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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】目地部形成用プレート部材の設置方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/10 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
E21D11/10 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021050557
(22)【出願日】2021-03-24
(65)【公開番号】P2022148752
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
(73)【特許権者】
【識別番号】310005294
【氏名又は名称】北陸鋼産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】浜田 元
(72)【発明者】
【氏名】目黒 緑
(72)【発明者】
【氏名】横山 豊也
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-122303(JP,A)
【文献】特開2002-004443(JP,A)
【文献】特開平06-299793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
山岳トンネル工法において、トンネル覆工コンクリートを構築する際に設置されるトンネル覆工用型枠の軸方向の中間部分に引き抜き可能に取り付けられる、構築されるトンネル覆工コンクリートに誘発目地を形成する目地部形成用プレート部材を、打設されたコンクリートが硬化した後に引抜き可能な状態で設置するための目地部形成用プレート部材の設置方法であって、
前記トンネル覆工用型枠は、トンネルの掘進方向に移動可能な架台部と、該架台部に支持されてトンネルの内壁面との間に覆工空間を形成する型枠本体部とを備えており、
該型枠本体部は、トンネルの掘進方向に分割された複数の分割型枠本体部によって構成されており、これらの分割型枠本体部の隣接する端部の間には、スリット状の隙間が全周に亘って連続して形成されており、該スリット状の隙間には、複数の前記目地部形成用プレート部材が各々挿入され、挿入された前記目地部形成用プレート部材は、外周辺部側の目地部形成部を前記覆工空間に突出させた状態で、内周辺部側の内側突出把持部を前記分割型枠本体部に固定して、周方向に連設配置されて取り付けられるようになっており、
前記目地部形成用プレート部材には、前記内側突出把持部に、表裏両側の面から各々張り出して固定された雌ネジ孔を有する一対の反力板が、周方向に間隔をおいて少なくとも2部位に取り付けられており、
少なくとも4箇所の前記反力板の前記雌ネジ孔に、ボルト部材を各々螺着して先端を前記分割型枠本体部に当接させ状態で、これらのボルト部材を回転させつつ進退させることにより、前記目地部形成用プレート部材を、隣接する前記目地部形成用プレート部材との間で前記目地部形成部が周方向に連続するように、立ち角度を調整して設置する目地部形成用プレート部材の設置方法。
【請求項2】
前記立ち角度を調整して設置される目地部形成用プレート部材が、前記分割型枠本体部の周方向の両側に位置する側部辺部間の間隔が、前記外周辺部側から前記内周辺部側に向かって拡大するハの字形状部分を含む目地部形成用プレート部材と、目地部形成部を周方向に連続させて隣接して配置される目地部形成用プレート部材である請求項1記載の目地部形成用プレート部材の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目地部形成用プレート部材の設置方法に関し、特に、トンネル覆工コンクリートに誘発目地を形成するための目地部形成用プレート部材を、コンクリートが硬化した後に引抜き可能な状態で設置するための目地部形成用プレート部材の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば山岳トンネル工法等のトンネル工法において、掘削したトンネルの内周面の地山を覆って構築されるトンネル覆工コンクリートを形成するための方法として、セントルと呼ばれるトンネル覆工用型枠を用いる工法が一般的に採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。トンネル覆工用型枠50は、例えば図9に示すように、馬蹄形等のアーチ形状部分52を含む形状のトンネル53の内周面に沿って、トンネル53の側壁部55から上部に亘って設置されるものであり、設置されたトンネル覆工用型枠50と、トンネル53の内周面の吹き付けコンクリート54によって覆われる地山との間の覆工空間61に、好ましくは無筋コンクリートを打設して硬化させることにより、トンネル底部のインバート部51のコンクリートと連続させるようにして、トンネル覆工コンクリートが形成されることになる。
