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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】ハニカムフィルタ
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/20 20060101AFI20240307BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20240307BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20240307BHJP
   F01N 3/022 20060101ALI20240307BHJP
   F01N 3/035 20060101ALI20240307BHJP
   C04B 38/00 20060101ALI20240307BHJP
   C04B 35/195 20060101ALI20240307BHJP
   B01J 35/57 20240101ALI20240307BHJP
【FI】
B01D39/20 D ZAB
B01D46/00 302
B01D53/94 222
B01D53/94 245
B01D53/94 280
F01N3/022 C
F01N3/035 A
C04B38/00 303Z
C04B35/195
B01J35/57 E
B01J35/57 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020034888
(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公開番号】P2021137688
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-10-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 文彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 裕二
(72)【発明者】
【氏名】岸根 葵美子
(72)【発明者】
【氏名】石田 沙智子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 恭平
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-506289(JP,A)
【文献】国際公開第2007/108428(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D39/00-39/20
B01D46/00-46/90
B01D53/86-53/94
F01N3/00-3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端面から第二端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを取り囲むように配置された多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造部と、
それぞれの前記セルの前記第一端面側又は前記第二端面側の開口部に配設された目封止部と、を備え、
前記隔壁が、コージェライトを主成分として含む材料から構成され、
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の気孔率が、60~68%であり、
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の平均細孔径が、16~18μmであり、且つ、
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の累積細孔容積を、横軸を細孔径(μm)とし、縦軸をlog微分細孔容積(cm/g)として示した細孔径分布において、前記log微分細孔容積の最大値を含む第一ピークは、当該log微分細孔容積の最大値の1/3値幅に相当する細孔径の値が12~15μmであるとともに、前記細孔径分布において、前記隔壁の全細孔容積に対する、細孔径が20μmを超える細孔容積の比率が、22.1%以上、40%未満であり、且つ、細孔径が5μm未満の細孔容積の比率が、1.9%以上、10%未満である、ハニカムフィルタ。
【請求項2】
前記細孔径分布において、前記隔壁の全細孔容積に対する、細孔径が20μmを超える細孔容積の比率が、30%未満である、請求項に記載のハニカムフィルタ。
【請求項3】
