(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】巻線方法及び巻線機
(51)【国際特許分類】
H02K 15/095 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
H02K15/095
(21)【出願番号】P 2019196227
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2022-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596092023
【氏名又は名称】株式会社アルテック京都
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】清水 直明
(72)【発明者】
【氏名】八野井 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 雅之
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特許第4456173(JP,B1)
【文献】特開平10-112962(JP,A)
【文献】特開2015-233401(JP,A)
【文献】特開2001-298919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/095
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤーを送出するノズルを旋回させてステータに設けられた複数の巻線ポールに前記ワイヤーを順次巻き付ける巻線方法であって、
前記複数の巻線ポールをそれらの軸方向が水平方向と略平行となるように配置し、
前記複数の巻線ポールのうちの第1の巻線ポールに前記ワイヤーを巻き付けた後に、前記第1の巻線ポールの下方に前記ワイヤーを引き出し、
前記第1の巻線ポールの下方に前記ワイヤーが引き出された状態で、前記第1の巻線ポールの上方へ前記ワイヤーを引き出し、
前記第1の巻線ポールの上方に前記ワイヤーが引き出された状態で、前記第1の巻線ポールに隣接する第2の巻線ポールに対する前記ワイヤーの巻き付けを行って、
前記複数の巻線ポールのそれぞれに対する
前記ワイヤーの巻始めと巻き終わりとで、
前記ワイヤーをつなげたま
ま前記
下方と前記
上方に引き出すことを特徴とする巻線方法。
【請求項2】
前記第1の巻線ポールの上方へ
前記ワイヤーを引き出した後に前記ノズルを旋回させた際に前記ノズルから送出される
前記ワイヤーを前記第2の巻線ポールへ巻き付けることができるように前記ステータを所定角度回転させることを特徴とする請求項
1に記載の巻線方法。
【請求項3】
前記ノズルを旋回させて前記ノズルが前記第1の巻線ポールの下方にきた際に前記第1の巻線ポールの下方の所定位置に下側係止部材を挿入して、前記第1の巻線ポールから引き出されている
前記ワイヤーを前記下側係止部材に係止させ、
前記ノズルを前記第1の巻線ポールの上方へ旋回させて停止させ、前記ノズルを旋回させても前記下側係止部材に
前記ワイヤーが係止されない位置へ前記下側係止部材を
前記ワイヤーを係止した状態で移動させることにより、前記第1の巻線ポールから下方に
前記ワイヤーが引き出された状態とし、
前記ノズルが前記第1の巻線ポールの上方で停止した状態で、前記巻線ポールの上方の所定位置に上側係止部材を挿入して、前記下側係止部材を介して前記第1の巻線ポールから引き出されている
前記ワイヤーを前記上側係止部材に係止させ、
前記ノズルを旋回させても前記上側係止部材に
前記ワイヤーが係止されない位置へ前記上側係止部材を
前記ワイヤーを係止した状態で移動させることにより、前記第1の巻線ポールの上方に
前記ワイヤーが引き出された状態とすることを特徴とする請求項
1に記載の巻線方法。
【請求項4】
前記第2の巻線ポールに対する巻線作業が終了した後、前記下側係止部材により係止されていた
前記ワイヤーを開放して、前記第2の巻線ポールから引き出されている
前記ワイヤーを前記下側係止部材に係止させ、
前記上側係止部材により係止されていた
前記ワイヤーを開放して、前記下側係止部材を介して前記第2の巻線ポールから引き出されている
前記ワイヤーを前記上側係止部材に係止させることを特徴とする請求項
3に記載の巻線方法。
【請求項5】
前記複数の巻線ポールに対する巻線作業が終了した後に、前記ステータの下方に引き出された
前記ワイヤーを所定の長さで切断すると共に前記ステータの上方に引き出された
前記ワイヤーを所定の長さで切断して、前記複数の巻線ポールのそれぞれから反対方向に1本ずつ
前記ワイヤーが引き出されたステータを得ることを特徴とする請求項
1に記載の巻線方法。