【0003】
また、トンネル覆工用型枠50として、例えばバラセントルと呼ばれる組立式のトンネル覆工用型枠の他、スライドセントルと呼ばれる移動式のトンネル覆工用型枠が知られており、トンネル53の掘削作業の進行に伴って、例えば10.5m程度の所定の施工スパン毎にトンネル覆工用型枠50を据え付け直しながら、トンネル53の掘進方向の後方から前方に向かって、トンネル覆工用型枠50を用いてトンネル53の側部及び上部の覆工コンクリートを順次打設して形成して行くことになる。
【0004】
そして、トンネル覆工用型枠50を用いてトンネルの側部及び上部の覆工コンクリートを打設するには、例えば図10(a)~(d)に示すように、設置したトンネル覆工用型枠50に設けられた検査窓56からコンクリートを打設可能な高さ領域として、例えばトンネル53の側壁部55からアーチ形状部分52の肩部までの領域に対しては、検査窓56を介してコンクリート57を供給すると共に、バイブレータ58を検査窓56から挿入し、供給されたコンクリート57を締固めながらコンクリート57を打設する(図10(a)~(c)参照)。しかる後に、検査窓56からコンクリート57を供給しながらバイブレータ58によって締固めることが困難な高さ領域として、トンネル53の冠部(クラウン部)59(図9参照)の領域に対しては、トンネル覆工用型枠50の天端部に設けた吹き上げ投入口60から、コンクリート57を吹き上げ方式で圧入して打ち込み、冠部59のコンクリート57を形成するパターンが採用されている(図10(d)参照)。
【0005】
より具体的には、所定位置にトンネル覆工用型枠50を設置した後に、例えば側壁部55の下部より、下段の検査窓56を介してコンクリート57を流し込みながらバイブレータ58を用いて締固める工程(図10(a)参照)と、さらに側壁部55の上部のアーチ形状部分52に向かって、中段の検査窓56を介してコンクリート57を流し込みながらバイブレータ58を用いて締固める工程(図10(b)参照)と、さらにアーチ形状部分52の冠部59の手前まで、上段の検査窓56及び必要に応じて吹き上げ投入口60を介してコンクリート57を流し込みながら、バイブレータ58を用いて締固める工程(図10(c)参照)と、冠部59における既設の覆工コンクリート62側の部分から吹き上げ投入口60を介してコンクリート57を吹き上げ方式で圧入し、妻型枠50aまでコンクリートを充填する工程(図10(d)参照)とによって、覆工コンクリートが打設されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-280094号公報
【文献】特開2003-262096号公報
【文献】特開2015-67949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、近年のトンネル工法では、掘削技術の改良によって、コンクリートの打設から養生及びトンネル覆工用型枠の脱型までの、覆工コンクリートを形成するための工程の進捗が、トンネルの切羽面を掘削する工程の進捗に追随できなくなっている。このため、覆工コンクリートを形成する工程の進捗を早める技術として、複数のコンクリートポンプを用いたり(例えば、特許文献3参照)、一般的に使用される10.5m程度の施工延長を有するトンネル覆工用型枠に代えて、好ましくは18m~22m程度の施工延長を有するロングスパンのトンネル覆工用型枠を使用して、1サイクルで行うトンネル覆工コンクリートの施工スパンを延ばすことにより、工期を短縮することが検討されている。
【0008】
また、好ましくは18m~22m程度の施工延長を有するロングスパンのトンネル覆工用型枠を使用して、1サイクルで行うトンネル覆工コンクリートの施工スパンを延ばした場合、施工スパンの中間部分に、乾燥収縮や温度収縮に伴うひび割れが発生し易くなることから、特に施工スパンが長いトンネル覆工コンクリートを形成する場合には、これの中間部分に、乾燥収縮や温度収縮に伴うひび割れを誘発させる誘発目地を設けることが望ましい。このようなことから、本願出願人は、トンネル覆工コンクリートの中間部分に誘発目地を設ける方法として、例えば特開2020-20246号公報において、トンネル覆工用型枠の型枠面から覆工空間に目地部形成部を突出させて、複数の目地部形成用プレート部材を、周方向に連設配置して引抜き可能に取り付けておき、覆工空間に打設されたコンクリートが硬化したら、目地部形成用プレート部材を覆工空間から引き抜くことによって、誘発目地を形成する方法を開示している。
【0009】
ここで、トンネル覆工用型枠の型枠面から覆工空間に目地部形成部を突出させて、複数の目地部形成用プレート部材を、周方向に連設配置して引抜き可能に取り付ける際に、これらの各々の目地部形成用プレート部材は、トンネル覆工用型枠の型枠面から覆工空間に目地部形成部を垂直に精度良く立設させると共に、隣接する目地部形成用プレート部材との間で目地部形成部が周方向に精度良く連続するよう設置することが望ましく、これらの目地部形成用プレート部材が精度良く取り付けられていないと、覆工空間に打設されたコンクリートが硬化した後に目地部形成用プレート部材を撤去する際に、覆工コンクリートからから目地部形成用プレート部材を引き抜き難くなる。