前記隔壁の細孔の内部に、排ガス浄化用の触媒が担持されている、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムフィルタに関する。更に詳しくは、捕集性能に優れ、且つ、圧力損失が低減され、更に、排ガス浄化用の触媒を担持することで優れた浄化性能を示すハニカムフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のエンジン等の内燃機関より排出される排ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタや、CO,HC,NOxなどの有毒なガス成分を浄化する装置として、ハニカム構造体を用いたハニカムフィルタが知られている(特許文献1及び2参照)。ハニカム構造体は、コージェライトなどの多孔質セラミックスによって構成された隔壁を有し、この隔壁によって複数のセルが区画形成されたものである。ハニカムフィルタは、上述したハニカム構造体に対して、複数のセルの流入端面側の開口部と流出端面側の開口部とを交互に目封止するように目封止部を配設したものである。即ち、ハニカムフィルタは、流入端面側が開口し且つ流出端面側が目封止された流入セルと、流入端面側が目封止され且つ流出端面側が開口した流出セルとが、隔壁を挟んで交互に配置された構造となっている。そして、ハニカムフィルタにおいては、多孔質の隔壁が、排ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタの役目を果たしている。以下、排ガスに含まれる粒子状物質を、「PM」ということがある。「PM」は、「particulate matter」の略である。
【0003】
ハニカムフィルタによる排ガスの浄化は、以下のようにして行われる。まず、ハニカムフィルタは、その流入端面側が、排ガスが排出される排気系の上流側に位置するように配置される。排ガスは、ハニカムフィルタの流入端面側から、流入セルに流入する。そして、流入セルに流入した排ガスは、多孔質の隔壁を通過し、流出セルへと流れ、ハニカムフィルタの流出端面から排出される。多孔質の隔壁を通過する際に、排ガス中のPM等が捕集され除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-219319号公報
【文献】国際公開第2006/030811号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動車のエンジンから排出される排ガスの浄化に使用されるハニカムフィルタは、多孔質の隔壁として、気孔率の高い高気孔率の多孔質体が採用されていた。近年、自動車排出ガス規制の強化等により、ハニカムフィルタの捕集効率の向上が求められていた。
【0006】
ハニカムフィルタの捕集効率を向上するための手段として、例えば、多孔質の隔壁の平均細孔径を小さくする方法を挙げることができる。しかしながら、隔壁の平均細孔径は、ハニカムフィルタの圧力損失にも大きな影響を及ぼすものであり、隔壁の平均細孔径を小さくすると、ハニカムフィルタの圧力損失が上昇してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明によれば、捕集性能に優れ、且つ、圧力損失が低減され、更に、排ガス浄化用の触媒を担持することで優れた浄化性能を示すハニカムフィルタが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、以下に示す、ハニカムフィルタが提供される。
【0009】
[1] 第一端面から第二端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを取り囲むように配置された多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造部と、
それぞれの前記セルの前記第一端面側又は前記第二端面側の開口部に配設された目封止部と、を備え、
前記隔壁が、コージェライトを主成分として含む材料から構成され、
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の気孔率が、60~68%であり、
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の平均細孔径が、16~18μmであり、且つ、
水銀圧入法によって測定された前記隔壁の累積細孔容積を、横軸を細孔径(μm)とし、縦軸をlog微分細孔容積(cm/g)として示した細孔径分布において、前記log微分細孔容積の最大値を含む第一ピークは、当該log微分細孔容積の最大値の1/3値幅に相当する細孔径の値が12~15μmであるとともに、前記細孔径分布において、前記隔壁の全細孔容積に対する、細孔径が20μmを超える細孔容積の比率が、22.1%以上、40%未満であり、且つ、細孔径が5μm未満の細孔容積の比率が、1.9%以上、10%未満である、ハニカムフィルタ。
【0011】
] 前記細孔径分布において、前記隔壁の全細孔容積に対する、細孔径が20μmを超える細孔容積の比率が、30%未満である、前記[]に記載のハニカムフィルタ。
【0013】
] 前記隔壁の細孔の内部に、排ガス浄化用の触媒が担持されている、前記[1]又は[2]に記載のハニカムフィルタ。
【発明の効果】
【0014】
