(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
A63F7/02 304Z
(21)【出願番号】P 2021102330
(22)【出願日】2021-06-21
【審査請求日】2022-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100104514
【氏名又は名称】森 泰比古
(72)【発明者】
【氏名】松永 崇
【審査官】中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-001539(JP,A)
【文献】特開2006-130286(JP,A)
【文献】特開2012-161466(JP,A)
【文献】特開2012-024272(JP,A)
【文献】特開2018-079234(JP,A)
【文献】特開2000-079262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄の変動制御が可能であって所定の抽選に当選したことを契機に特典を与える主制御手段と、演出実行手段と、演出データを記憶した演出データ記憶手段と、前記演出データ記憶手段に記憶されている演出データを用いた演出を前記演出実行手段に実行させる演出制御手段とを備えた遊技機であって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする遊技機。
(1A)前記主制御手段及び前記演出制御手段を構成する制御基板以外の各種制御基板の内の少なくとも一部が、遊技機側の被取付部材に対して互換性をもって取り付けられる互換性基板で構成され、前記互換性基板が前記被取付部材に取り付けられているときに当該互換性基板を識別する識別情報を取得し、当該識別情報に基づき前記被取付部材に取り付けるべき前記制御基板か否かを判定し、当該判定の結果に基づく報知を実行する識別手段を備えていること。
(1B)前記互換性基板は、遊技機のタイトルやスペックとは無関係な制御処理を実行するためのものであって、少なくとも電源基板が含まれていること。
(1C)前記識別手段は、当該遊技機において使用可能な前記互換性基板の種類、製造時期、型式等の互換可能情報を、前記被取付部材に対する取付箇所情報と共に予め記憶しておく互換性基板情報記憶手段を備えていること。
(1D)前記識別手段を、前記判定に当たって、前記互換性基板情報記憶手段から前記
互換可能情報と前記取付箇所情報とを読み出し、当該取付箇所情報に基づいて前記互換性基板に前記識別情報を送信させ、当該取付箇所情報と共に記憶されている前記互換可能情報と前記識別情報とを対比することによって前記判定を実行する手段として構成したこと。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御基板をリユース可能な遊技機に関する。
【0002】
従来、遊技盤の交換が行なわれる際などに、前側枠体の前面の装飾用ランプを覆うレンズ部材を視覚的特徴の異なる他のレンズ部材に交換可能とする提案がなされている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1の提案によれば、前側枠体を交換することなく、低コストで前側枠体の見た目の印象を大きく変えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-210688号公報(要約,
図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前側枠体に限らず、例えば、電源基板の様に遊技機のタイトルやスペックに無関係な制御基板は、廃棄される遊技機から取り外して別の遊技機で使用することも可能である。タイトルやスペックに関係があっても、ある範囲でならリユースできる制御基板もある。
【0006】
そこで、本発明は、遊技機において制御基板を適切にリユース可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の遊技機は、図柄の変動制御が可能であって所定の抽選に当選したことを契機に特典を与える主制御手段と、演出実行手段と、演出データを記憶した演出データ記憶手段と、前記演出データ記憶手段に記憶されている演出データを用いた演出を前記演出実行手段に実行させる演出制御手段とを備えた遊技機であって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1A)前記主制御手段及び前記演出制御手段を構成する制御基板以外の各種制御基板の内の少なくとも一部が、遊技機側の被取付部材に対して互換性をもって取り付けられる互換性基板で構成され、前記互換性基板が前記被取付部材に取り付けられているときに当該互換性基板を識別する識別情報を取得し、当該識別情報に基づき前記被取付部材に取り付けるべき前記制御基板か否かを判定し、当該判定の結果に基づく報知を実行する識別手段を備えていること。
(1B)前記互換性基板は、遊技機のタイトルやスペックとは無関係な制御処理を実行するためのものであって、少なくとも電源基板が含まれていること。
(1C)前記識別手段は、当該遊技機において使用可能な前記互換性基板の種類、製造時期、型式等の互換可能情報を、前記被取付部材に対する取付箇所情報と共に予め記憶しておく互換性基板情報記憶手段を備えていること。
(1D)前記識別手段を、前記判定に当たって、前記互換性基板情報記憶手段から前記互換可能情報と前記取付箇所情報とを読み出し、当該取付箇所情報に基づいて前記互換性基板に前記識別情報を送信させ、当該取付箇所情報と共に記憶されている前記互換可能情報と前記識別情報とを対比することによって前記判定を実行する手段として構成したこと。
