(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】スライド撮像装置およびスライド撮像のための方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20240306BHJP
G02B 21/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G01N35/04 E
G02B21/00
(21)【出願番号】P 2022556135
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(86)【国際出願番号】 EP2021057883
(87)【国際公開番号】W WO2021191410
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-09-16
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】マイアー,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】オスバルト,デニー
(72)【発明者】
【氏名】レーベルガー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】シュプリング・デ・ソウザ,ベルナルド
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/097523(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/021837(WO,A1)
【文献】特開2010-221357(JP,A)
【文献】特開2012-161876(JP,A)
【文献】特開2002-148526(JP,A)
【文献】特表2013-536471(JP,A)
【文献】特開2019-117072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 15/00 - 15/12
G01N 35/00 - 35/10
G02B 21/00 - 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライド撮像装置(110)であって、
スライド(140)に搭載された試料の画像(162)を生成するように構成された少なくとも1つの撮像装置(126、128)であって、少なくとも1つの操作ボタン(160)を備える、撮像装置(126、128)と、
複数のスライド(140)を装填可能であり、前記スライド(140)を保管するように構成された保管装置(118)と、
前記スライド(140)を前記保管装置(118)から前記撮像装置(126、128)に供給するように構成された供給装置(120)であって、
前記撮像装置(126、128)に前記スライド(140)を供給するのと同時に前記操作ボタン(160)を押圧するように構成された
突起(182)を備える、供給装置(120)と
を備える、スライド撮像装置(110)。
【請求項2】
前記突起(182)が、槍状または指状である、請求項1に記載のスライド撮像装置(110)。
【請求項3】
前記突起(182)を覆うように構成された保護カバー(184)をさらに備える、請求項2に記載のスライド撮像装置(110)。
【請求項4】
前記保護カバー(184)が、前記突起(182)および前記操作ボタン(160)のうちの少なくとも一方を保護するように構成されている、請求項3に記載のスライド撮像装置(110)。
【請求項5】
前記供給装置(120)がロボットアーム(154)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のスライド撮像装置(110)。
【請求項6】
前記突起(182)が前記ロボットアーム(154)に配置されている、請求項5に記載のスライド撮像装置(110)。
【請求項7】
前記ロボットアーム(154)が、複数の前記スライド(140)のうちの少なくとも1つを把持するように構成された、または、1つよりも多くの前記スライド(140)を保持するように構成されたスライドホルダ(142)を把持するように構成された、把持装置(158)を備える、請求項5または6に記載のスライド撮像装置(110)。
【請求項8】
前記突起(182)が前記把持装置(158)に配置されている、請求項7に記載のスライド撮像装置(110)。
【請求項9】
前記把持装置(158)が、第1の把持部(186)および第2の把持部(188)を備え、前記第1の把持部(186)および前記第2の把持部(188)が、互いに対して移動可能である、請求項7または8に記載のスライド撮像装置(110)。
【請求項10】
前記操作ボタン(160)が排出ボタンであるか、または前記排出ボタンを備え、
前記排出ボタンは、前記排出ボタンが押されたときにスライドトレイを排出するように構成され、
前記スライドトレイは、少なくとも1つの前記スライド(140)を保持するように構成されている、または、1つよりも多くの前記スライド(140)を保持するように構成されたスライドホルダ(142)を保持するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のスライド撮像装置(110)。
【請求項11】
前記供給装置(120)が、前記撮像装置(126、128)から前記保管装置(118)に前記スライド(140)を搬送するようにさらに構成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のスライド撮像装置(110)。
【請求項12】
前記供給装置(120)および前記撮像装置(126、128)のうちの少なくとも一方の操作を制御するように構成されたオペレーティングシステム(170)をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のスライド撮像装置(110)。
【請求項13】
複数のスライド(140)を撮像するための方法(210)であって、
a)複数のスライド(140)を保管装置(118)に装填し、かつ前記スライド(140)を前記保管装置(118)に保管するステップと、
b)供給装置(120)を使用して前記保管装置(118)から撮像装置(126、128)に前記スライド(140)を供給するステップであって、それにより前記供給装置(120)が前記撮像装置(126、128)の操作ボタン(160)を、前記撮像装置(126、128)に前記スライド(140)を供給するのと同時に押圧する突起(182)を備える、前記スライド(140)を供給するステップと、
c)前記撮像装置(126、128)を使用して、前記スライド(140)に搭載された試料の画像(162)を生成するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スライド撮像装置および複数のスライドを撮像するための方法に関する。ここで、スライド撮像装置は、好ましくは、デジタル病理学において使用することができる。しかしながら、さらなる使用が実現可能である。
【背景技術】
【0002】
スライド撮像装置は、スライドに搭載された試料の画像を生成するように構成された撮像装置を備える。最新の撮像装置によって生成される画像は、通常、デジタル画像であり、したがって、そのような画像は、「デジタルスライド」と呼ばれることがある。典型的には、スライドに搭載された試料は、組織試料などの生物学的検体である。典型的には、スライドは、ガラススライドである。典型的には、スライド撮像装置は、デジタルスライドから生成された情報の管理を可能にする画像ベースの情報環境として理解されることができるデジタル病理学において使用される。
【0003】
撮像装置が、例えば走査プロセスを使用することによって、スライドの大部分のまたは完全な表面を覆うことができる画像を生成することができる場合、対応するスライド撮像装置は、「全スライド撮像」装置と呼ばれることがある。スライド撮像装置は、2D(2次元)カメラまたはライン走査検出器を使用して、スライドに搭載された試料の画像を生成することができる。スライド撮像装置の例は、例えば、欧州特許第00534247号明細書、欧州特許出願公開第0245089号明細書、米国特許第6118582号明細書、米国特許第6522774号明細書、米国特許第6640014号明細書、米国特許第6711283号明細書、米国特許第7682573号明細書、国際公開第2013/017855号明細書(パンフレット)、米国特許第8712116号明細書および米国特許第9116035号明細書に記載されている。
【0004】
