設けられたエンドカバーとエンドカバーに取り付けられた電極端子とを含むエンドカバー組立体を供給する。
【0040】
第4の供給装置は、集電部材を供給し、電極端子に接続する。
【0041】
組立装置は、エンドカバーを開口に被せて結合する。
【0042】
集電部材は、電極端子とタブ部とを電気的に接続し、集電部材はタブ部に接続された第1の接続部を含み、エンドカバーの厚さ方向における第1の接続部とタブ部との接続領域の投影と、厚さ方向における第1の貫通孔の投影とは、少なくとも一部が重なっている。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本願の実施例に係る技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、本願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的労働を付与しない前提で、図面に基づいて他の図面を得ることもできる。図面において、図面は、実際の縮尺で描かれていない。
図1】本願のいくつかの実施例により提供される車両の構造模式図である。
図2】本願のいくつかの実施例により提供される電池の分解模式図である。
図3図2に示される電池モジュールの構造模式図である。
図4】本願のいくつかの実施例により提供される電池セルの分解模式図である。
図5】本願のいくつかの実施例により提供される電池セルの上面図である。
図6図5に示される電池セルの線A-Aに沿った断面図である。
図7図5に示される電池セルの線B-Bに沿った断面図である。
図8図7に示される電池セルの枠Cでの拡大模式図である。
図9】本願のいくつかの実施例により提供される電池セルのエンドカバー組立体の分解模式図である。
図10】本願のいくつかの実施例により提供される電池セルの集電部材の構造模式図である。
図11図8に示される電池セルの丸い枠Dでの拡大模式図である。
図12】本願のいくつかの実施例により提供される電池セルの電極アセンブリの構造模式図である。
図13図12に示されるタブ部の構造模式図である。
図14】本願の別のいくつかの実施例により提供される電池セルの局所断面図である。
図15】本願のいくつかの実施例により提供される電池セルの製造方法のフローチャートである。
図16】本願のいくつかの実施例により提供される電池セルの製造システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例における図面を参照して、本願の実施例における技術的解決手段を明確に説明し、明らかに、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が、創造的労働を付与しない前提で、得られた全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0045】
別段の定義がない限り、本願で使用される全ての技術及び科学用語は、当業者に一般的に理解される意味と同じである。本願において、明細書で使用される用語は、単に具体的な実施例を説明するためのものであり、本願を制限するものではない。本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における「含む」や「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における「第1の」、「第2の」などの用語は、特定の順序や主従の関係を説明するのではなく、様々なオブジェクトを区別するために使用されている。
【0046】
本願で言及される「実施例」は、実施例で説明される特定の特徴、構造又は特性を参照して、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書の様々な箇所で現れた当該文章は、必ずしも全てが同じ実施例を指しているものではなく、他の実施例と相互に排他的である別個又は代替の実施例でもない。
【0047】
本願の説明において、説明すべきことは、特に明示的に指定及び限定されていない限り、「取付」、「連結」、「接続」、「付着」という用語は、広い意味で理解されるべきである。例えば、固定するように接続されてもよく、着脱可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されてもよい。直接連結されてもよく、中間媒介を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子内部で連通されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0048】
本願における「及び/又は」という用語は、関連するオブジェクトを説明するための関連関係に過ぎず、3種類の関係が存在できることを示す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独で存在するという3つの状況を示すことができる。また、本願における文字「/」は一般的に、前後に関連するオブジェクトが「又は」の関係であることを示す。
【0049】
本願の実施例において、同じ図面符号は同じ部品を示し、簡潔化のために、様々な実施例において、同じ部品に対する詳細な説明が省略される。理解すべきことは、図面に示される本願の実施例における様々な部品の厚さ、長さ及び幅などのサイズ、及び集積装置の全体の厚さ、長さ及び幅などのサイズは例示的な説明に過ぎず、本願の制限を構成するものではない。
【0050】
本願で現れる「複数」とは、2つ以上(2つを含む)を指す。
【0051】
本願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池セル、リチウムイオン一次電池セル、リチウム硫黄電池セル、ナトリウムリチウムイオン電池セル、ナトリウムイオン電池セル又はマグネシウムイオン電池セルなどを含むことができるが、本願の実施例はこれらに限定されない。電池セルは、円筒体、扁平体、直方体又は他の形状などであってもよいが、本願の実施例はこれらに対しても限定されない。電池セルは一般的に、パッケージに応じて、円筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの3つのタイプに分けられるが、本願の実施例はこれらに対しても限定されない。
