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特許7449686第1導電性チューブと第2導電性チューブとを接続するための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】第1導電性チューブと第2導電性チューブとを接続するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 25/02 20060101AFI20240307BHJP
   F16L 23/02 20060101ALI20240307BHJP
   F16L 33/00 20060101ALI20240307BHJP
   F16L 19/03 20060101ALI20240307BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
F16L25/02
F16L23/02 D
F16L33/00 A
F16L19/03
B64C1/00 A
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019220813
(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公開番号】P2020115035
(43)【公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】16/212,926
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ギルバートソン, マイケル エル.
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-112087(JP,U)
【文献】実開平04-074790(JP,U)
【文献】特開昭64-015591(JP,A)
【文献】実開昭59-010587(JP,U)
【文献】特開平08-040091(JP,A)
【文献】実公昭44-019730(JP,Y1)
【文献】米国特許第2794658(US,A)
【文献】米国特許第2752579(US,A)
【文献】国際公開第2014/141693(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 25/02
F16L 23/02
F16L 33/00
F16L 19/03
B64C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心通路(304)を有する第1電気絶縁体(300)と、
前記第1電気絶縁体(300)の周囲に配置される拡張端部(108)を有する第1導電性チューブ(100)であって、前記拡張端部(108)が外側ネジ部(128)を備える、第1導電性チューブ(100)と、
外側フランジ(208)を有する第2導電性チューブ(200)と、
前記第2導電性チューブ(200)の周囲に配置され、かつ前記外側フランジ(208)と係合する、第2電気絶縁体(400)と、
前記第2導電性チューブ(200)の周囲に配置され、かつ前記第2電気絶縁体(400)と係合するナット(500)であって、前記第1導電性チューブ(100)の前記拡張端部(108)の前記外側ネジ部(128)に対応する内側ネジ部(510)を備える、ナット(500)とを備え
前記ナット(500)が、前記第1導電性チューブ(100)の前記拡張端部(108)の副次的保持ノッチ(121)に隣接する変形可能リム(514)であって、変形して前記副次的保持ノッチ(121)と係合するよう構成された、変形可能リム(514)を備える、
装置(10)。
【請求項2】
前記第1電気絶縁体(300)と前記第1導電性チューブ(100)の前記拡張端部(108)との間を密封する、第1環状密封構成要素(600)を更に備える、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記第1電気絶縁体(300)が、前記中心通路(304)の周囲に配置された第1環状溝(314)を有しており、前記第1環状密封構成要素(600)が前記第1環状溝(314)内に配置される、請求項2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記第1電気絶縁体(300)と前記第2導電性チューブ(200)の前記外側フランジ(208)との間を密封する、第2環状密封構成要素(700)を更に備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記第1電気絶縁体(300)が、前記中心通路(304)の周囲に配置された第2環状溝(316)を有しており、前記第2環状密封構成要素(700)が前記第2環状溝(316)内に配置される、請求項4に記載の装置(10)。
【請求項6】
前記ナット(500)が導電性材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記ナット(500)の前記内側ネジ部(510)及び前記第1導電性チューブ(100)の前記拡張端部(108)の前記外側ネジ部(128)が、前記第1導電性チューブ(100)及び前記第1電気絶縁体(300)を備える第1アセンブリを、前記第2導電性チューブ(200)及び前記第2電気絶縁体(400)を備える第2アセンブリに押し付けて係合するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項8】
航空プラットフォーム、宇宙プラットフォーム、及び航空宇宙プラットフォームのうちの1つの中に配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項9】
第1導電性チューブと第2導電性チューブとを接続するための方法(800)であって、
中心通路を有する第1電気絶縁体を、前記第1導電性チューブの拡張端部内に挿入すること(806)と、
第2電気絶縁体が前記第2導電性チューブの外側フランジと係合するように、前記第2電気絶縁体を前記第2導電性チューブの周囲に位置付けること(808)と、
