(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】内部テクスチャを有する可撓性器具グリップ
(51)【国際特許分類】
A63B 53/14 20150101AFI20240307BHJP
A63B 60/06 20150101ALI20240307BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20240307BHJP
【FI】
A63B53/14 Z
A63B60/06
A63B102:32
(21)【出願番号】P 2019142634
(22)【出願日】2019-08-02
【審査請求日】2022-08-02
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ジェームズ・デイヴィス
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ワン
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-24155(JP,A)
【文献】登録実用新案第3130677(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0001358(KR,A)
【文献】特開昭53-63482(JP,A)
【文献】実開昭62-61264(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0080309(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0011875(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0030822(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0283052(US,A1)
【文献】米国特許第4919420(US,A)
【文献】米国特許第2704668(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/14
A63B 60/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップにおいて、
実質的な閉鎖端と、前記シャフト上で受け止められるように適合された開口端とを有するエラストマー材料から形成された筒状部材を
備え、前記筒状部材の内周面が、前記筒状部材の長手方向軸に対して斜角で延在する少なくとも1つの溝を含む陥凹を有し、前記少なくとも1つの溝が、
第1のクッション率を有する第1の環状領域と、第1のクッション率とは少なくとも10パーセント(10%)だけ異なる第2のクッション率を有する第2の環状領域とを提供するように機能する、
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップ。
【請求項2】
前記筒状部材の長手方向軸に対して斜角で延在する前記少なくとも1つの溝が、複数のそのような溝を含む、請求項1に記載の
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップ。
【請求項3】
前記溝が、交差している、請求項2に記載の
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップ。
【請求項4】
前記内周面の前記溝が、ワッフル様パターンを形成するように配設されている、請求項2に記載の
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップ。
【請求項5】
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップにおいて、
(a)閉鎖端と、前記シャフト上で受け止められるように適合された開口端とを有するエラストマー材料で形成された筒状部材であって、前記筒状部材の内周面が、そこに形成された複数の陥凹を有し、前記複数の陥凹が、
(i)前記グリップの第1の部分に沿って所定距離だけ軸方向に延在する第1の環状領域であって、第1のパターン及び深さに構成された前記陥凹を有する、第1の環状領域と、
(ii)前記グリップの第2の部分に沿って所定距離だけ軸方向に延在する第2の環状領域であって、第2のパターン及び深さに構成された前記陥凹を有する、第2の環状領域と、を画定する、筒状部材と、