【0010】
特に、周方向に連設配置された目地部形成用プレート部材のうち先行して撤去されることになる、周方向の両側の側部辺部間の間隔が、外周辺部側から内周辺部側に向かって拡大するハの字形状部分を含む目地部形成用プレート部材や、これに隣接する目地部形成用プレート部材が、精度良く立設して取り付けられていないと、目地部形成部が前後方向にずれて周方向に連続しなくなることで、ハの字状プレート部材となっている目地部形成用プレート部材を先行して引き抜いた後に、隣接する目地部形成用プレート部材を引き抜く際に、ずれた部分で側部辺部が硬化したコンクリートに引っ掛かることになって、当該隣接する目地部形成用プレート部材を引き抜くことが困難になる。
【0011】
本発明は、各々の目地部形成用プレート部材を、トンネル覆工用型枠の型枠面から覆工空間に目地部形成部を垂直に立設させると共に、隣接する目地部形成用プレート部材との
間で目地部形成部が周方向に連続するように、立ち角度を精度良く調整して設置することのできる目地部形成用プレート部材の設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、山岳トンネル工法において、トンネル覆工コンクリートを構築する際に設置されるトンネル覆工用型枠の軸方向の中間部分に引き抜き可能に取り付けられる、構築されるトンネル覆工コンクリートに誘発目地を形成する目地部形成用プレート部材を、打設されたコンクリートが硬化した後に引抜き可能な状態で設置するための目地部形成用プレート部材の設置方法であって、前記トンネル覆工用型枠は、トンネルの掘進方向に移動可能な架台部と、該架台部に支持されてトンネルの内壁面との間に覆工空間を形成する型枠本体部とを備えており、該型枠本体部は、トンネルの掘進方向に分割された複数の分割型枠本体部によって構成されており、これらの分割型枠本体部の隣接する端部の間には、スリット状の隙間が全周に亘って連続して形成されており、該スリット状の隙間には、複数の前記目地部形成用プレート部材が各々挿入され、挿入された前記目地部形成用プレート部材は、外周辺部側の目地部形成部を前記覆工空間に突出させた状態で、内周辺部側の内側突出把持部を前記分割型枠本体部に固定して、周方向に連設配置されて取り付けられるようになっており、前記目地部形成用プレート部材には、前記内側突出把持部に、表裏両側の面から各々張り出して固定された雌ネジ孔を有する一対の反力板が、周方向に間隔をおいて少なくとも2部位に取り付けられており、少なくとも4箇所の前記反力板の前記雌ネジ孔に、ボルト部材を各々螺着して先端を前記分割型枠本体部に当接させ状態で、これらのボルト部材を回転させつつ進退させることにより、前記目地部形成用プレート部材を、隣接する前記目地部形成用プレート部材との間で前記目地部形成部が周方向に連続するように、立ち角度を調整して設置する目地部形成用プレート部材の設置方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0013】
そして、本発明の目地部形成用プレート部材の設置方法は、前記立ち角度を調整して設置される目地部形成用プレート部材が、前記分割型枠本体部の周方向の両側に位置する側部辺部間の間隔が、前記外周辺部側から前記内周辺部側に向かって拡大するハの字形状部分を含む目地部形成用プレート部材と、目地部形成部を周方向に連続させて隣接して配置される目地部形成用プレート部材であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の目地部形成用プレート部材の設置方法によれば、各々の目地部形成用プレート部材を、トンネル覆工用型枠の型枠面から覆工空間に目地部形成部を垂直に立設させると共に、隣接する目地部形成用プレート部材との間で目地部形成部が周方向に連続するように、立ち角度を精度良く調整して設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】トンネル覆工型枠において、複数の目地部形成用プレート部材を、目地部形成部を覆工空間に突出させて分割型枠本体部の周方向に連設配置した状態の略示横断面である。
図2】目地部形成用プレート部材が取り付けられたトンネル覆工型枠を説明する略示縦断面図である。
図3】目地部形成用プレート部材が取り付けられたトンネル覆工型枠を説明する略示平面図である。
図4】目地部形成用プレート部材をトンネル覆工型枠に取り付けるための取付け構造を説明する、図2のA’部における、図1のA-Aに沿った拡大断面図である。
図5】ハの字形状部分を含む目地部形成用プレート部材の正面図である。
図6】目地部形成用プレート部材の側面図(図5を左側から見た図)である。
