(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】ソケットキャップ及び照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 25/10 20060101AFI20240307BHJP
F21K 9/23 20160101ALI20240307BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240307BHJP
F21V 15/04 20060101ALI20240307BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240307BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240307BHJP
【FI】
F21V25/10
F21K9/23
F21V23/00 117
F21V15/04
F21Y115:10 500
F21Y115:10 300
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2020104840
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加村 伸二
(72)【発明者】
【氏名】谷藤 好恵
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-031386(JP,U)
【文献】特開2011-204658(JP,A)
【文献】特開平8-130076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 25/10
F21K 9/23
F21V 23/00
F21V 15/04
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を取り付け可能なソケットの側部の少なくとも一部を覆う筒部と、
前記筒部の内面に設けられ、前記ソケットが所定温度以上になったことを検出するサーマルプロテクタを保持する凹部と、を備え
、
前記サーマルプロテクタを、前記ソケットに当接するように前記ソケットとで挟んで保持する、
ソケットキャップ。
【請求項2】
前記ソケットキャップは弾性体である、請求項1に記載のソケットキャップ。
【請求項3】
前記凹部内に設けられ、前記サーマルプロテクタの電線間に位置する突出部を有する、請求項1又は請求項2に記載のソケットキャップ。
【請求項4】
前記ソケットキャップは透明体又は半透明体である、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のソケットキャップ。
【請求項5】
前記筒部から前記ソケットの器具本体への取付面に沿って折れ曲がる屈曲部を有する、請求項1から請求項4の何れか一項に記載のソケットキャップ。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか一項に記載のソケットキャップと、
前記ソケットキャップの前記凹部に保持されるサーマルプロテクタと、
前記サーマルプロテクタを保持した前記ソケットキャップと光源とが取り付けられるソケットと、
前記ソケットが取り付けられる器具本体と、を備える、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソケットキャップ及びそれを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から照明器具において、異常温度上昇を防止する設計がなされている。例えば、特許文献1には、光源が所定以上の温度になった場合に電源を遮断するサーマルプロテクタを備えた照明器具が開示されている。
【0003】
特許文献1によれば、サーマルプロテクタは、ソケットを支持する金属製のソケットホルダに取り付けられている。具体的には、ソケットホルダに切起片が形成され、サーマルプロテクタは切起片で挟持されることでソケットホルダに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この構成によれば、サーマルプロテクタを適切な位置に、脱落しないように取り付けるために切起片の位置を微調整しなければならず、組み立て作業が煩雑になる。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、サーマルプロテクタを容易に取り付けることができるソケットキャップを提供することを目的とする。また、そのソケットキャップを備えた照明器具を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のソケットキャップは、
光源を取り付け可能なソケットの側部の少なくとも一部を覆う筒部と、
前記筒部の内面に設けられ、前記ソケットが所定温度以上になったことを検出するサーマルプロテクタを保持する凹部と、を備え、