一般に、撮像装置は、同時に1から1,000スライドの間の処理能力を有する。典型的には、10スライド未満の同時処理に関する低スループットを有する撮像装置と、100スライドを超える同時処理を指す高スループットを有する撮像装置とを区別することができ、したがって、10から100スライドを同時に処理するように構成された撮像装置は、中程度のスループットを有する撮像装置として示されることができる。撮像装置を1つ以上のスライドによってチャージするために、個々のスライドは、典型的には、特にスライドトレイまたはスライドラックから選択されるスライドリポジトリに手動で挿入され、その後、スライドに搭載された試料の所望の画像を生成するために撮像装置に導入される。
【0005】
しかしながら、特に適合された供給装置を使用することによって、自動化された方法で撮像装置に含まれるスライド受け入れ部にスライドを挿入することができることが望ましい。この目的のために、供給装置は、典型的には、特定の把持作業を実行するように設計された把持装置とすることができるか、またはそれを備えることができる。本明細書の開示に関して、特定の把持作業は、特に、スライドを撮像装置のスライド受け入れ部にしっかりと移送することを含み、それによって搬送中のスライドの不安定性または損失を回避する。
【0006】
さらに、撮像装置のスライド受け入れ部にスライドを挿入するとき、撮像装置の排出ボタンは、特に、撮像装置内のスライドの走査中にスライドを保持するように構成されたスライドトレイを排出するために同時に押圧される必要がある。しかしながら、供給装置に含まれるロボットアームは、通常、ロボットアームによってオブジェクトが到達されることができる限られた空間のみを有する。結果として、ロボットアームは、一般に、ロボットアームの把持半径が完全に使い果たされているにもかかわらず、撮像装置のスライド受け入れ部にのみ到達することができ、撮像装置の排出ボタンには到達することができない。
【0007】
国際公開第2019/097523号明細書(パンフレット)は、複数の顕微鏡モジュールと、複数のスライドを保持するためのカセットと、カセットと複数の顕微鏡モジュールとの間で複数のスライドを移動させるように構成されたスライドローダと、スライドローダに結合されたプロセッサとを備える顕微鏡システムを開示している。プロセッサは、実行されると、スライドローダに、複数の顕微鏡モジュールのうちの選択された顕微鏡モジュールにスライドを移動させるか、または選択された顕微鏡モジュールからスライドを移動させる命令によって構成されることができる。様々な他の方法、システム、およびコンピュータ可読媒体も開示される。
【0008】
米国特許出願公開第2018/252621号明細書は、顕微鏡スライドとパラフィン包埋生物学的試料との間から浮遊液を除去する方法であって、パラフィン包埋生物学的試料を浮遊させた顕微鏡スライドをスライド支持要素上に配置することを含む方法を開示している。顕微鏡スライドとパラフィン包埋生物学的試料との間に配置された浮遊液が、顕微鏡スライドとパラフィン包埋生物学的試料との間から除去されるように、スライド支持要素が回転されて、顕微鏡スライドとパラフィン包埋生物学的試料とを移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】欧州特許第00534247号明細書
【文献】欧州特許出願公開第0245089号明細書
【文献】米国特許第6118582号明細書
【文献】米国特許第6522774号明細書
【文献】米国特許第6640014号明細書
【文献】米国特許第6711283号明細書
【文献】米国特許第7682573号明細書
【文献】国際公開第2013/017855号明細書
【文献】米国特許第8712116号明細書
【文献】米国特許第9116035号明細書
【文献】国際公開第2019/097523号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/252621号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、スライドが撮像装置のスライド受け入れ部に導入されるように設けられる、撮像装置において処理されるスライドの改善された処理を可能にするスライド撮像装置および複数のスライドを撮像するための方法を提供することが望ましい。
【0011】
特に、スライドを撮像装置のスライド受け入れ部に挿入し、同時に撮像装置の排出ボタンを押圧して、特に撮像装置内のスライドの走査中にスライドを保持するように構成されたスライドトレイを排出することができることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の課題は、独立請求項の特徴を有するスライド撮像装置および複数のスライドを撮像するための方法によって対処される。単独で、または任意の組み合わせで実現されることができる有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0013】
以下において使用される場合、用語「有する」、「備える」もしくは「含む」またはこれらの任意の文法的変化形は、包括的に用いられる。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴に加えて、この文脈で説明されているエンティティにさらなる特徴が存在しない状況と、1つ以上の追加の特徴が存在する状況との双方を指す場合がある。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」および「AはBを含む」という表現は、双方とも、B以外に、他の要素がAに存在しない状況(すなわち、Aが単独で且つ排他的にBからなる状況)、および、B以外に、要素C、要素CおよびD、さらにはさらなる要素など、1つ以上のさらなる要素がエンティティAに存在する状況を指す場合がある。
【0014】
さらに、特徴または要素が1回または複数回存在することができることを示す「少なくとも1つ」、「1つ以上」という用語または同様の表現は、通常、それぞれの特徴または要素を導入するときに一度だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を指すとき、それぞれの特徴または要素が1回または1回を超えて存在することができるという事実にもかかわらず、「少なくとも1つ」または「1つ以上」という表現は繰り返されない。
【0015】
さらに、以下において使用される場合、用語「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より特に」、「具体的に」、「より具体的に」または同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴と併せて使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は、任意の特徴であり、決して特許請求の範囲を制限することを意図したものではない。本発明は、当業者が認識するように、代替の特徴を使用することによって実施されてもよい。同様に、「本発明の実施形態では」または同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替の実施形態に関する制限がなく、本発明の範囲に関する制限がなく、およびそのような方法で導入された特徴を、本発明の他の任意または非任意の特徴と組み合わせる可能性に関する制限がない任意の特徴であることを意図する。
【0016】
本明細書において開示および提案されるのは、スライド撮像装置である。本明細書で使用される「スライド」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、スライドの表面に搭載される試料のために指定された基材を指すことができる。本明細書で使用される「試料」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、組織試料などの生物学的検体を指すことができる。しかしながら、他の種類の試料も実現可能とすることができる。
【0017】
特に、処理中にスライドにいかなる変化もなく試料を運ぶ目的のために、基材は、機械的に安定であり、したがって十分な機械的安定性を提供する任意の材料を含むことができる。特に、生物学的検体を運ぶ目的のために、基材は、好ましくは、生物学的材料と適合するように構成された表面を呈することができる。例として、スライドは、ガラススライドである。これは、ガラスが、一方では十分な機械的安定性を提供し、他方では生物学的物質との高い適合性を有することが知られているためである。しかしながら、スライドのためのさらなる種類の材料も実現可能とすることができる。
【0018】