【0008】
本発明において、互換性基板は、少なくとも電源基板を含む、遊技機のタイトルやスペックとは無関係な制御処理を実行するための制御基板であるから、廃棄する遊技機から取り外して別の遊技機に取り付けて使用することができる。このとき、例えば電源基板を取り付けるべき部分に電源基板以外の互換性基板を取り付けた場合、遊技機が正常に作動しなくなるおそれがある。その様な場合、本発明の遊技機によれば、被取付部材(例えば、本体枠、遊技盤、回胴装置枠など)に対して取り付けた互換性基板が、本来取り付けるべき制御基板でないときは、取り付けた互換性基板の識別情報を取得した識別手段がその旨を報知する。このとき、識別手段は、互換性基板情報記憶手段に記憶されている互換可能情報と取付箇所情報とに基づき、互換可能情報に含まれていない場合、互換可能情報に含まれていても取付箇所情報と一致しない場合にはエラーと判定する。互換可能情報を記憶しておくことにより、リユースによる不具合の発生を未然に防止するだけでなく、リユース可能な制御基板の種類を広げることが可能になるという有利な効果が発揮される。
【0009】
これら本発明の遊技機は、さらに、以下の構成をも備えたものとすることができる。
(2)前記識別手段による判定、報知、又は、判定及び報知に関する設定を変更する設定変更手段を備えていること。
【0010】
例えば、互換可能情報に含まれていてものについては「エラー」、互換可能情報に含まれていても製造時期の古いものである場合は「注意」など、どこまでの情報を用いて判定を行うかといった設定を変更できる様にする。また、互換可能情報に対してリユースの推奨順位を付して記憶しておくならば、推奨順位何番までを問題なしとし、それ以下の推奨順位については確認を求める報知態様を設定するといった変更をしてもよい。
【0011】
(2)の構成をも備えた遊技機は、さらに、以下の構成をも備えたものとすることができる。
(3)前記設定変更手段は、前記識別手段による報知のタイミング、対象、方法、継続又は終了に関する設定の少なくとも一つ以上を変更し得る手段として構成されていること。
【0012】
かかる構成をも備えた遊技機によれば、例えば、(A)タイミングについて、常時、電源投入時、…などの複数の選択肢のいずれとするか、(B)対象について、本体枠のみ、盤面(回胴装置)のみ、本体枠及び盤面(回胴装置)、…などの複数の選択肢のいずれとするか、(C)方法について、電飾、音、液晶表示、これらの組合わせ、…などの複数の選択肢のいずれとするか、(D)継続又は終了について、互換可能情報に含まれる互換性基板が取り付けられた状態になるまで報知を終了しない、1分間で報知を終了する、3分間で報知を終了する、…などの複数の選択肢のいずれとするかを変更可能とすることで、遊技機メーカーの作業者や遊技場の担当者による対処が煩雑にならず、速やかに実施できる様な報知を実行させることができる。
【0013】
(2)の構成をも備えた遊技機は、さらに、以下の構成をも備えた遊技機とすることもできる。
(4)電源投入時に、前記設定変更手段による設定の変更を行うための操作画面を当該遊技機が備える表示手段又は外部機器に対して出力する操作画面表示手段を備えていること。
【0014】
かかる構成をも備えた遊技機によれば、設定変更を操作画面から実施可能となり、その操作画面も遊技機の備えている表示手段とする場合は検査装置などを不要とし、外部機器への出力とする場合には、より操作性のよい検査機器の使用を可能にすることができる。
【0015】
これら本発明の遊技機は、さらに、以下の(5),(6)の一方又は両方の構成をも備えた遊技機とすることもできる。
(5)前記被取付部材が前記互換性基板の脱着箇所を複数備え、前記識別手段は、前記複数の脱着箇所の内で前記互換性基板が取り付けられていない箇所があることを報知する第1の報知態様を設定し得る手段として構成されていること。
(6)前記被取付部材が前記互換性基板の脱着箇所を複数備え、前記識別手段は、前記複数の脱着箇所の内で前記互換性基板が取り付けられていない箇所を特定する第2の報知態様を設定し得る手段として構成されていること。
【0016】
(5)の構成を備えた遊技機によれば、複数の脱着箇所の内の一つ以上について互換可能情報に含まれる互換性基板の取り付けがなされていない取付箇所を特定することなく報知を行う第1の報知態様を設定し、(6)の構成を備えた遊技機によれば、互換可能情報に含まれる互換性基板の取り付けがなされていない取付箇所を特定する第2の報知態様を設定することができる。そして、(5)、(6)の構成の両方を備えた遊技機によれば、これら第1の報知態様と第2の報知態様のいずれにするか、あるいは、最初に第1の報知態様で報知を行った後に第2の報知態様で報知を行う、といった選択をすることもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技機において制御基板を適切にリユース可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施例1のパチンコ機を示し、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図である。
【
図2】実施例1のパチンコ機の制御装置の全体の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施例1のパチンコ機の制御基板の構成を示し、(A)は主制御基板の構成を示す模式図、(B)は演出制御基板の構成を示す模式図である。
