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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】自動レーザ虹彩切開術
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/008 20060101AFI20240307BHJP
   A61F 9/009 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
A61F9/008 130
A61F9/008 120B
A61F9/008 120D
A61F9/008 120E
A61F9/008 150
A61F9/009
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021536316
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 IB2020052020
(87)【国際公開番号】W WO2020183342
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】62/817,587
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515212529
【氏名又は名称】ベルキン ヴィジョン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086461
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 和則
(72)【発明者】
【氏名】サックス、ザッチャリ エス.
(72)【発明者】
【氏名】ベルキン、マイケル
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第1579351(CN,A)
【文献】特表2013-529977(JP,A)
【文献】特開2016-159067(JP,A)
【文献】特表2016-507321(JP,A)
【文献】特表2007-518539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/008 - 9/011
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の虹彩内のターゲット部位を照射するように構成されたレーザと;そして
コントローラと;を有するシステムであって、
前記コントローラは:
前記虹彩の少なくとも一部の1つまたは複数の画像内で、前記ターゲット部位を流れる流体の流れの兆候を、前記ターゲット部位から所定の距離内にあるデブリを識別することによって識別し、そして
前記兆候の識別に応答して、前記レーザが前記ターゲット部位をさらに照射するのを禁止する、
ように構成される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ターゲット部位が前記虹彩内の陰窩の内にある、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記レーザが前記ターゲット部位を照射する前に、
前記虹彩の少なくとも一部の別の画像で前記陰窩を識別し、そして
前記陰窩の識別に応答して、前記陰窩の少なくとも一部を前記ターゲット部位として指定する、
ように構成される、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記デブリの動きを識別することによって前記兆候を識別するように構成される、ことを特徴とする請求項1-3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記デブリのサイズが所定の閾値よりも大きいことを識別することにより、前記兆候を識別するように構成される、ことを特徴とする請求項1-3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記ターゲット部位を貫通する穴を識別することによって兆候を識別するように構成される、ことを特徴とする請求項1-3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記穴と、前記穴の外側の虹彩の一部との間の色の違いに応答して前記穴を識別するように構成される、ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記穴のサイズが所定の閾値よりも大きいことを識別することによって、前記兆候を識別するように構成される、ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記所定の閾値は、第1の所定の閾値であり、前記コントローラは、前記ターゲット部位から前記所定の距離内にある前記デブリが、第2の所定の閾値よりも大きいサイズを有することを識別することにより、前記兆候を識別するように構成される、ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2の所定の閾値は、前記穴のサイズの関数である、ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラはさらに、
前記虹彩の少なくとも一部の他の画像内で前記ターゲット部位を識別し、そして
前記ターゲット部位の識別に応答して、前記ターゲット部位にレーザの照準を向ける、
ように構成される、ことを特徴とする請求項1-3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
プログラム命令が格納されている有形の非一過性コンピュータ可読媒体を有するコンピュータソフトウェア製品であって、
前記命令は、コントローラによって読み取られると、前記コントローラに対し:
眼の虹彩の少なくとも一部の1つまたは複数の画像において、前記虹彩内のターゲット部位を通る流体の流れの兆候を、前記ターゲット部位から所定の距離内にあるデブリを識別することによって識別するステップと;そして
前記兆候の識別に応答して、レーザが前記ターゲット部位に照射されるのを禁止するステップと;
を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータソフトウェア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科的処置、特にレーザ虹彩切開術に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年3月13日に出願された「自動遠隔レーザ虹彩切開術」と題する米国暫定特許出願第62/817,587号(特許文献1)の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
レーザ虹彩切開術では、レーザを使用して虹彩に穴を開ける。穴は、虹彩の後ろから前眼房への流体の流れを促進し、視神経への圧力を軽減する。レーザ虹彩切開術は、緑内障、房水の方向異常、およびプラトー虹彩症候群などの症状を治療または予防するために使用される場合がある。
【0004】
