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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】配管ユニット
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/00 20060101AFI20240307BHJP
   E03D 11/00 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
A47K17/00
E03D11/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020149650
(22)【出願日】2020-09-07
(65)【公開番号】P2022044160
(43)【公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 守
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋介
(72)【発明者】
【氏名】カン ヒョンジン
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-283394(JP,A)
【文献】特開2010-187784(JP,A)
【文献】米国特許第6986171(US,B1)
【文献】中国実用新案第207003580(CN,U)
【文献】欧州特許出願公開第3462102(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00
A47K 13/00 - 17/02
E03D 1/00 - 7/00
E03D 11/00 - 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームの前面側に配置される前板と、
前記フレームの上面側に配置される上板と、
前記フレームに取り付けられ、電気温水器を保持する保持具と、を備え、
前記フレームは、前記保持具が取り付けられる取付部を複数箇所に有し、
前記保持具は、複数の前記取付部から選択した取付部に取り付けられる配管ユニット。
【請求項2】
前記フレームは、左側に配置される左側フレーム及び右側に配置される右側フレームを有し、
前記取付部は、前記左側フレーム及び右側フレームに設けられている請求項1に記載の配管ユニット。
【請求項3】
前記保持具は、前記電気温水器の左右両側に配置される一対の側面部と、前記一対の側面部を連結する連結部と、を有し、
前記一対の側面部のうち少なくとも一方の側面部に、前記左側フレーム及び右側フレームのどちらにも固定自在な固定部が設けられている請求項2に記載の配管ユニット。
【請求項4】
前記保持具は、床面に配置される下面部を有し
前記下面部の上面に前記電気温水器が載置される請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の配管ユニット。
【請求項5】
前記保持具は、前記フレーム内の下部スペースにおける左側及び右側のいずれか一方の側に取り付けられ、
給水管及び排水管は、前記フレーム内の前記下部スペースにおける左側及び右側の他方の側に配置される請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の配管ユニット。
【請求項6】
前記フレーム内の前記保持具の後側に、給水管及び排水管のうちいずれかを配置できる大きさの後部スペースが設けられている請求項1から請求項5までの何れか一項に記載の配管ユニット。
【請求項7】
前記前板の前面に取り付けられる流し部を有し、
前記電気温水器は、前記流し部よりも下側に配置されている請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の配管ユニット。
【請求項8】
