(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】カーテン部材
(51)【国際特許分類】
A47H 1/04 20060101AFI20240307BHJP
A47H 15/02 20060101ALI20240307BHJP
E04H 15/32 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
A47H1/04 D
A47H15/02
E04H15/32 A
(21)【出願番号】P 2020014757
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】591135794
【氏名又は名称】高島株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】516034751
【氏名又は名称】株式会社 ハシマシート工業
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】児玉 悟志
(72)【発明者】
【氏名】篠田 剛史
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-010166(JP,U)
【文献】実開昭58-090963(JP,U)
【文献】実開昭54-143033(JP,U)
【文献】実開昭55-027439(JP,U)
【文献】特開平06-137020(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0042673(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/00-99/00
E04H 15/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テントの開口部において、カーテンを取り付けるためのカーテン部材であって、
前記カーテンを保持し、鉛直方向に延びるカーテン心材と、
前記カーテン心材を水平方向にスライドさせることができる、長尺状の第一レール部材及び第二レール部材と、
前記テントの開口部周辺の骨組部分に固定されると共に、前記第一レール部材及び第二レール部材を取り付けるレール固定部材と、を備え、
前記カーテン心材の上端側には、前記第一レール部材に滑走可能に連結される第一接続部材が設けられており、
前記カーテン心材の上端から下方へ離間した部分には、前記第二レール部材に滑走可能に連結される第二接続部材が設けられて
おり、
前記レール固定部材の背面側には、第一レール部材に隣接する箇所から前記骨組部分へ斜めに固定されている補助固定部材が設けられている、ことを特徴とするカーテン部材。
【請求項2】
前記第一レール部材及び前記第一接続部材は、前記レール固定部材の背面側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカーテン部材。
【請求項3】
前記第一接続部材は、前記第一レール部材に、鉛直方向へ吊り下げられるように連結されており、
前記第二接続部材は、前記鉛直方向に直交する方向において、前記第二レール部材の一部を両側から挟み込むように当接するローラによって、連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーテン部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、屋外等に設置されるテントの開口部において、カーテンを取り付けるためのカーテン部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋外等において設置されるテントにおいて、テントの出入口となる開口部を開閉するカーテンが利用されていた。このカーテンは、風によってテント内に押し込まれないように、ある程度の強度を備えるカーテン心材が設けられている。そして、例えば、特許文献1に開示されたカーテン部材(カーテン構造)では、カーテン心材を長尺方向へスライド可能に保持するための2本のレール部材が設けられている。この2本のレール部材(具体的には、レールと補助レール)は、テントの開口部周辺の骨組部分に固定されている。さらに、2本のレール部材は、カーテン心材の上端側で互いに平行に所定の間隔をあけて配置されている。そして、カーテン心材は、その上端において、平行に配置された2本のレール部材と連結されている。すなわち、カーテン心材は、平行に離間した2点の連結箇所によって、レール部材と連結されているため、カーテンは風によってテント内に押し込まれないように保持されている。