その開示が参照により本明細書に組み込まれる、国際特許出願公開WO/2020/008323(特許文献2)は、放射線源およびコントローラを含むシステムを記載している。コントローラは、患者の眼の画像のライブシーケンスを表示するように構成されている。コントローラはさらに、画像のシーケンスを表示している間、放射線源に対し、画像内で可視の1つまたは複数の照準ビームで眼を照射させるように構成されている。コントローラは、放射線源に対し照準ビームを眼に照射させた後、ユーザからの確認入力を受信し、確認入力の受信に応答して、放射線源に対し、複数の治療ビームでそれぞれの眼のターゲット部位を照射させることによって眼を治療するようにさらに構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国暫定特許出願第62/817,587号
【文献】国際特許出願公開WO/2020/008323
【発明の概要】
【0006】
本発明の幾つかの実施形態によれば、眼の虹彩内のターゲット部位を照射するように構成されたレーザと;そしてコントローラであって:虹彩の少なくとも一部の1つまたは複数の画像内で、ターゲット部位を流れる流体の流れの兆候を識別し、そして徴候の識別に応答して、レーザがターゲット部位をさらに照射するのを禁止する、ように構成されたコントローラと;を有することを特徴とするシステムが提供される。
【0007】
幾つかの実施形態では、ターゲット部位は虹彩内の陰窩の内にある。
幾つかの実施形態では、コントローラは、レーザがターゲット部位を照射する前に、虹彩の少なくとも一部の別の画像で陰窩を識別し、そして陰窩の識別に応答して、陰窩の少なくとも一部をターゲット部位として指定する、ように構成される。
幾つかの実施形態では、コントローラは、ターゲット部位から所定の距離内にあるデブリを識別することによって兆候を識別するように構成される。
幾つかの実施形態では、コントローラは、デブリの動きを識別することによって兆候を識別するように構成される。
幾つかの実施形態では、コントローラは、デブリのサイズが所定の閾値よりも大きいことを識別することにより、兆候を識別するように構成される。
【0008】
幾つかの実施形態では、コントローラは、ターゲット部位を貫通する穴を識別することによって兆候を識別するように構成される。
幾つかの実施形態では、コントローラは、穴と、穴の外側の虹彩の一部との間の色の違いに応答して穴を識別するように構成される。
幾つかの実施形態では、コントローラは、穴のサイズが所定の閾値よりも大きいことを識別することによって、兆候を識別するように構成される。
幾つかの実施形態では、所定の閾値は、第1の所定の閾値であり、コントローラは、ターゲット部位から所定の距離内にあり、第2の所定の閾値よりも大きいサイズを有するデブリを識別することにより、兆候を識別するように構成される。
幾つかの実施形態では、第2の所定の閾値は、穴のサイズの関数である。
幾つかの実施形態では、コントローラはさらに、虹彩の少なくとも一部の他の画像内でターゲット部位を識別し、そしてターゲット部位の識別に応答して、ターゲット部位にレーザの照準を向ける、ように構成される。
【0009】
本発明の幾つかの実施形態によれば、さらにレーザを使用して、眼の虹彩内のターゲット部位を照射するステップを含む方法が提供される。方法はさらに、虹彩の少なくとも一部の1つまたは複数の画像において、ターゲット部位を通る流体の流れの兆候を自動的に識別するステップと;そして徴候の識別に応答して、レーザがターゲット部位をさらに照射することを禁止するステップと;を有する。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態によれば、さらに、プログラム命令が格納されている有形の非一過性コンピュータ可読媒体を有するコンピュータソフトウェア製品が提供される。命令は、コントローラによって読み取られると、コントローラに対し:眼の虹彩の少なくとも一部の1つまたは複数の画像において、虹彩内のターゲット部位を通る流体の流れの兆候を識別するステップと;そして兆候の識別に応答して、レーザがターゲット部位に照射されるのを禁止するステップと;を実行させる。
【0011】
本発明の幾つかの実施形態によれば、さらに2つの処置の間に患者の眼を照射するように構成されるレーザと;コントローラと;を有するシステムが提供される。コントローラは、2つの処置の内の第1の処置に続いて、第2の処置の前に、レーザによって放出された放射線ビームの眼の上でのスポットサイズを変更するように構成される。
幾つかの実施形態では、コントローラは、集束レンズを移動させることによってスポットサイズを変更するように構成される。
幾つかの実施形態では、コントローラは、スポットサイズを少なくとも70ミクロン変更するように構成される。
幾つかの実施形態では、コントローラは、スポットサイズを少なくとも300ミクロン変更するように構成される。
幾つかの実施形態では、2つの処置の内の1つは、虹彩切開術を有する。
幾つかの実施形態では、2つの処置の内の別の1つは、線維柱帯形成術を有する。
【0012】
本発明の幾つかの実施形態によれば、さらに2つの処置の間に患者の眼を照射するように構成されるレーザと;光学系と;を有するシステムが提供される。光学系は、2つの処置の内の第1の処置の後でかつ2つの処置の内の第2の処置の前に、放射線ビームの輻輳角度を変更することによって、レーザによって放出された放射線ビームの眼の上でのスポットサイズを変更するように構成される。
幾つかの実施形態では、システムは、2つの処置の内の第2の処置の間に、光学系を介して眼を画像化するように構成されたカメラをさらに備える。
幾つかの実施形態では、システムは放射線導管をさらに有し、光学系が放射線導管に結合され、レーザが放射線導管を介して眼を照射するように構成される。
幾つかの実施形態では、処置の1つが虹彩切開術を含む。
幾つかの実施形態では、処置の別の1つが線維柱帯形成術を含む。
幾つかの実施形態では、システムは虹彩切開術中の放射線ビームの軸外収差を補正するように構成される収差補正光学系をさらに備える。
幾つかの実施形態では、収差補正光学系は、眼に押し付けるように構成されたレンズを有する。
幾つかの実施形態では、収差補正光学系は、楕円ミラー、変形可能ミラー、および自由形状光学系からなる要素のグループから選択される1つの要素を有する。
【0013】
本発明の幾つかの実施形態によれば、さらに表面と;表面に結合された放射線導管と;そして表面に結合されたヘッドレストと;を有するシステムが提供される。ヘッドレストは、患者の眼が放射線導管を通して放射される1つまたは複数の放射線ビームで照射されている間、患者の頭部を支持するように構成される。
【0014】
本発明の幾つかの実施形態によれば、さらに2つの処置中に、レーザを使用して眼に照射することにより、患者の眼に2つの処置を実行するステップを有する方法が提供される。方法は、さらに2つの処置の内の第1の処置を実行した後、2つの処置の内の第2の処置を実行する前に、レーザによって放出された放射線ビームの眼の上でのスポットサイズを変更するステップを有する。
幾つかの実施形態では、2つの処置の内の第2の処置を実行するステップは、2つの処置の内の第1の処置の実行を停止してから5分以内に2つの処置の内の第2の処置の実行を開始するステップを有する。
幾つかの実施形態では、スポットサイズを変更するステップは、集束レンズを動かすことによってスポットサイズを変更するステップを有する。
幾つかの実施形態では、スポットサイズを変更するステップは、レーザと眼との間の距離を調整することによってスポットサイズを変更するステップを有する。
幾つかの実施形態では、2つの処置の内の第2の処置を実行するステップは、放射線導管を通して放射線ビームを放射することにより、2つの処置の内の第2の処置を実行するステップを有し、レーザと眼との間の距離を調整するステップは、放射線導管を動かさずに、レーザと眼との間の距離を調整するステップを有する。
【0015】
幾つかの実施形態では、処置の間、患者の頭は、表面に結合されたヘッドレストに寄りかかり、放射線導管は表面に結合されている。