前記前板は、前記フレームに対して着脱自在である請求項1から請求項7までの何れか一項に記載の配管ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配管ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器、洗面器、汚物流しなどの衛生機器を備える配管ユニットが知られている。配管ユニットは、給水管、排水管などの配管をユニット化したものである。配管ユニットは、多目的トイレなどに設置される。下記特許文献1に記載された配管ユニットの内部には、排水管、給水管、電気温水器などが配置されている。電気温水器は、配管ユニットの上部左側に配置されている。電気温水器は、配管ユニットに固定された板部材の上面に据え付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-283394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記配管ユニットの板部材は、フレームの1箇所に固定されている。このため、電気温水器の配置を変えることが難しかった。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電気温水器の配置を容易に変えることが可能な配置ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配管ユニットは、フレームと、前記フレームの前面側に配置される前板と、前記フレームの上面側に配置される上板と、前記フレームに取り付けられ、電気温水器を保持する保持具と、を備え、前記フレームは、前記保持具が取り付けられる取付部を複数箇所に有し、前記保持具は、複数の前記取付部から選択した取付部に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】トイレ室内に設置された状態の配管ユニットを示す斜視図
図2】ユニット本体を示す分解斜視図
図3】配管ユニットを示す正面図
図4】保持具を示す斜視図
図5】保持具を下部スペースの左側に取り付けた状態を示す斜視図
図6】保持具を下部スペースの右側に取り付けた状態を示す斜視図
図7】第1保持具をフレームに取り付ける様子を示す斜視図
図8】第2保持具をフレームに取り付ける様子を示す斜視図
図9】後部スペースを示す配管ユニットの断面図
図10】電気温水器を配管ユニットの下部スペースに設置する様子を示す斜視図
図11】流し部を配管ユニットの前面に取り付ける様子を示す斜視図
図12】吐水口及び水栓を配管ユニットの前面に取り付けた状態を示す斜視図
図13】配管ユニットの下部スペースから電気温水器を取り出す様子を示す斜視図
図14】配管ユニットの上部に洗浄タンク及びバキュームブレーカを取り付けた状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
配管ユニットUは、図1に示すように、例えば、腹部に排泄口を人工的に増設した人が、パウチに溜まった排泄物を流したり洗浄したりする際に利用する汚物流しユニットである。汚物流しユニットは、多目的トイレ室などに設置される。以下、各構成部材において、流し部10側(図1のX軸の正方向側)を前側、その反対側(図1のX軸の負方向側)を後側、上側(図1のZ軸の正方向側)を上側、下側(図1のZ軸の負方向側)を下側、流し部10に向かって右側(図1のY軸の正方向側)を右側、左側(図1のY軸の負方向側)を左側として説明する。
【0009】
配管ユニットUは、図1に示すように、流し部10とユニット本体11とを有する。流し部10は、ユニット本体11の前面に設けられる。ユニット本体11の前面には、流し部10以外に付属物が備えられる。付属物は、吐水口12及び水栓13のハンドル13A等である。
【0010】
ユニット本体11は、図2に示すように、フレーム14、上板15、前板16、側板17及び保持具44を有する。側板17は、必要に応じて、ユニット本体11のトイレ室の壁面Wに接しない側に取り付けられる。本実施形態では、ユニット本体11の左側がトイレ室の壁面Wに接し、ユニット本体11の右側に側板17が取り付けられる場合を説明する。保持具44は、電気温水器43を保持する。保持具44は、フレーム14に取り付けられる。
【0011】
フレーム14は、図2に示すように、第1フレーム21、第2フレーム22、第3フレーム23、側板固定部材24及び壁固定部材25を有する。第1フレーム21は、上下方向に延びる。第2フレーム22は、左右方向に延びる。第3フレーム23は、前後方向に延びる。
【0012】
第1フレーム21は、図2に示すように、フレーム14の左右両側に一対設けられる。第1フレーム21は、フレーム14の前面側に位置する。第1フレーム21は、左側に位置する左側フレーム21L及び右側に位置する右側フレーム21Rを有する。
【0013】