図7】ハの字形状部分を含む目地部形成用プレート部材と隣接して配置される目地部形成用プレート部材の説明図である。
図8】本発明の好ましい一実施形態に係る目地部形成用プレート部材の設置方法の説明図である。
図9】従来のトンネル覆工コンクリートの打設方法において、トンネル覆工用型枠をトンネルの内周面に沿って設置した状態を説明する略示横断面図である。
図10】(a)~(d)は、従来のトンネル覆工コンクリートの打設方法の作業手順を説明する、一部を断面図として示す略示側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の好ましい一実施形態に係る目地部形成用プレート部材の設置方法(図8(a)、(b)参照)は、山岳トンネル工法において、トンネルの内壁面を覆うトンネル覆工コンクリート4(図2図3参照)を、トンネル覆工用型枠1(図1図3参照)を用いて構築する際に、構築されるトンネル覆工コンクリート4に誘発目地を形成するための目地部形成用プレート部材15,15’(図5参照)を、トンネル覆工用型枠1に支持させて設置するため方法として採用されたものである(図4参照)。本実施形態では、掘削したトンネルTの内周面を覆って構築されるトンネル覆工コンクリート4は、セントルと呼ばれるトンネル覆工用型枠1として、一般的に用いられている10.5m程度の施工延長を有するものに代えて、好ましくは18m~22m程度の施工延長を有するロングスパンのトンネル覆工用型枠1を用いて形成するようになっており、目地部形成用プレート部材15,15’は、構築されるトンネル覆工コンクリート4の施工スパンの中間部分に、乾燥収縮や温度収縮に伴うひび割れを誘発する誘発目地を形成するための部材として設置されることになる。
【0017】
すなわち、近年の山岳トンネル工法では、掘削技術の改良によって、コンクリートの打設から養生及びトンネル覆工用型枠1の脱型までの、覆工コンクリート4を形成するための工程の進捗が、トンネルTの切羽面を掘削する工程の進捗に追随できなくなって、効率良く施工されていないことが多くなっていることから、本実施形態では、一般に用いられる10.5m程度の延長を有するトンネル覆工用型枠に代えて、好ましくは10.5m以上の施工延長を有するロングスパンのトンネル覆工用型枠1として、例えば18~22m程度の延長を有するロングスパンのトンネル覆工用型枠1を用いることで、一サイクルで行なわれる覆工コンクリート4の施工スパンを増大させると共に、2台のコンクリートポンプ30を用いて2系統の圧送配管31からコンクリート12を同時に打設することで、コンクリート12を打設する際の作業時間を短縮させて、覆工コンクリート4を形成するための工程の進捗を早めることができるようになっている。
【0018】
また、本実施形態では、ロングスパンのトンネル覆工用型枠1を用いることで、覆工コンクリート4の一サイクルの施工スパンの延長を増大させると、隣接する施工スパンの境目部分だけでは、コンクリートの乾燥収縮や温度収縮によるひび割れを十分に吸収できなくなって、施工スパンの中間部分でひび割れが生じ易くなる。このため、施工スパンの中間部分に、乾燥収縮や温度収縮によるひび割れを誘発させる誘発目地を形成するための目地部形成用プレート部材15,15’が、スリット状の隙間δに挿入されて(図4参照)、目地部形成部15Aを覆工空間Sに突出させた状態で、周方向に連設配置されると共に、トンネル覆工用型枠1の型枠本体部3を構成する一対の分割型枠本体部3A,3Bの端部に、固定されて取り付けられることになる。本実施形態の目地部形成用プレート部材の設置方法(図8(a)、(b)参照)は、周方向に連設配置される目地部形成用プレート部材15,15’(図7参照)の各々を、トンネル覆工用型枠1の型枠面から覆工空間Sに目地部形成部15Aを垂直に立設させると共に、隣接する目地部形成用プレート部材15,15’との間で目地部形成部15Aが周方向に連続するように、立ち角度を精度良く調整して設置できるようするための方法として採用されたものである。
【0019】
そして、本実施形態の目地部形成用プレート部材の設置方法は、山岳トンネル工法において、トンネル覆工コンクリート4を構築する際に設置されるトンネル覆工用型枠1の軸方向Xの中間部分に引き抜き可能に取り付けられる、構築されるトンネル覆工コンクリート4に誘発目地を形成するための目地部形成用プレート部材15,15’(図5図6
照)を、打設されたコンクリートが硬化した後に引抜き可能な状態で設置するための設置
方法である(図7(a)、(b)参照)。
【0020】