幾つかの実施形態では、スポットサイズを変更するステップは、スポットサイズを少なくとも70ミクロン変更するステップを有する。
幾つかの実施形態では、スポットサイズを変更するステップは、スポットサイズを少なくとも300ミクロン変更するステップを有する。
幾つかの実施形態では、スポットサイズを変更するステップは、放射線ビームの輻輳角度を変更する光学系をレーザの光路に配置することによってスポットサイズを変更するステップを有する。
幾つかの実施形態では、第2の処置を実行するステップは、光学系を通して眼を画像化しながら眼を照射するステップを有する。
【0016】
幾つかの実施形態では、光路が、レーザと眼との間に配置された放射線導管を通過し、光学系を光路に配置するステップは、光学系を放射線導管内に配置することにより、光学系を光路に配置するステップを有する。
幾つかの実施形態では、光学系を光路に配置するステップは、光学系を含む放射線導管をレーザと眼との間に配置することによって光学系を光路に配置するステップを有する。
幾つかの実施形態では、2つの処置の1つは虹彩切開術を有する。
幾つかの実施形態では、2つの処置の別の1つは線維柱帯形成術を有する。
幾つかの実施形態では、方法は、虹彩切開術を行う前に、収差補正光学系をレーザの光路に挿入するステップをさらに有する。
幾つかの実施形態では、収差補正光学系がレンズを含み、レンズを光路に挿入するステップは、レンズを眼に押し付けることによってレンズを光路に挿入するステップを有する。
幾つかの実施形態では、収差補正光学系は、楕円ミラー、変形可能ミラー、および自由形状光学系からなる要素のグループから選択される1つの要素を有する。
【0017】
本発明の幾つかの実施形態によれば、さらに1つまたは複数の第1の放射線パルスをターゲット部位に照射することにより、眼の虹彩のターゲット部位を薄くし、そしてターゲット部位を薄くした後、ターゲット部位に1つまたは複数の第2の放射線パルスを照射することによりターゲット部位を貫通する穴を形成する、ように構成されたレーザを含むシステムが提供される。システムはさらに、ターゲット部位を薄くした後、穴を形成する前に、レーザによって放出される放射線ビームのピーク強度を増加させるように構成されたコントローラを有する。
幾つかの実施形態では、コントローラが、虹彩上の放射線ビームのスポットサイズを縮小することにより、ピーク強度を増加させるように構成される。
幾つかの実施形態では、コントローラが、レーザのパルス持続時間を減少させることによってピーク強度を増加させるように構成される。
幾つかの実施形態では、レーザは、Qスイッチを含む能動Qスイッチレーザを含み、コントローラは、第1の放射の各々に対して少なくとも100nsの間、Qスイッチを開いたままにするように構成される。
幾つかの実施形態では、コントローラは、第1の放射線パルスのそれぞれに対してQスイッチが開いている間に、レーザをポンピングするようにさらに構成される。
【0018】
本発明の幾つかの実施形態によれば、さらにレーザを使用して、ターゲット部位に1つまたは複数の第1の放射線パルスを照射することにより、眼の虹彩のターゲット部位を薄くするステップを有する方法が提供される。方法はさらに、ターゲット部位を薄くした後、レーザによって放出される放射線ビームのピーク強度を増加させるステップと;そしてピーク強度を増加させた後、レーザを使用してターゲット部位に1つまたは複数の第2の放射線パルスを照射することにより、ターゲット部位を貫通する穴を形成するステップと;を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は添付の図面を参照した以下の実施形態の詳細な説明により、より完全に理解されよう:
図1】本発明のいくつかの実施形態による、患者の眼に対して複数の処置を行うためのシステムの概略図である。
図2】本発明のいくつかの実施形態による眼科手術装置の概略図である。
図3A-3B】本発明のいくつかの実施形態による、レーザの光路に挿入された収差補正光学系の概略図である。
図4】本発明のいくつかの実施形態による虹彩切開処置を実行するための技法の流れ図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態による、眼および眼の一部の画像の概略図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態による、ターゲット部位を薄くするためのアルゴリズムの流れ図である。そして
図7】本発明のいくつかの実施形態による、ターゲット部位を貫通する穴を形成するためのアルゴリズムの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(概要)
手作業で行われる従来のレーザ虹彩切開術は、かなりのスキルと訓練を必要とし、効果的かつ効率的に実行するのが難しいことがよくある。
【0021】
この課題に対処するために、本発明の実施形態は、自動化されたレーザ虹彩切開処置のためのシステムおよび方法を提供する。詳細には、本発明の実施形態は、虹彩の画像処理に応答して、虹彩のターゲット部位に向けたレーザビームの発射を制御するように構成されたコントローラを提供する。例えば、レーザを発射する前に、コントローラは、そこを貫通して穴が形成されうる虹彩の陰窩を識別し、陰窩の一部をターゲット部位として指定することができる。その後、画像内のターゲット部位の追跡に応答して、コントローラは、ビームが発射されている間、レーザをターゲット部位に向けさせ続けてもよい。さらに、画像内でのターゲット部位を通る流体の流れの兆候の識別に応答して、コントローラは処置を終了することができる。
【0022】
本発明の実施形態は、虹彩のターゲット部分を薄くするためと、ターゲット部分を貫通する穴を形成するための両方に、同じレーザを使用するための技術をさらに提供する。例えば、アクティブQスイッチレーザは、虹彩を薄くするのに適した比較的長いパルスで作動し、次に虹彩に穴を形成するのに適した短いパルスで作動することができる。対照的に、従来のレーザ虹彩切開術では、通常、薄化と穴の形成に別々のレーザを使用する。
【0023】
さらに、本発明の実施形態は、自動虹彩切開を行う直前または直後に、同じシステムを使用して別のタイプの自動処置を行うための技法を提供する。例えば、自動化された線維柱帯形成術に続いて、レーザを患者から遠ざける、および/またはレーザの光路に適切な光学系を挿入することにより、レーザビームのスポットサイズを縮小することができる。その後、スポットサイズを縮小して虹彩切開術を行うことができる。
【0024】
(システムの説明)
図1は、本発明のいくつかの実施形態による、患者22の眼25に複数の外科手術を行うための眼科手術装置21を含むシステム20の概略図である。本発明のいくつかの実施形態による眼科手術装置21の概略図である図2をさらに参照する。
【0025】
眼科手術装置21は、光学ユニット30およびコントローラ44を備えている。光学ユニット30は、1つまたは複数のビーム指向要素を備えており、たとえば、1つまたは複数の、集合的に「ガルバノスキャナ」と呼ばれる、ガルバノミラー50または音響コイルによって動かされる1つのミラーを備えている。代替的または追加的に、ビーム指向要素はビーム収束器56を含むことができる。光学ユニット30はさらにレーザ48を含む。レーザ48は、治療ビーム52をビーム指向要素に向けて放射し、ビームがビーム指向要素により方向づけられることにより、眼25に治療ビーム52を照射するように構成される。各治療ビーム52は、楕円形(例えば、円形)形状、正方形形状、または任意の他の適切な形状を有することができる。いくつかの実施形態では、各治療ビームは、円形ビームレットの螺旋または円などの、ビームレットのパターンを含む。
