(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 5/24 20060101AFI20240307BHJP
A47L 9/32 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
A47L5/24 A
A47L9/32 B
(21)【出願番号】P 2020066784
(22)【出願日】2020-04-02
【審査請求日】2022-08-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】河阪 雅之
(72)【発明者】
【氏名】榎本 美貴
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-176567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 5/24
A47L 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機を有する掃除機本体と、
前記掃除機本体の一方側に設けられる吸込口と、
前記掃除機本体から他方側に延びる形状
であって、前記電動送風機に近い側に一端を有し、前記電動送風機から遠い側に他端を有する把持部と、
バッテリーと、該バッテリーを係脱可能なバッテリーハウジングとを有するバッテリー部と、
前記バッテリー部と前記掃除機本体の間に介在する介在部とを有し、
前記バッテリー部が、前記把持部において前記掃除機本体から離間した位置
であって、前記把持部の前記他端に設けられ、
前記把持部は、前記介在部と繋がることで手指を挿入可能な開口部を形成し、
前記介在部は、前記掃除機本体の軸心を基準として、前記把持部とは反対側に位置し、
前記バッテリーハウジングは、前記掃除機本体の軸方向と鋭角を成すよう傾斜した嵌込底面を有する嵌込部を有し、
前記掃除機本体の一方側へのスライド操作によって、前記嵌込底面の傾斜に沿って前記嵌込部に対して前記バッテリーが離脱し、
前記掃除機本体の他方側へのスライド操作によって、前記嵌込底面の傾斜に沿って前記嵌込部に対して前記バッテリーが装着され、
前記把持部は、前記電動送風機及び前記バッテリーのそれぞれについて重心G1,G2とし、前記重心G1と前記重心G2とを通る第一仮想線としたとき、前記重心G1と前記重心G2の中間において前記第一仮想線に対して直交する第二仮想線上に把
持可能な中間位置が含まれるように形成されることを特徴とする、掃除機。
【請求項2】
前記把持部は、前記電動送風機及び前記バッテリーのそれぞれの重心G1,G2を通る第一仮想線に沿うように延びていることを特徴とする、請求項1に記載の掃除機。
【請求項3】
前記介在部の少なくとも一部は、前記掃除機本体を構成する筐体であることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されている電気掃除機のようなものが提供されている。下記特許文献1の電気掃除機は、掃除機本体に対して着脱可能な電池収納箱体を備えたものとされている。この電気掃除機において、電池収納箱体は、板体によって挟持される共に、係合溝と係止体が係合することで固定されている。また、この電気掃除機において、電池収納箱体は、板体から離れる下方向に電池収納箱体をスライドさせることで板体を撓ませたうえ、さらに電池収納箱体を後方に引き抜くことにより取り外し可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の電気掃除機は、掃除機本体に対して電池収納箱体を装着するものであり、重量物である電動送風機と電池収納箱体との距離が近くなる構造とされている。電気掃除機をこのような構成とした場合、例えば高い位置の掃除をするために吸込口を上向きにした姿勢にする等、掃除機の姿勢を変えようとするときに手首を無理に捻る等せねばならず、使用者にとって負担がかかる操作が必要となるという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、姿勢を変えるための操作を行いやすい、操作性に優れた掃除機の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく提供される本発明の実施形態における電気掃除機は、電動送風機を有する掃除機本体と、前記掃除機本体の一方側に設けられる吸込口と、前記掃除機本体から他方側に延びる形状の把持部と、バッテリーを有するバッテリー部と、を有し、前記バッテリー部が、前記把持部において前記掃除機本体から離間した位置に設けられることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の電気掃除機は、把持部において電気掃除機本体から離間した位置にバッテリーが設けられている。そのため、本発明の電気掃除機は、把持部を基準として一方側に掃除機本体、他方側にバッテリーを備えたものとされている。また、本発明の電気掃除機において、掃除機本体は電動送風機を有し、バッテリー部はバッテリーを有するため、それぞれ一定の重量を有する。そのため、本発明の電気掃除機は、把持部を把持した状態において、吸込口が上向きになるよう力を作用させれば、バッテリーの重量を利用して軽い力で姿勢を変えることができる。これとは逆に、本発明の電気掃除機は、把持部を把持した状態において、吸込口が下向きになるよう力を作用させれば、電動送風機の重量を利用して軽い力で姿勢を変えることができる。このように、本発明によれば、姿勢を変えるための操作を行いやすい、操作性に優れた掃除機を提供できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、掃除機の姿勢を変える操作を行いやすい、操作性に優れた掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