ナットを、前記第2導電性チューブの周囲に配置され、かつ前記第2電気絶縁体と係合するよう位置付けること(810)と、
前記第1導電性チューブの前記拡張端部に前記ナットを螺合させること(812)と
前記ナットのリムを変形させて、前記第1導電性チューブの前記拡張端部の一部分と係合させることと
を含む、方法(800)
【請求項10】
第1環状密封構成要素を、前記第1電気絶縁体と前記第1導電性チューブの前記拡張端部との間に位置付けること(802)を更に含む、請求項9に記載の方法(800)。
【請求項11】
前記第1環状密封構成要素を前記第1電気絶縁体と前記第1導電性チューブの前記拡張端部との間に位置付けること(802)が、前記第1環状密封構成要素を、前記第1電気絶縁体内に配置された第1環状溝の中に位置付けること(803)を含む、請求項10に記載の方法(800)。
【請求項12】
第2環状密封構成要素を、前記第1電気絶縁体と前記第2導電性チューブの前記外側フランジとの間に位置付けること(804)を更に含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法(800)。
【請求項13】
前記第2環状密封構成要素を前記第1電気絶縁体と前記第2導電性チューブの前記外側フランジとの間に位置付けること(804)が、前記第2環状密封構成要素を、前記第電気絶縁体内に配置された第2環状溝の中に位置付けること(805)を含む、請求項12に記載の方法(800)。
【請求項14】
前記第1導電性チューブの前記拡張端部に前記ナットを螺合させることにより、前記第1導電性チューブ(100)及び前記第1電気絶縁体(300)を備える第1アセンブリを、前記第2導電性チューブ(200)及び前記第2電気絶縁体(400)を備える第2アセンブリに押し付ける、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法(800)。
【請求項15】
前記第1導電性チューブ及び前記第2導電性チューブを、航空プラットフォーム、宇宙プラットフォーム、及び航空宇宙プラットフォームのうちの1つの中に位置付けること(801)を更に含む、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法(800)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、複数の導電性管状構成要素を接続するための接続、特に、複数の導電性管状構成要素を接続し、かつ電気的に絶縁するための接続の分野に関する。
【0002】
例えば流体運搬システム向けに、複数の導電性管状構成要素を相互接続することが、しばしば求められる。流体運搬システムは、プラットフォーム(航空機又は宇宙船など)の中で、流体(燃料又は液圧流体など)を運搬するために使用されうる。
【0003】
一部の状況においては、導電性管状構成要素に静電荷が集積しうる。その他の状況では、電磁事象により、導電性管状構成要素における電流の流れが引き起こされうる。したがって、一部の状況においては、接続されている複数の導電性管状構成要素同士を、それらの間での静電荷移動又は電流伝達(electrical current transfer)から保護するために、電気的に絶縁することが望ましい。
【0004】
したがって、当業者は、 複数の導電性管状構成要素を接続するための接続の分野における、研究開発を続けている。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、装置は、第1導電性チューブ及び第2導電性チューブと、第1電気絶縁体及び第2電気絶縁体と、ナットとを含む。第1電気絶縁体は中心通路を有する。第1導電性チューブは、第1電気絶縁体の周囲に配置される拡張端部(flared end)を有する。拡張端部は外側ネジ部を含む。第2導電性チューブは外側フランジを有する。第2電気絶縁体は、第2導電性チューブの周囲に配置され、外側フランジと係合する。ナットは、第2導電性チューブの周囲に配置され、第2電気絶縁体と係合する。ナットは、第1導電性チューブの拡張端部の外側ネジ部に対応する内側ネジ部を含む。
【0006】
別の実施形態には、第1導電性チューブと第2導電性チューブとを接続するための方法がある。この方法は、中心通路を有する第1電気絶縁体を、第1導電性チューブの拡張端部内に挿入することを含む。方法は、第2電気絶縁体が第2導電性チューブの外側フランジと係合するように、第2電気絶縁体を第2導電性チューブの周囲に位置付けることを更に含む。方法は、ナットを、第2導電性チューブの周囲に配置され、かつ第2電気絶縁体と係合するよう位置付けることを更に含む。方法は、第1導電性チューブの拡張端部にナットを螺合させることを更に含む。
【0007】
更に別の実施形態には、第1導電性チューブと第2導電性チューブとを接続するための方法がある。この方法は、第1導電性チューブと第2導電性チューブとの間に、少なくとも、中心通路を有する第1電気絶縁体を位置付けることによって、第1導電性チューブと第2導電性チューブとを電気的に絶縁することを含む。方法は、第1電気絶縁体と第1導電性チューブとの間に、第1環状密封構成要素を位置付けることを更に含む。方法は、第1電気絶縁体と第2導電性チューブとの間に、第2環状密封構成要素を位置付けることを更に含む。方法は、第1導電性チューブと第2導電性チューブとを軸方向に互いに押し付けることによって、第1環状密封構成要素及び第2環状密封構成要素を作動させること(energizing)を更に含む。
【0008】
第1導電性チューブと第2導電性チューブとを接続するための装置及び方法の、本開示の別の実施形態も、以下の発明を実施するための形態、添付図面、及び付随する特許請求の範囲から自明となろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書の例示的な装置の分解斜視図である。
図2A図1の第1導電性チューブを左側から見た図である。
