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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】半導体集積回路装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/82 20060101AFI20240307BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240307BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20240307BHJP
   H01L 27/118 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
H01L21/82 M
H01L27/04 A
H01L27/04 D
H01L27/118 102
H01L21/82 W
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020000884
(22)【出願日】2020-01-07
(65)【公開番号】P2021093510
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】P 2019019500
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019219767
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水落 悠太
(72)【発明者】
【氏名】松井 悠祐
(72)【発明者】
【氏名】谷田部 萌菜
【審査官】西村 治郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-044397(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0106851(US,A1)
【文献】特開2004-006514(JP,A)
【文献】特開2001-035922(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102891148(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0134704(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/82
H01L 21/822
H01L 27/04
H01L 27/118
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板に形成され、前記半導体基板にpチャネル型MOSFET用の第1領域およびnチャネル型MOSFET用の第2領域を区画する素子分離部と、
前記半導体基板上に配置され、第1方向に延びる第1電源配線と、
前記第1方向に延び、かつ前記第1電源配線と間隔を空けた第2電源配線と、
前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の前記第1領域に配置された前記pチャネル型MOSFET用の第1拡散層と、
前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の前記第2領域であり、かつ前記第1拡散層に対して前記第2電源配線側に配置された前記nチャネル型MOSFET用の第2拡散層と、
前記第1方向に直交する第2方向に延び、前記第1拡散層に跨っており、前記第1方向において互いに離れている1ペアの第1ゲート電極と、
前記第2方向に延び、前記第2拡散層に跨っている第2ゲート電極と、
前記第1電源配線および前記第2電源配線の少なくとも一方の下方に配置され、かつ前記第1方向に沿って点在しているバックゲート用の第3拡散層であって、前記第1電源配線の下方に配置され、前記第1拡散層とは反対導電型であり、かつ前記pチャネル型MOSFET用の第3拡散層を含む第3拡散層と、
前記1ペアの第1ゲート電極、前記1ペアの第1ゲート電極の間の前記第1拡散層、および前記1ペアの第1ゲート電極の両側の前記第1拡散層によって、1ペアの前記pチャネル型MOSFETが構成されており、
前記第1方向における前記1ペアの第1ゲート電極の両側の前記第1拡散層から前記第1電源配線の下方における前記pチャネル型MOSFET用の第3拡散層が形成されていない領域に向かって選択的に延びる一対の第1コンタクト部と、
前記1ペアの第1ゲート電極の間の前記第1拡散層から前記第2方向において前記pチャネル型MOSFET用の第3拡散層に向かって延び、前記第2方向において前記素子分離部を挟んで前記pチャネル型MOSFET用の第3拡散層に隣り合う第1延出部とを含む、半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記第1延出部の前記第2方向における長さは、前記一対の第1コンタクト部の前記第2方向における長さよりも短い、請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記第1電源配線から分岐し、前記一対の第1コンタクト部のうちの一方の前記第1コンタクト部に電気的に接続された第1分岐配線と、
前記第1電源配線から分離され、前記一対の第1コンタクト部のうちの他方の前記第1コンタクト部に電気的に接続された第1配線と、
前記第1電源配線から分岐し、前記第1延出部に電気的に接続された第2分岐配線とを含む、請求項1または2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記第2方向における前記第1拡散層の長さは、0.95μm~1.48μmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記第2ゲート電極は、前記第1方向において互いに離れている1ペアの第2ゲート電極を含み、
前記第3拡散層は、前記第2電源配線の下方に配置され、前記第2拡散層とは反対導電型であり、かつ前記nチャネル型MOSFET用の第3拡散層を含み、
前記1ペアの第2ゲート電極、前記1ペアの第2ゲート電極の間の前記第2拡散層、および前記1ペアの第2ゲート電極の両側の前記第2拡散層によって、1ペアの前記nチャネル型MOSFETが構成されており、
前記第1方向における前記1ペアの第2ゲート電極の両側の前記第2拡散層から前記第2電源配線の下方における前記nチャネル型MOSFET用の第3拡散層が形成されていない領域に向かって選択的に延びる一対の第2コンタクト部と、
前記1ペアの第2ゲート電極の間の前記第2拡散層から前記第2方向において前記nチャネル型MOSFET用の第3拡散層に向かって延び、前記第2方向において前記素子分離部を挟んで前記nチャネル型MOSFET用の第3拡散層に隣り合う第2延出部とを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項6】
前記第2延出部の前記第2方向における長さは、前記一対の第2コンタクト部の前記第2方向における長さよりも短い、請求項5に記載の半導体集積回路装置。
【請求項7】
前記第2電源配線から分岐し、前記一対の第2コンタクト部のうちの一方の前記第2コンタクト部に電気的に接続された第3分岐配線と、
前記第2電源配線から分離され、前記一対の第2コンタクト部のうちの他方の前記第2コンタクト部に電気的に接続された第2配線と、
前記第2電源配線から分岐し、前記第2延出部に電気的に接続された第4分岐配線とを含む、請求項5または6に記載の半導体集積回路装置。
【請求項8】
前記第2方向における前記第2拡散層の長さは、0.81μm~1.34μmである、請求項5~7のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項9】
前記1ペアの第1ゲート電極の前記第2電源配線側の端部と、前記1ペアの第2ゲート電極の前記第1電源配線側の端部とが1対1で一体的に接続されている、請求項5~8のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項10】
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との接続部分で定義され、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極よりも幅広なゲートコンタクト部を含む、請求項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項11】
前記ゲートコンタクト部は、前記第1方向において、当該ゲートコンタクト部を介して接続された前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極に対して両側に突出する形状で形成されている、請求項10に記載の半導体集積回路装置。
【請求項12】
前記1ペアの第1ゲート電極の一方および前記1ペアの第2ゲート電極の一方を接続する前記ゲートコンタクト部において、他方側の前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極に向かって突出する部分の突出量が、その反対側に突出する当該ゲートコンタクト部の部分の突出量よりも小さい、請求項11に記載の半導体集積回路装置。
【請求項13】
前記第2方向における前記第1電源配線と前記第2電源配線との距離は、3.38μm~3.40μmである、請求項1~12のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項14】
1ペアの前記pチャネル型MOSFETおよび1ペアの前記nチャネル型MOSFETの合計4つのMOSFETからなる基本セルが、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域を前記第1方向に沿って複数配列されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲートアレイを有する半導体集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲートアレイは、LSI内に基本セルを規則的に配置することによって構成されており、製造工数を短くできる、メタル配線層レベルで回路を簡単に修正できる等の利点がある。
特許文献1は、たとえば、ゲートが分離された、一対のp型MOSFETおよびn型MOSFETからなる基本セルを含む半導体集積回路装置を開示している。当該半導体集積回路装置は、基本セルが規則的に配列されたゲートアレイを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-103488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、ゲートアレイは、基本セルのパターンが決まっているため、スタンダードセル方式に比べてセル面積を小さくすることが難しいという課題がある。
そこで、本発明の目的は、従来に比べて基本セルの長さを短くできるゲートアレイを備える半導体集積回路装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一の局面に係る半導体集積回路装置は、半導体基板上に配置され、第1方向に延びる第1電源配線と、前記第1方向に延び、かつ前記第1電源配線と間隔を空けた第2電源配線と、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域に配置されたpチャネル型MOSFET用の第1拡散層と、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域であり、かつ前記第1拡散層に対して前記第2電源配線側に配置されたnチャネル型MOSFET用の第2拡散層と、前記第1方向に直交する第2方向に延び、前記第1拡散層に跨っている第1ゲート電極と、前記第2方向に延び、前記第2拡散層に跨っている第2ゲート電極と、前記第1電源配線および前記第2電源配線の少なくとも一方の下方に配置され、かつ前記第1方向に沿って点在しているバックゲート用の第3拡散層とを含む。