(b)前記筒状部材の外周面上に形成された複数のテクスチャ溝であって、前記第1の環状領域内の前記陥凹が、前記テクスチャ溝と協働して、前記第1の環状領域内に第1のクッション率を提供し、前記第2の環状領域内の前記陥凹が、前記テクスチャ溝と協働して、前記第2の環状領域内に第2のクッション率を提供し、それらの間のエラストマー材料の厚さが、所定量以上に維持される、複数のテクスチャ溝と、を含む、
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップ。
【請求項6】
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップにおいて、
閉鎖端と、前記シャフト上で受け止められるように適合された開口端とを有するエラストマー材料で形成された筒状部材
を備え、前記筒状部材の内周面が、前記筒状部材の長手方向軸に対して斜角で延在する少なくとも1つの溝を含む陥凹を有し、前記筒状部材の前記長手方向軸に対して斜角で延在する前記少なくとも1つの溝が、第1のゾーンの第1の軸方向ピッチと、第1の渦巻状ピッチとは少なくとも10度(10°)だけ異なる、第2のゾーンの第2の軸方向ピッチとを有する一連の渦巻状溝を含む、
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップ。
【請求項7】
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップにおいて、
閉鎖端と、前記シャフト上で受け止められるように適合された開口端とを有するエラストマー材料で形成された筒状部材を
備え、前記筒状部材の内周面が、前記筒状部材の外部表面上にテクスチャ付き陥凹のパターンを更に備える前記筒状部材の長手方向軸に対して斜角で延在する少なくとも1つの溝を含む陥凹を有し、前記テクスチャ付き陥凹の恒久的パターンと前記内周面上の陥凹のテクスチャ付きパターンとの間の前記エラストマー材料の厚さが、1ミリメートル(1mm)以上である、
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップ。
【請求項8】
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップであって、
閉鎖端と、器具のハンドル上で受け止められるように適合された開口端とを有するエラストマー材料で形成された筒状部材を備え、前記筒状部材の内周面が、そこに形成された陥凹/空隙のパターンを有し、外周面が、そこに形成された複数のテクスチャ溝を有し、前記内側の前記陥凹/空隙のパターンが、所望されるクッション率を提供するために前記テクスチャ溝に対して千鳥配置に配設され、前記陥凹のパターンと前記テクスチャ溝との間の前記エラストマー材料の厚さが、1ミリメートル(1mm)以上に維持され、前記陥凹/空隙のパターンが、第1のクッション率を有する第1の環状領域と、前記第1のクッション率とは少なくとも10パーセント(10%)だけ異なる第2のクッション率を有する第2の環状領域とを提供するように配設されている、
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップ。
【請求項9】
斜角で交差する、前記内周面上の複数の溝を更に備える、請求項1に記載の
ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップ。
【請求項10】
ゴルフシャフト用の可撓性グリップにおいて、
閉鎖端と、ゴルフクラブシャフト上で受け止められるように適合された開口端とを有するエラストマー材料で形成された筒状部材を
備え、前記筒状部材の内周面が、使用者によって把持されたときに、所望されるクッション量/率を提供するために
機能するワッフル状パターンに形成される、複数の軸方向に離間された周方向溝と、前記周方向溝に交差する複数の周方向に離間された軸方向に延在する溝とを有
し、
該溝の周囲のエラストマー材料の前記筒状部材の厚さが1ミリメートル(1mm)以上である、ゴルフクラブシャフト用の可撓性グリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、ハンマー、おの、並びにテニスラケット及びゴルフクラブ等のスポーツ器具等の速度及び力を伴ってスイングされることが意図される器具のハンドル用の可撓性グリップに関する。本開示は、特に、市場の傾向がより軽量のグリップに向かっているゴルフクラブ用のそのような可撓性グリップ、及びより軟質の良好な衝撃吸収品質をグリップに提供する方式に関する。
