(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】ベッドおよびベッド用ボトム
(51)【国際特許分類】
A47C 19/04 20060101AFI20240307BHJP
A61G 7/005 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
A47C19/04 Z
A61G7/005
(21)【出願番号】P 2019120647
(22)【出願日】2019-06-28
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】599139442
【氏名又は名称】株式会社プラッツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 慎也
(72)【発明者】
【氏名】中尾 瑞歩
(72)【発明者】
【氏名】和田 剣也
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-201889(JP,A)
【文献】登録実用新案第3040765(JP,U)
【文献】特開2017-046970(JP,A)
【文献】特開2000-334002(JP,A)
【文献】米国特許第06357065(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/00-23/34;29/00
A61G 7/00-7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面を形成可能なボトムを備えるベッドであって、
前記ボトムは、第1層部材と、第2層部材とを備え、前記第1層部材
の上に前記第2層部材が積層され相互に固定されることで前記床面を形成可能であり、
前記第2層部材は、第1サイド部材と、第2サイド部材とを備え、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材の各々は、前記第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記第1層部材に対して前記第1サイド部材と前記第2サイド部材を変位させることで前記床面を前記幅方向および前記長さ方向に寸法変換可能
であり、
前記第2層部材は、前記第1サイド部材と前記第2サイド部材との間に配置される中間部材をさらに備え、
前記中間部材は、前記第1層部材に対して長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに移動先で固定可能であり、
前記中間部材は、前記第2層部材の幅方向の中央部に位置し、前記中間部材の両サイドに前記第1サイド部材と前記第2サイド部材が位置しており、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材を前記中間部材に対して前記幅方向に互いに逆方向に変位させることで前記床面を前記幅方向に寸法変換可能であり、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材と前記中間部材を前記第1層部材に対して前記長さ方向に共に同方向に変位させることで前記床面を前記長さ方向に寸法変換可能であるベッド。
【請求項2】
前記ボトムは、前端ボトムと、後端ボトムと、屈曲部材とを備え、
前記第1層部材は、前記前端ボトムの第1層部材に相当し、前記第2層部材は、前記前端ボトムの第2層部材に相当し、
前記第2層部材は、前記第1サイド部材と、前記第2サイド部材と、前記中間部材とを有し、
前記後端ボトムは、後端第1層部材と、後端第2層部材とを備え、
前記後端第2層部材は、後端第1サイド部材と、後端第2サイド部材とを備え、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材の各々は、前記第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記後端第1サイド部材と前記後端第2サイド部材の各々は、前記後端第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材を前記中間部材に対して前記幅方向に互いに逆方向に変位させるとともに、前記後端第1サイド部材と前記後端第2サイド部材を前記後端第1層部材に対して前記幅方向に互いに逆方向に変位させることで前記床面を前記幅方向に寸法変換可能であり、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材と前記中間部材を前記第1層部材に対して前記長さ方向に共に同方向に変位させることで前記床面を前記長さ方向に寸法変換可能であり、
前記屈曲部材は、前記前端ボトムと前記後端ボトムを連結し、前記前端ボトムと前記後端ボトムとの連結位置で屈曲可能であり、前記前端ボトムと前記後端ボトムとの間の屈曲位置を切替可能である請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
床面を形成可能なボトムを備えるベッドであって、
前記ボトムは、第1層部材と、第2層部材とを備え、前記第1層部材と、前記第2層部材は、厚み方向に積層され相互に固定されることで前記床面を形成可能であり、
前記第2層部材は、第1サイド部材と、第2サイド部材とを備え、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材の各々は、前記第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記第1層部材に対して前記第1サイド部材と前記第2サイド部材を変位させることで前記床面を前記幅方向および前記長さ方向に寸法変換可能
であり、
前記ボトムは、前端ボトムと、後端ボトムと、屈曲部材とを備え、
前記前端ボトムは、前端第1層部材と、前端第2層部材とを備え、
前記前端第2層部材は、前端第1サイド部材と、前端第2サイド部材とを備え、
前記後端ボトムは、後端第1層部材と、後端第2層部材とを備え、
前記後端第2層部材は、後端第1サイド部材と、後端第2サイド部材とを備え、
前記前端第1サイド部材と前記前端第2サイド部材の各々は、前記前端第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記後端第1サイド部材と前記後端第2サイド部材の各々は、前記後端第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記前端第1サイド部材と前記前端第2サイド部材を前記前端第1層部材に対して前記幅方向に互いに逆方向に変位させるとともに、前記後端第1サイド部材と前記後端第2サイド部材を前記後端第1層部材に対して前記幅方向に互いに逆方向に変位させることで前記床面を前記幅方向に寸法変換可能であり、
前記前端第1サイド部材と前記前端第2サイド部材を前記前端第1層部材に対して前記長さ方向に共に同方向に変位させることで前記床面を前記長さ方向に寸法変換可能であり、
前記屈曲部材は、前記前端ボトムと前記後端ボトムを連結し、前記前端ボトムと前記後端ボトムとの連結位置で屈曲可能であり、前記前端ボトムと前記後端ボトムとの間の屈曲位置を切替可能であるベッド。
【請求項4】
前記屈曲部材の屈曲位置を固定する屈曲位置固定部をさらに備え、
前記屈曲位置固定部は、
前記前端ボトムの側端に装着可能な第1装着部と、
前記第1装着部に対して折り曲げ可能な状態で前記第1装着部に連結され、前記後端ボトムの側端に装着可能な第2装着部とを備え、
前記第1装着部と前記第2装着部との連結位置を前記屈曲部材の屈曲位置に合わせることで前記屈曲部材の屈曲位置を固定する請求項
