(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
A63F5/04 602A
A63F5/04 602D
A63F5/04 650
(21)【出願番号】P 2023002102
(22)【出願日】2023-01-11
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】菅野 聡
(72)【発明者】
【氏名】小野 洋一
(72)【発明者】
【氏名】長村 友和
(72)【発明者】
【氏名】和田 大亮
(72)【発明者】
【氏名】能冨 晃輔
(72)【発明者】
【氏名】深堀 早太
【審査官】高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-122292(JP,A)
【文献】特開2016-010546(JP,A)
【文献】特開2017-046844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前扉と、
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンと、
遊技を開始させる操作に用いられるスタートレバーと、
遊技価値に関する処理を実行させる操作に用いられる精算ボタンと、
設定値に係る操作手段と、
遊技の進行を制御する制御手段と、
表示手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記スタートレバーの操作に基づき、複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
複数の設定値の間で設定値を変更する設定変更処理を実行可能な設定変更手段と、を備え、
前記表示手段に同時に表示され得る表示として、遊技者に対して注意を喚起する注意喚起表示と、遊技者に対して所定の報知を行う特定表示と、があり、
前記注意喚起表示と前記特定表示とは、重なる部分が生じないように、各表示の表示位置が設定されており、
遊技の開始に必要な規定数の遊技価値が投入された状態において、前記設定値に係る操作手段がOFFからONとされ、前記設定値に係る操作手段がONとなっている状態で前記精算ボタンが操作され、前記精算ボタンが操作されている状態で前記設定値に係る操作手段がOFFとされた場合であっても、前記遊技価値に関する処理が開始され
ず、
遊技の開始に必要な規定数の遊技価値が投入された状態において、前記前扉が開放され、前記スタートレバーが操作されておらず、かつ前記設定値に係る操作手段がOFFとなっている状態で前記スタートレバーが操作された場合には、遊技が開始され、
遊技の開始に必要な規定数の遊技価値が投入された状態において、前記前扉が開放され、前記スタートレバーが操作されていない状態で、前記設定値に係る操作手段がOFFからONとされ、前記設定値に係る操作手段がONとなっている状態で前記スタートレバーが操作され、前記スタートレバーが操作されている状態で前記設定値に係る操作手段がOFFとされた場合、遊技が開始されない
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、外周面に複数の図柄が配列されたリールを複数備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始に伴ってリールが回転を開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。また、リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが複数のリールによって表示されて、この当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理やメダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0003】
また、スロットマシンには、複数段階(設定1~設定6)の設定値の中から設定値を選択可能に構成されているものがある。特許文献1に開示されたスロットマシンは、電源が投入され、ベット数が賭けられていない状態で、設定キー挿入口に設定キーを差し込み、設定キーを時計回りに90度回転させて、設定キースイッチをオンにすると、設定確認状態に移行し、現設定値が設定値表示LEDに表示されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機では、商品性を向上させることが求められている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、商品性が向上された遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンと、
遊技を開始させる操作に用いられるスタートレバーと、
遊技価値に関する処理を実行させる操作に用いられる精算ボタンと、
設定値に係る操作手段と、
遊技の進行を制御する制御手段と、
表示手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記スタートレバーの操作に基づき、複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
複数の設定値の間で設定値を変更する設定変更処理を実行可能な設定変更手段と、を備え、
前記表示手段に同時に表示され得る表示として、遊技者に対して注意を喚起する注意喚起表示と、遊技者に対して所定の報知を行う特定表示と、があり、
前記注意喚起表示と前記特定表示とは、重なる部分が生じないように、各表示の表示位置が設定されており、
遊技の開始に必要な規定数の遊技価値が投入された状態において、前記設定値に係る操作手段がOFFからONとされ、前記設定値に係る操作手段がONとなっている状態で前記精算ボタンが操作され、前記精算ボタンが操作されている状態で前記設定値に係る操作手段がOFFとされた場合であっても、前記遊技価値に関する処理が開始されない。
【0008】
遊技の開始に必要な規定数の遊技価値が投入された状態において、前記設定値に係る操作手段がOFFからONとされ、前記設定値に係る操作手段がONとなっている状態で前記精算ボタンが操作され、前記精算ボタンが操作されている状態で前記設定値に係る操作手段がOFFとされた場合であっても、前記遊技価値に関する処理が開始されないようになっている。このため、意図しない操作や、誤った操作に基づいて前記遊技価値に関する処理が開始されてしまうのを抑制する(防ぐ)ことができる。これにより、遊技機の商品性を高めることができる。
【0009】
また、前記注意喚起表示と前記特定表示とが同時に表示された場合であっても、両者が重なる部分が存在することによる表示の視認性の低下が発生しない。すなわち、双方の表示の視認性を確保することができる。これにより、遊技者は、双方の表示の報知内容を正確に把握することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、商品性が向上された遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図3】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図4】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
【
図5】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
【
図6】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
【
図7】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
【
図9】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【
図10】同、液晶ディスプレイについて説明するための図である。
【
図11】同、レイヤ構造について説明するための図である。
【
図12】同、液晶ディスプレイの表示について説明するための図であり、(a)は左押し推奨表示を示す図であり、(b)はのめり込み防止表示を示す図である。
【
図13】同、液晶ディスプレイの表示について説明するための図であり、左押し推奨表示とのめり込み防止表示とが同時に表示された場合を示す図である。
【
図14】同、液晶ディスプレイの表示について説明するための図であり、(a)は遊技停止示唆表示を示す図であり、(b)は遊技停止示唆表示とのめり込み防止表示とが同時に表示された場合を示す図である。
【
図15】同、液晶ディスプレイの表示について説明するための図であり、(a)は遊技停止示唆表示と左押し推奨表示とが同時に表示された場合を示す図であり、(b)は遊技停止示唆表示とのめり込み防止表示と左押し推奨表示とが同時に表示された場合を示す図である。
【
図16】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図17】同、前扉を開いた状態を示す斜視図である。
【
図18】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図21】同、メインループ処理について説明するためのフローチャートである。
【
図22】同、設定確認処理について説明するためのフローチャートである。
【
図23】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の別の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図24】同、計数ボタンの操作に係る処理について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0013】
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉(前扉)12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0014】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ(音出力手段)14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けてもよい。
【0015】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cは、外周面が一定の間隔で20コマ(20の領域)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配置されている。換言すると、各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されている。また、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態では、第1リール20aの下段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの上段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数)が、3枚に設定されており、規定数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0016】
各リール20a~20cの外周面には、
図2に示すように、白7図柄「白7」、紫7図柄A「紫7A」、紫7図柄B「紫7B」、紫7図柄C「紫7C」、紫7図柄D「紫7D」、黄7図柄「黄7」、赤7図柄「赤7」、黒BAR図柄「黒BAR」、赤BAR図柄「赤BAR」およびブランク図柄「BK」、の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0017】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0018】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0019】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(
図3参照)が設けられている。
【0020】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0021】
また、下扉12bには、演出ボタン(演出操作手段)25が設けられている。演出ボタン25は、遊技者によって押下操作されるものであり、押下されることで液晶ディスプレイ13に表示される演出画像の態様を変化させ、遊技者に対して遊技への参加意識を高めるとともに、興趣を高めるようにしたものである。なお、演出ボタン(演出操作手段)25は、ボタン状でなくてもよく、遊技者の操作を検知可能なものであればよい。
【0022】
図3に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御手段)31と、サブ制御基板(副制御手段)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号や演出ボタン25等の入力手段からの入力信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0023】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0024】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段(サブメモリ)72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0025】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0026】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0027】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0028】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0029】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0030】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、
図4に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0031】
図4に示すように、本実施形態では、小役として、小役1~小役33が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」、「1枚ALL」、「4択黄7A」~「4択黄7H」、「4択3枚A」~「4択3枚D」、「目押し打順A」~「目押し打順D」、「共通3枚A」、「共通3枚B」、「チャンス目A」、「チャンス目B」、「右上がり黄7」、「中段黄7」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」が用意されている。また、小役1~小役3は入賞すると15枚のメダルが払い出される15枚役となっている。また、小役4~小役8は入賞すると8枚のメダルが払い出される8枚役となっている。また、小役9~小役14は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっている。また、小役15~小役33は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」をまとめて「4択黄7」と呼ぶことがある。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」をまとめて「4択3枚役」と呼ぶことがある。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」をまとめて「目押し打順役」と呼ぶことがある。なお、本実施形態においては、基本的に打順ベルとは4択黄7の当選エリアのことを指すが、打順ベルは4択3枚役の当選エリア等を指すものであってもよい。
【0032】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役33)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「8枚ALL」は、小役4~小役33が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「3枚ALL」は、小役9~小役33が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、小役15~小役33が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、1種類の8枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、1種類の3枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、15枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通3枚A」は、複数種類の3枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通3枚B」は、複数種類の3枚役と1種類の1枚役(小役25)とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目A」は、3枚役(小役11)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目B」は、複数種類の3枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「右上がり黄7」は、8枚役(小役6)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「中段黄7」は、8枚役(小役4)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「黒BAR揃い」は、複数種類の8枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通1枚」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0033】
また、本実施形態では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ6が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイA」、「リプレイB」、「打順7揃いリプ」、「中段リプレイ」、「赤7フェイクリプ」、「赤7揃い」および「BAR揃い」が用意されている。
【0034】
当選エリア「リプレイA」、「リプレイB」、「打順7揃いリプ」、「赤7揃い」および「BAR揃い」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「中段リプレイ」および「赤7フェイクリプレイ」は、1種類のリプレイが単独で当選する当選エリアとなっている。
【0035】
また、本実施形態では、ボーナスとして、ビッグボーナス(RBB:特別役)が用意されている。また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」が用意されていると共に、当選エリア「赤7揃い」、「BAR揃い」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」はビッグボーナスが重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「赤7揃い」、「BAR揃い」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選する一方、遊技状態がRBB内部中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選しないようにとなっている。
なお、本実施形態では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0036】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0037】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図4では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がRBB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRBB内部中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「リプレイA」、「リプレイB」、「打順7揃いリプ」、「中段リプレイ」、「赤7フェイクリプ」、「4択黄7A」~「4択黄7H」、「4択3枚A」~「4択3枚D」、「目押し打順A」~「目押し打順D」、「共通3枚A」、「共通3枚B」、「チャンス目A」、「チャンス目B」、「右上がり黄7」、「中段黄7」、「赤7揃い」、「BAR揃い」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、RBB内部中状態またはRBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0038】
また、本実施形態では、一般中状態とRBB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、RBB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態では、RBB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0039】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0040】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0041】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0042】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0043】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0044】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0045】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0046】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0047】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また、打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0048】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。また、「打順1」と「打順2」とをまとめて「左押し」と呼び、「打順3」と「打順4」とをまとめて「中押し」と呼び、「打順5」と「打順6」とをまとめて「右押し」と呼ぶ。また、「中押し」と「右押し」とをまとめて「変則押し」と呼ぶことがある。
【0049】
また、本実施形態では、第1リール20a~第3リール20cについて、ストップボタン26a~26cが操作された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。また、各ストップボタン26a~26cの操作時点から各リール20a~20cが停止するまでに最大で4コマ分(4図柄分)リールが回転可能となっている。そして、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cの外周面上において、当選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が、停止操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)内に位置する場合に、当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上に表示されるように、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを停止させる制御を行う。換言すると、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを、停止操作が行われた時点で有効ライン上に位置している図柄から4個隣にある図柄までのいずれかの図柄が有効ライン上に表示されるように停止させる。
【0050】
また、ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0051】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める方法(個数優先制御)と、メダルの払出数に応じて優先順位を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める個数優先制御を実行する場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置(図柄)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める枚数優先制御を実行する場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。なお、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0052】