図2B図2Aの第1導電性チューブを右側から見た図である。
図2C図2Aの第1導電性チューブの正面図である。
図2D図2Aの線2-2に沿って切った第1導電性チューブの正面断面図である。
図3A図1の第2導電性チューブを左側から見た図である。
図3B図3Aの第2導電性チューブを右側から見た図である。
図3C図3Aの第2導電性チューブの正面図である。
図3D図3Aの線3-3に沿って切った第2導電性チューブの正面断面図である。
図4A図1の第1電気絶縁体を左側から見た図である。
図4B図4Aの第1電気絶縁体を右側から見た図である。
図4C図4Aの第1電気絶縁体の正面図である。
図4D図4Aの線4-4に沿って切った第1電気絶縁体の正面断面図である。
図5A図1の第2電気絶縁体を左側から見た図である。
図5B図5Aの第2電気絶縁体を右側から見た図である。
図5C図5Aの第2電気絶縁体の正面図である。
図5D図5Aの線5-5に沿って切った第2電気絶縁体の正面断面図である。
図6A図1のナットを左側から見た図である。
図6B図6Aのナットを右側から見た図である。
図6C図6Aのナットの正面図である。
図6D図6Aの線6-6に沿って切ったナットの正面断面図である。
図7A】部分的に組み立てられた状態の、図1の装置の斜視図である。
図7B】部分的に組み立てられた状態の、図7Aの装置の正面断面図である。
図8A】完全に組み立てられた状態の、図7Aの装置の斜視図である。
図8B】完全に組み立てられた状態の、図8Aの装置の正面断面図である。
図9A】部分的に組み立てられロックされた状態の、図8Aの装置の斜視図である。
図9B】完全に組み立てられロックされた状態の、図9Aの装置の正面断面図である。
図10】複数の導電性管状構成要素を接続するための方法のフロー図である。
図11】複数の導電性管状構成要素を接続するための別の方法のフロー図である。
図12】航空機の製造・保守方法のフロー図である。
図13】航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1から図9は、本明細書の例示的な装置10を示している。本明細書は、図示され、説明されている詳細事項に限定されるわけではないことが、理解されよう。
【0011】
図1は、本明細書の例示的な装置10の分解斜視図を示している。装置10は、第1導電性チューブ100と、第2導電性チューブ200と、第1電気絶縁体300と、第2電気絶縁体400と、ナット500とを含む。装置10は、オプションで、第1環状密封構成要素600、第2環状密封構成要素700、又は第1環状密封構成要素600と第2環状密封構成要素700の両方を、更に含む。第1導電性チューブ100、第2導電性チューブ200、第1電気絶縁体300、第2電気絶縁体400、ナット500、第1環状密封構成要素600、及び第2環状密封構成要素700は軸12に沿って配置され、軸12は、第1軸方向14と第2軸方向16とを有する。
【0012】
図2Aは、図1の第1導電性チューブ100を左側から見た図を示している。図2Bは、図2Aの第1導電性チューブ100を右側から見た図を示している。図2Cは、第1導電性チューブ100の正面図を示している。図2Dは、図2Aの線2-2に沿って切った第1導電性チューブ100の正面断面図である。
【0013】
第1導電性チューブ100は、図示しているように、第1導電性チューブ内表面102を含む。第1導電性チューブ内表面102は、軸12に沿って、第1導電性チューブ100の内周を画定する。
【0014】
第1導電性チューブ100は、図示しているように、第1導電性チューブ外表面104を更に含む。第1導電性チューブ外表面104は、軸12に沿って、第1導電性チューブ100の外周を画定する。
【0015】
第1導電性チューブ100は、図示しているように、第1管状区域106及び拡張端部108を含む。
【0016】
第1管状区域106は、図示しているように、軸12に沿って実質的に均一に延在している。第1管状区域106は、第1管状区画内径D2、及び第1管状区域外径D4を画定する。
【0017】
拡張端部108は、図示しているように、第1管状区域106の一端に、第1軸方向14を向いて位置付けられている。拡張端部108は長さL2を有しており、長さL2は、図2Dに、軸12に沿った、第1管状区域内径D2からの逸脱点からの拡張端部108の長さとして示されている。
【0018】
拡張端部108は、図示しているように、第1管状区域106から径方向外向きに延在している、第1拡張部分110を含む。第1拡張部分110は、第1軸方向14を向いた第1拡張部分内表面112と、第2軸方向16を向いた第1拡張部分外表面114とを含む。第1拡張部分は、第1拡張部分外径D5を画定している。
【0019】
拡張端部108は、図示しているように、径方向外向きに、かつ第1軸方向14に向かって延在している、第2拡張部分116を含む。第2拡張部分116は、第1軸方向14に向いており、かつ径方向内側を向いた、第2拡張部分内表面118と、第2軸方向16を向いており、かつ径方向外側を向いた、第2拡張部分外表面120とを含む。第2拡張部分外表面120は、図示しているように、副次的保持ノッチ121を含む。第2拡張部分116は、第1拡張部分110の端部から延在している。
【0020】
拡張端部108は、図示しているように、第1軸方向14に向かって延在する、第3拡張部分122を含む。第3拡張部分122は、径方向内側を向いた第3拡張部分内表面124と、径方向外側を向いた第3拡張部分外表面126とを含む。第3拡張部分内表面124は、第3拡張部分内径D6を画定する。第3拡張部分外表面126は、第3拡張部分外径D8を画定する。第3拡張部分外表面126は、外側ネジ部128を含む。拡張端部108は、第1トルキング構成要素130(レンチフラットなど)を更に含む。
【0021】
第1導電性チューブ100は、導電性材料、好ましくは金属又は合金(鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、又はチタン合金など)から形成される。
【0022】