本発明のハニカムフィルタは、捕集性能に優れ、且つ、圧力損失を低減することができるという効果を奏するものである。即ち、本発明のハニカムフィルタは、隔壁の平均細孔径を16~18μmとし、且つ、隔壁の気孔率を60~68%とすることにより、機械的強度を維持したまま圧力損失の低減を図ることができる。更に、本発明のハニカムフィルタは、隔壁の細孔径分布において、log微分細孔容積の最大値を含む第一ピークが、当該log微分細孔容積の最大値の1/3値幅に相当する細孔径の値が12~15μmとなるように構成されている。このため、隔壁の細孔径分布の第一ピークがシャープな分布となり、比較的に細孔径が大きな細孔による大細孔容積率を下げることができる。そして、本発明のハニカムフィルタは、上述したような細孔径分布を有するとともに、隔壁の平均細孔径を16~18μmとすることで、多孔質の隔壁に排ガス浄化用の触媒を担持した際に、隔壁の細孔の内部に均一にコートされるように触媒が担持される。このように触媒が担持されることにより、触媒を担持したハニカムフィルタの捕集性能の向上及び圧力損失の低減の両立を図ることができる。更に、本発明のハニカムフィルタは、低触媒量時の触媒担持後において、ガスの流れが均一となることから、浄化性能の向上も期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のハニカムフィルタの一の実施形態を模式的に示す、流入端面側からみた斜視図である。
図2図1に示すハニカムフィルタの流入端面側からみた平面図である。
図3図2のA-A’断面を模式的に示す断面図である。
図4】実施例1、3及び比較例1のハニカムフィルタの細孔径分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0017】
(1)ハニカムフィルタ:
図1図3に示すように、本発明のハニカムフィルタの第一実施形態は、ハニカム構造部4と、目封止部5と、を備えた、ハニカムフィルタ100である。ハニカム構造部4は、第一端面11から第二端面12まで延びる流体の流路となる複数のセル2を取り囲むように配置された多孔質の隔壁1を有する柱状のものである。ハニカムフィルタ100において、ハニカム構造部4は、柱状を呈し、その外周側面に、外周壁3を更に有している。即ち、外周壁3は、格子状に配設された隔壁1を囲繞するように配設されている。目封止部5は、それぞれのセル2の第一端面11側又は第二端面12側の開口部に配設されている。
【0018】
図1は、本発明のハニカムフィルタの一の実施形態を模式的に示す、流入端面側からみた斜視図である。図2は、図1に示すハニカムフィルタの流入端面側からみた平面図である。図3は、図2のA-A’断面を模式的に示す断面図である。
【0019】
ハニカムフィルタ100は、ハニカム構造部4を構成する隔壁1が、以下のように構成されている。まず、隔壁1が、コージェライトを主成分として含む材料から構成されている。隔壁1は、不可避的に含有される成分を除いてコージェライトからなることが好ましい。
【0020】
ハニカムフィルタ100は、隔壁1の気孔率が、60~68%である。隔壁1の気孔率は、水銀圧入法によって測定された値である。隔壁1の気孔率の測定は、例えば、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて行うことができる。気孔率の測定は、ハニカムフィルタ100から隔壁1の一部を切り出して試験片とし、このようにして得られた試験片を用いて行うことができる。例えば、隔壁1の気孔率は、60~65%であることが好ましく、62~65%であることが更に好ましい。
【0021】
隔壁1の気孔率を60~68%とすることにより、圧力損失の低減を図ることができる。隔壁1の気孔率が60%未満であると、ハニカムフィルタ100の圧力損失を低減する効果が十分に得られない。一方、隔壁1の気孔率が68%を超えると、ハニカムフィルタ100の機械的強度が低下してしまう。
【0022】
ハニカムフィルタ100は、隔壁1の平均細孔径が、16~18μmである。隔壁1の平均細孔径は、水銀圧入法によって測定された値である。隔壁1の平均細孔径の測定は、例えば、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて行うことができる。平均細孔径の測定は、気孔率を測定するための上記した試験片を用いて行うことができる。例えば、参考例として、隔壁1の平均細孔径は、15~18μmであることが好ましい。
【0023】
隔壁1の平均細孔径を16~18μmとすることにより、圧力損失を低減しつつ、捕集性能の向上を図ることができる。隔壁1の平均細孔径が13μm未満であると、排ガス浄化用の触媒を少量に担持した際に、隔壁1の細孔の内部に触媒が均一にコートされにくくなり、圧力損失上昇及び浄化性能低下の点で好ましくない。一方、隔壁1の平均細孔径が18μmを超えると、ハニカムフィルタ100の捕集効率を向上させる効果が十分に得られない。
【0024】