図5は、RBB内部中状態において各当選エリアが当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
図5に示すように、4択黄7には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。4択黄7の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると8枚役(正解役)が入賞するようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの4択黄7が当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役4~小役7を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役15、小役17~小役28、小役31を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0053】
各4択黄7の正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7D」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、当選エリア「4択黄7E」~「4択黄7H」は互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7D」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。また、当選エリア「4択黄7E」~「4択黄7H」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。
【0054】
なお、
図5における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。例えば、「1枚(1/2)」という表記は、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。また、「1枚(1/4)」という表記は、1/4の確率で1枚役が入賞し、3/4の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0055】
当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、正解打順で操作がされると、8枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0056】
また、4択黄7の各当選エリアは、一般中状態において当選したときには、RBB内部中状態であれば8枚役が入賞する打順(正解打順)で停止操作がされても8枚役は入賞せず、1枚役が1/2の確率で入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ようになっている。
【0057】
図5に示すように、4択3枚役には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。4択3枚役の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると3枚役(正解役)が入賞するようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞するようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの4択3枚役が当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役9~小役10を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役15~小役28、小役31を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0058】
各4択3枚役の正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。
【0059】
当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、正解打順で操作がされると、3枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するようになっている。
【0060】
また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、一般中状態において当選したときには、正解打順で操作がされると3枚役が入賞し、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞するようになっている。一般中状態における当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」の正解打順は2通りに定められており、他の4通りの打順は不正解打順とされている。また、一般中状態における当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、打順3から打順6のうちのいずれか2通りが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。具体的には、一般中状態における当選エリア「4択3枚A」および「4択3枚B」は、打順3および打順4が正解打順に設定され、打順1、打順2、打順5および打順6が不正解打順に設定されている。また、一般中状態における当選エリア「4択3枚C」および「4択3枚D」は、打順5および打順6が正解打順に設定され、打順1~打順4が不正解打順に設定されている。すなわち、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、一般中状態の方がRBB内部中状態に比べ正解打順の数が多く設定されており、当選した場合に3枚役を入賞させることができる確率(メダルの獲得に対する期待値)が高くされている。
【0061】
図5に示すように、目押し打順役には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。目押し打順役の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると15枚役(正解役)が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞するようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの目押し打順役が当選した場合に、正解停止操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、小役1~3を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解停止操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、小役15~小役20、小役22、小役31~小役33を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0062】
各目押し打順役の正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。
【0063】
当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、正解打順で操作がされ、かつ、所定のタイミング(第1所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている。第1所定タイミングで所定の停止操作がされた場合とは、例えば、最初に停止されるリール20a~20cにおける特定図柄(例えば赤BAR図柄「赤BAR」)が含まれる所定範囲内の図柄が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、としてもよい。換言すると、正解打順で操作をし、かつ、特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、15枚役を入賞させることが可能となっている。
また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ、かつ所定のタイミング(第2所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、1枚役が入賞するようになっている。第2所定タイミングで所定の停止操作がされた場合とは、例えば、最初に停止されるリール20a~20cにおける前記特定図柄が含まれない所定範囲内の図柄が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、としてもよい。
【0064】
4択黄7は、当選した場合に正解打順で操作がされると8枚役が入賞する当選エリアとなっており、目押し打順役は、当選した場合に正解打順で操作がされ、かつ、所定のタイミング(第1所定タイミング)で所定の停止操作がされると15枚役が入賞する当選エリアとなっている。本実施形態では、当選した場合に払い出され得るメダル枚数が4択黄7よりも多い当選エリアとして目押し打順役が設けられている。
【0065】
また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、一般中状態において当選したときには、正解打順で操作がされ、かつ、所定のタイミング(第1所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、一般中状態において当選したときには、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ、かつ所定のタイミング(第2所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、1枚役が入賞するようになっている。一般中状態における当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」の正解打順は2通りに定められており、他の4通りの打順は不正解打順とされている。一般中状態における当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、打順3から打順6のうちのいずれか2通りが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。具体的には、当選エリア「目押し打順A」および「目押し打順順B」は、打順3および打順4が正解打順に設定され、打順1、打順2、打順5および打順6が不正解打順に設定されている。当選エリア「目押し打順C」および「目押し打順D」は、打順5および打順6が正解打順に設定され、打順1~打順4が不正解打順に設定されている。すなわち、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、一般中状態の方がRBB内部中状態に比べ正解打順の数が多く設定されており、当選した場合に15枚役を入賞させることができる確率(メダルの獲得に対する期待値)が高くされている。
【0066】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。本実施形態における有効ライン上に表示される図柄組合せと入賞となる役との対応関係を
図6、
図7に示す。
図6、
図7に示すように、例えば、第1リール20aの下段に黒BAR図柄「黒BAR」が停止し、第2リール20bの中段に赤7図柄「赤7」または白7図柄「白7」が停止し、第3リール20cの上段に黄7図柄「黄7」が停止した場合には、小役1が入賞となる。
【0067】
メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0068】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0069】
本実施形態では、小役1~小役3に入賞すると15枚のメダルが払い出され、小役4~小役8に入賞すると8枚のメダルが払い出され、小役9~小役14に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役15~小役33に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0070】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0071】
遊技状態制御手段49は、
図8に示すように、一般中状態、RBB内部中状態(ボーナス成立状態)およびRBB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0072】
また、上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB作動中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0073】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態においては、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態からはRBB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB内部中状態へ移行させる。
【0074】
RBB内部中状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」、「1枚ALL」および「RBB」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態からRBB作動中状態へ移行させる。
【0075】
RBB作動中状態は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB作動中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態では、RBB作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またRBB作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0076】
図3に示すように、指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82と、を備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定の役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、例えば4択黄7が当選した場合に、正解打順を報知して8枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51が打順ナビ演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0077】
遊技区間制御手段80は、
図9に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0078】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果(所定の役(当選エリア)の当選)に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0079】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に1回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0080】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた第1差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、8枚のメダルの払い出しがあった場合には「8」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を第1差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、第1差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、第1差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、第1差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、第1差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における第1差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、第1差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の第1差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0081】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0082】
演出状態制御手段81は、
図9に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態、特別演出状態、チャンス演出状態およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。また、AT演出状態には、通常AT演出状態および特別AT演出状態が含まれる。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0083】
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に移行させる。
【0084】
通常演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、通常演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。また、通常演出状態は、特別演出状態やAT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。本実施形態では、通常演出状態は、打順ナビ演出が実行されない期間となっている。通常演出状態では、特典付与手段82は、内部抽選の結果(例えば所定の役(当選エリア)の当選)に応じて、特別演出状態へ移行させるか否かを決定する抽選(特別抽選)を行う。通常演出状態において、特別抽選に当選した場合、演出状態制御手段81は、演出状態を特別演出状態へ移行させる。
【0085】
以下、通常演出状態を第1演出状態と称する場合がある。なお、第1演出状態には、前術の非有利区間演出状態が含まれてもよい。
【0086】
特別演出状態(擬似ボーナス演出状態)では、所定回数(例えば25回)の遊技が行われるようになっている。換言すると、演出状態制御手段81は、特別演出状態において所定回数の遊技が行われると、特別演出状態を終了させる。特別演出状態は、打順ナビ演出が実行され得る区間となっている。換言すると、特別演出状態では、指示機能制御手段51は、打順ベル(所定の役(当選エリア):4択黄7)が当選すると、正解打順を報知する打順ナビ演出の実行を決定する。打順ナビ演出の実行が決定されると、演出制御手段100は、正解打順を報知して8枚役の入賞を補助する打順ナビ演出を、液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる。打順ベルが当選し、打順ナビ演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると、8枚役が入賞して8枚のメダルを獲得することができる。打順ナビ演出が実行される特別演出状態は、第1演出状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。演出状態制御手段81は、特別演出状態の終了に基づき、演出状態をチャンス演出状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、通常演出状態での特別抽選の当選に基づき特別演出状態へ移行し、特別演出状態を経由してチャンス演出状態へと移行するが、通常演出状態からチャンス演出状態へ直接移行することがあってもよい。
【0087】
チャンス演出状態では、所定回数(例えば10回)の遊技が行われるようになっている。換言すると、演出状態制御手段81は、チャンス演出状態において所定回数の遊技が行われると、チャンス演出状態を終了させる。チャンス演出状態は、特別演出状態やAT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。本実施形態では、チャンス演出状態は、打順ナビ演出が実行されない期間となっている。
【0088】
チャンス演出状態では、特典付与手段82が、AT演出状態へ移行させるか否かを決定する抽選(AT抽選)を行う。具体的には、チャンス演出状態では、特典付与手段82は、内部抽選の結果(例えば所定の役(当選エリア)の当選)に応じて、AT抽選を行う。このAT抽選に当選すると、遊技者にとって有利となる特典としてのAT演出状態へ移行する権利が付与される。なお、チャンス演出状態において、AT演出状態へ移行する権利が複数付与されることがあってもよい。
【0089】
チャンス演出状態は、AT抽選が実行され得る期間であり、AT演出状態への移行が決定される期待度(指示演出に関する所定の特典の付与に対する期待度)が、第1演出状態よりも高く設定されている。すなわち、チャンス演出状態を第2演出状態とすると、第2演出状態は、第1演出状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。
なお、第1演出状態において、内部抽選の結果に基づきAT抽選が実行されることがあってもよいが、その場合であっても、チャンス演出状態(第2演出状態)の方が第1演出状態よりもAT演出状態への移行が決定される期待度が高くなっており、遊技者にとって有利な状態となっている。
【0090】
演出状態制御手段81は、チャンス演出状態の終了時にAT演出状態へ移行する権利が付与されているか否かを判定し、当該権利が付与されている場合、演出状態をAT演出状態(特別AT演出状態)へ移行させる。一方、当該権利が付与されていない場合、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、チャンス演出状態の終了時に有利区間の終了条件が成立していない場合、演出状態を通常演出状態へ移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)ことがあってもよい。
【0091】
AT演出状態では、指示機能制御手段51は、打順ベル(所定の役(当選エリア):4択黄7)が当選すると、正解打順を報知する打順ナビ演出(指示演出)の実行を決定する。打順ナビ演出の実行が決定されると、演出制御手段100は、正解打順を報知する打順ナビ演出を実行する。打順ナビ演出が実行されるAT演出状態は、第1演出状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。
なお、本実施形態では、AT演出状態における通常AT演出状態および特別AT演出状態のいずれの演出状態においても、打順ベルが当選した際に、打順ナビ演出が実行されるようになっているが、特別AT演出状態における打順ナビ演出の発生頻度を、通常AT演出状態よりも低くしてもよく高くしてもよい。なお、ここで、頻度が低いとは打順ナビ演出が全く行われない場合を含む。
【0092】
本実施形態では、AT演出状態の継続は、AT演出状態において獲得したメダルの差枚数により管理されている。具体的には、AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられたAT終了判定カウンタ67の記憶値に基づき管理されている。特典付与手段82は、AT演出状態の開始時に移行する特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67に設定する値を決定する。換言すると、特典付与手段82は、特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる上乗せを実行する。本実施形態では、特典付与手段82は、AT演出状態の開始時に移行する特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67の記憶値に設定する所定の差枚数に相当する値(初期値)を決定する。換言すると、特典付与手段82は、特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる。なお、AT演出状態の開始時に特別AT演出状態を経由しない場合があってもよく、その場合には、AT演出状態の開始時にAT終了判定カウンタ67の記憶値に所定の差枚数に相当する値が設定されるとしてもよい。また、当該値は、抽選等により決定されるものであってもよい。
【0093】
特別AT演出状態は、AT演出状態の継続に係る値(AT終了判定カウンタ67の記憶値)の初期値を決定する演出状態となっている。演出状態制御手段81は、特別AT演出状態の終了に基づき、演出状態を通常AT演出状態へ移行させる。特別AT演出状態では、所定回数(例えば3回)の遊技が行われ、毎遊技、AT終了判定カウンタ67の記憶値に加算する値が抽選(上乗せ抽選)によって決定される。なお、上乗せ抽選ではAT終了判定カウンタ67の記憶値に加算する値を「0」とすることが決定されてもよい。本実施形態では、特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67の記憶値が所定の値(例えば30)以上増加するようになっている。