【
図2】
図1の電気掃除機の要部を拡大した側面図である。
【
図3】
図2に示した電気掃除機において、バッテリーを取り外した状態を示す側面図である。
【
図4】
図1の電気掃除機の要部を拡大した斜視図である。
【
図5】
図1の電気掃除機で用いられているバッテリーを示す斜視図である。
【
図6】
図1の電気掃除機を構成するバッテリーハウジングを示す斜視図である。
【
図7】(a)~(c)はそれぞれ変形例に係る電気掃除機を示す側面図である。
【
図8】変形例に係る把持部を備えた電気掃除機の要部拡大側面図である。
【
図9】(a)、(b)はそれぞれ、
図1の電気掃除機の筒部に例えば隙間のズル等のアタッチメントを着脱可能に取り付ける構成について説明するための説明図である。
【
図10】
図1の電気掃除機の吸込具本体と継手部との接続構造の一例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る電気掃除機1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、電気掃除機1の全体構成について概略を説明した後、主要部についてさらに詳細に説明する。なお、以下の説明においては、特に断りの無い限り上下方向、幅方向等の位置関係については、
図1に示すように電気掃除機1を立設させた状態を基準として説明する。
【0011】
≪電気掃除機1の全体構成について≫
【0012】
図1に示すように、電気掃除機1は、スティック状(縦型)の外観を有する掃除機である。電気掃除機1は、充電式のものとされている。
図1に示すように、電気掃除機1は、掃除機本体10、管部30、吸込具40、把持部50、及びバッテリー部70を備えている。
【0013】
掃除機本体10は、電気掃除機1の本体をなし、吸引力を発揮して集塵する機能を発揮する部分である。掃除機本体10は、後に詳述するように、筐体をなす本体ケース12を有し、その内部に、空気を吸引して気流を発生させるための電動送風機14や集塵部16を備えている。また、掃除機本体10は、本体ケース12の先端側に、吸込口18を有する。
【0014】
電動送風機14は、例えば、モータ及びファンを一体化したファンモータ等によって構成される。電動送風機14は、モータへの通電により、ファンを駆動させ、気流を発生させることができる。電動送風機14は、吸込口18から本体ケース12の内側に向かう方向に気流を発生可能なように配置されている。
【0015】
集塵部16は、電動送風機14に対して吸込口18側の位置に設けられている。そのため、電動送風機14を作動させることにより吸引された塵埃を、吸込口18を介して集塵部16に集めることができる。集塵部16は、例えば、塵埃が流入可能な中空の空間である所謂サイクロン式としたり、塵埃を集めるための容器や紙パック等を出し入れ可能なように収容可能なものとしたりすると良い。
【0016】
吸込口18は、本体ケース12の端部に設けられた開口部分である。吸込口18は、電動送風機14を作動させることにより吸引された塵埃を本体ケース12の内部に取り込むためのものである。吸込口18は、管部30を適宜着脱可能なものとされている。そのため、電気掃除機1は、吸込口18を介して直接塵埃を吸い込む形態や、管部30を吸込口18に差し込んだ状態として、管部30及び吸込口18を介して塵埃を吸い込む形態で使用することができる。
【0017】
管部30は、掃除機本体10と吸込具40とを着脱可能に接続する筒状の部材である。管部30は、一端側が上述した吸込口18に接続可能な形状とされ、他端が吸込具40に対して接続可能な形状とされている。管部30を介して掃除機本体10と吸込具40とを接続することにより、吸込具40から掃除機本体10に至る一連の連通した経路を形成できる。また、
図9に示すように、管部30にはアタッチメント式の隙間ノズル32が着脱可能である。具体的に、管部30が着脱可能に挿入される筒状のパイプ保持部34に、隙間ノズル32が着脱可能に挿入される略矩形状のノズル保持部36が連結されている。また、パイプ保持部34は、ノズル保持部36側に張り出す部分に筒軸に沿ったスリット34aを有することで、パイプ保持部34に弾発力を持たせている。
【0018】