さらに、スライドは、特に、スライドに搭載された試料の撮像を可能にすることができる形態を有することができる。本明細書で使用される「撮像する」または「画像を生成する」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。これらの用語は、具体的には、限定されないが、「画像」という用語によっても示される試料の少なくとも1つの特性の2D 2次元表現を提供することを指すことができ、画像は、典型的には、観察者の眼鏡とは別に、好ましくはさらなる補助なしに、観察者の眼によって見られるように画面上で処理および表示されることができる。この目的のために、より詳細に上述したような撮像装置が、典型的には使用される。
【0019】
さらに、本明細書で使用される「装置」および「スライド撮像装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。これらの用語は、具体的には、限定されないが、以下により詳細に開示されるような複数の構成要素を有する装置を指すことができる。
【0020】
特に、スライド撮像装置は、
- スライドに搭載された試料の画像を生成するように構成された少なくとも1つの撮像装置であって、少なくとも1つの操作ボタンを備える、少なくとも1つの撮像装置と、
- 複数のスライドを装填可能であり、スライドを保管するように構成された保管装置と、
- スライドを保管装置から撮像装置に供給するように構成された供給装置であって、操作ボタンを押圧するように構成された供給装置と
を備える。
【0021】
したがって、スライド撮像装置は、複数のスライドを装填可能であり、スライドを保管するように構成された保管装置を備える。「スライド」という用語については、上記提供された定義を参照することができる。本明細書で使用される「保管装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、個々のスライドホルダ、あるいは1つよりも多いスライドホルダを同時に受け入れるように指定されたスライドリポジトリを指すことができ、各スライドホルダは、1つよりも多いスライドを保持するように構成されている。好ましい実施形態では、保管装置は、少なくとも2つの区画を備えることができ、各区画は、スライドの一部を保管するように構成されている。本明細書では、区画は、隣接して配置された少なくとも2つの行を備えることができ、したがってスライドを互いに隣接して保管する。特に、保管装置は、スライドトレイまたはスライドラックから選択されてもよいが、さらなるタイプの保管装置も実現可能とすることができる。しかしながら、保管装置内のスライドおよび/またはスライドホルダのそれぞれのさらなる種類の配置も実現可能とすることができる。したがって、保管装置は、複数のスライドとともに、好ましくは手動で装填可能であってもよいが、保管装置の自動装填も考えられることができる。
【0022】
スライド撮像装置は、保管装置から少なくとも1つの撮像装置にスライドを供給するように構成された供給装置をさらに備える。本明細書で使用される「供給装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、スライドを保管装置から少なくとも1つの撮像装置に移送するように構成された装置を指すことができる。この目的のために、供給装置は、ロボットアームを備えることができる。本明細書では、本明細書で使用される「ロボットアーム」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つのオブジェクト、特にスライドまたはスライドホルダを把持し、それを定義された目的地に移送することを含むが、これに限定されない、電気および/または空気圧駆動装置を使用して、手またはアームの少なくとも1つの形態を有し、手またはアームと同様の方法で移動するように構成されたプログラマブル機械ユニットを指すことができる。
【0023】
したがって、本明細書に開示されるようなスライド撮像装置のこの種の構成は、特に、単一のスライドまたはスライドホルダが、1つ以上のスライドが装填された後、少なくとも1つのスライドに搭載された試料の所望の画像を生成するために撮像装置に導入される既知のスライド撮像装置とは対照的である。本明細書に開示されるようなスライド撮像装置では、複数のスライドは、既知のスライド撮像装置とは対照的に、保管装置に装填され、スライドは、保管装置から少なくとも1つの撮像装置に供給されるまで保管され、スライドに搭載された試料の画像が生成される。ここで、保管装置から少なくとも1つの撮像装置へのスライドの供給は、好ましくは、自動化された方法で行われる。本明細書で使用される「自動化された方法で」および「自動的に」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。これらの用語は、具体的には、限定されないが、ユーザの手動による実行なしにスライドの移送を実行するように構成されたアルゴリズムに基づいて、スライド撮像装置のユーザの直接的な相互作用なしに実行される処理の種類を指すことができる。
【0024】
一般に、供給装置は、例えば、保管装置の上行から始まり下行に続く所定のルーチンルートに沿って、スライドまたはスライドホルダをそれぞれ処理するように構成されてもよい。特定の実施形態では、保管装置は、高速レーンをさらに備えてもよい。本明細書で使用される「高速レーン」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、指定されたスライドに搭載された少なくとも1つの試料を保管するように構成された保管装置のパーティションを指すことができ、各指定されたスライドは、供給装置によって通常使用される所定のルーチンルート外の特権処理のために決定される。このようにして、具体的に指定されたスライドは、スライド撮像装置のユーザの特定の要望にしたがってさらに処理されることができる。
【0025】
さらに好ましい実施形態では、供給装置は、好ましくは走査プロセスの完了後に、少なくとも1つの撮像装置から保管装置に、特にスライドが装填された保管装置内の関連する位置にスライドを搬送するように構成されている。換言すれば、供給装置は、スライドが保管装置から第1の撮像装置および第2の撮像装置に選択的に移送される前にスライドが装填されていた保管装置内の同じ位置に、第1の撮像装置または第2の撮像装置からスライドを戻すように構成されている。したがって、スライド撮像装置のユーザは、それらが保管装置に提供されたのと同じ順序でスライドを受け取ることができ、したがってスライドのその後の識別および可能なさらなる処理を容易にする。
【0026】
既に上に示したように、スライド撮像装置は、少なくとも1つの撮像装置をさらに備え、撮像装置は、スライドに搭載された試料の画像を生成するように構成されている。本明細書で使用される「撮像装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、試料の少なくとも1つの視覚的特性の2D表現を生成するために指定された装置を指すことができる。特に、撮像装置は、2Dカメラまたはライン走査検出器から選択されることができる。しかしながら、さらなる種類の撮像装置も実現可能とすることができる。したがって、本発明にかかるスライド撮像装置は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上の個々の撮像装置を備えることができ、少なくとも1つの個々の撮像装置は、以下により詳細に開示されるように、供給装置によって個別にアドレス指定されることができる。ここで、さらなる撮像装置は、特に、1つよりも多い撮像装置が故障した場合のさらなるバックアップオプションとして維持されることができる。
【0027】
試料の所望の画像を生成する目的で、スライドは、好ましくは、2D延在部および厚さを有するプレートであってもよく、プレートの2D延在部は、好ましくは、長方形または円形の形態を示してもよく、プレートの厚さは、延在部のサイズと比較して小さくてもよく、好ましくは、プレートの2D延在部の直線的な広がりの尺度よりも20%、より好ましくは10%、特に5%、またはそれ未満であってもよい。
【0028】
さらに、少なくとも1つの撮像装置は、操作ボタンを備える。本明細書で使用される「操作ボタン」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、典型的には、人またはオブジェクトがアクセス可能な対応する装置の表面上に配置され、押圧または解放されることができ、それによって情報が装置に送信され、その後、装置が動作を実行することができる装置の構成要素を指すことができる。これにより、「押圧する」、「押圧される」、または「押圧している」という用語は、具体的には、限定されないが、人またはオブジェクトによってボタンに衝突することを指すことができ、「解放する」、「解放される」、または「解放している」という用語は、具体的には、限定されないが、それぞれ装置の表面に対するボタンの位置が所定の閾値を超える可能性のある変化を受けることができるように、ボタンから圧力を除去することを指すことができる。
