(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】中継装置、通信方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20240307BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240307BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
H04L67/00
H04M11/00 301
H04Q9/00 311J
(21)【出願番号】P 2021060418
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2023-08-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500112146
【氏名又は名称】サイレックス・テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】縣 俊成
(72)【発明者】
【氏名】岩本 貴之
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-189138(JP,A)
【文献】木下 雄介,MESの世界が変わる -OPC-UAが誕生する背景,計装 Vol.48 No.12,日本,(有)工業技術社,2005年12月01日,第48巻,P.80-83
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
H04M 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械、および、複数のクライアント装置の各々と通信する中継装置であって、
前記機械がアラーム状態である場合に、前記機械からアラーム信号を取得する第1の取得部と、
前記第1の取得部が前記アラーム信号を取得した場合に、前記機械がアラーム状態である旨を示すアラーム情報を記憶するアラーム情報記憶部と、
前記アラーム情報記憶部が前記アラーム情報を記憶している場合に、前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、当該クライアント装置と、当該クライアント装置に前記機械がアラーム状態である旨の通知を行ったか否かを示す通知有無情報とを対応付けて管理する管理部と、
前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、当該クライアント装置に対応付けられた通知有無情報に基づいて、当該クライアント装置に前記通知を行うか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定に基づいて、前記複数のクライアント装置に前記通知を行う通知部と、を備え
、
前記通知部は、前記複数のクライアント装置に前記通知を行った後に、新たなクライアント装置が前記中継装置に接続される場合に、当該新たなクライアント装置に前記通知を行う
中継装置。
【請求項2】
さらに、前記複数のクライアント装置から通知要求を取得する第2の取得部を備え、
前記通知部は、前記第2の取得部が、前記複数のクライアント装置のうちの1のクライアント装置から前記通知要求を取得した場合に、当該通知要求への応答として、当該1のクライアント装置へ前記通知を行う
請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記第1の取得部は、前記アラーム信号の取得の試みを繰り返し行い、
前記アラーム情報記憶部は、前記アラーム情報を記憶している場合において、前記
第1の取得部が前記アラーム信号の取得の試みにおいて前記アラーム信号を取得しなかったときに、前記アラーム情報の記憶を解除する
請求項1または請求項2に記載の中継装置。
【請求項4】
前記管理部は、さらに、前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、アラームの種類ごとに、当該クライアント装置と前記通知有無情報とを対応付けて管理する
請求項1~3のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項5】
アラーム情報記憶部を備え、機械、および、複数のクライアント装置の各々と通信する中継装置が行う通信方法であって、
前記機械がアラーム状態である場合に、前記機械から、前記機械がアラーム状態である旨を示すアラーム信号を取得する取得ステップと、
前記機械がアラーム状態である旨を示すアラーム情報を前記アラーム情報記憶部に記憶させるアラーム情報記憶ステップと、
前記アラーム情報記憶部が前記アラーム情報を記憶している場合に、前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、当該クライアント装置と、当該クライアント装置に前記機械がアラーム状態である旨の通知を行ったか否かを示す通知有無情報とを対応付けて管理する管理ステップと、
前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、当該クライアント装置に対応付けられた通知有無情報に基づいて、当該クライアント装置に前記通知を行うか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定に基づいて、前記複数のクライアント装置に前記通知を所定のプロトコルで行う
第1の通知ステップと、
前記第1の通知ステップにおいて、前記複数のクライアント装置に前記通知を行った後に、新たなクライアント装置が前記中継装置に接続される場合に、当該新たなクライアント装置に前記通知を行う第2の通知ステップと、を含む
通信方法。
【請求項6】
アラーム情報記憶部を備え、機械、および、複数のクライアント装置の各々と通信する中継装置に通信処理を実行させるためのプログラムであって、
