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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】移動式固定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 21/00 20060101AFI20240307BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20240307BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
B23P21/00 303Z
B64F5/10
B25J5/00 A
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019153339
(22)【出願日】2019-08-26
(65)【公開番号】P2020062742
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】16/125,198
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンス, ジョナサン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】マルティニョーニ, アンドリュー ジョセフ, ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】フィン, ブライアン エム.
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-099524(JP,A)
【文献】特開2000-042958(JP,A)
【文献】特開2014-076729(JP,A)
【文献】実開昭61-165258(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0157588(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 21/00
B64F 5/10
B25J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動固定設備システム(100)であって、
複数の移動固定設備(110、110a、110b)を備え、
各移動固定設備(110、110a、110b)は、
フロア(102)を走行するよう構成された可動基部(120)と、
前記可動基部(120)に連結されており、前記可動基部(120)に対して関節作動可能な支持プラットフォーム(130)と、
前記支持プラットフォーム(130)と連結されており前記支持プラットフォーム(130)と共に動くアダプタインタフェース(140、140a、140b)であって、被取付部材(150)と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェース(140、140a、140b)と、
前記アダプタインタフェース(140)に接続され、前記アダプタインタフェース(140)と前記被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成された少なくとも1つのセンサ(160)と、
前記移動固定設備に配置され、前記可動基部(120)と、前記支持プラットフォーム(130)と、少なくとも1つのセンサ(160)とに動作可能に接続されたコントローラ(170)であって、前記少なくとも1つのセンサ(160)により検出された前記力又は移動の少なくとも1つに応じて、前記フロアに接触する前記可動基部(120)又は前記支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成されたコントローラ(170)と
を備え、
各前記移動固定設備(110、110a、110b)は、対応する前記アダプタインタフェース(140、140a、140b)を介して、前記被取付部材(150)の異なる部分に同時に係合するよう構成され、前記移動固定設備(110、110a、110b)は、前記被取付部材(150)を介して互いに動作可能に連結され、
各移動固定設備(110、110a、110b)の前記コントローラ(170)は、前記検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、対応する前記可動基部(120)に対して、対応する前記アダプタインタフェース(140、140a、140b)を関節作動させ、前記対応するアダプタインタフェース(140、140a、140b)の前記関節作動に応じて、前記フロア(102)に沿って前記対応する可動基部(120)を移動させ、前記対応する可動基部(120)を、前記対応するアダプタインタフェース(140)に関して中央ポジションに向けて推進するよう構成される、移動固定設備システム(100)。
【請求項2】
各移動固定設備(110)の前記コントローラ(170)は、前記被取付部材(150)の移動と関連する対応する前記検出された少なくとも力又は移動に応じて、前記可動基部(120)又は前記支持プラットフォーム(130)のうちの対応する前記少なくとも1つの移動を自律的に制御し、これにより、前記対応する移動固定設備(110)の移動を、他の前記移動固定設備(110、110a、110b)に対して調整するよう構成され、その際に、前記移動固定設備(110)が、前記他の移動固定設備(110、110a、110b)に移動命令を伝えることはない、請求項1に記載の移動固定設備システム(100)。
【請求項3】
複数の前記移動固定設備(110、110a、110b)が、リード移動固定設備(110a)と、少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)とを含み、前記リード移動固定設備(110a)の前記コントローラ(170)が、移動命令入力を受信し、前記移動命令入力に応じて、前記被取付部材(150)の移動を実施するよう構成され、少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)の前記コントローラ(170)は、前記実施された移動に応じて、前記可動基部(120)又は前記支持プラットフォーム(130)のうちの対応する前記少なくとも1つの移動を自律的に制御し、これにより、前記リード移動固定設備(110a)に対して前記少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)の移動を調整するよう構成され、その際に、前記リード移動固定設備(110a)は、前記少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)に移動命令を伝えることはない、請求項1又は2に記載の移動固定設備システム(100)。
【請求項4】
前記複数の移動固定設備(110、110a、110b)が、前記リード移動固定設備(110a)としての構成と前記少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)としての構成との間で選択的に切り替え可能である、請求項3に記載の移動固定設備システム(100)。
【請求項5】
各移動固定設備(110、110a、110b)は、前記アダプタインタフェース(140)と前記可動基部(120)との間に配置されたエンドイフェクタアクチュエータ(180)を更に備え、前記コントローラ(170)は、前記エンドイフェクタアクチュエータ(180)を介して、前記可動基部(120)に対して、前記アダプタインタフェース(140)を関節作動させるよう構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の移動固定設備システム(10)。
【請求項6】
移動固定設備システム(100)であって、
複数の移動固定設備(110、110a、110b)を備え、
各移動固定設備(110、110a、110b)は、
フロア(102)を走行するよう構成された可動基部(120)と、
前記可動基部(120)に連結されており、前記可動基部(120)に対して関節作動可能な支持プラットフォーム(130)と、
前記支持プラットフォーム(130)と連結されており前記支持プラットフォーム(130)と共に動くアダプタインタフェース(140、140a、140b)であって、被取付部材(150)と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェース(140、140a、140b)と、
前記アダプタインタフェース(140)に接続され、前記アダプタインタフェース(140)と前記被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成された少なくとも1つのセンサ(160)と、
前記移動固定設備に配置され、前記可動基部(120)と、前記支持プラットフォーム(130)と、少なくとも1つのセンサ(160)とに動作可能に接続されたコントローラ(170)であって、前記少なくとも1つのセンサ(160)により検出された前記力又は移動の少なくとも1つに応じて、前記フロアに接触する前記可動基部(120)又は前記支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成されたコントローラ(170)と
を備え、
各前記移動固定設備(110、110a、110b)は、対応する前記アダプタインタフェース(140、140a、140b)を介して、前記被取付部材(150)の異なる部分に同時に係合するよう構成され、前記移動固定設備(110、110a、110b)は、前記被取付部材(150)を介して互いに動作可能に連結され、
各移動固定設備(110、110a、110b)の前記可動基部(120)は、ジャッキ(300)及び車輪(302、310)を備え、前記車輪(302、310)は、前記フロア(102)を移動するよう構成され、前記ジャッキ(300)は、前記可動基部(120)を前記フロア(102)に対して固定されたポジションで維持するために前記フロア(102)に係合するよう構成される、移動固定設備システム(100)。
【請求項7】
前記コントローラ(170)は、前記検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、固定された構成から可動的な構成へと前記可動基部(120)を動かすために、前記フロア(102)から前記ジャッキ(300)を外すよう構成される、請求項に記載の移動固定設備システム(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサ(160)は、力センサ、トルクセンサ、軸エンコーダ、又は傾きセンサの少なくとも1つを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の移動固定設備システム(100)。
【請求項9】
方法(1000)であって、
複数の移動固定設備(110、110a、110b)を用意することであって、
各移動固定設備(110、110a、110b)は、
フロア(102)を走行するよう構成された可動基部(120)と、
前記可動基部(120)に連結されており、前記可動基部(120)に対して関節作動可能な支持プラットフォーム(130)と、
前記支持プラットフォーム(130)と連結されており前記支持プラットフォーム(130)と共に動くアダプタインタフェース(140、140a、140b)であって、被取付部材(150)と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェース(140、140a、140b)と、
前記アダプタインタフェース(140)に接続され、前記アダプタインタフェース(140)と前記被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成された少なくとも1つのセンサ(160)と、
前記移動固定設備に配置され、前記可動基部(120)、前記支持プラットフォーム(130)、及び、少なくとも1つのセンサ(160)とに動作可能に接続されたコントローラ(170)であって、前記少なくとも1つのセンサ(160)により検出された前記力又は移動の少なくとも1つに応じて、前記フロアと接触する前記可動基部(120)又は前記支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成されたコントローラ(170)と
を備える、複数の移動固定設備(110、110a、110b)を用意することと、
対応する前記アダプタインタフェース(140、140a、140b)を介して、前記被取付部材(150)の異なる部分を各前記移動固定設備(110、110a、110b)と係合させることであって、前記移動固定設備(110、110a、110b)は前記被取付部材(150)を介して互いに動作可能に連結される、前記被取付部材(150)の異なる部分を各前記移動固定設備(110、110a、110b)と係合させることと、
少なくとも1つの前記移動固定設備(110、110a、110b)の前記アダプタインタフェース(140)に接続された前記少なくとも1つのセンサ(160)で、前記アダプタインタフェース(140)と前記被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを感知することと、
前記少なくとも1つのセンサ(160)により検出された前記力又は移動の少なくとも1つに応じて、前記対応する少なくとも1つの前記移動固定設備(110、110a、110b)の前記可動基部(120)又は前記支持プラットフォーム(130)のうちの前記少なくとも1つの移動を自律的に制御すること
を含
前記少なくとも1つの前記移動固定設備(110、110a、110b)について、前記検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、対応する前記可動基部(120)に対して、対応する前記アダプタインタフェース(140、140a、140b)を関節作動させ、前記対応するアダプタインタフェース(140、140a、140b)の前記関節作動に応じて、前記フロア(102)に沿って前記対応する可動基部(120)を移動させ、前記対応する可動基部(120)を、前記対応するアダプタインタフェース(140)に関して中央ポジションに向けて推進することを更に含む、方法(1000)。
【請求項10】
各移動固定設備(110、110a、110b)について、前記被取付部材(150)の移動と関連する対応する前記検出された少なくとも力又は移動に応じて、前記可動基部(120)又は前記支持プラットフォーム(130)のうちの対応する前記少なくとも1つの移動を自律的に制御し、これにより、前記対応する移動固定設備(110)の移動を、他の前記移動固定設備(110、110a、110b)に対して調整することを更に含み、その際に、前記移動固定設備(110)は、前記他の移動固定設備(110、110a、110b)に移動命令を伝えることはない、請求項に記載の方法(1000)。
【請求項11】
複数の前記移動固定設備(110、110a、110b)が、リード移動固定設備(110a)と、少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)とを含み、
前記方法(1000)は、
前記リード移動固定設備(110a)によって、移動命令入力を受信することと、
前記移動命令入力に応じて、前記リード移動固定設備(110a)の前記被取付部材(150)の移動を実施することであって、前記実施された移動は前記被取付部材(150)に影響を与える、移動を実施することと、
前記実施された移動に応じて、前記少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)の前記可動基部(120)又は前記支持プラットフォーム(130)のうちの対応する前記少なくとも1つの移動を自律的に制御し、これにより、前記リード移動固定設備(110a)に対して前記少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)の移動を調整することであって、その際に、前記リード移動固定設備(110a)は前記少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)に移動命令を伝えることはない、前記少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)の移動を調整すること
