(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】温度調節装置
(51)【国際特許分類】
B62J 41/00 20200101AFI20240307BHJP
B62M 6/45 20100101ALI20240307BHJP
【FI】
B62J41/00
B62M6/45
(21)【出願番号】P 2019080315
(22)【出願日】2019-04-19
【審査請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】高山 仁志
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
(72)【発明者】
【氏名】蒲田 建二
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 信吾
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-373684(JP,A)
【文献】特開2015-71404(JP,A)
【文献】特表2015-511551(JP,A)
【文献】特開2014-158393(JP,A)
【文献】特開2001-103604(JP,A)
【文献】特開2007-112406(JP,A)
【文献】特開平10-297570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/45,
B62J 41/00,45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車のコンポーネントの温度を調節する温度調節装置であって、
前記コンポーネントは、第1コンポーネントおよび第2コンポーネントを含み、
前記第2コンポーネントは、前記第1コンポーネントと異なるコンポーネントを含み、
前記コンポーネントの温度を調節する流体の流路と、
前記流体を循環させる循環装置と、
前記第1コンポーネントに対応する第1流体制御装置と、
前記第2コンポーネントに対応する第2流体制御装置と、
前記第1流体制御装置および前記第2流体制御装置を制御する制御部と、を備え、
前記流路は、前記第1コンポーネントの温度を調節する前記流体が流通する第1流路、および、前記第2コンポーネントの温度を調節する前記流体が流通する第2流路を含み、
前記制御部は、前記第1コンポーネントの温度が調節されるように前記第1コンポーネントの温度情報に応じて前記第1流体制御装置を制御し、前記第2コンポーネントの温度が調節されるように前記第2コンポーネントの温度情報に応じて前記第2流体制御装置を制御する、温度調節装置。
【請求項2】
前記第1コンポーネントは、補助駆動装置、サスペンション、および、ブレーキ装置の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の温度調節装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1コンポーネントの温度が低下するように前記第1流体制御装置を制御する、
請求項2に記載の温度調節装置。
【請求項4】
前記第1コンポーネントを冷却する冷却装置をさらに備える、
請求項2または3に記載の温度調節装置。
【請求項5】
前記第2コンポーネントは、電力供給装置、ステアリング、および、シートアッセンブリの少なくとも1つを含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の温度調節装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2コンポーネントの温度が上昇するように前記第2流体制御装置を制御する、
請求項5に記載の温度調節装置。
【請求項7】
前記第1流体制御装置は、第1バルブを含み、
前記第2流体制御装置は、第2バルブを含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の温度調節装置。
【請求項8】
前記第1流路を流通する前記流体の熱を放熱させる放熱装置をさらに備える、
請求項1から7のいずれか一項に記載の温度調節装置。
【請求項9】
前記第1流路を流通する前記流体の熱を蓄熱する蓄熱装置をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の温度調節装置。
【請求項10】
前記第2流路を流通する前記流体を加熱する加熱装置をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の温度調節装置。
【請求項11】
前記コンポーネントは、第3コンポーネントをさらに含み、
前記第3コンポーネントは、前記第1コンポーネントおよび前記第2コンポーネントとは異なるコンポーネントを含み、
前記第3コンポーネントに対応する第3流体制御装置をさらに備え、