【0026】
より具体的には、レーザ48から各治療ビーム52(または一連の治療ビーム)を放射する前、および/またはビームが放射されている間に、コントローラ44は、ビーム指向要素を眼25のターゲット部位に向け、それによりビーム指向要素によって、ビームがターゲット部位に向けられる。例えば、ビームは、ガルボミラー50によってビーム収束器56に向かって偏向され、ビームがターゲット部位に衝突するようにビーム収束器によって偏向されてもよい。(各治療ビームは無限小ではないスポットサイズで眼に衝突するため、本出願では一般に、各ビームが眼の「部位」または「領域」に衝突すると説明し、その面積はスポットサイズの関数ではなく、したがって、ビームは、ビーム収束器56などのビーム指向要素の最下流から眼25まで延びる光路92をたどる。(実際には、連続するビームのそれぞれの経路は、例えば、ビームが異なるそれぞれのターゲット部位に向けられているため、および/または眼の動きにより、互いにわずかに異なる場合がある。しかしこれらの変異か非常に小さいと仮定すると、本明細書の記載はすべての治療ビームがたどる単一の光路92に関する。
【0027】
典型的には、光学ユニット30は、治療ビーム52を集束させる集束レンズ74をさらに含む。いくつかの実施形態では、図2に示されるように、集束レンズ74は、ビーム指向要素の上流、例えば、レーザとビーム指向要素との間に位置する。他の実施形態では、集束レンズは、1つまたは複数のビーム指向要素の下流、例えばガルボミラー50とビーム収束器56との間に位置する。
【0028】
光学ユニット30はさらにカメラ54を含む。図2に示すように、カメラ54は通常、少なくともほぼ光路92とアライメントされる。例えば、光路92と、眼25からカメラまで延びる仮想線との間の角度は、15度未満であり得る。いくつかの実施形態では、カメラがビーム収束器を介して光を受けるように、カメラはビーム収束器56の背後に配置される。他の実施形態では、カメラに到達する光がビーム収束器を通過しないように、カメラは光路92とアライメントされない。
【0029】
各処置の前に、カメラ54は眼25の少なくとも1つの画像を取得する.画像に基づいて、コントローラ44および/または眼科医または別の医師などのシステムのユーザは、1つまたは複数の照射するターゲット部位を画定および/または変更することができる。その後、処置中に、カメラ54は、患者の眼の複数の画像を比較的高い頻度で取得することができる。これらの画像のそれぞれを処理することにより、コントローラ44は、眼の動きを追跡し、および/またはこれまでの治療の効果を評価することができる。それに応答して、コントローラは、レーザ48およびビーム指向要素を制御することができる。
【0030】
典型的には、レーザ48は、例えばその開示が参照により本明細書に組み込まれる、国際特許出願公開WO/2020/008323(特許文献2)に記載されているように、1つまたは複数の照準ビームを眼に向けて放射するようにさらに構成される。カメラ54によって取得された画像において視認可能な照準ビームは、コントローラ44がレーザ48およびビーム指向要素を制御するのを助けることができる。通常、照準ビームは治療ビーム52と同一直線上にある。
【0031】
通常、光学ユニット30は、光源66をさらに備え、光源66は、少なくともほぼ光路92とアライメントされる。光源66は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、国際特許出願PCT/IB2019/059058に記載されているように、可視光68を発光することによって凝視ターゲット64として機能するように構成される。他の実施形態では、光学ユニットは光源66を含まない。
【0032】
通常、光学ユニットは光学ベンチを含み、レーザ、ガルボミラー、ビーム収束器など、光学ユニットに属する前述の光学系の少なくともいくつかが光学ベンチに結合される。通常、光学ユニットは、治療ビーム、照準ビーム、および可視光68がそこを通過する前面33をさらに含む。例えば、光学ユニット30は、少なくとも部分的に光学ベンチを包み、前面33を含む容器31を含むことができる(容器31は、プラスチック、金属、および/または任意の他の適切な材料で作ることができる)。前面33は、光学ベンチに取り付けるか、または光学ベンチの一体部分とすることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、前面33は、治療ビーム、照準ビーム、および可視光68がそこを通過する開口部58を画定する形状である。他の実施形態では、前面は、開口部58の代わりに出口窓を備え、前述の放射線が出口窓を通過するようにする。出口窓は、プラスチック、ガラス、またはその他の適切な材料で作ることができる。
【0034】
通常、光学ユニット30は、例えば、白色光または赤外線LEDなどの1つまたは複数のLEDを含む1つまたは複数の照明源60をさらに含む。そのような実施形態では、制御装置44は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、国際特許出願公開WO/2020/008323(特許文献2)に記載されているように、照明源60に対し眼に向かって断続的に光をフラッシュするようにさせることができる。この点滅により、カメラによる画像化が容易になり、さらに眼の瞳孔を収縮させることができる。(図の簡略化のため、コントローラ44と照明源60との間の電気的接続は、図2には明示的に示されていない。)いくつかの実施形態では、照明源60は、図2に示されるように、前面33に結合される。
【0035】
国際特許出願公開WO/2020/008323に記載されているように、光学ユニットは、光学ユニットの位置決めを容易にするために、複数の三角測距ビームを眼に当てるように構成された複数のビームエミッタ62(例えば、それぞれのレーザダイオードを備える)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ビームエミッタ62は、図2に示すように前面33に結合される。他の実施形態では、ビームエミッタ62は、光学ベンチに直接結合される。(そのような実施形態では、距離測定ビームは開口部58を通って放射されてもよい。)
【0036】
光学ユニット30は、ジョイスティックなどの制御機構36によって制御されるXYZステージユニット32に取り付けられている。制御機構36を使用して、システム20のユーザは、眼を治療する前に、光学ユニットの3つの移動軸のうちの1つまたは複数に沿って光学ユニットを配置することができる。いくつかの実施形態では、XYZステージユニット32は、ステージユニットの位置決め後のステージユニットの動きを阻止するように構成されたロック要素を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、XYZステージユニット32は1つまたは複数のモータ34を含み、制御機構36はインターフェース回路46に接続されている。ユーザが制御機構を操作すると、インターフェース回路46はこの活動を適切な電子信号に変換し、これらの信号を出力する。信号に応答して、コントローラはXYZステージユニットのモータを制御する。
【0038】
他の実施形態では、XYZステージユニット32は、制御機構を操作することにより手動で制御される。そのような実施形態では、XYZステージユニットは、モータ34の代わりに1組のギアを含んでもよい。
【0039】