2又は3に記載のベッド。
【請求項5】
床面を形成可能なボトムを備えるベッドであって、
前記ボトムは、第1層部材と、第2層部材とを備え、前記第1層部材
の上に前記第2層部材が積層され相互に固定されることで前記床面を形成可能であり、
前記第2層部材は、第1サイド部材と、第2サイド部材とを備え、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材の各々は、前記第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記第1層部材に対して前記第1サイド部材と前記第2サイド部材を変位させることで前記床面を前記幅方向および前記長さ方向に寸法変換可能
であり、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材は、前記幅方向に並べて配置されており、前記配置において、前記第1サイド部材の前記第2サイド部材の側に位置する第1の側面と、前記第2サイド部材の前記第1サイド部材の側に位置する第2の側面とが、それぞれ凹凸を有する形状に形成されているベッド。
【請求項6】
前記第1層部材は第1層通気孔を備え、
前記第2層部材は第2層通気孔を備え、
前記第1層通気孔および前記第2層通気孔は、前記複数の異なる位置の各々で少なくとも一部が互いに重なるように配置される請求項
1から5のいずれか1項に記載のベッド。
【請求項7】
床面を形成可能なベッド用ボトムであって、
前記ベッド用ボトムは、第1層部材と、第2層部材とを備え、前記第1層部材
の上に前記第2層部材が積層され相互に固定されることで前記床面を形成可能であり、
前記第2層部材は、第1サイド部材と、第2サイド部材とを備え、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材の各々は、前記第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記第1層部材に対して前記第1サイド部材と前記第2サイド部材を変位させることで前記床面を前記幅方向および前記長さ方向に寸法変換可能
であり、
前記第2層部材は、前記第1サイド部材と前記第2サイド部材との間に配置される中間部材をさらに備え、
前記中間部材は、前記第1層部材に対して長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに移動先で固定可能であり、
前記中間部材は、前記第2層部材の幅方向の中央部に位置し、前記中間部材の両サイドに前記第1サイド部材と前記第2サイド部材が位置しており、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材を前記中間部材に対して前記幅方向に互いに逆方向に変位させることで前記床面を前記幅方向に寸法変換可能であり、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材と前記中間部材を前記第1層部材に対して前記長さ方向に共に同方向に変位させることで前記床面を前記長さ方向に寸法変換可能であるベッド用ボトム。
【請求項8】
前記ベッド用ボトムは、前端ボトムと、後端ボトムと、屈曲部材とを備え、
前記第1層部材は、前記前端ボトムの第1層部材に相当し、前記第2層部材は、前記前端ボトムの第2層部材に相当し、
前記第2層部材は、前記第1サイド部材と、前記第2サイド部材と、前記中間部材とを有し、
前記後端ボトムは、後端第1層部材と、後端第2層部材とを備え、
前記後端第2層部材は、後端第1サイド部材と、後端第2サイド部材とを備え、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材の各々は、前記第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記後端第1サイド部材と前記後端第2サイド部材の各々は、前記後端第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材を前記中間部材に対して前記幅方向に互いに逆方向に変位させるとともに、前記後端第1サイド部材と前記後端第2サイド部材を前記後端第1層部材に対して前記幅方向に互いに逆方向に変位させることで前記床面を前記幅方向に寸法変換可能であり、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材と前記中間部材を前記第1層部材に対して前記長さ方向に共に同方向に変位させることで前記床面を前記長さ方向に寸法変換可能であり、
前記屈曲部材は、前記前端ボトムと前記後端ボトムを連結し、前記前端ボトムと前記後端ボトムとの連結位置で屈曲可能であり、前記前端ボトムと前記後端ボトムとの間の屈曲位置を切替可能である請求項7に記載のベッド用ボトム。
【請求項9】
床面を形成可能なベッド用ボトムであって、
前記ベッド用ボトムは、第1層部材と、第2層部材とを備え、前記第1層部材と、前記第2層部材は、厚み方向に積層され相互に固定されることで前記床面を形成可能であり、
前記第2層部材は、第1サイド部材と、第2サイド部材とを備え、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材の各々は、前記第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記第1層部材に対して前記第1サイド部材と前記第2サイド部材を変位させることで前記床面を前記幅方向および前記長さ方向に寸法変換可能
であり、
前記ボトムは、前記第1サイド部材と前記第2サイド部材との間に配置される中間部材をさらに備え、
前記中間部材は、前記第1層部材に対して長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに移動先で固定可能であり、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材を前記第1層部材に対して前記幅方向に互いに逆方向に変位させることで前記床面を前記幅方向に寸法変換可能であり、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材と前記中間部材を前記第1層部材に対して前記長さ方向に共に同方向に変位させることで前記床面を前記長さ方向に寸法変換可能であり、
前端ボトムと、後端ボトムと、屈曲部材とを備え、
前記前端ボトムは、前端第1層部材と、前端第2層部材とを備え、
前記前端第2層部材は、前端第1サイド部材と、前端第2サイド部材とを備え、
前記後端ボトムは、後端第1層部材と、後端第2層部材とを備え、
前記後端第2層部材は、後端第1サイド部材と、後端第2サイド部材とを備え、
前記前端第1サイド部材と前記前端第2サイド部材の各々は、前記前端第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記後端第1サイド部材と前記後端第2サイド部材の各々は、前記後端第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記前端第1サイド部材と前記前端第2サイド部材を前記前端第1層部材に対して前記幅方向に互いに逆方向に変位させるとともに、前記後端第1サイド部材と前記後端第2サイド部材を前記後端第1層部材に対して前記幅方向に互いに逆方向に変位させることで前記床面を前記幅方向に寸法変換可能であり、
前記前端第1サイド部材と前記前端第2サイド部材を前記前端第1層部材に対して前記長さ方向に共に同方向に変位させることで前記床面を前記長さ方向に寸法変換可能であり、
