(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】レゼクトスコープで使用するための取外し可能な絶縁インサート
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
A61B18/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020010798
(22)【出願日】2020-01-27
【審査請求日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】10 2019 102 841.8
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510320416
【氏名又は名称】オリンパス・ウィンター・アンド・イベ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ブロックマン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・オフト
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-333884(JP,A)
【文献】特開2003-305055(JP,A)
【文献】特表2005-525144(JP,A)
【文献】特開2005-118101(JP,A)
【文献】特開平11-009610(JP,A)
【文献】特開2007-021200(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0351826(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0193792(US,A1)
【文献】特開2004-321822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レゼクトスコープシャフト(14)の遠位の端部領域(12)に取外し可能に結合するための電気絶縁性の絶縁インサート(10)
であって、貫通器具を挿通するための軸方向の中空スペース(17)を備える中空区域(16)
、および、前記レゼクトスコープシャフト(14)に取外し可能に結合するための取付手段(18)を有
し、
前記取付手段(18)が、前記絶縁インサート(10)の半径方向の肉厚部(19)を前記中空区域(16)に含むか、または、前記肉厚部で構成されているものにおいて、
半径方向の前記肉厚部(19)は、
a)前記中空区域(16)の遠位端における外径よりも大きい前記絶縁インサート(10)の外径、および/または
b)前記中空区域(16)の遠位端における壁部(20)の直径よりも大きい前記絶縁インサート(10)の壁部(20)の直径
を有することを特徴とする
、絶縁インサート。
【請求項2】
前記取付手段(18)は、バヨネット結合、ねじ結合、スナップ結合、クランプ結合、または、係止結合を一部に含むか、または、それにより構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の絶縁インサート。
【請求項3】
前記取付手段(18)は、前記中空区域(16)の取付側に配置された突出する係止部材(22)を含むことを特徴とする、請求項1
または2に記載の絶縁インサート。
【請求項4】
前記中空区域(16)の前記取付側は、その外壁であることを特徴とする、請求項
3に記載の絶縁インサート。
【請求項5】
前記絶縁インサート(10)は、プラスチックからなることを特徴とする、請求項1~
4の何れか一項に記載の絶縁インサート。
【請求項6】
前記プラスチックは、耐熱性プラスチックであることを特徴とする、請求項
5に記載の絶縁インサート。
【請求項7】
レゼクトスコープ(26)で使用するための電極器具(24)であって、シャフト区域(28)と、その遠位端に高周波電流を印加可能な電極(30)と、を有するものにおいて、前記電極器具(24)は、請求項1~
6の何れか一項に記載の絶縁インサート(10)と結合され、かつ、前記電極器具(24)と前記絶縁インサート(10)は、相互に軸方向へスライド可能であることを特徴とする、電極器具。
【請求項8】
前記絶縁インサート(10)は、1つまたは複数
の結合部材(32)を有し、これらの結合部材に前記電極器具(24)の二股管(34)が、それぞれ軸方向へスライド可能に支承されることを特徴とする、請求項
7に記載の電極器具。
【請求項9】
レゼクトスコープ(26)で使用するための電極器具(24)であって、シャフト区域(28)と、その遠位端に高周波電流を印加可能な電極(30)と、を有するものにおいて、前記電極器具(24)は、
レゼクトスコープシャフト(14)の遠位の端部領域(12)に取外し可能に結合するための電気絶縁性の絶縁インサート(10)であって、貫通器具を挿通するための軸方向の中空スペース(17)を備える中空区域(16)、および、前記レゼクトスコープシャフト(14)に取外し可能に結合するための取付手段(18)を有する、絶縁インサート(10)と結合され、かつ、前記電極器具(24)と前記絶縁インサート(10)は、相互に軸方向へスライド可能であ
り、