なお、特別AT演出状態への移行はAT演出状態の開始時に限るものではない。例えば、AT演出状態において、所定の役(当選エリア)の当選に基づき抽選が行われ、当該抽選に当選して特典としての特別AT演出状態へ移行する権利が付与され、それに基づき特別AT演出状態へ移行することがあってもよい。また、特別AT演出状態以外の演出状態において、所定の役(当選エリア)の当選に基づき、特典としてのAT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる上乗せ(上乗せ抽選)が実行されることがあってもよい。
【0094】
演出状態制御手段81は、特別AT演出状態の終了に基づき、演出状態を通常AT演出状態へ移行させる。換言すると、特別AT演出状態において所定回数(例えば3回)の遊技が行われると、通常AT演出状態が開始される。
【0095】
演出状態制御手段81は、通常AT演出状態において遊技が行われるごとに、AT終了判定カウンタ67の記憶値から、当該遊技の差枚数に相当する値を減算する処理を行う。当該遊技(1回の遊技)の差枚数は、メダルの払出数に相当する値(例えば、8枚のメダルの払い出しがあった場合には「8」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から、遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して求められる。そして、演出状態制御手段81は、通常AT演出状態においてAT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達すると、AT演出状態の終了条件(終了条件のうちの1つ)が成立したとして、AT演出状態(通常AT演出状態)を終了させ、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、AT演出状態の終了時に、有利区間の終了条件が成立していない場合、演出状態を通常演出状態へ移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)ことがあってもよい。本実施形態では、AT演出状態(通常AT演出状態)において獲得したメダルの差枚数が、所定の差枚数(特別AT演出状態で設定された差枚数)に達したことに基づき、AT演出状態が終了するようになっている。
【0096】
なお、通常AT演出状態においてAT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達した際に、AT演出状態へ移行する権利(または特別AT演出状態へ移行する権利)を有している場合には、演出状態制御手段81は、AT演出状態(または特別AT演出状態)を開始させてもよい。
【0097】
本実施形態では、AT演出状態の継続をAT演出状態において獲得したメダルの差枚数により管理するものとしたが、AT演出状態において獲得したメダルの枚数に基づき管理してもよく、また、AT演出状態の継続をAT演出状態における遊技回数、AT演出状態で実行される打順ナビ演出の回数等に基づき管理してもよい。AT終了判定カウンタ67の記憶値は、例えば、AT演出状態において実行可能な遊技の回数を表すものであってもよく、AT演出状態において実行可能な打順ナビ演出の回数(打順ナビ回数)を表すものであってもよい。換言すると、特別AT演出状態において実行可能な遊技回数や実行可能な打順ナビ回数等に相当する値をAT終了判定カウンタ67に設定するとともに、通常AT演出状態において、遊技あるいは打順ナビ演出が行われる毎にAT終了判定カウンタ67の記憶値を更新し、AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値に達したことに基づき、AT演出状態を終了させることとしてもよい。
【0098】
また、本実施形態において、非有利区間演出状態からAT演出状態へ直接移行することがあってもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間(通常演出状態)への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態に移行させるか、通常演出状態へ移行させるか、それとも非有利区間演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。換言すると、AT抽選を非有利区間演出状態において行ってもよい。
また、通常演出状態からAT演出状態へ直接移行することがあってもよい。例えば、特別抽選において、単に特別演出状態への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態に移行させるか、特別演出状態へ移行させるか、それとも通常演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。換言すると、AT抽選を通常演出状態において行ってもよい。
【0099】
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がRBB内部中状態である場合にAT演出状態への移行を可能とし、一般中状態やRBB作動中状態においてはAT演出状態への移行を不可能としてもよい。換言すると、一般中状態やRBB作動中状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
【0100】
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がRBB内部中状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するRBB作動中状態の終了後に一般中状態を経由して再びRBB内部中状態に移行するまでの間、AT演出状態を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞すると打順ナビ演出を止め、再びRBB内部中状態に移行すると打順ナビ演出を再開させるようにしてもよい。
【0101】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、第1差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)およびAT終了判定カウンタ67の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示機能(指示演出)に係る情報も初期化されるようになっている。
【0102】
図1では液晶ディスプレイ13が前扉12(上扉12a)に設けられているものとしたが、以下では、
図10に示す液晶ディスプレイ90が前扉12(上扉12a)に設けられているものとする。液晶ディスプレイ90は、リール20a~20cを備えるリールユニットの前方側に配置されている。液晶ディスプレイ90は、その表示面に所定の表示(表示物を表示させることにより、演出を実行可能となっている。表示物(オブジェクト)とは、例えば、人物、動物、乗り物、建造物、自然物(例えば岩、木など)、文字、背景、模様、図柄、その他の液晶ディスプレイ90上に表示されるもの(画像)のことをいう。
【0103】
液晶ディスプレイ90は、表示領域として、正面(前方)から見た場合にリール20a~20cと重畳しない表示領域であるリール外表示領域と、正面(前方)から見た場合にリール20a~20cと重畳する表示領域であるリール前表示領域と、を有している。リール前表示領域(透過領域)は、表示物を表示可能であるとともに、その後方側に配置されているリール20a~20cの視認が可能となっている。リール外表示領域は、リール前表示領域を囲むように形成されている。
【0104】
図3に示すように、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブメモリ72と、を備えている。また、演出サブ制御手段70は、演出決定手段310と、表示制御手段312と、VDP314(描画手段)と、を備えている。また、VDP314は、VRAM320を備えている。また、サブメモリ72は、複数種類のRAMおよびROMを備えており、サブメモリ72に記憶される各種データは、各RAMやROMに記憶される。演出サブ制御手段70は、メイン制御基板31から送信される各種のコマンドや、演出ボタン25からの入力信号や、サブメモリ72のROMに記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ90に画像を表示させたり、照明装置を点灯あるいは点滅させたり、スピーカ14から演出音を出力させたり、演出物駆動装置を駆動して演出物(役物)を動作させたりするなど、演出装置を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を演出装置に実行させる(各種演出装置を制御する)。
【0105】
演出決定手段310は、メイン制御基板31から送信される各種のコマンドや、演出ボタン25からの入力信号等に基づいて実行する演出内容を決定する。また、演出決定手段310は、実行する演出内容を決定すると、表示制御手段312に対して演出内容を指示するメッセージを設定する。
【0106】
表示制御手段312は、設定されたメッセージの解析等を行って、液晶ディスプレイ90での表示に関する制御を行う。具体的には、表示制御手段312は、所定周期で(例えば、1秒間に60回=60FPSのフレームレートで)液晶描画処理を実行する。液晶描画処理では、表示制御手段312は、設定されたメッセージの解析等を行い、VDP314に対し描画内容を指示する描画コマンド(情報)を構築する。そして、VDP314は描画コマンドに沿って描画を行い、描画された内容が液晶ディスプレイ90の表示領域に表示される。なお、VDP314は、液晶ディスプレイ90の画面での表示に係る描画を行うプロセッサであり、演出決定手段310、表示制御手段312とともにワンチップに統合されている。
【0107】
液晶ディスプレイ90の表示領域には、例えば1秒間に60コマの静止画像が表示されることにより、動画像の演出画像が表示される。以下、1コマのことをフレームという。例えば、演出時間が60秒である演出画像(演出パターン)の場合、その演出画像は、60秒×60フレームの計3600フレームによって構成される。VDP314は、サブメモリ72のROMに記憶された描画素材を1フレーム毎にVRAM320のフレームバッファに展開する。フレームバッファでは、複数の描画素材が設定されたプライオリティ(優先度)に従って重ね合わせられる。具体的には、フレームバッファでは、プライオリティが低い描画素材ほど積層方向の下(背面)側に配置され、プライオリティが高い描画素材ほど積層方向の上(前面)側に配置されるように重ね合わせられる。そして、これにより、1フレームのフレーム画像を示す画像データ(合成画像)がフレームバッファ上に生成される。そして、VDP314は、フレームバッファ上に生成された合成画像に基づいて液晶ディスプレイ90を駆動する。これにより、1フレーム毎に、フレームバッファで生成された合成画像が液晶ディスプレイ90の表示領域に表示される。
【0108】
プライオリティの低い描画素材は、その上からプライオリティのより高い描画素材が重ねられることにより、液晶ディスプレイ90の表示(合成画像)上、その一部又は全部が視認できない場合がある。ただし、各描画素材には透明度の設定が可能であり、上側に重ねられる描画素材に設定された透明度が0(完全に不透明)でない場合はこの限りではなく、透明度の度合いに応じてその下側に隠れた描画素材が液晶ディスプレイ90の表示(合成画像)上、視認可能となる場合もある。
【0109】
描画素材をフレームバッファにバッファされた画像の上に重ねて描画することを、描画素材を上位のレイヤに描画する、と言うことができる。すなわち、1フレームには仮想的な透明のレイヤがN枚存在しており、各描画素材を各レイヤに配置する、と言うことができる。
図11は、描画素材が配置されるレイヤの概念を示す図であり、1フレームを構成するレイヤ構造を示している。重ね合わせられる個々の描画素材には優先度(プライオリティ)が設定されており、優先度のより低い描画素材が下位のレイヤに配置され、優先度のより高い描画素材が上位のレイヤに配置される。なお、各フレームをなす合成画像は、N枚全てのレイヤに描画素材を配置することにより構成することが可能であるが、演出の内容に応じて各合成画像を構成する描画素材の数は変動し、必ずしもN枚全てのレイヤに描画素材を配置することにより構成されるものではない。また、合成画像を構成する描画素材が配置される際に、レイヤが必ずしも空き番なく下位から詰めて使用されるとは限らず、フレーム画像の合成処理における効率等を考慮してレイヤが使用されるため、不使用のレイヤが中間部分に適宜発生し得る。
【0110】
1つのフレームを描画する際には、優先度の低い描画素材から1つずつ順に相応のレイヤに描画される。例えば、1つのフレームが5個の描画素材で構成される場合には、まず優先度が最も低い(優先順位5位の)描画素材が最も下位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。次に優先度が2番目に低い(優先順位4位の)描画素材が、優先順位5位の描画素材が描画されたレイヤよりも上位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。このようにして優先度に従い描画素材が次々と描画されていき、最後に優先度が最も高い(優先順位1位の)描画素材が優先順位2位の描画素材が描画されたレイヤよりも上位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。全ての描画素材を各レイヤに描画し終えた段階で、複数のレイヤを上位側(前面側)から見た合成画像が、そのフレームに対応する合成画像として液晶ディスプレイ90に表示される。換言すると、合成画像を液晶ディスプレイ90の表示領域で見た場合、下位のレイヤに配置された描画素材は、上位のレイヤに配置された描画素材に覆われた状態となる。さらに換言すると、上位側のレイヤほど、表示領域における表示上の優先度が高いと言える。
【0111】
本実施形態では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態である場合には、指示機能に係る抽選(例えばAT演出状態への移行に関する抽選)や、打順ナビ演出に関する特典(例えばAT演出状態への移行確率を上昇させる特典)の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態である場合には、指示機能に係る抽選や、打順ナビ演出に関する特典の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。本実施形態では、基本的に遊技者はRBB内部中状態において遊技を行うようにされているため、以下では、基本的に遊技状態はRBB内部中状態であることを前提として説明する。
【0112】
遊技機は、メダルの獲得性能に関する指標である出玉率(メダルの投入数に対するメダルの払出数の割合)が所定の範囲内に収まるように設計する必要がある。本実施形態の遊技機は、左押しで遊技が行われた場合における出玉率の期待値を、変則押し(中押しまたは右押し)で遊技が行われた場合のものよりも低く設定することで、出玉率(出玉性能)を適切なものとしている。
具体的には、本実施形態では、RBB内部中状態について中押しが正解打順の打順ベルと、右押しが正解打順の打順ベルとを用意するとともに、左押しが正解打順の打順ベルを用意していない。換言すると、本実施形態では、常に左押しで遊技を行った場合の方が、常に中押しで遊技を行った場合または常に右押しで遊技を行った場合に比べ、打順ベルに当選し、8枚のメダルの払い出しを受けることができる確率が低くなっている。換言すると、第1操作態様(変則押し)で操作して遊技を続ける場合の方が、第2操作態様(左押し)で操作して遊技を続ける場合に比べ、8枚役(特定役)が入賞する確率が高くなっている。8枚役は、入賞した場合に1遊技に対しベットされるメダル(遊技価値)よりも多数の遊技価値を獲得できる役と言うことができる。また、遊技の開始に必要となるメダル(遊技価値)の投入数よりも入賞した場合のメダルの払出数が大きい役と言うことができる。本実施形態の遊技機は、基本的に左押し(第2操作態様)での遊技が推奨されている。
【0113】
なお、他の手法により、所定の操作順序(左押し)で遊技を行う場合の出玉率の期待値が、他の操作順序(中押しまたは右押し)で遊技を行う場合のものよりも低くなるように設定されていてもよい。例えば、左押しが正解打順の打順ベルも用意され、内部抽選において左押しが正解打順の打順ベルに当選する確率が、中押しが正解打順の打順ベルに当選する確率よりも低く、かつ、右押しが正解打順の打順ベルに当選する確率よりも低く設定されていてもよい。
【0114】
図5に示すように、打順ベル(当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」)は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。換言すると、打順ベル(当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」)を全体で見た場合、正解打順の設定に偏りが生じている。当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、左押し(第2操作態様)の場合には必ず1枚役(不正解役)が入賞し、中押しまたは右押し(第1操作態様)の場合には、正解打順であれば8枚役(正解役)が入賞し、不正解打順であれば1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しない当選エリアとなっている。このように当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、打順(ストップボタン26a~26cの操作態様(操作順序))に応じてメダルの払出数が異なる(変化する)当選エリアとなっている。
なお、打順に応じてメダルの払出数が異なる当選エリアという場合、4択黄7(打順ベル)に限らず、4択3枚役や目押し打順役を指すものであってもよい。換言すると、打順ベルという場合、4択黄7に限らず4択3枚役や目押し打順役を指すものであってもよい。
【0115】
本実施形態では、非有利区間演出状態、通常演出状態およびチャンス演出状態は、打順ベルに当選した場合であっても、打順ナビ演出の実行が決定されることがなく、左押しでの遊技が推奨される期間(区間)となっている。以下、当該期間を左押し推奨期間とする。上述のとおり、本実施形態の遊技機は、変則押し(第1操作態様)で遊技を続けた場合には、左押し(第2操作態様)で遊技を続けた場合に比べ、8枚役の入賞確率が高くなっている。このため、変則押しでの遊技が続けられた場合、遊技機の出玉性能が過大となるおそれがある。
【0116】
そこで、本実施形態では、左押し推奨期間(打順ナビ演出が実行されない期間)において変則押しで遊技が行われた場合、遊技者に対し、左押しでの遊技を促す表示(左押し推奨表示)が、液晶ディスプレイ90の表示面に表示される。なお、左押し推奨表示の詳細については後述する。
【0117】
また、左押し推奨期間(打順ナビ演出が実行されない期間)において、変則押しで遊技が行われた場合に、遊技者に所定の不利益(ペナルティ)が付与される(課される)ようになっていてもよい。不利益は、当該遊技の遊技回数に相当する値である「1」が、所定のカウンタの記憶値に加算(減算)されないものであってもよい。所定のカウンタとは、記憶値に値が加算(減算)されることが遊技者にとって有利となるカウンタである。所定のカウンタとしては、例えば、通常演出状態において遊技が行われるごとに値「1」が加算され、記憶値が所定の値に達すると、有利な状態(特別演出状態、チャンス演出状態またはAT演出状態)への移行が決定するカウンタがある。また、左押し推奨期間において内部抽選の結果に基づき、遊技者にとって有利となる特典の付与の可否を決定する所定の抽選(例えばAT抽選)が実行される場合に、不利益は、当該遊技(変則押しでの遊技)では、当該所定の抽選が実行されないというものであってもよい。
【0118】
第2操作態様(左押し)で遊技を行っていれば不利益(ペナルティ)を受けないようになっていてもよい。換言すると、第1操作態様(変則押し)とは異なる第2操作態様(左押し)で操作が行われた場合、第1操作態様で操作が行われた場合に比べて、指示演出に関する所定の利益が付与される確率が高くなっていてもよい。当該所定の利益には、所定のカウンタの記憶値に値が加算されることや、所定の抽選が実行されること等がある。
【0119】
次に、左押し推奨期間の1つであるチャンス演出状態について説明する。チャンス演出状態では、変則押し(中押しまたは右押し)で遊技が行われた場合、
図12(a)に示す左押し推奨表示300(第1表示)が液晶ディスプレイ90の表示面に表示される。チャンス演出状態において、変則押し(中押しまたは右押し)で遊技が行われた場合、演出制御手段100は、所定の契機で、左押し推奨表示300を表示させる。演出制御手段100は、例えば、当該遊技(変則押しでの遊技)の第3停止操作に基づき、左押し推奨表示300を表示させる。なお、当該所定の契機は第3停止操作に基づくものに限らず、ストップボタン26b(
図1)あるいはストップボタン26c(
図1)を押下する第1停止操作に基づくものであってもよく、その第1停止操作がされた場合における第2停止操作に基づくものであってもよい。また、停止操作に基づくとは、ストップボタンの押下の開放が検知されたタイミングであってもよく、ストップボタンの押下が検知されたタイミングであってもよい。
【0120】
演出制御手段100は、左押し推奨表示300を表示させた状態で一定時間(第1時間)が経過すると、左押し推奨表示300を表示させない状態とする。換言すると、左押し推奨表示300は、第1時間の間、表示されるようになっている。なお、左押し推奨表示300は、当該遊技(変則押しでの遊技)の次遊技のスタートレバー24の押下(ON)に基づいて、表示されない状態となってもよい。換言すると、次遊技のスタートレバー24の押下まで、左押し推奨表示300が表示されるようになっていてもよい。
【0121】
左押し推奨期間に変則押しでの遊技が行われるとペナルティが付与される場合、左押し推奨表示300は、ペナルティが付与されたことの報知表示となり得る。このため、左押し推奨表示300が表示されている場合、遊技者が当該遊技機での遊技を回避する(当該遊技機の稼働率が低下する)おそれがある。本実施形態では、一定時間(第1時間)の経過に基づき左押し推奨表示300が表示されない状態となるため、そのような遊技の回避を抑制できる。第1時間は比較的短く設定されていることが好ましい。
【0122】
左押し推奨表示300(左押し推奨画像)は、ストップボタン26a~26cを所定の操作態様(左押し)で操作することを促す(指示する)表示であり、「左押し推奨です」という文字(文字列)を含み、左右に長尺な長方形状の表示となっている。左押し推奨表示300は、紺色で塗り潰された長方形状の背景と、「左押し推奨です」という白色の文字と、背景の外周を縁取る白色の枠線と、を含んでいる。白色の部分が比較的多く含まれることから、左押し推奨表示300は、白色を基調とした表示と言うことができる。白色を基調とした表示は、特に周囲が黒系の表示である場合に、相対的に目立つ表示となる。
【0123】
チャンス演出状態では、変則押し(中押しまたは右押し)で遊技が行われた場合であっても、左押しで遊技が行われた場合であっても、
図12(b)に示すのめり込み防止表示400(第2表示)が、液晶ディスプレイ90の表示面に表示され得るようになっている。具体的には、チャンス演出状態での最後の遊技(最終遊技)では、変則押し(中押しまたは右押し)で遊技が行われた場合であっても、左押しで遊技が行われた場合であっても、すなわち、いかなるストップボタンの操作態様(操作順序)で遊技が行われた場合あっても、演出制御手段100が、所定の契機で、のめり込み防止表示400を表示させ得る。演出制御手段100は、例えば、当該遊技(チャンス演出状態での最終遊技)の第3停止操作に基づき、のめり込み防止表示400を表示させる。なお、当該所定の契機は第3停止操作に基づくものに限らず、第1停止操作や第2停止操作に基づくものであってもよく、スタートレバー24の押下に基づくものであってもよく、スタートレバー24あるいは所定のストップボタンが押下されてから所定時間が経過したことに基づくものであってもよい。また、停止操作(押下)に基づくとは、押下の開放が検知されたタイミングであってもよく、押下が検知されたタイミングであってもよい。
【0124】
なお、チャンス演出状態での最終遊技において特典としてのAT演出状態へ移行する権利が付与されている場合には、チャンス演出状態の終了に基づきAT演出状態へ移行するが、その場合には、当該遊技の第3停止操作に基づきのめり込み防止表示400が表示されないようになっていてもよい。
【0125】
演出制御手段100は、のめり込み防止表示400を表示させた状態で一定時間(第2時間)が経過すると、のめり込み防止表示400を表示させない状態とする。換言すると、のめり込み防止表示400は、第2時間の間、表示されるようになっている。本実施形態では、第2時間は、第1時間よりも長く設定されている。換言すると、のめり込み防止表示400は、左押し推奨表示300よりも長い時間にわたり、表示されるようになっている。
なお、のめり込み防止表示400は、当該遊技の次遊技のスタートレバー24の押下(ON)に基づいて、表示されない状態となってもよい。換言すると、次遊技のスタートレバー24の押下まで、のめり込み防止表示400が表示されるようになっていてもよい。
【0126】
のめり込み防止表示400(のめり込み防止画像)は、遊技者に対し、遊技にのめり込み過ぎてしまうことへの注意を喚起する表示(遊技の継続に対して注意を喚起する表示)となっている。本実施形態では、のめり込み防止表示400は、「のめり込みに注意しましょう。パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」という文字(文字列)を含み、左右に長尺な長方形状の表示となっている。のめり込み防止表示400は、長方形状であり、上側半分(上段)の領域が赤色で塗り潰され、かつ下側半分(下段)の領域が白色で塗り潰された背景と、上段に配置される「のめり込みに注意しましょう。」という白色の文字と、下段に配置される「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」という赤色の文字と、を含んでいる。白色の部分が比較的多く含まれることから、のめり込み防止表示400は、白色を基調とした表示と言うことができる。