を更に含む、請求項又は10に記載の方法(1000)。
【請求項12】
前記リード移動固定設備(110a)としての構成と前記少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)としての構成との間で、少なくとも1つの前記移動固定設備(110、110a、110b)を選択的に切り替えることを更に含む、請求項11に記載の方法(1000)。
【請求項13】
方法(1000)であって、
複数の移動固定設備(110、110a、110b)を用意することであって、
各移動固定設備(110、110a、110b)は、
フロア(102)を走行するよう構成された可動基部(120)と、
前記可動基部(120)に連結されており、前記可動基部(120)に対して関節作動可能な支持プラットフォーム(130)と、
前記支持プラットフォーム(130)と連結されており前記支持プラットフォーム(130)と共に動くアダプタインタフェース(140、140a、140b)であって、被取付部材(150)と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェース(140、140a、140b)と、
前記アダプタインタフェース(140)に接続され、前記アダプタインタフェース(140)と前記被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成された少なくとも1つのセンサ(160)と、
前記移動固定設備に配置され、前記可動基部(120)、前記支持プラットフォーム(130)、及び、少なくとも1つのセンサ(160)とに動作可能に接続されたコントローラ(170)であって、前記少なくとも1つのセンサ(160)により検出された前記力又は移動の少なくとも1つに応じて、前記フロアと接触する前記可動基部(120)又は前記支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成されたコントローラ(170)と
を備える、複数の移動固定設備(110、110a、110b)を用意することと、
対応する前記アダプタインタフェース(140、140a、140b)を介して、前記被取付部材(150)の異なる部分を各前記移動固定設備(110、110a、110b)と係合させることであって、前記移動固定設備(110、110a、110b)は前記被取付部材(150)を介して互いに動作可能に連結される、前記被取付部材(150)の異なる部分を各前記移動固定設備(110、110a、110b)と係合させることと、
少なくとも1つの前記移動固定設備(110、110a、110b)の前記アダプタインタフェース(140)に接続された前記少なくとも1つのセンサ(160)で、前記アダプタインタフェース(140)と前記被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを感知することと、
前記少なくとも1つのセンサ(160)により検出された前記力又は移動の少なくとも1つに応じて、前記対応する少なくとも1つの前記移動固定設備(110、110a、110b)の前記可動基部(120)又は前記支持プラットフォーム(130)のうちの前記少なくとも1つの移動を自律的に制御すること
を含み、
前記検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、固定された構成から可動的な構成へと前記可動基部(120)を自律的に動かすことを更に含む、方法(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は概して、例えば製造中及び/又は組み立てプロセス中の部品又は組立品の位置決め用及び/又は搬送用の、移動固定設備に関する。
【背景技術】
【0002】
移動固定設備は、大きな部品又は組立品を移動させるために利用されうる。移動固定設備は、部品又は組立品を支持して位置決めするために、集団で利用されうる。しかしながら、特定の従来のアプローチでは、移動固定設備の集団が利用されており、この移動固定設備は各々、制御信号を提供するネットワークに通信可能に接続されており、及び/又は、制御信号を受信するために互いに通信可能に接続されている。上記のアプローチは、プログラミングして制御するためには非効率的及び/又は不都合でありうる。例えば、このようなアプローチは、非常に特定用途向けとなる傾向があり、他の作業フロー又は製造品のために別の目的で移動固定設備を利用するためには役に立たない。他の例として、幾つかのアプローチは、統合された計測システムを非常に頼っており、ネットワーク化された通信を必要とする。
【発明の概要】
【0003】
移動固定設備、例えば、共通の部品又は組立品を搬送又は位置決めするために協働的に利用される移動固定設備の集団のための、移動固定設備の改善された制御及び操作に対する必要性が存在する。
【0004】
上記の必要性を考慮して、本開示の特定の実施形態は、複数の移動固定設備を含む移動固定設備システムを提供する。各移動固定設備は、可動基部と、支持プラットフォームと、アダプタインタフェースと、少なくとも1つのセンサと、コントローラとを備える。可動基部は、フロアを走行するよう構成される。支持プラットフォームは、可動基部に連結されており、可動基部に対して関節作動可能である。アダプタインタフェースは、支持プラットフォームに連結されており支持プラットフォームと共に動き、被取付部材と機械的に接触するよう構成される。少なくとも1つのセンサは、アダプタインタフェースに接続されており、アダプタインタフェースと被取付部材との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成される。コントローラは、可動基部と、支持プラットフォームと、少なくとも1つのセンサとに動作可能に接続されている。コントローラは、少なくとも1つのセンサにより検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、可動基部又は支持プラットフォームのうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成される。各移動固定設備は、対応するアダプタインタフェースを介して、被取付部材の異なる部分に同時に係合するよう構成され、移動固定設備は、被取付部材を介して互いに動作可能に連結される。
【0005】
本開示の或る実施形態は、
複数の移動固定設備を用意することであって、
各移動固定設備は、
フロアを走行するよう構成された可動基部と、
可動基部に連結されており、可動基部に対して関節作動可能な支持プラットフォームと、
支持プラットフォームと連結されており支持プラットフォームと共に動くアダプタインタフェースであって、被取付部材と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェースと、
アダプタインタフェースに接続され、アダプタインタフェースと被取付部材との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成された少なくとも1つのセンサと、
可動基部と、支持プラットフォームと、少なくとも1つのセンサとに動作可能に接続されたコントローラであって、少なくとも1つのセンサにより検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、可動基部又は支持プラットフォームのうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成されたコントローラと
を備える、複数の移動固定設備を用意することを含む方法を提供する。本方法は、対応するアダプタインタフェースを介して、被取付部材の異なる部分を各移動固定設備と係合させることであって、移動固定設備は被取付部材を介して互いに動作可能に連結される、被取付部材の異なる部分を各移動固定設備と係合させることも含む。さらに、本方法は、少なくとも1つの移動固定設備のアダプタインタフェースに接続された少なくとも1つのセンサで、アダプタインタフェースと被取付部材との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを感知することを含む。さらに、本方法は、少なくとも1つのセンサにより検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、対応する少なくとも1つの移動固定設備の可動基部又は支持プラットフォームのうちの少なくとも1つの移動を自律的に制御することを含む。
【0006】
本開示の或る実施形態は、移動固定設備の動作を制御するよう構成された移動固定設備コントローラであって、
移動固定設備は、
フロアを走行するよう構成された可動基部と、
可動基部に連結されており、可動基部に対して関節作動可能な支持プラットフォームと、
支持プラットフォームと連結されており支持プラットフォームと共に動くアダプタインタフェースであって、被取付部材と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェースと、
アダプタインタフェースに接続された少なくとも1つのセンサと
を備える、移動固定設備コントローラを提供する。移動固定設備コントローラは、可動基部と、支持プラットフォームと、少なくとも1つのセンサとに動作可能に接続され、アダプタインタフェースと被取付部材との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つに対応した、少なくとも1つのセンサからの入力を受信し、検出された力又は移動の少なくとも1つに対処するために、可動基部又は支持プラットフォームのうちの少なくとも1つの計画された移動を決定し、計画された移動に従って、少なくとも1つのセンサにより検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、可動基部又は支持プラットフォームのうちの少なくとも1つの移動を制御する
よう構成される。
【0007】
本開示の特定の実施形態は、移動固定設備の可動基部に対して、移動固定設備の支持プラットフォームを関節作動させることを含む方法を提供する。本方法は、移動固定設備のアダプタインタフェースを被取付部材に結合することも含む。アダプタインタフェースは、移動固定設備の支持プラットフォームに連結されており当該支持プラットフォームと共に動き、さらに、支持プラットフォームは、移動固定設備の可動基部に連結されている。さらに、本方法は、アダプタインタフェースに接続された少なくとも1つのセンサで、アダプタインタフェースと被取付部材との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを感知することを含む。本方法は、少なくとも1つのセンサにより検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、可動基部又は支持プラットフォームのうちの少なくとも1つの移動を制御することも含む。
【0008】
本開示の或る実施形態は、可動基部と、支持プラットフォームと、アダプタインタフェースと、少なくとも1つのセンサと、コントローラとを含む移動固定設備を提供する。可動基部は、フロアを走行するよう構成される。支持プラットフォームは、可動基部に連結されており、可動基部に対して関節作動可能である。アダプタインタフェースは、支持プラットフォームに連結されており支持プラットフォームと共に動き、被取付部材と機械的に接触するよう構成される。少なくとも1つのセンサは、アダプタインタフェースに接続されており、アダプタインタフェースと被取付部材との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成される。コントローラが、可動基部と、支持プラットフォームと、少なくとも1つのセンサとに動作可能に接続されており、少なくとも1つのセンサにより検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、可動基部又は支持プラットフォームのうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成される。
【0009】
本開示の或る実施形態は、移動固定設備を用意することを含む方法を提供する。移動固定設備は、
フロアを走行するよう構成された可動基部と、
可動基部に連結されており、可動基部に対して関節作動可能な支持プラットフォームと、
支持プラットフォームと連結されており支持プラットフォームと共に動くアダプタインタフェースであって、被取付部材と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェースと、
アダプタインタフェースに接続され、アダプタインタフェースと被取付部材との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成された少なくとも1つのセンサと、
可動基部と、支持プラットフォームと、少なくとも1つのセンサと動作可能に接続されたコントローラであって、少なくとも1つのセンサにより検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、可動基部又は支持プラットフォームのうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成されたコントローラと、を備える。本方法は、対応するアダプタインタフェースを介して、被取付部材の一部分を移動固定設備と係合させることであって、被取付部材は他の固定設備に動作可能に連結される、被取付部材の一部分を移動固定設備と係合させることも含む。さらに、本方法は、アダプタインタフェースに接続された少なくとも1つのセンサで、被取付部材の移動から生じた力又は移動の少なくとも1つを感知することを含む。また、本方法は、少なくとも1つのセンサにより検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、対応する少なくとも1つの移動固定設備の可動基部又は支持プラットフォームのうちの少なくとも1つの移動を自律的に制御することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る移動固定設備システムのブロック図を提供する。
図2図1の移動固定設備アセンブリのための移動固定設備の概略的なブロック図を提供する。
図3】本開示の一実施形態に係るジャッキを含む例示の移動基部の概略的な側面図を提供する。
図4】様々な実施形態に従って形成された移動固定設備の概略的な斜視図を提供する。
図5】様々な実施形態に従って形成された移動固定設備の概略的な斜視図を提供する。
図6】本開示の一実施形態に係る移動固定設備の概略図を提供する。
図7】本開示の一実施形態に係る、可動基部とアダプタインタフェースとの互いに対するセンタリングを概略的に示す。
図8】本開示の一実施形態に係る、制御動作を概略的に示す。
図9】本開示の実施形態に係る、分散された制御動作を概略的に示す。
図10】本開示の一実施形態に係る方法のフローチャートを示す。
図11】本開示の一実施形態に係る方法のフローチャートを示す。
図12】航空機の製造及び保守方法のブロック図である。
図13】航空機の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記の概要及び特定の実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことにより、よりよく理解されよう。本明細書では、単数形で記載され「1つの(「a」又は「an」)」という用語の後に続く要素又は工程は、複数の要素又は工程を必ずしも除外しないと理解されたい。更に、「一実施形態/1つの実施形態(one embodiment)」への言及は、記載されている特徴を同様に包含する追加の実施形態の存在を除外すると解釈されることを意図していない。また、反対に、明示的に記述されない限り、特定の性質を有する一又は複数の要素を「備える」「含む」又は「有する」実施形態は、その性質を有しない追加的な要素を含み得る。本開示の様々な実施形態は、独立したロボット(移動固定設備)の一団のための分散制御ストラテジを利用する。例えば、部品又は組立品が、ロボットの一団によって機械的に支持されて搬送されうる。ロボットは機械的に独立しており、複数のロボットにより支持された部品又は組立品を動かすための制御入力を決定するために力についてのフィードバックを利用して、調整された材料取り扱いを提供する。任意に、部品又は組立品の姿勢が維持されうる。本明細書で開示される制御ストラテジは、ロボット固定設備の一団を用いて、大型の部品又は組立品のハンドガイディング(hand-guiding)を促進する。様々な実施形態において、1つ以上の移動固定設備が、1つ以上の固定された又は定置型の固定設備又は他の構成要素と協働して稼働しうることに注意されたい。