前記絶縁インサート(10)は、1つまたは複数の結合部材(32)を有し、これらの結合部材に前記電極器具(24)の二股管(34)が、それぞれ軸方向へスライド可能に支承されることを特徴とする、電極器具。
【請求項10】
内視鏡外科のためのレゼクトスコープ(26)であって、長尺状の被覆管(36)と、前記被覆管の中に配置された内部管(38)と、棒状の光学系(40)とを含む、管状のレゼクトスコープシャフト(14)を有するものにおいて、
a)請求項1~
6の何れか一項に記載の絶縁インサート(10)を有するとともに、シャフト区域(28)および高周波電流を印加可能な電極(30)を遠位端に備える電極器具(24)を有するか、または、
b)請求項
7~9の何れか
一項に記載の電極器具(24)を有することを特徴とするレゼクトスコープ。
【請求項11】
前記絶縁インサート(10)の壁部(20)は、その近位の端部領域で、前記被覆管(36)と、前記被覆管の内部に延びる前記内部管(38)との間に配置されることを特徴とする、請求項
10に記載のレゼクトスコープ。
【請求項12】
前記絶縁インサート(10)は、前記被覆管(36)または前記内部管(38)の遠位の端部領域に取外し可能に結合され、前記被覆管(36)ないし前記内部管(38)は取外し可能な結合を構成するために前記絶縁インサート(10)の係止部材(22)のための係合開口部(42)を有することを特徴とする、請求項
10または
11に記載のレゼクトスコープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
請求項1の前文に記載されている種類の電気絶縁性の絶縁インサート、および、請求項9、11の前文に記載されている種類の電極器具およびレゼクトスコープに関する。
【背景技術】
【0002】
当分野に属するレゼクトスコープは、相応の電極器具およびその遠位端に絶縁先端部を有し、特に泌尿器科において膀胱や尿道での電気外科学的な作業に用いられ、通常、たとえば下部尿路の組織などの組織の切除や蒸気焼杓のために利用される。そのためにレゼクトスコープは、長手方向にスライド可能な電気外科学式の貫通器具を含んでおり、これをレゼクトスコープの挿入後に、その遠位の作業端部をもってレゼクトスコープのシャフト管の遠位端から引き出すことができる。電気外科学式の貫通器具はその遠位の作業端部に電気外科学式の電極を、たとえばループ(輪)や焼杓ボタン(例えば、PlasmaButton;登録商標)の形態で含むことができる。このような器具は、例えば、OES Pro レゼクトスコープ(オリンパス)や、イグレシアス(Iglesias)の連続洗浄式レゼクトスコープである。
【0003】
活性電極と、シャフト管の導電性材料との間の短絡を回避するために、レゼクトスコープはその遠位の端部領域に、通常、セラミックなどの絶縁性材料から製作される絶縁先端部または絶縁インサートと呼ばれる区域を含んでいる。絶縁インサートは、
図1ないし2に示すように、内部シャフト(
図1)または外部シャフト(
図2)の何れかに配置され得る。レゼクトスコープは複数回使用できるように設計されており、そのため、例えばオートクレーブなどの滅菌条件にも耐えなければならないので、絶縁インサートは、何れの配置でも耐久性と再準備可能性に関わる高い要求事項を満たさなければならない。したがって材料選択は、通常、窒化ケイ素などの比較的高価な高性能セラミックに限定される。これに加えて、セラミックで製作される絶縁インサートの脆性を最小限に抑えるために、インサートが比較的大きい壁厚を有さなくてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
絶縁インサートのためのコストを削減するとともに、その壁厚もいっそう低減できるようにするのが望ましい。したがって、相応に改良された絶縁インサートに対する需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の構成要件を有する絶縁インサート、請求項9の構成要件を有する電極器具、および、請求項11の構成要件を有するレゼクトスコープによって解決される。本発明によれば、絶縁インサートは特に単回使用のための部品として構成され、この部品がレゼクトスコープシャフトと取外し可能に結合され、使用終了後に簡易な方法で取り外し、新しい絶縁インサートと取り替えることができる。それと同時に、この絶縁インサートは取付手段によってレゼクトスコープシャフトで確実に保持されるので、処置中に絶縁インサートを喪失することがない。
【0006】
すなわち本発明の第1の態様は、レゼクトスコープシャフトの遠位の端部領域と取外し可能に結合するための電気絶縁性の絶縁インサートを対象とし、この絶縁インサートは、貫通器具により挿通されるための軸方向の中空スペースを備える中空の区域を有するとともに、レゼクトスコープシャフトと取外し可能に結合するための取付手段を有することを特徴とする。
【0007】