前記サーマルプロテクタを、前記サーマルプロテクタを前記ソケットに当接するように前記ソケットとで挟んで保持する。
【0008】
上記のソケットキャップは弾性体であってもよい。
【0009】
上記のソケットキャップは、前記凹部内に設けられ、前記サーマルプロテクタの電線間に位置する突出部を有していてもよい。
【0010】
上記のソケットキャップは透明体又は半透明体であってもよい。
【0011】
上記のソケットキャップは、前記筒部から前記ソケットの器具本体への取付面に沿って折れ曲がる屈曲部を有していてもよい。
【0012】
本発明の照明器具は、
前記ソケットキャップと、
前記ソケットキャップの前記凹部に保持されるサーマルプロテクタと、
前記サーマルプロテクタを保持した前記ソケットキャップと光源とが取り付けられるソケットと、
前記ソケットが取り付けられる器具本体と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、サーマルプロテクタを容易に取り付けることができるソケットキャップ及びそのソケットキャップを備えた照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図4】
図1の照明器具の内セード、外セード及び光源を省略した正面図である。
【
図5】
図1の照明器具のパッキン及びスタットを省略した背面図である。
【
図6】
図1の照明器具の電気的な接続を説明する図である。
【
図7】ソケット及びサーマルプロテクタを組み付けたソケットキャップの前側斜視図である。
【
図8】
図7のソケットキャップの後側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態では、本発明の一実施形態である照明器具10を例に説明する。照明器具10は、屋外の壁面等の取付面に設置される照明器具であり、いわゆるポーチ灯である。以下の説明では、
図2の状態にある照明器具10を基準として各方向を規定し、各構成部材の方向も
図2の状態にある照明器具10に組み付けられた状態を基準とする。
【0016】
具体的には、
図2における左側及び右側を照明器具10の左側及び右側、
図2における上側及び下側を照明器具10の上側及び下側、
図2における紙面手前側を照明器具10の前側(正面側)、
図2における紙面奥側を照明器具10の後側(背面側)と規定する。
【0017】
図1から
図5に示すように、照明器具10は、器具本体20と、光源30と、ソケット40と、サーマルプロテクタ50と、ソケットキャップ60と、照度センサ70とを備える。
【0018】
図3から
図5に示すように、器具本体20は、光源30、ソケット40、サーマルプロテクタ50及びソケットキャップ60を収容し、その内部に保持する部材である。器具本体20は、ベース部21と、内セード22と、外セード23と、端子台24と、パッキン25と、スタット26とを有する。
【0019】
ベース部21は、ソケット40、内セード22、外セード23、端子台24及び照度センサ80を支持し、照明器具10を取付面に固定する部材である。ベース部21は、前面にソケット40を支持するための支持面211と、支持面211に形成された開口部212とを有する。本実施形態において、器具本体20は一体成形されている。なお、器具本体20は、複数の部材を組み付けて構成してもよい。
【0020】
器具本体20は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料を用いて作製することができる。器具本体20をアルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料を用いて作製した場合、熱伝導率が高いため照明器具10の放熱性を高めることができる。器具本体20を構成する材料としては、アルミニウム等の金属材料に限らず、例えば、鉄や鉄合金等その他の金属材料、樹脂材料、もしくはそれらの組み合わせなどとすることができる。
【0021】
内セード22は、光源30を覆うようにベース部21の前面側に取り付けられ、周囲に光を出射する部材である。本実施形態において内セード22は有底四角筒状であるが、その形状には特に限定はなく、有底円筒状や球状等であってもよい。内セード22を構成する材料としては、透光性を有する材料が用いられ、例えば、透明又は乳白色の樹脂やガラスを用いることができる。なお、内セード22には、様々な機能を付与する添加剤や着色剤等を含有させることができる。例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、防汚剤等を含有させることができる。
【0022】
図1及び