前記第2流路は、前記第3コンポーネントの温度を調節する前記流体が流通するように構成され、
前記制御部は、前記第3コンポーネントの温度が調節されるように前記第3コンポーネントの温度情報に応じて前記第3流体制御装置を制御する、請求項1から10のいずれか一項に記載の温度調節装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第3コンポーネントの温度が上昇または低下するように前記第3流体制御装置を制御する、請求項11に記載の温度調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、人力駆動車のコンポーネントの温度を調節する温度調節装置の一例を開示している。特許文献1の温度調節装置は、ディスクブレーキキャリパを冷却する冷却装置を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人力駆動車のコンポーネントの温度をより適切に調節することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う温度調節装置は、人力駆動車の第1コンポーネントの温度情報および人力駆動車の第2コンポーネントの温度情報の少なくとも1つに応じて、前記第1コンポーネントおよび前記第2コンポーネントの温度を調節する温度調節装置であって、前記第1コンポーネントが人力駆動車の補助駆動装置および電力供給装置の一方であれば、前記第2コンポーネントは前記補助駆動装置および前記電力供給装置の他方とは異なる。
上記第1側面の温度調節装置によれば、第1コンポーネントおよび第2コンポーネントの温度を適切に調節できる。
【0006】
本発明の第2側面に従う温度調節装置は、人力駆動車の第1コンポーネントの温度情報および人力駆動車の第2コンポーネントの温度情報の少なくとも1つに応じて、流体によって前記第1コンポーネントおよび前記第2コンポーネントの温度を調節する。
上記第2側面の温度調節装置によれば、流体によって、第1コンポーネントおよび第2コンポーネントの温度を適切に調節できる。
【0007】
前記第1または第2側面に従う第3側面の温度調節装置において、前記第1コンポーネントおよび前記第2コンポーネントの温度を調節する流体の流路をさらに備える。
上記第3側面の温度調節装置によれば、第1コンポーネントおよび第2コンポーネントの温度を適切に調節できる。
【0008】
前記第3側面に従う第4側面の温度調節装置において、前記流体を循環させる循環装置をさらに備える。
上記第4側面の温度調節装置によれば、流体を好適に循環できる。
【0009】
前記第3または第4側面に従う第5側面の温度調節装置において、前記第1コンポーネントに対応する第1流体制御装置と、前記第2コンポーネントに対応する第2流体制御装置と、をさらに備え、前記第1コンポーネントの温度情報および前記第2コンポーネントの温度情報の少なくとも1つに応じて、前記第1流体制御装置および前記第2流体制御装置を制御する。
上記第5側面の温度調節装置によれば、第1コンポーネントおよび第2コンポーネントの温度を適切に調節できる。
【0010】
前記第5側面に従う第6側面の温度調節装置において、前記第1コンポーネントの温度が低下するように前記第1流体制御装置を制御する。
上記第6側面の温度調節装置によれば、第1コンポーネントの温度が高くなることを抑制できる。
【0011】
前記第5または第6側面に従う第7側面の温度調節装置において、前記第2コンポーネントの温度が上昇するように前記第2流体制御装置を制御する。
上記第7側面の温度調節装置によれば、第2コンポーネントの温度が低くなることを抑制できる。
【0012】
前記第5から第7側面のいずれか1つに従う第8側面の温度調節装置において、前記第1流体制御装置は、第1バルブを含み、前記第2流体制御装置は、第2バルブを含む。
上記第8側面の温度調節装置によれば、第1コンポーネントおよび第2コンポーネントの温度を適切に調節できる。
【0013】
前記第3から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の温度調節装置において、前記流体の熱を放熱させる放熱装置をさらに備える。
上記第9側面の温度調節装置によれば、流体を好適に冷却できる。
【0014】
前記第3から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の温度調節装置において、前記流体の熱を蓄熱する蓄熱装置をさらに備える。
上記第10側面の温度調節装置によれば、第1コンポーネントまたは第2コンポーネントの温度が高くなるように好適に調節できる。
【0015】
前記第3から第10側面のいずれか1つに従う第11側面の温度調節装置において、前記流体を加熱する加熱装置をさらに備える。
上記第11側面の温度調節装置によれば、流体を好適に加熱できる。
【0016】