【0052】
本願の実施例で言及される電池は、より高い電圧と容量を供給するための1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理モジュールを指す。例えば、本願で言及される電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含むことができる。電池は一般的に、1つ又は複数の電池セルをパッケージする筐体を含む。筐体は、液体又は他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを防ぐことができる。
【0053】
電池セルは、電極アセンブリと電解質とを含み、電極アセンブリは、正極シート、負極シート及びセパレータを含む。電池セルは、主に、正極シートと負極シートとの間における金属イオンの移動によって動作する。正極シートは、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極集電体は正極集電部と正極集電部から突出した正極凸部とを含み、正極集電部には正極活物質層が塗布され、正極凸部の少なくとも一部に正極活物質層が塗布されず、正極凸部は正極タブとする。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質層は正極活物質を含み、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極シートは負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極集電体は負極集電部と負極集電部から突出した負極凸部とを含み、負極集電部には負極活物質層が塗布され、負極凸部の少なくとも一部に負極活物質層が塗布されず、負極凸部は負極タブとする。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質層は負極活物質を含み、負極活物質は炭素又はケイ素などであってもよい。大電流を流しても溶断しないことを保証するために、正極タブの数は複数で積層され、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質はPP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。また、電極アセンブリは、巻回式構造であってもよく、積層式構造であってもよいが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0054】
電池セルは、ケースとエンドカバー組立体とを更に含む。ケースは電極アセンブリを収容し、且つ開口を有し、エンドカバー組立体は、エンドカバーとエンドカバーに取り付けられた電極端子とを含み、エンドカバーは、ケースに接続され、開口に被せられて結合されることで、電極アセンブリと電解質とを収容する収容室を形成する。一般的な電池セルにおいて、電極アセンブリは、集電部材を介して電極端子に電気的に接続されている。関連技術において、まず電極アセンブリを集電部材に接続し、次に電極アセンブリをケース内に入れることが一般的であり、しかしながら、発明者は、電極アセンブリと集電部材とを接続する過程中、不純物(特に、金属粒子)は電極アセンブリに容易に付着され、安全リスクを引き起こすことを発見した。
【0055】
これらに鑑み、本願の実施例は、以下の技術的解決手段を提供し、当該技術的解決手段において、電池セルは、開口を有するケースと、ケース内に収容され、タブ部を含む電極アセンブリと、開口に被せられて結合され、第1の貫通孔が設けられたエンドカバー及びエンドカバーに取り付けられた電極端子を含むエンドカバー組立体と、電極端子とタブ部とを電気的に接続し、タブ部に接続された第1の接続部を含む集電部材と、を含み、エンドカバーの厚さ方向における第1の接続部とタブ部との接続領域の投影と、厚さ方向における第1の貫通孔の投影とは、少なくとも一部が重なっている。このような構造を有する電池セルは、その内部に残留する不純物を減少し、安全リスクを低減することができる。
【0056】
本願の実施例に説明される技術的解決手段は、電池及び電池を用いた電力消費装置に適用される。
【0057】
電力消費装置は、車両、携帯電話、ポータブルデバイス、ノートパソコン、船舶、航空機、電動玩具及び電動ツールなどであってもよい。車両は、エンジン駆動車、天然ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよい。新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー型自動車などであってもよい。航空機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含む。電動玩具は、例えばゲーム機、電気自動車玩具、電動船舶玩具及び電動飛行機玩具などの固定式又は移動式の電動玩具を含む。電動ツールは、金属切削電動ツール、研磨電動ツール、組立電動ツール及び鉄道用電動ツールを含み、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマ、衝撃電動ドリル、コンクリート振動器及び電気カンナ等がある。本願の実施例は、上記の電力消費装置に対し特に限定されない。
【0058】
以下の実施例において、説明の便宜上、電力消費装置が車両であることを例として説明する。
【0059】
図1は、本願のいくつかの実施例により提供される車両の構造模式図である。図1に示すように、車両1の内部には電池2が設置され、電池2は車両1の底部又は前部又は後部に設置されてもよい。電池2は車両1に電力を供給してもよい。例えば、電池2は車両1の操作電源としてもよい。
【0060】
車両1は、コントローラ3とモータ4とを更に含むことができ、コントローラ3は電池2がモータ4に電力を供給するように制御し、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要に用いられる。