第2フレーム22は、図2に示すように、フレーム14の前面に設けられる。第2フレーム22は、フレーム14の上端部、中間部及び下端部に備えられる。第2フレーム22の左右両端部は、左側フレーム21L及び右側フレーム21Rに固定される。上端部の第2フレーム22は、左側フレーム21L及び右側フレーム21Rの上端を連結する。中間部の第2フレーム22には、排水フランジ26などが取り付けられる。下端部の第2フレーム22は、左側フレーム21L及び右側フレーム21Rに対して着脱自在である。下端部の第2フレーム22には、意匠面51が設けられる。意匠面51は、前板16の下方において前側に露出する。
【0014】
第3フレーム23は、図2に示すように、フレーム14の上面の左右両端部に設けられる。第3フレーム23の前端部は、左側フレーム21L及び右側フレーム21Rの上端に固定される。
【0015】
側板固定部材24は、図2に示すように、フレーム14の右側面に設けられる。側板固定部材24は、上下方向に所定の間隔をあけて複数配置される。各側板固定部材24は、前後方向に長い形状である。各側板固定部材24の前端部は、右側フレーム21Rに固定される。
【0016】
壁固定部材25は、図2に示すように、フレーム14の上部及び中間部に設けられる。上部の壁固定部材25は、左右の第3フレーム23に溶接によって固定される。上部の壁固定部材25は、ホースガイド27、バキュームブレーカ33用のブラケット28(図14参照)及びタンクプレート29を有する。中間部の壁固定部材25は、中間部の第2フレーム22に溶接によって固定される。壁固定部材25は、ネジによってトイレ室の壁面Wに固定される。
【0017】
上板15は、図2に示すように、フレーム14の上面に配置される。上板15は、左右方向に長い長方形状である。
【0018】
前板16は、図2に示すように、フレーム14の前面に配置される。前板16は、上下方向に3つに分割されている。前板16は、上前板16A、中前板16B及び下前板16Cを有する。
【0019】
上前板16A、中前板16B及び下前板16Cは、図3に示すように、いずれも長方形状である。上前板16A、中前板16B及び下前板16Cの左右方向の寸法は同じである。上前板16A、中前板16B及び下前板16Cの左右両端部は、左側フレーム21L及び右側フレーム21Rの前面に重なる。上前板16A、中前板16B及び下前板16Cの上下方向の寸法は異なる。上前板16Aの上下方向の寸法は、中前板16B及び下前板16Cの上下方向の寸法よりも小さい。中前板16Bの上下方向の寸法は、上前板16A及び下前板16Cの上下方向の寸法よりも大きい。中前板16Bの左右方向中央部に流し部10が配置される。流し部10の下端部は、下前板16Cの上端よりも下側に位置する。
【0020】
上前板16Aは、図3に示すように、フレーム14の上端部の前側を覆う。上前板16Aをユニット本体11から取り外した状態では、ユニット本体11の上端部に上部開口39が形成される(図12参照)。
【0021】
中前板16Bは、図3に示すように、フレーム14の上下方向の中間部の前側を覆う。中前板16Bの前面に流し部10、吐水口12及びハンドル13Aが設けられる。
【0022】
下前板16Cは、図3に示すように、フレーム14の下端部の前側を覆う。下前板16Cをユニット本体11から取り外した状態では、ユニット本体11の下端部に下部開口41が形成される(図10参照)。
【0023】
側板17は、図2に示すように、上下方向に長い長方形状である。側板17の下縁は、図3に示すように、トイレ室の床面Fから上側に離れて位置する。側板17の上縁は、上板15の上面よりも上側に位置する。
【0024】
図3に示すように、ユニット本体11の上部スペース31には、洗浄タンク32及びバキュームブレーカ33などが配置される。洗浄タンク32は、上部スペース31の左右方向中央部に配置される。バキュームブレーカ33は、上部スペース31の右上角部に配置される。
【0025】
図3に示すように、ユニット本体11の下部スペース42には、配管34及び電気温水器43が設置される。下部スペース42の左側は配管スペース35である。配管34は、排水管36及び給水管37である。給水管37は、洗浄タンク32用及び水栓13用である。配管34は、トイレ室の床面Fから立ち上がっている。給水管37には、それぞれ止水栓38が取り付けられる。電気温水器43は、フレーム14に固定された保持具44に保持される(図10参照)。