【0006】
本発明の他の局面に係る半導体集積回路装置は、半導体基板上に配置され、第1方向に延びる第1電源配線と、前記第1方向に延び、かつ前記第1電源配線と間隔を空けた第2電源配線と、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域に配置されたpチャネル型MOSFET用の第1拡散層と、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域であり、かつ前記第1拡散層に対して前記第2電源配線側に配置されたnチャネル型MOSFET用の第2拡散層と、前記第1方向に直交する第2方向に延び、前記第1拡散層に跨っている第1ゲート電極と、前記第2方向に延び、前記第2拡散層に跨っている第2ゲート電極と、前記第1拡散層の、前記第1方向における前記第1ゲート電極の両側から、前記第1電源配線の下方の領域へ選択的に延びる一対の第1コンタクト部とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路装置の回路セルのレイアウトの一例を示す模式的な平面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路装置を構成する基本セル(ゲートアレイ)のレイアウトの一例(第1形態)を示す模式的な平面図である。
図3図3は、図2の二点鎖線IIIで囲まれた部分の拡大図である。
図4図4は、図3のIV-IV断面を示す図である。
図5図5は、図3のV-V断面を示す図である。
図6図6は、図3のVI-VI断面を示す図である。
図7図7は、図3のVII-VII断面を示す図である。
図8図8は、図3のVIII-VIII断面を示す図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路装置を構成する基本セル(ゲートアレイ)のレイアウトの一例(第2形態)を示す模式的な平面図である。
図10図10は、図9の二点鎖線Xで囲まれた部分の拡大図である。
図11図11は、図10のXI-XI断面を示す図である。
図12図12は、図10のXII-XII断面を示す図である。
図13図13は、図10のXIII-XIII断面を示す図である。
図14図14は、図10のXIV-XIV断面を示す図である。
図15図15は、図10のXV-XV断面を示す図である。
図16図16は、図2の基本セル(ゲートアレイ)の変形例を示す図である。
図17図17は、図10の基本セル(ゲートアレイ)の変形例を示す図である。
図18図18は、図2の基本セル(ゲートアレイ)の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<本発明の実施形態>
まず、本発明の実施形態を列記して説明する。
本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置は、半導体基板上に配置され、第1方向に延びる第1電源配線と、前記第1方向に延び、かつ前記第1電源配線と間隔を空けた第2電源配線と、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域に配置されたpチャネル型MOSFET用の第1拡散層と、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域であり、かつ前記第1拡散層に対して前記第2電源配線側に配置されたnチャネル型MOSFET用の第2拡散層と、前記第1方向に直交する第2方向に延び、前記第1拡散層に跨っている第1ゲート電極と、前記第2方向に延び、前記第2拡散層に跨っている第2ゲート電極と、前記第1電源配線および前記第2電源配線の少なくとも一方の下方に配置され、かつ前記第1方向に沿って点在しているバックゲート用の第3拡散層とを含む。
【0009】
この構成によれば、pチャネル型MOSFETおよびnチャネル型MOSFETを含む基本セルが第1電源配線と第2電源配線との間の領域に配置されているため、第1電源配線および第2電源配線が基本セル内に配置されていない。これにより、基本セル内のスペースを、他の配線レイアウトに使用することができるので、基本セル内の配線性を向上させることができる。その結果、配線レイアウト用のスペースに余裕ができるので、第2方向におけるpチャネル型MOSFETおよびnチャネル型MOSFETを含む基本セルの長さを短くすることができる。なお、基本セルは、複数の半導体素子を含むレイアウト上の基本単位と定義されてもよい。
【0010】
さらに、バックゲート用の第3拡散層が、第1電源配線および第2電源配線の少なくとも一方の下方に配置され、かつ第1方向に沿って点在していることによって、第1電源配線および/または第2電源配線の下方の領域であり、かつ第3拡散層が形成されていない領域を有効利用することができる。
本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第3拡散層は、前記第1電源配線の下方に配置され、前記第1拡散層とは反対導電型であり、かつpチャネル型MOSFET用の第3拡散層を含み、前記半導体集積回路装置は、前記第1拡散層から、前記第1電源配線の下方であり、かつ前記pチャネル型MOSFET用の第3拡散層が形成されていない領域まで選択的に延びる第1コンタクト部を含んでいてもよい。
【0011】
この構成によれば、第1電源配線の下方の領域であり、かつ第3拡散層が形成されていない領域を、第1拡散層への電源供給のための第1コンタクト部として有効利用することができる。これにより、第1拡散層への電源供給のための配線を基本セル内に引き回す必要がないので、基本セル内の配線性を一層向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第1ゲート電極は、互いに離れている1ペアの第1ゲート電極を含み、前記1ペアの第1ゲート電極、前記1ペアの第1ゲート電極の間の前記第1拡散層、および前記1ペアの第1ゲート電極の両側の前記第1拡散層によって、1ペアのpチャネル型MOSFETが構成されており、前記第1コンタクト部は、前記1ペアの第1ゲート電極の間の前記第1拡散層から延びていてもよい。
【0012】
本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第2方向における前記第1拡散層の長さは、0.95μm~1.48μmであってもよい。
本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第3拡散層は、前記第2電源配線の下方に配置され、前記第2拡散層とは反対導電型であり、かつnチャネル型MOSFET用の第3拡散層を含み、前記半導体集積回路装置は、前記第2拡散層から、前記第2電源配線の下方であり、かつ前記nチャネル型MOSFET用の第3拡散層が形成されていない領域まで選択的に延びる第2コンタクト部を含んでいてもよい。
【0013】
この構成によれば、第2電源配線の下方の領域であり、かつ第3拡散層が形成されていない領域を、第2拡散層への電源供給のための第2コンタクト部として有効利用することができる。これにより、第2拡散層への電源供給のための配線を基本セル内に引き回す必要がないので、基本セル内の配線性を一層向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第2ゲート電極は、互いに離れている1ペアの第2ゲート電極を含み、前記1ペアの第2ゲート電極、前記1ペアの第2ゲート電極の間の前記第2拡散層、および前記1ペアの第2ゲート電極の両側の前記第2拡散層によって、1ペアのnチャネル型MOSFETが構成されており、前記第2コンタクト部は、前記1ペアの第2ゲート電極の間の前記第2拡散層から延びていてもよい。
【0014】
本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第2方向における前記第2拡散層の長さは、0.81μm~1.34μmであってもよい。
本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第1ゲート電極の前記第2電源配線側の端部と、前記第2ゲート電極の前記第1電源配線側の端部とが一体的に接続されていてもよい。
【0015】
この構成によれば、pチャネル型MOSFETおよびnチャネル型MOSFETのゲート電極を共通にすることによって、第1ゲート電極および第2ゲート電極のそれぞれに接続する配線を減らすことができる。その結果、基本セル内の配線の自由度が向上するため、基本セル内の配線性を一層向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置は、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との接続部分で定義され、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極よりも幅広なゲートコンタクト部を含んでいてもよい。
【0016】
本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第2方向における前記第1電源配線と前記第2電源配線との距離は、3.38μm~3.40μmであってもよい。
本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置では、1ペアの前記pチャネル型MOSFETおよび1ペアの前記nチャネル型MOSFETの合計4つのMOSFETからなる基本セルが、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域を前記第1方向に沿って複数配列されていてもよい。
【0017】
本発明の第2実施形態に係る半導体集積回路装置は、半導体基板上に配置され、第1方向に延びる第1電源配線と、前記第1方向に延び、かつ前記第1電源配線と間隔を空けた第2電源配線と、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域に配置されたpチャネル型MOSFET用の第1拡散層と、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域であり、かつ前記第1拡散層に対して前記第2電源配線側に配置されたnチャネル型MOSFET用の第2拡散層と、前記第1方向に直交する第2方向に延び、前記第1拡散層に跨っている第1ゲート電極と、前記第2方向に延び、前記第2拡散層に跨っている第2ゲート電極と、前記第1拡散層の、前記第1方向における前記第1ゲート電極の両側から、前記第1電源配線の下方の領域へ選択的に延びる一対の第1コンタクト部とを含む。
【0018】
この構成によれば、pチャネル型MOSFETおよびnチャネル型MOSFETを含む基本セルが第1電源配線と第2電源配線との間の領域に配置されているため、第1電源配線および第2電源配線が基本セル内に配置されていない。これにより、基本セル内のスペースを、他の配線レイアウトに使用することができるので、基本セル内の配線性を向上させることができる。その結果、配線レイアウト用のスペースに余裕ができるので、第2方向におけるpチャネル型MOSFETおよびnチャネル型MOSFETを含む基本セルの長さを短くすることができる。なお、基本セルは、複数の半導体素子を含むレイアウト上の基本単位と定義されてもよい。
【0019】
さらに、第1電源配線の下方の領域を、第1拡散層への電源供給のための第1コンタクト部として有効利用することができる。これにより、第1拡散層への電源供給のための配線を基本セル内に引き回す必要がないので、基本セル内の配線性を向上させることができる。