システム20は、典型的には額当て26および顎当て28を備えるヘッドレスト24をさらに備える。各処置の間、患者22は、ヘッドレストが患者の頭部を支持するように、頭部をヘッドレスト24に対して載せる。例えば、患者は、顎を顎当て28に乗せながら、額を額当て26に押し付けることができる.いくつかの実施形態では、ヘッドレスト24は、患者の頭を後ろから固定し、患者の頭をヘッドレストに対して押し続けるように構成された固定ストラップ27を含む。通常、ヘッドレスト24は、トレイまたはテーブルトップなどの表面38に結合される。いくつかの実施形態では、XYZステージユニット32も表面38に結合される。
【0040】
いくつかの実施形態では、図1に示すように、患者の眼を照射している間、光路92が斜めであるように、眼は光学ユニットに向かって斜め下方を見つめながら、光学ユニットは眼に向かって斜め上向きに向けられる。例えば、光路は、水平に対して5度から20度の間の角度θに方向づけられてもよい。有利なことに、この配向は、患者の上眼瞼および関連する解剖学的構造による患者の眼の閉塞を減少させる。
【0041】
いくつかの実施形態では、図1に示すように、光学ユニットがXYZステージユニットに取り付けられた楔40に取り付けられていることにより、光路の斜め配向が達成される。すなわち、光学ユニットは楔40を介してXYZステージユニットに取り付けられている(図2では楔40は省略されている)。
【0042】
いくつかの実施形態では、システム20は放射線導管76をさらに含み、治療ビーム52および可視光68などの本明細書に記載の様々なタイプの放射線が導管76を通して放出される(すなわち、放射線ビームは導管を通過するように放出される)。いくつかの実施形態では、導管76の内面および/または外面は、狙い間違えた治療ビームまたは散乱光を吸収し、および/またはカメラに干渉する外光を遮断するように構成される。代替的または追加的に、導管は、以下でさらに説明するように、1つまたは複数の光学系を保持することができる。
【0043】
通常、導管76は中空であり、放射線が導管内の空気を通過するようになっている。例えば、導管76は、金属、ガラス、または任意の他の適切な材料から作ることができる錐台形または円筒形の管を含みうる。そのようないくつかの実施形態では、導管は連続する壁を有する。他のそのような実施形態では、導管76は、1つまたは複数の開口部を画定するように形作られる。例えば、導管76は、ワイヤメッシュなどのワイヤ構造を含むことができる。他の実施形態では、導管76は、放射線が材料を通過するように、錐台形状または円筒形状の材料(例えば、ガラス)の透明な部分を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、導管76の遠位端は眼に接触する。そのような実施形態では、導管の遠位端は、眼25のまぶたを引っ込め、および/または眼を安定化させる、すなわち、眼が動かないようにすることができる。他の実施形態では、導管は眼に接触しない。
【0045】
典型的には、導管76は装置21に結合されていないので、導管を動かさずにレーザ48と眼との間の距離を調節することができる。例えば、導管はヘッドレスト24または表面38に結合することができる。具体例として、導管は、1つまたは複数のピボットジョイント72を含む伸縮アーム70を介して表面38に結合することができる。アーム70の長さを調整し/またはピボットジョイント72を回転させることにより、ユーザは導管の位置および向きを調整することができる。あるいは、導管76は、ユーザにより保持されうる。
【0046】
システム20は、カメラによって取得された眼の画像を表示するように構成されたモニタ42をさらに含む。モニタ42は、光学ユニット30に取り付けるか、装置21の隣の表面38など、他の適切な場所に配置することができる。代替的または追加的に、システム20は、ユーザが使用できるキーボードまたはマウスなどの他の適切な入力装置を含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、モニタ42は、有線または無線通信インターフェースを介してコントローラ44に直接接続される。他の実施形態では、モニタ42は、標準のデスクトップコンピュータに属するプロセッサなどの外部プロセッサを介してコントローラ44に接続される。
【0048】
いくつかの実施形態では、図2に示すように、コントローラ44は、XYZステージユニット32内に配置される。他の実施形態では、コントローラ44は、XYZステージユニットの外部に配置される。代替的または追加的に、コントローラは、本明細書に記載の機能の少なくともいくつかを別の外部プロセッサと協働して実行することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のコントローラ44の機能の少なくとも一部は、例えば、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を使用して、ハードウェアに実装される。代替的または追加的に、コントローラ44は、ソフトウェアおよび/またはファームウェアコードを実行することにより、本明細書に記載の機能の少なくともいくつかを実行することができる。例えば、コントローラ44は、中央処理装置(CPU)およびランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。ソフトウェアプログラムを含むプログラムコードおよび/またはデータは、CPUによる実行および処理のためにRAMにロードされてもよい。プログラムコードおよび/またはデータは、例えばネットワークを介して、電子形式でコントローラにダウンロードすることができる。代替的または追加的に、プログラムコードおよび/またはデータは、磁気、光学、または電子メモリなどの非一過性有形媒体に提供および/または保存されうる。そのようなプログラムコードおよび/またはデータは、コントローラに提供されると、本明細書に記載のタスクを実行するように構成された機械または専用コンピュータを生成する。いくつかの実施形態では、コントローラは、Varisite(登録商標)DART-MX8Mなどのシステムオンモジュール(SOM)を含む。
【0050】
(複数の処置の実行)
有利なことに、システム20は、単一のセッションにおいて、処置間の遅延が比較的少ない複数の処置を眼25に対して実行するように構成される。例えば、第2の処置を5分以内に開始することができる、すなわち、第2の処置の第1の処置ビームを、第1の処置を行うために停止してから5分以内、すなわち、第1の処置の最後の処置ビームを放射してから5分以内に、放射することができる。
【0051】
例えば、虹彩切開術は、線維柱帯形成術などの別の処置の直後に実施される場合がある。(例えば、それぞれの開示が参照により本明細書に組み込まれる、国際特許出願公開WO/2020/008323および国際特許出願PCT/IB2019/059058に記載されているように、線維柱帯形成術は、自動または半自動で実施され得る。)あるいは、虹彩切開術は他の処置の直前に実行されうる。
【0052】
連続的な処置の実行を容易にするために、システム20は、レーザによって放出される治療ビームの眼の上でのスポットサイズを変更することを可能にする。したがって、例えば、線維柱帯形成術に続いて、スポットサイズは、虹彩切開術処置に適した値まで(例えば、少なくとも70ミクロン、例えば、少なくとも300ミクロンだけ)減少され得る。(通常、虹彩切開術に必要なスポットサイズは、光破壊に必要な強度が高いため、比較的小さくなる。) その後、スポットサイズを縮小して虹彩切開術を行うことができる。あるいは、虹彩切開術後にスポットサイズを大きくして、大きくされたスポットサイズで線維柱帯形成術を行ってもよい。
【0053】