前記第1から第11側面のいずれか1つに従う第12側面の温度調節装置において、前記第1コンポーネントを冷却する冷却装置をさらに備える。
上記第12側面の温度調節装置によれば、第1コンポーネントを好適に冷却できる。
【0017】
前記第1から第12側面のいずれか1つに従う第13側面の温度調節装置において、前記第1コンポーネントは、補助駆動装置、サスペンション、および、ブレーキ装置の少なくとも1つを含む。
上記第13側面の温度調節装置によれば、補助駆動装置、サスペンション、および、ブレーキ装置の温度を好適に調節できる。
【0018】
前記第1から第13側面のいずれか1つに従う第14側面の温度調節装置において、前記第2コンポーネントは、電力供給装置、ステアリング、および、シートアッセンブリの少なくとも1つを含む。
上記第14側面の温度調節装置によれば、電力供給装置、ステアリング、および、シートアッセンブリの温度を好適に調節できる。
【0019】
本発明の第15側面に従う温度調節装置は、人力駆動車の第1コンポーネントの温度情報、人力駆動車の第2コンポーネントの温度情報、および、人力駆動車の第3コンポーネントの温度情報の少なくとも1つに応じて、前記第1コンポーネント、前記第2コンポーネント、および、前記第3コンポーネントの温度を調節する。
上記第15側面の温度調節装置によれば、第1コンポーネント、第2コンポーネント、および、第3コンポーネントの温度を適切に調節できる。
【0020】
前記第15側面に従う第16側面の温度調節装置において、前記第1コンポーネントの温度を低下させ、前記第2コンポーネントの温度を上昇させ、前記第3コンポーネントの温度を低下または上昇させる。
上記第16側面の温度調節装置によれば、第1コンポーネント、第2コンポーネント、および、第3コンポーネントの温度を適切に調節できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の温度調節装置によれば、人力駆動車のコンポーネントの温度をより適切に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態の温度調節装置を備える自転車の側面図。
【
図2】
図1の温度調節装置を含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図。
【
図3】
図1の温度調節機構、および、人力駆動車のコンポーネントとの関係を示すブロック図。
【
図4】第1流体制御の処理手順の一例を示すフローチャート。
【
図5】第2流体制御の処理手順の一例を示すフローチャート。
【
図6】第3流体制御の処理手順の一例を示すフローチャート。
【
図7】冷却制御の処理手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0024】
<実施形態>
図1を参照して、温度調節装置10を備える人力駆動車Aについて説明する。人力駆動車Aは、少なくとも人力駆動力によって駆動することができる車である。人力駆動車Aは、走行のための原動力に関して、少なくとも部分的に人力を用いる車両を意味し、電動で人力を補助する車両を含む。人力以外の原動力のみを用いる車両は、人力駆動車Aには含まれない。特に、内燃機関のみを原動力に用いる車両は、人力駆動車Aには含まれない。通常、人力駆動車Aには、小型軽車両が想定され、公道での運転に免許を要しない車両が想定される。車輪の数は限定されず、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する車も含む。人力駆動車Aは、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。図示される人力駆動車Aは、ロードバイクである。人力駆動車Aは、フレームA1、前輪支持装置A2、前輪A3、後輪A4、駆動機構A5、および、温度調節装置10を備える。
【0025】
駆動機構A5は、チェーンドライブタイプである。駆動機構A5は、クランクアッセンブリA6、フロントスプロケットアッセンブリA7、リアスプロケットアッセンブリA8、および、チェーンA9を含む。クランクアッセンブリA6は、フレームA1に対して回転可能にボトムブラケットに支持されるクランク軸A61、クランク軸A61の両端部のそれぞれに設けられる一対のクランクアームA62、および、各クランクアームA62の先端に回転可能に取り付けられるペダルA63を含む。駆動機構A5は、任意のタイプから選択でき、ベルトドライブタイプ、または、シャフトドライブタイプであってもよい。
【0026】
フロントスプロケットアッセンブリA7は、クランク軸A61と一体に回転するように1つのクランクアームA62に設けられる。フロントスプロケットアッセンブリA7は、複数のフロントスプロケットA71を含む。リアスプロケットアッセンブリA8は、後輪A4のハブに設けられる。リアスプロケットアッセンブリA8は、複数のリアスプロケットA81を含む。チェーンA9は、複数のフロントスプロケットA71の1つと、複数のリアスプロケットA81の1つとに巻き掛けられる。人力駆動車AのライダーによってペダルA63に加えられる人力駆動力は、フロントスプロケットアッセンブリA7、チェーンA9、および、リアスプロケットアッセンブリA8を介して後輪A4に伝達される。