この絶縁インサートは導電性でなく、電気絶縁性を有するように構成され、導電性のレゼクトスコープシャフトに対する活性電極の絶縁が保証される。この目的のために、絶縁インサートは、好ましくは全面的に、または、少なくともインサートの絶縁能力が保証される程度に、非導電性材料すなわち電気絶縁性材料で構成される。このような材料は当業者に周知であり、例えば、セラミックやプラスチックを含む。プラスチックからなる絶縁インサートは、本発明に基づき比較的少ない生産コストと良好な絶縁能力のために特に好ましい。絶縁インサートは、使用時に電気外科的な治療中にプラズマを生じる電極と接触し得るので、熱安定的なプラスチックが特に好ましい。熱安定的なプラスチックは、遠位のレゼクトスコープ先端部の領域で発生する高い温度に障害を受けることなく耐えることができる。好適な熱安定的なプラスチックは、例えば、フルオロポリマーおよびシクロオレフィン-コポリマーの群から選択されていてよい。プラスチックで製作される絶縁インサートは、射出成型法によって製作されていてよい。
【0008】
この絶縁インサートは、レゼクトスコープシャフトの遠位の端部領域と取外し可能に結合するのに適している。このことは、絶縁インサートと端部領域が少なくとも区域的に形状相補的かつサイズ相補的であることを意味する。それにより絶縁インサートを端部領域と結合可能である。このような結合のために可能なさまざまな実施形態が、他の個所に記載されている。いずれの場合にも結合は、手術の処置中に絶縁インサートの脱落が防止されるように固定的であり、ないしはそのように固定される。
【0009】
それと同時に、レゼクトスコープシャフトと絶縁インサートの間の結合は、たとえば医療専門スタッフによる、または器具の再準備を担当する洗浄専門スタッフによる、すなわちレゼクトスコープのエンドユーザーによる、絶縁インサートの簡易な交換および/または洗浄を可能にするために、取外し可能に構成される。たとえば絶縁インサートは、特にレゼクトスコープシャフトの端部領域と接着されるのではない。ただしこのことは、絶縁インサートとレゼクトスコープシャフトの間の結合の取外しが、洗浄のための通常の解体ステップを前提とし得ることを排除するものではない。たとえば本発明の特定の実施形態では、絶縁インサートを内部シャフトまたは外部シャフトから取り外せるようになる前に、外部シャフト(被覆管)を内部シャフトからこれに挿入された電極器具とともに取り外すことが必要である。
【0010】
レゼクトスコープシャフトと絶縁インサートの間の結合は、シャフトの遠位の端部領域で成立する。通常、そのために絶縁インサートはレゼクトスコープシャフトの端部領域に配置されている部材に対して、少なくとも区域的に形状相補的に構成されていてよい。たとえば、円筒状の区域を有する絶縁インサートをたとえば内部管または外部管に外嵌することができ、または内部管に差し込むことができ、または内部管と外部管の間に差し込むことができる。その際には後者の選択肢が好ましい。絶縁インサートはたとえば内部管と結合することができ、絶縁インサートと結合された内部管を、近位の方向から外部管へ挿入することができるように成形されていてよい。
【0011】
したがって組み付けられた状態にあるとき、絶縁インサートとレゼクトスコープシャフトは通常は重なり合っており、すなわち、これらが内外で係合する。当然ながら、電極の十分な絶縁を保証できるようにするために、このとき絶縁インサートが全面的にレゼクトスコープシャフトの中に挿入されないほうがよい。したがって、互いに重なり合う領域、およびこれに伴ってここで述べているレゼクトスコープシャフトの「遠位の端部領域」は、レゼクトスコープシャフトの遠位端を起点として通常は数mmの、たとえば10mmまたはこれ以下の、8mmまたはこれ以下の、好ましくは5mmまたはこれ以下の遠位の区域だけに限定される。
【0012】
前述したとおり、絶縁インサートは貫通器具を挿通するための長尺状の中空スペースを備えた中空の区域を有する。この区域は絶縁インサートの近位の端部領域に配置される。この区域は、レゼクトスコープシャフトによって案内される貫通器具を、絶縁インサートの通路状の内部に挿通できることを保証する。絶縁インサートは実質的に円筒状の形状を有することができ、または、少なくとも1つの実質的に円筒状の近位の区域を有することができる。それに応じて中空の区域の内部の中空スペースは、中空円筒形状を有することができる。しかしながら本発明の枠内では、中空スペースおよびこれに対応する区域を、円形ではない横断面を有するように構成することも考えられる。たとえば特定の用途については、中空スペースおよび/または当該区域の外面を楕円または長円の横断面を有するように構成するのが好ましいことがあり得る。不規則な横断面も考えられ、たとえば、特定の貫通器具を案内するために当該区域の内壁にある破断部や折り返しも考えられる。これに加えて、当該区域の壁厚をそのつどの負荷に合わせて適合化することも考えられる。たとえば遠位に向かって延長されている領域の壁部は、絶縁インサートのそれ以外の区域の壁部よりも厚く構成することができる。全体として、中空の区域は管状であるとみなすことができ、ここで「管」という概念は、上で説明したとおり、純粋な中空円筒形状を含むだけでなく、外壁およびその内部の長尺状の中空スペースを有する長尺状の区域も含み、中空スペースは貫通器具の挿通を可能にするためにその遠位端と近位端で開いている。挿通されるべき「貫通器具」は、たとえば電極器具、光学系、洗浄管などを含むことができる。
【0013】
