(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】エネルギー使用を調節するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
F24H 15/375 20220101AFI20240306BHJP
F24H 1/00 20220101ALI20240306BHJP
F24H 1/10 20220101ALI20240306BHJP
F24H 1/18 20220101ALI20240306BHJP
F24H 4/02 20220101ALI20240306BHJP
F24H 15/156 20220101ALI20240306BHJP
F24H 15/219 20220101ALI20240306BHJP
F24H 15/242 20220101ALI20240306BHJP
F24H 15/281 20220101ALI20240306BHJP
F24H 15/37 20220101ALI20240306BHJP
F24H 15/414 20220101ALI20240306BHJP
F24H 15/486 20220101ALI20240306BHJP
【FI】
F24H15/375
F24H1/00 A
F24H1/10 C
F24H1/18 G
F24H4/02 C
F24H15/156
F24H15/219
F24H15/242
F24H15/281
F24H15/37
F24H15/414
F24H15/486
(21)【出願番号】P 2023547542
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 IB2022051067
(87)【国際公開番号】W WO2022168036
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-10-17
(32)【優先日】2021-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523295970
【氏名又は名称】オクトパス エナジー ヒーティング リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ピーター コノワルクジク
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-095528(JP,A)
【文献】特開2011-196559(JP,A)
【文献】特開2011-208898(JP,A)
【文献】特開平04-359749(JP,A)
【文献】特開2001-235223(JP,A)
【文献】特開2006-292206(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0039153(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 - 15/493
F24D 17/00 - 17/02
A47K 3/00 - 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水提供システムによるエネルギー消費を調節する、コンピュータ実装される方法であって、前記水提供システムが、周囲環境から熱エネルギー貯蔵媒体へと熱エネルギーを移すように構成されているヒートポンプ、
並びに、温度センサ、圧力センサ、及びタイマーを含む複数のセンサからの入力を受容することを含む前記水提供システムの動作を制御するように構成されている制御モジュールを有しており、前記水提供システムが、前記熱エネルギー貯蔵媒体によって加熱された水を水出口に提供するように構成されており、
前記方法は、前記制御モジュールによって実行され、
前記水出口に提供される加熱水のための第1の温度を設定すること、
前記水出口に提供される加熱水のための第2の温度を設定すること、
を含み、
前記第2の温度は、前記第1の温度とは異なり、
かつ、前記方法は、
前記水出口が開かれたと判断されたときに、前記水出口に提供される加熱水の温度を、前記第1の温度と前記第2の温度との間で交互に変えること
を含み、
前記制御モジュールが、機械学習アルゴリズム(MLA)を実行し、これは、前記複数のセンサからのデータを用いて学習されて、学習された水及びエネルギーの利用パターンを確立し、
前記制御モジュールは、前記MLAによって決定される前記学習された水及びエネルギーの利用パターンから導かれる事前決定されたエネルギー消費目標を達成するために、前記第1温度及び/又は前記第2温度を設定する、
方法。
【請求項2】
前記制御モジュールは、タイマーを有し、前記方法が、前記水出口に提供される加熱水の温度を前記第1の温度に変えるときに、前記タイマーをゼロに初期化して第1の経過時間を記録することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の経過時間が第1の時間しきい値を超えたと判断されたときに、前記水出口に提供される加熱水の温度を前記第2の温度に変えることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御モジュールが、タイマーを有し、前記方法が、前記水出口に提供される加熱水の温度を前記第2の温度に変えるときに、前記タイマーをゼロに初期化して第2の経過時間を記録することをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の経過時間が第2の時間しきい値を超えたと判断されたときに、前記水出口に提供される加熱水の温度を前記第1の温度に変えることをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の時間しきい値及び/又は前記第2の時間しきい値が、利用者によって設定される、請求項3又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の時間しきい値及び/又は前記第2の時間しきい値が、1分の倍数である、請求項3又は5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の温度が、前記第2の温度よりも大きく、かつ前記第1の時間しきい値が、前記第2の時間しきい値よりも大きい、請求項3又は5に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の温度の入力を利用者から受け取ることをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の温度の入力を利用者から受け取ることをさらに含む、請求項1~
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記水出口に提供される加熱水の温度を、前記水出口の一回の使用の間に、前記第1の温度から前記第2の温度へと一度のみ変える、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記水出口に提供される加熱水の温度を、前記水出口の一回の使用の間に、前記第1の温度と前記第2の温度の間で、複数回、交互に変える、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の温度及び前記第2の温度が、35℃~44℃の範囲である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
複数の利用者プロファイルを保存することをさらに含み、それぞれのプロファイルが、前記水出口の複数の利用者のうちの1人に対応しており、かつ対応する第1の温度を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