【0029】
本明細書に開示されるように、少なくとも1つの撮像装置の操作ボタンは、好ましくは、排出ボタンであってもよく、排出ボタンを備えてもよい。本明細書で使用される「排出ボタン」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、オブジェクト、具体的には装置の構成要素をユーザまたはボタンを押圧するオブジェクトに提供するように設計されることができる特定の種類のボタンを指すことができる。特に本開示に関して、排出ボタンは、排出ボタンが押圧されたときにスライドトレイを排出するように構成されている。本明細書で使用される「スライドトレイ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、特に撮像装置内の少なくとも1つのスライドの走査中に、少なくとも1つのスライドまたはスライドホルダを保持するように構成された要素を指すことができる。
【0030】
したがって、供給装置は、スライドを保管装置から少なくとも1つの撮像装置に供給するように構成され、供給装置は、操作ボタンを押圧するように構成されている。この目的のために、供給装置は、好ましくは、操作ボタンを押圧するように構成された突起を備えてもよい。ここで、突起は、具体的には、槍状であってもよく、または指状であってもよい。しかしながら、さらなる種類の形状も実現可能とすることができる。
【0031】
その結果、操作ボタンは、様々な事象において突起に衝突し、突起または操作ボタンのうちの少なくとも一方の摩耗をもたらす可能性がある。したがって、供給装置は、突起を覆うように構成された保護カバーを備えることができる。本明細書で使用される「保護カバー」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、被覆される構成要素を周囲のオブジェクトから分離するように構成されることができる好ましくは可撓性のオブジェクトを指すことができる。ここで、保護カバーの形状は、好ましくは、槍状または指状の突起を特に緊密に覆うように形成されてもよい。したがって、結果として、保護カバーは、突起および/または操作ボタンのうちの少なくとも一方を摩耗から保護するように構成することができる。
【0032】
既に上述したように、供給装置は、好ましくは、ロボットアームを備えてもよい。その結果、突起は、特に突起をロボットアームに取り付けることによって、またはロボットアームに突起を形成することによって、ロボットアームに配置されることができる。具体的には、ロボットアームは、把持装置を備えてもよい。本明細書で使用される「把持装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、典型的には、オブジェクトを掴み、それを所望の位置に移送し、所望の位置においてオブジェクトを解放するように設計された機械的要素を指すことができる。本明細書の開示に関して、特定の把持装置は、したがって、スライドまたはスライドホルダを把持し、それを撮像装置のスライド受け入れ部に緊密に移送し、それによって搬送中のスライドの不安定性または損失を回避し、それを、好ましくは本明細書の他の箇所に記載されているようにスライドトレイに解放するように構成することができる。ここで、突起は、把持装置に配置されてもよく、したがって、把持装置がスライドを撮像装置のスライド受け入れ部に挿入し、同時に撮像装置の排出ボタンを押圧することを可能にし、撮像装置におけるスライドの走査中にスライドを保持するように構成されたスライドトレイの排出をもたらす。ここで、把持装置は、好ましくは、第1の把持部および第2の把持部を備えることができ、第1の把持部および第2の把持部は、特に直線的に互いに対して移動可能である。ここで、第1の把持部および第2の把持部は、互いに対向する表面を有することができ、表面は、実質的に平面であってもよく、したがって緊密把持を支持する。しかしながら、突起のさらなる種類の配置も考えられる。
【0033】
さらに、スライド撮像装置は、スライド撮像装置のユーザが見ることができるプレゼンテーションにおいて、少なくとも1つの画像、好ましくは複数の画像を示すように構成された少なくとも1つのモニタを備えることができる。特に、モニタは、様々な位置からのユーザによる少なくとも1つの画像の閲覧を容易にするために、回動可能なホルダに取り付けられることができる。
【0034】
さらに、スライド撮像装置は、好ましくは、特に、供給装置および少なくとも1つの撮像装置のうちの少なくとも1つから選択されることができるスライド撮像装置の少なくとも1つの構成要素の動作を制御するように構成することができるオペレーティングシステムを備えることができる。この目的のために、オペレーティングシステムは、少なくとも1つのコンピュータと、コンピュータに命令を入力するように構成された少なくとも1つの入力装置と、少なくとも1つの表示装置とを備えることができる。ここで、入力装置は、好ましくは、キーボードを備えてもよい。さらに、表示装置は、好ましくは、スライド撮像装置の動作状態に関する少なくとも1つの情報をユーザに提示するように構成されてもよい。しかしながら、さらなる情報がさらに提供されてもよい。
【0035】
さらに、オペレーティングシステムは、少なくとも1つの撮像装置の動作状態を認識することができ、撮像装置の動作状態は、それぞれの撮像装置が利用可能であるか否かを決定するために使用されることができる。本明細書で使用される「利用可能」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、対応する撮像装置が少なくとも1つのスライドを走査する準備ができている動作状態を指すことができる。しかしながら、撮像装置の動作状態は、特にウォームアップ段階中または対応する撮像装置の欠陥中に、非利用可能性状態をさらに想定することができる。この目的のために、撮像装置の出力と、オペレーティングシステムが動作している可能性があるコンピュータとの間に直接接続が提供されることができる。代替的または追加的に、スライド撮像装置は、少なくとも1つのインジケータを使用して、好ましくは1つ以上の発光ダイオード(LED)の形態で、少なくとも1つの撮像装置の動作状態を検出するように構成された少なくとも1つのビジョンセンサをさらに備えてもよく、撮像装置の対応する動作状態を示すように構成されている。
【0036】
スライド撮像装置のさらに好ましい構成が考えられることができる。したがって、スライド撮像装置は、フレーム、特に車輪を有するフレームと、フレームに接続された少なくとも1つのプレートとをさらに備えてもよく、少なくとも1つの撮像装置は、少なくとも1つのプレート上に配置されてもよい。本明細書では、少なくとも1つのプレートは、別のプレートとは独立してフレームから伸長可能であってもよく、したがって、サービス要員のための各撮像装置へのアクセスを改善する。しかしながら、少なくとも1つの撮像装置が移動するには繊細すぎると考えられる実施形態では、プレートは不要であってもよい。好ましくは、2つ以上の撮像装置は、互いに隣接して配置されることができ、特に、垂直に上下に配置されることができ、あるいは水平に隣接して配置されることができる。一般に、少なくとも2つの撮像装置の隣接配置は、供給装置のロボットアームによる第2の撮像装置への到達を容易にすることができる。さらに、スライド撮像装置は、テーブルを備えてもよく、少なくとも保管装置および供給装置は、テーブルに取り付けられることができる。さらに、スライド撮像装置は、供給装置を少なくとも部分的に取り囲むハウジングを備えることができ、ハウジングは、安全ドアと、安全ドアの状態を検出するように構成された安全スイッチとを備えることができる。さらに、スライド撮像装置は、非常停止スイッチと、さらに非常停止ボタンとを備えることができ、非常停止スイッチは、非常停止ボタンを使用して動作可能とすることができる。スライド撮像装置のさらに好ましい構成に関するさらなる詳細については、以下に開示される実施形態を参照することができる。
【0037】
本明細書においてさらに開示および提案されるのは、複数のスライドを撮像するための方法であって、この方法は、以下のステップを含む:
a)複数のスライドを保管装置に装填し、かつスライドを保管装置に格納するステップ;
b)供給装置を使用して保管装置から撮像装置にスライドを供給するステップであって、それにより供給装置が撮像装置の操作ボタンを同時に押圧する、スライドを供給するステップ;および
c)撮像装置を使用して、スライドに搭載された試料の画像を生成するステップ。
【0038】
特に、本方法は、ステップa)から開始することができ、以下、ステップb)およびc)は、ステップa)において提供された任意のスライドまたは好ましくは全てのスライドについて連続して繰り返されることができる。この目的のために、スライドは、試料の所望の画像を生成するために、自動化された方法で保管装置から撮像装置に供給されてもよい。
