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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】基板対基板ソケット
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20240306BHJP
【FI】
H01R12/71
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022554404
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 CN2020141931
(87)【国際公開番号】W WO2021253801
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】202010547827.X
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021116910.3
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522260872
【氏名又は名称】シェンチェン エバーウィン プレシジョン テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン シアオシュオ
(72)【発明者】
【氏名】シー イーピン
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-078072(JP,A)
【文献】特開2015-115200(JP,A)
【文献】特開2020-064766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00,12/50-12/91
H01R 24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板対基板ソケットであって、
ソケット本体と、ソケット端子と、ソケット補強部材とを含み、
前記ソケット本体は、
底壁と、
前記底壁の縦方向両端から上向きに突出して形成されるソケット側壁と、
前記ソケット本体の横方向両端に形成されるソケットガイド部と、
前記底壁から上向きに突出して形成される島部とを含み、
前記ソケットガイド部は、
プラグガイド部収容キャビティと、
前記プラグガイド部収容キャビティの横方向外側に位置する縦方向外周壁と、
前記プラグガイド部収容キャビティの縦方向両側に位置する一対の横方向外周壁とを含み、
前記ソケット補強部材は、
前記縦方向外周壁の表面に被覆される胴体部と、
前記胴体部から延在し、前記横方向外周壁の外に被覆される横方向外周壁遮蔽部と、
前記横方向外周壁遮蔽部の先端からそれぞれ前記プラグガイド部収容キャビティ側に向かって折り返して延在して形成される弾性アーム部及び保護部とを含み、
前記弾性アーム部は、
前記横方向外周壁遮蔽部から折り曲げられ且つ斜め下向きに延在して形成される傾斜接続アームと、
前記傾斜接続アームから垂直に折り曲げられて形成される接触アーム部と、
前記接触アーム部から前記プラグガイド部収容キャビティに向かってプレスされて形成される接触凸部とを含み、
前記接触アーム部は、一端が横方向に沿って前記保護部側まで延在し、
前記接触アーム部の上端は、弧面構造であり、
前記傾斜接続アームの傾斜角度は、前記保護部の傾斜角度と一致する、
ことを特徴とする基板対基板ソケット。
【請求項2】
上から下へ見て、前記保護部と前記接触アーム部との間には隙間が存在し、
前記保護部は、前記接触アーム部の縦方向外側に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板対基板ソケット。
【請求項3】
前記ソケット本体の横方向外周壁は、
支持肩部と、
前記支持肩部の縦方向内側に位置して前記プラグガイド部収容キャビティに連通する弾性逃げ部とを含み、
前記弾性アーム部は、前記横方向外周壁遮蔽部の先端から折り返して前記支持肩部を乗り越えて前記弾性逃げ部内に入り、
前記接触凸部は、前記プラグガイド部収容キャビティ内に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板対基板ソケット。
【請求項4】
前記保護部は、前記横方向外周壁遮蔽部の先端から折り返して前記支持肩部を乗り越えて前記弾性逃げ部の上方に入り、
前記接触アーム部は、前記保護部の傾斜延在方向の下方に位置する、