【0012】
本開示の様々な実施形態によって、製造環境において、独立した多自由度系ロボット(移動固定設備)の集団を用いて、大型の又は大き過ぎて扱い難い部品又は組立品(例えば、胴体又は航空機のための飛行ハードウェア)を支持して搬送することが可能となる。頑丈な移動ロボットシステムが、固定及び搬送アセンブリとして利用される。
【0013】
様々な実施形態が、本明細書で検討する制御システム及び方法を利用して、手動での誘導(例えば、手入力)を用いて、飛行ハードウェア部分のアセンブリ全体の移動を可能とする。追加的に、様々な実施形態が、従来のデータネットワーク化を利用せずに、リーダ型及び追従型の材料取り扱いロボットシステムを提供する。
【0014】
図1は、移動固定設備システム100の概略的なブロック図を提供し、図2は、移動固定設備システム100と協働させて利用しうる移動固定設備110の概略的なブロック図を提供する。様々な実施形態において、移動固定設備システム100は、複数の移動固定設備110を含む。例えば、図示された例において、移動固定設備システム100は、2つの移動固定設備、即ち、移動固定設備110a及び移動固定設備110bを含んでいる。図解が明確で容易になるように、図1では2つの移動固定設備が示されているが、様々な実施形態において、より多くの移動固定設備が、移動固定設備システムの一部として含まれうることに注意されたい。
【0015】
図示された例において、移動固定設備110a及び移動固定設備110bは、フロア102を走行するよう構成され、それぞれが被取付部材150に取り付けられている。様々な実施形態において、被取付部材150は、製造プロセスの間搬送及び/又は処理加工される部品又は組立品である。例えば、被取付部材150は、移動固定設備110a及び移動固定設備110bにより支持されて保持される間に処理加工される航空機の胴体の一部でありうる。移動固定設備110a及び移動固定設備110bは、胴体の部分を、当該部分が胴体の他の部分と接合される位置へと搬送するために利用され、及び/又は、接合プロセスの間、胴体を支持し又は位置決めするために利用されうる。
【0016】
図2で分かるように、(例えば、図1では移動固定設備110a又は移動固定設備110bとして利用されうる)示される移動固定設備110は、可動基部120と、支持プラットフォーム130と、アダプタインタフェース140と、少なくとも1つのセンサ160と、コントローラ170と、を備える。概して、アダプタインタフェース140は、移動固定設備110を被取付部材150と結合するために利用され、センサ160は、被取付部材150に作用する力、及び/又は、被取付部材150の移動を検知するために利用される。検出された力及び/又は移動に応じて、コントローラ170は、移動固定設備110の1つ以上の態様を制御して、検出された力及び/又は移動に応答又は対処する(例えば、コントローラ170が、支持プラットフォーム130及び/又は可動基部120を関節作動させて、移動固定設備110を移動させる)。
【0017】
可動基部120は、フロア102を走行するよう構成される。可動基部120は、フロア102上での移動を容易にするために、例として、車輪、走路、又はランナの1つ以上を含みうる。図1を参照すると、様々な実施形態において、可動基部120は、横方向x及びyに(但し、yは、紙面の内又は外へと延びている)、フロアを移動するよう構成される。様々な実施形態における可動基部120は、フロア102上でのホロノミック運動のために構成されうる。
【0018】
幾つかの実施形態において、可動基部120は、フロア120に沿って適所に可動基部120を固定するよう構成されたジャッキ又は他の構成要素を含みうる。図3は、様々な実施形態に係る、ジャッキ300を含む例示の可動基部120の概略的な側面図を提供する。図3に示す可動基部120は、フロア102を移動するよう構成された車輪310も含んでいる。ジャッキ300は、可動基部120をフロア102に対して固定されたポジションに維持するために、フロア102に係合するよう構成される。ジャッキ300が作動されてフロア102と係合すると、車輪310がフロア102から持ち上げられて、可動基部120がフロア102上の適所で固定される。このようなポジション又は構成においては、可動基部120は、フロア102に沿って移動しない。ジャッキ300が停止されて、フロア102に係合していないときには、車輪310は、フロア102に接触しており、可動基部120をフロア102に沿って移動させるために(例えば、コントローラ170からの命令に応じてモータにより駆動されて)利用されうる。図3では、ジャッキ300が停止された状態で示されており、車輪310はフロア102に接触している。
【0019】
ジャッキ300及び車輪310(例えば、車輪を駆動するモータ)は、コントローラ170からの制御信号を用いて制御されうる。様々な実施形態において、例えば、コントローラ170は、アダプタインタフェース140と被取付部材150との間の相互作用から生じセンサ160により検出される、検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、(可動基部120がフロア102に沿って移動しえない)固定された構成から、(可動基部120がフロア102に沿って移動しうる)可動的な構成へと可動基部120を動かすために、フロア102からジャッキ300を外すよう構成される。例えば、移動固定設備102が固定された構成の状態にあるときに、移動固定設備110が転倒するリスクが迫っていることを示すのに十分な大きさの横方向の力が検出された場合には、コントローラ170は、ジャッキ300を外して車輪302を作動させて、可動基部120を、印加された力に対処するために適切な方向へと移動しうる(例えば、移動固定設備110を上記力の方向に移動させる)。1つ以上のジャッキに追加して又は1つ以上のジャッキとは代替的に、1つ以上の固定の仕組みを、固定された構成で移動固定設備110を配置するために、車輪と協働させて利用することが可能である。様々な実施形態において、例えば、固定された構成から可動的な構成への迅速な遷移を可能とするために、高速ジャッキ及び/又は高トルクの車輪が利用されうることに注意されたい。さらにまだ、様々な実施形態において、(例えば、ジャッキから車輪への)固定された構成から可動的な構成への切り替えが、ボタン、又はオペレータが与える他の手入力を介してトリガされうる。
【0020】
図2に戻ると、示される支持プラットフォーム130は、可動基部120に連結されており、可動基部120に対して関節作動可能である。例えば、図1を参照すると、支持プラットフォーム130は、可動基部対してz方向に動きうる。幾つかの実施形態において、支持プラットフォーム130は、可動基部120に連結された塔部又は他の構造に連結可能であり、その際に、支持プラットフォームは、塔部に沿ってz方向に移動する。追加的又は代替的に、支持プラットフォーム130は、可動基部120に対してx方向及び/又はy方向に関節作動可能である。
【0021】
図4及び図5は、様々な実施形態に従って形成された例示の移動固定設備400を示しており、ここでは、様々な実施形態における、支持プラットフォーム及び基部によって又は支持プラットフォームと基部との間で提供される移動または関節作動の種類の例が示されている。図4は、可動基部420と、支持プラットフォーム430とを含む移動固定設備400の概略的な斜視図を提供しており、図5は、取付板434を含む移動固定設備400の図を提供する。取付板434は、図4では示されていないことに注意されたい。移動固定設備400は、本明細書で検討する移動固定設備110の1つ以上の態様を組み込むことが可能であり、移動固定設備110の一例を提供している。示される移動固定設備400は、塔部422を利用して、例えば部品又は組立品を持ち上げ、支持し、及び/又は位置決めするよう構成された全方向ロボットを提供する。塔部422は(例えば取付板434を介して)、部品又は組立品の周面、縁端、又は他の部分を位置決めして支持するための専用ツールと連動するよう構成される。
【0022】
図4で分かるように、可動基部420は、移動固定設備400の一番下に位置しており、x方向、y方向、及びz方向の1つ以上に沿って可動基部を動かすための構成要素(例えば、x方向及びy方向に沿った移動のための車輪、z方向に沿った移動のためのジャッキ)を収容するよう構成された1つ以上の構成要素を収容している。様々な実施形態において、可動基部420は、全方向への移動と同様に安定性を移動固定設備400に提供するために設けられる。
【0023】
示される移動固定設備400は、可動基部420に取り付けられた塔部422を含んでいる。示される可動基部420は、可動基部420に対して塔部422の横方向の移動を可能とするためにレール425、426を含んでおり、及び、可動基部420に対して塔部422の上昇運動又は垂直方向の移動を可能とするために、垂直方向のレール427を含んでいる。従って塔部422は、可動基部420に対してx1方向及び/又はy1方向に移動することが可能であり、支持プラットフォーム430は、塔部422(可動基部420)に対してz1方向に移動することが可能である。他の実施形態において、塔部422は、垂直方向のレール427に沿った移動のみが塔部422を介して与えられるように、可動基部420に固定されうる。
【0024】
示される支持プラットフォーム430は、支持フレーム432及び取付板434を含む。示される支持フレーム432は、垂直方向のレール427に沿って塔部422に結合されており、垂直方向のレール427を介して塔部422に沿って上下に移動するよう構成されている。図5の例における取付板434は、支持フレーム432に結合されており、支持フレーム432より上方に配置され、支持フレーム432により支持されている。概して、取付板434は、(直接的又は間接的に)移動固定設備により保持されている組立品又は部品に結合されるよう構成される。図4に示される例では、取付板434は、垂直方向に合わせて塔部422に取り付けられおり、ツールアダプタ435が、取付板434に取り付けられている。図4の例によるツールアダプタ435は、4つのアーム部又は棚部を含んでおり、この4つのアーム部又は棚部は、水平方向に延在しており、被取付部材をツールアダプタ435に固定するために、被取付部材と相互作用し又は協働するよう構成されている。様々な実施形態において、取付板434は、支持フレーム432に対してx方向及びy方向に移動可能である(支持フレーム432は自体は、塔部422に対してz方向に移動可能である)。例えば、取付板434は、取付板434と支持プラットフォーム432との間での移動を可能とするピン、走路、スライド、溝、ねじ棒等の1つ以上を介して、支持フレーム432に取り付けられうる。代替的又は追加的に、取付板434は、支持フレーム432に対して(例えば、z軸の周りを)回転可能でありうる。取付板434自体には、移動固定設備400により保持されるアセンブリ又は部品に結合するツールアダプタ(例えば、図5には示されないアダプタインタフェース140又はその一部)が取り付けられてよい。支持プラットフォーム430は、(図5に示されない)センサ及び/又はアクチュエータ下位システムと併せて、エンドイフェクタ439と称されうる。エンドイフェクタ439は、取付板434の正確な移動及び位置決めを定める移動固定設備400の上部として構成される。
【0025】
図2に戻ると、示されるアダプタインタフェース140は、支持プラットフォーム130に連結されており、支持プラットフォーム130と共に動く。幾つかの実施形態において、アダプタインタフェース140は、支持プラットフォーム130に固定して取り付けてもよく、他の実施形態では、アダプタインタフェース140は、支持プラットフォーム130とは独立した追加的な移動が可能でありうる。アダプタインタフェース140は、被取付部材150と機械的に接触するよう構成される。例えば、アダプタインタフェース140は、被取付部材150を把持し又は被取付部材150をアダプタインタフェース140に固定する1つ以上の顎部を含みうる。追加的な例として、1つ以上のファスナが、被取付部材150をアダプタインタフェース140に結合するために利用されてよく、又は、アダプタインタフェース140が、金属製の被取付部材150への結合のために磁石を含んでよい。概して、アダプタインタフェース140は、被取付部材150を移動固定設備110に開放可能に固定するよう構成される。例えば、移動固定設備110からの支持又は位置決めを部品又は組立品がもはや必要としなくなった後で、アダプタインタフェース140は、被取付部材150を解放しうる。アダプタインタフェース140は、図2では単一のブロックとして示されているが、様々な実施形態では1つより多い物理的部分を含みうることに注意されたい。例えば、幾つかの実施形態において、アダプタインタフェース140は(移動固定設備に結合する)取付板とツールアダプタとの双方を含むことが可能であり、その際には、ツールアダプタが、取付板及び被取付部材150に結合される。他の実施形態において、取付板は、一体に設計され又は取付板上に作製されたインタフェースを含んでよく、ツールアダプタは、(例えば、どのようなタイプの被取付部材が移動固定設備110によって取り扱われるのかに依存して)任意のものとなり又は不要である。
【0026】
図1で一番良く分かるように、様々な実施形態において、移動固定設備の各々(例えば、移動固定設備110a及び移動固定設備110b)は、対応するアダプタインタフェース(例えば、移動固定設備110aのアダプタインタフェース140a、及び、移動固定設備110bのアダプタインタフェース140b)を介して、被取付部材の異なる部分に同時に係合するよう構成されている。従って、移動固定設備110aと110bとは、被取付部材150を介して互いに動作可能に連結されている。
【0027】
図2を続けて参照すると、移動固定設備110はセンサ160を含んでいる。様々な実施形態において、移動固定設備110は、複数のセンサを含む。示されるセンサ160は、アダプタインタフェース140と接続されており、アダプタインタフェース140と被取付部材150との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成されている。例えば、アダプタインタフェース140が被取付部材150に結合されているときには、被取付部材150の如何なる移動(又は、企図された移動)又は被取付部材150に印加される如何なる力も、アダプタインタフェース140と被取付部材150とが結合している(例えば、物理的に取り付けられ又は機械的に結合されている)ため、結果的に、被取付部材150とアダプタインタフェース140との間の相互作用に起因するアダプタインタフェース140への対応する移動または力となる。示される実施形態では、センサ160は、検出されたあらゆる力及び/又は運動をコントローラ170に伝える。追加的に、様々な実施形態において、ワールドフレーム(world frame)の範囲内に1つ以上の移動固定設備を位置付けるセンサ、及び/又は、1つ以上の他の移動固定設備に関して、コントローラ170にフィードバックを提供するために利用されうるセンサが利用されうる。
【0028】
様々な異なる種類のセンサが利用されうる。例えば、力センサ、及び/又はトルクセンサが使用されうる。他の例として、傾きセンサが利用されうる。他の例として、支持プラットフォーム130又はその態様を作動させるためにモータが利用される実施形態において、軸エンコーダ(例えば、サーボフィードバックエンコーダ、又は、他の回転エンコーダ、角度エンコーダ)が利用されうる。様々な実施形態において、リニアエンコーダも利用されうる。様々な実施形態において、センサ160は、モータと関連付けられたエンコーダといった、アクチュエータと関連付けられうることに注意されたい。様々な実施形態において、力センサ、負荷センサ、トルクセンサ、軸エンコーダ、加速度計、及び/又は傾きセンサの利用が、アダプタインタフェース140と被取付部材150との間の相互作用から生じた力及び移動の、信頼性の高く便利な検出のために提供される。