【0027】
人力駆動車Aは、コンポーネントCを備える。コンポーネントCは、第1コンポーネントC1、および、第2コンポーネントC2を含む。さらに、コンポーネントCは、第3コンポーネントC3を含む。人力駆動車Aには、補助駆動装置B1、電力供給装置B2、サスペンションB3、ブレーキ装置B4、ステアリングB5、および、シートアッセンブリB6が設けられている。第1コンポーネントC1が人力駆動車Aの補助駆動装置B1および電力供給装置B2の一方であれば、第2コンポーネントC2は補助駆動装置B1および電力供給装置B2の他方とは異なる。第1コンポーネントC1は、補助駆動装置B1、サスペンションB3、および、ブレーキ装置B4の少なくとも1つを含む。第2コンポーネントC2は、電力供給装置B2、ステアリングB5、および、シートアッセンブリB6の少なくとも1つを含む。第3コンポーネントC3は、好ましくは、補助駆動装置B1、電力供給装置B2、サスペンションB3、ブレーキ装置B4、ステアリングB5、および、シートアッセンブリB6の少なくとも1つを含む。本実施形態では、第3コンポーネントC3は、第1コンポーネントC1および第2コンポーネントC2とは異なる。
【0028】
補助駆動装置B1は、人力駆動車Aに推進力を付与するように構成される電動アクチュエータB11を含む。電動アクチュエータB11は、電気モータを含む。電動アクチュエータB11は、ペダルA63から後輪A4までの人力駆動力の動力伝達経路、または、前輪A3に回転を伝達するように設けられる。本実施形態では、電動アクチュエータB11は、フロントスプロケットアッセンブリA7に回転を伝達するように設けられる。電動アクチュエータB11および電動アクチュエータB11が設けられるハウジングは、ドライブユニットを構成する。電動アクチュエータB11とクランク軸A61との間の動力伝達経路には、好ましくは、クランク軸A61を人力駆動車Aが前進する方向に回転させた場合にクランクアッセンブリA6の回転力によって電動アクチュエータB11が回転しないようにワンウェイクラッチが設けられる。
【0029】
電力供給装置B2は、例えば、バッテリB21を含む。バッテリB21は、1または複数の充電可能なバッテリセルを含む。バッテリセルは、バッテリB21は、後述する温度調節装置10の制御装置12に電力を供給する。バッテリB21は、好ましくは、制御装置12と有線または無線によって通信可能に接続される。バッテリB21は、例えば電力線通信(PLC;power line communication)によって制御装置12と通信可能である。
【0030】
サスペンションB3は、例えば、油圧サスペンションまたはエアサスペンションである。サスペンションB3は、サスペンションB3を動作させるための電動アクチュエータを含んでいてもよい。電動アクチュエータは、例えば、電気モータを含む。サスペンションB3は、フロントサスペンションB31およびリアサスペンションの少なくとも1つを含む。フロントサスペンションB31は、前輪A3に加えられる衝撃を吸収する。フロントサスペンションB31は、前輪支持装置A2に設けられるように構成される。リアサスペンションは、後輪A4に加えられる衝撃を吸収する。リアサスペンションは、フレームA1に設けられるように構成される。より具体的には、リアサスペンションは、フレームA1のフレーム本体と後輪A4を支持するスイングアームとの間に設けられる。
【0031】
ブレーキ装置B4は、車輪の数に対応するブレーキ装置B4を含む。ブレーキ装置B4は、電動アクチュエータを含んでいてもよい。ブレーキ装置B4は、ディスクブレーキ、リムブレーキ、ドラムブレーキ、および、ローラブレーキの少なくとも1つを含んでいてもよく、回生ブレーキを実行するための電気モータを含んでいてもよい。
【0032】
ステアリングB5は、ハンドルバーB51と、ハンドルバーB51を前輪支持装置A2のステアリングコラムに連結させるステムB52と、を備える。
シートアッセンブリB6は、フレームA1のシートチューブA12に取り付けられるシートポストB61と、シートポストB61によって支持されるシートB62と、を含む。
【0033】
温度調節装置10は、人力駆動車Aの第1コンポーネントC1の温度情報TAおよび人力駆動車Aの第2コンポーネントC2の温度情報TBの少なくとも1つに応じて、第1コンポーネントC1および第2コンポーネントC2の温度を調節する。温度調節装置10は、人力駆動車Aの第1コンポーネントC1の温度情報TAおよび人力駆動車Aの第2コンポーネントC2の温度情報TBの少なくとも1つに応じて、流体によって第1コンポーネントC1および第2コンポーネントC2の温度を調節する。流体は、例えば、冷媒ガスおよび冷媒液である。