図3Aは、図1の第2導電性チューブ200を左側から見た図を示している。図3Bは、図3Aの第2導電性チューブ200を右側から見た図を示している。図3Cは、第2導電性チューブ200の正面図を示している。図3Dは、図3Aの線3-3に沿って切った第2導電性チューブ200の正面断面図である。
【0023】
第2導電性チューブ200は、図示しているように、第2導電性チューブ内表面202を含む。第2導電性チューブ内表面202は、軸12に沿って、第2導電性チューブ200の内周を画定する。
【0024】
第2導電性チューブ200は、図示しているように、第2導電性チューブ外表面204を更に含む。第2導電性チューブ外表面204は、軸12に沿って、第2導電性チューブ200の外周を画定する。
【0025】
第2導電性チューブ200は、図示しているように、第2管状区域206及び外側フランジ208を含む。
【0026】
第2管状区域206は、図示しているように、軸12に沿って実質的に均一に延在している。第2管状区域206は、第2管状区画内径D10、及び第2管状区域外径D12を画定する。第2管状区域内径D10のサイズは、第1管状区域内径D2に対応している。第2管状区域外径D12のサイズは、第1管状区域外径D4に対応している。
【0027】
外側フランジ208は、図示しているように、第2管状区域206の一端に、第2軸方向16を向いて位置付けられている。外側フランジ208は、第2管状区域206から、径方向外向きに延在している。外側フランジ208は、第2軸方向16を向いた、外側フランジ側面210を含む。外側フランジ208は、第1軸方向14を向いており、かつ径方向外側を向いた、外側フランジ外表面212も含む。外側フランジ208は、外側フランジ径D14を画定する。
【0028】
第2導電性チューブ200は、導電性材料、好ましくは金属又は合金(鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、又はチタン合金など)から形成される。
【0029】
図4Aは、図1の第1電気絶縁体300を左側から見た図を示している。図4Bは、図4Aの第1電気絶縁体300を右側から見た図を示している。図4Cは、第1電気絶縁体300の正面図を示している。図4Dは、図4Aの線4-4に沿って切った第1電気絶縁体300の正面断面図である。
【0030】
第1電気絶縁体300は、図示しているように、径方向内側を向いた第1電気絶縁体内表面302を含む。第1電気絶縁体内表面302は、第1電気絶縁体300を通る中心通路304を画定する。第1電気絶縁体内表面302は、第1電気絶縁体内径D16を画定する。第1電気絶縁体内径D16のサイズは、装置10の内径を画定するために、第1管状区域内径D2及び第2管状区域内径D10に対応している。
【0031】
第1電気絶縁体300は、図示しているように、径方向外側を向いた第1電気絶縁体外表面306を更に含む。第1電気絶縁体外表面306は、第1電気絶縁体外径D18を画定する。第1電気絶縁体外径D18のサイズは、第3拡張部分内径D6に対応している。第1電気絶縁体外表面306は、第1導電性チューブ100の拡張端部108の第3拡張部分内表面124と係合するよう構成される。
【0032】
第1電気絶縁体300は、図示しているように、第1軸方向14を向いており、かつ径方向内側を向いた、第1電気絶縁体外側主側面308と、第1軸方向14を向いた第1電気絶縁体内側主側面309とを、更に含む。第1電気絶縁体内側主側面309は、図示しているように、第2導電性チューブ200の外側フランジ208の外側フランフランジ側面210と係合するよう構成される。
【0033】
第1電気絶縁体300は、図示しているように、第2軸方向16を向いた第1電気絶縁体副側面310を更に含む。第1電気絶縁体副側面310は、第1拡張部分内表面112と係合するよう構成される。
【0034】
第1電気絶縁体300は、図示しているように、第2軸方向16を向いており、かつ径方向外側を向いた、第1電気絶縁体傾斜面312を更に含む。第1電気絶縁体傾斜面312は、第2拡張部分内表面118と係合するよう構成される。
【0035】
第1電気絶縁体300は、図示しているように、第1電気絶縁体副側面310の、中心通路304の周囲に配置された、第1環状溝314を更に含む。
【0036】
第1電気絶縁体300は、図示しているように、第1電気絶縁体内側主側面309の、中心通路304の周囲に配置された、第2環状溝316を更に含む。
【0037】
第1電気絶縁体300は、図示しているように、第1環状溝314と第2環状溝316との間の距離として示された最小長さ(L4で表わされている)を有する。
【0038】
図5Aは、図1の第2電気絶縁体400を左側から見た図を示している。図5Bは、図5Aの第2電気絶縁体400を右側から見た図を示している。図5Cは、第2電気絶縁体400の正面図を示している。図5Dは、図5Aの線5-5に沿って切った第2電気絶縁体400の正面断面図である。
【0039】
第2電気絶縁体400は、図示しているように、径方向内側を向いている第2電気絶縁体内表面402であって、第2電気絶縁体内径D20を画定する、第2電気絶縁体内表面402を含む。第2電気絶縁体内径D20のサイズは、第2導電性チューブ200の第2管状区域206の第2管状区域外径D12に対応している。第2電気絶縁体内表面402は、第2導電性チューブ200の第2管状区域206の第2導電性チューブ外表面204と係合するよう構成される。
【0040】
第2電気絶縁体400は、図示しているように、径方向外側を向いている第2電気絶縁体外表面404であって、第2電気絶縁体外径D22を画定する、第2電気絶縁体外表面404を更に含む。第2電気絶縁体外径D22のサイズは、第1電気絶縁体外径D18、及び第3拡張部分内径D6に対応している。第2電気絶縁体外表面404は、第3拡張部分内表面124と係合するよう構成される。
【0041】
第2電気絶縁体400は、図示しているように、第2軸方向16を向いており、かつ径方向外側を向いた、第2電気絶縁体外側主側面406を更に含む。第2電気絶縁体外側主側面406は、第1電気絶縁体外側主側面308と係合するよう構成される。