吸込具40は、吸込具本体42と、継手部44とを備えている。吸込具本体42は、清掃時に床に配置される部分であり、清掃時にユーザにより動作される方向である前後方向に対して、左右方向に長い形状を有する。吸込具本体42の内部には、床面側を開口端とし、外部から空気や塵埃を吸い込むための吸込空間が形成されている。また、継手部44は、吸込具本体42に対して所定の回転範囲(前後方向及び左右方向)で回転可能に取り付けられている。継手部44は、上述した管部30の端部が接続される部分である。継手部44は、筒状とされており、内部空間が吸込空間と連通している。なお、継手部44は、左右方向に回動する第1パイプと、第1パイプに接続され、第1パイプに対して前後方向に回動する第2パイプとで構成されていてもよいし、球状の自在継手を有する構成であってもよい。また、
図10に示すように、吸込具本体42が上下カバー46,48によって構成され、上カバー46の縁が切り欠かれた切欠部46aに、継手部44に設けられた突起44aが嵌ることで、継手部44の左右方向の回動が規制される。
【0019】
把持部50は、電気掃除機1の使用者が掃除機本体10を把持するために設けられた部分である。把持部50は、使用者が把持可能な形状であれば適宜の形状とすることができる。例えば、
図1に示した例では、把持部50は、後述の介在部60との組み合わせによって形成された開口部分に使用者が親指を除く指を通す等することにより、掃除機本体10を把持できる構成とされている。
【0020】
バッテリー部70は、電気掃除機1において電力供給のために設けられた部分である。バッテリー部70は、例えば、リチウムイオン二次電池や、ニッケル水素二次電池、鉛蓄電池等の電池セルを内蔵したバッテリー72を有する。バッテリー部70は、上述した電動送風機14に対して電力供給可能なように電気的に接続されている。
【0021】
電気掃除機1は、大略、上述したような構成とされている。電気掃除機1は、把持部50や介在部60、バッテリー部70等の各部にさらに特徴的な構成を備えたものとされている。以下、これらの特徴的構成について、さらに詳細に説明する。
【0022】
≪把持部50について≫
図1~
図3に示すように、把持部50は、掃除機本体10において吸込口18が設けられたのとは反対側(後方側)に向けて延びる形状とされている。把持部50は、電動送風機14に近い側に一端を有し、電動送風機14から遠い側に他端を有する形状とされている。把持部50は、手で握ることができる程度の太さとされている。
【0023】
把持部50は、電動送風機14及びバッテリー部70との関係を考慮して配置及び形状が定められている。具体的には、
図2に示すように、電動送風機14及びバッテリー部70のそれぞれの重心をG1,G2とし、これらの重心G1,G2を通る仮想線を第一仮想線L1と規定したとき、重心G1,G2の中間において第一仮想線L1と直交する第二仮想線L2上に、把持部50において把持可能な位置(把持可能位置)が含まれるように形成されている。
【0024】
把持部50の中途、すなわち上述した電動送風機14及びバッテリー部70のそれぞれの重心G1,G2の中間には、電動送風機14側の重量、及びバッテリー部70側の重量の重量比に応じて、重量バランスが取れる部分がある。そのため、上述したように、重心G1,G2の間において第一仮想線L1と直交する第二仮想線L2上に把持可能な位置を有するように把持部50を設ければ、把持部50を把持した状態において、吸込口18が上を向くように電気掃除機1を傾けたり、吸込口18が下を向くように電気掃除機1を傾けたりする操作がしやすくなる(手返しが良くなる)。
【0025】
すなわち、把持部50を上述したような配置とすれば、把持部50の中間であって、電動送風機14側の重量、及びバッテリー部70側の重量のバランスが取れる位置を把持した状態においては、重量バランスが崩れる程度に軽い力を作用させるだけで、電気掃除機1の姿勢を変えることができる。また、把持部50において、電動送風機14側の重量、及びバッテリー部70側の重量のバランスが取れる位置から外れた位置を持つことによっても、自然と電動送風機14側が下を向くように傾いた状態で把持したり、バッテリー部70側が下を向くように傾いた姿勢で把持したりすることができる。
【0026】
また、把持部50は、第一仮想線L1から離れた位置において、第一仮想線L1に沿う方向に延びるように形成されている。そのため、把持部50に沿って手を動かし、把持部50を掴む位置を調整することにより、電動送風機14側の重量、及びバッテリー部70側の重量のバランスが取れる位置を把持したり、電動送風機14側あるいはバッテリー部70側に重量バランスが偏った位置を把持したりする調整が容易に行える。そのため、使用者が希望する電気掃除機1の姿勢に応じて、把持部50を把持する位置が適切な位置になるように、スムーズに把持位置を変更することができる。
【0027】
また、把持部50は、
図8に示すように、エラストマー樹脂製のカバーを有し、このカバーは開口部62を囲む内周のうち上面に配される。また、把持部50は、長手方向の中間に開口部62に向けて膨出した膨出部54を設けると良い。また、膨出部54は、例えば、把持部50自身が膨出部54を有するように成形したり、膨出部54をなす別部材を把持部50に対して装着したりすることによって設けることができる。