前記通信処理は、
前記機械がアラーム状態である場合に、前記機械から、前記機械がアラーム状態である旨を示すアラーム信号を取得する取得ステップと、
前記機械がアラーム状態である旨を示すアラーム情報を前記アラーム情報記憶部に記憶させるアラーム情報記憶ステップと、
前記アラーム情報記憶部が前記アラーム情報を記憶している場合に、前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、当該クライアント装置と、当該クライアント装置に前記機械がアラーム状態である旨の通知を行ったか否かを示す通知有無情報とを対応付けて管理する管理ステップと、
前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、当該クライアント装置に対応付けられた通知有無情報に基づいて、当該クライアント装置に前記通知を行うか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定に基づいて、前記複数のクライアント装置に前記通知を所定のプロトコルで行う
第1の通知ステップと、
前記第1の通知ステップにおいて、前記複数のクライアント装置に前記通知を行った後に、新たなクライアント装置が前記中継装置に接続される場合に、当該新たなクライアント装置に前記通知を行う第2の通知ステップと、を含む
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継装置、通信方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機械、および、複数のクライアント装置の各々とOPCUA(OPC Unified Architecture)規格に基づき通信する中継装置であって、機械がアラーム状態である場合に、複数のクライアント装置に対して、機械がアラーム状態である旨の通知を行う中継装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】日本OPC協議会ホームページ、[令和3年3月5日検索]、インターネット<URL:https://jp.opcfoundation.org/about/opc-technologies/opc-ua/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の中継装置では、中継装置に通信可能に接続されているクライアント装置に対して、機械がアラーム状態である旨の通知を行った後に、新たなクライアント装置が通信可能に接続される場合には、その新たなクライアント装置に対しては、機械がアラーム状態である旨の通知を行うことができない。
【0005】
そこで、本発明は、中継装置に通信可能に接続されているクライアント装置に対して、機械がアラーム状態である旨の通知を行った後に、新たなクライアント装置が中継装置に通信可能に接続される場合に、その新たなクライアント装置に対しても、機械がアラーム状態である旨の通知を行うことができる中継装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る中継装置は、機械、および、複数のクライアント装置の各々と通信する中継装置であって、前記機械がアラーム状態である場合に、前記機械からアラーム信号を取得する第1の取得部と、前記第1の取得部が前記アラーム信号を取得した場合に、前記機械がアラーム状態である旨を示すアラーム情報を記憶するアラーム情報記憶部と、前記アラーム情報記憶部が前記アラーム情報を記憶している場合に、前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、当該クライアント装置と、当該クライアント装置に前記機械がアラーム状態である旨の通知を行ったか否かを示す通知有無情報とを対応付けて管理する管理部と、前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、当該クライアント装置に対応付けられた通知有無情報に基づいて、当該クライアント装置に前記通知を行うか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定に基づいて、前記複数のクライアント装置に前記通知を行う通知部と、を備える。
【0007】
上記構成の中継装置によると、中継装置は、複数のクライアント装置のそれぞれについて、クライアント装置と通知有無情報とを対応付けて管理する。このため、新たなクライアント装置が中継装置に通信可能に接続される場合において、そのクライアント装置が、未だアラーム情報を通知されていないクライアント装置であるときには、中継装置は、そのクライアント装置に通知を行うことができる。
【0008】
このように、上記構成の中継装置によると、中継装置に通信可能に接続されているクライアント装置に対して、機械がアラーム状態である旨の通知を行った後に、新たなクライアント装置が中継装置に通信可能に接続される場合に、その新たなクライアント装置に対しても、機械がアラーム状態である旨の通知を行うことができる。
【0009】
また、さらに、前記複数のクライアント装置から通知要求を取得する第2の取得部を備え、前記通知部は、前記第2の取得部が、前記複数のクライアント装置のうちの1のクライアント装置から前記通知要求を取得した場合に、当該通知要求への応答として、当該1のクライアント装置へ前記通知を行うとしてもよい。
【0010】
これにより、通知要求を送信するクライアント装置に対して通知を行うことができる。
【0011】
また、前記第1の取得部は、前記アラーム信号の取得の試みを繰り返し行い、前記アラーム情報記憶部は、前記アラーム情報を記憶している場合において、前記取得部が前記アラーム信号の取得の試みにおいて前記アラーム信号を取得しなかったときに、前記アラーム情報の記憶を解除するとしてもよい。
【0012】
これにより、機械がアラーム状態ではなくなった場合に、クライアント装置への通知を行わないようにすることができる。