【0042】
第2電気絶縁体400は、図示しているように、第2軸方向16を向いており、かつ径方向内側を向いた、第2電気絶縁体内側主側面408と、第1軸方向14を向いており、かつ径方向外側を向いた、第2電気絶縁体外側副側面410とを、更に含む。第2電気絶縁体内側主側面408は、第2導電性チューブ200の外側フランジ208の外側フランフランジ外表面212と係合するよう構成される。
【0043】
第2電気絶縁体400は、図示しているように、第1軸方向14を向いた第2電気絶縁体内側副側面412を更に含む。第2電気絶縁体400は、第2電気絶縁体内側副側面412の幅によって表わされている、最小幅W2を有する。
【0044】
図6Aは、図1のナット500を左側から見た図を示している。図6Bは、図6Aのナット500を右側から見た図を示している。図6Cは、ナット500の正面図を示している。図6Dは、図6Aの線6-6に沿って切ったナット500の正面断面図である。
【0045】
ナット500は、図示しているように、ナット内表面502と、ナット外表面504と、ナット正面506と、ナット裏面508とを含む。
【0046】
ナット500は、図示しているように、内側ネジ部510を更に含む。内側ネジ部510はナット内径D24を画定する。ナット内径D24は、第1導電性チューブ100の拡張端部108の第3拡張部分外径D8に対応している。
【0047】
ナット500は、図示しているように、ナット傾斜面512を更に含む。ナット傾斜面512は、第2電気絶縁体外側副側面410と係合するよう構成される。
【0048】
ナット500は、図示しているように、変形可能リム514の形態の副次的保持フィーチャを更に含む。変形可能リム514は、変形して第2拡張部分外表面120の副次的保持ノッチ121と係合するよう構成される。
【0049】
ナット500は、図示しているように、第2トルキング構成要素530(レンチフラットなど)を更に含む。第1トルキング構成要素130及び第2トルキング構成要素530は、ナット500の内側ネジ部510と第1導電性チューブ100の外側ネジ部128との螺合を容易にするよう構成される。
【0050】
図1を再び参照するに、第1環状密封構成要素600は、第1環状溝314に挿入されうるO‐リングとして図示されており、第2環状密封構成要素700は、第2環状溝316に挿入されうるO‐リングとして図示されている。しかし、第1環状密封構成要素600及び第2環状密封構成要素700は、O‐リングに限定されるわけではない。一例では、第1環状溝314が第1導電性チューブ100に形成されることも、第2環状溝316が第2導電性チューブ200に形成されることも、又は第1環状溝314と第2環状溝316の両方が、第1導電性チューブ100と第2導電性チューブ200のそれぞれに形成されることもありうる。別の態様では、第1環状溝314、第2環状溝316、又は第1環状溝314と第2環状溝316両方の中に、液体密封材が注入されることもある。環状密封構成要素の追加的な配置及び設定が、適用されることもある。
【0051】
ある態様では、第1電気絶縁体300及び第2電気絶縁体400は、第1導電性チューブ100と第2導電性チューブ200とナット500との間の電流の流れ又は静電放電の伝達を減少させるのに十分なほど高い電気抵抗を有する、電気絶縁体材料から形成される。一例では、電気絶縁体材料は誘電体材料でありうる。別の例では、電気絶縁体材料は半導体材料でありうる。電気絶縁体材料は、静電荷の散逸が可能であることも、可能ではないこともある。
【0052】
図7Aは、部分的に組み立てられた状態の、図1の装置10の斜視図である。図示しているように、部分的に組み立てられた状態の装置10は、第1導電性チューブ100と第1電気絶縁体300との第1アセンブリ、及び、第2導電性チューブ200と、第2電気絶縁体400と、ナット500との第2アセンブリを含む。図7Bは、部分的に組み立てられた状態の、図7Aの装置10の正面断面図である。
【0053】
第1アセンブリにおいて、第1導電性チューブ100の拡張端部108は、第1電気絶縁体300の周囲に配置されている。図示しているように、第1電気絶縁体副側面310と、第1拡張部分内表面112とが係合されうる。図示しているように、第1電気絶縁体傾斜面312と、第2拡張部分内表面118とが係合されうる。図示しているように、第1電気絶縁体外表面306と、第3拡張部分内表面124とが係合されうる。第1電気絶縁体内径D16のサイズは、第1管状区域内径D2に対応している。
【0054】
第1アセンブリにおいて、第1環状密封構成要素600が第1電気絶縁体300の第1環状溝314内に配置されてよく、第2環状密封構成要素700は第1電気絶縁体300の第2環状溝316内に配置されている。
【0055】
第1環状密封構成要素600は、第1電気絶縁体300と第1導電性チューブ100の拡張端部108との間を密封する。図示しているように、第1環状密封構成要素600と、第1拡張部分内表面112とが係合されうる。
【0056】
第2アセンブリにおいて、第2電気絶縁体400は、第2導電性チューブ200の周囲に配置され、外側フランジ208と係合している。図示しているように、第2電気絶縁体内表面402と、第2導電性チューブ外表面204とが係合されうる。図示しているように、第2電気絶縁体内側主側面408と、外側フランジ外表面212とが係合されうる。第2電気絶縁体内径D20のサイズは、第2導電性チューブ200の第2管状区域206の第2管状区域外径D12に対応している。ナット500は、第2導電性チューブ200の周囲に配置されている。
【0057】
図8Aは、完全に組み立てられた状態の、図7Aの装置10の斜視図である。図示しているように、完全に組み立てられた状態の装置10は、第1導電性チューブ100と、第2導電性チューブ200と、第1電気絶縁体300と、第2電気絶縁体400と、ナット500とを含む。図8Bは、完全的に組み立てられた状態の、図8Aの装置10の正面断面図である。
【0058】