図8に示す例においては、膨出部54は、例えばエラストマーや樹脂等の素材によって構成され、把持部50に取り付けられるカバー56の一部として構成されている。膨出部54は、把持部50を持つ使用者が指を掛けるのに適した大きさや位置に設けることにより、把持部50のフィット感を向上させることができる。また、膨出部54は、上述した電動送風機14側の重量、及びバッテリー部70側の重量のバランスが取れる位置(バランス位置)に設けることにより、バランス位置において把持部50を把持するように使用者の把持位置を誘導することができる。これにより、使用者が特に意識しなくても、把持部50の操作を行う上で適切な位置を把持できるようになる。
【0028】
≪介在部60について≫
図2~
図4等に示すように、介在部60は、把持部50とは別に、掃除機本体10の端部から延びるように形成された部分である。介在部60は、後述のように把持部50に設けられたバッテリー部70と掃除機本体10との間に介在している部分である。介在部60は、その少なくとも一部(本実施形態では全部)が、掃除機本体10を構成するものとされている。
【0029】
介在部60は、把持部50と同様に、掃除機本体10において吸込口18が設けられたのとは反対側(後方側)に向けて延びる形状とされている。介在部60は、把持部50と同様の太さとされている。介在部60は、電気掃除機1の正面側にある把持部50に対し、電気掃除機1の軸心位置を介して反対側(背面側)にある。また、介在部60は、把持部50と略並行に延びるように形成されている。介在部60は、把持部50との組み合わせにより、電気掃除機1を側面視した状態において環状に繋がり、手指を挿入可能な開口部62を形成している。
【0030】
電気掃除機1は、上述したような介在部60を設けたものであるため、バッテリー部70におけるバッテリー72の着脱操作や、使用者が把持部50を持って掃除を行うなどして把持部50やバッテリー部70に作用する応力を掃除機本体10側に逃がして緩和することができる。また、把持部50及び介在部60が環状に繋がるように形成されるため、把持部50の操作等による応力が一箇所に集中するのを抑制し、局所的に無理な力が作用するのを抑制できる。
【0031】
≪バッテリー部70について≫
図1~
図4に示すように、バッテリー部70は、上述した把持部50において掃除機本体10から離間した位置に設けられている。バッテリー部70は、掃除機本体10に繋がる把持部50の一端側とは反対側(他端側)の位置に設けられている。バッテリー部70は、バッテリー72、バッテリーハウジング74、及びスライド構造76(
図4等参照)を有する。
【0032】
図5に示すように、バッテリー72は、ケーシング78の内部にリチウムイオン二次電池や、ニッケル水素二次電池、鉛蓄電池等の電池セルを収容したものである。バッテリー72は、電気掃除機1の専用品であっても良いが、例えば、電動工具等の他の機器類と共用可能とされたものとすると良い。バッテリー72は、把持部50側に固定されたバッテリーハウジング74に対して装着した状態において、把持可能なように露出する。
【0033】
ケーシング78は、略直方体状の外観形状を有するものとされている。ケーシング78は、前面78a、後面78b、側面78c,78d、表面78e、及び裏面78fを有する。
図4に示すように、前面78aは、バッテリーハウジング74にバッテリー72を装着した状態において、掃除機本体10側を向く面である。後面78bは、前面78aと反対側にある面である。側面78c,78dは、ケーシング78の側方において前面78aと後面78bとを繋ぐ面である。また、表面78eは、バッテリーハウジング74にバッテリー72を装着した状態において、バッテリーハウジング74側を向く面である。裏面78fは、表面78eとは反対側の面である。ケーシング78は、中空とされており、この内部に上述した電池セルを収容している。ケーシング78は、使用者が片手で把持可能な程度の大きさとされている。具体的には、ケーシング78は、側面78c,78dの一方側に親指、他方側に他の一又は複数の指をあてがって把持することができる程度の大きさとされている。
【0034】
図5に示すように、バッテリー72は、操作部80と、係合部82とを備えている。操作部80は、バッテリーハウジング74に対するバッテリー72の係合を解除する係合解除操作を行うための部分である。操作部80は、係合解除操作を行えるものであれば適宜の構成とすることができる。本実施形態では、操作部80は、押圧部84を備えたものとされている。
【0035】
押圧部84は、バッテリー72のケーシング78において、前面78a側の位置に設けられている。これにより、押圧部84は、バッテリー72をバッテリーハウジング74から離脱させるときの離脱方向の先頭側に位置するように設けられている。また、押圧部84は、例えば、ケーシング78の側面78c,78dの一方側に親指、他方側に他の一又は複数の指をあてがってケーシング78を把持した状態において、把持した手の人差し指や中指を掛けることができる位置に配置されている。そのため、バッテリー72は、片手でケーシング78を把持しつつ押圧部84を操作することができる。
【0036】
押圧部84は、ケーシング78の内部に設けられたバネ等の付勢部材によって後面78b側から前面78a側に向けて付勢されている。押圧部84は、付勢部材による付勢力に反して、前面78a側から後面78b側に向けて押圧して操作可能なものとされている。また、押圧部84は、押圧力を解除することにより、付勢部材による付勢力によって元の位置に復元可能とされている。
【0037】