図2に示すように、外セード23は、内セード22を覆うようにベース部21の前面側に取り付けられ、周囲に光を出射する部材である。本実施形態において外セード23は内セード22の前面及び左右側面を覆うU字型の部材であり、各面にはスリット231が設けられている。内セード22から出射した光は、外セード23のスリット231及び上下の開放部分から周囲に出射される。外セード23の形状には特に限定はなく、有底円筒状や球状等であってもよい。外セード23を構成する材料としては、器具本体20と同材料を用いることができる。なお、外セード23は省略してもよい。
【0023】
図5に示すように、端子台24は、外部電源に接続する部材である。
図6に示すように、端子台24から導出される2本の電線241、242は、ソケット40の電線402とサーマルプロテクタ50の電線502とに接続される。
図3に示すように、パッキン25は、スタット26によって取付面に固定される防水用のゴム部材である。パッキン25は、ベース部21の背面を覆い、ベース部21と取付面との隙間からの雨水の侵入を防止する。スタット26は、パッキン25を取付面に固定するとともに、ベース部21を支持する部材である。ベース部21は、スタット26にネジ止めされることで取付面に取り付けられる。
【0024】
光源30は、ソケット40に螺合され、内セード22内に配置される。光源30は、ソケット40に取り付け可能な口金を有する電球等である。本実施形態では、光源30としてLED(Light Emitting Diode)電球を用いている。なお、光源30の種類には特に限定はなく、例えば、表面実装型やチップオンボード型のLED素子、有機EL素子などを搭載した発光モジュールを用いてもよい。
【0025】
本実施形態の光源30として使用されるLED電球は、従来の白熱電球と同様にE17口金やE26口金を有し、それらに対応したソケットに取り付けることができる。LED電球は白熱電球と比べて、消費電力を低減させるとともにランプ自体の発熱量を低下することができる。
【0026】
図3及び
図4に示すように、ソケット40は、光源30が取り付けられる有底円筒状の部材である。ソケット40は、2段の円筒状の側部41と、側部41の後端部を覆う取付面42と、側部41の後端部から左右方向に突出する2つのフランジ43とを有する。ソケット40は、取付面42を器具本体20の支持面211に当接させた状態で、フランジ43に形成された孔部を用いてネジ止めされることで器具本体20に取り付けられる。
図6に示すように、ソケット40の取付面42から導出される2本の電線401、402は、ベース部21の開口部212を通じて器具本体20内に引き出され、照度センサ70の電線701と端子台24の電線241とに接続される。
【0027】
図3に示すように、サーマルプロテクタ50は、光源30の異常過熱を防止するための部材であり、ソケット40が所定温度以上になったことを検出するセンサである。サーマルプロテクタ50としては、例えば所定温度に応答するバイメタル方式のものを用いることができる。本実施形態においてサーマルプロテクタ50は略直方体の部材であるが、その形状には特に限定はなく、円柱状や球状等であってもよい。
【0028】
サーマルプロテクタ50は、ソケット40の側部41とソケットキャップ60との間に挟まれて保持される。なお、本実施形態では、サーマルプロテクタ50がソケット40の側部41に当接するように保持される構成にしたが、サーマルプロテクタ50はソケット40の側部41に近接するように配置されてもよい。
図6に示すように、サーマルプロテクタ50の背面から導出される2本の電線501、502は、ベース部21の開口部212を通じて器具本体20内に引き出され、照度センサ70の電線702と端子台24の電線242とに接続される。サーマルプロテクタ50は光源30に直列に接続される。
【0029】
本実施形態において、サーマルプロテクタ50はソケット40の所定温度に応答して光源30を制御する。具体的には、ソケット40が所定温度以上に過熱されると、サーマルプロテクタ50の接点が開き、光源30への電源の供給が遮断され、光源30が消灯する。一方、ソケット40が所定温度未満に低下すると、サーマルプロテクタ50の接点が閉じ、光源30へ電源が供給され、光源30が点灯する。
【0030】
本実施形態の照明器具10は、光源30としてLED電球を用いて構成されている。LED電球の代わりに従来の白熱電球でも機械的に取り付けることができ、白熱電球に電力供給することもできる。しかしながら、白熱電球は、LED電球に比べて発熱量が多いため異常過熱となりやすく、LED電球対応の照明器具10の不具合の原因となる可能性がある。サーマルプロテクタ50を有することで、白熱電球などの非対応の光源が取り付けられた場合にも、所定温度以上に過熱されると光源への電力供給を停止することができ、安全性を担保することができる。
【0031】
図3に示すように、ソケットキャップ60は、ソケット40に取り付けられ、サーマルプロテクタ50を保持するとともに、ソケット40の放熱性を高める機能を有する部材である。
【0032】