図示しているように、第1導電性チューブ100及び第1電気絶縁体300の第1アセンブリと、第2導電性チューブ200及び第2電気絶縁体400の第2アセンブリとが係合される。外側フランジ側面210と、第1電気絶縁体内側主側面309とが係合されうる。第1電気絶縁体外側主側面308と、第2電気絶縁体外側主側面406とが係合されうる。第3拡張部分内表面124と、第2電気絶縁体外表面404とが係合されうる。第1電気絶縁体内径D16のサイズは、装置10の内径を画定するために、第1管状区域内径D2及び第2管状区域内径D10に対応している。
【0059】
図示しているように、第2環状密封構成要素700は、第1電気絶縁体300と第2導電性チューブ200の外側フランジ208との間を密封する。図示しているように、第2環状密封構成要素700と、第1電気絶縁体内側主側面309とが係合されうる。
【0060】
図示しているように、ナット500は、第2導電性チューブ200の周囲に配置され、第2電気絶縁体400と係合している。ナット傾斜面512と、第2電気絶縁体内側副側面とが係合されうる。
【0061】
ナット500の内側ネジ部510は、第1導電性チューブ100の拡張端部108の外側ネジ部128と係合する。内側ネジ部510と外側ネジ部128とを螺合させることによって、第1導電性チューブ100及び第1電気絶縁体300の第1アセンブリと、第2導電性チューブ200及び第2電気絶縁体400の第2アセンブリとが、押し付けられる。ゆえに、第1アセンブリと第2アセンブリとを互いに押し付けることによって、第1環状密封構成要素600及び第2環状密封構成要素700が作動しうる。
【0062】
図8A及び図8Bに示している変形可能リム514は、非変形状態である。したがって、装置はロックされていない状態である。
【0063】
図9Aは、完全に組み立てられロックされた状態の、図8Aの装置10の斜視図である。図示しているように、完全に組み立てられロックされた状態の装置10は、第1導電性チューブ100と、第2導電性チューブ200と、第1電気絶縁体300と、第2電気絶縁体400と、ナット500とを含む。図9Bは、完全に組み立てられロックされた状態の、図9Aの装置10の正面断面図である。
【0064】
図示しているように、ナット500の内側ネジ部510と第1導電性チューブ100の外側ネジ部128とを螺合させることによって、第1導電性チューブ100及び第1電気絶縁体300の第1アセンブリが、第2導電性チューブ200及び第2電気絶縁体400の第2アセンブリに押し付けられる。
【0065】
更に図示しているように、変形可能リム514は変形して、第1導電性チューブ100の拡張端部108と係合する。変形可能リム514は変形して、第2拡張部分116と係合しうる。変形可能リム514を変形させることによって、ナット500の内側ネジ部510が第1導電性チューブ100の外側ネジ部128から外れることが防止され、これにより、装置10は、組み立てられロックされた状態でロックされうる。
【0066】
ある態様では、装置の導電性構成要素の各々(第1導電性チューブ100、第2導電性チューブ200、及びナット500など)は、絶縁体材料(第1電気絶縁体300、第2電気絶縁体400など)の抵抗に応じて、かつ用途に応じて、絶縁体材料の最小長さだけ隔てられる。図示しているように、第1拡張部分110は、外側フランジ208から、第1電気絶縁体300の最小長さL4だけ隔てられる。図示しているように、第3拡張部分122は、外側フランジ208から、第1電気絶縁体300及び第2電気絶縁体400の組み合わせの最小長さL5だけ隔てられる。図示しているように、ナット500は、第2管状区域206から、第2電気絶縁体400の最小長さL6だけ隔てられる。一例では、絶縁体材料の最小長さは少なくとも0.1インチでありうる。別の例では、絶縁体材料の最小長さは少なくとも0.2インチでありうる。更に別の例では、絶縁体材料の最小長さは少なくとも0.4インチでありうる。最小長さは、装置の導電性構成要素の各々同士の間で火花発生が起こらないようにするのに十分なものでありうる。
【0067】
ある態様では、装置は、航空プラットフォーム、宇宙プラットフォーム、及び航空宇宙プラットフォームのうちの1つの中に配置される。航空プラットフォームは、例えば、航空機、無人航空輸送体、ヘリコプタ、又は他の何らかの種類の航空関連の輸送体若しくはプラットフォームでありうる。宇宙プラットフォームは、例えば、宇宙船、スペースシャトル、衛星ステーション、宇宙ステーション、又は他の何らかの種類の宇宙関連の輸送体若しくはプラットフォームでありうる。航空宇宙プラットフォームは、例えば、スペースシャトル、2段式超音速輸送体、又は他の何らかの種類の、空と宇宙の両方を航行可能な輸送体でありうる。しかし、装置は、上記の用途に限定されるわけではなく、複数の導電性構成要素同士の電気絶縁が求められる任意の用途で使用されうる。
【0068】
図10は、第1導電性チューブ100と第2導電性チューブ200とを接続するための方法800のフロー図である。図示しているように、方法800は、ブロック806において、中心通路304を有する第1電気絶縁体300を、第1導電性チューブ100の拡張端部108内に挿入することを含む。方法800は、ブロック808において、第2電気絶縁体400が第2導電性チューブ200の外側フランジ208と係合するように、第2電気絶縁体400を第2導電性チューブ200の周囲に位置付けることを更に含む。方法800は、ブロック810において、ナット500を、第2導電性チューブ200の周囲に配置され、かつ第2電気絶縁体400と係合するよう位置付けることを更に含む。方法800は、ブロック812において、第1導電性チューブ100の拡張端部108にナット500を螺合させることを更に含む。
【0069】
方法800は、ブロック802において、第1環状密封構成要素600を、第1電気絶縁体300と第1導電性チューブ100の拡張端部108との間に位置付けることを、更に含みうる。ブロック802における、第1環状密封構成要素600を第1電気絶縁体300と第1導電性チューブ100の拡張端部108との間に位置付けるステップは、ブロック803における、第1環状密封構成要素600を、第1電気絶縁体300内に配置された第1環状溝314の中に位置付けることを、更に含みうる。