【0026】
保持具44は、図4に示すように、第1保持具44F及び第2保持具44Sを有する。第1保持具44Fは、電気温水器43の上側の部分を保持する。第1保持具44Fは、一対の側面部(第1側面部45及び第2側面部46と称する。)と、連結部47とを有する。第1側面部45及び第2側面部46は、電気温水器43の左右両側に配置される。第1側面部45及び第2側面部46は、電気温水器43の左右の側面と対向する。第1側面部45及び第2側面部46は、平行である。第1側面部45及び第2側面部46は、電気温水器43の左方及び右方への転倒を防ぐ。
【0027】
第1側面部45は、図4に示すように、第2側面部46よりも前後方向の寸法が大きい。第2側面部46の前後方向の寸法は、第1側面部45の前後方向の寸法の半分程度である(図9参照)。第2側面部46の前後方向の寸法は、電気温水器43の前後方向の寸法よりも小さい。第1側面部45には、左側フレーム21L及び右側フレーム21Rのいずれにも固定自在な固定部48が設けられている。固定部48は、第1側面部45のみに設けられる。固定部48には、ネジ孔48Hが形成されている。固定部48は、第1側面部45の前端寄りの位置に設けられる。ネジ孔48Hは、第1側面部45の上下の角部に配置されている。
【0028】
連結部47は、電気温水器43の後側に位置する。連結部47は、電気温水器43の後面と対向する。連結部47は、第1側面部45及び第2側面部に対して直角である。連結部47は、電気温水器43の後方への転倒を防ぐ。
【0029】
第1保持具44Fの上下両縁には、折り返し部49が設けられている。折り返し部49は、電気温水器43とは反対側に突出している。折り返し部49は、連結部47及び第1側面部45に連続している。
【0030】
第2保持具44Sは、図4に示すように、電気温水器43の下側の部分を保持する。第2保持具44Sは、下面部71と固定面部72とを有する。下面部71は、トイレ室の床面Fに配置される。下面部71は、左右方向に長い長方形状である。下面部71の前後方向の寸法は、電気温水器43の下面の前後方向の寸法よりも小さい。電気温水器43は、下面部71の上面に載置される。これによって、電気温水器43は、水平に安定して設置される。
【0031】
固定面部72は、下面部71の長手方向の端に設けられる。固定面部72は、下面部71に対して直角である。固定面部72は、電気温水器43の側面と対向する。固定面部72には、ネジ孔72Hが形成されている。
【0032】
保持具44は、図5及び図6に示すように、フレーム14の下部スペース42の左右どちら側にも取り付けできる。フレーム14は、保持具44が取り付けられる取付部74を2箇所に有する。取付部74は、左側フレーム21Lの下端部に設けられた左側取付部74L、及び右側フレーム21Rの下端部に設けられた右側取付部74Rを有する。保持具44は、左右の取付部74L,74Rから選択した取付部74に取り付けられる。
【0033】
左右の取付部74L,74Rは、図7及び図8に示すように、第1取付部74F及び第2取付部74Sを有する。第1取付部74Fには、第1保持具44Fが取り付けられる。第2取付部74Sには、第2保持具44Sが取り付けられる。第1保持具44Fと第2保持具44Sとは、上下に離れた位置に固定される。
【0034】
第1取付部74Fは、図7に示すように、フレーム14の下端部の第2フレーム22よりも上側に設けられている。第1取付部74Fには、ネジ孔75が形成されている。ネジ孔75には、フレーム14の内側からネジ73が締め付けられる。
【0035】
第2取付部74Sは、図8に示すように、左側フレーム21Lの下端部及び右側フレーム21Rの下端部に設けられている。第2取付部74Sは、左側フレーム21L及び右側フレーム21Rからトイレ室の床面Fに沿って後側に延びている。第2取付部74Sの後端は、フレーム14の前後方向中間に位置する(図9参照)。
【0036】
保持具44をフレーム14に取り付けた状態では、図9に示すように、第1保持具44Fの連結部47がトイレ室内の壁面Wから前側に離れる。これによって、フレーム14内の保持具44の後側には、後部スペース76が設けられる。第1保持具44Fの連結部47は、トイレ室内の壁面Wと略平行に配置される。後部スペース76は、給水管37などを配置できる大きさを有する。後部スペース76の前後方向の寸法(壁面Wと連結部47との間の前後方向の間隔)は、給水管37の外径よりも大きい。