前記屈曲部材は、前記前端ボトムと前記後端ボトムを連結し、前記前端ボトムと前記後端ボトムとの連結位置で屈曲可能であり、前記前端ボトムと前記後端ボトムとの間の屈曲位置を切替可能であるベッド用ボトム。
【請求項10】
前記屈曲部材の屈曲位置を固定する屈曲位置固定部をさらに備え、
前記屈曲位置固定部は、
前記前端ボトムの側端に装着可能な第1装着部と、
前記第1装着部に対して折り曲げ可能な状態で前記第1装着部に連結され、前記後端ボトムの側端に装着可能な第2装着部とを備え、
前記第1装着部と前記第2装着部との連結位置を前記屈曲部材の屈曲位置に合わせることで前記屈曲部材の屈曲位置を固定する請求項8又は9に記載のベッド用ボトム。
【請求項11】
床面を形成可能なベッド用ボトムであって、
前記ベッド用ボトムは、第1層部材と、第2層部材とを備え、前記第1層部材の上に前記第2層部材が積層され相互に固定されることで前記床面を形成可能であり、
前記第2層部材は、第1サイド部材と、第2サイド部材とを備え、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材の各々は、前記第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、
前記第1層部材に対して前記第1サイド部材と前記第2サイド部材を変位させることで前記床面を前記幅方向および前記長さ方向に寸法変換可能であり、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材は、前記幅方向に並べて配置されており、前記配置において、前記第1サイド部材の前記第2サイド部材の側に位置する第1の側面と、前記第2サイド部材の前記第1サイド部材の側に位置する第2の側面とが、それぞれ凹凸を有する形状に形成されているベッド用ボトム。
【請求項12】
前記第1層部材は第1層通気孔を備え、
前記第2層部材は第2層通気孔を備え、
前記第1層通気孔および前記第2層通気孔は、前記複数の異なる位置の各々で少なくとも一部が互いに重なるように配置される請求項7から11のいずれか1項に記載のベッド用ボトム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドおよびベッド用ボトムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの身長に合わせて長さを調整可能なベッドとして、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1に開示されたベッドでは、第1枠体および第2枠体の各々が、第2枠体および第3枠体の各々と略同一の幅を有し、第1枠体および第2枠体の各々の上で、第2枠体および第3枠体の各々を引き出し/押し入れ自在に支持するように構成される。
【0003】
ユーザの体型に合わせて床幅を調整可能なベッドとして、特許文献2に開示された技術がある。特許文献2に開示されたベッドでは、側辺に上面を床面とする扁平キャップを、側辺に対して被せるように装着するとともに、ボトム幅方向に進退調整可能に固定する構成としている。
【0004】
また、電動ベッドにおいて、ギャッジ動作によりユーザの起き上がり動作を補助するために、床面を屈曲可能とした構造もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-72089号公報
【文献】特許第3061184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のベッドでは、ユーザの体格に合わせて床面の長さおよび幅を調整することはできなかった。
【0007】
また、従来のベッドでは、床面の屈曲位置は固定されているため、ユーザに合わせて床面の屈曲位置を切り替えることはできなかった。
【0008】
本発明の1つの目的は、ベッドの床面の長さおよび幅を調整することが可能なベッドおよびベッド用ボトムを提供することにある。
【0009】
本発明のその他の目的は、ベッドの床面の屈曲位置を切り替えることが可能なベッドおよびベッド用ボトムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、1つの観点に係るベッドは、床面を形成可能なボトムを備えるベッドであって、前記ボトムは、第1層部材と、第2層部材とを備え、前記第1層部材と、前記第2層部材は、厚み方向に積層され相互に固定されることで前記床面を形成可能であり、前記第2層部材は、第1サイド部材と、第2サイド部材とを備え、前記第1サイド部材と前記第2サイド部材の各々は、前記第1層部材に対して幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、前記複数の異なる位置の各々で固定可能であり、前記第1層部材に対して前記第1サイド部材と前記第2サイド部材を変位させることで前記床面を前記幅方向および前記長さ方向に寸法変換可能である。
【0011】
ここで、第1サイド部材と第2サイド部材を第1層部材に対して幅方向に複数の異なる位置へ変位させることで床面を幅方向に寸法変換することができ、第1サイド部材と第2サイド部材を第1層部材に対して共に同方向に変位させることで前記床面を前記長さ方向に寸法変換可能させることができる。このため、ユーザの体格に合わせてベッドの床面の長さおよび幅を調整することができる。
【0012】
また、その他の観点に係るベッドは、ボトムは、前端ボトムと、後端ボトムと、屈曲部材とを備え、前記屈曲部材は、前記前端ボトムと前記後端ボトムを連結し、前記前端ボトムと前記後端ボトムとの連結位置で屈曲可能であり、前記前端ボトムと前記後端ボトムとの間の屈曲位置を切替可能である。
【0013】
ここで、前端ボトムと後端ボトムとの間の屈曲位置を切替可能とすることにより、ボトムの長さの切り替えに合わせてボトムの屈曲位置を切り替えることができ、ユーザに対するフィッティング性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るベッドの概略構成を示す側面図である。
【
図2】
図2は、
図1の背ボトムの組立後の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2の背ボトムの構成を分解して示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3の分解後の背ボトムを別の視点から見た時の斜視図である。
【
図5】
図5(a)から
図5(c)は、
図2の背ボトムの幅がワイドのときに長さを3段階に切り替えた状態を示す斜視図である。
【
図6】
図6(a)から
図6(c)は、
図2の背ボトムの幅がナローのときに長さを3段階に切り替えた状態を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図5(b)の領域RAの部分を拡大して示す斜視図である。
【
図8】
図8は、
図2の屈曲位置固定部9Aの装着前の状態を拡大して示す斜視図である。
【
図9】
図9(a)から
図9(d)は、
図2の背ボトムの長さがロングの時に屈曲位置を4段階に切り替えた状態を示す斜視図である。
【
図10】
図10(a)から
図10(c)は、
図2の背ボトムの長さがレギュラーの時に屈曲位置を3段階に切り替えた状態を示す斜視図である。
【
図11】
図11(a)および
図11(b)は、
図2の背ボトムの長さがショートの時に屈曲位置を2段階に切り替えた状態を示す斜視図である。
【
図13】
図13(a)から
図13(c)は、
図2の背ボトムの幅がワイドのときに長さを3段階に切り替えた状態を示す平面図である。
【
図14】
図14(a)から
図14(c)は、