特定の例として、線維柱帯形成術の間、眼の上のスポットサイズは、300ミクロンよりも大きい(例えば、約400ミクロン)など、100ミクロンを超える場合がある。その後、スポットサイズを30ミクロン未満、たとえば10ミクロン未満に縮小し、虹彩切開術を実行することができる。
【0054】
スポットサイズを変更するには、さまざまな手法を使用できる。例えば、コントローラ44は、集束レンズ74をレーザに近づけたり、レーザから遠ざけたりすることができる。代替的または追加的に、ユーザは、光学ユニットを患者に向かってまたは患者から遠ざけることによって、レーザと眼の間の距離を調整することができる。(この調整を容易にするために、制御装置は、光学ユニットが患者から正しい距離にあるときに、測距ビームが眼に収束するように、ビームエミッタ62によって放出される測距ビーム間の輻輳角を調整することができる。)光学ユニットの動きを補償するために、コントローラ44は、例えば、別の集束レンズ(図示せず)をカメラの画像センサに近づけたり遠ざけたりして、照射されるべき眼の部分の焦点が合うようにすることにより、カメラの焦点を調整することができる。
【0055】
代替的または追加的に、スポットサイズを変更するために、治療ビームの輻輳角を変更する光学系78を光路92に配置することができる。光学系78は、任意の数のレンズ(たとえば、シングレット、ダブレット、および/またはトリプレットのレンズ)、回折光学素子、自由形状光学素子、位相板、および/または他の光学素子を含みうる。
【0056】
典型的には、光学系78を光路92に配置した後、光学系もカメラの光路上にあり、第2の処置中に眼が照射されている間、眼は光学系を介して画像化される。したがって、有利なことに、光学系は、カメラの視野内のターゲット部位を拡大または縮小することができる。例えば、虹彩切開術の場合、光学系78は、レーザのスポットサイズを縮小し、カメラをターゲット部位にズームインさせる。
【0057】
いくつかの実施形態において、光学系78は導管76に含まれる。例えば、導管なしで第1の処置を行った後、光学系を含む導管が、レーザと眼の間に置かれ、第2の処置がその後、実行される。あるいは、光学系を含まない導管を用いて第1の処置を実行した後、光学系を導管内に配置し、次いで第2の処置を実行することができる。光学系78は、接着剤を介して、1つまたは複数のねじを介して、および/または任意の他の適切な結合機構を介して導管76の内壁に結合され得る。
【0058】
他の実施形態では、光学系78は、出口窓または光学ユニットの光学ベンチに取り付けられるか、または他の方法で(例えば、コントローラによって自動的に)レーザの光路に配置される。
【0059】
通常、治療ビーム52の波長は、500~1100nmなど、300~1300nmの間である。いくつかの実施形態では、虹彩切開術に使用される波長は、虹彩切開術の前または後に行われる別の処置に使用される波長とは異なる。純粋に説明のための例として、532nmでの線維柱帯形成術に続いて、1064nmで虹彩切開術を行うことができる。他の実施形態では、波長は同じである。たとえば、532nmでの線維柱帯形成術に続いて、532nmで虹彩切開術を行うこともできる。
【0060】
(1064nm が通常、虹彩切開術に使用されることに注意されたい。しかし、本発明者は、532nm などのより短い波長を有する放射線ビームが、このようなビームが、より大きな波長のビームに比べて、より小さなスポットサイズ (したがって、より大きな強度)とより大きなフォトンエネルギーを有することに起因して、虹彩切開術に必要な光破壊プロセスをより容易にする可能性があることを認識した。
【0061】
いくつかの実施形態では、虹彩切開術を行う前に、収差補正光学系がレーザの光路に挿入される。収差補正光学系は、角膜の中心からずれて眼の角膜を通過するレーザビームによって引き起こされる、レーザビームの軸外収差を補正する。一般に、収差補正光学系をレーザの光路に挿入した後、収差補正光学系はカメラの光路にも配置される。
【0062】
例えば、上述のようにレーザビームのスポットサイズを変更する光学系78は、収差補正光学系として機能することもできる。光学系78が使用されない、または光学系78が不十分な収差補正を提供する実施形態の場合、別の収差補正光学系を使用することができる。このような光学系は、アブラハム レンズまたはワイズ レンズなど、眼に押し付けられるレンズを含みうる。そのようなレンズは、導管76の遠位端に結合されるか、またはシステムの使用者によって保持される。このようなレンズは、通常、レーザによって発出される放射線ビームのスポットサイズに影響を与えるため、スポットサイズの調整は、レンズが使用されている実施形態では、レンズが使用されていない他の実施形態とは異なる方法で実行される。
【0063】
接触レンズの代わりに、収差補正光学系は、眼に接触しない光学系を含んでもよい。このような光学系は、光学系78について上述したように、任意の適切な方法でレーザの光路に挿入されうる。図3A~Bは、本発明のいくつかの実施形態による、レーザの光路に挿入された収差補正光学系の概略図である。
【0064】
いくつかの実施形態では、変形可能または楕円形のミラー82が光路に挿入される。例えば、図3Aに示すように、ミラー82は、ロッド84によって導管76の内壁に結合され得る。導管76は、治療ビーム52をミラー82上に偏向させる別のミラー80をさらに含み得る。
【0065】
他の実施形態では、自由形状の光学系が光路に挿入される。このような光学系は、図3Bに示すように、透過位相素子86(例えば、レンズを含む)を含むことができる。
【0066】
光学系78は、収差補正光学系の上流または下流に配置することができる。図1を参照して上で説明し、図3A~Bに示すように、光学系78は、治療ビームのスポットサイズを虹彩切開術に適した値に縮小することができる。
【0067】
有利なことに、レーザの光路に挿入された光学系はまた、可視光68(図2)、測距ビーム、照準ビーム、および照明源60(図2)の使用を促進するように構成されうる。例えば、光学系78は、治療ビームのスポットサイズが変更されるのと同じ係数だけ照準ビームのスポットサイズを変更することができる。逆に、距離測定ビームおよび可視光68は、変更なしに光学系78を通過することができる。
【0068】
代替の実施形態では、収差補正光学系は、カメラの光路に挿入されるが、レーザの光路には挿入されない。
【0069】
上記の要素のいずれかに代替的または追加的に、収差補正光学系は、任意の数のレンズ (たとえば、シングレット、ダブレット、および/またはトリプレット レンズ)、回折光学要素、自由形状光学要素、位相板、および/または他の光学要素を含みうる。
【0070】
(虹彩切開術の処置)
ここで、本発明のいくつかの実施形態による虹彩切開術処置を実行するための技法88の流れ図である図4を参照する。
【0071】
通常、虹彩の他の部分ではなく、陰窩に貫通穴をあけるのが最も簡単で安全である。したがって、技法88は通常、虹彩の陰窩が照射のために識別される陰窩識別ステップ90から始まる。
【0072】