【0013】
また、前記管理部は、さらに、前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、アラームの種類ごとに、当該クライアント装置と前記通知有無情報とを対応付けて管理するとしてもよい。
【0014】
これにより、新たなクライアント装置が中継装置に通信可能に接続される場合において、そのクライアント装置が、1のアラームの種類について未だ通知されていないクライアント装置であるときには、中継装置は、そのクライアント装置に当該アラームの種類にかかる情報を通知することができる。
【0015】
本発明の一態様に係る通信方法は、アラーム情報記憶部を備え、機械、および、複数のクライアント装置の各々と通信する中継装置が行う通信方法であって、前記機械がアラーム状態である場合に、前記機械から、前記機械がアラーム状態である旨を示すアラーム信号を取得する取得ステップと、前記機械がアラーム状態である旨を示すアラーム情報を前記アラーム情報記憶部に記憶させるアラーム情報記憶ステップと、前記アラーム情報記憶部が前記アラーム情報を記憶している場合に、前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、当該クライアント装置と、当該クライアント装置に前記機械がアラーム状態である旨の通知を行ったか否かを示す通知有無情報とを対応付けて管理する管理ステップと、前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、当該クライアント装置に対応付けられた通知有無情報に基づいて、当該クライアント装置に前記通知を行うか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定に基づいて、前記複数のクライアント装置に前記通知を所定のプロトコルで行う通知ステップと、を含む。
【0016】
上記通信方法によると、中継装置は、複数のクライアント装置のそれぞれについて、クライアント装置と通知有無情報とを対応付けて管理する。このため、新たなクライアント装置が通信装置に通信可能に接続される場合において、そのクライアント装置が、未だアラーム情報を通知されていないクライアント装置であるときには、中継装置は、そのクライアント装置に通知を行うことができる。
【0017】
このように、上記通信方法によると、中継装置に通信可能に接続されているクライアント装置に対して、機械がアラーム状態である旨の通知を行った後に、新たなクライアント装置が通信装置に通信可能に接続される場合に、その新たなクライアント装置に対しても、機械がアラーム状態である旨の通知を行うことができる。
【0018】
本発明の一態様に係るプログラムは、アラーム情報記憶部を備え、機械、および、複数のクライアント装置の各々と通信する中継装置に通信処理を実行させるためのプログラムであって、前記通信処理は、前記機械がアラーム状態である場合に、前記機械から、前記機械がアラーム状態である旨を示すアラーム信号を取得する取得ステップと、前記機械がアラーム状態である旨を示すアラーム情報を前記アラーム情報記憶部に記憶させるアラーム情報記憶ステップと、前記アラーム情報記憶部が前記アラーム情報を記憶している場合に、前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、当該クライアント装置と、当該クライアント装置に前記機械がアラーム状態である旨の通知を行ったか否かを示す通知有無情報とを対応付けて管理する管理ステップと、前記複数のクライアント装置のそれぞれについて、当該クライアント装置に対応付けられた通知有無情報に基づいて、当該クライアント装置に前記通知を行うか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定に基づいて、前記複数のクライアント装置に前記通知を所定のプロトコルで行う通知ステップと、を含む。
【0019】
上記プログラムによると、中継装置は、複数のクライアント装置のそれぞれについて、クライアント装置と通知有無情報とを対応付けて管理する。このため、新たなクライアント装置が通信装置に通信可能に接続される場合において、そのクライアント装置が、未だアラーム情報を通知されていないクライアント装置であるときには、中継装置は、そのクライアント装置に通知を行うことができる。
【0020】
このように、上記プログラムによると、中継装置に通信可能に接続されているクライアント装置に対して、機械がアラーム状態である旨の通知を行った後に、新たなクライアント装置が通信装置に通信可能に接続される場合に、その新たなクライアント装置に対しても、機械がアラーム状態である旨の通知を行うことができる。
【0021】
なお、本発明は、装置として実現できるだけでなく、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体として実現したり、そのプログラムを示す情報、データまたは信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データおよび信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信されてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様に係る中継装置等によると、中継装置に通信可能に接続されているクライアント装置に対して、機械がアラーム状態である旨の通知を行った後において新たに通信可能に接続されるクライアント装置に対しても、機械がアラーム状態である旨の通知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る中継装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る管理部が、複数のクライアント装置のそれぞれについて、クライアント装置と通知有無情報とを対応付けて記憶する様子を示す模式図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る通信システムが行う動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係るアラーム信号取得処理のフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る通知処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0025】