【0061】
本願のいくつかの実施例において、電池2は、車両1の操作電源とするだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1に駆動力を供給する。
【0062】
図2は、本願のいくつかの実施例により提供される電池の分解模式図である。図2に示すように、電池2は、筐体5と筐体5内に収容された電池セルとを含む(図2で図示しない)。
【0063】
筐体5は、電池セルを収容するために用いられ、筐体5は様々な構造であってもよい。いくつかの実施例において、筐体5は第1の筐体部51と第2の筐体部52とを含んでもよく、第1の筐体部51と第2の筐体部52とは互いに被せられて結合され、第1の筐体部51と第2の筐体部52とは電池セルを収容する収容空間53を共に限定している。第2の筐体部52は一端が開口する中空構造であってもよく、第1の筐体部51は板状構造であり、第1の筐体部51は第2の筐体部52の開口側に被せられて結合されることで、収容空間53を有する筐体5を形成する。第1の筐体部51と第2の筐体部52との両方は一側が開口する中空構造であってもよく、第1の筐体部51の開口側は第2の筐体部52の開口側に被せられて結合されることで、収容空間53を有する筐体5を形成する。当然ながら、第1の筐体部51と第2の筐体部52とは、円柱体、直方体などのような様々な形状であってもよい。
【0064】
第1の筐体部51と第2の筐体部52との接続後のシール性を向上させるために、第1の筐体部51と第2の筐体部52との間に、シーラント、シールリングなどのようなシール部材を設置してもよい。
【0065】
第1の筐体部51が第2の筐体部52の頂部に被せられて結合されると仮定した場合、第1の筐体部51は上筐体カバーと呼ばれてもよく、第2の筐体部52は下筐体と呼ばれてもよい。
【0066】
電池2において、電池セルは、1つであってもよく、複数であってもよい。電池セルが複数である場合、複数の電池セルの間は直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続とは、複数の電池セルにおいて、直列接続と並列接続の両方が存在することを指す。複数の電池セルの間を、直接接続又は並列接続又は直並列接続し、更に複数の電池セルで構成された全体を筐体5内に収容してもよい。当然ながら、複数の電池セルを、まず直列接続又は並列接続又は直並列接続して、電池モジュール6を構成し、複数の電池モジュール6を更に直列接続又は並列接続又は直並列接続して1つの全体を形成し、筐体5内に収容してもよい。
【0067】
図3は、図2に示される電池モジュールの構造模式図である。図3に示すように、いくつかの実施例において、電池セル7は、複数であり、複数の電池セル7を、まず直列接続又は並列接続又は直並列接続し、電池モジュール6を構成する。複数の電池モジュール6を、更に直列接続又は並列接続又は直並列接続し、1つの全体を形成し、筐体内に収容する。
【0068】
電池モジュール6における複数の電池セル7の間は、バスバーを介して電気的な接続を実現し、それにより電池モジュール6における複数の電池セル7の並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現することができる。
【0069】
図4は、本願のいくつかの実施例により提供される電池セルの分解模式図である。図5は、本願のいくつかの実施例により提供される電池セルの上面図である。図6は、図5に示される電池セルの線A-Aに沿った断面図である。
【0070】
図4図6に示すように、本願の実施例に係る電池セル7は、電極アセンブリ10、エンドカバー組立体30及びケース20を含む。エンドカバー組立体30は、エンドカバー31とエンドカバー31に取り付けられた電極端子32とを含む。ケース20は開口21を有し、電極アセンブリ10はケース20内に収容される。
【0071】
電極アセンブリ10は、正極シート、負極シート及びセパレータを含む。電極アセンブリ10は、巻回式電極アセンブリ、積層式電極アセンブリ又は他の形態の電極アセンブリであってもよい。
【0072】
いくつかの実施例において、電極アセンブリ10は、巻回式電極アセンブリである。正極シート、負極シート及びセパレータはいずれも帯状構造である。本願の実施例は、正極シート、セパレータ及び負極シートを順に積層し、2回以上巻回して電極アセンブリ10を形成してもよい。
【0073】
別のいくつかの実施例において、電極アセンブリ10は積層式電極アセンブリである。具体的には、電極アセンブリ10は複数の正極シートと複数の負極シートとを含み、正極シートと負極シートとが交替で積層され、積層方向は正極シートの厚さ方向及び負極シートの厚さ方向と平行である。
【0074】
電極アセンブリ10の外形から観察すると、電極アセンブリ10は、本体部11と本体部11に接続されたタブ部12を含む。例示的に、タブ部12は、本体部11のエンドカバー31に近接する一端から延在している。
【0075】
いくつかの実施例において、タブ部12は2つであり、2つのタブ部12は、正極タブ部と負極タブ部とにそれぞれ定義される。いくつかの例において、正極タブ部と負極タブ部とは、本体部11の同じ端から延出している。別のいくつかの例において、正極タブ部と負極タブ部とはそれぞれ本体部11の対向する両端から延出している。
【0076】
本体部11は、電極アセンブリ10の充放電機能を実現する重要な部分であり、タブ部12は、本体部11により生じた電流を引き出すために用いられる。本体部11は正極集電体の正極集電部、正極活物質層、負極集電体の負極集電部、負極活物質層及びセパレータを含む。正極タブ部は複数の正極タブを含み、負極タブ部は複数の負極タブを含む。
【0077】
ケース20は、一側が開口する中空構造であり、エンドカバー31は、ケース20の開口に被せられて結合され、密封的な接続を形成することで、電極アセンブリ10と電解質とを収容する収容室を形成する。
【0078】