本発明の第2実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第1ゲート電極は、互いに離れている1ペアの第1ゲート電極を含み、前記1ペアの第1ゲート電極、前記1ペアの第1ゲート電極の間の前記第1拡散層、および前記1ペアの第1ゲート電極の両側の前記第1拡散層によって、1ペアの前記pチャネル型MOSFETが構成されており、前記第1コンタクト部は、前記1ペアの第1ゲート電極の両側の前記第1拡散層から延びていてもよい。
【0020】
本発明の第2実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第1電源配線の下方の領域は、前記一対の第1コンタクト部の延出方向に沿う一対の第1仮想線に重なる一対の第1領域と、前記一対の第1領域に挟まれた第2領域とを含み、前記半導体集積回路装置は、前記第2領域に前記一対の第1コンタクト部から離れて配置された第3拡散層をさらに含んでいてもよい。
【0021】
この構成によれば、第1電源配線の下方の領域であり、かつ第1コンタクト部と重ならない領域を、バックゲート用の第3拡散層として有効利用することができる。これにより、基本セル内の配線性を一層向上させることができる。
本発明の第2実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第3拡散層は、前記第1拡散層とは反対導電型であり、かつ前記pチャネル型MOSFET用の第3拡散層を含んでいてもよい。
【0022】
本発明の第3実施形態に係る半導体集積回路装置は、半導体基板上に配置され、第1方向に延びる第1電源配線と、前記第1方向に延び、かつ前記第1電源配線と間隔を空けた第2電源配線と、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域に配置されたpチャネル型MOSFET用の第1拡散層と、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域であり、かつ前記第1拡散層に対して前記第2電源配線側に配置されたnチャネル型MOSFET用の第2拡散層と、前記第1方向に直交する第2方向に延び、前記第1拡散層に跨っている第1ゲート電極と、前記第2方向に延び、前記第2拡散層に跨っている第2ゲート電極と、前記第2拡散層の、前記第1方向における前記第2ゲート電極の両側から、前記第2電源配線の下方の領域へ選択的に延びる一対の第2コンタクト部とを含む。
【0023】
この構成によれば、pチャネル型MOSFETおよびnチャネル型MOSFETを含む基本セルが第1電源配線と第2電源配線との間の領域に配置されているため、第1電源配線および第2電源配線が基本セル内に配置されていない。これにより、基本セル内のスペースを、他の配線レイアウトに使用することができるので、基本セル内の配線性を向上させることができる。その結果、配線レイアウト用のスペースに余裕ができるので、第2方向におけるpチャネル型MOSFETおよびnチャネル型MOSFETを含む基本セルの長さを短くすることができる。なお、基本セルは、複数の半導体素子を含むレイアウト上の基本単位と定義されてもよい。
【0024】
さらに、第2電源配線の下方の領域を、第2拡散層への電源供給のための第2コンタクト部として有効利用することができる。これにより、第2拡散層への電源供給のための配線を基本セル内に引き回す必要がないので、基本セル内の配線性を向上させることができる。
本発明の第3実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第2ゲート電極は、互いに離れている1ペアの第2ゲート電極を含み、前記1ペアの第2ゲート電極、前記1ペアの第2ゲート電極の間の前記第2拡散層、および前記1ペアの第2ゲート電極の両側の前記第2拡散層によって、1ペアの前記nチャネル型MOSFETが構成されており、前記第2コンタクト部は、前記1ペアの第2ゲート電極の両側の前記第2拡散層から延びていてもよい。
【0025】
本発明の第3実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第2電源配線の下方の領域は、前記一対の第2コンタクト部の延出方向に沿う一対の第2仮想線に重なる一対の第3領域と、前記一対の第3領域に挟まれた第4領域とを含み、前記半導体集積回路装置は、前記第4領域に前記一対の第2コンタクト部から離れて配置された第4拡散層をさらに含んでいてもよい。
【0026】
この構成によれば、第2電源配線の下方の領域であり、かつ第2コンタクト部と重ならない領域を、バックゲート用の第4拡散層として有効利用することができる。これにより、基本セル内の配線性を一層向上させることができる。
本発明の第3実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第4拡散層は、前記第2拡散層とは反対導電型であり、かつ前記nチャネル型MOSFET用の第4拡散層を含んでいてもよい。
【0027】
本発明の第2および第3実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第2方向における前記第1拡散層の長さLに対する、前記第2方向における前記第2拡散層の長さLの比(L/L)は、0.45~0.70であってもよい。
本発明の第2および第3実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第1ゲート電極の前記第2電源配線側の端部と、前記第2ゲート電極の前記第1電源配線側の端部とが一体的に接続されていてもよい。
【0028】
この構成によれば、pチャネル型MOSFETおよびnチャネル型MOSFETのゲート電極を共通にすることによって、第1ゲート電極および第2ゲート電極のそれぞれに接続する配線を減らすことができる。その結果、基本セル内の配線の自由度が向上するため、基本セル内の配線性を一層向上させることができる。
本発明の第2および第3実施形態に係る半導体集積回路装置は、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との接続部分で形成され、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極よりも幅広なゲートコンタクト部を含んでいてもよい。
【0029】
本発明の第2および第3実施形態に係る半導体集積回路装置では、前記第2方向における前記第1電源配線と前記第2電源配線との距離は、4.07μm~4.09μmであっていてもよい。
本発明の第2および第3実施形態に係る半導体集積回路装置では、1ペアの前記pチャネル型MOSFETおよび1ペアの前記nチャネル型MOSFETの合計4つのMOSFETからなる基本セルが、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域を前記第1方向に沿って複数配列されていてもよい。
<本発明の実施形態の詳細な説明>
次に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路装置1の回路セル4,5,6のレイアウトの一例を示す模式的な平面図である。
半導体集積回路装置1は、所定の機能を果たす電子回路の素子が多数搭載された電子部品(IC)である。半導体集積回路装置1は、外形を構成する樹脂パッケージ2と、樹脂パッケージ2から露出する複数の端子3(アウタリード)とを含む。
【0031】
樹脂パッケージ2内には、複数の回路セル4,5,6が配置されている。この実施形態では、第1回路セル4、第2回路セル5および第3回路セル6が、それぞれ、複数の端子3に電気的に接続された態様で配置されている。
複数の回路セル4,5,6は、様々な回路を含むことができる。複数の回路セル4,5,6、たとえば、NAND、NOR等の論理回路や、AD変換器やコンパレータ等のアナログ回路を含んでいてもよい。複数の回路セル4,5,6は、互いに面積が異なっていてもよく、この実施形態では、第3回路セル6が、第1回路セル4および第2回路セル5に比べて広い面積で形成されている。以下では、第1回路セル4の内部構成について説明する。
【0032】
図2は、半導体集積回路装置1の第1回路セル4を構成する基本セル(ゲートアレイ)のレイアウトの一例(第1形態)を示す模式的な平面図である。図3は、図2の二点鎖線IIIで囲まれた部分の拡大図である。図4は、図3のIV-IV断面を示す図である。図5は、図3のV-V断面を示す図である。図6は、図3のVI-VI断面を示す図である。図7は、図3のVII-VII断面を示す図である。図8は、図3のVIII-VIII断面を示す図である。
【0033】
図2に示すように、第1回路セル4では、半導体基板7の上に、第1電源配線8および第2電源配線9が配置されている。第1電源配線8および第2電源配線9は、一方が正側の配線(電源のプラス側に接続されるVDD配線)であり、他方が負側の配線(電源のマイナス側に接続されるVSS配線)である。この実施形態では、第1電源配線8が正側の配線であり、第2電源配線9が負側の配線である。
【0034】
第1電源配線8および第2電源配線9は、本発明の第1方向の一例としてのX方向に沿って延びている。第1電源配線8および第2電源配線9は、X方向に直交する本発明の第2方向の一例としてのY方向において互いに離れている。これにより、第1電源配線8と第2電源配線9との間には、複数の素子(この実施形態では、pチャネル型MOSFET11およびnチャネル型MOSFET12)が配置される素子配置領域10が形成されている。
【0035】
この実施形態では、それぞれ帯状の第1電源配線8および第2電源配線9が、X方向に沿って互いに平行に延びており、第1電源配線8と第2電源配線9との間に、第1電源配線8および第2電源配線9よりも幅広な帯状の素子配置領域10が形成されている。たとえば、第1電源配線8と第2電源配線9の幅(配線幅)が、0.28μm~0.30μmであり、第1電源配線8と第2電源配線9との距離(素子配置領域10の幅W)が、3.38μm~3.40μmであってもよい。
【0036】
素子配置領域10には、所定のパターンで形成された複数の基本セル13が、ゲートアレイで敷き詰められている。ここで、基本セル13は、複数の半導体素子を含むレイアウト上の基本単位と定義される。たとえば、所望の論理を構成するための基本となる論理ゲート(たとえば、NANDゲート、NORゲート等)を構成可能な複数の素子(MOSFET)の集合体と定義されてもよい。この実施形態では、1ペアのpチャネル型MOSFET11および1ペアのnチャネル型MOSFET12で構成されたものを基本セル13と定義してもよい。1ペアのpチャネル型MOSFET11および1ペアのnチャネル型MOSFET12は、それぞれ、共通のレイアウトで形成されている。そして、1ペアのpチャネル型MOSFET11および1ペアのnチャネル型MOSFET12の合計4つのMOSFETを含むパターンを基本セル13とし、当該基本セル13が、素子配置領域10をX方向に沿って複数配列されている。
【0037】
次に、主に図3図8を参照して、各基本セル13の構造について、より具体的に説明する。
半導体基板7は、たとえばシリコン基板等で構成されていてもよく、この実施形態では、p型のシリコン基板で構成されている。
半導体基板7には、互いに隣り合う基本セル13の間、および各基本セル13においてpチャネル型MOSFET11とnチャネル型MOSFET12との間に素子分離部14が形成されている。素子分離部14は、この実施形態では、トレンチ15に埋め込まれた絶縁膜16によって構成されたSTI(Shallow Trench Isolation)構造によって構成されている。むろん、素子分離部14は、STI構造に制限されず、たとえば、LOCOS等のフィールド酸化膜によって構成されていてもよい。
【0038】
素子分離部14によって、素子配置領域10は、pチャネル型MOSFET11が形成される第1領域17と、nチャネル型MOSFET12が形成される第2領域18とに区画されている。
pチャネル型MOSFET11は、n型ウェル19と、本発明の第1拡散層の一例としてのp型拡散層20と、第1ゲート絶縁膜21と、第1ゲート電極22と、本発明の第3拡散層の一例としてのn型拡散層23と、第1コンタクト部24とを含む。