以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0026】
(実施の形態)
以下、本発明に係る中継装置を含む通信システムについて、図面を参照しながら説明する。ここでは、本発明に係る中継装置を含む通信システムの一例として、機械が稼働する工場内に構築された通信システムを例示して説明する。
【0027】
[1.構成]
図1は、実施の形態に係る通信システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
図1に示すように、通信システム1は、中継装置10と、機械20Aと、機械20Bと、機械20Cと、クライアント装置30Aと、クライアント装置30Bと、クライアント装置30Cとを備える。
【0029】
以下、機械20A、機械20B、および、機械20Cのことを、各個体を明示的に区別して記載する必要が無い場合には、単に、機械20と称することもある。また、以下、クライアント装置30A、クライアント装置30B、および、クライアント装置30Cのことを、各個体を明示的に区別して記載する必要が無い場合には、単に、クライアント装置30とも称することがある。
【0030】
図1において、通信システム1は、機械20をあたかも3つ以上備えているかのごとく図示している。しかしながら、通信システム1は、必ずしも3つ以上の機械20を備えている必要はなく、通信システム1は、1以上の機械を備えていればよい。また、
図1において、通信システム1は、クライアント装置30をあたかも3つ以上備えているかのごとく図示している。しかしながら、通信システム1は、必ずしも3つ以上のクライアント装置30を備えている必要はなく、通信システム1は、複数のクライアント装置30を備えていればよい。
【0031】
図1に示すように、1以上の機械20と中継装置10とは、通信線50を介して接続される。
【0032】
通信線50は、例えば、Ethernet(登録商標)、IP(Internet Protocol)等の通信プロトコル、または、独自の通信プロトコルで通信可能な通信線である。その他、例えば、有線LAN(Local Area Network)で構成された有線ネットワーク、または、IEEE802.11規格に準拠した無線ネットワークで構築されてもよい。通信線50で実現される通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0033】
また、
図1に示すように、複数のクライアント装置30と中継装置10とは、ネットワーク40を介して接続される。
【0034】
ネットワーク40は、例えば、有線LANで構成された有線ネットワーク、または、IEEE802.11規格に準拠した無線ネットワークで構築される。ネットワーク40で実現される通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0035】
なお、実施の形態に係る通信システム1では、
図1に示すように通信線50、ネットワーク40を異なる通信系統で構成したが、例えば通信線50をネットワーク40と同じネットワーク(有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい)上で構成されてもよい。
【0036】
機械20は、例えば、工作機械のような産業機械である。また、機械20には、産業機械の動作状況を示す表示器、または、産業機械が加工した加工物を洗浄する洗浄機等も含まれる。
【0037】
機械20は、機械20の状態に係るセンシングを行うセンサを備える。機械20は、例えば、機械20の温度を測定する温度計を備えていてもよいし、機械20が有する回転軸の角速度を測定する角速度計を備えていてもよいし、機械20の振動を検知する加速度計を備えていてもよい。
【0038】
機械20は、センサによるセンシング結果に基づいて、機械20がアラーム状態であるか否かを判定する。ここでは、機械20がアラーム状態であるとは、機械20の状態が、通常の状態を逸脱した状態であって、機械20、または、その周囲に危険を及ぼす恐れがある状態だけでなく、機械20で生じる様々な状態(事象)のうち、クライアント装置30を利用するユーザに伝えるべき状態(事象)も含むこととする。機械20は、例えば、温度計が所定の温度以上の温度を検知した場合に、機械20がアラーム状態であると判定してもよい。機械20は、例えば、角速度計が所定の角速度以上の角速度を検知した場合に、機械20がアラーム状態であると判定してもよい。機械20は、例えば、加速度計が所定の加速度以上の加速度を検知した場合に、機械20がアラーム状態であると判定してもよい。
【0039】
機械20は、中継装置10に、機械20に関する信号を送信する。機械20が送信する信号は、例えば、機械20の動作、状態、または、制御に関する信号である。機械20が送信する信号には、機械20がアラーム状態である旨を示すアラーム信号が含まれる。ここでは、機械20は、中継装置10から、信号の取得を要求する取得要求を受信した場合に、その取得要求に応じて、中継装置10に機械20に関する信号を送信するとして説明する。
【0040】
クライアント装置30は、通信システム1を使用するユーザにより操作される端末装置である。クライアント装置30は、例えば、パソコンであってもよい。
【0041】