【0127】
ここで、液晶ディスプレイ90の表示面に表示される大きさ(面積)を比較すると、左押し推奨表示300の方が、のめり込み防止表示400よりも大きくなっている。換言すると、左押し推奨表示300の方が、のめり込み防止表示400よりも表示サイズが大きく設定されている。さらに換言すると、左押し推奨画像の方が、のめり込み防止画像よりも大きいサイズで描画される。
【0128】
左押し推奨表示300とのめり込み防止表示400とは、いずれも遊技者に対して所定の報知(注意喚起)を行う表示となっている。このため、左押し推奨表示300に係る左押し推奨画像と、のめり込み防止表示400に係るのめり込み防止画像とは、他の画像(演出画像など)よりも表示の優先度が相対的に高く設定されており、上位のレイヤに描画(配置)される。さらに、本実施形態では、左押し推奨画像は、のめり込み防止画像よりも上位のレイヤに描画される。本実施形態では、左押し推奨表示300とのめり込み防止表示400とを比較した場合に、左押し推奨表示の方がのめり込み防止表示よりも表示頻度が高くなり得る(より多くの場面で表示され得る)。このため、より多くの他の画像と重ねて配置(描画)され得る左押し推奨画像の方が、のめり込み防止画像よりも優先度が高く設定されている。
【0129】
本実施形態では、チャンス演出状態において、左押し推奨表示300とのめり込み防止表示400とが同時に表示され得る。具体的には、チャンス演出状態における最終遊技で変則押しが行われるという特定状況において、左押し推奨表示300とのめり込み防止表示400とが所定時間にわたって同時に表示され得る(同時に表示される期間が存在し得る)。このとき、一方の表示(のめり込み防止表示400)と他方の表示(左押し推奨表示300)とが重なる(重複する)部分(範囲)が生じ、一方の表示が他方の表示によって覆われ(隠され)、前記一方の表示の視認性が低下した場合、遊技者は報知内容(注意喚起)を正確に把握できないおそれがある。
【0130】
本実施形態では、左押し推奨表示300(遊技者に対して所定の報知を行う特定表示)とのめり込み防止表示400(遊技者に対して注意を喚起する注意喚起表示)とが同時に表示され得ることを考慮し、同時に表示された場合であっても、両者が重なる部分(重複する部分)が生じないように、各表示の表示位置が設定されている。
図13は、左押し推奨表示300とのめり込み防止表示400とが同時に表示された場合を示しているが、左押し推奨表示300の表示位置は表示面の略中央部に設定されていて、のめり込み防止表示400の表示位置は表示面の略右上部に設定されていて、両者が重なる部分は存在していない。左押し推奨画像とのめり込み防止画像とは、同一フレームにおいて描画される場合であっても互いに重なる部分が生じないように、レイヤにおける描画位置(座標)が設定されている。
なお、左押し推奨表示300およびのめり込み防止表示400の表示位置は、
図12および
図13で示した表示位置に限らず、他の表示位置であってもよく、同時に表示された場合に互いに重なる部分が発生しない表示位置となっていればよい。
【0131】
本実施形態では、左押し推奨表示300とのめり込み防止表示400とが同時に表示された場合であっても、両者が重なる部分が存在することによる表示の視認性の低下が発生しない。すなわち、双方の表示の視認性を確保することができる。これにより、遊技者は、双方の表示の報知内容を正確に把握することができる。
【0132】
本実施形態では、
図13に示す状態で、第1時間の経過に伴い先に左押し推奨表示300が表示されない状態となり、次いで、第2時間の経過に伴いのめり込み防止表示400が表示されない状態となる。なお、当該表示されない状態は、徐々に(次第に)表示されない状態となる(フェードアウトする)ように制御されてもよい。
【0133】
本実施形態では、チャンス演出状態(第2演出状態)の最終遊技でのめり込み防止表示400が表示され得るものとし、その場合に、のめり込み防止表示400が、左押し推奨表示300と同時に表示され得る場合について説明した。しかし、のめり込み防止表示400が表示され得るのは、チャンス演出状態に限らず、他の演出状態であってもよい。換言すると、第2演出状態は、チャンス演出状態とは異なる他の演出状態であってもよい。例えば、第2演出状態として、AT演出状態の終了に基づき移行する特定演出状態が設けられている場合について説明する。
【0134】
特定演出状態は、打順ベルに当選しても打順ナビ演出が実行されない左打ち推奨期間となっている。また、特定演出状態では、所定回数の遊技が行われ、内部抽選の結果に応じてAT抽選が実行される。そして、当該AT抽選に当選すると、特典としてのAT演出状態へ移行する権利が付与される。特定演出状態は、AT演出状態への移行が決定される期待度が、第1演出状態よりも高くなっている。換言すると、特定演出状態(第2演出状態)は、第1演出状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。なお、特定演出状態は、チャンス演出状態よりもAT演出状態への移行が決定される期待度が高くなっていてもよい。また、上述のとおり、第1演出状態において内部抽選の結果に基づきAT抽選が実行されることがあってもよいが、その場合であっても、特定演出状態(第2演出状態)の方が第1演出状態よりもAT演出状態への移行が決定される期待度が高くなっており、遊技者にとって有利な状態となっている。
【0135】
特定演出状態での最後の遊技が実行された場合、のめり込み防止表示400が表示され得る。換言すると、特定演出状態での最後の遊技(最終遊技)では、変則押し(中押しまたは右押し)で遊技が行われた場合であっても、左押しで遊技が行われた場合であっても、すなわち、いかなるストップボタンの操作態様(操作順序)で遊技が行われた場合あっても、のめり込み防止表示400が表示され得る。そして、当該遊技が変則押しで行われた場合には、のめり込み防止表示400と左押し推奨表示300とが同時に表示され得る。
【0136】
第2演出状態は、第1演出状態よりも有利なAT演出状態であってもよい。例えば、AT演出状態が連続して実行される場合(例えば特定演出状態を経由しての連続を含む)において、一連のAT演出状態の最後の遊技が実行された場合に、のめり込み防止表示400が表示され得るようになっていてもよい。換言すると、一連のAT演出状態の最後の遊技(最終遊技)において、変則押し(中押しまたは右押し)で遊技が行われた場合であっても、左押しで遊技が行われた場合であっても、すなわち、いかなるストップボタンの操作態様(操作順序)で遊技が行われた場合あっても、のめり込み防止表示400が表示され得るようになっていてもよい。その場合に、当該最後の遊技が変則押しで行われた場合、
のめり込み防止表示400と左押し推奨表示300とが同時に表示され得るようになっていてもよい。
【0137】
また、本実施形態では、左押しで遊技が行われた場合における出玉率の期待値を、中押しまたは右押しで遊技が行われた場合のものよりも低く設定して基本的に左押しでの遊技を推奨するものとしたが、これに限らず、例えば、中押しで遊技が行われた場合における出玉率の期待値を、左押しまたは右押しで遊技が行われた場合のものよりも低く設定して基本的に中押しでの遊技を推奨するものであってもよい。換言すると、本実施形態の左押し推奨期間が中押し推奨期間となっていてもよい。すなわち、第1操作態様(左押しまたは右押し)で操作して遊技を続ける場合の方が、第2操作態様(中押し)で操作して遊技を続ける場合に比べ、8枚役(特定役)が入賞する確率が高くなっていてもよい。そして、中押し推奨期間において、第1操作態様(左押しまたは右押し)で遊技がされた場合に「中押し推奨表示」が表示されるようになっていてもよい。
【0138】
本実施形態の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリール(20a~20c)と、
前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタン(26a~26c)と、
複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段(42)と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段(51)と、
第1演出状態(例えば通常演出状態)と、前記第1演出状態よりも有利な第2演出状態例えばチャンス演出状態)と、を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる制御を行う演出状態制御手段(81)と、
表示手段(90)と、を備え、
前記複数種類の役には、入賞した場合に1遊技に対しベットされる遊技価値よりも多数の遊技価値を獲得できる特定役(8枚役)があり、
前記ストップボタンを第1操作態様(例えば変則押し)で操作して遊技を続ける場合の方が、前記ストップボタンを第2操作態様(例えば左押し)で操作して遊技を続ける場合に比べ、前記特定役が入賞する確率が高くなっており、
前記第2演出状態において、前記第1操作態様で操作して遊技を行った場合に前記表示手段に表示され得る表示として、第1表示(左押し推奨表示300)があり、
前記第2演出状態において、前記第1操作態様で操作して遊技を行った場合であっても、前記第2操作態様で操作して遊技を行った場合であっても、前記表示手段に表示され得る表示として、第2表示(のめり込み防止表示400)があり、
前記第1表示と前記第2表示とは、同時に表示され得るが、同時に表示された場合であっても重なる部分が生じないように、各表示の表示位置が設定されている。
【0139】
前記第1表示(左押し推奨表示300)と前記第2表示(のめり込み防止表示400)とは、同時に表示され得るが、同時に表示された場合であっても重なる部分が生じないように、各表示の表示位置が設定されている。このため、左押し推奨表示300とのめり込み防止表示400とが同時に表示された場合であっても、両者が重なる部分が存在することによる表示の視認性の低下が発生しない。すなわち、双方の表示の視認性を確保することができる。これにより、遊技者は、双方の表示の報知内容を正確に把握することができる。
【0140】
(コンプリート機能)
本実施形態の遊技機は、遊技停止に係る処理を実行する(コンプリート機能を作動する)か否かを、設定変更後(電源投入後)に獲得したメダルの差枚数により管理している。メイン制御基板31は、遊技停止制御手段(図示せず)を備えており、遊技停止制御手段が遊技停止に係る処理を実行すると、遊技機は遊技を行うことができない状態(エラー状態、遊技停止状態)に移行する。遊技停止制御手段は、遊技停止に係る処理を実行するか否かを、記憶手段60のRAMに設けられた第2差枚数カウンタ68(
図3)の記憶値に基づき管理している。
【0141】
遊技停止制御手段は、設定変更後(電源投入後)、遊技が行われるごとに第2差枚数カウンタ68の記憶値をメダルの差枚数によって更新する。具体的には、メダルの払出数に相当する値(例えば、8枚のメダルの払い出しがあった場合には「8」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数を求める。そして、この差枚数に相当する値を、第2差枚数カウンタ68の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、設定変更後(電源投入後)の時点において第2差枚数カウンタ68の記憶値は「0」となっている。第2差枚数カウンタ68の記憶値の更新(処理)は、第1差枚数カウンタ64と同様に制御されてもよい。
【0142】
遊技停止制御手段は、第2差枚数カウンタ68の記憶値がしきい値(例えば19000)を超えた場合に、遊技停止に係る処理の実行条件が成立したとし、遊技機を、遊技を行うことができない状態(エラー状態、遊技停止状態)に移行させる。遊技停止状態では、遊技を行うことができず、遊技が停止したこと(エラーが発生したこと)の報知が、液晶ディスプレイ13やスピーカ14等の演出装置を介して実行される。また、遊技停止状態では、遊技停止(コンプリート機能の作動)を解除する操作としての設定変更が行われると、遊技を行うことが可能な状態に移行する。このとき、当該操作に基づき第2差枚数カウンタ68の記憶値はリセットされて「0」となる。
【0143】
上述のとおり、設定変更後(電源投入後)、遊技が行われるごとに第2差枚数カウンタ68の記憶値が更新される。本実施形態では、第2差枚数カウンタ68の記憶値が所定の値を超えた場合、
図14(a)に示す遊技停止示唆表示500(第1表示)が、液晶ディスプレイ90の表示面に表示される。当該所定の値は、しきい値(19000)よりも小さい値となっており、例えば「18900」となっている。第2差枚数カウンタ68の記憶値が当該所定の値を超えた場合、演出制御手段100は、所定の契機で、遊技停止示唆表示500を表示させる。演出制御手段100は、例えば、当該遊技の第3停止操作に基づき、遊技停止示唆表示500を表示させる。なお、第3停止操作に基づきとは、最後のストップボタンの押下の開放が検知されたタイミングであってもよく、最後のストップボタンの押下が検知されたタイミングであってもよい。
【0144】
遊技停止示唆表示500は、遊技停止に係る処理の実行を示唆する表示(コンプリート機能の作動を事前に報知する表示)であり、遊技者に対し、遊技停止に係る処理が実行されるまでの期間を報知する表示となっている。具体的には、あと何枚のメダルの差枚数を獲得すると、遊技停止に係る処理が実行されるかを報知する表示となっている。
【0145】
遊技停止示唆表示500(遊技停止示唆画像)は、「コンプリート機能作動まで〇〇枚」(〇〇は数字)という文字(文字列)を含み、左右に長尺な長方形状の表示となっている。遊技停止示唆表示500は、黒色で塗り潰された長方形状の背景と、「コンプリート機能作動まで〇〇枚」(〇〇は数字)という白色の文字と、背景の外周を縁取る白色の枠線と、を含んでいる。白色の部分が比較的多く含まれることから、遊技停止示唆表示500は、白色を基調とした表示と言うことができる。
【0146】
第2差枚数カウンタ68の記憶値が所定の値(18900)を超えている状態において、遊技が実行され、第2差枚数カウンタ68の記憶値が更新されると、それに基づき、遊技停止に係る処理が実行されるまでに要するメダルの差枚数が算出され、演出制御手段100は、当該差枚数に応じた遊技停止示唆表示500を表示させる(表示を更新する)。
【0147】
第2差枚数カウンタ68の記憶値がしきい値(19000)を超え、遊技停止に係る処理の実行条件が成立すると(実行条件を満たすと)、遊技停止示唆表示500は表示されない。演出制御手段100は、当該実行条件の成立に基づき、遊技停止示唆表示500を表示させない状態とする。換言すると、遊技停止示唆表示500は、遊技停止に係る処理の実行が決定されると、表示されない状態となる。本実施形態では、遊技停止示唆表示500の表示時間(表示が開始されてから終了するまでの時間)は、左押し推奨表示300(第1時間)やのめり込み防止表示400(第2時間)よりも長くなっている。
【0148】
なお、遊技停止示唆表示500は、所定の遊技(第2差枚数カウンタ68の記憶値が所定の値(18900)を超えた遊技)において(のみ)表示されてものであってもよい。また、第2差枚数カウンタ68の記憶値が所定の値(18900)を超えた後、遊技停止に係る処理の実行条件が成立するまでの間、遊技ごとに(毎遊技)、所定時間の間表示された後表示されない状態となること、を繰り返してもよい。
【0149】
本実施形態では、遊技停止示唆表示500は、液晶ディスプレイ90の表示面に表示される大きさ(面積)が、左押し推奨表示300およびのめり込み防止表示400よりも小さくなっている。換言すると、遊技停止示唆表示500は、左押し推奨表示300およびのめり込み防止表示400よりも表示サイズが小さく設定されている。さらに換言すると、遊技停止示唆画像は、左押し推奨画像およびのめり込み防止画像よりも小さいサイズで描画される。
【0150】
遊技停止示唆表示500に係る遊技停止示唆画像は、他の画像(演出画像など)よりも表示の優先度が相対的に高く設定されており、上位のレイヤに描画(配置)される。本実施形態では、遊技停止示唆表示500とのめり込み防止表示400とを比較した場合に、遊技停止示唆表示500の方がのめり込み防止表示400よりも表示頻度が高くなり得る(より多くの場面で表示され得る)。このため、より多くの他の画像と重ねて配置され得る遊技停止示唆画像の方が、のめり込み防止画像よりも優先度が高く設定されている。
【0151】
例えばチャンス演出状態において、変則押し(中押しまたは右押し)で遊技が行われ、第2差枚数カウンタ68の記憶値が所定の値(18900)を超えた場合、遊技停止示唆表示500が液晶ディスプレイ90の表示面に表示され得る。また、本実施形態では、例えばチャンス演出状態において、変則押し(中押しまたは右押し)で遊技が行われ、第2差枚数カウンタ68の記憶値が所定の値(18900)を超えていて、かつ遊技停止に係る処理の実行条件が成立していない場合に、遊技停止示唆表示500が液晶ディスプレイ90の表示面に表示され得る。
また、例えばチャンス演出状態において、左押しで遊技が行われ、第2差枚数カウンタ68の記憶値が所定の値(18900)を超えた場合、遊技停止示唆表示500が液晶ディスプレイ90の表示面に表示され得る。また、本実施形態では、例えばチャンス演出状態において、左押しで遊技が行われ、第2差枚数カウンタ68の記憶値が所定の値(18900)を超えていて、かつ遊技停止に係る処理の実行条件が成立していない場合に、遊技停止示唆表示500が液晶ディスプレイ90の表示面に表示され得る。
【0152】
また、チャンス演出状態の最終遊技では、変則押し(中押しまたは右押し)で遊技が行われた場合であっても、左押しで遊技が行われた場合であっても、すなわち、いかなるストップボタンの操作態様(操作順序)で遊技が行われた場合あっても、のめり込み防止表示400が表示され得る。
したがって、チャンス演出状態の最終遊技では、遊技停止示唆表示500とのめり込み防止表示400とが所定時間にわたって同時に表示され得る(同時に表示される期間が存在し得る)。このとき、仮に、一方の表示(のめり込み防止表示400)と他方の表示(遊技停止示唆表示500)とが重なる部分(範囲)が生じ、一方の表示が他方の表示によって覆われ(隠され)、前記一方の表示の視認性が低下した場合、遊技者は報知内容(注意喚起)を正確に把握できないおそれがある。
【0153】
本実施形態では、遊技停止示唆表示500(遊技者に対して所定の報知を行う特定表示)とのめり込み防止表示400(遊技者に対して注意を喚起する注意喚起表示)とが同時に表示され得ることを考慮し、同時に表示された場合であっても、両者が重なる部分(重複する部分)が生じないように、各表示の表示位置が設定されている。
図14(b)は、遊技停止示唆表示500とのめり込み防止表示400とが同時に表示された場合を示しているが、遊技停止示唆表示500の表示位置は表示面の略左上部に設定されていて、のめり込み防止表示400の表示位置は表示面の略右上部に設定されていて、両者が重なる部分は存在していない。遊技停止示唆画像とのめり込み防止画像とは、同一フレームにおいて描画される場合であっても互いに重なる部分が生じないように、レイヤにおける描画位置(座標)が設定されている。
なお、遊技停止示唆表示500およびのめり込み防止表示400の表示位置は、
図14で示した表示位置に限らず、他の表示位置であってもよく、同時に表示された場合に互いに重なる部分が発生しない表示位置となっていればよい。
【0154】
本実施形態の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリール(20a~20c)と、
前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタン(26a~26c)と、
複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段(42)と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段(51)と、
第1演出状態(例えば通常演出状態)と、前記第1演出状態よりも有利な第2演出状態例えばチャンス演出状態)と、を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる制御を行う演出状態制御手段(81)と、
表示手段(90)と、を備え、
前記複数種類の役には、入賞した場合に1遊技に対しベットされる遊技価値よりも多数の遊技価値を獲得できる特定役(8枚役)があり、
前記ストップボタンを第1操作態様(例えば変則押し)で操作して遊技を続ける場合の方が、前記ストップボタンを第2操作態様(例えば左押し)で操作して遊技を続ける場合に比べ、前記特定役が入賞する確率が高くなっており、
前記第2演出状態において、前記第1操作態様で操作して遊技を行った場合に前記表示手段に表示され得る表示として、第1表示(遊技停止示唆表示500)があり、
前記第2演出状態において、前記第1操作態様で操作して遊技を行った場合であっても、前記第2操作態様で操作して遊技を行った場合であっても、前記表示手段に表示され得る表示として、第2表示(のめり込み防止表示400)があり、
前記第1表示と前記第2表示とは、同時に表示され得るが、同時に表示された場合であっても重なる部分が生じないように、各表示の表示位置が設定されている。
【0155】
前記第1表示(遊技停止示唆表示500)と前記第2表示(のめり込み防止表示400)とは、同時に表示され得るが、同時に表示された場合であっても重なる部分が生じないように、各表示の表示位置が設定されている。このため、遊技停止示唆表示500とのめり込み防止表示400とが同時に表示された場合であっても、両者が重なる部分が存在することによる表示の視認性の低下が発生しない。すなわち、双方の表示の視認性を確保することができる。これにより、遊技者は、双方の表示の報知内容を正確に把握することができる。
【0156】
また、本実施形態の遊技機において、前記第1表示は、遊技停止に係る処理の実行を示唆する表示(遊技停止示唆表示500)であり、前記処理の実行に係る条件を満たした場合に表示されない。
【0157】
本実施形態では、遊技停止示唆表示500を第1表示としたが、遊技停止示唆表示500を第2表示としてもよい。チャンス演出状態では、変則押し(中押しまたは右押し)で遊技が行われた場合であっても、左押しで遊技が行われた場合であっても、すなわち、いかなるストップボタンの操作態様(操作順序)で遊技が行われた場合であっても、第2差枚数カウンタ68の記憶値が所定の値(18900)を超えた場合に、遊技停止示唆表示500(第2表示)が液晶ディスプレイ90の表示面に表示され得る。また、チャンス演出状態では、いかなるストップボタンの操作態様(操作順序)で遊技が行われた場合であっても、第2差枚数カウンタ68の記憶値が所定の値(18900)を超えていて、かつ遊技停止に係る処理の実行条件が成立していない場合に、遊技停止示唆表示500が液晶ディスプレイ90の表示面に表示され得る。
【0158】
チャンス演出状態では、
図15(a)に示すように、左押し推奨表示300(第1表示)と遊技停止示唆表示500(第2表示)とが同時に表示され得る。具体的には、チャンス演出状態における最終遊技で変則押しが行われるという特定状況において、左押し推奨表示300と遊技停止示唆表示500とが所定時間にわたって同時に表示され得る(同時に表示される期間が存在し得る)。
【0159】
左押し推奨表示300と遊技停止示唆表示500とは、同時に表示され得ることを考慮し、同時に表示された場合であっても、両者が重なる部分(重複する部分)が生じないように、各表示の表示位置が設定されている。
図15(a)は、左押し推奨表示300と遊技停止示唆表示500とが同時に表示された場合を示しているが、左押し推奨表示300の表示位置は表示面の略中央部に設定されていて、遊技停止示唆表示500の表示位置は表示面の略左上部に設定されていて、両者が重なる部分は存在していない。左押し推奨画像と遊技停止示唆画像とは、同一フレームにおいて描画される場合であっても互いに重なる部分が生じないように、レイヤにおける描画位置(座標)が設定されている。
【0160】
このため、左押し推奨表示300と遊技停止示唆表示500とが同時に表示された場合であっても、両者が重なる部分が存在することによる表示の視認性の低下が発生しない。すなわち、双方の表示の視認性を確保することができる。これにより、遊技者は、双方の表示の報知内容を正確に把握することができる。
【0161】
なお、チャンス演出状態における最終遊技で変則押しが行われるという特定状況において、
図15(b)に示すように、遊技停止示唆表示500とのめり込み防止表示400と左押し推奨表示300とが所定時間にわたって同時に表示され得る(同時に表示される期間が存在し得る)。本実施形態では、遊技停止示唆表示500とのめり込み防止表示400と左押し推奨表示300とが(3つの表示が)同時に表示され得ることを考慮し、それらが同時に表示された場合であっても、重なる部分(重複する部分)が生じないように、各表示の表示位置が設定されている。このため、それらが同時に表示された場合であっても、各表示の視認性が確保され、遊技者は、各表示の報知内容を正確に把握することができる。
【0162】
なお、前記特定状況において、遊技停止示唆表示500、のめり込み防止表示400および左押し推奨表示300以外に、これらの表示と同時に表示される所定の表示があってもよい。当該所定の表示としては、例えば、遊技機の遊び方に関する情報を確認(参照)する場合や、演出に関する所定の設定を変更する場合に操作する演出操作手段25を報知する表示(操作説明表示)や、所定期間(例えばAT演出状態)におけるメダルの獲得枚数を示す表示(枚数表示)などがある。遊技停止示唆表示500、のめり込み防止表示400および左押し推奨表示300は、所定の表示(少なくとも枚数表示)と重なる部分が生じないように、各表示の表示位置が設定されていて、各表示の視認性が阻害されないようになっていてもよい。また、遊技停止示唆表示500、のめり込み防止表示400および左押し推奨表示300は、所定の表示(操作説明表示)とは重なる部分が生じていてもよく、その場合、当該所定の表示よりも手前に(上位のレイヤを用いて)表示されることにより、各表示の視認性が阻害されないようになっていてもよい。