【0029】
示される例のコントローラ170は、可動基部120と、支持プラットフォーム130と、センサ160とに動作可能に接続されている。例えば、コントローラ170は、1つ以上のセンサ160からの情報を受信するために、1つ以上の対応する導線、ケーブル、又は他の通信経路を介して1つ以上のセンサ160に接続されうる。他の例として、コントローラ170は、可動基部120及び支持プラットフォーム130に接続された対応するアクチュエータ(例えば、エンドイフェクタアクチュエータ180)への通信経路を介して、可動基部120及び支持プラットフォーム130に接続可能であり、ここで、コントローラ170は、可動基部120及び/又は支持プラットフォーム130(又は取付板434といったその態様)を移動させるために、アクチュエータに制御信号を提供する。様々な実施形態において、コントローラ170が可動基部120又は支持プラットフォーム130に取り付けられることに注意されたい。代替的に、コントローラ170は、例えば遠隔で又は着脱可能なユニットとして、別様に取り付けられうる。幾つかの実施形態において、コントローラ170は、物理的には別々のユニットである複数のコントローラの部分を含みうることにさらに注意されたい。
【0030】
示されるコントローラ170は、センサ160(又は複数のセンサ160)により検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、可動基部120又は支持プラットフォーム130のうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成されている(例えば、プログラミングされる)。例えば、アダプタインタフェース140に作用する力を表す情報を受信した後で、コントローラは、力の方向に基づいて、可動基部120又は支持プラットフォーム130の1つ又は両方を動かしてアダプタインタフェース140をそこへと動かす方向を決定することが可能である。例えば、コントローラは、アダプタインタフェース140に作用する力を低減又は軽減するために(例えば、印加された力がアダプタインタフェースを推進する方向へと、アダプタインタフェースを移動するために)、アダプタインタフェース140が或る方向に移動するように制御アクションを定めうる。検出された力の大きさに基づいて、及び/又は、上記決定された力の、進行中の検出に基づいて、移動量が決定されうる(例えば、上記の力がゼロになり又はアダプタインタフェース140に対する許可可能又は許容可能な力の閾値を下回るまで、アダプタインタフェース140が動かされる)。その後で、決定された制御信号が、可動基部120及び/又は支持プラットフォーム130を関節作動させるために、アクチュエータ(例えば、エンドイフェクタアクチュエータ180)に伝えられうる。幾つかの実施形態において、コントローラ170は、閾値を満たす検出された力に応じて、アダプタインタフェース140を(例えば、可動基部120及び/又は支持プラットフォーム130の移動を介して)関節作動させるよう構成される。力の閾値を利用することによって、さもなければアダプタインタフェース140に影響を与える微弱な力が引き起こすであろう不要な移動が回避されうる。
【0031】
様々な実施形態において、コントローラ170が、図解を容易にするために単一の物理的ユニットとして示されているが、複数の物理的ユニット又は装置を含みうることに注意されたい。様々な実施形態において、コントローラ170は、本明細書で検討する1つ以上のタスク、機能、又は工程を実施するよう構成された処理回路を含む。先にも検討したように、本明細書では「処理ユニット」(processing unit)を、1つのプロセッサ又はコンピュータに必ずしも限定することを意図していないことに注意されたい。例えば、コントローラ170は、共通のハウジング又はユニットに組み込まれ又は様々なユニット又はハウジングに分散されうる複数のプロセッサ、ASIC、FPGA、及び/又はコンピュータを含みうる。コントローラ170により実施される操作(例えば、本明細書で検討する処理フロー又は方法、若しくはその態様に対応する操作)が、人間によっては妥当な期間内に実施され得ないほど複雑でありうることに注意されたい。示される実施形態では、コントローラ170は、とりわけ本明細書で検討する1つ以上の工程又はタスクをコントローラ170に実施させる命令の格納のための、有形の非一時的なメモリ172を含む。
【0032】
様々な実施形態において、コントローラ170が、監視制御のためには利用されえず、及び/又は、ネットワークに接続されえないことに注意されたい。例えば、様々な実施形態において、コントローラ170は、被取付部材150の移動と関連する検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、可動基部120又は支持プラットフォーム130のうちの少なくとも1つの移動を自律的に制御する(例えば、人間の介入、又は他の任意の移動固定設備からの通信無しに自動的に実施する)よう構成される。従って、コントローラ170は、被取付部材150の移動を、少なくとも1つの他の移動固定設備と合わせて調整しうる。例えば、図1を参照すると、移動固定設備110aと移動固定設備110bとは、通信的に互いに分離していてよい(例えば、情報を互いに伝え合うよう構成されていない)。移動固定設備110aを、所与の方向へと(例えば、追加的な処理工程のために被取付部材150を新しいポジションで位置決めするために、及び/又は、被取付部材150を新しい位置に移動するために、例えば、処理プロセス及び/又は搬送プロセスの一部として被取付部材150と共にそれに沿って動かされる所定の方向へと)移動することが可能であり、その結果、被取付部材150に対する関連する力が生じ、この力は、移動固定設備110bによって(例えば、移動固定設備110bの1つ以上のセンサによって)検出される。その後、移動固定設備110bのコントローラが(移動固定設備110aから命令信号が伝えられることなく)、上記力に応じて(例えば、移動固定設備110bのアダプタインタフェースに加わっていると検出された力と同じ方向へと)移動させるために、移動固定設備110bの可動基部又は支持プラットフォームを制御する。
【0033】
従って、移動固定設備110aと、被取付部材150と、移動固定設備110bとの移動が、共通の方向へと共通の速度で、移動固定設備110aと移動固定設備110bとの間の通信無しで移動するために調整されうる。他の移動固定設備からの入力又は介入無しに、(可動基部120及び/又は支持プラットフォーム130の移動を介して)アダプタインタフェース140の移動を制御する1つ以上の移動固定設備を有することによって、様々な実施形態では、全ユニットへの調整された制御命令を計画して提供しなければならない中央ネットワークに全てが一緒に配線され又は繋がれた複数のユニットを有するために必要な複雑性が回避される。従って、被取付部材150の移動の計画と実現との双方が簡素化され、より効率良く、より信頼性が高いものとなる。
【0034】
図6は、様々な実施形態に従って形成された移動固定設備600の概略的なブロック図を提供する。様々な実施形態において、移動固定設備600には、本明細書で検討する移動固定設備110の1つ以上の態様が組み込まれ及び/又は当該態様を提供する。図6で分かるように、示される例示の移動固定設備600は、基部620と、エンドイフェクタ630と、取付板640と、ツールアダプタ650とを含む。移動固定設備600は、工場のフロア602に配置されており、部品又は組立品604に結合されるよう構成されている。
【0035】
基部610は、移動固定設備600のおおまかな関節作動を提供するために、工場のフロア602中を移動するよう構成される。基部610は、例えば、車輪及び/又はジャッキを含みうる。車輪が係合されたときには、基部610は、x方向、y方向、及びrz方向に沿って移動するよう制御されうるが、rx、ry、及びzに沿った任意の移動は、フロアの表面的特徴により生じる。ジャッキが係合しているときには、rx、ry、及びrzに沿った移動が制御されうる。他の実施形態において、例えば、車輪及びジャッキは、全方向への移動を可能とするために、完全に作動された有効なサスペンションと組み合わせられうる。
【0036】
示されるエンドイフェクタ630は、基部620に結合されており、エンドイフェクタ630(及び基部620)に対して取付板640の細かな関節作動を提供するよう構成される。例えば、エンドイフェクタは、機械的レール、ボールねじ、又は、線型アクチュエータの1つ以上を含みうる。幾つかの実施形態において、取付板640とエンドイフェクタ630との間の運動は、x方向、y方向、及びz方向に沿った制御された運動を含むことが可能であり、さらに、rzに沿った流動的な運動を含みうる。他の実施形態において、操作者の6つの完全な自由度が、図6の座標軸に示された6つのすべての次元に沿った、制御可能な運動を提供しながら利用されうる。
【0037】
図示している実施形態では、ツールアダプタ650が、取付板640に取付られている。ツールアダプタ650は、部品又は組立品604を把持し又はそうでなければ、部品又は組立品604に物理的に結合されるよう構成されている。示される実施形態では、ツールアダプタ650は、ツールアダプタ650と部品又は組立品604との間の何らかの運動を提供するよう構成されている。例えば、ツールアダプタ650は、rx方向及びry方向に沿ったツールアダプタ650と部品又は組立品604との間の流動的な回転運動を提供するために、U字ジョイントを含みうる。
【0038】
図1及び図2に戻ると、様々な実施形態において、移動固定設備システム100は、リード移動固定設備と、少なくとも1つの追従移動固定設備とを含む。例えば、示される例において、移動固定設備110aは、リード移動固定設備として構成可能であり、移動固定設備110bは、追従移動固定設備として構成可能である。リード移動固定設備110aのコントローラ170は、移動命令入力を受信し、当該移動命令入力に応じて、被取付部材の移動を実施するよう構成される。移動命令入力は例えば、1つ以上の制御信号であって、(例えば、移動固定設備110aに配置されており、外部のソースから制御命令を受信するよう構成された入力装置(人間のオペレータからの制御命令を受信するよう構成されたキーパッド又は操作棒、又は、車外(off-board)コントローラ若しくはプロセッサからの電子的な制御命令を受信するよう構成された通信リンク(例えば、アンテナ)など)を介して)コントローラ170に伝えられる1つ以上の制御信号を含みうる。他の例として、移動命令入力は、リード移動固定設備110aの一部に力を加える物理的又は手動の入力を含むことが可能であり、上記力は、リード移動固定設備110aの1つ以上のセンサ160により検出される。実施された移動に応じて、追随移動固定設備110bのコントローラが、自律的に(例えば、人間による介入、又は、デジタル的若しくはそうでなければ電気的に伝えられる命令無しで)、可動基部120及び/又は支持プラットフォーム130の移動を制御する。例えば、追随移動固定設備110bの1つ以上のセンサ160が、追随移動固定設備110bのアダプタインタフェース140に影響を与える力を検出することが可能であり、追随移動固定設備110bのコントローラ170は、検出された力に応じて、追随移動固定設備110bの移動を制御しうる。従って、追随移動固定設備110bの移動が、リード移動固定設備110aに対して調整され、その際に、リード移動固定設備110aが、追随移動固定設備110bに移動命令を伝えることはない(例えば、追随移動固定設備110bのコントローラ170に制御信号が伝達されることはない)。
【0039】
幾つかの実施形態において、移動固定設備110は、リード移動固定設備としての構成と、追従移動固定設備としての構成との間で選択的に切り替えられうることに注意されたい。従って、1の移動固定設備が、プロセスの1の部分の間移動固定設備として動作することが可能であり、別の移動固定設備が、プロセスの別の部分の間、リード移動固定設備として動作することが可能である。例えば、外部からの移動命令を受信するよう構成された入力装置が、移動固定設備110bをリード移動固定設備とするために、移動固定設備110aからは分離されていて移動固定設備110bと接続されてよい。他の例として、移動固定設備110aに配置された、外部からの移動命令を受信するよう構成された入力装置が停止されてよく、移動固定設備110bに配置された、外部からの移動命令を受信するよう構成された入力装置が作動されて、移動固定設備110bがリード移動固定設備となってもよい。
【0040】
図2に戻ると、示される移動固定設備110は、アダプタインタフェース140と可動基部120との間に配置されたエンドイフェクタアクチュエータ180を含む。コントローラ170は、エンドイフェクタアクチュエータ180を介して、可動基部に対してアダプタインタフェース140を関節作動させるよう構成される。エンドイフェクタアクチュエータ180は、アダプタインタフェース140を、直接的に(例えば、アダプタインタフェースに直接的に作用することにより)又は間接的に(例えば、支持プラットフォーム130と共に動くアダプタインタフェース140によって支持プラットフォーム130に作用することにより)関節作動させることが可能であることに注意されたい。
【0041】
示される実施形態では、移動固定設備110は、2つのエンドイフェクタアクチュエータ180a及び180bを含んでいる。エンドイフェクタアクチュエータ180aは、可動基部120と支持プラットフォーム130との間に直接的に配置されており、可動基部120を支持プラットフォーム130と可動的に連結する。エンドイフェクタアクチュエータ180bは、アダプタインタフェース140と支持プラットフォーム130との間に直接的に(かつ、アダプタインタフェース140と可動基部120との間に間接的に)配置されており、アダプタインタフェース140を支持プラットフォーム130と可動的に連結する。例えば、可動基部120は、おおまかな関節作動を提供するために、(例えば、モータにより駆動される車輪を介して)制御可能であり、エンドイフェクタアクチュエータ180aは、可動基部に対する支持プラットフォーム130の細かな関節作動を提供するよう制御されうる。(エンドイフェクタアクチュエータ180aは、図解を容易かつ明確にするために単一のブロックとして示されているが、エンドイフェクタアクチュエータ180aは、様々な実施形態において、可動基部120に対して複数の方向に支持プラットフォーム130を作動させるよう構成された複数の構成要素(例えば、モータ、リニア駆動部、車輪、対応するレール又は走路)を含みうることに注意されたい。)さらに、幾つかの実施形態において、エンドイフェクタアクチュエータ180bは、支持プラットフォーム130に対するアダプタインタフェース140の更なる調整さえも提供するために利用されうる。
【0042】
様々な異なるクチュエータが、様々な実施形態において利用されうる。例えば、モータが、可動基部120の車輪を駆動するために利用されうる。追加的な例として、機械的なレール、(例えば、モータにより駆動された)ボールねじ、又は、線形アクチュエータの1つ以上が、可動基部120に対して支持プラットフォーム130を移動させるため、及び/又は支持プラットフォーム130に対してアダプタインタフェース140を移動させるために利用されうる。
【0043】