【
図4】実施例のパチンコ機における互換性の判定・報知態様の設定変更に関する制御系統及び制御処理を示し、(A)は制御系統のブロック図、(B)は判定・報知態様の設定・変更処理のフローチャートである。
【
図5】実施例のパチンコ機における主制御基板での互換性判定処理を示し、(A)は制御系統のブロック図、(B)は互換性判定処理のフローチャートである。
【
図6】実施例のパチンコ機における演出制御基板での互換性判定処理を示し、(A)は制御系統のブロック図、(B)は互換性判定処理のフローチャート、(C)は報知処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態として、具体的な実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機Pは、
図1(A),(B)に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤C、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤Cは、中枠Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは遊技盤Cの透視保護窓であって、施錠装置Hの操作によって開閉可能な様に中枠Bの前面側に組み付けられる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、本実施例においては前枠Dの下部と一体に構成されている。従って、前枠Dを中枠Bに対して開閉するときに上の球受け皿Eも共に開閉される。下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿であって、中枠Bの下部に固定されている。発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置であって、中枠Bの右下部に装備される。
【0021】
遊技盤Cは、
図1(A)に示す様に、障害釘11や風車12が植設された遊技領域10の中央にセンター役物30が取り付けられ、センター役物30の中央直下に始動入賞装置7が備えられる。また、この始動入賞装置7の右斜め下方に大入賞口15が設置され、センター役物30の右側には大入賞口15の開放時に右側から遊技球を入賞させるための右打ち通路20が備えられた構成となっている。遊技盤Cには、この他、誘導レール17、普通入賞口18、アウト口19等も設置されている。
【0022】
センター役物30は、大型装飾体31、ステージ32、ワープ通路33を備えるリング状を呈し、左上部分には障害釘に代わる障害ブロック34が設けられている。また、センター役物30には、右打ち通路20に侵入した遊技球を受け入れる入口35aを備えた右側トンネル35も組み付けられている。この右側トンネル35の出口35bの真下に位置する様にゲート37が設けられている。また、センター役物30の右側下方には、第2始動入賞装置27も設置されている。この第2始動入賞装置27は、ゲート37を遊技球が通過したことを契機に実行される普通図柄抽選結果に基づいて開閉動作される電動式チューリップを供えている。
【0023】
本実施例のパチンコ機Pは、前枠Dの前面上部右側、前面上部左側、及び、中枠Bの前面下部にスピーカーSPupr,SPupl,SPbtmを備えている。これら三つのスピーカーは、いずれも低周波帯域から高周波帯域まで対応可能なフルレンジ特性を備えたものとしている。
【0024】
実施例のパチンコ機Pは、
図1(C)に示す様に、中枠Bには機構板Kが取り付けられ、この機構板Kに嵌め込む様に裏ユニットJが取り付けられている。液晶表示装置LCDは、裏ユニットJに形成された開口窓に取り付けられる。
【0025】
そして、機構板K、裏ユニットJ、及び液晶表示装置LCDの裏面には、主制御基板310、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、インタフェース基板350、電源基板360、表示制御基板370、電源中継基板380、信号中継基板410、ランプ制御基板420、及び音声制御基板430に加えて、音声信号加工基板450が取り付けられ、それぞれ基板ケースで背面側を覆われると共に、基板ケースに形成したソケット開口を介して、基板同士の間をハーネスで接続されている。主制御基板310から配線されるハーネスは基板ケース背面に装着されたハーネスダクトの中に配線されている。また、演出制御基板320、払出制御基板330、及び発射制御基板340の基板ケースにも、主制御基板310から配線されたハーネスを収納する様にハーネスダクトが取り付けられる。この他、インタフェース基板350にもハーネスを収納するハーネスダクトが取り付けられている。また、主制御基板310、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、インタフェース基板350、電源基板360、表示制御基板370、電源中継基板380、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、及び音声信号加工基板450は、ソケット開口を有する基板ケース内に収納した基板ユニットとして構成されていて、機構板K,裏ユニットJには、各基板ユニットのソケット開口を介してハーネスと接続する取付箇所が設定されている。
【0026】
[2 制御装置全体]
