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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】穴を有する燃焼消火ファスナキャップ
(51)【国際特許分類】
   B64D 45/02 20060101AFI20240307BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
B64D45/02
B64C1/00 A
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019159384
(22)【出願日】2019-09-02
(65)【公開番号】P2020059488
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】62/729,677
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/209,312
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ローパー, クリストファー スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】シューベルト, ランドル コリン
(72)【発明者】
【氏名】クォン, エディ
(72)【発明者】
【氏名】ダマゾ, ジェイソン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ハンゼン, ダリン エム.
(72)【発明者】
【氏名】オマスタ, マーク ランダル
(72)【発明者】
【氏名】シュティルケ, モーガン エー.
【審査官】大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-023694(JP,A)
【文献】特開2015-061984(JP,A)
【文献】特開2017-203475(JP,A)
【文献】特開2017-223352(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0128983(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 45/02
B64C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部(31)および反対側の第2の端部(32)を備える基部(30)と、
前記基部(30)の前記第2の端部(32)に配置された開いた端部(21)を備え、閉じた端部(22)をさらに備えるキャップ(20)と、
前記基部(30)および前記キャップ(20)内に配置され、ファスナ(110)の上に広がっている大きさである内部空間(16)と、
前記内部空間(16)から前記キャップ(20)の外の外部環境まで前記キャップ(20)を貫通して延びる複数の穴(40)であって、各穴(40)が、0.1mm~2.0mmの水力直径を備える、複数の穴(40)と、
を備え
前記各穴(40)が、前記キャップ(20)の内側面(14)における第1の端部(41)と、前記キャップ(20)の外側面(15)における第2の端部(42)を含み、かつ
前記各穴(40)について、前記穴(40)の前記第2の端部(42)の任意の点と前記穴(40)の前記第1の端部(41)の任意の点を通って延びる直線が、前記ファスナ(110)と交差しないように構成されている、カバー。
【請求項2】
前記内部空間(16)が、前記基部(30)の前記第1の端部(31)を通って延びる縦軸を備え、
除外ゾーン(50)が、前記第1の端部(31)と前記縦軸との交点で前記内部空間(16)に配置され、
前記穴(40)が、前記穴(40)を通る、前記外部環境から前記除外ゾーン(50)までの視線を生じさせないように位置合わせされている、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
前記キャップ(20)を貫通して延びる前記穴(40)が、前記キャップ(20)および前記基部(30)の表面積の0.1%~90%を占める、請求項1または2に記載のカバー。
【請求項4】
各穴(40)が、真っ直ぐな中心線を備え、各穴(40)の前記中心線が、平行であかつ互いに交差しない、請求項1から3のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項5】
各穴(40)が、前記穴(40)の前記第1の端部(41)と前記穴(40)の前記第2の端部(42)との間に屈曲部を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項6】
前記キャップ(20)が、前記穴(40)のないマスキング領域(29)を含み、前記マスキング領域(29)が、前記開いた端部(21)から前記閉じた端部(22)に向かって延びる、請求項1から5のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項7】