【0003】
しかしながら、2本のレール部材は、カーテン心材の上端側で互いに平行に所定の間隔をあけて配置されているため、それだけ、カーテン部材の厚さ方向の幅が広くなってしまう。すると、カーテン部材後方のテント内の収容容積が減ってしまうという問題や、カーテン部材が嵩張り、他の機材等と干渉するといった問題が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明は、カーテン部材の厚さ方向の幅を狭くしつつ、カーテンが風によってテント内に押し込まれないように強固に保持できるカーテン部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明のカーテン部材は、テントの開口部において、カーテンを取り付けるためのカーテン部材であって、前記カーテンを保持し、鉛直方向に延びるカーテン心材と、前記カーテン心材を水平方向にスライドさせることができる、長尺状の第一レール部材及び第二レール部材と、前記テントの開口部周辺の骨組部分に固定されると共に、前記第一レール部材及び第二レール部材を取り付けるレール固定部材と、を備え、前記カーテン心材の上端側には、前記第一レール部材に滑走可能に連結される第一接続部材が設けられており、前記カーテン心材の上端から下方へ離間した部分には、前記第二レール部材に滑走可能に連結される第二接続部材が設けられていることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、カーテン心材は、上下に離間し、鉛直方向に並んだ2つの連結箇所(つまり、第一接続部材、及び第二接続部材)によって、第一レール部材及び第二レール部材へ連結されている。そのため、従来のように、平行に離間した2点の連結箇所によって、レール部材と連結されている場合と比較して、本願発明のカーテン部材では、2つの連結箇所が鉛直方向に並んだ分、連結箇所周辺の厚さ方向の幅を狭くすることが出来るのである。その結果、カーテン部材後方のテント内の収容容積が減ってしまうという問題や、カーテン部材が嵩張り、他の機材等と干渉するといった問題が生じないのである。
【0008】
さらに、外側からの風によってカーテンが後方へ押し込まれた際に、カーテン心材には、後方への押圧力(モーメント)がかかる。しかしながら、本願発明のカーテン部材では、上下に離間し、鉛直方向に並んだ2つの連結箇所(つまり、第一接続部材、及び第二接続部材)によって、第一レール部材及び第二レール部材へ連結されているため、従来と比較すると、押圧力(モーメント)に対して強く耐えることが出来る。その結果、カーテンが風によってテント内に押し込まれないように強固に保持できるのである。
【0009】
さらに、本願発明のカーテン部材は、前記第一レール部材及び前記第一接続部材は、前記レール固定部材の背面側に配置されていることを特徴とする。
【0010】
上記特徴によれば、レール固定部材の正面側にかかる風等の外力が、第一接続部材や第一レール部材に直接かかることを防止している。
【0011】
さらに、本願発明のカーテン部材は、前記第一接続部材は、前記第一レール部材に、鉛直方向へ吊り下げられるように連結されており、前記第二接続部材は、前記鉛直方向に直交する方向において、前記第二レール部材の一部を両側から挟み込むように当接するローラによって、連結されていることを特徴とする。
【0012】
上記特徴によれば、第一接続部材は第一レール部材に鉛直方向へ吊り下げられるように連結されているため、第一接続部材は、カーテン心材の鉛直方向の力(例えば、カーテン心材の自重)を強固に支持することが出来る。さらに、第二接続部材は、鉛直方向に直交する方向において、ローラによって第二レール部材の一部を両側から挟み込むように当接しているため、第二接続部材は、風等の外力による後方への押圧力(モーメント)に対して、強く耐えることが出来る。このように、カーテン部材は、第一接続部材と第二接続部材によって、カーテン心材の鉛直方向への力と、鉛直方向に直交する方向への力のそれぞれに対して、十分かつ強力に耐えることが出来るのである。
【0013】
さらに、本願発明のカーテン部材は、前記レール固定部材の背面側には、第一レール部材に隣接する箇所から前記骨組部分へ斜めに固定されている補助固定部材が設けられていることを特徴とする。
【0014】