クライアント装置30は、ユーザからの操作に応じて、中継装置10から機械20に関する情報を取得し、取得した情報をユーザに提示する。ここでは、クライアント装置30は、中継装置10に対して、情報の通知を要求する通知要求を送信し、送信した通知要求に応じて中継装置10から通知される情報を取得するとして説明する。
【0042】
中継装置10は、1以上の機械20、および、複数のクライアント装置30の各々と通信する。
【0043】
図2は、中継装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
図2に示すように、中継装置10は、第1の取得部11と、アラーム情報記憶部12と、管理部13と、判定部14と、通知部15と、第2の取得部16とを備える。
【0045】
第1の取得部11は、機械20がアラーム状態である場合に、当該機械20から、当該機械20がアラーム状態である旨を示すアラーム信号を取得する。ここでは、第1の取得部11は、機械20に、アラーム信号の取得を要求する取得要求を送信し、送信した通知要求に応じて機械20から送信されるアラーム信号を取得するとして説明する。
【0046】
第1の取得部11から送信された取得要求を受信した機械20は、当該機械20がアラーム状態である場合には、中継装置10にアラーム信号を送信するが、当該機械20がアラーム状態でない場合には、中継装置10にアラーム信号を送信しない。このため、第1の取得部11は、機械20に取得要求を送信した場合において、当該機械20がアラーム状態であるときには、当該機械20からアラーム信号を取得するが、当該機械20がアラーム状態でないときには、当該機械20からアラーム信号を取得しない。
【0047】
このように、第1の取得部11は、機械20に取得要求を送信することで、アラーム信号の取得を試みる。
【0048】
第1の取得部11は、通知要求の送信を繰り返し行う。すなわち、アラーム信号の取得の試みを繰り返し行う。第1の取得部11は、例えば、定期的に(例えば、1秒毎に)、アラーム信号の取得の試みを行うとしてもよい。
【0049】
アラーム情報記憶部12は、第1の取得部11が機械20からアラーム信号を取得した場合に、当該機械20がアラーム状態である旨を示すアラーム情報を記憶する。
【0050】
第1の取得部11は、たとえば、中継装置10が備えるCPU(Central Processing Unit、図示せず)が、中継装置10が備えるメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを実行して、中継装置10が備える入出力インターフェース(図示せず)を利用する処理を行うことで実現される。
【0051】
アラーム情報記憶部12は、機械20についてのアラーム情報を記憶している場合において、第1の取得部11が、当該機械20についてのアラーム信号の取得の試みにおいてアラーム信号を取得しなかったときに、当該機械20についてのアラーム情報の記憶を解除する。ここで、アラーム情報記憶部12がアラーム情報の記憶を解除するとは、アラーム情報記憶部12が、記憶するアラーム情報を消去することであってもよいし、記憶するアラーム情報を無効化するフラグを設定することであってもよい。
【0052】
アラーム情報記憶部12は、たとえば、中継装置10が備えるCPUが、中継装置10が備えるメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを実行することで実現される。
【0053】
管理部13は、アラーム情報記憶部12が機械20についてのアラーム情報を記憶している場合に、複数のクライアント装置30のそれぞれについて、当該クライアント装置30と、当該クライアント装置30に当該機械20がアラーム状態である旨の通知を行ったか否かを示す通知有無情報とを対応付けた、アラーム通知管理情報を管理する。
【0054】
図3は、管理部13が管理する、複数のクライアント装置30それぞれの特定のアラームについて、クライアント装置30と通知有無情報とを対応付けた情報であるアラーム通知管理情報の一例を示す模式図である。
【0055】
図3において、機械IDは、アラーム情報記憶部12が記憶しているアラーム情報によりアラーム状態であると示される機械20を特定するIDである。アラームIDは、アラームの種類を特定するIDである。例えば、アラームID「X001」は、機械20に備わる温度計が所定の温度以上の温度を検知した場合のアラーム情報であることを特定できる。これにより管理部13は複数種類のアラームに対して、通知情報の有無を管理できる。クライアント装置IDは、複数のクライアント装置30それぞれを特定するIDである。通知有無情報は、対応付けられているクライアント装置IDにより特定されるクライアント装置30に、対応付けられている機械IDにより特定される機械20がアラーム状態である旨の通知を行ったか否かを示す情報である。ここでは、通知有無情報は、1ビットのフラグであって、論理値1である場合に、通知を行った旨を示し、論理値0である場合に通知を行っていない旨を示すとして説明する。
【0056】
図3の示す例は、アラーム情報記憶部12が、機械ID「A001」により特定される機械20に関して、アラームID「X001」により特定されるアラームの種類のアラーム情報を記憶している場合において、管理部13が、クライアント装置ID「B0001」、「B0002」、「B0003」等より特定されるクライアント装置30のそれぞれについて、当該クライアント装置30と通知有無情報とを対応付けて管理している場合の例となっている。すなわち、ID=A001の機械について、ID=X001で示される種類であるアラーム情報は、通知有無情報に「1」と記憶されたID=B0002のクライアント装置には通知済みであるが、他のクライアント装置は通知有無情報が「0」であって、未だ通知していない状態であることを示している。
【0057】