前記キャップ(20)の前記開いた端部(21)が、前記閉じた端部(22)よりも広い幅を有し、前記幅が、前記キャップ(20)の縦軸と直角方向に測定される、請求項1から6のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項8】
前記穴(40)が、前記外部環境から前記基部(30)の前記第1の端部(31)までの視線を生じさせないように位置合わせされている、請求項1から7のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項9】
前記基部(30)の前記第1の端部に配置されたガスケット(58)であって、前記基部(30)の前記第1の端部(31)を部材(100)に適合させるように構成されたガスケット(58)を、さらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項10】
前記カバー(10)と部材(100)の間に間隙があり、
前記間隙は、スペーサ(65)または接着剤(61)で少なくとも部分的に埋められている、請求項1から8のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項11】
ファスナの上にカバーを取り付ける方法であって、
前記カバー(10)の内側面(14)に第1の端部(41)があり、前記カバー(10)の外側面(15)に第2の端部(42)がある、前記カバー(10)を貫通して延びる複数の穴(40)を備える前記カバー(10)を、部材(100)から延びるファスナ(110)の上に配置することであって、前記カバー(10)の、開いた第1の端部(11)が、前記ファスナ(110)の周りに配置され、前記カバー(10)の、閉じた第2の端部(12)が、前記ファスナ(110)の上に広がるように、配置することと、
前記ファスナ(110)が外部環境から前記複数の穴(40)を通して見えないように前記穴(40)が位置合わせされるように、前記ファスナ(110)の上で前記カバー(10)を位置合わせすることと、を含み、
前記ファスナ(110)の上で前記カバー(10)を位置合わせすることが、各穴(40)について、前記穴(40)の前記第2の端部(42)の任意の点と前記穴(40)の前記第1の端部(41)の任意の点を通って延びる直線が、前記ファスナ(110)と交差しないように、前記カバー(10)を位置合わせすることを含む方法。
【請求項12】
前記カバー(10)の中実部分(29)を前記ファスナ(110)に隣接して位置合わせすることと、前記穴(40)を前記ファスナ(110)からより遠くに位置合わせすることと、をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ファスナ(110)および少なくとも1つの他のファスナ(110)の上に前記カバー(10)を配置することを、さらに含む、請求項11または2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、発火を消火するための装置および方法に関し、より具体的には、ファスナの上に配置されて、発火を消火するように構成されたカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
航空宇宙産業では、航空機の落雷は、アーク、高温ガスを生成する材料の蒸発、および/または蒸気燃料混合物を発火させるのに十分な加熱をもたらす可能性があるため、懸念事項である。落雷は通常、害をもたらすことなく航空機を通り抜けるが、最近の航空機の設計では、落雷のエネルギーを逸らすおよび/または散逸させるための金属と導体が少ない複合材料が組み込まれている。
【0003】
航空機への落雷中、高電流が、航空機の導電性の経路を通って伝搬し得る。特定の航空機設計で使用される複合材料の非等方性の電気伝導と、パネル境界面での潜在的に不十分な電気的接続により、電流が、ある複合パネルから別のパネルに伝搬するときに、ファスナを通過する可能性がある。ファスナを通過している間、電流は、アーク、高温ガス、および/または高温粒子などの電磁効果を生成し、これらは、可燃性燃料蒸気と相互作用する可能性がある(安全対策がない場合)。このようにエネルギーの放出が抑えられていない場合、航空機の燃料タンクが発火する危険性がある。典型的な民間航空機では、数百から数千のファスナが、燃料タンクの中に延びていることがあり、それぞれが、落雷の際の発火を防ぐように構成されている必要がある。
【0004】
安全対策として、落雷の結果として生じる可能性のあるアーク、高温ガス、または高温粒子から燃料タンク内の燃料混合物を密封するために、ファスナをポリサルファイドキャップシールで覆うことができる。ただし、これらのキャップが有効であるためには、落雷中に損なわれない気密シールが必要である。気密シールがないと、燃料がファスナに接触したり、アーク、高温ガス、または高温粒子が、密封されていないキャップを迂回して、発火の危険性をもたらしたりすることがある。さらに、環境曝露(熱サイクルなど)および/またはファスナでの電磁効果により、シールが損傷する可能性がある。回復力のある気密シールを達成することは、航空機ごとに何千回も繰り返す必要がある労働集約的なプロセスである。関連する取り付け時間と検査時間は、航空機のコストと生産時間を増加させる。