係合部82は、後に詳述するバッテリーハウジング74側に設けられた被係合部88と係合するものである。係合部82は、被係合部88との組み合わせにより、バッテリー72をバッテリーハウジング74に係合させて固定するためのものである。係合部82は、ケーシング78の表面78e側において、ケーシング78の外部に突出するように設けられている。係合部82は、ケーシング78の内部に設けられた動作機構(図示せず)を介して押圧部84に対して動力伝達可能なように接続されている。これにより、係合部82は、ケーシング78の表面78e側において、押圧部84の押圧操作に連動して作動(本実施形態では摺動)可能とされている。
【0038】
バッテリーハウジング74は、バッテリー72を係脱可能なハウジングである。バッテリーハウジング74は、電気掃除機1の軸方向に対して鋭角の角度をなすように傾斜している。バッテリーハウジング74は、バッテリー72の表面78e側の部分を嵌め込み可能な形状に窪んだ嵌込部86を有する。
図6に示すように、嵌込部86は、バッテリー72を嵌め込んだ状態においてケーシング78の前面78a側となる部分において開放された開放部86aを有する。また、嵌込部86には、バッテリー72を取り付けた状態において、ケーシング78の表面78eに臨む嵌込底面86bを有する。また、嵌込部86には、バッテリー72を嵌め込んだ状態において、側面78c,78dに臨むように側壁86c,86dが立設されている。
【0039】
また、バッテリーハウジング74は、バッテリー72の係合部82が係合可能な被係合部88を有する。被係合部88は、嵌込部86にバッテリー72を嵌め込んだ状態において、バッテリー72の係合部82が到来する位置に、係合部82が係合可能なように窪んだものとされている。
【0040】
スライド構造76は、バッテリーハウジング74へのバッテリー72の着脱に際し、バッテリーハウジング74に対してバッテリー72をスライドさせる操作(スライド操作)を可能とする構造部である。スライド構造76は、バッテリーハウジング74に対するバッテリー72を許容する構造であれば適宜のものを採用できるが、本実施形態では凸部90(
図6参照)、及び溝部92(
図5参照)の組み合わせによって構成されている。凸部90及び溝部92は、それぞれバッテリー72及びバッテリーハウジング74のいずれか一方又は双方に設けることができる。本実施形態では、凸部90をバッテリーハウジング74側に設け、溝部92をバッテリー72側に設けている。具体的には、バッテリー72は、ケーシング78の側面78c,78dに、ケーシング78の側方において窪んだ形状となるように形成された溝部92,92を有する。また、バッテリーハウジング74の嵌込部86には、凸部90,90が設けられている。
【0041】
凸部90,90は、それぞれ嵌込部86の幅方向両側の側壁86c,86dから、嵌込部86の内側に向かう方向に突出している。凸部90,90は、それぞれフランジ状に形成されている。また、凸部90,90は、それぞれ嵌込底面86bに対して所定の間隔を介して略平行となるように形成されている。
【0042】
溝部92は、嵌込部86の嵌込底面86b側にケーシング78の表面78eが向く姿勢として、バッテリー72を嵌込部86の開放部86aから差し込む際に、バッテリーハウジング74側の凸部90,90が進入可能な位置に設けられている。溝部92,92は、嵌込部86の開放部86aから被係合部88側まで略直線的に延びている。そのため、バッテリー72を嵌込部86の開放部86aから差し込んだり、バッテリー72を嵌込部86から抜き出したりする際に、バッテリー72のケーシング78が、凸部90,90及び溝部92,92に案内される。
【0043】
バッテリー部70は、係合部82及び被係合部88の係合が解除された状態(係合解除状態)において、バッテリー72を前方側(掃除機本体10側)に向けてスライドさせるスライド操作を行うことにより、バッテリー72をバッテリーハウジング74から離脱させることができる。これとは逆に、バッテリー72をバッテリーハウジング74に取り付ける際には、嵌込部86に装着されたバッテリー72を嵌込底面86bの傾斜に沿ってバッテリーハウジング74に対して後方側(掃除機本体10とは反対側)にスライドさせる。バッテリー72側に設けられた係合部82が、バッテリーハウジング74側に設けられた被係合部88に到達するまでバッテリー72をバッテリーハウジング74に対してスライドさせると、係合部82及び被係合部88が係合する。これにより、バッテリー72がバッテリーハウジング74に対して固定された状態になる。
【0044】
バッテリー部70は、上述したような構成とされているため、バッテリー72の着脱操作を行いやすい。具体的には、バッテリーハウジング74からバッテリー72を取り外す際には、バッテリー72のケーシング78において、例えば一方側の側面78cに親指、他方側に側面78d他の一又は複数の指(小指や薬指等)をあてがってケーシング78を把持した状態において、把持した手の人差し指や中指を操作部80である押圧部84に掛けた状態とする。この状態において押圧部84を電気掃除機1の後端側(吸込口18とは反対側)に向けて押し込むと共に、