【0039】
n型ウェル19は、第1領域17の全体にわたって、半導体基板7の表面部に形成されている。n型ウェル19は、素子分離部14よりも深く形成されており、かつその一部が素子分離部14の下方に配置されている。
p型拡散層20は、n型ウェル19の表面部に形成され、かつ半導体基板7の表面から露出している。p型拡散層20は、p型の半導体基板7よりも高いp型不純物濃度を有している。また、p型拡散層20は、この実施形態では、各基本セル13に3つ配置されている。各p型拡散層20は、Y方向における長さがX方向における長さよりも長い長方形状である。たとえば、各p型拡散層20のY方向における長さWは、0.95μm~1.48μmである。
【0040】
3つのp型拡散層20は、X方向において互いに離れている。また、この実施形態では、3つのp型拡散層20のうち、両側のp型拡散層20で挟まれた中央のp型拡散層20は、両側のp型拡散層20よりも広い幅を有している。
互いに隣り合うp型拡散層20は、一方がpチャネル型MOSFET11のソースとされ、他方がpチャネル型MOSFET11のドレインとされる。ソース/ドレインのいずれとして機能するかは、各p型拡散層20に接続されるメタル配線(後述する層間絶縁膜35上の配線)のパターンによって決定される。この実施形態では、pチャネル型MOSFET11に関して、中央のp型拡散層20は、第1コンタクト部24を介して第1電源配線8(正側の配線)に接続される拡散層であるので、ソース領域と称してもよい。一方、両側のp型拡散層20は、ドレイン領域と称してもよい。
【0041】
第1ゲート絶縁膜21は、互いに離れている1ペアの第1ゲート絶縁膜21を含む。各第1ゲート絶縁膜21は、Y方向に延びる帯状であり、互いに隣り合うp型拡散層20の間から露出するn型ウェル19の部分上に配置されている。第1ゲート絶縁膜21の一部は、図4に示すようにp型拡散層20の周縁部にオーバーラップしている。これにより、第1ゲート絶縁膜21は、互いに隣り合うp型拡散層20の間に跨っている。また、第1ゲート絶縁膜21は、たとえば、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)等の絶縁材料からなる。
【0042】
第1ゲート電極22は、互いに離れている1ペアの第1ゲート電極22を含む。各第1ゲート電極22は、第1ゲート絶縁膜21上に配置され、第1ゲート絶縁膜21と同形状に形成されている。つまり、第1ゲート電極22は、Y方向に延びる帯状であり、互いに隣り合うp型拡散層20の間に跨っている。また、第1ゲート電極22は、たとえば、ポリシリコン等の導電材料からなる。
【0043】
n型ウェル19において、第1ゲート絶縁膜21を挟んで第1ゲート電極22に対向する部分は、互いに隣り合うp型拡散層20を電気的に接続するチャネルが形成されるチャネル領域25である。互いに隣り合うp型拡散層20の間に電位差が生じた状態で、第1ゲート電極22に適切な電圧を印加することによって、チャネル領域25にp型チャネルを形成することができる。
【0044】
第1ゲート電極22は、さらに、第1ゲートコンタクト部26を含む。第1ゲートコンタクト部26は、図3および図8に示すように、p型拡散層20に対して第1電源配線8側の素子分離部14上に配置されている。第1ゲートコンタクト部26は、チャネル領域25上の第1ゲート電極22の部分よりも幅広に形成されている。より具体的には、第1ゲートコンタクト部26は、X方向において、チャネル領域25上の第1ゲート電極22に対して外側(第1コンタクト部24から離れる側)に突出する形状で形成されている。また、第1ゲートコンタクト部26と素子分離部14との間には、第1ゲート絶縁膜21が介在されている。
【0045】
n型拡散層23は、pチャネル型MOSFET11において、基板電位をとるためのバックゲート用の拡散層であり、n型ウェル19よりも高いn型不純物濃度を有している。
n型拡散層23は、図3および図6に示すように、第1電源配線8の下方のn型ウェル19の表面部に形成され、かつX方向に沿って点在している。つまり、複数のn型拡散層23が、第1電源配線8に沿って間隔を空けて規則的に配列されている。この実施形態では、互いに隣り合う基本セル13の境界部にn型拡散層23が配置されており、n型拡散層23が、互いに隣り合う基本セル13で共有されている。したがって、各基本セル13において、第1電源配線8の下方領域であって、かつY方向においてp型拡散層20に対向する領域は、n型拡散層23が形成されていない領域となっている。
【0046】
第1コンタクト部24は、p型拡散層20から、第1電源配線8の下方におけるn型拡散層23が形成されていない領域に向かって選択的に延びている。これにより、半導体基板7の厚さ方向において、第1コンタクト部24の先端部50は、第1電源配線8に対向している。この実施形態では、第1コンタクト部24は、1ペアの第1ゲート電極22の間のp型拡散層20(中央のp型拡散層20)から選択的に延びており、1ペアの第1ゲート電極22の両側のp型拡散層20には、第1コンタクト部24が接続されていない。一方、第1電源配線8の下方領域においてn型拡散層23が形成されていない領域は、第1コンタクト部24の先端部50を除いて、素子分離部14で構成されている。
【0047】
第1コンタクト部24は、p型拡散層20と一体的なp型の拡散層であり、p型拡散層20と同じイオン注入工程によって作製することができる。また、第1コンタクト部24のp型不純物濃度は、p型拡散層20のp型不純物濃度と同じであってもよい。
また、第1コンタクト部24は、図3に示すように、p型拡散層20よりも幅狭であってもよく、たとえば、平面視において、第1ゲート電極22にオーバーラップしないような幅で形成されていてもよい。
【0048】
nチャネル型MOSFET12の基本ゲートパターンは、図3に示すように、pチャネル型MOSFET11とnチャネル型MOSFET12との間をX方向に沿って延びる素子分離部14上の軸Aを対称軸として、pチャネル型MOSFET11の基本ゲートパターンと線対称である。
より具体的には、nチャネル型MOSFET12は、本発明の第2拡散層の一例としてのn型拡散層27と、第2ゲート絶縁膜28と、第2ゲート電極29と、本発明の第3拡散層の一例としてのp型拡散層30と、第2コンタクト部31とを含む。
【0049】
n型拡散層27は、半導体基板7の表面部に形成され、かつ半導体基板7の表面から露出している。n型拡散層27は、p型の半導体基板7よりも高いn型不純物濃度を有している。また、n型拡散層27は、この実施形態では、各基本セル13に3つ配置されている。各n型拡散層27は、Y方向における長さがX方向における長さよりも長い長方形状である。たとえば、各n型拡散層27のY方向における長さWは、0.81μm~1.34μmである。
【0050】
3つのn型拡散層27は、X方向において互いに離れている。また、この実施形態では、3つのn型拡散層27のうち、両側のn型拡散層27で挟まれた中央のn型拡散層27は、両側のn型拡散層27よりも広い幅を有している。
互いに隣り合うn型拡散層27は、一方がnチャネル型MOSFET12のソースとされ、他方がnチャネル型MOSFET12のドレインとされる。ソース/ドレインのいずれとして機能するかは、各n型拡散層27に接続されるメタル配線(後述する層間絶縁膜35上の配線)のパターンによって決定される。この実施形態では、nチャネル型MOSFET12に関して、中央のn型拡散層27は、第2コンタクト部31を介して第2電源配線9(負側の配線)に接続される拡散層であるので、ソース領域と称してもよい。一方、両側のn型拡散層27は、ドレイン領域と称してもよい。
【0051】
第2ゲート絶縁膜28は、互いに離れている1ペアの第2ゲート絶縁膜28を含む。各第2ゲート絶縁膜28は、Y方向に延びる帯状であり、半導体基板7上に配置されている。第2ゲート絶縁膜28の一部は、図5に示すようにn型拡散層27の周縁部にオーバーラップしている。これにより、第2ゲート絶縁膜28は、互いに隣り合うn型拡散層27の間に跨っている。また、第2ゲート絶縁膜28は、たとえば、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)等の絶縁材料からなる。
【0052】
第2ゲート電極29は、互いに離れている1ペアの第2ゲート電極29を含む。各第2ゲート電極29は、第2ゲート絶縁膜28上に配置され、第2ゲート絶縁膜28と同形状に形成されている。つまり、第2ゲート電極29は、Y方向に延びる帯状であり、互いに隣り合うn型拡散層27の間に跨っている。また、第2ゲート電極29は、たとえば、ポリシリコン等の導電材料からなる。
【0053】
半導体基板7において、第2ゲート絶縁膜28を挟んで第2ゲート電極29に対向する部分は、互いに隣り合うn型拡散層27を電気的に接続するチャネルが形成されるチャネル領域32である。互いに隣り合うn型拡散層27の間に電位差が生じた状態で、第2ゲート電極29に適切な電圧を印加することによって、チャネル領域32にn型チャネルを形成することができる。
【0054】
第2ゲート電極29は、さらに、第2ゲートコンタクト部33を含む。第2ゲートコンタクト部33は、図3および図8に示すように、n型拡散層27に対して第2電源配線9側の素子分離部14上に配置されている。第2ゲートコンタクト部33は、チャネル領域32上の第2ゲート電極29の部分よりも幅広に形成されている。より具体的には、第2ゲートコンタクト部33は、X方向において、チャネル領域32上の第2ゲート電極29に対して外側(第2コンタクト部31から離れる側)に突出する形状で形成されている。また、第2ゲートコンタクト部33と素子分離部14との間には、第2ゲート絶縁膜28が介在されている。
【0055】
また、この実施形態では、第1ゲート電極22の第2電源配線9側の端部と、第2ゲート電極29の第1電源配線8側の端部とが一体的に接続されており、共通のゲートコンタクト部34が形成されている。ゲートコンタクト部34は、第1ゲートコンタクト部26および第2ゲートコンタクト部33よりも幅広に形成されている。
より具体的には、ゲートコンタクト部34は、X方向において、第1ゲート電極22および第2ゲート電極29に対して両側に突出する形状で形成されている。第1ゲート電極22および第2ゲート電極29に対して内側(第1コンタクト部24および第2コンタクト部31に近づく側)に突出するゲートコンタクト部34の部分の突出量が、その反対側に突出するゲートコンタクト部34の突出量よりも小さくなっている。
【0056】
p型拡散層30は、nチャネル型MOSFET12において、基板電位をとるためのバックゲート用の拡散層であり、p型の半導体基板7よりも高いp型不純物濃度を有している。
p型拡散層30は、図3および図6に示すように、第2電源配線9の下方の半導体基板7の表面部に形成され、かつX方向に沿って点在している。つまり、複数のp型拡散層30が、第2電源配線9に沿って間隔を空けて規則的に配列されている。この実施形態では、互いに隣り合う基本セル13の境界部にp型拡散層30が配置されており、p型拡散層30が、互いに隣り合う基本セル13で共有されている。したがって、各基本セル13において、第2電源配線9の下方領域であって、かつY方向においてn型拡散層27に対向する領域は、p型拡散層30が形成されていない領域となっている。
【0057】
図3に示すように、基本セル13の上側の両角部に1ペアのn型拡散層23が配置され、下側の両角部に1ペアのp型拡散層30が配置されている。したがって、この半導体集積回路装置1の第1回路セル4では、基本セル13の4隅に、バックゲート用の拡散層が配置されていることになる。