図1図3に示すように、トンネル覆工用型枠1は、トンネルの掘進方向Xに移動可能な架台部2と、この架台部2に支持されてトンネルTの内壁面との間に覆工空間Sを形成する型枠本体部3とを備えている。型枠本体部3は、トンネルの掘進方向に分割(本実施形態では、2分割)された複数(本実施形態では、一対)の分割型枠本体部3A,3Bによって構成されており、これらの分割型枠本体部3A,3Bの隣接する端部の間には、スリット状の隙間δ(図4参照)が全周に亘って連続して形成されている。このスリット状の隙間δには、複数の目地部形成用プレート部材15,15’が各々挿入され(図1参照)、挿入された目地部形成用プレート部材15,15’は、外周辺部側の目地部形成部15A(図5参照)を覆工空間Sに突出させた状態で、内周辺部側の内側突出把持部15Bを好ましくはスリット状の隙間δを挟んだ両側の分割型枠本体部3A,3Bに固定して(図4参照)、周方向に連設配置されて取り付けられている。
【0021】
目地部形成用プレート部材15には、内側突出把持部15Bに、表裏両側の面から各々張り出して固定された雌ネジ孔63aを有する一対の反力板63が、周方向に間隔をおいて少なくとも2部位(本実施形態では2部位)に取り付けられており、少なくとも4箇所(本実施形態では4箇所)の反力板63の雌ネジ孔63aに、ボルト部材64を各々螺着して先端を分割型枠本体部3A,3Bに固着された基板プレート25’に当接させ状態で、これらのボルト部材64を回転させつつ進退させることにより、目地部形成用プレート部材15,15’を、隣接する目地部形成用プレート部材15、15’との間で目地部形成部15Aが周方向に連続するように、立ち角度を調整して設置するようになっている。
【0022】
本実施形態では、中間部分に複数の目地部形成用プレート部材15,15’が取り付けられるトンネル覆工用型枠1は、トンネルTの延長方向(掘進方向)Xに移動可能なスライドセントルとなっており、例えば18~22m程度の延長を有するロングスパンのセントルとなっている。トンネル覆工用型枠1は、ロングスパンのセントルとなっていること以外は、例えば特開2015-67949号公報に記載されたトンネル覆工用型枠と、略同様の構成を備えている。
【0023】
すなわち、トンネル覆工用型枠1は、図1図3に示すように、トンネルTの掘進方向X(図2参照)に連結一体化された、複数の門型台車2Aによる架台部2と、これらの一体化された門型台車2Aによる架台部2によって支持されると共に、例えば吹付けコンクリートによる一次覆工5によって覆われたトンネルTの内周面に沿って配置されて(図1参照)、覆工空間Sの内側の型枠面を形成する型枠本体部3とを含んで構成されている。架台部2を構成する門型台車2Aは、基台部2aと、基台部2aを支持する支持脚部2bとを備えている。支持脚部2bの下端部には、トンネルTの床面に敷設されたレール6に沿って走行可能な走行部7が設けられており、これによってトンネル覆工用型枠1は、トンネルTの掘進方向Xに移動できるようになっている。
【0024】
型枠本体部3は、一次覆工5によって覆われたトンネルTの内周面に沿った形状を備えるように組み付けられており、トンネルTの内周面との間に所定の間隔をおいて配置されることにより、コンクリートの打設空間である、所定の厚さの覆工空間Sを形成する。また、型枠本体部3は、図1に示すように、トンネルTのアーチ形状部分52の上部の覆工空間Sを形成するための上部型枠3aと、アーチ形状部分52の下部及び両側の側壁部5
5の上部の覆工空間Sを形成するための一対の側部型枠3bと、インバート部のコンクリートと接続する側壁部55の下部の覆工空間Sを形成するための一対の下端部型枠3cとを含んで構成されている。上部型枠3aは、架台部2を構成する門型台車2Aの基台部2aに設けられた複数の昇降ジャッキ8によって、上下方向に昇降可能に支持されている。一対の側部型枠3bは、上部型枠3aの両側の下端部に回転連結部3dを介して各々回転可能に接続されており、一対の下端部型枠3cは、各々の側部型枠3bの下端部に下部回転連結部3eを介して回転可能に接続されている。側部型枠3b及び下端部型枠3cは、一端部が門型台車2Aに連結された伸縮ジャッキ9a,9bの他端部と連結しており、これらの伸縮ジャッキ9a,9bを伸縮することで、側部型枠3bや下端部型枠3cを、上部型枠3aや側部型枠3bに対して、回動できるようになっている。
【0025】
これらによって、トンネル覆工用型枠1は、昇降ジャッキ8や伸縮ジャッキ9a,9bを伸縮させることで、型枠本体部3を展開したり内側にまとめたりすることが可能になって、トンネルTの内周面に沿うように型枠本体部3を組み付けたり、型枠本体部3を脱型した後にトンネルTの内部で掘進方向Xに移動させたりできるようになっている。
【0026】
また、本実施形態では、型枠本体部3の上部型枠3aや側部型枠3bには、複数の圧入接続口11a,11bが、トンネルTの掘進方向Xに間隔をおいて各々2箇所に形成されている(図2参照)。型枠本体部3の上部型枠3aの天端部分には、複数の天頂部圧入接続口27が、トンネルTの掘進方向Xに間隔をおいて2箇所に形成されている。これらの圧入接続口11a,11b,27は、後述するように、圧送配管31を介して圧送される覆工用のコンクリート12を、覆工空間Sに流し込んだり圧入したりするため等の目的で用いられる。
【0027】