それぞれのプロファイルが、対応する第2の温度を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
水提供システムの動作を制御するための制御モジュールであって、前記水提供システムが、周囲環境から熱エネルギー貯蔵媒体へと熱エネルギーを移すように構成されているヒートポンプ、及び、前記水提供システムの動作を制御するように構成されている制御モジュールを有し、前記水提供システムが、前記熱エネルギー貯蔵媒体によって加熱された水を水出口に提供するように構成されており、前記制御モジュールが、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されている、制御モジュール。
【請求項17】
加熱水を水出口に提供するための水提供システムであって:
熱エネルギーを貯蔵するように構成されている熱エネルギー貯蔵部;
前記熱エネルギー貯蔵部に近接して配置されており、前記熱エネルギー貯蔵部に貯蔵された熱エネルギーを用いて前記水提供システムによって提供するための水を加熱するように構成されている熱交換器;
周囲環境から前記熱エネルギー貯蔵部へと熱エネルギーを移すように構成されているヒートポンプ;
並びに、
温度センサ、圧力センサ、及びタイマーを含む複数のセンサからの入力を受容することを含む前記水提供システムの動作を制御するように構成されている制御モジュール、
を有し、
前記制御モジュールが:
前記水出口に提供される加熱水のための第1の温度を設定するように構成されており;
前記水出口に提供される加熱水のための第2の温度を設定するように構成されており、
前記第2の温度が、前記第1の温度とは異なり、かつ
前記制御モジュールが:
前記水出口が開かれたと判断されたときに、前記水出口に提供される加熱水の温度を前記第1の温度と前記第2の温度との間で交互に変えるように構成されており、
前記制御モジュールが、機械学習アルゴリズム(MLA)を実行し、これは、前記複数のセンサからのデータを用いて学習されて、学習された水及びエネルギーの利用パターンを確立し、
前記制御モジュールは、前記MLAによって決定される前記学習された水及びエネルギーの利用パターンから導かれる事前決定されたエネルギー消費目標を達成するために、前記第1温度及び/又は前記第2温度を設定する、
水提供システム。
【請求項18】
前記水提供システムが、前記水提供システムによって提供するための水を加熱するように構成されている1以上の電気加熱要素をさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記水出口が、シャワーである、請求項17又は18に記載の水提供システム。
【請求項20】
コンピュータ読取可能な記憶媒体に保存されているコンピュータプログラムであって、コンピュータシステム上で実行されたときに、前記コンピュータシステムに指令を出して請求項1~15のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーティリティ消費(ガス、電気、水道などの消費)を管理するための方法及びシステムに関する。特に、本開示は、水及び/又はエネルギーの提供を伴う、家庭における、かつ商業的な、公共の、及び他の場面における、エネルギー消費を能動的に調節する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業的な場面であろうと家庭であろうと、加熱された水(加熱水)は、日中を通じて年中必要とされる。言うまでもないが、加熱水の提供は、清浄な水及び熱源の両方を必要とする。加熱水を提供するために、加熱システムが、多くの場合中央化された水提供システムに、提供されて、水が、事前決定された温度に、例えば使用者によって設定された温度にまで、加熱され、用いられる熱源は、慣用的には、1以上の電気加熱要素又は天然ガスの燃焼である。一般的に、高いエネルギー(例えばガス又は電気)需要の期間の間には、ユーティリティプロバイダは、ピーク料金を設定しており、これは、エネルギーの単位コストを増加させ、それによって、部分的に、消費者に提供するためのさらなるエネルギーの購入に必要な追加的なコストをカバーし、かつ部分的に、不必要なエネルギー利用をあきらめさせるよう促す。そして、低いエネルギー需要の期間の間には、ユーティリティプロバイダは、オフピーク料金を設定し、これは、エネルギーの単位コストを低下させ、それによって、ピーク期間の代わりにこれらのオフピーク期間の間に消費者がエネルギーを用いるよう切り替えるように促し、それによって、全体的にさらにバランスの取れたエネルギー消費を長期間にわたって達成する。しかしながら、そのような戦略は、消費者が常に料金における変化に気付いておりさらに消費者自身のエネルギー消費習慣を調節するための意識的な努力を行う場合にのみ、有効である。
【0003】
ユーティリティとしての清浄な水は、現在、大きな注目を受けている。清浄な水がますます不足してきていることに応じて、清浄な水の節約に関して公衆を教育するための多くの努力が行われており、かつ、水消費を低減するシステム及び装置の開発に多くの努力が行われており、例えば、水流を低減するための通気されたシャワー及び蛇口、動きが検出されない等の場合に水の流れを停止するモーションセンサを備えるシャワー及び蛇口の開発に多くの努力が行われている。しかしながら、これらのシステム及び装置は、単一の特定の使用に限定されており、問題の多い水消費習慣への影響は限られている。
【0004】
エネルギー消費の、環境への影響に関する懸念が大きくなるのに応じて、家庭の加熱水を提供する方法としてヒートポンプ技術の使用に最近大きな興味が集まっている。ヒートポンプは、熱源から熱貯蔵部へと熱エネルギーを移す装置である。ヒートポンプは熱源から熱貯蔵部へと熱エネルギーを移す仕事を達成するために電力を必要とするが、電気抵抗ヒーター(電気加熱要素)よりも一般的により効率が良く、これはなぜならば、ヒートポンプは、典型的に、少なくとも3又は4の成績係数を有するからである。これは、同じ電力使用の下で、電気抵抗ヒーターと比較して、3又は4倍の量の熱を、ヒートポンプを介して利用者に提供できることを意味する。
【0005】
熱エネルギーを運ぶ熱移動媒体は、冷媒として知られている。空気(例えば、外気、又は家の暑い部屋からの空気)又は地中源(例えば、地中ループ又は水で充填されたボアホール)からの熱エネルギーを、受容熱変換器によって抽出し、収容された冷媒に移す。この比較的高エネルギーになった冷媒を、圧縮し、大幅にその温度が上昇するようにし、そして、この高温になった冷媒が、熱交換器を介して、加熱水ループに、熱エネルギーを交換する。加熱水提供に関して、ヒートポンプによって抽出される熱は、熱エネルギー貯蔵部として機能する遮断タンク中の水に移してよく、加熱水を、後に、必要なときに、使用できる。加熱水は、1以上の水出口、例えば、蛇口、シャワー、ラジエータに、必要に応じて分配されてよい。しかしならが、ヒートポンプは、一般に、水を所望の温度にするために、電気抵抗ヒーターと比較して、より多くの時間を要する。
【0006】