ケース20は、円筒体、直方体などのような様々な形状であってもよい。ケース20の形状は、電極アセンブリ10の具体的な形状に応じて決定することができる。例えば、電極アセンブリ10が円筒体構造である場合、円筒体ケースを選択することができ、電極アセンブリ10が直方体構造である場合、直方体ケースを選択することができる。当然ながら、エンドカバー31は、様々な構造であってもよく、例えば、エンドカバー31は板状構造、一端が開口する中空構造などである。例示的に、図4において、ケース20は直方体構造であり、エンドカバー31は、板状構造であり、エンドカバー31は、ケース20の頂部の開口に被せられて結合されている。
【0079】
いくつかの実施例において、電極端子32は2つ設置され、2つの電極端子32は正極電極端子と負極電極端子とにそれぞれ定義されてもよい。正極電極端子と負極電極端子は、正極シートと負極シートに電気的に接続されることで、電極アセンブリ10により生じた電気エネルギーを出力する。
【0080】
いくつかの実施例において、エンドカバー組立体30は、エンドカバー31に取り付けられた圧力解放機構33を更に含み、圧力解放機構33は、電池セル7の内部圧力又は温度が所定値に達する時に電池セル7内部の圧力を解放するために用いられる。例示的に、圧力解放機構33は正極電極端子と負極電極端子との間に位置し、圧力解放機構33は、防爆バルブ、防爆シート、ガス弁、圧力解放弁又は安全弁などの部品であってもよい。
【0081】
いくつかの実施例において、ケース20は、対向する両側が開口する中空構造であってもよい。エンドカバー組立体30は、2つのエンドカバー31を含み、2つのエンドカバー31は、それぞれケース20の2つの開口に被せられて結合され、密封的に接続されることで、電極アセンブリ10と電解質とを収容する収容室を形成する。いくつかの例において、正極電極端子と負極電極端子とは、同じエンドカバー31に取り付けられてもよく、正極タブ部と負極タブ部とは、本体部11の当該エンドカバー31に近接する一端から延在している。別のいくつかの例において、正極電極端子と負極電極端子とは、2つのエンドカバー31にそれぞれ取り付けられ、正極タブ部と負極タブ部とは本体部11の2つのエンドカバー31に対向する両端からそれぞれ延出している。
【0082】
電池セル7において、ケース20内に収容された電極アセンブリ10は1つであってもよく、複数であってもよい。例示的に、図4において、電極アセンブリ10は2つである。
【0083】
電極アセンブリ10の電流を電極端子32に引き出すことを容易にするために、本願の実施例に係る電池セル7には集電部材40が更に設置されている。集電部材40は電極端子32とタブ部12とを電気的に接続している。例示的に、集電部材40は2つ設置され、1つの集電部材40は正極電極端子と正極タブ部とを電気的に接続し、別の集電部材40は負極電極端子と負極タブ部とを電気的に接続している。
【0084】
いくつかの実施例において、集電部材40は、第1の接続部41と第2の接続部42とを含み、第1の接続部41はタブ部12に接続され、第2の接続部42は電極端子32に接続される。例示的に、第1の接続部41は、タブ部12のエンドカバー31に対向する側に位置する。
【0085】
いくつかの実施例において、エンドカバー31には端子孔315が設置され、端子孔315はエンドカバー31の厚さ方向に沿ってエンドカバー31を貫通する。電極端子32は、エンドカバー31の電極アセンブリ10から離れた側に設置され、端子孔315を被覆している。例示的に、第2の接続部42は第1の接続部41から突出して端子孔315内に延出することで、電極端子32に接続される。好ましくは、第2の接続部42の電極端子32から離れた側は凹室を有する。集電部材40は金属板をプレスすることによって形成することができる。
【0086】
いくつかの実施例において、第2の接続部42は、溶接、カシメ、接着又は他の方法によって電極端子32に固定することができる。
【0087】
電池セル7を組み立てる過程中、発明者は、まず電極アセンブリを集電部材の第1の接続部に接続し、次に集電部材の第2の接続部をエンドカバー組立体の電極端子に接続し、続いて電極アセンブリをケース内に入れ、最後にケースとエンドカバーとを接続することで密封を実現する。しかしながら、発明者は、電極アセンブリと集電部材との接続中及び集電部材と電極端子との接続中、いずれも不純物が生成され、不純物(特に金属粒子)は電極アセンブリにスパッタリングして付着しやすいので、不純物はセパレータを突き刺し、正極シートと負極シートとを連通し、それにより安全リスクを引き起こす恐れがあることを発見した。
【0088】
出願者が発見した上記問題に基づいて、出願者は、電池セルの構造を改善する。以下、様々な実施例を参照して詳しく説明する。
【0089】
図7は、図5に示される電池セルの線B-Bに沿った断面図である。図8は、図7に示される電池セルの枠Cでの拡大模式図である。図9は、本願のいくつかの実施例により提供される電池セルのエンドカバー組立体の分解模式図である。図10は、本願のいくつかの実施例により提供される電池セルの集電部材の構造模式図である。図11は、図8に示される電池セルの丸い枠Dでの拡大模式図である。
【0090】
図7図11に示すように、いくつかの実施例において、エンドカバー31には第1の貫通孔311が設けられている。第1の貫通孔311はエンドカバー31の厚さ方向Zに沿ってエンドカバー31を貫通する。
【0091】
第1の接続部41は、タブ部12に接続され、接続領域Wを形成する。即ち、接続領域Wにおいて、第1の接続部41とタブ部12とは互いに接続される。接続領域Wは、第1の接続部41とタブ部12との間の電流の伝送を実現するために用いられる。
【0092】
エンドカバー31の厚さ方向Zにおける第1の接続部41とタブ部12との接続領域Wの投影と、厚さ方向Zにおける第1の貫通孔311の投影とは、少なくとも一部が重なっている。なお、厚さ方向Zにおける接続領域Wの投影とは、厚さ方向Zと垂直である平面内における接続領域Wの正投影を指し、厚さ方向Zにおける第1の貫通孔311の投影とは、厚さ方向Zと垂直である平面内における第1の貫通孔311の正投影を指す。
【0093】