【請求項6】
複数の巻線ポールが
それらの軸方向が水平方向と略平行となるように放射状に配置されたステータを鉛直方向と略平行な軸を回転中心として回転可能に支持する支持部材と、
巻線軸を中心として旋回可能に配置され、ワイヤーを送出するノズルと、
巻線作業の対象となる巻線ポールと正対し、前記ノズルの旋回に合わせて前記巻線ポールに対して進退することにより前記巻線ポールに前記ワイヤーを巻き付けるフォーマーチップと、
前記巻線ポールの下方において移動可能に配置された下側係止部材と、
前記巻線ポールの上方において移動可能に配置された上側係止部材と、
前記支持部材、前記ノズル、前記下側係止部材及び前記上側係止部材の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数の巻線ポールのうちの第1の巻線ポール
に前記ワイヤー
を巻き付け
た後に前記第1の巻線ポールの下方に前記ワイヤーを引き出して前記第1の巻線ポールの下方の所定位置で前記下側係止部材に
前記ワイヤーを係止させ、
その状態で前記第1の巻線ポールの上方へ前記ワイヤーを引き出して前記第1の巻線ポールの上方の所定位置で前記上側係止部材に
前記ワイヤーを係止させることにより
前記ワイヤーが前記第1の巻線ポールの下方と上方につなげて引き出された状態と
し、前記支持部材を回転させて
前記第1の巻線ポールに隣接する第2の巻線ポールを前記フォーマーチップと正対させ、
前記第1の巻線ポールに対する巻線作業と同様に前記第2の巻線ポールに対する巻線作業を
行うことにより、前記複数の巻線ポールのそれぞれに対する前記ワイヤーの巻始めと巻き終わりで、前記ワイヤーをつなげたまま前記下方と前記上方に引き出すことを特徴とする巻線機。
【請求項7】
前記下側係止部材は、棒状で中心軸まわりに回転可能であり、ラジアル方向に突出する突起部を先端部に有し、
前記制御部は、前記突起部を下側へ向けた状態で前記ノズルを1回旋回させることで前記先端部の側面に
前記ワイヤーを係止させ、前記先端部を前記突起部に
前記ワイヤーが引っ掛かった状態で前記ノズルを旋回させても前記先端部に
前記ワイヤーが係止されない位置へ移動させることで、前記第1の巻線ポールから下方に
前記ワイヤーが引き出された状態とすることを特徴とする請求項
6に記載の巻線機。
【請求項8】
前記第2の巻線ポールに対する巻線作業が終了すると、前記制御部が前記突起部を上側へ向けることにより、前記第1の巻線ポールから下方に引き出された
前記ワイヤーが開放されることを特徴とする請求項
7に記載の巻線機。
【請求項9】
前記上側係止部材は棒状で、
前記制御部は、前記ノズルを前記第1の巻線ポールの上方で停止させた状態で前記上側係止部材の側面に
前記ワイヤーを係止させた後、前記ノズルを旋回させても
前記ワイヤーが前記上側係止部材に係止されない位置へ前記上側係止部材を移動させることにより、前記第1の巻線ポールの上方に
前記ワイヤーが引き出された状態とすることを特徴とする請求項
6に記載の巻線機。
【請求項10】
前記第2の巻線ポールに対する巻線作業が終了すると、前記制御部が前記上側係止部材に係止された
前記ワイヤーから離れる方向へ前記上側係止部材を移動させることにより、前記第1の巻線ポールから上方に引き出された
前記ワイヤーが開放されることを特徴とする請求項
9に記載の巻線機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータのステータにワイヤーを巻き付ける巻線方法及び巻線機に関する。
【背景技術】
【0002】
アウターロータ型モータを構成するステータに対するワイヤー(コイル巻線)の巻線方法について、種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、ステータに設けられた複数の巻線ポールのそれぞれにワイヤーを巻き付ける際に、ワイヤーを吐出するノズルの旋回速度に合わせてガイドを移動させることで線材の行路を規制する巻線方法が開示されている。特許文献1に記載された巻線方法によれば、隣接する巻線ポール間のスロット幅が狭い場合であっても、巻軸線に対して垂直となるようにワイヤーを巻き付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
巻線機により巻線ポールにワイヤーを巻き付けた後には、各巻線ポールに巻き付けられたワイヤーに、巻線工程で傷が発生していないことを確認するためのピンホール試験が行われる。ピンホール試験では、それぞれの巻線ポールに巻き付けられたワイヤーの両端に電圧を印加して電流の漏れの有無を確認し、電流の漏れがある場合には線材に傷が発生していると判定する。
【0005】