ことを特徴とする請求項に記載の基板対基板ソケット。
【請求項5】
前記支持肩部の縦方向外側には、取付段差部が形成され、
前記横方向外周壁遮蔽部は、前記取付段差部の上にまで延在し、
前記支持肩部は、下から上へ徐々に薄くなり、下部に位置する厚肉部と、頂部に位置する薄肉部とを含む、
ことを特徴とする請求項に記載の基板対基板ソケット。
【請求項6】
前記薄肉部の前記プラグガイド部収容キャビティに向かう側には、角度が大きい傾斜面が設けられ、
前記保護部の自由端は、前記角度が大きい傾斜面に支持され、
前記薄肉部の縦方向外側に位置する一端には、前記傾斜接続アーム及び前記保護部の折り曲げ弧度を回避するための小さい傾斜面が設けられている、
ことを特徴とする請求項に記載の基板対基板ソケット。
【請求項7】
プラグは、前記プラグガイド部収容キャビティ内に挿入されるプラグ補強部材を含み、
前記プラグがソケットに挿入される場合、前記プラグ補強部材は、縦方向両端に沿って前記保護部及び傾斜接続アームを接触押圧し、前記保護部は、前記支持肩部に支持され、
前記傾斜接続アームの下端が前記プラグ補強部材に押圧される場合、前記接触アーム部を前記保護部に向かって変形させて両者の垂直投影方向における隙間を減少させることにより、前記プラグ補強部材をスムーズに挿入し且つ前記接触凸部に電気的に接触させる、ことを特徴とする請求項に記載の基板対基板ソケット。
【請求項8】
前記島部の横方向両端には、水平位置が前記島部よりも低い被保護部が設けられ、
前記ソケット補強部材は、前記胴体部の横方向内側から下向きに折り曲げられて前記被保護部まで延在し且つ前記被保護部を被覆する中央ガイド部をさらに含み、
前記中央ガイド部は、
前記胴体部の横方向内側から下向きに折り曲げられて形成される第1中央ガイドアームと、
前記第1中央ガイドアームの底部から折り曲げられて前記被保護部側まで延在する支持底アームと、
前記支持底アームから斜め上向きに前記被保護部の上方まで延在する第2中央ガイドアームと、
前記第2中央ガイドアームの自由端から下向きに折り曲げられ且つ前記被保護部内に係入される係入端部とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板対基板ソケット。
【請求項9】
前記縦方向外周壁の前記プラグガイド部収容キャビティに近い側の縦方向両端には、階段部が設けられ、
前記第1中央ガイドアームの上端の縦方向における幅は、前記第1中央ガイドアームの下端の縦方向における幅よりも大きく、
前記第1中央ガイドアームの上端の縦方向両端の底部は、前記階段部の上方に対応して位置する、
ことを特徴とする請求項に記載の基板対基板ソケット。
【請求項10】
基板対基板ソケットであって、
ソケット本体と、ソケット端子と、ソケット補強部材とを含み、
前記ソケット本体は、
底壁と、
前記底壁の縦方向両端から上向きに突出して形成されるソケット側壁と、
前記ソケット本体の横方向両端に形成されるソケットガイド部と、
前記底壁から上向きに突出して形成される島部とを含み、
前記ソケットガイド部は、
プラグガイド部収容キャビティと、
前記プラグガイド部収容キャビティの横方向外側に位置する縦方向外周壁と、
前記プラグガイド部収容キャビティの縦方向両側に位置する一対の横方向外周壁とを含み、
前記ソケット補強部材は、
前記縦方向外周壁の表面に被覆される胴体部と、
前記胴体部から延在し且つ前記横方向外周壁の外に被覆される横方向外周壁遮蔽部と、
前記横方向外周壁遮蔽部の先端から前記プラグガイド部収容キャビティ側に向かって折り返して延在して形成される保護部とを含み、
前記保護部は、横方向に第1、第2保護部をそれぞれ含み、
前記第1保護部は、引き続き斜め下向きに延在して弾性アーム部が形成され、
前記弾性アーム部は、
第1保護部から傾斜して延在して形成される傾斜接続アームと、
前記傾斜接続アームから垂直に折り曲げられて形成される接触アーム部と、
前記接触アーム部から前記プラグガイド部収容キャビティに向かってプレスされて形成される接触凸部とを含み、
前記接触アーム部は、一端が横方向に沿って前記第2保護部側まで延在し、上から下へ見て、前記第2保護部と前記接触アーム部との間には分割溝が存在する、
ことを特徴とする基板対基板ソケット。
【請求項11】
前記接触アーム部の上端は、弧面構造であり、
前記傾斜接続アームの延在傾斜角は、前記保護部の延在傾斜角と一致する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板対基板ソケット。
【請求項12】