【0034】
温度調節装置10は、好ましくは、人力駆動車Aの第1コンポーネントC1の温度情報TA、人力駆動車Aの第2コンポーネントC2の温度情報TB、および、人力駆動車Aの第3コンポーネントC3の温度情報TBの少なくとも1つに応じて、第1コンポーネントC1、第2コンポーネントC2、および、第3コンポーネントC3の温度を調節する。
【0035】
図2に示されるように、温度調節装置10は、好ましくは、制御装置12を備える。制御装置12は、制御部14を含む。制御部14は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部14は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御装置12は、記憶部16をさらに含んでいてもよい。記憶部16には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部16は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。
【0036】
制御装置12は、好ましくは、電動アクチュエータB11の駆動回路18をさらに備える。駆動回路18と、制御部14と、は、好ましくは、補助駆動装置B1のハウジングに設けられる。駆動回路18と、制御部14とは、例えば同一の回路基板に設けられていてもよい。駆動回路18は、インバータ回路を含む。駆動回路18は、電力供給装置B2から供給される電力を制御する。駆動回路18は、制御部14と有線または無線によって通信可能に接続されている。駆動回路18は、例えばシリアル通信によって制御部14と通信可能である。駆動回路18は、制御部14からの制御信号に応じて電動アクチュエータB11を駆動させる。
【0037】
図3に示されるように、温度調節装置10は、好ましくは、流体を循環させる循環装置20をさらに備える。循環装置20は、例えば、電動ポンプを含む。温度調節装置10は、好ましくは、流体の熱を放熱させる放熱装置22をさらに備える。放熱装置22は、例えば、ラジエータを含む。温度調節装置10は、好ましくは、流体の熱を蓄熱する蓄熱装置24をさらに備える。蓄熱装置24は、例えば、蓄熱槽を含む。温度調節装置10は、好ましくは、流体を加熱する加熱装置26をさらに備える。加熱装置26は、例えば、ヒーターを含む。
図2に示されるように、温度調節装置10は、好ましくは、第1コンポーネントC1を冷却する冷却装置28をさらに備える。冷却装置28は、アクチュエータ28A、スプレー28B、および、タンク28Cを含む。アクチュエータ28Aはスプレー28Bを駆動する。スプレー28Bはタンク28Cと接続される。スプレー28Bは、タンク28Cから供給される冷却用の液体を第1コンポーネントC1に噴射する。冷却用の液体は、例えば、水である。タンク28Cには、冷却用の液体が溜められる。
【0038】
温度調節装置10は、好ましくは、第1コンポーネントC1に対応する第1流体制御装置30と、第2コンポーネントC2に対応する第2流体制御装置32と、をさらに備える。制御部14は、第1コンポーネントC1の温度情報TAおよび第2コンポーネントC2の温度情報TBの少なくとも1つに応じて、第1流体制御装置30および第2流体制御装置32を制御する。温度調節装置10は、好ましくは、第3コンポーネントC3に対応する第3流体制御装置34をさらに備える。制御部14は、第1コンポーネントC1の温度情報TA、第2コンポーネントC2の温度情報TB、および、第3コンポーネントC3の温度情報TCの少なくとも1つに応じて、第1流体制御装置30、第2流体制御装置32、および、第3流体制御装置34を制御する。
【0039】
第1流体制御装置30、第2流体制御装置32、および、第3流体制御装置34は、例えば、電動弁または電磁弁である。
図2に示されるように、第1流体制御装置30は、第1バルブ30Aを含む。第1流体制御装置30は、好ましくは、第1バルブ30Aを駆動するアクチュエータ30Bを含む。第2流体制御装置32は、第2バルブ32Aを含む。第2流体制御装置32は、好ましくは、第2バルブ32Aを駆動するアクチュエータ32Bを含む。第3流体制御装置34は、第3バルブ34Aを含む。第3流体制御装置34は、好ましくは、第3バルブ34Aを駆動するアクチュエータ34Bを含む。
【0040】