そして、本実施形態では、トンネル覆工用型枠1の型枠本体部3は、上述のように、トンネルTの掘進方向X(図2図3の左右方向)に、好ましくは2分割された一対の分割型枠本体部3A,3Bによって構成されている。一対の分割型枠本体部3A,3Bは、これらの隣接する端面の間に、一定幅のスリット状の隙間δ(図4参照)が、全周に亘って形成されるように配置されて固定されている。また形成されたスリット状の隙間δには、一対の分割型枠本体部3A,3Bの端面を形成する端部リブプレート21A,21Bに支持させて、各々の施工スパン(L=18m)の中間部に誘発目地を形成するための複数の目地部形成用プレート部材15,15’が、目地部形成部15Aを覆工空間Sに突出させて、引き抜き可能に挿入配置された状態で、全周に亘って連設して配設されるようになっている(図1参照)。
【0028】
本実施形態では、目地部形成用プレート部材15の内周辺部側の部分である内側突出把持部15Bにおける、目地部形成部15Aと近接する部位には、少なくとも2箇所(本第1実施形態では2箇所)に、プレート側ピン挿通孔16aが形成されている(図5参照)。一対の分割型枠本体部3A,3Bの端面を形成する端部リブプレート21A,21Bには、目地部形成用プレート部材15の外周辺部側の部分である目地部形成部15Aを覆工空間Sに突出させた状態で、これらのプレート側ピン挿通孔16aと合致する位置に、端面ピン挿通孔23aが形成されている(図4参照)。合致させたプレート側ピン挿通孔16aと端面ピン挿通孔23aに、好ましくはプレート側ピン挿通孔16aの内径よりも僅かに小さな外径を備えるピン部材26(図4参照)を挿通させることによって、目地部形成用プレート部材15,15’が、両側の端部リブプレート21A,21Bに挟まれるようにして支持されて、傾倒可能に仮固定された状態で取り付けられている。
【0029】
また、本実施形態では、図4に示すように、好ましくはスリット状の隙間δを挟んだ両側に位置する、一対の分割型枠本体部3A,3Bの各々の端縁部の外周面から立設して、好ましくは直角三角形状または直角台形状の断面形状を有する面木部材22A,22Bが
、覆工空間Sに突出した状態で、好ましくは各々の分割型枠本体部3A,3Bの周方向に全周に亘って連続して取り付けられている。
【0030】
本実施形態では、目地部形成用プレート部材15,15’は、図5及び図6に示すように、好ましくアルミニウム製又はスチール製の、例えば6~10mm程度の厚さ(本実施形態では、7mm程度の厚さ)の金属ブレートを用いて形成されている。また目地部形成用プレート部材15は、例えば縦幅が300~600mm程度、横幅が400~700mm程度の大きさの、外周辺部と、該外周辺部と対向して配置される内周辺部と、左右両側の側部辺部とを有する、略4辺形状の平面形状を備えている。目地部形成用プレート部材15は、外周辺部側の部分が、型枠面から覆工空間Sに突出して配置される目地部形成部15Aとなっており、内周辺部側の部分が、型枠本体部3の内側に突出して配置される内側突出把持部15Bとなっている。なお、図5には、分割型枠本体部3A,3Bの周方向の両側縁に配置されることになる側部辺部間の間隔が、外周辺部側から内周辺部側に向けて拡大する、ハの字形状部分を含む目地部形成用プレート部材15’が例示されている。
【0031】
目地部形成部15Aは、図4に示すように、一対の分割型枠本体部3A,3Bの端面を形成する端部リブプレート21A,21Bの間の部分に周方向に延設して設けられた、スリット状の隙間δを介して、覆工空間Sに向けて目地部形成用プレート部材15が挿入された際に、一対の分割型枠本体部3A,3Bの外周部による型枠面から、例えば200mm程度の突出高さで外側に突出するように配置される部分である。また目地部形成部15Aには、先端に向けて厚さを例えば7mm程度から2mm程度に減少させた、テーパー加工が施されていることが好ましい。
【0032】
内側突出把持部15Bは、上述のプレート側ピン挿通孔16aが形成されていることにより、覆工空間Sに打設したコンクリートが硬化するまでの間、目地部形成用プレート部材15を仮固定しておくための固定部として機能すると共に、コンクリートが硬化した後に当該プレート部材15を型枠本体部3の内側に引き抜く際の、持手部として機能する部分である。
【0033】
また、内側突出把持部15Bには、図5及び図6に示すように、表裏両側の面から各々垂直に張り出して、雌ネジ孔63aを有する一対の反力板63が、溶接等により固着されて取り付けられている。これらの一対の反力板63は、プレート側ピン挿通孔16aよりも内周辺部側の部位において、周方向に間隔をおいた少なくとも2部位として、好ましくは横幅方向の中央線Cを挟んだ両側に対称に配置されて、2部位に散り付けられている。これらの合計4箇所の各々の反力板63には、内周辺部側から雌ネジ孔63aに螺着される、ボルト部材64が取り付けられている。各々のボルト部材64は、分割型枠本体部3Aに各々固着された基板プレート25に先端を当接させた状態で、回転することにより進退して、反力板63を基板プレート25に対して相体的に変位させることができるようになっている(図4図8(a)、(b)参照)。