第2コンタクト部31は、n型拡散層27から、第2電源配線9の下方におけるp型拡散層30が形成されていない領域に向かって選択的に延びている。これにより、半導体基板7の厚さ方向において、第2コンタクト部31の先端部51は、第2電源配線9に対向している。この実施形態では、第2コンタクト部31は、1ペアの第2ゲート電極29の間のn型拡散層27(中央のn型拡散層27)から選択的に延びており、1ペアの第2ゲート電極29の両側のn型拡散層27には、第2コンタクト部31が接続されていない。一方、第2電源配線9の下方領域においてp型拡散層30が形成されていない領域は、第2コンタクト部31の先端部51を除いて、素子分離部14で構成されている。
【0058】
第2コンタクト部31は、n型拡散層27と一体的なn型の拡散層であり、n型拡散層27と同じイオン注入工程によって作製することができる。また、第2コンタクト部31のn型不純物濃度は、n型拡散層27のn型不純物濃度と同じであってもよい。
また、第2コンタクト部31は、図3に示すように、n型拡散層27よりも幅狭であってもよく、たとえば、平面視において、第2ゲート電極29にオーバーラップしないような幅で形成されていてもよい。
【0059】
半導体基板7上には、第1ゲート電極22および第2ゲート電極29を覆うように、層間絶縁膜35が積層されている。層間絶縁膜35は、たとえば、酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料からなる。
層間絶縁膜35上には、配線パターン36が形成されている。配線パターン36は、たとえば、アルミニウム等のメタル配線で構成されている。配線パターン36は、第1電源配線8および第2電源配線9の他、第1ゲート電極22、第2ゲート電極29、p型拡散層20、n型拡散層27等に接続される回路配線37を含んでいてもよい。
【0060】
回路配線37のパターンは、設計されたデジタル回路に応じて適宜変更されるものである。この実施形態では、図3に示すように、第1ゲートコンタクト部26、第2ゲートコンタクト部33およびゲートコンタクト部34に回路配線37が接続された態様のみを例示している。
また、層間絶縁膜35には、第1コンタクトホール38、第2コンタクトホール39、第3コンタクトホール40、第4コンタクトホール41および第5コンタクトホール42が形成されている。
【0061】
図7に示すように、第1コンタクト部24は、第1コンタクトホール38に埋め込まれたビア43(たとえば、タングステン(W))を介して、第1電源配線8から分岐した第1分岐配線48に電気的に接続されている。第1分岐配線48は、第1電源配線8から垂直に分岐し、第1コンタクト部24に対して平行に延びている。この実施形態では、第1分岐配線48の下方には、複数(図3では、3つ)の第1コンタクトホール38が形成されている。複数の第1コンタクトホール38は、第1分岐配線48の延出方向に沿って間隔を空けて配列されている。
【0062】
第2コンタクト部31は、第2コンタクトホール39に埋め込まれたビア44(たとえば、タングステン(W))を介して、第2電源配線9から分岐した第2分岐配線49に電気的に接続されている。第2分岐配線49は、第2電源配線9から垂直に分岐し、第2コンタクト部31に対して平行に延びている。この実施形態では、第2分岐配線49の下方には、複数(図3では、3つ)の第2コンタクトホール39が形成されている。複数の第2コンタクトホール39は、第2分岐配線49の延出方向に沿って間隔を空けて配列されている。
【0063】
図6に示すように、pチャネル型MOSFET11のn型拡散層23は、第3コンタクトホール40に埋め込まれたビア45(たとえば、タングステン(W))を介して、第1電源配線8に電気的に接続されている。nチャネル型MOSFET12のp型拡散層30は、第4コンタクトホール41に埋め込まれたビア46(たとえば、タングステン(W))を介して、第2電源配線9に電気的に接続されている。
【0064】
図3および図8に示すように、第1ゲートコンタクト部26、第2ゲートコンタクト部33およびゲートコンタクト部34は、第5コンタクトホール42に埋め込まれたビア47(たとえば、タングステン(W))を介して、回路配線37に電気的に接続されている。
以上、この半導体集積回路装置1によれば、pチャネル型MOSFET11およびnチャネル型MOSFET12の素子配置領域10(第1領域17および第2領域18)が、第1電源配線8と第2電源配線9との間の領域に配置されている。そのため、第1電源配線8および第2電源配線9が基本セル13内に配置されていない。
【0065】
これにより、基本セル13内のスペースを、他の配線(たとえば、図3の回路配線37)レイアウトに使用することができるので、基本セル13内の配線性を向上させることができる。その結果、配線レイアウト用のスペースに余裕ができるので、Y方向におけるpチャネル型MOSFET11およびnチャネル型MOSFET12を含む基本セル13の長さを短くすることができる。たとえば、p型拡散層20およびn型拡散層27のY方向における長さWおよびWを、それぞれ0.81μm~0.95μmにすることができる。
【0066】
さらに、バックゲート用のn型拡散層23およびp型拡散層30が、それぞれ、第1電源配線8および第2電源配線9の下方に配置され、かつX方向に沿って点在している。これにより、第1電源配線8および第2電源配線9の下方の領域であり、かつn型拡散層23およびp型拡散層30が形成されていない領域を有効利用することができる。
たとえば、図3に示すように、第1電源配線8の下方の領域であり、かつn型拡散層23が形成されていない領域の近傍を、p型拡散層20への電源供給のための第1コンタクト部24として有効利用することができる。これにより、p型拡散層20への電源供給のための配線(第1分岐配線48)を基本セル13内(第1領域17内)に長く引き回す必要がなく、第1電源配線8から少し分岐させるだけで済むので、基本セル13内の配線性を一層向上させることができる。
【0067】
また、たとえば、図3に示すように、第2電源配線9の下方の領域であり、かつp型拡散層30が形成されていない領域の近傍を、n型拡散層27への電源供給のための第2コンタクト部31として有効利用することができる。これにより、n型拡散層27への電源供給のための配線(第2分岐配線49)を基本セル13内(第2領域18内)に長く引き回す必要がなく、第2電源配線9から少し分岐させるだけで済むので、基本セル13内の配線性を一層向上させることができる。
【0068】
さらに、ゲートコンタクト部34によって、pチャネル型MOSFET11およびnチャネル型MOSFET12のゲート電極が共通化されている。これにより、第1ゲート電極22および第2ゲート電極29のそれぞれに接続する配線を減らすことができる。その結果、基本セル13内の配線の自由度が向上するため、基本セル13内の配線性を一層向上させることができる。
【0069】
図9は、半導体集積回路装置1の第1回路セル4を構成する基本セル(ゲートアレイ)のレイアウトの一例(第2形態)を示す模式的な平面図である。図10は、図9の二点鎖線Xで囲まれた部分の拡大図である。図11は、図10のXI-XI断面を示す図である。図12は、図10のXII-XII断面を示す図である。図13は、図10のXIII-XIII断面を示す図である。図14は、図10のXIV-XIV断面を示す図である。図15は、図10のXV-XV断面を示す図である。
【0070】
図9に示すように、第1回路セル4では、半導体基板107の上に、第1電源配線108および第2電源配線109が配置されている。第1電源配線108および第2電源配線109は、一方が正側の配線(電源のプラス側に接続されるVDD配線)であり、他方が負側の配線(電源のマイナス側に接続されるVSS配線)である。この実施形態では、第1電源配線108が正側の配線であり、第2電源配線109が負側の配線である。
【0071】
第1電源配線108および第2電源配線109は、本発明の第1方向の一例としてのX方向に沿って延びている。第1電源配線108および第2電源配線109は、X方向に直交する本発明の第2方向の一例としてのY方向において互いに離れている。これにより、第1電源配線108と第2電源配線109との間には、複数の素子(この実施形態では、pチャネル型MOSFET111およびnチャネル型MOSFET112)が配置される素子配置領域110が形成されている。
【0072】
この実施形態では、それぞれ帯状の第1電源配線108および第2電源配線109が、X方向に沿って互いに平行に延びており、第1電源配線108と第2電源配線109との間に、第1電源配線108および第2電源配線109よりも幅広な帯状の素子配置領域110が形成されている。たとえば、第1電源配線108と第2電源配線109の幅(配線幅)が、0.39μm~0.41μmであり、第1電源配線108と第2電源配線109との距離(素子配置領域110の幅W)が、4.07μm~4.09μmであってもよい。
【0073】
素子配置領域110には、所定のパターンで形成された複数の基本セル113が、ゲートアレイで敷き詰められている。ここで、基本セル113は、複数の半導体素子を含むレイアウト上の基本単位と定義される。たとえば、所望の論理を構成するための基本となる論理ゲート(たとえば、NANDゲート、NORゲート等)を構成可能な複数の素子(MOSFET)の集合体と定義されてもよい。この実施形態では、1ペアのpチャネル型MOSFET111および1ペアのnチャネル型MOSFET112で構成されたものを基本セル113と定義してもよい。1ペアのpチャネル型MOSFET111および1ペアのnチャネル型MOSFET112は、それぞれ、共通のレイアウトで形成されている。そして、1ペアのpチャネル型MOSFET111および1ペアのnチャネル型MOSFET112の合計4つのMOSFETを含むパターンを基本セル113とし、当該基本セル113が、素子配置領域110をX方向に沿って複数配列されている。
【0074】
次に、主に図10図15を参照して、各基本セル113の構造について、より具体的に説明する。
半導体基板107は、たとえばシリコン基板等で構成されていてもよく、この実施形態では、p型のシリコン基板で構成されている。
半導体基板107には、互いに隣り合う基本セル113の間、および各基本セル113においてpチャネル型MOSFET111とnチャネル型MOSFET112との間に素子分離部114が形成されている。素子分離部114は、この実施形態では、トレンチ115に埋め込まれた絶縁膜116によって構成されたSTI(Shallow Trench Isolation)構造によって構成されている。むろん、素子分離部114は、STI構造に制限されず、たとえば、LOCOS等のフィールド酸化膜によって構成されていてもよい。
【0075】
素子分離部114によって、素子配置領域110は、pチャネル型MOSFET111が形成される第1領域117と、nチャネル型MOSFET112が形成される第2領域118とに区画されている。
pチャネル型MOSFET111は、n型ウェル119と、本発明の第1拡散層の一例としてのp型拡散層120と、第1ゲート絶縁膜121と、第1ゲート電極122と、本発明の第3拡散層の一例としてのn型拡散層123と、第1コンタクト部124とを含む。
【0076】
n型ウェル119は、第1領域117の全体にわたって、半導体基板107の表面部に形成されている。n型ウェル119は、素子分離部114よりも深く形成されており、かつその一部が素子分離部114の下方に配置されている。
p型拡散層120は、n型ウェル119の表面部に形成され、かつ半導体基板107の表面から露出している。p型拡散層120は、p型の半導体基板107よりも高いp型不純物濃度を有している。また、p型拡散層120は、この実施形態では、各基本セル113に3つ配置されている。各p型拡散層120は、X方向における長さがY方向における長さよりも長い長方形状である。たとえば、各p型拡散層120のY方向における長さLは、1.14μm~1.86μmである。
【0077】
3つのp型拡散層120は、X方向において互いに離れている(図11参照)。また、この実施形態では、3つのp型拡散層120のうち、両側のp型拡散層120で挟まれた中央のp型拡散層120は、両側のp型拡散層120よりも狭い幅を有している。