図2の背ボトムの幅がナローのときに長さを3段階に切り替えた状態を示す平面図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態に係るベッドに適用される背ボトムの構成を分解して示す斜視図である。
【
図16】
図16は、第3実施形態に係るベッドに適用される背ボトムのサイド部材の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、第1実施形態に係るベッドの概略構成を示す側面図である。なお、以下の説明では、ユーザの起き上がり動作を補助するギャッジ機能を備える電動ベッドを例にとる。
図1において、ベッドは、フレームF、背ボトムB1、ひざ脚ボトムB2および腰ボトムB3を備える。
【0017】
フレームFは、背ボトムB1、ひざ脚ボトムB2および腰ボトムB3を支持する。背ボトムB1、ひざ脚ボトムB2および腰ボトムB3は、フレームFに装着可能である。背ボトムB1は、人体の背を支持する床面を形成することができる。ひざ脚ボトムB2は、人体のひざ脚を支持する床面を形成することができる。腰ボトムB3は、人体の腰を支持する床面を形成することができる。背ボトムB1、ひざ脚ボトムB2および腰ボトムB3上には、例えば、マットレスを配置することができ、そのマットレス上に人体が横たわることができる。
【0018】
なお、腰ボトムB3は、フレームFに固定し、フレームFと一体化されていてもよい。背ボトムB1、ひざ脚ボトムB2および腰ボトムB3は、例えば、樹脂、金属またはそれらの組み合わせで構成することができる。
【0019】
背ボトムB1は、その中間位置で屈曲可能である。このとき、背ボトムB1は、前端ボトムB1A、後端ボトムB1Bおよび屈曲部材B1Cを備えることができる。屈曲部材B1Cは、人体の第1~第12胸椎のうちのいずれかの位置に対応させて前端ボトムB1Aと後端ボトムB1Bとの間に配置することができる。
【0020】
前端ボトムB1Aは、前端下層部材1および前端上層部材2を備える。前端上層部材2は、前端下層部材1上に配置され、相互に固定されることで人体の背の上部を支持する床面を形成可能である。前端上層部材2は、前端下層部材1上で幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、その複数の位置の各々で固定可能である。前端下層部材1および前端上層部材2は各々、矩形プレート状に構成することができる。ここで、前端下層部材1上で前端上層部材2を幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位させることで、前端ボトムB1Aの床面を幅方向および長さ方向に寸法変換することができる。
【0021】
後端ボトムB1Bは、後端下層部材5および後端上層部材6を備える。後端上層部材6は、後端下層部材5上に配置され、相互に固定されることで人体の背の下部を支持する床面を形成可能である。後端上層部材5は、後端下層部材6上で幅方向および長さ方向に複数の異なる位置へ変位可能であるとともに、その複数の位置の各々で固定可能である。後端下層部材5および後端上層部材6は各々、矩形プレート状に構成することができる。ここで、後端下層部材5上で後端上層部材6を幅方向に複数の異なる位置へ変位させることで、後端ボトムB1Bの床面を幅方向および長さ方向に寸法変換することができる。
【0022】
ひざ脚ボトムB2は、その中間位置で屈曲可能である。このとき、ひざ脚ボトムB2は、前端ボトムB2A、後端ボトムB2Bおよび屈曲部材B2Cを備えることができる。屈曲部材B2Cは、人体のひざに位置に対応させて前端ボトムB2Aと後端ボトムB2Bとの間に配置することができる。ひざ脚ボトムB2は、背ボトムB1と同様に構成することができる。
【0023】
屈曲部材B1Cは、前端ボトムB1Aと後端ボトムB1Bを連結し、前端ボトムB1Aと後端ボトムB1Bとの連結位置で屈曲可能である。屈曲部材B1Cは、前端ボトムB1Aと後端ボトムB1Bとの間の屈曲位置を切替可能である。屈曲部材B1Cは、例えば、ヒンジ8A~8Cを備え、屈曲位置を4段階に切替可能である。このとき、ヒンジ8Aと後端下層部材5との連結位置を第1屈曲位置、ヒンジ8A、8Bの連結位置を第2屈曲位置、ヒンジ8B、8Cの連結位置を第3屈曲位置、ヒンジ8Cと前端下層部材1との連結位置を第4屈曲位置とすることができる。
【0024】
このベッドでは、背ボトムB1の屈曲部材B1Cおよびひざ脚ボトムB2の屈曲部材B2Cを支点としてギャッジ動作を行うことにより、背上げU1と膝上げU2を連動させ、ベッドを使用するユーザの起き上がり動作を補助することができる。この場合、背上げ動作および膝上げ動作を行うリンク機構およびモータをフレームFに装着することができる。
【0025】
なお、背ボトムB1は、ヒンジを介して腰ボトムB3と連結してもよいし、ひざ脚ボトムB2、ヒンジを介して腰ボトムB3と連結してもよい。このとき、背ボトムB1と腰ボトムB3との屈曲位置を切替可能としてもよいし、ひざ脚ボトムB2と腰ボトムB3との屈曲位置を切替可能としてもよい。
【0026】
以下、実施形態に係るボトムについて、
図1の背ボトムB1を例にとって詳細に説明する。また、以下の実施形態では、背ボトムB1は、長さを3段階、幅を2段階、屈曲位置を4段階に切り替え可能な場合を例にとって説明するが、背ボトムは、長さをK(Kは2以上の整数)段階、幅をM(Mは2以上の整数)段階、屈曲位置をN(Nは2以上の整数)段階に切り替え可能であってもよい。また、背ボトムの長さ、幅および屈曲位置は、段階的に切り替え可能としてもよいし、連続的に切り替え可能としてもよい。
【0027】
図2は、
図1の背ボトムの組立後の構成を示す斜視図、
図3は、
図2の背ボトムの構成を分解して示す斜視図、
図4は、
図3の分解後の背ボトムを別の視点から見た時の斜視図である。
図2~
図4において、
図1の前端上層部材2は、前端サイド部材2A、2Bおよび中間部材2Cを備える。前端サイド部材2A、2Bおよび中間部材2Cは、前端下層部材1上で幅方向に並べて配置される。
図1の後端上層部材6は、後端サイド部材6A、6Bを備える。後端サイド部材6A、6Bは、後端下層部材5上で幅方向に並べて配置される。前端サイド部材2A、2B、中間部材2Cおよび後端サイド部材6A、6Bは、各々矩形プレート状に構成することができる。
【0028】
前端サイド部材2Aは、前端下層部材1上で幅方向W1Aおよび長さ方向L1Aに移動することで変位可能である。前端サイド部材2Bは、前端下層部材1上で幅方向W1Bおよび長さ方向L1Bに移動することで変位可能である。中間部材2Cは、前端下層部材1上で長さ方向L1Cに移動することで変位可能である。後端サイド部材6Aは、後端下層部材5上で幅方向W2Aに移動することで変位可能である。後端サイド部材6Bは、後端下層部材5上で幅方向W2Bに移動することで変位可能である。
【0029】
ここで、前端サイド部材2A、2Bを前端下層部材1上で幅方向に沿って逆方向に出し入れするとともに、後端サイド部材6A、6Bを後端下層部材5上で幅方向に沿って逆方向に出し入れすることで背ボトムB1を幅方向に寸法変換することができる。また、各前端サイド部材2A、2Bおよび中間部材2Cを前端下層部材1上で長さ方向に沿って同方向に出し入れすることで背ボトムB1を長さ方向に寸法変換することができる。
【0030】
前端下層部材1は、
図4に示すように、ノブボルトN1A~N1Cを各々ネジ止め可能なネジ孔1A~1Cを備える。
【0031】
前端サイド部材2Aは、前端サイド部材2Aの幅方向W1Aおよび長さ方向L1Aの位置を切り替え可能な寸法切替部3Aを備える。寸法切替部3Aは、例えば、前端サイド部材2Aの対角位置に配置することができる。寸法切替部3Aは、例えば、3行×2列に配置された6個の貫通孔13Aを備える。このとき、これらの貫通孔13Aの幅方向W1Aの間隔は、前端サイド部材2Aの幅方向W1Aの変位幅を設定することができる。これらの貫通孔13Aの長さ方向L1Aの間隔は、前端サイド部材2Aの長さ方向L1Aの変位長を設定することができる。