図3において矢印Aで示すように、バッテリー72を把持した手を電気掃除機1の前端側(吸込口18側)に向けてスライドさせる。これにより、バッテリー72は、スライド構造76によって案内されてバッテリーハウジング74に対して電気掃除機1の前端側にスライドし、やがてバッテリーハウジング74から離脱した状態になる。
【0045】
一方、バッテリー72の取り付け時には、バッテリー72のケーシング78において、例えば一方側の側面78cに親指、他方側に側面78d他の一又は複数の指(小指や薬指等)をあてがってケーシング78を把持した状態にする。この状態において、
図3において矢印Bで示すように、バッテリーハウジング74に設けられた嵌込部86に対し、開放部86aから進入するようにバッテリー72をスライドさせる。バッテリー72は、スライド構造76をなす凸部90,90及び溝部92,92により案内されてスライドする。係合部82が被係合部88に到達する位置までバッテリー72をスライドさせると、係合部82及び被係合部88が係合した状態になり、バッテリー72がバッテリーハウジング74に対して固定された状態になる。
【0046】
また、上述したバッテリー部70においては、バッテリー72の着脱に際し、バッテリーハウジング74の傾斜に沿ってバッテリー72がスライドする。バッテリーハウジング74は、電気掃除機1の軸線に対して鋭角の角度をなすように傾斜している。そのため、バッテリー72の着脱に際し、バッテリー72や使用者の手などが、掃除機本体10等の他部材に干渉するのを抑制できる。
【0047】
≪変形例≫
上述した電気掃除機1は、本発明の一実施形態を示したものに過ぎず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得る。以下、電気掃除機1の変形例について説明する。
【0048】
上述した電気掃除機1は、介在部60を備えたものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、介在部60を設けない構成としても良い。また、上記実施形態において、介在部60は、掃除機本体10を構成する筐体によって構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、介在部60は、少なくとも一部が掃除機本体10を構成する筐体であるものとすると良い。具体的には、掃除機本体10を構成する筐体で構成される部分と、別途設けられた別部材とを接続して介在部60として機能させるものとしても良い。また、介在部60は、全体が掃除機本体10とは別部材によって構成されるものでも良い。
【0049】
また、上述した電気掃除機1は、バッテリー72のバッテリーハウジング74に対する係合を解除する係合解除操作を行うための操作部80を、バッテリー72の離脱方向の先頭側(電気掃除機1の先端側)に設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図7(a)に示すように、電気掃除機1は、バッテリー72の離脱方向の後端側(電気掃除機1の後端側)に設けた構成としても良い。
【0050】
上述した電気掃除機1は、バッテリー72をバッテリーハウジング74に対して掃除機本体10側(電気掃除機1の先端側)に向けてスライドさせて取り外し可能なものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図7(a)や
図7(b)において矢印C,Dで示すように、バッテリー72をバッテリーハウジング74に対して掃除機本体10から離れる方向(電気掃除機1の後端側)に向けてスライドさせて取り外し可能なものとしても良い。
【0051】
また、上述した電気掃除機1は、背面側にバッテリー部70を配置したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図7(b)や
図7(c)に示す例のように、電気掃除機1の正面側にバッテリー部70を配置した構成としても良い。バッテリー部70を正面側に配置する場合についても、バッテリー72の取り外し方向は適宜変更可能である。すなわち、
図7(b)において矢印Dで示すように、バッテリー72は、電気掃除機1の正面側において、バッテリーハウジング74に対して掃除機本体10から離れる方向(電気掃除機1の後端側)に向けてスライドさせて取り外し可能なものとしても良い。また、
図7(c)において矢印Eで示すように、バッテリー72は、電気掃除機1の正面側において、バッテリーハウジング74に対して掃除機本体10に近づく方向(電気掃除機1の先端側)に向けてスライドさせて取り外し可能なものとしても良い。
【0052】
上述した電気掃除機1は、バッテリー72をバッテリーハウジング74から離脱させる際の離脱方向と、掃除機本体10の軸方向とが成す角度を鋭角としたものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、電気掃除機1は、バッテリー72をバッテリーハウジング74から離脱させる際の離脱方向と、掃除機本体10の軸方向とが略並行になるもの等としても良い。
【0053】