それ以外の点では、絶縁インサートは特にその遠位の端部領域で通常の形態を有することができる。このとき絶縁インサートの壁部は、中空円筒状の空間の壁空間に配置されるのが好ましい。しかしながらそれぞれ異なる壁厚も、上で示唆したとおり、本発明の枠内で許容される。壁空間は、レゼクトスコープシャフトの中に配置される内部管と等しい内径を有するのが好ましい。従来、特に
図1に示すような、片側で遠位に向かって延長された絶縁先端部の形状が確立されている。遠位に向かって延長された領域、ならびにその近位に配置された中空の区域の領域は、絶縁インサートの他の領域よりも大きい壁厚を有することができる。このように構成された「くちばし状の」絶縁インサートにより、インサートの延長された側で組織を支持することができ、それにより組織が視界に入り得ない。これに加えて、このような形態により洗浄液の経路が長くなり、それに伴って、光学系の手前での渦流化の危険を低減する直線状の流れが生起される。それと同時に、絶縁インサートのエッジの近傍で引き続き電極を分断することができる。
【0014】
本発明によると、絶縁インサートはレゼクトスコープシャフトとの取外し可能な結合のために1つまたは複数の取付手段を有する。1つまたは複数の取付手段はさまざまな形状をとることができ、レゼクトスコープシャフトの遠位の端部領域の構成との関連で、確実ではあるが取外し可能な結合を保証する。取付手段は、通常、絶縁インサートの近位の端部領域に配置され、好ましくはその中空の区域に配置される。
【0015】
取付手段は、たとえば絶縁インサートの半径方向の肉厚部をその中空の区域に含むことができ、またはこのような肉厚部で構成される。肉厚部はレゼクトスコープシャフトにある別の部材と係合し、そのようにして絶縁インサートが遠位の方向へスライドしないように固定する。レゼクトスコープシャフトにある別の部材は、たとえば係合開口部や突起であってよい。肉厚部は、たとえばレゼクトスコープシャフトへの絶縁インサートの外嵌を可能にするために柔軟に、たとえばスナップ部材として構成されていてよい。別案として、たとえば絶縁インサートがレゼクトスコープの組立時に内部管と外部管のそれぞれの構造の間に配置される場合には、肉厚部が柔軟でなくてよい。
【0016】
半径方向の肉厚部は、たとえばa)中空の区域の遠位端における外径と比較したときの絶縁インサートの大きい外径であってよく、および/またはb)中空の区域の遠位端における壁部の直径と比較したときの絶縁インサートの壁部の大きい直径であってよい。選択肢a)に基づく大きい外径の例では、絶縁インサートは、特にその外壁は、全面的または部分的に軸方向でテーパ状に構成されていてよい。そして絶縁インサートのその近位端における外径が、その遠位端における外径よりも大きくなる。選択肢b)に基づく絶縁インサートの壁部の大きい直径の例では、絶縁インサートの外壁または内壁に1つまたは複数の突起が、たとえばピンの形態で構成されていてよい。突起は半径方向で周回するように相応の壁部に構成されていてよく、または、半径方向で相応の壁部の円周に沿って配置された1つまたは複数のピンとして構成されていてよい。
【0017】
その代替または追加として取付手段は、他の分野で通常である結合の一部を含むことができ、またはこれにより構成される。たとえば取付手段はバヨネット結合、ねじ結合、スナップ結合、クランプ結合、もしくは係止結合の一部を含むことができ、またはこれらにより構成される。そして、それぞれの結合の1つまたは複数の対応する相補的な部分がレゼクトスコープシャフトに構成されていてよく、それにより、絶縁インサートとレゼクトスコープシャフトの間でバヨネット結合、ねじ結合、スナップ結合、クランプ結合、ないし係止結合が構成される。
【0018】
1つの実施形態では、取付手段はたとえば中空の区域の取付側に配置された突出する係止部材を含むことができる。ここで「取付側」とみなされるのは、取付手段が配置されている、絶縁インサートの中空の区域の外側および内側である。中空の区域の取付側はその外壁であるのが好ましい。このことはたとえば、レゼクトスコープシャフトの外部管と内部管の間に配置される絶縁インサートの領域において、遠位へのスライドをしないように絶縁インサートを固定するための部材を外部管が有することを意味する。
【0019】
絶縁インサートは、軸方向へはスライドしないよう固定されるのに対して、特定の実施形態では内部管または外部管に、ないしは内部管と外部管の間に、回転可能なように配置されていてよい。このことは処置のときの絶縁インサートの回転を可能にし、それによりさまざまな方向から組織へ到達可能となる。絶縁インサートの回転は、レゼクトスコープシャフトの長軸を中心とする電極の回転と同期化されていてよく、ないしはこれと連結されていてよい。
【0020】
同類の第2の態様では、本発明はレゼクトスコープで使用するための電極器具を対象とし、この電極器具はシャフト区域と、その遠位端に高周波電流で負荷可能な電極とを有し、電極器具が本発明による絶縁インサートと結合され、電極器具と絶縁インサートが相互の関係で軸方向へスライド可能であることを特徴とする。
【0021】