図3に示されるように、温度調節装置10は、第1コンポーネントC1および第2コンポーネントC2の温度を調節する流体の流路36をさらに備える。流路36は、第1流路36Aおよび第2流路36Bを含む。第1流路36Aは、第1コンポーネントC1の温度を調節する流体の流路である。第1流路36Aは、流体が循環装置20、第1流体制御装置30、第1コンポーネントC1、放熱装置22、および、蓄熱装置24を循環できるように構成される。循環装置20から送られる流体は、第1流体制御装置30を介して第1コンポーネントC1に送られ、第1コンポーネントC1から熱を奪う。第1コンポーネントC1から熱を奪った流体は、放熱装置22または蓄熱装置24に送られる。流体によって第1コンポーネントC1から奪われた熱の一部は、放熱装置22によって大気に放出される。流体によって第1コンポーネントC1から奪われた熱の一部は、蓄熱装置24に蓄えられる。放熱装置22または蓄熱装置24を通過して冷却された流体は循環装置20に送られる。蓄熱装置24に蓄えられた熱は、例えば、第2流路36Bを流れる流体を加熱するために利用される。
【0041】
第2流路36Bは、第2コンポーネントC2および第3コンポーネントC3の温度を調節する流体の流路である。第2流路36Bは、流体が循環装置20、第2流体制御装置32、第3流体制御装置34、第2コンポーネントC2、第3コンポーネントC3、および、加熱装置26を循環できるように構成される。循環装置20から送られる流体は、第2流体制御装置32および第3流体制御装置34を介して、第2コンポーネントC2および第3コンポーネントC3に送られ、第2コンポーネントC2および第3コンポーネントC3に熱を供給する。第2コンポーネントC2および第3コンポーネントC3に熱を供給した流体は、加熱装置26に送られ、加熱装置26によって加熱された後、循環装置20に送られる。
【0042】
図2に示される制御部14は、第1コンポーネントC1の温度を低下させ、第2コンポーネントC2の温度を上昇させ、第3コンポーネントC3の温度を低下または上昇させる。制御部14は、第1流体制御、第2流体制御、第3流体制御、および、冷却制御を実行する。制御部14は、第1流体制御では、第1コンポーネントC1の温度が低下するように第1流体制御装置30を制御する。制御部14は、第2流体制御では、第2コンポーネントC2の温度が上昇するように第2流体制御装置32を制御する。制御部14は、第3流体制御では、第3コンポーネントC3の温度が低下または上昇するように第3流体制御装置34を制御する。本実施形態では、制御部14は、第3流体制御において、第3コンポーネントC3の温度が上昇するように第3流体制御装置34を制御する。制御部14は、冷却制御では、第1コンポーネントC1の温度が低下するように冷却装置28を制御する。
【0043】
図2に示されるように、温度調節装置10は、好ましくは、温度情報TA、温度情報TB、および、温度情報TCを取得するための温度センサ38をさらに備える。温度センサ38は、第1温度センサ38A、第2温度センサ38B、第3温度センサ38C、第4温度センサ38D、第5温度センサ38E、および、第6温度センサ38Fを含む。第1温度センサ38Aは、補助駆動装置B1の電動アクチュエータB11の温度を検出できるように設けられる。第2温度センサ38Bは、サスペンションB3のフロントサスペンションB31の温度を検出できるように設けられる。第3温度センサ38Cは、ブレーキ装置B4の温度を検出できるように設けられる。第4温度センサ38Dは、ステアリングB5のハンドルバーB51の温度を検出できるように設けられる。第5温度センサ38Eは、シートアッセンブリB6のシートB62の温度を検出できるように設けられる。第6温度センサ38Fは、電力供給装置B2のバッテリB21の温度を検出できるように設けられる。
【0044】
制御部14は、第1温度センサ38A、第2温度センサ38B、および、第3温度センサ38Cから取得する温度情報TAに基づいて、第1流体制御を実行する。制御部14は、温度情報TAに応じて第1流体制御装置30に第1制御信号を出力する。制御部14は、温度情報TAに関連する第1所定条件に応じて第1流体制御装置30に第1制御信号を出力する。第1所定条件は、温度情報TAと第1閾値との比較結果を含む。第1閾値は、好ましくは、第1コンポーネントC1が好適に動作できる温度の上限値として予め設定される。第1閾値は、補助駆動装置B1、サスペンションB3、および、ブレーキ装置B4ごとに個別の温度に設定されてもよく、同じ温度に設定されてもよい。制御部14は、第1コンポーネントC1の少なくとも1つの温度が第1閾値以上である場合、対応する第1コンポーネントC1の温度が低下するように第1流体制御装置30を制御する。
【0045】
制御部14は、第4温度センサ38Dおよび第5温度センサ38Eから取得する温度情報TBに基づいて、第2流体制御を実行する。制御部14は、温度情報TBに応じて第2流体制御装置32に第2制御信号を出力する。制御部14は、温度情報TBに関連する第2所定条件に応じて第2流体制御装置32に第2制御信号を出力する。第2所定条件は、温度情報TBと第2閾値との比較結果を含む。第2閾値は、好ましくは、第2コンポーネントC2を好適に使用できる温度の下限値として予め設定される。第2閾値は、ステアリングB5およびシートアッセンブリB6ごとに個別の温度に設定されてもよく、同じ温度に設定されてもよい。制御部14は、第2コンポーネントC2の少なくとも1つの温度が第2閾値以下である場合、対応する第2コンポーネントC2の温度が上昇するように第2流体制御装置32を制御する。