次に、本実施例のパチンコ機Pのゲーム性等について説明する。まず、制御系統について
図2に基づいて説明する。CPU,ROM,RAM,クロック等を備えた主制御基板310に対して、始動入賞装置7に備えられている特
図1スイッチSW1、第2始動入賞装置27に備えられている特
図2スイッチSW2、ゲート37に備えられている普図スイッチSW3、大入賞口15に備えられた入賞検知スイッチSW7、普通入賞装置18,18,…に備えられた入賞検知スイッチSW11,SW12からの検知信号、及び裏ユニットJの所定位置に設けられた球排出通路に備えられた排出球検知スイッチSW41~43からの検知信号が入力される様になっている。
【0027】
また、主制御基板310からは、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、大入賞口15の開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置27の普通電動役物開閉用ソレノイドSOL27へとコマンドが出力される様になっている。インタフェース基板350は、払出制御基板330との間でコマンドのやり取りを行う構成となっている。なお、電源基板360は、電源中継基板380を介して主制御基板310への電源供給を行う構成となっている。そして、演出制御基板320は、表示制御基板370へとコマンドを出力する構成となっている。また、貸し玉ボタンQ、カード取り出しボタンRからの押下信号は、球貸し操作基板390へと入力され、この球貸し操作基板390からインタフェース基板350を経由して払出制御基板330へと入力される構成となっている。インタフェース基板350はまた、カードユニット500との間でもコマンドをやり取りする構成となっている。また、払出制御基板330を介してホールコンピュータ400へと賞球払出数等のホール管理用のデータやエラー報知等も行うことができる様に構成されている。
【0028】
演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、表示制御基板370へと表示演出のための指令信号を出力行する。また、演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、音声演出、発光演出、可動体演出を実行させるための指令信号を信号中継基板410へと出力する。信号中継基板410は、演出制御基板320からの指令信号を発光演出を実行するためのランプ制御基板420、音声演出を実行するための音声制御基板430、及び可動体演出を実行するためのモータ制御IC510、ソレノイド制御IC520へと出力する。可動体は、遊技盤Cと裏ユニットJとの間の空間において、液晶表示装置LCDの前面側で出没動作や回動動作等を実行する様に設置される。
【0029】
演出制御基板320には、さらに、プッシュボタンPB及びカーソルボタンCBからの操作信号も入力される様に構成されている。プッシュボタンPBは、メニュー表示をしたり、演出中の指令に対応してプッシュ・連打・長押しなどの遊技参加型の操作をしたりするための操作ボタンである。カーソルボタンCBは、メニュー表示によって音量調節モードや光量調節モードが選択されているときに、音量や光量の増減による調節をカーソル送りによって実施するための操作ボタンである。カーソルボタンCBは、この他、背景モードの切り換えや、BGMの切り換えなどにも用いられる。
【0030】
本実施例では、音声制御基板430と、3つのスピーカーSPupr,SPupl,SPbtmとの間に、音声信号加工基板450が追加されている。
【0031】
主制御基板310は、特
図1スイッチSW1からの検知信号の入力を契機として取得した特
図1判定用乱数を最大4個、特
図2スイッチSW2の検知信号入力を契機として取得した特
図2判定用乱数を最大4個、それぞれ保留記憶しておくため、RAM内に、特
図1保留記憶部311及び特
図2保留記憶部312を備えている。特
図1判定用乱数及び特
図2判定用乱数は、それぞれ、「当たり/はずれ判定用乱数(乱数1:SW1-1,SW2-1)」、「特図振分判定用乱数(乱数2:SW1-2,SW2-2)」、「演出実行判定用乱数(乱数3:SW1-3,SW2-3)」、及び「変動パターン振分用乱数(乱数4:SW1-4,SW2-4)」から構成される。乱数1は、特図スイッチ検知信号の入力を契機としてハードウェアロジックによって取得され、乱数2~4は、特図スイッチ検知信号の入力を契機としてソフトウェアロジックによって取得される。
【0032】
主制御基板310は、所定のタイミングで実行する判定処理において、乱数1が予め設定された「大当たり判定値」と一致するときに「大当たり」と判定し、一致しない場合は「はずれ」と判定する。特図振分判定用乱数(乱数2)は、特別遊技のラウンド数など、大当たり種別を振り分けるための乱数である。演出実行判定用乱数(乱数3)は、リーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。リーチ演出は、「当たり」の場合だけでなく、「はずれ」においても所定の割合で実行する構成となっている。変動パターン振分用乱数(乱数4)は、変動パターンを振り分けるための乱数である。なお、乱数1で「大当たり」となった場合、乱数2による大当たり種別振り分けにより、例えば、「2R」「7R」「15R」など、遊技者に対する有利さの異なる複数種類の当たり種別のいずれかに振り分けられる。
【0033】