レゼクトスコープで使用される電極器具は、しばしば単回使用(シングルユース)のために構成される。本発明による絶縁インサートも単回使用のため構成されていてよい。電極器具と絶縁インサートの間の前述した結合は、潜在的に単回使用のために設計されたシステムの2つのコンポーネントを、交換用として一緒に提供することを可能にするという利点がある。これに加えて、このようにしてシャフトシステムでの電極の案内と位置決めにあたっても、絶縁インサートが協同作用することができる。それと同時に、電極のループを絶縁インサートに対していっそう正確にアライメントすることができる。絶縁インサートと結合された電極器具を挿入するとき、絶縁インサートを把持体として、すなわち結合された各部品を把持可能である物体として、追加的に利用することができる。それにより電極器具が、特に電極が挿入時に保全され、エンドユーザーにとっての取扱可能性が改善される。
【0022】
電極器具は長尺状のシャフト区域(シャフト部分)を有し、レゼクトスコープのための貫通器具として構成され、すなわち、レゼクトスコープのシャフト管を通して体腔へ挿入可能である器具として構成される。電極器具はその遠位端に、高周波電流で負荷可能な電極を有する。この電極は切断ループ、PlasmaButton、またはその他の市販の電極であってよい。電極は切断ループ電極であるのが好ましい。相応の電極および電極器具は当業者に周知である。
【0023】
電極器具は、電極構造の一部として電極を含むバイポーラ電極器具であってよい。このケースでは、電極器具はたとえば中性極を構成する第2の電極を電極器具の遠位の端部領域に含む。別案として第2の電極(中性極)は、レゼクトスコープの遠位の端部領域の他の部材に配置されていてもよい。当然ながら、電極器具はモノポーラ器具として構成されていてもよい。
【0024】
電極器具は、レゼクトスコープのシャフトの内部で長手方向スライド可能であり、すなわち軸方向で遠位および近位に向かって可動である。レゼクトスコープの接続のために、電極器具は長手方向に延びる少なくとも1つのシャフトを有し、このシャフトは近位端で運動連結された結合を成立させるために、レゼクトスコープによって包囲されたキャリッジに取付可能である。キャリッジは典型的には管の上で摺動し、ばねユニットを通じてばね初期応力をかけられて休止位置で保持される。このように電極を遠位端で、切断されるべき組織に近づくように、またはこれから離れるように動かすことができ、レゼクトスコープ全体を動かす必要はない。これに加えて電極器具の長手方向スライド可能性により、電極と絶縁インサートの間で組織を挟み込み、処置個所から取り出すことが可能である。このように、絶縁インサートの遠位端と電極が電極器具の長手方向スライド可能性によって互いに近づくように、および互いに離れるように可動である。
【0025】
特に、本発明による絶縁インサートと結合された電極器具が本発明に適っている。相互の関係における電極器具と絶縁インサートの軸方向の長手方向スライド可能性は、このような結合によって妨げられることがない。その代わりにこの結合は、軸方向への特定の距離の長手方向スライド可能性を保証する。この距離は、電極器具が軸方向へ通常可動である距離を含む。それと同時に、他の方向への運動可能性は結合によって縮小もしくは阻止される。
【0026】
絶縁インサートはたとえば1つまたは複数の、好ましくは2つの結合部材を有することができ、これらの結合部材に電極器具の二股管がそれぞれ軸方向へスライド可能に支承される。結合部材は絶縁インサートの内壁に配置されていてよい。材料コストを削減し、嵌め合い形状を最適化するために、1つまたは複数の結合部材がたとえば射出成形部品として絶縁インサートと一体的に構成されていてよい。電極器具が特に2つの二股管を有するので、それに応じて絶縁インサートは、これらの二股管をそれぞれ支承することができる2つの結合部材を有するのが好ましい。このように結合部材の長軸は、絶縁インサートの長軸に対してそれぞれ平行に延びる。結合部材はそれに応じてその外壁を介して、絶縁インサートの内壁と結合される。結合部材は管状であってよく、すなわち中空円筒の形状を有することができる。このような完全管状の結合部材の別案として、部分円筒状の結合部材の使用も本発明の枠内において可能であり、すなわち、部分円形の横断面を有する結合部材の使用も可能である。結合部材はたとえばクリップないしクランプとして構成されていてよい。
【0027】
さらに別の同類の態様において、本発明は、長尺状の被覆管と、被覆管の中に配置された内部管と、棒状の光学系とを含む、管状のレゼクトスコープシャフトを有する内視鏡外科のためのレゼクトスコープを対象とし、このレゼクトスコープは、
a)本発明による絶縁インサートを有し、ならびにシャフト区域および高周波電流で負荷可能な電極を遠位端に備える電極器具を有し;または
b)本発明による電極器具を有する
ことを特徴とする。
【0028】
本発明によるレゼクトスコープは、内視鏡外科のあらゆる分野で利用することができ、尿道などの狭い身体流路での使用に特別に良く適している。この目的のために、レゼクトスコープはすでに説明した管状のレゼクトスコープシャフトを有する。シャフトは通常の仕方で被覆管(外部管)と被覆管を通って延びる長尺状の内部管とを有し、本発明に基づいて使用される電極器具が好ましくは内部管の中に配置される。本発明による絶縁インサートの近位の端部領域における壁部は、上ですでに示唆したとおり、被覆管と、被覆管の内部に延びる内部管との間に配置されるのが好ましい。
【0029】