【0070】
方法800は、ブロック804において、第2環状密封構成要素700を、第1電気絶縁体300と第2導電性チューブ200の外側フランジ208との間に位置付けることを、更に含みうる。ブロック804における、第2環状密封構成要素700を第1電気絶縁体300と第2導電性チューブ200の外側フランジ208との間に位置付けるステップは、ブロック805における、第2環状密封構成要素700を、第1電気絶縁体300内に配置された第2環状溝316の中に位置付けることを、更に含みうる。
【0071】
方法800は、ブロック814において、ナット500のリム514を変形させて、第1導電性チューブ100の拡張端部108と係合させることを更に含みうる。
【0072】
方法800は、ブロック801において、第1導電性チューブ100及び第2導電性チューブ200を、航空プラットフォーム、宇宙プラットフォーム、及び航空宇宙プラットフォームのうちの1つの中に位置付けることを、更に含みうる。
【0073】
図11は、第1導電性チューブ100と第2導電性チューブ200とを接続するための方法900のフロー図である。
【0074】
図示しているように、方法900は、ブロック902において、第1導電性チューブ100と第2導電性チューブ200との間に、少なくとも、中心通路304を有する第1電気絶縁体300を位置付けることによって、第1導電性チューブ100と第2導電性チューブ200とを電気的に絶縁することを含む。方法900は、ブロック904において、第1環状密封構成要素600を、第1電気絶縁体300と第1導電性チューブ100との間に位置付けることを更に含む。方法900は、ブロック906において、第2環状密封構成要素700を、第1電気絶縁体300と第2導電性チューブ200との間に位置付けることを更に含む。方法900は、ブロック908において、第1導電性チューブ100と第2導電性チューブ200とを軸方向に互いに押し付けることによって、第1環状密封構成要素600及び第2環状密封構成要素700を作動させることを更に含む。第1導電性チューブ100と第2導電性チューブ200とを軸方向に互いに押し付けることによって、第1環状密封構成要素600及び第2環状密封構成要素700を作動させることは、前述したようにナット500を使用することを含みうるが、それに限定されるわけではない。第1導電性チューブ100と第2導電性チューブ200とを軸方向に互いに押し付ける別の方法が、用いられることもある。ある態様では、第1環状密封構成要素600及び第2環状密封構成要素700は、第1導電性チューブ100及び第2導電性チューブ200の内部の流体が、圧力のもとで流出することを防止するために、使用されうる。
【0075】
方法900は、ブロック910において、第1導電性チューブ100と第2導電性チューブ200との軸方向の押圧をロックすることを、更に含みうる。第1導電性チューブ100と第2導電性チューブ200との軸方向の押圧をロックすることは、前述したように変形可能リム514を使用することを含みうるが、それに限定されるわけではない。第1導電性チューブ100と第2導電性チューブ200との軸方向の押圧をロックする別の方法が、用いられることもある。
【0076】
方法900は、ブロック901において、第1導電性チューブ100及び第2導電性チューブ200を、航空プラットフォーム、宇宙プラットフォーム、及び航空宇宙プラットフォームのうちの1つの中に位置付けることを、更に含みうる。
【0077】
本開示の例は、図12に示している航空機の製造・保守方法1000、及び図13に示している航空機1002に照らして説明されうる。航空機の製造・保守方法1000は、製造前段階において、航空機1002の仕様及び設計1004と、材料の調達1006とを含みうる。製造段階では、航空機1002の構成要素/サブアセンブリの製造1008及びシステムインテグレーション1010が行われる。その後、航空機1002は、認可及び納品1012を経て、運航1014に供されうる。顧客により運航されている期間中に、航空機1002には、定期的な整備及び保守1016(改造、再構成、改修なども含みうる)が予定される。
【0078】
方法1000の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実施又は実行されうる。この明細書において、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請け業者を含みうるが、それらに限定されるわけではなく、第三者は、任意の数の供給業者、下請け業者、及びサプライヤを含みうるが、それらに限定されるわけではなく、更に、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0079】
本開示の、第1導電性チューブと第2導電性チューブとを接続するための装置及び方法は、航空機の製造・保守方法1000の一又は複数の任意の段階(航空機1002の仕様及び設計1004、材料の調達1006、構成要素/サブアセンブリの製造1008、システムインテグレーション1010、認可及び納品1012、航空機の運航1014への配置、及び定期的な整備及び保守1016を含む)において、用いられうる。
【0080】
図13に示しているように、例示的な方法1000によって製造された航空機1002は、複数のシステム1020と内装1022とを伴う、機体1018を含みうる。複数のシステム1020の例は、推進システム1024、電気システム1026、液圧システム1028、及び環境システム1030のうちの一又は複数を含みうる。任意の数の他のシステムも含まれうる。本開示の、第1導電性チューブと第2導電性チューブとを接続するための装置及び方法は、航空機1002のシステムのうちの任意ものに用いられうる。
【0081】
更に、本開示は以下の条項による実施形態を含む。
【0082】
条項1.