【0039】
さらに、さらなるステップd)は、以下のように実行されることができる:
d)スライドを撮像装置から保管装置に搬送する。
【0040】
既に示したように、スライドは、特に、スライドが装填された保管装置内の関連する位置に搬送されてもよい。換言すれば、スライドは、スライドが保管装置から少なくとも1つの第1の撮像装置または少なくとも1つの第2の撮像装置に供給される前にスライドが装填されていた保管装置内の同じ位置に搬送されてもよい。
【0041】
複数のスライドを撮像するための方法に関するさらなる詳細については、本明細書の他の箇所で説明するように、スライド撮像装置を参照することができる。
【0042】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に含まれる1つ以上の実施形態において、本発明にかかる方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムがさらに開示および提案される。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されることができる。
【0043】
本明細書で使用される場合、「コンピュータ可読データキャリア」および「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、具体的には、コンピュータ実行可能命令が記憶されたハードウェア記憶媒体などの非一時的データ記憶手段を指すことができる。コンピュータ可読データキャリアまたは記憶媒体は、具体的には、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読み出し専用メモリ(ROM)などの記憶媒体とすることができるか、またはそれを含むことができる。
【0044】
したがって、具体的には、上述したような方法ステップa)からd)の1つ、1つよりも多い、または全ては、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して、好ましくはコンピュータプログラムを使用して実行されることができる。
【0045】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に含まれる1つ以上の実施形態において、本発明にかかる方法を実行するために、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品が本明細書にさらに開示および提案される。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されることができる。
【0046】
本明細書にさらに開示および提案されるのは、コンピュータまたはコンピュータネットワークのワーキングメモリまたはメインメモリなどのコンピュータまたはコンピュータネットワークにロードした後、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ以上にかかる方法を実行することができるデータ構造が記憶されたデータキャリアである。
【0047】
本明細書にさらに開示および提案されるのは、プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に含まれる実施形態のうちの1つ以上にかかる方法を実行するために、機械可読キャリアに記憶されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品である。本明細書で使用される場合、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、紙のフォーマットなどの任意のフォーマットで、またはコンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体上に存在する。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワーク上で配信されてもよい。
【0048】
最後に、本明細書に開示および提案されるのは、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ以上にかかる方法を実行するための、コンピュータシステムまたはコンピュータネットワークによって読み取り可能な命令を含む変調データ信号である。
【0049】
本発明のコンピュータ実装態様を参照すると、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ以上にかかる方法のうちの1つ以上の方法ステップまたは全ての方法ステップは、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって実行されることができる。したがって、一般に、データの提供および/または操作を含む方法ステップのいずれかは、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって実行されることができる。一般に、これらの方法ステップは、検体の提供および/または実際の測定を実行する特定の態様などの手作業を必要とする方法ステップを通常除いて、任意の方法ステップを含むことができる。
【0050】
具体的には、本明細書では、さらに以下が開示される:
- プロセッサが、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合された少なくとも1つのプロセッサを備えるコンピュータまたはコンピュータネットワーク。
【0051】
- データ構造がコンピュータ上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合されたコンピュータロード可能データ構造。
【0052】
- プログラムがコンピュータ上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合されたコンピュータプログラム。
【0053】
- コンピュータプログラムがコンピュータ上またはコンピュータネットワーク上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するためのプログラム手段を備えるコンピュータプログラム。
【0054】
- プログラム手段がコンピュータに読み取り可能な記憶媒体上に記憶された、先行する実施形態にかかるプログラム手段を備えるコンピュータプログラム。
【0055】
- データ構造が記憶媒体に記憶され、データ構造がコンピュータまたはコンピュータネットワークのメイン記憶部および/またはワーキング記憶部にロードされた後、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合された、記憶媒体。
【0056】
- コンピュータまたはコンピュータネットワーク上でプログラムコード手段が実行された場合に、この明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するために、プログラムコード手段が記憶されることができる、または記憶媒体上に記憶されることができる、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品。
【0057】
有利には、スライド撮像装置および複数のスライドを撮像するための方法は、撮像装置において処理されるスライドの改善された処理を可能にし、スライドは、撮像装置のスライド受け入れ部に導入されるように設けられる。特に、それらは、スライドを撮像装置のスライド受け入れ部に挿入し、同時に、撮像装置の排出ボタンを押圧して、特に、撮像装置内のスライドの走査中にスライドまたはスライドホルダを保持するように構成されたスライドトレイを排出することを可能にする。
【0058】
要約すると、さらに可能な実施形態を除外することなく、以下の実施形態が想定されることができる:
実施形態1。スライド撮像装置であって、
- スライドに搭載された試料の画像を生成するように構成された少なくとも1つの撮像装置であって、少なくとも1つの操作ボタンを備える、少なくとも1つの撮像装置と、
- 複数のスライドを装填可能であり、スライドを保管するように構成された保管装置と、
- スライドを保管装置から撮像装置に供給するように構成された供給装置であって、操作ボタンを押圧するように構成された供給装置と
を備える、スライド撮像装置。
【0059】
実施形態2。供給装置が、操作ボタンを押圧する突起を備える、実施形態1に記載のスライド撮像装置。
【0060】
実施形態3。突起が、槍状または指状である、実施形態2に記載のスライド撮像装置。