前記分割溝は、前記第2保護部と前記接触アーム部の一端との接続部分を切除して前記接触アーム部の弾性性能を増加させるものであり、
前記保護部は、前記接触アーム部の縦方向外側に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板対基板ソケット。
【請求項13】
前記ソケット本体の横方向外周壁は、
支持肩部と、
前記支持肩部の縦方向内側に位置して前記プラグガイド部収容キャビティに連通する弾性逃げ部とを含み、
前記弾性アーム部は、前記横方向外周壁遮蔽部の先端から折り返して前記支持肩部を乗り越えて前記弾性逃げ部内に入り、
前記接触凸部は、前記プラグガイド部収容キャビティ内に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板対基板ソケット。
【請求項14】
前記保護部は、前記横方向外周壁遮蔽部の先端から折り返して前記支持肩部を乗り越えて前記弾性逃げ部の上方に入り、
前記接触アーム部は、前記第2保護部の傾斜延在方向の下方に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板対基板ソケット。
【請求項15】
前記支持肩部の縦方向外側には、取付段差部が形成され、
前記横方向外周壁遮蔽部は、前記取付段差部上に延在し、
前記支持肩部は、下から上へ徐々に薄くなり、
下部に位置する厚肉部と、
頂部に位置する薄肉部とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板対基板ソケット。
【請求項16】
前記薄肉部の前記プラグガイド部収容キャビティに向かう側には、角度が大きい傾斜面が設けられ、
前記保護部の自由端は、前記角度が大きい傾斜面に支持され、
前記薄肉部の縦方向外側に位置する一端には、前記傾斜接続アーム及び前記保護部の折り曲げ弧度を回避するための小さい傾斜面が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板対基板ソケット。
【請求項17】
前記保護部の下端は、前記支持肩部の内側面における大きい傾斜面に支持されている、ことを特徴とする請求項1に記載の基板対基板ソケット。
【請求項18】
前記島部の横方向両端には、水平位置が前記島部よりも低い被保護部が設けられ、
前記ソケット補強部材は、前記胴体部の横方向内側から下向きに折り曲げられ、前記被保護部まで延在し且つ前記被保護部を被覆する中央ガイド部をさらに含み、
前記中央ガイド部は、
前記胴体部の横方向内側から下向きに折り曲げられて形成される第1中央ガイドアームと、
前記第1中央ガイドアームの底部から折り曲げられて前記被保護部側まで延在する支持底アームと、
前記支持底アームから斜め上向きに前記被保護部の上方まで延在する第2中央ガイドアームと、
前記第2中央ガイドアームの自由端から下向きに折り曲げられて前記被保護部内に係入される係入端部とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板対基板ソケット。
【請求項19】
前記縦方向外周壁の前記プラグガイド部収容キャビティに近い側の縦方向両端には、階段部が設けられ、
前記第1中央ガイドアームの上端の縦方向における幅は、前記第1中央ガイドアームの下端の縦方向における幅よりも大きく、
前記第1中央ガイドアームの上端の縦方向両端の底部は、前記階段部の上方に対応して位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板対基板ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、コネクタの分野に関し、特に基板対基板ソケットを指す。本願は、2020年6月16日に中国特許庁に出願された2件の中国特許出願の優先権を主張し、これらの中国特許出願は、順に出願番号が202010547827.Xで発明の名称が「基板対基板ソケット」である出願と、出願番号が202021116910.3で発明の名称が「基板対基板ソケット」である出願である。
【背景技術】
【0002】