ここで、特許文献1に記載された巻線機による巻線方法では、巻線工程が終了した後に、ワイヤーが各巻線ポールから同一方向(具体的には、略鉛直方向上向き)に引き出された状態となる。
【0006】
ピンホール試験を行う方法としては、巻線ポールごとに1つずつ行う方法がある。この場合には、巻線ポールごとに確実に試験を行うことができるが、試験に要する時間が長くなる等して生産効率が低下してしまうという問題がある。
【0007】
これに対して、ピンホール試験を行う方法として、全ての巻線ポールに対して同時に行う方法もある。この場合、各巻線ポールから出ている2本のワイヤーのうち1本を試験機の正極端子に、他の1本を試験機の負極端子(グランド)にそれぞれ接続し、端子間に電圧を印加する。この方法では、試験を簡便に行うことが可能であるが、各巻線ポールからワイヤーが同一方向に引き出されている場合において特に巻線ポールの数が多いステータでは、ワイヤーを取り違えて結線してしまうおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、ピンホール試験を簡便且つ正確に行うことを可能とする巻線方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る巻線方法は、ワイヤーを送出するノズルを旋回させてステータに設けられた複数の巻線ポールに前記ワイヤーを順次巻き付ける巻線方法であって、前記複数の巻線ポールをそれらの軸方向が水平方向と略平行となるように配置し、前記複数の巻線ポールのうちの第1の巻線ポールに前記ワイヤーを巻き付けた後に、前記第1の巻線ポールの下方に前記ワイヤーを引き出し、前記第1の巻線ポールの下方に前記ワイヤーが引き出された状態で、前記第1の巻線ポールの上方へ前記ワイヤーを引き出し、前記第1の巻線ポールの上方に前記ワイヤーが引き出された状態で、前記第1の巻線ポールに隣接する第2の巻線ポールに対する前記ワイヤーの巻き付けを行って、前記複数の巻線ポールのそれぞれに対する前記ワイヤーの巻始めと巻き終わりとで、前記ワイヤーをつなげたまま前記下方と前記上方に引き出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、巻線ポールへのワイヤーの巻線工程終了直後は、複数の巻線ポールに巻き付けられたワイヤーは1本につながっているため、ワイヤーの一端をグランドに接続し、他端を正極に接続することで、簡便且つ正確にピンホール試験を行うことが可能になる。また、各巻線ポールから略鉛直方向上向きに引き出されたワイヤーを所定の長さとなるようにカットし、また、各巻線ポールから略鉛直方向下向きに引き出されたワイヤーを所定の長さとなるように切断することで、複数の巻線ポールのそれぞれから上向きと下向きにそれぞれ1本ずつのワイヤーを取り出されたステータを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る巻線機の概略構成を示す斜視図及び正面図である。
【
図3】
図1の巻線機によるステータへの巻線工程開始時の状態を示す斜視図である。
【
図4】ステータの全ての巻線ポールにワイヤーが巻き付けられた直後の状態を示す斜視図である。
【
図5】
図4に示すステータのワイヤーの状態を示す展開図と、ステータから引き出されているワイヤーを切断した状態を示す展開図である。
【
図6】最初に巻線作業を行う巻線ポールとその隣の巻線ポールに対する巻線作業の過程を説明する第1の展開図である。
【
図7】最初に巻線作業を行う巻線ポールとその隣の巻線ポールに対する巻線作業の過程を説明する第2の展開図である。
【
図8】下側ロッドの先端部の第1の構成例と下側ロッドの動作を説明する図である。
【
図9】
図5(b)の状態でのステータでのワイヤーの結線図である。
【
図10】下側ロッドの先端部の別の構成例を示す平面図である。
【
図11】18極、3相3直列×2並列の結線を行う場合の巻線ポールに対するワイヤーの巻き付け順序と結線状態を説明する展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態に係る巻線機10の概略構成を示す斜視図である。
図1(b)は、巻線機10の正面図である。
図2(a),(b)はそれぞれ、巻線機10の要部を示す斜視図である。
【0013】
巻線機10は、基台20と、基台20に固定されたフレーム30と、不図示の別のフレームに設けられた巻線機構40を備える。
【0014】
基台20の上面(+Z側表面)には、ステータ支持部21とガイド22が配置されている。ステータ支持部21は、鉛直方向と略平行な方向であるZ軸と平行な軸を中心軸として、アウターロータ型モータのステータ100を回転可能に支持する。ガイド22は、ステータ100においてワイヤー(コイル巻線)の巻線作業が実際に行われている巻線ポールに隣接する巻線ポールにワイヤーが接触しないようにする役割を担う。