ソケットキャップ60は、弾性体、透明体又は半透明体、高熱伝導率であることが好ましい。本実施形態では、これら全ての条件を満たす材料として半透明のシリコンゴムを用いている。またシリコンゴム以外に、弾性を有する材料としては、各種ゴムやPC(ポリカーボネート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、ASA(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂材料を用いることができる。透明又は半透明を有する材料としては、PC、PET、ABS、ASA等の樹脂材料を用いることができる。高熱伝導率を有する材料としては、アルミニウムやアルミニウム合金、鉄や鉄合金、亜鉛や真鍮等の金属材料、高熱伝導樹脂材料を用いることができる。
【0033】
本実施形態において、ソケットキャップ60は一体的に成形されている。成形手法としては、樹脂材料に対して、射出成形、直圧成形、プレス成形、真空成形、圧空成形など、使用する樹脂材料やソケットキャップ60の形状に合わせて適宜それらの手法を用いることができる。また、金属材料に対しては、ダイカスト等の鋳造、プレス加工、ヘラ絞り加工、切削加工、挽き物加工などを用いることができる。なお、ソケットキャップ60は、複数の部材を組み付けて構成してもよい。
【0034】
光源30から発生した熱は、光源30の周辺の空気やソケット40に伝達する。ソケット40に伝達した熱は、ソケットキャップ60及びベース部21に伝達する。ソケットキャップ60及びベース部21よりも周辺の温度が低い場合、光源30から発生した熱はソケットキャップ60及びベース部21の周辺の空気に伝達されて放熱される。
【0035】
図7から
図13に示すように、ソケットキャップ60は、筒部61と、凹部62と、突出部63と、屈曲部64と、切欠部65とを有する。
【0036】
図7及び
図8に示すように、筒部61は、ソケット40の側部41を覆う円筒状の部材である。筒部61は、ソケット40の2段の円筒状の側部41に密着する形状を有している。ソケットキャップ60が弾性体で構成されることにより、筒部61を変形させながらソケット40の側部41に被せることができるため、ソケットキャップ60をソケット40に密着させて装着しやすい。また、筒部61が高熱伝導率を有することにより、光源30から発生してソケット40に伝達される熱の放熱性が高まる。
【0037】
なお、本実施形態の筒部61はソケット40を全周に亘って覆っているが、ソケットキャップ60の筒部としてはソケット40の側部41の少なくとも一部を覆う形状であればよい。例えば、筒部は側部41の前後長より短い帯状であってもよい。
【0038】
図12及び
図13に示すように、凹部62は、サーマルプロテクタ50を保持する部分である。凹部62は、略直方体の凹みであり、前壁部621と、左壁部622と、右壁部623と、上壁部624とで形成される。凹部62の背面は開放されており、サーマルプロテクタ50の電線501、502を引き出すことができる。左壁部622と右壁部623との距離はサーマルプロテクタ50の左右幅と同程度である。これにより、サーマルプロテクタ50は左壁部622と右壁部623とで挟まれて保持される。ソケットキャップ60が弾性体で構成されることにより、ソケットキャップ60を変形させながらソケット40に装着できるため、サーマルプロテクタ50を凹部62に収容しやすく、ソケット40に近接した位置に容易に配置できる。
【0039】
前壁部621は、サーマルプロテクタ50の前面に当接してサーマルプロテクタ50を前後方向に位置決めすることができる。凹部62の深さは、サーマルプロテクタ50の厚みと同程度である。これにより、サーマルプロテクタ50は、下面がソケット40の側部41に当接又は近接した状態で凹部62に保持されるため、ソケット40の温度を精度よく検出することができる。したがって、光源30の異常過熱を速やかに検出することができ、光源30の異常過熱状態の継続時間を短くすることができる。
【0040】
ソケットキャップ60が透明体又は半透明体で構成されることにより、ソケットキャップ60をソケット40に取り付けた後に、凹部62内のサーマルプロテクタ50の有無や取付状態を、ソケットキャップ60を介して目視で確認することができる。
【0041】
なお、凹部62は、筒部61の内面に設けられサーマルプロテクタ50を保持可能な形状であればよく、サーマルプロテクタ50の全部を覆う必要はない。例えば、凹部62の一部が切り欠かれていてもよい。
【0042】
突出部63は、凹部62内に設けられ、サーマルプロテクタ50の2本の電線501、502間に位置する部材である。突出部63は、凹部62の深さと同程度の高さを有する略矩形の板状部材である。突出部63の前端部はサーマルプロテクタ50の背面に近接又は当接している。これにより、突出部63はサーマルプロテクタ50の後方向への移動を規制し、サーマルプロテクタ50の位置ずれを抑制する。
【0043】