【0061】
実施形態4。突起を覆うように構成された保護カバーをさらに備える、実施形態2または3に記載のスライド撮像装置。
【0062】
実施形態5。保護カバーが、突起および操作ボタンのうちの少なくとも一方を保護するように構成されている、実施形態4に記載のスライド撮像装置。
【0063】
実施形態6。供給装置がロボットアームを備える、実施形態1から5のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0064】
実施形態7。突起がロボットアームに配置されている、実施形態6に記載のスライド撮像装置。
【0065】
実施形態8。突起が、ロボットアームに取り付けられるか、またはロボットアームに形成されている、実施形態7に記載のスライド撮像装置。
【0066】
実施形態9。ロボットアームが、スライドまたはスライドホルダを把持するように構成された把持装置を備える、実施形態6から8のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0067】
実施形態10。突起が把持装置に配置されている、実施形態9に記載のスライド撮像装置。
【0068】
実施形態11。把持装置が、第1の把持部および第2の把持部を備える、実施形態9または10に記載のスライド撮像装置。
【0069】
実施形態12。第1の把持部および第2の把持部が、互いに対して移動可能である、実施形態11に記載のスライド撮像装置。
【0070】
実施形態13。第1の把持部および第2の把持部が、互いに対して直線的に移動可能である、実施形態12に記載のスライド撮像装置。
【0071】
実施形態14。第1の把持部および第2の把持部が、互いに対向する表面を有する、実施形態11から13のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0072】
実施形態15。表面が略平面である、実施形態14に記載のスライド撮像装置。
【0073】
実施形態16。操作ボタンが、撮像装置の表面に配置され、押圧または解放可能にアクセス可能であり、それによって情報が撮像装置に送信されて撮像装置の動作を実行する、実施形態1から15のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0074】
実施形態17。操作ボタンが、排出ボタンであるか、または排出ボタンを備える、実施形態1から16のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0075】
実施形態18。撮像装置が、排出ボタンが押圧されたときにスライドトレイを排出するように構成されている、実施形態17に記載のスライド撮像装置。
【0076】
実施形態19。供給装置が、少なくとも1つの撮像装置から保管装置にスライドを搬送するようにさらに構成されている、実施形態1から18のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0077】
実施形態20。供給装置が、スライドが装填された保管装置内の関連する位置に、少なくとも1つの撮像装置から保管装置にスライドを搬送するように構成されている、実施形態19に記載のスライド撮像装置。
【0078】
実施形態21。保管装置が、スライドホルダによって装填可能であり、スライドホルダが、1つよりも多いスライドを保持するように構成されている、実施形態1から20のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0079】
実施形態22。保管装置が、複数のスライドまたはスライドホルダを手動で装填可能である、実施形態21に記載のスライド撮像装置。
【0080】
実施形態23。保管装置が、スライドまたはスライドホルダを互いに隣接する行に保管するように構成されている、実施形態21または22に記載のスライド撮像装置。
【0081】
実施形態24。保管装置が、スライドまたはスライドホルダが装填されるラックを備える、実施形態21から23のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0082】
実施形態25。特権処理のために決定された指定されたスライドに搭載された少なくとも1つの試料を撮像装置に装填するように構成された高速レーンをさらに備える、実施形態1から24のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0083】
実施形態26。撮像装置が、2Dカメラまたはライン走査検出器から選択される、実施形態1から25のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0084】
実施形態27。少なくとも2つの撮像装置を備える、実施形態1から26のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0085】
実施形態28。供給装置が、保管装置から少なくとも2つの撮像装置のうちの1つにスライドを選択的に供給するように構成されている、実施形態27に記載のスライド撮像装置。
【0086】
実施形態29。フレーム、特に車輪を有するフレームと、テーブルとをさらに備える、実施形態1から28のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0087】
実施形態30。少なくとも保管装置および供給装置がテーブルに取り付けられている、実施形態29に記載のスライド撮像装置。
【0088】
実施形態31。供給装置および撮像装置のうちの少なくとも一方の動作を制御するように構成されたオペレーティングシステムをさらに備える、実施形態1から30のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0089】
実施形態32。オペレーティングシステムが、少なくとも1つのコンピュータと、コンピュータに命令を入力するように構成された少なくとも1つの入力装置と、少なくとも1つの表示装置とを備える、実施形態31に記載のスライド撮像装置。
【0090】
実施形態33。入力装置がキーボードを備える、実施形態32に記載のスライド撮像装置。
【0091】
実施形態34。撮像装置による走査後に、スライドに搭載された試料の画像を提示するように構成された少なくとも1つのモニタをさらに備える、実施形態1から33のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0092】
実施形態35。少なくとも1つのモニタが、回動可能なホルダに取り付けられている、実施形態34に記載のスライド撮像装置。
【0093】
実施形態36。供給装置を少なくとも部分的に取り囲むハウジングをさらに備える、実施形態1から35のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0094】
実施形態37。ハウジングが、安全ドアと、安全ドアの状態を検出する安全スイッチとを備える、実施形態36に記載のスライド撮像装置。
【0095】
実施形態38。非常停止スイッチをさらに備える、実施形態1から37のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0096】
実施形態39。非常停止ボタンをさらに備える、実施形態38に記載のスライド撮像装置。
【0097】
実施形態40。非常停止スイッチが、非常停止ボタンを使用して操作可能である、実施形態39に記載のスライド撮像装置。
【0098】
実施形態41。撮像装置が、撮像装置の動作状態を示すように構成されたインジケータを備える、実施形態1から40のいずれか1つに記載のスライド撮像装置。
【0099】
実施形態42。インジケータが少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を備える、実施形態41に記載のスライド撮像装置。
【0100】
実施形態43。インジケータを使用して撮像装置の動作状態を検出するように構成された少なくとも1つのビジョンセンサをさらに備える、実施形態41または42に記載のスライド撮像装置。
【0101】
実施形態44。複数のスライドを撮像するための方法であって、
a)複数のスライドを保管装置に装填し、かつスライドを保管装置に格納するステップと、
b)供給装置を使用して保管装置から撮像装置にスライドを供給するステップであって、それにより供給装置が撮像装置の操作ボタンを同時に押圧する、スライドを供給するステップと、
c)撮像装置を使用して、スライドに搭載された試料の画像を生成するステップと
を含む、方法。
【0102】
実施形態45。供給装置が突起を備え、突起が操作ボタンを押圧する、実施形態44に記載の方法。
【0103】