いくつかの実施形態では、陰窩識別ステップ90は、コントローラ44(図2)によって自動的に実行され、コントローラは、カメラによって取得された虹彩の少なくとも一部の画像内の陰窩を識別する。一般に、この識別には、任意の適切な画像処理技術を使用することができる。たとえば、コントローラは、最初に画像の明るさ、コントラスト、均一性、および/またはホワイトバランスを調整することができる。その後、コントローラはブレを除去し、画像からノイズを除去することができる。次に、コントローラはエッジ検出器を画像に適用し、検出されたエッジを使用して虹彩内のオブジェクトをセグメント化することができる。その後、開いたオブジェクト、眼の瞳孔までの距離が事前定義されたしきい値(例えば、瞳孔と角膜輪部間の距離の3分の1)未満のオブジェクト、および/またはサイズが事前定義されたしきい値(たとえば、最大幅が30 μm未満のもの)未満のオブジェクトは破棄されうる。(小さくて開いたオブジェクトの除去を容易にするために、コントローラは充填および侵食技法を使用することができる。) その後、コントローラは、陰窩であると想定される残りのオブジェクトの1つを選択することができる。例えば、コントローラは、虹彩の頂上から±30度以内、すなわち11時から1時の間で最大の陰窩、3時または9時からの事前定義された度数内の最大の陰窩、または虹彩の上半分にある最大の陰窩を選択することができる。
【0073】
通常、陰窩の識別に続いて、コントローラはユーザに、照射する陰窩の選択を確認するように求める。例えば、コントローラは、識別された陰窩が強調表示された画像をモニタ42(図1)に表示することができ、ユーザは適切なユーザインターフェースを使用して、識別された陰窩を確認するか、または別の陰窩を選択することができる。
【0074】
他の実施形態では、ユーザは画像内の陰窩を識別し、適切なユーザインターフェースを使用して陰窩の位置をコントローラに示す。
【0075】
コントローラは、ターゲット部位指定ステップ91において、陰窩の識別に応答して陰窩の一部(または陰窩全体)をターゲット部位として指定する。選択肢として、コントローラはターゲット部位をユーザに示し、ユーザはターゲット部位を確認または移動することができる。
【0076】
次に、厚さ評価ステップ93において、コントローラは、ターゲット部位の薄化が必要かどうかを確認する。例えば、コントローラは、薄化が必要かどうかを指定するユーザからの入力を受け取ることができる。あるいは、コントローラは、虹彩の色に基づいて、この評価を自動的に実行することができる。(通常、茶色の虹彩は他の色の虹彩よりも厚いため、茶色の虹彩は薄くする必要があるが、他の虹彩は必要ない場合がある。) 選択肢として、コントローラはユーザにコントローラの評価を確認するように求める。
【0077】
コントローラは、薄化ステップ94で、薄化が必要であることの確認に応答してターゲット部位に1つまたは複数の第1の放射線パルスを照射することにより、レーザにターゲット部位を薄くさせ、第1の放射線パルスがターゲット部位を焼灼する。いくつかの実施形態では、以下に説明するように、虹彩の薄化された部分がターゲット部位を超えて延在するように、薄化のスポットサイズは、その後の穴形成のためのスポットサイズよりも大きい。したがって、薄化ステップ94を実行する前に、コントローラは、虹彩の薄化部分をユーザに示し、ユーザに確認を求めうる。
【0078】
ターゲット部位の薄化後、コントローラは、ピーク強度増加ステップ96で、レーザによって放出される放射線ビームのピーク強度を増加させ、ピーク強度が虹彩の光破壊を引き起こすのに十分に高くなるようにする。ピーク強度増加ステップ96に続いて、または薄化が必要ない場合、コントローラは、穴形成ステップ98で、虹彩に1つまたは複数の第2の放射線パルスを照射することにより、レーザに対し貫通穴をターゲット部位に形成させる。
【0079】
いくつかの実施形態では、レーザのパルス持続時間を減少させることによって、ピーク強度を増加させ、それにより各パルスが同じ量のエネルギーをより短い時間で送達する。例えば、第1の放射線パルスの各々の持続時間は100nsから100msの間であり得るが、第2の放射線パルスの各々の持続時間は10ns未満であり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、レーザは、Qスイッチを含む能動Qスイッチレーザを含む。従来、このようなレーザは比較的短いパルスにのみ使用され、虹彩を薄化のためには他のタイプのレーザが使用されてきた。しかしながら、本発明者らは、第1の放射線パルスの各々に対してQスイッチを比較的長い時間、例えば少なくとも100ns、開いたままにし、選択肢として一方でQスイッチが開いている間、レーザをポンピング(つまり、エネルギーを供給)し続けることにより薄化のために能動Qスイッチレーザを使用できることに気付いた。
【0081】
他の実施形態では、レーザはファイバーレーザを含む。虹彩のターゲット部位を薄化するために、コントローラはレーザをより長いパルスモードで操作することができる。その後、コントローラは、レーザの動作設定をより短いパルスモードに変更し、レーザを使用してターゲット部位に穴を形成することができる。
【0082】
パルス持続時間を短縮する代わりに、またはそれに加えて、コントローラは、虹彩上の放射線ビームのスポットサイズを縮小することにより、ピーク強度を増加させてもよい。これは、例えば、集束レンズ74(図2)を動かすことによって行うことができる。
【0083】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、眼25およびその一部の画像23の概略図である図5を参照する。
【0084】
通常、穴形成ステップ98(図4)において、ターゲット部位41が照射されている間、ターゲット部位41を示す画像23が比較的高い頻度で取得される。コントローラは画像を処理して、ターゲット部位を流れる流体の流れの兆候をチェックする。流体の流れの兆候の識別に応答して、コントローラは処置を終了する、すなわち、レーザがターゲット部位をさらに照射することを禁止する。
【0085】
例えば、コントローラは、画像がターゲット部位を貫通する穴37を示しているかどうかをチェックすることができる。穴37は、例えば、穴と、ターゲット部位が位置する陰窩35の隣接部分などの、穴の外側の虹彩29の部分との間の色の違いに応答して、および/または処置の前に取得した参照画像と画像を比較することに応答して識別されうる。処置を停止するために、コントローラは、識別された穴のサイズが事前定義されたしきい値よりも大きいことを要求する場合がある。例えば、コントローラは、穴の直径D1が、150~200μmまたは350~600μmなど、150~750μmの間の閾値直径より大きいことを要求する場合がある。
【0086】
代替的または追加的に、ターゲット部位の近くのデブリ39の存在がターゲット部位を通る流体の流れを示し得ると仮定して、コントローラは、ターゲット部位から所定の距離内にあるデブリ39について各取得画像をチェックしうる。(通常、デブリ39は小さな粒子の雲として画像に表示される。)デブリ39の識別を容易にするために、コントローラは、2つの画像を相互に関連付ける画像レジスタ技術を使用して、取得した各画像を処置前に取得した参照画像と比較する。処置を停止するために、コントローラは、識別されたデブリのサイズが事前定義されたしきい値よりも大きいことを要求する場合がある。たとえば、コントローラは、デブリで覆われた面積を計算し、この面積がしきい値面積よりも大きいことを要求する場合がある。あるいは、コントローラは、円43を識別されたデブリに適合させ、円43の直径D2が直径D1の少なくとも所定の倍数であることを要求する。この倍数は、たとえば、2~8の間、または8より大きくてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、コントローラは、例えばオプティカルフロー技法を使用して、画像を以前に取得した画像と比較することにより、デブリの動きをさらにチェックする。(具体的には、流体が虹彩の後ろから流れると予想される場合、コントローラは、ターゲット部位からのデブリの動きをチェックすることができる。)そのような実施形態では、処置を停止するために、コントローラは、デブリのサイズがしきい値よりも大きいことに代替的に、または追加的に、デブリの動きを要求する。