【0037】
次に、配管ユニットUの施工手順の一例を説明する。まず、図2に示すように、フレーム14を配管ユニットUの設置場所に設置する。フレーム14の壁固定部材25をトイレ室の壁面Wにネジによって固定し、フレーム14に側板17を取り付ける。
【0038】
次に、図10に示すように、給水管37に止水栓38を取り付け、下部スペース42に電気温水器43を設置する。具体的には、まず下部開口41から下部スペース42に手を入れて給水管37に止水栓38を取り付ける。次に、下部開口41から下部スペース42に手を入れて第1保持具44F及び第2保持具44Sをフレーム14に取り付ける。下部スペース42の左右どちらか(配管34とは反対側)の第1取付部74Fに第1保持具44Fを取り付け、第2取付部74Sに第2保持具44Sを取り付ける(図7及び図8参照)。第1保持具44F及び第2保持具44Sは、図5及び図6に示すように、向きを反転させてフレーム14に取り付ける。第1保持具44Fをフレーム14の左右どちらに取り付けても、第2側面部46は、ユニット本体11の左右方向中心側に位置する。これによって、第1保持具44Fがホースの取り回しなどの邪魔になることを防ぐことができる。第2保持具44Sは、図示しない両面テープによって第2取付部74Sに接着し、ネジ77によって固定する(図8参照)。第2保持具44Sの下面部71はトイレ室の床面Fに載置される。
【0039】
フレーム14に保持具44を取り付けた後、保持具44に電気温水器43を仮置きする。第1保持具44Fの第1側面部45と第2側面部46との間に電気温水器43を入れ、電気温水器43の後面を連結部47に近づけ、電気温水器43を下面部71に載せる。電気温水器43を設置する際には、下端部の第2フレーム22を左側フレーム21L及び右側フレーム21Rから取り外す。電気温水器43を設置した後、下端部の第2フレーム22を左側フレーム21L及び右側フレーム21Rに取り付ける。
【0040】
次に、図11に示すように、下前板16C、中前板16B、上前板16Aをフレーム14に仮固定し、流し部10を中前板16Bに取り付ける。下前板16Cは、下端部の第2フレーム22にネジ固定する。中前板16Bは、下前板16Cの上縁に載せてフレーム14にネジ固定する。上前板16Aは、中前板16Bの上縁に載せてフレーム14にネジ固定する。このとき、中前板16Bの下縁と下前板16Cの上縁との間、及び上前板16Aの下縁と中前板16Bの上縁との間に隙間ができないようにする。
【0041】
次に、図12に示すように、上前板16Aを取り外し、上部開口39から上部スペース31に手をいれて、バキュームブレーカ33用のブラケット28を壁固定部材25に固定する。次に、吐水口12を中前板16Bに取り付け、吐水口12のホースをホースガイド27に通し、水栓13を中前板16Bに取り付ける。
【0042】
次に、図13に示すように、下前板16C及び下端部の第2フレーム22をフレーム14から取り外し、電気温水器43を下部スペース42から取り出す。図示しないホースによって電気温水器43と水栓13、及び電気温水器43と水栓13用の止水栓38を接続する。
【0043】
次に、図14に示すように、洗浄タンク32及びバキュームブレーカ33を設置した後、フレーム14に上前板16Aを取り付ける。具体的には、上部開口39(図12参照)から洗浄タンク32を上部スペース31に入れ、タンクプレート29に設置する。洗浄タンク32と洗浄タンク32用の止水栓38、及び洗浄タンク32と電気温水器43を図示しないホースで繋ぐ。その後、電気温水器43を下部スペース42に収納し、下端部の第2フレーム22及び下前板16Cを取り付ける。バキュームブレーカ33は、図14に示すように、バキュームブレーカ33用のブラケット28に取り付ける。その後、フレーム14に上前板16Aを取り付ける。
【0044】
次に、フレーム14の上面に上板15を取り付ける。具体的には、フレーム14の上面に面ファスナを取り付け、上板15を載置する(図1参照)。以上によって、配管ユニットUの施工が完了する。
【0045】
次に、上記のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。配管ユニットUは、フレーム14と、前板16と、上板15と、保持具44と、を備える。前板16は、フレーム14の前面側に配置される。上板15は、フレーム14の上面側に配置される。保持具44は、フレーム14に取り付けられ、電気温水器43を保持する。フレーム14は、保持具44が取り付けられる取付部74を複2箇所に有する。保持具44は、2つの取付部74から選択した取付部74に取り付けられる。この構成によれば、保持具44の取り付け位置を2箇所から選択できるから、電気温水器43の配置を容易に変えることができる。