更に、ハニカムフィルタ100は、水銀圧入法によって測定された隔壁1の累積細孔容積を、横軸を細孔径(μm)とし、縦軸をlog微分細孔容積(cm/g)として示した細孔径分布において、以下のように構成された第一ピークを有している。ここで、第一ピークとは、上記細孔径分布において、log微分細孔容積の最大値を含むピークのことである。第一ピークは、この第一ピークのlog微分細孔容積の最大値の1/3値幅に相当する細孔径の値が12~15μmである。ここで、「1/3値幅」とは、第一ピークのlog微分細孔容積の最大値の1/3の値における、当該第一ピークの幅を意味する。なお、第一ピークの幅は、横軸に示される細孔径(μm)の値に基づいて定められる。以下、「第一ピークのlog微分細孔容積の最大値の1/3値幅に相当する細孔径の値」を、単に「第一ピークの1/3値幅」ということがある。
【0025】
第一ピークの1/3値幅が12~15μmであると、隔壁1の細孔径分布において、この第一ピークがシャープな分布となり、比較的に細孔径が大きな細孔による大細孔容積率と、比較的に細孔径が小さな細孔による小細孔容積率とを下げることができる。これにより、排ガス浄化用の触媒を担持したハニカムフィルタ100の捕集性能の向上及び圧力損失の低減の両立を図ることができる。第一ピークの1/3値幅が15μmを超えると、第一ピークが幅広(ブロード)となり、上述した2つの効果の両立が困難となる。参考例として、第一ピークの1/3値幅の下限値、例えば、5μmである。したがって、参考例としての第一ピークの1/3値幅は、5~15μmであることが好ましく、10~15μmであることが更に好ましい。
【0026】
隔壁1の累積細孔容積は、水銀圧入法によって測定された値である。隔壁1の累積細孔容積の測定は、例えば、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて行うことができる。隔壁1の累積細孔容積の測定は、以下のような方法によって行うことができる。まず、ハニカムフィルタ100から隔壁1の一部を切り出して、累積細孔容積測定用の試験片を作製する。試験片の大きさについては特に制限はないが、例えば、縦、横、高さのそれぞれの長さが、約10mm、約10mm、約20mmの直方体であることが好ましい。試験片を切り出す隔壁1の部位については特に制限はないが、試験片は、ハニカム構造部の軸方向の中心付近から切り出して作製することが好ましい。得られた試験片を、測定装置の測定用セル内に収納し、この測定用セル内を減圧する。次に、測定用セル内に水銀を導入する。次に、測定用セル内に導入した水銀を加圧し、加圧時において、試験片内に存在する細孔中に押し込まれた水銀の体積を測定する。この際、水銀に加える圧力を増やすにしたがって、細孔径の大きな細孔から、順次、細孔径の小さな細孔に水銀が押し込まれることとなる。したがって、「水銀に加える圧力」と「細孔中に押し込まれた水銀の体積」との関係から、「試験片に形成された細孔の細孔径」と「累積細孔容積」の関係を求めることができる。「累積細孔容積」とは、例えば、最大の細孔径から特定の細孔径までの細孔容積を累積した値のことである。
【0027】
「横軸を細孔径とし、縦軸をlog微分細孔容積とした隔壁1の細孔径分布」は、例えば、横軸を、細孔径(単位:μm)とし、縦軸を、log微分細孔容積(単位:cm/g)としたグラフによって示すことができる。例えば、このようなグラフとしては、図4に示すようなグラフを挙げることができる。図4は、後述する実施例における実施例1、3及び比較例1のハニカムフィルタの細孔径分布を示すグラフである。なお、図4において、実施例1、3のハニカムフィルタが、本実施形態のハニカムフィルタに相当する。比較例1のハニカムフィルタは、比較対象としての従来のハニカムフィルタである。
【0028】
図4に示すような、細孔径分布を示すグラフについて更に詳細に説明する。図4に示すグラフは、「細孔径(μm)」と「Log微分細孔容積(cm/g)」の関係を示すグラフである。水銀圧入法により、真空状態に密閉した容器内にある試料の細孔に水銀を浸入させるために徐々に圧力を加えていくと、圧力が加えられた水銀は、試料の大きな細孔から小さな細孔へと順に浸入していく。その時の圧力と圧入された水銀量から、試料に形成された細孔の細孔径、及びその細孔容積を算出することができる。以下、細孔径をD1、D2、D3・・・とした場合、D1>D2>D3・・・の関係を満たすものとする。ここで、各測定ポイント間(例えば、D1からD2)の平均細孔径Dは、「平均細孔径D=(D1+D2)/2」として横軸に示すことができる。また、縦軸のLog微分細孔容積は、各測定ポイント間の細孔容積の増加分dVを細孔径の対数扱いの差分値(即ち、「log(D1)-log(D2)」)で割った値とすることができる。このような細孔径分布を示すグラフにおいて、ピークとは、分布が示す山を意味し、log微分細孔容積の最大値を含むピークを第一ピークとする。
【0029】
隔壁1の細孔径分布において、隔壁1の全細孔容積に対する、細孔径が20μmを超える細孔容積の比率が、40%未満であることが好ましい。このように構成することによって、比較的に細孔径が大きな細孔による大細孔容積率を下げることができ、捕集性能の向上をより図ることができる。なお、細孔径が20μmを超える細孔容積の比率については、30%未満であることが更に好ましい。
【0030】