【0002】
大部分の器具グリップ、特に、ゴルフクラブグリップは、エラストマー材料で作製されるため、エラストマー材料の密度を低減することによってグリップの重量を低減することが困難であることが分かっている。これまで、充填剤及び微小球が、グリップの重量を低減する試みに用いられてきたが、これらは、エラストマーの耐摩耗性及び強度を低下させる傾向がある。エラストマー材料のデュロメータを低下させることによって、グリップのクッション性を改良する試みも行われてきたが、これは、圧縮永久歪み及びグリップのサイズの望ましくない低下を結果としてもたらした。更に、グリップが恒久的な変形を呈することを禁止するゴルフの競技規則が考えられる。
【0003】
これまで、重量を低減するためにグリップのコアとカバーとの間に発泡体スペーサを用いることによって、エラストマー器具グリップ、特に、ゴルフクラブグリップの重量を低減する試みもなされてきた。しかしながら、これは、製造の困難さを増大させることを結果としてもたらし、大量生産に関して費用対効果が高くないことが分かっている。
【0004】
加えて、グリップの特定の領域又はエリアでグリップの重量、感触、及びクッション性を局所的に変化させることが市場性にとって望ましいことが分かっている。既存のゴルフクラブグリップは、グリップの元口近傍に強化された摩擦及び硬度を提供し、グリップの他のエリアにより少ないテクスチャ及び低硬度を提供するために、小さい陥凹及び溝から結果として生じる窪みによって形成され得るテクスチャ付き外部表面を備えている。このような先行技術のグリップの例が
図1に示されており、可撓性グリップ1の一部分は、破線3で示されるゴルフクラブのシャフト等の器具ハンドル上で受け止められるように適合された開口端2を有する。外面1は、渦巻状テクスチャ溝4及びテクスチャ窪み5を有する。しかしながら、これらの技術は、重量を低減し、グリップの改良されたクッション性又は衝撃吸収を提供するその効果が制限されていた。グリップの外部表面に対する使用者の手からの最小限の接触表面積の結果として、高密度の窪み及び陥凹を有する外部表面は、特に、ゴルフクラブの使用者にとって快適ではない。
【0005】
図2に示され、かつ米国特許第7,048,644号に説明されているように、可撓性グリップ7の内部表面上に緊密に離間された周方向溝のバンドを用いることによって、衝撃からの振動を低減する試みもなされている。
【0006】
したがって、可撓性エラストマーグリップのクッション性及び衝撃吸収能力を改良し、かつ外部修正とは無関係にグリップの全体重量も低減する方式又は手段を提供することが望まれている。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、大量生産における費用対効果的に用いられ得る様式で、可撓性器具グリップ、特にゴルフクラブグリップの重量を低減し、クッション性及び衝撃吸収能力を改良する上記の問題に対処する。
【0008】
本開示の可撓性グリップは、グリップの外部表面上にテクスチャ付き表面を用い、テクスチャ付き表面は、グリップの長さに沿って変化し得る。加えて、本グリップは、グリップの内周面と外側テクスチャ付き表面との間の材料の所望される最小量を維持する様式で、グリップの内周面上に形成された陥凹又は空隙を有する。
【0009】
1つの変形例では、本開示の可撓性グリップは、その内周面上に、グリップの長手方向軸に対して斜角で配向された複数の溝が形成されており、これらは、グリップの長さに沿って幅及び深さが変化して、器具のシャフト又はハンドルとの内周面の接触面積を変化させて、それによって向上したクッション性又は衝撃吸収品質を提供し得る。これらの溝は、幅及び深さが変化してもよく、それによってグリップの長さに沿ってクッション性の変化を提供する。
【0010】
別の変形例では、内周面上の溝は、渦巻状配置又は螺旋状構成で形成されてもよく、内部溝は、正方形、面取り、アール付き等の断面の異なる構成を有してもよい。
【0011】
別の変形例では、凹状窪みが筒状グリップの内周面上に形成され、それによってグリップの改良されたクッション性を提供する。
【0012】
別の変形例では、内周面は、改良されたクッション性を提供するために、窪み及び斜角溝との組み合わせを有する。
【0013】