中心通路304を有する第1電気絶縁体300と、
第1電気絶縁体300の周囲に配置される拡張端部108を有する第1導電性チューブ100であって、拡張端部108が外側ネジ部128を備える、第1導電性チューブ100と、
外側フランジ208を有する第2導電性チューブ200と、
第2導電性チューブ200の周囲に配置され、かつ外側フランジ208と係合する、第2電気絶縁体400と、
第2導電性チューブ200の周囲に配置され、かつ第2電気絶縁体400と係合するナット500であって、第1導電性チューブ100の拡張端部108の外側ネジ部128に対応する内側ネジ部510を備える、ナット500とを備える、
装置10。
【0083】
条項2.第1電気絶縁体300と第1導電性チューブ100の拡張端部108との間を密封する、第1環状密封構成要素600を更に備える、条項1に記載の装置10。
【0084】
条項3.第1電気絶縁体300が、中心通路304の周囲に配置された第1環状溝314を有しており、第1環状密封構成要素600が第1環状溝314内に配置される、条項2に記載の装置10。
【0085】
条項4.第1環状密封構成要素600が第1O‐リングである、条項2又は3に記載の装置10。
【0086】
条項5.第1電気絶縁体300と第2導電性チューブ200の外側フランジ208との間を密封する、第2環状密封構成要素700を更に備える、条項1から4のいずれか一項に記載の装置10。
【0087】
条項6.第1電気絶縁体300が、中心通路304の周囲に配置された第2環状溝316を有しており、第2環状密封構成要素700が第2環状溝316内に配置される、条項5に記載の装置10。
【0088】
条項7.第2環状密封構成要素700が第2O‐リングである、条項5又は6に記載の装置10。
【0089】
条項8.ナット500が導電性材料を含む、条項1から7のいずれか一項に記載の装置10。
【0090】
条項9.ナット500が、第2導電性チューブ100の拡張端部108の副次的保持ノッチ121に隣接する変形可能リム514であって、変形して副次的保持ノッチ121と係合するよう構成された変形可能リム514を備える、条項1から8のいずれか一項に記載の装置10。
【0091】
条項10.航空プラットフォーム、宇宙プラットフォーム、及び航空宇宙プラットフォームのうちの1つの中に配置される、条項1から9のいずれか一項に記載の装置10。
【0092】
条項11.第1導電性チューブと第2導電性チューブとを接続するための方法800であって、
中心通路を有する第1電気絶縁体を、第1導電性チューブの拡張端部内に挿入すること806と、
第2電気絶縁体が第2導電性チューブの外側フランジと係合するように、第2電気絶縁体を第2導電性チューブの周囲に位置付けること808と、
ナットを、第2導電性チューブの周囲に配置され、かつ第2電気絶縁体と係合するよう位置付けること810と、
第1導電性チューブの拡張端部にナットを螺合させること812とを含む、
方法。
【0093】
条項12.第1環状密封構成要素を、第1電気絶縁体と第1導電性チューブの拡張端部との間に位置付けること802を更に含む、条項11に記載の方法800。
【0094】
条項13.第1環状密封構成要素を第1電気絶縁体と第1導電性チューブの拡張端部との間に位置付けること802が、第1環状密封構成要素を、第1電気絶縁体内に配置された第1環状溝の中に位置付けること803を含む、条項12に記載の方法800。
【0095】
条項14.第2環状密封構成要素を、第1電気絶縁体と第2導電性チューブの外側フランジとの間に位置付けること804を更に含む、条項11から13のいずれか一項に記載の方法800。
【0096】
条項15.第2環状密封構成要素を第1電気絶縁体と第2導電性チューブの外側フランジとの間に位置付けること804が、第2環状密封構成要素を、第2電気絶縁体内に配置された第2環状溝の中に位置付けること805を含む、条項14に記載の方法800。
【0097】
条項16.ナットのリムを変形させて、第1導電性チューブの拡張端部の一部分と係合させること814を更に含む、条項11から15のいずれか一項に記載の方法800。
【0098】
条項17.第1導電性チューブ及び第2導電性チューブを、航空プラットフォーム、宇宙プラットフォーム、及び航空宇宙プラットフォームのうちの1つの中に位置付けること801を更に含む、条項11から16のいずれか一項に記載の方法800。
【0099】
条項18.第1導電性チューブと第2導電性チューブとを接続するための方法900であって、
第1導電性チューブと第2導電性チューブとの間に、少なくとも、中心通路を有する第1電気絶縁体を位置付けることによって、第1導電性チューブと第2導電性チューブとを電気的に絶縁すること902と、
第1電気絶縁体と第1導電性チューブとの間に、第1環状密封構成要素を位置付けること904と、
第1電気絶縁体と第2導電性チューブとの間に、第2環状密封構成要素を位置付けること906と、
第1導電性チューブと第2導電性チューブとを軸方向に互いに押し付けることによって、第1環状密封構成要素及び第2環状密封構成要素を作動させること908とを含む、
方法。
【0100】
条項19.第1導電性チューブと第2導電性チューブとの軸方向の押圧をロックすること910を更に含む、条項18に記載の方法。
【0101】
条項20.第1導電性チューブ及び第2導電性チューブを、航空プラットフォーム、宇宙プラットフォーム、及び航空宇宙プラットフォームのうちの1つの中に位置付けること901を更に含む、条項18又は19に記載の方法。
【0102】
第1導電性チューブと第2導電性チューブとを接続するための開示されている装置及び方法の様々な実施形態について図示し、説明してきたが、本明細書を読むことで、当業者には複数の改変例が想起されよう。本出願は、かかる改変例を含むものであり、特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13