演出制御基板320には、音声演出、表示演出、発光演出、及び可動体演出を実行するための演出データ記憶手段325が備えられている。演出データ記憶手段325には、特別図柄変動ゲーム中に実行する変動ゲーム中演出データDH、大当たり遊技中に実行する大当たり中演出データDV、デモ中に実行するデモ中演出データDM、特図変動ゲームにおいて実行される変動パターンに応じた飾り図柄変動ゲームを表示するための飾り図柄変動演出データDKZが記憶されている。
【0034】
変動ゲーム中演出データDHは、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの組み合わせとなっている。変動ゲーム中演出データDHは、主制御基板310による抽選結果(ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど)に対して、それぞれ複数種類のパターンが備えられている。これらのパターンにおいて、例えば、可動体演出を伴わない変動ゲーム中演出を行うデータは、可動体演出データがブランクデータで構成される。
【0035】
大当たり中演出データDVも、変動ゲーム中演出データDHと同様に、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの一部又は複数の組み合わせ又は全部の組み合わせによって構成され、大当たり種別に応じて複数パターンが備えられている。
【0036】
デモ中演出データDMも、変動ゲーム中演出データDHと同様に、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの一部又は複数の組み合わせ又は全部の組み合わせによって構成され、デモ1用、デモ2用など複数パターンが備えられている。
【0037】
飾り図柄変動演出データDKZは、ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど、主制御基板310による抽選の結果に基づいて指令される変動パターンに対応したデータとして記憶されている。このため、本実施例においては、通常状態用変動パターンテーブル315に対応する飾り図柄変動時間となる通常状態用飾り図柄変動演出データDKZaと、変短状態用変動パターンテーブル316に対応する飾り図柄変動時間となる変短状態用飾り図柄変動演出データDKZbとが、演出制御基板320の演出データ記憶手段325に記憶されている。
【0038】
表示制御基板370は、演出制御基板320から指令される背景表示用データに従って液晶表示装置LCDに表示した背景画像に対して重ね合わせる様にして、変動パターンに対応する飾り図柄変動演出データDKZを表示する。また、この表示演出においては、キャラクタ表示データが存在する場合はキャラクタ画像を重ねて表示する演出も実行される。
【0039】
ここで、本実施例においては、変動ゲーム中演出データDHは、変動パターンに対して1対1対応となっている訳ではなく、例えば、変動パターン1に対して演出1,演出2,…などと複数の中から振り分けによって演出制御基板320側で決定する構成となっている。同じく、飾り図柄変動演出データDKZも、例えば、変動パターン1に対しては変動時間1、変動パターン1に対しては変動時間2、…、と1対1の対応であるが、各変動時間に対して複数の飾り図柄変動パターンが備えられていて、これら複数の中から振り分けによって演出制御基板320が決定する構成となっている。これら振り分け可能な演出データDHや飾り図柄変動パターンDKZは、変動パターンが大当たりの場合に振り分けられ易く、はずれの場合に振り分けられ難いグループと、その逆のグループといった具合に、信頼度グループを構成する様に振り分け確率を設定している。
【0040】
[3 制御基板の構成]
主制御基板310は、
図3(A)に示す様に、主制御用CPU310a、主制御用ROM310b、及び主制御用RAM310cを組み込んだワンチップマイコンと、入出力回路310dと、その他図示省略した水晶発振回路等を備えている。入出力回路310dは、電源中継基板380を介して電源を入力すると共に、特図スイッチSW1,SW2、普図スイッチSW3、大入賞口の入賞検知スイッチSW7,普通入賞口の入賞検知スイッチSW11,12、球排出球検知スイッチSW41~43からの信号を主制御CPU310aに対して信号を入力し、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、大入賞口開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置開閉用ソレノイドSOL27に対して、主制御CPU310aから信号を出力する様に、ワンチップマイコンに接続されている。なお、主制御基板310は、払出制御基板330、発射制御基板340との間では、信号入力もなされる様に接続されている。主制御用CPU310aは、前述の各種スイッチからの入力を受けて主制御用ROM310b及び主制御用RAM310cとの間で情報をやり取りしながら、賞球払出、特別図柄抽選等のパチンコ機の中枢となる各種の処理を実行する。
【0041】
このため、主制御用ROM310bには、主制御用CPU310aが遊技に関する処理を実行するためのプログラムを記憶するプログラム記憶部310e、このプログラムに基づいた演算処理の際に用いる「当たり判定値」などのデータ等を記憶するデータ等記憶部310fが備えられている。主制御用ROM310bには、さらに、特別図柄抽選によって選択され得る複数種類の変動パターンを記憶した変動パターン記憶部310gも備えられている。変動パターンは、特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の遊技演出(表示演出等)のベースとなるパターンを示すものである。本実施例における変動パターンは、特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄が確定停止表示されるまでの変動時間(演出時間)、及び当該変動時間中の飾り図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)を特定できるものとなっている。