【発明の概要】
【0005】
一態様は、第1の端部および反対側の第2の端部を有する基部を含むカバーに関する。開いた端部を有するキャップが、基部の第2の端部に配置されている。キャップは、閉じた端部を、さらに含む。基部およびキャップ内に配置された内部空間は、少なくとも1つのファスナの上に広がる大きさである。穴が、キャップを貫通して内部空間からキャップの外の外部環境まで延びている。各穴は、0.1mm~2.0mmの水力直径を含む。
【0006】
一態様は、開いた第1の端部および閉じた第2の端部、内側面および外側面、ならびにファスナの上に広がる大きさの内部空間を有する本体を含むカバーに関する。内部空間から外部環境への流体の通過を可能にするために、穴が、本体を貫通して延びている。各穴は、内側面に第1の端部を含み、外側面に第2の端部を含む。除外ゾーンが、本体の第1の端部の中央の内部空間に配置されている。各穴は、第1の端部の任意の点と第2の端部の任意の点との間に延びる直線が除外ゾーンと交差しないように、構成されている。
【0007】
一態様は、ファスナの上にカバーを取り付ける方法に関する。この方法は、カバーの開いた第1の端部が、ファスナの周りに配置され、カバーの閉じた第2の端部が、ファスナの上に広がるように、部材から延びるファスナの上にカバーを配置することを含む。カバーは、カバーの内側面に第1の端部があり、カバーの外側面に第2の端部がある、カバーを貫通して延びる穴を含む。この方法は、ファスナが外部環境から複数の穴を通して見えないように穴が位置合わせされるように、ファスナの上でカバーを位置合わせすることを含む。
【0008】
論じられた特徴、機能、および利点は、さまざまな態様で独立して達成することができ、またはさらに他の態様で組み合わせることができ、そのさらなる詳細は、以下の説明および図面を参照して見ることができる。
【0009】
このように一般的な用語で本開示の変形を説明したが、次に、必ずしも縮尺通りに描かれていない添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態による、ファスナの上に広がるカバーの側面概略図である。
図2】一実施形態による、ファスナの上に広がるカバーの斜視図である。
図3図2のカバーの分解斜視図である。
図4図2のIV-IV線に沿って切られたカバーの概略断面図である。
図5】一実施形態による、穴を有するカバーの部分概略断面図である。
図6】一実施形態による、穴を有するカバーの部分概略断面図である。
図7】一実施形態による、視線がカバーの第1の端部から離れるように位置合わせされた穴の概略断面図である。
図8】一実施形態による、視線がファスナの第1の端部から離れるように位置合わせされた穴の概略断面図である。
図9】一実施形態による、視線が除外ゾーンから離れるように位置合わせされた穴の概略断面図である。
図10】一実施形態による、部材に取り付けられたカバーの概略側面図である。
図11】一実施形態による、カバーの斜視図である。
図12】一実施形態による、基部の斜視図である。
図13】一実施形態による、ファスナの上に広がる、図11の線XIII-XIIIに沿って切られたカバーの概略断面図である。
図14】一実施形態による、ファスナの上に広がるカバーの概略断面図である。
図15】一実施形態による、基部の斜視図である。
図16】線XVI-XVIに沿って切られた図15の基部の概略断面図である。
図17】一実施形態による、複数のファスナの上に広がるカバーの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、ファスナ110の上に広がるカバー10を概略的に示している。カバー10は、ファスナ110の周りに広がる開いた第1の端部11を有する、空洞19を形成する本体13を含む。カバー10は、ファスナ110の上に広がり、ファスナ110を可燃性の外部環境120から保護する閉じた第2の端部12を、さらに含む。カバー10は、ファスナ110に面する内側面14と、反対側の外側面15とを含む。穴40が、内側面14と外側面15との間でカバー10を貫通して延びている。穴40は、可燃性の外部環境120を発火させる可能性のある熱および/または運動エネルギーを除去しながら、カバー10を通ってガス、液体、および/またはいくつかの粒子を排出する。穴40は、外部環境120からファスナ110までの視線が生じないように位置合わせされている。
【0012】
図2図4は、ファスナ110の上に広がるカバー10を示している。ファスナ110は、1つ以上の部材100に接続されている。ファスナ110は、可燃性の外部環境120に配置され、カバー10によって保護されている。ファスナ110は、本体119とヘッド116を含む。ファスナ110は、ねじ式ファスナ(例えば、ボルトまたはねじ)、スタッド、ピン、リベットなどの任意の適切なファスナであってよい。ファスナ110は、電流を逸らし、および/または発火源となり得る電磁効果に関連する可能性のある金属および/または導電性の構成要素を含む。