隔壁1の細孔径分布において、隔壁1の全細孔容積に対する、細孔径が5μm未満の細孔容積の比率が、10%未満であることが好ましい。このように構成することによって、比較的に細孔径が小さな細孔による小細孔容積率を下げることができ、圧力損失の低減をより図ることができる。なお、細孔径が5μm未満の細孔容積の比率については、7%未満であることが更に好ましい。なお、細孔径が20μmを超える細孔容積の比率及び細孔径が5μm未満の細孔容積の比率は、隔壁1の累積細孔容積、又は図4に示すような細孔径分布を示すグラフから求めることができる。
【0031】
隔壁1の厚さについては特に制限はないが、例えば、0.20~0.30mmであることが好ましく、0.20~0.26mmであることが更に好ましく、0.20~0.24mmであることが特に好ましい。隔壁1の厚さは、例えば、走査型電子顕微鏡又はマイクロスコープ(microscope)を用いて測定することができる。隔壁1の厚さが薄すぎると、捕集性能が低下する点で好ましくない。一方、隔壁1の厚さが厚すぎると、圧力損失が増大する点で好ましくない。
【0032】
ハニカム構造部4に形成されているセル2の形状については特に制限はない。例えば、セル2の延びる方向に直交する断面における、セル2の形状としては、多角形、円形、楕円形等を挙げることができる。多角形としては、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等を挙げることができる。なお、セル2の形状は、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形であることが好ましい。また、セル2の形状については、全てのセル2の形状が同一形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。例えば、図示は省略するが、四角形のセルと、八角形のセルと混在したものであってもよい。また、セル2の大きさについては、全てのセル2の大きさが同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、図示は省略するが、複数のセルのうち、一部のセルの大きさを大きくし、他のセルの大きさを相対的に小さくしてもよい。なお、本発明において、セル2とは、隔壁1によって取り囲まれた空間のことを意味する。
【0033】
隔壁1によって区画形成されるセル2のセル密度が、30~50個/cmであることが好ましく、35~50個/cmであることが更に好ましい。このように構成することによって、ハニカムフィルタ100を、自動車のエンジンから排出される排ガスを浄化するためのフィルタとして好適に利用することができる。
【0034】
ハニカム構造部4の外周壁3は、隔壁1と一体的に構成されたものであってもよいし、隔壁1の外周側に外周コート材を塗工することによって形成した外周コート層であってもよい。例えば、図示は省略するが、外周コート層は、製造時において、隔壁と外周壁とを一体的に形成した後、形成された外周壁を、研削加工等の公知の方法によって除去した後、隔壁の外周側に設けることができる。
【0035】
ハニカム構造部4の形状については特に制限はない。ハニカム構造部4の形状としては、第一端面11(例えば、流入端面)及び第二端面12(例えば、流出端面)の形状が、円形、楕円形、多角形等の柱状を挙げることができる。
【0036】
ハニカム構造部4の大きさ、例えば、第一端面11から第二端面12までの長さや、ハニカム構造部4のセル2の延びる方向に直交する断面の大きさについては、特に制限はない。ハニカムフィルタ100を、排ガス浄化用のフィルタとして用いた際に、最適な浄化性能を得るように、各大きさを適宜選択すればよい。
【0037】
ハニカムフィルタ100においては、所定のセル2の第一端面11側の開口部、及び残余のセル2の第二端面12側の開口部に、目封止部5が配設されている。ここで、第一端面11を流入端面とし、第二端面12を流出端面とした場合に、流出端面側の開口部に目封止部5が配設され、流入端面側が開口したセル2を、流入セル2aとする。また、流入端面側の開口部に目封止部5が配設され、流出端面側が開口したセル2を、流出セル2bとする。流入セル2aと流出セル2bとは、隔壁1を隔てて交互に配設されていることが好ましい。そして、それによって、ハニカムフィルタ100の両端面に、目封止部5と「セル2の開口部」とにより、市松模様が形成されていることが好ましい。
【0038】
目封止部5の材質は、隔壁1の材質として好ましいとされた材質であることが好ましい。目封止部5の材質と隔壁1の材質とは、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
【0039】