【0015】
なお、本実施形態において、ステータ100とは、円環状に形成されたヨーク部から径方向に略等間隔で放射状に延出した複数の磁極歯(ティース部)を有する金属部材であるステータコアを、誘電性(絶縁性)を有する樹脂からなる部材であるインシュレータで覆ったものを指す。また、巻線ポールとは、インシュレータにより覆われたティース部を指す。巻線ポールには、ワイヤーがコイル状に巻き付けられる。本説明では、ステータ100について、巻線ポールにワイヤーが巻き付けられていない状態、ワイヤーが巻き付けられている途中の状態、及び、ワイヤーの巻き付けが終了した状態のいずれの状態にあるかを問わずに「ステータ100」という表現を用い、ステータ100におけるワイヤーの巻き付け状態を説明過程で明確にする。
【0016】
基台20の上面の近傍には、下側スタビライザ23が配置されている。下側スタビライザ23は、巻線作業が終了した巻線ポールからワイヤーを斜め下方へ引き出して一時的に係止した後、係止したワイヤーを開放する機構である。下側スタビライザ23は、水平面(XY平面)と略平行に配置された下側ロッド25と、下側ロッド25をスラスト方向に進退させ、且つ、ワイヤーの係止と開放の動作を可能とする下側ロッド駆動部26を有する。下側ロッド25の構造と動作の詳細については後述する。
【0017】
フレーム30には、上側スタビライザ33が配置されている。上側スタビライザ33は、ステータ100の巻線ポールにワイヤーを巻き付ける際にワイヤーを略鉛直方向上向き(+Z側)に引き出して一時的に係止した後、係止したワイヤーを開放する機構である。上側スタビライザ33は、水平面と略平行なX軸と略平行に配置された上側ロッド35と、上側ロッド35をその軸方向に進退させ、且つ、ワイヤーの係止と開放の動作を可能とする上側ロッド駆動部36を有する。上側ロッド35の動作の詳細については後述する。
【0018】
巻線機構40は、ステータ100が有する複数の巻線ポールのそれぞれにワイヤーを巻き付ける。巻線機構40には、例えば、先に取り上げた従来技術の一例である特開平10-112962号公報等に開示されている周知の構成を用いることができため、ここでは簡単な説明に止める。
【0019】
巻線機構40は、ワイヤー(不図示)を送出するノズル41と、ワイヤーの巻線軸と平行な方向に、巻線作業の対象となっている巻線ポールが挿入/抜去されるように巻線ポールに対して進退するフォーマーチップ42と、ノズル41をワイヤーの巻線軸を中心として旋回させる旋回駆動部(不図示)とを有する。なお、ワイヤーの巻線軸は、巻線作業が行われる巻線ポールの軸方向と平行であり、巻線機10では水平面内でX軸と略直交するY軸と平行である。
【0020】
フォーマーチップ42を巻線ポールに対して進退させながらノズル41を巻線軸まわりに旋回させることにより、ワイヤーはフォーマーチップ42に接触して曲げられながらフォーマーチップ42から巻線ポールへと移動することで、巻線ポールにワイヤーが巻き付けられていく。
【0021】
1つの巻線ポールに対する巻線作業が終了した後、隣の巻線ポールに対する巻線作業を行う際の巻線機10の動作について、以下に詳細に説明する。
【0022】
図3は、巻線機10によるステータ100の巻線ポール110に対するワイヤー120の巻線工程開始時の状態を簡略的に示す斜視図である。
図4は、巻線機10によりステータ100の全ての巻線ポール110にワイヤー120が巻き付けられた直後の状態を示す斜視図である。
図5(a)は、
図4に示すステータ100(ワイヤー120の巻線工程が終了したもの)のワイヤー120の状態を、ステータ100の外周を平面に展開して(複数の巻線ポール110を帯状に展開して)説明する図である。
図6及び
図7は、最初に巻線作業を行う巻線ポールU1と、巻線ポールU1の隣の巻線ポールV1に対する巻線作業の過程を、
図3と同様に展開して説明する図である。
【0023】
巻線工程の開始時には、
図3に示されるように、フォーマーチップ42は、複数の巻線ポール110のうちの1つの巻線ポールU1とY方向で正対している。巻線ポールU1に対する巻線作業が終了するまでの間は、巻線ポールU1はフォーマーチップ42に対してY方向で正対する位置に維持される。つまり、
図6において、巻線ポールU1の位置は、フォーマーチップ42の位置を示している。
【0024】
図3では、ノズル41はフォーマーチップ42(巻線ポールU1)の+Z側(上方)にある。この状態で、ノズル41から送出されているワイヤー120の先端120aは、巻線ポールU1の略上方の所定位置(
図6(a)に丸印で示す位置)で保持されている。
【0025】
図3の状態から
図6(a)に示す矢印CCW方向(反時計まわり)にノズル41を旋回させる。こうして、