本開示の可撓性グリップの別の変形例では、内部溝は、外部のテクスチャ付き溝と協働して、グリップに千鳥又は「ワッフル」構成を形成するように配置される。本開示の可撓性グリップの「ワッフル」構成は、内部溝を有していないグリップと比較して、5パーセント(5%)の軽量化を提供することが見出された。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】溝及び窪みの形態の外部テクスチャを示す先行技術のゴルフグリップの一部分の等角図である。
【
図2】内周面上に緊密に離間された周方向溝を有する先行技術のゴルフグリップの縦断面図である。
【
図3】斜角内部溝を有する変形例を示す、本開示のゴルフグリップの縦断面図である。
【
図4】異なる斜角で配設された交差する内部溝を有する別の変形例を示す、本開示のゴルフグリップの縦断面図である。
【
図5】交差する内部周方向及び長手方向溝を有する別の変形例を示す、本開示のゴルフグリップの縦断面図である。
【
図6】外部溝及び内部溝を示す、
図5のゴルフグリップの横断面図である。
【
図7】内部表面上に凹状窪みを有する別の変形例を示す、本開示のゴルフグリップの縦断面図である。
【
図8】内部表面上に凹状窪み及び斜角溝を有する別の変形例を示す、本開示のゴルフグリップの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図3を参照すると、本開示の可撓性グリップの1つの変形例は、断面で概して10で例示され、例えば、エラストマーがショア「A」スケールに対して30~80の範囲のデュロメータ硬さを有する、エラストマー材料で形成された筒状部材12を有し、開口端13及び反対側に開示された閉鎖端14を有し、ゴルフクラブ(図示せず)のシャフト等の器具のハンドル上で受け止められるように適合されている。グリップ10は、その内周面上に少なくとも1つの、かつ
図3に示されるように、グリップ10の内周面18の周囲に周方向に形成された複数の離間された溝16を有し、周方向溝16は、概して離間された平行配置でグリップ10の長手方向軸に対して斜角で配設される。しかしながら、代替的に、溝は、連続的な渦巻状溝を含んでもよい。
【0016】
本実施では、グリップの第1の長手方向ゾーンの第1の軸方向ピッチと、第1の渦巻状ピッチとは少なくとも10度(10°)だけ異なる第2の長手方向の別個のゾーンの第2の軸方向ピッチとを有する、そのような渦巻状溝を有することが、十分であることが見出された。
【0017】
本実施では、
図3を参照すると、開口端13及び反対側の閉鎖端14を有する筒状部材12を有するゴルフクラブグリップが、
図3の実施形態では、第1のクッション率を有する、概して17で示される第1の環状領域と、第1のクッション率とは少なくとも10パーセント(10%)だけ異なる第2のクッション率を有する、概して19で示される第2の環状領域とを提供するように離間された、内周面18上に配設された斜角溝16を有するパターンを含む、陥凹/空隙を有することが、十分であることが見出された。本実施では、溝16を、2~7mmの範囲の壁厚と共に、0.5~4mmの範囲の深さ、かつ0.5~6mmの範囲の幅に形成することが、十分であることが見出された。本実施では、本開示のグリップの一変形例で、溝は、1.0~2.0mmの範囲の深さ、かつ1.0~3.0mmの範囲の幅を有するが、他の深さ及び幅が、筒状部材12の厚さ及び所望されるクッション量に応じて用いられてもよい。
【0018】
所望であれば、渦巻状溝20として示される外部テクスチャ溝は、任意選択的に、グリップの外部に形成されてもよい。そのような外部テクスチャ溝20が用いられる場合、1ミリメートル(1mm)以上の外部テクスチャ溝20と内部溝16との間の材料の厚さを有することが、十分であることが見出された。
【0019】
図4を参照すると、本開示の可撓性グリップの別の変形例が、概して30で示され、開口端34及びその反対側に配設された、36で閉鎖された端を有するエラストマー材料の筒状部材32を備える。筒状部材32は、その内周面38上に形成された、少なくとも1つの、
図4に示される変形例では、グリップ30の長手方向軸に対して斜角で形成された溝40を備える複数の陥凹又は空隙を有する。
図4に示される変形例では、溝40のうちの特定の溝は、第1の斜角で配設され、かつ他の溝は、溝が交差するように第1の斜角と対向する第2の斜角で配設されている。溝40は、使用者によって把持されると、可撓性グリップの改良されたクッション性を提供するように機能する。