【0013】
ファスナ110は、ヘッド116がカバー10内にあるように配置することができる。ファスナ110はまた、本体119がカバー10内に配置されるように配置することもできる。
【0014】
一般に、部材100は、非金属であり、ファスナ110よりも導電性が低くなり得る構造体(プレートなど)を含む。部材100は、電気絶縁体(電気的に非導電性)および/または導電性の低い導電体を含むことができ、および/またはそれらであり得る。部材100はまた、導電性フィラーおよび/または補強材(例えば、金属フィラーおよび/または炭素繊維)などの導電体を含むこともでき、および/または導電層(例えば、金属フィルム、金属プレートなど)を含むことができる。部材100は、ポリマー(例えば、ポリウレタン)、複合材料(例えば、炭素繊維強化ポリマー(CFRP)および/またはガラス繊維)、セラミック、および/または金属を含むことができ、および/またはそれらから構築することができる。部材100は、材料のプレート、シート、ウェブ、および/または物体(例えば、翼、胴体)の大きな部分であり得る。
【0015】
ファスナ110は、可燃性の外部環境120に曝され、発火事象のリスクを潜在的にもたらすであろう。しかしながら、カバー10が、ファスナ110の上に取り付けられると、ファスナ110を内部空間16内に配置し、ファスナ110の周りの可燃性環境の容積部を可燃性の外部環境120から隔離する。内部空間16内で発生する可燃性環境の発火は、カバー10の外側に伝播せず、可燃性の外部環境120を発火させない。
【0016】
外部環境120は、可燃性物質および/または混合物を含むことができる。例えば、可燃性の外部環境120は、燃料(例えば、水素、気体の、液体の、および/もしくはエアロゾル化した炭化水素、ならびに/または、おがくずなどの浮遊微粒子)、酸化剤(例えば、酸素、フッ素、および/または亜酸化窒素)、ならびに任意選択で非反応性希釈剤(例えば、窒素、アルゴン、および/またはヘリウム)を、燃料/酸化剤混合物の可燃限界内の濃度で含むことができる。別の例として、可燃性の外部環境120は、分解爆発するガス(例えば、アセチレン、亜酸化窒素)を含むことができる。燃料の追加の具体的な例は、自動車燃料、ディーゼル燃料、航空燃料、および/またはジェット燃料などのエンジン燃料を含む。可燃性の外部環境120は、ガス、蒸気、エアロゾル、および/または微粒子を含むことができる。
【0017】
カバー10は、ファスナ110から放出される高温粒子がカバー10を通って移動することを防止することにより、可燃性の外部環境120の発火を防止することができる。本明細書で使用するとき、用語「高温粒子」は、可燃性の外部環境120の発火を引き起こすのに十分なサイズおよび/または熱エネルギーを有する、ファスナ110における発火源によりファスナ110から放出される粒子を指す。カバー10は、カバー10を通ってファスナ110から外部環境120までの直線軌道がなく、外部環境120からファスナ110までの視線がないように構成される。
【0018】
図4に示すように、カバー10は、ファスナ110の上に広がる内部空間16を形成する。カバー10は、開いてファスナ110の周りに広がっている第1の端部11と、閉じてファスナ110の上に広がっている第2の端部12とを備えた本体13を含む。カバー10は、内部空間16に向かって内部に面する内側面14と、反対側を向く外側面15とを含む。穴40が、内側面14と外側面15との間でカバー10を貫通して延びている。
【0019】
カバー10は、単一の一体構造、または複数部品構造を含むことができる。図3に示されるように、複数部品のカバー10は、キャップ20と基部30とを含むことができる。
【0020】
基部30は、第1の端部31と、反対側の第2の端部32とを含む。基部30は、内部空間16の一部を形成する中央開口部33を含む。基部30は、キャップ20を支持するように構成されており、接合、融着、溶接、熱かしめ、および接着を含むがこれらに限定されない様々な方法でキャップ20に結合することができる。例えば、基部30は、エポキシ、シアノアクリレート、ポリウレタン、ポリサルファイドなどの接着剤によってキャップ20に結合することができる。別の例として、基部30は、焼結、溶接など(例えば、高温ガス溶接、ポリマー溶接棒、熱板溶接、接触溶接、高周波溶接、誘導溶接、摩擦溶接、スピン溶接、レーザー溶接、超音波溶接、および/または溶剤溶接)によってキャップ20に結合することができる。さらに別の例として、基部30およびキャップ20の一方または両方が、互いに係合するスナップフィット機構を有することができる。
【0021】
キャップ20は、第1の端部21と、第2の端部22とを含む。第1の端部21は開いており、基部30の第2の端部32に接触するように構成されている。第2の端部22は閉じており、内部空間16の上に広がっている。キャップ20の形状および大きさは、様々であり得る。1つの設計は、第1の端部21の幅が第2の端部22の幅よりも大きくなるように、第1の端部21が外側に広がっていることを含み、幅は内部空間16の縦軸Aと直角方向に測定される。