基板対基板コネクタ組立体は、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、ウェアラブル装置などの消費電子分野に広く応用されている。現在、スマートフォン及びウェアラブル装置は、いずれも空間に対する要求が極めて高く、部品の寸法が同様に縮小され、一流の基板対基板メーカーの基板対基板プラグがソケットと嵌合した後の最低高さは、0.6mmの超低高さに達し、端子間隔も0.25mmの距離に達し、このような微小なコネクタは、コネクタ構造の強度に対して高く要求し、且つ従来の基板対基板コネクタ組立体と比較して、既存のスマートフォンの大規模な機能集積は、電流負荷能力に対してより高く要求し、例えば液晶パネルなどは、電流伝送に対して5Aの負荷能力を要求し、従来の基板対基板コネクタ組立体の設計は、すでに現在の市場の強度及び電流伝送に対する要求に適応できなくなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑み、構造が簡単で量産性が高いことに加えて、ソケット補強部材が良好に保護されることを保証し、弾性アーム部が損傷されることを回避することができる基板対基板ソケットを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術問題を解決するために、本願は、基板対基板ソケットを提供し、当該基板対基板ソケットは、ソケット本体と、ソケット端子と、ソケット補強部材とを含み、前記ソケット本体は、底壁と、前記底壁の縦方向両端から上向きに突出して形成されるソケット側壁と、前記ソケット本体の横方向両端に形成されるソケットガイド部と、前記底壁から上向きに突出して形成される島部とを含み、前記ソケットガイド部は、プラグガイド部収容キャビティと、前記プラグガイド部収容キャビティの横方向外側に位置する縦方向外周壁と、前記プラグガイド部収容キャビティの縦方向両側に位置する一対の横方向外周壁とを含み、前記ソケット補強部材は、前記縦方向外周壁の表面に被覆される胴体部と、前記胴体部の縦方向両側から折り曲げられて横方向に沿って延在して前記横方向外周壁の外に被覆される横方向外周壁遮蔽部と、前記横方向外周壁遮蔽部の先端からそれぞれ前記プラグガイド部収容キャビティ側に向かって折り返して延在して形成される弾性アーム部及び保護部とを含み、前記弾性アーム部は、前記横方向外周壁遮蔽部から折り曲げられて斜め下向きに延在して形成される傾斜接続アームと、前記傾斜接続アームから垂直に折り曲げられて形成される接触アーム部と、前記接触アーム部から前記プラグガイド部収容キャビティに向かってプレス形成される接触凸部とを含み、前記接触アーム部は、一端が横方向に沿って前記保護部側まで延在する。
【0005】
上記技術問題を解决するために、本願は、さらに基板対基板ソケットを提供し、当該基板対基板ソケットは、ソケット本体と、ソケット端子と、ソケット補強部材と、前記ソケット本体は、底壁と、前記底壁の縦方向両端から上向きに突出して形成されるソケット側壁と、前記ソケット本体の横方向両端に形成されるソケットガイド部と、前記底壁から上向きに突出して形成される島部とを含み、前記ソケットガイド部は、プラグガイド部収容キャビティと、前記プラグガイド部収容キャビティの横方向外側に位置する縦方向外周壁と、前記プラグガイド部収容キャビティの縦方向両側に位置する一対の横方向外周壁とを含み、前記ソケット補強部材は、前記縦方向外周壁の表面に被覆される胴体部と、前記胴体部縦方向両側から折り曲げられて横方向に延在して前記横方向外周壁の外に被覆される横方向外周壁遮蔽部と、前記横方向外周壁遮蔽部の先端から前記プラグガイド部収容キャビティ側に向かって折り返して延在して形成される保護部とを含み、前記保護部は、横方向において第1、第2保護部をそれぞれ含み、前記第1保護部は、引き続き斜め下向きに延在して弾性アーム部が形成され、前記弾性アーム部は、第1保護部から傾斜して延在して形成される傾斜接続アームと、前記傾斜接続アームから垂直に折り曲げられて形成される接触アーム部と、前記接触アーム部から前記プラグガイド部収容キャビティに向かってプレス形成される接触凸部と、前記接触アーム部は、一端が横方向に沿って前記第2保護部側まで延在し、上から下へ見て、前記第2保護部と前記接触アーム部との間には分割溝が存在する。
【0006】
本願に係る基板対基板ソケットは、前記弾性アーム部の接触アーム部を横方向に沿って前記保護部側に延在させることにより、プラグ補強部材が挿入される場合、前記傾斜接続アームが押圧されることにより、前記接触アーム部が縦方向に沿って前記保護部側に近づくように駆動してプラグによる接触アーム部への損傷を回避する。
【発明の効果】
【0007】
本願に係る基板対基板ソケットは、前記横方向外周壁遮蔽部の先端から前記プラグガイド部収容キャビティに向かって折り曲げられて延在することで横方向における第1、第2保護部を形成し、さらに前記第1保護部から引き続き延在して弾性アーム部を形成し、前記弾性アーム部の接触アーム部と前記第1保護部とは傾斜接続アームにより接続され、前記接触アーム部は、前記第2保護部側まで延在し、前記第2保護部との間が切除されて分割溝を形成し、前記接触アーム部の十分な弾性力を保証しつつ、前記第1、第2保護部の保護を取得して挿入破壊されにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る基板対基板コネクタ組立体の組み合わせ図である。