いくつかの実施例において、本願の電池セル7は、ケース20の開口を経由して電極アセンブリ10をケース20内に入れるステップと、集電部材40の第2の接続部42をエンドカバー組立体30の電極端子32に接続するステップと、エンドカバー組立体30のエンドカバー31をケース20の開口に被せて結合し、エンドカバー31とケース20とを接続するステップと、エンドカバー31の第1の貫通孔311を経由して集電部材40とタブ部12とを接続し、接続領域Wを形成するステップと、エンドカバー31の第1の貫通孔311をシールするステップとにより組み立てることができる。
【0094】
本願の実施例は、エンドカバー31に第1の貫通孔311を開設することで、エンドカバー31がケース20に接続された後に集電部材40とタブ部12との接続を実現することができる。集電部材40と電極端子32とを接続する時、電極アセンブリ10は集電部材40に接続されていないため、集電部材40と電極端子32との接続中に生じた不純物は電極アセンブリ10にスパッタリングすることができない。集電部材40の第1の接続部41とタブ部12とを接続する時、電極アセンブリ10はケース20とエンドカバー31により形成された収容室内に収容されるため、ケース20とエンドカバー31とはバリアとして機能し、環境における不純物が電極アセンブリ10に付着するリスクを低減させ、電池セル7の安全性能を向上させることができる。
【0095】
エンドカバー31とケース20とが密封的に接続された後、第1の貫通孔311は第1の接続部41の少なくとも一部を露出することができ、外部デバイスは、第1の貫通孔311を経由して第1の接続部41とタブ部12とを接続することができる。第1の接続部41とタブ部12とを接続した後、厚さ方向Zにおける第1の接続部41とタブ部12との接続領域Wの投影と、厚さ方向Zにおける第1の貫通孔311の投影とは、少なくとも一部が重なっている。
【0096】
第1の接続部41とタブ部12とは、様々な方法により接続することができる。
【0097】
いくつかの実施例において、第1の接続部41は、タブ部12に溶接され、溶接領域を形成し、接続領域Wは溶接領域を含む。溶接領域において、第1の接続部41とタブ部12との間の抵抗が小さいため、第1の接続部41とタブ部12との間の電流の伝送に有利である。
【0098】
例示的に、溶接時、レーザーは、第1の貫通孔311を通過し、第1の接続部41に作用し、第1の接続部41の局所が融解し、タブ部12と一体に溶接することで、溶接領域を形成する。レーザーは第1の接続部41側から第1の接続部41とタブ部12とに溶接され、第1の接続部41は溶接により生じた金属粒子を遮断し、金属粒子が電極アセンブリ10にスパッタリングされるリスクを低減することができる。
【0099】
好ましくは、レーザーの発射方向は厚さ方向Zと平行である。
【0100】
別のいくつかの実施例において、第1の接続部41はタブ部12に接着され、接着領域を形成し、接続領域Wは接着領域を含む。例えば、第1の接続部41は、抵抗を減少する導電性接着剤により、タブ部12に接着されるので、第1の接続部41とタブ部12との間の電流の伝送に有利である。
【0101】
例示的に、第1の接続部41には、貫通する複数の隙間(未図示)が設けられている。外部デバイスは第1の貫通孔311を介して第1の接続部41に導電性接着剤を塗布し、導電性接着剤はこれらの隙間を経由して第1の接続部41とタブ部12との間へ流れることで、第1の接続部41とタブ部12とを接着させる。
【0102】
さらなるいくつかの実施例において、第1の接続部41はタブ部12に圧接され、圧接領域を形成し、接続領域Wは圧接領域を含む。圧接領域において、第1の接続部41はタブ部12に押圧されることで、第1の接続部41とタブ部12とを接触状態に維持させ、第1の接続部41とタブ部12との間の抵抗を減少し、第1の接続部41とタブ部12との間の電流の伝送に有利である。
【0103】
例示的に、外部デバイスでは、第1の貫通孔311を介してエンドカバー31と第1の接続部41との間に支持部品(未図示)が配置され、支持部品は、力を受けて第1の接続部41に押圧されることで、第1の接続部41はタブ部12に圧接される。
【0104】
当然ながら、本願は、上記方式により第1の接続部41とタブ部12とを接続することに限定されず、カシメ又は他の方法により第1の接続部41とタブ部12とを接続してもよい。
【0105】
いくつかの実施例において、厚さ方向Zにおける接続領域Wの投影は、厚さ方向Zにおける第1の貫通孔311の投影内に位置する。即ち、本実施例は、第1の接続部41の第1の貫通孔311と厚さ方向Zにおいて重なっていない部分をタブ部12に接続する必要とせず、このようにしてタブ部12と第1の接続部41との接続プロセスを簡素化することができる。溶接プロセスを例として、タブ部12と第1の接続部41とを溶接する時、レーザーの発射方向は厚さ方向Zと平行であればよい。
【0106】
いくつかの実施例において、第1の接続部41は、タブ部12のエンドカバー31に対向する側に位置し、第1の接続部41は基部411と基部411に接続された凸部412とを含み、凸部412は基部411のタブ部12に対向する表面に対して突出する。凸部412はタブ部12に接続され、接続領域Wを形成する。
【0107】
凸部412は、タブ部12に押圧されることで、凸部412とタブ部12とを緊密に接触させ、外部デバイスが凸部412とタブ部12とを接続することに有利である。エンドカバー組立体30をケース20に組み立てた後、集電部材40は、締まりばめにより、タブ部12とエンドカバー組立体30との間に設置され、エンドカバー組立体30は集電部材40を下へ押圧することで、凸部412をタブ部12に押圧させる。
【0108】
例示的に、凸部412はタブ部12に押圧され、このようにして、凸部412とタブ部12とを溶接する時、トンネル半田のリスクを低減し、凸部412とタブ部12との間の接続強度を向上させることができる。
【0109】
基部411は、大体フラット状である。例示的に、凸部412の数と電池セル7の電極アセンブリ10の数とは同じである。好ましくは、凸部412は2つであり、基部411は2つの凸部412を第2の接続部42に接続する。
【0110】