【0034】
さらに、本実施形態では、内側突出把持部15Bにおける内周辺部と近接する部分には、横幅方向の中央線Cを挟んだ両側に対称に配置されて、覆工空間Sに打設したコンクリートが硬化した後に、目地部形成用プレート部材15,15’を、分割型枠本体部3A,3Bの内側に引き抜く際の持手部として機能する、横長矩形形状の把手用の開口部19が、一対開口形成されている。
【0035】
一方、本実施形態では、目地部形成用プレート部材15,15’の目地部形成部15Aが挿入されるスリット状の隙間δを挟んだ両側の、分割型枠本体部3A,3Bの各々には、端部リブプレート21A,12B及び補強リブプレート24A,24Bに支持させて、基板プレート25が固着されている(図4図8(a)、(b)参照)。
【0036】
また、本実施形態では、分割型枠本体部3A,3Bの外周面部による型枠面から覆工空間Sに目地部形成部15Aを突出させて、分割型枠本体部3A,3Bの周方向に連設配置される複数の目地部形成用プレート部材15,15’は、図1及び図7に示すように、好ましくは隣接する各一対のプレート部材15の目地部形成部15Aにおける、側部辺部の間の境界部分である各々の分割接続部15aに、隙間が生じないように連続して配設されている。また、これらの連設配置された複数の目地部形成用プレート部材15、15’のうちの一部は、分割型枠本体部3A,3Bの周方向の両側に位置する側部辺部間の間隔が、外周辺部側から内周辺部側に向かって拡大する、内側に末広がりの正面形状を備えるハの字形状部分を含む目地部形成用プレート部材15’となっている(図5参照)。
【0037】
周方向に連設配置された複数の目地部形成用プレート部材15,15’のうちの一部が、ハの字形状部分を含む目地部形成用プレート部材15’となっていることにより、当該ハの字形状部分を含む目地部形成用プレート部材15’を先行して引き抜くようにすることで、型枠本体部3の周方向に連設配置された目地部形成用プレート部材15は、隣接する目地部形成用プレート部材15の側部辺部同士が分割接続部15aで競り合うことにより引き抜き難くなるのを回避して、各々の目地部形成用プレート部材15を、スムーズに引き抜けるようにすることが可能になる。
【0038】
そして、本実施形態の目地部形成用プレート部材の設置方法では、各々の目地部形成用プレート部材15,15’を、分割型枠本体部3A,3Bの隣接する端部の間に形成されたスリット状の隙間δに挿入し(図1参照)、外周辺部側の目地部形成部15A(図5参照)を覆工空間Sに突出させた状態で、内周辺部側の内側突出把持部15Bを分割型枠本体部3A,3Bに固定して(図4参照)、周方向に連設配置して取り付ける際に、これらの目地部形成用プレート部材15,15’が、隣接する目地部形成用プレート部材15、15’の間で目地部形成部15Aが周方向に連続するように、立ち角度を容易に調整して設置することができるようになっている。
【0039】
すなわち、本実施形態では、各々の目地部形成用プレート部材15、15’には、内側突出把持部15Bに、表裏両側の面から各々張り出して固定された雌ネジ孔63aを有する一対の反力板63が、好ましくは横幅方向の中央線Cを挟んだ両側に対称に配置されて、2部位に散り付けられている。これらの反力板63による4箇所の雌ネジ孔63aに各々螺着されたボルト部材64の先端を、分割型枠本体部3A,3Bに固着された基板プレート25に当接させ状態で、これらのボルト部材64を回転させつつ進退させることにより、反力板63を基板プレート25に対して、相体的に変位させることがっできるようになっている。これによって、各々の各々の目地部形成用プレート部材15、15’を、トンネル覆工用型枠1の型枠本体部3の型枠面から覆工空間Sに目地部形成部15Aを垂直に精度良く立設させると共に、隣接する目地部形成用プレート部材15、15’との間で目地部形成部15Aが周方向に精度良く連続するように、立ち角度を容易に調整しつつ、周方向に精度良く連設させて設置することが可能になる。
【0040】
本実施形態の目地部形成用プレート部材の設置方法によって、複数の目地部形成用プレート部材15、15’を周方向に連設配置して取り付けたら、一次覆工5によって覆われたトンネルTの内周面と、トンネル覆工用型枠1の型枠本体部3の外周部分による型枠面との間に形成された、コンクリートの打設空間である覆工空間Sに、コンクリートを打設して、トンネル覆工コンクリート4を構築する作業が行なわれる。本実施形態では、トンネル覆工コンクリート4を構築する作業は、図2及び図3に示すように、2台のコンクリートポンプ30からそれぞれ延設された圧送配管31を経て圧送されるコンクリートを、覆工空間Sに同時に供給しながら打設することによって行うことができる。
【0041】