互いに隣り合うp型拡散層120は、一方がpチャネル型MOSFET111のソースとされ、他方がpチャネル型MOSFET111のドレインとされる。ソース/ドレインのいずれとして機能するかは、各p型拡散層120に接続されるメタル配線(後述する層間絶縁膜135上の配線)のパターンによって決定される。この実施形態では、pチャネル型MOSFET111に関して、両側のp型拡散層120のうち一方(図10の紙面左側)のp型拡散層120は、第1コンタクト部124を介して第1電源配線108(正側の配線)に接続される拡散層であるので、ソース領域と称してもよい。一方、両側のp型拡散層120のうち他方(図10の紙面右側)のp型拡散層120は、ドレイン領域と称してもよい。
【0078】
第1ゲート絶縁膜121は、互いに離れている1ペアの第1ゲート絶縁膜121を含む。各第1ゲート絶縁膜121は、Y方向に延びる帯状であり、互いに隣り合うp型拡散層120の間から露出するn型ウェル119の部分上に配置されている。第1ゲート絶縁膜121の一部は、図11に示すようにp型拡散層120の周縁部にオーバーラップしている。これにより、第1ゲート絶縁膜121は、互いに隣り合うp型拡散層120の間に跨っている。また、第1ゲート絶縁膜121は、たとえば、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)等の絶縁材料からなる。
【0079】
第1ゲート電極122は、互いに離れている1ペアの第1ゲート電極122を含む。各第1ゲート電極122は、第1ゲート絶縁膜121上に配置され、第1ゲート絶縁膜121と同形状に形成されている。つまり、第1ゲート電極122は、Y方向に延びる帯状であり、互いに隣り合うp型拡散層120の間に跨っている。また、第1ゲート電極122は、たとえば、ポリシリコン等の導電材料からなる。
【0080】
n型ウェル119において、第1ゲート絶縁膜121を挟んで第1ゲート電極122に対向する部分は、互いに隣り合うp型拡散層120を電気的に接続するチャネルが形成されるチャネル領域125である。互いに隣り合うp型拡散層120の間に電位差が生じた状態で、第1ゲート電極122に適切な電圧を印加することによって、チャネル領域125にp型チャネルを形成することができる。
【0081】
第1ゲート電極122は、さらに、第1ゲートコンタクト部126を含む。第1ゲートコンタクト部126は、図10および図15に示すように、p型拡散層120に対して第1電源配線108側の素子分離部114上に配置されている。第1ゲートコンタクト部126は、チャネル領域125上の第1ゲート電極122の部分よりも幅広に形成されている。より具体的には、第1ゲートコンタクト部126は、X方向において、チャネル領域125上の第1ゲート電極122に対して外側(第1コンタクト部124に近づく側)に突出する形状で形成されている。また、第1ゲートコンタクト部126と素子分離部114との間には、第1ゲート絶縁膜121が介在されている。
【0082】
第1コンタクト部124は、p型拡散層120から、第1電源配線108の下方の領域に向かって選択的に延びている。これにより、半導体基板107の厚さ方向において、第1コンタクト部124の先端部150は、第1電源配線108に対向している。他の言い方では、第1コンタクト部124の先端部150は、平面視において、第1電源配線108に重なっている。なお、第1コンタクト部124の先端部150は、平面視において、第1電源配線108に重なっていなくてもよい。第1コンタクト部124の先端部150を第1電源配線108に重ねるか否かは、たとえば、ラインアンドスペース(L/S)等のデザインルールに基づいて、適宜定めることができる。
【0083】
この実施形態では、第1コンタクト部124は、X方向における1ペアの第1ゲート電極122の両側(外側)のp型拡散層120(両側のp型拡散層120)から選択的に延びている。一方で、1ペアの第1ゲート電極122の間のp型拡散層120には、第1コンタクト部124よりもY方向における長さが短い第1延出部152が接続されている。たとえば、第1コンタクト部124のY方向における長さL図13参照)に対する、第1延出部152のY方向における長さL図14参照)の比(L/L)は、0.50~0.52であってもよい。具体的な大きさとしては、長さLは、たとえば、0.71μm~0.73μmであってもよいし、長さLは、たとえば、0.35μm~0.38μmであってもよい。
【0084】
第1コンタクト部124は、p型拡散層120と一体的なp型の拡散層であり、p型拡散層120と同じイオン注入工程によって作製することができる。また、第1コンタクト部124のp型不純物濃度は、p型拡散層120のp型不純物濃度と同じであってもよい。
また、第1コンタクト部124は、図10に示すように、各p型拡散層120よりも幅狭であってもよく、たとえば、平面視において、第1ゲート電極122にオーバーラップしないような幅で形成されていてもよい。
【0085】
なお、この実施形態では、第1ゲート電極122の両側(外側)のp型拡散層120から延びる拡散層を、p型拡散層120に対するコンタクトのための第1コンタクト部124と称しているが、全ての第1コンタクト部124がp型拡散層120に対するコンタクトに使用されなくてもよい。つまり、第1コンタクト部124は、第1電源配線108からp型拡散層120への電源供給のための配線を基本セル113内に引き回す必要なく、コンタクトとして使用可能な部分と定義できる。
【0086】
n型拡散層123は、pチャネル型MOSFET111において、基板電位をとるためのバックゲート用の拡散層であり、n型ウェル119よりも高いn型不純物濃度を有している。
n型拡散層123は、図9図10および図14に示すように、第1電源配線108の下方のn型ウェル119の表面部に形成され、かつX方向に沿って点在している。つまり、複数のn型拡散層123が、第1電源配線108に沿って間隔を空けて規則的に配列されている。
【0087】
この実施形態では、第1電源配線108の下方の領域は、一対の第1コンタクト部124の延出方向に沿う一対の第1仮想線153に重なる一対の第1領域154と、一対の第1領域154に挟まれた第2領域155とを含んでいる。そして、n型拡散層123は、第2領域155に一対の第1コンタクト部124から離れて配置されている。
また、n型拡散層123は、Y方向において、中央のp型拡散層120に対向する位置に形成されている。これにより、n型拡散層123は、Y方向において、素子分離部114を挟んで第1延出部152に隣り合っている(図14参照)。n型拡散層123と第1延出部152とのY方向における距離は、ラインアンドスペース(L/S)等のデザインルールに基づいて、適宜定めることができるが、たとえば、0.27μm~0.29μmであってもよい。
【0088】
なお、各基本セル113において、第1電源配線108の下方領域であって、かつY方向においてp型拡散層120に対向する領域は、n型拡散層123が形成されていない領域となっている。つまり、第1電源配線108の下方領域においてn型拡散層123が形成されていない領域は、第1コンタクト部124の先端部150を除いて、素子分離部114で構成されている。
【0089】
nチャネル型MOSFET112の基本ゲートパターンは、図10に示すように、pチャネル型MOSFET111とnチャネル型MOSFET112との間をX方向に沿って延びる素子分離部114上の軸Aを対称軸として、pチャネル型MOSFET111の基本ゲートパターンと線対称である。
より具体的には、nチャネル型MOSFET112は、本発明の第2拡散層の一例としてのn型拡散層127と、第2ゲート絶縁膜128と、第2ゲート電極129と、本発明の第4拡散層の一例としてのp型拡散層130と、第2コンタクト部131とを含む。
【0090】
n型拡散層127は、半導体基板107の表面部に形成され、かつ半導体基板107の表面から露出している。n型拡散層127は、p型の半導体基板107よりも高いn型不純物濃度を有している。また、n型拡散層127は、この実施形態では、各基本セル113に3つ配置されている。各n型拡散層127は、X方向における長さがY方向における長さよりも長い長方形状である。
【0091】
たとえば、各n型拡散層127のY方向における長さLは、0.52μm~1.24μmである。また、p型拡散層120のY方向における長さLに対する、n型拡散層127のY方向における長さLの比(L/L)は、たとえば、0.45~0.70であり、長さLは長さLよりも長くなっている。つまり、ホール(正孔)の移動度が電子の移動度よりも小さいため、長さLを相対的に長くしてpチャネル型MOSFET111をnチャネル型MOSFET112よりも大きく形成している。これにより、pチャネル型MOSFET111およびnチャネル型MOSFET112の電流駆動能力をほぼ同じにすることができる。
【0092】
3つのn型拡散層127は、X方向において互いに離れている(図12参照)。また、この実施形態では、3つのn型拡散層127のうち、両側のn型拡散層127で挟まれた中央のn型拡散層127は、両側のn型拡散層127よりも狭い幅を有している。
互いに隣り合うn型拡散層127は、一方がnチャネル型MOSFET112のソースとされ、他方がnチャネル型MOSFET112のドレインとされる。ソース/ドレインのいずれとして機能するかは、各n型拡散層127に接続されるメタル配線(後述する層間絶縁膜135上の配線)のパターンによって決定される。この実施形態では、nチャネル型MOSFET112に関して、両側のn型拡散層127のうち一方(図10の紙面左側)のn型拡散層127は、第2コンタクト部131を介して第2電源配線109(負側の配線)に接続される拡散層であるので、ソース領域と称してもよい。一方、両側のp型拡散層120のうち他方(図10の紙面右側)のn型拡散層127は、ドレイン領域と称してもよい。
【0093】
第2ゲート絶縁膜128は、互いに離れている1ペアの第2ゲート絶縁膜128を含む。各第2ゲート絶縁膜128は、Y方向に延びる帯状であり、半導体基板107上に配置されている。第2ゲート絶縁膜128の一部は、図12に示すようにn型拡散層127の周縁部にオーバーラップしている。これにより、第2ゲート絶縁膜128は、互いに隣り合うn型拡散層127の間に跨っている。また、第2ゲート絶縁膜128は、たとえば、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)等の絶縁材料からなる。
【0094】
第2ゲート電極129は、互いに離れている1ペアの第2ゲート電極129を含む。各第2ゲート電極129は、第2ゲート絶縁膜128上に配置され、第2ゲート絶縁膜128と同形状に形成されている。つまり、第2ゲート電極129は、Y方向に延びる帯状であり、互いに隣り合うn型拡散層127の間に跨っている。また、第2ゲート電極129は、たとえば、ポリシリコン等の導電材料からなる。
【0095】
半導体基板107において、第2ゲート絶縁膜128を挟んで第2ゲート電極129に対向する部分は、互いに隣り合うn型拡散層127を電気的に接続するチャネルが形成されるチャネル領域132である。互いに隣り合うn型拡散層127の間に電位差が生じた状態で、第2ゲート電極129に適切な電圧を印加することによって、チャネル領域132にn型チャネルを形成することができる。
【0096】
第2ゲート電極129は、さらに、第2ゲートコンタクト部133を含む。第2ゲートコンタクト部133は、図10および図15に示すように、n型拡散層127に対して第2電源配線109側の素子分離部114上に配置されている。第2ゲートコンタクト部133は、チャネル領域132上の第2ゲート電極129の部分よりも幅広に形成されている。より具体的には、第2ゲートコンタクト部133は、X方向において、チャネル領域132上の第2ゲート電極129に対して外側(第2コンタクト部131に近づく側)に突出する形状で形成されている。また、第2ゲートコンタクト部133と素子分離部114との間には、第2ゲート絶縁膜128が介在されている。
【0097】