いくつかの実施例において、基部411はタブ部12と接触することで、集電部材40とタブ部12との間の過電流面積を増加させ、過電流能力を向上させる。凸部412がタブ部12に押圧されることで、タブ部12の局所が凹んでいるため、基部411と凸部412とはタブ部12と同時に接触することができる。
【0111】
いくつかの実施例において、凸部412のタブ部12から離れた側は凹部413を有し、凹部413は、基部411の電極アセンブリ10から離れた表面に対して凹んでいる。凸部412はプレス工程により形成されてもよく、集電部材40のプレスされた位置には凹部413が形成される。
【0112】
電池セルは、第1の絶縁部材34を更に含み、第1の絶縁部材34の少なくとも一部は凹部413内に収容され、接続領域Wを被覆している。第1の接続部41をタブ部12に接続した後、接続領域Wの表面にはいくつかの不純物を残留する場合がある。溶接工程を例として、溶接完了後、接続領域Wの表面にはいくつかの金属粒子を残留し、これらの金属粒子は電極アセンブリ10に落ち込み、短絡のリスクを引き起こす可能性がある。本願の実施例は第1の絶縁部材34を設置することによって金属粒子を固定し、金属粒子が電極アセンブリ10内に落ち込むリスクを低減することができる。凹部413は第1の絶縁部材34を位置決めすることができ、第1の絶縁部材34の組立に有利である。また、凹部413は更に、第1の絶縁部材34に空間を提供し、集電部材40と第1の絶縁部材34の厚さ方向Zに占有する空間を減少することができる。
【0113】
いくつかの例において、第1の絶縁部材34は絶縁コロイドの硬化により形成される。具体的には、第1の接続部41をタブ部12に接続した後、外部デバイスで第1の貫通孔311を経由して凹部413内に絶縁コロイドを滴下し、絶縁コロイドが硬化された後に接続領域Wを被覆する第1の絶縁部材34を形成する。
【0114】
別のいくつかの例において、第1の絶縁部材34は絶縁パッチである。具体的には、第1の接続部41をタブ部12に接続した後、外部デバイスで第1の貫通孔311を経由して凹部413内に絶縁パッチを入れ、絶縁パッチを凸部412に接着させる。
【0115】
いくつかの実施例において、厚さ方向Zにおける第1の絶縁部材34の投影は、厚さ方向Zにおける第1の貫通孔311の投影内に位置する。厚さ方向Zにおける第1の絶縁部材34の投影は、厚さ方向Zと垂直である平面内における第1の絶縁部材34の正投影である。
【0116】
いくつかの実施例において、第1の絶縁部材34は、凹部413内に完全に収容される。
【0117】
いくつかの実施例において、電池セルは、第2の絶縁部材(未図示)を更に含み、第2の絶縁部材は、第1の絶縁部材34の接続領域Wから離れた側に設置され、接続領域Wを被覆している。第1の絶縁部材34及び第2の絶縁部材は、電極アセンブリ10への不純物の侵入のリスクを低減する二重保護として機能することができる。
【0118】
いくつかの実施例において、エンドカバー組立体30は、エンドカバー31の電極アセンブリ10に対向する側に設置された第3の絶縁部材35を含む。第3の絶縁部材35は、電極アセンブリ10とエンドカバー31とを隔離することで、短絡のリスクを低減することができる。第3の絶縁部材35は、エンドカバー31の電極アセンブリ10に対向する表面に固定される。好ましくは、第3の絶縁部材35の材質はプラスチックである。
【0119】
第1の接続部41は、第3の絶縁部材35とタブ部12との間に位置する。第3の絶縁部材35は第2の貫通孔351を有し、第2の貫通孔351は厚さ方向Zに沿って第3の絶縁部材35を貫通する。厚さ方向Zにおける接続領域Wの投影と、厚さ方向Zにおける第2の貫通孔351の投影とは、少なくとも一部が重なっている。
【0120】
第2の貫通孔351は、第1の接続部41を露出させ、外部デバイスは第1の貫通孔311と第2の貫通孔351を介して第1の接続部41とタブ部12とを接続する。
【0121】
いくつかの実施例において、厚さ方向Zにおける第2の貫通孔351の投影は、厚さ方向Zにおける第1の貫通孔311の投影内に位置する。いくつかの実施例において、厚さ方向Zにおける第1の絶縁部材34の投影は厚さ方向Zにおける第2の貫通孔351の投影内に位置する。
【0122】
いくつかの実施例において、エンドカバー組立体30は、第3の絶縁部材35に接続された第4の絶縁部材36を含み、第4の絶縁部材36は、第3の絶縁部材35の電極アセンブリ10から離れた側に設置され、第2の貫通孔351を被覆している。第4の絶縁部材36は、エンドカバー31と第1の接続部41とを絶縁的に隔離することで、第1の接続部41とエンドカバー31とが第2の貫通孔351を介して導通することを回避することができる。好ましくは、第4の絶縁部材36は絶縁パッチであり、且つ第3の絶縁部材35に接着されている。
【0123】
例示的に、電池セル7の組立過程において、まず第1の貫通孔311と第2の貫通孔351を介して第1の接続部41をタブ部12に接続し、次に第1の貫通孔311と第2の貫通孔351を介して凹部413内に第1の絶縁部材34を入れ、接続領域Wを被覆し、続いて第1の貫通孔311を介して第4の絶縁部材36を入れ、第2の貫通孔351を被覆する。
【0124】
いくつかの実施例において、厚さ方向Zにおける第4の絶縁部材36の投影は、厚さ方向Zにおける第1の貫通孔311の投影内に位置する。
【0125】
いくつかの実施例において、第4の絶縁部材36の少なくとも一部は、第1の貫通孔311内に収容されている。第1の貫通孔311は第4の絶縁部材36を収容するための空間を確保することができ、このようにして、第4の絶縁部材36は十分な厚さを有することができ、第4の絶縁部材36が不純物により突き刺されるリスクを低減することができる。例示的に、第4の絶縁部材36全体は第1の貫通孔311内に位置する。第3の絶縁部材35のエンドカバー31に対向する表面はエンドカバー31に貼り付けられ、第4の絶縁部材36は第3の絶縁部材35のエンドカバー31に対向する表面に接着されてもよい。
【0126】