図6(a)の状態を経て、巻線ポールU1に所定の巻き数でワイヤー120を巻き付けた後、ノズル41をフォーマーチップ42(巻線ポールU1)の-Z側(下方)で一時停止させて、
図6(b)の状態とする。
図6(b)の状態では、下側ロッド25は、
図2及び
図3に示される待機位置にある。下側ロッド25が待機位置にあるとき、下側ロッド25の先端は、ステータ100の下方(-Z側)で、ノズル41を旋回させてもワイヤー120が係止されない位置にある。
【0026】
続いて、
図6(c)に示すように、下側ロッド25の先端部が巻線ポールU1から-Z側に位置するノズル41までの間のワイヤー120(-Z側に引き出されているワイヤー120)に向かって進出させて、停止させる。下側ロッド25を動作させる。こうして、下側ロッド25の先端部が-Z側に引き出されたワイヤー120に向かって進出して停止しているときの下側ロッド25の状態を「進出状態」と称呼する。
【0027】
ここで、下側ロッド25の先端部の構成の例について説明する。
図8は、下側ロッド25の先端部の第1の構成例(以下「先端部25a」という)と、下側ロッド25の動作を説明する図である。
図8(a)は先端部25aの形状示す側面図であり、
図8(b)は先端部25aの形状示す正面図である。
図8(a),(b)はそれぞれ、-Z側に引き出されたワイヤー120に対して進出した状態を示している。
【0028】
先端部25aには、先端側が根元側よりも細くなるようにテーパー25a_tが設けられている。また、先端部25aには、径方向に突出する突起部25a_pが設けられている。-Z側に引き出されたワイヤー120に向かって先端部25aが進出した
図6(c)の状態では、
図8(a),(b)に示されるように、突起部25a_pよりも下側ロッド25の根元側にワイヤー120が位置するように、下側ロッド25は駆動されている。なお、
図8(c)~(f)については後述する。
【0029】
図6の説明に戻る。
図6(c)の状態から
図6(d)に示すようにノズル41を矢印CCW方向に旋回させてフォーマーチップ42(巻線ポールU1)の+Z側へ移動させ、一時停止させる。
図8(c)は
図6(d)の状態に対応する下側ロッド25の正面図であり、
図8(b)の状態から
図8(c)の状態の遷移は
図6(c)の状態から
図6(d)の状態への遷移と対応している。ノズル41を矢印CCW方向に旋回させて下側ロッド25の下側を通過させると、下側ロッド25の外周面に沿って半周分だけに巻かれて、下側ロッド25に係止された状態となる。
【0030】
続いて、ノズル41をフォーマーチップ42(巻線ポールU1)の+Z側で一時停止させた状態で、下側ロッド25を待機位置側へ引き込むように動作させ、
図6(e)の状態とする。
図8(d)は
図6(e)の状態に対応する下側ロッド25の側面図であり、
図8(c)の状態から
図8(d)の状態の遷移は
図6(d)の状態から
図6(e)の状態への遷移と対応している。
図8(c)の状態から下側ロッド25を待機位置側へ引き込むと、ワイヤー120は突起部25a_pに係止される(引っ掛かる)ため、下側ロッド25の移動に合わせて、ノズル41からは必要な長さのワイヤー120が送出される。
【0031】
なお、
図1乃至
図3に示されるように、下側ロッド25のスラスト方向は、X軸及びY軸と一定の角度をなすように配置されている。そのため、ワイヤー120は、巻線作業中の巻線ポールU1の斜め下方向へ引き出される。
図6(e)では、下側ロッド25の移動方向を図示することが困難なため、ワイヤー120が巻線ポールU1の斜め下方向へ引き出された状態を模式的に示している。
【0032】
ノズル41及び下側ロッド25を
図6(e)及び
図8(d)の状態で維持して、
図6(f)に示すように、上側ロッド35にワイヤー120を係止させる。上側ロッド35は、軸方向(長さ方向)に進退(又は伸縮)が可能であり、例えば、ワイヤー120の-Y側(
図1参照)に挿入されて、ワイヤー120を係止する。例えば、上側ロッド35は、
図6(f)でワイヤー120を係止した状態から+Y側へ移動した後に+Z側へ移動し、更に-Y側へ所定距離だけ移動して、
図7(a)に示すようにノズル41を旋回させてもワイヤー120が係止されない位置で停止する。その際に、上側ロッド35の移動に合わせて、ノズル41からはワイヤー120が必要な長さだけ送出される。
【0033】
その後、巻線ポールV1がフォーマーチップ42に対してY方向で正対するようにステータ支持部21が回転する。よって、
図7では、巻線ポールV1の位置がフォーマーチップ42の位置を示している。
【0034】
なお、