また、この実施形態では、第1ゲート電極122の第2電源配線109側の端部と、第2ゲート電極129の第1電源配線108側の端部とが一体的に接続されており、共通のゲートコンタクト部134が形成されている。ゲートコンタクト部134は、第1ゲートコンタクト部126および第2ゲートコンタクト部133よりも幅広に形成されている。
より具体的には、ゲートコンタクト部134は、X方向において、第1ゲート電極122および第2ゲート電極129に対して両側に突出する形状で形成されている。第1ゲート電極122および第2ゲート電極129に対して内側に突出するゲートコンタクト部134の部分の突出量が、その反対側(第1コンタクト部124および第2コンタクト部131に近づく側)に突出するゲートコンタクト部134の突出量よりも小さくなっている。
【0098】
第2コンタクト部131は、n型拡散層127から、第2電源配線109の下方の領域に向かって選択的に延びている。これにより、半導体基板107の厚さ方向において、第2コンタクト部131の先端部151は、第2電源配線109に対向している。他の言い方では、第2コンタクト部131の先端部151は、平面視において、第2電源配線109に重なっている。なお、第2コンタクト部131の先端部151は、平面視において、第2電源配線109に重なっていなくてもよい。第2コンタクト部131の先端部151を第2電源配線109に重ねるか否かは、たとえば、ラインアンドスペース(L/S)等のデザインルールに基づいて、適宜定めることができる。
【0099】
この実施形態では、第2コンタクト部131は、X方向における1ペアの第2ゲート電極129の両側(外側)のn型拡散層127(両側のn型拡散層127)から選択的に延びている。一方で、1ペアの第2ゲート電極129の間のn型拡散層127には、第2コンタクト部131よりもY方向における長さが短い第2延出部156が接続されている。たとえば、第2コンタクト部131のY方向における長さL図13参照)に対する、第2延出部156のY方向における長さL図14参照)の比(L/L)は、0.50~0.52であってもよい。具体的な大きさとしては、長さLは、たとえば、0.71μm~0.73μmであってもよいし、長さLは、たとえば、0.36μm~0.38μmであってもよい。
【0100】
第2コンタクト部131は、n型拡散層127と一体的なn型の拡散層であり、n型拡散層127と同じイオン注入工程によって作製することができる。また、第2コンタクト部131のn型不純物濃度は、n型拡散層127のn型不純物濃度と同じであってもよい。
また、第2コンタクト部131は、図10に示すように、n型拡散層127よりも幅狭であってもよく、たとえば、平面視において、第2ゲート電極129にオーバーラップしないような幅で形成されていてもよい。
【0101】
なお、この実施形態では、第2ゲート電極129の両側(外側)のn型拡散層127から延びる拡散層を、n型拡散層127に対するコンタクトのための第2コンタクト部131と称しているが、全ての第2コンタクト部131がn型拡散層127に対するコンタクトに使用されなくてもよい。つまり、第2コンタクト部131は、第2電源配線109からn型拡散層127への電源供給のための配線を基本セル113内に引き回す必要なく、コンタクトとして使用可能な部分と定義できる。
【0102】
p型拡散層130は、nチャネル型MOSFET112において、基板電位をとるためのバックゲート用の拡散層であり、p型の半導体基板107よりも高いp型不純物濃度を有している。
p型拡散層130は、図9図10および図14に示すように、第2電源配線109の下方の半導体基板107の表面部に形成され、かつX方向に沿って点在している。つまり、複数のp型拡散層130が、第2電源配線109に沿って間隔を空けて規則的に配列されている。
【0103】
この実施形態では、第2電源配線109の下方の領域は、一対の第2コンタクト部131の延出方向に沿う一対の第2仮想線157に重なる一対の第3領域158と、一対の第3領域158に挟まれた第4領域159とを含んでいる。そして、p型拡散層130は、第4領域159に一対の第2コンタクト部131から離れて配置されている。
また、p型拡散層130は、Y方向において、中央のn型拡散層127に対向する位置に形成されている。これにより、p型拡散層130は、Y方向において、素子分離部114を挟んで第2延出部156に隣り合っている(図14参照)。p型拡散層130と第2延出部156とのY方向における距離は、ラインアンドスペース(L/S)等のデザインルールに基づいて、適宜定めることができるが、たとえば、0.27μm~0.29μmであってもよい。
【0104】
なお、各基本セル113において、第2電源配線109の下方領域であって、かつY方向においてn型拡散層127に対向する領域は、p型拡散層130が形成されていない領域となっている。つまり、第2電源配線109の下方領域においてp型拡散層130が形成されていない領域は、第2コンタクト部131の先端部151を除いて、素子分離部114で構成されている。
【0105】
半導体基板107上には、第1ゲート電極122および第2ゲート電極129を覆うように、層間絶縁膜135が積層されている。層間絶縁膜135は、たとえば、酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料からなる。
層間絶縁膜135上には、配線パターン136が形成されている。配線パターン136は、たとえば、アルミニウム等のメタル配線で構成されている。配線パターン136は、第1電源配線108および第2電源配線109の他、第1ゲート電極122、第2ゲート電極129、p型拡散層120、n型拡散層127等に接続される回路配線137を含んでいてもよい。
【0106】
回路配線137のパターンは、設計されたデジタル回路に応じて適宜変更されるものである。この実施形態では、図10に示すように、第1コンタクト部124、第1延出部152、第2コンタクト部131、第2延出部156およびゲートコンタクト部134に回路配線137が接続された態様のみを例示している。
また、層間絶縁膜135には、第1コンタクトホール160、第2コンタクトホール161、第3コンタクトホール162、第4コンタクトホール163、第5コンタクトホール164、第6コンタクトホール165、第7コンタクトホール166、第8コンタクトホール167および第9コンタクトホール168が形成されている。
【0107】
図10および図13に示すように、一対の第1コンタクト部124のうち一方(図10の紙面左側)の第1コンタクト部124は、第1コンタクトホール160に埋め込まれたビア138(たとえば、タングステン(W))を介して、第1電源配線108から分岐した第1分岐配線148に電気的に接続されている。第1分岐配線148は、第1電源配線108から垂直に分岐し、第1コンタクト部124に対して平行に延びている。この実施形態では、第1分岐配線148の下方には、1つの第1コンタクトホール160が形成されている。なお、第1コンタクトホール160は、複数形成されていてもよい。
【0108】
図10に示すように、一対の第1コンタクト部124のうち他方(図10の紙面右側)の第1コンタクト部124は、第2コンタクトホール161に埋め込まれたビア139(たとえば、タングステン(W))を介して、第1電源配線108から分離された第1配線171に電気的に接続されている。第1配線171は、素子配置領域110内を引き回され、たとえば、図示しない位置で、他の基本セル113のp型拡散層120等に接続されていてもよい。
【0109】
図10および図14に示すように、第1延出部152は、第3コンタクトホール162に埋め込まれたビア140(たとえば、タングステン(W))を介して、第1電源配線108から分岐した第2分岐配線149に電気的に接続されている。第2分岐配線149は、第1電源配線108から垂直に分岐し、第1延出部152に対して平行に延びている。この実施形態では、第2分岐配線149の下方には、1つの第3コンタクトホール162が形成されている。なお、第3コンタクトホール162は、複数形成されていてもよい。
【0110】
図10および図14に示すように、pチャネル型MOSFET111のn型拡散層123は、第4コンタクトホール163に埋め込まれたビア141(たとえば、タングステン(W))を介して、第1電源配線108に電気的に接続されている。これにより、中央のp型拡散層120は、第1延出部152、第2分岐配線149および第1電源配線108を介して、n型拡散層123に電気的に接続されている。
【0111】
図10および図13に示すように、一対の第2コンタクト部131のうち一方(図10の紙面左側)の第2コンタクト部131は、第5コンタクトホール164に埋め込まれたビア142(たとえば、タングステン(W))を介して、第2電源配線109から分岐した第3分岐配線169に電気的に接続されている。第3分岐配線169は、第2電源配線109から垂直に分岐し、第2コンタクト部131に対して平行に延びている。この実施形態では、第3分岐配線169の下方には、1つの第5コンタクトホール164が形成されている。なお、第5コンタクトホール164は、複数形成されていてもよい。
【0112】
図10に示すように、一対の第2コンタクト部131のうち他方(図10の紙面右側)の第2コンタクト部131は、第6コンタクトホール165に埋め込まれたビア143(たとえば、タングステン(W))を介して、第2電源配線109から分離された第2配線172に電気的に接続されている。第2配線172は、素子配置領域110内を引き回され、たとえば、図示しない位置で、他の基本セル113のn型拡散層127等に接続されていてもよい。
【0113】
図10および図14に示すように、第2延出部156は、第7コンタクトホール166に埋め込まれたビア144(たとえば、タングステン(W))を介して、第2電源配線109から分岐した第4分岐配線170に電気的に接続されている。第4分岐配線170は、第2電源配線109から垂直に分岐し、第2延出部156に対して平行に延びている。この実施形態では、第4分岐配線170の下方には、1つの第7コンタクトホール166が形成されている。なお、第7コンタクトホール166は、複数形成されていてもよい。
【0114】
図10および図14に示すように、nチャネル型MOSFET112のp型拡散層130は、第8コンタクトホール167に埋め込まれたビア145(たとえば、タングステン(W))を介して、第2電源配線109に電気的に接続されている。これにより、中央のn型拡散層127は、第2延出部156、第4分岐配線170および第2電源配線109を介して、p型拡散層130に電気的に接続されている。
【0115】
図10および図15に示すように、ゲートコンタクト部134は、第9コンタクトホール168に埋め込まれたビア146(たとえば、タングステン(W))を介して、回路配線137に電気的に接続されている。この回路配線137は、たとえば、第1電源配線108や第2電源配線109よりも上層の配線層に、さらにビア(図示せず)を用いて引き上げられ、当該配線層内で引き回されていてもよい。
【0116】
以上、この半導体集積回路装置1によれば、pチャネル型MOSFET111およびnチャネル型MOSFET112の素子配置領域110(第1領域117および第2領域118)が、第1電源配線108と第2電源配線109との間の領域に配置されている。そのため、第1電源配線108および第2電源配線109が基本セル113内に配置されていない。
【0117】
これにより、基本セル113内のスペースを、他の配線(たとえば、図10の回路配線137)レイアウトに使用することができるので、基本セル113内の配線性を向上させることができる。その結果、配線レイアウト用のスペースに余裕ができるので、Y方向におけるpチャネル型MOSFET111およびnチャネル型MOSFET112を含む基本セル113の長さを短くすることができる。たとえば、p型拡散層120およびn型拡散層127のY方向における長さLおよびLを、それぞれ、1.14μm~1.86μmおよび0.52μm~1.24μmにすることができる。
【0118】