処置領域を観察するため、および処置をモニタリングするため、本発明によるレゼクトスコープはさらに光学系すなわち光学式のイメージガイドを有する。光学系はシャフトをその長さにわたって通過し、たとえば同じく内部管の中に配置される。光学系は整列したファイババンドルおよび/または相前後して配置されたロッドレンズを含むことができる。光学系は遠位端に対物レンズを有し、近位端に接眼レンズを有する。観察者の目が光学系を通して、シャフトの遠位の端面の前に位置する観察領域を観察する。別案として、光学系はその近位端でデジタル式の撮像ユニットとも接続されていてよい。
【0030】
レゼクトスコープのシャフトを通過する個々のコンポーネントを、特に半径方向へスライドしないように相互に安定化することが考えられる。
【0031】
たとえば電極器具は通常、内部管の内部で電極器具の支持と安定化をするための役目を果たす案内部材を有する。この目的のために、案内部材は内部管の内壁または光学系に接して、軸方向への電極器具の運動および潜在的に長軸を中心とする回転運動が可能であり、それに対して半径方向への電極器具の運動は低減もしくは防止されるようになっている。案内部材を部分的に内壁に対して形状相補的に構成する特別に好ましいことが判明している。案内部材は、たとえば部分円形の横断面を有することができる。このような案内部材は当業者に周知である。案内部材は金属またはその他の材料で構成されていてよい。案内部材は案内薄板であるのが特別に好ましい。電極器具ないしその案内部材と内部管の内壁との間には、通常、他の部品は配置されない。ただし内部管の内部には、たとえば光学系などの他のコンポーネントが配置されていてよい。
【0032】
このような案内部材の追加または代替として、上で説明したように本発明による絶縁インサートは結合部材を有し、該結合部材によって電極器具が半径方向でスライドしないように固定され、それに対して軸方向へは可動なままに保たれる。本発明の枠内では、電極器具が絶縁インサートに接して案内されるので、上に説明した通常の案内部材を省略することが可能である。しかしながら、案内部材による追加の安定化が本発明の枠内でも考えられるのは当然である。
【0033】
レゼクトスコープシャフトは、通常、別の個所で説明する絶縁インサートとの取外し可能な結合を成立させるための部材、特に、被覆管または内部管の遠位の端部領域を絶縁インサートの近位の端部領域と取外し可能に結合するための部材を含む。このような部材は、上で説明した絶縁インサートの取付手段に対してそれぞれ機能相補的であり、それにより、このような部材が取付手段とともに取外し可能な結合を絶縁インサートとレゼクトスコープシャフトの間で構成する。レゼクトスコープの被覆管ないし内部管は、たとえば取外し可能な結合を構成するために、絶縁インサートの係止部材のための係合開口部を有することができる。その代替または追加として被覆管または内部管は、絶縁インサートが、たとえばテーパ状の形状を有する絶縁インサートが、組付状態のときに半径方向へ軸方向のスライドするのを防止する、1つまたは複数の半径方向の突起を含むことができる。
【0034】
図面に本発明の実施例が模式的に示されている。図面は次のものを示す:
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】内部管に絶縁先端部が配置されている、従来技術に基づくレゼクトスコープを示す模式的な側面断面図である。
【
図2】被覆管に絶縁先端部が配置されている、従来技術に基づく別案のレゼクトスコープを示す模式的な側面断面図である。
【
図3】
図1に示す従来技術に基づくレゼクトスコープの遠位の端部領域を示す模式的な側面断面図である。
【
図4】
図2に示す従来技術に基づくレゼクトスコープの遠位の端部領域を示す模式的な側面断面図である。
【
図5】半径方向外側に配置された取付部材を備えた絶縁インサートを有する、本発明に基づくレゼクトスコープの遠位の端部領域を示す模式的な側面断面図である。
【
図6】近位の端部領域でテーパ状の形状を備えた取付部材を備えた絶縁インサートを有する、本発明に基づく別案のレゼクトスコープの遠位の端部領域を示す模式的な側面断面図である。
【
図7】半径方向外側に配置された取付部材を備えた絶縁インサートを有し、電極器具が軸方向へスライド可能なように絶縁インサートと結合されている、本発明に基づく別案のレゼクトスコープの遠位の端部領域を示す模式的な側面断面図である。
【
図8】半径方向外側に配置された取付部材を備えた絶縁インサートを有し、電極器具が軸方向へスライド可能なように絶縁インサートと結合され、絶縁インサートとレゼクトスコープシャフトの間で追加の結合をするための係止部材を絶縁インサートが有し(A)、この断面図の一部分が拡大されている(B),本発明に基づく別案のレゼクトスコープの遠位の端部領域を示す模式的な側面断面図である。
【
図9】本発明によるレゼクトスコープの遠位の端部領域の模式的な側面断面を示す部分図であり、その絶縁インサートは絶縁インサートとレゼクトスコープシャフトの間で追加の結合をするための係止部材を有し、係止部材を破壊することなく係止結合を取り外すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の上記外の利点、特徴、および構成要件は、添付の図面を参照する以下における実施例の詳細な説明から明らかとなる。ただし、本発明はこれらの実施例だけに限定されるものではない。