図3に示すように、管理部13は、アラーム情報記憶部12が機械20についてのアラーム情報を記憶している場合に、当該機械20を対象として、複数のクライアント装置30のそれぞれについて、当該クライアント装置30と通知有無情報とを対応付けて管理する。
【0058】
なお、管理部13は、
図3に示すアラーム通知管理情報を機械20それぞれについて、個別に管理する。すなわち、管理部13は、複数のクライアント装置30のそれぞれについて、アラーム情報ごとに、当該クライアント装置30と通知有無情報とを対応付けて管理する。
【0059】
管理部13は、たとえば、中継装置10が備えるCPUが、中継装置10が備えるメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを実行することで実現される。
【0060】
【0061】
判定部14は、複数のクライアント装置30のそれぞれについて、当該クライアント装置30に対応付けられた通知有無情報に基づいて、当該クライアント装置30に、機械20がアラーム状態である旨の通知を行うか否かの判定を行う。より具体的には、判定部14は、アラーム情報記憶部12が機械20についてのアラーム情報を記憶している場合に、複数のクライアント装置30のそれぞれについて、(1)当該クライアント装置30に対応付けられた通知有無情報が、通知を行った旨を示すときに上記通知を行わないと判定し、(2)当該クライアント装置30に対応付けられた通知有無情報が、通知を行っていない旨を示すときに上記通知を行うと判定する。
【0062】
判定部14は、たとえば、中継装置10が備えるCPUが、中継装置10が備えるメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを実行することで実現される。
【0063】
第2の取得部16は、複数のクライアント装置30から、情報の通知を要求する通知要求を取得する。
【0064】
第2の取得部16は、たとえば、中継装置10が備えるCPU(図示せず)が、中継装置10が備えるメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを実行して、中継装置10が備える入出力インターフェース(図示せず)を利用する処理を行うことで実現される。
【0065】
通知部15は、判定部14による判定に基づいて、複数のクライアント装置30に、機械20がアラーム状態である旨の通知を行う。より具体的には、通知部15は、(1)判定部14が、1のクライアント装置30に対して、機械20がアラーム状態である旨の通知を行うと判定した場合に、当該1のクライアント装置30に対して上記通知を行い、(2)判定部14が、1のクライアント装置30に対して、機械20がアラーム状態である旨の通知を行わないと判定した場合に、当該1のクライアント装置30に対して上記通知を行わない。ここでは、通知部15は、第2の取得部16が、1のクライアント装置30から通知要求を取得した場合に、当該通知要求への応答として、当該1のクライアント装置30に上記通知を行うとして以下に説明する。
【0066】
通知部15は、たとえば、中継装置10が備えるCPU(図示せず)が、中継装置10が備えるメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを実行して、中継装置10が備える入出力インターフェース(図示せず)を利用する処理を行うことで実現される。
【0067】
[2.動作]
以下、上記構成の通信システム1が行う動作について、図面を参照しながら説明する。
【0068】
図4は、通信システム1が行う動作の一例を示すシーケンス図である。
【0069】
図4に示すように、クライアント装置30Aが中継装置10に接続した(ステップS10)後において、機械20にアラームが発生する(ステップS20)。
【0070】
機械20にアラームが発生した後において、中継装置10の第1の取得部11は、機械20にアラーム信号の取得を要求する取得要求を送信する(ステップS30)。すると、機械20は、機械20がアラーム状態であるため、中継装置10に、機械20がアラーム状態である旨を示すアラーム信号を送信し、第1の取得部11は、そのアラーム信号を取得する(ステップS40)。
【0071】
第1の取得部11がアラーム信号を取得すると、アラーム情報記憶部12は、機械20がアラーム状態である旨を示すアラーム情報を記憶する(ステップS50)。
【0072】
アラーム情報記憶部12がアラーム情報を記憶すると、管理部13は、複数のクライアント装置30のそれぞれについて、クライアント装置30と通知有無情報との対応付けの管理を開始する(ステップS60)。この際、管理部13は、初期状態として、複数のクライアント装置30のそれぞれに対して、クライアント装置30に機械20がアラーム状態である旨の通知を行っていない旨を示す通知有無情報を対応付けて管理を開始する。
【0073】
管理部13が管理を開始した後において、クライアント装置30Aは、中継装置10に通知要求を送信する。すると、第2の取得部16は、その通知要求を取得する(ステップS70)。
【0074】
第2の取得部16が、クライアント装置30Aから送信された通知要求を取得すると、判定部14は、クライアント装置30Aと、クライアント装置30Aに機械20がアラーム状態である旨の通知を行っていない旨を示す通知有無情報とを対応付けて管理しているため、クライアント装置30Aに、機械20がアラーム状態である旨の通知を行うと判定する(ステップS80)。
【0075】
判定部14が、クライアント装置30Aに、機械20がアラーム状態である旨の通知を行うと判定すると、通知部15は、クライアント装置30Aに、機械20がアラーム状態である旨の通知を行う(ステップS90)。すると、クライアント装置30Aは、その通知を取得する。
【0076】
通知部15が、クライアント装置30Aに、機械20がアラーム状態である旨の通知を行うと、管理部13は、クライアント装置30Aに対応づけている通知有無情報を、クライアント装置30に機械20がアラーム状態である旨の通知を行った旨を示す通知有無情報に更新する(ステップS100)。