可動基部120と支持部材130との様々な移動が互いに調整されうる。例えば、幾つかの実施形態において、コントローラ170は、検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、可動基部120に対してアダプタインタフェース140を関節作動させ、アダプタインタフェース140の関節作動に応じて、可動基部120をフロア102に沿って移動させるよう構成される。アダプタインタフェース140の関節作動に基づいて、コントローラ170は、可動基部120を(例えば、可動基部120の車輪を駆動する1つ以上のモータへの制御命令を介して)移動させ、可動基部120を、アダプタインタフェース140に関して中心ポジションに向けて推進する。例えば、図7は、可動基部120とアダプタインタフェース140との互いの関節作動を概略的に示している。図7でわかるように、アダプタインタフェース140と可動基部120とは第1のポジション700の状態にあり、両方とも実線で示されている。例えば、アダプタインタフェース140は関節作動させられて第1のポジション700にあり、アダプタインタフェース140は可動基部120に対して中央に来ていない。中心ポジションとは、可動基部120に対してアダプタインタフェース140が取りうる運動の1つ以上の範囲の中央に存在するポジションとして理解されうる。アダプタインタフェース140による運動に応じて、コントローラ170は次に、可動基部を方向702へと関節作動させられて第2のポジション710とし(その間、アダプタインタフェース140は同じポジションで維持され、可動基部120が第1のポジション700から第2のポジション710へと関節作動される間、可動基部120及びアダプタインタフェース140はこれに対応して互いに相対的に移動し)、ここでは、第2のポジション710の状態にある基部120が二点鎖線で示されている。
【0044】
第2のポジション710では、可動基部120は中央ポジションにあり、アダプタインタフェース140は、方向702に沿って可動基部120に対して相対的にアダプタインタフェース140が取りうる移動の量を表す利用可能な範囲720の中央に配置されている。利用可能な範囲720は、図解を容易にするために、可動基部120と境界を共有するものとして示されているが、実際には、利用可能な範囲720は、可動基部120の境界とは異なりうることに注意されたい。さらに、図7に関連して検討する図示された例は、一方向のみへの移動を示しているが、様々な実施形態では、複数の方向(例えば、横方向、垂直方向、又は回転方向の1つ以上)への移動が、可動基部120に関してアダプタインタフェース140が中央に来るよう制御されうることに注意されたい。中央ポジションに可動基部を配置するために可動基部120を制御することによって、様々な実施形態は、複数の方向への移動のためのフレキシビリティを提供し、可動基部120に関してアダプタインタフェース140がその利用可能な範囲の一端に配置されるリスクを低減し、可動基部120とアダプタインタフェース140とが効率良く協働して、可動基部120によるおおまかな関節作動とアダプタインタフェース140による細かな関節作動とを提供することを可能とする。
【0045】
様々な実施形態において、コントローラ170は、様々なモードにおいて移動固定設備110を選択的に動かすよう構成される。コントローラ170は、様々な実施形態において、複数のモード間で、手動で及び/又は自律的に切り替えられうる。例えば、幾つかの実施形態において、コントローラ170が移動固定設備110を動かす操作のモードは、搬送モードと、静止モードと、コンプライアンスモードとを含む。
【0046】
搬送モードにあるときには、コントローラ170は、センサ160により検出された力又は移動に応じて、(例えば、支持プラットフォーム130に対してアダプタインタフェース140を移動させ、及び/又は、可動基部に対して支持プラットフォーム130を移動させることによって)可動基部120に対してアダプタインタフェース140を関節作動させ、アダプタインタフェースの関節作動に応じて可動基部120をフロアに沿って移動させ、可動基部120を、アダプタインタフェース140に関して中央ポジションへと推進するよう構成される。(図7と関連説明を参照されたい)。
【0047】
静止モードにあるときには、コントローラ170は、フロア102に対して固定されたポジションに可動基部を維持するよう構成される。例えば、コントローラ170は、フロア102に係合し及び可動基部120の車輪又は走路をフロアから持ち上げるためにジャッキ(例えば、ジャッキ300)を制御しうる。静止モードでは、アダプタインタフェース140は、被取付部材150を(例えば、垂直方向に、及び/又は、比較的より小さな距離だけ水平方向若しくは横方向に)再配置するために、可動基部120に対して相対的に移動可能であるが、可動基部120は、フロア102に対して適所に固定されている。移動固定設備110を移動させるために、ジャッキが停止され、車輪がフロア102と接触した状態で配置され、コントローラ170は、静止モードを抜けて異なる操作モードに入る。他の例として、コントローラ170は、フロア102又は他の構造に係合する固定の仕組みを作動しうる。例えば、ピン、又は、移動固定設備110を所望のポジションで固定するための他の構造が、フロア102上のタブの開口の中に入れられる。移動固定設備を移動せるために、上記ピンは開口から抜かれうる。静止モードは、例えば、製造又は組み立てプロセスの間、僅かな横方向の移動が必要であり又は横方向の移動が全く必要ではないときに、より向上した安定性を提供するために利用されうる。
【0048】
コンプライアンスモードにあるときには、コントローラは、手動入力に応じて、アダプタインタフェース140を関節作動させるよう構成される。例えば、様々な実施形態において、手動入力は、所望の方向へのアダプタインタフェースに対する手動での力の印加を含みうる。他の例として、手動入力は、キーパッド、ジョイスティック、又は、他のデータ入力装置を介して入力される命令を含みうる。
【0049】
様々な実施形態において、コントローラ170は、モード間で手動で及び/又は自律的に切り替えられうることに注意されたい。例えば、操作者は、コントローラ170を所与のモードにするためにスイッチ又はキーバッドを利用しうる。他の例として、コントローラ170は、例えば検出された力の種類及び/又は量に応じて、モードを自律的に切り替えうる。例えば、様々な実施形態において、コントローラ170は、閾値を満たす検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、静止モードから移動固定設備110を自律的に再移動させる。例として、力の閾値は、転倒のリスクに遭遇する前に、移動固定設備110が静止モードから、可動基部120がフロア102に沿って移動しうる別のモードへと再移動されるように設定されうる。他の例として、移動の閾値は、アダプタインタフェース140が、所与の方向におけるその移動範囲の所定の限界範囲内に近づいているときに、移動固定設備110が、静止モードから、フロア102に沿った可動基部120の移動を可能とする別のモードへと再移動されるように設定されうる。従って、移動固定設備110を自律的に静止モードから切り替えることによって、コントローラ170は、移動固定設備110及び/又は被取付部材150の部分に損傷が与えられることを回避することを助ける。
【0050】
図8は、様々な実施形態に係る移動固定設備の制御システムの態様を概略的に示している。(移動固定設備110の1つ以上の態様を組み込み又は提示しうる)移動固定設備800は、センサ810と、ロボット固定設備アクチュエータ820と、モータ830とを含む。
【0051】
センサ810は、概して、移動固定設備800により保持されている部品又は組立品と関連する力及び/又はモーメントを検出する。例えば、力(又はトルク)センサは、部品又は組立品への結合部で、力(又はモーメント)を検出しうる。他の例として、軸エンコーダが、軸ストロークポジションを検出しうる。一例として、ジャッキシステム又は有効な車輪懸架システムが、傾き(例えば、所定の目標ポジション又は方向付けとの角度のズレ)を報告し、及び/又は、検出された傾きについて自動的に補償しうる。
【0052】
ロボット固定設備アクチュエータ820は、例えば、取付板、又は、支持プラットフォーム及び/又はアダプタインタフェースの他の態様を関節作動させるエンドイフェクタのモータを含みうる。ロボット固定設備アクチュエータ820は、1つ以上のセンサ(例えば、エンコーダ)からの情報の受信に応じて、(例えば、コントローラ170の制御下で)取付板のポジションを操作するために作動させうる。部品又は組立品は取付板に物理的又は機械的に結合されているため、部品又は組立品は、取付板が動かされたときには間接的にロボット固定設備のアクチュエータ820によって動かされる。
【0053】
図9は、様々な実施形態に係る、移動固定設備(例えば、移動固定設備110)分散制御の態様を概略的に示している。図9は、個別の移動固定設備の観点からの分散制御の概略的な図を示している。上記制御は分散されており、例えば、個別の移動固定設備は、組立品又は部品を支持及び/又は移動させるために、他の移動固定設備と共同するが、個々の移動固定設備が自身の制御を担当しており、他の移動固定設備から如何なる伝達された命令も受信しない(又は提供しない)。
【0054】
図9の例では、制御命令が、制御システム900によって受信される。例えば、制御入力902は、目標軸ポジション、及び/又は、目標の力/トルクを含みうる。(軸ポジションエンコーダ、力/トルクセンサ、及び/又は傾きセンサの1つ以上からの信号を含むフィードバック情報910と共に)制御入力902に基づいて、制御システム900は、可動基部、支持プラットフォーム、及び/又は取付板を関節作動させるため移動固定設備の1つ以上の態様を作動させるための命令信号904(例えば、アクチュエータ命令、ジャッキ命令、又は車輪命令)を生成する。
【0055】
図示される実施形態では、命令はその後906で、取付板及び基部に提供される。追加的に、入力908が、取付板及び/又は基部に関係して獲得されうる。上記入力908は、例えば、取付板が結合されている部品又は組立品の移動に起因し又は基部が横断するフロアのトポグラフィに起因する、取付板及び/又は基部に作用する物理的な相互作用を表す。取付板及び/又は基部の制御された関節作動によって、取付板に取り付けられたツールアダプタの或るポジション(従って、ツールアダプタにより把持される部品又は組立品のポジション)という形態により、出力912が生成される。
【0056】
図10は、方法1000のフローチャートを示している。図10の操作は、メモリ(例えば、メモリ172)に格納されたプログラム命令を実行する1つ以上のプロセッサ(例えば、コントローラ170)により実現されうる。方法1000は、例えば、システム100及び/又は移動固定設備110といった、本明細書で検討される様々な実施形態の構造又は態様(例えば、システム及び/又は方法)を利用しうる。様々な実施形態では、一定の工程(又は動作)が省略されるか、追加されることがあり、一定の工程が組み合わされることがあり、一定の工程が同時に実行されるか又は一定の工程が共に実行されることがあり、一定の工程が複数の工程に分けられることがあり、一定の工程が異なる順番で実行されることがあり、又は、一定の工程又は一連の工程が反復して再実行されることがある。様々な実施形態では、方法1000の部分、態様、及び/又は変形例が1つ以上のアルゴリズムとして用いられ、本明細書に記載の1つ以上の工程を実施するようハードウェアに指示する。
【0057】
1002では、移動固定設備(例えば、移動固定設備110)の支持プラットフォーム(例えば、支持プラットフォーム130)が、移動固定設備の可動基部(例えば、可動基部120)に対して関節作動させられる。例えば、支持プラットフォームは、所望のポジションであって、移動固定設備が部品又は組立品を支持及び/又は位置決め若しくは搬送するために当該部品又は組立品を把持するために利用されることになる所望のポジションへと関節作動させられうる。
【0058】
1004では、移動固定設備のアダプタインタフェース(例えば、アダプタインタフェース140)が、被取付部材(例えば、移動固定設備により保持及び/又は搬送される部品又は組立品)に結合される。アダプタインタフェースは、支持プラットフォームに結合されており(支持プラットフォーム自体は可動基部に結合されている)、支持プラットフォームと共に動く。アダプタインタフェースはまた、例えばアダプタインタフェースのポジションの細かな調整を提供するために、支持プラットフォームに対する追加的な移動のためにも構成されうる。
【0059】
いくつかの実施形態では、複数の移動固定設備が利用されうる。例えば、図示される例では、1006において、少なくとも1つの追加的な移動固定設備のアダプタインタフェースが、被取付部材に結合される。利用される移動固定設備の数は、部品又は組立品の大きさ、及び/又は、移動固定設備により保持される間に部品又は組立品が行うであろう移動の種類に基づいて決定されうる。
【0060】
1008では、アダプタインタフェースと被取付部材との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つが、センサ(例えば、センサ160)によって感知される。力又は移動の少なくとも1つが、例えば、力センサ、トルクセンサ、軸エンコーダ、又は傾きセンサの少なくとも1つを用いて検出されうる。
【0061】
1010では、可動基部又は支持プラットフォームのうちの少なくとも1つの移動が、少なくとも1つのセンサにより検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、コントローラ(例えば、コントローラ170)によって制御される。例えば、コントローラは、検出された力に基づいて或る移動を決定し(例えば、検出された力が作用する方向へと、当該検出された力を低減又は軽減するために可動基部及び/又は支持プラットフォームを動かすための移動を決定し)、可動基部及び/又は支持プラットフォームと関連付けられた1つ以上のアクチュエータへの制御信号を介して、決定された移動を実現することが可能である。
【0062】
本明細書で検討してきたように、様々な実施形態において、複数の移動固定設備が利用される。示される実施形態では、1012において、支持プラットフォームの移動が、移動固定設備と、被取付部材に結合された少なくとも1つの追加的な移動固定設備の移動により支持プラットフォームがそれに結合されている被取付部材と、の間の移動を調整するために制御され、その際に、被取付部材を調整するための命令が少なくとも1つの追加的な移動固定設備に伝えられることはない。
【0063】
可動基部及び/又は支持プラットフォームの移動は、モータ又は駆動部といったアクチュエータを用いて行われうる。例えば、示される実施形態では、1014において、エンドイフェクタアクチュエータ(例えば、エンドイフェクタアクチュエータ180)が、可動基部に対してアダプタインタフェースを関節作動させるために制御される。様々な実施形態において、エンドイフェクタアクチュエータは、アダプタインタフェースと可動基部との間に配置されている。
【0064】
幾つかの実施形態において、可動基部及び/又は支持プラットフォームは、アダプタインタフェースに関して中央ポジションで又は当該中央ポジションの近傍で、可動基部を保持することを支援するよう構成される。例えば、示される実施形態では、1016において、アダプタインタフェースが、検出された力又は移動に応じて、可動基部に対して動かされた後で、可動基部が、アダプタインタフェースの関節作動に応じてフロアに沿って動かされ、アダプタインタフェースに関して中央ポジションに向けて基部が推進される。
【0065】
移動固定設備は、様々な動作モードで稼働することが可能であり、各動作モードは、様々なタスクの任意の性能のために、又は移動固定設備が置かれる或る特定の条件下で設けられている。例えば、移動固定設備は、少なくとも3つの異なるモードのうちの1つのモードにおいて選択的に稼働されうる。上記のモードは、本明細書で検討したように、(アダプタインタフェースが力又は移動に応じて関節作動させられ、アダプタインタフェースの関節作動に応じて可動基部がフロアに沿って動かされ、アダプタインタフェースに関して中央ポジションへと又は中央ポジションに向けて基部が動かされる)搬送モードと、(可動基部がフロアに対して固定されたポジションで維持される)静止モードと、コンプライアンスモードと、を含む。
【0066】