【0032】
そして、背ボトムB1の幅および長さの調整位置に応じて、寸法切替部3Aの6個の貫通孔13Aのうちの1個の貫通孔を選択する。そして、その選択した1個の貫通孔をネジ孔1A上に配置し、その貫通孔を介してノブボルトN1Aをネジ孔1Aにねじ込むことで、前端サイド部材2Aを前端下層部材1上に固定することができる。
【0033】
前端サイド部材2Bは、前端サイド部材2Bの幅方向W1Bおよび長さ方向L1Bの位置を切り替え可能な寸法切替部3Bを備える。寸法切替部3Bは、例えば、前端サイド部材2Bの対角位置に配置することができる。寸法切替部3Bは、例えば、3行×2列に配置された6個の貫通孔13Bを備える。このとき、これらの貫通孔13Bの幅方向W1Bの間隔は、前端サイド部材2Bの幅方向W1Bの変位幅を設定することができる。これらの貫通孔13Bの長さ方向L1Bの間隔は、前端サイド部材2Bの長さ方向L1Bの変位長を設定することができる。
【0034】
そして、背ボトムB1の幅および長さの調整位置に応じて、寸法切替部3Bの6個の貫通孔13Bのうちの1個の貫通孔を選択する。そして、その選択した1個の貫通孔をネジ孔1B上に配置し、その貫通孔を介してノブボルトN1Bをネジ孔1Bにねじ込むことで、前端サイド部材2Bを前端下層部材1上に固定することができる。
【0035】
中間部材2Cは、中間部材2Cの長さ方向L1Cの位置を切り替え可能な寸法切替部3Cを備える。寸法切替部3Cは、例えば、中間部材2Cの対角位置に配置することができる。寸法切替部3Cは、例えば、3行×1列に配置された3個の貫通孔13Cを備える。このとき、これらの貫通孔13Cの長さ方向L1Cの間隔は、中間部材2Cの長さ方向L1Cの変位長を設定することができる。
【0036】
そして、背ボトムB1の長さの調整位置に応じて、寸法切替部3Cの3個の貫通孔13Cのうちの1個の貫通孔を選択する。そして、その選択した1個の貫通孔をネジ孔1C上に配置し、その貫通孔を介してノブボルトN1Cをネジ孔1Cにねじ込むことで、中間部材2Cを前端下層部材1上に固定することができる。
【0037】
後端下層部材5は、
図3に示すように、ノブボルトN2A、N2Bを各々ネジ止め可能なネジ孔5A、5Bを備える。
【0038】
後端サイド部材6Aは、後端サイド部材6Aの幅方向W2Aの位置を切り替え可能な寸法切替部7Aを備える。寸法切替部7Aは、例えば、後端サイド部材6Aの対角位置に配置することができる。寸法切替部7Aは、例えば、1行×2列に配置された2個の貫通孔17Aを備える。このとき、これらの貫通孔17Aの幅方向W2Aの間隔は、後端サイド部材6Aの幅方向W2Aの変位幅を設定することができる。
【0039】
そして、背ボトムB1の幅および長さの調整位置に応じて、寸法切替部7Aの2個の貫通孔17Aのうちの1個の貫通孔を選択する。そして、その選択した1個の貫通孔をネジ孔5A上に配置し、その貫通孔を介してノブボルトN2Aをネジ孔5Aにねじ込むことで、後端サイド部材6Aを後端下層部材5上に固定することができる。
【0040】
後端サイド部材6Bは、後端サイド部材6Bの幅方向W2Bの位置を切り替え可能な寸法切替部7Bを備える。寸法切替部7Bは、例えば、後端サイド部材6Bの対角位置に配置することができる。寸法切替部7Bは、例えば、1行×2列に配置された2個の貫通孔17Bを備える。このとき、これらの貫通孔17Bの幅方向W2Bの間隔は、後端サイド部材6Bの幅方向W2Bの変位幅を設定することができる。
【0041】
そして、背ボトムB1の幅および長さの調整位置に応じて、寸法切替部7Bの2個の貫通孔17Bのうちの1個の貫通孔を選択する。そして、その選択した1個の貫通孔をネジ孔5B上に配置し、その貫通孔を介してノブボルトN2Bをネジ孔5Bにねじ込むことで、後端サイド部材6Bを後端下層部材5上に固定することができる。
【0042】
また、前端下層部材1は、通気孔11A~11Cを備える。前端サイド部材2Aは、通気孔12Aを備える。前端サイド部材2Bは、通気孔12Bを備える。中間部材2Cは、通気孔12Cを備える。
【0043】
通気孔11A、12Aは、前端サイド部材2Aの変位先の固定位置で少なくとも一部が互いに重なるように配置される。通気孔11B、12Bは、前端サイド部材2Bの変位先の固定位置で少なくとも一部が互いに重なるように配置される。通気孔11C、12Cは、中間部材2Cの変位先の固定位置で少なくとも一部が互いに重なるように配置される。
【0044】
後端下層部材5は、通気孔15A、15Bを備える。後端サイド部材6Aは、通気孔16Aを備える。後端サイド部材6Bは、通気孔16Bを備える。
【0045】
通気孔15A、16Aは、後端サイド部材6Aの変位先の固定位置で少なくとも一部が互いに重なるように配置される。通気孔15B、16Bは、後端サイド部材6Bの変位先の固定位置で少なくとも一部が互いに重なるように配置される。
【0046】
屈曲位置固定部9A、9Bは、ヒンジ8A~8Cの屈曲位置を固定する。各屈曲位置固定部9A、9Bは、その中間位置で屈曲可能である。各屈曲位置固定部9A、9Bは、ヒンジ8A~8Cの端部に跨るように背ボトムB1の側端に装着することができる。このとき、屈曲位置固定部9A、9Bの屈曲位置をヒンジ8A~8Cの連結位置に合わせて背ボトムB1の側端に装着する。
【0047】
これにより、前端ボトムB1Aと後端ボトムB1Bとの間の屈曲位置を切替可能とすることができる。このため、前端ボトムB1Aの頭部方向の長さの切り替えに合わせて、その屈曲位置と腰までの距離を変化させることができ、ユーザに対するフィッティング性能を向上させることができる。
【0048】
なお、前端ボトムB1Aの幅を広げた場合、各前端サイド部材2A、2Bと中間部材2Cとの間に隙間が発生する。この隙間は、ユーザがベッド上に仰向けに横たわった時のユーザの背中側の骨の出っ張り部分に配置することができる。例えば、各前端サイド部材2A、2Bと中間部材2Cとの間の隙間は、肩甲骨の位置に対応するように配置することができる。これにより、ユーザがベッド上に寝たきりになった場合においても、褥瘡を軽減することができる。
【0049】
図5(a)から
図5(c)は、
図2の背ボトムの幅がワイドのときに長さを3段階に切り替えた状態を示す斜視図である。なお、以下の説明では、背ボトムの長さの3段階の切り替え状態を、ロング、レギュラーおよびショートと言う。また、背ボトムの幅の2段階の切り替え状態を、ワイドおよびナローと言う。ワイドは、例えば、90cm幅、ナローは、例えば、83cm幅に設定することができる。
【0050】
図5(a)は、
図2の背ボトムの幅がワイドかつ長さがロングの場合である。この場合、前端サイド部材2Aにおいて、
図2の寸法切替部3Aの3行2列目の貫通孔13Aを選択する。そして、その選択した貫通孔13Aをネジ孔1A上に配置し、その貫通孔13Aを介してノブボルトN1Aをネジ孔1Aにねじ込むことで、前端サイド部材2Aを前端下層部材1上に固定する。
【0051】
また、前端サイド部材2Bにおいて、
図2の寸法切替部3Bの3行1列目の貫通孔13Bを選択する。そして、その選択した貫通孔13Bをネジ孔1B上に配置し、その貫通孔13Bを介してノブボルトN1Bをネジ孔1Bにねじ込むことで、前端サイド部材2Bを前端下層部材1上に固定する。
【0052】
また、中間部材2Cにおいて、
図2の寸法切替部3Cの3行目の貫通孔13Cを選択する。そして、その選択した貫通孔13Cをネジ孔1C上に配置し、その貫通孔13Cを介してノブボルトN1Cをネジ孔1Cにねじ込むことで、中間部材2Cを前端下層部材1上に固定する。