上記特徴によれば、レール固定部材及び第一レール部材に、外力による応力がかかっても、補助固定部材がレール固定部材及び第一レール部材を強固に支持している。
【発明の効果】
【0015】
本願発明のカーテン部材は、カーテン部材の厚さ方向の幅を狭くしつつ、カーテンが風によってテント内に押し込まれないように強固に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願発明の実施形態1に係るカーテン部材を取り付けたテントの正面図である。
【
図2】
図1におけるA-A断面図であって、カーテン部材を側面側から示している。
【
図3】(a)は、
図2における第一接続部材周辺を拡大した側面図、(b)は、第一接続部材周辺の正面図である。
【
図4】(a)は、
図2における第二接続部材周辺を拡大した側面図、(b)は、第二接続部材周辺の正面図、(c)は、第二接続部材周辺の平面図である。
【
図5】(a)は、本願発明の実施形態2にかかるカーテン部材の第二接続部材付近を拡大した側面図、(b)は、本願発明の実施形態3にかかるカーテン部材の第二接続部材付近を拡大した側面図である。
【符号の説明】
【0017】
100 カーテン部材
110 カーテン心材
111 上端
120 第一レール部材120
130 第二レール部材
140 レール固定部材
160 第一接続部材
170 第二接続部材
300 骨組部分
T テント
M 開口部
K カーテン
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、テントを水平面上に設置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。
【0019】
<実施形態1>
まず、
図1には、本願発明の実施形態1に係るカーテン部材100を取り付けたテントTを示す。また、
図2には、本願発明のカーテン部材100を示す。なお、
図1はテントTの正面図、
図2は、
図1におけるA-A断面図であって、カーテン部材100を側面側から示している。なお、テントTの内部構造を示すために、テントTの外側を覆うシートは取り外して示している。
【0020】
図1に示すように、テントTを構成する骨組部分300は、両側の支柱310と、支柱310同士を連結する天柱320から構成されており、支柱310が地面等の設置面G上に固定されている。また、この骨組部分300は、切妻屋根を備えた門型構造をしており、正面側が開口部Mとなっている。そして、この開口部Mを開閉するために、カーテン部材100が骨組部分300に固定されている。
【0021】
図1及び
図2に示すように、金属製のカーテン部材100は、鉛直方向に直線状に延びる長尺状のカーテン心材110を複数備え、さらに、当該カーテン心材110を水平方向へスライドさせることができる、長尺状の第一レール部材120と第二レール部材130とを備える。
図1に示すように、第一レール部材120及び第二レール部材130は、開口部Mを横断するように、両側の支柱310間に設けられている。そのため、カーテン心材110の正面側に取り付けられたカーテンKは、第一レール部材120及び第二レール部材130に沿ってスライドさせることができ、開口部Mを自由に開閉することができる。なお、
図1では、開口部Mの左側がカーテンKによって閉じられており、開口部Mの右側はカーテンKが開いた状態となっている。また、カーテンKはカーテン心材110の留め具114に固定され、複数のカーテン心材110の間を覆う様に張られている。
【0022】
また、カーテン部材100は、第一レール部材120及び第二レール部材130を取り付けるレール固定部材140を備えている。第二レール部材130は、レール固定部材140の下端142側に固定され、第一レール部材120は、第二レール部材130と所定距離離れた状態で互いに平行になるように、下端142よりも上方に固定されている。さらに、レール固定部材140の上端141は、骨組部分300の天柱320に固定されている。そして、レール固定部材140は、開口部Mの開口方向に沿って略等間隔で、天柱320から吊り下げられるように複数固定されており、第一レール部材120及び第二レール部材130は、複数のレール固定部材140によって、水平状態となるように固定されている。また、レール固定部材140の背面143側には、補助固定部材150が任意で設けられており、補助固定部材150の上端151は天柱320に固定され、補助固定部材150の下端152はレール固定部材140に固定されている。この補助固定部材150は、レール固定部材140の背面143側において、第一レール部材120に隣接する箇所から天柱320へ向けて斜めに固定されている。そのため、レール固定部材140及び第一レール部材120に、外力による応力がかかっても、補助固定部材150が、背面側からレール固定部材140及び第一レール部材120を強固に支持できる。