例えば、コンプライアンスモードでは、アダプタインタフェースが、手動入力に応じて関節作動させられる。手動入力に追加して、アダプタインタフェースは、如何なる検出された力又は移動に応じても関節作動させられうることに注意されたい。さらに、様々な実施形態において、コンプライアンスモードにおいて、アダプタインタフェースは、最小閾値を超える検出された力に応じて関節作動させられる。図で示すように、コンプライアンスモードにおいて、被取付部材が載置された支持プラットフォームに対して相対的に被取付部材のポジションを調整しようと試みる人物は、例えば10パウンドの閾値を超える所与の方向に、手動で支持プラットフォームに力を加えうる。印加された力は、センサによって感知されて、被取付部材のポジションを調整するために支持プラットフォームを移動するための駆動機構を作動させるためにコントローラに対して入力を提供するであろう。被取付部材が、数百パウンドの重量を有する航空機の構造的アセンブリでありうる状況において、コンプライアンスモードにおける、支持プラットフォームに手動で印加される最小の力によって、支持プラットフォーム及び/又は被取付部材を調整するための駆動機構を利用することが可能となり、その際に、ユーザは、被取付部材の重量を持ち上げ又は支持する必要がない。
【0067】
静止モードでは、可動基部は、フロアに対して固定されたポジション又は固定された構成で維持されている。様々な実施形態において、移動固定設備は、検出された力又は移動に応じて、固定された構成から、(例えば、車輪がフロアに接触しており移動固定設備をフロアに沿って移動させる)可動的な構成へと自律的に動かされうる。例えば、幾つかの実施形態において、移動固定設備は、閾値を満たす(例えば、移動固定設備を転倒させるために要する力よりは小さい力限界値を超えた)検出された力又は移動に応じて、静止モードから自律的に動かされうる。
【0068】
図11は、方法1048のフローチャートを示している。図11の操作は、メモリ(例えば、メモリ172)に格納されたプログラム命令を実行する1つ以上のプロセッサ(例えば、コントローラ170)により実現されうる。方法1048は、例えば、システム100及び/又は移動固定設備110及び/又は方法1000といった、本明細書で検討する様々な実施形態の構造又は態様(例えば、システム及び/又は方法)を利用しうる。様々な実施形態では、一定の工程(又は動作)が省略されるか、追加されることがあり、一定の工程が組み合わされることがあり、一定の工程が同時に実行されるか又は一定の工程が共に実行されることがあり、一定の工程が複数の工程に分けられることがあり、一定の工程が異なる順番で実行されることがあり、又は、一定の工程又は一連の工程が反復して再実行されることがある。様々な実施形態では、方法1048の部分、態様、及び/又は変形例が1つ以上のアルゴリズムとして用いられて、本明細書に記載の1つ以上の工程を実施するようハードウェアに指示する。
【0069】
1050では、移動固定設備(例えば、可動基部120と、支持プラットフォーム130と、アダプタインタフェース140と、センサ160と、コントローラ170とを備える移動固定設備110)が設けられる。移動固定設備は、被取付部材と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェース(例えば、アダプタインタフェース140)と、アダプタインタフェースと被取付部材との間での相互作用から生じる検出された力又は移動に応じて、可動基部及び/又は支持プラットフォームの移動を制御するコントローラ(例えば、コントローラ170)と、を備える。幾つかの実施形態において、複数の移動固定設備が設けられる。
【0070】
1052では、被取付部材の一部分が、アダプタインタフェースにより係合される。被取付部材は、1つ以上の他の移動固定設備よっても係合される。幾つかの実施形態において、1の移動固定設備は、リード移動固定設備として構成されており、残りの移動固定設備(又は固定設備)は、追従移動固定設備(又は、複数の追従移動固定設備)として構成されている。例えば、示される実施形態では、1054において、1の移動固定設備が、リード移動固定設備として構成されており、残りは、追従移動固定設備(複数を含む)として構成されている。移動命令入力は、リード移動固定設備によって受信され、リード移動固定設備は、この場合、移動命令入力に応じて移動を実施し、この移動は、被取付部材に影響を与え(例えば、被取付部材を動かし及び/又は被取付部材に対して力又はトルクを印加する)。追従移動固定設備(複数を含む)の制御は、その後、被取付部材の力又は移動に応じて、各追従移動固定設備によって自律的に制御されうる。従って、追従移動固定設備(複数を含む)の移動は、リード移動固定設備によって調整され、その際に、いずれの移動命令も、追従移動固定設備(複数を含む)に伝えられることはない。
【0071】
1056において、被取付部の(様々な実施形態における企図された移動を含む)移動から生じた力又は移動の少なくとも1つが、(例えば、センサ160によって)感知される。1058において、移動固定設備(例えば、可動基部及び/又は支持プラットフォーム)の移動が、1056で検知された力又は移動に応じて自律的に制御される。例えば、先にも検討したように、追従移動固定設備により検出された移動は、リード移動固定設備により実現される制御アクションから生じうる。
【0072】
開示の実施例は、図12に示す航空機の製造及び保守方法1100と、図13に示す航空機1200に関連して、説明され得る。製造前の段階では、例示的な方法1100は、航空機1200の仕様及び設計1102と、材料調達1104とを含みうる。製造段階において、航空機1200の構成要素及びサブアセンブリの製造1106とシステムインテグレーション1108とが行われる。その後、航空機1200は、認可及び納品1110を経て運航1112に供されうる。顧客による運航中、航空機1200には、改造、再構成、改修なども含み得る、定期的な整備及び保守1114が予定されている。
【0073】
例示的な方法1100のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実行又は実施されうる。本明細書において、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含みうるがそれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含みうるがそれらに限定されず、かつ、オペレータとは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0074】
図13に示すように、例示的な方法1100によって製造された航空機1200は、複数の高次システム1204、および内装1206を備えた機体1202を含みうる。高レベルのシステム1204の例には、推進システム1208、電気システム1210、油圧システム1212、及び環境システム1214の一又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムも含まれてよい。航空宇宙の例が示されているが、本発明の原理は、自動車産業などの他の産業にも適用され得る。そのため、本書で開示されている原理は、航空機1200に加え、他の乗用運搬体、例えば陸上乗用運搬体、海洋乗用運搬体、宇宙乗用運搬体などにも適用されうる。
【0075】
本書で示され説明されている装置及び方法は、製造及び保守方法1100の、一又は複数の任意の段階において用いられ得る。例えば、構成要素及びサブアセンブリの製造1106に対応する構成要素又はサブアセンブリは、航空機1200の運航期間中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の様態で作製又は製造されうる。また、装置、方法又はそれらの組み合わせの一又は複数の態様は、例えば、航空機1200の組立てを実質的に効率化するか、或いは、航空機1200のコストを削減することにより、製造段階1106及び1108で利用されうる。同様に、装置又は方法実現の一又は複数の態様、或いはそれらの組み合わせは、限定するわけではないが例としては、航空機1200の運航期間中に、例えば整備及び保守1114で利用されうる。
【0076】
本書で使用する「制御ユニット(control unit)」、「中央処理装置(central processing unit)」、「CPU」、「コンピュータ(computer)」などの語は、マイクロコントローラ、縮小指令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、及び、本書に記載の機能を実行可能なハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを含む他の任意の回路又はプロセッサを使用するシステムを含む、プロセッサベース又はマイクロプロセッサベースの、任意のシステムを含みうる。上記の例は例示的なものにすぎず、従って、上記用語の定義及び/または意味をいかなる形でも限定することを意図していない。例えば、処理ユニットは、本明細書に記載された様々なタスクを実施するよう構成された1つ以上のプロセッサであってよく、又は当該プロセッサを含みうる。
【0077】
処理ユニット630は、データを処理するために、一又は複数のデータ記憶ユニット又はデータ記憶要素(例えば、メモリ632といった一又は複数のメモリ)に格納される一連の命令を実行するよう構成されうることに注意されたい。データ記憶ユニットはまた、所望または必要に応じて、データまたは他の情報を格納してもよい。データ記憶ユニットは、情報源、または処理マシン内部の物理的メモリ要素という形態であってよい。
【0078】
一連の命令は、制御装置630に指示を与え、処理マシンとして、本明細書に記載の発明の主題の様々な実施形態の方法及びプロセスなどの特定の操作を実行させる様々な命令を含み得る。一連の命令はソフトウェアプログラムの形態でありうる。ソフトウェアは、システムソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアなどの様々な形態であり得る。さらに、ソフトウェアは、別々のプログラムの集合、より大きなプログラム内のプログラムサブセット、またはプログラムの一部の形態であってもよい。ソフトウェアはまた、オブジェクト指向プログラミングの形態のモジュラープログラミングを含んでいてよい。処理マシンによる入力データの処理は、ユーザのコマンドに応答したものか、前の処理の結果に応答したものか、または、別の処理マシンによってなされた要求に応答したものであってよい。
【0079】
本明細書に記載の実施形態の図面は、一以上の制御装置又は処理装置、例えば制御装置170を示している。処理ユニットまたはコントロールユニットが、本明細書に記載の動作を実行する、(例えば、コンピュータハードドライブ、ROM、RAMなどの、有形且つ非一過性のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェアなどの)関連する命令を含むハードウェアとして実装され得る回路、またはその一部を表していてよいことは、理解されるべきである。ハードウェアは、本明細書に記載の機能を実行するように配線接続された(hardwired)、ステートマシン回路を含み得る。任意に、ハードウェアは、マイクロプロセッサ、プロセッサ、コントローラなどの1つ以上の論理ベースのデバイスを含み且つ/またはそれらに接続された電子回路を含んでよい。様々な実施形態における回路は、本書に記載の機能を実施するために一又は複数のアルゴリズムを実行するよう、構成されうる。一又は複数のアルゴリズムは、フロー図又は方法に明示的に特定されているか否かにかかわらず、本明細書で開示されている実施形態の諸態様を含みうる。
【0080】
本書において、「ソフトウェア(software)」及び「ファームウェア(firmware)」という語は、入れ替え可能であり、かつ、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び、非揮発性RAM(NVRAM)メモリを含むデータ記憶ユニット(例えば一又は複数のメモリ)に記憶されている、コンピュータによって実行される任意のコンピュータプログラムを含む。上記のデータ記憶ユニットの種類は例示に過ぎず、ゆえに、コンピュータプログラムを記憶するのに使用可能なメモリの種類について限定を行うものではない。
【0081】
本開示の実施形態の説明のために、上部、底部、下方、中央、横方向、水平、垂直、前方などの空間及び方向に関する様々な用語が用いられる場合があるが、そのような語は図面で示す方向に関するものとして用いられているにすぎないことを理解されたい。これらの方向は、上部が下部になる、その逆、水平が垂直になる等のように、反転、回転、又はその他の方法で変更されうる。
【0082】
本明細書で用いられる場合、タスク又は作業を実施する「ように構成され(configured to)」ている構造、限定事項又は要素は、当該仕事又は作業に対応する方法で、特に構造的に形成、構成又は適合されている。明確にするため及び疑義回避のために、変更しなければタスク又は作業を実施することができない対象物は、本明細書で用いられるタスク又は作業を実施する「ように構成」されているものではない。
【0083】
上記の説明は、制限ではなく例示を意図していることを、理解されたい。例えば、上述の実施形態(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わされて使用されうる。更に、本開示の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料に適合するように、本開示の様々な実施形態の教示に多くの修正を加えることができる。本明細書に記載の材料の寸法及び種類は、本開示の様々な実施形態のパラメータを定義することを意図しているが、これらの実施形態は決して限定的なものではなく、例示的な実施形態である。上の記述を検討すれば、他の多くの実施形態が当業者には明らかになるであろう。したがって、本開示の様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲とともに、かかる特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲を参照して決定されるものとする。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「これにおいて(in which)」という用語はそれぞれ、「備える(comprising)」及び「ここで(wherein)」という用語の明白な同義語として使用される。また、「第1の」、「第2の」及び「第3の」等の用語は、単にラベルとして使用されており、それらの対象物に数的要件を付すことを意図するものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション形式で記述されておらず、かかる特許請求の範囲の限定が、更なる構造を欠く機能の記述が後続する、「~のための手段(means for)」という言い回しを明示的に使用しない限り、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0084】
さらに、本開示は以下の条項による実施形態を含む。
【0085】
条項1.移動固定設備システム(100)であって、
複数の移動固定設備(110、110a、110b)を備え、
各移動固定設備(110、110a、110b)は、
フロア(102)を走行するよう構成された可動基部(120)と、
可動基部(120)に連結されており、可動基部(120)に対して関節作動可能な支持プラットフォーム(130)と、
支持プラットフォーム(130)と連結されており支持プラットフォーム(130)と共に動くアダプタインタフェース(140、140a、140b)であって、被取付部材(150)と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェース(140、140a、140b)と、
アダプタインタフェース(140)に接続され、アダプタインタフェース(140)と被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成された少なくとも1つのセンサ(160)と、
可動基部(120)と、支持プラットフォーム(130)と、少なくとも1つのセンサ(160)とに動作可能に接続されたコントローラ(170)であって、少なくとも1つのセンサ(160)により検出された力又は運動の少なくとも1つに応じて、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成されたコントローラ(170)と