【0042】
また、主制御用RAM310cには、主制御用CPU310aが各種処理を実行する際のワークメモリとなる一時記憶部310hと共に、特に、特別図柄抽選の結果、普通図柄抽選の結果を所定個数を限度として保留記憶しておく保留記憶部310iが備えられている。
【0043】
演出制御基板320は、
図3(B)に示す様に、演出制御用CPU320a、演出制御用ROM320b、及び演出制御用RAM320cを組み込んだワンチップマイコンと、入出力回路320dと、その他図示省略した水晶発振回路等を備えている。入出力回路320dは、主制御基板310、プッシュボタンPB、及びカーソルボタンCBから演出制御CPU320aに対して信号を入力し、表示制御基板370、信号中継基板410に対して信号を出力する様に、ワンチップマイコンに接続されている。演出制御CPU320aは、主制御基板310から入力される信号に基づいて、遊技演出を実行するための処理を行う。また、プッシュボタンPB、カーソルボタンCBからの入力信号に基づいて、遊技演出に変化を与える処理を行う。
【0044】
このため、演出制御用ROM320bには、演出制御用CPU320aが遊技演出に関する処理を実行するためのプログラムを記憶するプログラム記憶部320e、このプログラムを用いた演算処理において用いる「演出内容選択のための判定値」などのデータ等を記憶するデータ等記憶部320fが備えられている。主制御用ROM320bには、さらに、主制御基板310から入力された変動パターンに対応して選択される各種演出のための複数種類の演出データを記憶した演出データ記憶部320gも備えられている。また、演出制御用RAM320cには、演出制御用CPU320aが各種処理を実行する際のワークメモリとなる一時記憶部320hと共に、特に、特別図柄抽選の結果を先読みによって記憶しておく先読み記憶部320iが備えられている。
【0045】
本実施例においては、払出制御基板330、発射制御基板340、演出表示制御基板370、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、音声信号加工基板450、MT制御IC510、ソレノイド制御IC520等も、主制御基板310や演出制御基板320と同様にワンチップマイコンで構成する。
【0046】
本実施例のパチンコ機Pにおいては、主制御基板310において、主制御用CPU310aが、入出力回路310dを介して信号が入力されることを契機として、主制御用ROM310bに予め記憶しておいたプログラムやデータ等を用いて、主制御用RAM310cに一時記憶や保留記憶を行い、入出力回路310dを介して演出制御基板320等に対して信号を出力する処理を実行する。
【0047】
本実施例のパチンコ機Pにおいては、演出制御基板320において、演出制御用CPU320aが、入出力回路320dを介して信号が入力されることを契機として、演出制御用ROM320bに予め記憶しておいたプログラムやデータ等を用いて、演出制御用RAM320cに一時記憶や保留記憶を行い、入出力回路320dを介して、表示制御基板370や信号中継基板410に対して信号を出力する処理を実行することにより、表示演出、音声演出、発光演出、及び可動体演出を統括的に制御する役割を担い、表示制御基板370、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、音声信号加工基板450、モータ制御IC510、及びソレノイド制御IC520が、具体的な演出を実行する関係にある。
【0048】
[4 互換性基板]
本実施例のパチンコ機Pには、主制御基板310及び演出制御基板320としては遊技機のタイトル及びスペックに対応する当該機種専用の制御基板が搭載される。一方、本実施例のパチンコ機Pは、払出制御基板330、発射制御基板340、インタフェース基板350、電源基板360、表示制御基板370、電源中継基板380、球貸し操作基板390、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、音声信号加工基板450、MT制御IC510、ソレノイド制御IC520など、遊技機のタイトルやスペックに一対一対応とならない制御処理を実行するための制御基板については、必ずしも当該機種専用の制御基板を搭載する必要はない設計としている(以下、これら電源基板360等を「互換性基板」という。)。
【0049】
ここで、演出と無関係な制御処理を実行する払出制御基板330、発射制御基板340、インタフェース基板350、電源基板360、電源中継基板380、球貸し操作基板390、信号中継基板410などは、汎用性が高く、中でも電源基板360は最も汎用性が高い。
【0050】
一方、演出に係わる制御処理を実行する表示制御基板370も、表示演出用の機器が共通であれば汎用性を有する。同様に、演出に係わる制御処理を実行する互換性基板の内、ランプ制御基板420は発光演出用の機器が共通の遊技機に対して、音声制御基板430、音声信号加工基板450は音声演出装置用の機器が共通の遊技機に対して、MT制御IC510、ソレノイド制御IC520は可動体演出用の機器が共通の遊技機に対して、それぞれ汎用性を有する。