本実施形態の突出部63は、ソケットキャップ60の後方向に向かって突出延長部63aを有する。突出延長部63aは、凹部62の上壁部624から立設される立壁状の部分である。突出部63及び突出延長部63aは、凹部62の後端側に前後方向に延在して、凹部62の左右方向に空間を分割する。電線501及び電線502は、それぞれ凹部62の分割された空間に配置される。この構成にすることで、電線501、502を凹部62内の適切な位置に容易に配置することができる。なお、突出延長部63aは、必須の構成ではなく、その形状も限定されるものではない。本実施形態では突出部63と連続する立壁状に形成したが、例えば、前後方向に複数の柱状の突起を設けてもよい。
【0044】
なお、突出部63を省略し、凹部62の左壁部622又は右壁部623がサーマルプロテクタ50の背面に沿って電線501、502の手前まで回り込んだ形状としてもよい。この場合、凹部62の回り込んだ部分が突出部63と同様にサーマルプロテクタ50の後方向への移動を規制し、サーマルプロテクタ50の位置ずれを抑制する。
【0045】
屈曲部64は、筒部61の後端部からソケット40の取付面42に沿って折れ曲がる板状部材である。本実施形態において屈曲部64は3箇所に設けられているが、その数には特に限定はなく1つ以上であればよい。
図3に示すように、屈曲部64は、ソケット40の取付面42と器具本体20の支持面211とに挟まれた状態で取り付けられる。これにより、ソケットキャップ60の脱落を抑制できる。
【0046】
切欠部65は、筒部61がソケット40のフランジ43と干渉しないように切り欠かれた部分である。切欠部65は、ソケット40の2つのフランジ43と重なる筒部61の2箇所の後端部周辺を略矩形状に切り欠いて形成される。これにより、筒部61はフランジ43を避けてソケット40の側部41全体を覆うことができる。また、切欠部65を設けることにより、ソケットキャップ60の後端側を外側に広げるように変形しやすいため、ソケットキャップ60をソケット40に装着しやすい。
【0047】
図1から
図5に示すように、照度センサ70は、周囲が暗くなったことを検出して光源30を点灯させ、周囲が明るくなったことを検出して光源30を消灯させるセンサである。照度センサ70には、フォトトランジスタやフォトダイオードを受光素子として用いることができる。
図6に示すように、照度センサ70から導出される3本の電線701、702、703は、ソケット40の電線401と、サーマルプロテクタ50の電線501と、ソケット40の電線402及び端子台24の電線241とに接続される。
【0048】
以上、説明した本実施形態に係るソケットキャップ60は、光源30を取り付け可能なソケット40の側部41の少なくとも一部を覆う筒部61と、筒部61の内面に設けられ、ソケット40が所定温度以上になったことを検出するサーマルプロテクタ50を保持する凹部62とを備える。この構成によれば、サーマルプロテクタ50をソケットキャップ60の凹部62に配置して、ソケットキャップ50をソケット40に装着することで、容易にサーマルプロテクタ50をソケット40の近傍の所定の位置に取り付けることができる。
【0049】
本実施形態に係るソケットキャップ60は弾性体である。これにより、凹部62が弾性を有するため、サーマルプロテクタ50を凹部に収容しやすい。また、筒部61が弾性を有するため、ソケットキャップ60をソケット40に密着させて装着しやすい。
【0050】
本実施形態に係るソケットキャップ60は、凹部62内に設けられ、サーマルプロテクタ50の電線501、502間に位置する突出部63を有する。これにより、突出部63がサーマルプロテクタ50の位置を規制するため、サーマルプロテクタ50の位置ずれを抑制できる。
【0051】
本実施形態に係るソケットキャップ60は透明体又は半透明体である。これにより、ソケットキャップ60をソケット40に取り付けた後に、凹部62内のサーマルプロテクタ50の有無や取付状態を、ソケットキャップ60を介して目視で確認することができる。
【0052】
本実施形態に係るソケットキャップ60は、筒部61からソケット40の器具本体20への取付面42に沿って折れ曲がる屈曲部64を有する。これにより、屈曲部64は、ソケット40の取付面42と器具本体20の支持面211とに挟まれた状態で取り付けられる。その結果、ソケットキャップ60の脱落を抑制できる。
【0053】
本実施形態に係る照明器具10は、ソケットキャップ60と、ソケットキャップ60の凹部62に保持されるサーマルプロテクタ50と、サーマルプロテクタ50を保持したソケットキャップ60と光源30とが取り付けられるソケット40と、ソケット40が取り付けられる器具本体20とを備える。これにより、上記の効果を有するソケットキャップ60を備えた照明器具10を提供することができる。
【符号の説明】
【0054】
10 照明器具
20 器具本体
30 光源
40 ソケット
41 側部
42 取付面
50 サーマルプロテクタ
60 ソケットキャップ
61 筒部
62 凹部
63 突出部
64 屈曲部
501、502 電線