上述した電気掃除機1は、バッテリーハウジング74に対してバッテリー72をスライド操作可能とするためのスライド構造76を設けたものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電気掃除機1は、スライド構造76を備えていないものや、スライド構造76の構成を上述したものとは異なるものとしても良い。具体的には、上述したスライド構造76は、バッテリー72側に凸部90、バッテリーハウジング74側に溝部92を設けた構成としたが、例えば、バッテリー72側に溝部92、バッテリーハウジング74側に凸部90を設けた構成とする等しても良い。また、スライド構造76は、凸部90と溝部92との組み合わせ以外のものによって構成されても良い。
【0054】
上述した電気掃除機1は、バッテリー72が、把持可能なように露出したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。電気掃除機1は、例えば、バッテリー72の全てがバッテリーハウジング74内に収容されるもの等であっても良い。また、上述した電気掃除機1は、バッテリー72を把持した手の指が掛かる位置に操作部80を配置したものを例示したが、本発明はこれに限定されず、バッテリー72の他の箇所に操作部80を設けても良い。
【0055】
また、電気掃除機1は、操作部80及びこれに連動する係合部82をバッテリー72に設けるのではなく、バッテリーハウジング74に設けると共に、被係合部88をバッテリー72側に設けた構成としても良い。かかる構成とした場合でも、上述したのと同様に、バッテリー72の着脱操作を容易に行える。
【0056】
上述した電気掃除機1は、従来技術における各種課題を解決するための手段として、以下のような構成により効果を発揮するものとされている。
【0057】
(1-1)電気掃除機1は、電動送風機14を有する掃除機本体10と、掃除機本体10の一方側に設けられる吸込口18と、掃除機本体10から他方側に延びる形状の把持部50と、バッテリー72を有するバッテリー部70と、を有し、バッテリー部70が、把持部50において掃除機本体10から離間した位置に設けられることを特徴とするものである。
【0058】
上述した電気掃除機1は、把持部50において掃除機本体10から離間した位置にバッテリー部70が設けられている。そのため、上述した電気掃除機1は、把持部50を基準として一方側に掃除機本体10、他方側にバッテリー部70を備えたものとされている。また、電気掃除機1において、掃除機本体10は電動送風機14を有し、バッテリー部70はバッテリー72を有するため、それぞれ一定の重量を有する。そのため、電気掃除機1は、把持部50を把持した状態において、上向きに軽く力を作用させれば、バッテリー部70の重量を利用して吸込口18が上向きになるように姿勢を変えることができる。これとは逆に、電気掃除機1は、把持部50を把持した状態において、下向きに軽く力を作用させれば、電動送風機14の重量を利用して吸込口18が下向きになるように姿勢を変えることができる。このように、電気掃除機1によれば、姿勢を変える操作(手返し操作)の操作性を向上させることができる。
【0059】
(1-2)電気掃除機1は、バッテリー部70と掃除機本体10の間に介在する介在部60を備えることを特徴とするものであると良い。
【0060】
かかる構成によれば、使用に際し応力が作用する把持部50及びバッテリー部70における安定性や強度の向上を図ることができる。
【0061】
(1-3)電気掃除機1は、把持部50が、電動送風機14及びバッテリー72のそれぞれの重心G1,G2とし、重心G1,G2を通る第一仮想線L1としたとき、重心G1,G2の間で第一仮想線L1に対して直交する第二仮想線L2上に把持可能な位置が含まれるように形成されていることを特徴とするものであると良い。
【0062】
かかる構成によれば、上述した手返し操作の操作性を向上させることができる。具体的には、上述した電気掃除機1は、重心をG1,G2の間において、電動送風機14側の重量、及びバッテリー部70側の重量の重量比に応じて、重量バランスが取れる部分が含まれるように把持部50が設けられている。そのため、把持部50を把持した状態において、吸込口18が上を向くように電気掃除機1を傾けたり、吸込口18が下を向くように電気掃除機1を傾けたりする操作(手返し操作)がしやすくなる。
【0063】
(1-4)電気掃除機1は、把持部50は、電動送風機14及びバッテリー72のそれぞれの重心を通る第一仮想線L1に沿うように延びていることを特徴とするものであると良い。
【0064】
かかる構成によれば、使用者が把持部50に沿って手を動かし、把持部50を掴む位置を調整することにより、電動送風機14側の重量、及びバッテリー部70側の重量のバランスが取れる位置を把持したり、電動送風機14側あるいはバッテリー部70側に重量バランスが偏った位置を把持したりする調整が容易に行える。そのため、電気掃除機1は、使用者が希望する電気掃除機1の姿勢に応じて、把持部50を把持する位置が適切な位置になるように、スムーズに把持位置を変更することができる。
【0065】
(1-5)電気掃除機1は、把持部50が、電動送風機14に近い側に一端を有し、電動送風機14から遠い側に他端を有するものであり、バッテリー部70は、把持部50の他端側に設けられることを特徴とするものであると良い。
【0066】