本実施形態では、2台のコンクリートポンプ30は、トンネルT内に搬入されたトンネル覆工用型枠1を挟んでトンネルTの掘進方向Xの前方と後方に、それぞれ配置されており、各々のコンクリートポンプ30のホッパー部には、各々のコンクリートミキサー車32からコンクリート12がそれぞれ投入される。ここで、前後2台のコンクリートポンプ30からは圧送配管31がそれぞれ延びており、各々のコンクリートミキサー車32から各々のコンクリートポンプ30のホッパー部へ投入されたコンクリート12は、2系統の各々の圧送配管31から覆工空間Sに同時に圧送されて供給される。このように、2系統のコンクリートポンプ30と圧送配管31とを用いることによって、トンネル覆工コンクリート4を形成するための工程の進捗を効果的に早めることができる。
【0042】
2台のコンクリートポンプ30からそれぞれ延びる2系統の圧送配管31は、トンネル覆工用型枠1の内側に向かって延びる主配管31aと、主配管31aからロータリバルブ29を介してトンネルTの幅方向両側に枝分かれした左右の分岐管31bとを含んで構成されている。ここで、各々の分岐管31bは、長さの異なる直管や湾曲管等からなる複数のピース管を含んで構成されており、選択した複数のピース管を組み付けて、圧入接続口11a、11bに各々接続されるように配置される。またこれらのピース管を組み替えることによって、当該分岐管31bを、型枠本体部3の2分割された分割型枠本体部3A,3Bの、好ましくは各々の掘進方向Xの後端部に形成された、下段の圧入接続口11aから上段の圧入接続口11bに切り替えて接続したり、上段の圧入接続口11bから天頂部圧入接続口27に切り替えて接続したりして、コンクリート12を打設することができるようになっている。
【0043】
また、本実施形態では、覆工空間Sに打設されたコンクリートが硬化して、トンネル覆工コンクリート4が形成されたら、好ましくは特願2020-61496に記載された目地部形成用プレート部材の引抜き撤去方法によって、複数の目地部形成用プレート部材15,15’の各々を、覆工空間Sから型枠本体部3の内側に引き抜くことによって、誘発目地が形成されることになる。
【0044】
そして、本実施形態の目地部形成用プレート部材の設置方法によれば、上述のように、各々の目地部形成用プレート部材15,15’を、トンネル覆工用型枠1の型枠本体部3の型枠面から覆工空間Sに目地部形成部15Aを垂直に立設させると共に、隣接する目地部形成用プレート部材15,15’との間で目地部形成部15Aが周方向に連続するように、立ち角度を精度良く調整して設置することができるので、覆工空間Sに打設されたコンクリート4が硬化した後に目地部形成用プレート部材15,15’を撤去する際に、覆工コンクリート4から引き抜き難くなるのを回避して、目地部形成用プレート部材15,15’をスムーズに撤去できるようにすることが可能になる。
【0045】
また特に、周方向に連設配置された目地部形成用プレート部材15,15’のうち先行して撤去されることになる、周方向の両側の側部辺部間の間隔が、外周辺部側から内周辺部側に向かって拡大するハの字形状部分を含む目地部形成用プレート部材15’や、これに隣接する目地部形成用プレート部材15(図7参照)が、精度良く立設して取り付けられていないと、目地部形成部が前後方向にずれて周方向に連続しなくなることで、ハの字形状部分を含む目地部形成用プレート部材15’を先行して引き抜いた後に、隣接する目地部形成用プレート部材15を引き抜く際に、ずれた部分で側部辺部が硬化したコンクリートに引っ掛かることになって、当該隣接する目地部形成用プレート部材15を引き抜くことが困難になるが、本実施形態によれば、これらのハの字形状部分を含む目地部形成用プレート部材15’やこれに隣接する目地部形成用プレート部材15が、立ち角度が精度良く調整された状態で連設して取り付けられているので、これらの目地部形成用プレート部材15,15’が覆工コンクリート4から引き抜き難くなるのを、効果的に回避することが可能になる。
【0046】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、トンネル覆工用型枠の型枠本体部は、2分割されたものである必要は必ずしも無く、3分割以上されたものであっても良く、3分割以上された分割型枠本体部の各隣接する端部の間のスリット状の隙間に挿入される目地部形成用プレート部材を設置する際にも、本発明の設置方法を採用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 トンネル覆工用型枠
2 架台部
3 型枠本体部
3A、3B 分割型枠本体部
4 トンネル覆工コンクリート(覆工コンクリート)
15 目地部形成用プレート部材
15A 目地部形成部
15B 内側突出把持部
16a プレート側ピン挿通孔
21A,21B 端部リブプレート
23a 端面ピン挿通孔
25 基板プレート
26 ピン部材
63 反力板
63a 雌ネジ孔
64 ボルト部材
δ スリット状の隙間
S 覆工空間
T トンネル
X トンネルの掘進方向(トンネル覆工用型枠の軸方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10