ハニカムフィルタ100は、複数のセル2を区画形成する隔壁1に排ガス浄化用の触媒が担持されていることが好ましい。隔壁1に触媒を担持するとは、隔壁1の表面及び隔壁1に形成された細孔の内壁に、触媒がコーティングされることをいう。このように構成することによって、排ガス中のCOやNOxやHCなどを触媒反応によって無害な物質にすることができる。また、捕集した煤等のPMの酸化を促進させることができる。本実施形態のハニカムフィルタ100においては、多孔質の隔壁1の細孔の内部に触媒が担持されていることが特に好ましい。このように構成することによって、低触媒量時の触媒担持後において捕集性能の向上及び圧力損失の低減の両立を図ることができる。更に、触媒担持後において、ガスの流れが均一となることで、浄化性能の向上も期待することができる。
【0040】
隔壁1に担持する触媒については特に制限はない。例えば、白金族元素を含有する触媒であって、アルミニウム、ジルコニウム、及びセリウムのうちの少なくとも一種の元素の酸化物を含む触媒を挙げることができる。触媒の担持量は、50~100g/Lであることが好ましく、60~90g/Lであることが更に好ましい。なお、本明細書における、触媒の担持量(g/L)は、ハニカムフィルタの単位容積(L)当たりに担持される触媒の量(g)を示す。
【0041】
(2)ハニカムフィルタの製造方法:
図1図3に示す本実施形態のハニカムフィルタの製造方法については、特に制限はなく、例えば、以下のような方法により製造することができる。まず、ハニカム構造部を作製するための可塑性の坏土を調製する。ハニカム構造部を作製するための坏土は、例えば、以下のように調製することができる。原料粉末として、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカ等を用い、これらの原料粉末を、シリカが42~56質量%、アルミナが30~45質量%、マグネシアが12~16質量%の範囲に入る化学組成となるようにして調製することができる。
【0042】
次に、このようにして得られた坏土を押出成形することにより、複数のセルを区画形成する隔壁、及びこの隔壁を囲繞するように配設された外壁を有する、ハニカム成形体を作製する。
【0043】
得られたハニカム成形体を、例えば、マイクロ波及び熱風で乾燥し、ハニカム成形体の作製に用いた材料と同様の材料で、セルの開口部を目封止することで目封止部を作製する。目封止部を作製した後に、ハニカム成形体を更に乾燥してもよい。
【0044】
次に、目封止部を作製したハニカム成形体を焼成することにより、ハニカムフィルタを製造する。焼成温度及び焼成雰囲気は原料により異なり、当業者であれば、選択された材料に最適な焼成温度及び焼成雰囲気を選択することができる。
【実施例
【0045】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0046】
(実施例1)
コージェライト化原料として、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム、及び多孔質シリカを用意した。そして、各原料の累積粒度分布を、HORIBA社製のレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(商品名:LA-960)を用いて測定した。実施例1においては、各原料の配合比率(質量部)が表1に示す値となるように、各原料を配合してコージェライト化原料を調製した。表1において、「粒度D50(μm)」の横方向の行は、各原料の50体積%の粒子径(即ち、メジアン径)を示している。
【0047】
次に、コージェライト化原料100質量部に対して、有機造孔材として吸水性ポリマーを3.0質量部、バインダを6.0質量部、界面活性剤を1質量部、水を77質量部加えて坏土を調製した。吸水性ポリマーは、50体積%の粒子径が30μmのものを用いた。バインダとしては、メチルセルロース(Methylcellulose)を使用した。分散剤としては、ラウリン酸カリ石鹸を使用した。表2に、有機造孔材及びその他原料の配合比率(質量部)を示す。表2において、「粒度D50(μm)」の横方向の行は、有機造孔材の50体積%の粒子径(即ち、メジアン径)を示している。また、表2に示す配合比率(質量部)は、コージェライト化原料100質量部に対する比率を示している。
【0048】
次に、得られた坏土を、押出成形機を用いて成形し、ハニカム成形体を作製した。次に、得られたハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて更に乾燥した。ハニカム成形体におけるセルの形状は、四角形とした。
【0049】
次に、乾燥後のハニカム成形体に、目封止部を形成した。まず、ハニカム成形体の流入端面にマスクを施した。次に、マスクの施された端部(流入端面側の端部)を目封止スラリーに浸漬し、マスクが施されていないセル(流出セル)の開口部に目封止スラリーを充填した。このようにして、ハニカム成形体の流入端面側に、目封止部を形成した。そして、乾燥後のハニカム成形体の流出端面についても同様にして、流入セルにも目封止部を形成した。
【0050】
次に、目封止部を形成したハニカム成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥し、更に熱風乾燥機で完全に乾燥させた後、ハニカム成形体の両端面を切断し、所定の寸法に整えた。次に、乾燥したハニカム成形体を、脱脂し、焼成して、実施例1のハニカムフィルタを製造した。