かかる構成によれば、電動送風機14とバッテリー部70との間において、重量バランスが適切な位置において把持部50を把持することができる。従って、上述した電気掃除機1は、手返し操作がしやすい。
【0067】
(1-6)電気掃除機1は、バッテリー部70と掃除機本体10の間に介在する介在部60を有し、介在部60の少なくとも一部は、掃除機本体10を構成する筐体であることを特徴とするものであると良い。
【0068】
かかる構成によれば、把持部50の把持やバッテリー部70におけるバッテリー72の着脱に際して作用する応力を掃除機本体10側に分散させ、把持部50やバッテリー部70に対して作用する負荷を低減することができる。
【0069】
ここで、上記特許文献1の電気掃除機のように、従来技術の電気掃除機は、掃除機本体に対して電池収納箱体(バッテリー)を装着したり、取り外したりする作業がしにくいものとされている。具体的には、上記特許文献1の電気掃除機において、電池収納箱体を取り外す際には、先ず板体から離れる下方向に電池収納箱体をスライドさせることによって板体を撓ませ、板体の撓みを維持した状態で電池収納箱体を後方に引き抜く必要がある。また、上記特許文献1の電気掃除機において電池収納箱体を取り付ける際には、取り外し時と逆の操作を行う必要がある。このように、上記特許文献1の電気掃除機をはじめとする従来技術の電気掃除機では、バッテリーの着脱がしにくい、極めて操作性の悪い構造とされている。かかる課題を解決すべく、上述した電気掃除機1は、以下のような構成とされている。
【0070】
(2-1)電気掃除機1は、電動送風機14を有する掃除機本体10と、掃除機本体10の一方側に設けられる吸込口18と、掃除機本体10の他方側に設けられる把持部50と、バッテリー72、及びバッテリー72を係脱可能なバッテリーハウジング74とを有するバッテリー部70と、を備え、バッテリー72が、バッテリーハウジング74に対する係合を解除する係合解除操作を行うための操作部80を備え、係合解除状態においてバッテリーハウジング74に対してスライド操作をすることによりバッテリーハウジング74から離脱可能なものであり、操作部80が、バッテリー72において、バッテリーハウジング74に対する離脱方向の先頭側に位置することを特徴とするものである。
【0071】
かかる構成とされているため、上述した電気掃除機1は、バッテリー72の着脱操作を行いやすい。具体的には、上述した構成とした場合、バッテリーハウジング74からバッテリー72を取り外す際には、バッテリー72を把持した状態において、把持した手の指を操作部80に掛けて操作すると共に、バッテリーハウジング74に対してバッテリー72をスライドさせて取り外すことができる。また、バッテリー72の取り付けについても、取り外し時とは逆の操作を行うだけで良い。従って、上述した電気掃除機1は、バッテリー72の着脱操作を容易に行うことができる。
【0072】
(2-2)電気掃除機1は、電動送風機14を有する掃除機本体10と、掃除機本体10の一方側に設けられる吸込口18と、掃除機本体10の他方側に設けられる把持部50と、バッテリー72、及びバッテリー72を係脱可能なバッテリーハウジング74とを有するバッテリー部70と、を備え、バッテリー72が、バッテリーハウジング74に対してスライド操作をすることによりバッテリーハウジング74から離脱可能なものであり、バッテリーハウジング74に対するバッテリー72の離脱方向と掃除機本体10の軸方向とが成す角度が、鋭角であることを特徴とするものであると良い。
【0073】
かかる構成によれば、バッテリー72の着脱に際し、バッテリー72や使用者の手などが、掃除機本体10等の他部材に干渉するのを抑制できる。
【0074】
(2-3)電気掃除機1は、バッテリーハウジング74に対してバッテリー72をスライド操作可能とするスライド構造76を備えており、スライド構造76が、バッテリーハウジング74及びバッテリー72のいずれか一方又は双方に設けられた凸部90と、バッテリーハウジング74及びバッテリー72のいずれか一方又は双方に設けられ、凸部90を摺動可能に案内する溝部92と、を有するものであると良い。
【0075】
かかる構成によれば、バッテリーハウジング74に対するバッテリー72のスライド操作をスムーズかつ安定的に行うことができる。
【0076】
(2-4)電気掃除機1は、バッテリー72が、把持可能なように露出しつつ、把持した手の指が掛かる位置に操作部80が配置されたものであることを特徴とする、ものであると良い。
【0077】
かかる構成によれば、操作者が片手でバッテリー72を把持しつつ、操作部80の操作を行うことができる。そのため、上述した構成によれば、バッテリー72の着脱操作を容易に行うことができる。
【0078】
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、電気掃除機全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0080】
1 :電気掃除機
10 :掃除機本体
14 :電動送風機
18 :吸込口
50 :把持部
60 :介在部
70 :バッテリー部
72 :バッテリー
74 :バッテリーハウジング
76 :スライド構造
80 :操作部
90 :凸部
92 :溝部
G1 :重心
G2 :重心
L1 :第一仮想線
L2 :第二仮想線