図7(a)~(f)では、上側ロッド35の移動方向を図示することが容易ではないこと、ワイヤー120の動きを明確に示すこと、及び、巻線ポールV1に対してワイヤー120を巻き付ける作業を説明することを目的として、上側ロッド35の位置を巻線ポールV1の+Z側に示している。
【0035】
図7(b)に示すようにノズル41を矢印CCW方向に所定の回数だけ旋回させることによって巻線ポールV1にワイヤー120を巻き付けた後、ノズル41をフォーマーチップ42(巻線ポールV1)の下方(-Z側)で一時停止させる。これにより、
図7(b)の状態での巻線ポールV1とワイヤー120及びノズル41との関係は、
図6(b)に示す巻線ポールU1とワイヤー120及びノズル41との関係と同等となる。よって、
図6(b)から
図6(c)の状態へ移行したのと同様に、
図7(b)の状態から
図7(c)の状態へ移行する必要がある。そのためには、先ず、下側ロッド25が係止しているワイヤー120を開放する必要がある。
【0036】
図8(e),(f)は、下側ロッド25によるワイヤー120の開放を説明する図である。先ず、
図8(e)の正面図に示すように、下側ロッド25をスラスト軸を中心に半回転させて、-Z側を向いていた突起部25a_pを+Z側に向ける。続いて、
図8(f)の側面図に示すように、下側ロッド25を更に待機位置側へ引き込む。これにより、下側ロッド25に係止されていたワイヤー120が開放される。その際、下側ロッド25の先端部25aにテーパー25a_tを設けているため、ワイヤー120と先端部25aとの摩擦を減らすことが可能となっており、これによりワイヤー120の損傷を抑制することができる。
【0037】
不図示であるが、下側ロッド25に係止されていたワイヤー120が開放されると、+Z側を向いていた突起部25a_pを-Z側に向けるように下側ロッド25をスラスト軸を中心に半回転させる。このような下側ロッド25の駆動は、下側ロッド駆動部26によって行われる。なお、下側ロッド25が係止したワイヤー120を開放するタイミングは、巻線ポールV1に対するワイヤー120の巻き付けが終了した後に限られるものではなく、巻線ポールV1に対してワイヤー120が少なくとも1周分巻き付けられた後の任意のタイミングとすることができる。
【0038】
こうして下側ロッド25が待機位置へ戻った状態は、
図6(b)の状態と同じであるため、
図6(b)の状態から
図6(c)の状態へ移行させた際の動作と同じ動作を行って、下側ロッド25を進出状態とする。これにより、
図7(c)(
図8(a),(b)と同等)の状態とすることができる。
【0039】
ここで、ワイヤー120は、例えば、銅を主成分としており、屈曲させた際に元の状態に復元する力は弱く、屈曲させた後には屈曲した形状でほぼ維持される性質を有している。
図7(b)の状態では巻線ポールV1に所定の巻き数でワイヤー120が巻き付けられているため、ワイヤー120において巻線ポールU1から延出して巻線ポールV1に至る部分(巻線ポールU1から下側へ延出し、下側ロッド25を経て上側へ延出し、上側ロッド35を経て下側へ延出して巻線ポールV1に至る部分)には一定のテンションが掛かった状態が維持されている。そのため、下側ロッド25に係止された部分で略U字型に屈曲したワイヤー120の形状は、ワイヤー120から下側ロッド25を離間させてもほぼ維持され、同様に、上側ロッド35に係止された部分で略U字型に屈曲したワイヤー120の形状は、ワイヤー120から上側ロッド35を離間させてもほぼ維持される。
【0040】
なお、
図3に示されるように、ステータ100(ワイヤー120の巻線状態を問わない)の軸方向であるZ方向から見たときに、下側ロッド25は、ステータ100の外周近傍で、巻線作業が終了した巻線ポールからステータ100の外周に沿って外周長さの約1/3だけ離れた位置に配置されている。また、下側ロッド25は
図6(e)の状態から
図7(b)の状態に至るまで、ステータ100の下方でワイヤー120を係止しているが、
図6(e)の状態から
図7(b)の状態に至る過程でステータ100は巻線ポール1個分だけ回転しており、その際のステータ100の回転方向は、ワイヤー120の巻線作業が終了した巻線ポールが下側ロッド25の配設位置へ近付く方向(
図3に示す矢印R方向)となっている。
【0041】
そのため、下側ロッド25が
図7(b)の状態で係止していたワイヤー120を開放すると、巻線ポールU1の-Z側でU字型に曲げられて係止されていたワイヤーには、ステータ100の回転の影響で、ステータ100の回転方向と同じ方向へ回転する力が作用する。その結果、巻線作業が終了した巻線ポールU1から-Z側へ引き出されたワイヤー120は、下側ロッド25による係止から開放された後に、下側ロッド25の進退経路から外れるように動く。よって、係止したワイヤー120を開放した後の次の下側ロッド25の動作が、開放されたワイヤー120によって妨げられることはない。