【0023】
また、カーテン心材110の上端111には、第一レール部材120に沿って滑走可能に連結される第一接続部材160が設けられている。さらに、カーテン心材110には、上端111から下方へ離間した部分であってカーテン心材110の正面113側に、第二レール部材130に沿って滑走可能に連結される第二接続部材170が設けられている。なお、カーテン心材110の長さは、下端112が設置面Gに接しておらず、設置面Gから浮いた状態となるように設定されている。また、正面113とは、開口部Mにおいて外側へ面する側のことである。
【0024】
では次に、
図3を参照して、第一接続部材160周辺の構造について詳しく説明する。なお、
図3(a)は、
図2の第一接続部材160周辺を拡大した側面図、
図3(b)は、第一接続部材160周辺の正面図である。
【0025】
図3に示すように、第一レール部材120及び第一接続部材160は、レール固定部材140の背面143側に配置されており、第一接続部材160は第一レール部材120を長尺方向に沿ってスライドできるように構成されている。具体的には、第一レール部材120は、略コ字状の断面が長尺方向に連続した部材であり、下方へ開口した開口部121と、開口部121の両側の平坦な滑走面122とを備える。また、第一接続部材160は、カーテン部材100の上端111に固定された軸部161と、軸部161の上端162に軸支されたローラ163とを備える。ローラ163は、回転軸164を中心に回動できるようになっており、第一レール部材120の滑走面122上を回転しながら滑走できるようになっている。また、軸部161の両側のローラ163は、開口部121の両側の滑走面122にそれぞれ当接し、軸部161のみが開口部121を挿通しているので、第一接続部材160は第一レール部材120から外れることがない。そして、カーテン心材110は、第一接続部材160によって、第一レール部材120に鉛直方向へ吊り下げられるように接続された状態となっている。
【0026】
では次に、
図4を参照して、第二接続部材170周辺の構造について詳しく説明する。なお、
図4(a)は、
図2の第二接続部材170周辺を拡大した側面図、
図4(b)は、第二接続部材170周辺の正面図、
図4(c)は、第二接続部材170周辺の平面図である。
【0027】
図4に示すように、第二レール部材130は、略コ字状の断面が長尺方向に連続した部材であり、下方へ開口した開口部131と、開口部131の両側の滑走壁132とを備える。滑走壁132は、レール固定部材140から鉛直方向へ垂下すると共に、第二レール部材130の長尺方向に沿って直線状に延出している。また、第二接続部材170は、断面が略コ字状の部材であり、カーテン心材110の正面113側に固定されている。そして、第二接続部材170は、第二レール部材130の滑走壁132を前後から挟み込む、第一ローラ171及び第二ローラ172を備える。第一ローラ171は、第二接続部材170の下壁173に固定された固定柱174の先端に軸支されており、鉛直方向に延びる回転軸175を中心に回動できるようになっている。一方、第二ローラ172は、第二接続部材170の上壁176に固定された固定柱177の先端に軸支されており、鉛直方向に延びる回転軸178を中心に回動できるようになっている。なお、第一ローラ171及び第二ローラ172は、すべて同じ大きさ(同じ直径)となっている。
【0028】
そして、第一ローラ171及び第二ローラ172は、第二レール部材130の滑走壁132を両側から挟み込んでおり、第二レール部材130の滑走壁132に沿って、第二レール部材130の長尺方向へ回転しながら滑走できるのである。また、
図4(b)及び(c)に示すように、第二接続部材170は、二つの第一ローラ171と一つの第二ローラ172によって、3点で滑走壁132を挟み込んでいるので、第二接続部材170は、第二レール部材130を安定して滑走することができるのである。また、
図4(b)及び(c)に示すように、第一ローラ171は、滑走壁132を挟んで、第二ローラ172の両側に配置されているので、第二接続部材170が鉛直方向の周りに捻じれて回転することがなく、第一ローラ171を固定しているカーテン心材110も鉛直方向に沿って捻じれることがないのである。