【0022】
キャップ20は、内側面14と外側面15との間で測定される様々な厚さを有することができる。厚さは、キャップ20全体で一定であっても、異なっていてもよい。1つの設計は、0.1mm~10mmの範囲の厚さを含む。より具体的な設計は、0.5mm~5mmの範囲の厚さを含む。さらにより具体的な設計は、1mm~3mmの範囲の厚さを含む。キャップ20の厚さは、基部30の厚さと同じでも異なっていてもよい。
【0023】
穴40が、キャップ20を貫通して延び、内部空間16に排出口を提供する。図5に示すように、各穴40は、内側面14に第1の端部41を含み、外側面15に第2の端部42を含む。穴40は、円形、正方形、長方形、楕円形、および面取りした長方形を含むがこれらに限定されない様々な断面形状を含むことができる。穴40は、各穴40の中心線Yが互いに平行になるように真っ直ぐにすることができる。図6に示すように、穴40はまた、第1の端部41と第2の端部42との間に屈曲部または角部44を含むことができる。1つの設計では、本体13が射出成形され、成形ツールが本体13の内部に沿って出会うときに、屈曲部44が形成される。
【0024】
各穴40は、水力直径Dを含む。水力直径Dは、流れ面積の4倍を穴40の濡れ周囲長で割ったものに等しい。水力直径Dは、穴40の最小断面積で決定することができる。これは、等式[1]で以下に定義される。
[等式1] D=4A/P
A=穴の断面積
P=穴の断面の周囲長
【0025】
水力直径Dは、様々であり得る。1つの設計は、水力直径Dが0.1~2.0mmである各穴40を含む。別の設計は、水力直径Dが0.1~1.5mmである各穴40を含む。別の設計は、水力直径Dが0.5~1.2mmである各穴40を含む。
【0026】
穴40は、可燃性の外部環境120を発火させる可能性のある熱および/または運動エネルギーを除去しながら、ガス、液体、および/または粒子を、カバー10を通って流して排出する。穴40はまた、例えばカバー10が燃料タンク内に沈められたときに燃料などの流体を内部空間16から排出することを可能にすることができる。
【0027】
カバー10の穴40の数は、様々であり得る。1つの設計では、カバー10は、少なくとも4つの穴を含む。1つの設計では、穴40は、カバー10の表面積の0.1%~90%にわたって広がっている。1つの設計は、キャップ20だけに配置された穴40を含む。別の設計は、キャップ20および基部30に配置された穴40を含む。
【0028】
図7は、第1の端部11への視線が生じないように構成された穴40を備えたカバー10を含む。これは、穴40の第1の端部41の任意の点および穴40の第2の端部42の任意の点を通って引かれた直線Lが、カバー10の第1の端部11と交差しないことを、含むことができる。図8は、穴40の第1の端部41の任意の点および穴40の第2の端部42の任意の点を通って引かれた直線Lが、ファスナ110と交差しないようなカバー10を含む。
【0029】
図2図4に示されるように、キャップ20は、第1の端部31にマスキング領域29を含む。マスキング領域29は、穴40を含まない。マスキング領域29は、穴40を通るファスナ110への視線が生じないようにする。
【0030】
穴40は、外部環境120から内部空間16内の除外ゾーン50までの視線が生じないように構成することができる。図9に示されるように、除外ゾーン50は、カバー10の第1の端部11と内部空間16の縦軸Aとの交点を中心とする。除外ゾーン50は、交点から延びる半径rを含むことができる。半径rは、除外ゾーン50がファスナ110を収容するのに十分な大きさになるように、寸法設定される。穴40は、穴40の第1の端部41の任意の点および穴40の第2の端部42の任意の点を通って引かれた直線Lが除外ゾーン50と交差しないように構成される。
【0031】
カバー10は、様々な材料から作製することができる。材料は、ポリマー、強化ポリマー、ポリマー複合材料、および非導電性セラミックを含むことができるが、これらに限定されない。ポリマーの例は、PEEK、ナイロン、PTFE、ポリイミド、アセタール、PFA、Lytex、メラミンフェノール、ポリブチレンテレフタレート、トーロンなどの、ジェット燃料への曝露に耐えることができるものを含むが、これらに限定されない。1つの設計では、材料は、射出成形によりカバー10を形成するのに役立つ。キャップ20および基部30の両方を含むカバー10において、キャップ20および基部30は、同じまたは異なる材料から作製することができる。1つの設計では、基部30は、限定はされないが、アルミニウム、チタン、鋼などの、金属の構成要素から作製することができる。
【0032】