種々の家庭、仕事場、及び商業空間において、加熱水の使用に関して異なる要件及び好みがあるので、電気ヒーターの現実的な代替物としてのヒートポンプを可能にするために、加熱水の提供の新たな方法が所望されている。さらには、エネルギー及び水を節約するために、エネルギー及び清浄水の消費を調節することが望ましいことがある。しかしながら、ユーティリティ消費を調節することは、使用に関する単なる全体的な上限の設定ではありえない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、エネルギー消費を調節するための改善された方法及びシステムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記を考慮して、本技術の1つの態様は、水提供システムによるエネルギー消費を調節する、コンピュータ実装される方法を提供し、この水提供システムは、熱エネルギーを周囲環境から熱エネルギー貯蔵媒体へと移すように構成されたヒートポンプ、及び、水提供システムの作動を制御するように構成された制御モジュールを含み、水提供システムは、熱エネルギー貯蔵媒体によって加熱された水を水出口に提供するように構成されており、この方法は、制御モジュールによって実行され、下記を含む;水出口に提供される加熱水のための第1の温度を設定すること;水出口に提供される加熱水のための第2の温度を設定すること、第2の温度は、第1の温度とは異なる;水出口が開かれたと判断されたときに、水出口に提供される加熱水の温度を、第1の温度と第2の温度との間で交互に変え、第1の温度及び/又は第2の温度は、エネルギー消費目標に基づいて決定される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、例示的な水提供システムの概略的なシステム全体図である。
【
図2】
図2は、第1の実施態様に係る、
図1の水提供システムによって消費されるエネルギーを調節する例示的な方法のフロー図である。
【
図3】
図3は、第2の実施態様に係る、
図1の水提供システムによって消費されるエネルギーを調節する例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本技術の実施態様によれば、水出口、例えばシャワー、が開かれたときに、水出口に提供される加熱水の温度が、第1の温度と第2の温度との間で交互に変えられる。水出口に供給される水の温度を、比較的暖かい温度と比較的冷たい温度との間で調節することによって、水温度が全期間にわたって比較的暖かい温度に維持される場合と比較して、水出口への提供のために水を加熱することによるエネルギー消費を、低減できる。この第1及び/又は第2の温度は、エネルギー消費目標に基づいて決定され、これは、人間の操作者によって設定されてよく、又は、水提供システムに特異的なエネルギー効率の考慮に従って決定されてよく、それにより、水出口に提供される加熱水の温度の、第1の温度と第2の温度との間での交互の変更が、水提供システムによるエネルギー消費を、エネルギー消費目標のレベル又はそれよりも低いレベルに調節するようにする。そのようにすることによって、所望のレベルのエネルギー消費節約を達成できない可能性のある恣意的な温度を利用者(ユーザー)に手動で設定させることを、回避できる。本実施態様は、ヒートポンプによって周囲環境から移された熱を保存する熱エネルギー貯蔵部によって水を加熱する場合に特に関係し、加熱水のそれぞれの利用に関するエネルギー要求を低減することによって、熱エネルギー貯蔵部に貯蔵された同一量のエネルギーを比較的長く維持することを可能にし、又は、より多くの水出口へと加熱水を提供することを可能にする。そのようにすることによって、水提供システムは、水を加熱する他の比較的エネルギー効率の低い手段、例えば電気加熱要素を用いる手段、へのその依存を低減でき、そのようにして、水提供システムを、全体的によりエネルギー効率の高いものにする。
【0011】
いくつかの実施態様では、制御モジュールが、タイマーを含有してよく、かつ、本方法が、水出口に提供される加熱水の温度が第1の温度に変えられたときに、タイマーをゼロに初期化して、第1の経過時間を記録することを含む。
【0012】
いくつかの実施態様では、本方法が、第1の経過時間が第1の時間しきい値を超えたと判断されたときに、水出口に提供される加熱水の温度を第2の温度に変えることをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施態様では、制御モジュールが、タイマーを含有してよく、かつ、本方法が、水出口に提供される加熱水の温度が第2の温度に変えられたときに、タイマーをゼロに初期化して、第2の経過時間を記録することをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施態様では、本方法が、第2の経過時間が第2の時間しきい値を超えたと判断されたときに、水出口に提供される加熱水の温度を第1の温度に変えることをさらに含む。
【0015】
いくつかの実施態様では、第1の時間しきい値及び/又は第2の時間しきい値が、利用者によって設定されてよい。
【0016】
いくつかの実施態様では、第1の時間しきい値及び/又は第2の時間しきい値が、1分の倍数であってよい。
【0017】
いくつかの実施態様では、第1の温度が、第2の温度よりも高くてよく、かつ、第1の時間しきい値が、第2の時間しきい値よりも高くてよい。
【0018】
いくつかの実施態様では、本方法が、第1の温度の入力を利用者から受け取ることをさらに含んでよい。
【0019】
いくつかの実施態様では、本方法が、第2の温度の入力を利用者から受け取ることをさらに含んでよい。
【0020】
第1の温度及び第2の温度は、制御モジュールの工場設定に基づいて事前決定されてよく、例えば、エネルギー消費の考慮及び/又は健康の考慮に基づいて事前決定されてよい。
【0021】
いくつかの実施態様では、水出口に提供される加熱水の温度を、水出口の単一の使用の間に、第1の温度から第2の温度へと、一度のみ変えてよい。
【0022】
いくつかの実施態様では、水出口に提供される加熱水の温度を、水出口の単一の使用の間に、第1の温度と第2の温度との間で、複数回、交互に変えてよい。
【0023】
いくつかの実施態様では、第1の温度及び第2の温度が、35℃~44℃の範囲であってよい。
【0024】
異なる利用者が、水温度に関して異なる好みを有することがある。いくつかの実施態様では、本方法は、複数の利用者プロファイルを記憶することをさらに含んでよく、それぞれのプロファイルが、水出口の複数の利用者のうちの1人に対応し、対応する第1の温度を含む。
【0025】
いくつかの実施態様では、それぞれのプロファイルが、対応する第2の温度を有してよい。
【0026】
本技術の別の態様は、水提供システムの作動を制御するための制御モジュールを提供し、水提供システムが、熱エネルギーを周囲環境から熱エネルギー貯蔵媒体へと移すように構成されているヒートポンプ、及び、水提供システムの動作を制御するように構成されている制御モジュールを有し、水提供システムが、熱エネルギー貯蔵媒体によって加熱された水を水出口へと提供するように構成されており、制御モジュールが、上記の方法を実施するように構成されている。
【0027】
本技術のさらなる態様は、加熱水を水出口に提供するための水提供システムを提供し、これは:熱エネルギーを貯蔵するように構成された熱エネルギー貯蔵部;熱エネルギー貯蔵部に近接して配置されており、水提供システムによる提供のための水を、熱エネルギー貯蔵部に貯蔵されている熱エネルギーを用いて加熱するように構成されている、熱交換器;熱エネルギーを周囲環境から熱エネルギー貯蔵部に移すように構成されているヒートポンプ;及び、水提供システムの動作を制御するように構成されている制御モジュール;を含み、この制御モジュールは、水出口に提供される加熱水のための第1の温度を設定するように構成されており;水出口に提供される加熱水のための第2の温度を設定するように構成されており、第2の温度は、第1の温度とは異なっており、かつ、制御モジュールは、水出口が開いたと判断されたときに、第1の温度と第2の温度との間で水出口に提供される加熱水の温度を交互に変えるように構成されており、ここで、第1の温度及び第2の温度は、エネルギー消費目標に基づいて決定され、それにより、第1の温度と第2の温度との間での水出口に提供される加熱水の交互の変更が、水提供システムによるエネルギー消費を、エネルギー消費目標のレベル又はそれよりも低いレベルにまで調節するようになっている。