実施形態46。d)スライドが、撮像装置から保管装置に搬送されるステップをさらに含む、実施形態44または45のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
実施形態47。スライドが、スライドが装填された保管装置内の関連する位置に搬送される、実施形態46に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0105】
さらなる任意の特徴および実施形態は、好ましくは従属請求項と併せて、実施形態の後続の説明においてより詳細に開示される。ここで、それぞれの任意の特徴は、当業者が理解するように、独立した方法で、ならびに任意の実行可能な組み合わせで実現されてもよい。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって限定されない。実施形態は、図に概略的に示されている。ここで、これらの図の同一の参照符号は、同一または機能的に匹敵する要素を指す。
図では以下のとおりである:
【
図1】本開示にかかるスライド撮像装置の好ましい実施形態を側面図で概略的に示している。
【
図2A】本開示にかかるスライド撮像装置に含まれるような供給装置の好ましい実施形態の一部を平面図(
図2A)で概略的に示している。
【
図2B】本開示にかかるスライド撮像装置に含まれるような供給装置の好ましい実施形態の一部を側面図(
図2B)で概略的に示している。
【
図3】本開示にかかる複数のスライドを撮像するための方法の好ましい実施形態を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0106】
図1は、本開示にかかるスライド撮像装置110の好ましい実施形態を側面図で概略的に示している。
図1に示すように、スライド撮像装置110は、好ましくはフレーム112を備えることができ、フレーム112は、特に車輪114を備えることができ、したがってスライド撮像装置110が所望の位置に移動されることを可能にする。
図1にさらに示すように、フレーム112は、テーブル116をさらに備え、少なくとも保管装置118および供給装置120がテーブル116に取り付けられている。しかしながら、保管装置118および供給装置120のためのさらなる種類の構成も考えられることができる。
【0107】
さらに、
図1に示す実施形態によれば、第1のプレート122および第2のプレート124がフレーム112に接続され、第1の撮像装置126が第1のプレート122に配置され、第2の撮像装置128が第2のプレート124に配置される。単一の撮像装置のみ、または3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上の個々の撮像装置を備えるスライド撮像装置110(ここでは図示せず)のさらなる実施形態も実現可能とすることができ、少なくとも1つの撮像装置126、128は、上記または下記により詳細に開示されるように、供給装置120によってより個別にアドレス指定されることができる。
図1に示す特定の配置の結果として、第1の撮像装置126および第2の撮像装置128は、上下に配置される。しかしながら、特に供給装置120が到達することができる限り、第1の撮像装置126および第2の撮像装置128のためのさらなる種類の配置も考えられることができる。さらに、第1のプレート122および第2のプレート124は、好ましくは、特にサービスケースの場合にアクセスを容易にするために、特に伸縮レール(ここでは図示せず)を使用することによって、独立した方法でフレーム112から伸長可能であってもよい。この実施形態では、好ましくは、それぞれ撮像装置126、128のそれぞれの基部を受け入れるように設計されたプレート122、124の凹部によって正確な位置決めが達成されることができる。しかしながら、さらなる種類の構成も実現可能とすることができる。
【0108】
図1にさらに示されるように、本実施形態にかかるスライド撮像装置110は、供給装置120を少なくとも部分的に包囲し、したがって供給装置120の妨害されない動作を支持するハウジング130を備える。
図1に概略的に示すように、ハウジング130は、安全ドア132および安全スイッチ134を有し、安全スイッチ134は、安全ドア132の開状態または閉状態などの安全ドア132の状態を検出するように構成されている。しかしながら、さらなる種類の安全対策も可能とすることができる。
【0109】
さらに、
図1に示すスライド撮像装置110の実施形態は、非常停止スイッチ136を備え、非常停止スイッチ136は、ここでは非常停止ボタン138を使用して動作可能である。しかしながら、さらなる種類の非常装備も実現可能とすることができる。非常停止スイッチ136は、非常停止ボタン138を押圧すると、サービス要員が必要と考える場合には、スライド撮像装置110の動作の即時停止を誘導することができる。
【0110】
図1に概略的に示すように、保管装置118は、複数のスライド140を装填可能であり、スライド140を保管するように構成されている。特に、複数のスライド140は、保管装置118に手動で装填されてもよい。この目的のために、保管装置118は、個々のスライドおよびスライドホルダ142のうちの少なくとも一方を装填可能であってもよく、各スライドホルダ142は、1つよりも多いスライド140を保持するように構成されている。
図1にさらに示すように、保管装置118は、スライド140またはスライドホルダ142を、互いに隣接して配置された行144にそれぞれ保管するように構成されている。しかしながら、保管装置118のさらなる構成も考えられることができる。
【0111】
一般に、供給装置120は、例えば、保管装置118の上行146から始まり下行148まで続く所定のルーチンルートに沿って、スライド140またはスライドホルダ142をそれぞれ処理するように構成されてもよい。本明細書に示す特定の実施形態では、保管装置118は、高速レーン150を備えることができ、高速レーン150は、指定されたスライド152に搭載された少なくとも1つの試料を保管するように構成することができ、高速レーン150に位置する各指定されたスライド152は、供給装置120によって通常使用される所定のルーチンルート外の特権処理のために決定される。
【0112】
図1にさらに概略的に示すように、供給装置120は、スライド140を保管装置118から第1の撮像装置126または第2の撮像装置128に選択的に供給するように構成することができる。特に好ましい実施形態では、供給装置120は、スライド140を保管装置118から第1の撮像装置126または第2の撮像装置128に選択的に自動的に供給するように構成されてもよい。
【0113】
そこに概略的に示されているように、供給装置120は、特に、第1の撮像装置126および第2の撮像装置128のそれぞれに含まれるようなスライド受け入れ部156、特にスリットにスライド140を導入するように構成することができるロボットアーム154を備えてもよく、スライド受け入れ部156は、撮像目的のためにスライド140を受け入れるように構成されている。以下の
図3により詳細に示すように、ロボットアーム154は、スライド140またはホルダ142をそれぞれ把持するように構成された把持装置158を備えることができる。より具体的には、把持装置158は、第1の撮像装置126または第2の撮像装置128の操作ボタン160を押圧するように構成された突起(ここでは図示せず)、特に槍状または指状の突起を有してもよい。しかしながら、供給装置120のなおもさらなる種類の配置も可能とすることができる。
【0114】
さらに、供給装置120は、走査後にスライド140を第1の撮像装置126から、または第2の撮像装置128から保管装置118に戻すように構成されてもよい。その後、スライド140は、保管装置118から手動で取り外されることができ、したがって、さらなるスライド140のための空間を提供する。特に、供給装置120は、スライド140を第1の撮像装置126から、または第2の撮像装置128から保管装置118に戻して、走査前にスライド140が以前に装填された保管装置118内の関連する位置に搬送するように構成することができる。その結果、ユーザは、スライド140を保管装置118に提供されたのと同じ順序で受け取ることができる。
【0115】
既に上に示したように、
図1に示す例示的なスライド撮像装置110は、第1の撮像装置126および第2の撮像装置128を備え、撮像装置126、128のそれぞれは、スライド140に搭載された試料の画像162を生成するように構成されている。この目的のために、撮像装置126、128のそれぞれは、好ましくは、2Dカメラまたはライン走査検出器から選択されてもよい。しかしながら、さらなる種類の撮像装置も実現可能とすることができる。
【0116】