【0046】
制御部14は、第6温度センサ38Fから取得する温度情報TCに基づいて、第3流体制御を実行する。制御部14は、温度情報TCに応じて第3流体制御装置34に第3制御信号を出力する。制御部14は、温度情報TCに関連する第3所定条件に応じて第3流体制御装置34に第3制御信号を出力する。第3所定条件は、温度情報TCと第3閾値との比較結果を含む。第3閾値は、好ましくは、第3コンポーネントC3が好適に動作できる温度の下限値として予め設定される。第3コンポーネントC3に複数のコンポーネントが含まれる場合、第3閾値は、複数のコンポーネントごとに個別の温度に設定されてもよく、同じ温度に設定されてもよい。制御部14は、第3コンポーネントC3の少なくとも1つの温度が第3閾値以下である場合、対応する第3コンポーネントC3の温度が上昇するように第3流体制御装置34を制御する。
【0047】
制御部14は、第1温度センサ38A、第2温度センサ38B、および、第3温度センサ38Cから取得する温度情報TAに基づいて、冷却制御を実行する。制御部14は、温度情報TAに応じて冷却装置28に第4制御信号を出力する。制御部14は、温度情報TAに関連する第4所定条件に応じて冷却装置28に第4制御信号を出力する。第4所定条件は、温度情報TAと第4閾値との比較結果を含む。第4閾値は、好ましくは、第1コンポーネントC1が好適に動作できる温度の上限値として予め設定される。第4閾値は、補助駆動装置B1、サスペンションB3、および、ブレーキ装置B4ごとに個別の温度に設定されてもよく、同じ温度に設定されてもよい。第4閾値は第1閾値と同じ温度でもよく、異なる温度に設定されてもよい。制御部14は、第1コンポーネントC1の少なくとも1つの温度が第4閾値以上である場合、対応する第1コンポーネントC1の温度が低下するように冷却装置28を制御する。
【0048】
図4を参照して、第1流体制御の一例について説明する。制御部14に電力が供給された場合、制御部14は、処理を開始して
図4に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部14は、
図4のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS11からの処理を繰り返し実行する。
【0049】
制御部14は、ステップS11において、温度情報TAに基づいて、少なくとも1つの第1コンポーネントC1の温度が第1閾値以上か否かを判定する。制御部14は、ステップS11が否定判定の場合、換言すれば、温度が第1閾値以上である第1コンポーネントC1が存在しない場合、処理を終了する。制御部14は、ステップS11が肯定判定の場合、ステップS12の処理に移行する。制御部14は、ステップS12において、温度が第1閾値以上である第1コンポーネントC1の温度が低下するように、対応する第1流体制御装置30を制御する。
【0050】
制御部14は、ステップS13において、全ての第1コンポーネントC1の温度が第1閾値未満か否かを判定する。制御部14は、ステップS13が肯定判定の場合、処理を終了する。制御部14は、ステップS13が否定判定の場合、換言すれば、温度が第1閾値以上である第1コンポーネントC1が存在する場合、ステップS12の処理を再び実行する。
【0051】
図5を参照して、第2流体制御の一例について説明する。制御部14に電力が供給された場合、制御部14は、処理を開始して
図5に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部14は、
図5のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS21からの処理を繰り返し実行する。
【0052】
制御部14は、ステップS21において、温度情報TBに基づいて、少なくとも1つの第2コンポーネントC2の温度が第2閾値以下か否かを判定する。制御部14は、ステップS21が否定判定の場合、換言すれば、温度が第2閾値以下である第2コンポーネントC2が存在しない場合、処理を終了する。制御部14は、ステップS21が肯定判定の場合、ステップS22の処理に移行する。制御部14は、ステップS22において、温度が第2閾値以下である第2コンポーネントC2の温度が上昇するように、対応する第2流体制御装置32を制御する。
【0053】
制御部14は、ステップS23において、全ての第2コンポーネントC2の温度が第2閾値よりも高いか否かを判定する。制御部14は、ステップS23が肯定判定の場合、処理を終了する。制御部14は、ステップS23が否定判定の場合、換言すれば、温度が第2閾値以下である第2コンポーネントC2が存在する場合、ステップS22の処理を再び実行する。