を備え、
各移動固定設備(110、110a、110b)は、対応するアダプタインタフェース(140、140a、140b)を介して、被取付部材(150)の異なる部分に同時に係合するよう構成され、移動固定設備(110、110a、110b)は、被取付部材(150)を介して互いに動作可能に連結される、移動固定設備システム(100)。
【0086】
条項2.各移動固定設備(110)のコントローラ(170)は、被取付部材(150)の移動と関連する対応する検出された少なくとも力又は移動に応じて、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの対応する少なくとも1つの移動を自律的に制御し、これにより、対応する移動固定設備(110)の移動を、他の移動固定設備(110、110a、110b)に対して調整するよう構成され、その際に、移動固定設備(110)が他の移動固定設備(110、110a、110b)に移動命令を伝えることはない、条項1に記載の移動固定設備システム(100)。
【0087】
条項3.複数の移動固定設備(110、110a、110b)が、リード移動固定設備(110a)と、少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)とを含み、リード移動固定設備(110a)のコントローラ(170)が、移動命令入力を受信し、移動命令入力に応じて、被取付部材(150)の移動を実施するよう構成され、少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)のコントローラ(170)が、実施された移動に応じて、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの対応する少なくとも1つの移動を自律的に制御し、これにより、リード移動固定設備(110a)に対して少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)の移動を調整するよう構成され、その際に、リード移動固定設備(110a)が、少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)に移動命令を伝えることはない、条項1に記載の移動固定設備システム(100)。
【0088】
条項4.複数の移動固定設備(110、110a、110b)が、リード移動固定設備(110a)としての構成と少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)としての構成との間で選択的に切り替え可能である、条項3に記載の移動固定設備システム(100)。
【0089】
条項5.各移動固定設備(110、110a、110b)は、アダプタインタフェース(140)と可動基部(120)との間に配置されたエンドイフェクタアクチュエータ(180)を更に備え、コントローラ(170)は、エンドイフェクタアクチュエータ(180)を介して、可動基部(120)に対して、アダプタインタフェース(140)を関節作動させるよう構成される、条項1に記載の移動固定設備(110)。
【0090】
条項6.各移動固定設備(110、110a、110b)のコントローラ(170)は、検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、対応する可動基部(120)に対して、対応するアダプタインタフェース(140、140a、140b)を関節作動させ、対応するアダプタインタフェース(140、140a、140b)の関節作動に応じて、フロア(102)に沿って対応する可動基部(120)を移動させ、対応する可動基部(120)を、対応するアダプタインタフェース(140)に関して中央ポジションに向けて推進するよう構成される、条項1に記載の移動固定設備(110)。
【0091】
条項7.各移動固定設備(110、110a、110b)の可動基部(120)は、ジャッキ(300)及び車輪(302、310)を備え、車輪(302、310)は、フロア(102)を移動するよう構成され、ジャッキ(300)は、可動基部(120)をフロア(102)に対して固定のポジションで維持するために、フロア(102)に係合するよう構成される、条項1に記載の移動固定設備システム(100)。
【0092】
条項8.コントローラ(170)は、検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、可動基部(120)を固定された構成から可動的な構成へと動かすために、フロア(102)からジャッキ(300)を外すよう構成される、条項7に記載の移動固定設備システム(100)。
【0093】
条項9.少なくとも1つのセンサ(160)は、力センサ、トルクセンサ、軸エンコーダ、又は傾きセンサの少なくとも1つを含む、条項1に記載の移動固定設備システム(100)。
【0094】
条項10.方法(1000)であって、
複数の移動固定設備(110、110a、110b)を用意することであって、
各移動固定設備(110、110a、110b)は、
フロア(102)を走行するよう構成された可動基部(120)と、
可動基部(120)に連結されており、可動基部(120)に対して関節作動可能な支持プラットフォーム(130)と、
支持プラットフォーム(130)と連結されており支持プラットフォーム(130)と共に動くアダプタインタフェース(140、140a、140b)であって、被取付部材(150)と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェース(140、140a、140b)と、
アダプタインタフェース(140)に接続され、アダプタインタフェース(140)と被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成された少なくとも1つのセンサ(160)と、
可動基部(120)と、支持プラットフォーム(130)と、少なくとも1つのセンサ(160)とに動作可能に接続されたコントローラ(170)であって、少なくとも1つのセンサ(160)により検出された力又は運動の少なくとも1つに応じて、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成されたコントローラ(170)と
を備える、複数の移動固定設備(110、110a、110b)を用意することと、
対応するアダプタインタフェース(140、140a、140b)を介して、被取付部材(150)の異なる部分を各移動固定設備(110、110a、110b)と係合させることであって、移動固定設備(110、110a、110b)は被取付部材(150)を介して互いに動作可能に連結される、被取付部材(150)の異なる部分を各移動固定設備(110、110a、110b)と係合させることと、
少なくとも1つの移動固定設備(110、110a、110b)のアダプタインタフェース(140)に接続された少なくとも1つのセンサ(160)で、アダプタインタフェース(140)と被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は運動の少なくとも1つを感知することと、
少なくとも1つのセンサ(160)により検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、対応する少なくとも1つの移動固定設備(110、110a、110b)の可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を自律的に制御すること
を含む、方法(1000)。
【0095】
条項11.各移動固定設備(110、110a、110b)について、被取付部材(150)の移動と関連する対応する検出された少なくとも力又は移動に応じて、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの対応する少なくとも1つの移動を自律的に制御し、これにより、対応する移動固定設備(110、110a、110b)の移動を、他の移動固定設備(110、110a、110b)に対して調整することを更に含み、その際に、移動固定設備(110)が他の移動固定設備(110、110a、110b)に移動命令を伝えることはない、条項10に記載の方法(1000)。
【0096】
条項12.複数の移動固定設備(110、110a、110b)が、リード移動固定設備(110a)と、少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)とを含み、
方法(1000)は、
リード移動固定設備(110a)によって、移動命令入力を受信することと、
移動命令入力に応じて、リード移動固定設備(110a)の被取付部材(150)の移動を実施することであって、実施された移動は被取付部材(150)に影響を与える、移動を実施することと、
実施された移動に応じて、少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)の可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)の対応する少なくとも1つによる移動を自律的に制御し、これにより、リード移動固定設備(110a)に対して少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)の移動を調整することであって、リード移動固定設備(110a)が少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)に移動命令を伝えることはない、少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)の移動を調整すること
を更に含む、条項10に記載の方法(1000)。
【0097】
条項13.少なくとも1つの移動固定設備(110、110a、110b)を、リード移動固定設備(110a)としての構成と少なくとも1つの追随移動固定設備(110b)としての構成との間で選択的に切り替えることを更に含む、条項12に記載の方法(1000)。
【0098】
条項14.少なくとも1つの移動固定設備(110、110a、110b)について、
検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、対応する可動基部(120)に対して、対応するアダプタインタフェース(140、140a、140b)を関節作動させることと、
対応するアダプタインタフェース(140、140a、140b)の関節作動に応じて、対応する可動基部(120)をフロア(102)に沿って移動させ、対応する可動基部(120)を、対応するアダプタインタフェース(140)に関して中央ポジションに向けて推進すること
を更に含む、条項10に記載の方法(1000)。
【0099】
条項15.検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、固定された構成から可動的な構成へと可動基部(120)を自律的に動かすことを更に含む、条項10に記載の方法(1000)。
【0100】
条項16.移動固定設備(110)の動作を制御するよう構成された移動固定設備コントローラ(170)であって、
移動固定設備は、
フロア(102)を走行するよう構成された可動基部(120)と、
可動基部(120)に連結されており、可動基部(120)に対して関節作動可能な支持プラットフォーム(130)と、
支持プラットフォーム(130)と連結されており支持プラットフォーム(130)と共に動くアダプタインタフェース(140、140a、140b)であって、被取付部材(150)と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェース(140、140a、140b)と、
アダプタインタフェース(140)に接続された少なくとも1つのセンサ(160)と、を備え、
移動固定設備コントローラ(170)は、可動基部(120)と、支持プラットフォーム(130)と、少なくとも1つのセンサ(160)とに動作可能に接続され、
移動固定設備コントローラ(170)は、
アダプタインタフェース(140)と被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つに対応した、少なくとも1つのセンサ(160)からの入力を受信し、
検出された力又は移動の少なくとも1つに対処するために、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの計画された移動を決定し、
計画された移動に従って、少なくとも1つのセンサ(160)により検出された力又は運動の少なくとも1つに応じて、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を制御する
よう構成される、移動固定設備コントローラ(170)。
【0101】
条項17.移動固定設備コントローラ(170)は、被取付部材(150)の移動と関連する検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を自律的に制御し、これにより、被取付部材(150)の移動を、当該被取付部材(150)を支持する少なくとも1つの他の移動固定設備(110)と合わせて調整するよう構成され、その際に、移動固定設備(110)が、少なくとも1つの他の移動固定設備(110)に移動命令を伝えることはない、条項16に記載の移動固定設備コントローラ(170)。
【0102】
条項18.移動固定設備コントローラ(170)は、アダプタインタフェース(140)と可動基部(120)との間に配置されたエンドイフェクタアクチュエータ(180)に対して命令信号(904)を提供し、エンドイフェクタアクチュエータ(180)を介して可動基部(120)に対してアダプタインタフェース(140)を関節作動させるよう構成される、条項16又は17に記載の移動固定設備コントローラ(170)。
【0103】
条項19.移動固定設備コントローラ(170)は、検出された少なくとも1つの力又は移動応じて、エンドイフェクタアクチュエータ(180)を介して、可動基部(120)に対してアダプタインタフェース(140)を関節作動させるために、第1の命令信号(904)を提供し、アダプタインタフェース(140)の関節作動に応じて、フロア(102)に沿って基部(120)を動かし、アダプタインタフェース(140)に関して基部(120)を中央ポジションと推進するために、第2の命令信号(904)を提供するよう構成される、条項18に記載の移動固定設備コントローラ(170)。
【0104】
条項20.移動固定設備コントローラ(170)は、検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、固定された構成から可動的な構成へと可動基部(120)を移動させるよう構成される、条項16から19のいずれか一項に記載の移動固定設備(110)。
【0105】
条項21.コントローラ(170)は、移動固定設備(110)を、搬送モード、静止モード、及びコンプライアンスモードを含む少なくとも3つのモードの1つにおいて選択的に動かすよう構成され、
搬送モードでは、移動固定設備コントローラ(170)は、検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、可動基部(120)に対してアダプタインタフェース(140)を関節作動させ、アダプタインタフェース(140)の関節作動に応じて基部(120)をフロア(102)に沿って移動させ、アダプタインタフェース(140)に関して中央ポジションに向けて基部(120)を推進するよう構成され、
静止モードでは、移動固定設備コントローラ(170)は、可動基部(120)をフロア(102)に対して固定のポジションで維持するよう構成され、
コンプライアンスモードでは、移動固定設備コントローラ(170)は、手動入力に応じてアダプタインタフェース(140)を関節作動させるよう構成される、条項16から20のいずれか一項に記載の移動固定設備コントローラ(170)。
【0106】
条項22.コンプライアンスモードでは、移動固定設備コントローラ(170)は、閾値を満たす検出された力に応じて、アダプタインタフェース(140)を関節作動させるよう構成される、条項21に記載の移動固定設備コントローラ(170)。