【0037】
図1は、内部管38に絶縁インサート10が配置されている、従来技術に基づくレゼクトスコープ26の模式的な側面断面図を示している。
図3は、従来技術に基づく同じレゼクトスコープの遠位の端部領域の模式的な側面断面図を示している。
【0038】
レゼクトスコープ26は、破線で示す被覆管36(外部管)を含むレゼクトスコープシャフト14を有している。被覆管36の内部に内部管38が延びており、内部管38の内部に電極器具24ならびに
図3に示す光学系40と、たとえば光ファイババンドルの形態の照明手段が延びている。これに加えて、たとえば別個の洗浄管など、ここには図示しない別の部材もレゼクトスコープの中に延びることができる。被覆管36はその遠位の端部領域に、ここには図示しない仕方で開口部を含んでおり、この開口部を通して、汚れた洗浄液を被覆管36と内部管38の間の中間スペースに流入させて、レゼクトスコープシャフト14から流出させることができる。
【0039】
図1および
図3の拡大詳細図に見られるとおり、電極器具24はこの通常の器具では部分円形の横断面を備えた保持部材46(案内部材)によって横方向スライドしないように、すなわち、レゼクトスコープシャフト14の長手方向から逸脱してたとえば長手方向に対して横向きにスライドしないように防護される。電極器具24は、長手方向スライド可能なように内部管38の中で支承されている。保持部材46は内部管38の内壁に対して、または光学系40の外壁に対して、形状相補的に構成されるとともに、部分円筒の形状を有している。保持部材46は電極器具24のシャフト区域で2つの二股管34に取り付けられている。それぞれの二股管34はレゼクトスコープシャフト14の内部で密接に相並んで延びており、レゼクトスコープシャフト14の遠位の端部領域で初めて離れるように延びて、それぞれの端部の間でループ電極を収容して担持する。別案として、二股管34がレゼクトスコープ26の中央の領域または近位の領域で電極器具シャフト管へと移行することも考えられる。この実施形態では、1つまたは複数の保持部材46が電極器具シャフト管に配置されていてよい。
【0040】
電極器具24は、ハンドグリップ48を操作することで強制案内しながら、軸方向へ遠位および近位の方向へと動かすことができる。このとき内部管38と被覆管36の遠位端から電極器具を押し出すことができる。そのようにして、レゼクトスコープ先端部からさらに離れている組織をも操作することが施術者に可能となる。この目的のために、さらに内部管38および/または電極器具24はそれぞれの長軸を中心として回転可能に支承されている。電極器具24はその遠位端に電極30を有していて、該電極は切断ループとして構成されており、これを用いて組織を電気外科的なアブレーションによって除去することができる。その際に組織を切断するために電極30に高周波電圧が印加される。
【0041】
図示しているレゼクトスコープ26は、レゼクトスコープシャフト14の近位に配置されたグリップ部分50および52の相互の相対運動によって、ばねブリッジ54により印加されるばね力に抗してキャリッジ56が遠位の方向へ遠位の第1のグリップ部分52に向かってスライドする、受動的なトランスポータを有している。グリップ部分52に向かって遠位の方向へキャリッジ56がスライドすると、電極器具24が図示しない仕方で強制案内されながら遠位に向かってスライドする。ハンドグリップ部分50,52を放すと、ばねブリッジ54により生成されるばね力がキャリッジ56をその休止位置へ戻るように強制し、電極器具24が近位の方向へと引っ張られる。キャリッジ56を復帰スライドさせるときには施術者の手の力なしに、すなわち受動的に、電極器具24によって電気外科処置を行うことができる。
【0042】
本発明による絶縁インサート10とは異なり、この通常のレゼクトスコープ26の絶縁インサート10はレゼクトスコープシャフト14と取外し可能に結合されるのではなく、ここには図示しない接着部によってレゼクトスコープシャフト14に恒久的に固定されている。これに加えて、この絶縁インサート10は取付手段18も含んでいない。
【0043】
図2は、絶縁インサート10が被覆管36に配置されている、従来技術に基づく別案のレゼクトスコープ26の模式的な側面断面図を示している。
図4は、この公知のレゼクトスコープ26の遠位の端部領域の模式的な側面断面図を示している。被覆管36に絶縁インサート10が取り付けられることで、レゼクトスコープシャフト14を極薄の設計形態で構成することが可能である。これに加えてこのレゼクトスコープ26は、
図1および3に示すレゼクトスコープ26に実質的に相当している。
図2および4に示すレゼクトスコープ26でも、絶縁インサート10とレゼクトスコープシャフト14は恒久的な接着によって互いに結合されている。
【0044】
絶縁インサート10とレゼクトスコープシャフト14の間のこのような通常の恒久的な結合とは異なり、
図5から8は、絶縁インサート10とレゼクトスコープシャフト14の間の結合が取外し可能に構成されている、本発明によるさまざまなレゼクトスコープ26の遠位の端部領域12の模式的な側面断面図を示している。以下に説明する本発明に基づく相違点を除けば、図示しているレゼクトスコープ26は