また、図10および図13に示すように、第1電源配線108の下方の領域を、p型拡散層120への電源供給のための第1コンタクト部124として有効利用することができる。これにより、p型拡散層120への電源供給のための配線(第1分岐配線148)を基本セル113内(第1領域117内)に長く引き回す必要がなく、第1電源配線108から少し分岐させるだけで済むので、基本セル113内の配線性を向上させることができる。
【0119】
また、たとえば、図10および図13に示すように、第2電源配線109の下方の領域を、n型拡散層127への電源供給のための第2コンタクト部131として有効利用することができる。これにより、n型拡散層127への電源供給のための配線(第3分岐配線169)を基本セル113内(第2領域118内)に長く引き回す必要がなく、第2電源配線109から少し分岐させるだけで済むので、基本セル113内の配線性を向上させることができる。
【0120】
また、第1電源配線108の下方であり、かつ第1コンタクト部124と重ならない領域(第2領域155)を、バックゲート用のn型拡散層123として有効利用することができる。これにより、基本セル113内の配線性を一層向上させることができる。
また、第2電源配線109の下方であり、かつ第2コンタクト部131と重ならない領域(第4領域159)を、バックゲート用のp型拡散層130として有効利用することができる。これにより、基本セル113内の配線性を一層向上させることができる。
【0121】
さらに、ゲートコンタクト部134によって、pチャネル型MOSFET111およびnチャネル型MOSFET112のゲート電極が共通化されている。これにより、第1ゲート電極122および第2ゲート電極129のそれぞれに接続する配線を減らすことができる。その結果、基本セル113内の配線の自由度が向上するため、基本セル113内の配線性を一層向上させることができる。
【0122】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、図16に示すように、第1ゲート電極22および第2ゲート電極29は、素子分離部14上で互いに分離されていてもよい。つまり、pチャネル型MOSFET11およびnチャネル型MOSFET12のゲート電極が共通化されていなくてもよい。
【0123】
また、たとえば、図17に示すように、第1ゲート電極122および第2ゲート電極129は、素子分離部114上で互いに分離されていてもよい。つまり、pチャネル型MOSFET111およびnチャネル型MOSFET112のゲート電極が共通化されていなくてもよい。つまり、ゲートコンタクト部134が分離されていてもよい。
また、p型拡散層20への電源供給のための配線を基本セル13内に引き回すこと、およびn型拡散層27への電源供給のための配線を基本セル13内に引き回すことを避けるという観点に限れば、第1コンタクト部24および第2コンタクト部31は、複数備えられていてもよい。
【0124】
たとえば、図18に示すように、第1コンタクト部24は、1ペアの第1ゲート電極22の両側のp型拡散層20から第1電源配線8の下方に向かって延びていてもよいし、第2コンタクト部31は、1ペアの第2ゲート電極29の両側のn型拡散層27から第2電源配線9の下方に向かって延びていてもよい。
また、図3で示した回路配線37および図10で示した回路配線137のパターンは、ほんの一例に過ぎず、たとえば、回路配線37,137を所定のパターンで形成することによって、基本セル13,113を用いてインバータ回路等の所望の回路を形成することができる。
【0125】
また、図3図16および図18に示した基本セル13、ならびに図10および図17に示した基本セル113、その他のゲートアレイの基本セル(図示せず)、ならびにスタンダードセル方式のセルは、1つの半導体集積回路装置1に混載されていてもよい。
たとえば、前述の実施形態において、比較的面積を広く使用できる第3回路セル6に、その他のゲートアレイの基本セルパターン(前述の実施形態のようにセル長W,W(セル長L,L)が縮小されていないもの)を敷き詰め、比較的小面積の第1回路セル4および第2回路セル5に、前述の基本セル13,113やスタンダードセル方式のセルを敷き詰めてもよい。
【0126】
また、図1では、半導体集積回路装置1のパッケージ方式がSOP(Small Out-line Package)である場合を取り上げたが、半導体集積回路装置1のパッケージ方式は、これに限らない。たとえば、半導体集積回路装置1のパッケージ方式は、QFP(Quad Flat Package)、QFN(Quad Flat Non-leaded package)、QFJ(Quad Flat J leaded package)、SOJ(Small Out-line J leaded package)、DIP(Dual In-line Package)、SIP(Single In-line Package)、BGA(Ball grid array)、LGA(Land grid array)等であってもよい。
【0127】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
なお、図1図9図15および図17の形態から、特許請求の範囲に記載した発明以外にも、以下のような特徴が抽出され得る。
(項1)
半導体基板上に配置され、第1方向に延びる第1電源配線と、
前記第1方向に延び、かつ前記第1電源配線と間隔を空けた第2電源配線と、
前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域に配置されたpチャネル型MOSFET用の第1拡散層と、
前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域であり、かつ前記第1拡散層に対して前記第2電源配線側に配置されたnチャネル型MOSFET用の第2拡散層と、
前記第1方向に直交する第2方向に延び、前記第1拡散層に跨っている第1ゲート電極と、
前記第2方向に延び、前記第2拡散層に跨っている第2ゲート電極と、
前記第1拡散層の、前記第1方向における前記第1ゲート電極の両側から、前記第1電源配線の下方の領域へ選択的に延びる一対の第1コンタクト部とを含む、半導体集積回路装置。
(項2)
前記第1ゲート電極は、互いに離れている1ペアの第1ゲート電極を含み、
前記1ペアの第1ゲート電極、前記1ペアの第1ゲート電極の間の前記第1拡散層、および前記1ペアの第1ゲート電極の両側の前記第1拡散層によって、1ペアの前記pチャネル型MOSFETが構成されており、
前記第1コンタクト部は、前記1ペアの第1ゲート電極の両側の前記第1拡散層から延びている、項1に記載の半導体集積回路装置。
(項3)
前記第1電源配線の下方の領域は、前記一対の第1コンタクト部の延出方向に沿う一対の第1仮想線に重なる一対の第1領域と、前記一対の第1領域に挟まれた第2領域とを含み、
前記第2領域に前記一対の第1コンタクト部から離れて配置された第3拡散層をさらに含む、項1または2に記載の半導体集積回路装置。
(項4)
前記第3拡散層は、前記第1拡散層とは反対導電型であり、かつ前記pチャネル型MOSFET用の第3拡散層を含む、項3に記載の半導体集積回路装置。
(項5)
半導体基板上に配置され、第1方向に延びる第1電源配線と、
前記第1方向に延び、かつ前記第1電源配線と間隔を空けた第2電源配線と、
前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域に配置されたpチャネル型MOSFET用の第1拡散層と、
前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域であり、かつ前記第1拡散層に対して前記第2電源配線側に配置されたnチャネル型MOSFET用の第2拡散層と、
前記第1方向に直交する第2方向に延び、前記第1拡散層に跨っている第1ゲート電極と、
前記第2方向に延び、前記第2拡散層に跨っている第2ゲート電極と、
前記第2拡散層の、前記第1方向における前記第2ゲート電極の両側から、前記第2電源配線の下方の領域へ選択的に延びる一対の第2コンタクト部とを含む、半導体集積回路装置。
(項6)
前記第2ゲート電極は、互いに離れている1ペアの第2ゲート電極を含み、
前記1ペアの第2ゲート電極、前記1ペアの第2ゲート電極の間の前記第2拡散層、および前記1ペアの第2ゲート電極の両側の前記第2拡散層によって、1ペアの前記nチャネル型MOSFETが構成されており、
前記第2コンタクト部は、前記1ペアの第2ゲート電極の両側の前記第2拡散層から延びている、項5に記載の半導体集積回路装置。
(項7)
前記第2電源配線の下方の領域は、前記一対の第2コンタクト部の延出方向に沿う一対の第2仮想線に重なる一対の第3領域と、前記一対の第3領域に挟まれた第4領域とを含み、
前記第4領域に前記一対の第2コンタクト部から離れて配置された第4拡散層をさらに含む、項5または6に記載の半導体集積回路装置。
(項8)
前記第4拡散層は、前記第2拡散層とは反対導電型であり、かつ前記nチャネル型MOSFET用の第4拡散層を含む、項7に記載の半導体集積回路装置。
(項9)
前記第2方向における前記第1拡散層の長さLに対する、前記第2方向における前記第2拡散層の長さLの比(L/L)は、0.45~0.70である、項1~8のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
(項10)
前記第1ゲート電極の前記第2電源配線側の端部と、前記第2ゲート電極の前記第1電源配線側の端部とが一体的に接続されている、項1~9のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
(項11)
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との接続部分で形成され、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極よりも幅広なゲートコンタクト部を含む、項10に記載の半導体集積回路装置。
(項12)
前記第2方向における前記第1電源配線と前記第2電源配線との距離は、3.38μm~3.40μmである、項1~11のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
(項13)
1ペアの前記pチャネル型MOSFETおよび1ペアの前記nチャネル型MOSFETの合計4つのMOSFETからなる基本セルが、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間の領域を前記第1方向に沿って複数配列されている、項1~12のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置。
【符号の説明】
【0128】
1 半導体集積回路装置
7 半導体基板
8 第1電源配線
9 第2電源配線
10 素子配置領域
11 pチャネル型MOSFET
12 nチャネル型MOSFET
13 基本セル
20 p型拡散層
21 第1ゲート絶縁膜
22 第1ゲート電極
23 n型拡散層
24 第1コンタクト部
27 n型拡散層
28 第2ゲート絶縁膜
29 第2ゲート電極
30 p型拡散層
31 第2コンタクト部
34 ゲートコンタクト部
107 半導体基板
108 第1電源配線
109 第2電源配線
110 素子配置領域
111 pチャネル型MOSFET
112 nチャネル型MOSFET
113 基本セル
120 p型拡散層
121 第1ゲート絶縁膜
122 第1ゲート電極
123 n型拡散層
124 第1コンタクト部
127 n型拡散層
128 第2ゲート絶縁膜
129 第2ゲート電極
130 p型拡散層
131 第2コンタクト部
134 ゲートコンタクト部
153 第1仮想線
154 第1領域
155 第2領域
157 第2仮想線
158 第3領域
159 第4領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18