【0028】
いくつかの実施態様では、水提供システムが、水提供システムによる提供のための水を加熱するように構成されている1以上の電気加熱要素をさらに含んでよい。
【0029】
いくつかの実施態様では、水出口が、シャワーであってよい。
【0030】
本発明は、また、請求項21に記載されているコンピュータプログラムも提供する。
【0031】
本技術の実施は、それぞれ、上述の目的及び/又は態様のうちの少なくとも1つを有するが、必ずしもそれらのすべてを有しない。上記目的を達成することの試みから生じる本技術のいくつかの態様は、この目的を満たさないことがあり、かつ/又は、本開示に特に言及されていない他の目的を満たすことがある。
【0032】
本技術の実施の追加的かつ/又は代替的な特徴、態様、及び利点が、下記の記載、添付の図面、及び添付の特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【0033】
本開示の実施態様を、添付の図面を参照して記載する。
【0034】
詳細な記載
上記に鑑みて、本開示は、ヒートポンプを用いた又はヒートポンプによって支援された、加熱水の提供のための種々のアプローチを提供し、いくつかの場合には、水及びエネルギーの無駄遣いを低減するための、水及びエネルギーを含むユーティリティの利用を調節する種々のアプローチを提供する。
【0035】
水提供システム
本技術の実施態様では、家庭又は商業における建物のために、低温水及び加熱水が、中央水提供システムによって、複数の水出口、例えば、蛇口、シャワー、ラジエータ、等、に提供される。例示的な水提供システム100が、
図1に示されている。
【0036】
本実施態様では、水提供システム100が、制御モジュール110を有する。制御モジュール110は、水提供システムの種々の要素を連通的に接続しており、かつ制御するように構成されており、水提供システムの種々の要素としては:フロー制御部130が挙げられ、例えば、システムに対して内的又は外的である水のフロー(流れ)を制御するように配置された1以上のバルブの形態であり;(地下源又は空気源の)ヒートポンプ140が挙げられ、これは、熱を周囲環境から抽出し、抽出された熱を、水を加熱するために用いるために熱エネルギー貯蔵部150に貯蔵するように構成されており;1以上の電気加熱要素160が挙げられ、これは、電気加熱要素160に供給されるエネルギーの量を制御することによって、低温水を所望の温度にまで直接に加熱するように構成されている。そして、加熱水は、熱エネルギー貯蔵部150によって加熱されたものであれ又は電気加熱要素160によって加熱されたものであれ、必要なときに、1以上の水出口及び/又は中央加熱システムへと向けられる。実施態様では、ヒートポンプ140が、熱を、周囲環境から熱エネルギー貯蔵部150内の熱エネルギー貯蔵媒体へと、熱エネルギー貯蔵媒体が作動温度に達するまで、抽出し、そして、低温水、例えば本管からの低温水を、熱エネルギー貯蔵媒体によって、所望の温度にまで加熱できる。そして、加熱水を、システム内で種々の水出口へと供給してよい。
【0037】
本実施態様では、制御モジュール110が、複数のセンサ170-1、170-2、170-3、…、170-nから入力を受容するように構成されている。複数のセンサ170-1、170-2、170-3、…、170-nは、例えば、室内及び/又は室外に配置されている1又は複数の空気温度センサ、1又は複数の水温度センサ、1又は複数の水圧力センサ、1又は複数のタイマー、1又は複数のモーションセンサを含んでよく、かつ、水提供システム100に直接に連結されていない他のセンサ、例えばGPSシグナル受容器、カレンダー、例えば居住者によって保持されており通信チャネルを介して制御モジュールに連結されているスマートフォン上の天気予報アプリを含んでよい。制御モジュール110は、本実施態様では、種々の制御機能を実行するために、例えば、フロー制御器(流れ制御器)130を介して水の流れを熱エネルギー貯蔵部150又は電気加熱要素160へと制御して水を加熱するために、受容された入力を用いるように構成されている。
【0038】
随意に、1以上の機械学習アルゴリズム(MLA)120を、制御モジュール110において実行してよく、例えば、制御モジュール110のプロセッサ(図示せず)上で実行してよく、又は、制御モジュール110から離れており制御モジュール110のプロセッサと通信チャネルを通じて通信するサーバ上で実行してよい。例えば、MLA120を、制御モジュール110によって受容された入力センサデータを用いて学習させてよく、それによって、例えば、日の時間、週の日、日付(例えば、季節的な変化、公共の祝日)、占有率などに基づいて、ベースラインの水及びエネルギー使用パターンを確立してよい。そして、学習された使用パターンを用いて、制御モジュール110によって実行される種々の制御機能を、決定してよく、かついくつかの場合には向上させて良く、かつ/又は、レポートなどを生成して、利用者が利用者のユーティリティ使用を分析することを可能にしてよく、かつ/若しくは、より効率的なユーティリティ使用のための提案を提供してよい。
【0039】
ヒートポンプは、一般的に、電気抵抗ヒーターと比較して、水を加熱するためのエネルギー効率がより高い一方で、ヒートポンプは、熱エネルギー貯蔵媒体からの熱を水の加熱のために用いることができる前に、十分な量の熱エネルギーを熱エネルギー貯蔵媒体に移して、熱エネルギー貯蔵媒体を所望の作動温度に到達させるために時間を必要とする。したがって、ヒートポンプは、一般的に、電気抵抗ヒーターと比較して、同量の水を同一の温度にまで加熱するために、より長い時間を要する。いくつかの実施態様では、ヒートポンプ140は、例えば、相変化材料(PCM)を用いてよく、これは、熱エネルギー貯蔵媒体として、加熱時に、固体から液体へと変化する。この場合には、ヒートポンプによって抽出された熱エネルギーを用いて熱貯蔵媒体の温度を上げることができるまでに、追加的な時間が必要となることがあり、PCMが固化されうる場合には、PCMを固体から液体へと変化させるために、追加的な時間が必要となりうる。水を加熱するためのこのアプローチは比較的遅いことがあるが、水を加熱するために消費されるエネルギーの全体的な量は、電気加熱要素による水の加熱と比較して低く、したがって、全体的には、エネルギーが節約され、かつ、加熱水提供のためのコストが低減される。
【0040】
相変化材料
本実施態様では、相変化材料を、ヒートポンプのための熱貯蔵媒体として用いてよい。相変化材料の1つの適切な種類は、パラフィンワックスであり、これは、家庭の高温水供給に関して対象としている温度において、かつヒートポンプとの組み合わせにおける使用に関して対象としている温度において、固体-液体相変化(固液相変化)を有する。特に注目されるのは、40~60セルシウス度(℃)の範囲の温度で融解するパラフィンワックスであり、この範囲内で、特定の用途に適した異なる温度で融解するワックスを見出すことができる。典型的な潜熱容量は、約180kJ/kg~230kJ/kgであり、比熱容量は、例えば、液相で2.27Jg-1K-1であり、固相で2.1Jg-1K-1である。非常に大量のエネルギーが、溶解の潜熱を用いて貯蔵しうることを見ることができる。相変化液体を、その融点超で加熱することによって、より多くのエネルギーを貯蔵することもできる。例えば、オフピーク期間の間に電気コストが比較的低い場合には、ヒートポンプは、熱エネルギー貯蔵部を、通常よりも高い温度に「チャージ」させるように作動してよく、それによって、熱エネルギー貯蔵部を「過熱」してよい。
【0041】