【0163】
本実施形態では、遊技停止示唆表示500、のめり込み防止表示400および左押し推奨表示300はそれぞれ、所定時間の間、静止画が表示されるものとしたが、これに限らず、少なくとも1つが、所定時間の間、ムービー(動画)が表示されるものであってもよい。ただし、ムービーとする場合であっても、表示の重なりが生じないように、各表示の表示位置が設定されているものとする。
【0164】
なお、前述した実施の形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(いわゆるメダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を電気的な情報で遊技者に付与すればよい。
【0165】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、遊技機の概略構成について説明する。なお、本実施の形態では、本発明を遊技機の1つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の他の遊技機に適用されてもよい。また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0166】
図16はスロットマシンXを示す斜視図である。このスロットマシンXは、筐体10を備えており、この筐体10は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体10の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。また、筐体10の正面には、筐体10の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉12が設けられている。また、前扉12は、筐体10の正面開口部の開口上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、開口下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。なお、前扉12を上扉30と下扉40とに分けない一体の構造としてもよい。
【0167】
筐体10内の下部には、
図17に示すように、各部品に電力を供給するための電源装置(電源手段)を内蔵した電源ユニット14、メダル(遊技媒体、遊技価値)を貯蔵するとともにメダルを払い出す払い出し装置(払出手段)としてのホッパーユニット16、ホッパーユニット16内のメダルの量が所定量以上となるとホッパーユニット16からメダルが送り出されるキャッシュボックス18等が設けられている。また、電源ユニット14は、電源スイッチを備えており、電源スイッチがON状態になると、電源ユニット14から各部品に電力が供給されるようになっている。なお、一部の部品には、電源ユニット14がOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。
【0168】
また、筐体10内には、リールユニット20や主制御手段(第1制御手段、メイン制御基板)70、副制御手段(第2制御手段、サブ制御基板)72等が設けられている。リールユニット20は、周囲に複数の図柄を表示した3個の第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cと、リール20a~20cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)とを有している。
【0169】
主制御手段70には、設定変更キーシリンダや設定変更ボタン26(
図18)等が設けられている。なお、設定変更キーシリンダや、設定変更ボタン26は、例えば、電源ユニット14等の、他の部分に設けられていてもよい。
設定変更キーシリンダ(設定キースイッチ、設定値に係る操作手段)は、OFF状態とON状態との2つの状態を有している。換言すると、OFF状態とON状態とを切り替え可能となっている。また、設定変更キーシリンダは、設定キーを挿入可能に形成されている。設定変更キーシリンダは、初期状態ではOFF状態となっている。OFF状態で設定キーが挿入されたときの、設定変更キーシリンダの可動部および設定キーの位置を初期位置とする。挿入された設定キーが初期位置から時計回りに90度回されると、設定変更キーシリンダの状態がOFF状態からON状態に切り替わる。設定変更キーシリンダの状態がON状態となる位置から初期位置となるように設定キーが反時計回りに90度回されると、ON状態からOFF状態に切り替わるようになっている。
設定変更ボタン26は押下操作が可能となっている。
【0170】
図16に示すように、上扉30の下部中央には、表示窓31が設けられ、この表示窓31の奥には、3個のリール20a~20cが横一列に設けられている。各リール20a~20cの外周面には複数種類の図柄が配列されており、リール20a~20cが停止すると表示窓31を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。表示窓31には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。
【0171】
本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数、規定数)が3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、各リール20a~20cの中段によって構成される有効ラインが有効化される。また、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0172】
表示窓31の下方には、遊技情報表示部32が設けられている。遊技情報表示部32は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、遊技情報表示部32は、第1メイン表示器90、第2メイン表示器92およびサブ表示器93を備えている。
【0173】
上扉30の上部中央には、表示窓31の上方に表示窓33が設けられている。この表示窓33の奥には、液晶ディスプレイ(表示手段)34が設けられている。液晶ディスプレイ34には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(画像)が表示される。また、上扉30や下扉40には、スピーカ(音出力手段)36が複数設けられている。スピーカ36からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音が出力される。また、前扉12には、報知や演出などを行うための照明装置(照明手段)38が複数設けられている。
【0174】
下扉40の上部には、スロットマシンXを操作するための操作領域50が設けられている。操作領域50には、メダルを精算する際に操作される精算ボタン52、遊技(ゲーム)を開始させる際に操作されるスタートレバー53、リールの回転を停止させる際に操作されるストップボタン54(54a,54b,54c)、メダルを投入するためのメダル投入口42、メダル投入口42の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消する際に操作されるリジェクトボタン(図示せず)、メダルを投入(ベット)する際に操作されるベットボタン56、演出を進行させる(液晶ディスプレイ34に表示される演出画像の態様を変化させる)際等に操作される演出ボタン57等が設けられている。本実施形態の遊技機は、ベットボタン56として、3枚(規定枚数)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン56(第1ベットボタン)と、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン56(第2ベットボタン)と、が設けられている。
【0175】
演出ボタン57は、操作領域50における幅方向(左右方向)の略中央部に配置されている。演出ボタン57は、押圧部が押下可能に形成されたプッシュボタンであり、演出等を選択するためのジョグダイヤル等を備えていてもよい。演出ボタン57は、例えば、遊技者にとって有利な状態に移行することを期待させる演出の実行中に操作が有効な状態となり、その操作を指示する画像が液晶ディスプレイ34に表示される。そして、演出ボタン57が操作されると、遊技の結果(有利な状態へ移行するか否か)が報知される。
【0176】
本実施形態の遊技機における基本的な遊技の流れを説明する。遊技者がMAXベットボタン56を押下すると、クレジットされたメダルが投入され、遊技を開始可能な状態となる。そして、遊技者が遊技を開始する操作としてスタートレバー53を押下すると、リール20a~20cが回転を始め、リール20a~20cの回転速度が所定の速度まで上昇して定常回転状態となると、ストップボタン54a~54cの押下操作が有効な状態(有効化された状態)となる。その後、遊技者が任意のタイミングで各リール20a~20cに対応する各ストップボタン54a~54cを押下していくと、各リール20a~20cの回転が停止する。具体的には、ストップボタン54aを押下すると第1リール20aの回転が停止し、ストップボタン54bを押下すると第2リール20bの回転が停止し、ストップボタン54cを押下すると第3リール20cの回転が停止する。そして、全てのリール20a~20cの回転が停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0177】
前扉12の下端部には、スロットマシンXの内部よりメダルを排出するためのメダル払出口60と、メダル払出口60から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿62と、が設けられている。また、操作領域50とメダル受け皿62との間にはスロットマシンXの外観を装飾するための下パネル64が設けられている。また、下パネル64の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源から照射される光によって下パネル64が背後から照らされるようになっている。
【0178】
下扉40には、ドアキーシリンダ66が設けられており、ドアキーシリンダ66にドアキーを挿入して下扉40(前扉12)を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、下扉40の解錠が行えるようになっている。また、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作が行えるようになっている。なお、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態では上扉30を開くことができない構造になっている。すなわち、上扉30を開く際には、下扉40を解錠して開いてから上扉30を開くように構成されている。
【0179】
メダル投入口42から投入されたメダルは、メダルセレクタ67(
図17)を通過した後に、メダルシュート69を経由してホッパーユニット16に入るようになっている。ただし、遊技を開始した後などの所定の条件下では、メダルセレクタ67に内蔵されたメダルブロッカー68(
図18)が作動して、メダルシュート69(
図17)へ向かう流路が閉塞され、投入されたメダルがメダル払出口60から返却されるようになっている。
【0180】
図18は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機(スロットマシンX)は、主制御手段(メイン基板)70と副制御手段(サブ基板)72とによって制御される。主制御手段70は、精算ボタン52、スタートレバー53、ストップボタン54、ベットボタン56、設定変更ボタン26、ドア開閉スイッチ74、投入検知センサ78および払出センサ88等からの入力信号を受けて、遊技機の設定、エラーの管理あるいは遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリール20a~20cや、ホッパーユニット16等の出力手段の制御を行う。
【0181】
副制御手段72は、主制御手段70から送られてくる情報(信号)を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ34、スピーカ36、照明装置38等の演出用の装置の制御を行う。
【0182】
主制御手段70と副制御手段72とは電気的に接続されており、主制御手段70から副制御手段72へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御手段72から主制御手段70へは情報を送信できないようになっている。また、主制御手段70や副制御手段72の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0183】
主制御手段70は、設定変更手段101、設定確認手段102、払出制御手段103、遊技制御手段104、乱数発生手段105、メインエラー検出手段106、メインエラー管理手段107および主記憶手段108等を備えている。
【0184】
設定変更手段101は、主記憶手段108に記憶されている設定値を変更する制御(設定変更処理)を行う。本実施形態では、電源投入時の設定変更キーシリンダの状態に応じて、遊技モードで起動される場合と、設定変更モードで起動される場合と、が切り替えられるようになっている。設定変更キーシリンダに設定キーが挿入され、設定キーが初期位置から時計回りに90度だけ回転された状態で、電源スイッチが作動することにより電源ユニット14から電力が供給されると(すなわち電源が投入されると)、設定変更手段101が、遊技機を設定変更モードで起動する。本実施形態では、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から設定値を選択することができるようになっている。そして、設定1から順に設定6に向かって出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0185】
設定変更手段101は、設定変更モードにおいて設定変更ボタン26が押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー53が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を主記憶手段108に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを初期位置に戻すと、設定変更モードから遊技モードへ移行するようになっている。なお、本実施形態では、設定変更モードにおいて第1メイン表示器90に選択中の設定値が表示されるようになっている。
【0186】
また、本実施形態では、設定変更キーシリンダに設定キーが挿入され、設定キーが初期位置にある状態で電源が投入されると、遊技機が遊技モードで起動する。本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0187】
設定変更手段101は、設定変更モードにおいて、主記憶手段108における読み出しおよび書き込みが可能な記憶領域であるリードライトメモリ(RWM)に記憶されている情報を初期化する初期化処理を行う。なお、初期化処理においては、リードライトメモリに記憶されている全ての情報を初期化するのではなく、所定の情報(メダルのクレジット情報等の一部の情報)については初期化されずに保持されるようになっている。
【0188】
設定確認手段102は、電源が投入された状態における遊技モードにおいて所定の操作(後述する)が行われたことに基づき、遊技機(スロットマシンX)を遊技モードから設定確認モードへ移行させ、液晶ディスプレイ34や遊技情報表示部32等を介して現在の設定値を報知する処理(設定報知処理)を行う。設定確認モードについて詳細は後述する。
【0189】
遊技制御手段104は、遊技の進行を制御する手段であって、メダルの投入を受け付けて遊技が開始されると、内部抽選により役の当否を決定するとともに、第1リール20a~第3リール20cを回転させ、ストップボタン54a~54cに対する停止操作が行われると、内部抽選の結果に応じて回転中のリールを停止させて、有効ライン上に表示された図柄組合せに基づいて役が入賞したか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うことによって遊技を進行させるメインループ処理を行う。以下、その詳細を説明する。
【0190】
遊技制御手段104は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー53に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお、本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー53の最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リール20a~第3リール20cの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
【0191】
本実施形態の遊技機では、メダル投入口42にメダルが投入されると、メダルセレクタ67内の投入検知センサ78が作動することに伴って、遊技制御手段104が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、本実施形態の遊技機では、主記憶手段108に最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、遊技機にメダルがクレジット記憶された状態で、ベットボタン56が押下されると、遊技制御手段104が、規定投入数を限度して、主記憶手段108にクレジット記憶されたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、第2メイン表示器92にクレジット数が表示されるようになっている。遊技制御手段104は、主記憶手段108に記憶されているメダルのクレジット数の増減に従って第2メイン表示器92の表示内容を変化させる。
【0192】
遊技制御手段104は、スタートレバー53に対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバー53への最初の押下操作)に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行い、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理および抽選フラグ設定処理等を行う。
【0193】
抽選テーブル選択処理では、主記憶手段108に記憶されている複数種類の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、各内部抽選テーブルにおいて、複数の乱数値(例えば、0~65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。なお、本実施形態では、6段階の設定値に対して、設定値毎に遊技状態に応じた内部抽選テーブルが用意されており、設定値に応じて内部抽選で一部の当選態様が得られる確率が異なっており、設定値が高くなるほど出玉率の期待値が高くなるように役と乱数値との対応関係が設定されている。なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを消費することなくスタートレバー53の操作が有効化され、スタートレバー53の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0194】
本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態およびボーナス状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて複数種類の内部抽選テーブルのいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
【0195】
乱数判定処理では、スタートレバー53に対する遊技開始操作に基づいて、遊技毎に乱数発生手段105から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について主記憶手段108に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0196】
乱数発生手段105は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、0~65535までの65536個の乱数値を1周期中で重複することなく発生させる16ビット乱数回路によって発生させることができる。なお、本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0197】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお、抽選フラグの設定情報は、主記憶手段108に記憶されるようになっている。
【0198】
抽選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ボーナスがあり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、例えば、内部抽選でボーナスに当選すると、ボーナスの抽選フラグの当選状態を、ボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき遊技制御手段104は、ボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。このように抽選フラグ設定処理では、ボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0199】
また、遊技制御手段104は、主制御手段70による制御のもと有効化されたスタートレバー53が操作されたこと(すなわち遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン54a~54cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御(抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御)を行う。
【0200】
遊技制御手段104は、ストップボタン54a~54cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシンXでは、ストップボタン54aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン54bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン54cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン54a~54cの操作順序によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0201】
ストップボタン54a~54cが操作された際の停止制御において、遊技制御手段104は、抽選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の抽選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の抽選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、遊技制御手段104は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0202】
本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位は、それぞれ同一のものとして扱われる。また、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が同数となる停止位置の候補についての優先度は、それぞれ同一のものとして扱われる。
【0203】
遊技制御手段104は、第1リール20a~第3リール20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、第1リール20a~第3リール20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、主記憶手段180のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。遊技制御手段104は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0204】
払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理である。遊技制御手段104は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット16に払い出させる。
【0205】
ホッパーユニット16は、遊技制御手段104によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う装置である。ホッパーユニット16には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出センサ88が備えられており、遊技制御手段104は、払出センサ88からの入力信号に基づいてホッパーユニット16から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、本実施形態の遊技機では、各遊技においてメダルの払い出しが行われる場合には、メダルの払出数が第1メイン表示器90に表示されるようになっている。遊技制御手段104は、小役の入賞によってメダルが払い出される場合には、当該小役の入賞に伴うメダルの払出数を第1メイン表示器90に表示させる。
【0206】