【0042】
なお、ステータ100の回転方向は、
図3に示す矢印R方向に限定されるものではなく、その逆方向であってもよい。また、下側ロッド25を配設する位置や進退経路は、開放されたワイヤーによって下側ロッド25の進退動作を妨げられないように設定すればよく、上記構成に限定されない。
【0043】
巻線ポールV1に対して
図7(c)の状態から
図7(d)に示す状態を経て
図7(e)の状態へ遷移する様子は、巻線ポールU1に対して
図6(c)の状態から
図6(d)の状態を経て
図6(e)の状態へ遷移する様子と同様であるため、説明を省略する。
【0044】
図7(e)の状態では、上側ロッド35はワイヤー120において巻線ポールU1から+Z側へ引き出された部分を係止しているが、前述したように、上側ロッド35に係止された部分で略U字型に屈曲したワイヤー120の形状は、ワイヤー120から上側ロッド35を離間させてもほぼ維持される。一方、
図7(e)の状態から
図7(f)の状態へ移行するためには、
図6(e)の状態から
図6(f)の状態へ移行したように、巻線ポールV1から延出しているワイヤー120を上側ロッド35に係止させて、ノズル41を旋回させてもワイヤー120が係止されない位置へ移動させる必要がある。
【0045】
そこで、
図7(f)に示されるように、上側ロッド35は、巻線ポールU1から+Z側へ引き出されている部分でのワイヤー120が開放されるように動作する。例えば、ワイヤー120から離れるように-Z側へ微小移動した後、軸方向に移動し或いは縮むことで、X方向においてワイヤー120から離間するように動作する。その後、上側ロッド35は、巻線ポールV1から+Z側へ引き出されているワイヤー120を係止する。
【0046】
なお、上側ロッド35が係止したワイヤー120を開放するタイミングは、例えば、巻線ポールV1に対して所定の巻き数でワイヤー120が巻回された
図7(b)の状態となった直後としても構わない。
【0047】
図7(f)の状態となった後は、
図7(a)と同様の状態へ移行し、その際には巻線ポールW1(
図7に不図示、
図5参照)がフォーマーチップ42に対してY方向で正対するようにステータ支持部21が回転する。以降、これまでに説明した動作を繰り返して、巻線ポールW7に対するワイヤー120の巻線作業が終了すると、ステータ100に対するワイヤー120の巻線工程が終了する。こうして、
図4及び
図5(a)に示した状態にワイヤー120が巻き付けられたステータ100が得られる。
【0048】
こうして得られた
図5(a)に示す状態のステータ100を用いることにより、ピンホール試験を簡便に行うことができる。巻線工程の終了直後のステータ100では、複数の巻線ポール110に巻き付けられたワイヤー120は1本につながっているため、ワイヤー120の一端をグランドに接続し、他端を正極に接続して、ワイヤー120全体での電流の漏れを検出すればよい。
【0049】
図5(b)は、
図5(a)に示す2本の破線Cでワイヤー120を切断した後のステータ100の状態を示す図である。
図5(a)に示す破線Cで、巻線ポール110の+Z側及び-Z側に引き出されているワイヤー120を切断すると、ワイヤー120において巻線ポール110を介さずに+Z側と-Z側とでつながっている部分は、ステータ100から分離される。こうして、複数の巻線ポール110のそれぞれから、+Z側と-Z側にワイヤー120が1本ずつ引き出されたステータ100を得ることができる。
【0050】
図9は、
図5(b)に示す状態のステータ100でのワイヤー120の結線図である。ステータ100の巻線ポール110のそれぞれから-Z側に引き出されているワイヤー120は、ステータ100の-Z側に装着される下側バスリング(不図示)に接続される。下側バスリングには、ニュートラル相(N相)の配線パターンが設けられており、巻線ポール110のそれぞれから-Z側に引き出されている全てのワイヤー120がN相に接続される。
【0051】
また、ステータ100の巻線ポール110のそれぞれから+Z側に引き出されているワイヤーは、ステータ100の+Z側に装着される上側バスリング(不図示)に接続される。上側バスリングでは、3本おきに同一相に接続される配線パターン(U相、V相、W相)が形成されている。ステータ100の+Z側から引き出されているワイヤー120は、周方向に順に上側バスリングの端子にされる。
【0052】
こうして、巻線機10により得られるステータ100を用いることで、上側バスリングと下側バスリングに対してワイヤーを接続する際に誤接続が生じる確率も極めて低くすることが可能になる。
【0053】
次に、下側ロッド25の先端部の別の構成例について説明する。