【0088】
流体の流れのチェックに代替的に、または追加的に、コントローラは、取得した画像を使用して、眼球の動きおよび/またはこれまでの治療に起因する形態の変化をチェックしてもよい。眼の動きおよび/または形態の変化の識別に応答して、コントローラは、レーザがターゲット部位に向けられたまま維持されるようにビーム指向要素を調整しうる。
【0089】
(アルゴリズムの例)
次に、図6を参照する。これは、本発明のいくつかの実施形態による、薄化ステップ94でターゲット部位を薄くするためのアルゴリズムの流れ図である。
【0090】
図6によると、薄化ステップ94は画像取得ステップ100で始まり、そのステップでカメラ54(図2)が虹彩の少なくとも一部の画像を取得し、画像は通常ターゲット部位の最後に識別された位置をほぼ中心にしている。画像取得ステップ100に続いて、コントローラは、ターゲット部位識別ステップ102において、取得した画像内のターゲット部位を識別する。例えば、コントローラは、パターンマッチング技術を使用して、ターゲット部位が位置する陰窩を識別し、および/またはターゲット部位と重複する、またはターゲット部位の近くに位置する虹彩の他のフィーチャを識別することができる。
【0091】
上で図1~2を参照して説明したように、光学系78は、カメラの視野内の虹彩を拡大することができ、したがって、ターゲット部位の識別を容易にする。
【0092】
ターゲット部位の識別に続いて、コントローラは、レーザ照準ステップ104で、レーザの照準をターゲット部位にあてる。次に、コントローラは、レーザ発射ステップ106でレーザを発射し、レーザによって治療ビームが発射されるようにする。治療ビームは、例えば、少なくとも20Hzの繰り返し率を有する3つ以上のパルスのシーケンスを含むことができる。
【0093】
図6には示されていないが、コントローラは通常、図1~2を参照して上述したように、照準ビームを使用して、レーザの照準がターゲット部位に向けられていることを確認する。例えば、レーザの照準に続いて、コントローラは、レーザに対し、眼に照準ビームを発射させてもよい。その後、コントローラは別の画像を取得し、照準ビームが画像内のターゲット部位と一致することを確認することができる。代替的または追加的に、コントローラは、画像内の照準ビームのスポットサイズを確認することができる。スポットサイズが所望のスポットサイズから逸脱していることに応答して、コントローラは、集束レンズ74(図2)を移動することによってレーザの焦点を調整し、および/または光学ユニットを患者に向かって、または患者から離れて移動する必要があることを示すメッセージをユーザに出力することができる。代替的または追加的に、照準ビームの画像に基づいて、コントローラはカメラの焦点を調整することができる。
【0094】
レーザの発射に続いて、画像取得ステップ100が再び実行される。続いて、コントローラは、薄化評価ステップ107で、取得した画像がターゲット部位の十分な薄化を示しているかどうかを確認する。例えば、画像を以前に取得した画像と比較することにより、コントローラは、ターゲット部位またはその近くの虹彩の特性の変化をチェックすることができる。たとえば、コントローラは、色の変化、新しいエッジまたは欠落したエッジ、および/または陰窩のサイズまたは形状の変化をチェックすることができる。虹彩のターゲット部位が十分に薄くなったとの確認に応答して、コントローラは薄化処置を終了する。そうでない場合、コントローラはターゲット部位識別ステップ102に戻る。
【0095】
次に、図7を参照する。これは、本発明のいくつかの実施形態による、穴形成ステップ98でターゲット部位を貫通する穴を形成するためのアルゴリズムの流れ図である。
【0096】
図7によると、穴形成ステップ98は画像取得ステップ100から始まる。図6を参照して上で説明したパターンマッチング手法を使用して取得した画像内にターゲット部位を識別する。(穴の形成に続いて、コントローラは、パターンマッチング手法を使用して穴を識別することによって、ターゲット部位を識別することができる。)ターゲット部位の識別に続いて、コントローラは、レーザ照準ステップ104で、レーザの照準をターゲット部位に向ける。次に、コントローラは、レーザ発射ステップ106でレーザを発射し、それによりレーザによって治療ビームが発射されるようにする。治療ビームは、例えば、少なくとも20Hzの繰り返し率を有する3つ以上のパルスのシーケンスを含むことができる。
【0097】
図7には示されていないが、図6を参照して上述されたように、コントローラは通常、照準ビームを使用して、レーザがターゲット部位に向けられていることを確認し、および/またはレーザおよび/またはカメラの焦点をチェックする。)
【0098】
レーザの発射に続いて、画像取得ステップ100が再び実行される。その後、コントローラは、ターゲット部位を流れる流体の流れを示すと考えられる、1つまたは複数の特性について取得した画像をチェックする。画像がすべての特性を持っている場合、コントローラは処置を終了する。そうでない場合、コントローラはターゲット部位識別ステップ102に戻る。
【0099】
例えば、図7に示すように、コントローラは、第1のチェックステップ108で、画像がターゲット部位に穴を示しているかどうかをチェックすることができる。はいの場合、コントローラは穴のサイズを計算し、第2のチェックステップ110で、穴が十分に大きいかどうか、すなわち穴のサイズが所定の閾値を超えるかどうかをチェックすることができる。その後、穴が十分に大きい場合、コントローラは、第3のチェックステップ112で、画像がターゲット部位の近く、すなわちターゲット部位から所定の距離内にあるデブリを示すかどうかをチェックすることができる。はいの場合、コントローラはデブリのサイズを計算し、第4のチェックステップ114で、デブリが十分に大きいかどうか、すなわちデブリのサイズが所定の閾値を超えているかどうかをチェックすることができる。はいの場合、プロセッサは、第5のチェックステップ116で、画像がデブリの動きを示すかどうかをチェックすることができる。その後、デブリの動きが検出された場合、プロセッサは処置を終了することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、チェックの1つに失敗した後、コントローラは、ターゲット部位を移動し、および/またはレーザの動作設定を変更することができる。例えば、最初のチェックステップ108において、穴が形成されなかったことを確認した後、コントローラは、レーザの強度を上げてもよい。別の例として、第2のチェックステップ110において、穴が十分に大きくないことを確認した後、コントローラは、ターゲット部位識別ステップ102を実行する際に、ターゲット部位を短い距離だけ移動させ、それによりその後のレーザの発射が穴を拡大させる。あるいは、コントローラは、画像を1つまたは複数の以前に取得した画像と比較することにより、穴が拡大しているかどうかを最初に確認することができる。穴が拡大していないことを確認したことに応答して、コントローラはターゲット部位を移動することができる。それ以外の場合、コントローラはターゲット部位の場所を維持しうる。
【0101】
当業者は、本発明が上記に特に示し説明したものに限定されないことを理解するであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記の様々な特徴の組み合わせおよびサブ組合せ、ならびに上記の説明を読んだ当業者に想起される先行技術にはないそれらの変形および修正の両方を含む。
図1
図2
図3A-3B】
図4
図5
図6
図7