ワックスの適切な選択は、約48℃での融点を有するものであってよく、例えば、n-トリコサンC23、又は、パラフィンC20-33であってよく、これは、ヒートポンプが約51℃の温度で作動することを必要とし、一般的な家庭高温水のための約45℃の満足のいく温度(キッチン/風呂場の蛇口、シャワーなどのために十分な温度)にまで、水を加熱することができる。所望に応じて、低温水を流れに加えてよく、それによって、水温度を低減してもよい。ヒートポンプの温度性能に考慮が払われる。一般に、ヒートポンプによって加熱される流体の入力温度と出力温度との間の最大の差異は、好ましくは、5℃~7℃の範囲に維持され、しかしながら、これは、10℃まで高くてもよい。
【0042】
パラフィンワックスは、熱エネルギー貯蔵媒体として使用するために好ましい材料である一方で、他の適切な材料を用いてもよい。例えば、塩水和物は、本発明のもののような潜熱エネルギー貯蔵システムにも適している。この背景における塩水和物は、無機塩と水の混合物であり、相変化は、すべて又は大部分のその水の損失を伴う。相転移において、水和物結晶が、無水(又は比較的低い水性の)塩及び水へと分割される。塩水和物の利点として、それらは、パラフィンワックスよりもはるかに高い熱伝導率(2~5倍高い熱伝導率)を有し、相転移に伴ってはるかに低い体積変化を有する。本出願に関して適切な塩水和物は、Na2S2O3・5H2Oであり、これは、約48℃~49℃の融点を有し、かつ200~220kJ/kgの潜熱を有する。
【0043】
エネルギー調節
多数の研究によって見いだされたところでは、皮膚健康のためのシャワー又は風呂の水のための最適な水温度は、身体温度よりも数度以下だけ高く、これは、約37℃~41℃である。しかしながら、多くの人は、より高い水温度でのシャワー又は風呂に慣れている。これは、皮膚健康に影響するだけでなく、エネルギー消費にも影響し、より多くのエネルギーが、必要以上に水を加熱するために用いられる。したがって、本技術は、シャワー及び風呂の水の水温度を調節し、かつそのようにしてエネルギー消費を調節する、方法及びシステムを提供する。
【0044】
本技術が認識しているところでは、多くの利用者にとって、特に比較的高い水温度に慣れている場合には、シャワー又は風呂の水温度における突然の変化は、大きな不快をもたらす可能性があり、これは、利用者が新しい水温度に適合する可能性を低下させうる。したがって、本技術は、シャワーの水温度を調節するための2つのアプローチを提供する。第1のアプローチでは、シャワーの水温度を、利用者に好まれる水温度から、選択された最適な水温度(例えば41℃)にまで徐々に(段階的に)低下させる。このアプローチは、所望の場合には、風呂の水温度を調節するために実施できる。第2のアプローチでは、シャワーの水温度を、一回のシャワーの間に、比較的高い水温度と比較的低い水温度との間(例えば、37℃と41℃との間)で、調節する。
【0045】
段階的温度低減
図2は、第1の実施態様に従ってシャワーの水温度を調節する、コンピュータ実装される方法を示す。
【0046】
第1の実施態様では、加熱水を、上記の水提供システム100によって、シャワーに供給する。制御モジュール110は、段階的温度低減プログラム200を実行するように構成されており、それによって、一定の時間にわたって、シャワーの水温度を、目標温度にまで徐々に低下させる。制御モジュール110は、タイマー(図示せず)を備える。設定工程において、利用者に好まれる水温度T1を、S201で、プログラム200に入力し、目標の水温度T3を、S202で、プログラム200に入力する。利用者に好まれる水温度T1は、プログラム200が実施される前に利用者が通常シャワー水を設定する温度を表し、例えば、45℃であってよい。目標の水温度T3は、例えばエネルギー消費目標及び/又は健康に資する考慮に基づいて、利用者が適合したいシャワーの水温度、例えば38℃、又は、工場設定によって事前決定された最適水温度、例えば41℃、を表す。
【0047】
プログラム200を最初に実施するときに、制御モジュール110が、タイマーを開始して、プログラム200が最初に開始された時(開始時間)からの経過時間を記録する。そして、S203において、シャワーが開かれたことが検出されたときに、制御モジュール110が、S204において、タイマーによって記録されている、プログラム200が実施されてからの経過時間tが、水温度を低下させるための事前決定された第1の時間しきい値t1を超えたかどうかを判断する。第1の時間しきい値t1は、工場設定によって事前決定されてよく、又は、利用者によって設定されてよく、例えば、1日、複数の日、1週間などであってよい。
【0048】
S204において、経過時間tが第1の時間しきい値t1未満であると判断された場合には、制御モジュール110が、S205において、シャワーの水温度を、第1の温度T1、利用者に好まれる水温度、に設定する。そして、方法は、シャワーの終了の際に、次にシャワーが再び開かれたことが制御モジュール110によって検出されるまで、S203に戻る。
【0049】
S204において、経過時間tが第1の時間しきい値t1を超えたと判断されたときに、制御モジュール110が、S206において、経過時間tが事前決定された第2の時間しきい値t2を超えたかどうかを判断する。第2の時間しきい値t2も、工場設定によって事前決定されてよく、又は利用者によって設定されてよく、例えば、第1の時間しきい値t1の倍数であってよく(例えば、t1が1週間であってよく、その場合に、t2が2週間であってよく)、又は、第2の時間しきい値t2を、第1の時間しきい値t1とは独立に設定してよい(例えば、t1が1週間であってよく、かつt2が20日間であってよい)。
【0050】
S206において、経過時間tが第2の時間しきい値t2未満である(しかしながら第1の時間しきい値t1は超えている)と判断されたときに、制御モジュール110が、S207において、シャワーの水温度を、第2の温度T2に設定する。第2の温度T2は、第1の温度T1よりも低い温度であるが、最適な温度T3よりも高い温度であり、利用者によって設定されてよく、又は利用者に好まれる温度T1及び目標温度T3に基づいて算出されてよく、例えば、T2は、T1とT3の中間の温度であってよい(例えば、T1が45℃でT3が41℃である場合に、T2が43℃であってよい)。そして、方法は、シャワーの終了の際に、次にシャワーが再び開かれたことが制御モジュール110によって検出されるまで、S203に戻る。
【0051】
S206において、経過時間tが第2の時間しきい値t2を超えたと判断されたときに、制御モジュール110が、S208において、シャワーの水温度を、第3の温度T3、目標の水温度、に設定する。
【0052】
説明の目的のために、
図2は、簡潔さのために、1つの中間的な水温度T2を示している。しかしながら、当業者に明らかなとおり、対応する中間的な時間しきい値における複数の中間的な水温度を有する1超の中間段階が可能であり、いくつかの場合には望ましいことがあり、例えば、利用者に好まれる温度T1と最終的な最適な温度T3との間に大きな差異がある場合には、望ましいことがある。T1が45℃でありT3が41℃である上記の例では、プログラム200を実施する制御モジュール110が、1週間後にシャワーの水温度を44℃に設定してよく、そして、2週間後に43℃に設定してよく、3週間後に42℃に設定してよく、最後に、4週間後に、41℃に設定してよい。代替的には、中間的な工程を、完全に省略してよい。
【0053】
本実施態様では、シャワーのための水を加熱することによるエネルギー消費を徐々に低減することが可能であり、これは潜在的に、利用者にとって皮膚健康を向上させる。本実施態様は、周囲環境からヒートポンプ140によって移される熱を貯蔵する熱エネルギー貯蔵部150によってシャワー水を加熱する場合に特に関係し、シャワーのために必要とされるエネルギーを低減することによって、熱エネルギー貯蔵部150に貯蔵されるエネルギーは、例えば加熱水をキッチン及び風呂の蛇口に供給する他の利用者のために流用されてよい。そのようにすることによって、水提供システム100は、比較的エネルギー効率の低い電気加熱要素160への依存を比較的低減でき、水提供システム100が、全体として、よりエネルギー効率的になる。