図10は、下側ロッド25の先端部の別の構成例(以下「先端部25b,25c」とする)を-Z側から見て示す平面図である。
図10(a),(b)は、先端部25bの構造と動作を説明する図であり、
図10(a)は開状態を示しており、
図10(b)は閉状態を示している。先端部25bは、ベースアーム25b_1と回動アーム25b_2を有し、不図示の駆動機構によって回動アーム25b_2はベースアーム25b_1との連結点を中心として、回動可能となっている。
【0054】
先端部25bによるワイヤー120の係止、引き出し、開放は以下の順序で行われる。先ず、先端部25bは、回動アーム25b_2を開状態として回動アーム25b_2によってワイヤー120を係止する(抱え込む)ことが可能な位置まで進出する。そして、回動アーム25b_2を閉状態としてワイヤー120を係止する。下側ロッド25を待機位置側へ引き込み、その後、所定のタイミングで回動アーム25b_2を開状態としてワイヤー120を開放する。
【0055】
図10(c),(d)は、先端部25cの構造と動作を説明する図であり、
図10(c)は開状態を示しており、
図10(d)は閉状態を示している。先端部25cは、第1アーム25c_1と第2アーム25c_2を有する。第1アーム25c_1と第2アーム25c_2は、不図示の駆動機構によって、平行移動による接近と離間による開閉動作を行うことが可能となっている。
【0056】
先端部25cによるワイヤー120の把持、引き出し、開放は以下の順序で行われる。
先ず、先端部25cは、第1アーム25c_1と第2アーム25c_2を開状態として、ワイヤー120を把持することが可能な位置まで進出する。そして、第1アーム25c_1と第2アーム25c_2の間隔を詰めてワイヤー120を把持する。下側ロッド25を待機位置側へ引き込み、その後、所定のタイミングで第1アーム25c_1と第2アーム25c_2を開状態として、ワイヤー120を開放する。
【0057】
なお、第1アーム25c_1と第2アーム25c_2は、回転動作によって、ワイヤー120の把持と開放が可能な構成であってもよい。また、第1アーム25c_1と第2アーム25c_2は、ワイヤー120を把持した際にワイヤー120の絶縁被覆を損傷させない材料で形成されていることが望ましい。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、
図9に21極(巻線ポール110が21個)のステータ100での3相1直列×7並列結線について説明したが、下側ロッド25によりワイヤー120をステータ100の下側(-Z側)へ引き出すタイミングと、ステータ支持部21の回転角度(巻線ポール110に対するワイヤー120の巻き付けを行う順序)を制御することにより、多種多様な結線を容易に行うことができる。
【0059】
例えば、14極のステータに2相1直列×7並列結線は、不図示であるが、上記実施形態での21極、3相1直列×7並列結線と同様の手順で行うことができる。
【0060】
また、別の例として、18極の巻線ポールを有するステータに3相3直列×2並列の結線を行う場合に、巻線ポールに対してワイヤー120の巻き付けた状態を、
図5と同様に模式的に
図11に示す。最初の巻線ポールU1へのワイヤー120の巻き付けが終了しても下側ロッド25を動作させずに、逐次、巻線ポールU2,U3に対してワイヤー120を巻き付け、その後、下側ロッド25を動作させてワイヤー120を-Z側に引き出す。続いて、巻線ポールU4へワイヤー120を巻き付けることができるようにワイヤー120を上側ロッド35により+Z側へ引き出した後、巻線ポールU1~U3へのワイヤー120の巻き付けと同様にして巻線ポールU4~U6へワイヤー120を巻き付ける。
【0061】
続いて、下側ロッド25を動作させてワイヤー120を-Z側に引き出した後、巻線ポールV1へワイヤー120を巻き付けることができるようにワイヤー120を上側ロッド35により+Z側へ引き出す。巻線ポールU1~U6へのワイヤー120の巻き付けと同様にして巻線ポールV1~V6へワイヤー120を巻き付け、更に、巻線ポールV1~V6へのワイヤー120の巻き付けと同様にして巻線ポールW1~W6へワイヤー120を巻き付ける。
【0062】
図11(a)に示す破線Cでワイヤー120を切断する前にピンホール試験を行い、その後、破線Cでワイヤーを切断して
図11(b)に示すように結線することで、3相3直列×2並列に結線されたステータを製造することができる。
【符号の説明】
【0063】
10 巻線機
20 基台
21 ステータ支持部
23 下側スタビライザ
25 下側ロッド
33 上側スタビライザ
35 上側ロッド
40 巻線機構
41 ノズル
42 フォーマーチップ
100 ステータ
110 巻線ポール
120 ワイヤー