図2図1に示すA-A破線に沿う断面図である。
図3】実施形態1に係る基板対基板プラグの斜視組み合わせ図である。
図4】実施形態1に係る基板対基板プラグのプラグ本体の斜視図及びその部分拡大図である。
図5】実施形態1に係る基板対基板プラグのプラグ補強部材の斜視図である。
図6】実施形態1に係る基板対基板プラグのプラグ補強部材の別の角度の斜視図である。
図7】実施形態1に係る基板対基板ソケットの斜視組み合わせ図である。
図8】実施形態1に係る基板対基板ソケットのソケット本体の斜視図及びその部分拡大図である。
図9】実施形態1に係る基板対基板ソケットのソケット補強部材の斜視図である。
図10】実施形態1に係る基板対基板ソケットのソケット補強部材の平面図である。
図11図1に示すB-B破線に沿う断面図である。
図12】実施形態2に係る基板対基板ソケットのソケット補強部材の斜視図である。
図13】実施形態2に係る基板対基板ソケットのソケット補強部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1図11は、本願に係る基板対基板コネクタ組立体の図面である。
【0010】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本願の具体的な実施形態及び対応する図面を参照しながら本願の技術的解決手段を明確で、完全に説明する。明らかに、説明された実施形態は本願の一部の実施形態だけであり、全ての実施形態ではない。本願における実施形態に基づいて、当業者が創造的な労力を要さずに想到し得る、他の実施形態は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0011】
本願の方向は、図1に示すX方向を左右方向の右方(又は横方向)とし、Y方向を前後方向の前方(又は縦方向)とし、Z方向を上下方向の上方(即ち、垂直方向)とする。
【0012】
(実施形態1)
図1に示すように、本願に係る基板対基板コネクタ組立体は、プリント回路基板に貼り付けられるプラグAと、別のプリント回路基板に貼り付けられるソケットBとを含み、前記プラグAと前記ソケットBとは、互いに係合接続される。
【0013】
前記プラグAは、プラグ本体10、前記プラグ本体10内に成形される複数のプラグ端子20、及び前記プラグ本体10の横方向両端に固定されるプラグ補強部材30を含む。前記ソケットBは、ソケット本体40、前記ソケット本体40に取り付けられるソケット端子50、及び前記ソケット本体40の横方向両端に取り付け固定されるソケット補強部材60を含む。
【0014】
図2図6に示すように、前記プラグAのプラグ本体10は、頂壁11と、前記頂壁11の縦方向両側から下向きに延在して形成される一対のプラグ側壁12と、前記プラグ本体10の横方向両端に形成されるプラグガイド部14と、前記頂壁11、一対のプラグ側壁12及びプラグガイド部14の間に形成される島部収容キャビティ13とを含む。
【0015】
前記プラグ端子20は、横方向に2列を呈して一対のプラグ側壁12に一体成形され、前記プラグガイド部14は、底面141と、縦方向外側面142と、一対の横方向外側面143と、前記島部収容キャビティ13に向かう斜面144とを含む。前記縦方向外側面142には、第1切り欠き1421が設けられ、前記横方向外側面143は、2つの縦方向に突出するバンプ1431,1432と、2つのバンプ1431,1432の間に位置する第2切り欠き1433と、前記バンプ1432と前記プラグ側壁12との間に位置する第3切り欠き1434とを含む。前記斜面144には、前記底面141から上へ前記頂壁11まで達する傾斜面1441と、前記傾斜面1441から前記底面141に近い側に上向きに凹んで形成される係止孔1442とが形成されている。
【0016】
前記プラグ補強部材30は、縦方向に沿って前記プラグガイド部14の底面141に被覆される被覆基部31と、前記被覆基部31の横方向両端から上向きに折り曲げられて延在して形成され、前記縦方向外側面142に被覆される縦方向外側面被覆部35及び前記係止孔1442内に係入される縦方向内側面被覆部34と、前記被覆基部31の縦方向両端から上向きに折り曲げられて延在して形成される横方向に沿って前記横方向外側面143の外に被覆される横方向外側面被覆部33とを含む。前記縦方向外側面被覆部35は、前記第1切り欠き1421内に係入されている。