【0054】
交互温度調節
図3は、第2の実施態様に係るシャワーの水温度を調節する方法を示す。
【0055】
第1の実施態様と同様に、第2の実施態様では、加熱水が、上記の水提供システム100によってシャワーに供給される。制御モジュール110は、温度調節プログラム300を実施するように構成されており、それによって、シャワーの間に、シャワーの水温度を、比較的高い水温度と比較的低い水温度との間で交互に変えることによって、調節するようになっている(これは、もっともありうる場合では、複数回にわたって交互に変えられるが、一回のシャワーの間に1つの変化であってもよい)。制御モジュール110は、タイマーを備える(図示せず)。設定工程において、S301において、最大水温度T4を、プログラム300に入力し、最小水温度T5を、S302において、プログラム300に入力する。最大水温度T4と最小水温度T5は、それらの間で制御モジュール110がシャワーの間に交互に変えられる水温度であり、例えば、それぞれ41℃及び38℃であり、これらは、エネルギー消費の考慮及び/又は健康への利益の考慮に基づいて、利用者によって手動で設定されてよく、又は、工場設定によって事前決定されてよい。例えば、これは、変更可能であり、しかしながら、6分間にわたって1分間高く、1分間低くてよい。これは、変更可能であり、特定の利用者にプロファイルされてよく(特定の利用者に対して特定の設定であってよく)、又は、MLA及び料金コストを通じて最適化されてよい。いくつかの実施態様では、温度T4は、利用者によって好まれる温度に手動で設定されてよく、かつ、温度T5は、事前決定された数の程度で、T4よりも低い温度で、利用者によって設定されてよく、又は、制御モジュール110によって自動で設定されてよく、それによって、事前決定されたエネルギー消費(節約)目標が達成されるようにされており、代替的には、利用者が比較的低い温度T5を設定してよく、かつ制御モジュールが、事前決定されたエネルギー消費目標に従って、比較的高い温度T4を決定してよい。さらなる実施態様では、制御モジュール110が、温度T4及びT5の両方を設定するように構成されており、それによって、利用者の好みによってガイドされる、例えばMLAを用いて決定される、事前決定されたエネルギー消費目標が達成される。事前決定されたエネルギー消費目標は、シャワーの利用のために特異的に設定されてよく、異なる利用者にとって異なってよく、例えば、利用者プロファイルに基づいて異なってよく、日の異なる時間かつ/若しくは異なる季節に関して異なってよく、又は、全体として若しくはシャワー利用の時間の際に、エネルギー料金に基づいて、制御モジュール110によって自動的に設定されてよく、それによって、エネルギー消費を、特定の使用目標未満に維持し、又は、エネルギー消費のコストを、特定量、低減する。このようにして、エネルギー消費目標に基づいて最大かつ最小の水温度T4及びT5の少なくとも1つ又は両方を設定することによって、水提供システム100が、望ましいエネルギー消費目標ではない恣意的な温度を設定しうる人間の操作者からの手動の入力を回避することによってエネルギー消費節約の所望のレベルを達成することを可能にする。
【0056】
プログラム300が実施されたときに、S303でシャワーが開かれたことが検出された際に、制御モジュール110が、シャワーの水温度を、S304において、最大の水温度T4に設定し、タイマーの時間tを0に設定する。
【0057】
そして、制御モジュール110が、継続的にタイマーを監視し、S305において、時間tが第4の時間しきい値t4に到達したかどうかを判断する。時間tが第4の時間しきい値t4に到達していない場合には、制御モジュール110が、シャワー水温度をT4に維持し、タイマーの監視を続ける。
【0058】
S305において、制御モジュール110が、時間tが第4の時間しきい値t4に到達したと判断したときに、S306において、制御モジュール110が、水提供システム100を制御して、シャワー水温度を、最大の水温度T4から、最小の水温度T5へと、例えばシャワーに供給される水における加熱水の割合を低減することによって、変化させる。同時に、制御モジュール110が、タイマーにおける時間tを0にリセットする。
【0059】
制御モジュール110が、再び、タイマーを継続的に監視し、S307において、時間tが第5の時間しきい値t5に到達したかどうかを判断する。時間tが第5の時間しきい値t5に到達していないときには、制御モジュール110が、シャワー水温度を、T5に維持し、タイマーの監視を続ける。
【0060】
S307において、制御モジュール110が、時間tが第5の時間しきい値t5に到達したと判断したときに、制御モジュール110が、再びS304において、水提供システム100を制御して、シャワー水温度を、最小の水温度T5から、最大の水温度T4へと、例えばシャワーに供給される水における加熱水の割合を初期レベルにまで戻すことによって、戻す。再度、制御モジュール110が、タイマーの時間tを0にリセットし、タイマーの監視を続ける。
【0061】
本実施態様では、制御モジュール110が、シャワー水温度を、一回のシャワーの間に、最大水温度T4と最小水温度T5との間で断続的に交互に変えることによって、シャワー水温度を調節する。水温度を変更する頻度は(すなわちt4及びt5は)、利用者によって手動で設定されてよく、又は工場設定によって事前決定されてよい。例えば、t4及びt5は、同一であってよく、例えば、1分であってよく、又はt4及びt5は、異なってよく、例えば、t4が5分に等しく、かつt5が1分に等しく、それにより、シャワーが、5分間にわたって比較的暖かい設定であり、そして1分間にわたる比較的冷たい設定へと変更される。また、調節のさらなる方法は、1分のT4、1分のT5、1分のT4、1分のT5であってよい。正弦波型の温度曲線の生成では、平均温度が、T4よりも低いであろう。利用者によって試行されかつ実施されうる種々の組み合わせが存在する。これらは単なる例示であり、変更可能であり、特定の利用者にプロファイリングされてよく(特定の利用者に関して特定の設定を設けてよく)、又は、MLA及び料金コストを通じて最適化されてよい。
【0062】
代替的な実施態様では、シャワーが開かれたことが検出されたときに、制御モジュール110が、まず、シャワー水温度を、シャワーが最初に開かれたときの最小の水温度T5に設定してよい。第4の時間しきい値t4の後で、制御モジュール110が、シャワー水温度を、最大の水温度T4へと変えてよく、そして、第5の時間しきい値t5の後で、シャワー水温度を、最小の水温度T5へと変えて戻してよく、その後で、シャワーが閉じられるまで、水温度T4とT5との間で交互に変えてよい。
【0063】
別の代替的な実施態様では、シャワーが開かれたことが検出されたときに、制御モジュール110が、まず、シャワー水温度を、最大の水温度T4(又は最小の水温度T5)に設定してよく、そして、一定時間の後で、シャワー水温度を、最小の水温度T5(又は最大の水温度T4)に変えてよく、シャワーが閉じられるまで、シャワー水温度をT5(又はT4)に維持する。
【0064】
本実施態様によれば、シャワー水温度を比較的暖かい温度と比較的冷たい温度との間で調節することによって、全期間にわたってシャワー水温度が比較的暖かい温度で維持される場合と比較して、シャワーのための水を加熱することによって消費されるエネルギーを低減できる。本実施態様は、シャワー水が熱エネルギー貯蔵部150によって加熱される場合に特に関係しており、第1の実施態様と同様に、シャワーのためのエネルギー要求を低減することによって、熱エネルギー貯蔵部150に貯蔵されたエネルギーを他の利用者のために流用でき、例えば、加熱水を他の水出口に供給できる。このようすることによって、水提供システム100は、比較的エネルギー効率の低い電気加熱要素160への依存を比較的少なくでき、水提供システム100が、全体として、よりエネルギー効率的になる。