特定の実施形態では、第1の撮像装置126および第2の撮像装置128のうちの少なくとも一方は、第1の撮像装置126または第2の撮像装置128の動作状態をそれぞれ示すように構成された少なくとも1つのインジケータ、好ましくは1つ以上のLED164の形態で備えてもよい。この特定の実施形態では、スライド撮像装置110は、
図1に示すように、インジケータ、特に1つ以上のLED164によって提供される表示を使用して、第1の撮像装置126および第2の撮像装置128のうちの少なくとも一方の動作状態を検出するように構成された少なくとも1つのビジョンセンサ166をさらに備えることができる。この目的のために、ビジョンセンサ166は、
図1に概略的に示すように光記録装置168を備えることができる。さらなる実施形態(ここには図示せず)では、スライド撮像装置110は、少なくとも2つの個別のビジョンセンサ166を備えることができ、各個別のビジョンセンサ166は、個別の光記録装置168を備えることができ、各個別の光記録装置168は、個別の撮像装置126、128の動作状態を検出するように割り当てられることができる。しかしながら、さらなる実施形態が依然として実現可能である。
【0117】
このようにして、スライド撮像装置110は、第1の撮像装置126および第2の撮像装置128から直接この情報を取得する必要なしに、それぞれ第1の撮像装置126または第2の撮像装置128の動作状態に独立してアクセスすることができる。しかしながら、一方では第1の撮像装置126または第2の撮像装置128と、他方では第1の撮像装置126および第2の撮像装置128の動作状態を提供するためのオペレーティングシステム170との間の直接通信も実現可能とすることができる。
【0118】
上述したように、スライド撮像装置110は、供給装置120、第1の撮像装置126および第2の撮像装置128のうちの1つ以上の動作を制御するように構成することができるオペレーティングシステム170を備えてもよい。ここで、オペレーティングシステム170は、好ましくは、コンピュータ172と、コンピュータ172に命令を入力するように構成された入力装置174とを備えてもよく、入力装置174は、キーボード176と、少なくとも1つの表示装置178とを備えてもよい。ここで、表示装置178は、スライド撮像装置110の動作状況に関する情報を少なくとも1つ表示するために使用されることができる。
【0119】
さらに、スライド撮像装置110は、ユーザによって様々な位置から第1の撮像装置126または第2の撮像装置128によって走査された後にスライド140に搭載された試料の画像162を見やすくするために、好ましくは回動可能なホルダ(ここでは図示せず)に取り付けられることができる少なくとも1つのモニタ180を備えてもよい。
【0120】
図2Aおよび
図2Bは、スライド撮像装置110に含まれる供給装置120の好ましい実施形態の一部を概略的に示している。ここで、
図2Aは平面図を示し、
図2Bはその側面図を示している。
【0121】
したがって、供給装置120に含まれるロボットアーム154は、ロボットアーム154に配置された突起182を有する。一般に、突起182は、任意の考えられる方法でロボットアーム154に取り付けられるかまたは形成されることができる。
図2Aおよび
図2Bに示す例示的な実施形態では、ロボットアームは、スライドホルダ142を把持するように構成された把持装置158を備え、スライドホルダ142は、そこに示すように複数のスライド140を保持するように構成され、突起182は、把持装置158に配置される。しかしながら、突起182を供給装置120にさらに配置することも実現可能である。
【0122】
供給装置120、具体的には把持装置158に含まれる突起182は、撮像装置126、128の操作ボタン160を押圧するように構成されている。この目的のために、突起182は、好ましくは、槍状または指状であってもよい。操作ボタン160は、排出ボタンであってもよく、または排出ボタンを備えてもよく、撮像装置126、128は、排出ボタンが押圧されたときにスライドトレイ(ここでは図示せず)を排出するように構成されてもよい。ここで、スライドトレイは、少なくとも一方のスライド140の走査中にスライド140またはスライドホルダ142をそれぞれ保持するように構成されてもよい。
【0123】
その結果、操作ボタン160は、様々な事象において突起182に衝突し、突起182および/または操作ボタン160の摩耗をもたらす可能性がある。したがって、
図2Aおよび
図2Bにさらに示すように、保護カバー184が設けられることができ、保護カバー184は、突起182を覆うように構成することができ、保護カバー184の形状は、好ましくは、槍状または指状の突起182をぴったりと覆うように形成されることができる。結果として、保護カバー184は、特に、突起182および/または操作ボタン160を保護するように構成することができる。
【0124】
図2Aおよび
図2Bにさらに示されるように、把持装置158は、第1の把持部186および第2の把持部188を備えてもよく、第1の把持部186および第2の把持部188は、矢印190によって示されるように、特に互いに対して直線的に、互いに対して移動可能であってもよい。さらに、第1の把持部186および第2の把持部188は、互いに対向する表面192、194を有してもよく、表面192、194は、好ましくは、実質的に平面であってもよく、したがって、スライド140またはスライドホルダ142の隣接する表面にそれぞれ採用される。このようにして、把持装置158は、スライド140またはスライドホルダ142を撮像装置126、128のスライド受け入れ部156に緊密に移送することができ、それによって移送中のスライド140またはスライドホルダ142のそれぞれの不安定性または損失を回避することができる。
【0125】
図3は、複数のスライド140を撮像するための方法210の好ましい実施形態を概略的に示しており、方法210は、以下のステップを含む。
【0126】
ステップa)にかかる装填ステップ212では、複数のスライド140が保管装置118に装填され、保管装置118によって保管される。本明細書では、スライド140は、個々のスライド140として、または1つよりも多いスライド140を保持するように構成されたスライドホルダ142を使用することによって装填されてもよい。
【0127】
ステップb)にかかる供給ステップ214では、供給装置120を使用することによってスライド140を保管装置118から撮像装置126、128に供給する。ここで、スライド140は、好ましくは、保管装置118から撮像装置126、128に自動化された方法で供給される。さらに、供給装置120が撮像装置126、128の操作ボタン160を同時に押圧することにより、少なくとも1つのスライド140の走査中にスライド140またはスライドホルダ142をそれぞれ保持するように構成されるスライドトレイが排出される。
【0128】
ステップc)にかかる撮像ステップ216では、撮像装置126、128を使用してスライド140に搭載された試料の画像が生成される。次いで、画像162は、上述したようにモニタ180に表示されることができる。
【0129】
搬送ステップ218では、スライド140は、個々のスライド140として、または1つよりも多いスライド140を保持するように構成されたスライドホルダ142を使用することによって、撮像装置126、128から保管装置118に、特にスライド140またはスライドホルダがそれぞれ装填された保管装置118内の関連する位置に搬送されることができる。
【0130】
複数のスライド140を撮像するための方法210に関するさらなる詳細については、上述したようにスライド撮像装置110を参照することができる。
【符号の説明】
【0131】
110 スライド撮像装置
112 フレーム
114 車輪
116 テーブル
118 保管装置
120 供給装置
122 第1のプレート
124 第2のプレート
126 第1の撮像装置
128 第2の撮像装置
130 ハウジング
132 安全ドア
134 安全スイッチ
136 非常停止スイッチ
138 非常停止ボタン
140 スライド
142 スライドホルダ
144 行
146 上行
148 下行
150 高速レーン
152 指定されたスライド
154 ロボットアーム
156 スライド受け入れ部
158 把持装置
160 操作ボタン
162 画像
164 発光ダイオード(LED)
166 ビジョンセンサ
168 光記録装置
170 オペレーティングシステム
172 コンピュータ
174 入力装置
176 キーボード
178 ディスプレイ
180 モニタ
182 突起
184 保護カバー
186 第1の把持部
188 第2の把持部
190 矢印
192 表面
194 表面
210 スライドを撮像するための方法
212 装填ステップ
214 供給ステップ
216 撮像ステップ
218 搬送ステップ