なお、メダルのクレジット記憶(貯留記憶)が許可されている場合には、ホッパーユニット16によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、主記憶手段108に記憶されているクレジット数(クレジット記憶されたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。なお、メダルの払出数の一部または全部をクレジット数に加算する場合には、遊技制御手段104は、クレジット数の増加分に対応して第2メイン表示器92の表示内容を変化させる。
【0207】
リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理である。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー53に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0208】
また、遊技制御手段104は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では、遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口42にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン56に対する操作を受け付けないようにし、ベットボタン56が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0209】
また、遊技制御手段104は、通常状態、ボーナス成立状態およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。本実施形態では、滞在している遊技状態を示す情報は、主記憶手段108に記憶される。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0210】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてボーナスが当選した場合にボーナス成立状態へ移行する。また、通常状態では、主記憶手段108に記憶されている複数種類の内部抽選テーブルのうち、小役、リプレイおよびボーナスが抽選対象として設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
【0211】
ボーナス成立状態は、内部抽選でボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、主記憶手段108に記憶されている複数種類の内部抽選テーブルのうち、通常状態と同じ確率で小役の当否が決定され、ボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照した内部抽選が行われる。なお、ボーナス成立状態においてもリプレイは抽選対象として設定されているが、通常状態とはリプレイの当選確率や当選態様が異なっていてもよいし、同じであってもよい。
【0212】
ボーナス成立状態では、ボーナスが入賞するまでボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持されたまま小役およびリプレイの当否が決定され、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技制御手段104は、ボーナスの入賞に基づいて遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
【0213】
ボーナス状態は、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、主記憶手段108に記憶されている複数種類の内部抽選テーブルのうち、小役の当選確率が通常状態およびボーナス成立状態よりも高く設定され、リプレイが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照した内部抽選が行われる。すなわち、ボーナス状態では、通常状態やボーナス成立状態よりも小役が頻繁に当選するようになっている点で、通常状態やボーナス成立状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
【0214】
ボーナス状態では、ボーナス状態でのボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かが判断され、予め定められた終了予定払出数(例えば250枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技制御手段104は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。なお、本実施形態では、ボーナス状態における払出数についてのカウント情報は主記憶手段108に累計して記憶される。
【0215】
メインエラー検出手段106は、投入検知センサ78、払出センサ88等の各種センサの信号状態を監視し、エラー検出条件を満たしているかを判断して、エラー検出条件を満たしていることに基づき発生しているメインエラーを特定することによってメインエラーを検出する。なお、本実施形態では、いずれかのメインエラーを検出した後(後述するエラーウェイト処理によって解除操作を待機している状態)も、メインエラー検出手段106はタイマ割り込み処理によって定期的に各メインエラーの検出を継続して行っている。
【0216】
メインエラー検出手段106は、各種センサの信号状態に基づいて、
図19に示すように、逆流エラー、エンプティエラー、払出詰まりエラー、払出異常エラー、オーバーエラー、滞留エラーおよび投入異常エラーを検出する。メインエラー検出手段106は、所定のメインエラーを検出すると、主記憶手段108に、対応するエラー検出フラグを設定する。逆流エラーは、メダルが流路において逆流していることに起因するメインエラーである。エンプティエラーは、ホッパーユニット16に貯蔵されているメダルがなくなったことに起因するメインエラーである。払出詰まりエラーは、ホッパーユニット16において払い出されるべきメダルが詰まって排出されていないことに起因するメインエラーである。払出異常エラーは、メダルの払い出しを行うべきではない状況でメダルの払い出しがあったことに起因するメインエラーである。オーバーエラーは、キャッシュボックス18に貯蔵されている余剰メダルが所定量を超えたことに起因するメインエラーである。滞留エラーは、メダルセレクタ67内でメダルが詰まっていることに起因するメインエラーである。投入異常エラーは、メダル投入口42付近でメダルが詰まっていること等に起因するメインエラーである。
【0217】
メインエラー管理手段107は、主記憶手段108にいずれかのエラー検出フラグが設定されると、エラーウェイト処理を行って所定の解除操作が行われるのを待機し、このエラーウェイト処理において、メインエラー検出手段106によって検出されたメインエラーを、第1メイン表示器90を介して報知するとともに、所定の解除操作(設定変更ボタン26の押下)が行われたことに基づいてエラー検出フラグ等をクリアする解除処理を行う。なお、本実施形態では、メインエラー管理手段107によるエラーウェイト処理の実行中においては遊技制御手段104でのメインループ処理が中断され、発生しているメインエラーについて解除処理が完了した後にメインループ処理が再開される。
【0218】
メインエラー管理手段107は、エラーウェイト処理において、設定変更ボタン26が押下されたことを解除操作として受け付けて、主記憶手段108に記憶されている検出フラグやタイマの計時情報等のエラー関連情報をクリア(消去)する解除処理を行う。なおエラーウェイト処理では、第1メイン表示器90にエラーコードを表示した後に、主記憶手段108に設けられたエラーウェイトタイマを用いてタイマウェイト処理を行い、タイマウェイト処理が行われている期間(約108ms)を経過した後から解除操作を受け付けるようになっている。
【0219】
本実施形態では、主制御手段70から副制御手段72への情報の送信はシリアル通信によってコマンドを送信することによって実現されているが、主制御手段70から副制御手段72へ送信されるコマンドに含まれる情報としては、設定値、遊技状態、メダルの投入数や払出数、内部抽選の結果、各種スイッチ等の信号状態、リールの停止制御の内容、入賞判定の結果および発生したメインエラーに関するもの等がある。
【0220】
本実施形態では、メインエラーが発生した場合に、主制御手段70が、エラー検出フラグが設定されているエラー種別に対応するエラー発生コマンドや、設定変更ボタン26に対する解除操作が行われたことを示すエラー解除コマンドを、副制御手段72に送信する。また、主制御手段70は、ドア開閉スイッチ74の信号状態が変化した場合には、信号状態がOFF状態(前扉12が閉まっていることを示す信号状態)からON状態(前扉12が開いていることを示す信号状態)へ変化したことに基づいてドア開コマンドを副制御手段72に送信し、信号状態がON状態からOFF状態へ変化したことに基づいてドア閉コマンドを送信する。本実施形態では、前扉12が開放されていても、それ自体はメインエラーとしては取り扱わずに他のメインエラーが発生していなければメインループ処理は続行可能となっている。また、本実施形態では、所定期間毎(例えば15ms毎)において主制御手段70から副制御手段72に対して断線監視コマンドを定期的に送信する制御も行っている。
【0221】
次に、副制御手段72について説明する。副制御手段72は、演出制御手段131、サブエラー検出手段202、サブエラー管理手段203および副記憶手段132等を備えている。
【0222】
演出制御手段131は、副記憶手段132に記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ34を用いて行う演出や、スピーカ36を用いて行う演出や、照明装置38を用いて行う演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入、ベットボタン56、スタートレバー53およびストップボタン54a~54cに対する操作や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生に応じて照明装置38を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ34の表示内容を変化させたり、スピーカ36から音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0223】
遊技において実行される演出の内容は、遊技状態、演出状態および内部抽選の結果等に対応して主制御手段70から送信されるコマンドに応じて、副記憶手段132に記憶されている演出抽選テーブルを用いて決定される。本実施形態では、副記憶手段132のROMに記憶されている画像データを副記憶手段132に設けられたイメージバッファに読み込んで、イメージバッファに読み込まれた画像データに基づく画像が液晶ディスプレイ34に出力される。また、副記憶手段132のROMに記憶されているサウンドデータを副記憶手段132に設けられたサウンドバッファに読み込んで、サウンドバッファに読み込まれたサウンドデータに基づく音がスピーカ36から出力される。
【0224】
サブエラー検出手段202は、主制御手段70から送信されたドア開コマンドおよび断線監視コマンドに基づきエラー検出条件を満たしているか否かを判断し、エラー検出条件を満たしていることに基づき発生しているサブエラーを特定することによってサブエラーを検出する。なお、本実施形態では、いずれかのサブエラーを検出した後(後述する主制御手段70からのエラー解除コマンドの受信を待機している状態)も、サブエラー検出手段202はタイマ割り込み処理によって定期的に各サブエラーの検出を継続して行っている。
【0225】
サブエラー検出手段202は、
図20に示すように、ドア開閉エラーおよび通信エラーを検出する。サブエラー検出手段202は、所定のサブエラーを検出すると、副記憶手段132に、対応するエラー検出フラグを設定する。ドア開放エラーは、前扉12が開いていることに起因するサブエラーである。また、通信エラーは、主制御手段70と副制御手段72との間の通信ケーブルの断線等による通信不良に起因するサブエラーである。
【0226】
サブエラー検出手段202は、主制御手段70から送信されたエラー発生コマンドを受信すると、エラー発生コマンドによって特定されるメインエラーに対応するエラー検出フラグを副記憶手段132に設定する。
【0227】
サブエラー管理手段203は、副記憶手段132にエラー検出フラグが設定されると、報知対象のエラーを決定してエラーに対応した演出態様で演出装置の制御を行うエラー報知処理を行う。また、サブエラー管理手段203は、エラー報知処理において報知対象のエラーを報知するとともに、主制御手段70からエラー解除コマンドやドア閉コマンドが送信されるのを待機し、エラーの復帰条件が成立したことに基づき副記憶手段132に設定されているエラー検出フラグ等をクリアして演出装置の状態を元に戻すエラー復帰処理を行う。なお、本実施形態では、副制御手段72から主制御手段70へは何らの情報も送信されないようになっており、サブエラーの発生が遊技制御手段104でのメインループ処理の進行に影響を与えることはなく、メインエラーが発生していなければサブエラーが発生している状況でも遊技制御手段104がメインループ処理を続行可能となっている。
【0228】
サブエラー管理手段203は、副記憶手段132にサブエラーに対応するエラー検出フラグが設定されている場合、エラー検出フラグの種類に対応したエラーコードをサブ表示器93に表示させる。
【0229】
なお、通信エラーに関して、電断復帰による副記憶手段132の初期化のみによって復帰可能となっており、サブエラー管理手段203は、遊技機の電源供給が絶たれるまで、通信エラー報知処理を続行して通信エラーを報知している状態を維持する。ただし、電断復帰によって通信エラーが一時的に解除された場合であっても、断線の状況が解消されていない場合には、主制御手段70からの断線監視コマンドの受信不良に基づきサブエラー検出手段202によって通信エラーが再度検出されることになる。
【0230】
次に、遊技の進行を制御するメインループ処理について、
図21に示すフローチャートを用いて説明する。まず、遊技を行うために必要な数(規定枚数)のメダルの投入を受け付ける投入受付処理が行われ(ステップS100)、遊技開始条件として設定されている規定枚数(3枚)のメダルの投入を受け付けたか否かが判定される(ステップS101)。投入受付処理では、遊技者がメダル投入口42にメダルを投入したことに基づき投入されたメダルが投入状態に設定される。また、1ベットボタン56やMAXベットボタン56が押下されたことに基づき遊技機内にクレジットされたメダルが投入状態に設定される。また、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、前回の遊技で投入された枚数と同数のメダル(前回の遊技と同じ投入数のメダル)が自動的に投入状態に設定される。
【0231】
ステップS101において、規定枚数のメダルの投入を受け付けたと判定された場合(規定投入数のメダルが投入状態に設定されたと判定された場合)(ステップS101:YES)、スタートレバー53の操作が有効化される(ステップS102)。一方、ステップS101において、規定投入数のメダルの投入を受け付けていないと判定された場合(ステップS101:NO)、ステップS100に戻る。
【0232】
次いで、スタートレバー53が操作されたか否かが判定される(ステップS103)。ステップS103において、スタートレバー53が操作されたと判定された場合(ステップS103:YES)、内部抽選が行われる(ステップS104)とともに、第1リール20a~第3リール20cの回転が開始される(ステップS105)。一方、ステップS103において、スタートレバー53が操作されていないと判定された場合(ステップS103:NO)、ステップS103の処理が繰り返される。
【0233】
次いで、各リールの回転速度が所定速度以上となっているか否かが判定される(ステップS106)。ステップS106において、各リールの回転速度が所定速度以上となっていると判定された場合(ステップS106:YES)、ストップボタン54a~54cに対する操作が有効化される(ステップS107)。一方、ステップS106において、各リールの回転速度が所定速度以上となっていないと判定された場合(ステップS106:NO)、ステップS106の処理が繰り返される。
【0234】
次いで、所定のストップボタンが操作されたか否かが判定される(ステップS108)。ステップS108において、所定のストップボタンが操作されたと判定された場合(ステップS108:YES)、操作されたストップボタンに対応するリールの回転が停止され(ステップ109)、全てのリールが停止したか否かが判定される(ステップS110)。一方、ステップS108において、所定のストップボタンが操作されていないと判定された場合(ステップS108:NO)、ステップS108の処理が繰り返される。
【0235】
ステップS110において、全てのリールが停止していないと判定された場合(ステップS110:NO)、ステップS108に戻る。一方、ステップS110において、全てのリールが停止したと判定された場合(ステップS110:YES)、各リールの停止状態(停止態様)に基づき、内部抽選で当選した役に入賞したか否かが判定される(ステップS111)。ステップS111において、内部抽選で当選した役に入賞したと判定された場合(ステップS111:YES)、入賞した役に対応する処理(入賞処理)が実行され(ステップS112)、一連の処理(1遊技)が終了する。一方、ステップS111において、内部抽選で当選した役に入賞しなかったと判定された場合(あるいは内部抽選の結果がハズレ(不当選)であった場合)(ステップS111:NO)、各リール20a~20cが停止したことをもって一連の処理(1遊技)が終了する。
【0236】
ここで、遊技の開始に必要な規定数のメダルが投入された状態、または前回の遊技でリプレイに当選(入賞)したことに基づきメダルが自動投入された状態(リプレイが作動している状態)を特定状態(遊技開始可能状態)とする。本実施形態の遊技機は、特定状態において、設定確認処理(後述する)を実行可能となっている。
【0237】
ここで、特定状態(遊技開始可能状態)において、すなわちステップS101においてYESと判定された後(ステップS102の処理が実行された後)、ステップS103においてYESと判定されるまでの間において、設定確認処理が実行される場合について説明する。
図22は、主制御手段70における設定確認処理(設定参照処理)を示すフローチャートである。なお、
図22に示すフローチャートの開始時点は遊技モードであるものとする。
【0238】
主制御手段70は、設定キーが設定変更キーシリンダに挿入され、設定キーが第1位置(初期位置)から第2位置(例えば初期位置から時計回りに90度回転した位置)へ移動(回転)されたか否か判定する(ステップS200)。このように遊技モードにおいて、設定キーを第1位置から第2位置へ移動させる操作を、設定確認モードへの移行操作と言うことができる。
【0239】
ステップS200において、設定キーが設定変更キーシリンダに挿入され、設定キーが第1位置から第2位置へ移動されたと判定した場合(ステップS200:YES)、主制御手段70は、遊技モード(第1状態)から設定確認モード(第2状態、設定参照モード、設定確認状態、設定参照状態)へ移行させる(ステップS201)。このとき、設定確認モードへの移行に伴い、メインループ処理を中断させる。一方、ステップS200において、設定キーが設定変更キーシリンダに挿入され、設定キーが第1位置から第2位置へ移動されていないと判定した場合(ステップS200:NO)、ステップS200の処理を繰り返す。
【0240】
なお、ステップS200において、設定キーが設定変更キーシリンダに挿入され、設定キーが第1位置から第2位置へ移動され、かつ設定変更ボタン26が操作(押下)されたか否か判定するものとしてもよい。換言すると、設定確認モードへの移行操作は、設定キーを設定変更キーシリンダに挿入し、設定キーを第1位置から第2位置へ移動し、かつ設定変更ボタン26が操作すること、であってもよい。その場合、ステップS200において、設定キーが設定変更キーシリンダに挿入され、設定キーが第1位置から第2位置へ移動され、かつ設定変更ボタン26が操作されたと判定した場合(ステップS200:YES)、主制御手段70は、遊技モードから設定確認モードへ移行させる(ステップS201)
【0241】
設定確認モードでは、液晶ディスプレイ34に設定確認モードである旨を報知する画像(例えば「設定参照中」という文字)が表示される。また、設定確認モードでは、遊技情報表示部32における第1メイン表示器90に、現在設定されている設定値が表示される。設定確認モードでは現在の設定値を参照(報知)することはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。また、設定確認モードでは設定値を参照することはできるが、設定値の変更を行うことはできないようになっている。特定状態(遊技開始可能状態)においても、前記第1状態から前記第2状態へ移行し、設定報知処理を実行可能となっており、現在の設定値を確認できる。このため、例えば、特定状態である場合に、遊技を終了させてから設定報知処理が行われる前記第2状態へ移行させる必要がなく、設定値確認の利便性が向上する。
なお、特定状態(遊技開始可能状態)において、スタートレバーがONとされる前であれば、設定キーを第2位置へ移動させ、設定確認モードへ移行させることができる、と言うことができる。
【0242】
次に、主制御手段70は、設定変更キーシリンダに挿入されている設定キーが第2位置から第1位置へ移動(回転)されたか否か判定する(ステップS202)。ステップS202において、設定キーが第2位置から第1位置へ移動されたと判定した場合(ステップS202:YES)、主制御手段70は、設定確認モードを終了させ、設定確認モードから遊技モードへ移行させる(ステップS203)。設定確認モードにおいて設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる(初期位置に戻す)操作を、遊技モードへの復帰操作と言うことができる。一方、ステップS202において、設定キーが第2位置から第1位置へ移動されていないと判定した場合(ステップS202:NO)、ステップS202の処理を繰り返す。
【0243】
ステップS203の処理の後、主制御手段70は、メインループ処理(
図21)を再開する(メインループ処理に復帰する)。なお、主制御手段70は、ステップS203の処理後、所定時間(所定のウェイト期間)が経過した後に、メインループ処理を再開させてもよい。
【0244】
(スタートレバー)
本実施形態では、特定状態(遊技開始可能状態)であり、遊技モードとなっている状態から、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを第1位置から第2位置へ移動させる操作(移行操作)が行われ、設定確認モードとなっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われるよりも前に、スタートレバー53が操作(押下)された状態となり、スタートレバー53が操作されている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われた場合に、遊技モードへの移行(復帰)直後に、遊技が開始されないようになっている。なお、遊技モードへの移行(復帰)直後とは、具体的にはメインループ処理に復帰したタイミング(タイマ割り込み処理が実行されたタイミング)である。また、スタートレバー53が操作されている状態とは、スタートレバー53がONとなる位置まで操作されている状態を指す。
【0245】
換言すると、設定確認モードにおいて、スタートレバー53がON状態とされ、スタートレバー53がON状態となっている状態で、設定確認モードから遊技モードに移行した場合であっても、遊技は開始されないようになっている。
【0246】
主制御手段70は、スタートレバー53から入力される信号の状態(信号状態)を監視している。スタートレバー53が操作されていない状態では、主制御手段70に入力される信号はOFFとなり、スタートレバー53が操作されている状態では、主制御手段70に入力される信号はONとなる。主制御手段70は、有効化されていないスタートレバー53が操作されたことに基づき信号状態がONとなっている場合は、そのONは検出しない。なお、有効化されていないスタートレバー53が操作された場合に、信号状態がONとならないように構成されていてもよい。
【0247】
メインループ処理では、スタートレバー53から入力される信号の状態について、OFFからONへの変化、すなわちONエッジ(立上りエッジ)を検出(検知)すると、主制御手段70は、スタートレバー53が操作された(ON状態となった)と判定可能である。設定確認モードにおいてスタートレバー53が押下されてON状態となり、その状態で遊技モードに移行した場合、メインループ処理に復帰したタイミングで、入力信号がONであることが検出されるが、OFFからONへの立ち上がり(ONエッジ)は検出されない。このため、メインループ処理に復帰したタイミングでスタートレバー53が操作されたと判定されず、遊技が開始されない。また、設定確認モードから遊技モードへ移行してメインループ処理に復帰した後、さらにスタートレバー53のON状態が維持されても、遊技が開始されない。また、メインループ処理への復帰時に入力信号のONが検出された後もスタートレバー53のON状態が維持され、その後スタートレバー53がOFF状態となると、入力信号のONからOFFへの変化(OFFエッジ、立下りエッジ)が検出されるが、OFFエッジであるためスタートレバー53が操作されたと判定されず、遊技が開始されない。
【0248】
本実施形態では、特定状態(遊技開始可能状態)において、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段、設定値に係る第2操作手段)がOFF状態からON状態とされ、設定変更キーシリンダがON状態となっている状態でスタートレバー53が操作されても、遊技が開始されず、そのスタートレバー53が操作されている状態で(操作が継続されたまま)設定変更キーシリンダがOFF状態とされた場合であっても、遊技が開始されない。