【0051】
実施例1のハニカムフィルタは、端面の直径が118mmであり、セルの延びる方向の長さが127mmであった。また、隔壁の厚さが0.20mmであり、セル密度が47個/cmであった。隔壁の厚さ及びセル密度の値を表3に示す。
【0052】
実施例1のハニカムフィルタについて、以下の方法で、隔壁の気孔率、平均細孔径の測定を行った。結果を、表3に示す。また、隔壁の累積細孔容積についても測定し、その測定結果を元に、隔壁に形成された細孔の全細孔容積を求め、更に、この全細孔容積に対する、5μm未満の細孔容積、5~20μmの細孔容積、20μmを超える細孔容積の各比率を算出した。結果を、表3に示す。また、隔壁の累積細孔容積に基づいて、横軸を細孔径(μm)とし、縦軸をlog微分細孔容積(cm/g)として示した細孔径分布を作成し、この細孔径分布の第一ピークの1/3値幅(μm)を求めた。結果を、表3に示す。以下、実施例1を、参考例1と読み替える。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
(気孔率)
隔壁の気孔率の測定は、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて行った。気孔率の測定においては、ハニカムフィルタから隔壁の一部を切り出して試験片とし、得られた試験片を用いて気孔率の測定を行った。試験片は、縦、横、高さのそれぞれの長さが、約10mm、約10mm、約20mmの直方体のものとした。試験片の採取箇所については、ハニカム構造部の軸方向の中心付近とした。
【0057】
(平均細孔径)
隔壁の平均細孔径の測定は、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて行った。平均細孔径の測定においても、気孔率の測定に用いた試験片を用いて測定を行った。なお、隔壁の平均細孔径は、水銀圧入法により全細孔容積の半分の容積を与える細孔径と定義して算出した値である。
【0058】
(累積細孔容積)
隔壁の累積細孔容積の測定は、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて行った。累積細孔容積の測定においても、気孔率の測定に用いた試験片を用いて測定を行った。
【0059】
実施例1のハニカムフィルタについて、以下の方法で、捕集効率、圧力損失、及び浄化性能の評価を行った。結果を、表4に示す。なお、捕集効率、圧力損失、及び浄化性能の各評価は、評価を行う各ハニカムフィルタに対して、以下の方法によって白金族元素含有触媒を担持して行った。
【0060】
(触媒の担持方法)
まず、平均粒子径30μmの酸化アルミニウムを含む触媒スラリーを調製した。そして、調製した触媒スラリーを用いて、ハニカムフィルタに触媒を担持した。具体的には、触媒の担持は、ハニカムフィルタをディッピング(Dipping)することによって行い、その後、余分な触媒スラリーを空気にて吹き飛ばすことによって、ハニカムフィルタの隔壁に所定量の触媒を担持した。その後、触媒を担持したハニカムフィルタを100℃の温度で乾燥し、更に500℃、2時間の熱処理を行うことにより、触媒付きハニカムフィルタを得た。実施例1のハニカムフィルタに担持した触媒の担持量は、90g/Lであった。
【0061】
(捕集効率)
まず、各実施例及び比較例の触媒付きハニカムフィルタを排ガス浄化用フィルタとした排ガス浄化装置を作製した。次に、作製した排ガス浄化装置を、1.2L直噴ガソリンエンジン車両のエンジン排気マニホルドの出口側に接続して、排ガス浄化装置の流出口から排出されるガスに含まれる煤の個数を、PN測定方法によって測定した。走行モードに関しては、RDE走行のワーストを模擬した走行モード(RTS95)を実施した。モード走行後に排出された煤の個数の累計を、判定対象となる排ガス浄化装置の煤の個数とし、その煤の個数から捕集効率(%)を算出した。表4の「捕集効率比」の欄に、比較例1の触媒付きハニカムフィルタを使用した排ガス浄化装置の捕集効率の値を100%とした場合における、各実施例及び比較例の触媒付きハニカムフィルタを使用した排ガス浄化装置の捕集効率の値(%)を示す。捕集効率評価においては、下記評価基準に基づき、各実施例及び比較例のハニカムフィルタの評価を行った。
評価「優」:捕集効率比(%)の値が、110%を超える場合、その評価を「優」とする。
評価「良」:捕集効率比(%)の値が、105%を超え、110%以下である場合、その評価を「良」とする。
評価「可」:捕集効率比(%)の値が、100%を超え、105%以下である場合、その評価を「可」とする。
評価「不可」:捕集効率比(%)の値が、100%以下の場合、その評価を「不可」とする。
【0062】
(圧力損失)