【0065】
当業者には明らかであるように、本明細書で開示される実施態様は、独立に又は組み合わせて実施されてよい。本明細書に開示される実施態様は、1以上の機械学習アルゴリズム、例えば制御モジュール110のMLA120によって実施されてよい。例えば、学習フェーズの間に、MLA120が、利用者の好みのシャワー水温度を確立でき、さらには、利用者にとって許容可能なシャワー水温度における変化を確立でき、例えば、一定期間にわたって利用者によって設定されたシャワー水温度における任意の変更に基づいて、確立できる。したがって、例えば、MLA120は、開始水温度、最適な水温度、及び確立された許容可能な変化に基づいて、一定期間にわたって、利用者に関して徐々に比較的低いシャワー温度を設定するために使用できる。さらには、MLA120は、例えば、利用者の好みの水温度に基づいて、最大のシャワー水温度及び最小の水温度を設定でき、かつ、許容可能な変化に基づいて、一回のシャワーの間に変更を行うことができる。さらには、本明細書に開示される実施態様は、プログラム200/300が、複数の利用者のそれぞれに関して異なって実施されるような様式で実施できる。例えば、制御モジュール110は、複数の利用者プロファイリングを可能にするように構成されてよく、そのようにして、それぞれの利用者が、温度T1、T2、T3、T4及び/又はT5に関して異なる好みを設定でき、かつ異なる時間しきい値t1、t2、t4及び/又はt5を設定できるようにしてよい。
【0066】
当業者には理解されるとおり、本技術は、システム、方法、又はコンピュータプログラム製品として実体化されうる。したがって、本技術は、完全にハードウェア態様の形態、完全にソフトウェアの形態、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせの形態をとってよい。
【0067】
さらには、本技術は、コンピュータ読取可能な媒体であってそれに実体化されたコンピュータ読取可能なプログラムコードを有するコンピュータ読取可能な媒体中に実体化されたコンピュータプログラム製品の形態をとってよい。コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータ読取可能なシグナル媒体又はコンピュータ読取可能な記憶媒体であってよい。コンピュータ読取可能な媒体は、例えば、非制限的な例示として、電気、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体のシステム、機器、若しくは装置、又はこれらの任意の適切な組み合わせであってよい。
【0068】
本技術の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1以上のプログラム言語、例えば、オブジェクト指向プログラミング言語及び慣用的な手続プログラミング言語、の任意の組み合わせで記述されてよい。
【0069】
例えば、本技術の操作を実行するためのプログラムコードは、ソース、オブジェクト、又は、(インタプリタ処理された若しくはコンパイルされた)慣用的なプログラミング言語、例えばC、又はアセンブリコード、での実行可能なコードを有してよく、ASIC(Applicaton Specific Integrated Circuit、アプリケーション特異的集積回路)又はFPGA(Field Programmable Gate Array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を設定し又は制御するためのコードを有してよく、又は、ハードウェア記述言語、例えば、VerilogTM若しくはVHDL(Very high-speed Integrated Circuit Hardware Description language、超高速集積回路ハードウェア記述言語)のためのコードを有してよい。
【0070】
プログラムコードは、利用者のコンピュータ上で全体的に実行されてよく、利用者のコンピュータ上で部分的に実行されかつ部分的にリモートコンピュータ上で実行されてよく、又はリモートコンピュータ若しくはサーバ上で全体的に実行されてよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータが、利用者のコンピュータに、任意のタイプのネットワークを介して接続されてよい。コード成分は、手順、方法、又は類似のものとして実体化されてよく、サブ成分を有してよく、任意のレベルに抽象化された指令又は指令の配列の形態であってよく、ネイティブ指令の直接的な機械指令セットから高レベルにコンパイル又はインタプリタ処理された言語構成までの形態をとってよい。
【0071】
また、当業者には明らかなとおり、本技術の好ましい実施態様に従う論理方法のすべて又は一部は、論理素子を含む論理装置で適切に実体化されてよく、それによって、方法の工程が実行され、かつ、そのような論理素子は、例えばプログラム可能論理アレイ又はアプリケーション特異的集積回路における、論理ゲートなどの構成要素を含んでよい。そのような論理装置は、さらに、例えば仮想ハードウェア記述言語を用いてそのようなアレイ又は回路に一時的又は恒久的に論理構造を確立するための可能化素子に実体化でき、これは、固定又は伝達可能なキャリアメディアを用いて保存でき、かつ伝達できる。
【0072】
本明細書に記載される例及び条件言語は、本技術の原則を読者が理解するのを助けることを意図しており、そのように特定的に記載された例及び条件にその範囲を制限することは意図していない。理解されるとおり、当業者は、本明細書に明示的に記載又は示されていないものであっても、本技術の原則を体現しておりかつ添付の特許請求の範囲によって定義されるその範囲に含まれる種々の構成を、考案できる。
【0073】
さらに、理解のための助けとして、上記の記載は、本技術の比較的単純化された実施態様を描写しうる。当業者は、本技術の種々の実施態様が、より複雑なものであってよいことを理解するであろう。
【0074】
いくつかの場合では、本技術への修正の有用な例示と考えられるものも提示されてよい。これは、単に、理解の助けとして行われ、かつ、再び、本技術の範囲を制限するものではなく、又は、本技術の限界を提示するものでもない。これらの修正は、限定列挙ではなく、当業者は、本技術の範囲内にとどまりつつ、他の修正を行うことができる。さらに、修正の例が提示されていないところに関して、修正が可能でないと解釈されるべきではなく、かつ/又は、記載されたものが、本技術の要素を実施する唯一の様式であると解釈されるべきではない。
【0075】
さらには、本技術の原則、態様、及び実施を記載している本明細書中のすべての記載、並びにその特定の例示は、それらが現在知られているか又は将来開発されるかにかかわらず、その構造的かつ機能的な同等物を包含することを意図している。したがって、例えば、当業者に理解されるとおり、本明細書で示される任意のブロックダイアグラムは、本技術の原則を実体化する例示的な回路の概念的な図を示す。同様に、理解されるとおり、任意のフローチャート、フローダイアグラム、状態転移ダイアグラム、疑似コード、及び類似のものは、コンピュータ読取可能媒体中で実質的に表現可能であってしたがってコンピュータ又はプロセッサによって(そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているかどうかにかかわらず)実行されうる種々のプロセスを表している。
【0076】