【0249】
本実施形態では、遊技の開始に必要な規定数のメダルが投入された状態、または内部抽選の結果リプレイに当選したことに基づきメダルが自動投入された状態を特定状態とし、特定状態において、遊技モードから設定確認モードへ移行可としたが、特定状態のうちのいずれか一方の状態の場合に、遊技モードから設定確認モードへ移行可となっていてもよい。例えば、遊技の開始に必要な規定数のメダルが投入された状態では、遊技モードから設定確認モードへ移行可だが、内部抽選の結果リプレイに当選したことに基づきメダルが自動投入された状態では、遊技モードから設定確認モードへ移行不可となっていてもよい。
【0250】
設定確認モードへの移行操作および遊技モードへの復帰操作は、前扉12が開いている状態(ドア開閉スイッチ74(ドアセンサ)の信号状態がONとなっている)で行われる操作である。本実施形態では、遊技モードへの復帰操作(設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作)が行われると、設定確認モードから遊技モードへ移行してメインループ処理に復帰するとしたが、遊技モードへの復帰操作が行われ、かつ前扉12が閉じた状態となると(すなわち前扉12が開いていることによってONとなっているドア開閉スイッチ74の信号状態がOFFとなると)、設定確認モードから遊技モードへ移行してメインループ処理に復帰するとしてもよい。すなわち、設定確認モードから遊技モードへ移行する条件(メインループ処理に復帰する条件)に、前扉12が閉じた状態となっていること、が含まれていてもよい。
設定確認モード(設定参照状態)からの復帰に関する制御について、次にようになっていてもよい。
第1の例は、前扉12の開放状態において、設定変更キーシリンダをOFF状態からON状態とすると、設定確認モードへ移行する。次に、前扉12の開放状態において、設定変更キーシリンダをON状態からOFF状態とすると、遊技モードへ移行する(設定確認モードから復帰する)。
第2の例は、前扉12の開放状態において、設定変更キーシリンダをOFF状態からON状態とすると、設定確認モードへ移行する。次に、前扉12の閉鎖状態において、設定変更キーシリンダをON状態からOFF状態とすると、設定確認モードが継続する(設定確認モードから復帰しない)。次に、設定変更キーシリンダがOFF状態である状態で前扉12を開放状態にしても、設定確認モードが継続する(設定確認モードから復帰しない)。
第3の例は、前扉12の開放状態において、設定変更キーシリンダをOFF状態からON状態とすると、設定確認モードへ移行する。次に、前扉12の閉鎖状態において、設定変更キーシリンダをON状態からOFF状態とすると、設定確認モードが継続する(設定確認モードから復帰しない)。次に、前扉12を開放状態としかつ設定変更キーシリンダをON状態とし(順番はいずれが先でも可)、前扉12の開放状態において設定変更キーシリンダをOFF状態とすると、遊技モードへ移行する(設定確認モードから復帰する)。
【0251】
本実施形態では、特定状態(遊技開始可能状態)において、前扉12が開放され、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がOFF状態となっている間にスタートレバー53が操作された場合には遊技が開始される(遊技が進行する)が、特定状態において、前扉12が開放され、設定変更キーシリンダがON状態(設定確認モード)となっている間にスタートレバー53が操作された場合には遊技が開始されない(遊技が進行しない)。
【0252】
スタートレバー53とは異なる所定の操作手段(第1操作手段)(ボタン、スイッチ)として、ストップボタン54a~54c、ベットボタン56、あるいは演出ボタン57等がある。この所定の操作手段は、遊技を進行させる操作に用いられる第1操作手段と言うことができる。本実施形態では、特定状態(遊技開始可能状態)において、前記第1操作手段が操作されている(ON状態となっている)状態でスタートレバー53が操作された場合には遊技が開始されるが、特定状態において、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段、設定値に係る第2操作手段)がON状態となっている状態でスタートレバー53が操作された場合には遊技が開始されないようになっている。
【0253】
また、特定状態(遊技開始可能状態)において、設定変更ボタン26(設定値に係る操作手段、設定値に係る第2操作手段)が操作されている(ON状態となっている)状態でスタートレバー53が操作された場合には遊技が開始されないようになっている。なお、設定変更キーシリンダがOFF状態であってもON状態であっても設定変更ボタン26が操作されている(ON状態となっている)状態でスタートレバー53が操作された場合には遊技が開始されないようになっている。また、そのスタートレバー53が操作されている状態で(操作が継続されたまま)設定変更ボタン26がOFF状態とされた場合であっても、遊技が開始されないようになっている。
なお、本実施形態では、特定遊技状態であるか否かに関わらず、設定変更ボタン26を操作(押下)している状態において、(1)MAXベットボタン56が操作(押下)されても遊技価値がベットされないが(遊技価値が投入状態とならないが、遊技価値の投入が受け付けられないが)、(2)遊技者が遊技価値をメダル投入口42に投入(手投入)した場合には、遊技価値がベットされるようになっている(遊技価値が投入状態となる、遊技価値の投入が受け付けられる)。
【0254】
(精算ボタン)
精算ボタン52は、遊技機(スロットマシンX)に電子的に貯留されたメダルや、ベットされている(投入状態に設定されている)が遊技に使用されていないメダルを精算し、メダル払出口60を介してメダル受け皿62に排出する(払い出す)ために設けられている。「精算」とは、遊技に使用するメダルを遊技者に返却することを意味する。
【0255】
精算ボタン52は、押下操作可能に形成されており、精算ボタン52の操作に基づいて精算処理が実行される。なお、精算ボタン52は押圧部を備えており、押圧部が押下操作(押し込み操作)可能に形成されている。以下、精算ボタン52の押圧部が操作されることを、精算ボタン52が操作されるという。精算処理(遊技価値に関する所定の処理)では、貯留(クレジット)またはベットのうちの少なくとも一方に設定されているメダルが精算される。換言すると、精算ボタン52の操作に基づく精算の対象は、クレジットに設定されているメダルのみならず、ベットに設定されているメダルも含む。ベットおよびクレジットの双方にメダルが設定されている場合、精算ボタン52の操作に基づく精算の態様として、例えば次の2つの態様がある。第1精算態様は、1回の精算ボタン52の操作によってベットに設定されているメダルおよびクレジットに設定されているメダルの双方が一括して精算されるものである。第2精算態様は、1回目の精算ボタン52の操作によってベットに設定されているメダルのみが精算され、ベットに設定されているメダルの精算後における2回目の精算ボタン52の操作によってクレジットに設定されているメダルが精算されるものである。
【0256】
ここで、特定状態(遊技開始可能状態)において遊技モードから設定確認モードへ移行し、その後、設定確認モードから遊技モードへ復帰する場合の処理について説明する。本実施形態では、特定状態(遊技開始可能状態)であり、遊技モードとなっている状態から、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを第1位置から第2位置へ移動させる操作(移行操作)が行われ、設定確認モードとなっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われるよりも前に、精算ボタン52が操作(押下)された状態(ON状態)となり、精算ボタン52が操作されている(ON状態となっている)状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われた場合に、精算が実行(開始)される。精算ボタン52が操作されている状態とは、精算ボタン52がONとなる位置まで操作されている状態を指す。
【0257】
換言すると、設定確認モードにおいて、精算ボタン52がON状態とされ、精算ボタン52がON状態となっている状態で設定確認モードから遊技モードに移行した場合に、精算が開始される。このため、遊技モードに移行した場合に、精算ボタン52を再度ON状態とする必要がなく、よりスムーズに精算を開始させることができる。
【0258】
主制御手段70は、精算ボタン52から入力される信号の状態(信号状態)を監視している。精算ボタン52が操作されていない状態では、主制御手段70に入力される信号はOFFとなり、精算ボタン52が操作されている状態では、主制御手段70に入力される信号はONとなる。メインループ処理では、精算ボタン52から入力される信号の状態がONであることを一定時間以上(所定回数のタイマ割込み処理にわたり)検出(検知)すると、主制御手段70は、精算ボタン52が操作された(ON状態となった)と判定可能である。このため、設定確認モードにおいて精算ボタン52が押下されてON状態となり、その状態で遊技モードに移行した場合、メインループ処理に復帰したタイミングで入力信号がONであることが検出され、そのONの検知が一定時間以上続いた場合に、精算が開始される。
【0259】
なお、特定状態(遊技開始可能状態)であり、遊技モードとなっている状態から、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを第1位置から第2位置へ移動させる操作(移行操作)が行われ、設定確認モードとなっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われるよりも前に、精算ボタン52が押下された状態(ON状態)となり、精算ボタン52がON状態となっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われた場合に、精算が開始されないようになっていてもよい。この場合、意図しない操作に基づき精算が開始されるのを防ぐことができる。また、仮に意図しない操作に基づき精算が開始された場合、続けて遊技を行うためにはメダルのメダル投入口42への投入が必要となり、遊技者にとって負担となるが、本実施形態によれば、そのような負担が生じるのを防ぐことができる。なお、設定確認モードから遊技モードへ移行してメインループ処理に復帰した後、さらに精算ボタン52のON状態が維持(継続)されても、精算が開始されないようになっていてもよい。
【0260】
特定状態(遊技開始可能状態)において、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がOFF状態からON状態とされ、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がON状態となっている状態で精算ボタン52が操作されても、遊技価値に関する処理(精算処理)が開始されず、その精算ボタン52が操作されている状態で(操作が維持されたまま)設定変更キーシリンダがOFF状態とされた場合であっても、遊技価値に関する処理(精算処理)が開始されないようになっていてもよい。
【0261】
また、上記では特定状態(遊技の開始に必要な規定数のメダルが投入された状態、または内部抽選の結果リプレイに当選したことに基づきメダルが自動投入された状態)においてとしたが、遊技の開始に必要な規定数のメダルが投入された状態(規定数メダル投入状態)において、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がOFF状態からON状態とされ、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がON状態となっている状態で精算ボタン52が操作されても、遊技価値に関する処理(精算処理)が開始されず、その精算ボタン52が操作されている状態で(操作が維持されたまま)設定変更キーシリンダがOFF状態とされた場合であっても、遊技価値に関する処理(精算処理)が開始されないようになっていてもよい。
【0262】
また、遊技の開始に必要な規定数のメダルが投入された状態(規定数メダル投入状態)において、設定変更ボタン26(設定値に係る操作手段)がOFFからONとされ、設定変更ボタン26(設定値に係る操作手段)操作されている(ONとなっている)状態で精算ボタン52が操作されても、遊技価値に関する処理(精算処理)が開始されず、その精算ボタン52が操作されている状態で(操作が維持されたまま)設定変更ボタン26がOFFとされた場合であっても、遊技価値に関する処理(精算処理)が開始されないようになっていてもよい。
【0263】
なお、遊技の開始に必要な規定数のメダルが投入されていない状態(クレジットのみが設定されている状態)では、(1)設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がOFF状態からON状態とされると、設定確認モードへ移行するようになっている。(2)一方、設定変更キーシリンダがOFF状態となっている状態において、設定変更ボタン26が操作されている(ONとなっている)状態で精算ボタン52が操作され、その精算ボタン52が操作されている状態で、設定変更ボタン26がOFFとされた場合であっても、遊技価値に関する処理(精算処理)が開始されないようになっていてもよい。
【0264】
(音量変更ボタン、光量変更ボタン)
演出ボタン57(
図16参照)として、押下操作可能なプッシュボタンの他に(あるいはプッシュボタンの代わりに)、演出に関する設定等を行う際に操作される演出設定ボタンが設けられていてもよい。以下、十字キーと、決定ボタンと、キャンセルボタン(終了ボタン、戻るボタン)と、を備える演出設定ボタンが設けられているものとする。十字キーは、4つの方向ボタンとして、奥(後方)側に設けられている上ボタンと、手前(前方)側に設けられている下ボタンと、右側に設けられている右ボタンと、左側に設けられている左ボタンと、を備えている。
【0265】
非遊技中に十字キーの所定の方向ボタン(右ボタンまたは左ボタン)が操作されると、音量変更画面(音量変更画像)(演出の設定に関する画面)が液晶ディスプレイ34に表示され、スピーカ36から出力される音の大きさ(音量)の調整が可能な状態となる(方向ボタンの押下操作で音量を上下させる(変更する)ことが可能となる)。また、非遊技中に十字キーの所定の方向ボタン(上ボタンまたは下ボタン)が操作されると、光量変更画面(光量変更画像)(演出の設定に関する画面)が液晶ディスプレイ34に表示され、液晶ディスプレイ34および/または照明装置38の明るさ(輝度)の調整が可能な状態となる(方向ボタンの押下操作で光量を上下させる(変更する)ことが可能となる)。なお、最初の(1回目の)方向ボタンの押下操作で音量(あるいは光量)を上下させる(変更する)ことができてもよい。すなわち、最初の方向ボタンの押下操作によって、音量変更画面(あるいは光量変更画面)の表示と同時に音量(あるいは光量)が変更されてもよい。このように、十字キーは、音量変更ボタンあるいは光量変更ボタンとして機能する。演出ボタンとしての演出設定ボタン(十字キー)は、演出の設定に関する画面を表示させる操作に用いられる所定のボタンや、演出の設定に関する操作に用いられる所定のボタン、と言うことができる。
【0266】
ここで、特定状態(遊技開始可能状態)において遊技モードから設定確認モードへ移行し、その後、設定確認モードから遊技モードへ復帰する場合の処理について説明する。特定状態(遊技開始可能状態)であり、遊技モードとなっている状態から、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを第1位置から第2位置へ移動させる操作(移行操作)が行われ、設定確認モードとなっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われるよりも前に、音量変更ボタン(あるいは光量変更ボタン)が操作(押下)された状態(ON状態)となり、音量変更ボタン(あるいは光量変更ボタン)が操作されている(ON状態となっている)状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われた場合に、音量変更画面(あるいは光量変更画面)が液晶ディスプレイ34に表示されず、音量変更(あるいは光量変更)が可能な状態とならないようになっている。なお、音量変更画面(あるいは光量変更画面)が液晶ディスプレイ34に表示されず、音量変更(あるいは光量変更)が可能な状態とならないとしたが、音量(あるいは光量)が変更されないようになっていてもよい。音量変更ボタンが操作されている状態とは、音量変更ボタンがONとなる位置まで操作されている状態を指す。
【0267】
換言すると、設定確認モードにおいて、音量変更ボタン(あるいは光量変更ボタン)がON状態とされ、音量変更ボタン(あるいは光量変更ボタン)がON状態となっている状態で、設定確認モードから遊技モードに移行した場合であっても、音量変更(あるいは光量変更)が開始されないようになっている。
さらに換言すると、特定状態(遊技開始可能状態)において、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がOFF状態からON状態とされ、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がON状態となっている状態で「演出の設定に関する操作に用いられる所定のボタン」がON状態とされ、当該所定のボタンがON状態となっている状態で設定変更キーシリンダがOFF状態とされた場合であっても、演出の設定に関する処理が開始されない(例えば演出の設定に関する画面が液晶ディスプレイ34に表示されない)。
このため、誤って音量変更ボタン(あるいは光量変更ボタン)をON状態としたままの状態で設定確認モードから遊技モードへ復帰した場合に、意図しない操作に基づき音量変更画面(あるいは光量変更画面)が表示されるのを防ぐことができる。なお、この場合、設定確認モードから遊技モードへ移行してメインループ処理に復帰した後、さらに音量変更ボタン(あるいは光量変更ボタン)のON状態が維持(継続)されても、音量変更(あるいは光量変更)が開始されない。
なお、上記では、特定状態(遊技開始可能状態)における場合について説明したが、特定状態であるか否かに関わらず次のようになっていてもよい。すなわち、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がOFF状態からON状態とされ、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がON状態となっている状態で「演出の設定に関する操作に用いられる所定のボタン」が操作され(ON状態とされ)、当該所定のボタンが操作されている状態で設定変更キーシリンダがOFF状態とされた場合であっても、演出の設定に関する処理が開始されないようになっていてもよい。
また、特定状態であるか否かに関わらず、設定変更ボタン26(設定値に係る操作手段)がOFFからONとされ、設定変更ボタン26(設定値に係る操作手段)が操作されている(ONとなっている)状態で、「演出の設定に関する操作に用いられる所定のボタン」が操作され(ON状態とされ)、当該所定のボタンが操作されている状態で設定変更ボタン26がOFFとされた場合であっても、演出の設定に関する処理が開始されないようになっていてもよい。
【0268】
音量変更および光量変更は、副制御手段72によって制御されており、メインループ処理へ復帰したことに加えてサブエラーが解消されたことに基づき制御可能となるように構成されていてもよい。
【0269】
なお、特定状態(遊技開始可能状態)であり、遊技モードとなっている状態から、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを第1位置から第2位置へ移動させる操作(移行操作)が行われ、設定確認モードとなっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われるよりも前に、音量変更ボタン(あるいは光量変更ボタン)が押下された状態(ON状態)となり、音量変更ボタン(あるいは光量変更ボタン)がON状態となっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われた場合に、音量変更画面(あるいは光量変更画面)が液晶ディスプレイ34に表示され、音量変更(あるいは光量変更)が可能な状態となってもよく、音量(あるいは光量)が変更されるようになっていてもよい。この場合、遊技モードへ移行した際に、よりスムーズに音量変更画面(あるいは光量変更画面)を表示させることができる。
【0270】
(演出ボタン)
非遊技中に演出ボタン57(
図16)を操作すると、メニュー画面(メニュー画像)(演出の設定に関する画面)が液晶ディスプレイ34に表示されるようになっていてもよい。メニュー画面からは、演出態様の設定(例えば、演出にメインで登場するキャラクターの設定や、役またはボーナス等の当選の報知態様の設定)、遊技履歴の参照やユーザー端末(遊技者のスマートフォン等)への転送、役の表示態様の確認等が可能となっている。
なお、演出ボタン57の操作に基づきメニュー画面を経由せずに、所定の演出態様の決定(例えばキャラクタの設定)が可能となっていてもよい(キャラ設定画面へ移行してもよい)。
また、上述の演出設定ボタンが設けられている場合に、非遊技中に決定ボタンを操作すると、メニュー画面が液晶ディスプレイ34に表示されるようになっていてもよい。換言すると、決定ボタンがメニュー画面を表示させることが可能な演出ボタン(メニュー画面への移行契機として操作される演出ボタン)となっていてもよい。メニュー画面が表示されている状態で十字キー等によりカーソルを移動させて所望のメニューを選び、決定ボタンを操作すると、選択した内容に関する設定等を行うことが可能な画面へ移行する。演出ボタン57(あるいは決定ボタン)は、演出の設定に関する画面を表示させる操作に用いられる所定のボタンや、演出の設定に関する操作に用いられる所定のボタン、と言うことができる。
【0271】
ここで、特定状態(遊技開始可能状態)において遊技モードから設定確認モードへ移行し、その後、設定確認モードから遊技モードへ復帰する場合の処理について説明する。特定状態(遊技開始可能状態)であり、遊技モードとなっている状態から、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを第1位置から第2位置へ移動させる操作(移行操作)が行われ、設定確認モードとなっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われるよりも前に、演出ボタン57が操作(押下)された状態(ON状態)となり、演出ボタン57が操作されている(ON状態となっている)状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われた場合に、メニュー画面が液晶ディスプレイ34に表示されず(メニュー画面へ移行せず)、所定のメニューを選択可能な状態が開始されないようになっている。演出ボタン57が操作されている状態とは、演出ボタン57がONとなる位置まで操作されている状態を指す。
【0272】
換言すると、設定確認モードにおいて、演出ボタン57がON状態とされ、演出ボタン57がON状態となっている状態で、設定確認モードから遊技モードに移行した場合であっても、所定のメニューを選択可能な状態が開始されないようになっている。
さらに換言すると、特定状態(遊技開始可能状態)において、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がOFF状態からON状態とされ、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がON状態となっている状態で「演出の設定に関する操作に用いられる所定のボタン」が操作され(ON状態とされ)、当該所定のボタンが操作されている(ON状態となっている)状態で設定変更キーシリンダがOFF状態とされた場合であっても、演出の設定に関する処理が開始されない(例えば演出の設定に関する画面が液晶ディスプレイ34に表示されない)。
このため、誤って演出ボタン57をON状態としたままの状態で設定確認モードから遊技モードへ復帰した場合に、意図しない操作に基づきメニュー画面が表示されるのを防ぐことができる。
なお、上記では、特定状態(遊技開始可能状態)における場合について説明したが、特定状態であるか否かに関わらず次のようになっていてもよい。すなわち、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がOFF状態からON状態とされ、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がON状態となっている状態で「演出の設定に関する操作に用いられる所定のボタン」が操作され(ON状態とされ)、当該所定のボタンが操作されている状態で設定変更キーシリンダがOFF状態とされた場合であっても、演出の設定に関する処理が開始されないようになっていてもよい。
また、特定状態であるか否かに関わらず、設定変更ボタン26(設定値に係る操作手段)がOFFからONとされ、設定変更ボタン26(設定値に係る操作手段)が操作されている(ONとなっている)状態で、「演出の設定に関する操作に用いられる所定のボタン」が操作され(ON状態とされ)、当該所定のボタンが操作されている状態で設定変更ボタン26がOFFとされた場合であっても、演出の設定に関する処理が開始されないようになっていてもよい。
【0273】
なお、特定状態(遊技開始可能状態)であり、遊技モードとなっている状態から、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを第1位置から第2位置へ移動させる操作(移行操作)が行われ、設定確認モードとなっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われるよりも前に、演出ボタン57が押下された状態(ON状態)となり、演出ボタン57がON状態となっている状態で設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われた場合に、メニュー画面が液晶ディスプレイ34に表示され(メニュー画面へ移行し)、所定のメニューを選択可能な状態が開始されるようになっていてもよい。この場合、遊技モードへ移行した際に、よりスムーズにメニュー画面を表示させることができる。