【0077】
その後、クライアント装置30Bが中継装置10に接続する(ステップS110)。そして、クライアント装置30Bは、中継装置10に通知要求を送信する。すると、第2の取得部16は、その通知要求を取得する(ステップS120)。判定部14は、クライアント装置30Bと、クライアント装置30Bに機械20がアラーム状態である旨の通知を行っていない旨を示す通知有無情報とを対応付けて管理しているため、クライアント装置30Bに、機械20がアラーム状態である旨の通知を行うと判定する(ステップS130)。
【0078】
判定部14が、クライアント装置30Bに、機械20がアラーム状態である旨の通知を行うと判定すると、通知部15は、クライアント装置30Bに、機械20がアラーム状態である旨の通知を行う(ステップS140)。すると、クライアント装置30Bは、その通知を取得する。
【0079】
通知部15が、クライアント装置30Bに、機械20がアラーム状態である旨の通知を行うと、管理部13は、クライアント装置30Bに対応づけている通知有無情報を、クライアント装置30に機械20がアラーム状態である旨の通知を行った旨を示す通知有無情報に更新する(ステップS150)。
【0080】
その後、再び、クライアント装置30Aは、中継装置10に通知要求を送信する。すると、第2の取得部16は、その通知要求を取得する(ステップS160)。
【0081】
第2の取得部16が、クライアント装置30Aから送信された通知要求を取得すると、判定部14は、クライアント装置30Aと、クライアント装置30Aに機械20がアラーム状態である旨の通知を行った旨を示す通知有無情報とを対応付けて管理しているため、クライアント装置30Aに、機械20がアラーム状態である旨の通知を行わないと判定する(ステップS170)。
【0082】
判定部14が、クライアント装置30Aに、機械20がアラーム状態である旨の通知を行わないと判定すると、通知部15は、クライアント装置30Aに、機械20がアラーム状態である旨の通知を行わない(ステップS180)。
【0083】
通信システム1において、中継装置10は、機械20からアラーム信号を取得するアラーム信号取得処理と、クライアント装置30に、機械20がアラーム状態である旨の通知を行う通知処理とを行う。
【0084】
図5は、中継装置10におけるアラーム信号取得処理のフローチャートである。
【0085】
ここでは、複数の種類のアラーム情報のうち、1の種類のアラーム情報について、アラーム信号から取得する処理について説明する。
【0086】
アラーム信号取得処理は、例えば、中継装置10が起動されることで開始される。
【0087】
アラーム信号取得処理が開始されると、第1の取得部11は、機械20に、アラーム信号の取得を要求する取得要求を送信する(ステップS200)。
【0088】
第1の取得部11は、取得要求を送信した後において、その取得要求に応じて機械20から送信されたアラーム信号を取得したか否かを調べる(ステップS210)。
【0089】
ステップS210の処理において、機械20からアラーム信号を取得した場合(ステップS210:Yes)、アラーム情報記憶部12は、機械20がアラーム状態である旨を示すアラーム情報を記憶しているか否かを調べる(ステップS220)。
【0090】
ステップS220の処理において、機械20についてのアラーム情報を記憶していない場合(ステップS220:No)、アラーム情報記憶部12は、機械20についてのアラーム情報を記憶する(ステップS230)。
【0091】
アラーム情報記憶部12が機械20についてのアラーム情報を記憶すると、管理部13は、機械20を対象とする、複数のクライアント装置30のそれぞれについての、クライアント装置30と通知有無情報との対応付けの管理を開始する(ステップS240)。
【0092】
ステップS210の処理において、機械20からアラーム信号を取得しなかった場合(ステップS210:No)、アラーム情報記憶部12は、機械20がアラーム状態である旨を示すアラーム情報を記憶しているか否かを調べる(ステップS250)。
【0093】
ステップS250の処理において、機械20についてのアラーム情報を記憶している場合(ステップS250:Yes)、アラーム情報記憶部12は、機械20についてのアラーム情報の記憶を解除する(ステップS260)。
【0094】
アラーム情報記憶部12が機械20についてのアラーム情報の記憶を解除すると、管理部13は、機械20を対象とする、複数のクライアント装置30のそれぞれについての、クライアント装置30と通知有無情報との対応付けの管理を終了する(ステップS270)。
【0095】
ステップS220の処理において、機械20についてのアラーム情報を記憶している場合と(ステップS220:Yes)、ステップS240の処理が終了した場合と、ステップS270の処理が終了した場合と、ステップS250の処理において、機械20についてのアラーム情報を記憶していない場合と(ステップS250:No)に、中継装置10は、前回機械20に取得要求を送信してから所定時間経過するまで待機し(ステップS280:Noを繰り返す)、所定時間経過すると(ステップS280:Yes)、ステップS200の処理に進む。
【0096】
図6は、中継装置10における通知処理のフローチャートである。
【0097】
通知処理は、例えば、中継装置10が起動されることで開始される。
【0098】
通知処理が開始されると、第2の取得部16は、複数のクライアント装置30のうちの1のクライアント装置30から、情報の通知を要求する通知要求が送信されるまで待機し(ステップS300:Noを繰り返す)、1のクライアント装置30から通知要求が送信されると、その通知要求を取得する(ステップS300:Yes)。
【0099】
第2の取得部16が、1のクライアント装置30から通知要求を取得すると、判定部14は、当該1のクライアント装置30と通知有無情報とを対応付けて管理しているか否かを調べる(ステップS310)。