別のいくつかの実施例において、第3の絶縁部材35は、第3の絶縁部材35のエンドカバー31に対向する表面に対して凹んでいる第1の凹溝352を有する。第2の貫通孔351は、第1の凹溝352の底壁から厚さ方向Zに沿って延在し、第3の絶縁部材35を貫通する。第4の絶縁部材36の少なくとも一部は第1の凹溝352に収容され、第1の凹溝352の底壁に接続されている。第1の凹溝352は、位置決めの作用を果たすことができ、第4の絶縁部材36の組立に有利である。第1の凹溝352は、第4の絶縁部材36を収容するための空間を確保することもでき、このようにして、第4の絶縁部材36は十分な厚さを有することができ、第4の絶縁部材36が不純物により突き刺されるリスクを低減することができる。例示的に、第4の絶縁部材36全体は、第1の凹溝352内に位置する。
【0127】
さらなるいくつかの実施例において、第4の絶縁部材36の一部は、第1の貫通孔311内に収容され、第4の絶縁部材36の他の部分は第1の凹溝352内に収容され、このようにして、第4の絶縁部材36を収容するためのより大きい空間を確保することができる。
【0128】
いくつかの実施例において、エンドカバー31は、エンドカバー本体312と密封プレート313とを含む。エンドカバー本体312はケース20に接続され、ケース20の開口に被せられて結合されている。第1の貫通孔311は厚さ方向Zに沿ってエンドカバー本体312を貫通する。密封プレート313は、第1の貫通孔311を密封することで、電池セル7のシール性を保証することができる。
【0129】
いくつかの実施例において、エンドカバー本体312は、エンドカバー本体312の電極アセンブリ10から離れた表面に対して凹んでいる第2の凹溝314を含む。第1の貫通孔311は、第2の凹溝314の底壁から厚さ方向Zに沿って延在することで、エンドカバー本体312を貫通する。密封プレート313の少なくとも一部は、第2の凹溝314内に収容され、第2の凹溝314の底壁に当接される。第2の凹溝314は位置決めの作用を果たすことができ、密封プレート313とエンドカバー本体312の組立に有利である。第2の凹溝314は更に、密封プレート313を収容するための空間を提供するので、エンドカバー31全体の厚さ方向Zにおけるサイズを減少することができる。例示的に、密封プレート313の周縁は第2の凹溝314の側壁に溶接されている。
【0130】
いくつかの実施例において、エンドカバー本体312の電極アセンブリ10から離れた表面は、密封プレート313の電極アセンブリ10から離れた表面と面一になり、このようにして、密封プレート313に厚さ方向Zにおいて空間を余分に占有させず、電池セル7のエネルギー密度を向上させることができる。
【0131】
いくつかの実施例において、密封プレート313は、第1の密封部313aと第2の密封部313bとを含み、上記第1の密封部313aは第2の凹溝314内に収容され、エンドカバー本体312に溶接され、第2の密封部313bは上記第1の密封部313aに接続され、且つ第1の貫通孔311内に収容される。第2の密封部313bは第4の絶縁部材36に押圧されることで、第4の絶縁部材36を第3の絶縁部材35に密着させる。
【0132】
いくつかの具体的な実施例において、本願の電池セル7は下記ステップにより組み立てることができる。
【0133】
ケース20の開口を経由して電極アセンブリ10をケース20内に入れる。
【0134】
集電部材40の第2の接続部42をエンドカバー組立体30の電極端子32に溶接する。
【0135】
エンドカバー組立体30のエンドカバー本体312をケース20の開口に被せて結合し、エンドカバー本体312とケース20とを接続し、ここで、電極端子32、第3の絶縁部材35などの部品は予めエンドカバー本体312に組み立てられている。
【0136】
レーザーは第1の貫通孔311と第2の貫通孔351とを経由して第1の接続部41に作用することで、第1の接続部41とタブ部12とを接続し、接続領域Wを形成する。
【0137】
第1の貫通孔311と第2の貫通孔351とを経由して第1の接続部41の凹部413内に絶縁コロイドを滴下し、絶縁コロイドが硬化された後に接続領域Wを被覆する第1の絶縁部材34を形成する。
【0138】
第1の貫通孔311を経由して第4の絶縁部材36を第3の絶縁部材35に接着することで、第4の絶縁部材36が第2の貫通孔351を被覆する。
【0139】
密封プレート313をエンドカバー本体312に溶接することで、第1の貫通孔311を密封する。
【0140】
図12は、本願のいくつかの実施例により提供される電池セルの電極アセンブリの構造模式図である。図13は、図12に示されるタブ部の構造模式図である。
【0141】
図12に示すように、本願の実施例に係る本体部11は、巻回構造であり、且つ折れ曲げ領域111を含む。折れ曲げ領域111は、本体部11に折れ曲げ構造を有する領域であり、正極シートの折れ曲げ領域111に位置する部分と負極シートの折れ曲げ領域111に位置する部分はいずれも折れ曲げるように設置される。例示的に、正極シートの折れ曲げ領域111に位置する部分と負極シートの折れ曲げ領域111に位置する部分はいずれも円弧形である。
【0142】
いくつかの実施例において、タブ部12は、折れ曲げ領域111から延在する第1の部分121を含み、第1の部分121の少なくとも一部は、第1の接続部41に接続されている。
【0143】
第1の部分121は、積層するように設置された複数のタブ折れ曲げ部121aを含む。正極タブ部の第1の部分121のタブ折れ曲げ部121aは正極タブの折れ曲げ領域111に接続された部分であり、負極タブ部の第1の部分121のタブ折れ曲げ部121aは負極タブの折れ曲げ領域111に接続された部分である。
【0144】
電極アセンブリ10を製造する時、複数のタブ折れ曲げ部121aをロールプレスすることで、複数のタブ折れ曲げ部121aを互いに近接させ、それによりタブ折れ曲げ部121aの間の隙間を小さくする。複数のタブ折れ曲げ部121aの折れ曲げ領域111から離れた一端に緻密な端面がほぼ形成され、当該端面は第1の部分121の第1の接続部41に接続された表面である。このように、溶接の方法により第1の接続部41と第1の部分121とを接続する時、本願の実施例は、第1の接続部41と第1の部分121との間の接続強度を保証し、レーザー漏れによる電極アセンブリ10の焼損のリスクを低減することができる。