【0051】
本実施例のパチンコ機Pの主制御基板310には、このパチンコ機において使用可能な互換性基板の種類、製造時期、型式等の互換可能情報を、裏ユニットJ及び機構板Kに対する取付箇所情報と共に予め記憶しておく互換性基板情報記憶部310kが備えられている(
図3(A)参照。)。本実施例においては、互換性基板情報記憶部310kには、演主制御基板310との間で信号授受が可能な払出制御基板330、発射制御基板340、電源中継基板380と、電源中継基板380を介して信号授受が可能な電源基板360、払出制御基板330を介して信号授受が可能なインタフェース基板350、及びインタフェース基板350を介して信号授受が可能な球貸し操作基板390の少なくとも一部の互換性基板に関する互換可能情報が取付箇所情報と共に記憶されている。
【0052】
本実施例のパチンコ機Pの演出制御基板320には、このパチンコ機において使用可能な互換性基板の種類、製造時期、型式等の互換可能情報を、裏ユニットJ及び機構板Kに対する取付箇所情報と共に予め記憶しておく互換性基板情報記憶部320kが備えられている(
図3(B)参照。)。本実施例においては、互換性基板情報記憶部320kには、演出制御基板320との間で信号授受が可能な表示制御基板370、信号中継基板410、信号中継基板410を介して信号授受の可能なランプ制御基板420、音声制御基板430、MT制御IC510、ソレノイド制御IC520、音声制御基板430を介して信号授受の可能な音声加工基板450の少なくとも一部の互換性基板に関する互換可能情報が取付箇所情報と共に記憶されている。
【0053】
[5 互換性基板判定処理]
[5.1 判定・報知態様設定・変更処理]
主制御基板310及び演出制御基板320は、電源投入時に、それぞれの互換性基板情報記憶部310k,320kに記憶されている互換可能情報を読み出し、互換性基板が正しく取り付けられているか否かを判定し、その判定結果を報知する処理を実行する。
【0054】
演出制御基板320は、
図4(A)に示した制御系統により、工場出荷時、遊技場における新台設置時など、遊技機枠に遊技盤を組み付ける作業を行ったとき、プッシュボタンPB,カーソルボタンCBの操作により、互換性基板エラーに関する判定・報知の態様を設定・変更する処理を電源投入時に実施することができる様にも構成されている。
【0055】
この結果、電源投入時に、演出制御基板320は、
図4(B)に示す様に、判定・報知の態様に関する設定内容を読み出し(S110)、演出表示制御基板370に対して設定・変更画面の表示を指令する(S120)。設定・変更画面としては、[A:報知のタイミングに関する複数の選択肢(常時、電源投入時、…)][B:判定の対象に関する複数の選択肢(裏ユニット、機構板、…)][C:報知の方法に関する複数の選択肢(電飾、音、液晶表示、これらの組合わせ、…)][D:報知の態様に関する複数の選択肢(エラー箇所特定あり、エラー箇所特定なし、…)][E:報知の継続又は終了に関する複数の選択肢(互換可能情報に含まれる互換性基板が取り付けられた状態になるまで報知を終了しない、1分間で報知を終了する、3分間で報知を終了する、…)][F:リユースの推奨順位に関する選択肢][G:製造時期に対する注意情報に関する選択肢]といった「変更可能な項目A~G」と「各項目ごとの選択肢」とから構成されている。また、工場出荷時には、各項目についてデフォルトの選択肢が選択されている状態を視認可能とした表示(例えば、点滅表示されている選択肢が現在の設定であることを示すなど)となっている。
【0056】
演出制御基板320は、上述の様な設定・変更画面を表示した後、プッシュボタンPBの押下があったか否かを判定する(S130)。プッシュボタンPBが押下されたときは(S130:YES)、その時点で表示されている設定・変更画面で特定されている態様を設定内容として記憶し(S140)、本処理を終了する。
【0057】
一方、プッシュボタンPBが押下されるないときは(S130:NO)、カーソルボタンCBが操作されたか否かを判定する(S150)。カーソルボタンCBが操作されたとの判定がなされない間はS130へと戻り、プッシュボタンPBが押下されたか否か及びカーソルボタンCBが操作されたか否かの判定をループし続ける。これに対し、カーソルボタンCBが操作されたとの判定がなされたときは(S150:YES)、当該操作に応じて設定・変更画面の表示を変更する(S160)。例えば、カーソルキーCKYボタンCBの上下送りで項目の切り換えを、左右送りで点滅表示の選択肢の切り換えを実行する。これにより、作業者等は判定・報知の態様が変更されていく様子を目視によって確認しつつ作業を行うことができる。
【0058】
こうしてカーソルボタンCBの操作によって各項目に対する選択肢を希望の状態に変更した上でプッシュボタンPBを押下し、演出制御基板320によってS130がYESと判定されると、S140が実行され、新たな設定内容が記憶される。
【0059】
[5.2 主制御基板における互換性判定処理]
主制御基板310は、
図5(A)に示した制御系統により、工場出荷時、遊技場における新台設置時など、遊技機枠に遊技盤を組み付ける作業を行った際の電源投入時に互換性基板に対する適否判定処理を実行する。
【0060】
主制御基板310は、