【0053】
また、後端サイド部材6Aにおいて、
図2の寸法切替部7Aの2列目の貫通孔17Aを選択する。そして、その選択した貫通孔17Aをネジ孔5A上に配置し、その貫通孔17Aを介してノブボルトN2Aをネジ孔5Aにねじ込むことで、後端サイド部材6Aを後端下層部材5上に固定する。
【0054】
また、後端サイド部材6Bにおいて、
図2の寸法切替部7Bの1列目の貫通孔17Bを選択する。そして、その選択した貫通孔17Bをネジ孔5B上に配置し、その貫通孔17Bを介してノブボルトN2Bをネジ孔5Bにねじ込むことで、後端サイド部材6Bを後端下層部材5上に固定する。
【0055】
図5(b)は、
図2の背ボトムの幅がワイドかつ長さがレギュラーの場合である。この場合、前端サイド部材2Aにおいて、
図2の寸法切替部3Aの2行2列目の貫通孔13Aを選択する。そして、その選択した貫通孔13Aをネジ孔1A上に配置し、その貫通孔13Aを介してノブボルトN1Aをネジ孔1Aにねじ込むことで、前端サイド部材2Aを前端下層部材1上に固定する。
【0056】
また、前端サイド部材2Bにおいて、
図2の寸法切替部3Bの2行1列目の貫通孔13Bを選択する。そして、その選択した貫通孔13Bをネジ孔1B上に配置し、その貫通孔13Bを介してノブボルトN1Bをネジ孔1Bにねじ込むことで、前端サイド部材2Bを前端下層部材1上に固定する。
【0057】
また、中間部材2Cにおいて、
図2の寸法切替部3Cの2行目の貫通孔13Cを選択する。そして、その選択した貫通孔13Cをネジ孔1C上に配置し、その貫通孔13Cを介してノブボルトN1Cをネジ孔1Cにねじ込むことで、中間部材2Cを前端下層部材1上に固定する。
【0058】
後端サイド部材6Aおよび後端サイド部材6Bの配置位置は、
図5(a)の配置位置と同様である。
【0059】
図5(c)は、
図2の背ボトムの幅がワイドかつ長さがショートの場合である。この場合、前端サイド部材2Aにおいて、
図2の寸法切替部3Aの1行2列目の貫通孔13Aを選択する。そして、その選択した貫通孔13Aをネジ孔1A上に配置し、その貫通孔13Aを介してノブボルトN1Aをネジ孔1Aにねじ込むことで、前端サイド部材2Aを前端下層部材1上に固定する。
【0060】
また、前端サイド部材2Bにおいて、
図2の寸法切替部3Bの1行1列目の貫通孔13Bを選択する。そして、その選択した貫通孔13Bをネジ孔1B上に配置し、その貫通孔13Bを介してノブボルトN1Bをネジ孔1Bにねじ込むことで、前端サイド部材2Bを前端下層部材1上に固定する。
【0061】
また、中間部材2Cにおいて、
図2の寸法切替部3Cの1行目の貫通孔13Cを選択する。そして、その選択した貫通孔13Cをネジ孔1C上に配置し、その貫通孔13Cを介してノブボルトN1Cをネジ孔1Cにねじ込むことで、中間部材2Cを前端下層部材1上に固定する。
【0062】
後端サイド部材6Aおよび後端サイド部材6Bの配置位置は、
図5(a)の配置位置と同様である。
【0063】
図6(a)から
図6(c)は、
図2の背ボトムの幅がナローのときに長さを3段階に切り替えた状態を示す斜視図である。
図6(a)において、
図2の背ボトムの幅がナローかつ長さがロングの場合である。この場合、前端サイド部材2Aにおいて、
図2の寸法切替部3Aの3行1列目の貫通孔13Aを選択する。そして、その選択した貫通孔13Aをネジ孔1A上に配置し、その貫通孔13Aを介してノブボルトN1Aをネジ孔1Aにねじ込むことで、前端サイド部材2Aを前端下層部材1上に固定する。
【0064】
また、前端サイド部材2Bにおいて、
図2の寸法切替部3Bの3行2列目の貫通孔13Bを選択する。そして、その選択した貫通孔13Bをネジ孔1B上に配置し、その貫通孔13Bを介してノブボルトN1Bをネジ孔1Bにねじ込むことで、前端サイド部材2Bを前端下層部材1上に固定する。
【0065】
また、中間部材2Cにおいて、
図2の寸法切替部3Cの3行目の貫通孔13Cを選択する。そして、その選択した貫通孔13Cをネジ孔1C上に配置し、その貫通孔13Cを介してノブボルトN1Cをネジ孔1Cにねじ込むことで、中間部材2Cを前端下層部材1上に固定する。
【0066】
また、後端サイド部材6Aにおいて、
図2の寸法切替部7Aの1列目の貫通孔17Aを選択する。そして、その選択した貫通孔17Aをネジ孔5A上に配置し、その貫通孔17Aを介してノブボルトN2Aをネジ孔5Aにねじ込むことで、後端サイド部材6Aを後端下層部材5上に固定する。
【0067】
また、後端サイド部材6Bにおいて、
図2の寸法切替部7Bの2列目の貫通孔17Bを選択する。そして、その選択した貫通孔17Bをネジ孔5B上に配置し、その貫通孔17Bを介してノブボルトN2Bをネジ孔5Bにねじ込むことで、後端サイド部材6Bを後端下層部材5上に固定する。
【0068】
図6(b)は、
図2の背ボトムの幅がナローかつ長さがレギュラーの場合である。この場合、前端サイド部材2Aにおいて、
図2の寸法切替部3Aの1行2列目の貫通孔13Aを選択する。そして、その選択した貫通孔13Aをネジ孔1A上に配置し、その貫通孔13Aを介してノブボルトN1Aをネジ孔1Aにねじ込むことで、前端サイド部材2Aを前端下層部材1上に固定する。
【0069】
また、前端サイド部材2Bにおいて、
図2の寸法切替部3Bの2行2列目の貫通孔13Bを選択する。そして、その選択した貫通孔13Bをネジ孔1B上に配置し、その貫通孔13Bを介してノブボルトN1Bをネジ孔1Bにねじ込むことで、前端サイド部材2Bを前端下層部材1上に固定する。
【0070】
また、中間部材2Cにおいて、
図2の寸法切替部3Cの2行目の貫通孔13Cを選択する。そして、その選択した貫通孔13Cをネジ孔1C上に配置し、その貫通孔13Cを介してノブボルトN1Cをネジ孔1Cにねじ込むことで、中間部材2Cを前端下層部材1上に固定する。
【0071】
後端サイド部材6Aおよび後端サイド部材6Bの配置位置は、
図6(a)の配置位置と同様である。
【0072】
図6(c)は、
図2の背ボトムの幅がナローかつ長さがショートの場合である。この場合、前端サイド部材2Aにおいて、
図2の寸法切替部3Aの1行1列目の貫通孔13Aを選択する。そして、その選択した貫通孔13Aをネジ孔1A上に配置し、その貫通孔13Aを介してノブボルトN1Aをネジ孔1Aにねじ込むことで、前端サイド部材2Aを前端下層部材1上に固定する。
【0073】
また、前端サイド部材2Bにおいて、
図2の寸法切替部3Bの1行2列目の貫通孔13Bを選択する。そして、その選択した貫通孔13Bをネジ孔1B上に配置し、その貫通孔13Bを介してノブボルトN1Bをネジ孔1Bにねじ込むことで、前端サイド部材2Bを前端下層部材1上に固定する。
【0074】
また、中間部材2Cにおいて、
図2の寸法切替部3Cの1行目の貫通孔13Cを選択する。そして、その選択した貫通孔13Cをネジ孔1C上に配置し、その貫通孔13Cを介してノブボルトN1Cをネジ孔1Cにねじ込むことで、中間部材2Cを前端下層部材1上に固定する。
【0075】
後端サイド部材6Aおよび後端サイド部材6Bの配置位置は、
図6(a)の配置位置と同様である。
【0076】
図7は、
図5(b)の領域RAの部分を拡大して示す斜視図である。
図7において、前端サイド部材2Aには、
図3の寸法切替部3Aの対角位置に寸法切替部3APが配置されている。寸法切替部3APは、例えば、3行×2列に渡って配置された6個の貫通孔13APを備える。中間部材2Cには、
図3の寸法切替部3Cの対角位置に寸法切替部3CPが配置されている。寸法切替部3CPは、例えば、3行に渡って配置された3個の貫通孔13CPを備える。
【0077】