【0145】
いくつかの実施例において、電極アセンブリ10は扁平状である。本体部11は、フラット領域112を更に含み、折れ曲げ領域111は2つであり、且つ本体部11の両端にそれぞれ接続されている。フラット領域112は電極アセンブリ10のフラット構造を有する領域であり、正極シートのフラット領域112に位置する部分と負極シートのフラット領域112に位置する部分は、基本的にフラット状に設置される。
【0146】
タブ部12は、フラット領域112から延在する第2の部分122を更に含み、第2の部分122の少なくとも一部は第1の接続部41に接続されている。
【0147】
第2の部分122は、積層するように設置された複数のタブフラット部122aを含む。正極タブ部の第2の部分122のタブフラット部122aは、正極タブのフラット領域112に接続された部分であり、負極タブ部の第2の部分122のタブフラット部122aは、負極タブのフラット領域112に接続された部分である。
【0148】
電極アセンブリ10を製造する時、複数のタブフラット部122aをロールプレスすることで、複数のタブフラット部122aを互いに近接させ、それによりタブフラット部122aの間の隙間を小さくする。複数のタブフラット部122aのフラット領域112から離れた一端に、緻密な端面がほぼ形成され、当該端面は第2の部分122の第1の接続部41に接続された表面である。このようにして、溶接の方法により第1の接続部41と第2の部分122とを接続する時、本願の実施例は、第1の接続部41と第2の部分122との間の接続強度を保証し、レーザー漏れによる電極アセンブリ10の焼損のリスクを低減することができる。
【0149】
関連技術において、タブ部の本体部から突出するサイズが大きく、且つタブ部は折れ曲げられることにより占有する空間を小さくする。本願の実施例において、タブ部12の本体部11から離れた端部は、第1の接続部41に接続され、本体部11から突出するサイズが小さいため、タブ部12全体を折れ曲げる必要とせず、タブ部12の占有する空間を小さくし、エネルギー密度を高めることができる。
【0150】
図14は、本願の別のいくつかの実施例により提供される電池セルの局所断面図である。
【0151】
図14に示すように、いくつかの実施例において、電池セルは、第1の接続部41のタブ部12から離れた側に設置され、接続領域Wを被覆する第2の絶縁部材37を更に含む。例示的に、第2の絶縁部材37は絶縁パッチであり、且つ第1の接続部41のタブ部12から離れた表面に接着されている。
【0152】
図15は、本願のいくつかの実施例により提供される電池セルの製造方法のフローチャートである。
【0153】
図15に示すように、本願の実施例に係る電池セルの製造方法は以下を含む。
【0154】
S100では、開口を有するケースを供給する。
【0155】
S200では、タブ部を含む電極アセンブリを供給し、電極アセンブリをケース内に入れる。
【0156】
S300では、第1の貫通孔が設けられたエンドカバーとエンドカバーに取り付けられた電極端子とを含むエンドカバー組立体を供給する。
【0157】
S400では、集電部材を供給し、集電部材を電極端子に接続する。
【0158】
S500では、エンドカバーを、開口に被せて結合する。
【0159】
集電部材は、電極端子とタブ部とを電気的に接続し、集電部材はタブ部に接続された第1の接続部を含み、エンドカバーの厚さ方向における第1の接続部とタブ部との接続領域の投影と、厚さ方向における第1の貫通孔の投影とは、少なくとも一部が重なっている。
【0160】
なお、上記電池セルの製造方法により製造された電池セルの関連構造は、上記各実施例により提供される電池セルを参照することができる。
【0161】
上記電池セルの製造方法に基づいて電池セルを組み立てる時、上記ステップに従って順番に実施する必要はない。即ち、実施例で言及される順番に従ってステップを実行してもよく、実施例で言及されるものと異なる順番に従ってステップを実行してもよく、又は複数のステップを同時に実行してもよい。例えば、ステップS100とステップS300の実行は特定の順序ではなく、同時に実行してもよい。
【0162】
図16は、本願のいくつかの実施例により提供される電池セル7の製造システムのブロック図である。
【0163】
図16に示すように、本願の実施例に係る電池セルの製造システム8は、開口を有するケースを供給する第1の供給装置81と、タブ部を含む電極アセンブリを供給し、ケース内に入れる第2の供給装置82と、第1の貫通孔が設けられたエンドカバーとエンドカバーに取り付けられた電極端子とを含むエンドカバー組立体を供給する第3の供給装置83と、集電部材を供給し、電極端子に接続する第4の供給装置84と、エンドカバーを開口に被せて結合する組立装置85と、を含む。
【0164】
集電部材は、電極端子とタブ部とを電気的に接続し、集電部材はタブ部に接続された第1の接続部を含み、エンドカバーの厚さ方向における第1の接続部とタブ部との接続領域の投影と、厚さ方向における第1の貫通孔の投影とは、少なくとも一部が重なっている。
【0165】
上記製造システムにより製造された電池セルの関連構造は、上記各実施例により提供される電池セルを参照することができる。
【0166】
なお、矛盾しない限り、本願における実施例と実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0167】
最後に、上記実施例は、単に本願の技術的解決手段を説明するためのものであり、それを限定するものではなく、上記実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として上記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又は一部の技術的特徴を等価に置換することができるが、これらの修正や置換により、対応する技術的解決手段の本質が本願の各実施例に係る技術的解決手段の精神や範囲から逸脱することはない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16