【0046】
フレーム14は、左側に配置される左側フレーム21L及び右側に配置される右側フレーム21Rを有する。取付部74は、左側フレーム21L及び右側フレーム21Rに設けられている。この構成によれば、配管ユニットUの左側及び右側のいずれにも保持具44を取り付けることができるから、電気温水器43を左側及び右側のいずれの側にも配置できる。
【0047】
保持具44は、一対の側面部45,46と、連結部47と、を有する。一対の側面部45,46は、電気温水器43の左右両側に配置される。連結部47は、一対の側面部45,46を連結する。一対の側面部45,46のうち第1側面部45に、左側フレーム21L及び右側フレーム21Rのどちらにも固定自在な固定部48が設けられている。この構成によれば、一つの保持具44を左側フレーム21L及び右側フレーム21Rのどちらにも固定できる。よって、保持具44を共通化できる。
【0048】
保持具44は、床面Fに配置される下面部71を有する。下面部71の上面に電気温水器43が載置される。この構成によれば、床面Fの傾斜や凹凸などに影響されずに、電気温水器43を安定して設置できる。
【0049】
保持具44は、フレーム14内の下部スペース42における左側及び右側のいずれか一方の側に取り付けられる。給水管37及び排水管36は、フレーム14内の下部スペース42における左側及び右側の他方の側に配置される。この構成によれば、フレーム14内の下部スペース42を給水管37、排水管36、及び電気温水器43の配置に効率よく使うことができる。
【0050】
フレーム14内の保持具44の後側に、給水管37及び排水管36のうちいずれかを配置できる大きさの後部スペース76が設けられている。この構成によれば、給水管37及び排水管36の配置に係る選択肢が多いから、配管ユニットUの設置場所を選ばないようにできる。
【0051】
配管ユニットUは、前板16の前面に取り付けられる流し部10を有する。電気温水器43は、流し部10よりも下側に配置されている。この構成によれば、流し部10の下側のスペースを有効利用し、配管ユニットUをコンパクトにできる。
【0052】
前板16は、フレーム14に対して着脱自在である。この構成によれば、前板16をフレーム14に仮固定し、取り外し、再び固定する等の作業を容易に行うことができる。
【0053】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態において配管ユニットUは、汚物流しユニットである。これに限らず、配管ユニットは、便器を備えたトイレユニットや、洗面器を備えた洗面ユニットなどであってもよい。
(2)上記実施形態において前板16は、上下方向に3つに分割されている。これに限らず、前板は2分割、あるいは4分割以上であってもよい。
(3)上記実施形態においてフレーム14は、取付部74を2箇所に有する。これに限らず、フレームは、取付部を3箇所以上に有してもよい。
(4)上記実施形態において取付部74は、第1フレーム21に設けられる。これに限らず、取付部は、第2フレーム及び第3フレームのいずれかに設けてもよい。
(5)上記実施形態において保持具44は、フレーム14の下部スペース42に配置される。これに限らず、保持具は、フレームの上部スペースに配置されてもよい。
(6)上記実施形態において保持具44は、第1保持具44F及び第2保持具44Sを有する。これに限らず、保持具は、1つの部材によって構成されてもよいし、3つ以上の部材によって構成されてもよい。
(7)上記実施形態では、保持具の具体的な構成を例示した。これに限らず、保持具の構成は変更できる。
【符号の説明】
【0054】
F…床面、U…配管ユニット、10…流し部、14…フレーム、15…上板、16…前板、21L…左側フレーム、21R…右側フレーム、36…排水管、37…給水管、42…下部スペース、43…電気温水器、44…保持具、47…連結部、48…固定部、71…下面部、74…取付部、76…後部スペース
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