【0054】
図6を参照して、第3流体制御の一例について説明する。制御部14に電力が供給された場合、制御部14は、処理を開始して
図6に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部14は、
図6のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS31からの処理を繰り返し実行する。
【0055】
制御部14は、ステップS31において、温度情報TCに基づいて、少なくとも1つの第3コンポーネントC3の温度が第3閾値以下か否かを判定する。制御部14は、ステップS31が否定判定の場合、換言すれば、温度が第3閾値以下である第3コンポーネントC3が存在しない場合、処理を終了する。制御部14は、ステップS31が肯定判定の場合、ステップS32の処理に移行する。制御部14は、ステップS32において、温度が第3閾値以下である第3コンポーネントC3の温度が上昇するように、対応する第3流体制御装置34を制御する。
【0056】
制御部14は、ステップS33において、全ての第3コンポーネントC3の温度が第3閾値よりも高いか否かを判定する。制御部14は、ステップS33が肯定判定の場合、処理を終了する。制御部14は、ステップS33が否定判定の場合、換言すれば、温度が第3閾値以下である第3コンポーネントC3が存在する場合、ステップS32の処理を再び実行する。
【0057】
図7を参照して、冷却制御の一例について説明する。制御部14に電力が供給された場合、制御部14は、処理を開始して
図7に示すフローチャートのステップS41に移行する。制御部14は、
図7のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS41からの処理を繰り返し実行する。
【0058】
制御部14は、ステップS41において、温度情報TAに基づいて、少なくとも1つの第1コンポーネントC1の温度が第4閾値以上か否かを判定する。ここで、好ましくは、第4閾値は、第1閾値よりも大きい。制御部14は、ステップS41が否定判定の場合、換言すれば、温度が第4閾値以上である第1コンポーネントC1が存在しない場合、処理を終了する。制御部14は、ステップS41が肯定判定の場合、ステップS42の処理に移行する。制御部14は、ステップS42において、温度が第4閾値以上である第1コンポーネントC1の温度が低下するように、対応する冷却装置28を制御する。
【0059】
制御部14は、ステップS43において、全ての第1コンポーネントC1の温度が第4閾値未満か否かを判定する。制御部14は、ステップS43が肯定判定の場合、処理を終了する。制御部14は、ステップS43が否定判定の場合、換言すれば、温度が第4閾値以上である第1コンポーネントC1が存在する場合、ステップS42の処理を再び実行する。
【0060】
<変形例>
実施形態に関する説明は、本発明に従う温度調節装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う温度調節装置は、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
・第1コンポーネントC1に含まれる具体的な要素と、第2コンポーネントC2に含まれる具体的な要素との組み合わせは任意に変更可能である。第1変形例の温度調節装置10は、人力駆動車Aの補助駆動装置B1および電力供給装置B2の一方である第1コンポーネントC1と、補助駆動装置B1および電力供給装置B2の他方である第2コンポーネントC2の温度を流体によって調節する。第2変形例の温度調節装置10では、サスペンションB3およびブレーキ装置B4の少なくとも1つを含む第1コンポーネントC1と、電力供給装置B2を含む第2コンポーネントC2の温度を調節する。第3変形例の温度調節装置10は、冷却されることが好ましい1または複数の任意のコンポーネントを含む第1コンポーネントC1と、温められることが好ましい1または複数の任意のコンポーネントを含む第2コンポーネントC2の温度を調節する。
【0062】
・温度情報TA、温度情報TB、温度情報TCの取得方法は任意に変更可能である。変形例の温度調節装置10は、過去および現在の外気温と、温度調節装置10が起動してからの経過時間とに基づいて、温度情報TA、温度情報TB、および、温度情報TCの少なくとも1つを推定する。
【符号の説明】
【0063】
10…温度調節装置、20…循環装置、22…放熱装置、24…蓄熱装置、26…加熱装置、28…冷却装置、30…第1流体制御装置、30A…第1バルブ、32…第2流体制御装置、32A…第2バルブ、34…第3流体制御装置、36…流路、A…人力駆動車、C1…第1コンポーネント、C2…第2コンポーネント、C3…第3コンポーネント、B1…補助駆動装置、B2…電力供給装置、B3…サスペンション、B4…ブレーキ装置
B5…ステアリング、B6…シートアッセンブリ。