1.2L直噴ガソリンエンジンから排出される排ガスを700℃、600m/hの流量で流入させて、触媒付きハニカムフィルタの流入端面側と流出端面側との圧力を測定した。そして、流入端面側と流出端面側との圧力差を算出することにより、触媒付きハニカムフィルタの圧力損失(kPa)を求めた。表4の「圧力損失比」の欄に、比較例1の触媒付きハニカムフィルタの圧力損失の値を100%とした場合における、各実施例及び比較例の触媒付きハニカムフィルタを圧力損失の値(%)を示す。圧力損失評価においては、下記評価基準に基づき、各実施例のハニカムフィルタの評価を行った。
評価「優」:圧力損失比(%)の値が、90%以下である場合、その評価を「優」とする。
評価「良」:圧力損失比(%)の値が、90%を超え、95%以下である場合、その評価を「良」とする。
評価「可」:圧力損失比(%)の値が、95%を超え、100%以下である場合、その評価を「可」とする。
評価「不可」:圧力損失比(%)の値が、100%を超える場合、その評価を「不可」とする。
【0063】
(浄化性能)
まず、各実施例及び比較例の触媒付きハニカムフィルタを排ガス浄化用フィルタとした排ガス浄化装置を作製した。1.2L直噴ガソリンエンジン車両のエンジン排気マニホルドの出口側に、作製した排ガス浄化装置を接続して、排ガス浄化装置の流出口から排出されるガスに含まれるNOx濃度を測定し、NOxの浄化率を求めた。表4の「浄化性能比」の欄に、比較例1の触媒付きハニカムフィルタを使用した排ガス浄化装置のNOxの浄化率の値を100%とした場合における、各実施例及び比較例の触媒付きハニカムフィルタを使用した排ガス浄化装置のNOxの浄化率の値(%)を示す。浄化性能評価においては、下記評価基準に基づき、各実施例及び比較例のハニカムフィルタの評価を行った。
評価「優」:浄化性能比(%)の値が、105%以上である場合、その評価を「優」とする。
評価「良」:浄化性能比(%)の値が、102%を超え、105%未満である場合、その評価を「良」とする。
評価「可」:浄化性能比(%)の値が、100%を超え、102%以下である場合、その評価を「可」とする。
【0064】
【表4】
【0065】
(実施例2,3)
実施例2,3においては、コージェライト化原料に用いる各原料の配合比率(質量部)を表1に示すように変更した。また、有機造孔材及びその他原料の配合比率(質量部)についても表2に示すように変更した。このような原料を用いて坏土を調製したこと以外は、実施例1と同様の方法でハニカムフィルタを作製した。
【0066】
(比較例1,2)
比較例1,2においては、コージェライト化原料に用いる各原料の配合比率(質量部)を表1に示すように変更した。また、有機造孔材及びその他原料の配合比率(質量部)についても表2に示すように変更した。このような原料を用いて坏土を調製したこと以外は、実施例1と同様の方法でハニカムフィルタを作製した。比較例1においては、有機造孔材としての吸水性ポリマーに加えて、粒度D50が45μmの発泡樹脂を造孔材として用いた。表2において、「有機造孔材」の欄に、造孔材としての発泡樹脂の配合比率(質量部)を示す。
【0067】
実施例2,3及び比較例1,2のハニカムフィルタについても、実施例1と同様の方法で、隔壁の気孔率、平均細孔径の測定を行った。また、隔壁の累積細孔容積についても測定し、その測定結果を元に、隔壁に形成された細孔の全細孔容積を求め、更に、この全細孔容積に対する、5μm未満の細孔容積、5~20μmの細孔容積、20μmを超える細孔容積の各比率を算出した。また、隔壁の累積細孔容積に基づいて、横軸を細孔径(μm)とし、縦軸をlog微分細孔容積(cm/g)として示した細孔径分布を作成し、この細孔径分布の第一ピークの1/3値幅(μm)を求めた。各結果を、表3に示す。上記のようにして作成した細孔径分布を示すグラフのうち、実施例1、3及び比較例1のハニカムフィルタの細孔径分布を示すグラフを、図4に示す。
【0068】
実施例2,3及び比較例1,2のハニカムフィルタについて、実施例1と同様の方法で触媒を担持した。触媒を担持した各ハニカムフィルタ(触媒付きハニカムフィルタ)について、実施例1と同様の方法で、捕集効率、圧力損失、及び浄化性能の評価を行った。結果を表4に示す。
【0069】
(結果)
実施例1~3のハニカムフィルタは、捕集効率、圧力損失、及び浄化性能の全て評価において、基準となる比較例1のハニカムフィルタの各性能を上回るものであることが確認できた。したがって、実施例1~3のハニカムフィルタは、捕集性能に優れるとともに、従来のハニカムフィルタに比して、圧力損失の上昇を抑制することができ、更に、浄化性能にも優れていることが分かった。一方、比較例2のハニカムフィルタは、実施例1~3のハニカムフィルタに比して、捕集効率、圧力損失、及び浄化性能の評価結果が劣っており、特に、圧力損失の悪化が激しかった。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明のハニカムフィルタは、排ガスに含まれる微粒子等を除去するための捕集フィルタとして利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1:隔壁、2:セル、2a:流入セル、2b:流出セル、3:外周壁、4:ハニカム構造部、5:目封止部、11:第一端面、12:第二端面、100:ハニカムフィルタ。
図1
図2
図3
図4