図5(B)に示す様に、まず、演出制御基板320に対して互換性基板に対する適否判定処理を開始した旨を通知する(S210)。続いて、主制御基板310は、互換性基板情報記憶部310kから、このパチンコ機において使用可能な互換性基板の種類、製造時期、型式等の互換可能情報と裏ユニットJ及び機構板Kに対する取付箇所情報とを読み出す(S220)。
【0061】
主制御基板310は、次に、S220で読み出した取付箇所情報に基づき、各互換性基板に互換可能情報を送信させる(S230)。なお、互換性基板のそれぞれには、基板製造時に、互換性基板の種類、製造時期、型式等の互換可能情報が記憶されている。
【0062】
次に、主制御基板310は、取付箇所ごとに、S220で読み出した互換可能情報とS230で送信させた互換可能情報とを対比し(S240)、両者が正しい対応関係にあるか否かを判定する(S250)。正しい対応関係にないときは(S250:NO)、演出制御基板320へとエラー報知を指令する(S260)。全ての互換性基板の対応関係が正しい場合は(S250:YES)、演出制御基板320へと正常である旨の報知を指令する(S270)。
【0063】
[5.3 演出制御基板における互換性判定及び報知処理]
演出制御基板320は、
図6(A)に示した制御系統により、工場出荷時、遊技場における新台設置時など、遊技機枠に遊技盤を組み付ける作業を行った際の電源投入時に互換性基板に対する適否判定処理を実行する。
【0064】
演出制御基板320は、
図6(B)に示す様に、互換性基板情報記憶部320kから、このパチンコ機において使用可能な互換性基板の種類、製造時期、型式等の互換可能情報と裏ユニットJ及び機構板Kに対する取付箇所情報とを読み出す(S310)。
【0065】
演出制御基板320は、次に、S310で読み出した取付箇所情報に基づき、各互換性基板に互換可能情報を送信させる(S320)。なお、互換性基板のそれぞれには、基板製造時に、互換性基板の種類、製造時期、型式等の互換可能情報が記憶されている。
【0066】
次に、演出制御基板320は、取付箇所ごとに、S310で読み出した互換可能情報とS320で送信させた互換可能情報とを対比し(S330)、両者が正しい対応関係にあるか否かを判定する(S340)。正しい対応関係にないときは(S340:NO)、エラー報知情報を報知する(S350)。全ての互換性基板の対応関係が正しい場合は(S340:YES)、正常である旨の報知を実行する(S360)。
【0067】
演出制御基板320は、主制御基板310から判定処理の開始が通知されたときに処理を開始し、
図6(C)に示す様に、まず、計時を開始する(S410)。その後、エラー報知の指令を受けたとき(S420:YES)、演出制御基板320は、液晶表示装置LCDに対して主制御基板310が適否判定を行った互換性基板にエラーが生じている旨のメッセージを表示し(S430)、正常報知の指令を受けたときは(S420:NO,S440:YES)、液晶表示装置LCDに対して主制御基板310が適否判定を行った互換性基板が正常に行われている旨のメッセージを表示する(S450)。なお、演出制御基板320は、所定時間を経過しても正常報知の指令を受けないときは(S460:YES)、液晶表示装置LCDに対して主制御基板310が適否判定する互換性基板が確実に取り付けられているかを確認させるためのメッセージを表示する(S470)。なお、S350,S350の報知も主制御基板310の判定結果に対する報知処理の中で実行する様に構成することができる。
【0068】
この結果、本実施例によれば、遊技機において制御基板を適切にリユース可能とすることができる。
【0069】
以上、発明を実施するための最良の形態としての実施例を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【0070】
例えば、スロットマシンの装飾に際して本発明を適用したり、設定・変更を外部機器を接続して実行する様に構成することもできる。また、複数の互換性基板のいずれにエラーが発生しているかを特定しない態様を選択可能とせず、常にエラー対象を特定する報知を実行する遊技機としても構わない。加えて、互換可能情報記憶部は演出制御基板320側にだけ備えさせ、主制御基板310は互換性基板から受信した互換可能情報を演出制御基板320に送信し、全ての互換性基板に対する適否判定を演出制御基板320側でだけ実行する様に構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は遊技機に利用することができる。
【符号の説明】
【0072】
7・・・始動入賞装置、15・・・大入賞口、18・・・普通入賞口、27・・・第2始動入賞装置、37・・・ゲート、310・・・主制御基板、310k・・・互換可能情報記憶部、320・・・演出制御基板、320k・・・互換可能情報記憶部、330・・・払出制御基板、340・・・発射制御基板、350・・・インタフェース基板、360・・・電源基板、370・・・演出表示制御基板、380・・・電源中継基板、390・・・球貸し操作基板、400・・・ホールコンピュータ、410・・・信号中継基板、420・・・ランプ制御基板、430・・・音声制御基板、450・・・音声信号加工基板、451・・・周波数特性処理部、452・・・位相特性処理部、453・・・音量特性処理部、455・・・ワンチップマイコン、500・・・カードユニット、510・・・モータ制御IC、520・・・ソレノイド制御IC。
P・・・パチンコ機、A・・・外枠、B・・・中枠、C・・・遊技盤、CB・・・カーソルボタン、D・・・前枠、G・・・発射装置、J・・・裏ユニット、K・・・機構板、LCD・・・液晶表示装置、PB・・・プッシュボタン。