【0029】
このように、本願発明のカーテン部材100によれば、
図2に示すように、カーテン心材110が、上端111の第一接続部材160によって第一レール部材120に連結され、上端111から下方へ離間した場所において、第二接続部材170によって第二レール部材130に連結されている。すなわち、カーテン心材110は、上下に離間し、鉛直方向に並んだ2つの連結箇所(つまり、第一接続部材160、及び第二接続部材170)によって、第一レール部材120及び第二レール部材130へ連結されている。そのため、従来のように、平行に離間した2点の連結箇所によって、レール部材と連結されている場合と比較して、本願発明のカーテン部材100では、2つの連結箇所が鉛直方向に並んだ分、連結箇所周辺の厚さ方向の幅L1を狭くすることが出来るのである。その結果、カーテン部材100後方のテント内の収容容積が減ってしまうという問題や、カーテン部材100が嵩張り、他の機材等と干渉するといった問題が生じないのである。
【0030】
さらに、
図2に示すように、外側からの風によってカーテンKが後方へ押し込まれた際に、カーテン心材110には、後方への押圧力F(モーメント)がかかる。しかしながら、本願発明のカーテン部材100では、上下に離間し、鉛直方向に並んだ2つの連結箇所(つまり、第一接続部材160、及び第二接続部材170)によって、第一レール部材120及び第二レール部材130へ連結されているため、従来と比較すると、押圧力F(モーメント)に対して強く耐えることが出来る。その結果、カーテンKが風によってテント内に押し込まれないように強固に保持できるのである。
【0031】
特に、本願発明のカーテン部材100は、風等の外力による後方への押圧力F(モーメント)に対して強く耐えることが出来るため、カーテン心材110の下端112を設置面Gに設けた固定孔や溝等に固定する必要がなく、
図2に示すように、カーテン心材110の下端112を設置面Gから浮いた状態とすることが出来る。そのため、カーテン心材110の下端112側を設置面Gに固定するための機構を設ける必要がなく、また、下端112側を設置面Gに固定する作業の手間を省くことができ、カーテンKの開閉を素早く行うことが出来る。
【0032】
また、カーテンKを開閉する際には、作業員等によって、第一レール部材120及び第二レール部材130の長尺方向へ押す又は引く力が、カーテン心材110に加えられる。そして、本願発明のカーテン部材100では、上下に離間し、鉛直方向に並んだ2つの連結箇所(つまり、第一接続部材160、及び第二接続部材170)によって、第一レール部材120及び第二レール部材130へ連結されているため、長尺方向へ押す又は引く力は、カーテン心材110の鉛直方向全体にかかりやすく、カーテン心材110を鉛直方向へ垂下した状態に維持したまま、長尺方向へスライドさせることができる。そのため、カーテン心材110同士を連結するクロスバー等が必要なく、製造コストを安く抑えることが出来る。
【0033】
また、本願発明のカーテン部材100では、第一レール部材120及び第一接続部材160が、レール固定部材140の背面143側に設けられている。ここで、カーテン心材110の上端111の第一接続部材160は、カーテン心材110の重量や風等の外力によって、大きな応力がかかる部分でもある。そのため、第一レール部材120及び第一接続部材160には、余計な外力を出来るだけかけないのが好ましい。そこで、
図2に示すように、第一接続部材160と、当該第一接続部材160が接続される第一レール部材120とを、レール固定部材140の背面143側に設けることで、レール固定部材140の正面144側にかかる風等の外力が、第一接続部材160や第一レール部材120に直接かかることを防止しているのである。
【0034】
また、
図2に示すように、第一接続部材160は第一レール部材120に鉛直方向へ吊り下げられるように連結されている。そのため、第一接続部材160は、カーテン心材110の鉛直方向の力(例えば、カーテン心材110の自重)を強固に支持することが出来る。さらに、
図4に示すように、第二接続部材170は、鉛直方向Yに直交する方向Xにおいて、第一ローラ171と第二ローラ172によって第二レール部材130の一部(例えば、滑走壁132)を、両側から挟み込むように当接している。そのため、第二接続部材170は、風等の外力による方向Xの後方への押圧力F(モーメント)に対して、強く耐えることが出来る。このように、本願発明のカーテン部材100は、第一接続部材160と第二接続部材170によって、カーテン心材110の鉛直方向Yへの力と、鉛直方向Yに直交する方向Xへの力のそれぞれに対して、十分かつ強力に耐えることが出来るのである。