図面中で示される種々の要素の機能、例えば「プロセッサ」としてラベルされる任意の機能的なブロックは、専用のハードウェアの使用を通じて提供されてよく、かつ、適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行できるハードウェアの使用を通じて提供されてよい。プロセッサによって提供される場合には、機能は、単一の専用のプロセッサによって、単一のシェアされたプロセッサによって、又は、複数の別個のプロセッサによって、提供されてよく、それらのいくつかはシェアされてよい。さらには、用語「プロセッサ」又は「コントローラ」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行できるハードウェアのみを言及していると理解されるべきではなく、暗に、限定なく、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、アプリケーション特異的集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを保存するための読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び非揮発記憶体を含んでよい。他のハードウェアも、慣用的であれかつ/又はカスタムであれ、包含されてもよい。
【0077】
ソフトウェアモジュール、又は単にソフトウェアを意味するモジュールは、本明細書において、プロセス工程の性能を示すフローチャート要素又は他の要素及び/又はテキスト記載の任意の組み合わせとして表現されてよい。そのようなモジュールは、明示的又は暗に示されているハードウェアによって実行されてよい。
【0078】
当業者に明らかであるとおり、多くの改善及び修正を、本技術の範囲から逸脱することなく、上記の例示の実施態様に行うことができる。
本開示は、下記の発明の態様を含む:
<態様1>
水提供システムによるエネルギー消費を調節する、コンピュータ実装される方法であって、前記水提供システムが、周囲環境から熱エネルギー貯蔵媒体へと熱エネルギーを移すように構成されているヒートポンプ、及び、前記水提供システムの動作を制御するように構成されている制御モジュールを有しており、前記水提供システムが、前記熱エネルギー貯蔵媒体によって加熱された水を水出口に提供するように構成されており、
前記方法は、前記制御モジュールによって実行され、
前記水出口に提供される加熱水のための第1の温度を設定すること、
前記水出口に提供される加熱水のための第2の温度を設定すること、
を含み、
前記第2の温度は、前記第1の温度とは異なり、
かつ、前記方法は、
前記水出口が開かれたと判断されたときに、前記水出口に提供される加熱水の温度を、前記第1の温度と前記第2の温度との間で交互に変えること
を含み、
前記第1の温度及び/又は前記第2の温度は、エネルギー消費目標に基づいて決定される、
方法。
<態様2>
前記制御モジュールは、タイマーを有し、前記方法が、前記水出口に提供される加熱水の温度を前記第1の温度に変えるときに、前記タイマーをゼロに初期化して第1の経過時間を記録することをさらに含む、態様1に記載の方法。
<態様3>
前記第1の経過時間が第1の時間しきい値を超えたと判断されたときに、前記水出口に提供される加熱水の温度を前記第2の温度に変えることをさらに含む、態様2に記載の方法。
<態様4>
前記制御モジュールが、タイマーを有し、前記方法が、前記水出口に提供される加熱水の温度を前記第2の温度に変えるときに、前記タイマーをゼロに初期化して第2の経過時間を記録することをさらに含む、態様1~3のいずれか一項に記載の方法。
<態様5>
前記第2の経過時間が第2の時間しきい値を超えたと判断されたときに、前記水出口に提供される加熱水の温度を前記第1の温度に変えることをさらに含む、態様4に記載の方法。
<態様6>
前記第1の時間しきい値及び/又は前記第2の時間しきい値が、利用者によって設定される、態様3又は5に記載の方法。
<態様7>
前記第1の時間しきい値及び/又は前記第2の時間しきい値が、1分の倍数である、態様3又は5に記載の方法。
<態様8>
前記第1の温度が、前記第2の温度よりも大きく、かつ前記第1の時間しきい値が、前記第2の時間しきい値よりも大きい、態様3又は5に記載の方法。
<態様9>
前記第1の温度の入力を利用者から受け取ることをさらに含む、態様1~8のいずれか一項に記載の方法。
<態様10>
前記第2の温度の入力を利用者から受け取ることをさらに含む、態様1~9のいずれか一項に記載の方法。
<態様11>
前記水出口に提供される加熱水の温度を、前記水出口の一回の使用の間に、前記第1の温度から前記第2の温度へと一度のみ変える、態様1~10のいずれか一項に記載の方法。
<態様12>
前記水出口に提供される加熱水の温度を、前記水出口の一回の使用の間に、前記第1の温度と前記第2の温度の間で、複数回、交互に変える、態様1~11のいずれか一項に記載の方法。
<態様13>
前記第1の温度及び前記第2の温度が、35℃~44℃の範囲である、態様1~12のいずれか一項に記載の方法。
<態様14>
複数の利用者プロファイルを保存することをさらに含み、それぞれのプロファイルが、前記水出口の複数の利用者のうちの1人に対応しており、かつ対応する第1の温度を含む、態様1~13のいずれか一項に記載の方法。
<態様15>
それぞれのプロファイルが、対応する第2の温度を含む、態様14に記載の方法。
<態様16>
水提供システムの動作を制御するための制御モジュールであって、前記水提供システムが、周囲環境から熱エネルギー貯蔵媒体へと熱エネルギーを移すように構成されているヒートポンプ、及び、前記水提供システムの動作を制御するように構成されている制御モジュールを有し、前記水提供システムが、前記熱エネルギー貯蔵媒体によって加熱された水を水出口に提供するように構成されており、前記制御モジュールが、態様1~15のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されている、制御モジュール。
<態様17>
加熱水を水出口に提供するための水提供システムであって:
熱エネルギーを貯蔵するように構成されている熱エネルギー貯蔵部;
前記熱エネルギー貯蔵部に近接して配置されており、前記熱エネルギー貯蔵部に貯蔵された熱エネルギーを用いて前記水提供システムによって提供するための水を加熱するように構成されている熱交換器;
周囲環境から前記熱エネルギー貯蔵部へと熱エネルギーを移すように構成されているヒートポンプ;及び、
前記水提供システムの動作を制御するように構成されている制御モジュール、
を有し、
前記制御モジュールが:
前記水出口に提供される加熱水のための第1の温度を設定するように構成されており;
前記水出口に提供される加熱水のための第2の温度を設定するように構成されており、
前記第2の温度が、前記第1の温度とは異なり、かつ
前記制御モジュールが:
前記水出口が開かれたと判断されたときに、前記水出口に提供される加熱水の温度を前記第1の温度と前記第2の温度との間で交互に変えるように構成されており、
前記第1の温度及び/又は前記第2の温度が、エネルギー消費目標に基づいて決定される、
水提供システム。
<態様18>
前記水提供システムが、前記水提供システムによって提供するための水を加熱するように構成されている1以上の電気加熱要素をさらに含む、態様17に記載のシステム。
<態様19>
前記水出口が、シャワーである、態様17又は18に記載の水提供システム。
<態様20>
コンピュータ読取可能な記憶媒体に保存されているコンピュータプログラムであって、コンピュータシステム上で実行されたときに、前記コンピュータシステムに指令を出して態様1~15のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。