【0274】
また、設定確認モードから遊技モードへ移行してメインループ処理に復帰した後、さらに演出ボタン57のON状態が所定時間以上継続された場合に、メニュー画面が液晶ディスプレイ34に表示(所定のメニューを選択可能な状態が開始)されるようになっていてもよい。具体的には、設定確認モードから遊技モードへ移行し、メインループ処理が再開されてから所定時間が経過した後に、メニューボタンとしての演出ボタン57の操作が有効化されてもよい。この場合、設定確認モードにおいて演出ボタン57がON状態とされ、演出ボタン57がON状態となっている状態で遊技モードへ復帰し、さらに演出ボタン57がON状態となっている状態で所定時間が経過して演出ボタン57の操作が有効化された場合に、その演出ボタン57の操作が有効化されたことに基づきメニュー画面が液晶ディスプレイ34に表示され、所定のメニューを選択可能な状態となる。なお、そのように演出ボタン57の操作が有効化されたタイミングにおいて、消灯していた演出ボタン57が点灯し、演出ボタン57の操作が有効化されたことが報知されるようになっていてもよい。
【0275】
(メダルレス遊技機)
本実施の形態では、遊技を行う際にメダル(遊技媒体)を投入し、役の入賞によってメダルが払い出される遊技機(スロットマシンX)を用いて説明したが、遊技機は、遊技媒体を用いずに電子的情報としての遊技価値を用い、遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりすることによって遊技が行われるものであってもよい(いわゆるメダルレス遊技機)。メダルレス遊技機では、メダルの投入の代わりに遊技価値が消費され、メダルの払い出しの代わりに遊技価値が付与される。
【0276】
次に、メダルレス遊技機Yにおける制御について説明する。なお、上述のスロットマシンXを用いて説明した構成と同一または相当する機能を有する構成については、その説明を省略または簡略化する。
【0277】
図23は、メダルレス遊技機Yを正面側から見た斜視図である。図示を省略しているが、メダルレス遊技機Yの側方(右側方)にはカードユニット(遊技価値貸出装置、遊技メダル貸出装置、所定の装置)が設けられれている。メダルレス遊技機Yは、メダル投入口、メダル払出口およびメダル受け皿等の構成や、メダルセレクタ、ホッパーユニット等の投入されたメダルを制御する装置を備えていない。
【0278】
メダルレス遊技機Yでは、カードユニットに対する貸出操作等に基づき、所定数の遊技価値に相当する値がクレジット(主記憶手段108におけるクレジット記憶領域の記憶値)に設定される。主記憶手段108におけるクレジット記憶領域の記憶値は、クレジット数(貯留数)と言うことができる。クレジット数(遊技に使用可能な遊技メダル数)は、遊技メダル数表示装置111に表示される。
【0279】
メダルレス遊技機Yでは、スロットマシンXのようにクレジット数の上限が「50」に設定されておらず、上限の数は、例えば、遊技メダル数表示装置111に表示可能な数の範囲内で設定されていてもよい。
【0280】
操作領域50には、遊技メダル数表示装置111が設けられている。遊技メダル数表示装置111は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成され、本実施形態では5桁の数字が表示可能となっている。また、操作領域50には、計数ボタン112が設けられている。計数ボタン112は、所定数のクレジット(クレジット数の全部または一部)に相当する値を示す情報をカードユニットへ送信(返却)する際に操作されるボタンである。計数ボタン112は押圧部を備えており、押圧部が押下操作可能に形成されている。以下、計数ボタン112の押圧部を押下することを、計数ボタン112を操作するという。
【0281】
図示を省略するが、筐体10の内部には電源ユニット14(電源ボックス)が設けられており、電源ユニット14の前面に、設定変更キーシリンダや設定変更ボタン26等が設けられている。
【0282】
ここで、メダルレス遊技機Yでの基本的な遊技の流れについて説明する。まず、カードユニットでの貸出操作に基づき所定数の遊技メダルが付与される(クレジット数が加算される)。MAXベットボタン56が操作されると、規定数を限度として遊技メダルが投入状態に設定され、投入状態に設定された遊技メダル数に相当する値が、クレジット数から減算される(遊技メダル数表示装置111に表示される遊技メダル数が減少する)。
【0283】
規定数の遊技メダルが投入状態に設定されると、スタートレバー53の操作が有効な状態、すなわち遊技が開始可能な状態となる。次に、有効化されたスタートレバー53が操作されると、リール20a~20cの回転が開始される。次に、リール20a~20cの回転速度が所定の速度まで上昇して定常回転状態となると、ストップボタン54a~54cの操作が有効な状態となる。次に、いずれかのストップボタン54a~54cが操作されると、対応するリール20a~20cの回転が停止する。次に、すべてのリール20a~20cの回転が停止すると、遊技の結果に応じて、所定数の遊技メダルを付与する(クレジットに加算する)処理や、遊技メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理(リプレイ処理)等が行なわれる。
【0284】
上述のとおり計数ボタン112が操作されると、所定数のクレジット(遊技メダル)がカードユニットへ送信(返却)される。そして、カードユニットにおいてカード返却操作が行われると、所定の値が記憶されたカードがカードユニットから排出される。
【0285】
次に、主制御手段70における計数ボタン112の操作に係る処理について、
図24に示すフローチャートを用いて説明する。主制御手段70は、計数ボタン112から入力される信号(計数ボタン信号)の状態(信号状態)を監視している。計数ボタン112が操作されていない状態では、主制御手段70に入力される信号はOFFとなり、計数ボタン112が操作されている状態では、主制御手段70に入力される信号はONとなる。
【0286】
メインループ処理において、主制御手段70は、計数ボタン信号のONからOFFへの変化を検出(OFFエッジを検出)した場合、あるいは計数ボタン信号のONを所定時間以上検出した場合に、所定数のクレジット(クレジット数の全部または一部)に相当する値を示す情報をカードユニットへ送信し、クレジット数(主記憶手段108におけるクレジット記憶領域の記憶値)から当該値を減算する処理(計数処理)を行う。当該クレジット数の減算に伴い、遊技メダル数表示装置111に表示される遊技メダル数が減少する。
【0287】
主制御手段70は、計数ボタン信号がONであるか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301において、計数ボタン信号がONであると判定した場合(ステップS301:YES)、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS302)。一方、ステップS301において、計数ボタン信号がONでないと判定した場合(ステップS301:NO)、ステップS301の処理を繰り返す。所定の条件とは、(1)計数ボタン信号のOFFエッジを検出し、計数ボタン信号のONの検出時間(ON検出時間)が500ms未満であるという条件(第1条件)、あるいは(2)計数ボタン信号のON検出時間が500ms以上である、という条件(第2条件)である。
【0288】
ステップS302において、所定の条件を満たすと判定した場合(ステップS302:YES)、主制御手段70は、第1条件であるか否かを判定する(ステップS303)。一方、ステップS302において、所定の条件を満たさないと判定した場合(ステップS302:NO)、ステップS301に戻る。
【0289】
ステップS303において、第1条件であると判定した場合(ステップS303:YES)、主制御手段70は、クレジット数(遊技メダル数)が1以上であるか否かを判定する(ステップS304)。一方、ステップS303において、第1条件でないと判定した場合(ステップS303:NO)、主制御手段70は、クレジット数が50以上であるか否かを判定する(ステップS306)。
【0290】
ステップS304において、クレジット数が1以上であると判定した場合(ステップS304:YES)、主制御手段70は、クレジット数「1」(クレジット数の一部に相当する値)を示す情報をカードユニットへ送信するとともに、クレジット数から1を減算する(ステップS305)。ステップS305の後、ステップS301に戻る。一方、ステップS304において、クレジット数が1未満であると判定した場合(ステップS304:NO)、ステップS301に戻る。
【0291】
ステップS306において、クレジット数が50以上であると判定した場合(ステップS306:YES)、主制御手段70は、クレジット数「50」(クレジット数の一部に相当する値)を示す情報をカードユニットへ送信するとともに、クレジット数から50を減算する(ステップS307)。ステップS307の後、ステップS309へ進む。一方、ステップS306において、クレジット数が50未満であると判定した場合(ステップS306:NO)、主制御手段70は、現在のクレジット数に相当する値(例えば30、クレジット数の全部に相当する値)をカードユニットへ送信するとともに、クレジット数から当該値を減算する(ステップS308)。ステップS308の後、ステップS301に戻る。なお、ステップS308では、クレジット数が0となっている場合があり得るが、その場合にクレジット数「0」を示す情報をカードユニットへ送信するとともに、クレジット数から0を減算する処理が行われてもよく、そのような処理が行われなくてもよい。
【0292】
主制御手段70は、継続して計数ボタン信号のONが検出されている否か判定する(ステップS309)。ステップS309において、継続して計数ボタン信号のONが検出されていると判定した場合(ステップS309:YES)、主制御手段70は、ステップS307の処理が行われた後の計数ボタン信号のON検出時間が300msに到達したか否かを判定する(ステップS310)。一方、ステップS309において、継続して計数ボタン信号のONが検出されていないと判定された場合(ステップS309:NO)、ステップS301に戻る。
【0293】
ステップS310において、ステップS307の処理が行われた後の計数ボタン信号のON検出時間が300msに到達したと判定した場合(ステップS310:YES)、ステップS306へ進む。一方、ステップS310において、ステップS307の処理が行われた後の計数ボタン信号のON検出時間が300msに到達していないと判定した場合(ステップS310:NO)、ステップS309へ進む。
【0294】
(計数ボタン)
ここで、特定状態(遊技開始可能状態)において遊技モードから設定確認モードへ移行し、その後、設定確認モードから遊技モードへ復帰する場合の処理について説明する。特定状態(遊技開始可能状態)であり、遊技モードとなっている状態から、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを第1位置から第2位置へ移動させる操作(移行操作)が行われ、設定確認モードとなっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われるよりも前に、計数ボタン112が押下された状態(ON状態)となり、計数ボタン112がON状態となっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われた場合に、計数処理が実行(開始)されず、所定のクレジット数(クレジット数の全部または一部)に相当する値を示す情報がカードユニットへ送信されず、クレジット数から当該値が減算されないようになっている。
【0295】
換言すると、設定確認モードにおいて計数ボタン112がON状態とされ、計数ボタン112がON状態となっている状態で、設定確認モードから遊技モードに移行した場合に、計数処理が開始されないようになっている。このため、誤って計数ボタン112をON状態としたままの状態で設定確認モードから遊技モードへ復帰した場合に計数処理が開始されないため、意図しない操作に基づき計数処理が開始されるのを防ぐことができる。仮に意図しない操作に基づき計数処理が開始された場合、続けて遊技を行うために遊技価値の貸出操作が必要となる場合があり、遊技者にとって負担となるが、本実施形態によれば、そのような負担が生じるのを防ぐことができる。
【0296】
設定確認モードにおいて計数ボタン112がON状態となり、その状態のまま遊技モードに移行した場合、メインループ処理に復帰したタイミング(時点)において、計数ボタン信号がONであることが検出されるが、これはONからOFFへの立ち下がり(OFFエッジ)ではない。また、メインループ処理への復帰時であるため、ON検出時間が所定時間(500ms)以上となっていない。つまり、ステップS302においてNOと判定される。したがって、メインループ処理に復帰したタイミングでは、計数処理が実行されない。
【0297】
ここで、設定確認モードにおいて計数ボタン112がON状態とされ、計数ボタン112がON状態となっている状態で、設定確認モードから遊技モードへ移行し、メインループ処理に復帰した後、計数ボタン112のON状態が継続(維持)された場合の処理について説明する。(1)メインループ処理に復帰したタイミングで計数ボタン信号がONであることが検出され、その後、計数ボタン信号のON検出時間が500ms未満であることが検出された場合、それに基づき計数処理(クレジット数「1」を返却する処理)が開始されない。(2)また、メインループ処理に復帰したタイミングで計数ボタン信号がONであることが検出され、その後、計数ボタン信号のON検出時間が所定時間(500ms)以上であることが検出された場合、それに基づき計数処理(クレジット数「50」または現在のクレジット数を返却する処理)が開始されない。(3)また、メインループ処理に復帰したタイミングで計数ボタン信号がONであることが検出され、その後も計数ボタン信号のONの検出が継続されている状態で(500ms以上)、計数ボタン112がOFF状態となり、OFFエッジが検出された場合に、それに基づき計数処理(クレジット数「1」を返却する処理)が開始されない。なお、(2´)メインループ処理に復帰したタイミングで計数ボタン信号がONであることが検出され、その後も計数ボタン信号のONの検出が継続されている状態で、設定確認モードにおいて計数ボタン112がON状態とされた時点からのON検出時間が所定時間(500ms)以上となったことに基づき、計数処理が開始されない。
【0298】
なお、特定状態(遊技開始可能状態)であり、遊技モードとなっている状態から、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを第1位置から第2位置へ移動させる操作(移行操作)が行われ、設定確認モードとなっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われるよりも前に、計数ボタン112が押下された状態(ON状態)となり、計数ボタン112がON状態となっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われた場合に、計数処理が開始されるようになっていてもよい。
【0299】
換言すると、設定確認モードにおいて計数ボタン112がON状態とされ、計数ボタン112がON状態となっている状態で、設定確認モードから遊技モードに移行した場合に、計数処理が開始されるようになっていてもよい。この場合、遊技モードへ移行した際に、より早く計数処理を開始させることができる。
【0300】
ここで、設定確認モードにおいて計数ボタン112がON状態とされ、計数ボタン112がON状態となっている状態で、設定確認モードから遊技モードへ移行し、メインループ処理に復帰した後、さらに計数ボタン112のON状態が継続された場合の処理について説明する。(1)メインループ処理に復帰したタイミングで計数ボタン信号がONであることが検出され、その後、OFFエッジが検出されて計数ボタン信号のON検出時間が500ms未満であることが検出された場合に、それに基づき計数処理(クレジット数「1」を返却する処理)が開始されてもよい(実行可能となっていてもよい)。(2)また、メインループ処理に復帰したタイミングで計数ボタン信号がONであることが検出され、その後、計数ボタン信号のON検出時間が500ms以上であることが検出された場合、それに基づき計数処理(クレジット数「50」または現在のクレジット数を返却する処理)が開始されてもよい。なお、この場合、1回の返却に限らず、計数ボタン112のON状態が継続され、条件(ステップS310)を満たす場合には、次回以降の返却が実行される。(3)また、メインループ処理に復帰したタイミングで計数ボタン信号がONであることが検出され、その後も計数ボタン信号のONの検出が継続されている状態で(500ms以上)、計数ボタン112がOFF状態となり、OFFエッジが検出された場合に、それに基づき計数処理(クレジット数「1」を返却する処理)が開始されてもよい。
【0301】
(精算ボタン)
メダルレス遊技機Yにおいて、精算ボタン52は、ベットボタン56の操作により投入された(投入状態に設定された)遊技メダルを、クレジット(主記憶手段108におけるクレジット記憶領域)に返却する際に操作されるボタンとなっている。換言すると、精算ボタン52の操作に基づき、投入状態に設定された遊技メダルをクレジットに返却する処理(投入返却処理)が実行される。投入返却処理(遊技価値に関する所定の処理)は、遊技メダルの投入状態の設定が解消され、投入状態に設定されていた遊技メダル数に相当する値が、クレジット数(主記憶手段108におけるクレジット記憶領域の記憶値)に加算される処理である。投入状態に設定されている遊技メダルが存在する状態で精算ボタン52が操作されると、それに基づき遊技メダルがクレジットに返却され、遊技メダル数表示装置111に表示される遊技メダル数が増加する。
【0302】
ここで、特定状態(遊技開始可能状態)において遊技モードから設定確認モードへ移行し、その後、設定確認モードから遊技モードへ復帰する場合の処理について説明する。特定状態(遊技開始可能状態)であり、遊技モードとなっている状態から、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを第1位置から第2位置へ移動させる操作(移行操作)が行われ、設定確認モードとなっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われるよりも前に、精算ボタン52が操作(押下)された状態(ON状態)となり、精算ボタン52が操作されている(ON状態となっている)状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われた場合に、投入返却処理が開始(実行)されず、投入状態に設定された遊技メダルがクレジットに返却されないようになっている。精算ボタン52が操作されている状態とは、精算ボタン52がONとなる位置まで操作されている状態を指す。
【0303】
換言すると、設定確認モードにおいて、精算ボタン52がON状態とされ、精算ボタン52がON状態となっている状態で、設定確認モードから遊技モードに移行した場合であっても、投入返却処理が開始されないようになっている。
換言すると、特定状態(遊技開始可能状態)において、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がOFF状態からON状態とされ、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がON状態となっている状態で精算ボタン52が操作されても遊技価値に関する処理(投入返却処理)が開始されず、その精算ボタン52が操作されている状態で(操作が維持されたまま)設定変更キーシリンダがOFF状態とされた場合であっても、遊技価値に関する処理(投入返却処理)が開始されない。
このため、誤って精算ボタン52をON状態としたままの状態で設定確認モードから遊技モードへ復帰した場合に投入返却処理が実行されないため、意図しない操作に基づき投入返却処理が開始されるのを防ぐことができる。仮に意図しない操作に基づき投入返却処理が実行された場合、遊技を行うために再度遊技価値を投入する必要が生じ、遊技者にとって負担となるが、本実施形態によれば、そのような負担が生じるのを防ぐことができる。なお、設定確認モードから遊技モードへ移行してメインループ処理に復帰した後、さらに精算ボタン52のON状態が維持されても、投入返却処理が開始されない。
【0304】
上記では特定状態(遊技の開始に必要な規定数のメダルが投入された状態、または内部抽選の結果リプレイに当選したことに基づきメダルが自動投入された状態)においてとしたが、遊技の開始に必要な規定数のメダルが投入された状態(規定数メダル投入状態)において、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がOFF状態からON状態とされ、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段)がON状態となっている状態で精算ボタン52が操作されても、遊技価値に関する処理(投入返却処理)が開始されず、その精算ボタン52が操作されている状態で(操作が維持されたまま)設定変更キーシリンダがOFF状態とされた場合であっても、遊技価値に関する処理(投入返却処理)が開始されないようになっていてもよい。
【0305】
また、遊技の開始に必要な規定数のメダルが投入された状態(規定数メダル投入状態)において、設定変更ボタン26(設定値に係る操作手段)がOFFからONとされ、設定変更ボタン26(設定値に係る操作手段)操作されている(ONとなっている)状態で精算ボタン52が操作されても、遊技価値に関する処理(投入返却処理)が開始されず、その精算ボタン52が操作されている状態で(操作が維持されたまま)設定変更ボタン26がOFFとされた場合であっても、遊技価値に関する処理(投入返却処理)が開始されないようになっていてもよい。
【0306】
なお、特定状態(遊技開始可能状態)であり、遊技モードとなっている状態から、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを第1位置から第2位置へ移動させる操作(移行操作)が行われ、設定確認モードとなっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われるよりも前に、精算ボタン52が押下された状態(ON状態)となり、精算ボタン52がON状態となっている状態で、設定キーを第2位置から第1位置へ移動させる操作(復帰操作)が行われた場合に、投入返却処理が開始されるようになっていてもよい。この場合、遊技モードへ移行した際に、よりスムーズに投入返却処理を開始させることができる。
【0307】
本実施形態の遊技機は、
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリール20a~20cと、
遊技を開始させる操作に用いられるスタートレバー53と、
設定値に係るスイッチと、
遊技の進行を制御する制御手段70と、を備え、
前記制御手段は、
前記スタートレバーの操作に基づき役の当否を決定する内部抽選を行う遊技制御手段104と、
複数の設定値の間で設定値を変更する設定変更処理を実行可能な設定変更手段101と、を備え、
遊技の開始に必要な規定数の遊技価値が投入された状態、または前記内部抽選の結果リプレイに当選したことに基づき遊技価値が自動投入された状態を特定状態とすると、
前記特定状態において、前記設定値に係る操作手段がOFFからONとされ、前記設定値に係る操作手段がONとなっている状態で前記スタートレバーが操作され、前記スタートレバーが操作されている状態で前記設定値に係る操作手段がOFFとされた場合であっても、遊技が開始されない。
【0308】
前記設定値に係る操作手段がONとなっている状態で前記スタートレバーが操作され、前記スタートレバーが操作されている状態で前記設定値に係る操作手段がOFFとされた場合であっても、遊技が開始されないようになっている。このため、意図しない操作や誤った操作に基づき遊技が開始されてしまうのを抑制する(防ぐ)ことができる。これにより、遊技機の商品性を高めることができる。仮に意図しない操作に基づき開始された遊技において内部抽選の結果が不当選であった場合、所定数の遊技価値が消費されてしまうこととなる。本実施形態に係る遊技機によれば、かかる遊技価値が消費されてしまうリスクを低減できる。
【0309】
なお、本発明は、前述した各実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0310】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは任意の構成要素の変形や省略が可能である。
【符号の説明】
【0311】
20a,20b,20c リール
26a,26b,26c ストップボタン
42 内部抽選手段
47 設定変更手段
51 指示機能制御手段
52 精算ボタン
53 スタートレバー
70 主制御手段(制御手段)
81 演出状態制御手段
90 液晶ディスプレイ(表示手段)
300 左押し推奨表示(特定表示)
400 のめり込み防止表示
500 遊技停止示唆表示(特定表示)
【要約】
【課題】商品性が向上された遊技機を提供する。
【解決手段】遊技の開始に必要な規定数の遊技価値が投入された状態において、設定値に係る操作手段がOFFからONとされ、設定値に係る操作手段がONとなっている状態で精算ボタンが操作され、精算ボタンが操作されている状態で設定値に係る操作手段がOFFとされた場合であっても、遊技価値に関する処理が開始されない。このため、意図しない操作や、誤った操作に基づいて前記遊技価値に関する処理が開始されてしまうのを抑制することができる。これにより、遊技機の商品性を高めることができる。
【選択図】
図18