【0017】
前記横方向外側面被覆部33は、前記第2切り欠き1421内に係入される接触部331と、前記横方向外側面被覆部33の前記縦方向外側面被覆部35から離れる一端の頂部から垂直に縦方向外側へ折り曲げられて形成されるフィレット332とを含み、前記横方向外側面被覆部33の接触部331は、前記第2切り欠き1433内に係入され、前記フィレット332は、前記第3切り欠き1434に係入された後、さらに縦方向外側に垂直に折り曲げられて形成されるものである。前記横方向外側面被覆部33にはさらに前記バンプ1432の外周が係入される係止口333が設けられることにより、前記プラグ補強部材30と前記プラグガイド部14との間の固着力を強化させる。
【0018】
図2を重点的に参照すると、前記プラグ端子20は、前記頂壁11の上面から縦方向に前記頂壁11の外に延在するプラグ端子フィレット24と、前記プラグ端子フィレット24から前記頂壁11の表面に沿って前記プラグ側壁12の内側面に折り曲げられるプラグ端子第1接触部22と、前記プラグ端子第1接触部22の下端から逆方向に折り曲げられて前記プラグ側壁12の外側面上に延在するプラグ端子第2接触部23とを含む。前記プラグ端子第2接触部23には凹溝構造が開設されている。
【0019】
引き続き図1図2図7及び図8に示すように、本願の基板対基板コネクタ組立体のソケットBのソケット本体40は、底壁41と、前記底壁41の縦方向両側から上向きに延在して形成される一対のソケット側壁42と、前記底壁41から一対の前記ソケット側壁42の間に位置して上向きに突出して形成される島部45と、前記ソケット本体40の横方向両端に形成されるソケットガイド部44と、前記島部45と一対の前記ソケット側壁42との間に形成されるプラグ側壁収容キャビティ43とを含む。
【0020】
前記ソケット本体40の底壁には下から上へ複数の端子溝46が開設され、前記ソケット端子50は、上へ前記端子溝46内に組み立てられ、前記ソケット端子50は、前記底壁41での端子溝46内に延在し且つ前記端子溝46の底部に露出する支持アーム部51と、前記支持アーム部51の縦方向外側から上向きに折り曲げられて延在して形成され、前記島部45の縦方向側面に位置し且つ前記ソケット側壁42に向かうソケット端子第2接触部52と、前記支持アーム部51の縦方向内側から上向きに折り曲げられて形成され、前記ソケット側壁42の縦方向側面に位置するソケット端子第1接触部53と、前記第1接触部53の先端から逆方向に折り曲げられて延在して形成される固着部54と、前記固着部54の下端から垂直に折り曲げられて縦方向外側に向かって前記ソケット本体40の底壁41の下面に延在するフィレット55とを含む。
【0021】
前記プラグAが前記ソケットBと嵌合するとき、前記島部45は、前記プラグAの島部収容キャビティ13内に収容され、前記プラグAのプラグ側壁12は、前記ソケットBのプラグ側壁収容キャビティ43内に収容され、前記プラグガイド部14は、前記ソケットガイド部44内にガイドされる。前記プラグ端子20は、前記ソケット端子50のソケット端子第1、第2接触部53,52の間に係入され、前記プラグ端子20の第1、第2接触部22,23は、それぞれ前記ソケット端子50の第1、第2接触部53,52に電気的に接触する。
【0022】
図8を重点的に参照すると、前記島部45の横方向両端の前記ソケットガイド部44に向かう箇所には被保護部451が設けられ、前記被保護部451は、水平面が前記島部45よりも低い台面部453と、前記台面部453から斜め下向きに傾斜して形成される逃げ斜面452と、前記台面部453から下向きに凹んで形成される係止溝454と、前記係止溝454から横方向外側へ開設され、前記逃げ斜面452に連通する連通切り欠き455とを含む。
【0023】
前記ソケットガイド部44は、外周壁441,442及び前記外周壁441,442の間に位置するプラグガイド部収容キャビティ443を含む。前記外周壁441は、縦方向外周壁441、及び前記縦方向外周壁441の両端に接続される一対の横方向外周壁442を含み、前記横方向外周壁442は、前記ソケット側壁42に隣接する。
【0024】