そして、
図2の背ボトムの幅がワイドかつ長さがレギュラーの場合、寸法切替部3APの2行2列目の貫通孔13APを介してノブボルトN1APをねじ込み、前端サイド部材2Aを前端下層部材1上に固定する。また、寸法切替部3CPの2行目の貫通孔13CPPを介してノブボルトN1CPをねじ込み、中間部材2Cを前端下層部材1上に固定する。
【0078】
図8は、
図2の屈曲位置固定部9Aの装着前の状態を拡大して示す斜視図である。
図8において、ヒンジ8Aと後端下層部材5は、回転軸J1を介して連結される。ヒンジ8A、8Bは、回転軸J2を介して連結される。ヒンジ8B、8Cは、回転軸J3を介して連結される。ヒンジ8Cと前端下層部材1、回転軸J4を介して連結される。回転軸J1~J4は、例えば、金属棒で構成することができる。
【0079】
このとき、回転軸J1の位置を第1屈曲位置、回転軸J2の位置を第2屈曲位置、回転軸J3の位置を第3屈曲位置、回転軸J4の位置を第4屈曲位置とすることができる。
【0080】
図2の屈曲位置固定部9Aは、背ボトムB1の側端に装着可能な装着部9A1、9A2を備える。装着部9A1は、連結部9A3を介して折り曲げ可能な状態で装着部9A2に連結されている。なお、
図2の屈曲位置固定部9Bも同様に構成することができる。
【0081】
そして、連結部9A3の位置を回転軸J1~J4のいずれかの位置に対応させて装着部9A1、9A2を背ボトムB1の側端にはめ込むことにより、屈曲部材B1Cの屈曲位置を4段階に調整することができる。
【0082】
ここで、装着部9A1、9A2は、背ボトムB1の側端にはめ込んだ状態で、背ボトムB1の長さ方向にスライド可能である。このため、装着部9A1、9A2を背ボトムB1の側端にはめ込んだ状態で、背ボトムB1の長さ方向にスライドさせることで、連結部9A3の位置を回転軸J1~J4のいずれかの位置に容易に設定することができる。
【0083】
図9(a)から
図9(d)は、
図2の背ボトムの長さがロングの時に屈曲位置を4段階に切り替えた状態を示す斜視図、
図10(a)から
図10(c)は、
図2の背ボトムの長さがレギュラーの時に屈曲位置を3段階に切り替えた状態を示す斜視図、
図11(a)および
図11(b)は、
図2の背ボトムの長さがショートの時に屈曲位置を2段階に切り替えた状態を示す斜視図である。
【0084】
図9(a)、
図10(a)および
図11(a)において、屈曲位置固定部9Aは、
図8の連結部9A3が回転軸J1の位置に対応するように背ボトムB1の側端に装着される。このとき、回転軸J1の位置では、連結部9A3は折り曲げ可能なので、回転軸J1の位置で背ボトムB1を屈曲させることができる。また、回転軸J2~J4の端部は装着部9A1で覆われ、回転軸J2~J4の位置で屈曲ができなくなるため、回転軸J2~J4の位置での背ボトムB1の屈曲を防止することができる。
【0085】
図9(b)、
図10(b)および
図11(b)において、屈曲位置固定部9Aは、
図8の連結部9A3が回転軸J2の位置に対応するように背ボトムB1の側端に装着される。このとき、回転軸J2の位置では、連結部9A3は折り曲げ可能なので、回転軸J2の位置で背ボトムB1を屈曲させることができる。また、回転軸J1の端部は装着部9A2で覆われ、回転軸J3、J4の端部は装着部9A1で覆われ、回転軸J1、J3、J4の位置で屈曲ができなくなるため、回転軸J1、J3、J4の位置での背ボトムB1の屈曲を防止することができる。
【0086】
図9(c)および
図10(c)において、屈曲位置固定部9Aは、
図8の連結部9A3が回転軸J3の位置に対応するように背ボトムB1の側端に装着される。このとき、回転軸J3の位置では、連結部9A3は折り曲げ可能なので、回転軸J3の位置で背ボトムB1を屈曲させることができる。また、回転軸J1、J2の端部は装着部9A2で覆われ、回転軸J4の端部は装着部9A1で覆われ、回転軸J1、J2、J4の位置で屈曲ができなくなるため、回転軸J1、J2、J4の位置での背ボトムB1の屈曲を防止することができる。
【0087】
図9(d)において、屈曲位置固定部9Aは、
図8の連結部9A3が回転軸J4の位置に対応するように背ボトムB1の側端に装着される。このとき、回転軸J4の位置では、連結部9A3は折り曲げ可能なので、回転軸J4の位置で背ボトムB1を屈曲させることができる。また、回転軸J1~J3の端部は装着部9A2で覆われ、回転軸J1~J3の位置で屈曲ができなくなるため、回転軸J1~J3の位置での背ボトムB1の屈曲を防止することができる。
【0088】
図12は、
図2の背ボトムの組立後の構成を示す裏面図、
図13(a)から
図13(c)は、
図2の背ボトムの幅がワイドのときに長さを3段階に切り替えた状態を示す平面図、
図14(a)から
図14(c)は、
図2の背ボトムの幅がナローのときに長さを3段階に切り替えた状態を示す平面図である。
【0089】
図12、
図13(a)から
図13(c)および
図14(a)から
図14(c)において、背ボトムB1の幅はワイドまたはナローに切り替えられ、背ボトムB1の長さはロング、レギューラーまたはショートに切り替えられる。
【0090】
この6通りのいずれの切り替えにおいても、通気孔11A、12Aの少なくとも一部は互いに重なり、通気孔11B、12Bの少なくとも一部は互いに重なり、通気孔11C、12Cの少なくとも一部は互いに重なり、通気孔15A、16Aの少なくとも一部は互いに重なり、通気孔15B、16Bの少なくとも一部は互いに重なる。
【0091】
このため、背ボトムB1の幅および長さを調整した場合においても、背ボトムB1の通気性を確保することができ、ベッド上に横たわったユーザが汗などで蒸れるのを抑制することができる。
【0092】
なお、上述した実施形態では、背ボトムB1の通気性を確保するために、前端下層部材1、前端サイド部材2A、2B、中間部材2C、後端下層部材5および後端サイド部材6A、6Bに各々通気孔を設けた構成を例にとったが、前端下層部材1、前端サイド部材2A、2B、中間部材2C、後端下層部材5および後端サイド部材6A、6Bを各々網目状プレート部材で構成するようにしてもよい。
【0093】
図15は、第2実施形態に係るベッドに適用される背ボトムの構成を分解して示す斜視図である。なお、この第2実施形態は、
図2の中間部材2Cを省略した。また、
図15の例では、背ボトムB11の通気孔を省略したが、
図2~
図4の背ボトムB1と同様に、背ボトムB11に通気孔を設けるようにしてもよい。
【0094】
図15において、背ボトムB11は、前端ボトムB11A、後端ボトムB11Bおよび屈曲部材B11Cを備える。
【0095】
前端ボトムB11Aは、前端下層部材51および前端上層部材52を備える。前端上層部材52は、前端サイド部材52A、52Bを備える。前端サイド部材52A、52Bは、前端下層部材51上で幅方向に並べて配置される。前端下層部材51および前端サイド部材52A、52Bは各々、矩形プレート状に構成することができる。前端サイド部材52A、52Bは、前端下層部材51上で幅方向および長さ方向に移動することで変位可能であるとともに、変位先で固定可能である。
【0096】
後端ボトムB11Bは、後端下層部材55および後端上層部材56を備える。後端上層部材56は、後端サイド部材56A、56Bを備える。後端サイド部材56A、56Bは、後端下層部材55上で幅方向に並べて配置される。後端下層部材55および後端サイド部材56A、56Bは各々、矩形プレート状に構成することができる。後端サイド部材56A、56Bは、後端下層部材55上で幅方向に移動することで変位可能であるとともに、変位先で固定可能である。
【0097】