図1から4に示すレゼクトスコープ26と実質的に同じである。
【0045】
図5は、半径方向外側に配置された取付手段18を備えた絶縁インサートを有する実施形態を示している。取付手段18は絶縁インサートの壁部20の外面にあるピン状の突起として構成されており、すなわち、壁部20の肉厚部19として構成されている。絶縁インサート10は、ここでは絶縁インサート10の円周に沿って均等にラグ状に配置された1つを超える取付手段18、すなわち少なくとも2つの取付手段18、好ましくは3つの取付手段を有している。その代わりに、ただ1つの取付手段を周回する隆起部として絶縁インサート10に配置することも同じく考えられる。内部管38は、ここに図示する実施形態では、遠位の当接面を備える2つまたはそれ以上の当接部材21を有していて、これらを絶縁インサート10の近位端と当接させることが可能であり、そのようにして近位の方向への絶縁インサート10のスライドを防止する。
【0046】
図6は、絶縁インサート10の近位の端部領域で壁部20がその外面にテーパ状の形状を有する絶縁インサート10を示している。換言すると、絶縁インサート10の直径がその近位端では、その中空の区域16の遠位端におけるよりも大きくなっている。絶縁インサート10が被覆管36と内部管38の間に配置され、テーパ状に成形された絶縁インサート10の遠位の方向への滑りが、遠位端における被覆管36の狭隘化によって防止されることが考えられる。
【0047】
図7は、
図6のレゼクトスコープ26が、絶縁インサート10と電極器具24の間の結合によって補足された実施形態を示している。電極器具24は、1つまたは複数の結合部材32によって絶縁インサート10と軸方向へスライド可能なように結合されている。好ましくは2つの結合部材32のうちの各々が中空円筒状になっており、中空円筒の長軸はレゼクトスコープシャフト14の長軸に対して平行に延びており、中空円筒の内部では電極器具24の二股管34がそれぞれ軸方向へスライド可能なように案内される。
【0048】
図8は、絶縁インサート10とレゼクトスコープシャフト14の間の追加の取外し可能な結合によって
図7のレゼクトスコープ26が補足された実施形態を示している。当然ながら本発明の枠内では、このような別の取外し可能な結合のために、絶縁インサート10のテーパ状の形状および/または結合部材32を省略することも可能である。絶縁インサート10は、ここでは別の取外し可能な結合を成立させるために、係止部材22を有している。
図Bに示す拡大図に見られるとおり、係止部材22はこのケースでは絶縁インサート10の内壁と結合された、絶縁インサート10の内壁の長尺状の部分切取部である。この部分切取部は、内壁から遠位・内方に向かって低い角度で折曲されている。内部管38のこれに接する外壁は、対応する係合開口部42を有している。絶縁インサート10が内部管38の遠位の端部領域を介して図示した位置に押し込まれると、この部分切取部が係合開口部42と係合する。相応の引張力が及ぼされることで絶縁インサート10を再び取り外すことができ、その際に部分切取部を破断することができる。
【0049】
図9は、
図8Bと同じく、本発明によるレゼクトスコープの拡大部分図を示している。この絶縁インサート10は、取外し可能な結合を成立させるために係止部材22を有している。係止部材22は、絶縁インサート10の内壁の、絶縁インサート10の内壁と結合されている長尺状の部分切取部である。この部分区域は、内壁から遠位・内方に向かって低い角度で折曲された近位の区域と、その遠位に配置された、レゼクトスコープ26の長軸に対して実質的に平行に延びる区域と、遠位・外方に向かって折曲された遠位の区域とを含んでいる。これに接する内部管38の外壁は、対応する係合開口部42を有している。絶縁インサート10が内部管38の遠位の端部領域を介して図示した位置に押し込まれると、この部分切取部が係合開口部42と係合する。相応の引張力が及ぼされることで絶縁インサート10を再び取り外すことができ、部分切取部を破断することはない。このことが保証されるのは、特に、係止部材22がその遠位の端部領域に、近位・内方に向かって斜めに延びる面を有していることによる。
【0050】
実施例を参照しながら本発明について詳細に説明してきたが、本発明がこれらの実施例だけに限定されるものではなく、むしろ、個々の構成要件が削除されるという形で改変が可能であること、あるいは、添付の特許請求の範囲の権利保護範囲から外れない限りにおいて、記載されている個別構成要件の別途の組み合わせを具体化できることは、当業者には自明である。本件の開示は、記載されている個別構成要件の一切の組み合わせを含んでいる。
【符号の説明】
【0051】
10 絶縁インサート
12 端部領域
14 レゼクトスコープシャフト
16 中空の区域
17 中空スペース
18 取付手段
19 肉厚部
20 壁部
21 当接部材
22 係止部材
24 電極器具
26 レゼクトスコープ
28 シャフト区域
30 電極
32 結合部材
34 二股管
36 被覆管
38 内部管
40 光学系
42 係合開口部
46 保持部材
48 ハンドグリップ
50 グリップ部分
52 グリップ部分
54 ばねブリッジ
56 キャリッジ