前記プラグガイド部収容キャビティ443は、前記島部45の横方向への延在に対応する箇所には上下方向に貫通する貫通口4431が形成され、前記貫通口4431は、前記縦方向外周壁441の下端まで延在する。前記縦方向外周壁441の横方向外側と内側にはそれぞれ第1、第2延在溝4411,4412が設けられ、前記第2延在溝4412は、前記貫通口4431に連通する。前記縦方向外周壁442の中間部は、上向きに突出して支持肩部4421を形成し、前記支持肩部4421の外周には、前記支持肩部4421の縦方向外側に位置し且つ横方向に延在する取付段差部4425、及び前記支持肩部4421の縦方向内側に位置する弾性逃げ部4424が設けられている。前記支持肩部4421は、下から上へ徐々に薄くなって厚肉部4422と薄肉部4423を形成し、前記薄肉部4423は、下から上へ徐々に薄くなり、前記薄肉部4423の前記プラグガイド部収容キャビティ443に位置する側には大きい傾斜面が形成され、前記薄肉部4423の縦方向外側に位置する一端には小さい傾斜面が形成されている。前記縦方向外周壁441は、前記プラグガイド部収容キャビティ443の内側に位置する縦方向両端にそれぞれ階段部4413が設けられている。前記取付段差部4425は、部分的に垂直方向に貫通して第3延在溝4428を形成する。
【0025】
引き続き図9図11に示すように、前記ソケット補強部材60は、縦方向に沿って前記縦方向外周壁441の頂面に被覆される胴体部61と、前記胴体部61の横方向外端から下向きに折り曲げられて前記第1延在溝4411に延在する縦方向外周壁遮蔽部62と、前記胴体部61の横方向内側から下向きに折り曲げられて前記島部45の横方向端部の被保護部451上にまで延在する中央ガイド部63と、前記胴体部61の縦方向両端から下向きに折り曲げられて前記取付段差部4425に沿って延在して形成され、前記横方向外周壁442の縦方向外側に位置する横方向外周壁遮蔽部64と、前記横方向外周壁遮蔽部64の先端から前記プラグガイド部収容キャビティ443に向かって折り曲げられて前記支持肩部4421上に位置する保護部66と、前記横方向外周壁遮蔽部64の頂部から前記プラグガイド部収容キャビティ443に向かって折り曲げられて前記弾性逃げ部4424上に延在する弾性アーム部65とを含む。
【0026】
前記保護部66の前記プラグガイド部収容キャビティ443側に位置する縁部は、傾斜して下向きに延在して形成されることにより、前記プラグ補強部材30の挿入をガイドする。前記弾性アーム部65は、前記横方向外周壁遮蔽部64の頂部から前記支持肩部4421に沿って前記プラグガイド部収容キャビティ443に向かって折り曲げられて形成される傾斜接続アーム651と、前記傾斜接続アーム651の自由端から垂直下向きに延在して形成される接触アーム部652と、前記接触アーム部652から前記プラグガイド部収容キャビティ443に向かってプレスして形成される接触凸部653とを含む。前記接触アーム部652は、横方向において前記保護部66側にまで延在することによって、横方向に延在する帯状構造を形成する。上から下へ見て、前記接触凸部653は、前記プラグガイド部443内に位置し、前記保護部66と前記接触アーム部652との間に隙間が存在して重なっていない。前記傾斜接続アーム651は、同じ傾斜角度を維持し、前記保護部66と前記弾性アーム部65は、独立して前記横方向外周壁遮蔽部64から折り曲げられて延在して形成される。
【0027】
前記縦方向外周壁遮蔽部62の自由端は、フィレットとしてプリント回路基板に固定され、前記横方向外周壁遮蔽部64の底端は、フィレットとして前記第3延在溝4428を通ってプリント回路基板に延在して溶接固定される。
【0028】
前記中央ガイド部63は、前記胴体部61の横方向内側から下向きに折り曲げられて前記第2延在溝4412内に延在する第1中央ガイドアーム631と、前記第1中央ガイドアーム631の底部から横方向に折り曲げられて前記貫通口4431に沿って前記島部45の両側の被保護部451の底部まで延在する支持底アーム632と、前記支持底アーム632から斜め上向きに前記被保護部451の上方まで延在する第2中央ガイドアーム634と、前記第2中央ガイドアーム634の自由端から下向きに折り曲げられて前記係止溝454内に係入される係入端部635とを含む。前記第1、第2中央ガイドアーム631,634は、前記プラグ補強部材30の挿入をガイドし、且つ前記ソケット本体40の縦方向外周壁441と島部45の横方向両端の被保護部451を保護するために用いられる。前記プラグ補強部材30の縦方向外側面被覆部35と縦方向内側面被覆部34は、それぞれ前記第1、第2中央ガイドアーム631,634にガイドされ、前記支持底アーム632の上方の第1、第2中央ガイドアーム631,634の間に入るが、挿入状態で、前記縦方向外側面被覆部35と前記縦方向内側面被覆部34は、前記第1、第2中央ガイドアーム631,634に電気的に接触しない。挿入過程において、前記支持底アーム632が圧力を受けて貼り付けられるプリント回路基板と支持力を生成することで、前記第1、第2中央ガイドアーム631,634が一定の弾性を備えるようにする。