カバー10は、部材100上に配置される。第1の端部11は、部材100に直接接触することができる。いくつかの設計では、カバー10と部材100の間に間隙がある。図2図4に示されるように、間隙は、スペーサ65(例えば、Oリング、ガスケット)で少なくとも部分的に埋めることができる。図10に示されるように、間隙は、接着剤61(例えば、エポキシ、シアノアクリレート、ポリウレタン、ポリサルファイドなど)で埋めることもできる。接着剤61は、気密シールを形成することができる。埋められていない間隙の領域は、初期の火炎前面および/または高温粒子がカバー10の周りを回って(間隙を通って)伝播し、潜在的に外部環境120を発火させるのを防ぐような大きさおよび/または配置である。例えば、埋められていない間隙の領域は、水力直径HDよりも小さい寸法を有することができる。カバー10と部材100との間の埋められていない最大距離(すなわち、埋められていない間隙の領域)は、1mm未満、0.8mm未満、または0.5mm未満であり得る。
【0033】
カバー10は、ファスナ110に取り付けられてもよい。取り付けは、カバー10から延びてファスナ110に接続する1つ以上の要素、ファスナ110から延びてカバー10に接続する1つ以上の要素、およびそれらの組み合わせを含むことができる。追加的または代替的に、取り付けは、接着剤を含むことができる。さらに、接着剤は、カバー10を部材100に接続することができる。限定されないが、ポリサルファイドなどの様々な接着剤を取り付けに使用できる。1つの設計では、カバー10は、基部30とキャップ20とを含み、基部30は、ファスナ110に接続されている。
【0034】
図11図13は、ファスナ110に接続されたカバー10を含む。図11に示されるように、カバー10は、キャップ20と基部30とを含む。図12は、内部空間16の一部を形成する中央開口部89を備えた、ほぼ環状の形状を有する基部30を示している。保持機構が、中央開口部89の周りに延びて、ファスナ110と係合する。保持機構はそれぞれ、入口スロット81、カンチレバー82、および保持スロット83を含む。
【0035】
図13は、基部30と係合したファスナ110を示している。ファスナ110は、ナット118と係合するねじ山を備えた本体119を含む。ワッシャー111が、本体119の周りに延び、タブ112を含む。タブ112および入口スロット81は、ファスナ110が部材100に取り付けられた後にファスナ110を覆ってカバー10を付けることができるように、互いにぴったり嵌るように構成されている。入口スロット81は、保持カンチレバー82まで延び、その後、保持スロット83まで延びている。保持カンチレバー82は、入口スロット81から保持スロット83までタブ112を案内するように構成される。タブ112および/または保持カンチレバー82は、可撓性であってもよく、および/または可撓性アームを用いてそれぞれの構造に結合されてもよい。タブ112を入口スロット81の中に入れて、カバー10を取り付けることができる。カバー10のねじれにより、タブ112が保持カンチレバー82を通過するまで、タブ112が保持カンチレバー82に沿って動かされる。タブ112が保持カンチレバー82を通過すると、タブ112は、保持スロット83にカチッと入ることができ、および/または保持カンチレバー82が、適所にカチッと入って、タブ112を保持スロット83に保持することができる。タブ112および/または保持カンチレバー82は、タブ112が保持スロット83に保持されると、(例えば、適切な取り付けを示すために)可聴のカチッという音を出すことができる。
【0036】
図12は、4つのタブ112と、基部30上の4つの対応する取り付け機構とを示している。他の設計は、異なる数のタブ112と取り付け機構を含むことができる。また、この設計は、タブ112がワッシャー111の一部であることを含む。しかしながら、タブ112は、ワッシャー111、ナット118、および本体119などの、ファスナ110の任意の構成要素に結合されるか、またはその一体部分であってもよい。
【0037】
図14は、プッシュ型のスナップロック結合によってファスナ110に結合されたカバー10を示している。基部30は、1つ以上のリム84を含み、ファスナ110は、1つ以上の肩部117を含む。肩部117は、リム84と係合し、肩部117と部材100との間にリム84を嵌め込む表面である。リム84は、連続的な環状リム(カバー10の内周全体に広がる)であってもよく、またはカバー10の内周の周りに配置された1つ以上のリム84であってもよい。リム84は、カバー10の内周の周りに実質的に均一に分布してもよいし、または非対称に分布してもよい。
【0038】
肩部117は、2つのワッシャー111a、111bの組み合わせにより形成することができる。上部ワッシャー111aの下側が、上部ワッシャー111aと部材100との間に下部ワッシャー111bによって形成された凹部に肩部117を形成する。図14の例では、リム84は、環状突出部としてカバー10の縁部に形成されている。リム84は、カバー10が部材100まで押し下げられると曲がるように構成される。リム84が肩部117を越えて押されると、リム84は、図14に示される位置に伸びて、肩部117と部材100との間に嵌め込まれる。
【0039】