【0020】
図5及び
図6を参照すると、本開示の可撓性グリップの別の変形例は、概して50で示される縦断面に例示され、その外面上に渦巻状溝52等のテクスチャ溝を有し得る。グリップ50は、エラストマー材料の筒状部材54を備え、グリップは、ゴルフクラブのシャフト及び開口端56の反対側の閉鎖端58等の器具のハンドル上で受け止められるように適合された開口端56を有する。筒状部材54は、その内周面51上に、少なくとも1つの、
図5の実施形態では、複数の周方向に形成された長手方向に離間された周方向溝60を備えている。溝60の間隔は、グリップの概して61、63で示される異なる長手方向領域のエラストマー材料の異なるクッション性を提供するように変化されてもよい。
【0021】
図5の変形例はまた、内周面51上に少なくとも1つの、
図5の変形例に示されるように、周方向溝60と交差する複数の長手方向に延在する周方向に離間された略平行の溝62を備えている。代替的に、
図5に示されていないが、内部溝60、62のいずれか又は両方は、斜角で形成され得る。
【0022】
図5に示される変形例では、内部溝60と内部溝62との相互作用は、したがって、内周面51上にいくらかの「ワッフル様」構成を提供する。本実施では、1ミリメートル(1mm)以上に維持される内部溝と外部テクスチャ溝52との間の領域にエラストマー材料の厚さを有することが、十分であることが見出された。
【0023】
図7を参照すると、本開示の可撓性グリップの別の変形例は、概して70で示され、反対側に閉鎖端76を含む開口端74を有する筒状エラストマー部材72を備える。
図7のグリップは、その外部表面又は外周面上に、渦巻状溝78として
図7に例示されているテクスチャ溝を用いる。筒状部材72は、グリップに改良されたクッション性又は圧縮性を提供するように内周面上に形成された窪み80のパターンを備えており、円形及びダイヤモンド構成の組み合わせとして
図7に例示される。代替的に、凹状窪み80は、楕円形、卵形、又は多角形の構成を有してもよい。本実施における窪み80の深さは、窪み80と外部溝78との間の材料の厚さを1ミリメートル(1mm)以上に維持するように制御される。
【0024】
図8を参照すると、90で示される本開示の可撓性グリップの別の変形例は、開口端94及び端94の反対側の閉鎖端96を有するエラストマー材料の筒状部材92を備える。内周面98は、少なくとも1つの、示される変形例では、その中に形成され、かつ溝100の間の間隔及び筒状部材の長手方向軸と斜角を概してなすパターンで交差した、複数の凹状窪み102を有する。代替的に、溝を交差する対向する斜角は、所望であれば、その間に凹状窪みと共に用いられ得る(
図8に示されないが)。
【0025】
本開示は、器具ハンドル、特に、使用者によって把持される際の改良された「クッション性」又は圧縮性を有するゴルフクラブシャフトのための可撓性エラストマーグリップを説明する。筒状グリップは、様々なクッション特性を有する、グリップに沿った領域を提供するために、内周面の様々な深さ及び幅の溝及び/又は凹状窪みを含む空隙/陥凹のパターンを利用する。溝及び/又は窪みを有するグリップはまた、内側溝及び/又は窪みと外部テクスチャ溝との間の材料厚さが1ミリメートル(1mm)以上に維持される、外部テクスチャ溝のパターンも有し得る。
【0026】
例示的な実施形態を、図面を参照しながら説明し、例証した。先述した詳細な説明を読解することによって、他者には改良及び変更が思い浮かぶであろうことが明白である。例示的な実施形態は、添付の「特許請求の範囲」又はその同等物の範囲に入る限り、こうした改良及び変更を全て含むと解釈されることが意図される。
【0027】
部品リスト
10 可撓性グリップG/T
12 筒状部材
13 開口端
14 閉鎖端
16 斜角溝
17 クッション領域G/T
18 内周面
19 クッション領域G/T
20 外部渦巻状溝
30 可撓性グリップG/T
32 筒状部材
34 開口端
36 閉鎖端
38 内周面
40 斜角溝
50 可撓性グリップG/T
51 内周面
52 外側渦巻状溝
54 筒状部材
56 開口端
58 閉鎖端
60 周方向溝
61 クッション領域G/T
62 長手方向溝
63 クッション領域G/T
70 可撓性グリップG/T
72 筒状部材
74 開口端
75 内周面
76 閉鎖端
80 窪み
90 可撓性グリップG/T
92 筒状部材
94 開口端
96 閉鎖端
98 内周面
100 斜角溝
102 窪み