ここで、前端サイド部材52A、52Bを前端下層部材51上で幅方向に沿って逆方向に出し入れするとともに、後端サイド部材56A、56Bを後端下層部材55上で幅方向に沿って逆方向に出し入れすることで背ボトムB11を幅方向に寸法変換することができる。また、各前端サイド部材52A、52Bを前端下層部材51上で長さ方向に沿って同方向に出し入れすることで背ボトムB11を長さ方向に寸法変換することができる。
【0098】
前端下層部材51は、貫通孔63A、63Bに挿入可能な突出部51A、51Bを備える。
【0099】
前端サイド部材52Aは、前端サイド部材52Aの幅方向および長さ方向の位置を切り替え可能な寸法切替部53Aを備える。寸法切替部53Aは、例えば、前端サイド部材52Aの対角位置に配置することができる。寸法切替部53Aは、例えば、3行に渡って配置された横長の3個の貫通孔63Aを備える。このとき、これらの貫通孔63Aの幅方向の長さは、前端サイド部材52Aの幅方向の変位幅を設定することができる。これらの貫通孔63Aの長さ方向の間隔は、前端サイド部材52Aの長さ方向の変位長を設定することができる。
【0100】
そして、背ボトムB11の幅および長さの調整位置に応じて、寸法切替部53Aの3個の貫通孔63Aのうちの1個の貫通孔を選択する。そして、その選択した1個の貫通孔に突出部51Aを挿入し、その貫通孔内での突出部51Aの幅方向の位置を調整した後、ネジなどで前端サイド部材52Aを前端下層部材51上に固定することができる。
【0101】
前端サイド部材52Bは、前端サイド部材52Bの幅方向および長さ方向の位置を切り替え可能な寸法切替部53Bを備える。寸法切替部53Bは、例えば、前端サイド部材52Bの対角位置に配置することができる。寸法切替部53Bは、例えば、3行に渡って配置された横長の3個の貫通孔63Bを備える。このとき、これらの貫通孔63Bの幅方向の長さは、前端サイド部材52Bの幅方向の変位幅を設定することができる。これらの貫通孔63Bの長さ方向の間隔は、前端サイド部材52Bの長さ方向の変位長を設定することができる。
【0102】
そして、背ボトムB11の幅および長さの調整位置に応じて、寸法切替部53Bの3個の貫通孔63Bのうちの1個の貫通孔を選択する。そして、その選択した1個の貫通孔に突出部51Bを挿入し、その貫通孔内での突出部51Bの幅方向の位置を調整した後、ネジなどで前端サイド部材52Bを前端下層部材51上に固定することができる。
【0103】
後端下層部材55は、貫通孔67A、67Bに挿入可能な突出部55A、55Bを備える。
【0104】
後端サイド部材56Aは、後端サイド部材56Aの幅方向の位置を切り替え可能な横長の貫通孔67Aを備える。貫通孔67Aは、例えば、後端サイド部材56Aの対角位置に配置することができる。この貫通孔67Aの幅方向の長さは、後端サイド部材56Aの幅方向の変位幅を設定することができる。
【0105】
そして、貫通孔67Aに突出部55Aを挿入し、背ボトムB11の幅の調整位置に応じて、その貫通孔67A内での突出部55Aの幅方向の位置を調整した後、ネジなどで後端サイド部材56Aを後端下層部材55上に固定することができる。
【0106】
後端サイド部材56Bは、後端サイド部材56Bの幅方向の位置を切り替え可能な横長の貫通孔67Bを備える。貫通孔67Bは、例えば、後端サイド部材56Bの対角位置に配置することができる。この貫通孔67Bの幅方向の長さは、後端サイド部材56Bの幅方向の変位幅を設定することができる。
【0107】
そして、貫通孔67Bに突出部55Bを挿入し、背ボトムB11の幅の調整位置に応じて、その貫通孔67B内での突出部55Bの幅方向の位置を調整した後、ネジなどで後端サイド部材56BAを後端下層部材55上に固定することができる。
【0108】
屈曲部材B11Cは、前端ボトムB11Aと後端ボトムB11Bを連結し、前端ボトムB11Aと後端ボトムB11Bとの連結位置で屈曲可能である。屈曲部材B11Cは、前端ボトムB11Aと後端ボトムB11Bとの間の屈曲位置を切替可能である。屈曲部材B11Cは、例えば、ヒンジ58A~58Cを備え、屈曲位置を4段階に切替可能である。
【0109】
屈曲位置固定部59A、59Bは、屈曲部材B11Cの屈曲位置を固定する。各屈曲位置固定部59A、59Bは、その中間位置で屈曲可能である。各屈曲位置固定部59A、59Bは、ヒンジ58A~58Cの端部に跨るように背ボトムB11の側端に装着することができる。このとき、屈曲位置固定部59A、59Bの屈曲位置をヒンジ58A~58Cの連結位置に合わせて背ボトムB1の側端に装着することで、屈曲位置を4段階に切り替えることができる。
【0110】
図16は、第3実施形態に係るベッドに適用される背ボトムのサイド部材の構成を示す平面図である。
図16において、背ボトムの上層部材は、サイド部材76A、76Bを備える。ここで、サイド部材76A、76B間で対向配置される側面77A、77Bは、折り曲げられている。側面77A、77Bの折り曲げ形状は、例えば、ジグザグ形状または波形状とすることができる。側面77A、77Bの折り曲げ形状は、直線で構成してもよいし、曲線で構成してもよいし、直線と曲線の組み合わせで構成してもよい。
【0111】
サイド部材76A、76Bの側面77A、77Bを折り曲げ形状とすることにより、背ボトムの幅を広げたときにサイド部材76A、76B間に隙間が発生した場合においても、その隙間にマットが沈み込むのを抑制することができ、ベッド上に横たわったユーザの違和感を低減することができる。
【0112】
このサイド部材76A、76Bの側面77A、77Bの構造は、
図2の背ボトムB1に適用してもよいし、
図15の背ボトムB11に適用してもよい。
【0113】
なお、
図16では、サイド部材76A、76B間の隙間にマットが沈み込むのを抑制するために、サイド部材76A、76Bの側面77A、77Bを折り曲げ形状とした構成を示したが、サイド部材76A、76Bと同一の厚さかつサイド部材76A、76B間の隙間と同一の幅のプレート部材をサイド部材76A、76B間の隙間に挿入するようにしてもよい。
【0114】
また、上述した実施形態では、第1層部材と第2層部材として、下層部材と上層部材をボトムに設け、下層部材上で上層部材を幅方向および長さ方向に移動可能とすることで、幅方向および長さ方向に寸法変換可能としたボトムを示したが、上層部材下で下層部材を幅方向および長さ方向に移動可能とすることで、幅方向および長さ方向に寸法変換可能とするようにしてもよい。
【0115】
また、上述した実施形態では、屈曲位置を切り替え可能な屈曲部材として、複数のヒンジの連結構造を用いた例を示したが、可撓性のシート状部材などを用いるようにしてもよい。
【0116】
また、上述した実施形態では、上層部材を下層部材に固定するために、ノブボルトを用いる方法について説明したが、上層部材を下層部材に固定するためのレバーを用いるようにしてもよい。あるいは、上層部材を下層部材に固定するための凹部と凸部を設け、それらの凹部と凸部を嵌め合わせることで上層部材を下層部材に固定するようにしてもよい。
【0117】
また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0118】
F フレーム、B1 背ボトム、B2 ひざ脚ボトム、B3 腰ボトム、B1A 前端ボトム、B1B 後端ボトム、B1C 屈曲部材、1 前端下層部材、2 前端上層部材、2A、2B 前端サイド部材、2C 中間部材、3A、3B、3C、7A、7B 寸法切替部、5 後端下層部材、6 後端上層部材、6A、6B 後端サイド部材、8A~8C ヒンジ、9A、9B 屈曲位置固定部、11A~11C、12A~12C、15A,15B、16A、16B 通気孔、13A~13C、17A、17B 貫通孔、N1A~N1C、N2A、N2B ノブボルト