図15および図16は、別の基部30を示している。基部30は、囲まれた中央開口部89を備えた環状形状の本体87を含む。片持ち脚部88が、中央開口部89の方を向いている本体87の内側面から外向きに延びている。脚部88の端部は、本体87の内側面から半径方向内側に向かって間隔を空けて配置することができる。さらに、ペグ85が、本体87の内側面に沿って配置されてもよい。ガスケット86が、脚部88と本体87の内側面との間に配置されてもよい。ガスケット86は、さらに、ペグ85の端部と本体87の底縁部との間に配置されている。ガスケット86は、不規則な形状を有することがある部材100に基部30を適合させることができる。ある用途では、航空機の部材100の複合構造は、通常滑らかではなく、他の不規則性を含む可能性がある。ガスケット86は、不規則性に対応し、混合物および発火源が与えられた場合に許容されるよりも大きい水力直径Hを有する内部空間16への流路が生じないようにすることができる。ガスケット86はまた、高温粒子の視線軌道が生じないようにすることができる。ガスケット86は、環状形状を含み、基部30の周りに延びている。ガスケット86は、ニトリルゴムおよびフロロシリコーンゴムを含むがこれらに限定されない様々な材料から作製することができる。ガスケット86は、異なる場所で同じまたは異なる厚さを含むことができる。
【0040】
カバー10は、図17に示されるように、複数のファスナ110を覆うおよび/または囲む大きさにすることができる。ファスナ110は、列、円、配列、クラスタなどとして配置することができる。カバー10は、各ファスナ110の上に広がる大きさの単一の内部空間16を含むことができる。カバー10は、2つ以上の別個の内部空間16を含むことができ、各内部空間16は、1つ以上のファスナ110の上に広がる大きさである。異なる内部空間16は、1つ以上の壁によって分離することができる。カバー10は、内部空間に位置する2つ以上のファスナ110のそれぞれに接続するように構成することができる。
【0041】
カバー10は、様々な異なる状況で使用することができる。1つの用途は、複合翼航空機の翼燃料タンクなどの燃料タンクを含む。ファスナ110は、燃料容積部および/または目減り空間に曝され(例えば、燃料タンクの内部に延びている)、燃料容積部および/または目減り空間に接触する1つ以上の部材100に埋め込まれ、および/または結合させることができる。部材100は、燃料タンクの内部にあり、かつ/または燃料タンクの内部の少なくとも一部を画定する炭素繊維複合パネル、パーティション、ストリンガなどであり得る。カバー10は、ファスナ110を覆い、ファスナ110と一緒に配置される。ファスナ110に関連した発火源が発生して、ファスナ110で発火事象を起こすことができる。例えば、落雷または燃料移動の摩擦により、放電または他の潜在的な発火源を引き起こすのに十分な電荷および/または電圧が、ファスナ110で発生する可能性がある。発火事象は、カバー10の内部空間16内の発火核、初期の火炎前面、および/または圧力波を含む。発火核は、カバー10によって消される。初期の火炎前面は、カバー10を通過するときに消される。ならびに/または圧力波は、カバー10によって消散され、および/もしくは妨害され得る。
【0042】
カバー10は、燃料輸送、燃料貯蔵、採掘作業、化学処理、金属加工、発電所の建設と運転、ならびに浮遊粉塵、おがくず、石炭、金属、小麦粉、および/または穀物などの可燃性微粒子を伴う作業を含む、発火の危険を考慮する必要がある他の用途で役立ち得る。
【0043】
さらに、本開示は、以下の条項による実施形態を含む。
【0044】
条項1
第1の端部(31)および反対側の第2の端部(32)を備える基部(30)と、
基部(30)の第2の端部(32)に配置された開いた端部(21)を備え、閉じた端部(22)をさらに備えるキャップ(20)と、
基部(30)およびキャップ(20)内に配置され、少なくとも1つのファスナ(110)の上に広がっている大きさである内部空間(16)と、
内部空間(16)からキャップ(20)の外の外部環境までキャップ(20)を貫通して延びる複数の穴(40)であって、各穴(40)が、0.1mm~2.0mmの水力直径を備える、複数の穴(40)と、を備えるカバー。
【0045】
条項2
内部空間(16)が、基部(30)の第1の端部(31)を通って延びる縦軸を備え、
除外ゾーン(50)が、第1の端部(31)と縦軸との交点で内部空間(16)に配置され、
穴(40)が、穴(40)を通る、外部環境から除外ゾーン(50)までの視線を生じさせないように位置合わせされている、条項1のカバー。
【0046】
条項3
穴(40)が、キャップ(20)および基部(30)の表面積の0.1%~90%を含む、条項1または2のカバー。
【0047】
条項4
各穴(40)が、真っ直ぐな中心線を備え、各穴(40)の中心線が平行である、条項1から3のいずれかのカバー。
【0048】
条項5
各穴(40)が、穴(40)の第1の端部(41)と穴(40)の第2の端部(42)との間に屈曲部を含む、条項1から4のいずれかのカバー。
【0049】
条項6