【0029】
前記第1中央ガイドアーム631の上端の縦方向における幅は、下端の縦方向における幅よりも大きく、前記第1中央ガイドアーム631の上端の縦方向両側は、縦方向外周壁441の内側に形成される階段部4413に当接する。前記第1中央ガイドアーム631の広い上端折り曲げ構造は、前記プラグ補強部材30へのガイドを強化させ、挿入損傷を回避することができる。
【0030】
自然状態で、前記弾性アーム部65の接触アーム部652は、前記弾性逃げ部4424上に位置し、且つ前記支持肩部4421の内側面との間に変形隙間が存在し、前記弾性アーム部65が縦方向に押圧されると、前記弾性アーム部65の接触凸部653は、前記変形隙間内に変形する。
【0031】
プラグAが挿入されると、前記プラグ補強部材30の横方向外側面被覆部33は、まず前記保護部66、弾性アーム部65の傾斜接続アーム651及び前記第1中央ガイドアーム631の上端に接触し、前記プラグ補強部材30が引き続き押圧されると、縦方向外側に沿って前記接触凸部653を押圧することで、前記接触アーム部652が前記弾性逃げ部4424内に前記支持肩部4421の内壁面に向かって弾性変形する。この過程において、前記プラグ補強部材30が前記保護部66と傾斜接続アーム651を接触して縦方向に押圧すると、前記保護部66の前記プラグガイド部収容キャビティ443側に延在する部分が短く且つ前記支持肩部4421に支持され、弾性変形が小さく、前記傾斜接続アーム651の下端が縦方向に押圧されると、前記接触アーム部652を前記支持肩部4421に向かって徐々に変形させ、上から下へ見て、前記接触アーム部652の外側を前記保護部66に徐々に近接させ且つ両者の間の隙間を減少させ、前記プラグ補強部材30が前記接触アーム部652に挿入される場合に前記接触アーム部652を損傷させることを回避する。また、前記接触アーム部652の上端が弧状構造であることにより、前記接触アーム部652を押し潰すことがなく、挿入される前記プラグ補強部材30をよりよくガイドする。前記保護部66は、前記弾性アーム部65の横方向外側に位置する。
【0032】
本願に係る基板対基板ソケットは、前記弾性アーム部65の接触アーム部652を横方向に前記保護部66側にまで延在させることにより、プラグ補強部材30が挿入されるとき、前記傾斜接続アーム651が押圧されることにより、前記接触アーム部652が縦方向に沿って前記保護部66側に近づくように駆動して接触アーム部652がプラグに損傷されることを回避する。
【0033】
(実施形態2)
引き続き図12図13を参照し、これらは、実施形態2のソケット補強部材60の図面である。
【0034】
実施形態1に比べて、実施形態2の相違点は、主にソケット補強部材60の構成にあり、即ち、前記保護部66と前記弾性アーム部65の傾斜接続アーム651は、一体に接続されて前記横方向外周壁遮蔽部64の頂部から折り曲げられて形成され、ここで保護部66と総称され、前記保護部66は、横方向に第1、第2保護部661,662に分けられる。前記弾性アーム部65は、前記第1保護部661から斜め下向きに延在して形成され、前記弾性アーム部65は、前記第1保護部661の下端から斜めに前記プラグガイド部収容キャビティ443に延在して形成される傾斜接続アーム651と、前記傾斜接続アーム651の下端から垂直下向きに折り曲げられて形成される接触アーム部652と、前記接触アーム部652から前記プラグガイド部収容キャビティ443に向かってプレスして形成される接触凸部653とを含む。前記接触アーム部652は、横方向に沿って前記第2保護部662側にまで延在しており、前記第2保護部662との間が切り裂かれて分割溝654を形成する。
【0035】
実施形態2が奏する技術効果は、実施形態1に一致し、好ましい実施形態は、実施形態1である。
【0036】
なお、本明細書における前記プラグA又はソケットBが貼り付けられるプリント回路基板は、回路板に限定されず、電流伝送回線が設けられる対象物に適応すればよい。
【0037】
以上は本願の実施形態に過ぎず、本願を限定するものではない。当業者にとって、本願は様々な修正及び変更が可能である。本願の精神及び原理内で行われたいかなる修正、同等置換、改善等は、いずれも本願の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13