【0035】
なお、第一接続部材160は、ローラ163によって第一レール部材120を滑走可能に構成されているが、これに限定されず、第一レール部材120を滑走可能であれば、その他の構成を採用してもよい。また同様に、第二接続部材170は、第一ローラ171と第二ローラ172によって第二レール部材130を滑走可能に構成されているが、これに限定されず、第二レール部材130を滑走可能であれば、その他の構成を採用してもよい。
【0036】
<実施形態2>
次に、本願発明の実施形態2にかかるカーテン部材100Aを
図5(a)に示す。なお、
図5(a)は、カーテン部材100Aの第二接続部材170A付近を拡大した側面図である。また、本実施形態2にかかるカーテン部材100Aは、
図1から
図4に示す実施形態1にかかるカーテン部材100と、第二接続部材170Aの第二ローラ172Aの構成が異なるだけで、他の構成は実施形態1にかかるカーテン部材100と基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。
【0037】
図5(a)に示すように、第二レール部材130Aは、略コ字状の断面が長尺方向に連続した部材であり、開口部131Aと、開口部131Aの両側の滑走壁132Aとを備える。滑走壁132Aは、レール固定部材140Aから鉛直方向へ垂下すると共に、第二レール部材130Aの長尺方向に沿って直線状に延出している。また、第二接続部材170Aは、断面が略コ字状の部材であり、カーテン心材110Aの正面113A側に固定されている。そして、第二接続部材170Aは、第二レール部材130Aの滑走壁132Aを前後から挟み込む、第一ローラ171A及び第二ローラ172Aを備える。第一ローラ171Aは、第二接続部材170Aの下壁173Aに固定された固定柱174Aの先端に軸支されており、鉛直方向に延びる回転軸175Aを中心に回動できるようになっている。一方、第二ローラ172Aは、第一ローラ171Aよりも大きく(直径が大きく)なっており、第二接続部材170Aの上壁176Aに固定された固定柱177Aの先端に軸支され、鉛直方向に延びる回転軸178Aを中心に回動できるようになっている。このように、第一ローラ171A及び第二ローラ172Aの大きさは、仕様に応じて、適宜任意の大きさへ変更することが出来る。
【0038】
<実施形態3>
次に、本願発明の実施形態3にかかるカーテン部材100Bを
図5(b)に示す。なお、
図5(b)は、カーテン部材100Bの第二接続部材170B付近を拡大した側面図である。また、本実施形態3にかかるカーテン部材100Bは、
図5(a)に示す実施形態2にかかるカーテン部材100Aと、第二レール部材130Bの構成が異なるだけで、他の構成は実施形態2にかかるカーテン部材100Aと基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。
【0039】
図5(b)に示すように、第二レール部材130Bは、略H状の断面が長尺方向に連続した部材であり、窪み部134Bと、窪み部134Aの両側の滑走壁132Bとを備える。滑走壁132Bは、レール固定部材140Bから鉛直方向へ垂下すると共に、第二レール部材130Bの長尺方向に沿って直線状に延出している。また、第二接続部材170Bは、断面が略コ字状の部材であり、カーテン心材110Bの正面113B側に固定されている。そして、第二接続部材170Bは、第二レール部材130Bの滑走壁132Bを前後から挟み込む、第一ローラ171B及び第二ローラ172Bを備える。第一ローラ171Bは、第二接続部材170Bの下壁173Bに固定された固定柱174Bの先端に軸支され、鉛直方向に延びる回転軸175Bを中心に回動できるようになっている。一方、第二ローラ172Bは、第一ローラ171Bよりも大きく(直径が大きく)なっており、第二接続部材170Bの上壁176Bに固定された固定柱177Bの先端に軸支されており、鉛直方向に延びる回転軸178Bを中心に回動できるようになっている。このように、第二レール部材130Bの形状は、第二接続部材170Bが連結できるのであれば、仕様に応じて、適宜任意の形状へ変更することが出来る。
【0040】
なお、本願発明のカーテン部材は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。