キャップ(20)が、穴(40)のないマスキング領域(29)を含み、マスキング領域(29)が、開いた端部(21)から閉じた端部(22)に向かって延びる、条項1から5のいずれかのカバー。
【0050】
条項7
キャップ(20)の開いた端部(21)が、閉じた端部(22)よりも広い幅を有し、幅が、キャップ(20)の縦軸と直角方向に測定される、条項1から6のいずれかのカバー。
【0051】
条項8
穴(40)が、外部環境から基部(30)の第1の端部(31)までの視線を生じさせないように位置合わせされている、条項1から7のいずれかのカバー。
【0052】
条項9
基部(30)の第1の端部に配置されたガスケット(58)をさらに備え、ガスケット(58)が、基部(30)の第1の端部(31)を部材(100)に適合させるように構成されている、条項1から8のいずれかのカバー。
【0053】
条項10
開いた第1の端部(11)および閉じた第2の端部(12)、内側面(14)および外側面(15)、ならびにファスナ(110)の上に広がる大きさの内部空間(16)を備える本体(13)と、
内部空間(16)から外部環境への流体の通過を可能にするように、本体(13)を貫通して延びている複数の穴(40)であって、各穴(40)が、内側面(14)に第1の端部(41)を備え、外側面(15)に第2の端部(42)を備える、複数の穴(40)と、
本体(13)の第1の端部(11)の中央の内部空間(16)に配置された除外ゾーン(50)であって、各穴(40)が、第1の端部(41)の任意の点と第2の端部(42)の任意の点との間に延びる直線が除外ゾーン(50)と交差しないように構成されている、除外ゾーン(50)と、を備えるカバー。
【0054】
条項11
各穴(40)が、0.1mm~2.0mmの水力直径を備える、条項10のカバー。
【0055】
条項12
本体(13)が、第1の端部(31)および第2の端部(32)を有する基部(30)と、基部(30)に取り付けられ、基部(30)の第2の端部(32)に配置されたキャップ(20)と、を備える、条項9または10のカバー。
【0056】
条項13
内部空間(16)が、2つ以上のファスナ(110)の上に広がる大きさである、条項12のカバー。
【0057】
条項14
カバー(10)が、航空機の燃料セル内に取り付けられ、ファスナ(110)に関連した発火源によって引き起こされた燃料セル内の発火事象を消すように構成されている、条項10から13のいずれかのカバー。
【0058】
条項15
各穴(40)が真っ直ぐであり、各穴(40)が中心線を含み、各穴(40)の中心線が平行である、条項10から14のいずれかのカバー。
【0059】
条項16
穴(40)が、穴(40)を通って外部環境から本体(13)の第1の端部(11)までの視線を生じさせないように位置合わせされている、条項10から15のいずれかのカバー。
【0060】
条項17
ファスナの上にカバーを取り付ける方法であって、
カバー(10)の内側面(14)に第1の端部(41)があり、カバー(10)の外側面(15)に第2の端部(42)がある、カバー(10)を貫通して延びる複数の穴(40)を備えるカバー(10)を、カバー(10)の、開いた第1の端部(11)が、ファスナ(110)の周りに配置され、カバー(10)の、閉じた第2の端部(12)が、ファスナ(110)の上に広がるように、部材(100)から延びるファスナ(110)の上に配置することと、
ファスナ(110)が外部環境から複数の穴(40)を通して見えないように穴(40)が位置合わせされるように、ファスナ(110)の上でカバー(10)を位置合わせすることと、を含む方法。
【0061】
条項18
ファスナ(110)の上でカバー(10)を位置合わせすることが、各穴(40)について、穴(40)の第2の端部(42)の任意の点と穴(40)の第1の端部(41)の任意の点を通って延びる直線が、ファスナ(110)と交差しないように、カバー(10)を位置合わせすることを含む、条項17の方法。
【0062】
条項19
カバー(10)の中実部分(29)をファスナ(110)に隣接して位置合わせすることと、穴(40)をファスナ(110)からより遠くに位置合わせすることとを、さらに含む、条項17または18の方法。
【0063】
条項20
ファスナ(110)および少なくとも1つの他のファスナ(110)の上にカバー(10)を配置することを、さらに含む、条項17から19のいずれかの方法。
【0064】
本発明は、本発明の本質的な特徴から逸脱することなく、本明細書で具体的に説明したやり方以外のやり方で実施することができる。本実施形態は、あらゆる点で、例示的であり限定的ではないとみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲の意味および等価範囲内にあるすべての変更が、そこに含まれるものとする。
図1
図2
図3
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図6
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