【0100】
ステップS310の処理において、当該1のクライアント装置30と通知有無情報とを対応付けて管理している場合に(ステップS310:Yes)、判定部14は、その通知有無情報が、当該1のクライアント装置30に、機械20がアラーム状態である旨の通知を行っていない旨を示すか否かを調べる(ステップS320)。
【0101】
ステップS320の処理において、通知有無情報が上記通知を行っていない旨を示す場合に(ステップS320:Yes)、判定部14は、当該1のクライアント装置30に上記通知を行うと判定する(ステップS330)。
【0102】
判定部14が、当該1のクライアント装置30に上記通知を行うと判定すると、通知部15は、当該1のクライアント装置30に対して上記通知を行う(ステップS340)。
【0103】
通知部15が、当該1のクライアント装置30に上記通知を行うと、管理部13は、当該1のクライアント装置30に対応づけている通知有無情報を、当該クライアント装置30に機械20がアラーム状態である旨の通知を行った旨を示す通知有無情報に更新する(ステップS350)。
【0104】
ステップS320の処理において、通知有無情報が上記通知を行っている旨を示す場合に(ステップS320:No)、判定部14は、当該1のクライアント装置30に上記通知を行わないと判定する(ステップS360)。
【0105】
ステップS310の処理において、当該1のクライアント装置30と通知有無情報とを対応付けて管理していない場合と(ステップS310:No)、ステップS350の処理が終了した場合と、ステップS360の処理が終了した場合とに、中継装置10は、ステップS300の処理に進む。
【0106】
[3.考察]
非特許文献1に記載されたOPCUA規格に基づく従来型の比較例に係る中継装置では、中継装置に通信可能に接続されているクライアント装置に対して、機械がアラーム状態である旨の通知を行うと、中継装置に通信可能に接続されていないクライアント装置をも含む全てのクライアント装置に対して上記通知を行ったとして処理される。このため、比較例に係る中継装置は、中継装置に通信可能に接続されているクライアント装置に対して、機械がアラーム状態である旨の通知を行った後に、新たなクライアント装置が中継装置に通信可能に接続される場合には、その新たなクライアント装置に対して、機械がアラーム状態である旨の通知を行うことができない。
【0107】
これに対して、上記構成の中継装置10によると、中継装置10は、複数のクライアント装置30のそれぞれについて、クライアント装置30と通知有無情報とを対応付けて管理する。このため、新たなクライアント装置30が通信可能に接続される場合において、そのクライアント装置30が、未だ通知されていないクライアント装置30であるときには、中継装置10は、そのクライアント装置30に通知を行うことができる。
【0108】
このように、上記構成の中継装置10によると、中継装置10に通信可能に接続されているクライアント装置30に対して、機械20がアラーム状態である旨の通知を行った後に、新たなクライアント装置30が中継装置10に通信可能に接続される場合に、その新たなクライアント装置30に対しても、機械20がアラーム状態である旨の通知を行うことができる。
【0109】
(補足)
以上、本発明に係る中継装置等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、および、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0110】
なお、実施の形態において、通信システム1は、一例として、機械20が、中継装置10から取得要求を受信した場合に、その取得要求に応じて、機械20に関する信号を送信する構成であるとして説明した。これに対して、他の構成例として、通信システム1は、機械20が、自発的に、機械20に関する信号を送信する構成であるとしても構わない。この場合、第1の取得部11は、機械20に取得要求を送信せずに、機械20から自発的に送信された、機械20に関する信号を取得することとなる。
【0111】
また、実施の形態において、中継装置10は、一例として、
図5に示すとおり、複数のクライアント装置30のそれぞれについての、クライアント装置30と通知有無情報との対応付けの管理(アラーム通知管理情報)を1の種類のアラーム情報について、管理することで説明した。これに対して、他の構成例として、中継装置10は、複数の種類のアラームの種類ごとに複数のクライアント装置30のそれぞれについての、クライアント装置30と通知有無情報との対応付けの管理する構成であってもよい。このためには
図3に示すアラームの種類を示すIDが互いに異なる複数の表を用いて管理し、機械20において、異なる種類のアラーム状態である旨の通知をそれぞれ管理することができる。これにより、例えば、機械20でアラーム状態が長時間解消されない状態で、同じ機械で新たな別種のアラーム状態が生じた場合でも、中継装置10は複数のアラーム情報を記憶および管理でき、新たなクライアント装置30が通信可能に接続される場合において、そのクライアント装置30が、未だ通知されていないクライアント装置30であるときには、機械20のアラーム状態を適切に通知することができる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、機械、および、複数のクライアント装置の各々と通信する中継装置等に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0113】
1 通信システム
10 中継装置
11 第1の取得部
12 アラーム情報記憶部
13 管理部
14 判定部
15 通知部
16 第2の取得部
20、20A、20B、20C 機械
30、30A、30B、30C クライアント装置
40 ネットワーク
50 通信線