【0107】
条項23.移動固定設備コントローラ(170)は、閾値を満たす検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、静止モードから移動固定設備(110)を自律的に再移動させるよう構成される、条項21に記載の移動固定設備コントローラ(170)。
【0108】
条項24.方法(1000)であって、
移動固定設備(110)の可動基部(120)に対して、移動固定設備(110)の支持プラットフォーム(130)を関節作動させることと、
移動固定設備(110)のアダプタインタフェース(140)を被取付部材(150)に結合することであって、アダプタインタフェース(140)は、移動固定設備(110)の支持プラットフォーム(130)に連結されており移動固定設備(110)の支持プラットフォーム(130)と共に動き、支持プラットフォーム(130)は、移動固定設備(110)の可動基部(120)に連結されている、結合することと、
アダプタインタフェース(140)に接続された少なくとも1つのセンサ(160)で、アダプタインタフェース(140)と被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを感知することと、
コントローラ(170)で、少なくとも1つのセンサ(160)により検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を制御すること
を含む、方法(1000)。
【0109】
条項25.少なくとも1つの追加的な移動固定設備(110)のアダプタインタフェース(140)を、被取付部材(150)に結合することと、
検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、移動プラットフォームの支持プラットフォーム(130)の移動を制御して、移動固定設備(110)及び被取付部材(150)の移動を、少なくとも1つの追加的な移動固定設備(110)に揃えることであって、
その際に、被取付部材(150)を調整するための命令が少なくとも1つの追加的な移動固定設備(110)に伝えられることはない、揃えること
を更に含む、条項24に記載の方法(1000)。
【0110】
条項26.アダプタインタフェース(140)と可動基部(120)との間に配置されたエンドイフェクタアクチュエータ(180)を制御して、可動基部(120)に対してアダプタインタフェース(140)を関節作動させること
を更に含む、条項25に記載の方法(1000)。
【0111】
条項27.検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、可動基部(120)に対してアダプタインタフェース(140)を関節作動させ、アダプタインタフェース(140)の関節作動に応じて、可動基部(120)をフロア(102)に沿って移動させ、可動基部(120)を、アダプタインタフェース(140)に関して中央ポジションに向けて推進することを更に含む、条項25又は26に記載の方法(1000)。
【0112】
条項28.検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、固定された構成から可動的な構成へと可動基部(120)を自律的に動かすことを更に含む、条項25から27のいずれか一項に記載の方法(1000)。
【0113】
条項29.力又は移動の少なくとも1つが、力センサ、トルクセンサ、軸エンコーダ、又は傾きセンサを用いて検出される、条項25から28のいずれか一項に記載の方法(1000)。
【0114】
条項30.搬送モード、静止モード、及び、コンプライアンスモードを含む3つのモードのうちの1つで移動固定設備(110)を選択的に操作することを更に含み、
搬送モードでは、アダプタインタフェース(140)が、検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、可動基部(120)に対して関節作動させられ、基部(120)が、アダプタインタフェース(140)の関節作動に応じてフロア(102)に沿って動かされ、基部(120)がアダプタインタフェース(140)に関して中央ポジションに向けて推進され、
静止モードでは、可動基部(120)が、フロア(102)に対して固定のポジションで維持され、
コンプライアンスモードでは、アダプタインタフェース(140)が、手動入力に応じて関節作動させられる、
条項25から29のいずれか一項に記載の方法(1000)。
【0115】
条項31.コンプライアンスモードでは、アダプタインタフェース(140)が、閾値を満たす検出された力に応じて関節作動させられる、条項30に記載の方法(1000)。
【0116】
条項32.閾値を満たす検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、静止モードから移動固定設備(110)を自律的に再移動させることを更に含む、条項30に記載の方法(1000)。
【0117】
条項33.移動固定設備(110)であって、
フロア(102)を走行するよう構成された可動基部(120)と、
可動基部(120)に連結されており、可動基部(120)に対して関節作動可能な支持プラットフォーム(130)と、
支持プラットフォーム(130)と連結されており支持プラットフォーム(130)と共に動くアダプタインタフェース(140)であって、被取付部材(150)と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェース(140)と、
アダプタインタフェース(140)に接続され、アダプタインタフェース(140)と被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成された少なくとも1つのセンサ(160)と、
可動基部(120)と、支持プラットフォーム(130)と、少なくとも1つのセンサ(160)とに動作可能に接続されたコントローラ(170)であって、少なくとも1つのセンサ(160)により検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成されたコントローラ(170)と
を備える、移動固定設備(110)。
【0118】
条項34.コントローラ(170)は、被取付部材(150)の移動と関連する検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を自律的に制御し、これにより、被取付部材(150)の移動を、当該被取付部材(150)を支持する他の移動固定設備(110)にと合わせて調整するよう構成され、その際に、移動固定設備(110)が、少なくとも1つの他の移動固定設備(110)に移動命令を伝えることはない、条項33に記載の移動固定設備(110)。
【0119】
条項35.アダプタインタフェース(140)と可動基部(120)との間に配置されたエンドイフェクタアクチュエータ(180)を更に備え、コントローラ(170)は、エンドイフェクタアクチュエータ(180、180a、180b)を介して、可動基部(120)に対してアダプタインタフェース(140)を関節作動させるよう構成される、条項33又は34に記載の移動固定設備(110)。
【0120】
条項36.コントローラ(170)は、検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、可動基部(120)に対してアダプタインタフェース(140)を関節作動させ、アダプタインタフェース(140)の関節作動に応じて、フロア(102)に沿って可動基部(120)を移動させ、可動基部(120)を、アダプタインタフェース(140)に関して中央ポジションに向けて推進するよう構成される、条項33から35のいずれか一項に記載の移動固定設備(110)。
【0121】
条項37.基部(120)は、ジャッキ及び車輪を備え、車輪は、フロア(102)を走行するよう構成され、ジャッキは、フロア(102)に対して固定の位置で可動基部(120)を維持するために、フロア(102)と係合するよう構成される、条項33から36のいずれか一項に記載の移動固定設備(110)。
【0122】
条項38.コントローラ(170)は、検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、可動基部(120)を、固定された構成から可動的な構成へと動かすために、フロア(102)からジャッキを外すよう構成される、条項37に記載の移動固定設備(110)。
【0123】
条項39.少なくとも1つのセンサ(160)は、力センサ(160)、トルクセンサ(160)、軸エンコーダ、又は傾きセンサ(160)の少なくとも1つを含む、条項33から38のいずれか一項に記載の移動固定設備(110)。
【0124】
条項40.コントローラ(170)は、移動固定設備(110)を、搬送モード、静止モード、及びコンプライアンスモードを含む少なくとも3つのモードの1つにおいて選択的に操作するよう構成され、
搬送モードでは、コントローラ(170)は、検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、可動基部(120)に対してアダプタインタフェース(140)を関節作動させ、アダプタインタフェース(140)の関節作動に応じて基部(120)をフロア(102)に沿って移動させ、アダプタインタフェース(140)に関して中央ポジションに向けて基部(120)を推進するよう構成され、
静止モードでは、コントローラ(170)は、フロア(102)に対して固定のポジションに可動基部(120)を維持するよう構成され、
コンプライアンスモードでは、コントローラ(170)は、手動入力に応じてアダプタインタフェース(140)を関節作動させるよう構成される、条項33から39のいずか一項に記載の移動固定設備(110)。
【0125】
条項41.コンプライアンスモードでは、コントローラ(170)は、閾値を満たす検出された力に応じて、アダプタインタフェース(140)を関節作動させるよう構成される、条項40に記載の移動固定設備(110)。
【0126】
条項42.コントローラ(170)は、閾値を満たす検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、静止モードから移動固定設備(110)を自律的に移動させるよう構成される、条項40に記載の移動固定設備(110)。
【0127】
条項43.方法(1000)であって、
複数の移動固定設備(110)を用意することであって、
移動固定設備(110)は、
フロア(102)を走行するよう構成された可動基部(120)と、
可動基部(120)に連結されており、可動基部(120)に対して関節作動可能な支持プラットフォーム(130)と、
支持プラットフォーム(130)と連結されており支持プラットフォーム(130)と共に動くアダプタインタフェース(140)であって、被取付部材(150)と機械的に接触するよう構成されたアダプタインタフェース(140)と、
アダプタインタフェース(140)に接続され、アダプタインタフェース(140)と被取付部材(150)との間の相互作用から生じた力又は移動の少なくとも1つを検出するよう構成された少なくとも1つのセンサ(160)と、
可動基部(120)と、支持プラットフォーム(130)と、少なくとも1つのセンサ(160)とに動作可能に接続されたコントローラ(170)であって、少なくとも1つのセンサ(160)により検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を制御するよう構成されたコントローラ(170)と
を備える、複数の移動固定設備(110)を用意することと、
対応するアダプタインタフェース(140)を介して、被取付部材(150)の一部分を移動固定設備(110)と係合させることであって、被取付部材(150)が他の移動固定装置(110)と互いに動作可能に連結される、被取付部材(150)の一部分を移動固定設備(110)と係合させることと、
移動固定設備(110)のアダプタインタフェース(140)に接続された少なくとも1つのセンサ(160)で、被取付部材(150)の移動から生じた力又は移動の少なくとも1つを感知することと、
少なくとも1つのセンサ(160)により検出された力又は移動の少なくとも1つに応じて、対応する少なくとも1つの移動固定設備(110)の可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの対応する少なくとも1つの移動を自律的に制御すること
を含む、方法(1000)。
【0128】
条項44.被取付部材(150)の移動と関連する検出された少なくとも力又は移動に応じて、可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの少なくとも1つの移動を自律的に制御し、これにより、移動固定設備(110)の移動を他の移動固定設備(110)に対して調整することを含み、その際に、移動固定設備(110)が他の移動固定設備(110)に移動命令を伝えることはない、条項43に記載の方法(1000)。
【0129】
条項45.移動固定設備(110)が、リード移動固定設備(110)として構成され、他の移動固定設備(110)が、追随移動固定設備(110)として構成され、
方法(1000)が、
リード移動固定設備(110)によって、移動命令入力を受信することと、
移動命令入力に応じて、リード移動固定設備(110)の被取付部材(150)の移動を実施することであって、実施された移動は被取付部材(150)に影響を与える、移動を実施することと、
実施された移動に応じて、他の追随移動固定設備(110b)の可動基部(120)又は支持プラットフォーム(130)のうちの対応する少なくとも1つの移動を自律的に制御し、これにより、リード移動固定設備(110)に対して、追随移動固定設備(110)の移動を調整することであって、リード移動固定設備(110)が追随移動固定設備(110)に移動命令を伝えることはない、調整すること
を更に含む、条項43又は44に記載の方法(1000)。
【0130】
条項46.移動固定設備(110)を、リード移動固定設備(110)としての構成と少なくとも1つの追随移動固定設備(110)としての構成との間で選択的に切り替えることを更に含む、条項45に記載の方法(1000)。
【0131】
条項47.検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、対応する可動基部(120)に対してアダプタインタフェース(140)を関節作動させることと、
対応するアダプタインタフェース(140)の関節作動に応じて、対応する可動基部(120)をフロア(102)に沿って移動させ、対応する可動基部(120)を、対応するアダプタインタフェース(140)に対して中央ポジションに向けて推進すること
を更に含む、条項43から46のいずれか一項に記載の方法(1000)。
【0132】
条項48.検出された少なくとも1つの力又は移動に応じて、固定された構成から可動的な構成へと可動基部(120)を自律的に移動させることを更に含む、条項43から46のいずれか一項に記載の方法(1000)。
【0133】
ここに記載した説明では、ベストモードを含む本開示の様々な実施形態を開示し、且つ当業者が任意の装置又はシステムの作成及び使用、並びに組込まれた任意の方法の実行を含め、本開示の様々な実装態様を実施することを可能にするために実施例を使用している。本開示の様々な実施形態の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到するその他の実施例を含みうる。このようなその他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言と相違しない構造的要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない等価な構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲内に入ることが意図される。
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